JP2019014352A - 乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】一対の表皮ピースの縫合箇所となる縫合部を、シートカバーを極力盛り上がらせることなく倒した状態として、シートパッドの外面に沿って配置することにある。【解決手段】一方の表皮ピース(SP1)は、シートの意匠面をなす一般部30と、一般部30の縁から張出して一般部30よりも厚み寸法が小さい薄肉端部34aとを有し、倒れた状態の縫合部20において、薄肉端部34aが一般部30の裏側に向けて横U字をなすように曲げ返されているとともに、薄肉端部34aの裏側に配置された部分が、一方の表皮ピース(SP1)の縫い代(21a)とされて、一方とは異なる他方の表皮ピース(SP2)の縫い代(22a)に重なって縫合されている。【選択図】図8

Description

本発明は、シートパッドとシートカバーを備えるとともに、シートカバーを構成する一対の表皮ピースが、これらの縫合箇所となる縫合部(縫い代同士が重なった部分)を一定の方向に倒した状態で、シートパッドの外面を被覆している乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートは、シート外形をなすシートパッドと、シートパッドの外面を被覆するシートカバーとを有し、シートカバーによってシートの意匠面が構成されている。このシートカバーは、複数の表皮ピースを縫合して形成されており、表皮ピース同士を縫合している縫目が所定の方向に延びている。すなわちシートカバーでは、隣り合う一対の表皮ピースの縫い代同士が中表状に重ねられた縫合部が設けられている。そして縫合部において縫い代同士が縫目で縫合されており、この縫目が、一対の表皮ピースの間に配置されて所定の方向に延びている。そしてシートパッドの外面を被覆したシートカバーでは、各表皮ピースが縫合部を基点に面状に展開して意匠面を構成し、さらに意匠面の裏側に縫合部が配置されている。この縫合部は、縫目の蛇行や折れを回避する観点から、一定の方向に倒れた状態でシートパッドの上に配置されている。
例えば特許文献1に開示のシートカバーでは、一対の表皮ピースが、これらの縫合部を基点に面状に展開して意匠面を構成し、さらに意匠面の裏側に縫合部が配置されている。そしてシートカバーの裏側には、その裏面に沿って面状の規制部材が取付けられており、この規制部材が、縫合部を張引して一定の方向に倒している。この状態の縫合部では、一方の表皮ピースの縫い代を含む端部が、縫合部を基点として横断面で横U字に湾曲しており、その下側に他方の表皮ピースの縫い代が重ねられている。このため倒れた状態の縫合部は、横U字状に曲げられている一方の表皮ピースの端部と、他方の表皮ピースの縫い代とが重なることで、他のシートカバー部分よりも肉厚となっている。
欧州特許出願公開第3103678号明細書
ところでこの種の乗物用シートでは、シートの形状再現性向上の観点などから、シートパッドの外面形状と、シートカバーの意匠面形状とを極力一致させたいとの要請がある。しかし公知技術では、縫合部が相対的に肉厚であるため、この縫合部によってシートカバーに部分的な盛り上がりが生じやすい構成であった。例えばシートパッドの外面は、シートの意匠性向上の観点などから部分的に曲面形状となっていることがある。そしてシートパッドの曲面をなす領域の上に縫合部が配置されると、縫合部の表裏に周長差が生じるなどして、シートカバーが過度に盛り上がってしまうおそれがあった。このため公知技術の構成は、シートの形状再現性向上の観点などから、すんなり採用できる構成ではなかった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、一対の表皮ピースの縫合箇所となる縫合部を、シートカバーを極力盛り上がらせることなく倒した状態として、シートパッドの外面に沿って配置することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シート外形をなすシートパッドと、シートパッドの外面を被覆しているシートカバーとを備えている。またシートカバーは、隣り合った一対の表皮ピースと、一対の表皮ピースの縫い代同士を中表状に重ねて縫合している縫合部とを有し、縫合部を基点に面状に展開された一対の表皮ピースが、その裏側に配置されている縫合部の少なくとも一部を一方の表皮ピースの裏側に向けて倒した状態で、シートパッドの外面を被覆している。この種の構成においては、一対の表皮ピースの縫合箇所となる縫合部を、シートカバーを極力盛り上がらせることなく倒した状態として、シートパッドの外面に沿って配置することが望ましい。
そこで本発明の一方の表皮ピースは、シートの意匠面をなす一般部と、一般部の縁から張出して一般部よりも厚み寸法が小さい薄肉端部とを有している。そして倒れた状態の縫合部において、薄肉端部が一般部の裏側に向けて横U字をなすように曲げ返されているとともに、薄肉端部の裏側に配置された部分が、一方の表皮ピースの縫い代とされて、一方とは異なる他方の表皮ピースの縫い代に重なって縫合されている。本発明では、縫合部において横U字をなすように曲げ返されている一方の表皮ピースの端部を相対的に薄い薄肉端部で構成することにより、縫合部によるシートカバーの過度の盛り上がりを極力回避することができる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、シートカバーには、一方の表皮ピースの裏側に向けて縫合部を倒しておく面状の規制部材が取付けられている。本発明では、シートカバーに取付けられている規制部材によって、縫合部の倒れる方向を一定にしておく。こうすることで縫目の蛇行や折れの発生をより確実に回避できるとともに、縫合部をなしている薄肉端部を、横U字をなすように曲げ返された状態で適切に維持することができる。
