WO2018105575A1 - 冷凍機油組成物およびこれを含有する冷凍機用作動流体組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、これらのHFC冷媒は、地球温暖化係数(GWP)が1,000以上と高いことから、いわゆるF-ガス規制により使用が制限されつつある。HFC冷媒の代替候補としては低GWPであることが必須であり、その一つとして既に冷蔵庫用として実用化されているイソブタン(冷媒R600a)のような炭化水素冷媒等が挙げられる。炭化水素冷媒は、GWPが20以下と極めて低く、物性値が好適であることから、幅広い利用が検討されている。
しかしながら、上記のような添加剤を用いた冷凍機油組成物は、条件によっては潤滑性が十分ではなく、添加剤の添加量を増やす必要がある。ところが、潤滑性向上効果に優れる添加剤には、結晶性が高く、冷凍機油への溶解性が乏しいものがあり、添加量が制限される場合もある。さらに、炭化水素冷媒共存下の条件によっては、加えた添加剤が析出・分離する可能性がある。
以上のことから、添加剤の溶解性が高い冷凍機油組成物の開発が望まれている。
エステル(A):クエン酸トリエステル
エステル(B):炭素数3~14の脂肪族1価アルコールと、炭素数4~12の脂肪族1価カルボン酸とからなる脂肪族モノエステル
添加剤:ヘキサン溶媒中に1質量%の濃度で溶解させたときの曇り点が-20℃以上である、添加剤
[2]クエン酸トリエステルが、クエン酸と炭素数2~10の脂肪族1価アルコールとからなるクエン酸トリエステルである、上記[1]記載の冷凍機油組成物。
[3]前記添加剤が、トリフェニルホスフェートおよびグリセリンモノオレエートからなる群より選択される1種以上である、上記[1]又は[2]に記載の冷凍機油組成物。
[4]上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の冷凍機油組成物および炭化水素冷媒を含有する、冷凍機用作動流体組成物。
なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は、「~」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2~10」は2以上10以下を表す。
本発明の冷凍機油組成物は、(i)エステル(A)とエステル(B)との混合エステル、および、(ii)ヘキサン溶媒中に1質量%の濃度で溶解させたときの曇り点が-20℃以上である添加剤を含有する。
なお、本明細書において、「冷凍機油組成物」とは、一般に、冷凍空調機器におけるコンプレッサーのための潤滑油を意味し、冷凍空調機器としては、例えば、家庭用冷凍冷蔵庫等が挙げられる。
本明細書において、「エステル(A)とエステル(B)との混合エステル」とは、エステル(A)とエステル(B)の混合物を意味する。
クエン酸とトリエステルを形成する炭素数2~10の脂肪族1価アルコールは、1種または2種類以上を使用することができる。炭素数2~10の脂肪族1価アルコールの具体例としては、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、3-メチル-1-ブタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、2-メチル-1-ヘキサノール、2-エチル-1-ペンタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、3-オクタノール、2-メチル-1-ヘプタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、1-ノナノール、2-ノナノール、3-ノナノール、2-メチル-1-オクタノール、2-エチル-1-ヘプタノール、1-デカノール、2-デカノール、3-デカノール、2-メチル-1-ノナノール、2-エチル-1-オクタノールなどが挙げられる。
成分(a1)としては、炭素数2~5の直鎖状の飽和脂肪族1価アルコールが好ましい。
なお、1-ブタノールを使用すると、低温安定性に優れるクエン酸トリエステルを得ることができるので、成分(a1)としては、1-ブタノールを含む態様が特に好ましい。
クエン酸トリエステル中のアルコールに由来するアルキル基が分岐鎖状である場合、クエン酸トリエステルの低温安定性が優れる傾向が見られるので、成分(a2)としては、炭素数6~10の分岐鎖飽和脂肪族1価アルコールが好ましく、炭素数7~9の分岐鎖飽和脂肪族1価アルコールがより好ましい。
