JP6642029B2 - 冷媒r32用の冷凍機油およびこれを含有する組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた添加剤溶解性を有する冷媒R32用の冷凍機油およびこれを含有する組成物に関する。
従来、ルームエアコン、パッケージエアコンなどの空調機器、家庭用冷凍冷蔵庫、産業用冷凍機、およびハイブリッドカー、電気自動車などのカーエアコンには塩素を含むフロン冷媒が用いられていた。近年では、オゾン層の破壊などの原因となるこれら塩素系冷媒に代わり、冷媒R134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、冷媒R125(ペンタフルオロエタン)、冷媒R410A(冷媒R32(ジフルオロメタン)および冷媒R125(ペンタフルオロエタン)の混合冷媒)などのハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒が使用されている。しかしこれらHFC冷媒はオゾン層破壊係数がゼロであるものの、地球温暖化係数(GWP)が1000以上と高い。そのため、温室効果の低減を目的とした規制の対象となっており、使用が制限されてくることからGWPの低い冷媒の使用が検討されている。例えばGWPが4である冷媒HFO−1234yf(2,3,3,3−テトラフルオロプロペン)や、GWPが675である冷媒R32(ジフルオロメタン)の単独使用などへの転換が進められている。
GWPが低い冷媒R32を用いると、コンプレッサーでの吐出温度が高くなり、コンプレッサー内の潤滑条件がより厳しくなる。そのため、潤滑性を改善するため、これまで種々の添加剤が検討されている。例えば、特許文献1には、所定基油と、リン系極圧剤と、油性剤と、を含有することを特徴とする冷凍機油組成物が開示されている。
特開2010−209360号公報
冷媒R32は、従来の冷媒と比較して、添加剤溶解性に劣ることから、冷媒R32と接触する冷凍機油では、結晶性の高い添加剤が析出し易くなり、潤滑性向上効果に優れた従来の添加剤を使用することが困難となる場合がある。本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、その目的は、添加剤溶解性に優れた冷媒R32用の冷凍機油を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行なった結果、特定のクエン酸トリエステルが優れた添加剤溶解性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。この知見に基づく本発明は、以下の通りである。
[1] クエン酸および炭素数2〜10の脂肪族アルコールからなるクエン酸トリエステルである冷媒R32用の冷凍機油。
[2] 前記脂肪族アルコールが、以下の成分(A)および成分(B):
(A)炭素数2〜5の脂肪族アルコール、
(B)炭素数6〜10の脂肪族アルコール
からなり、前記クエン酸トリエステルを構成する成分(A)/成分(B)のモル比が、60/40〜95/5である前記[1]に記載の冷媒R32用の冷凍機油。
[3] 質量比が75/25である1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン/酢酸エチルの混合溶媒中に10質量%の濃度で溶解させたときの曇り点が−30℃以上である添加剤、および前記[1]または[2]に記載の冷媒R−32用の冷凍機油を含有し、前記添加剤の含有量が、0.01〜5質量%である冷媒R32用の冷凍機油組成物。
[4] 前記添加剤が、トリフェニルホスフェートおよび/またはグリセリンモノオレートである前記[3]に記載の冷媒R32用の冷凍機油組成物。
[5] 前記[1]または[2]に記載の冷媒R32用の冷凍機油および冷媒R32を含有する冷凍機用作動流体組成物。
[6] 前記[3]または[4]に記載の冷媒R32用の冷凍機油組成物および冷媒R32を含有する冷凍機用作動流体組成物。
本発明の冷媒R32用の冷凍機油は、優れた添加剤溶解性を有するため、潤滑性が特に要求される冷凍空調機器や冷蔵庫等のコンプレッサーに好適に用いることができる。また、本発明の冷媒R32用の冷凍機油は、冷媒R32(ジフルオロメタン)との相溶性が高いため、冷媒R32を含有する冷凍機用作動流体組成物に好適に用いることができる。
