WO2019102914A1 - 粉末油脂組成物の製造方法 - Google Patents

粉末油脂組成物の製造方法 Download PDF

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    • A23L27/00Spices; Flavouring agents or condiments; Artificial sweetening agents; Table salts; Dietetic salt substitutes; Preparation or treatment thereof
    • A23L27/10Natural spices, flavouring agents or condiments; Extracts thereof

Definitions

  • the vegetable food is preferably one or more selected from long green onion, onion, pepper, garlic, burdock and pepper.
  • the step of obtaining the powdery fat and oil composition (1) obtaining a raw material mixture containing the flavor oil, water and the excipient, (2) emulsifying the raw material mixture to obtain an emulsion, and (3) drying the emulsion, Is preferred.
  • 0.05 mass% or more and 5 mass% or less are preferable, as for content in the fats-and-oils mixture of the said emulsifier, 0.1 mass% or more and 3 mass% or less are more preferable, 0.3 mass% or more and 2 mass% The following are more preferable, and 0.3 mass% or more and 1 mass% or less are further more preferable.
  • the step (2) may be carried out by a general-purpose method, for example, with an homogenizer, a homomixer, a high pressure emulsifier, a high pressure homogenizer, a colloid mill or the like.
  • Example 1-1 2 g of the obtained powdery fat and oil composition was added to 100 g of a soup prepared according to the following recipe 1 to obtain a soup for evaluation (Example 1-1). Further, instead of 2 g of the powdery fat and oil composition, 0.6 g of flavor oil was added to obtain a soup for evaluation (Comparative Example 1-1).
  • the resulting evaluation soup was eaten by three people, and after consultation, the food was evaluated according to the following evaluation criteria.
  • the titer of flavor is a characteristic fresh odor and taste derived from vegetable food, and the strength of taste is the strength of taste of food.
  • the results are shown in Table 1.
  • Example 6 Evaluation of oil component and excipient of powdery fat and oil composition
  • a flavor oil was prepared under the conditions shown in Table 6.
  • raw garlic was used after being roughly chopped roughly with a mixer.
  • Example 6-1 according to Production Method A of the powdery fat and oil composition, a powdery fat and oil composition having an oil content of 50% by mass of flavor oil was obtained.
  • Example 6-2 a powdery fat and oil composition having an oil content of 30% by mass was obtained according to the method for producing a powdery fat and oil composition B described above.
