WO2016056291A1 - 防振装置 - Google Patents

Abstract

　水平方向における防振性能を向上させることができる防振装置を提供する。　防振装置１０は、少なくとも１つの第１の粘弾性体４００によって円周方向の運動を許容するように支持されている支持部１００と、防振対象物９００が載置される載置部２００と、支持部１００と載置部２００とを連結している連結機構３００とを有し、連結機構３００は、支持部１００に対する載置部２００の円周方向の運動を許容する少なくとも１つの第２の粘弾性体３５０を有する。望ましくは、連結機構３００は、載置部２００を吊架する吊架板３０２をさらに有し、吊架板３０２は、第２の粘弾性体３５０の少なくとも１つによって重力方向下方から支持される。

Description

防振装置

　本発明は防振装置に関する。

　特許文献１には、水平に固定配置された下板と、この下板に対して上方に所定間隔で水平に配置され且つ構造物等の被支持物を支持する上板と、これらの下板及び上板の間に水平に配置され中心に貫通孔を備えた中間板と、この中間板の貫通孔を通って上記下板と上板を互いに連結する一つの第一の粘弾性体と、上記下板と中間板との間にて鉛直方向に延びるように粘弾性体の周りに配置される少なくとも三つ以上の第一の圧縮コイルバネと、上記中間板と上板との間にて水平方向に関して第一の圧縮コイルバネと同じ位置にて鉛直方向に延びるように少なくとも三つ以上の第二の圧縮コイルバネと、を含んでおり、対応する第一及び第二の圧縮コイルバネが、それぞれ第一の粘弾性体の中心線の周りに点対称または等角度間隔に配置されている防振装置であって、上記下板と中間板との間で、水平方向に関して第一の圧縮コイルバネと干渉しない位置にて、下板と中間板とを互いに連結するように鉛直方向に延びる複数個の第二の粘弾性体が配置されていることを特徴とする、防振装置が記載されている。

　特許文献２には、形板状の機器搭載用ベンチ、当該機器搭載用ベンチを下面の四隅で支持する制振器、上記機器搭載用ベンチの振動を測定する振動センサ、上記機器搭載用ベンチを動かすアクチュエータ、上記振動センサからの振動情報によりアクチュエータに対して制御出力を演算するコントローラから成るアクティブ型防振台において、上記各制振器としてコイルばねを鉛直方向に設け、当該コイルばねの近傍に上記アクチュエータ及び上記振動センサを夫々設けたことを特徴とする、アクティブ型防振台が記載されている。

特開２００８－２００１２号公報 特開２００２－１９５３４３号公報

　従来の技術においては、水平方向における防振性能が十分ではなかった。

　また、従来の技術においては、防振対象物の重量の変化に応じて弾性体を交換することを要し、防振対象物に振動が伝達する際の固有振動数を十分に小さくすることができなかった。

　本発明は、水平方向における防振性能を向上させることができる防振装置を提供することを目的とする。また、本発明は、重量が一定の範囲内にある防振対象物に対して同じ弾性体を用いることができ、防振対象物に振動が伝達する際の固有振動数を小さくすることができる防振装置を提供することを目的とする。

　請求項１に係る本発明は、少なくとも１つの第１の粘弾性体によって円周方向の運動を許容するように支持されている支持部と、防振対象物が載置される載置部と、前記支持部と前記載置部とを連結している連結機構と、を有し、前記連結機構は、前記支持部に対する前記載置部の円周方向の運動を許容する少なくとも１つの第２の粘弾性体を有する防振装置である。

　請求項２に係る本発明は、前記連結機構は、前記載置部を吊架する吊架部をさらに有し、
　前記吊架部は、前記第２の粘弾性体の少なくとも１つによって重力方向下方から支持されている請求項１記載の防振装置である。

　請求項３に係る本発明は、前記連結機構は、前記載置部を吊架する吊架部をさらに有し、前記吊架部は、複数の前記第２の粘弾性体によって吊架されている請求項１記載の防振装置である。