なお、脂肪族1価アルコールとして、2-エチル-1-ヘキサノールを使用することによって、低温安定性に優れるクエン酸トリエステルを得ることができるので、成分(a2)としては、2-エチル-1-ヘキサノールを含む態様が特に好ましい。
添加剤再溶解性の観点からは、成分(a1)と成分(a2)のモル比[成分(a1)/成分(a2)]は、さらに好ましくは65/35~90/10であり、さらにより好ましくは65/35~85/15である。
なお、上記エステルの「酸価」は、例えば、日本工業規格(JIS) C2101:1999に準拠して測定される。
(b1)炭素数3~14の脂肪族1価アルコール
(b2)炭素数4~12の脂肪族1価カルボン酸
成分(b1)の炭素数3~14の直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族1価アルコールとしては、炭素数3~14の分岐鎖の飽和脂肪族1価アルコールがより好ましく、炭素数が4~9の分岐鎖の飽和脂肪族1価アルコールがさらに好ましく、2-メチル-1-プロパノールおよび2-エチル-1-ヘキサノールが特に好ましい。
エステル(A)とエステル(B)の含有量比[エステル(A)/エステル(B)]が1/99より小さい場合、添加剤溶解性が低下する傾向があり、エステル(A)とエステル(B)の含有量比[エステル(A)/エステル(B)]が30/70より大きくなると、添加剤溶解性の向上効果が頭打ちとなり、エステル(A)の含有量に見合った添加剤溶解性が得られ難くなる場合がある。
エステル(A)とエステル(B)を混合する方法は、特に限定されないが、例えば、エステル(A)とエステル(B)の任意の量をビーカー等の容器に測り採り、撹拌羽を用いて撹拌混合する方法が挙げられる。
本発明の目的には、エステル(A)とエステル(B)の含有量比[エステル(A)/エステル(B)]は、質量比にて1/99~25/75であることが好ましく、3/97~20/80であることがより好ましい。
なお、ここでいう「動粘度」は、JIS K2283:2000に準拠して測定することができる。また、「酸価」は、JIS C2101:1999に準拠して測定することができる。
本発明の冷凍機油組成物は、上述の混合エステルに加えて、ヘキサン溶媒中に1質量%の濃度で溶解させたときの曇り点が-20℃以上である添加剤を含有する。
添加剤の融点は、示差走査熱量分析計により測定される。示差走査熱量分析計としては、たとえば、セイコーインスツル株式会社製の「DSC-6200」等を使用することができる。測定は、たとえば、約10mgの添加剤を試料ホルダーに入れ、リファレンス材料としてアルミナ10mgを用い、-20℃から150℃まで、昇温速度を毎分10℃として行なう。そして、前記測定の結果、得られた吸熱ピークのピークトップの温度を融点とする。
上記した添加剤は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本発明の目的には、ヘキサン溶媒中に1質量%の濃度で溶解させたときの曇り点が-20℃以上である添加剤として、トリフェニルホスフェートおよびグリセリンモノオレエートからなる群より選択される1種以上を用いることが特に好ましい。
本発明はまた、冷凍機用作動流体組成物を提供することができる。
ここで、「冷凍機用作動流体組成物」とは、冷凍機油組成物と冷媒を混合したものをいう。
本発明の冷凍機用作動流体組成物は、上記冷凍機油組成物と、炭化水素冷媒とを含有する。冷凍機油組成物と炭化水素冷媒との含有量比(冷凍機油組成物:炭化水素冷媒)に特に制限はないが、好ましくは、質量比にて10:90~90:10である。炭化水素冷媒の含有率が前記範囲より高いと、得られる冷凍機用作動流体組成物の粘度が低下し、潤滑不良を起こすおそれがある。炭化水素冷媒の含有率が前記範囲より低い場合には、得られる冷凍機用作動流体組成物を冷凍機器に用いた場合に、冷凍効率が低下するおそれがある。
製造例1
クエン酸無水物(282g、1.47mol)、1-ブタノール(294g、3.97mol)、および2-エチル-1-ヘキサノール(114g、0.87mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、200℃で反応水を留去しつつ常圧で5時間反応を行なった。その後、200℃で酸価が2mgKOH/g以下となるまで反応を継続した。次いで、1kPa~5kPaの減圧下にて200℃で過剰なアルコールを留去し、粗エステルを得た。粗エステルを冷却し、これに酸性白土およびシリカ-アルミナ系の吸着剤を、それぞれ理論上得られるエステル量の1.0質量%となるように添加して、吸着処理した(吸着処理温度:100℃、圧力:1kPa~5kPa、吸着処理時間:2時間)。最後に孔径1μmのフィルターを用いて濾過を行い、目的のクエン酸トリエステル(酸価=0.1mgKOH/g以下)(以下「エステルA1」と記載する。)を得た。
