JP6980541B2 - 皮革製品 - Google Patents
皮革製品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6980541B2 JP6980541B2 JP2018009613A JP2018009613A JP6980541B2 JP 6980541 B2 JP6980541 B2 JP 6980541B2 JP 2018009613 A JP2018009613 A JP 2018009613A JP 2018009613 A JP2018009613 A JP 2018009613A JP 6980541 B2 JP6980541 B2 JP 6980541B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stitch
- design
- terminal
- base material
- leather
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Treatment And Processing Of Natural Fur Or Leather (AREA)
- Automatic Embroidering For Embroidered Or Tufted Products (AREA)
Description
シートバック6は、図1を参照して、乗員の背凭れとなる正面視で略矩形の部材であり、上述の基本構成6F,6P,6Sとともに、刺繍製の意匠部20と、複数の線状のステッチ部STa〜STj等を有している(各部材及び各部の詳細は適宜後述)。意匠部20は、皮革製のシートカバー6S上に設けられた刺繍製の部位であり、正面視で概ね長方形をなしている。また複数のステッチ部STa〜STj等(線状に並列した縫目)は、シートカバー6S上で格子状に配置されているとともに、図2に示す特定のステッチ部STa〜STjは意匠部20に向かうように配置されている。この種の構成では、各ステッチ部STa〜STjと意匠部20のいずれか一方の意匠が他方の意匠によって制約を受けるといった事態は極力回避すべきである。そこで本実施例では、後述する構成によって、刺繍製の意匠部20と、各ステッチ部STa〜STjを、これらの意匠をより適切に両立しつつ皮革製のシートカバー6Sに設けることとした。以下、各構成について詳述する。
シートバック6は、図1及び図3を参照して、シートパッド6Pを、シートフレーム6F(図示省略)上に配置したのちシートカバー6Sで被覆することで形成されている。ここでシートフレーム6Fは、典型的に正面視で略矩形又はアーチ状の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材にて形成できる。またシートパッド6Pは、シートバック6の外形形状をなしている部材であり、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)などの発泡樹脂で形成できる。このシートパッド6Pの着座面には、着座部6aと、左右の土手部6bとが形成されている。着座部6aは、シート幅方向中央に形成された乗員の着座が可能な部位である。また左右の土手部6bは、着座部6aの側方で相対的に前方に向けて山なりに盛り上がっている部位である。
シートカバー6Sは、図1に示すようにシートバック6の意匠面を構成する面材であり、複数の表皮ピースSP1〜SP3等を縫合することで形成されている(図1では、便宜上、特定の表皮ピースにのみ符号を付している)。例えばシートカバー6Sの前面は、着座部6aの下部を被覆するメイン表皮ピースSP1と、左右の土手部6bを被覆する一対のサイド表皮ピースSP2、SP3とを縫合することで形成されている。これら各表皮ピースSP1〜SP3の素材として、シートの意匠面を構成可能な面材を用いることができ、例えば皮革(天然皮革,合成皮革)や布帛(織物,編物,不織布)を適宜選択して用いることができる。そして本実施例では、後述する意匠部20を形成するメイン表皮ピースSP1が本発明の基材に相当し、このメイン表皮ピースSP1の素材として皮革製の基材(詳細後述)を用いている。なお各サイド表皮ピースSP2,SP3の素材は特に限定しないが、本実施例では皮革を用いている。
またメイン表皮ピースSP1の上部中央には、図1を参照して、シートの意匠性向上などの観点から刺繍製の意匠部20が設けられている。この意匠部20は、図2を参照して、正面視で左右に長尺な長方形状の刺繍製の部位であり、意匠部20の輪郭をなす複数の周縁(右縁21,左縁22,上縁23,下縁24)を有している。右縁21は、意匠部20の右側の輪郭をなして上下方向に延びている周縁部分であり、左縁22は、意匠部20の左側の輪郭をなして上下方向に延びている周縁部分である。また上縁23は、意匠部20の上側の輪郭をなして左右方向に延びている周縁部分であり、下縁24は、意匠部20の下側の輪郭をなして左右方向に延びている周縁部分である。この意匠部20は、例えばミシンを用いた機械刺繍で構成可能であり、各種の刺繍手法(縫い方)で形成できる。そして意匠部20の刺繍手法として、意匠部20に求められる外観を考慮して、例えばタタミ縫いとサテン縫いの少なくとも一方を用いることが可能である。
複数のステッチ部STa〜STj等は、図1を参照して、メイン表皮ピースSP1に設けられた線状の縫目である(図1では、便宜上、一部のステッチ部にのみ特定の符号STa〜STjを付す)。各ステッチ部STa〜STj等は、ミシンによって形成可能であるとともに、後述するように図3の表側基材12と裏側基材14を縫合するキルティングステッチとして用いられている。これら各ステッチ部STa〜STj等は、メイン表皮ピースSP1上でヒシクロス模様をなすように配置されており、右傾斜状の複数のステッチ部(STa,STc,STe,STh,STj等)と、左傾斜状の複数のステッチ部(STb,STd,STf,STg,STi等)とに分けられている。右傾斜状の複数のステッチ部(STa,STc,STe,STh,STj等)は、各々、右方に向かうにつれて次第に下方に傾斜しているとともに、左右方向に概ね等間隔で配置されている。また左傾斜状の複数のステッチ部(STa,STc,STe,STh,STj等)は、各々、左方に向かうにつれて次第に下方に傾斜しているとともに、左右方向に概ね等間隔で配置されている。