  • Example 6-3 the powdery fat and oil composition is used except that 44.8 parts by mass of dextrin as the aqueous phase raw material during preparation of the powdery fat and oil composition and 100 parts by mass of 85.1 parts by mass of water.
  • the powdery fat and oil composition was obtained by the same operation as the manufacturing method B of a thing.
  • Example 8 Evaluation of heating time According to the method for producing a flavor oil described above, a flavor oil was prepared under the conditions shown in Table 8. As a vegetable food, raw garlic was used after being roughly chopped roughly with a mixer.

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Abstract

【課題】風味油の風味を向上させることができる油脂組成物の製造方法を提供する。 【解決手段】本発明の粉末油脂組成物の製造方法は、植物性食品及び食用油脂を含む油脂混合物を、45℃以上かつ100℃未満の温度で加熱することにより風味油を得る工程、及び前記風味油及び賦形剤を含む原料混合物から前記粉末油脂組成物を得る工程を含む。

Description

粉末油脂組成物の製造方法
 本発明は、粉末油脂組成物の製造方法に関し、より詳細には、風味油を含む粉末油脂組成物の製造方法に関する。
 一般に、風味油(あるいは、香味油)とは、油脂にネギ、ニンニク、ショウガ、ニラ等の香味を有する野菜類のエキスが抽出含有されている食用油脂のことをいう。風味油は、通常、油脂中に該野菜類を添加し、加熱する工程を経ることにより得られる。
 例えば、特許文献1(特開昭56-58450号公報)には、「植物性食用油脂に、野菜を添加し、110℃ないし160℃に加熱昇温し、特定の時間保持する風味油の製造法」が開示されている。特許文献1の第259頁左上欄(-7-)の5行目には、「・・・野菜中の水分が実質的に蒸発するまで加熱した後、110℃ないし160℃に加熱すれば、より好ましい風味を付与することが可能である。」と記載されている。特許文献2(特開平3-254638号公報)には、「油脂に、水分30%以下の乾燥ないし半乾燥植物性食品を該油脂に加え、100~115℃に10~60分間加熱する香味油の製造法」が開示されている。特許文献2の第220頁右上欄には、「水分含量が30%以下になるまで行うことが必要であり、水分含量がこれより多いと、油脂との加熱を高温で長時間行うことが必要であり、その結果風味が損なわれる。」と記載されている。このように、好ましい風味を有する風味油を得るためには、野菜中の水分が実質的に蒸発する温度(100℃以上)で加熱することが必要である。
 一方、粉末油脂組成物は、油性成分を水溶性成分で被覆した組成物であり、コーヒー・紅茶用クリーム、菓子、スープ、調味料等の加工素材として、広く用いられている。粉末油脂組成物は、乳化剤や賦形剤と混合された食用油脂のエマルジョンを乾燥することにより製造される。
 特許文献3(特開2001-204407号公報)の段落0013の実施例3には、ネギ油を含む粉末組成物が開示されており、そして段落0020には、「・・・油脂としてラード及びネギ油を用いた実施例3は、チャーハンに良好な香味を与えることができ、チャーハン用加工米飯改良剤として特に優れている」と記載されている。この文献には、風味油を含む粉末油脂組成物が、風味油を含まない粉末油脂組成物に比べて、良好な風味を与えることが開示されているにすぎない。
特開昭56-58450号公報 特開平3-254638号公報 特開2001-204407号公報
 本発明の目的は、風味油の風味を向上させることができる油脂組成物の製造方法を提供することにある。また、該製造方法により得られた油脂組成物により食品の呈味の強さを向上させる方法を提供することにある。
 本発明者等は、上記課題を鋭意検討した結果、特定の製造工程を経た風味油を原料に配合して得られる粉末油脂組成物が、該風味油の風味を向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、粉末油脂組成物の製造方法であって、植物性食品及び食用油脂を含む油脂混合物を、45℃以上かつ100℃未満の温度で加熱することにより風味油を得る工程、及び前記風味油及び賦形剤を含む原料混合物から粉末油脂組成物を得る工程を含む、前記製造方法である。
 特許文献3は、特定の製造工程を経た風味油を粉末油脂組成物の原料に配合することで、該風味油の風味の力価や食品の呈味の強さを向上させることができることについては開示も示唆もされていない。
 前記植物性食品は、長ネギ、タマネギ、唐辛子、ニンニク、ゴボウ及びコショウから選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。
