WO2018030188A1

WO2018030188A1 - 長尺物の案内装置

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Publication number: WO2018030188A1
Application number: PCT/JP2017/027535
Authority: WO
Inventors: 貴之手塚
Original assignee: 株式会社椿本チエイン
Priority date: 2016-08-08
Filing date: 2017-07-28
Publication date: 2018-02-15
Also published as: US10710837B2; CN109476438A; DE112017003962T5; KR20190037246A; US20190284013A1; TW201809503A; TWI682109B; DE112017003962B4; CN109476438B; JP6378266B2; KR102206207B1; JP2018025214A

Abstract

長尺物の案内装置（１１）は、往復方向（Ｘ）に往復移動可能な移動部（１５）と、固定部（１３）と、可撓性を有した一対のシート（１６）と、ガイド部材（１４）とを備える。固定部（１３）は、往復方向（Ｘ）への移動が不能となるように固定されている。一対のシート（１６）は、長手方向の中途に湾曲部分（１６ａ）を形成した状態で移動部（１５）と固定部（１３）とを連結している。ガイド部材（１４）は、移動部（１５）の往復移動に伴って一対のシート（１６）が湾曲部分（１６ａ）を変位させながら往復方向（Ｘ）に沿って往復移動するように移動部（１５）及び一対のシート（１６）をガイドしながら往復方向（Ｘ）に沿って往復移動する。ガイド部材（１４）は、一対のシート（１６）とで長尺物（Ｋ）を収容可能な収容室（Ｓ）を形成する。

Description

長尺物の案内装置

　本発明は、例えば、工作機械などが有する移動体に給電や給液などを行う可撓性のケーブルやホースなどの長尺物を収容した状態で、移動体の移動に合わせて保護しながら案内する長尺物の案内装置に関する。

　従来、この種の長尺物の案内装置として、例えば特許文献１に開示されるものが知られている。特許文献１に開示される長尺物の案内装置は、直列に回動自在に連結された複数のリンクにより構成されており、内部に直列方向に延びる収容空間を有している。長尺物の案内装置は、一端部が直列方向に往復移動する移動体に連結され、他端部が固定部に固定されて使用される。

　そして、長尺物の案内装置は、その収容空間に収容された長尺物を移動体の往復移動に合わせて保護しながら案内する。この場合、長尺物の案内装置は、その中間部に湾曲部分が形成されるように配置される。その湾曲部分は、移動体の往復移動に合わせて直列方向へ移動する。

特開２０１５－１１７７５９号公報

　ところで、上述の長尺物の案内装置は、直列に回動自在に連結された複数のリンクにより構成されているため、長尺物の案内装置の使用時に隣り合うリンク同士が回動して擦れ合うことでリンクが摩耗しやすい。そして、長尺物の案内装置は、各リンクが摩耗して湾曲部分よりも移動体側の直線部分が自重で垂れ下がってくると、その使用に耐える期間が限界となる。すなわち、長尺物の案内装置は、その寿命がリンクの摩耗状態で決まるため、比較的寿命が短いという問題がある。

　本発明の目的は、寿命を長くすることができる長尺物の案内装置を提供することにある。

　以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
　上記課題を解決する長尺物の案内装置は、往復方向に往復移動可能な移動部と、前記往復方向への移動が不能となるように固定される固定部と、長手方向の中途に湾曲部分を形成した状態で前記移動部と前記固定部とを連結する可撓性を有した連結部と、前記移動部の往復移動に伴って前記連結部が前記湾曲部分を変位させながら前記往復方向に沿って往復移動するように前記移動部及び前記連結部をガイドしながら前記往復方向に沿って往復移動するとともに、前記連結部とで長尺物を収容可能な収容室を形成するガイド部材と、を備える。

　この構成によれば、移動部及び連結部がガイド部材によって支持されるため、連結部が摩耗しても連結部における湾曲部分よりも移動部側の直線部分がほとんど垂れ下がることがない。すなわち、連結部の摩耗が装置の寿命に直接的に繋がらないため、特許文献１に示されるような複数のリンクを有した従来の長尺物の案内装置に比べて、寿命を長くすることができる。