以下、本発明の冷媒R32用の冷凍機油について説明する。なお、本明細書において記号「〜」を用いて規定された数値範囲は「〜」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2〜10」は2以上10以下を表す。
本発明の冷媒R32用の冷凍機油は、クエン酸および炭素数2〜10の脂肪族アルコールからなるクエン酸トリエステルである。このクエン酸トリエステルは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
「冷凍機油」とは、一般に、冷凍空調機器におけるコンプレッサーのための潤滑油を意味し、冷凍空調機器としては、例えば、エアコン等が挙げられる。また、本明細書において、「冷媒R32用の冷凍機油」とは、冷媒R32(ジフルオロメタン)を使用するエアコンにおけるコンプレッサー等のための潤滑油を意味する。
クエン酸トリエステルを製造するためのクエン酸としては、工業的に入手可能なクエン酸を使用することができる。また、クエン酸トリエステルの製造に、クエン酸無水物を使用してもよい。
本発明で使用される脂肪族アルコールの炭素数は、2〜10、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜9である。この脂肪族アルコールは、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。炭素数2〜10の脂肪族アルコールの具体例としては、後述する炭素数2〜5の脂肪族アルコール(成分(A))および炭素数6〜10の脂肪族アルコール(成分(B))の具体例と同じものが挙げられる。
炭素数2〜10の脂肪族アルコールは、好ましくは、炭素数2〜5の脂肪族アルコール(成分(A))および炭素数6〜10の脂肪族アルコール(成分(B))からなる。成分(A)および成分(B)は、いずれも、1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。
成分(A)としては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどが挙げられる。成分(A)は、好ましくは炭素数3〜5の脂肪族アルコールである。成分(A)は、より好ましくは炭素数3〜5の直鎖状の飽和脂肪族アルコールである。成分(A)として1−ブタノールを使用することによって、冷媒R32との溶解性、潤滑性、低温安定性において優れたクエン酸トリエステルを得ることができるので、成分(A)は、さらに好ましくは1−ブタノールである。
成分(B)としては、例えば、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−メチル−1−ヘキサノール、2−エチル−1−ペンタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、2−メチル−1−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、2−ノナノール、3−ノナノール、2−メチル−1−オクタノール、2−エチル−1−ヘプタノール、1−デカノール、2−デカノール、3−デカノール、2−メチル−1−ノナノール、2−エチル−1−オクタノールなどが挙げられる。冷凍機油(クエン酸トリエステル)中のアルコールに由来するアルキル基が分枝鎖状である場合、その冷凍機油は低温安定性やR32との相溶性に優れる傾向にあるので、成分(B)は、好ましくは炭素数6〜10の分枝鎖状の飽和脂肪族アルコールであり、より好ましくは炭素数7〜9の分枝鎖状の飽和脂肪族アルコールである。成分(B)として2−エチル−1−ヘキサノールを使用することによって、添加剤再溶解性、潤滑性、低温安定性において優れたエステルを得ることができるので、成分(B)は、さらに好ましくは2−エチル−1−ヘキサノールである。
クエン酸トリエステルを構成する成分(A)/成分(B)のモル比が60/40〜95/5であることが好ましい。この範囲にモル比を調整することによって、析出した添加剤を再溶解させる性能(添加剤再溶解性)に優れたクエン酸トリエステルを得ることができる。添加剤再溶解性の観点から、成分(A)/成分(B)のモル比は、より好ましくは65/35〜90/10であり、さらに好ましくは65/35〜85/15である。
成分(A)/成分(B)のモル比を調整する方法に特に限定は無い。例えば、クエン酸またはクエン酸無水物と成分(A)および成分(B)の混合物とを反応させてもよいし、クエン酸またはクエン酸無水物と成分(A)および成分(B)のそれぞれとを反応させた後、それらの生成物を混合してもよい。
クエン酸トリエステルを構成する成分(A)/成分(B)のモル比はガスクロマトグラフィーによって分析することができる。例えば、クエン酸トリエステル(0.1g)を、質量比が80/20であるトルエン/メタノールの混合溶媒(5g)で希釈し、次いで28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(和光純薬工業(株)製)(0.3g)を加え、常温にて30分静置することにより、クエン酸トリエステルを加メタノール分解する。得られたエステル分解溶液をガスクロマトグラフィーで分析し、得られた成分(A)および成分(B)のピーク面積比から、クエン酸トリエステルを構成する成分(A)/成分(B)のモル比を算出することができる。なお、各アルコール単独のガスクロマトグラフィーを分析することで、クエン酸トリエステルを構成していたアルコールの種類を同定することができる。
クエン酸トリエステルは、例えば、クエン酸またはクエン酸無水物および脂肪族アルコールを反応器へ仕込み、常圧での窒素雰囲気下または減圧下にて、例えば150〜250℃で、反応水を留去しつつエステル化反応を行なうことによって、製造することができる。得られるクエン酸トリエステルの酸価は、好ましくは10mgKOH/g以下、より好ましくは5mgKOH/g以下、さらに好ましくは2mgKOH/g以下である。エステル化反応は無触媒で行なってもよく、ブレンステッド酸触媒やルイス酸触媒を使用してもよい。
エステル化反応は、クエン酸またはクエン酸無水物に対して過剰の脂肪族アルコールを用いて行うことが好ましい。この場合、エステル化反応後、過剰なアルコールを減圧下で留去する。得られたクエン酸トリエステルは、例えば吸着剤を用いて精製処理することが好ましい。
本発明の冷媒R32用の冷凍機油であるクエン酸トリエステルの40℃における動粘度は、好ましくは5〜300mm/sであり、より好ましくは10〜200mm/sであり、さらに好ましくは10〜150mm/sである。また、その酸価は、好ましくは10mgKOH/g以下であり、より好ましくは5mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは2mgKOH/g以下であり、特に好ましくは1mgKOH/g以下である。前記動粘度は、JIS K2283に準拠して測定することができる。前記酸価は、JIS C2101に準拠して測定することができる。
本発明は、質量比が75/25である1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン/酢酸エチルの混合溶媒中に10質量%の濃度で溶解させたときの曇り点が−30℃以上である添加剤、および上述の冷媒R32用の冷凍機油(即ち、上述のクエン酸トリエステル)を含有する冷媒R32用の冷凍機油組成物も提供する。前記添加剤の含有量は、冷媒R32用の冷凍機油組成物中、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜4質量%である。この冷媒R32用の冷凍機油組成物は、添加剤の析出が無く、添加量に見合った各種添加剤の効果が得られるという優れた効果を達成することができる。
前記添加剤としては、上述の条件で測定した曇り点が−30℃以上である限り、任意のものを使用できる。また、前記添加剤としては、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本発明の冷媒R32用の冷凍機油は、添加剤溶解性に優れており、本発明の冷媒R−32用の冷凍機油組成物は、曇り点が高く、溶解し難い添加剤を用いることができる。上記条件で測定した前記添加剤の曇り点は、好ましくは−20℃以上、より好ましくは−15℃以上である。なお曇り点は、JIS 2269「原油および石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」に従い、測定することができる。