 前記加熱する時間は、10分間以上かつ240間分以下であることが好ましい。
 前記油脂混合物は、さらに乳化剤を含むことが好ましい。
 前記風味油を得る工程は、加熱後、ろ過する工程を含むことが好ましい。
 前記粉末油脂組成物を得る工程は、
(1)前記風味油、水及び前記賦形剤を含む原料混合物を得る工程、
(2)前記原料混合物を乳化させてエマルジョンを得る工程、及び
(3)前記エマルジョンを乾燥する工程、
を含むことが好ましい。
 また、本発明は、風味油の風味を向上させる方法であって、
植物性食品及び食用油脂を含む油脂混合物を、45℃以上かつ100℃未満の温度で加熱することにより風味油を得る工程、及び
前記風味油及び賦形剤を含む原料混合物から粉末油脂組成物を得る工程
を含み、
前記粉末油脂組成物を得る工程が、
(1)前記風味油、水及び賦形剤を含む原料混合物を得る工程、
(2)前記原料混合物を乳化させてエマルジョンを得る工程、及び
(3)前記エマルジョンを乾燥する工程、
を含む、前記方法である。
 前記風味油を得る工程は、加熱後、ろ過する工程を含むことが好ましい。
 また、本発明は、前記製造方法で得られた粉末油脂組成物を食材に添加する工程を含む、食品の製造方法である。前記粉末油脂組成物を食材に添加するタイミングは、特に限定されず、食品を製造する前や製造中、あるいは、食品として喫食できる状態のいずれであってもよい。
 また、本発明は、前記製造方法で得られた粉末油脂組成物を食材に添加することからなる、食品の呈味の強さを向上する方法である。
 前記粉末油脂組成物は、前記食材100質量部に対し、0.1質量部以上かつ10質量部以下添加することが好ましく、0.5質量部以上かつ5質量部以下添加することがより好ましい。
 本発明の粉末油脂組成物の製造方法により、特定の製造工程を経た風味油の風味を向上させることができる。また、該製造方法により得られた粉末油脂組成物を含む食品の呈味の強さを向上させることができる。
 以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の粉末油脂組成物の製造方法に用いられる風味油は、植物性食品を含む食用油脂を45℃以上かつ100℃未満の温度で加熱することにより得られる。
 前記加熱温度は、好ましくは45℃以上かつ95℃以下、より好ましくは50℃以上かつ95℃以下、さらに好ましくは50℃以上かつ90℃以下であり、さらにより好ましくは50℃以上かつ80℃以下であり、特に好ましくは50℃以上かつ75℃以下であり、最も好ましくは50℃以上かつ70℃以下である。
 前記加熱する時間は、好ましくは10分間以上かつ240分間以下であり、より好ましくは20分間以上かつ240分間以下であり、さらに好ましくは20分間以上かつ120分間以下であり、さらにより好ましくは20分間以上かつ100分間以下であり、特に好ましくは25分間以上かつ80分間以下である。
 好ましくは、前記加熱後、植物性食品を除去する工程により、風味油を得る。植物性食品の除去は、好ましくは、ろ過によりおこなう。ろ過は、好ましくは金属製フィルターを用いる。金属製フィルターの目開きは、好ましくは50μm以上かつ500μm以下であり、より好ましくは50μm以上かつ300μm以下であり、さらに好ましくは100μm以上かつ300μm以下である。
 前記植物性食品としては、例えば、長ネギ、タマネギ、キャベツ、もやし、にら、ごぼう、にんじん、セロリ、じゃがいも、トマト等の野菜類、パセリ、にんにく、生姜、唐辛子、ナツメッグ、クミン、ローズマリー、こしょう、山椒、わさび、バジル等の香辛料類、椎茸、しめじ、マツタケ、マイタケ等の茸類等を挙げることができる。植物性食品は、一種類を単品で用いてもよく、あるいは二種類以上を併用してもよい。
 なかでも、野菜類又は香辛料類を好ましく例示することができる。長ネギ、タマネギ等のネギ類、唐辛子、ニンニク、ゴボウ及びコショウから選ばれる一種又は二種以上が好ましく、長ネギ、タマネギ、唐辛子、ニンニク、ゴボウ及びコショウから選ばれる一種又は二種以上がより好ましく、長ネギ、ニンニク、ゴボウ及びコショウから選ばれる一種又は二種以上がさらに好ましく、ニンニク及びコショウから選ばれる一種又は二種がさらにより好ましい。
 植物性食品に加工等を施さずに、いわゆる生鮮な状態、あるいはそれに近い状態のものをそのまま用いてもよく、これに乾燥、冷凍等の加工が施されたものでもよい。好ましくは、生鮮な状態、あるいはそれに近い状態のものを用いるのがよい。
 乾燥した植物性食品を使用する場合には、加熱の際に水を添加することが好ましい。添加する水の量は、10質量%以上かつ30質量%以下が好ましく、10質量%以上かつ25質量%以下がより好ましく、10質量%以上かつ20質量%以下がさらに好ましい。添加する水の量を所定量とすることで、より高い効果を得ることができる。
 前記植物性食品は、液状、ペースト状、粉末状、固形状等のいずれの制限なく用いることができる。固形状で用いる場合には、1mm以上かつ8000mm以下の大きさのものを用いることが好ましく、1mm以上かつ5000mm以下の大きさのものを用いることがより好ましい。例えば、マルチスライサーやフードプロセッサー等の適当な細断手段によって、適宜の大きさに細断されたものを用いてもよい。大きさを上記範囲とすることで、加熱後の食用油脂から植物性食品の除去が容易になる。
