JP2016222398A - タワークレーン - Google Patents

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前原 幸雄
Yukio Maehara
幸雄 前原
実 戸井田
Minori Toida
実 戸井田
茂明 宗
Shigeaki So
茂明 宗
政裕 引地
Masahiro Hikichi
政裕 引地
智 角波
Satoru Kadonami
智 角波
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Abstract

【課題】分解の際のスペースの長さを、タワーブームの全長よりも短い長さに縮減することができるタワークレーンを提供する。
【解決手段】タワージブ40は、上部ジブ41と、下部ジブと42と、連結機構110を有する。タワーブーム20は、上部ブーム21と、下部ブーム22と、折曲げ機構30を有する。起立したタワーブーム20からタワージブ40が垂下した状態で、上部ジブ41を前方側に向けて回動し、連結機構40の回動支軸45を取り外すことにより上部ジブ41が下部ジブ42から分離される。さらに、折曲げ機構30の固定部材を外し、上部ブーム21を起立したまま連結軸153を支軸として下部ブーム22を倒伏して、連結軸153を取り外すことにより上部ブーム21が下部ブーム22から分離される。
【選択図】図12

Description

本発明はタワークレーンに関する。
タワークレーンの中でも、ジブが直立まで任意の角度で固定できる、ジブが伸縮しないクローラクレーンは、以下の基本構造を備える。クローラベルトを有する下部走行体上に上部旋回体が旋回可能に装着されている。上部旋回体には、タワーブームが起伏可能に取付けられている。タワーブームの上端側には、伸縮しないタワージブがタワーブームに対して起伏可能に軸支されている。タワーブームの上端側の他の部分には、タワージブとペンダントロープとの間に介装され、タワージブを起伏する際の補助部材となるタワーストラットが軸支されている。
この形式のタワークレーンは、タワーブーム上に伸縮しないタワージブが取付けられている。このため、組立および分解時に広いスペースが必要とされる。特に、分解時は、高層建築物の建設が完了しているため、タワークレーンを分解するために十分なスペースを確保することが困難である。
タワークレーンの分解方法として、タワージブをタワーブームとほぼ平行になるように折畳んだ状態で、タワーブームを倒伏し、タワーストラッドの一部を接地させた状態で、タワーブームおよびタワージブを分離する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−97866号公報
上記特許文献1に記載されたタワークレーンでは、分解時にタワーブーム全長以上の長さのスペースが必要となる。
本発明のタワークレーンは、走行体と、走行体に旋回可能に設けられた旋回体と、旋回体の前方側に設けられた運転室と、上部ブームと下部ブームとを有し、旋回体に起伏可能に取付けられたタワーブームと、上部ブームと下部ブームとを折曲げ可能に連結する折曲げ機構と、上部ジブと下部ジブとを有し、下部ジブの下端部が上部ブームの上端部に回動可能に取付けられたタワージブと、上部ジブと下部ジブとを回動可能に連結する連結機構と、上部ブームの上端に揺動可能に設けられた、タワージブを起伏するためのタワージブ起伏補助部材と、旋回体およびタワーブームとの間に介装されたタワーバックストップと、フックと、フックを昇降するための主巻ロープと、タワーブームを起伏するためのタワー起伏ロープおよびタワー起伏支持ペンダントロープと、タワージブを起伏するためのタワージブ起伏ロープおよびタワージブ起伏補助部材を揺動するポスト支持ペンダントロープと、を備え、上部ブームおよび下部ブームは、それぞれ、上下方向に延在された前方側および後方側の主材を有し、折曲げ機構は、上部ブームおよび下部ブームそれぞれの前方側の主材を相互に固定する、装脱可能な固定部材と、後方側の主材の後方に設けられ、上部ブームおよび下部ブームを回動可能に軸支する、装脱可能な連結軸とを有し、連結機構は、下部ジブと上部ジブとを回動可能に軸支する、装脱可能な回動支軸を有し、タワーブームが所定角度に起立し、タワージブが上部ブームの上端部から垂下した状態で、連結機構の回動支軸を支軸として上部ジブを前方側に向けて回動し、連結機構の回動支軸を取り外すことにより上部ジブが下部ジブから分離され、さらに、折曲げ機構の固定部材を外し、下部ジブが取付けられた状態で、上部ブームを所定角度に維持しながら連結軸を支軸として下部ブームを倒伏し、連結軸を取り外すことにより上部ブームが下部ブームから分離される。
本発明によれば、タワークレーン分解の際のスペースの長さを、タワーブームの全長よりも短い長さに縮減することができる。
本発明のタワークレーンの一実施の形態を示し、タワージブの抱込み状態を示す側面図。 図1に示すタワークレーンの作業姿勢における側面図。 図1、図2に示すタワークレーンの分解方法を説明するための図であり、タワージブを抱込んだ状態の側面図。 図3の次の工程を説明するための側面図。 図4の次の工程を説明するための側面図。 図5の次の工程を説明するための側面図。 図6の次の工程を説明するための側面図。 図7の次の工程を説明するための側面図。 図8の次の工程を説明するための側面図。 図9の次の工程を説明するための側面図。 図10の次の工程を説明するための側面図。 図11の次の工程を説明するための側面図。 図12の次の工程を説明するための側面図。 図13の次の工程を説明するための側面図。 図14の次の工程を説明するための側面図。 タワージブブライドルをタワージブベイルに固定する構造を示す側面図。 (a)は、下部タワー起伏支持ペンダントロープを下部タワーブームに連繋した状態を示す側面図、(b)は、(a)のXVIIb−XVIIb線断面図、(c)は,(a)のXVIIc−XXVIIc線拡大断面図。 (a)は、上・下部タワージブの連結機構を示す側面図、(b)は、(a)の前方から見た側面図。 (a)はタワーバックストップの側面図、(b)は、(a)のXIXb−XIXb線拡大断面図。 上・下部タワーブームの折曲げ機構の第1の実施形態を示す側面図。 (a)〜(c)は、図20に示す折曲げ機構の動作を示す側面図。 折曲げ機構の第2の実施形態を示す側面図。 (a)〜(c)は、図22に示す折曲げ機構の動作を示す側面図。 (a)は、折曲げ機構の第3の実施形態を示す側面図、(b)は、(a)の前方から見た側面図。 (a)〜(c)は、図24(a)に示す折曲げ機構の動作を示す側面図。 (a)は、折曲げ機構の実施形態4を示す側面図、(b)は、(a)の前方から見た側面図。 (a)〜(c)は、図26(a)に示す折曲げ機構の動作を示す側面図。 図1におけるタワーストラット80の周辺の領域XXVIIIの拡大図。 図28においてロック機構によりタワーストラットをロックした状態の図。 図29のXXX−XXX線断面図。 図28に図示された解放状態のロック機構の拡大図。 図29に図示されたロック機構のロック状態を示す拡大図。 図1のXXXIII線断面図。 図33のx方向から観た側面図。 図34において、下部タワージブを保持した状態を示す側面図。 本発明によるタワークレーンの分解の際に必要とされるスペースの減縮可能な長さを説明するための図。
[タワークレーンの構造]
(下部走行体)
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。
図1は、本発明のタワークレーン1の一実施の形態を示し、タワージブの抱込み状態を示す側面図であり、図2は、図1に示すタワークレーンの作業姿勢における側面図である。
タワークレーン1は、下部走行体2と、下部走行体2に旋回可能に装着されたメインフレーム3aを有する上部旋回体3を有する。下部走行体2は、左右方向に配置された一対のクローラベルト2aを有する。クローラベルト2aは、図示はしないが、駆動ローラ、従動ローラ、複数の上・下ローラの外周に捲回されている。駆動ローラを不図示の駆動モータにより駆動することにより、下部走行体2が前後方向に走行する。
(上部旋回体)
上部旋回体3の前方には運転室4が設けられている。上部旋回体3の後方には、カウンタウエイト5が設けられている。運転室4とカウンタウエイト5との間には、不図示のエンジンや燃料タンク等を覆う車体カバー6が設けられている。メインフレーム3aの運転室4の左側方上には、タワーブーム20が、メインフレーム3aに起伏可能に設けられている。なお、以下の説明では、カウンタウエイト5から運転室4を観た方向を前方、カウンタウエイト5から運転室4を観た方向を後方とする。また、運転室4から前方を観た状態で、右手側を右方、左手側を左方とする。
メインフレーム3aには、タワーブーム20とメインフレーム3aとに連結されたタワーバックストップ50が設けられている。メインフレーム3aには、上端に不図示のシーブが軸支されたガントリ11が設けられている。メインフレーム3aには、前方から後方に向けて、順次、主巻ドラム12、タワージブ起伏ドラム13、タワーブーム起伏ドラム14が配置されている。主巻ドラム12、タワージブ起伏ドラム13、タワーブーム起伏ドラム14は、それぞれ、不図示の駆動モータにより回動される。