　請求項４に係る本発明は、前記連結機構は、前記第２の粘弾性体を複数有し、複数の前記第２の粘弾性体は、それぞれが前記載置部を吊り下げ、一端部側が前記載置部にそれぞれに連結されていて、前記一端部側から他端部側にそれぞれに延びる線分が一点で交差するように配置されている請求項１記載の防振装置である。

　請求項５に係る本発明は、前記連結機構は、前記第２の粘弾性体を複数有し、複数の前記第２の粘弾性体は、それぞれが前記載置部を吊り下げ、一端部側が前記載置部にそれぞれに連結されていて、他端部側が一点で支持されるように配置されている請求項１記載の防振装置である。

　請求項６に係る本発明は、防振対象物が載置される載置部と、前記載置部を支持する支持部と、前記載置部と前記支持部とを連結する連結機構と、を有し、前記連結機構は、一端部側が前記載置部に装着されていて、他端部側が前記支持部に装着されている少なくとも２つの弾性体を有し、前記少なくとも２つの弾性体は、少なくとも２つの変曲点を持つようにそれぞれに湾曲している防振装置である。

　請求項７に係る本発明は、前記少なくとも２つの弾性体が前記支持部に対して装着される位置をそれぞれに変更する位置変更機構をさらに有する請求項６記載の防振装置である。

　請求項８に係る本発明は、前記少なくとも２つの弾性体が前記支持部に対して装着される角度をそれぞれに変更する角度変更機構をさらに有する請求項６又は７記載の防振装置である。

　請求項９に係る本発明は、前記少なくとも２つの弾性体は、前記少なくとも２つの変曲点のうち前記一端部に最も近い変曲点よりも前記一端部側の部分が、前記弾性体の厚さ方向と交わる方向に前記載置部を押し上げるように前記載置部を支持する請求項６乃至８いずれか記載の防振装置である。

　請求項１０に係る本発明は、前記少なくとも２つの弾性体が前記載置部に対して装着される位置をそれぞれに変更する位置変更機構をさらに有する請求項６記載の防振装置である。

　請求項１１に係る本発明は、前記少なくとも２つの弾性体が前記載置部に対して装着される角度をそれぞれに変更する角度変更機構をさらに有する請求項６又は１０記載の防振装置である。

　請求項１２に係る本発明は、前記少なくとも２つの弾性体は、前記少なくとも２つの変曲点のうち前記他端部に最も近い変曲点よりも前記他端部側の部分が、前記弾性体の厚さ方向と交わる方向へと前記載置部を押し上げるように前記載置部を支持する請求項６、１０又は１１記載の防振装置である。

　請求項１３に係る本発明は、前記少なくとも２つの弾性体は、それぞれの弾性体が前記載置部に対して加える力が水平面方向において釣り合うように配置されている請求項６乃至１２いずれか記載の防振装置である。

　請求項１４に係る本発明は、防振対象物が載置される載置部と、前記載置部を支持する支持部と、前記載置部と前記支持部とを連結する連結機構と、を有し、前記連結機構は、前記載置部を吊架する吊架部と、一端部側が前記吊架部に装着されていて、他端部側が前記支持部に装着されている少なくとも２つの第１の弾性体と、一端部側が前記吊架部に装着されていて、他端部側が前記載置部に装着されている少なくとも２つの第２の弾性体と、を有し、前記少なくとも２つの第１の弾性体及び前記少なくとも２つの第２の弾性体は、少なくとも２つの変曲点を持つようにそれぞれに湾曲している防振装置である。

　請求項１５に係る本発明は、防振対象物が載置される載置部と、前記載置部を支持する第１の支持部と、前記第１の支持部を支持する第２の支持部と、前記載置部と前記第１の支持部とを連結する第１の連結機構と、前記第１の支持部と前記第２の支持部とを連結する第２の連結機構と、を有し、前記第１の連結機構は、一端部側が前記載置部に装着されていて、他端部側が前記第１の支持部に装着されている少なくとも２つの第１の弾性体を有し、前記第２の連結機構は、一端部側が前記第１の支持部に支持されていて、他端部が前記第２の支持部に支持されている少なくとも２つの第２の弾性体を有し、前記少なくとも２つの第１の弾性体及び前記少なくとも２つの第２の弾性体は、少なくとも２つの変曲点を持つようにそれぞれに湾曲している防振装置である。