 前記食用油脂としては特に制限はなく、適宜採用し得る。例えば、大豆油、菜種油、パーム油、コーン油、オリーブ油、ゴマ油、紅花油、ひまわり油、綿実油、米油、落花生油、パーム核油、ヤシ油等の植物油脂、牛脂、豚脂、鶏脂等の動物油脂、あるいはこれら油脂に分別、水素添加、エステル交換等を施した加工油脂等が挙げられる。食用油脂は、一種類を単品で用いてもよく、あるいは二種類以上が混合されたものを用いてもよい。好ましくは、ヨウ素価が0以上かつ160以下であり、より好ましくは、ヨウ素価が0以上かつ100以下であり、さらに好ましくは、ヨウ素価が0以上かつ70以下であり、さらにより好ましくは、ヨウ素価が0以上かつ50以下であり、特に好ましくは、ヨウ素価が0以上かつ30以下である。所定のヨウ素価とすることで、得られた粉末油脂組成物の安定性が向上する。
 前記食用油脂の融点は、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上、さらに好ましくは20℃以上、さらにより好ましくは30℃以上であり、特に上限はないが70℃以下であり、より好ましくは55℃以下であり、さらに好ましくは45℃以下である。ここでいう融点とは、「基準油脂分析試験法 2.2.4.2 融点(上昇融点)」に従って測定した値を意味する。前記食用油脂の融点を所定の範囲とすることで、粉末油脂組成物の製造時の乳化安定性が良好となる。
 風味油を製造するに際し、植物性食品及び食用油脂を含む油脂混合物に乳化剤を含ませてから、加熱してもよい。
 前記乳化剤は、食用であれば、特に限定されない。ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種又は二種以上が好ましい。風味の力価の観点から、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルから選ばれる一種又は二種が好ましい。また、呈味の強さの観点から、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル及びモノグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種又は二種以上が好ましい。
 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸は、特に限定されないが、好ましくは不飽和脂肪酸であり、より好ましくはオレイン酸である。
 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのグリセリン平均重合度は、好ましくは2以上かつ10以下であり、より好ましくは2以上かつ8以下であり、さらに好ましくは2以上かつ6以下であり、さらにより好ましくは2である。
 前記レシチンは、食品又は食品添加物の分野で慣用的に用いられているレシチンを総称するものである。大豆、菜種、コーン、ヒマワリ、パーム、落花生等の植物油精製時の副産物(例えば、脱ガム工程で発生する水和物)や卵黄等の粗原料から調製したペースト状レシチンや、この粗原料を溶剤で分別して得た分画レシチン、それにこの粗原料を酵素処理して得た酵素分解レシチン等、リン脂質を主成分とした混合物からなるレシチンを使用することができる。本発明において、レシチンは特に限定されないが、ペースト状レシチンが好ましい。また、レシチンは大豆由来が好ましい。
 前記レシチンのアセトン不溶物含量は、50質量%以上かつ100質量%以下が好ましく、50質量%以上かつ80質量%以下がより好ましく、55質量%以上かつ70質量%以下がさらに好ましい。レシチンのアセトン不溶物含量は、食品添加物公定書解説書(第5版、D-1054頁)によりアセトン可溶物含量を測定し、算出することができる。具体的には、以下のような測定により求められる、アセトン不溶物換算値である。
 レシチン約2gの質量(A)を50mL目盛付共栓遠心管に精密に量り、石油エーテル3mLを加えて溶かし、アセトン15mLを加えてよくかき混ぜた後、氷水中に15分間放置する。これにあらかじめ0~5℃に冷却したアセトンを加えて50mLとし、よくかき混ぜ、氷水中に15分間放置した後、毎分約3000回転で10分間遠心分離し、上層液をフラスコに採る。さらに、共栓遠心管の沈殿物に0~5℃のアセトンを加えて50mLとし、氷水中で冷却しながらよくかき混ぜた後、同様に遠心分離する。この上層液を先のフラスコに合わせ、水浴上で蒸留し、残留物を105℃で1時間乾燥し、その質量(B)を精密に量る。
 この測定により、レシチン中のアセトン可溶物含量を求めることができ。アセトン不溶物含量は、以下の数式により算出される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 前記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸は、特に限定されないが、好ましくは飽和脂肪酸である。
 前記モノグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸は、特に限定されないが、好ましくは飽和脂肪酸である。
 前記ソルビタン脂肪酸エステルの脂肪酸は、特に限定されないが、好ましくは飽和脂肪酸であり、より好ましくはパルミチン酸である。
 前記プロピレングリコール脂肪酸エステルの脂肪酸は、特に限定されないが、好ましくは不飽和脂肪酸であり、より好ましくはオレイン酸である。
 前記乳化剤の油脂混合物中の含有量は、0.05質量%以上かつ5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上かつ3質量%以下がより好ましく、0.3質量%以上かつ2質量%以下がさらに好ましく、0.3質量%以上かつ1質量%以下がさらにより好ましい。所定量の乳化剤を添加することで、風味の力価又は呈味の強さの向上効果が高まる。
 前記乳化剤のHLB(Hydrophile-Lipophile Balance、親水性親油性バランス)は、1以上かつ18以下が好ましく、1以上かつ15以下がより好ましく、5以上かつ15以下がさらに好ましく、7以上かつ15以下がさらにより好ましい。