　上記長尺物の案内装置において、前記連結部は、互いに対向する一対のシートによって構成され、前記収容室は、一対の前記シート同士の間に形成されることが好ましい。
　この構成によれば、連結部により収容室を確保しつつ移動部と固定部とをバランスよく連結することができる。

　上記長尺物の案内装置において、前記移動部は回転可能な第１回転体を有し、前記固定部は回転可能な第２回転体を有し、前記ガイド部材は第１接触面及び第２接触面を有し、前記第１回転体は、前記移動部及び前記ガイド部材が前記往復方向に沿って往復移動する際に、前記第１接触面に接触しながら回転し、前記第２回転体は、前記移動部及び前記ガイド部材が前記往復方向に沿って往復移動する際に、前記第２接触面に接触しながら回転することが好ましい。

　この構成によれば、移動部及びガイド部材を往復方向に沿って円滑に往復移動させることができる。
　上記長尺物の案内装置において、前記固定部及び前記移動部は、前記収容室に収容された前記長尺物を固定可能な長尺物固定部をそれぞれ備えていることが好ましい。

　この構成によれば、長尺物を長尺物固定部に固定することで、長尺物を収容室に安定して収容することができる。
　上記長尺物の案内装置において、前記ガイド部材は、前記往復方向に沿って往復移動する際に、前記ガイド部材が往復移動する移動面に接触しながら回転する回転部材を備えることが好ましい。

　この構成によれば、ガイド部材を往復方向に沿って円滑に往復移動させることができる。

　本発明によれば、長尺物の案内装置の寿命を長くすることができる。

一実施形態の長尺物の案内装置を示す斜視図。長尺物の案内装置が前進限位置にあるときの状態を示す斜視図。ガイド側板の要部を示す側面拡大図。図１の長尺物の案内装置の正面図。固定部及び移動部の斜視図。長尺物の案内装置が後進限位置にあるときの状態を示す斜視図。変更例の長尺物の案内装置を示す斜視図。図７の長尺物の案内装置の側面図。

　以下、長尺物の案内装置の一実施形態を図面に従って説明する。以下の説明では、図１及び図２における右側を長尺物の案内装置の前側として説明する。
　図１及び図２に示すように、長尺物の案内装置１１は、全体として略直方体状をなしている。長尺物の案内装置１１は、長尺物の案内装置１１が用いられる設備（図示略）が有する水平面である設置面１２上に設置される。

　長尺物の案内装置１１は、固定部１３と、ガイド部材１４と、移動部１５とを備えている。固定部１３は、長尺物の案内装置１１の長手方向（前後方向）に対応する往復方向Ｘへの移動が不能となるように設置面１２に固定されている。ガイド部材１４は、固定部１３により往復方向Ｘに往復移動可能に支持されている。移動部１５は、ガイド部材１４により往復方向Ｘに往復移動可能に支持されている。移動部１５は、例えば設備（図示略）に備えられて往復方向Ｘに往復移動する移動体（図示略）に接続される。

　さらに、長尺物の案内装置１１は、連結部としての一対の帯状のシート１６を備えている。一対のシート１６は、長手方向の中途に半円弧状の湾曲部分１６ａを形成した状態で移動部１５と固定部１３とを連結するとともに、可撓性を有している。一対のシート１６は互いに対向している。一対のシート１６には、例えば合成樹脂製のものや金属製のものを用いることが好ましい。

　ガイド部材１４は、互いに対向する左右一対の矩形状の主側板１７と、両主側板１７同士をそれらの上下方向の中央において連結する矩形状の連結板１８と、左右一対の主側板１７の後端に互いに対向するように組み付けられた左右一対の半円状の副側板１９とを備えている。この場合、副側板１９が組み付けられた状態の主側板１７は、ガイド側板２０を構成している。すなわち、主側板１７と副側板１９とによってガイド側板２０が構成されている。

　図３に示すように、各主側板１７の内面における上下方向の中央部には、往復方向Ｘにおける主側板１７の長さ全体にわたって真っ直ぐに延びる上下一対の内側直線溝２１が形成されている。各主側板１７の内面における上下方向の両端部には、往復方向Ｘにおける主側板１７の長さ全体にわたって真っ直ぐに延びる上下一対の外側直線溝２２が形成されている。