　請求項１６に係る本発明は、前記少なくとも２つの第１の弾性体が前記載置部に対して加える力と前記少なくとも２つの第２の弾性体が前記第１の支持部に対して加える力とは、水平面方向において互いに向きが異なる請求項１５記載の防振装置である。

　請求項１乃至５に係る本発明によれば、水平方向における防振性能を向上させることができる。

　また、請求項６乃至１６に係る本発明によれば、重量が一定の範囲内にある防振対象物に対して同じ弾性体を用いることができ、防振対象物に振動が伝達する際の固有振動数を小さくすることができる防振装置を提供することができる。

本発明の第１の実施形態に係る防振装置を示す斜視図である。 図１に示す防振装置を示し、図２（ａ）は平面図であり、図２（ｂ）は側面図である。 図１に示す防振装置の動作を説明する図であり、図３（ａ）は振動が加えられていない状態にある防振装置を示す図であり、図３（ｂ）は振動が加えられた状態にある防振装置を示す図である。 本発明の第２の実施形態に係る防振装置を示す斜視図である。 図４に示す防振装置を示し、図５（ａ）は図５（ｂ）におけるＡ－Ａ線断面を示す断面図であり、図５（ｂ）は側面図である。 本発明の第３の実施形態に係る防振装置を示す斜視図である。 図６に示す防振装置を示し、図７（ａ）は図７（ｂ）におけるＢ－Ｂ線断面を示す図であり、図７（ｂ）は側面図である。 本発明の第４の実施形態に係る防振装置を示す斜視図である。 図８に示す防振装置を示し、図９（ａ）は平面図であり、図９（ｂ）は側面図である。 本発明の第５の実施形態に係る防振装置を示す斜視図である。 図１０に示す防振装置を示し、図１１（ａ）は平面図であり、図１１（ｂ）は側面図である。 本発明の第６の実施形態に係る防振装置を示す斜視図である。 図１２に示す防振装置を示し、図１３（ａ）は図１３（ｂ）におけるＣ－Ｃ線断面を示す断面図であり、図１３（ｂ）は側面図である。 図１２に示す防振装置の動作を説明する図であり、図１４（ａ）は振動が加えられていない状態にある防振装置を示す図であり、図１４（ｂ）は振動が加えられた状態にある防振装置を示す図である。 本発明の第７の実施形態に係る防振装置を示し、図１５（ａ）は図１５（ｂ）におけるＤ－Ｄ線断面を示す断面図であり、図１５（ｂ）は側面図である。 比較例に係る防振装置を示し、図１６（ａ）は図１６（ｂ）におけるＥ－Ｅ線断面を示す断面図であり、図１６（ｂ）は側面図である。 本発明の効果を示すグラフである。 本発明の第８の実施形態に係る防振装置を示す側面図である。 図１８に示す防振装置が有する変更機構を模式的に示す側面図である。 図１８に示す防振装置が有する弾性体を拡大して示す図である。 図１８に示す防振装置１０１０の効果を示し、図２１（ａ）は、弾性体が支持部に対して装着される角度θをθ１と定めた場合の振動伝達率の測定結果を示すグラフであり、図２１（ｂ）は、θをθ１とは異なる角度であるθ２に定めた場合の振動伝達率の測定結果を示すグラフである。 図１８に示す防振装置において、弾性体が支持部に対して装着される角度を変化させ、それぞれの角度における防振対象物に振動が伝達する際の固有振動数を測定した結果を示すグラフである。 図１８に示す防振装置の効果を示し、図２３（ａ）は、弾性体を基準とする位置から距離ｄ１移動させた場合の振動伝達率の測定結果を示すグラフであり、図２３（ｂ）は、弾性体を基準とする位置から距離ｄ１とは異なる距離である距離ｄ２移動させた場合の振動伝達率の測定結果を示すグラフである。 図１８に示す防振装置において、弾性体が支持部に対して装着される位置を変更し、それぞれの位置における防振対象物に振動が伝達する際の固有振動数を測定した結果を示すグラフである。 本発明の第９の実施形態に係る防振装置を示す側面図である。 図２５に示す防振装置が有する弾性体を拡大して示す図である。 本発明の第１０の実施形態に係る防振装置を示す側面図である。 本発明の第１１の実施形態に係る防振装置を示す側面図である。 本発明の第１１の実施形態に係る防振装置の変形例を示す平面図である。 第８の実施形態において用いることができる弾性体の変形例を示し、図３０（ａ）は弾性体の変形例を上方から示す図であり、図３０（ｂ）は弾性体の変形例を側方から示す図である。 本発明の第８の実施形態に係る防振装置の変形例を示す平面図である。