前記添加剤としては、例えば耐荷重添加剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、酸捕捉剤が挙げられる。冷媒R32冷媒を用いたコンプレッサーは、従来のHFC冷媒使用時より潤滑条件が厳しくなることから、前記添加剤としては、耐荷重添加剤が好ましい。ここで耐荷重添加剤とは、金属摩擦面を油膜で隔てることができずに金属摩擦面が互いに接触する際に機能する添加剤を意味し、例えば、油性向上剤、摩耗防止剤、極圧剤が挙げられる。
耐荷重添加剤としては、例えば、脂肪酸エステル系添加剤、エーテル系添加剤、リン酸エステル系添加剤、およびチオリン酸エステル系添加剤が挙げられる。これらの中で、脂肪酸エステル系添加剤、リン酸エステル系添加剤、およびチオリン酸エステル系添加剤が、潤滑性向上効果の面で好ましく、脂肪酸エステル系添加剤、およびリン酸エステル系添加剤がより好ましい。リン酸エステル系添加剤としては、例えばトリフェニルホスフェートが挙げられる。脂肪酸エステル系添加剤としては、グリセリンモノオレートが挙げられる。前記添加剤は、好ましくはトリフェニルホスフェートおよび/またはグリセリンモノオレートである。
上述したように、「冷媒R32用の冷凍機油」とは、冷媒R32(ジフルオロメタン)を使用するエアコンにおけるコンプレッサー等のための潤滑油を意味し、本発明の冷媒R32用の冷凍機油およびその組成物も、冷媒R32を使用するエアコンにおけるコンプレッサー等で用いられる。但し、冷媒R32を含む冷媒、例えば、冷媒R410R(質量比が50/50である冷媒R125(ペンタフルオロエタン)/冷媒R32(ジフルオロメタン)の混合物)またはR410B(質量比が55/45である冷媒R125(ペンタフルオロエタン)/冷媒R32(ジフルオロメタン)の混合物)を使用するコンプレッサーで用いられる冷凍機油および冷凍機油組成物も、本発明の冷媒R32用の冷凍機油および冷媒R32用の冷凍機油組成物に包含される。本発明の冷媒R32用の冷凍機油は、従来の冷媒R32用の冷凍機油では得られなかった優れた添加剤溶解性を有するとため、本発明の冷媒R32用の冷凍機油およびその組成物は、冷媒として添加剤溶解性に乏しい冷媒R32のみを使用するコンプレッサーで用いられる場合に、最もその有用性が発揮される。
本発明は、上述した冷媒R32用の冷凍機油または冷媒R32用の冷凍機油組成物、および冷媒R32を含有する冷凍機用作動流体組成物も提供する。これら冷凍機用作動流体組成物中の冷媒R−32用の冷凍機油の含有量は、冷媒R32(ジフルオロメタン)100質量部に対して、好ましくは1〜500質量部であり、より好ましくは2〜400質量部である。
以下、製造例等により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、下記製造例等に制限されるものではない。
製造例1
クエン酸無水物(282g、1.47mol)、1−ブタノール(294g、3.97mol)、および2−エチル−1−ヘキサノール(114g、0.87mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、200℃で反応水を留去しつつ常圧で5時間反応を行なった。その後、200℃で酸価が2mgKOH/g以下となるまで反応を継続した。次いで、1〜5kPaの減圧下にて200℃で過剰なアルコールを留去し、粗エステルを得た。粗エステルを冷却し、これに酸性白土およびシリカ−アルミナ系の吸着剤を、それぞれ理論上得られるエステル量の1.0質量%となるように添加して、吸着処理した(吸着処理温度:100℃、圧力:1〜5kPa、および吸着処理時間:2時間)。最後に1ミクロンのフィルターを用いて濾過を行い、目的のクエン酸トリエステル(酸価0.1mgKOH/g以下)(以下「エステル1」と記載する。)を得た。
製造例2
クエン酸無水物(295g、1.53mol)、1−ブタノール(326g、4.40mol)、および1−オクタノール(86g、0.66mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、200℃で反応水を留去しつつ常圧で5時間反応を行なった。以降の工程は製造例1と同様にして行い、目的のクエン酸トリエステル(以下「エステル2」と記載する。)を得た。
製造例3
