WO2016139869A1

WO2016139869A1 - 電動車

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Publication number: WO2016139869A1
Application number: PCT/JP2015/086013
Authority: WO
Inventors: 佳弘新出; 悠也西; ピーターマルコ
Original assignee: アイシン精機株式会社
Priority date: 2015-03-02
Filing date: 2015-12-24
Publication date: 2016-09-09
Also published as: EP3251930B1; CN107614368B; EP3251930A4; JP2016159778A; US20180037289A1; CN107614368A; JP6648407B2; US10266223B2; EP3251930A1

Abstract

電動車(10)は、駆動輪(11)及び従動輪(12)と、フレーム(13)と、ステイ(15)と、座席(18)と、ハンドル(17)と、を備える。駆動輪(11)及び従動輪(12)は電動車(10)の走行方向に間隔をあけて配置される。フレーム(13)は、駆動輪(11)及び従動輪(12)の間に配置されて、駆動輪(11)及び従動輪(12)を回転可能に支持するように構成されるとともに、荷物置き部(13b)を有する。ステイ(15)はフレーム(13)に連結されてフレーム(13)から上方に延びる。座席(18)及びハンドル(17)はステイ(15)に支持される。電動車(10)は、利用者(U)が座席(18)に着座し且つハンドル(17)を握った状態で電動車(10)を利用するライドモードと、利用者(U)が地面に立ち且つハンドル(17)を握った状態で電動車(10)を利用するカートモードとを含む複数のモードを有する。電動車(10)は、複数のモードにそれぞれ対応する形状に選択的に切り替えられるように構成されている。

Description

電動車

　本発明は、電動車に関するものである。

　例えば特許文献１に記載された電動車は、走行方向に間隔をあけて配置された駆動輪及び従動輪と、それらを回転可能に支持する車体フレームと、駆動輪の上方に配置された座席と、駆動輪及び従動輪の間に配置された足置き部と、車幅方向に延びる軸線周りに揺動可能であるアーチ型のハンドルとを備える。そして、利用者は、ハンドルを揺動させることで、利用者が座席に着座した状態である座り乗り状態にて電動車を使用することが可能である他、利用者が足置き部上で座席に向かって起立した状態である立ち乗り状態にて該電動車を使用することも可能である。

特開２０１４－７３８０６号公報

　特許文献１の電動車は、利用者の足を置くための足置き部を有するものの、荷物を載せて運搬することを考慮して設計されていない。
　本発明の目的は、利用者が座席に着座した状態である座り乗り状態にて使用することが可能である他、台車として使用することも可能な電動車を提供することにある。

　上記課題を解決する電動車は、電動車であって、該電動車の走行方向に間隔をあけて配置された駆動輪及び従動輪と、前記駆動輪及び前記従動輪の間に配置されて、前記駆動輪及び前記従動輪を回転可能に支持するように構成されるフレームであって、荷物置き部を有する前記フレームと、前記フレームに連結されて該フレームから上方に延びるステイと、前記ステイに支持された座席と、前記ステイに支持されたハンドルと、を備え、前記電動車は、利用者が前記座席に着座し且つ前記ハンドルを握った状態で前記電動車を利用するライドモードと、前記利用者が地面に立ち且つ前記ハンドルを握った状態で前記電動車を利用するカートモードとを含む複数のモードを有し、前記電動車は、前記複数のモードにそれぞれ対応する形状に選択的に切り替えられるように構成されている。

一実施形態の電動車の構造を示す斜視図。ライドモードにおける図１の電動車の形状及び利用者の姿勢を示す側面図。カートモードにおける図１の電動車の形状及び利用者の姿勢を示す側面図。キックボード（登録商標）モードにおける図１の電動車の形状及び利用者の姿勢を示す側面図。フォールディングモードにおける図１の電動車の形状を示す側面図。

　以下、電動車１０の一実施形態について説明する。
　図１に示すように、電動車１０は、一対の駆動輪１１と、従動輪１２とを備え、両駆動輪１１と従動輪１２とは電動車１０の走行方向（前後方向）に間隔をあけて配置されている。両駆動輪１１は、車幅方向に間隔をあけて設けられている。両駆動輪１１の軸線は車幅方向に延びる。また、電動車１０は、両駆動輪１１と従動輪１２との間に配置されるフレーム１３を備え、フレーム１３は両駆動輪１１及び従動輪１２を回転可能に支持する。両駆動輪１１が互いに異なる回転速度で回転することで、電動車１０を旋回させることが可能である。フレーム１３は、車幅方向に延在する略筒状のホルダ部１３ａを有する。ホルダ部１３ａは、両駆動輪１１を回転駆動する１以上の電動モータ（図示略）を収容する。

　また、フレーム１３は、ホルダ部１３ａと従動輪１２との間を走行方向に延びる略十字板状の荷物置き部１３ｂを有する。荷物置き部１３ｂは地面と略平行である。荷物置き部１３ｂは、車幅方向に互いに反対側に向かって延びる２つの足置き部１３ｄを有する。

　さらに、フレーム１３は、荷物置き部１３ｂの先端（後端）に接続される支持部１３ｃを有し、支持部１３ｃは、荷物置き部１３ｂから離間するに従い上方に向かうように湾曲する。支持部１３ｃの先端部には軸受部材１４が設けられ、軸受部材１４は上下方向に延びる旋回軸線の周りでフレーム１３に対して回動可能である。フレーム１３は、軸受部材１４を介して従動輪１２を回転可能に支持しており、軸受部材１４が旋回軸線の周りに回転することで電動車１０を旋回させることが可能である。

　電動車１０は、フレーム１３に連結されて該フレーム１３から上方に延びるステイ１５を備える。具体的には、ステイ１５はホルダ部１３ａの両端に回動可能に連結された２つのアーム部１６を含み、各アーム部１６は各駆動輪１１とホルダ部１３ａとの間の位置から上方に延びている。アーム部１６は駆動輪１１の軸線の周りに回動可能である。両アーム部１６は、上方に向かうに従い車幅方向に互いに近付くように傾斜する。そして、両アーム部１６の上端部には、それら両アーム部１６に挟まれた状態で、ハンドル１７が支持される。ハンドル１７は車幅方向に延びる軸線の周りに回動自在である。このハンドル１７は、両アーム部１６の上端部からそれぞれ延出する２つの延出部１７ａと、それら両延出部１７ａの先端から互いに相反する車幅方向にそれぞれ突出する２つの把持部１７ｂとを有する。両延出部１７ａの先端同士は車幅方向に接続されている。

　また、両アーム部１６の上端部には、ハンドル１７の両延出部１７ａに挟まれた状態で、略サドル状の座席１８が支持されている。座席１８は車幅方向に延びる軸線の周りに回動自在である。この座席１８の先端部は、その厚み方向に開口する開口部を有しており、その開口部を囲む部分が取手部１８ａを形成する。なお、開口部は窪みによって形成されてもよいし貫通孔によって形成されてもよい。

　ハンドル１７の片側の把持部１７ｂには、例えばジョイスティックなどの方向入力装置又は操作装置（図示略）が設置されている。この方向入力装置は、電動車１０の適宜箇所に設置された電子制御装置（図示略）に電気的に接続されており、利用者Ｕによる方向入力装置に対する操作に応じた操作信号を電子制御装置に出力する。電子制御装置は、前述の電動モータに電気的に接続されており、方向入力装置からの操作信号に応じて電動モータを駆動制御する。つまり、電子制御装置は、電動モータの駆動制御を通じて両駆動輪１１の回転を制御することによって、電動車１０の走行を制御する。例えば、電子制御装置は、電動モータを正転させることで、駆動輪１１が従動輪１２に対して先行するように電動車１０を直進させる。このとき電動車１０が走行する方向を以下では「順走行方向」という。反対に、電子制御装置は、電動モータを逆転させることで、駆動輪１１が従動輪１２に対して追従するように電動車１０を直進させる。このとき電動車１０が走行する方向を以下では「逆走行方向」という。

　電動車１０は、ステイ１５に対して、フレーム１３、座席１８及びハンドル１７の少なくとも一つの角度を変更することで、利用者Ｕの用途に合わせた複数のモードに選択的に切替え可能である。言い換えれば、電動車１０は、複数のモードにそれぞれ対応する形状に選択的に変形可能である。以下に、複数のモード（複数の形状）について説明する。

　複数のモードのうち第１のモードは、座り乗り状態で利用者Ｕに使用されるライドモードである。図２に示すように、ライドモードでは、ステイ１５が上方に向かうに従い逆走行方向に向かうように傾斜しており、ハンドル１７が上方に向かうに従い順走行方向に向かうように傾斜しており、座席１８がステイ１５の上端部から逆走行方向に向かって延びている。このライドモードでは、利用者Ｕは、順走行方向に向いて座席１８に着座してハンドル１７を握るとともに、両足でステイ１５を車幅方向に挟んだ状態で両足の足裏を両足置き部１３ｄにおいた姿勢を取る。これにより、利用者Ｕは、電動車１０に座り乗りする状態で、電動で電動車１０を移動させることが可能となる。ステイ１５がライドモードにおける走行方向（順走行方向）において荷物置き部１３ｂに対し先行する側に位置していることはいうまでもない。

　複数のモードのうち第２のモードは、電動車１０が台車として使用されるカートモードである。図３に示すように、カートモードでは、ステイ１５が上方に向かうに従い逆走行方向に向かうように傾斜するものの、ライドモードよりも垂直方向に対して緩く傾斜しており、座席１８がステイ１５に沿って下方に向かって延びている。このカートモードでは、利用者Ｕは、電動車１０よりも逆走行方向における後続側の位置で逆走行方向に向いて立ってハンドル１７を握る姿勢を取る。これにより、利用者Ｕは、荷物置き部１３ｂに荷物Ｂを載せた状態で、人力で電動車１０を移動させることが可能となる。カートモードにおける走行方向（逆走行方向）が、ライドモードにおける走行方向（順走行方向）とは逆向きであることはいうまでもない。また、カートモードにおいて、方向入力装置を操作することによって電動モータに通電させて両駆動輪１１を駆動させてもよい。これにより、重い荷物等を運ぶときには、利用者Ｕの負担を軽減することができる。

　複数のモードのうち第３のモードはキックボード（登録商標）モードである。図４に示すように、キックボードモードでは、ステイ１５が上方に向かうに従い逆走行方向に向かうように傾斜するものの、ライドモードよりも垂直方向に対して緩く傾斜している。また、ハンドル１７が上方に向かうに従い順走行方向に向かうように傾斜するものの、ライドモードよりも水平方向に対して急峻に傾斜しており、座席１８がステイ１５に沿って下方に向かって延びている。このキックボードモードでは、利用者Ｕは、順走行方向に向いてハンドル１７を握るとともに、片側の足を地面に置き、且つ逆側の足を荷物置き部１３ｂに置く姿勢を取る。これにより、利用者Ｕは、片側の足で地面を蹴りながら人力で移動することが可能となる。キックボードモードでは、従動輪１２の軸線が車幅方向と一致する方向で固定されるように軸受部材１４の旋回軸線周りの回転を手動又は電動で固定可能な適宜のロック機構を電動車１０に設けることが好ましい。

　複数のモードのうち第４のモードはフォールディングモードである。図５に示すように、フォールディングモードでは、フレーム１３及びステイ１５が重なるように電動車１０が折り畳まれている。そして、ハンドル１７がステイ１５に沿って駆動輪１１に近付く側に延びるとともに、座席１８がステイ１５の延びる方向に沿って駆動輪１１から離間する側に延びている。これにより、利用者Ｕは、取手部１８ａを掴んで駆動輪１１を転がしながら電動車１０を運搬することが可能となる。

　以上詳述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
　（１）本実施形態では、利用者Ｕは、ライドモードにおいて座席１８に着座してハンドル１７を握る姿勢を取ることにより、電動車１０を電動の乗物として使用することが可能である。また、利用者Ｕは、カートモードにおいて座席１８に着座せず地面に立ってハンドル１７を握る姿勢を取ることにより、荷物置き部１３ｂに荷物Ｂを載せて運搬すること、すなわち電動車１０を台車として使用することが可能である。

　（２）本実施形態では、ステイ１５は、ライドモードにおける走行方向（順走行方向）において荷物置き部１３ｂに対し先行する側に位置しており、カートモードにおける走行方向（逆走行方向）は、ライドモードにおける走行方向とは逆向きに設定されている。つまり、ステイ１５は、カートモードにおける走行方向において荷物置き部１３ｂに対し後続する側に位置している。従って、利用者Ｕは、カートモードにおける走行方向においてステイ１５に対し更に後続する側でハンドル１７を握ることができる。このため、カートモードにおける走行方向においてステイ１５の先行する側にある荷物置き部１３ｂのスペースをより大きく確保することができる。また、カートモードにおいて、例えば利用者Ｕが荷物置き部１３ｂの上方に腕を伸ばしてハンドル１７を握る姿勢を取る必要がある場合には、ステイ１５又はハンドル１７を利用者に向けて伸長させたり傾けたりする必要があるが、本実施形態ではそのような必要はない。

　例えば、ステイ１５を利用者Ｕに向けて過大に傾ける必要がある場合には、該ステイ１５が荷物置き部１３ｂ上の荷物Ｂと干渉し易くなる、あるいは荷物置き部１３ｂに載せる荷物Ｂについて高さ寸法の制約が生じるが、本実施形態ではそのような干渉を抑制できる、あるいはそのような高さ寸法の制約を軽減することができる。

　（３）本実施形態では、ステイ１５は、駆動輪１１の位置でフレーム１３から上方に延びる。従って、座席１８に着座する利用者Ｕの体重を駆動輪１１に掛けやすくして、該駆動輪１１の駆動力を地面により伝えやすくすることができる。

　（４）本実施形態では、駆動輪１１及び従動輪１２のうち、ライドモードにおける走行方向（順走行方向）において先行する側の車輪（駆動輪１１）の直径は、後続する側の車輪（従動輪１２）の直径よりも大きい。従って、ライドモードでの走行中、例えば路面上の段差等の凹凸に遭遇した場合、走行方向において先行する側の直径の大きい車輪（駆動輪１１）でこの凹凸を円滑に乗り越えることができる。

　（５）本実施形態では、駆動輪１１は、カートモードにおける走行方向において荷物置き部１３ｂに対し後続する側に位置している。電動車１０を人力で移動させる場合、電動モータが非通電の状態での両駆動輪１１は、基本的に互いに等速で回転することで、電動車１０を直進させるように構成されている。しかしながら、カートモードでは、両駆動輪１１に対し走行方向において先行する側に位置する従動輪１２が旋回軸線周りに回転可能であることで、利用者Ｕは、電動車１０を円滑に旋回させることができる。

　（６）本実施形態では、ステイ１５に対して、フレーム１３、座席１８、及びハンドル１７の少なくとも一つの角度を変更することで、利用者Ｕが荷物Ｂを運びやすい形状若しくは大きな荷物Ｂを積載可能な形状に電動車１０を変形してカートモードを実現できる。

　そして、カートモードでは、電動車１０を電動又は人力で移動させて荷物Ｂを運搬することができる。特に、電動車１０を人力で移動させる場合には、電力を消費することなく荷物Ｂを運搬することができる。

　（７）本実施形態では、ステイ１５に対して、フレーム１３、座席１８、及びハンドル１７の少なくとも一つの角度を変更することで、電動車１０のモードを、４種類のモード、即ちライドモード、カートモード、キックボードモード、及びフォールディングモードのいずれかに選択的に切り替えることができる。これにより、用途に合わせて効率的に移動することができる。

　なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
　・前記実施形態において、電動車１０は、ライドモードにおいて、利用者Ｕが両足置き部１３ｄに起立する、いわゆる立ち乗りの姿勢で移動するように使用されてもよい。

　・前記実施形態において、駆動輪１１及び従動輪１２の直径は互いに同等であってもよいし、従動輪１２の直径が駆動輪１１の直径よりも大きく設定されていてもよい。
　・前記実施形態において、ステイ１５は、従動輪１２の位置でフレーム１３から上方に延びていてもよい。

　・前記実施形態において、ライドモード及びカートモードにおける走行方向が互いに同一であってもよい。
　・前記実施形態において、従動輪１２は１つではなく２つであってもよく、その場合、両従動輪１２は車幅方向に間隔をあけて設けられていてもよい。

　・前記実施形態においては、カートモードで座席１８がステイ１５に沿って下方に向かって延びていたがこれに限らず、ライドモードと同様に、アーム部１６の上端部から逆走行方向に延びていてもよい。

Claims

　電動車であって、
　該電動車の走行方向に間隔をあけて配置された駆動輪及び従動輪と、
　前記駆動輪及び前記従動輪の間に配置されて、前記駆動輪及び前記従動輪を回転可能に支持するように構成されるフレームであって、荷物置き部を有する前記フレームと、
　前記フレームに連結されて該フレームから上方に延びるステイと、
　前記ステイに支持された座席と、
　前記ステイに支持されたハンドルと、を備え、
　前記電動車は、利用者が前記座席に着座し且つ前記ハンドルを握った状態で前記電動車を利用するライドモードと、前記利用者が地面に立ち且つ前記ハンドルを握った状態で前記電動車を利用するカートモードとを含む複数のモードを有し、
　前記電動車は、前記複数のモードにそれぞれ対応する形状に選択的に切り替えられるように構成されている、電動車。
　請求項１に記載の電動車において、
　前記ステイは、前記ライドモードでの電動車の走行方向において前記荷物置き部に対し先行する側に位置しており、
　前記カートモードでの電動車の走行方向は、前記ライドモードでの電動車の走行方向とは逆向きに設定された、電動車。
　請求項１又は２に記載の電動車において、
　前記ステイは、前記駆動輪の位置で前記フレームから上方に延びる、電動車。
　請求項１～３のいずれか一項に記載の電動車において、
　前記駆動輪及び前記従動輪のうち、前記ライドモードでの電動車の走行方向において先行する側の車輪の直径は、後続する側の車輪の直径よりも大きい、電動車。
　請求項１～４のいずれか一項に記載の電動車において、
　前記電動車は、前記ステイに対して前記フレーム、前記座席、及び前記ハンドルの少なくとも一つの角度を変更することで、前記複数のモードにそれぞれ対応する形状に切り替えられるように構成される、電動車。