タワーブーム20の上端側の後方端部26には、タワーストラット80が、タワーブーム20に対して揺動可能に取付けられている。タワーブーム20の上端側の前方端部25には、タワージブ40がタワーブーム20に対して起伏可能に取付けられている。
(主巻ロープ)
主巻ロープ61は、一端側が主巻ドラム12に巻き付けられている。主巻ロープ61は、タワーブーム20に軸支された第2シーブ102およびタワージブ40の先端に軸支された第3シーブ103に巻回されたうえ、フック装置15に巻回されている。第3シーブ103は、同軸上に複数個配列され、フック装置15には、フックシーブ15a(図2参照)が複数個、取付けられており、主巻ロープ61は、第3シーブ103とフック装置15のフックシーブ15aとの間を複数回、巻回される。主巻ロープ61の他端側は、タワージブ40の上端側近傍に設けられた不図示のロープソケット取付部に取付けられている。主巻ロープ61の他端側が、フック装置15に設けられたロープソケット取付部に取付けられることもある。
(タワー起伏ロープ)
タワー起伏ロープ63は、一端側がタワーブーム起伏ドラム14に巻き付けられている。タワー起伏ロープ63は、ガントリ11に軸支された不図示のシーブを介してタワーベイル71のシーブ(図示せず)とタワーブライドル72のシーブ(図示せず)との間に複数回、巻回されている。そして、タワー起伏ロープ63の他端側は、タワーベイル71に掛け止めされている。タワーブライドル72には、タワー起伏支持ペンダントロープ64の一端側が取付けられている。タワー起伏支持ペンダントロープ64の他端側は、タワーブーム20の上端に取付けられている。タワー起伏支持ペンダントロープ64は、長さ方向の中間部に連繋機構90を備えている。連繋機構90については後述する。
タワーブーム起伏ドラム14によりタワー起伏ロープ63を巻取りまたは巻出すことにより、タワーブライドル72がタワーベイル71に接近または離間するように移動する。これにより、タワーブライドル72とタワーブーム20とを接続するタワー起伏支持ペンダントロープ64を介して、タワーブーム20が起伏する。
(タワージブ起伏ロープ)
タワージブ起伏ロープ62は、一端側がタワージブ起伏ドラム13に巻き付けられている。タワージブ起伏ロープ62は、タワージブベイル73のシーブ(図示せず)とタワージブブライドル74のシーブ(図示せず)との間に複数回、巻回されている。そして、タワージブ起伏ロープ62の他端側は、第1シーブ101を介してタワージブベイル73に掛け止めされている。タワージブブライドル74には、ポスト支持ペンダントロープ65の一端側が取付けられている。ポスト支持ペンダントロープ65の他端側は、タワーストラット80の一端部84aに取付けられている。タワーストラット80の他端部84bには、タワージブ支持ペンダントロープ66の一端側が取付けられている。タワージブ支持ペンダントロープ66の他端側は、タワージブ40の先端に取付けられている。
なお、図1、図2において、各ロープ61〜66は、図面の明確化のため、太い線で図示されている。
(タワーストラット)
タワーストラット80は、第1枠体81と、第2枠体82と、連結体83とを有する。第1枠体81の一端と第2枠体82の一端とは不図示の連結部材により回動可能に連結され、第1枠体81の他端と第2枠体82の他端とは、それぞれ、連結体83の一端および他端に連結されている。これにより、タワーストラット80は全体として三角形状に形成されている。第1枠体81と第2枠体82とを連結する連結部材はタワーブーム20の上端側の後方端部26に挿通される支軸29(図1、図28等参照)に回動可能に軸支されている。第2枠体82と連結体83との連結部が、上述のタワーストラット80の一端部84aであり、ポスト支持ペンダントロープ65の他端側が取付けられる。第1枠体81と連結体83との連結部が、上述のタワーストラット80の他端部84bであり、タワージブ支持ペンダントロープ66の一端側が取付けられる。
連結体83は、回動可能に連結された2つの分割片で形成されている。第1枠体81と第2枠体82とは、相互に回動可能に連結されている。これにより、タワーストラット80は、搬送時には、連結体83の中間部で折畳むことが可能となっている。
なお、図示はしないが、第1、第2枠体81、82および連結体83は、それぞれ左右に一対ずつ配置されており、左右方向に延在される複数の連結部材により相互に連結された立体構造を有している。
(タワージブ起伏動作)
図1に図示されたタワージブ40が格納された状態において、タワージブ起伏ドラム13によりタワージブ起伏ロープ62を巻取ることにより、タワージブブライドル74がタワージブベイル73側に接近する。これにより、ポスト支持ペンダントロープ65が、タワージブベイル73側に移動する。このため、タワーストラット80がタワーブーム20の上端側の後方端部26に軸支された支軸29を中心として、図1において反時計方向に回動する。タワーストラット80が反時計方向に回動するに伴い、タワージブ支持ペンダントロープ66が上方に引き上げられる。そして、タワージブ支持ペンダントロープ66の一端側が取付けられたタワージブ40がタワーブーム20の上端側の前方端部25に軸支された支軸を中心として反時計方向に回動する。つまり、タワージブ40が起立する。
タワークレーン1の作業姿勢を示す図2の状態では、タワーストラット80の他端部84bには、タワージブ支持ペンダントロープ66を介して、タワージブ40の自重によるモーメント力が作用している。タワーストラット80は、タワーストラット80の一端部84aに取付けたポスト支持ペンダントロープ65により、タワージブ40の自重によるモーメント力に抗して任意の起伏角度に維持される。タワージブ40が起立した状態から、タワージブ起伏ドラム13によりタワージブ起伏ロープ62を巻出すと、自重により、タワージブ40が時計方向に回動する。これと共に、タワーストラット80がタワーブーム20の上端側の後方端部26の支軸29を中心として時計方向に回動する。そして、タワージブ40が、最終的に、図1に図示されるようにタワーブーム20とほぼ平行に配置された抱込み状態となる。従って、タワージブ起伏ドラム13によるタワージブ起伏ロープ62の巻取り量、巻出し量を調整して、伸縮しないタワージブ40を、直立まで任意の角度で固定することができる。
なお、タワージブ40は、通常、図1に図示される抱込み状態では、タワージブ連結装置16によりタワーブーム20に固定される。タワージブ連結装置16としては、例えば、後述するタワージブ保持機構160と同様な構造を用いることができる。
(タワージブバックストップ)
タワージブバックストップ86は、一端86a側がタワージブ40に回動可能に取付けられている。タワージブバックストップ86の他端86bは、自由端となっている(図1参照)。タワージブバックストップ86の他端86b近傍には、タワージブバックストップ86とタワージブ40とを接続する支持部材87が設けられている。支持部材87は、中間位置で折畳み可能な構造となっている。支持部材87を折畳みながら、タワージブバックストップ86を回動することにより、タワージブバックストップ86をタワージブ40に接近する位置である格納位置に格納することができる。
支持部材87は、通常、解放状態とされており、この状態で、タワージブバックストップ86がタワージブ40と共に回動する。タワージブ40が所定の角度に起立すると、図2に図示されるように、タワージブバックストップ86の他端86bが、タワーブーム20の上端に設けられた不図示の係止部材に当接する。これにより、タワージブ40がそれ以上に反時計方向に回動するのが規制される、すなわち、起立するのが規制される。つまり、タワージブバックストップ86は、タワージブ40が最大角度以上に回動しないようにタワージブ40の回動範囲を機械的に制限する。
(タワーバックストップ)
図19(a)はタワーバックストップ50の側面図であり、図19(b)は、図19(a)のXIXb−XIXb線拡大断面図である。
タワーバックストップ50は、タワーブーム20が最大角度以上に回動しないようにタワーブーム20の回動範囲を制限する。
タワーバックストップ50は、外筒51と、内筒52と、圧縮ばね53とを有する。
外筒51の一端には、タワーブーム20に回動可能に取付けられる取付部材54が設けられている。取付部材54は、タワーブーム20に設けられた不図示の取付部にピン54aにより軸支されている。内筒52は、外筒51の内側に摺動可能に取付けられている。内筒52の一端には、メインフレーム3aに回動可能に取付けられる保持部材55が設けられている。保持部材55は、メインフレーム3aにピン55aにより軸支されている。圧縮ばね53は、内筒52の外周に挿通されて、外筒51の他端部51bと保持部材55との間に設けられている。圧縮ばね53は、常時、圧縮状態とされており、外筒51をタワーブーム20側に付勢している。