 本発明の粉末油脂組成物の製造方法には、風味油以外の食用油脂を用いてもよく、上記に述べた食用油脂を使用することができる。前記食用油脂の融点は、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上、さらに好ましくは20℃以上、最も好ましくは30℃以上である。融点の上限は特にないが、70℃以下である。特に、食用油脂の融点を所定の範囲とすることで、粉末油脂組成物の製造時の乳化安定性が良好となる。
 前記粉末油脂組成物中の油脂の含有量(含油分)は、5質量%以上かつ80質量%以下であり、好ましくは10質量%以上かつ60質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上かつ60質量%以下であり、更に好ましくは25質量%以上かつ55質量%以下である。
 前記粉末油脂組成物に含まれる賦形剤は、主として油性成分を被覆することにより、粉末油脂組成物を形成し、そして油性成分の滲み出しを防止するために用いられる。
 前記賦形剤の例には、デンプン(オクテニルコハク酸デンプン等)、水あめ、粉あめ、コーンシロップ、蔗糖(スクロース)、ブドウ糖(グルコース)、麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)、果糖(フルクトース)、ガラクトース、トレハロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の糖類;エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴等の糖アルコール;小麦粉;ゼラチン;キサンタンガム、グァーガム、アラビアガム、トラガントガム等のガム質等が挙げられる。これらの賦形剤は、一種単独でも、二種以上の併用でもよい。前記賦形剤は、好ましくは糖類であり、より好ましくは、オクテニルコハク酸デンプン、コーンシロップ及びデキストリンから選ばれる一種又は二種以上であり、さらに好ましくは、コーンシロップ及びデキストリンから選ばれる一種又は二種であり、さらにより好ましくはコーンシロップである。
 前記糖類の平均分子量は、好ましくは400以上かつ20000以下であり、より好ましくは500以上かつ15000以下である。
 また、糖類のデキストロース当量(DE)は、好ましくは10以上かつ50以下であり、より好ましくは10以上かつ40以下であり、さらに好ましくは10以上かつ35以下である。
 前記粉末油脂組成物中の賦形剤の含有量は、通常、20質量%以上90質量%以下でよく、好ましくは30質量%以上85質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上70質量%以下である。賦形剤を所定量配合することで、冷水分散性が良く、そして保存安定性の良い粉末油脂組成物を得ることができる。
 前記粉末油脂組成物は、風味油及び賦形剤以外に、好ましくは乳化剤を含む。その乳化剤は、好ましくは粉末油脂組成物を製造する際の原料混合物を得る工程で添加するが、その添加の順番は問わない。また、前記乳化剤は、予め、風味油の製造時に添加していてもよい。
 前記乳化剤は、特に限定されず、通常、粉末油脂組成物を製造する際に使用するものを使うことができる。ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種又は二種以上が好ましく、モノグリセリン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる一種又は二種がさらに好ましい。
 前記乳化剤のHLBは、1以上15以下であることが好ましく、1以上10以下であることがより好ましく、2以上8以下であることがさらに好ましい。
 前記粉末油脂組成物には、さらに、カゼインナトリウムを添加することが好ましい。
 前記粉末油脂組成物は、風味油及び賦形剤以外に、粉末油脂組成物に汎用される助剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で添加してもよい。そのような助剤の例としては、リン酸水素2カリウム、硫酸2カリウム、クエン酸ナトリウム等のpH調整剤;トコフェロール等の抗酸化剤;上記賦形剤以外の甘味料;安定剤;香料;着色剤;炭酸カルシウム、二酸化チタン等が挙げられる。
 前記粉末油脂組成物を得る工程は、
(1)風味油、水及び賦形剤を含む原料混合物を得る工程、
(2)前記原料混合物を乳化させてエマルジョンを得る工程、及び
(3)前記エマルジョンを乾燥する工程、
を含むことが好ましい。
 前記(1)の工程において、水の添加量は、風味油及び賦形剤の合計100質量部に対して、通常、30質量部以上かつ200質量部以下でよく、好ましくは30質量部以上かつ150質量部以下である。
 前記原料混合物は、水及び賦形剤を含む水相原料と風味油を含む油相原料とを混合して得ることが好ましい。
 前記原料混合物は、風味油及び賦形剤以外に、好ましくは乳化剤を含む。その乳化剤は、前記油相原料の方に含むことが好ましい。その場合、前記乳化剤は、予め、風味油の製造時に添加していてもよい。
 前記(2)の工程は、汎用の方法でよく、例えばホモジナイザー、ホモミキサー、高圧乳化機、高圧均質機、コロイドミル等で乳化処理される。
 前記(3)の工程は、汎用の方法でよく、例えば真空乾燥、真空凍結乾燥、真空ベルト乾燥、真空ドラム乾燥、スプレードライヤーを用いた噴霧乾燥等を用いることができる。