クエン酸無水物(307g、1.60mol)、2−プロパノール(206g、3.43mol)、および1−ヘキサノール(189g、1.85mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、200℃で反応水を留去しつつ常圧で6時間反応を行なった。以降の工程は製造例1と同様にして行い、目的のクエン酸トリエステル(以下「エステル3」と記載する。)を得た。
製造例4
クエン酸無水物(269g、1.40mol)、2−ブタノール(247g、3.33mol)、および3,5,5−トリメチルヘキサノール(187g、1.29mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、200℃で反応水を留去しつつ常圧で6時間反応を行なった。以降の工程は製造例1と同様にして行い、目的のクエン酸トリエステル(以下「エステル4」と記載する。)を得た。
製造例5
クエン酸無水物(346g、1.80mol)、エタノール(137g、2.97mol)、および1−ブタノール(220g、2.97mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、180℃で反応水を留去しつつ常圧で7時間反応を行なった。以降の工程は製造例1と同様にして行い、目的のクエン酸トリエステル(以下「エステル5」と記載する。)を得た。
製造例6
クエン酸無水物(307g、1.60mol)および1−ブタノール(391g、5.28mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、200℃で反応水を留去しつつ常圧で5時間反応を行なった。以降の工程は製造例1と同様にして行い、目的のクエン酸トリエステル(以下「エステル6」と記載する。)を得た。
製造例7
クエン酸無水物(218g、1.13mol)および2−エチル−1−ヘキサノール(487g、3.74mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、220℃で反応水を留去しつつ常圧で5時間反応を行なった。以降の工程は製造例1と同様にして行い、目的のクエン酸トリエステル(以下「エステル7」と記載する。)を得た。
製造例8
ペンタエリスリトール129g(0.95mol)および2−エチル−1−ヘキサン酸(575g、3.99mol)を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、200℃で反応水を留去しつつ常圧で5時間反応を行なった。次いで、1〜5kPaの減圧下にて、200℃で過剰な酸を留去し、粗エステルを得た。粗エステルを冷却し、これに酸性白土およびシリカ−アルミナ系の吸着剤を、それぞれ理論上得られるエステル量の1.0質量%となるように添加して吸着処理した(吸着処理温度:100℃、圧力:1〜5kPa、および吸着処理時間:2時間)。最後に1ミクロンのフィルターを用いて濾過を行い、ペンタエリスリトールおよび2−エチル−1−ヘキサン酸からなるエステル(以下「エステル8」と記載する。)を得た。
上述の製造例1〜8で使用したカルボン酸およびアルコールを下記表1および2に示す。また、エステル1〜8の特性を以下のようにして測定した。それらの結果を下記表1〜4に示す。
エステルを構成するアルコール成分のモル比:
エステル1〜8のいずれか(0.1g)を、質量比が80/20であるトルエン/メタノールの混合溶媒(5g)で希釈し、次いで28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(和光純薬工業(株)製)(0.3g)を加え、常温にて30分静置することにより、エステルを加メタノール分解した。得られたエステル分解溶液を、ガスクロマトグラフィーで分析し、得られたアルコールのピーク面積比から、エステルを構成するアルコールのモル比を算出した。
酸価:
JIS C2101に準拠して、エステル1〜8の酸価を測定した。
流動点:
JIS K2269に準拠して、エステル1〜8の流動点を測定した。
二層分離温度:
エステル1〜8のいずれか(2g)、冷媒R32(6g)を耐圧ガラス管に封入し、ドライアイスを入れたエタノール浴を用いて、1℃/分の速度で40℃から冷却した。エステルと冷媒R32とが二層分離する温度を−60℃〜+40℃の範囲で目視により測定した(実施例1−1〜実施例1−7および比較例1−1)。また、二層分離温度が+40℃以上であるものを×と、+40℃〜−10℃であるものを○と、−10℃以下であるものを◎と評価した。
