WO2017138195A1 - シートカバー及びシートカバーの製造方法並びに車両用シート - Google Patents
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Abstract
車両用シート1のシートカバー5は、縫い合わされた表皮材10,11の縫い代15,16が、左右に割られて表皮材10,11に折り重ねられ、且つ表皮材10,11を縫い合せているシーム12に沿って表皮材10,11に形成されたステッチ13,14により表皮材10,11に縫い付けられてなる伏せ縫い部17と、伏せ縫い部17に設けられた面ファスナ18と、を備え、縫い代15,16は、ステッチ13,14の外側に配置された縁部21,22を有し、面ファスナ18は、縁部21,22に固定されている。
Description
本発明は、シートカバー及びシートカバーの製造方法並びに車両用シートに関する。
車両用シートは、一般に、クッションパッドと、クッションパッドを包被するシートカバーとを備え、シートカバーは、複数の表皮材を縫製して製造される。そして、シートカバーには、シートの意匠性を高めること等を目的として、二枚の表皮材を縫い合せているシームに沿ってステッチが形成される場合もある。
特許文献1に記載されたシートカバーでは、二枚の表皮材を縫い合せているシームに沿って二枚の表皮材それぞれにステッチが形成されている。また、二枚の表皮材の縫い代が左右に割られて二枚の表皮材それぞれに折り重ねられており、縫い代はステッチによって表皮材に縫い付けられている。
そして、特許文献1に記載されたシートカバーでは、二枚の表皮材の縫い代がこれら二枚の表皮材それぞれに縫い付けられてなる伏せ縫い部に面ファスナが設けられている。シートカバーの面ファスナは、クッションパッドに設けられた面ファスナに結合され、クッションパッドに対するシートカバーのフィット性が高められている。
縫製機の針の駆動及び生地の送りにはパルスモータが一般に用いられているが、例えば縫製機の駆動及び停止によってモータに急激な速度変化が生じた場合などにモータの脱調が発生し、運針が乱れる場合がある。シートの外観に表れるステッチには乱れのないことが要請されるため、ステッチは、通常、途中で止められることなく一度に形成される。
特許文献1に記載されたシートカバーでは、二枚の表皮材の縫い代がこれら二枚の表皮材それぞれにステッチによって縫い付けられる際に、面ファスナもまた、ステッチによって縫い代と一体に二枚の表皮材それぞれに縫い付けられている。
以上の縫製工程によると、二枚の表皮材それぞれに折り重ねられたこれら二枚の表皮材の縫い代を押え、さらに、これらの縫い代に重ねられた面ファスナも押えた状態で、ステッチを一度に形成することが求められ、ステッチの形成が極めて困難である。縫い代の押えが不十分であると縫い代の位置ずれが生じ、表皮材に引きつれ又は皺よりが生じ、面ファスナの押えが不十分である場合にも、同様に、表皮材に引きつれ又は皺よりが生じる虞がある。
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、複数の表皮材を縫製してなるシートカバーにおいて、縫い合わされた二枚の表皮材の縫い代を折り返して表皮材に縫い付けるステッチの形成及び縫い代が表皮材に縫い付けられてなる伏せ縫い部への面ファスナの固定を容易とすることを目的とする。
本発明の一態様の複数の表皮材を縫製してなるシートカバーは、縫い合わされた二枚の表皮材の縫い代が、左右に割られて上記二枚の表皮材それぞれに折り重ねられ、且つ上記二枚の表皮材を縫い合せているシームに沿って上記二枚の表皮材それぞれに形成された二条のステッチにより上記二枚の表皮材それぞれに縫い付けられてなる伏せ縫い部と、上記伏せ縫い部に設けられた面ファスナと、を備え、上記二枚の表皮材の縫い代は、上記二条のステッチの外側に配置された縁部を有し、上記面ファスナは、上記縁部に固定されている。