　次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１及び図２には、本発明の第１の実施形態に係る防振装置１０が示されている。図１及び図２に示されているように、防振装置１０は、支持部１００と、載置部２００と、連結機構３００と、脚部材４０２とを有する。

　支持部１００は、例えば４個の脚部材４０２によって重力方向における下方から円周方向の運動を許容するように支持されている。また、支持部１００は、底板１０２と、天板１０４とを有し、底板１０２と天板１０４とが例えば４個の柱部材１１０によって連結されることで枠体を形成している。また、天板１０４には、例えば４個の貫通孔１０６が形成されている。４個の貫通孔１０６は、１つの円９５２の円周上に配置されるように形成されている。

　脚部材４０２は、設置面９２０（図３を参照）に対する支持部１００の円周方向の運動を許容する第１の粘弾性体４００として用いられていて、例えば、円柱形状のゴム塊やコイルスプリングを用いることができる。脚部材４０２は、少なくとも重力方向に伸縮する粘弾性体であればよく、ゴム塊やコイルスプリングに替えて他の部材を用いてもよい。脚部材４０２は、それぞれの上端部が底板１０２の下端部に装着されている。また、防振装置１０が設置面９２０に設置された状態において、それぞれの下端部が設置面９２０に接触する。

　４個等の複数の脚部材４０２は１つの円９５４の円周上に配置されている。また、円９５４は円９５２と同心円となっている。脚部材４０２は、支持部１００の円周方向の運動を許容するものであれば、その数は４個であることを要せず、少なくとも１つがあればよい。

　脚部材４０２を１つとする場合、支持部１００の設置面９２０に対する円周方向の運動を許容するために、脚部材４０２は単に上下方向に伸縮するのみならず、設置面９２０に平行な方向にも伸縮し、変形することができる粘弾性体であることを要する。

　載置部２００には防振対象物９００が載置される。防振対象物９００としては、例えばコンピュータや通信機器に用いられる電子デバイスの回路パターンを形成する露光機、青色レーザを用いた光学測定に使われる光学素子の高精度な形状を読み取る三次元形状測定装置、遺伝子解析などに用いられる電子顕微鏡のようにナノメートルの精度が問題となる機器等を挙げることができる。載置部２００は、底板２０２と、天板２０４とを有し、天板２０４と底板２０２とが例えば４個の柱部材２１０によって連結されることで枠体を形成している。図２（ｂ）に示すように、防振対象物９００は、底板２０２の重力方向における上向きの面に載置される。

　連結機構３００は、支持部１００と載置部２００とを連結している。また、連結機構３００は、載置部２００を吊り下げるように支持する吊架部として用いられている吊架板３０２と、例えば４個の吊り下げ部材３５２と、例えば１個の脚部材３５４とを有する。

　吊り下げ部材３５２は、支持部１００に対する載置部２００の円周運動を許容する第２の粘弾性体３５０として用いられている。吊り下げ部材３５２としては、例えば、粘弾性体であるコイルスプリングを用いることができる。吊り下げ部材３５２は、それぞれが貫通孔１０６を貫通するように配置されていて、それぞれの上端部が吊架板３０２の重力方向における下向きの面に装着されていて、それぞれの下端部が天板２０４の重力方向における上向きの面に接続されている。

　４個の吊り下げ部材３５２は互いに同じ長さであることが望ましい。また、４個の吊り下げ部材３５２の上端部は円９５４の円周上に配置された状態となるように吊架板３０２に装着されている。また、４個の吊り下げ部材３５２の下端部は、それぞれが円９５４の円周上に配置されている。また、防振装置１０に振動が加えられていない状態において、４個の吊り下げ部材３５２は互いに水平な状態となるように配置されている。