図19(b)に図示されるように、外筒51には、長さ方向の中間位置にピン孔51aが設けられている。また、内筒52には、長さ方向の中間位置にピン孔52aが設けられている。外筒51のピン孔51aおよび内筒52のピン孔52aは、規制ピン57が挿脱可能である。
なお、図示はしないが、メインフレーム3a上には外筒51の変位に連動するリミットスイッチが配置されている。
タワーブーム20の起立と共に、圧縮ばね53を圧縮しながら、外筒51が下方に移動する。タワーブーム20が所定角度に起立すると、リミットスイッチを介して信号が出力され、タワーブーム起伏ドラム14を駆動する駆動モータ(図示せず)が停止する。このため、タワーブーム20は、この最大起立角度に保持される。通常、タワーブーム20の最大起立角度は、ほぼ90度である。
タワーブーム20が、後述する所定角度、前方に傾斜した状態で、外筒51のピン孔51aおよび内筒52のピン孔52aとは同一位置となり、規制ピン57が挿脱可能となる。
なお、上記では、圧縮ばね53が挿通された内筒52側をメインフレーム3aに固定し、外筒51側をタワーブーム20に固定した構造として例示した。しかし、圧縮ばね53が挿通された内筒52側をタワーブーム20に固定し、外筒51側をメインフレーム3aに固定するようにしてもよい。
(タワージブ)
図1に示すように、タワージブ40は、上部タワージブ41と、下部タワージブ42と、上部タワージブ41と下部タワージブ42とを回動可能に連結する連結機構110とを備えている。
図18(a)は、上・下部タワージブ41、42の連結機構110を示す側面図であり、図18(b)は、図18(a)の前方から見た側面図である。なお、図18(a)、(b)は、タワージブ40が、図1に図示されるように、第3シーブ103が設けられた先端部側を下方にして抱込み状態とされた状態の拡大図である。
上・下部タワージブ41、42は、それぞれ、前方側の一対の主材41a、42aと、後方側の一対の主材41b、42b(図1、図2参照)を有する。つまり、上・下部タワージブ41、42は、それぞれ、矩形の各コーナー部に主材41a、41bまたは42a、42bが前方側および後方側に一対ずつ配置された構造を有する。主材41a、41b、42a、42bは、例えば、丸パイプ材により形成されている。なお、上・下部タワージブ41、42それぞれの前方側の一対の主材41a、42aと後方側の一対の主材41b、42bとは、図2に図示されたタワージブ40が起立した状態では、図1に図示された抱込み状態とは、前後が逆となる。
上部タワージブ41と下部タワージブ42との連結機構110は、前方側と後方側とで同様であるので、以下では、前方側の連結機構110について説明する。
主材41a、42aが互いに対向する端部側には、それぞれ、連結端部43、44が設けられている。図18(b)において、連結端部44の中心線は主材42aの中心線上に位置している。また、連結端部43は、主材41aの中心線に対して、左右対称に一対、離間して設けられている。連結端部43の離間部には、連結端部44が挿通される。各連結端部43および連結端部44には、それぞれ、左右方向に貫通する貫通孔43a、44aが設けられている。連結端部44を連結端部43の離間部に挿入し、貫通孔43a、44aに回動用連結ピン45を挿通することにより、上部タワージブ41と下部タワージブ42とが回動可能に連結される。
なお、後部側における主材41bと主材42bとの連結機構は、回動可能とせず、締結部材等を用いて連結するようにしてもよい。
(タワーブーム)
図1、図2に示すように、タワーブーム20は、上部タワーブーム21と、下部タワーブーム22と、タワーブーム基礎部23と、折曲げ機構30と、連結機構120とを有する。折曲げ機構30は、上部タワーブーム21と下部タワーブーム22とを折曲げ可能に連結する。連結機構120は、下部タワーブーム22とタワーブーム基礎部23とを連結する。
(折曲げ機構の第1の実施形態)
図20は、上・下部タワーブーム21、22の折曲げ機構30の第1の実施形態を示す側面図であり、図21(a)〜(c)は、図20に示す折曲げ機構30の動作を示す側面図である。
上・下部タワーブーム21、22は、それぞれ、前方側の一対の主材21a、22aと、後方側の一対の主材21b、22bとを有する。上部タワーブーム21の前方側の主材21aの下端連結部31と下部タワーブーム22の前方側の主材22aの上端連結部32には、それぞれ、ピン孔31a、32a(図21参照)が形成されている。ピン孔31a、32aには前方ピン151が挿脱可能とされている。上部タワーブーム21の後方側の主材21bの下端連結部31と下部タワーブーム22の後方側の主材22bの上端連結部32には、それぞれ、ピン孔31b、32bが形成されている(図21参照)。ピン孔31b、32bには後方ピン152が挿脱可能とされている。
上部タワーブーム21の主材21bの下端側の後方側面には、回動用リンク33が取付けられている。下部タワーブーム22の主材22bの上端側の後方側面には、回動支持リンク34が取付けられている。回動支持リンク34の一端部は、主材22bの上端部より上方に延在されて回動用リンク33に重なっている。回動支持リンク34および回動用リンク33の相互に重なる部分には、回動用孔がそれぞれ設けられており、この回動用孔に連結ピン153が挿通されている。つまり、連結ピン153は、上部タワーブーム21の主材21bと下部タワーブーム22の主材22bとが連結される後方ピン152より後方に位置している。上部タワーブーム21は、連結ピン153を支軸として回動可能となっている。
図21(a)〜(c)により、図20に示す折曲げ機構30による上部タワーブーム21の動作を説明する。
主材21aの下端連結部31のピン孔31aと主材22aの上端連結部32のピン孔32aに挿通されている前方ピン151を抜く。また、主材21bの下端連結部31のピン孔31bと主材22bの上端連結部32のピン孔32bに挿通されている後方ピン152を抜く。この状態では、連結ピン153を中心として、下部タワーブーム22は上部タワーブーム21に対して相対的に回動する。つまり、上部タワーブーム21の垂直状態を維持しながら下方に移動すると、下部タワーブーム22が連結ピン153を支軸として時計方向に回動する、すなわち、前方に倒伏する(図21(a)参照)。図21(b)〜(c)は、下部タワーブーム22の時計方向に回動する角度を、徐々に大きくしていった状態を示す。下部タワーブーム22は、回動の中心となる連結ピン153が、主材21bのピン孔31bと主材22bのピン孔32bとに挿通されている後方ピン152よりも後方に位置している。このため、下部タワーブーム22の主材22bが上部タワーブーム21の主材21bに干渉すること無く回動することができ、下部タワーブーム21が接地する角度まで、すなわち、下部タワーブーム22とほぼ垂直となる角度まで下部タワーブーム22を回動することができる。
図1、図2に示すように、連結機構120は、連結機構110と同様な構造である。すなわち、図1、図2における、タワーブーム基礎部23の後方側の主材23bと下部タワーブーム22の後方側の主材22bとは不図示の連結ピンにより回動可能に連結されている。タワーブーム基礎部23の前方側の主材23aと下部タワーブーム22の前方側の主材22aとは、回動可能に連結されていてもよいが、締結部材などにより着脱可能に連結されていてもよい。
(タワー起伏支持ペンダントロープの連繋機構)
タワー起伏支持ペンダントロープ64は、上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aと下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bと、連繋機構90を有する。連繋機構90は、上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aと下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bとを分離可能に連繋する。
図17(a)は、下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bを下部タワーブーム22に連繋した状態を示す側面図であり、図17(b)は、図17(a)のXVIIb−XVIIb線断面図であり、図17(c)は,図17(a)のXVIIc−XVIIc線拡大断面図である。
連繋機構90は、連繋リンク91と、支持用リンク92と、下部タワーブーム22の上端部に設けられた固定用ブラケット93と、ピン94a〜94cとを有する。連繋リンク91は、肉厚の一端部91aおよび他端部91bを有する板状部材である。支持用リンク92は、その厚さ方向に離間して配置された一対の支持板92aを有する。一対の支持板92aの下部側の離間部には、下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bの上端に設けられたアイエンドスリーブ67が挿入されている。一対の支持板92aの上部側の離間部には、連繋リンク91の他端部91bが挿入されている。連繋リンク91の一端部91aは、上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aの下端部に設けられたフォークエンドスリーブ68のU字形状の端部の間に挿入されている。
