JP6058583B2 - 車輌の座席シート用表皮材 - Google Patents

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Description

本発明は、布帛の継ぎ合わせ箇所に、装飾部を有する細幅織物を設けて意匠性を向上させた、車輌の座席シート用表皮材に関する。
自動車の座席シート用表皮材としては、布帛の継ぎ合わせ箇所に、装飾用の細幅織物を設けてこれを意匠のアクセントにしたものが知られている。
このような構成とすることにより、自動車の座席シートにおいて、装飾用細幅織物が外観されるものとなるので、この細幅織物の装飾部の色や柄を表皮布帛の色や柄とは異なるものとすることにより、例えば、表皮布帛を黒色、細幅織物の装飾部を赤色とすることにより、座席シートに部分的な装飾(アクセントになる装飾)を施すことができて、座席シートの意匠性を向上させることができる。
従来では、自動車の座席シート用表皮材のための上記細幅織物としては、製織により得られた広幅の広幅織物が裁断(カット)されることによって細幅に形成されたものが使用されていた(特許文献1参照)。
特開2002−339185号公報
しかしながら、上記細幅織物として、製織により得られた広幅織物が裁断されることによって細幅に形成されたものが使用された場合には、裁断位置を正確に制御できない(裁断位置がバラツク)ことから、例えば略矩形状の細幅織物の幅方向の中心位置に長さ方向に沿って中心ラインの意匠が存在する構成であると、表皮材を座席シートに装着したときに、この中心ラインの位置が、座席シートにおける所定の中心位置からずれることが多いという問題があった。このように中心ラインの位置が、所定の中心位置からずれるとデザイン的には顕著な違和感が生じて、座席シートに装着された表皮材の意匠性は顕著に低下するものとなる。また、例えば、略矩形状の細幅織物の幅方向に沿って柄模様が変化する意匠である場合には、その中心ラインの位置が、座席シートの所定の中心位置からずれると、表皮材が座席シートに装着された際に、柄模様が所定の中心位置を線対称の中心としてきれいに線対称にはならずに、位置ずれがわかるので、同じくデザイン的には顕著な違和感が生じて、座席シートに装着された表皮材の意匠性は顕著に低下する。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、生産性に優れると共に、装飾部の中心位置を座席の所定の中心位置に精度高く合わせて装着することができて、座席シートに装着した際に違和感のない優れた意匠性を付与できる、車輌の座席シート用表皮材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]第1布帛と、第2布帛と、細幅織物とを備え、
前記細幅織物は、略矩形状の装飾部と、該装飾部の幅方向の一方の端縁に連接された略矩形状の第1縫い代部と、前記装飾部の幅方向の他方の端縁に連接された略矩形状の第2縫い代部と、を含み、
前記細幅織物は、織機で一体に製織されて形成されたものであり、
前記細幅織物の第1縫い代部に第1布帛の端部が重ね合わされて縫合され、
前記細幅織物の第2縫い代部に第2布帛の端部が重ね合わされて縫合されていることを特徴とする車輌の座席シート用表皮材。
[2]前記細幅織物は、織物が裁断されることによって細幅に形成されたものでないことを特徴とする前項1に記載の車輌の座席シート用表皮材。
[3]前記細幅織物の幅が15mm〜100mmの範囲である前項1または2に記載の車輌の座席シート用表皮材。
[4]前記第1布帛の端部が第1布帛の裏面側に折り返された第1折り返し部が、前記細幅織物の第1縫い代部の上面に重ね合わされ、前記第1縫い代部、前記第1折り返し部および前記第1布帛の順に重ね合わされてこれらが第1縫合糸で縫合されて、前記第1布帛における前記細幅織物側の側縁部の表面において第1縫合糸が外観されるものとなされ、
前記第2布帛の端部が第2布帛の裏面側に折り返された第2折り返し部が、前記細幅織物の第2縫い代部の上面に重ね合わされ、前記第2縫い代部、前記第2折り返し部および前記第2布帛の順に重ね合わされてこれらが第2縫合糸で縫合されて、前記第2布帛における前記細幅織物側の側縁部の表面において第2縫合糸が外観されるものとなされている前項1〜3のいずれか1項に記載の車輌の座席シート用表皮材。
[5]前記第1布帛の端部が第1布帛の裏面側に折り返された第1折り返し部が、前記細幅織物の第1縫い代部の上面に重ね合わされ、前記第1折り返し部と前記細幅織物の第1縫い代部とが第1縫合糸で縫合され、前記縫合された第1折り返し部の上に前記第1布帛が配置されて、前記第1布帛の表面において前記第1縫合糸が外観されないものとなされ、