第3発明の乗物用シートは、第1発明又は第2発明の乗物用シートにおいて、シートパッドの外面が複数の部分に区分けされているとともに、シートパッドの外面をなす一つの部分の周縁には、一方向に延びている一般領域と、一方向とは異なる他方向に向けて湾曲している湾曲領域とが隣接して設けられている。そしてシートパッドをなす一つの部分の周縁に沿って縫合部を配置した状態で、薄肉端部が湾曲領域に沿って配置されている。本発明では、縫合部が相対的に盛り上がりやすい湾曲領域に薄肉端部を配置することで、この湾曲領域におけるシートカバーの過度の盛り上がりを極力回避することができる。
第4発明の乗物用シートは、第1発明〜第3発明のいずれかの乗物用シートにおいて、一方の表皮ピースの縫い代の一部が薄肉端部で構成されている。本発明では、一方の表皮ピースの縫い代の一部を薄肉端部で構成し、この薄肉端部の位置を明確にしている。このため薄肉端部で構成された縫合部を、シートパッドの所望の位置に適切に配置することができる。
第5発明の乗物用シートは、第1発明〜第4発明のいずれかの乗物用シートにおいて、一般部から張出す方向の薄肉端部の長さ寸法は、縫合部の対応する長さ寸法の二倍以上に設定されている。本発明では、薄肉端部の長さ寸法を適切化することにより、この薄肉端部を、横U字状をなすように曲げ返して他方の表皮ピースの縫い代の上に卒なく配置しておくことができる。
第6発明の乗物用シートは、第1発明〜第5発明のいずれかの乗物用シートにおいて、シートカバーは、シートの意匠面をなす表材と、弾性的に伸縮可能な弾性材とを積層した状態で有し、薄肉端部では、弾性材が除去されることにより、一般部よりも厚み寸法が小さくされている。本発明では、弾性材を除去する比較的簡便な構成によって、一方の表皮ピースに薄肉端部をより確実に設けることができる。
本発明に係る第1発明によれば、一対の表皮ピースの縫合箇所となる縫合部を、シートカバーを極力盛り上がらせることなく倒した状態として、シートパッドの外面に沿って配置することができる。また第2発明によれば、縫合部を、より確実にシートカバーを盛り上がらせることなく倒した状態とすることができる。また第3発明によれば、縫合部を、シートカバーを極力盛り上がらせることなく倒した状態として、シートパッドの湾曲領域の外面に沿って配置することができる。また第4発明によれば、縫合部を、より確実にシートカバーを盛り上がらせることなく倒した状態として、シートパッドの外面の適所に沿って配置することができる。また第5発明によれば、縫合部を、更に確実にシートカバーを盛り上がらせることなく倒した状態とすることができる。そして第6発明によれば、縫合部を、比較的簡便な構成によって、シートカバーを極力盛り上がらせることなく倒した状態として、シートパッドの外面に沿って配置することができる。
乗物用シートの斜視図である。 図1のII−II線断面に相当するシートクッションの断面図である。 シートパッドの斜視図である。 シートパッドの上面図である。 一方の表皮ピースの正面図である。 一方の表皮ピースの弾性材の裏面図である。 一方の表皮ピース一部の断面図である。 図1のVIII−VIII線断面に相当するシートカバーの断面図である。 シートカバーの裏面を示す斜視図である。 図1のX−X線断面に相当するシートカバーの断面図である。 変形例にかかる乗物用シートの斜視図である。 変形例にかかる一方の表皮ピースの正面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図12を参照して説明する。各図には、乗物用シートの前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を適宜図示する。なお図2では、便宜上、シートカバーと規制部材の厚み寸法を誇張するとともに、シートカバーとシートパッドの間に隙間を設けて図示する。
図1の乗物用シート2は、乗物室内の三列目に配置される乗物内装品であり、シートクッション4とシートバック6とヘッドレスト8を備えている。これらシート構成部材(4,6,8)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。そしてシートクッション4(詳細後述)の後部に、起立状態のシートバック6の下部が起倒可能に連結されている。また起立状態のシートバック6の上部にヘッドレスト8が配設されている。
[シートクッション]
シートクッション4は、乗員の着座が可能な上面視で略矩形の部材であり、図1及び図2を参照して、基本構成4F,4P,4Sと、シートカバーの関連構成(縫合部20,22,一対の規制部材40,42)を有している(各部材等の詳細は適宜後述)。このシートクッション4では、シートパッド4P(詳細後述)が、シートフレーム4F上に配置されてシートカバー4S(詳細後述)で被覆されている。ここでシートフレーム4F(図示省略)は、典型的に上面視で略矩形の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材にて形成できる。
そして本実施例のシートカバー4Sは、後述する複数の表皮ピース(SP1〜SP3等)と、表皮ピース同士の縫合箇所となる縫合部20,22とを有している(各図では、便宜上、一部の縫合部にのみ符号を付す)。そして隣り合った一対の表皮ピースSP1,SP2(又はSP1,SP3)が、その裏側に配置されている縫合部20(又は22)を所定の方向に倒した状態で、シートパッド4Pの外面を被覆している。この種のシート構成においては、シートの形状再現性向上の観点などから、シートパッド4Pの外面形状と、シートカバー4Sの意匠面形状とを極力一致させたいとの要請がある。しかし倒された状態の縫合部20、22では、対応する表皮ピース部分が重なって配置する関係から、相対的にシートカバー4Sを盛り上げやすい構成となっている。そこで本実施例では、後述する構成によって、一対の表皮ピースの縫合箇所となる縫合部20,22を、シートカバー4Sを極力盛り上がらせることなく倒した状態として、シートパッド4Pの外面に沿って配置することとした。以下、各構成について詳述する。
[シートパッド]
シートパッド4Pは、図2〜図4を参照して、シートクッション4の外形をなす上面視で略矩形の部材であり、乗員を弾性的に支持できる。ここでシートパッド4Pの材質は特に限定しないが、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂を例示できる。そしてシートパッド4Pの外面となるべき部分は、図3及び図4を参照して、天板メイン部4aと、左側天板サイド部4baと、右側天板サイド部4bbと、左右のカマチ部4cに区分けでき、さらに複数の溝部10,12が設けられている。天板メイン部4aは、シート幅方向である左右方向の中央に形成されている略平坦な部位であり、乗員の着座が可能な幅寸法を有して前後方向に延びている。また各天板サイド部4ba,4bb(詳細後述)は、天板メイン部4aの左方と右方において相対的に上側に突出している部位であり、コーナリング走行時等に乗員の側方を支持することができる。また各カマチ部4cは、それぞれシート幅方向におけるシートクッション4の左右の側面をなす部位である。
また複数の溝部(左右一対の縦溝部10,横溝部12)は、図4を参照して、それぞれシートパッド4Pの着座面側に設けられている線状の凹み部位である。そしてシートパッド4Pには、上面視で概ねHをなすように各溝部10,12が設けられており、前後に延びる縦溝部10が、天板メイン部4aと左右の天板サイド部4ba,4bbの間にそれぞれ設けられている。また横溝部12が、天板メイン部4aを左右に横断するように設けられており、横溝部12の左右端が、それぞれ対応する縦溝部10に連通している。これら各溝部10,12の底面側には固定ワイヤW2が配設されており、この固定ワイヤW2に、図2に示すシートカバー4Sの一部(後述する他の縫合部20,22の後部等)を引込み状に取付けることが可能である。
また左右の天板サイド部(左側天板サイド部4ba,右側天板サイド部4bb)は、図3及び図4を参照して、段差部位14と、後述する一般領域16a,16b及び湾曲領域18a,18bとを有している。そして本実施例では、左右の天板サイド部4ba,4bbが、各々、本発明の「シートパッドの外面をなす一つの部分」に相当する。左側天板サイド部4baは、上面視で前後方向に長尺な略矩形の部位であり、天板メイン部4aの左側に配置されている。この左側天板サイド部4baの後部寄りには、矩形の切欠き部13が設けられており、この切欠き部13には、図1に示すようにバックルBMなどの部材を配置しておくことができる。また右側天板サイド部4bbは、上面視で前後方向に長尺な略矩形の部位であり、天板メイン部4aの右側に配置されている。そして左右の天板サイド部4ba,4bbの前部側は、隣接する天板メイン部4aに比して一段低く(前後方向においては短尺と)されている。すなわち左側天板サイド部4baの前部右縁と天板メイン部4aの間には左側の段差部位14が設けられており、この左側の段差部位14によって右側天板サイド部4bbが一段低くされている。また同様に右側天板サイド部4bbの前部左縁と天板メイン部4aの間には右側の段差部位14が設けられており、この右側の段差部位14によって右側天板サイド部4bbが一段低くされている。
[一般領域・湾曲領域]
図3及び図4を参照して、天板メイン部4a及び左右の天板サイド部4ba,4bbは、上面が概ね平坦な面形状を有しているが、これらの前面は、前方に凸の湾曲面で構成されている。そして各天板サイド部4ba(4bb)の天板メイン部側の周縁には、各々、一般領域16a(16b)と、湾曲領域18a(18b)とが形成されている。ここで本実施例では、左右の天板サイド部4ba,4bbに、概ね同一構成の一般領域と湾曲領域が左右対称となるように設けられている。例えば左側天板サイド部4baの一般領域16aは、左側天板サイド部4baの上面右縁(前面を除く部分)をなす部分であり、概ね水平な状態で前後方向に直線的に延びている。この一般領域16aをなす上面右縁は、上述の縦溝部10が設けられている箇所に概ね一致しており、後述するシートカバー4Sの一部が引き込み状に取付けられる。また湾曲領域18aは、左側天板サイド部4baの前面右縁をなす部分であり、前方に向かうにつれて次第に下方に湾曲している。この湾曲領域18aをなす前面右縁は、縦溝部10の前方に設けられており、後述する図2の第一表皮ピースSP1の薄肉端部34aを配置できる。そして右側天板サイド部4bbの左縁においても、左側天板サイド部4baと左右対称となるように一般領域16bと湾曲領域18bとが設けられ、この湾曲領域18bに、後述する図2の薄肉端部34bを配置できる。
[シートカバー]
シートカバー4Sは、図1及び図2を参照して、シートパッド4Pを被覆する面材である。このシートカバー4Sは、複数の表皮ピース(第一表皮ピースSP1〜第三表皮ピースSP3等)と、後述する縫合部20,22及び一対の規制部材40,42とを有している(図1及び図2では、便宜上、特定の表皮ピースにのみ特定の符号を付し、その他の表皮ピースには共通の符号SPを付す)。そして第一表皮ピースSP1は、天板メイン部4aの前部を覆う表皮ピースであり、上方視で左右に長尺な矩形状をなしている。また第二表皮ピースSP2は、左側天板サイド部4baを覆う表皮ピースであり、上方視で前後方向に長尺な略矩形をなしている。また第三表皮ピースSP3は、右側天板サイド部4bbを覆う表皮ピースであり、上方視で前後方向に長尺な略矩形をなしている。そして本実施例においては、天板メイン部4aの前部を覆う第一表皮ピースSP1が本発明の「一方の表皮ピース」に相当し、左側の天板サイド部4baを覆う第二表皮ピースSP2が本発明の「他方の表皮ピース」に相当する。さらに右側の天板サイド部4bbを覆う第三表皮ピースSP3も、本発明の別の「他方の表皮ピース」に相当する。
[表材・弾性材]
ここでシートカバー4Sは、図5〜図7を参照して、シートの意匠面を構成する表材4Saと、この表材4Saの裏側に積層されている弾性材4Sbとを有している。この種の表材4Saの素材として、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)を用いることができ、本実施例では、合成皮革製の表材4Saを用いている。また弾性材4Sbの素材として、ウレタンラミなどの弾性的に伸縮可能な発泡樹脂を用いることができる。そして表材4Saと弾性材4Sbは、例えばフレームラミネーションなどの手法で積層状に一体化することができる。
そして図2を参照して、隣り合う表皮ピースSP1,SP2(SP1,SP3)は、互いの縫い代同士が中表状に重ねられた縫合部20(22)で縫合されている。ここで各表皮ピースの縫合構成は概ね同一であるため、以下に、第一表皮ピースSP1〜第三表皮ピースSP3を一例にその縫合構成を説明する。第一表皮ピースSP1には、図2及び図5に示すように、左縁に沿って形成された左側第一縫い代21aと、右縁に沿って形成された右側第一縫い代21bとが設けられている。そしてこれら左右の第一縫い代21a,21bは、配置されるべきシートパッド4Pの位置に応じて、後述する二種類の端部(一般端部32a,32b,薄肉端部34a,34b)にて形成されている。また第二表皮ピースSP2には、図2を参照して、その右縁に沿って形成された第二縫い代22aが設けられている。また第三表皮ピースSP3には、その左縁に沿って形成された第三縫い代23bが設けられている。
[一般部・薄肉端部・一般端部]
そして第一表皮ピースSP1は、図5及び図6を参照して、意匠面を構成する一般部30と、左縁部(左側一般端部32a,左側薄肉端部34a)と、右縁部(右側一般端部32b,右側薄肉端部34b)とを有している。ここで一般部30は、図2に示すシートパッド4Pの天板メイン部4aの外面を被覆する部分であり、表材4Saと弾性材4Sbで構成されている。そして第一表皮ピースSP1の左縁部は、左側第一縫い代21aを含む左縁部分であり、左側一般端部32aと左側薄肉端部34aで構成されている。また第一表皮ピースSP1の右縁は、右側第一縫い代21bを含む右縁部分であり、右側一般端部32bと右側薄肉端部34bで構成されている。ここで第一表皮ピースSP1の左縁部と右縁部は、左右対称に配置されている以外は略同一の基本構成を有している。そこで以下に、専ら第一表皮ピースSP1の左縁部(左側一般端部32a及び左側薄肉端部34a)を一例にその詳細を説明する。なおその他の表皮ピース(SP2,SP3等)は、便宜上、符号を省略しているが一般部と一般端部だけを有している。
この第一表皮ピースSP1の左縁部では、後側の左側一般端部32aと、左側薄肉端部34aと、前側の左側一般端部32aとが、この順で隣接して設けられている。ここで前後の一般端部32aは、概ね表材4Saと弾性材4Sbの双方で構成されており、一般部30と同様の厚み寸法を有している(各図では、若干ではあるが弾性材が外方に張出した状態となっている)。また後側の左側一般端部32aは、図4に示すシートパッド4Pの左側の一般領域16aに沿って配置可能であり、前側の左側一般端部32aは、図4に示す左側の湾曲領域18aの前端からシート裏側に引き込まれる部分である。そして左側薄肉端部34aは、一般部30の左縁から左方に張出す薄肉な端部であり、図5〜図7に示すように弾性材4Sb全部が除去されることで、一般部30よりも厚み寸法が小さくされている。この左側薄肉端部34aは、上方視で略矩形をなす部分であって、第一表皮ピースSP1の左縁前部側に設けられており、図4に示すシートパッド4Pの左側の湾曲領域18aに沿って配置可能である。ここで左側薄肉端部34aの前後の長さ寸法は、図4等に示す左側の湾曲領域18の大部分又は全部を網羅可能な寸法であることが望ましい。また図7に示す左側薄肉端部34aの左右の長さ寸法L1(張出し方向の長さ寸法)は、横U字状に曲げ返された状態で左側第一縫い代21aを構成可能な寸法であればよく、典型的に縫合部20の対応する長さ寸法L2の二倍以上(本実施例では概ね2倍)に設定される。このように左側薄肉端部34aの長さ寸法を適切化することにより、この左側薄肉端部34aを、後述するように横U字状にして第二縫い代22aの上に卒なく配置しておくことができる。
[規制部材]
一対の規制部材(左側規制部材40,右側規制部材42)は、図2、図8及び図9を参照して、後述するように対応する縫合部20,22の倒れ方向を規制する部材である。これら各規制部材40,42は、それぞれ適度な可撓性を備えた帯状の面材であり、左右方向に長尺とされている。これら各規制部材40,42の素材として、シートカバー4S(特に表材)で例示の素材を使用でき、張引によっても破損しない程度の剛性を有する素材であることが好ましい。そして本実施例では、左右一対の規制部材40,42が、シートカバー4Sの裏側に配置された状態とされて、第一表皮ピースSP1を左右に横断するように連結される。
[表皮ピースの形成作業(縫合部の形成作業)]
図2に示すシートカバー4Sの形成に際しては、各縫合部20(22a)で縫い代同士を縫合する縫目SEW1(SEW2)を形成し、各縫目SEW1(SEW2)の適所に対応する規制部材40(42)を取付ける。例えば図8に示す第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2の縫合に際しては、これら両表皮ピースを中表状に重ね、さらに両表皮ピースの縫い代同士21a,22aの末端を位置合わせしておく。この状態で両表皮ピースの縫い代同士21a,22aを、前後に延びる左側縫目SEW1で縫合していく(規制部材の取付け手法は後述)。そして上述の縫合作業では、左側縫目SEW1を、図5に示す第一表皮ピースSP1の左縁部をなす左側一般端部32aと左側薄肉端部34aを前後に横断するように形成していく(図5の二点破線の部分を参照)。このとき第一表皮ピースSP1の左縁部の一部に左側薄肉端部34aを形成するとともに、その他の左縁部を、相対的に肉厚である左側一般端部32aとしている。こうすることで相対的に薄い薄肉端部34aのめくれ上がり等を、前後の一般端部32aで抑えることができ、縫合作業の作業性向上に資する構成となる。そして図8を参照して、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2が左側縫目SEW1を基点に面状に展開されることにより、各表皮ピースの一般部30によって意匠面を構成可能な状態となる(図8では、便宜上、第一表皮ピースの一般部にのみ符号を付す)。さらにこの展開状態では、両表皮ピースSP1,SP2の裏側に、これらの縫い代同士21a,22aが中表状に重ねられた左側縫合部20が配置される。また同様の手法によって、図2に示す第一表皮ピースSP1と第三表皮ピースSP3を縫合することにより、右側第一縫い代21bと第三縫い代23bとが中表状に重ねられた右側縫合部22と、右側縫目SEW2とを形成することができる。
[規制部材の取付け手法]
また上述の縫合作業と同時に、図2及び図9を参照して、各縫合部20(22)中の各薄肉端部34a(34b)で構成された箇所に対応する規制部材40(42)を取付ける。すなわち上述の縫合作業の際に、図2を参照して、左側規制部材40の左端を、左側縫合部20の第二縫い代22a側にあてがって左側縫目SEW1に共縫いしておく。また右側規制部材42の右端を、右側縫合部22の第三縫い代23b側にあてがって右側縫目SEW2に共縫いしておく。そして各規制部材40,42を、図2及び図9を参照して、シート幅方向中央に向けて張引しつつ(左右方向にテンションをかけつつ)、これら規制部材40,42の自由端同士を縫合線SEWで縫合して連結する。このように各規制部材40,42を引き締めて張った状態とすることで、各縫合部20,22中の各薄肉端部34a(34b)で構成された箇所を、第一表皮ピースSP1の裏側に倒すように張引できる。こうして左側縫合部20は、左側規制部材40にて右側に張引されることにより第一表皮ピースSP1の裏側に倒れた状態となる。また右側縫合部22も、右側規制部材42にて左側に張引されることにより第一表皮ピースSP1の裏側に倒れた状態となる。
ここで本実施例では、上述の縫合作業時において、各縫合部20,22の適所に、図10に示す吊布26と吊ワイヤW1を取付けることができる。例えば本実施例では、左側縫合部20の後部は、図5に示す後側の一般端部32aで構成されている。そして図10を参照して、左側縫合部20の後部は、シートパッド4Pの左側の一般領域16aに沿った縦溝部10内に引き込み状に取付けられる箇所である。そこで上述の縫合作業の際に、吊布26を、左側縫合部20の後部にあてがいつつ左側縫目SEW1に共縫いし、さらに吊布26に吊ワイヤW1を挿通しておく。そして後述のシートカバー4Sの被覆作業では、左側縫合部20の後部を、吊布26とともに縦溝部10内に引き込みつつ、この吊布26の吊ワイヤW1を縦溝部10内の固定ワイヤW2にホグリング止めできる。また同様に図5に示す右側縫合部22の後部にも、左側縫合部20と同様の手法で、図示しない吊布と吊ワイヤを取付けておく。
[シートカバーによるシートパッドの被覆作業]
図1及び図2を参照して、シートパッド4Pを、シートフレーム4F(図示省略)上に配置してシートカバー4Sで被覆する。このとき図2に示すように第一表皮ピースSP1で天板メイン部4aの前部を覆い、第二表皮ピースSP2で左側天板サイド部4baを覆い、第三表皮ピースSP3で右側天板サイド部4bbを覆う。そして本実施例では、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2の縫合箇所となる左側縫合部20を、左側天板サイド部4baの右縁(図4の一般領域16aと湾曲領域18a)に沿って配置する。また同様に第一表皮ピースSP1と第三表皮ピースSP3の縫合箇所となる右側縫合部22を、右側天板サイド部4bbの左縁(図4の一般領域16bと湾曲領域18b)に沿って配置する。この種の構成では、各縫合部20,22が、一定の方向に倒されることで相対的に肉厚になるなどして、シートカバー4Sに部分的な盛り上がりが生じることは、シートの形状再現性向上の観点から極力回避すべきである。特に本実施例では、左右の天板サイド部4ba,4bb前部の湾曲領域18a,18b上に、対応する縫合部20,22が配置されることで、シートカバー4Sが部分的に過度に盛り上がるおそれがある。
そこで本実施例の第一表皮ピースSP1は、シートの意匠面をなす一般部30と、一般部30よりも厚み寸法が小さい薄肉端部34a,34bとを有している。そして倒れた状態の各縫合部20(22)において、対応する薄肉端部34a(34b)が一般部30の裏側に向けて横U字をなすように曲げ返されている。これら各薄肉端部34a(34b)の裏側に配置された部分は、第一表皮ピースSP1の縫い代21a(21b)とされて、第二表皮ピースSP2の第二縫い代22a(第三表皮ピースSP3の第三縫い代23b)に縫合されている。さらにシートカバー4Sには、第一表皮ピースSP1の裏側に向けて各縫合部20,22を倒しておく面状の規制部材40,42が取付けられている。
すなわち本実施例では、図2及び図8を参照して、シートパッド4Pの左側湾曲領域18aに沿って左側縫合部20が配置され、この左側縫合部20は、左側規制部材40によって右方に向けて倒れている。この倒れた状態の左側縫合部20では、一般部30から横U字状に曲げ返されている左側薄肉端部34aと、第二縫い代22aとが積層して配置された状態とされている。そして左側薄肉端部34aの裏側に配置された部分が左側縫い代21aとされて第二縫い代22aに縫合されている。こうして左側縫合部20において二重となっている第一表皮ピースSP1部分を相対的に薄い薄肉端部34aで構成することにより、左側縫合部20におけるシートカバー4Sの過度の盛り上がりを極力回避することができる。このとき本実施例では、左側薄肉端部34aの左右の長さ寸法(図7に示す長さ寸法L1)を適切化することにより、この左側薄肉端部34aを、横U字状をなすように曲げ返して第二縫い代22aの上に卒なく配置しておくことができる。さらに左側規制部材40によって、左側縫合部20の倒れる方向を一定にしておくことで、左側縫目SEW1の蛇行や折れの発生をより確実に回避でき、さらに左側薄肉端部34aの曲げ返された状態を適切に維持できる。
また同様に図2を参照して、シートパッド4Pの右側湾曲領域18bに沿って右側縫合部22が配置され、この右側縫合部22は、右側規制部材42によって左方に向けて倒れている。この倒れた状態の右側縫合部22では、一般部30から横U字状に曲げ返されている右側薄肉端部34bと、第三縫い代23bとが積層して配置された状態とされている。そして右側薄肉端部34bの裏側に配置された部分が左側縫い代21aとされて第二縫い代22aに縫合されている。こうして右側縫合部22において二重となっている第一表皮ピースSP1部分を相対的に薄い薄肉端部34bで構成することにより、右側縫合部22においてもシートカバー4Sの過度の盛り上がりを極力回避することができる。
さらに本実施例では、左右の第一縫い代21a,21bの前部だけを各薄肉端部34a,34bで構成し、これら各薄肉端部34a,34bの位置を明確にしている。このため各薄肉端部34a,34bで構成された縫合部20,22部分を、左右の湾曲領域18a,18bに適切に配置することができる。また各縫合部20,22の後部を、対応する溝部10内にホグリング止めしておくことにより、各縫合部20,22の前後の位置ズレを極力回避することができる。このため本実施例によれば、各薄肉端部34a,34bで構成された縫合部20,22部分を、対応する湾曲領域18a,18bに位置決めして配置しておくことができる。
[シートクッションの形状再現性]
図1を参照して、左右の天板サイド部4ba,4bbの周縁に沿って、シートカバー4Sの各縫合部20,22が配置されている。このとき本実施例では、図2を参照して、左右の天板サイド部4ba,4bb前部の湾曲領域18a,18b上に、対応する薄肉端部34a,34bで構成された縫合部20,22を配置している。このためシートカバー4Sが、各湾曲領域18a,18b上で過度に盛り上がることを極力回避することができる。こうして本実施例においては、シートパッド4Pの外面形状と、シートカバー4Sの意匠面形状とを概ね一致させることが可能となり、シートの形状再現性向上に資する構成となっている。さらに各規制部材40,42は、可撓性を備えた面材で構成されて必要以上に肉厚とされていない。このため本実施例では、各規制部材40,42がシートカバー4Sに浮き出る(ハイライトが生じる)といった不具合を好適に回避できる。
以上説明した通り本実施例では、縫合部20,22において横U字をなすように曲げ返されている第一表皮ピースSP1(一方の表皮ピース)の端部を相対的に薄い薄肉端部34a,34bで構成することにより、縫合部20,22によるシートカバー4Sの過度の盛り上がりを極力回避することができる。また本実施例では、シートカバー4Sに取付けられている規制部材40,42によって、縫合部20,22の倒れる方向を一定にしておく。こうすることで縫目SEW1,SEW2の蛇行や折れの発生をより確実に回避できるとともに、縫合部20,22をなしている薄肉端部34a,34bを、横U字をなすように曲げ返された状態で適切に維持することができる。また本実施例では、縫合部20,22が相対的に盛り上がりやすい湾曲領域18a,18bに薄肉端部34a,34bを配置することで、この湾曲領域18a,18bにおけるシートカバー4Sの過度の盛り上がりを極力回避することができる。また本実施例では、第一表皮ピースSP1の縫い代の一部を薄肉端部34a,34bで構成し、この薄肉端部34a,34bの位置を明確にしている。このため薄肉端部34a,34bで構成された縫合部20,22を、シートパッド4Pの所望の位置に適切に配置することができる。また本実施例では、薄肉端部34a,34bの長さ寸法を適切化することにより、薄肉端部34a,34bを、横U字状をなすように曲げ返して第二表皮ピースSP2又は第三表皮ピースSP3(他方の表皮ピース)の縫い代の上に卒なく配置しておくことができる。そして本実施例では、弾性材4Sbを除去する比較的簡便な構成によって、第一表皮ピースSP1に薄肉端部34a,34bをより確実に設けることができる。このため本実施例によれば、一対の表皮ピースの縫合箇所となる縫合部20,22を、シートカバー4Sを極力盛り上がらせることなく倒した状態として、シートパッド4Pの外面に沿って配置することができる。
[変形例]
ここで薄肉端部の形成位置は、上述の位置のほか、乗物用シートの適宜の位置に設定することができる。例えば図11に示す乗物用シート2Aは、シートクッション4Aとシートバック6Aとヘッドレスト8Aを有し、これらシート構成部材の基本構成は、実施例1の対応する部材と概ね同一である。そしてシートバック6Aは、乗員の背凭れが可能な正面視で略矩形の部材であり、天板メイン部6aと天板サイド部6bとカマチ部6cとを有している。そして本変形例では、シートバック6の右側のカマチ部6cに、シートカバー6Sの薄肉端部34cが配置されている点が実施例1と異なっている。
すなわち図11に示すシートバック6A(図示しないシートパッド)では、右面をなすカマチ部6cが、側面視で上下に縦長の矩形状をなしているとともに、カマチ部6cの後縁には、一般領域16cと、湾曲領域18cとが設けられている。一般領域16cは、右側のカマチ部6cの後縁が上下方向に概ね直線的に延びている部分である。また湾曲領域18cは、一般領域16cの上方の後縁部分であり、上方に向かうにつれて次第に前方に湾曲している。
またシートカバー6Sは、右側のカマチ部6cを覆う第一の表皮ピースSPAと、シートバック6の図示しない後面部を被覆する第二の表皮ピース(図示省略)とを有している。この第一の表皮ピースSPAは、本発明の一方の表皮ピースに相当し、第二の表皮ピースは、本発明の他方の表皮ピースに相当する。そして第一の表皮ピースSPAと第二の表皮ピースの縫合箇所となる上部縫合部24が、右側のカマチ部6cの湾曲領域18cに沿って配置されている。ここで図12を参照して、展開状態の第一の表皮ピースSPAは、図11に示す右側のカマチ部6cと後面部の一部を被覆可能な形状を有している。この第一の表皮ピースSPAでは、周縁部分の一部(図12の太線で示した部分を参照)が半円弧形状をなしており、この半円弧形状の周縁部分が、図11に示す右側のカマチ部6cの湾曲領域18cに沿って配置される。そして第一の表皮ピースSPAでは、半円弧形状の周縁部分に薄肉端部34cが設けられ、その他の周縁部分に一般端部32cが設けられている。そして一般端部32cと薄肉端部34cが第一の表皮ピースSPCの縫い代20cとなり、さらに縫い代20cが、第二の表皮ピースの縫い代(図示省略)に中表状に重なって縫合されることにより上部縫合部24が形成される。
そして本変形例では、図11を参照して、シートカバー6Sがシートパッド(図示省略)を被覆した状態において、右側のカマチ部6cの湾曲領域18cに沿って、上部縫合部24が配置されている。この状態の上部縫合部24は、シートカバー6Sの裏側で前方に向けて倒れた状態でシートパッドの外面に押し当てられている。この倒れた状態の上部縫合部24においては、横U字状に曲げ返されている薄肉端部34cと、第二の表皮ピースの縫い代とが積層して配置された状態とされている。そこで本変形例においても、上部縫合部24において二重となっている第一の表皮ピースSPA部分を相対的に薄い薄肉端部34cで構成することにより、上部縫合部24におけるシートカバー6Sの過度の盛り上がりを極力回避することができる。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、シートカバー4S,6Sの構成(形状,寸法,表皮ピースの構成,各規制部材の構成など)を例示したが、これらシートカバーの構成を限定する趣旨ではない。例えば一方の表皮ピースの配置位置は、天板メイン部のほか、天板サイド部やカマチ部や後面部や上面部などの適宜の位置に設定することができ、一方の表皮ピースの配置位置に応じて他方の表皮ピースの配置位置も適宜設定できる。そして縫合部の配置位置も、湾曲領域のほか、盛り上がりを回避すべき適宜の位置に設定することができ、一般領域に配置することもできる。また規制部材として、一対の帯材を用いる例を説明したが、規制部材として、一面に接着層を備えた面材を用いることができ、この場合には、規制部材を、倒された縫合部を覆うようにシートカバーに接着固定することとなる。なお規制部材は、各縫合部にそれぞれ設けてもよく、複数の縫合部に共通の規制部材を用いることもできる。
またシートカバーは、規制部材を省略することもできる。すなわち典型的な乗物用シートでは、シートカバーを見栄えよく配置する観点から、各表皮ピースに面方向のテンションをかけて適度に張った状態としてシートパッドに被覆する。そこでシートカバーのテンションを利用して、縫合部をシートパッドに押し当てて倒した状態とすることができ、特に本実施例の構成では、薄肉端部によって縫合部を比較的容易に倒しておくことが可能である。
また本実施形態では、一般部と一般端部と薄肉端部の関係を例示したが、これら各部の関係は適宜変更可能である。例えば一方の表皮ピースの一つの縁だけ、または全縁に、一般端部と薄肉端部を設けることができ、必要に応じて一般端部を省略することもできる。また一般部と一般端部は、同一構成でもよく異なる構成でもよい。また薄肉端部は、弾性材をすべて除去する(もともと設けていない場合も含む)ことで形成してもよく、弾性材を部分的に除去することでも形成できる。また表皮ピースが表材のみで構成されている場合には、必要に応じて薄肉な表材を薄肉端部として用いることもできる。また表皮ピースが、表材と弾性材とその他の面材(裏基布等)を積層して構成されている場合には、その他の面材を除去等することで薄肉端部を形成することもできる。また薄肉端部の長さ寸法L1は、必要に応じて縫合部の長さ寸法の2倍未満に設定することもできる。
また本実施形態では、乗物用シート2の構成(形状,寸法,構成部材など)を例示したが、乗物用シートの構成を限定する趣旨ではない。例えば本実施例では、乗物室内の三列目に配置される一人用の乗物用シートを例示したが、乗物用シートは、一列目や二列目に配置されていてもよく、一人用でも複数人用でもよい。また本実施例では、シートクッション4やシートバック6を一例に説明したが、本実施例の構成は、ヘッドレストやアームレスト等の各種シート構成部材に適用できる。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4F シートフレーム
4P シートパッド
4a 天板メイン部
4ba 左側天板サイド部(本発明のシートパッドの外面をなす一つの部分)
4bb 右側天板サイド部(本発明のシートパッドの外面をなす一つの部分)
4c カマチ部
4S シートカバー
SP1 第一表皮ピース(本発明の一方の表皮ピース)
SP2 第二表皮ピース(本発明の他方の表皮ピース)
SP3 第三表皮ピース(本発明の他方の表皮ピース)
4Sb 弾性材
4Sa 表材
10 縦溝部
12 横溝部
13 切欠き部
14 段差部位
16a,16b 一般領域
18a 左側湾曲領域
18b 右側湾曲領域
20 左側縫合部
22 右側縫合部
21a 左側第一縫い代
21b 右側第一縫い代
23b 第三縫い代
26 吊布
30 一般部
32a 左側一般端部
32b 右側一般端部
34a 左側薄肉端部
34b 右側薄肉端部
40 左側規制部材
42 右側規制部材
SEW1 左側縫目
SEW2 右側縫目
W1 吊ワイヤ
W2 固定ワイヤ

Claims (6)

  1. シート外形をなすシートパッドと、前記シートパッドの外面を被覆しているシートカバーとを備え、
    前記シートカバーは、隣り合った一対の表皮ピースと、前記一対の表皮ピースの縫い代同士を中表状に重ねて縫合している縫合部とを有し、前記縫合部を基点に面状に展開された前記一対の表皮ピースが、その裏側に配置されている前記縫合部の少なくとも一部を一方の表皮ピースの裏側に向けて倒した状態で、前記シートパッドの表面を被覆している乗物用シートにおいて、
    前記一方の表皮ピースは、シートの意匠面をなす一般部と、前記一般部の縁から張出して前記一般部よりも厚み寸法が小さい薄肉端部とを有し、
    倒れた状態の前記縫合部において、前記薄肉端部が前記一般部の裏側に向けて横U字をなすように曲げ返されているとともに、前記薄肉端部の裏側に配置された部分が、前記一方の表皮ピースの縫い代とされて、前記一方とは異なる他方の表皮ピースの縫い代に重なって縫合されている乗物用シート。
  2. 前記シートカバーには、前記一方の表皮ピースの裏側に向けて前記縫合部を倒しておく面状の規制部材が取付けられている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記シートパッドの外面が複数の部分に区分けされているとともに、前記シートパッドの外面をなす一つの部分の周縁には、一方向に延びている一般領域と、前記一方向とは異なる他方向に向けて湾曲している湾曲領域とが隣接して設けられており、
    前記シートパッドをなす一つの部分の周縁に沿って前記縫合部を配置した状態で、前記薄肉端部が前記湾曲領域に沿って配置されている請求項1又は2に記載の乗物用シート。
  4. 前記一方の表皮ピースの縫い代の一部が前記薄肉端部で構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  5. 前記一般部から張出す方向の前記薄肉端部の長さ寸法は、前記縫合部の対応する長さ寸法の二倍以上に設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  6. 前記シートカバーは、シートの意匠面をなす表材と、弾性的に伸縮可能な弾性材とを積層した状態で有し、前記薄肉端部では、前記弾性材が除去されることにより、前記一般部よりも厚み寸法が小さくされている請求項1〜5のいずれか一項に記載の乗物用シート。
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