一対の支持板92aとアイエンドスリーブ67とは、それぞれに設けられたピン孔に挿通されるピン94aにより回動可能に取付けられている。一対の支持板92aと連繋リンク91とは、それぞれに設けられたピン孔に挿通されるピン94bにより回動可能に取付けられている。連繋リンク91とフォークエンドスリーブ68とは、それぞれに設けられたピン孔に挿通されるピン94cにより回動可能に取付けられている。通常、すなわち、タワークレーン1を分解するとき以外は、所定の箇所にピン94a〜94cが挿通され、上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aと下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bとが連繋機構90を介して連繋されている。図1、2に示すように、この状態では、上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aの上端側は、タワーブーム20の上端部に固定されている。
連繋機構90の支持用リンク92は、下部タワーブーム22に取付けられた固定用ブラケット93に取付けることが可能となっている。一対の支持板92aの離間部の隙間は、固定用ブラケット93の板厚よりも大きく形成されている。支持用リンク92を固定用ブラケット93に取付けるには、一対の支持板92aの離間部に固定用ブラケット93に差込み、一対の支持板92aおよび固定用ブラケット93に設けられた貫通孔に取付用ピン95を挿通する。この状態の断面図を図17(c)に示す。取付用ピン95は、一対の支持板92aおよび固定用ブラケット93に設けられた貫通孔に挿脱可能となっている。支持用リンク92を固定用ブラケット93に取付ける前に、ピン94cを抜いて上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aから切り離しておくと作業が容易となる。このようにすることで、タワー起伏支持ペンダントロープ64によるタワーブーム20の支持を、タワーブーム20の上端から、タワーブーム20の中間部に転移することができる。
(タワーストラット)
タワーブーム20の上端には、タワーストラット80を所定の姿勢に保持するロック機構180が設けられている(図28等参照)。
タワージブ起伏動作の説明において述べた通り、タワークレーン1の作業姿勢を示す図2の状態では、タワーストラット80は、ポスト支持ペンダントロープ65により、タワージブ支持ペンダントロープ66を介して作用するタワージブ40の自重によるモーメント力に抗して任意の起伏角度に維持されている。したがって、ポスト支持ペンダントロープ65またはタワージブ支持ペンダントロープ66がタワーストラット80から取り外された場合には、タワーストラット80は、外力、例えば、風等により揺らぎや倒れが発生する可能性がある。また、図1に図示されるタワージブ40が抱込み状態では、タワージブ支持ペンダントロープ66は緩んでおり、タワーストラット80には、タワージブ支持ペンダントロープ66からの張力は作用していない。このため、この状態では、タワーストラット80は、後方への揺らぎや倒れが発生する可能性がある。
ロック機構180は、このような不安定な状態のタワーストラット80をロックするためのものである。以下、ロック機構180について説明する。
図28は、図1におけるタワーストラット80の周辺の領域XXVIIIの拡大図であり、図29は、図28においてロック機構180によりタワーストラット80をロックした状態の図である。図30は、図29のXXX−XXX線断面である。図31は、図28に図示された解放状態のロック機構180の拡大図であり、図32は、図29に図示されたロック機構180のロック状態を示す拡大図である。
ロック機構180は、一対の連結リンク181と、リリースレバー182と、支持部材183と、一対の戻しばね184と、支軸185と、一対の係合ピン186とを有する。
支持部材183は、左右方向に延在されており、各端部においてU字型の取付金具192によりタワーブーム20に設けられた保持用部材24に取付けられている。保持用部材24は、例えば、丸パイプ材等により形成されている。
支持部材183には、固定片183aが設けられている。支持部材183には、左右方向に延在された支軸185が支持部材183に対して回動可能に取付けられている。各係合ピン186は、タワーストラット80の左右の第2枠体82に固定されている。各連結リンク181は、支軸185の左右の端部のそれぞれに固定されている。連結リンク181の先端にはフック部181aが形成されている。連結リンク181のフック部181aとの反対側には、リリースレバー182が取り付けられている。リリースレバー182と固定片183aには、引張ばねで形成された戻しばね184が懸架されている。
リリースレバー182は、戻しばね184により、常時、固定片183a側に付勢されている。リリースレバー182の下端部には、リリースハンドル191が取り付けられている。リリースハンドル191は、地上の作業者が操作可能な位置まで垂下されている。リリースハンドル191を下方に引くと、リリースレバー182と共に連結リンク181が反時計方向に回動する。この状態は、連結リンク181のフック部181aが係合ピン186から外れた解放状態である。
リリースハンドル191に張力が作用していない状態では、戻しばね184の付勢力により、リリースレバー182と共に連結リンク181が時計方向に回動し、図29、図32に図示されるように、連結リンク181のフック部181aが係合ピン186に係合するロック状態となる。このため、タワーストラット80は、連結リンク181を介してタワーブーム20に連結され、回動が規制される。タワージブ40がタワーブーム20に折込まれた状態では、タワーストラット80を分解するとき以外は、タワーストラット80は、ロック機構180によりロックされている。
(タワージブ保持機構)
タワークレーン1は、さらに、図1に図示されるように、上部タワーブーム21に下部タワージブ42を保持するタワージブ保持機構160を有する。タワージブ保持機構160は、連結機構110の上方に設けられている。タワージブ保持機構160は、タワークレーン1を分解する工程において操作される。以下、タワージブ保持機構160について説明する。
図33は、図1のXXXIII線断面図であり、図34は、図33のx方向から観た側面図であり、図35は、図34において、下部タワージブ42を保持した状態を示す側面図である。
タワージブ保持機構160は、一対の保持用リンク161と、リリースレバー162と、支持部材163と、一対の戻しばね164と、支軸165と、係合用軸166とを有する。
支持部材163は、左右方向に延在されており、各端部においてU字型の取付金具172により上部タワーブーム21の前方側の主材21aに取付けられている。
支持部材163には、固定片163aが設けられている。支持部材163には、左右方向に延在された支軸165が支持部材163に対して回動可能に取付けられている。係合用軸166は、支軸165と平行に左右方向に延在され、U字型の取付金具173により下部タワージブ42の後方側の主材42bに取付けられている。係合用軸166は、前方側の主材21aの間隔よりも長く形成されており、両側の端部は、それぞれ、主材21aから左方または右方に突き出している。保持用リンク161は、支軸165の左右の端部のそれぞれに固定されている。保持用リンク161の先端にはフック部161aが形成されている。保持用リンク161のフック部161aとの反対側には、リリースレバー162が取り付けられている。リリースレバー162と固定片163aには、引張ばねで形成された戻しばね164が懸架されている。
リリースレバー162は、戻しばね164により、常時、固定片163a側に付勢されている。リリースレバー162の先端部側には、リリースハンドル171が取付けられている。リリースハンドル171は、地上の作業者が操作可能な位置まで垂下されている。リリースハンドル171を下方に引くと、リリースレバー162と共に保持用リンク161が反時計方向に回動し、図34に図示されるように、係合用軸166から外れた解放状態となる。リリースハンドル171が引かれていない状態では、図35に図示されるように、保持用リンク161が時計方向に回動してフック部161aが係合用軸166に係合し、下部タワージブ42が上部タワーブーム21に固定される。
[タワークレーンの分解]
図3〜図15を参照して、タワークレーン1の分解方法を説明する。
タワークレーン1の分解工程は、大きく分類すると、下記の4段階から構成される。
第1段階(図3〜図7参照):上部タワージブ41の分離
第2段階(図8〜図11参照):上部タワーブーム21の折曲げ
第3段階(図12〜図13):上部タワーブーム21の分離
第4段階(図14〜図15参照):下部タワーブーム22の分離