この第二ステッチ部STbは、意匠部20の上縁23左端に向けて延びている左傾斜状のステッチ部であり、図4を参照して、一般部位30と、後述の端末部位32とを有している。一般部位30は、専ら第二ステッチ部STbの意匠をなしている部位であり、意匠部20外に配置された複数の一般縫目30aで構成されている(図4では、一般部位をなす一般縫目に共通の符号30aを付す)。これら各一般縫目30aは、意匠部20の直前に設けられた基準ミシン孔H1の上方に配置されているとともに、隣り合う一般縫目30a同士はミシン孔Hを間に挟んで左傾斜状に並列して配置されている(図4では、特定のミシン孔に特定の符号を付し、その他のミシン孔Hには共通の符号を付す)。
また端末部位32は、図4を参照して、第二ステッチ部STbの縫い終わりの端末STEを構成しており、第二ステッチ部STbに返し縫い処理を施すことで形成されている。この端末部位32は、複数の部位(内側部位41,第一返し部位42,第二返し部位44)で構成されており、各部位41,42,44は、基準ミシン孔H1の下方に配置された複数の縫目32a〜32fによって形成されている。すなわち図5を参照して、各部位を便宜的に左右に分けた場合、内側部位41は、基準ミシン孔H1の下方に配置された一対の内側縫目32a,32bで形成されている。この内側部位41は、一般部位30の下方に一つなぎとなるように設けられた部位であり、第二ステッチ部STbの延長方向(図5では左下)と同方向に延びている。また第一返し部位42は、内側部位41の下端から第二ステッチ部STbの延長方向とは逆向き(図5では右上)に延びている一対の第一縫目32c,32dで構成されている。また第二返し部位44は、第一返し部位42の上端から第二ステッチ部STbの延長方向と同方向に延びている一対の第二縫目32e,32fで構成されている。そして第一返し部位42の各第一縫目32c,32dと、第二返し部位44の各第二縫目32e,32fとは、同一長さ寸法を有し、更に本実施例では内側部位41の各内側縫目32a,32bの長さと概ね同一に設定されている。こうして端末部位32は、図4に示すように内側部位41に対して第一返し部位42と第二返し部位44が重複して配置される(三本の返し縫いの糸を重ねた返し縫い処理が施される)ことで形成されている。
本実施例においては、図2を参照して、各ステッチ部STa〜STj等(以下、STa等とも呼ぶ)と意匠部20とをこの順でメイン表皮ピースSP1に形成していく。すなわち図3に示す表側基材12と裏側基材14とを、弾性材16を間に挟んで各ステッチ部STa等で縫合したのち、表側基材12に刺繍製の意匠部20を形成する。こうしてメイン表皮ピースSP1は、弾性材16によって表側基材12を膨らませたキルト状となり、各ステッチ部STa等がキルティングステッチとして用いられることとなる。そして本実施例では、シートカバー6Sの更なる意匠性向上の観点から、図2に示す各ステッチ部STa等を意匠部20の上下に形成している。すなわち本実施例では、意匠部20と各ステッチ部STa等とを複合的に用いて、シートカバー6Sの意匠性の更なる向上を図っている。この種の構成では、刺繍製の意匠部20と線状のステッチ部STa等を、これらの意匠をより適切に両立しつつメイン表皮ピースSP1に設けることが望まれる。
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
6F シートフレーム
6P シートパッド
6a 着座部
6b 土手部
6S シートカバー
SP1 メイン表皮ピース(本発明の基材)
SP2,SP3 サイド表皮ピース
12 表側基材
14 裏側基材
16 弾性材
20 意匠部
21 右縁(本発明の意匠部の周縁)
22 左縁
23 上縁
24 下縁(本発明の意匠部の周縁)
STa 第一ステッチ部
STb 第二ステッチ部
STc 第三ステッチ部
STd 第四ステッチ部
STe 第五ステッチ部
STf 第六ステッチ部
STg 第七ステッチ部
STh 第八ステッチ部
STi 第九ステッチ部
STj 第十ステッチ部
STE ステッチ部の縫い終わりの端末
STS ステッチ部の縫い始めの端末
30 一般部位
30a 一般縫目
32a,32b 内側縫目
32c,32d 第一縫目
32e,32f 第二縫目
32 端末部位
32E 端末部位の末端
41 内側部位
42 第一返し部位
44 第二返し部位
H ミシン孔
H1 基準ミシン孔
H2 終端ミシン孔
Claims (6)
- 皮革製の基材と、前記基材に設けられた刺繍製の意匠部と、前記基材に設けられた線状のステッチ部とを備え、前記ステッチ部の縫目が前記意匠部に向かって延びている皮革製品において、
前記意匠部側の前記ステッチ部の端末は、返し縫い処理が施されている端末部位で構成されているとともに、前記端末部位では、前記ステッチ部の延長方向に対して縫目が逆向きに延びたのちに延長方向と同方向に延びており、
前記端末部位は、前記意匠部の周縁を跨いで配置されているとともに、前記端末部位の末端は前記意匠部内に配置されている皮革製品。 - 前記端末部位は、縫い始めと縫い終わりの少なくとも一方の前記ステッチ部の端末に形成されている請求項1に記載の皮革製品。
- 前記ステッチ部は、前記意匠部の外に配置されている一般部位を有し、
前記端末部位は、前記一般部位と一つなぎとなって前記意匠部内に入り込んでいる内側部位の縫目に対して返し縫い処理が重複して施されることにより形成されている請求項1又は2に記載の皮革製品。 - 前記端末部位では、前記ステッチ部の延長方向に対して縫目が逆向きに延びたのちに前記意匠部の外で延長方向と同方向に折り返されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の皮革製品。
- 前記端末部位には、前記ステッチ部の延長方向と逆向きに延びている第一返し部位と、延長方向と同方向に延びている第二返し部位とがこの順で形成されており、
