JP2011092400A - 車両用シートカバー構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の表皮ピース31は第2の表皮ピース32と第1の継ぎ目41を介して縫合されるとともに第1の継ぎ目41と交わる第2の継ぎ目42を介して第3の表皮ピース33と縫合されており、第1の表皮ピース31には第1の継ぎ目41に沿う第1のシングルステッチライン51と第2の継ぎ目42に沿う第2のシングルステッチライン52が連続形成され、第3の表皮ピース33には第2の継ぎ目42に沿って第3のシングルステッチライン53が形成され、第2のシングルステッチライン52と第3のシングルステッチライン53とでダブルステッチライン形態となる。
【選択図】図2
Description
図1に示されたシート11は、着座者が腰を下ろすシートクッション13、背中を凭せ掛けるシートバック15および頭を凭せ掛けるヘッドレスト17を主体として構成されており、自動車等の車両に装備されている。このシート11において、着座者が通常の着座姿勢で接触する面は、その外形形状が発泡ウレタン等のパッド部材(図示省略)で形作られており、該パッド部材の外形形状に沿うシートカバーで表装されている。本実施形態では、シートクッション13を表装するシートカバー21に本発明が適用されている。なお、各図に示されるFR,RRは、車両用シート11の着座者を基準に定めたシートカバー21の前方、後方を示している。
まず、裁断工程では、表皮材料を裁断して第1,第2,第3の表皮ピース31,32,33を用意する。表皮材料としては、例えば、図5に示されるように、皮革やファブリック等の基材61の裏面に厚さ2〜10mm程度のウレタン等からなるカバーパッド63を積層したものが用いられる。
次に、第1縫合工程では、裁断工程で用意した第1の表皮ピース31と第2の表皮ピース32とを縫合する。詳しくは、第1の表皮ピース31と第2の表皮ピース32とを、双方の表面を合わせた所謂中表状態とし、ミシンを用いて端縁部位31aに沿って端から端まで縫って繋ぎ合わせる。それにより形成される第1の表皮ピース31と第2の表皮ピース32の継ぎ目が第1の継ぎ目41である。第1の表皮ピース31と第2の表皮ピース32とを展開すると、第1の表皮ピース31と第2の表皮ピース32とが第1の継ぎ目41を介して連続する表皮面を形成する。この第1縫合工程で得られた第1の表皮ピース31と第2の表皮ピース32とを縫い合わせたものを、説明の便宜上、第1・第2表皮ピース縫合体34と称する。
次に、第2縫合工程では、第1縫合工程で得られた第1・第2表皮ピース縫合体34と裁断工程で用意した第3の表皮ピース33とを縫合する。詳しくは、第1・第2表皮ピース縫合体34の表面に第3の表皮ピース33の表面を合わせ、ミシンを用いて長手方向の端から端まで縫って繋ぎ合わせる。そして、第1・第2表皮ピース縫合体34と第3の表皮ピース33とを展開する。これにより第1の表皮ピース31と第2の表皮ピース32と第3の表皮ピース33とが連続する表皮面が形成され、側方構成部25aの外形形状が成立する。この第2縫合工程で得られた第1,第2,第3の表皮ピース31,32,33を繋ぎ合せたものを、修飾前基本構成体と称する。なお、この第2縫合工程では、一連のミシン縫い作業で第1・第2表皮ピース縫合体34と第3の表皮ピース33とを縫い合わせ、それにより形成される第3の表皮ピース33と第1の表皮ピース31ないし第2の表皮ピース32との継ぎ目は一続きであるが、本実施形態の説明では、発明の理解を容易にする便宜上、第2の継ぎ目42ないし第3の継ぎ目43と区別している。なお、この第2縫合工程で得られた修飾前基本構成体において、第1の継ぎ目41、第2の継ぎ目42及び第3の継ぎ目43の交点の裏面側には、図4に示されるように縫い代密集部45が形成されている。すなわち、第1の表皮ピース31と第2の表皮ピース32との縫合に係る縫い代31p,32sと、第1・第2表皮ピース縫合体34と第3の表皮ピース33との縫合に係る縫い代31q,32t,33rが集中し、縫い代密集部45が形成されている。
次に、シングルステッチ工程では、第2縫合工程で得られた修飾前基本構成体に対して、一本針のミシンを用いて第1,第2,第3のシングルステッチライン51,52,53を形成する。
第2のシングルステッチライン52は、第1の表皮ピース31において第2の継ぎ目42に沿って形成する。このとき、図6に示されるように、第1の表皮ピース31の第3の表皮ピース33と繋ぎ合せた端縁部位31bの縫い代31qを折り返して第1の表皮ピース31に重ね合わせて縫う。