以下、各段階別に順次説明する。
(第1段階):上部タワージブ41の分離
工程1・1(図3参照);
図1に図示されたタワージブ40の抱込み状態において、フック装置15を主巻ロープ61から分離する。主巻ロープ61の端部を、タワージブ40の上端側近傍に設けられた不図示のロープソケット取付部から取り外し、フック装置15を主巻ロープ61から取外す。タワージブ40の抱込み状態では、タワーブーム20は、最大角度であるほぼ90度に起立した状態となっている。また、タワーストラット80のロック機構180は、図29、図32に図示されるように、連結リンク181のフック部181aが係合ピン186に係合するロック状態となっている。さらに、タワージブ保持機構160は、リリースハンドル171に張力が作用しておらず、図35に図示されるように、保持用フック161のフック部161aが係合用軸166に係合した、下部タワージブ42の保持状態となっている。
タワークレーン1が、図2に図示された作業状態の場合には、一旦、図1に図示されるようにタワーブーム20を抱込み状態にする。また、タワージブ40がタワージブ連結装置16によりタワーブーム20に固定されている場合には、タワージブ連結装置16を解放状態にしておく。
なお、主巻ロープ61は、後述する工程において主巻ドラム12に巻取るが、タワーブーム20が起立している状態では行わないようにする。理由は、タワーブーム20が起立している状態で主巻ロープ61を巻取っていくと、主巻ロープ61の、タワーブーム20の前方側の部分がタワーブーム20の後方側の部分よりも短くなった時点で、主巻ロープ61の自重により、主巻ロープ61がタワーブーム20の後方側に逸走するためである。
工程1・2(図4参照);
下記の手順により、タワージブブライドル74をタワージブベイル73に固定する。
(1)補助クレーン(図示せず)により、タワージブブライドル74を吊り下げ、保持する。
(2)ポスト支持ペンダントロープ65をタワージブブライドル74から取外す。
(3)補助クレーンを巻下げながら、タワージブ起伏ロープ62をタワージブ起伏ドラム13に巻取り、タワージブブライドル74をタワージブベイル73に接近させる。
(4)タワージブブライドル74がタワージブベイル73に達したら、タワージブブライドル74をタワージブベイル73に固定する。
図16は、タワージブブライドル74をタワージブベイル73に固定する構造を示す側面図である。タワージブベイル73は、支軸73aに回転可能に軸支された複数のシーブ73bを有する。タワージブベイル73は、タワーブーム基礎部23の後方側の主材23bに固定されている。タワージブブライドル74は、支軸74aに回動可能に軸支された複数のシーブ74bを有する。タワージブベイル73の複数のシーブ73bとタワージブブライドル74の複数のシーブ74bには、タワージブ起伏ロープ62が複数回、巻回されている。タワージブ起伏ロープ62をタワージブ起伏ドラム13に巻取ると、タワージブブライドル74が次第にタワージブベイル73に接近する。
タワージブブライドル74の下端部とタワージブベイル73の上端部には、止め用ピン孔が設けられている。タワージブブライドル74の下端部がタワージブベイル73の上端部に重なる位置に達したら、タワージブブライドル74とタワージブベイル73との止め用ピン孔を位置合わせして、止め用ピン75を挿入する。これにより、タワージブブライドル74がタワージブベイル73を介してタワーブーム基礎部23に固定される。なお、タワージブブライドル74を、直接、タワーブーム基礎部23に固定する構造としてもよい。
工程1・3(図5参照);
タワージブ支持ペンダントロープ66をタワージブ40の先端から取外す。
工程1・4(図6参照);
(1)上部タワージブ41の後方側の主材41bと、下部タワージブ42の後方側の主材42bとを連結する不図示のピンを抜く。
(2)補助クレーン(図示せず)により、下部タワージブ42の先端側を吊り上げ、上部タワージブ41を回動用連結ピン45(図18(b)参照)を中心として反時計方向に回動する。
(3)下部タワージブ42が水平状態となった時点で、補助クレーンを停止する。
上記手順(1)の下部タワージブ42を上部タワーブーム21に保持する保持状態にすることにより、手順(3)、(4)の作業および以下の工程に示す作業において、下部タワージブ42の回動を規制することができる。このため、作業を安全で効率的に行うことが可能となる。
工程1・5(図7参照);
下記の手順により、上部タワージブ41を下部タワージブ42から分離する。
(1)補助クレーン(図示せず)により、下部タワージブ42の根元側を保持し、下部タワージブ42が水平状態を維持されるように補助クレーン(図示せず)で保持する。
(2)上部タワージブ41と下部タワージブ42とを連結する回動用連結ピン45(図18(b)参照)を抜く。
(3)補助クレーンを移動して、上部タワージブ41を下部タワージブ42から分離する。
(第2段階):上部タワーブーム21の折曲げ
工程2・1(図8参照);
下記の手順により、タワーブーム20の支持を、タワー起伏支持ペンダントロープ64全体による支持から、下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bのみによる支持に転移する。
(1)タワー起伏ロープ63をタワーブーム起伏ドラム14から巻出し、タワーブーム20を前方に所定角度、傾ける。この所定角度は、タワーバックストップ50の外筒51のピン孔51aと内筒52のピン孔52aとが同一位置となる(図19(a)、(b)参照)角度である。
(2)タワーバックストップ50の外筒51のピン孔51aと内筒52のピン孔52aとに規制ピン57を挿通する。これにより、内筒52に対する外筒51の摺動が規制される。このため、タワーブーム20は、タワーバックストップ50により回動を規制され、上記所定角度に保持される。従って、それまで、タワーブーム20の傾斜を保持していたタワー起伏支持ペンダントロープ64への負荷はフリーとなる。
(3)上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aと連繋リンク91とを連繋するピン94cを抜き、上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aを連繋機構90から切り離す(図17(a)、(b)参照)。
(4)支持用リンク92を固定用ブラケット93に差込んで、取付用ピン95により、固定用ブラケット93に固定する(図17(a)〜(c)参照)。
(5)タワーブーム起伏ドラム14によりタワージブ起伏ロープ62を巻上げ、下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bのみにより、タワーブーム20を支持可能な状態とする。
(6)タワーバックストップ50の外筒51と内筒52とに挿通されている規制ピン57を抜き、下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bのみによりタワーブーム20を支持する。これにより、タワーブーム20の支持は、タワー起伏支持ペンダントロープ64全体による支持から下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bのみによる支持に転移される。つまり、上部タワーブーム21は、上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aによる拘束から解放されてフリーとなる。
工程2・2(図9参照);
下記の手順により、上部タワーブーム21をほぼ垂直に起立させる。
(1)不図示の補助クレーンにより、上部タワーブーム21の上端側を保持する。
(2)図20に図示される折曲げ機構30の前・後方ピン151、152を、上部タワーブーム21の前・後方側の主材21a、21bおよび下部タワーブーム22の前・後方側の主材22a、22bから抜く。
(3)補助クレーンにより、図21(a)に図示されるように、上部タワーブーム21を、折曲げ機構30の連結ピン153の軸芯を中心として反時計方向に回動し、上部タワーブーム21をほぼ垂直に起立させる。
工程2・3(図10〜図11参照)
図10、図11は、タワーブーム起伏ドラム14からタワー起伏ロープ63を巻出して下部タワーブーム22を時計方向に回動させ、下部タワーブーム22を接地させる状態を示している。下部タワーブーム22の時計方向への回動と共に、補助クレーンにより、上部タワーブーム21を、その垂直状態を維持したまま下方に移動する。このため、図21(b)、(c)に示されるように、下部タワーブーム22の時計方向への回動に伴って、下部タワーブーム22は、連結ピン153を支軸として上部タワーブーム21に対して相対的に回動する。図11に示すように、下部タワーブーム22が接地された状態で、上部タワーブーム21の倒伏を終了する。
なお、上記において、上部タワーブーム21を折曲げる際に使用する補助クレーンとして例えば、伸縮ブームを備えるラフテレーンクレーン(またはラフタークレーン)またはオールテレーンクレーン等を用いることができる。