クエン酸無水物(282g、1.47mol)、エタノール(40g、0.87mol)、および1-ヘキサノール(406g、3.97mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、200℃で反応水を留去しつつ常圧で5時間反応を行なった。以降の工程は製造例1と同様にして行い、目的のクエン酸トリエステル(酸価=0.1mgKOH/g以下)(以下「エステルA2」と記載する。)を得た。
製造例3
2-メチル-1-プロパノール(490g、6.60mol)、2-エチルヘキサン酸(1000g、6.93mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、150℃で反応水を留去しつつ常圧で水酸基価が5.0mgKOH/g以下になるまで反応を行った。ついで、200℃、1kPa~5kPaの減圧下にて過剰な2-エチルヘキサン酸を留去し、粗エステルを得た。粗エステルを冷却し、これに酸性白土およびシリカ-アルミナ系の吸着剤を、それぞれ理論上得られるエステル量の1.0質量%となるように添加して吸着処理した。吸着処理温度、圧力、および吸着処理時間は、それぞれ100℃、1kPa~5kPaおよび2時間とした。最後に孔径1μmのフィルターを用いて濾過を行い、目的のモノエステル(以下「エステルB1」と記載する。)を得た。
2-エチル-1-ヘキサノール(328g、2.52mol)、2-エチルヘキサン酸(369g、2.56mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、200℃で反応水を留去しつつ常圧で水酸基価が5.0mgKOH/g以下になるまで反応を行った。ついで、200℃、1kPa~5kPaの減圧下にて過剰な2-エチルヘキサン酸を留去し、粗エステルを得た。粗エステルを冷却し、これに酸性白土およびシリカ-アルミナ系の吸着剤を、それぞれ理論上得られるエステル量の1.0質量%となるように添加して吸着処理した。吸着処理温度、圧力、および吸着処理時間は、それぞれ100℃、1kPa~5kPaおよび2時間とした。最後に孔径1μmのフィルターを用いて濾過を行い、目的のモノエステル(以下「エステルB2」と記載する。)を得た。
エステルA1、A2について、各エステル(0.1g)を、質量比が80/20であるトルエン/メタノールの混合溶媒(5g)で希釈し、次いで28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(和光純薬工業株式会社製)(0.3g)を加え、常温にて30分静置することにより、エステルを加メタノール分解した。得られたエステル分解物溶液をガスクロマトグラフィーで分析し、得られた脂肪族1価アルコールのピーク面積比から、エステルA1、A2を構成する脂肪族1価アルコール成分のモル比[成分(a1)/成分(a2)]を算出し、表1に併せて示した。
なお、実施したガスクロマトグラフィーの分析条件は、次の通りである。
測定機器:ガスクロマトグラフ「GC-2014」(株式会社島津製作所製)
カラム :ジーエルサイエンス株式会社製「OV-1」を充填した長さ1.1m、内径3.2mmのパックドカラム
測定温度:導入口温度320℃、検出器温度330℃の条件において、測定開始からカラム温度を100℃から320℃まで10℃/分の速度で昇温し、320℃で20分保持した。
検出器 :水素イオン化検出器(FID)
JIS C2101:1999に準拠して、エステルA1、A2およびエステルB1、B2の酸価を測定した。
JIS K2269-1987に準拠して、エステルA1、A2およびエステルB1、B2の流動点を測定した。
ここで、エステルの「流動点」は、エステルの低温流動性を示す数値であり、エステルが流動する最低温度となる。
上述のエステルA1、A2とエステルB1、B2、および添加剤を下記表3、4に示す組成比で混合し、実施例1~10の冷凍機油組成物を調製した。
実施例1~10の各冷凍機油組成物において用いた各冷凍機油(すなわちエステルA1またはエステルA2とエステルB1またはエステルB2との混合エステル)について、JIS K2283:2000に準拠して40℃における動粘度を測定した。測定結果は、表3、4中に示した。
JIS K2269:1987に準拠して、実施例1~5の各冷凍機油組成物について、曇り点を測定した。その際、エステルB1(100質量%)に対し、グリセリンモノオレエートを7質量%添加した冷凍機油組成物(「エステルB1・グリセリンモノオレエート混合冷凍機油組成物」という)、およびエステルB2(100質量%)に対し、グリセリンモノオレエートを7質量%添加した冷凍機油組成物(「エステルB2・グリセリンモノオレエート混合冷凍機油組成物」という)を調製し、それぞれについて、同様に曇り点を測定した。