 本発明の製造方法で得られた粉末油脂組成物は、食材に添加することで、風味油の風味を必要とする食品に用いることができる。前記食材及び前記食品は、特に限定されず、例えば、調整粉(唐揚げ粉等)、ルー(カレー、シチュー、ハヤシ(Hashed beef with Rice)等)、即席調理飲食品(即席麺、即席スープ、即席味噌汁等)、レトルト食品(カレー、シチュー、パスタソース、スープ等)、冷蔵・冷凍食品(フライドポテト、唐揚げ、コロッケ、メンチカツ、トンカツ、グラタン、ピザ、チャーハン、ピラフ、肉まん、餃子等)、食肉加工品(ハム、ベーコン、ソーセージ、ハンバーグ、焼き豚、味付肉等)、水産加工品(魚肉ソーセージ、かまぼこ、明太子、ねぎとろ、塩から、シュリンプペースト等)、調味料(味噌、ソース、トマトソース、シーズニングソース、中華料理の素、鶏ガラスープの素、ブイヨン、鍋つゆ等)、製菓・製パン類(ポテトチップス、クラッカー等)等が挙げられる。また、食品の呈味の強さの向上を必要とする食品もまた上記と同様である。
 以下に、本発明の実施例及び比較例を記載することにより、本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔調製例〕
 実施に際し、以下のものを使用した。
<食用油脂>
 パーム核極度硬化油(融点40℃、ヨウ素価1)(株式会社J-オイルミルズ社製)
<賦形剤>
 コーンシロップ(製品名:フジシラップC-75S、平均分子量700、DE 28、水分25質量%)(加藤化学株式会社製)
 デキストリン(製品名:サンデック#150、平均分子量10000、DE 15~18)(三和澱粉株式会社製)
<pH調整剤>
 リン酸水素2カリウム(太平化学産業株式会社製)
 クエン酸ナトリウム(三栄源エフエフアイ株式会社製)
<乳化剤>
ポエムDO-100V(ジグリセリンモノオレート、HLB 7.4、理研ビタミン株式会社製)
レシチン(製品名:レシチンAY、株式会社J-オイルミルズ社製、アセトン不溶物含量:60質量%、ペースト状大豆レシチン)
DKエステルF160(ショ糖脂肪酸エステル、HLB 15、第一工業製薬株式会社製)
DKエステルF110(ショ糖脂肪酸エステル、HLB 11、第一工業製薬株式会社製)
DKエステルF50(ショ糖脂肪酸エステル、HLB 6、第一工業製薬株式会社製)
DKエステルF10(ショ糖脂肪酸エステル、HLB 1、第一工業製薬株式会社製)
ポエムP-200(モノグリセリン脂肪酸エステル、HLB 3.2、理研ビタミン株式会社製)
エマゾールP-10V(ソルビタンモノパルミテート、HLB 6.7、花王株式会社製)
リケマールPO-100V(プロピレングリコールオレイン酸エステル、HLB 3.6、理研ビタミン株式会社製)
<その他>
酸カゼイン(Lactic Casein(Westland Co-operative Dairy Company Ltd社製))
<風味油の製造方法>
 鍋に必要に応じ乳化剤を入れ、さらに食用油脂としてパーム核極度硬化油を入れた鍋を加熱し、所定の加熱温度に達した後、表に示す植物性食品を加え、必要に応じ水を加えた。さらに、加熱し、所定の加熱温度に達した時点で、該温度を維持した。所定の加熱温度に達してから、所定の加熱時間維持した後、フィルターA(金属製、目開き150μm)(東京スクリーン株式会社社製)でろ過を行い、ろ液を回収して風味油を得た。
<粉末油脂組成物の製造方法A(油分50質量%)>
 粉末油脂組成物を以下の手順で製造した。
1.水相原料の調製
 水85.1質量部、酸カゼイン2.05質量部、及び水酸化ナトリウム0.05質量部を混合し、酸カゼインと水酸化ナトリウムを中和反応させてカゼインナトリウムを含む水溶液を得た。このカゼインナトリウム水溶液に、コーンシロップ59.7質量部(固形分として44.8質量部、水分14.9質量部)、リン酸水素二カリウム1.6質量部、及びクエン酸三ナトリウム0.5質量部を混合して、水相原料を得た。
2.油相原料の調製
 溶解した風味油50質量部に、エマゾールP-10Vを0.5質量部、ポエムP-200を0.5質量部混合し、油相原料を得た。
3.高圧乳化と乾燥
 前記水相原料149.0質量部と前記油相原料51.0質量部とを合一して撹拌することにより、原料混合物を得た。該原料混合物を、高圧乳化機(製品名:LAB-2000、SPXフローテクノロジー株式会社製)にて500barで処理することにより、O/W型エマルジョンを得た。得られたエマルジョンをスプレードライヤー(製品名:B-290、日本ビュッヒ株式会社製、INLET175℃、ポンプ出力50%、噴霧空気流量600L/時間)を用いて乾燥粉末化することにより、粉末油脂組成物を得た。
<粉末油脂組成物の製造方法B(油分30質量%)>
 粉末油脂組成物を以下の手順で製造した。
1.水相原料の調製
 上記粉末油脂組成物の製造方法Aと同じ操作で水相原料を得た。
2.油相原料の調製
 上記粉末油脂組成物の製造方法Aと同じ操作で油相原料を得た。
3.高圧乳化と乾燥
 前記水相原料169.4質量部と前記油相原料30.6質量部とを合一して撹拌することにより、原料混合物を得た。該原料混合物を、高圧乳化機(製品名:LAB-2000、SPXフローテクノロジー株式会社製)にて500barで処理することにより、O/W型エマルジョンを得た。得られたエマルジョンをスプレードライヤー(製品名:B-290、日本ビュッヒ株式会社製、INLET175℃、ポンプ出力50%、噴霧空気流量600L/時間)を用いて乾燥粉末化することにより、粉末油脂組成物を得た。
〔実施例1〕(粉末油脂組成物とすることによる効果)
 上記風味油の製造方法に従い、表1に示す条件で、風味油を調製した。植物性食品として、生にんにくを予めミキサーで荒くみじん切りした後、使用した。
 実施例1-1では、調製した風味油を上記粉末油脂組成物の製造方法Bに従い、粉末油脂組成物を得た。