ラフテレーンクレーンは、四輪駆動の走行体上に、先端側ほど細くなっている複数段のブームが起伏可能に搭載された構造を有する。各ブームは、その外周側のブームの内壁面を案内面として摺動可能である。すなわち、複数段のブームは伸縮が可能となっている。ラフテレーンクレーンは、ブームを倒伏した状態で、不整地を走行することができ、組立が不要である。つまり、現場に到着して、ブームとアウトリガを伸ばせば即作業を開始できる。また、作業終了後、ブームとアウトリガを収納するだけで現場から帰ることができる。しかし、一般的に、吊り上げ能力は低いため、吊り上げ能力の高い建設機械の補助クレーンとして使用されることが多いクレーンである。
なお、特に記載はしなかったが、補助クレーンを用いるとした他の工程においても、ラフテレーンクレーンを用いることができる。
(第3段階):上部タワーブーム21の分離
工程3(図12〜図13参照);
折曲げ機構30の連結ピン153(図22参照)を抜いて、上部タワーブーム21を補助クレーンにより分離する。この状態では、上部タワーブーム21には、下部タワージブ42およびタワーストラット80が連結されている。タワーストラット80は、ロック機構180の連結リンク181を、図28、図31に示す解放状態にすることにより、上部タワーブーム21から分離することができる。また、下部タワージブ42は、タワージブ保持機構160の保持用リンク161を図34に示す解放状態にすることにより、上部タワーブーム21から分離することができる。
この工程においてタワージブ支持ペンダントロープ66の一端部をタワーストラット80の他端部84bから取外す。取外したタワージブ支持ペンダントロープ66は、例えば、上部タワージブ41に固縛する。あるいは、所定の収納場所に格納する。また、上部タワーブーム21の上端側に取付けられている上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aを取外す。取外した上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aは、例えば、上部タワーブーム21に固縛する。あるいは、所定の収納場所に格納する。さらに、ポスト支持ペンダントロープ65の他端部をタワーストラット80の一端部84aから取外す。取外したポスト支持ペンダントロープ65は、例えば、上部タワーブーム21に固縛する。あるいは、所定の収納場所に格納する。
図13は、下部タワーブーム22から上部タワーブーム21を分離して、搬送した状態を示す。
なお、下部タワーブーム22が接地された後は、主巻ロープ61を巻取ることができる。主巻ロープ61の巻取りは、下部タワーブーム22が接地された後の工程であれば、どの工程で行ってもよい。
(第4段階):下部タワーブーム22の分離
工程4・1(図14参照);
以下の手順により、下部タワーブーム22をタワーブーム基礎部23から分離する。
(1)タワーブーム起伏ドラム14からタワー起伏ロープ63を巻出し、タワーブライドル72を降下して下部タワーブーム22上に転移する。
(2)タワーブライドル72を下部タワーブーム22に固定する。図示はしないが、固定方法は、例えば、下部タワーブーム22に設けた固定部材に固定ピンや締結部材により固定する方法を用いることができる。
(3)タワーブーム基礎部23と下部タワーブーム22とを連結する連結機構120の前方側の連結ピン(図示せず)を抜く。すなわち、タワーブーム基礎部23の前方側(図14では下方側)の主材23aと下部タワーブーム22の前方側(図14では下方側)の主材22aとを連結する連結ピンを抜く。
(4)タワーブーム基礎部23の後方側(図14では上方側)の主材23bと下部タワーブーム22の後方側(図14では上方側)の主材22bとを連結する連結ピン(図示せず)を抜く。これにより、下部タワーブーム22全体が接地され、また、タワーブーム基礎部23から分離される。
なお、この状態で、下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bを、連繋機構90およびタワーブライドル72から取り外し、上部タワーブーム21に固縛する。あるいは、所定の収納場所に格納する。下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bを、連繋機構90から取外すには、図17において、下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bを支持用リンク92に連結しているピン94aを抜けばよい。
工程4・2(図15参照);
補助クレーン(図示せず)を用いて、タワーブーム基礎部23から分離された下部タワーブーム22を移送する。
図36は、本発明によるタワークレーンの分解の際に必要とされるスペースの減縮可能な長さを説明するための図である。
特許文献1に記載された従来の分解方法では、タワーブームにタワージブが抱込まれた状態で、タワーブームをメインフレームに枢支された支点Oを中心として回動して接地する。この方法では、タワーブームが接地された状態では、タワーブームがほぼ水平状態となる。このため、支点Oから前方にタワーブーム全長とタワーストラット80の高さLh
との合計の長さLのスペースが必要とされる。すなわち、
L=(タワーブーム20の全長+タワーストラット80の高さLh)
となる。
上記においてタワーブーム20の全長=(上・下部タワーブーム21、22の長さ+タワーブーム基礎部23の長さ)である。
本実施の形態では、タワーブーム20を、上部タワーブーム21と、下部タワーブーム22と、タワーブーム基礎部23とに分割している。上述した分解方法において、図11に図示される状態が、最も、前方に長く延在される状態である。すなわち、図36に図示されているように、下部タワーブーム22とタワーブーム基礎部23とが連結され、ほぼ水平状態で接地されている。上部タワーブーム21は、下部タワーブーム22の上端側から垂直に起立している。上部タワーブーム21の上部にタワーストラット80が起立している。
従って、支点Oからの水平方向の長さLaは、
La=(下部タワーブーム22の長さ+タワーブーム基礎部23の長さ+タワーストラット80の第2枠体82の長さLl)
となる。
従って、本実施の形態では、従来の方法に比して、タワークレーン1の分解に要するスペースの長さを、
(L−La)=上部タワーブーム21の長さ+(タワーストラット80の高さLh−タワーストラット80の第2枠体82の長さLl)
短くすることが可能となる。
タワーストラット80の高さLhとタワーストラット80の第2枠体82の長さLlとをほぼ同じとすれば、本実施の形態では、従来の方法に比して、タワークレーン1の分解に要するスペースの長さを、ほぼ、上部タワーブーム21の長さだけ短縮することが可能となる。
上記本発明の一実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)タワーブーム20を、上部タワーブーム21と、下部タワーブーム22とに分割し、かつ、折曲げ機構30により折曲げ可能に連結した。また、タワージブ40を上部タワージブ41と、下部タワージブ42とに分割し、かつ、連結機構110により回動可能に連結した。タワーブーム20が所定角度に起立し、タワージブ40が抱込まれた状態で、連結機構110により上部タワージブ41を前方側に向けて回動し、連結機構110の回動用連結ピン45を取り外すことにより、上部タワージブ41が下部タワージブ42から分離されるようにした。この状態で、上部タワージブ41は、タワーブーム20から取外されている。さらに、この状態から、折曲げ機構30により上部タワーブーム21が起立した状態を維持したまま、下部タワーブーム22を前方に倒伏して接地し、連結軸を取り外すことにより上部タワーブーム21が下部タワーブームから22分離される。上述したように、下部タワーブーム22を倒伏する前に、上部タワージブ41が下部タワージブ42から取外されている。このため、下部タワーブーム22を接地状態まで倒伏することができる。
これにより、タワークレーン1の分解に要するスペースの長さをタワーブーム20の全長よりも短い長さに縮減することができる。
(2)折曲げ機構30は、回動の中心となる連結ピン153を、上部タワーブーム21の主材21bと下部タワーブーム22の主材22bとが連結される後方ピン152より後方に設けた構成としている。このため、上部タワーブーム22を下部タワーブーム21に干渉することなく折曲げることができる。
(3)タワージブ保持機構160を設け、上部タワージブ41を下部タワージブ42から分離する工程から下部タワーブーム22を接地する工程まで、下部タワージブ42を上部タワーブーム21に保持するようにした。このため、上記工程において、下部タワージブ42が上部タワーブーム21から分離して単独で回動するのを規制することができ、作業を安全で効率的に行うことができる。