前記第2布帛の端部が第2布帛の裏面側に折り返された第2折り返し部が、前記細幅織物の第2縫い代部の上面に重ね合わされ、前記第2折り返し部と前記細幅織物の第2縫い代部とが第2縫合糸で縫合され、前記縫合された第2折り返し部の上に前記第2布帛が配置されて、前記第2布帛の表面において前記第2縫合糸が外観されないものとなされている前項1〜3のいずれか1項に記載の車輌の座席シート用表皮材。
[6]前記細幅織物の装飾部は、該装飾部の長さ方向に延ばされた筒状部と、該筒状部の内部に挿入配置された芯材部とを含む玉縁部を1ないし複数条含むことを特徴とする前項1〜5のいずれか1項に記載の車輌の座席シート用表皮材。
[7]前記細幅織物は、少なくとも前記第1縫い代部、前記第2縫い代部及び前記筒状部を形成する経糸と、少なくとも前記第1縫い代部、前記第2縫い代部及び前記筒状部を形成する緯糸と、前記芯材部を形成する挿入糸とが、織機で一体に製織されて形成されたものである前項6に記載の車輌の座席シート用表皮材。
[8]前記挿入糸は、84デシテックス〜15000デシテックスの糸で構成されている前項7に記載の車輌の座席シート用表皮材。
[9]前記挿入糸は、ポリエステル延伸加工マルチフィラメント糸である前項7または8に記載の車輌の座席シート用表皮材。
[1]及び[2]の発明では、細幅織物は、幅方向の両端の縫い代部の間に、意匠等が付与された装飾部が配置されているので、細幅織物の装飾部が外観され得るものとなっており、座席シート用表皮材に意匠性(意匠のアクセント等)を付与できる。また、細幅織物は、織機で一体に製織されて形成されたものであって、広幅の織物が裁断されることによって細幅に形成されたものでないから、装飾部の中心位置を座席シートの所定の中心位置に精度高く合わせて装着できて、座席シートに装着した際に違和感のない優れた意匠性を付与できる。更に、細幅織物は、織機で一体に製織されて形成されたものであるので、生産性に優れているし、細幅織物の幅方向の両端にほつれが発生しない。
[3]の発明では、細幅織物の幅が15mm〜100mmの範囲であり、15mm以上であることで十分な縫合強度を確保できると共に十分な意匠性を確保できるし、100mm以下であることで良好な生産効率を維持できる(幅が100mmより大きくなると緯糸の移動距離が増大するのでその分生産性が低下するので好ましくない)。
[4]の発明では、第1縫い代部、第1折り返し部および第1布帛の順に重ね合わされてこれら3層が縫合されると共に、第2縫い代部、第2折り返し部および第2布帛の順に重ね合わされてこれら3層が縫合されているから、細幅織物と第1布帛との縫合強度を向上できると共に、細幅織物と第2布帛との縫合強度を向上できる。また、第1布帛における細幅織物側の側縁部の表面に形成された第1縫合線が外観されると共に、第2布帛における細幅織物側の側縁部の表面に形成された第2縫合線も外観されるので、例えば、これら第1、2縫合線(縫合糸)の色を、第1、2布帛の表面の色と異なる色とした構成とすることにより、座席シート用表皮材の意匠性を向上できる(意匠のアクセントによる意匠性の向上を図ることができる)。
[5]の発明では、第1布帛の端部が第1布帛の裏面側に折り返された第1折り返し部が、細幅織物の第1縫い代部の上面に重ね合わされて、第1折り返し部と細幅織物の第1縫い代部とが第1縫合糸で縫合され、前記縫合された第1折り返し部の上に第1布帛が配置されると共に、第2布帛の端部が第2布帛の裏面側に折り返された第2折り返し部が、細幅織物の第2縫い代部の上面に重ね合わされて、第2折り返し部と細幅織物の第2縫い代部とが第2縫合糸で縫合され、前記縫合された第2折り返し部の上に第2布帛が配置された構成であるから、第1布帛の表面において第1縫合糸が外観されないし、第2布帛の表面においても第2縫合糸が外観されないものとなる。従って、この表皮材を座席シートに装着したときに、表面側から縫合糸が外観されないので、より美麗なデザインを付与することができる。
[6]の発明では、細幅織物の装飾部は、該装飾部の長さ方向に延ばされた筒状部と、該筒状部の内部に挿入配置された芯材部とを含む玉縁部を1ないし複数条含む構成であるから、盛り上がった玉縁部の存在によって意匠性をさらに向上させることができる。
[7]の発明では、細幅織物は、少なくとも第1縫い代部、第2縫い代部及び筒状部を形成する経糸と、少なくとも第1縫い代部、第2縫い代部及び筒状部を形成する緯糸と、芯材部を形成する挿入糸とが、織機で一体に製織されて形成されたものであるから、生産性を顕著に向上できると共に、細幅織物としての品質も均一化できる利点がある。即ち、1台の織機での製織により、第1、2縫い代部及び筒状部が同時に形成されると共に前記筒状部内への挿入糸(芯材部)の挿入配置が同時に(並行して)行われるので(図8参照)、生産性を顕著に向上させることができると共に、細幅織物としての品質も均一化できる。従って、本表皮材は、細幅織物の筒状部(玉縁部)が美麗な状態で外観されて意匠性に優れている。