 下記に示すスープの配合1に従って調製したスープ100gに、得られた粉末油脂組成物を2g添加して評価用スープを得た(実施例1-1)。また、粉末油脂組成物2gに代えて、風味油を0.6g添加して評価用スープを得た(比較例1-1)。
(スープの配合1)
 食塩 0.88g、
 粉糖 0.27g、
 うま味調味料(味の素(登録商標)、味の素株式会社製) 0.27g、
 チキンエキス(チキンストック50-10-N、DSP五協フード&ケミカル株式会社製) 0.16g、
 ホワイトペッパー(株式会社ギャバン製) 0.02g、
 ニンジンパウダー(三笠産業株式会社製) 0.01g、
 オニオンパウダー(株式会社ギャバン製) 0.03g、及び
 湯 98.36g
 得られた評価用スープを3名で食し、合議の上、下記評価基準に従い、食品の評価をおこなった。風味の力価とは、植物性食品由来の特有なフレッシュな香り立ちや味のことであり、呈味の強さとは、食品の呈味の強さのことである。その結果を表1に示す。
(評価基準)
<風味の力価>
 A:風味が非常に強い
 B:風味が強い
 C:風味がやや弱い
 D:風味が弱い
 
<呈味の強さ>
 A:呈味が非常に強い
 B:呈味が強い
 C:呈味がやや弱い
 D:呈味が弱い
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表1に示したように、比較例1-1の風味油をそのまま、スープに添加した場合に比べ、実施例1-1のように粉末油脂組成物の形態でスープに添加することで、風味の力価及び呈味の強さが向上することがわかった。
〔実施例2〕(植物性食品の形態の評価)
 上記風味油の製造方法に従い、表2に示す条件で、風味油を調製した。植物性食品として、生にんにくとガーリックパウダーを使用した。生にんにくを使用した場合、予め生にんにくをミキサーで、荒くみじん切りした後、使用した。また、ガーリックパウダーは、ユウキ食品工業株式会社製のものを使用した。なお、実施例2-3、4のガーリックパウダーの配合量は、実施例2-1のにんにくの固形分相当となるようにした。
 調製した風味油を上記粉末油脂組成物の製造方法Bに従い、粉末油脂組成物を得た。
 上記スープの配合1に従って調製したスープ100gに、得られた粉末油脂組成物を2g添加して評価用スープを得た。得られた評価用スープを3名で食し、合議の上、上記評価基準に従い、評価をおこなった。その結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表2に示したように、植物性食品としてにんにく及びガーリックパウダー(乾燥にんにく)のいずれを用いても、充分な風味の力価を有し、また、呈味の強さも良好であった。実施例2-1と実施例2-2を対比すると、ポエムDO-100Vを添加することでその効果が向上することがわかる。また、実施例2-3と実施例2-4を対比すると、乾燥した植物性食品の場合、加熱時に水を添加することで、その効果が向上することがわかる。
〔実施例3〕(加熱温度の評価1)
 上記風味油の製造方法に従い、表3に示す条件で、風味油を調製した。植物性食品として、生にんにくを予めミキサーで荒くみじん切りした後、使用した。
 調製した風味油を上記粉末油脂組成物の製造方法Bに従い、粉末油脂組成物を得た。
 上記スープの配合1に従って調製したスープ100gに、得られた粉末油脂組成物を2g添加して評価用スープを得た。得られた評価用スープを3名で食し、合議の上、上記評価基準に従い、評価をおこなった。その結果を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表3に示したように、実施例3-1~3-3に示されるように加熱温度が50℃以上90℃以下で風味の力価が良好であった。一方、比較例3-1及び3-2に示されるように加熱温度が100℃及び110℃では、風味の力価が充分ではなかった。風味の力価及び呈味の強さの観点から、加熱温度は50℃以上70℃以下がより好ましいことがわかった。
〔実施例4〕(加熱温度の評価2)
 上記風味油の製造方法に従い、表4に示す条件で、風味油を調製した。植物性食品として、ガーリックパウダーを使用した。
 調製した風味油を上記粉末油脂組成物の製造方法Bに従い、粉末油脂組成物を得た。
 上記スープの配合1に従って調製したスープ100gに、得られた粉末油脂組成物を2g添加して評価用スープを得た。得られた評価用スープを3名で食し、合議の上、上記評価基準に従い、評価をおこなった。その結果を表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 表4に示したように、実施例4-1に示さるとおり加熱温度が70℃で風味の力価及び呈味の強さが良好であった。比較例4-1に示されるように、加熱温度が110℃では、風味の力価が充分ではなかった。
〔実施例5〕(乳化剤の評価)
 上記風味油の製造方法に従い、表5に示す条件で、風味油を調製した。植物性食品として、生にんにくを予めミキサーで荒くみじん切りした後、使用した。
 調製した風味油を上記粉末油脂組成物の製造方法Bに従い、粉末油脂組成物を得た。
 上記スープの配合1に従って調製したスープ100gに、得られた粉末油脂組成物を2g添加して評価用スープを得た。得られた評価用スープを3名で食し、合議の上、上記評価基準に従い、評価をおこなった。その結果を表5に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 表5に示したように、風味油を製造する際に、乳化剤を添加することで風味の力価又は呈味の強さを向上できることがわかった。特に、風味の力価の向上の観点から、ポエムDO-100V、DKエステルF160、DKエステルF110及びDKエステルF50が好ましいことがわかった。また、呈味の強さの向上の観点から、ポエムDO-100V、レシチン、DKエステルF160、DKエステルF110、DKエステルF10及びポエムP-200が好ましいことがわかった。