本発明の一態様の複数の表皮材を縫製してなるシートカバーの製造方法は、縫い合せた二枚の表皮材の縫い代を、左右に割って上記二枚の表皮材それぞれに折り重ね、上記二枚の表皮材を縫い合せているシームに沿って上記二枚の表皮材それぞれにステッチを形成し、且つ上記二枚の表皮材それぞれに形成する二条のステッチにより、上記二枚の表皮材の縫い代を上記二枚の表皮材それぞれに縫い付けて伏せ縫い部を形成し、上記伏せ縫い部に面ファスナを重ね、上記面ファスナを上記二枚の表皮材の縫い代において上記二条のステッチの外側に配置されている縁部に固定する。
また、本発明の一態様の車両用シートは、上記シートカバーと、上記シートカバーによって覆われるクッションパッドと、を備え、上記クッションパッドには面ファスナが設けられており、上記シートカバー及び上記クッションパッドそれぞれの上記面ファスナが互いに結合している。
本発明によれば、複数の表皮材を縫製してなるシートカバーにおいて、縫い合わされた二枚の表皮材の縫い代を折り返して表皮材に縫い付けるステッチの形成及び縫い代が表皮材に縫い付けられてなる伏せ縫い部への面ファスナの固定を容易とすることができ、このシートカバーによって覆われた車両用シートの外観品質を高めることができる。
図1は、本発明の実施形態を説明するための、車両用シートの一例の構成を示す。
図1に示す車両用シート1は、座面部分を構成するシートクッション2と、背もたれ部分を構成するシートバック3と、シートに着席した乗員の頭部を支持するヘッドレスト4とを備える。
シートクッション2及びシートバック3並びにヘッドレスト4は、例えばウレタンフォームなどの発泡材からなるクッションパッド、及びクッションパッドを支持するフレームをそれぞれ有する。そして、シートクッション2のクッションパッド及びシートバック3のクッションパッドは、シートカバー5によって一体に包被されており、ヘッドレスト4もまた、シートカバー5とは別のシートカバーによって包被されている。
なお、シートクッション2のクッションパッド及びシートバック3のクッションパッドは、個別のシートカバーによってそれぞれ包被されていてもよく、また、ヘッドレスト4が固定式のヘッドレストであってシートバック3と一体に構成される場合などには、ヘッドレスト4のクッションパッドは、一つのシートカバーによって、シートバック3のクッションパッドと一体に包被され、又はシートクッション2のクッションパッド及びシートバック3のクッションパッドと一体に包被されていてもよい。
シートカバー5は、複数の表皮材が袋状に縫製されてなり、表皮材としては、例えば皮革(天然皮革、合成皮革)又は布帛(織物、編物、不織布)などが用いられる。表皮材は、皮革又は布帛の単層構造であってもよいし、皮革又は布帛を表地として、皮革又は布帛にワディング(例えば弾性変形可能な軟質ポリウレタンフォームなどの樹脂発泡体)が積層された多層構造であってもよい。
図2から図4は、シートバック3及びシートカバー5の要部の構成を示す。
シートカバー5を形成する複数の表皮材のうち、図2に示す二枚の表皮材10及び表皮材11はシートバック3の幅方向略中央部のセンターサポート部分を覆う。シートバック3のセンターサポート部分は、シートバック3の幅方向両側部のサイドサポート部分に対して窪んでおり、シートバック3における凹部となっている。
表皮材10及び表皮材11は互いに縫い合わされており、表皮材10及び表皮材11を縫い合せているシーム12は弓なりの曲線状に形成されている。そして、表皮材10には、シーム12の全長に亘ってシーム12に沿って延びるステッチ13が形成されており、表皮材11にもシーム12の全長に亘ってシーム12に沿って延びるステッチ14が形成されている。
表皮材10の縫い代15及び表皮材11の縫い代16は、シートカバー5の裏面側において、シーム12を境にして左右に割られており、表皮材10の縫い代15は表皮材10に折り重ねられ、表皮材11の縫い代16は表皮材11に折り重ねられている。
そして、表皮材10に折り重ねられた縫い代15は、表皮材10に形成されたステッチ13によって表皮材10に縫い付けられており、表皮材11に折り重ねられた縫い代16は、表皮材11に形成されたステッチ14によって表皮材11に縫い付けられている。