[8]の発明では、挿入糸は、84デシテックス〜15000デシテックスの糸で構成されているから、玉縁部(中に挿入糸が挿通された筒状部)の外観の意匠性を向上させることができると共に、玉縁部(中に挿入糸が挿通された筒状部)に接触して着座しても違和感(硬さ感等)を感ずることがなくて着座感を十分に向上させることができる。従って、表皮材における細幅織物を、着座中に人体に接触するような部位(位置)に配置することも十分に可能となる。
[9]の発明では、挿入糸は、ポリエステル延伸加工マルチフィラメント糸で構成されているから、芯材部の弾力性が向上して、表皮材における細幅織物のの筒状部(玉縁部)に接触して着座しても違和感(硬さ感等)を感ずることがなく、このように着座感をより向上させることができる。従って、表皮材における細幅織物を、着座中に人体に接触するような部位(位置)に配置することも十分に可能となる。
本発明に係る車輌の座席シート用表皮材を用いて構成された自動車座席シートを示す斜視図である。 細幅織物を示す斜視図である。 細幅織物に第1布帛及び第2布帛が縫合される過程を示す斜視図であって、(A)は、細幅織物に第1、2布帛が重ね合わされる前の状態を示し、(B)は、第1布帛の端部の第1折り返し部が細幅織物の第1縫い代部に重ね合わされると共に、第2布帛の端部の第2折り返し部が細幅織物の第2縫い代部に重ね合わされた状態を示し、(C)は、第1縫い代部、第1折り返し部および第1布帛が縫合されると共に、第2縫い代部、第2折り返し部および第2布帛が縫合されて、縫合糸(ステッチ糸)が外観される使用状態を示す。 図1におけるX−Xの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る車輌の座席シート用表皮材の製作過程を示す斜視図であって、(A)は、細幅織物に第1、2布帛が重ね合わされる前の状態を示し、(B)は、第1布帛の端部の第1折り返し部が細幅織物の第1縫い代部に重ね合わされて縫合されると共に、第2布帛の端部の第2折り返し部が細幅織物の第2縫い代部に重ね合わされて縫合された状態を示し、(C)は、第1折り返し部の縫合糸の上に第1布帛が配置されると共に第2折り返し部の縫合糸の上に第2布帛が配置されて、これら縫合糸が外観されない使用状態を示す。 図5の座席シート用表皮材を用いて構成された自動車座席シートを示す断面図である。 細幅織物の他の例を示す斜視図である。 図7の細幅織物の製織方法の一例を示す概略説明図であって、細幅織物が製織されている途中状態を示す斜視図である。 テーバー式スクラッチ試験で使用する第1試験片を示す平面図である。 メース式スナッキング試験で使用する試験片を示す平面図であって、(A)は第1試験片の平面図、(B)は第2試験片の平面図である。 面ファスナー式スクラッチ試験で使用する試験片を示す平面図であって、(A)は第1試験片の平面図、(B)は第2試験片の平面図である。 摩擦耐久性試験で使用する試験片を示す平面図であって、(A)は第1試験片の平面図、(B)は第2試験片の平面図である。
本発明の一実施形態に係る車輌の座席シート用表皮材1を車輌の座席シートに装着した状態を図1に示す。この装着状態における一部断面図を図4に示す。
本発明に係る車輌の座席シート用表皮材1は、第1布帛11と、第2布帛12と、細幅織物13とを少なくとも備えてなる(図1、3、4)。
前記細幅織物13は、略矩形状であり、図2に示すように、略矩形状の装飾部2と、該装飾部2の幅方向の一方の端縁に連接された略矩形状の第1縫い代部3と、前記装飾部2の幅方向の他方の端縁に連接された略矩形状の第2縫い代部4と、を含む構成である。
本実施形態では、前記装飾部2の意匠は、図2に示すように、多数個の矩形状の異色部(第1、2縫い代部の色と相違する異色部)が整然と配列された構成を有するものであるが、図1、3では、図面の簡略化のために、装飾部2の全体をグレーに色分けして表記している。なお、前記装飾部2の意匠は、図2に示すものに特に限定されるものではなく、どのような意匠でも採用できる。例えば、前記装飾部2の意匠は、模様のない単なる単色地(例えば赤色地)であってもよいし、模様のある複色地であってもよい。また、前記装飾部2には、例えば、装飾部の長さ方向において意匠の存在しない領域が1ないし複数設けられていてもよく、図2においてもこのような意匠非存在領域(図2の装飾部2における矩形状の異色部以外の領域)が多数設けられているが、図2よりも長さ方向にさらに長い長さの意匠非存在領域が1ないし複数設けられていてもよいし、或いは、長さ方向の中間部の大部分の領域を長い意匠非存在領域とし、長さ方向の両端部のみに意匠(異色部等)が存在する構成としてもよい。
前記細幅織物13は、1台の織機での製織によって、一体に製織されて形成されたものである。即ち、経糸と緯糸とで、第1縫い代部3、第2縫い代部4および装飾部2が一体に製織されたものである。