　各主側板１７の内面における上側の内側直線溝２１と上側の外側直線溝２２との間と、各主側板１７の内面における下側の内側直線溝２１と下側の外側直線溝２２との間とには、往復方向Ｘにおける主側板１７の長さ全体にわたって真っ直ぐに延びる中間直線溝２３が上下に対をなすように形成されている。内側直線溝２１と外側直線溝２２とは互いに同じ大きさの溝幅を有している。中間直線溝２３は内側直線溝２１及び外側直線溝２２に比べて格段に大きな溝幅を有している。

　各副側板１９の内面における半円弧状の外周縁部には、当該外周縁部全体にわたって延びる半円弧状の外周側円弧溝２４が形成されている。各副側板１９の内面における上下方向の中央部の前端部（主側板１７側の端部）には、外周側円弧溝２４よりも格段に小さい半径を有する半円弧状の内周側円弧溝２５が形成されている。外周側円弧溝２４及び内周側円弧溝２５の溝幅は、内側直線溝２１及び外側直線溝２２の溝幅とそれぞれ同じ大きさに設定されている。つまり、外周側円弧溝２４、内周側円弧溝２５、内側直線溝２１、及び外側直線溝２２は互いに同じ大きさの溝幅を有している。

　外周側円弧溝２４は上下一対の外側直線溝２２の後端同士を繋いでいる。内周側円弧溝２５は上下一対の内側直線溝２１の後端同士を繋いでいる。本実施形態では、各ガイド側板２０における外周側円弧溝２４及び上下一対の外側直線溝２２によってＵ字状の外側ガイド溝２６が構成されている。また、各ガイド側板２０における内周側円弧溝２５及び上下一対の内側直線溝２１によってＵ字状の内側ガイド溝２７が構成されている。

　各副側板１９の内面における前端部（主側板１７側の端部）には、一対の中間直線溝２３と往復方向Ｘで対応するように、半円状の一対の凹部２８が形成されている。各凹部２８の直径は中間直線溝２３の溝幅と同じ大きさに設定されている。各凹部２８の深さは中間直線溝２３の深さと同じ大きさに設定されている。一対の凹部２８は一対の中間直線溝２３の後端と繋がっている。

　本実施形態では、各ガイド側板２０における上側の凹部２８及び上側の中間直線溝２３によって直線状に延びる上側ガイド溝２９が構成されている。また、各ガイド側板２０における下側の凹部２８及び下側の中間直線溝２３によって直線状に延びる下側ガイド溝３０が構成されている。すなわち、各ガイド側板２０の内面には、外側ガイド溝２６、内側ガイド溝２７、上側ガイド溝２９、及び下側ガイド溝３０が形成されている。

　各副側板１９における上側の凹部２８の円弧状をなす内側面、すなわち上側ガイド溝２９の後端面は上側当接面３１を構成している。また、各副側板１９における下側の凹部２８の円弧状をなす内側面、すなわち下側ガイド溝３０の後端面は下側当接面３２を構成している。さらに、上側ガイド溝２９における下側の側面は第１接触面３３を構成している。下側ガイド溝３０における上側の側面は第２接触面３４を構成している。

　図２及び図４に示すように、長尺物の案内装置１１における連結板１８の上側には矩形枠状の移動部１５が両ガイド側板２０に挟まれるように配置されている。長尺物の案内装置１１における連結板１８の下側には矩形枠状の固定部１３が両ガイド側板２０に挟まれるように配置されている。移動部１５と固定部１３とは、互いに同一の構成を有しており、互いに上下逆さとなるように配置されている。この場合、移動部１５及び固定部１３は、往復方向Ｘの両側が開口するように配置される。

　図４及び図５に示すように、移動部１５（固定部１３）は、左右対称な形状を有している。移動部１５（固定部１３）は、矩形板状の取付部４０と、取付部４０と対向する略矩形板状の支持部４１と、取付部４０と支持部４１との両側端部同士を連結する一対の略矩形板状の連結側部４２とを備えている。取付部４０の後端部には、ねじ（図示略）などによって当該取付部４０を移動体（図示略）や設置面１２に取り付けるための左右一対の取付孔４３が当該取付部４０を貫通するように形成されている。