また、表皮材10に縫い付けられた縫い代15及び表皮材11に縫い付けられた縫い代16によって形成される伏せ縫い部17には面ファスナ18が設けられている。本例では、面ファスナ18は伏せ縫い部17の全長に亘って設けられている。
図4に示すように、シートバック3のクッションパッド20には、面ファスナ18と結合可能な面ファスナ19が設けられている。面ファスナ19は、表皮材10及び表皮材11によって覆われるクッションパッド20のセンターサポート部分に設けられ、例えば粘着材又は接着剤などを介してクッションパッド20に固定されている。
面ファスナ18及び面ファスナ19が互いに結合することにより、表皮材10及び表皮材11がクッションパッド20の表面にフィットする。特に、表皮材10及び表皮材11によって覆われるシートバック3のセンターサポート部分はシートバック3における凹部となっており、シートカバー5にかかるテンションは、表皮材10及び表皮材11をクッションパッド20の表面から浮かせるように作用するところ、面ファスナ18及び面ファスナ19が互いに結合することにより、表皮材10及び表皮材11のクッションパッド20の表面からの浮きが阻止される。
面ファスナ18が設けられる伏せ縫い部17は、上記のとおりステッチ13によって表皮材10に縫い付けられた縫い代15及びステッチ14によって表皮材11に縫い付けられた縫い代16によって形成されており、縫い代15には二条のステッチ13及びステッチ14の外側に配置された縁部21が設けられ、縫い代16にも二条のステッチ13及びステッチ14の外側に配置された縁部22が設けられている。
そして、面ファスナ18は縫い代15の縁部21及び縫い代16の縁部22に固定されている。面ファスナ18の縁部21及び縁部22への固定方法としては縫い付けを例示することができる。
縫い代15の縁部21が二条のステッチ13及びステッチ14の外側に配置されていることから、縁部21を捲ることによって縁部21を表皮材10から離すことが可能である。縫い代16の縁部22もまた二条のステッチ13及びステッチ14の外側に配置されていることから、縁部22を捲ることによって縁部22を表皮材11から離すことが可能である。
そして、縫い代15の縁部21が捲られることにより、面ファスナ18を縁部21に縫い付ける縫い目23が表皮材10に及ぶことなく、縫い目23を縁部21にのみ形成することができ、縫い代16の縁部22が捲られることにより、面ファスナ18を縫い代16の縁部22に縫い付ける縫い目24が表皮材11に及ぶことなく、縫い目24を縁部22にのみ形成することができる。
縫い目23が縫い代15の縁部21にのみ形成されていることにより、縫い目23は、車両用シート1の外観に表れず、表皮材10によって覆い隠される。同様に、縫い目24が縫い代16の縁部22にのみ形成されていることにより、縫い目24は、車両用シート1の外観に表れず、表皮材11によって覆い隠される。
次に、図5から図9を参照して、ステッチ13及びステッチ14の形成、伏せ縫い部17への面ファスナ18の固定を例に、シートカバー5の製造方法を説明する。
まず、図5に示すように、表皮材10の端末部及び表皮材11の端末部が重ね合わされ、縫い合わされる。このとき、例えば重ね合された表皮材10及び表皮材11のうち上に位置する表皮材10の端末部の縁がガイドとして用いられ、この端末部の縁に沿って、表皮材10の端末部及び表皮材11の端末部は縫い合わされる。
次に、図6に示すように、表皮材10の縫い代15及び表皮材11の縫い代16が、表皮材10及び表皮材11を縫い合せているシーム12を境にして左右に割られ、縫い代15は表皮材10に折り重ねられ、縫い代16は表皮材11に折り重ねられる。
次に、図7に示すように、シーム12に沿って、表皮材10にステッチ13が形成され、表皮材11にステッチ14が形成される。表皮材10に折り重ねられた縫い代15はステッチ13によって表皮材10に縫い付けられ、表皮材11に折り重ねられた縫い代16はステッチ14によって表皮材11に縫い付けられ、伏せ縫い部17が形成される。縫い代15には二条のステッチ13及びステッチ14の外側に配置される縁部21が残され、縫い代16には二条のステッチ13及びステッチ14の外側に配置される縁部22が残される。
次に、図8に示すように、表皮材10がステッチ13を折り目として表皮材11側に折り返され、表皮材10の縫い代15の縁部21が捲られる。そして、面ファスナ18が伏せ縫い部17に重ねられ、表皮材10から離された縫い代15の縁部21に面ファスナ18が縫い付けられる。
最後に、図9に示すように、表皮材11がステッチ14を折り目として表皮材10側に折り返され、表皮材11の縫い代16の縁部22が捲られる。そして、表皮材11から離された縫い代16の縁部22に面ファスナ18が縫い付けられる。
以上の縫製工程によれば、ステッチ13及びステッチ14の形成と、伏せ縫い部17への面ファスナ18の固定とが別工程で行われる。したがって、ステッチ13及びステッチ14を形成する際には、表皮材10の縫い代15及び表皮材11の縫い代16の押えが必要なだけであって面ファスナ18の押えは不要であり、伏せ縫い部17に面ファスナ18を固定する際には、面ファスナ18の押えが必要なだけであって縫い代15及び縫い代16の押えは不要である。
ステッチ13及びステッチ14を形成する際に面ファスナ18の押えが不要であることにより、作業負担が軽減され、縫い代15及び縫い代16の押えをより的確に行うことが可能となり、ステッチ13及びステッチ14の形成が容易となる。
これにより、表皮材10及び表皮材11に引きつれ又は皺よりが生じることを抑制し、シートカバー5によって覆われた車両用シート1の外観品質を高めることができる。表皮材10及び表皮材11を縫い合せるシーム12が曲線状に形成される場合に、表皮材10に折り重ねられる縫い代15及び表皮材11に折り重ねられる縫い代16には引きつれ又は皺よりが生じやすく、このような場合に特に有用である。
そして、ステッチ13及びステッチ14の形成が容易となることから、ステッチ13及びステッチ14を途中で止めることなく一度に形成でき、ステッチ13及びステッチ14の乱れを抑制して、シートカバー5によって覆われた車両用シート1の外観品質を高めることができる。
また、伏せ縫い部17に面ファスナ18を固定する際に縫い代15及び縫い代16の押えが不要であることにより、作業負担が軽減され、面ファスナ18の押えをより的確に行うことが可能となり、伏せ縫い部17への面ファスナ18の固定もまた容易となる。
ここまで、面ファスナ18が伏せ縫い部17の全長に亘って設けられているものとして説明したが、面ファスナ18は、伏せ縫い部17の長手方向の部分区間であって一つ以上の部分区間それぞれに設けられていてもよい。
図10に示すシートカバー5の変形例では、面ファスナ18は、伏せ縫い部17の長手方向に間隔をあけて設けられた三つの部分区間17INTそれぞれに設けられている。
伏せ縫い部17を形成している表皮材10の縫い代15及び表皮材11の縫い代16の部分区間17INTにおける縫い代幅W1は、部分区間17INTを除く残余区間における縫い代幅W2よりも大きくなっている。したがって、面ファスナ18が縫い付けられる縫い代15の縁部21の部分区間17INTにおける縁21aは、残余区間における縁21bよりも二条のステッチ13及びステッチ14の外側に突出している。同様に、面ファスナ18が縫い付けられる縫い代16の縁部22の部分区間17INTにおける縁22aもまた、残余区間における縁22bよりも二条のステッチ13及びステッチ14の外側に突出している。
また、表皮材10の縫い代15の部分区間17INTにおける縁部21には、図11に示すように、表皮材10と表皮材11とが縫い合される際のガイドとなる複数の孔25が形成されている。孔25は、縁部21の残余区間における縁21bが表皮材10及び表皮材11を縫い合せているシーム12に沿って延ばされた延長線L上で適宜な間隔をあけて設けられている。
なお、ガイドとしては、印刷等によって表皮材に描かれたライン若しくはマークであってもよいが、図示の例ように表皮材に穿たれた孔が好ましい。原反を打ち抜いて表皮材が形成される場合に、打ち抜きの際に孔も併せて形成することができ、また、原反を裁断して表皮材が形成される場合に、複数枚の表皮材を重ね、これらの表皮材に孔を纏めて形成することができる。
次に、図12及び図13を参照して、図10に示したシートカバーの製造方法を説明する。
まず、図12に示すように、ガイドとしての複数の孔25が形成された表皮材10が上に配置され、表皮材10の端末部及び表皮材11の端末部が重ね合され、縫い合わされる。本例では、上に位置する表皮材10の端末部において、後に伏せ縫い部17の部分区間17INTを形成する部分の縁21aが伏せ縫い部17の残余区間を形成する部分の縁21bよりも突出しているところ、残余区間を形成する部分の縁21b及びこの縁21bの延長線L上に形成された複数の孔25によって、端末部の全長に及ぶ実質的に一続きのガイドが形成されている。このガイドに沿って表皮材10の端末部及び表皮材11の端末部を縫い合わせることにより、表皮材10及び表皮材11を縫い合せるシーム12の蛇行等の乱れを抑制することができる。
次に、表皮材10の縫い代15及び表皮材11の縫い代16が、表皮材10及び表皮材11を縫い合せているシーム12を境にして左右に割られ、縫い代15は表皮材10に折り重ねられ、縫い代16は表皮材11に折り重ねられる。そして、シーム12に沿って、表皮材10にステッチ13が形成され、表皮材11にステッチ14が形成される。縫い代15はステッチ13によって表皮材10に縫い付けられ、表皮材11に折り重ねられた縫い代16はステッチ14によって表皮材11に縫い付けられ、伏せ縫い部17が形成される(図6及び図7参照)。
次に、図13に示すように、表皮材10がステッチ13を折り目として表皮材11側に折り返され、表皮材10の縫い代15の縁部21が捲られる。そして、面ファスナ18が伏せ縫い部17の部分区間17INTに重ねられ、表皮材10から離された縫い代15の縁部21に面ファスナ18が縫い付けられる。
最後に、表皮材11がステッチ14を折り目として表皮材10側に折り返され、表皮材11の縫い代16の縁部22が捲られる。そして、表皮材11から離された縫い代16の縁部22に面ファスナ18が縫い付けられる。
ここで、表皮材10及び表皮材11を縫い合せるシーム12が曲線状に形成される場合に、上記のとおり、表皮材10の縫い代15及び表皮材11の縫い代16に引きつれ又は皺よりが生じ易く、縫い代15及び縫い代16の縫い代幅が広がる程に引きつれ又は皺よりが助長される。一方、縫い代15の縁部21及び縫い代16の縁部22には面ファスナ18の縫い付けに要する相応の縫い代が必要となる。
本例では、表皮材10の縫い代15及び表皮材11の縫い代16の部分区間17INTにおける縫い代幅W1が残余区間における縫い代幅W2よりも大きくされており、面ファスナ18が設けられる部分区間17INTにおいて、面ファスナ18の縫い付けに要する十分な縫い代が縁部21及び縁部22に部分的に確保されている。これにより、縫い代15及び縫い代16の引きつれ又は皺よりを抑制し、且つ面ファスナ18の固定も容易とすることができる。
また、表皮材10の縫い代15及び表皮材11の縫い代16の部分区間17INTにおける縫い代幅W1を相対的に大きくすることにより、伏せ縫い部17に部分的に設けられる面ファスナ18の設置位置を明確に指示することもできる。
本発明は、自動車等の車両に搭載されるシートに限らず、事務用椅子など他のシートのシートカバーにも適用することができる。
本出願は、2016年2月9日出願の日本特許出願(特願2016-023012)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1 車両用シート
2 シートクッション
3 シートバック
4 ヘッドレスト
5 シートカバー
10 表皮材
11 表皮材
12 シーム
13 ステッチ
14 ステッチ
