JP4072923B2 - 環縫いにおける縫い糸のほつれ止め構造 - Google Patents
環縫いにおける縫い糸のほつれ止め構造 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、縫い糸を連鎖状に絡ませて生地に縫い付ける環縫いにおいて、生地に縫い付けた縫い糸のほつれ止め構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
環縫いは、縫い糸を連鎖状に絡ませて生地に縫い付けるので、伸縮性に富むという利点はあるが、縫い端がしっかり止まっていなかったり、縫製後に一箇所で切れたりすると、その縫い端や切れた箇所から縫い糸が次々とほつれる欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、生地に環縫いで縫い付けた縫い糸のほつれを簡単に且つ確実に防止することができるほつれ止め構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明においては次のような手段(1)〜(3)を検討し、手段(1)を採った。
(1)生地に縫い糸を環縫いで縫い付けるとともに、生地のうちの前記縫い糸の縫い始め端でありかつ縫い終わり端である一部分と重なる範囲のみに縫い糸より融点の低い熱溶融性糸を縫い付けて、前記範囲で前記縫い糸の複数の針落点と前記熱溶融性糸の複数の針落点とを入り交じらせ、熱溶融性糸を加熱により縫い糸及び生地に融着させてなる環縫いにおける縫い糸のほつれ止め構造。
【0005】
(2)縫い糸に該縫い糸より融点の低い熱溶融性糸を撚り合わせ、生地に撚り合わせた縫い糸及び熱溶融性糸を環縫いで縫い付けるとともに、熱溶融性糸を加熱により縫い糸及び生地に融着させてなる環縫いにおける縫い糸のほつれ止め構造。
【0006】
(3)縫い糸より融点の低い熱溶融性糸を織って熱溶融性布とし、生地に熱溶融性布を芯地として重ね合わせ、生地及び熱溶融性布に縫い糸を環縫いで縫い付け、熱溶融性布を加熱により縫い糸及び生地に融着させてなる環縫いにおける縫い糸のほつれ止め構造。
【0007】
ここで、生地、縫い糸及び熱溶融性糸の材質は特定のものに限定されるものではないが、熱溶融性糸と生地及び縫い糸との融着性の高いものが好ましい。また、熱溶融性糸は透明なものが好ましいが、使い方によっては着色されたものでもよい。また、環縫いには種々の具体的種類があるが、その種類は問わない。
【0008】
【作用】
本発明の縫い糸のほつれ止め構造において、熱溶融性糸(又は布)が縫い糸及び生地に融着した部分では、縫い糸が熱溶融性糸を介して生地にしっかり接合されるので、同部分でのほつれの発生が防止されるとともに、他部分からのほつれの伝線も停止される。
【0009】
【実施例】
以下、本発明を具体化した縫い糸のほつれ止め構造の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図3は、第一実施例のほつれ止め構造を示している。このほつれ止め構造は、生地1に縫い糸2を環縫いでハート形に縫い付けるとともに、生地1の縫い糸2と重なる一部分(前記ハート形の下端部分)に縫い糸2より融点の低い透明な熱溶融性糸3を縫い付け、熱溶融性糸3を加熱により縫い糸2及び生地1に融着させてなるものである。
【0010】
前記ハート形の下端部分は、縫い糸2の縫い始め端であり、かつ縫い終わり端である。そして、熱溶融性糸3は、前記ハート形の下端部分を含む2mm角〜5mm角程度の範囲Eに縫い付けられ、その縫い目数は4〜50針である。これらの範囲未満だと前記融着作用が弱くなる。なお、前記ハート形の全域にわたる所定幅の範囲に熱溶融性糸3を縫い付けることもできる。熱溶融性糸3としては、例えばグリロン社の商品「グリロン糸」(溶融温度約90℃)や、東レ社の商品「エルダー糸」等を使用できる。
【0011】
この実施例は、次のような方法で形成される。
まず、図1及び図2に示すように、生地1の前記範囲Eに熱溶融性糸3を環縫いで縫い付ける。図2において、5は環縫いミシンのかぎ針であり、6はかぎ針5が挿通する針板であり、7は針板6の下側に設けられて縫い糸を供給するルーパである。この環縫いミシンは刺繍ミシンであり、生地1は針板6の上側において刺繍枠(図示略)に展張されている。そして、かぎ針5の上下動と刺繍枠による生地1の送りに伴い、多数のループが連鎖状に絡んで縫い目が形成される。