実施例1、4の冷凍機油組成物については、エステルB1・グリセリンモノオレエート混合冷凍機油組成物の曇り点からの下がり幅の絶対値を記録した。また、実施例2、3、5の各冷凍機油組成物については、エステルB2・グリセリンモノオレエート混合冷凍機油組成物の曇り点からの下がり幅の絶対値を記録した。
結果は、表3に併せて示した。
実施例1~5の各冷凍機油組成物とヘキサンを質量比にて2:5の割合で混合し、JIS K2269:1987に準拠して、各混合物の曇り点を測定した。上記溶解性試験1の場合と同様に、実施例1、4の冷凍機油組成物とヘキサンとの混合物については、エステルB1・グリセリンモノオレエート混合冷凍機油組成物とヘキサンとの混合物の曇り点からの下がり幅の絶対値を記録した。また、実施例2、3、5の各冷凍機油組成物とヘキサンとの混合物については、エステルB2・グリセリンモノオレエート混合冷凍機油組成物とヘキサンとの混合物の曇り点からの下がり幅の絶対値を記録した。
結果は、表3に併せて示した。
JIS K2269:1987に準拠して、実施例6~10の各冷凍機油組成物の曇り点を測定した。その際、エステルB1(100質量%)に対し、トリフェニルホスフェートを7質量%添加した冷凍機油組成物(「エステルB1・トリフェニルホスフェート混合冷凍機油組成物」という)、およびエステルB2(100質量%)に対し、トリフェニルホスフェートを7質量%添加した冷凍機油組成物(「エステルB2・トリフェニルホスフェート混合冷凍機油組成物」という)を調製し、それぞれについて、同様に曇り点を測定した。実施例6、9の冷凍機油組成物については、エステルB1・トリフェニルホスフェート混合冷凍機油組成物の曇り点からの下がり幅の絶対値を記録した。また、実施例7、8、10の各冷凍機油組成物については、エステルB2・トリフェニルホスフェート混合冷凍機油組成物の曇り点からの下がり幅の絶対値を記録した。
結果は、表4に併せて示した。
実施例6~10の各冷凍機油組成物とヘキサンを質量比にて2:5の割合で混合し、JIS K2269:1987に準拠して、各混合物の曇り点を測定した。上記溶解性試験3の場合と同様に、実施例6、9の冷凍機油組成物とヘキサンとの混合物については、エステルB1・トリフェニルホスフェート混合冷凍機油組成物とヘキサンとの混合物の曇り点からの下がり幅の絶対値を記録した。また、実施例7、8、10の各冷凍機油組成物とヘキサンとの混合物については、エステルB2・トリフェニルホスフェート混合冷凍機油組成物とヘキサンとの混合物の曇り点からの下がり幅の絶対値を記録した。
結果は、表4に併せて示した。
また、炭化水素であるヘキサンと混合した場合においても、本発明の冷凍機油組成物は優れた添加剤溶解性を示すことが認められた。
本発明の冷凍機油組成物および冷凍機用作動流体組成物は、潤滑性が特に要求される冷凍空調機器や家庭用冷凍冷蔵庫におけるコンプレッサー等に好適に使用することができる。
Claims (4)
- 下記エステル(A)とエステル(B)との混合エステル、および下記添加剤を含有する冷凍機油組成物であって、エステル(A)とエステル(B)の含有量比[エステル(A)/エステル(B)]が質量比にて1/99~30/70であり、下記添加剤を、エステル(A)とエステル(B)との混合エステル100質量%に対して、0.01質量%~10質量%含有し、エステル(A)とエステル(B)との混合エステルの40℃における動粘度が1mm2/s~20mm2/sである、冷凍機油組成物。
エステル(A):クエン酸トリエステル
エステル(B):炭素数3~14の脂肪族1価アルコールと、炭素数4~12の脂肪族1価カルボン酸とからなる脂肪族モノエステル
添加剤:ヘキサン溶媒中に1質量%の濃度で溶解させたときの曇り点が-20℃以上である、添加剤 - クエン酸トリエステルが、クエン酸と炭素数2~10の脂肪族1価アルコールとからなるクエン酸トリエステルである、請求項1記載の冷凍機油組成物。
- 前記添加剤が、トリフェニルホスフェートおよびグリセリンモノオレエートからなる群より選択される1種以上である、請求項1又は2に記載の冷凍機油組成物。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の冷凍機油組成物および炭化水素冷媒を含有する、冷凍機用作動流体組成物。
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