しかして、前記第1布帛11の一端部が第1布帛11の裏面側に折り返された第1折り返し部11a(図3(A)参照)が、前記細幅織物13の第1縫い代部3の上面に重ね合わされて、第1縫い代部3、第1折り返し部11aおよび第1布帛(第1折り返し部を除く)11の順に重ね合わされて(図3(B)参照)これら3層が第1縫合糸21で縫合され、第1布帛11における細幅織物13側の側縁部の表面に第1縫合線21が形成され、該第1縫合線21が外観されるものとなされている(図3(C)、図4参照)。
また、前記第2布帛12の一端部が第2布帛12の裏面側に折り返された第2折り返し部12a(図3(A)参照)が、前記細幅織物13の第2縫い代部4の上面に重ね合わされて、第2縫い代部4、第2折り返し部12aおよび第2布帛(第2折り返し部を除く)12の順に重ね合わされて(図3(B)参照)これら3層が第2縫合糸22で縫合され、第2布帛12における細幅織物13側の側縁部の表面に第2縫合線22が形成され、該第2縫合線22が外観されるものとなされている(図3(C)、図4参照)。
上記構成に係る車輌の座席シート用表皮材1では、細幅織物13において、幅方向の両端の縫い代部3、4の間に、意匠等が付与された装飾部2が配置されているので、座席シート用表皮材1に意匠性(意匠のアクセント等)を付与できる。また、細幅織物13は、織機で一体に製織されて形成されたものであって、広幅の織物が裁断されることによって細幅に形成されたものでないから、装飾部2の中心位置を座席の所定の中心位置に精度高く合わせて装着することができて、座席シートに装着した際に違和感のない優れた意匠性を付与できる。更に、細幅織物13は、織機で一体に製織されて形成されたものであるので、生産性に優れているし、細幅織物13の幅方向の両端にほつれが発生することがなくて(裁断されていないからほつれが発生しない)高品質である。
更に、第1縫い代部3、第1折り返し部11aおよび第1布帛(第1折り返し部を除く)11の順に重ね合わされてこれら3層が縫合されると共に、第2縫い代部4、第2折り返し部12aおよび第2布帛(第2折り返し部を除く)12の順に重ね合わされてこれら3層が縫合されているから、細幅織物13と第1布帛11との縫合強度を向上できると共に、細幅織物13と第2布帛12との縫合強度も向上できる。
加えて、第1布帛11における細幅織物13側の側縁部の表面に形成された第1縫合糸(第1縫合線)21が外観されると共に、第2布帛12における細幅織物13側の側縁部の表面に形成された第2縫合糸(第2縫合線)22も外観されるので、例えば、これら第1、2縫合糸(縫合線)の色を第1、2布帛の表面の色と異なる色とした構成とすることにより、座席シート用表皮材1の意匠性をさらに向上させることができる(第1、2布帛の表面の色と異なる色の第1、2縫合糸が外観されることによる意匠のアクセントの付与によって意匠性の更なる向上を図ることができる)。
次に、本発明に係る車輌の座席シート用表皮材1の他の実施形態について説明する。この実施形態では、前記第1布帛11の一端部が第1布帛11の裏面側に折り返された第1折り返し部11a(図5(A)参照)が、前記細幅織物13の第1縫い代部3の上面に重ね合わされ、この重ね合わされた状態で前記第1折り返し部11aと前記細幅織物13の第1縫い代部3とが第1縫合糸21で縫合され(図5(B)、図6参照)、この縫合された第1折り返し部11aの上に第1布帛(第1折り返し部を除く)11が配置されて、第1折り返し部11aの表面(上面)の第1縫合糸(第1縫合線)21が外観されないものとなされている(図5(C)、図6参照)。
また、前記第2布帛12の一端部が第2布帛12の裏面側に折り返された第2折り返し部12a(図5(A)参照)が、前記細幅織物13の第2縫い代部4の上面に重ね合わされ、この重ね合わされた状態で前記第2折り返し部12aと前記細幅織物13の第2縫い代部4とが第2縫合糸22で縫合され(図5(B)、図6参照)、この縫合された第2折り返し部12aの上に第2布帛(第1折り返し部を除く)12が配置されて、第2折り返し部12aの表面(上面)の第2縫合線22が外観されないものとなされている(図5(C)、図6参照)。
上記構成に係る車輌の座席シート用表皮材1では、細幅織物13において、幅方向の両端の縫い代部3、4の間に、意匠等が付与された装飾部2が配置されているので、座席シート用表皮材1に意匠性(意匠のアクセント等)を付与できる。また、細幅織物13は、織機で一体に製織されて形成されたものであって、広幅の織物が裁断されることによって細幅に形成されたものでないから、装飾部2の中心位置を座席の所定の中心位置に精度高く合わせて装着することができて、座席シートに装着した際に違和感のない優れた意匠性を付与できる。更に、細幅織物13は、織機で一体に製織されて形成されたものであるので、生産性に優れているし、細幅織物13の幅方向の両端にほつれが発生することがなくて(裁断されていないからほつれが発生しない)高品質である。
しかして、前記座席シート用表皮材1が、座席クッション体40の表面を被覆する状態に装着される(配置される)(図4、6参照)。こうして、車輌の座席シートが構成される(図1参照)。