溶解性試験1:
エステル1〜8のいずれか(2g)、トリフェニルホスフェート(0.04g)、および冷媒R32(6g)を耐圧ガラス管に封入し、常温にて、これらを溶解させた(実施例2a−1〜実施例2a−7および比較例2a−1)。その後、溶解した混合物を、−5℃/時間の速度で20℃から−30℃まで冷却し、析出物の有無を目視で確認した。析出物が確認された温度を2.5℃刻みで記録した。−30℃で析出のないものは、「析出なし」と評価した。なお、エステル8は、常温でもトリフェニルホスフェートおよび冷媒R32と溶解せず、比較例2a−1の混合物は白濁した状態であった(下記表3で「常温白濁」と記載)。
溶解性試験2:
エステル1〜8のいずれか(2g)、グリセリンモノオレート(0.02g)、および冷媒R32(6g)を耐圧ガラス管に封入し、常温にて、これらを溶解させた(実施例2b−1〜実施例2b−7および比較例2b−1)。その後、溶解した混合物を、−5℃/時間の速度で20℃から−30℃まで冷却し、析出物の有無を目視で確認した。析出物が確認された温度を2.5℃刻みで記録した。なお、エステル8は、常温でもグリセリンモノオレートおよび冷媒R32と溶解せず、比較例2b−1の混合物は白濁した状態であった(下記表4で「常温白濁」と記載)。
再溶解性試験:
エステル1〜8のいずれか(2g)、グリセリンモノオレート(0.02g)、および冷媒R32(6g)を耐圧ガラス管に封入し、常温にて、これらを溶解させた(実施例2b−1〜実施例2b−7および比較例2b−1)。その後、溶解した混合物を、−30℃に設定した恒温槽にて24時間静置することによって、混合物中のグリセリンモノオレートを析出させた。次いで、この混合物を、速やかに30℃の恒温槽へ移し、混合物中の析出物が溶解し、透明になるまでに要する時間を測定した。なお、エステル8は、常温でもグリセリンモノオレートおよび冷媒R32と溶解せず、比較例2b−1の混合物は白濁した状態であった(下記表4で「常温白濁」と記載)。
溶解性試験1および2並びに再溶解性試験で使用した添加剤(トリフェニルホスフェートおよびグリセリンモノオレート)を、質量比が75/25である1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン/酢酸エチルの混合溶媒中に10質量%の濃度で溶解させたときの曇り点を、JIS 2269に従って測定した。この条件で測定したトリフェニルホスフェートの曇り点は−3℃であり、グリセリンモノオレートの曇り点は25℃であった。
上記表で示されるように、クエン酸および炭素数3〜10の脂肪族アルコールからなるクエン酸トリエステルであるエステル1〜7は、添加剤溶解性に優れている。
本発明の冷媒R32用の冷凍機油、冷媒R32用の冷凍機油組成物および冷凍機用作動流体組成物は、冷媒R32を使用するエアコンにおけるコンプレッサー等で好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. クエン酸および炭素数2〜10の脂肪族アルコールからなるクエン酸トリエステルである冷媒R32用の冷凍機油であって、
    前記脂肪族アルコールが、以下の成分(A)および成分(B):
    (A)炭素数2〜5の脂肪族アルコール、
    (B)炭素数6〜10の脂肪族アルコール
    からなり、前記クエン酸トリエステルを構成する成分(A)/成分(B)のモル比が、60/40〜95/5である冷凍機油
  2. 質量比が75/25である1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン/酢酸エチルの混合溶媒中に10質量%の濃度で溶解させたときの曇り点が−30℃以上である添加剤、および請求項1に記載の冷媒R32用の冷凍機油を含有し、前記添加剤の含有量が、0.01〜5質量%である冷媒R32用の冷凍機油組成物。
  3. 前記添加剤が、トリフェニルホスフェートおよび/またはグリセリンモノオレートである請求項に記載の冷媒R32用の冷凍機油組成物。
  4. 請求項1に記載の冷媒R32用の冷凍機油および冷媒R32を含有する冷凍機用作動流体組成物。
  5. 請求項またはに記載の冷媒R32用の冷凍機油組成物および冷媒R32を含有する冷凍機用作動流体組成物。
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