第1のシングルステッチライン51と第2のシングルステッチライン52とは一連のミシン縫い作業により連続形成する。すなわち、図2に示されるように、第1の表皮ピース31の後工程で中央構成部23と縫合される縁端部位31c側の端から第1の継ぎ目41に沿って縁端部位31aを縫い、第1の継ぎ目41と交わる第2の継ぎ目42と干渉する直前で方向転換し第2の継ぎ目42に沿って後工程で中央構成部23と縫合される縁端部位31c側の端まで連続して縫う。裏面から見ると、図4に示されるように、第2のシングルステッチライン52は、第1の表皮ピース31の縫い代31q上で後方に延びているが、該縫い代31qが他の縫い代31p,32sとの重複を免れない縫い代密集部45を避けて、第1の表皮ピース31上で斜めに方向転換し、第1の表皮ピース31の縫い代31p上の第1のシングルステッチライン51に連続している。なお、縫い始めと縫い終わりは逆でもよい。
第1の表皮ピース31に形成された第2のシングルステッチライン52と第3の表皮ピース33に形成された第3のシングルステッチライン53とが、第2の継ぎ目42を挟んで並行してダブルステッチライン形態を構成する。そのため、シートカバー21の高級感を演出することができる。
第2のシングルステッチライン52と第3のシングルステッチライン53は、一部分では並行してダブルステッチライン形態を構成するが、それぞれ第1の表皮ピース31又は第3の表皮ピース33の範囲内でその経路が設定されて他の部分では離反することで、縫い代の重複部分を縫うことを回避している。そのため、第2,第3の表皮ピース31,32,33が裏面側にカバーパッド63の積層された比較的分厚い材料からなるにもかかわらず、ステッチラインが曲がったり、縫い目の大きさが不均一になったりする不具合が生じにくい。
また、第1,第2,第3のシングルステッチライン51,52,53はいずれも表皮ピースの継ぎ目とは干渉しないため、第1,第2,第3の表皮ピース31,32,33を縫合した後に形成することができ、第1,第2縫合工程で縫合作業を纏めて行った後で、シングルステッチ工程でシングルステッチラインを付す作業を纏めて行うことができるため、作業手順が煩雑になりにくい。
例えば、上記実施形態において更に、第2の表皮ピース32に第1の継ぎ目41に沿うシングルステッチラインを形成するとともに第3の継ぎ目43に沿うシングルステッチラインを連続形成し、第1,第2,第3の継ぎ目41,42,43に対してダブルステッチライン形態の装飾を付すこともできる。
また、上記実施形態では、3枚の表皮ピース31,32,33が繋ぎ合わされて継ぎ目41,42,43が交わった部分に本発明が適用された例を示したが、4枚以上の表皮ピースが繋ぎ合わされて継ぎ目が交わった部分にも本発明を適用することができる。
また、本発明は、車両用シートを構成するシートクッション13のカバーのみならず、シートバック15、ヘッドレスト17を表装するカバーにも適用することができる。また、図示されていないが、オットマン、アームレスト、フットレスト等のシートに装備されたその他の部位のカバーにも適用することができる。
13 シートクッション
21 シートカバー
25a,25b 側方構成部
31 第1の表皮ピース
32 第2の表皮ピース
33 第3の表皮ピース
41 第1の継ぎ目
42 第2の継ぎ目
43 第3の継ぎ目
51 第1のシングルステッチライン
52 第2のシングルステッチライン
53 第3のシングルステッチライン
Claims (1)
- 車両用シートカバーの少なくとも一部を構成する第1〜第3の表皮ピースを備え、前記第1の表皮ピースは前記第2の表皮ピースと第1の継ぎ目を介して縫合されるとともに該第1の継ぎ目と交わる第2の継ぎ目を介して前記第3のピースと縫合されており、前記第1の表皮ピースには前記第1の継ぎ目に沿って第1のシングルステッチラインが形成されるとともに、前記第2の継ぎ目に沿って第2のシングルステッチラインが形成され、前記第1のシングルステッチラインと前記第2のシングルステッチラインとは連続形成されており、前記第3の表皮ピースには前記第2の継ぎ目に沿って第3のシングルステッチラインが形成されており、前記第2のシングルステッチラインと前記第3のシングルステッチラインとでダブルステッチライン形態となることを特徴とする車両用シートカバー構造。
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