15 縫い代
16 縫い代
17 伏せ縫い部
17INT 部分区間
18 面ファスナ
19 面ファスナ
20 クッションパッド
21 縁部
21a 縁
21b 縁
22 縁部
22a 縁
22b 縁
23 縫い目
24 縫い目
25 孔(ガイド)
L 延長線
W1 縫い代幅
W2 縫い代幅
2 シートクッション
3 シートバック
4 ヘッドレスト
5 シートカバー
10 表皮材
11 表皮材
12 シーム
13 ステッチ
14 ステッチ
15 縫い代
16 縫い代
17 伏せ縫い部
17INT 部分区間
18 面ファスナ
19 面ファスナ
20 クッションパッド
21 縁部
21a 縁
21b 縁
22 縁部
22a 縁
22b 縁
23 縫い目
24 縫い目
25 孔(ガイド)
L 延長線
W1 縫い代幅
W2 縫い代幅
Claims (8)
- 複数の表皮材を縫製してなるシートカバーであって、
縫い合わされた二枚の表皮材の縫い代が、左右に割られて前記二枚の表皮材それぞれに折り重ねられ、且つ前記二枚の表皮材を縫い合せているシームに沿って前記二枚の表皮材それぞれに形成された二条のステッチにより前記二枚の表皮材それぞれに縫い付けられてなる伏せ縫い部と、
前記伏せ縫い部に設けられた面ファスナと、
を備え、
前記二枚の表皮材の縫い代は、前記二条のステッチの外側に配置された縁部を有し、
前記面ファスナは、前記縁部に固定されているシートカバー。 - 請求項1記載のシートカバーであって、
前記面ファスナは、前記伏せ縫い部の長手方向の部分区間であって一つ以上の部分区間それぞれに設けられており、
前記二枚の表皮材の縫い代の前記部分区間における縫い代幅は、前記部分区間を除く残余区間における縫い代幅よりも大きいシートカバー。 - 請求項2記載のシートカバーであって、
前記二枚の表皮材のうち少なくとも一方の表皮材の縫い代の前記部分区間における前記縁部には、前記残余区間における前記縁部の縁が前記シームに沿って延ばされた延長線上に位置するガイドが形成されているシートカバー。 - 請求項1から3のいずれか一項記載のシートカバーであって、
前記シームは曲線状に形成されているシートカバー。 - 複数の表皮材を縫製してなるシートカバーの製造方法であって、
縫い合せた二枚の表皮材の縫い代を、左右に割って前記二枚の表皮材それぞれに折り重ね、
前記二枚の表皮材を縫い合せているシームに沿って前記二枚の表皮材それぞれにステッチを形成し、且つ前記二枚の表皮材それぞれに形成する二条のステッチにより、前記二枚の表皮材の縫い代を前記二枚の表皮材それぞれに縫い付けて伏せ縫い部を形成し、
前記伏せ縫い部に面ファスナを重ね、前記面ファスナを前記二枚の表皮材の縫い代において前記二条のステッチの外側に配置されている縁部に固定するシートカバーの製造方法。 - 請求項5記載のシートカバーの製造方法であって、
前記伏せ縫い部の長手方向の部分区間であって一つ以上の部分区間それぞれに前記面ファスナを重ね、前記部分区間毎に、前記面ファスナを前記二枚の表皮材の縫い代の前記縁部に固定し、
前記二枚の表皮材の縫い代の前記部分区間における縫い代幅は、前記部分区間を除く残余区間における縫い代幅よりも大きいシートカバーの製造方法。 - 請求項6記載のシートカバーの製造方法であって、
前記二枚の表皮材のうち少なくとも一方の表皮材の縫い代の前記部分区間における前記縁部には、前記残余区間における前記縁部の縁が前記シームに沿って延ばされた延長線上に位置するガイドが形成されており、
前記二枚の表皮材を、前記ガイド及び前記残余区間における前記縁部の縁に沿って縫い合せるシートカバーの製造方法。 - 請求項1から4のいずれか一項記載のシートカバーと、
前記シートカバーによって覆われるクッションパッドと、
を備え、
前記クッションパッドには面ファスナが設けられており、
前記シートカバー及び前記クッションパッドそれぞれの前記面ファスナが互いに結合している車両用シート。
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