〔実施例6〕(粉末油脂組成物の油分及び賦形剤の評価)
 上記風味油の製造方法に従い、表6に示す条件で、風味油を調製した。植物性食品として、生にんにくを予めミキサーで荒くみじん切りした後、使用した。
 実施例6-1では、上記粉末油脂組成物の製造方法Aに従い、風味油の油分が50質量%の粉末油脂組成物を得た。実施例6-2では、上記粉末油脂組成物の製造方法Bに従い、風味油の油分が30質量%の粉末油脂組成物を得た。実施例6-3では、粉末油脂組成物作製時の水相原料のコーンシロップをデキストリン44.8質量部とし、さらに水85.1質量部を100質量部とすること以外は、上記粉末油脂組成物の製造方法Bと同じ操作で粉末油脂組成物を得た。
 上記スープの配合1に従って調製したスープ100gに、得られた粉末油脂組成物を2g添加して評価用スープを得た。得られた評価用スープを3名で食し、合議の上、上記評価基準に従い、評価をおこなった。その結果を表6に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 表6に示したように、粉末油脂組成物の油分が30質量%及び50質量%のいずれにおいても、風味の力価及び呈味の強さの向上効果が確認でき、その効果は同等であった(実施例6-1と実施例6-2)。また、賦形剤をコーンシロップに代えてデキストリンを用いても、同等の効果を得られることがわかった。
〔実施例7〕(にんにく以外の植物性食品の評価)
 上記風味油の製造方法に従い、表7に示す条件で、風味油を調製した。植物性食品として、長ネギ、ゴボウ、コショウを使用し、長ネギ、ゴボウは予めミキサーで、荒くみじん切りした後、使用した。コショウは予め粉砕し、使用した。
 調製した風味油を上記粉末油脂組成物の製造方法Bに従い、粉末油脂組成物を得た。
 上記スープの配合1に従って調製したスープ100gに、得られた粉末油脂組成物を2g添加して評価用スープを得た。得られた評価用スープを3名で食し、合議の上、上記評価基準に従い、評価をおこなった。その結果を表7に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 表7に示したように、にんにく以外の植物性食品を用いた場合も、風味の力価及び呈味の強さを向上させる効果があることがわかった。
〔実施例8〕(加熱時間の評価)
 上記風味油の製造方法に従い、表8に示す条件で、風味油を調製した。植物性食品として、生にんにくを予めミキサーで荒くみじん切りした後、使用した。
 調製した風味油を上記粉末油脂組成物の製造方法Bに従い、粉末油脂組成物を得た。
 スープの配合1に従って調製したスープ100gに、得られた粉末油脂組成物を2g添加して評価用スープを得た。得られた評価用スープを3名で食し、合議の上、上記評価基準に従い、評価をおこなった。その結果を表8に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 表8に示したように、加熱時間が30分間以上120分間以下で、風味の力価及び呈味の強さを向上させる効果を得られることがわかり、30分間以上60分間以下がより好ましいことがわかった。

Claims (10)

  1.  粉末油脂組成物の製造方法であって、
    植物性食品及び食用油脂を含む油脂混合物を、45℃以上かつ100℃未満の温度で加熱することにより風味油を得る工程、及び
    前記風味油及び賦形剤を含む原料混合物から前記粉末油脂組成物を得る工程
    を含む、前記製造方法。
  2.  前記植物性食品が、長ネギ、タマネギ、唐辛子、ニンニク、ゴボウ及びコショウから選ばれる一種又は二種以上である、請求項1に記載の製造方法。
  3.  前記加熱する時間が、10分間以上かつ240分間以下である、請求項1に記載の製造方法。
  4.  前記油脂混合物が、さらに乳化剤を含む、請求項1に記載の製造方法。
  5.  前記風味油を得る工程が、加熱後、ろ過する工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  6.  前記粉末油脂組成物を得る工程が、
    (1)前記風味油、水及び前記賦形剤を含む原料混合物を得る工程、
    (2)前記原料混合物を乳化させてエマルジョンを得る工程、及び
    (3)前記エマルジョンを乾燥する工程、
    を含む、請求項1に記載の製造方法。
  7.  風味油の風味を向上させる方法であって、
    植物性食品及び食用油脂を含む油脂混合物を、45℃以上かつ100℃未満の温度で加熱することにより風味油を得る工程、及び
    前記風味油及び賦形剤を含む原料混合物から粉末油脂組成物を得る工程
    を含み、
    前記粉末油脂組成物を得る工程が、
    (1)前記風味油、水及び前記賦形剤を含む前記原料混合物を得る工程、
    (2)前記原料混合物を乳化させてエマルジョンを得る工程、及び
    (3)前記エマルジョンを乾燥する工程、
    を含む、前記方法。
  8.  前記風味油を得る工程が、加熱後、ろ過する工程を含む、請求項7に記載の方法。
  9.  請求項1に記載の製造方法で得られた粉末油脂組成物を食材に添加することを含む、食品の製造方法。
  10.  請求項1に記載の製造方法で得られた粉末油脂組成物を食材に添加することからなる、食品の呈味の強さを向上させる方法。
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