前記装着された自動車座席シート用表皮材1において、前記装飾部2の上面が外観されるものとなっている(図1、4、6参照)。本実施形態では、前記装飾部2は、全体としては、図1に示すように線状(ライン状)に外観されるので、例えば装飾部2を前記第1、2布帛11、12と異なる色に設計しておくことにより、この外観される装飾部2が意匠のアクセントになって優れた意匠性を付与することができる。
上記実施形態では、第1布帛11に第1折り返し部11aが形成されて該第1折り返し部11aが、細幅織物13の第1縫い代部3に縫合された構成(図3、図5参照)が採用されているが、特にこのような形態に限定されるものではなく、例えば、第1布帛11の端部(折り返されていない状態の端部)が、細幅織物13の第1縫い代部3に重ね合わされて縫合された構成を採用してもよい。
同様に、上記実施形態では、第2布帛12に第2折り返し部12aが形成されて該第2折り返し部12aが、細幅織物13の第2縫い代部4に縫合された構成(図3、図5参照)が採用されているが、特にこのような形態に限定されるものではなく、例えば、第2布帛12の端部(折り返されていない状態の端部)が、細幅織物13の第2縫い代部4に重ね合わされて縫合された構成を採用してもよい。
上記実施形態では、前記第1布帛11は、表皮材1のうちの左側サイド材を構成する布帛であり、前記第2布帛12は、表皮材1のうちの右側サイド材を構成する布帛であるが、特にこのような構成に限定されるものではない。
上記実施形態では、本発明の表皮材1が、座席シートにおける背当て部の上部および座部の前部(太ももが接触する部位)に使用されているが、使用箇所は、特にこのような部位に限定されるものではない。
次に、本発明に係る車輌の座席シート用表皮材1を構成する細幅織物13の他の実施形態を図7に示す。
前記細幅織物13は、略矩形状であり、図7に示すように、略矩形状の装飾部2と、該装飾部2の幅方向の一方の端縁に連接された略矩形状の第1縫い代部3と、前記装飾部2の幅方向の他方の端縁に連接された略矩形状の第2縫い代部4と、を含む構成である。
前記細幅織物13の装飾部2は、該装飾部2の長さ方向に延ばされた筒状部6と、該筒状部6の内部に挿入配置された芯材部5(33)と、を含む玉縁部7を1ないし複数条含む。
本実施形態では、前記装飾部2は、幅方向の中心部に配置された玉縁部7Aと、該玉縁部7Aを構成する筒状部6の幅方向の一方の側(左側)に連接された第1平布部8と、該第1平布部8の幅方向の外側(左側)に連接された玉縁部7Bと、前記玉縁部7Aを構成する筒状部6の幅方向の他方の側(右側)に連接された第2平布部9と、該第2平布部9の幅方向の外側(右側)に連接された玉縁部7Cと、を備えている。前記玉縁部7Bの更に幅方向の外側(左側)に前記第1縫い代部3が連接され、前記玉縁部7Cの更に幅方向の外側(右側)に前記第2縫い代部4が連接されている(図7参照)。前記玉縁部7(筒状部6)の一部(上部)が、前記第1縫い代部3及び前記第2縫い代部4の表面位置よりも高くなっている(突出している)。
前記細幅織物(図7に示す細幅織物)13は、1台の織機での製織によって、一体に製織されて形成されたものである。
前記細幅織物13の製織方法の例を図8に示す。図8に示すように、斜め上方側から製織位置34に向けて多数本の経糸31を供給すると共に、斜め下方側から製織位置34に向けて多数本の経糸31を供給し、前記斜め上方側から供給される経糸31の群と前記斜め下方側から供給される経糸31の群の間に背後側(糸供給側)から挿入糸33を供給する。前記製織位置34において、前記斜め上方側からの経糸31と、前記斜め下方側からの経糸31と、緯糸32とで、第1縫い代部3、第2縫い代部4、第1平布部8、第2平布部9及び前記筒状部6、6、6を製織すると同時に該筒状部6の内部空間に前記挿入糸33を挿通配置せしめることによって、図7に示す細幅織物13が得られる。この細幅織物13は、上述した製織方法で製造されたものであるから、無裁断であり、無縫製であり、接着剤も使用(付与)されていない。即ち、前記細幅織物13は、上述した製織方法で製造されたものであるから、裁断工程を要しないし、縫製工程を要しないし、接着剤による接着を要しないので、極めて生産性に優れている。また、製織により得られたものであるので、品質も均一化されている。
本発明において、前記細幅織物13の幅Wは、15mm〜100mmに設定されるのが好ましい(図2、7参照)。15mm以上であることで、十分な縫合強度を確保できると共に十分な意匠性を確保できる。また、100mm以下であることで良好な生産効率を維持できる。中でも、前記細幅織物13の幅Wは、20mm〜50mmに設定されるのがより好ましく、33mm〜35mmに設定されるのが特に好ましい。
前記細幅織物13を構成する経糸としては、33デシテックス〜1000デシテックスの糸が用いられるのが好ましく、この場合には、装飾部2、第1縫い代部3および第2縫い代部4の強度を向上させることができる。
前記経糸としては、撚り回数が100回〜350回である撚糸が用いられるのが好ましい。また、前記経糸のインターレース条件は、50個/m〜150個/mの範囲であるのが好ましい。
前記緯糸としては、33デシテックス〜1000デシテックスの糸が用いられるのが好ましく、この場合には、装飾部2、第1縫い代部3および第2縫い代部4の強度を向上させることができる。
前記縫い代部3、4の組織形態としては、特に限定されるものでないが、例えば、平織、綾織、朱子織等が挙げられる。中でも、前記縫い代部3、4の組織形態は、平織であるのが好ましい。
また、前記平布部8、9を設けた構成を採用する場合において、平布部8、9の組織形態としては、特に限定されるものでないが、例えば、平織、綾織、朱子織などが挙げられる。
前記挿入糸33としては、例えば、ポリエステル延伸加工マルチフィラメント糸、塩化ビニル糸、ポリエチレン糸等の樹脂製糸などが挙げられる。中でも、前記挿入糸33としては、ポリエステル延伸加工マルチフィラメント糸を用いるのが好ましく、この場合には、玉縁部7に接触して着座しても違和感(硬さ感等)を感ずることがなくて着座感を十分に向上させることができる。
前記挿入糸33としては、84デシテックス〜15000デシテックスの糸を用いるのが好ましい。84デシテックス(dtex)以上の糸を用いることで玉縁部7による意匠効果を十分に確保できると共に、15000デシテックス(dtex)以下の糸を用いることで玉縁部7に接触して着座しても違和感(硬さ感等)を感ずることがなくて着座感を十分に向上させることができる。中でも、前記挿入糸33としては、2000デシテックス〜10000デシテックスの糸を用いるのが特に好ましい。
前記筒状部6の組織形態としては、特に限定されるものでないが、例えば、袋織(経糸を表裏で上下分散させ袋状に織った組織)等が挙げられる。
前記第1布帛11および前記第2布帛12としては、特に限定されるものでないが、例えば、ドビー織物(ポリエステル繊維製ドビー織物等)、ジャカード織物(ポリエステル繊維製ジャカード織物等)、トリコット(ポリエステル繊維製トリコット等)、丸編地(ポリエステル繊維製丸編地等)、ラッセル生地(ポリエステル繊維製ラッセル生地等)などが挙げられる。
前記縫合に用いる縫合糸21、22としては、特に限定されるものでないが、例えば、ポリエステル紡績糸等が挙げられる。前記縫合糸21、22の太さは、4番〜12番であるのが好ましい。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
参考例
下記設計、条件での製織を行うことによって、図2に示す細幅織物13を得た。
織機:細巾ニードル織機
経密度:321本/2.54cm
緯密度:157本/2.54cm
経糸:167デシテックスのポリエステルマルチフィラメント糸(撚糸;撚り回数300回)238本および330デシテックスのポリエステルモノフィラメント糸4本
緯糸:110デシテックスのポリエステルマルチフィラメント糸
装飾部の組織:朱子織
第1、2縫い代部の組織:朱子織
細幅織物の幅W:34mm。
次に、図5に示すように、ポリエステル繊維製ドビー織物からなる第1布帛11の端部の第1折り返し部11aを、細幅織物13の第1縫い代部3の上面に重ね合わせると共に、ポリエステル繊維製ドビー織物からなる第2布帛12の端部の第2折り返し部12aを、細幅織物13の第2縫い代部4の上面に重ね合わせ、この状態で第1折り返し部11aと細幅織物の第1縫い代部3とをポリエステル紡績糸(第1縫合糸)21で縫合すると共に、第2折り返し部12aと細幅織物の第2縫い代部4とをポリエステル紡績糸(第2縫合糸)22で縫合することによって、図5(C)に示す自動車座席シート用表皮材1を得た。得られた自動車座席シート用表皮材1を座席に装着した状態において、前記細幅織物13の装飾部2が外観されると共に、縫合糸による縫合線21、22は外観されなかった(図5(C)、図6参照)。
<実施例
上述した図8に示す製織方法で、下記設計、条件等で製織することによって、図7に示す細幅織物13を得た。
織機:細巾ニードル織機
経密度:408本/2.54cm
緯密度:180本/2.54cm
経糸:167デシテックスのポリエステルマルチフィラメント糸(撚糸;撚り回数250回)352本およびポリエステルフィルム(80切)8本(ポリエステルフィルムは第1、2平布部のみに配置)
緯糸:110デシテックスのポリエステルマルチフィラメント糸
挿入糸:330デシテックスのポリエステルマルチフィラメント糸330本
第1、2縫い代部の組織:平織
第1、2平布部の組織:朱子織
筒状部の組織:朱子織
細幅織物の幅W:50mm。
次に、図5に示すように、ポリエステル繊維製ドビー織物からなる第1布帛11の端部の第1折り返し部11aを、細幅織物13の第1縫い代部3の上面に重ね合わせると共に、ポリエステル繊維製ドビー織物からなる第2布帛12の端部の第2折り返し部12aを、細幅織物13の第2縫い代部4の上面に重ね合わせ、この状態で第1折り返し部11aと細幅織物の第1縫い代部3とをポリエステル紡績糸(第1縫合糸)で縫合すると共に、第2折り返し部12aと細幅織物の第2縫い代部4とをポリエステル紡績糸(第2縫合糸)で縫合することによって、自動車座席シート用表皮材を得た。得られた自動車座席シート用表皮材を座席に装着した状態において、前記細幅織物の装飾部が外観されると共に、縫合糸による縫合線は外観されなかった。
上記のようにして得られた各自動車座席シート用表皮材について下記評価法に基づいて評価を行った。これらの結果を表1に示す。
<表皮材の表面耐久性評価法>
[テーバー式スクラッチ試験]
得られた自動車座席シート用表皮材から裁断により、図9に示す形状、大きさの第1試験片61を得た。更に、円形状の裁断ライン(二点鎖線ライン)52で裁断して円形状にした。次に、テーバー式スクラッチ試験機に針を取り付け、この針の針先(針の先端)を第1試験片61の表面に接触させて針に200gの荷重を与えた状態で、1rpmの回転数で2回転させた。図9における円形実線51が針先の接触軌道である。試験後に、第1試験片の表面の性状を目視で観察し、下記判定基準に基づいて評価した。3級、4級、5級を合格とした。
(判定基準)
「5級」…損傷が全く認められない。
「4級」…引っ掻きによる損傷はあるが、糸の飛び出しは無い。
「3級」…糸の飛び出しはあるが目立ちにくい。繊維が切れているが目立ちにくい。
「2級」…糸の飛び出しがあり、目立つ。繊維が切れており、目立つ。
「1級」…糸の飛び出しが著しく目立つ。繊維が切れて破れている。
[メース式スナッキング試験]
得られた自動車座席シート用表皮材から裁断により、図10(A)に示す形状、大きさの第1試験片61を2枚および図10(B)に示す形状、大きさの第2試験片62を2枚準備した。第1試験片の表面(装飾部2の意匠面)を内側にして2枚を縫製することによって円筒体(装飾部2のラインが円筒体の中心軸と平行になる態様)に形成した後、これを表裏逆転させて第1試験片の表面(装飾部2の意匠面)を外側に露出させたものを円筒状第1試験片とした。同様に、第2試験片の表面(装飾部2の意匠面)を内側にして2枚を縫製することによって円筒体(装飾部2のラインが円筒体の外周面に沿って環状になる態様)に形成した後、これを表裏逆転させて第2試験片の表面(装飾部2の意匠面)を外側に露出させたものを円筒状第2試験片とした。JIS L1058−2005に規定するICI形メース試験機を用い、各円筒状試験片をメース試験機の回転軸体の外表面に装着し、60rpmの回転速度で100回転させて、円筒状試験片の外周面(装飾部2の意匠面)に対してスナッキング試験を行った。試験後に、各試験片の表面の性状を目視で観察し、下記判定基準に基づいて評価した。3級、4級、5級を合格とした。
(判定基準)
「5級」…スナッグ(糸の飛び出し)の発生が全く認められない。
「4級」…スナッグ(糸の飛び出し)による損傷はあるが、個数が極めて少ない。
「3級」…糸の飛び出しはあるが個数が少ない。繊維が切れているが目立ちにくい。
「2級」…糸の飛び出しがあり個数が多い。繊維が切れており、目立つ。
「1級」…糸の飛び出しが著しく目立ち個数も多い。繊維が切れて破れている。
[面ファスナー式スクラッチ試験]
得られた自動車座席シート用表皮材から裁断により、図11(A)に示す形状、大きさの第1試験片61および図11(B)に示す形状、大きさの第2試験片62を得た。JIS L0849−2004に規定する摩擦試験機I形を用い、摩擦子として、面ファスナーを巻き付けた摩擦子であって摩擦面が面ファスナーの表面(フックあり)になっているものを使用し、この摩擦子を荷重8.0Nで150mm間を毎分60回往復の速度で10回往復させる。図11(A)(B)における二点鎖線で取り囲む領域が、摩擦子の往復領域50である。10回往復の後、各試験片の表面の毛羽立ちの程度を目視で調べ、下記判定基準に基づいて評価した。3級、4級、5級を合格とした。
(判定基準)
「5級」…毛羽立ちの発生が全く認められない。
「4級」…毛羽立ちの発生はあるが、繊維は切れていない。
「3級」…毛羽立ちの発生はあるが目立ちにくく、繊維が切れているが目立ちにくい。
「2級」…毛羽立ちの発生が目立ち、繊維が切れて目立つ。
「1級」…毛羽立ちが著しく目立ち、繊維が切れて著しく目立つ、又は破れている。
[摩擦耐久性試験]
得られた自動車座席シート用表皮材から裁断により、図12(A)に示す形状、大きさの第1試験片61および図12(B)に示す形状、大きさの第2試験片62を得た。JIS L0849−2004に規定する摩擦試験機II形を用い、摩擦子として綿帆布10番を使用し、摩擦子を荷重5Nで100mm間を毎分30回往復の速度で3000回往復させる。図12(A)(B)における二点鎖線で取り囲む領域が、摩擦子の往復領域50である。3000回往復の後、各試験片の表面の磨耗の程度、外観変化を目視で調べ、下記判定基準に基づいて摩擦耐久性を評価した。3級、4級、5級を合格とした。