(4)タワーバックストップ50の外筒51と内筒52との摺動を規制ピン57により規制可能な構造とした。タワーバックストップ50の外筒51と内筒52との摺動は、タワーブーム20が前方に所定角度、傾けられた状態で規制される。このため、タワー起伏支持ペンダントロープ64のタワーブーム20への取付位置を、タワーブーム20の上端部から上部タワーブーム21の上端部に転移する際、タワーブーム20を一時的に傾斜状態に保持する作業を容易、かつ、効率的に行うことができる。
(5)タワーブーム20は、上部旋回体3に回動可能に連結されたタワーブーム基礎部23を有し、タワーブーム基礎部23と下部タワーブーム22とを分離可能とした。このため、タワージブベイル73やタワージブブライドル74をタワーブーム基礎部23に固定したまま、下部タワーブーム22をタワーブーム基礎部23から分離することが可能であり、作業が容易、かつ、効率的となる。
(6)タワー起伏支持ペンダントロープ64を上部タワー起伏支持ペンダントロープ64aと下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bとに分割し、上・上部タワー起伏支持ペンダントロープ64a、64bを連繋機構90により連繋するようにした。連繋機構90は、上・下部タワー起伏支持ペンダントロープ64a、64bそれぞれの一端をピン94a、94cにより連繋する支持用リンク92を有する。支持用リンク92は、取付用ピン95により下部タワーブーム22に設けた固定用ブラケット93に固定することができる。このため、タワー起伏支持ペンダントロープ64のタワーブーム20への取付位置を、タワーブーム20の上端から、上部タワーブーム21の上端に転移する作業を容易、かつ、効率的に行うことができる。
(7)連結リンク181のフック部181aを係合ピン186に係合してタワーストラット80をロックするロック機構180を設けた。このため、タワージブ40が折込まれた状態や、分解時における、タワーストラット80の揺らぎや倒れを規制することができる。
(8)なお、上記実施形態によって、タワークレーン1の分解に要するスペースの長さを縮減することが可能となるが、このことにより、タワーブーム20およびタワージブ40の長さを、従来よりも長くすることも可能となる。つまり、上記実施形態によって縮減される長さの範囲内において、支障が生じない長さの分、タワーブーム20およびタワージブ40の長さを長くすることが可能である。従って、本発明は、従来よりも高層の建築物の建設を可能にするという画期的な効果をもたらすものである。
なお、折曲げ機構30は、上記実施形態に限られるものではなく、種々の形態とすることができる。以下に、折曲げ機構30の他の実施形態を示す。
[折曲げ機構の第2の実施形態]
図22は、折曲げ機構の第2の実施形態を示す側面図であり、図23(a)〜(c)は、図22に示す折曲げ機構の動作を示す側面図である。
第2の実施形態の折曲げ機構30Aは、下部タワーブーム22を折曲げるための油圧シリンダ135を用いた構造の一例を示す。
主材21aに固定された回動用リンク33Aには、突出部156が形成されている。突出部156は、上部タワーブーム21と下部タワーブーム22の回動支軸となる連結ピン153よりも上方に設けられている。主材22aに固定された回動支持リンク34Aには、突出部157が形成されている。突出部157は、連結ピン153よりも下方に設けられている。回動支持リンク34Aの突出部157には、油圧シリンダ135が回動可能に軸支されている。
油圧シリンダ135のロッド135aの先端は、回動用リンク33Aの突出部156に回動可能に取付けられている。主材21a、22aおよび主材21b、22bをそれぞれ連結する前・後方ピン151、152を抜いた状態で、油圧シリンダ135を収縮すると、連結ピン153を中心として、上部タワーブーム21が下部タワーブーム22に対して相対的に回動する。上部タワーブーム21を垂直状態に維持しながら下方に移動して、下部タワーブーム22を漸次、前方に倒伏する。図23(a)〜(c)は、上部タワーブーム21の回動角度が次第に大きくなる状態を示している。
第2の実施形態の折曲げ機構30Aの他の構造は、第1の実施形態の折曲げ機構30と同様であり、対応する部材に同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態の折曲げ機構30Aにおいても、上部タワーブーム21は、上部タワーブーム21の後方側の主材21bと下部タワーブーム22の後方側の主材22bの軸芯よりも後方側に位置する連結ピン153を中心として回動する。このため、下部タワーブーム22の主材22bが上部タワーブーム21の主材21bに干渉すること無く回動することができ、下部タワーブーム22が接地するまで、すなわち、上部タワーブーム21とほぼ垂直となる角度まで下部タワーブーム22を回動することができる。
また、折曲げ機構30Aは、上部タワーブーム21を下部タワーブーム22に対して回動する油圧シリンダ135を有する。このため、下部タワーブーム22の回動を油圧シリンダ135により制御することが可能となり、下部タワーブーム22を回動する際に補助クレーンを使用する必要が無くなる。これにより、下部タワーブーム22を接地する作業を、容易、かつ、効率的に行うことができる。
[折曲げ機構の第3の実施形態]
図24(a)は、折曲げ機構の第3の実施形態を示す側面図であり、図24(b)は、図24(a)の前方から見た側面図である。図25(a)〜(c)は、図24(a)に示す折曲げ機構の動作を示す側面図である。
第3の実施形態の折曲げ機構30Bは、第1の実施形態における回動用リンク33および回動支持リンク34を用いずに形成する構造の一例を示す。図示はしないが、第3の実施形態の折曲げ機構30Bにおける、上・下部タワーブーム21、22の前方側の連結機構は、第1の実施形態と同様である。
図24(a)、(b)に示すように、上部タワーブーム21の後方側の主材21bの下端連結部35には、貫通孔35aと、貫通孔35bが形成されている。下部タワーブーム22の後方側の主材22bの上端連結部36には、貫通孔36aと、貫通孔36bが形成されている。主材21bの貫通孔35aおよび主材22bの貫通孔36aの中心は、それぞれ、主材21bおよび主材22bの中心軸上に設けられている。主材21bの貫通孔35bおよび主材22bの貫通孔36bの中心は、それぞれ、貫通孔35aまたは貫通孔36aよりも後方に、貫通孔35aまたは貫通孔36aからの距離が等しい位置に設けられている。貫通孔35b、36bの中心と貫通孔35a、36aの中心との前後方向の距離は、主材21bの半径や主材22bの半径よりも大きくされている。
主材21bの貫通孔35aおよび主材22bの貫通孔36aには、前側ピン154が挿通され、主材21aの貫通孔35bおよび主材22bの貫通孔36bには、連結ピン153が挿通される(図25(a)参照)。前側ピン154を抜くと、下部タワーブーム22は連結ピン153を中心として、時計方向に回動することができる(図25(b)参照)。
この状態では、連結ピン153を中心として、下部タワーブーム22は上部タワーブーム21に対して相対的に回動する。つまり、上部タワーブーム21の垂直状態を維持しながら下方に移動すると、下部タワーブーム22が連結ピン153を支軸として時計方向に回動する、すなわち、前方に倒伏する(図24(b)参照)。図24(b)〜(c)は、下部タワーブーム22の時計方向に回動する角度を、徐々に大きくしていった状態を示す。下部タワーブーム22は、回動の中心となる連結ピン153が、主材21bのピン孔35aと主材22bのピン孔36aとに挿通されている前側ピン154よりも後方に位置している。このため、下部タワーブーム22の主材22bが上部タワーブーム21の主材21bに干渉すること無く回動することができ、下部タワーブーム22が接地する角度まで、すなわち、上部タワーブーム21とほぼ垂直となる角度まで下部タワーブーム22を回動することができる。
第3の実施形態の折曲げ機構30Bによれば、第1の実施形態の折曲げ機構30と同様な機能を達成することができる。また、第3の実施形態の折曲げ機構30Bは、部材を削減することができるので、安価とすることができる。
[折曲げ機構の第4の実施形態]
図26(a)は、折曲げ機構の第4の実施形態を示す側面図であり、図26(b)は、図26(a)の前方から見た側面図である。図27(a)〜(c))は、図26(a)に示す折曲げ機構の動作を示す側面図である。
第4の実施形態の折曲げ機構30Cは、第1の実施形態における、上・下部タワーブーム21、22の主材21b、22bを連結する前方ピン151を用いずに形成する構造の一例を示す。
図26(a)、(b)に示すように、上部タワーブーム21の下端部には、回動用リンク37が取付けられている。回動用リンク37は、上部タワーブーム21の下端部が嵌着される保持部37aと、貫通孔37cが形成された回動部37bとを有する。下部タワーブーム22の上端部には、回動用リンク38が取付けられている。回動用リンク38は、下部タワーブーム22の上端部が嵌着される保持部38aと、貫通孔38cが形成された回動部38bとを有する。上・下部タワーブーム21、22の下・上端部と保持部37a、38aとの嵌着には、締結部材による締結、溶接あるいは焼嵌め等を用いることができる。