【0012】
続いて、図1及び図3に示すように、生地1に縫い糸2を環縫いでハート形に縫い付ける。図3はこのときの範囲Eを示し、縫い糸2は前記熱溶融性糸3と重なっている。なお、熱溶融性糸3と縫い糸2の縫い付け順序は逆でもよい。
【0013】
そして、生地1を蒸気加熱器(図示略)にセットし、図3に示すように、生地1の上下面に高温蒸気8を吹き付け、熱溶融性糸3を加熱して縫い糸2及び生地1に融着させればよい。このように熱溶融性糸3が縫い糸2及び生地1に融着した部分では、縫い糸2が熱溶融性糸3を介して生地1にしっかり接合されるので、同部分でのほつれの発生が防止されるとともに、他部分からのほつれの伝線も停止される。また、本実施例では、特にほつれやすい縫い糸2の縫い始め端かつ縫い終わり端を含む小範囲Eのみに熱溶融性糸3を縫い付けるので、熱溶融性糸3の使用量が最少限で済む。
【0014】
次に、図4は、第二実施例のほつれ止め構造を示している。このほつれ止め構造は、縫い糸2に該縫い糸2より融点の低い熱溶融性糸3を撚り合わせ、生地1にこの撚り合わせた縫い糸2及び熱溶融性糸3を環縫いで縫い付けるとともに、熱溶融性糸3を加熱により縫い糸2及び生地1に融着させてなるものである。
【0015】
この実施例によれば、第一実施例と同様のほつれ止め効果が、縫い糸2の全域にわたって得られる。
【0016】
また、図5は、第三実施例のほつれ止め構造を示している。このほつれ止め構造は、縫い糸2より融点の低い熱溶融性糸3を織って熱溶融性布4とし、生地1に熱溶融性布4を芯地として重ね合わせ、生地1及び熱溶融性布4に縫い糸2を環縫いで縫い付け、熱溶融性布4を加熱により縫い糸2及び生地1に融着させてなるものである。
【0017】
この実施例によれば、第一実施例と同様のほつれ止め効果が、生地1及び熱溶融性布4に縫い付けられた縫い糸2の全域にわたって得られる。
【0018】
なお、本発明は前記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の環縫いにおける縫い糸のほつれ止め構造によれば、生地に環縫いで縫い付けた縫い糸のほつれを少ない使用量の熱溶融性糸で簡単に且つ確実に防止することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る縫い糸のほつれ止め構造の平面図である。
【図2】同実施例において熱溶融性糸を縫い付けるときの拡大断面図である。
【図3】同実施例において縫い糸を縫い付けたときの拡大断面図である。
【図4】本発明の第二実施例に係る縫い糸のほつれ止め構造の拡大断面図である。
【図5】本発明の第三実施例に係る縫い糸のほつれ止め構造の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 生地
2 縫い糸
3 熱溶融性糸
4 熱溶融性布
Claims (2)
- 生地に縫い糸を環縫いで縫い付けるとともに、前記生地のうちの前記縫い糸の縫い始め端でありかつ縫い終わり端である一部分と重なる範囲のみに前記縫い糸より融点の低い熱溶融性糸を縫い付けて、前記範囲で前記縫い糸の複数の針落点と前記熱溶融性糸の複数の針落点とを入り交じらせ、前記熱溶融性糸を加熱により前記縫い糸及び生地に融着させてなる環縫いにおける縫い糸のほつれ止め構造。
- 前記範囲は2mm角〜5mm角である請求項1記載の環縫いにおける縫い糸のほつれ止め構造。
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JP33992094A JP4072923B2 (ja) | 1994-12-29 | 1994-12-29 | 環縫いにおける縫い糸のほつれ止め構造 |
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1994
- 1994-12-29 JP JP33992094A patent/JP4072923B2/ja not_active Expired - Fee Related
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