前記第一返し部位と前記第二返し部位は、同一長さの縫目が同数並列することで形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の皮革製品。 - 前記基材は、前記意匠部が形成された皮革製の表側基材と、前記表側基材の裏側に配置する裏側基材と、弾性的に伸縮可能な弾性材とを有し、
前記表側基材と前記裏側基材とは、前記ステッチ部によって前記弾性材を間に挟んだ状態で縫合されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の皮革製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018009613A JP6980541B2 (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | 皮革製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018009613A JP6980541B2 (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | 皮革製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019127663A JP2019127663A (ja) | 2019-08-01 |
JP6980541B2 true JP6980541B2 (ja) | 2021-12-15 |
Family
ID=67473021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018009613A Active JP6980541B2 (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | 皮革製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6980541B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021065570A (ja) * | 2019-10-28 | 2021-04-30 | アラコ株式会社 | 皮革製品及びその製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2940230B2 (ja) * | 1991-06-11 | 1999-08-25 | ブラザー工業株式会社 | 刺繍データ作成装置 |
JP4072923B2 (ja) * | 1994-12-29 | 2008-04-09 | 株式会社バルダン | 環縫いにおける縫い糸のほつれ止め構造 |
-
2018
- 2018-01-24 JP JP2018009613A patent/JP6980541B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019127663A (ja) | 2019-08-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4365775B2 (ja) | ダブルジャカード筬を用いたメッシュスペーサファブリックの製法及び該製法により製造されたスペーサファブリック | |
JP5251426B2 (ja) | 乗物シートのシートバック用表皮材 | |
US11993067B2 (en) | Composite spacer fabric | |
JP6637263B2 (ja) | 車両用内装部品及びその製作方法 | |
US10843601B2 (en) | Vehicle seat and preparing method for seat cover of vehicle seat | |
JP7063112B2 (ja) | 乗物用シート | |
CN110053531B (zh) | 载具座椅 | |
JP6980541B2 (ja) | 皮革製品 | |
JP6939593B2 (ja) | 乗物用シートのシートカバー | |
JP2021065570A (ja) | 皮革製品及びその製造方法 | |
JP5869543B2 (ja) | 乗物内装品 | |
US10040380B2 (en) | Seat cover for vehicle seat | |
JP7053237B2 (ja) | 皮革製品 | |
JP6878969B2 (ja) | 表皮及び表皮の製造方法 | |
JP6950364B2 (ja) | 乗物用シート | |
JP2017210186A (ja) | 乗物内装品の表皮及びその製造方法 | |
JP6607100B2 (ja) | 乗物内装品の表皮の製造方法 | |
JP2017065598A (ja) | 乗物用シート | |
JP6005828B2 (ja) | 乗物内装品 | |
JP6716812B2 (ja) | 装飾ステッチの形成方法、シート用表皮部材の製造方法及びシート用表皮部材 | |
JP3239134U (ja) | 立体編み物製品 | |
JP6457059B1 (ja) | 皮革製品 | |
JP6711191B2 (ja) | 乗物内装品の表皮の製造方法 | |
JP6856486B2 (ja) | 車両用シート | |
JP2023080552A (ja) | シートカバー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201012 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211015 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211026 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211117 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6980541 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |