JP2019202667A - 乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】表皮同士の縫合箇所が交差状に配置されているシートカバー部分にアウトステッチをより意匠性良く形成し、さらにシートカバーの仕上がり性をより向上させておくことにある。【解決手段】アウトステッチ(32)の形成箇所となる縫合部50部分には、別の縫合箇所X1との交差箇所である交差領域CAと、交差領域CA以外の一般領域NAとが設けられ、交差領域CAの厚み寸法は一般領域NAの厚み寸法以下に設定されている。【選択図】図10

Description

本発明は、意匠面を構成するシートカバーにアウトステッチが設けられている乗物用シートに関し、より詳しくは、アウトステッチが、シートカバーをなす表皮同士の縫合箇所が交差状に配置されている部分に設けられている乗物用シートに関する。
この種のシートカバーは、乗物用シートの意匠面を構成する面材であり、複数の表皮をインステッチ(線状の縫目)で縫合することで形成されている。そしてシートカバーには、意匠性向上の観点などから、意匠面に露出するアウトステッチ(線状の縫目)が設けられていることがある。このアウトステッチは、表皮の縫い代を、インステッチを基点に倒した状態とし、この倒された縫い代を対応する表皮に縫い付けることで形成されている。
例えば特許文献1に開示の乗物用シートでは、シートクッションのシートカバーが、本発明の第一表皮に相当する天板サイド部の表皮と、本発明の第二表皮に相当するカマチ部の表皮とを有している。天板サイド部の表皮は、シートクッションの上面の左側部を被覆する表皮であり、前側の第一の表皮と、後側の第二の表皮とで形成されている。そして天板サイド部の表皮では、第一の表皮と第二の表皮とが、シート幅方向に延びるインステッチで縫合されているとともに、これら両表皮の縫合箇所では、両表皮の縫い代をなす縁が、インステッチを境に互いに離れる方向に倒されている。またカマチ部の表皮は、シートクッションの左側面を被覆する表皮であり、第三の表皮一枚で構成されている。このカマチ部の表皮の上縁は、天板サイド部の表皮の側縁に他のインステッチで縫合されており、この他のインステッチは、シート前後に延長した状態で各表皮を縫合している。さらに天板サイド部とカマチ部の表皮の縫合箇所には、他のインステッチに沿うようにアウトステッチが設けられており、このアウトステッチが意匠面に露出して前後方向に延びている。そしてアウトステッチの形成に際しては、例えば天板サイド部とカマチ部の表皮同士の縫合箇所で縫い代同士を重ねた状態とし、これら縫い代同士をどちらかの表皮側に倒しておく。そしてミシンにて、倒された状態の各縫い代をアウトステッチにて対応する表皮に縫い付けていく。
特許第5375525号公報
ところで上述のアウトステッチは、天板サイド部とカマチ部の表皮の縫合箇所において、これらの縫い代同士が重ねられている部分(縫合部)に形成される。このアウトステッチを形成すべき縫合部部分は、通常、どちらかの表皮の縫い代が折り返された二枚重ねの部分に他の表皮の縫い代を重ねた三枚重ねの部分である。しかしこの縫合部の一部には、天板サイド部をなす第一の表皮と第二の表皮の縫合箇所(別の縫合箇所)が交差して配置されており、この別の縫合箇所では、第一の表皮と第二の表皮の縁(縫い代)が倒された状態で配置されている。このため縫合部の一部は、第一の表皮又は第二の表皮の縁によって厚みが過度に増した状態となっており、例えば表皮が五枚重ねられた状態となっていることがある。そしてアウトステッチをミシンで形成する際に、厚くなっている縫合部部分でミシン針の進行が止められるなどして、アウトステッチのピッチが詰まったり縫目が蛇行したりするおそれがあった。また上述の縫合部部分でシートカバーが部分的に厚くなっている場合、このシートカバーをシート形状に合わせてきれいに配置することができず、シートの仕上がり性が悪化することが懸念される。例えば意匠性向上の目的などからシート形状が部分的に盛り上がって湾曲している場合がある。このような場合にはシートカバーを湾曲させながらシート形状に合わせて配置するのであるが、このときシートカバーに、過度に厚みが増して剛性が高い部分があると、この部分が素直に湾曲せず角張って配置されるおそれがある。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、表皮同士の縫合箇所が交差状に配置されているシートカバー部分にアウトステッチをより意匠性良く形成し、さらにシートカバーの仕上がり性をより向上させておくことにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、意匠面を構成するシートカバーを備え、シートカバーは、複数の表皮が縫合されてなる第一表皮と、第一表皮に縫合されている第二表皮と、隣り合う表皮同士を縫合するインステッチと、意匠面に露出するアウトステッチとを有している。本発明では、第一表皮と第二表皮の縫合箇所において、第一表皮と第二表皮の縫い代同士は、インステッチを基点に第一表皮側に倒された状態とされて縫合部を形成し、縫合部は、アウトステッチにて第一表皮側に縫い付けられている。そして縫合部の一部には、第一表皮をなす表皮同士の別の縫合箇所が交差して配置されている。この種の構成では、表皮同士の縫合箇所が交差状に配置されているシートカバー部分にアウトステッチをより意匠性良く形成し、さらにシートカバーの仕上がり性をより向上させておくことが望ましい。
そこで本発明のアウトステッチの形成箇所となる縫合部部分には、別の縫合箇所との交差箇所である交差領域と、交差領域以外の一般領域とが設けられ、交差領域の厚み寸法は一般領域の厚み寸法以下に設定されている。本発明では、第一表皮と第二表皮の縫合部に別の表皮の縫合箇所(縫い代)が交差して配置されていても、アウトステッチを設けるべき縫合部部分の厚みが部分的に増加しないように設定されている。このため本発明では、アウトステッチを縫合部に沿ってより見栄えよく形成することができ、さらに縫合部の部分的な剛性の高まりを極力回避することで、シートカバーをシート形状に合わせてより適切に配置することが可能となっている。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、一般領域には、第一表皮の縫い代が折り返されて重ねられている二枚重ね部分に第二表皮の縫い代が重なって配置されている。また交差領域には、第一表皮の縫い代が折り返されている部分と、別の縫合箇所と、第二表皮の縫い代とが配置されている。そして別の縫合箇所には、第一表皮をなす一対の表皮の縫い代同士が別のインステッチを基点に互いに離れる方向に倒されて対応する表皮に重ねられている別の二枚重ね部分が設けられている。そこで交差領域の別の二枚重ね部分には、第一表皮の縫い代を部分的に切り欠いてなる切欠き部を通じて、第二表皮の縫い代が直接重なって配置されている。本発明では、縫合部の交差領域に切欠き部を設けて表皮の重なり枚数の増加を抑えることにより、交差領域における厚みの増加をより確実に回避することができる。
第3発明の乗物用シートは、第2発明の乗物用シートにおいて、縫合前の展開状態における一対の表皮は、各々、インステッチ用の縫い代が形成される第一縁と、別のインステッチ用の縫い代が形成され且つ第一縁に隣り合って直交状に配置されている第二縁とを有している。そして第一縁と第二縁とが交わる角部では、切欠き部の一部を構成する切欠き部位が設けられることで、第一縁から第二縁にかけての部分が段差状とされている。そこで本発明では、一対の表皮において別のインステッチと直交する向きの寸法を幅寸法とした場合、切欠き部位の幅寸法は、別のインステッチ用の縫い代の幅寸法以上に設定されている。本発明では、切欠き部位の幅寸法が相対的に大きくされているため、一対の表皮を縫合して第一表皮を形成した場合、切欠き部に十分な幅寸法を持たせておくことができる。こうすることで倒されている別のインステッチ用の縫い代を、縫合部の切欠き部内に適切に収めておくことができ、交差領域における表皮の重なり枚数の増加をより確実に回避することができる。
第4発明の乗物用シートは、第2発明又は第3発明の乗物用シートにおいて、縫合前の展開状態における一対の表皮は、各々、インステッチ用の縫い代が形成される第一縁と、別のインステッチ用の縫い代が形成され且つ第一縁に隣り合って直交状に配置されている第二縁とを有している。そして第一縁と第二縁とが交わる角部では、切欠き部の一部を構成する切欠き部位が設けられることで、第一縁から第二縁にかけての部分が段差状とされている。そこで本発明の別のインステッチ用の縫い代では、段差状とされた角部側の端部が傾斜辺となっている。本発明では、一対の表皮同士を重ねて第一表皮を形成する際において、互いの傾斜辺を目印に別のインステッチを見栄えよく形成しておくことができる。
第5発明の乗物用シートは、第2発明〜第4発明のいずれかの乗物用シートにおいて、別の縫合箇所において、一対の表皮の縫い代の少なくとも一つは、別のアウトステッチにて対応する表皮側に縫い付けられている。そして別のアウトステッチの末端には返し縫い処理が施されているとともに、返し縫い処理は、第一表皮の裏側にあてがわれている面状部材上に設けられている。本発明では、別のアウトステッチの返し縫い処理を、第一表皮の裏側にあてがわれている面状部材を介してより適切に設けておくことができる。このため本発明では、返し縫い部分によるシートカバーの意匠性の悪化をより確実に回避することが可能となる。
第6発明の乗物用シートは、第1発明〜第5発明のいずれかの乗物用シートにおいて、シートカバーは、シート外形をなして乗員を弾性的に支持可能なシートパッドを被覆しているとともに、交差領域を含む縫合部部分は、シートパッドの曲面部分を被覆している。そして切欠き部に一致する縫合部部分の厚み寸法は、全ての部分において一般領域の厚み寸法以下に設定されている。本発明では、交差領域における縫合部の厚み寸法を全体的に適切化して剛性の部分的な高まりを極力回避することにより、シートカバーをシート形状に合わせて更に適切に配置することが可能となる。
本発明に係る第1発明によれば、表皮同士の縫合箇所が交差状に配置されているシートカバー部分にアウトステッチをより意匠性良く形成し、さらにシートカバーの仕上がり性をより向上させておくことができる。また第2発明によれば、上記シートカバー部分に、アウトステッチをより確実に意匠性良く形成しておくことができる。また第3発明によれば、上記シートカバー部分に、アウトステッチを更に確実に意匠性良く形成しておくことができる。また第4発明によれば、シートカバーの仕上がり性をより確実に向上させておくことができる。また第5発明によれば、シートカバーの仕上がり性を更に確実に向上させておくことができる。そして第6発明によれば、シートカバーの仕上がり性を更に向上させて曲面部分に沿わせてより適切に配置しておくことができる。
乗物用シートの概略斜視図である。 シートバックの上部左側一部の斜視図である。 シートバックの上部左側一部を別の角度から見た斜視図である。 シートカバーの一部をなす展開状態の各表皮の正面図である。 展開状態の各表皮の拡大正面図である。 展開状態の第一表皮の一部を示す拡大正面図である。 第一表皮を形成する際の各表皮の斜視図である。 縫合時における第一表皮と第二表皮の斜視図である。 アウトステッチを形成する際の第一表皮と第二表皮の斜視図である。 アウトステッチ形成時の縫合部の透視正面図である。 図10のXI‐XI線断面に相当する縫合部の断面図である。 図10のXII‐XII線断面に相当する縫合部の断面図である。 シートバック一部の断面図である。 変形例1にかかる展開状態の第一表皮の一部を示す拡大正面図である。 返し縫い処理が施された第一表皮の拡大正面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図15を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示することがある。なお図1では、便宜上、シートバックの上部の各表皮にのみ符号を付している。また各図では、便宜上、特定のインステッチと特定のアウトステッチのみ図示しているが、各ステッチは、シートの適宜の位置に設けることが可能である。そして図6では、便宜上、各ステッチの形成箇所に、各ステッチを示す符号を付している。
図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6を有する。これらシート構成部材(4,6)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S)を有する。そしてシートクッション4の後部にシートバック6(詳細後述)の下部が起倒可能に連結されている。なおシートバック6の上部中央には、図示しないヘッドレストを配設することができる。
[シートバック]
図1のシートバック6は、乗員の背凭れとなる正面視で略矩形の部材であり、上述の基本構成6F,6P,6Sを備えている。このシートバック6の意匠面は、図1〜図3に示すシートカバー6Sで構成されており、シートカバー6Sには、表皮同士の縫合箇所(X1〜X4)が設けられ、各縫合箇所では、隣り合う表皮同士が対応するインステッチ(21,22等)で縫合されている。またシートカバー6Sの意匠面には、意匠性向上の観点から複数のアウトステッチ(31〜34)が設けられている。そして本実施例では、特定のアウトステッチ32,34が、表皮同士の縫合箇所が交差状に配置されている部分(X1とX2,X3とX4)に設けられて意匠面に露出している。この種の構成では、縫合箇所が交差状に配置されてシートカバー6Sが部分的に厚くなることで、特定のアウトステッチ32,34の見栄えが悪化したり、シートカバー6Sの仕上がり性に悪影響を及ぼしたりするおそれがある。そこで本実施例では、後述する構成によって、表皮同士の縫合箇所が交差状に配置されているシートカバー6S部分にアウトステッチ32,34をより意匠性良く形成し、さらにシートカバー6Sの仕上がり性をより向上させておくこととした。以下、各構成について詳述する。
[基本構成]
図1のシートバック6は、シートフレーム6F(図示省略)上のシートパッド6P(図示省略)にシートカバー6Sを被覆することで形成されている。ここでシートフレーム6Fは、正面視で概ねアーチ状をなす枠体であり、剛性に優れる金属や硬質樹脂で形成されている。またシートパッド6Pは、正面視で概ね矩形の部材であり、図1〜図3を参照して、天板メイン部10と、左右一対の天板サイド部11a,11bと、左右一対のカマチ部12a,12bと、左右一対の盛り上がり部13,14とを有している(各図では、便宜上、シートバック自体に、シートパッドの各部に対応する符号を付している)。なおシートパッド6Pの素材は特に限定しないが、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)などの発泡樹脂を例示できる。そして天板メイン部10は、シート幅方向(各図の左右方向)中央で上下に延びている部分であり、乗員の着座が可能な部位である。また各天板サイド部11a(11b)は、天板メイン部10の左側(右側)で前方に盛り上がっている部分である。また各カマチ部12a(12b)は、シートバック6の左面(右面)をなす部分であり、それぞれ対応する天板サイド部11a(11b)の外縁につながっている。
[盛り上がり部(シートパッドの曲面部分)]
そして図1のシートパッド6Pの上部には、左盛り上がり部13と右盛り上がり部14とが設けられているとともに、各盛り上がり部13,14の間の部分は相対的に下方に凹の凹み部位15となっている。この凹み部位15は、図2及び図3を参照して、天板メイン部10の直上に設けられており、ブラケットBRを介して図示しないヘッドレストを配設できる。また図2及び図3に示す左盛り上がり部13は、シートバック6の左上部分が上方に盛り上がっている部分である。この左盛り上がり部13の右側は、凹み部位15から立ち上がっている半円状の左立壁部13aとなっている。そして左盛り上がり部13の上面は、左立壁部13aの上縁から緩やかに下方に湾曲する曲面形状を有している。また図1に示す右盛り上がり部14は、シートバック6の右上部分が上方に盛り上がっている部分であり、左盛り上がり部13と概ね左右対称形状を有している。この右盛り上がり部14の左側は、凹み部位15から立ち上がっている半円状の右立壁部14aとなっており、右盛り上がり部14の上面は右立壁部14aの上縁から緩やかに下方に湾曲する曲面形状を有している。そして左盛り上がり部13と右盛り上がり部14の上面は、それぞれ本発明のシートパッドの曲面部分に相当する。
[シートカバー]
シートカバー6Sは、図1〜図3を参照して、複数の表皮S1〜S6等で形成されているとともに、複数のインステッチ21,22等と、複数のアウトステッチ31〜34と、縫合部50とを有している(各図では、便宜上、特定の表皮に特定の符号を付し、その他の表皮の符号は省略する)。例えばシートカバー6Sの上部は、左側の複数の表皮(S1,S2)と、右側の複数の表皮(S3,S4)と、中央の複数の表皮(S5,S6)とで形成されている。中央の複数の表皮は、シートパッド6Pの左右方向中央を被覆するシートカバー6S部分であり、メイン表皮S5と、上面表皮S6とで構成されている。メイン表皮S5は、天板メイン部10を被覆する表皮であり、上面表皮S6は、凹み部位15を被覆する表皮である。
また図1に示す左側の各表皮(S1,S2)と右側の各表皮(S3,S4)は、シートパッド6P上部の左側又は右側を被覆する表皮であり、中央の各表皮(S5,S6)を挟んで概ね左右対称に配置されている。そして本実施例では、左側の各表皮(左側第一表皮S1,左側第二表皮S2)と右側の各表皮(右側第一表皮S3,右側第二表皮S4)とは、それぞれ本発明の第一表皮と第二表皮に相当する。これら左側の各表皮(S1,S2)と右側の各表皮(S3,S4)は、左右対称となっている以外は概ね同一の基本構成を有しているため、以下に、左側の各表皮(S1,S2)を一例にその詳細を説明する。
[第一表皮]
図2及び図3に示す左側の各表皮は、シートバック6の上部左側の部分を被覆するシートカバー6S部分であり、左側第一表皮S1と、後述の左側第二表皮S2とで構成されている。左側第一表皮S1は、左盛り上がり部13の上面とその下方に配置されているシートカバー部分(11a,12a)を被覆する表皮である。この左側第二表皮S2は、図2〜図4に示すように複数の表皮を縫合することで形成されており、左内サイド表皮S1aと、左外サイド表皮S1bと、左カマチ表皮S1cと、左リア表皮S1dとを有している。左内サイド表皮S1aと左外サイド表皮S1bは、左の天板サイド部11a側を被覆する表皮であり、正面視で略矩形の左内サイド表皮S1aが相対的に大きな面積を有している。そして左外サイド表皮S1bは、左内サイド表皮S1aの後縁に沿って配置される表皮であり、展開状態では逆L字形状をなし且つ相対的に幅狭である。また左カマチ表皮S1cは、左のカマチ部12a側を被覆する表皮であり、正面視で概ね矩形状をなしているとともに最も面積の大きい表皮である。そして左リア表皮S1dは、左のカマチ部12aの後側を被覆する表皮であり、展開状態ではL字形状をなし且つ相対的に幅狭である。
[一対の表皮、別のインステッチ]
そして図2及び図3に示す左側第一表皮S1では、左内サイド表皮S1aと、左外サイド表皮S1bと、左カマチ表皮S1cと、左リア表皮S1dとがこの順で前方から後方に配置され、さらに隣り合う表皮同士が対応するインステッチで縫合されている。例えば左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cの縫合箇所(以下、別の縫合箇所X1とも呼ぶ)では、両表皮の隣り合う縁同士を縫合する線状の縫目である外側インステッチ21が設けられている。この外側インステッチ21の上側は、左盛り上がり部13の上面を左右に横断するように形成されているとともに、外側インステッチ21の下側は下方に延長している。なお外側インステッチ21(及び後述の内側インステッチ22)は、後述するように表皮同士の継目の奥に配置されるため、シートカバー6Sの意匠面には極力露出しない構成である。そして本実施例では、左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cとが本発明の第一表皮をなす一対の表皮に相当する。また左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cの縫合箇所(X1)が、本発明の別の縫合箇所に相当し、外側インステッチ21が本発明の別のインステッチに相当する。
[第二表皮、インステッチ]
また図2〜図4に示す左側第二表皮S2は、左盛り上がり部13の左立壁部13aを被覆する表皮であり、展開状態において正面視で概ね半円形状をなしている。この左側第二表皮S2の上縁は、円弧状に湾曲して前後に延長しているとともに左側第一表皮S1の右縁が縫合されている。そして図2及び図3に示す左側第一表皮S1と左側第二表皮S2の縫合箇所X2では、両表皮の隣り合う縁同士を縫合する内側インステッチ22が設けられている。この内側インステッチ22は、本発明の第一表皮と第二表皮を縫合するインステッチに相当し、左側第二表皮S2の上縁に沿って前後方向に延びている。そして本実施例においては、左側第二表皮S2の上縁の概ね頂点部分に、左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cの縫合箇所(X1)が配置されている。すなわち左側第一表皮S1と左側第二表皮S2の縫合箇所X2(後述する縫合部50)の一部には別の縫合箇所X1が交差状に配置されている。
[アウトステッチ]
また図2及び図3を参照して、左側第一表皮S1には、外側アウトステッチ31と内側アウトステッチ32とが交差状に設けられている。外側アウトステッチ31は、左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cの縫合箇所X1に沿って設けられている線状の縫目である。この外側アウトステッチ31は、左外サイド表皮S1b側に配置されて着座面を縁取るように設けられており、左盛り上がり部13の上面を左右に横断したのち下方に向けて延長している。また内側アウトステッチ32は、左側第一表皮S1と左側第二表皮S2の縫合箇所X2(後述の縫合部50)に沿って形成されている線状の縫目である。この内側アウトステッチ32は、左側第一表皮S1の左縁側に配置されており、左側第二表皮S2の上縁に沿うように前後に延長している。そして本実施例では、外側アウトステッチ31が本発明の別のアウトステッチに相当し、内側アウトステッチ32が本発明のアウトステッチに相当する。
ここで図1に示す右側の各表皮(S3,S4)は、シートバック6の上部右側の部分を被覆するシートカバー部分であり、左側の各表皮(S1,S2)と概ね同様の構成が設けられている。すなわち右側の各表皮は、右側第一表皮S3と右側第二表皮S4とで構成されているとともに、他の各インステッチ(図示省略)と、他の各アウトステッチ33,34とが設けられている。そして右側の各表皮S3(S4)は、それぞれ左側の対応する表皮S1(S2)と概ね同様の構成を有して左右対称に配置されている。また他の各アウトステッチ33(34)も、左側の各表皮の対応するアウトステッチ31(32)と概ね同様の構成を有して左右対称に配置されている。
[シートカバーの形成作業]
図1〜図3に示すシートカバー6Sの形成に際しては、隣り合う表皮同士を対応するインステッチ21,22等で縫合し、さらにシートカバー6Sの適所に各アウトステッチ31〜34を形成する。例えば本実施例では、図3に示す内側アウトステッチ32が、左側第一表皮S1と左側第二表皮S2の縫合箇所X2(後述する縫合部50)に沿って設けられ、この縫合箇所X2の一部には、別の縫合箇所(X1)が交差状に配置されている。そして後述する縫合部50には、縫合箇所同士(X1,X2)が交差状に配置される関係から、複数の領域(一般領域NA,交差領域CA)と、図10に示す切欠き部45(切欠き部位44)が設けられている。そしてシートカバー6Sをなす各表皮の基本的な縫合手法は概ね同一であるため、以下に、左側第一表皮S1と左側第二表皮S2を一例に各ステッチの形成手法を説明する。
[第一表皮の形成(展開状態の表皮の構成)]
左側第一表皮S1の形成に際しては、図4に示す展開状態の表皮S1a〜S1dを用意する。そして隣り合う表皮同士を対応するインステッチで縫合し、特定の表皮(S1b)に、図3に示す外側アウトステッチ31を形成する。ここで左側第一表皮S1における各表皮の縫合手法は概ね同一であるため、以下に、左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cを一例に、展開状態の形状とその縫合手法を説明する。
図5に示す展開状態の左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cの隣り合う縁側は、縫合前の展開状態を基準として概ね共通の構造を有している。そこで展開状態の左カマチ表皮S1cを一例に展開時の各構成を説明することとし、左外サイド表皮S1bには、左カマチ表皮S1cと対応する構成に同一の符号を括弧付きで付しておく。図5及び図6に示す左カマチ表皮S1cの右前側には、第一縁41と、第二縁42と、切欠き部位44とが設けられている。第一縁41は、前後方向に延びている右縁部分であり、左側第二表皮S2の上縁(上側縫い代M3)に縫合される箇所である。この第一縁41には、後述するように内側インステッチ22用の第一縫い代M1が形成されるとともに、第一縁41の縁端には、三角状の切欠き部分であるノッチNが設けられている。また第二縁42は、第一縁41に隣り合って且つ左右方向に延びている前縁部分であり、左外サイド表皮S1bの後縁に縫合される箇所である。この第二縁42には、後述するように外側インステッチ21用の第二縫い代M2が形成される。
[切欠き部位]
また図5及び図6に示す左カマチ表皮S1cでは、第一縁41と第二縁42とが交わる角部(各図の右前側の角部)に、後述する切欠き部45の一部を構成する切欠き部位44が設けられている。すなわち第一縁41と第二縁42とが交わる角部は、切欠き部位44にて正面視で正方形状に切り欠かれて、第一縁41から第二縁42にかけての部分が段差状となっている。この切欠き部位44は、第一縁41の前端から左方に延びる第一辺44aと、この第一辺44aの左端から前方に延びる第二辺44bとを有している。
[第二縫い代の傾斜辺]
そして図6に示す左カマチ表皮S1cでは、第一縫い代M1が、第一縁41に沿って前後に延びており、この第一縫い代M1の左端に内側インステッチ22(本発明のインステッチ)が形成される。また第二縫い代M2は、第二縁42に沿って左右に延びており、この第二縫い代M2の後縁に外側インステッチ21(本発明の別のインステッチ)が形成される。そして第二縫い代M2では、段差状とされた角部側の端部である右端縁が傾斜辺M2Eとなっている。この傾斜辺M2Eは、第二辺44bから前方に延びている辺部分であって、前方に向かうにつれて次第に左方に向けて傾斜しており、段差状の切欠き部位44と外観が異なっている。
[切欠き部位と第二縫い代の幅寸法]
さらに図6に示す左カマチ表皮S1cでは、外側インステッチ21と直交する向き(図6では前後方向)の寸法を幅寸法とした場合、切欠き部位44の幅寸法W1は、第二縫い代M2の幅寸法W2以上に設定されている。このため第二縫い代M2を、後述するように外側インステッチ21を基点に折り返した場合、この折り返された第二縫い代M2は、切欠き部位44内に収まるように配置されることとなる。特に本実施例では、切欠き部位44の幅寸法W1と第二縫い代M2の幅寸法W2とを概ね同一に設定したため、折り返された第二縫い代M2の端縁は、切欠き部位44の第一辺44aと概ね一致する位置に配置され、後述する切欠き部45内にきれいに収まることとなる。また切欠き部位44の左右の長さ寸法(深さ寸法)W3は、後述する内側アウトステッチ32の形成位置よりも左側に設定されている。こうすることで内側アウトステッチ32を後述の切欠き部45内により確実に形成することが可能となっている。
[外側インステッチの形成]
図7を参照して、左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cの縫合に際しては、これらを中表状に重ねたのち、これらの第二縁42側を外側インステッチ21で縫合していく。ここで左外サイド表皮S1bにおいても、左内カマチ表皮と同様の構成(第一縁,第二縁,切欠き部位)が設けられている(図7では、便宜上、左カマチ表皮の構成にのみ対応する符号を付す)。そこで左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cとを中表状に重ねることで、これらの対応する構成が厚み方向に重なった状態となり、互いの第二縁42(第二縫い代M2の傾斜辺M2E)が最も外側に配置される。そこで外側インステッチ21をミシンで形成するに際して、この外側インステッチ21を、各第二縫い代M2の傾斜辺M2Eを目印として形成していくことができる。すなわち外側インステッチ21の始点(又は終点)を、各第二縫い代M2の傾斜辺M2Eと第二辺44bとが交差する頂点部分(MK)に位置合わせして形成することで、外側インステッチ21を仕上がり性良く形成することができる。このように本実施例では、第二縫い代M2の傾斜辺M2Eを目印として外側インステッチ21を形成することで、外側インステッチ21が、誤って切欠き部位44側に形成されるといった事態を適切に回避できる。
[切欠き部の形成]
つぎに図8を参照して、左側第一表皮S1を形成するに際しては、左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cを、外側インステッチ21を境に面状に展開する。また左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cの別の縫合箇所X1において、これらの各第二縫い代M2を、外側インステッチ21を境に互いに離れる方向に倒しておく。そして別の縫合箇所X1では、両表皮(S1b,S1c)の切欠き部位44同士が外側インステッチ21を中心に前後に開かれた状態となる。そして開かれた状態の各切欠き部位44が外側インステッチ21を境につながることにより、これら切欠き部位44によって左側第一表皮S1の第一縫い代M1に切欠き部45が形成される。そして本実施例では、各切欠き部位44と各第二縫い代M2の幅寸法が概ね同一とされている。このため切欠き部45の中に、図10に示すように両表皮(S1b,S1c)の倒された状態の各第二縫い代M2がきれいに収まることとなる。
[外側アウトステッチの形成]
ここで図9及び図10を参照して、左カマチ表皮S1cの第二縫い代M2を、外側アウトステッチ31にて左カマチ表皮S1cに縫い付けておく。このとき外側アウトステッチ31を、左カマチ表皮S1cの第二縫い代M2に沿って左右に形成し、さらに外側アウトステッチ31の端部側に返し縫い処理を施しておく。この返し縫い処理は、外側アウトステッチ31の縫目を左右に往復させる(通常2〜4ピッチ往復させる)処理であり、この処理にて、外側アウトステッチ31の端部に縫目の重複した返し縫い部分31Eが形成されて強固に縫い止めておくことができる。なお返し縫い処理は、内側アウトステッチ32の縫目を、内側インステッチ22に重複するように前後に往復させておくことでも形成することが可能である。
[第一表皮と第二表皮の縫合]
図8を参照して、左側第一表皮S1と左側第二表皮S2の縫合に際しては、これらを中表状に重ねつつ、左側第一表皮S1の上縁(上側縫い代M3)を左側第二表皮S2の左縁(各第一縫い代M1)に内側インステッチ22で縫合していく。このとき左側第一表皮S1の上縁には、三角状の切欠き部分であるノッチNが、左側第二表皮S2に対応するように設けられている。このため左側第一表皮S1と左側第二表皮S2とを、対応するノッチN同士を位置合わせしながら適切な位置で縫合していくことができる。つぎに図9を参照して、左側第一表皮S1と左側第二表皮S2を、内側インステッチ22を境に面状に展開しておくことで、シートパッド6Pの上部左側を被覆するシートカバー6S部分が形成される。また左側第一表皮S1と左側第二表皮S2の縫合箇所において、左側第一表皮S1の各第一縫い代M1と左側第二表皮S2の上側縫い代M3を、内側インステッチ22を境に左側第一表皮S1側に倒すことで後述の縫合部50が形成される。
[縫合部]
図9及び図10に示す縫合部50は、左側第一表皮S1と左側第二表皮S2の縫合箇所X2において、両表皮S1(S2)の縫い代M1(M3)を重ねて左側第一表皮S1側に倒している部分である。この縫合部50では、各第一縫い代M1が折り返されている部分に上側縫い代M3が重ねられた状態で配置されているとともに、後述する一般領域NAと交差領域CAとが設けられている。そして本実施例では、縫合部50を、内側アウトステッチ32にて左側第一表皮S1に縫い付けていくのであるが、この縫合部50の一部(後述の交差領域CA)には、左側第一表皮S1に設けられている別の縫合箇所X1が交差して配置されている。この別の縫合箇所X1では、左外サイド表皮S1bと左カマチ表皮S1cの各第二縫い代M2が倒された状態で配置されている。この種の構成では、別の縫合箇所X1の第二縫い代M2にて縫合部50の一部の厚みが増している場合、この厚みの増した縫合部50部分が原因となって内側アウトステッチ32の見栄えが悪化するおそれがある。すなわち内側アウトステッチ32をミシンで縫合部50に沿って形成していく際に、厚みの増した縫合部50の一部でミシン針の進行が止められるなどして、内側アウトステッチ32のピッチが詰まったり縫目が蛇行したりするおそれがある。
[一般領域]
ここで図9及び図10に示す内側アウトステッチ32の形成箇所となる縫合部50部分には、別の縫合箇所X1との交差箇所である交差領域CAと、交差領域CA以外の一般領域NAとが設けられている。そして縫合部50の一般領域NAでは、図11を参照して、左側第一表皮S1の各第一縫い代M1が折り返されて重ねられている二枚重ね部分(S1cとM1)に左側第二表皮S2の上側縫い代M3が重なって配置される。このため一般領域NAの厚み寸法T1は、対応する表皮三枚分の厚みとなる。そしてミシンによる内側アウトステッチ32の形成に際しては、一般領域NAが縫合部50の典型的な厚みとなることから、この一般領域NAの厚みを基準としてミシンの押え脚等の昇降量を設定している。このため後述の交差領域CAの厚みが一般領域NAよりも過度に増している場合には、交差領域CAにおいてミシン針のスムーズな進行が妨げられるおそれがある。
[交差領域]
そこで本実施例では、図10及び図12に示す交差領域CAの厚み寸法T2を、一般領域NAの厚み寸法T1以下となるように設定している。すなわち交差領域CAには、左側第一表皮S1の第一縫い代M1が折り返されている部分と、別の縫合箇所X1と、左側第二表皮S2の上側縫い代M3とが配置されている。この別の縫合箇所X1は、左側第一表皮S1をなす一対の表皮(S1b,S1c)の第二縫い代M2同士が外側インステッチ21を基点に互いに離れる方向に倒されて対応する表皮に重ねられている別の二枚重ね部分(S1cとM2、S1bとM2)となっている。そこで本実施例では、図9及び図12を参照して、交差領域CAの別の二枚重ね部分(例えばS1cとM2)に、左側第一表皮S1の第一縫い代M1を部分的に切り欠いてなる切欠き部45を通じて、左側第二表皮S2の縫い代M3を直接重ねて配置することとした。このため図12の交差領域CAの厚み寸法T2は、別の二枚重ね部分(S1c,M2)と上側縫い代M3の表皮三枚分の厚みとなり、図11に示す一般領域NAの厚み寸法T1と概ね同等に設定される。このように本実施例では、図10に示す縫合部50の交差領域CAに切欠き部45を設けて表皮の重なり枚数の増加を抑えることにより、交差領域CAにおける厚みの増加をより確実に回避することができる。このためミシンによる内側アウトステッチ32の形成に際して、交差領域CAにおいても、一般領域NAと同様にミシン針をスムーズに進行させることができ、内側アウトステッチ32を見栄えよく形成することができる。
こうして本実施例では、シートカバー6Sの形成の際に、左側第一表皮S1と左側第二表皮S2を適切に縫合し、さらに内側アウトステッチ32を見栄えよく形成しておくことができる。また図1に示す右側の各表皮S3,S4の形成に際しても、対応する表皮同士を適切に縫合し、さらに対応する別の内側アウトステッチ34を見栄えよく形成しておくことができる。そして左側の各表皮S1,S2と右側の各表皮S3,S4とを、その他の表皮S5,S6等に縫合して一体化することにより、シートカバー6Sを形成することができる。
[シートバックの形成作業]
図1〜図3を参照して、シートパッド6Pを、シートフレーム6F上に配置したのちシートカバー6Sで被覆する。このとき左側の各表皮S1,S2と右側の各表皮S3,S4とが、対応する盛り上がり部13,14をそれぞれ被覆する。そして各盛り上がり部13,14の上面側は曲面形状となっているため、左側の各表皮S1,S2と右側の各表皮S3,S4とを曲面形状に沿うように湾曲させながら配置していく。例えば左盛り上がり部13の上面側は左立壁部13aの上縁から緩やかに下方に湾曲する曲面形状を有し、この上面の曲面部分には、左側第一表皮S1と左側第二表皮S2の縫合部50が配置される。この種の構成では、縫合部50が交差領域CAで厚くなって剛性が増している場合、この縫合部50部分が素直に湾曲せず角張って配置されるおそれがある。
そこで本実施例では、図11及び図12を参照して、交差領域CAの厚み寸法T2が一般領域NAの厚み寸法T1と概ね同等に設定されている。このため図3及び図13に示す縫合部50では、一般領域NAと交差領域CAとが概ね同様の剛性を有することとなり、左側の各表皮S1,S2の縫合部50を、左盛り上がり部13の上面の曲面部分に沿ってきれいに配置することが可能となっている。特に本実施例では、図10及び図12を参照して、縫合部50の厚み方向において、切欠き部45に一致する縫合部50部分の厚み寸法は、全ての部分において一般領域NAの厚み寸法以下(本実施例では同等)に設定されている。このため本実施例では、縫合部50における剛性の部分的な高まりをより確実に回避することができ、シートカバー6Sをシート形状に合わせて更に適切に配置することが可能となっている。そして図1に示す右側の各表皮S3,S4の縫合部(図示省略)も、右盛り上がり部14の上面に沿ってきれいに配置することができる。このように本実施例では、シートカバー6Sを曲面部分に沿ってきれいに配置することが可能であり、シートの仕上がり性向上に資する構成となっている。
以上説明した通り本実施例では、第一表皮(S1等)と第二表皮(S2等)の縫合部50に別の表皮の縫合箇所(縫い代)が交差して配置されていても、アウトステッチ(32等)を設けるべき縫合部50部分の厚みが部分的に増加しないように設定されている。このため本発明では、アウトステッチ(32等)を縫合部50に沿ってより見栄えよく形成することができ、さらに縫合部50の部分的な剛性の高まりを極力回避することで、シートカバー6Sをシート形状に合わせてより適切に配置することが可能となっている。特に本実施例では、縫合部50の交差領域CAに切欠き部45を設けて表皮の重なり枚数の増加を抑えることにより、交差領域CAにおける厚みの増加をより確実に回避することができる。また本実施例では、一対の表皮(S1b,S1c)の切欠き部位44の幅寸法が相対的に大きくされているため、一対の表皮(S1b,S1c)を縫合して第一表皮(S1等)を形成した場合、切欠き部45に十分な幅寸法を持たせておくことができる。こうすることで倒されている別のインステッチ用の縫い代(M2)を、縫合部50の切欠き部45内に適切に収めておくことができ、交差領域CAにおける表皮の重なり枚数の増加をより確実に回避することができる。また本実施例では、一対の表皮(S1b,S1c)同士を重ねて第一表皮(S1等)を形成する際において、互いの傾斜辺M2Eを目印に別のインステッチ(31)を見栄えよく形成しておくことができる。そして本実施例では、交差領域CAにおける縫合部50の厚み寸法を全体的に適切化して剛性の部分的な高まりを極力回避することにより、シートカバー6Sをシート形状に合わせて更に適切に配置することが可能となる。このため本実施例によれば、表皮同士の縫合箇所が交差状に配置されているシートカバー6S部分にアウトステッチ32,34をより意匠性良く形成し、さらにシートカバー6Sの仕上がり性をより向上させておくことができる。
[別例]
ここで各アウトステッチの形成手法は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図14及び図15に示す別例では、外側アウトステッチ31の返し縫い処理が、第一表皮の裏側にあてがわれている面状部材60上に設けられている点が実施例と異なっている。すなわち左側第一表皮S1の第一縁41側に、返し縫い部分(31E)の縫目を網羅可能な面積の面状部材60を取付けておく。この種の面状部材60の素材として、シートカバー6Sで例示の素材を用いることができ、典型的に各表皮よりも薄手の面材が用いられる。そして図15を参照して、外側アウトステッチ31の形成時に、第一縁41から折り返されている面状部材60で返し縫いの施される部分(31E)を覆っておく。つぎに面状部材60の上から外側アウトステッチ31の返し縫い処理を行うことで、返し縫い部分31Eを、外側アウトステッチ31の末端に比較的強固に重ねて設けておくことが可能となる。このため本別例では、返し縫い部分によるシートカバー6Sの意匠性の悪化をより確実に回避することが可能となり、シートの仕上がり性向上に資する構成となっている。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、縫合部50の構成(形状,寸法,配置位置,配置数,構成要素など)を例示したが、縫合部の構成を限定する趣旨ではない。例えば縫合部の交差領域において、切欠き部にて表皮の重なり枚数の増加を抑える例を説明した。これとは異なり交差領域に配置されている各表皮自体の厚みを、一般領域に配置されている各表皮の厚みよりも小さくすることも可能である。例えば各表皮の裏側に、ウレタンラミなどのパッド材や裏基布が一体化されている場合、交差領域の各表皮では、パッド材や裏基布を除去して厚み寸法を小さくすることが可能である。また縫合部の交差領域に、アウトステッチの形成位置に沿って貫通孔(又はパッド等の除去部分)を設けることもできる。この場合には、貫通孔等の部分だけの厚み寸法が一般領域の厚み寸法以下に設定される。また縫合部は、湾曲部分以外の適宜の位置に配置することが可能である。
また本実施形態では、一般領域NAと交差領域CAの構成(寸法,配置位置,配置数,構成要素など)を例示したが、各領域の構成を限定する趣旨ではない。例えば交差領域の厚み寸法は、一般領域の厚み寸法と同等としてもよく、一般領域の厚み寸法未満としてもよい。ここで両領域の厚み寸法が同等とは、全く同一である場合のほか、若干の設計誤差による違いは許容することを意味する。また切欠き部の幅寸法を第二縫い代より大きくすることも可能であり、このような場合には、第二表皮の縫い代が切欠き部を通じて第一表皮に直接重なる箇所(表皮二枚分の厚みの部分)が交差領域に生じることとなる。
また本実施形態では、第一表皮(S1等)と第二表皮(S2等)の構成(形状,寸法,配置関係,構成表皮数など)を例示したが、各表皮の構成を限定する趣旨ではない。例えば第二表皮は、複数の表皮で構成することが可能であり、このような場合にも、第二表皮側に切欠き部を設けることで、交差領域における表皮の重なり枚数の増加を抑えることが可能である。また一対の表皮は、第二縫い代の端部を傾斜辺としてもよく傾斜辺としなくともよい。また第一表皮では、別のアウトステッチを複数設けることができ、省略することも可能である。例えば一対の表皮の第二縫い代にそれぞれ別のアウトステッチを設けることもできる。なおアウトステッチは、直線状のほか、湾曲状や屈曲状などの各種の形状を取り得る。