回動用リンク37の貫通孔37cは、上部タワーブーム21の主材21bの後方に位置している。回動用リンク37の貫通孔37cの高さ方向の中心と主材21bの下端面21cとは水平な面に位置している。回動用リンク38の貫通孔38cは、下部タワーブーム22の主材22bの後方に位置している。回動用リンク38の貫通孔38cの高さ方向の中心と主材22bの上端面22cとは水平な面に位置している。貫通孔37c、38cの中心と主材21b、22bの軸線との前後方向の距離は、主材21bの半径と主材22bの半径との合計の長さよりも大きくされている。
上・下部タワーブーム21、22の下・上端部には、第1の実施形態のピン孔31a、32aは形成されていない。図27(a)に示すように、上部タワーブーム21の下端面21cと、下部タワーブーム22の上端面22cとが当接した状態で、貫通孔37c、38cに連結ピン153が挿通されている。図27(b)に図示されるように、上部タワーブーム21は、連結ピン153を中心として、時計方向に回動される。つまり、上部タワーブーム21の垂直状態を維持しながら下方に移動すると、下部タワーブーム22が連結ピン153を支軸として時計方向に回動する、すなわち、前方に倒伏する(図27(b)参照)。図27(b)〜(c)は、下部タワーブーム22の時計方向に回動する角度を、徐々に大きくしていった状態を示す。下部タワーブーム22は、回動の中心となる連結ピン153が、上部タワーブーム21の下端面21cと、下部タワーブーム22の上端面22cよりも後方に位置している。このため、下部タワーブーム22の主材22bが上部タワーブーム21の主材21bに干渉すること無く回動することができ、下部タワーブーム21が接地する角度まで、すなわち、下部タワーブーム22とほぼ垂直となる角度まで下部タワーブーム22を回動することができる。
なお、図示はしないが、第4の実施形態における、上・下部タワーブーム21、22の前方側の主材21b、22bの連結機構は、第1の実施形態と同様である。
第4の実施形態の折曲げ機構30Cによれば、第1の実施形態の折曲げ機構30と同様な機能を達成することができる。また、第4の実施形態の折曲げ機構30Cは、部材を削減することができるので、安価とすることができる。
なお、上記実施形態では、タワークレーン1の分解を、タワーブーム20を最大角度に起立した状態で行う方法として例示した。しかし、タワーブーム20を最大角度に起立して行う必要は無く、最大角度に近い所定角度に起立した状態で行ってもよい。この場合でも、タワージブ40は、タワーブーム20の上端部から垂下した状態で行う。なお、ここで垂下とは、タワージブ40の先端側がグランドに対向するように下向きとなっている状態をいい、下部タワージブ42が上部タワーブーム21に抱込まれた状態および抱込まれていない状態のどちらも含む。
上記実施形態では、タワーバックストップ50に、外筒51と内筒52との摺動を規制する構造を有するとして例示した。つまり、工程2・1において、タワーブーム20の支持を、タワー起伏支持ペンダントロープ64全体による支持から、下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bによる支持に転移する際、タワーバックストップ50の外筒51と内筒52との摺動を規制する。そして、タワーバックストップ50によりタワーブーム20を傾斜状態に保持する。しかし、補助クレーンによりタワーブーム20を支持した状態で、タワーブーム20の支持を、タワー起伏支持ペンダントロープ64全体による支持から、下部タワー起伏支持ペンダントロープ64bによる支持に転移する方法とすることも可能である。この方法とすれば、タワーバックストップ50に、外筒51と内筒52との摺動を規制する構造を設ける必要は無い。
上記実施形態では、上・下部タワーブーム21、22の前方側の主材21a、22aを前方ピン151により連結する構造として例示した。しかし、前方ピン151に替えて、ボルト等の締結部材を用いて行うようにしてもよい。
上記実施形態では、タワーブーム20の上部にタワーストラット80が設けられているタワークレーン1として例示した。しかし、本発明は、タワーブーム20の上部にフロントポストおよびリアーポストが設けられたタワークレーンにも適用することが可能である。つまり、タワーストラット80以外のタワージブ起伏補助部材が用いられているタワークレーンに適用することができる。
上記では、種々の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1 タワークレーン
2 下部走行体(走行体)
3 上部旋回体(旋回体)
4 運転室
15 フック装置(フック)
20 タワーブーム
21 上部タワーブーム(上部ブーム)
21a 主材
21b 主材
22 下部タワーブーム(下部ブーム)
22a 主材
22b 主材
23 タワーブーム基礎部(ブーム基端部)
30、30A〜C 折曲げ機構
40 タワージブ
41 上部タワージブ(上部ジブ)
42 下部タワージブ(下部ジブ)
45 回動用連結ピン(回動支軸)
50 タワーバックストップ
51 外筒
52 内筒
57 規制ピン(規制部材)
61 主巻ロープ
62 タワージブ起伏ロープ
63 タワー起伏ロープ
64 タワー起伏支持ペンダントロープ
65 ポスト支持ペンダントロープ
80 タワーストラット(タワージブ起伏補助部材)
110 連結機構
135 油圧シリンダ
151 前方ピン(固定部材)
153 連結ピン(連結軸)
160 タワージブ保持機構(下部ジブ保持機構)

Claims (5)

  1. 走行体と、
    前記走行体に旋回可能に設けられた旋回体と、
    前記旋回体の前方側に設けられた運転室と、
    上部ブームと下部ブームとを有し、前記旋回体に起伏可能に取付けられたタワーブームと、
    前記上部ブームと前記下部ブームとを折曲げ可能に連結する折曲げ機構と、
    上部ジブと下部ジブとを有し、前記下部ジブの下端部が前記上部ブームの上端部に回動可能に取付けられたタワージブと、
    前記上部ジブと前記下部ジブとを回動可能に連結する連結機構と、
    前記上部ブームの上端に揺動可能に設けられた、前記タワージブを起伏するためのタワージブ起伏補助部材と、
    前記旋回体および前記タワーブームとの間に介装されたタワーバックストップと、
    フックと、
    前記フックを昇降するための主巻ロープと、
    前記タワーブームを起伏するためのタワー起伏ロープおよびタワー起伏支持ペンダントロープと、
    前記タワージブを起伏するためのタワージブ起伏ロープおよび前記タワージブ起伏補助部材を揺動するポスト支持ペンダントロープと、を備え、
    前記上部ブームおよび前記下部ブームは、それぞれ、上下方向に延在された前方側および後方側の主材を有し、
    前記折曲げ機構は、前記上部ブームおよび前記下部ブームそれぞれの前記前方側の主材を相互に固定する、装脱可能な固定部材と、前記後方側の主材の後方に設けられ、前記上部ブームおよび前記下部ブームを回動可能に軸支する、装脱可能な連結軸とを有し、
    前記連結機構は、前記下部ジブと前記上部ジブとを回動可能に軸支する、装脱可能な回動支軸を有し、
    前記タワーブームが所定角度に起立し、前記タワージブが前記上部ブームの前記上端部から垂下した状態で、前記連結機構の前記回動支軸を支軸として前記上部ジブを前方側に向けて回動し、前記連結機構の前記回動支軸を取り外すことにより前記上部ジブが前記下部ジブから分離され、さらに、
    前記折曲げ機構の前記固定部材を外し、前記下部ジブが取付けられた状態で、前記上部ブームを前記所定角度に維持しながら前記連結軸を支軸として前記下部ブームを倒伏し、前記連結軸を取り外すことにより前記上部ブームが前記下部ブームから分離される、タワークレーン。
  2. 請求項1に記載のタワークレーンにおいて、
    前記折曲げ機構は、さらに、前記上部ブームを前記下部ブームに対して相対的に回動する油圧シリンダを有する、タワークレーン。
  3. 請求項1に記載のタワークレーンにおいて、
    さらに、前記下部ジブを前記上部ブームに保持する下部ジブ保持機構を有する、タワークレーン。
  4. 請求項1に記載のタワークレーンにおいて、
    前記タワーバックストップは、外筒と、前記外筒の内側を摺動する内筒とを備え、前記タワーブームが前記所定角度に起立した姿勢よりも前方に傾斜した状態で、前記内筒が摺動するのを規制する規制部材をさらに備える、タワークレーン。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のタワークレーンにおいて、
    前記タワーブームは、さらに、前記旋回体に回動可能に連結されたブーム基端部を有し、
    前記ブーム基端部と前記下部ブームとは、分離可能に連結されている、タワークレーン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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