　取付部４０の前端部には、ねじ（図示略）などによってシート１６の端部を当該取付部４０に取り付けるための左右一対のシート取付孔４４が当該取付部４０を貫通するように形成されている。また、支持部４１の後端部には、ねじ（図示略）などによってシート１６の端部を当該支持部４１に取り付けるための左右一対のシート取付孔４４が当該支持部４１を貫通するように形成されている。支持部４１の前端部には、前方に向かって突出する複数の長尺物固定部としての突出部４５が左右方向に等間隔となるように設けられている。本実施形態では、５つの突出部４５が設けられている。各突出部４５の先端部は、取付部４０から離間する側に直角に屈曲している。

　各連結側部４２の外面には、一対の軸４６が前後方向に対応する往復方向Ｘに並ぶように突設されている。各軸４６には第１回転体（第２回転体）としてのローラ４７が回転可能に支持されている。すなわち、各ローラ４７は、各軸４６によって一対の連結側部４２が対向する方向に対応する左右方向に延びる軸線を中心に回転可能に支持されている。各ローラ４７の外径は、上側ガイド溝２９の溝幅及び下側ガイド溝３０の溝幅よりも若干小さくなるように設定されている。

　なお、固定部１３は移動部１５と同一の構成を有する。そのため、移動部１５における第１回転体を構成するローラ４７は、移動部１５を逆さにして固定部１３として使用する場合、第２回転体を構成する。つまり、移動部１５及び固定部１３は、回転可能な二対のローラ４７をそれぞれ有している。

　図２及び図４に示すように、移動部１５における右側の一対のローラ４７は、ガイド部材１４における右側のガイド側板２０の上側ガイド溝２９に回転可能に挿入されている。また、移動部１５における左側の一対のローラ４７は、ガイド部材１４における左側のガイド側板２０の上側ガイド溝２９に回転可能に挿入されている。この場合、移動部１５の各ローラ４７は第１接触面３３に接触している。移動部１５はローラ４７において第１接触面３３により支持されている。

　一方、固定部１３における右側の一対のローラ４７は、ガイド部材１４における右側のガイド側板２０の下側ガイド溝３０に回転可能に挿入されている。また、固定部１３における左側の一対のローラ４７は、ガイド部材１４における左側のガイド側板２０の下側ガイド溝３０に回転可能に挿入されている。この場合、固定部１３の各ローラ４７は第２接触面３４に接触している。ガイド部材１４は第２接触面３４において固定部１３に支持されている。

　一対のシート１６のうち外側に位置する方は外シート４８を構成している。外シート４８の一端は、移動部１５における取付部４０の内面に取着され、他端は固定部１３における取付部４０の内面に取着されている。外シート４８の幅方向は、往復方向Ｘと直交し、左右方向に対応する。左右方向における外シート４８の両端部は、ガイド部材１４における両ガイド側板２０の外側ガイド溝２６内にそれぞれ摺動可能に挿入されている。

　一対のシート１６のうち内側に位置する方は内シート４９を構成している。内シート４９の一端は、移動部１５における支持部４１の内面に取着され、他端は固定部１３における支持部４１の内面に取着されている。内シート４９の幅方向は、往復方向Ｘと直交し、左右方向に対応する。左右方向における内シート４９の両端部は、ガイド部材１４における両ガイド側板２０の内側ガイド溝２７内にそれぞれ摺動可能に挿入されている。

　そして、ガイド部材１４の両ガイド側板２０と一対のシート１６（外シート４８及び内シート４９）とで囲まれる空間により、長尺物Ｋを収容可能な収容室Ｓが構成される。すなわち、ガイド部材１４の両ガイド側板２０は、一対のシート１６とで収容室Ｓを形成している。つまり、収容室Ｓは、一対のシート１６同士の間、すなわち外シート４８と内シート４９との間に形成されている。

　長尺物Ｋとしては、例えば、移動部１５が接続される移動体（図示略）に給電や信号伝送を行う電気ケーブルや光ファイバーケーブル、移動体（図示略）に気体（例えば、空気など）や液体（例えば、水や油など）などを供給するホース、フレキシブルに屈曲可能な長尺状の多関節部材などが挙げられる。

　収容室Ｓに収容された長尺物Ｋの一端は、移動部１５における支持部４１の突出部４５に結束バンド５０によって縛り付けられて固定され、他端は固定部１３における支持部４１の突出部４５に結束バンド５０によって縛り付けられて固定される。

　次に、長尺物の案内装置１１の使用時の作用について説明する。
　さて、長尺物の案内装置１１において、固定部１３は設置面１２に固定されている。そのため、移動体（図示略）に接続された移動部１５が移動体とともに往復方向Ｘに往復移動すると、一対のシート１６はその湾曲部分１６ａが移動体に追従して変位するようにして往復方向Ｘに往復移動する。このとき、ガイド部材１４は、一対のシート１６の湾曲部分１６ａからの押圧力を外周側円弧溝２４及び内周側円弧溝２５で受けるため、往復方向Ｘに往復移動する。

　この場合、長尺物の案内装置１１は、前進限位置と、後進限位置との間で往復移動する。ここで、前進限位置は、移動部１５がガイド部材１４の前端部に位置するとともに固定部１３がガイド部材１４の後端部に位置する図２に示される位置に対応する。後進限位置は、移動部１５がガイド部材１４の後端部に位置するとともに固定部１３がガイド部材１４の前端部に位置する図６に示される位置に対応する。すなわち、長尺物の案内装置１１は、移動体（図示略）の往復移動に伴って、前進限位置から後進限位置に移動することと、後進限位置から前進限位置に移動することとを繰り返し行う。

　すると、長尺物の案内装置１１により、収容室Ｓに収容された長尺物Ｋが移動体（図示略）の往復移動に合わせて保護されながら案内される。また、長尺物の案内装置１１が往復移動する際、すなわち移動部１５及びガイド部材１４が往復方向Ｘに沿って往復移動する際には、移動部１５の各ローラ４７が上側ガイド溝２９の第１接触面３３に接触しながら転動（回転）するとともに、固定部１３の各ローラ４７が下側ガイド溝３０の第２接触面３４に接触しながら回転する。

　そして、図２及び図６に示すように、長尺物の案内装置１１が前進限位置から後進限位置へ移動する場合には、移動部１５の後方への移動により、外周側円弧溝２４内及び内周側円弧溝２５内にそれぞれ位置する外シート４８の湾曲部分４８ａ及び内シート４９の湾曲部分４９ａが外周側円弧溝２４内の外周面及び内周側円弧溝２５内の外周面を後方へ押圧する。

　このときの外シート４８及び内シート４９の押圧力によってガイド部材１４が後方に向かって移動される。すなわち、ガイド部材１４は外シート４８及び内シート４９の後方への移動に伴って後方へ移動する。このとき、移動部１５における後方側の各ローラ４７は、上側ガイド溝２９の上側当接面３１に当接する。

　一方、長尺物の案内装置１１が後進限位置から前進限位置へ移動する場合には、移動部１５の前方への移動により、外周側円弧溝２４内及び内周側円弧溝２５内にそれぞれ位置する外シート４８の湾曲部分４８ａ及び内シート４９の湾曲部分４９ａが外周側円弧溝２４内の内周面及び内周側円弧溝２５内の内周面を前方へ押圧する。

　このときの外シート４８及び内シート４９の押圧力によってガイド部材１４が前方に向かって移動される。すなわち、ガイド部材１４は外シート４８及び内シート４９の前方への移動に伴って前方へ移動する。このとき、ガイド部材１４の下側ガイド溝３０の下側当接面３２は、固定部１３における後方側の各ローラ４７に当接する。

　このように、ガイド部材１４は、移動部１５の往復移動に伴って外シート４８及び内シート４９がそれぞれ湾曲部分４８ａ及び湾曲部分４９ａを変位させながら往復方向Ｘに沿って往復移動するように、移動部１５、外シート４８、及び内シート４９をガイドしながら往復方向Ｘに沿って往復移動する。この場合、移動部１５は上側ガイド溝２９にガイドされ、外シート４８は外側ガイド溝２６にガイドされ、内シート４９は内側ガイド溝２７にガイドされる。なお、ガイド部材１４と、外シート４８及び内シート４９とは連動する。

　以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
　（１）長尺物の案内装置１１において、移動部１５及び一対のシート１６（連結部）は、ガイド部材１４によって支持されている。このため、長尺物の案内装置１１の使用によって一対のシート１６が摩耗しても一対のシート１６における湾曲部分１６ａよりも移動部１５側の直線部分がほとんど垂れ下がることがない。すなわち、一対のシート１６の摩耗が長尺物の案内装置１１の寿命に直接的に繋がらない。そのため、特許文献１に示されるような複数のリンクを有した従来の長尺物の案内装置に比べて、長尺物の案内装置１１の寿命を長くすることができる。

　（２）長尺物の案内装置１１において、長尺物Ｋを収容可能な収容室Ｓは、連結部を構成する一対のシート１６同士の間に形成されている。このため、一対のシート１６により収容室Ｓを確保しつつ移動部１５と固定部１３とをバランスよく連結することができる。

　（３）長尺物の案内装置１１において、ガイド部材１４は、第１接触面３３及び第２接触面３４を有している。移動部１５の各ローラ４７は、移動部１５及びガイド部材１４が往復方向Ｘに沿って往復移動する際に、第１接触面３３に接触しながら回転する。固定部１３の各ローラ４７は、移動部１５及びガイド部材１４が往復方向Ｘに沿って往復移動する際に、第２接触面３４に接触しながら回転する。このため、移動部１５及びガイド部材１４を往復方向Ｘに沿って円滑に往復移動させることができる。

　（４）長尺物の案内装置１１において、固定部１３及び移動部１５は、収容室Ｓに収容された長尺物Ｋを固定可能な突出部４５をそれぞれ備えている。このため、長尺物Ｋを結束バンド５０によって突出部４５に縛り付けて固定することで、長尺物Ｋを収容室Ｓに安定して収容することができる。

　（５）長尺物の案内装置１１において、移動部１５及び一対のシート１６（連結部）は、ガイド部材１４によって支持されている。このため、一対のシート１６（連結部）の垂れ下がりがほとんどないので、ガイド部材１４及び移動部１５のストロークを長くすることができる。

　（６）長尺物の案内装置１１において、移動部１５及び一対のシート１６（連結部）は、ガイド部材１４によって支持されている。このため、一対のシート１６が往復移動中に外側に膨らむことがなく、ガイド部材１４を移動させるためのレールも必要ないので、省スペース化に貢献できる。

　（７）長尺物の案内装置１１において、一対のシート１６（連結部）は使用時に撓む。そのため、特許文献１に示されるような複数のリンクを有した従来の長尺物の案内装置に比べて、騒音を低減できる。すなわち、特許文献１に示されるような複数のリンクを有した従来の長尺物の案内装置では、リンク同士の屈曲角度を規制するためのストッパー同士の衝突音が発生するが、本実施形態の長尺物の案内装置１１では、こうした衝突音が発生することがない。

　（８）長尺物の案内装置１１において、一対のシート１６（連結部）は使用時に撓む。そのため、特許文献１に示されるような複数のリンクを有した従来の長尺物の案内装置に比べて、摩耗粉の発生を低減できる。すなわち、特許文献１に示されるような複数のリンクを有した従来の長尺物の案内装置では、リンク同士の摺動によって摩耗粉が発生するが、本実施形態の長尺物の案内装置１１では、リンクが存在しないため、リンク同士の摺動に起因する摩耗粉の発生がない。このため、低発塵化に貢献できる。

　（変更例）
　上記実施形態は次のように変更してもよい。
　・図７及び図８に示すように、長尺物の案内装置１１において、ガイド部材１４は、往復方向Ｘに沿って往復移動する際に、ガイド部材１４が往復移動する移動面である設置面１２に接触しながら回転する回転部材としての走行ローラ６０を備えてもよい。すなわち、ガイド部材１４における往復方向Ｘの両端部に走行ローラ６０を回転可能に支持可能なローラ支持部６１をそれぞれ設け、各ローラ支持部６１に走行ローラ６０を支持させてもよい。このようにすれば、ガイド部材１４を往復方向Ｘに沿って往復移動する際に各走行ローラ６０が設置面１２上を転動するため、ガイド部材１４を往復方向Ｘに沿って円滑に往復移動させることができる。回転部材としては、走行ローラ６０の代わりに、球体やコロを用いてもよい。

　・一対のシート１６には、ＦＰＣ（flexible printed circuit）を採用してもよい。このようにすれば、収容室Ｓに収容する長尺物Ｋの数を減らすことができる。
　・移動部１５及び固定部１３の各ローラ４７は、上側ガイド溝２９内及び下側ガイド溝３０内を回転することなく摺動する摺動部材に変更してもよい。

　・移動部１５が有するローラ４７の数は、適宜変更してもよい。固定部１３が有するローラ４７の数は、適宜変更してもよい。
　・一対のシート１６は、複数の開口部を有した梯子状のものであってもよいし、網状のものであってもよい。

　・連結部は、シート１６に限らず、可撓性を有していれば、棒状の部材や厚みのある部材で構成してもよい。
　・固定部１３及び移動部１５は、必ずしも突出部４５を備えていなくてもよい。

　・固定部１３の構成と移動部１５の構成とは、必ずしも同一である必要はない。
　・収容室Ｓは、必ずしも連結部を構成する一対のシート１６同士の間に形成される必要はない。すなわち、一対のシート１６（外シート４８及び内シート４９）のうちのいずれか一方を省略してもよい。

　・設置面１２は、必ずしも水平面により構成される必要はない。設置面１２は、水平面に対して傾斜した傾斜面により構成されてもよい。

　１１…長尺物の案内装置、１２…移動面を構成する設置面、１３…固定部、１４…ガイド部材、１５…移動部、１６…連結部としてのシート、１６ａ，４８ａ，４９ａ…湾曲部分、３３…第１接触面、３４…第２接触面、４５…長尺物固定部としての突出部、４７…第１回転体及び第２回転体としてのローラ、６０…回転部材としての走行ローラ、Ｋ…長尺物、Ｓ…収容室、Ｘ…往復方向。

Claims

　往復方向に往復移動可能な移動部と、
　前記往復方向への移動が不能となるように固定される固定部と、
　長手方向の中途に湾曲部分を形成した状態で前記移動部と前記固定部とを連結する可撓性を有した連結部と、
　前記移動部の往復移動に伴って前記連結部が前記湾曲部分を変位させながら前記往復方向に沿って往復移動するように前記移動部及び前記連結部をガイドしながら前記往復方向に沿って往復移動するとともに、前記連結部とで長尺物を収容可能な収容室を形成するガイド部材と、
を備えることを特徴とする長尺物の案内装置。
　前記連結部は、互いに対向する一対のシートによって構成され、
　前記収容室は、一対の前記シート同士の間に形成されることを特徴とする請求項１に記載の長尺物の案内装置。
　前記移動部は回転可能な第１回転体を有し、
　前記固定部は回転可能な第２回転体を有し、
　前記ガイド部材は第１接触面及び第２接触面を有し、
　前記第１回転体は、前記移動部及び前記ガイド部材が前記往復方向に沿って往復移動する際に、前記第１接触面に接触しながら回転し、
　前記第２回転体は、前記移動部及び前記ガイド部材が前記往復方向に沿って往復移動する際に、前記第２接触面に接触しながら回転することを特徴とする請求項１または請求項２に記載の長尺物の案内装置。
　前記固定部及び前記移動部は、前記収容室に収容された前記長尺物を固定可能な長尺物固定部をそれぞれ備えていることを特徴とする請求項１～請求項３のうちいずれか一項に記載の長尺物の案内装置。
　前記ガイド部材は、前記往復方向に沿って往復移動する際に、前記ガイド部材が往復移動する移動面に接触しながら回転する回転部材を備えることを特徴とする請求項１～請求項４のうちいずれか一項に記載の長尺物の案内装置。