(判定基準)
「5級」…磨耗・外観変化が認められない。
「4級」…磨耗・外観変化が僅かに認められる程度である。
「3級」…磨耗・外観変化が認められるが、実用上問題のないレベルである。
「2級」…磨耗・外観変化が著しい。
「1級」…磨耗・外観変化が極めて著しい。
表1から明らかなように、参考例と本発明に係る実施例1の自動車座席シート用表皮材は、上記4つのいずれの評価も合格であり、表面耐久性に優れていた。
本発明に係る、車輌の座席シート用表皮材1は、自動車座席シート用表皮材として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
1…車輌の座席シート用表皮材
2…装飾部
3…第1縫い代部
4…第2縫い代部
5…芯材部(挿入糸)
6…筒状部
7…玉縁部
11…第1布帛
11a…第1折り返し部
12…第2布帛
12a…第2折り返し部
13…細幅織物
21…第1縫合糸(第1縫合線)
22…第2縫合糸(第2縫合線)
31…経糸
32…緯糸
33…挿入糸
W…細幅織物の幅

Claims (7)

  1. 第1布帛と、第2布帛と、細幅織物とを備え、
    前記細幅織物は、略矩形状の装飾部と、該装飾部の幅方向の一方の端縁に連接された略矩形状の第1縫い代部と、前記装飾部の幅方向の他方の端縁に連接された略矩形状の第2縫い代部と、を含み、
    前記細幅織物は、織機で一体に製織されて形成されたものであり、
    前記細幅織物の第1縫い代部に第1布帛の端部が重ね合わされて縫合され、
    前記細幅織物の第2縫い代部に第2布帛の端部が重ね合わされて縫合され
    前記細幅織物の装飾部は、該装飾部の長さ方向に延ばされた筒状部と、該筒状部の内部に配置されたポリエステル延伸加工マルチフィラメント挿入糸からなる芯材部とを含む玉縁部を1ないし複数条含むことを特徴とする車輌の座席シート用表皮材。
  2. 前記細幅織物は、織物が裁断されることによって細幅に形成されたものでないことを特徴とする請求項1に記載の車輌の座席シート用表皮材。
  3. 前記細幅織物の幅が15mm〜100mmの範囲である請求項1または2に記載の車輌の座席シート用表皮材。
  4. 前記第1布帛の端部が第1布帛の裏面側に折り返された第1折り返し部が、前記細幅織物の第1縫い代部の上面に重ね合わされ、前記第1縫い代部、前記第1折り返し部および前記第1布帛の順に重ね合わされてこれらが第1縫合糸で縫合されて、前記第1布帛における前記細幅織物側の側縁部の表面において第1縫合糸が外観されるものとなされ、
    前記第2布帛の端部が第2布帛の裏面側に折り返された第2折り返し部が、前記細幅織物の第2縫い代部の上面に重ね合わされ、前記第2縫い代部、前記第2折り返し部および前記第2布帛の順に重ね合わされてこれらが第2縫合糸で縫合されて、前記第2布帛における前記細幅織物側の側縁部の表面において第2縫合糸が外観されるものとなされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の車輌の座席シート用表皮材。
  5. 前記第1布帛の端部が第1布帛の裏面側に折り返された第1折り返し部が、前記細幅織物の第1縫い代部の上面に重ね合わされ、前記第1折り返し部と前記細幅織物の第1縫い代部とが第1縫合糸で縫合され、前記縫合された第1折り返し部の上に前記第1布帛が配置されて、前記第1布帛の表面において前記第1縫合糸が外観されないものとなされ、
    前記第2布帛の端部が第2布帛の裏面側に折り返された第2折り返し部が、前記細幅織物の第2縫い代部の上面に重ね合わされ、前記第2折り返し部と前記細幅織物の第2縫い代部とが第2縫合糸で縫合され、前記縫合された第2折り返し部の上に前記第2布帛が配置されて、前記第2布帛の表面において前記第2縫合糸が外観されないものとなされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の車輌の座席シート用表皮材。
  6. 前記細幅織物は、少なくとも前記第1縫い代部、前記第2縫い代部及び前記筒状部を形成する経糸と、少なくとも前記第1縫い代部、前記第2縫い代部及び前記筒状部を形成する緯糸と、前記芯材部を形成する挿入糸とが、織機で一体に製織されて形成されたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の車輌の座席シート用表皮材。
  7. 前記芯材部は、84デシテックス〜15000デシテックスの糸で構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の車輌の座席シート用表皮材。
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