また本実施形態では、シートバック6を一例に説明したが、本実施例の構成は、シートクッションやアームレストやヘッドレストなどの各種シート構成部材に適用できる。また各表皮の構成も,シート構成部材に応じて適宜変更可能である。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車や船舶などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
6F シートフレーム
6P シートパッド
10 天板メイン部
11a,11b 天板サイド部
12a,12b カマチ部
13 左盛り上がり部(本発明のシートパッドの曲面部分)
13a 左立壁部
14 右盛り上がり部(本発明のシートパッドの曲面部分)
14a 右立壁部
15 凹み部位
6S シートカバー
21 外側インステッチ(本発明の別のインステッチ)
22 内側インステッチ(本発明のインステッチ)
31,33 外側アウトステッチ(本発明の別のアウトテッチ)
31E 返し縫い部分
32,34 内側アウトステッチ(本発明のアウトステッチ)
S1 左側第一表皮
S1a 左内サイド表皮
S1b 左外サイド表皮(本発明の一対の表皮の一方)
S1c 左カマチ表皮(本発明の一対の表皮の他方)
S1d 左リア表皮
M1 第一縫い代(本発明のインステッチ用の縫い代)
M2 第二縫い代(本発明の別のインステッチ用の縫い代)
M2E 傾斜辺
S2 左側第二表皮
M3 上側縫い代
S3 右側第一表皮
S4 右側第二表皮
S5 メイン表皮
S6 上面表皮
X1 別の縫合箇所
X2 縫合箇所
41 第一縁
42 第二縁
44 切欠き部位
44a 第一辺
44b 第二辺
45 切欠き部
50 縫合部
CA 交差領域
NA 一般領域
60 面状部材

Claims (6)

  1. 意匠面を構成するシートカバーを備え、前記シートカバーは、複数の表皮が縫合されてなる第一表皮と、前記第一表皮に縫合されている第二表皮と、隣り合う表皮同士を縫合するインステッチと、意匠面に露出するアウトステッチとを有し、
    前記第一表皮と前記第二表皮の縫合箇所において、前記第一表皮と前記第二表皮の縫い代同士は、前記インステッチを基点に第一表皮側に倒された状態とされて縫合部を形成し、前記縫合部は、前記アウトステッチにて前記第一表皮側に縫い付けられており、
    前記縫合部の一部には、前記第一表皮をなす表皮同士の別の縫合箇所が交差して配置されている乗物用シートにおいて、
    前記アウトステッチの形成箇所となる前記縫合部部分には、前記別の縫合箇所との交差箇所である交差領域と、前記交差領域以外の一般領域とが設けられ、前記交差領域の厚み寸法は前記一般領域の厚み寸法以下に設定されている乗物用シート。
  2. 前記一般領域には、前記第一表皮の縫い代が折り返されて重ねられている二枚重ね部分に前記第二表皮の縫い代が重なって配置されており、
    前記交差領域には、前記第一表皮の縫い代が折り返されている部分と、前記別の縫合箇所と、前記第二表皮の縫い代とが配置されており、
    前記別の縫合箇所には、前記第一表皮をなす一対の表皮の縫い代同士が別のインステッチを基点に互いに離れる方向に倒されて対応する表皮に重ねられている別の二枚重ね部分が設けられ、
    前記交差領域の前記別の二枚重ね部分には、前記第一表皮の縫い代を部分的に切り欠いてなる切欠き部を通じて、前記第二表皮の縫い代が直接重なって配置されている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 縫合前の展開状態における前記一対の表皮は、各々、前記インステッチ用の縫い代が形成される第一縁と、前記別のインステッチ用の縫い代が形成され且つ前記第一縁に隣り合って直交状に配置されている第二縁とを有し、
    前記第一縁と前記第二縁とが交わる角部では、前記切欠き部の一部を構成する切欠き部位が設けられることで、前記第一縁から前記第二縁にかけての部分が段差状とされ、
    前記一対の表皮において前記別のインステッチと直交する向きの寸法を幅寸法とした場合、前記切欠き部位の幅寸法は、前記別のインステッチ用の縫い代の幅寸法以上に設定されている請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 縫合前の展開状態における前記一対の表皮は、各々、前記インステッチ用の縫い代が形成される第一縁と、前記別のインステッチ用の縫い代が形成され且つ前記第一縁に隣り合って直交状に配置されている第二縁とを有し、
    前記第一縁と前記第二縁とが交わる角部では、前記切欠き部の一部を構成する切欠き部位が設けられることで、前記第一縁から前記第二縁にかけての部分が段差状とされ、
    前記別のインステッチ用の縫い代では、前記段差状とされた前記角部側の端部が傾斜辺となっている請求項2又は3に記載の乗物用シート。
  5. 前記別の縫合箇所において、前記一対の表皮の縫い代の少なくとも一つは、別のアウトステッチにて対応する表皮側に縫い付けられており、
    前記別のアウトステッチの末端には返し縫い処理が施されているとともに、前記返し縫い処理は、前記第一表皮の裏側にあてがわれている面状部材上に設けられている請求項2〜4のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  6. 前記シートカバーは、シート外形をなして乗員を弾性的に支持可能なシートパッドを被覆しているとともに、前記交差領域を含む縫合部部分は、前記シートパッドの曲面部分を被覆しており、
    前記切欠き部に一致する前記縫合部部分の厚み寸法は、全ての部分において前記一般領域の厚み寸法以下に設定されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の乗物用シート。
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