　吊り下げ部材３５２は粘弾性体であればよく、コイルスプリングに替えて、例えば紐状のゴム部材等を用いることができる。

　脚部材３５４は、吊り下げ部材３５２と同様に支持部１００に対する載置部２００の円周運動を許容する第２の粘弾性体３５０として用いられていて、吊架板３０２を重力方向下方から支持している。また、この実施形態においては、脚部材３５４が１つである。脚部材３５４としては、例えば円柱形状のゴム塊やコイルスプリングを用いることができる。脚部材３５４が１つである場合、脚部材３５４は、重力方向及び水平方向に伸縮し、変形する部材であることを要する。

　脚部材３５４は、上端部が吊架板３０２の重力方向における下向きの面に装着されていて、下端部が天板２０４の重力方向における上向きの面に装着されている。また、脚部材３５４は、同心円である円９５２、円９５４の中心に位置するように配置されている。

　図３は、防振装置１０の動作を説明する図であり、図３（ａ）は振動が加えられていない状態にある防振装置１０を示す図であり、図３（ｂ）は振動が加えられた状態にある防振装置１０を示す図である。例えば、設置面９２０が水平方向に振動する等の理由によって、図３（ａ）に示されている状態にある防振装置１０に水平方向の振動が加えられると、４個の脚部材４０２のそれぞれが、矢印ａで示すように重力方向に伸縮し、変形する。そして、４個の吊り下げ部材３５２のそれぞれが重力方向に伸縮し変形することで、矢印ｂで示すように、支持部１００は設置面９２０に対して円９５４の中心を中心とした円周方向の運動をする。

　この際、載置部２００に対して重力が作用している状態で支持部１００が円周方向の運動をすることで、４個の吊り下げ部材３５２が伸縮するとともに、脚部材３５４が水平方向及び重力方向に変形する。そして、４個の吊り下げ部材３５２が伸縮し、脚部材３５４が水平方向及び重力方向に変形することで、矢印ｃで示すように、載置部２００は支持部１００に対して脚部材３５４を中心とする（円９５２の中心を中心とする）円周方向の運動をする。そして、この載置部２００の円周方向の運動は、支持部１００の円周方向の運動を打ち消すものとなる。このように、この第１の実施形態に係る防振装置１０においては、防振装置１０に加えられた水平方向の振動を、設置面９２０に対する支持部１００の円周方向の運動と支持部１００に対する載置部２００の円周方向の運動との２つの円周方向の運動に変換することで打ち消している。

　以上の説明においては、吊り下げ部材３５２と脚部材３５４との双方が粘弾性体である場合を例として説明をしたものの、連結機構３００は、少なくとも１つの第２の粘弾性体３５０を有すればよい。このため、脚部材３５４が粘弾性体である場合、吊り下げ部材３５２は粘弾性であることを要せず、吊り下げ部材３５２として伸び縮みしない紐状の部材や棒状の部材を用いることができる。また、連結機構３００は、少なくとも１つの第２の粘弾性体を有すればよいため、吊り下げ部材３５２が粘弾性体である場合、脚部材３５４は粘弾性体であることを要しない。

　図４及び図５には、本発明の第２の実施形態に係る防振装置１０が示されている。以下、第２の実施形態に係る防振装置１０の第１の実施形態に係る防振装置１０との違いについて説明をする。

　先述の第１の実施形態に係る防振装置１０は、第１の粘弾性体４００として用いられている脚部材４０２を４個有していた。これに対して、この第２の実施形態に係る防振装置１０は、脚部材４０２を８個有している。そして、８個の脚部材４０２は１つの円９５６の円周上に等間隔で配置されている。円９５６は、４個の貫通孔１０６が円周上に配置される円である円９５２と同心円上に配置された状態となっている。以上で説明をした部分以外は、先述の第１の実施形態に係る防振装置１０と同一であるため説明を省略する。

　図６及び図７には、本発明の第３の実施形態に係る防振装置１０が示されている。以下、第３の実施形態に係る防振装置１０の第１の実施形態に係る防振装置１０との違いを説明する。

　先述の第１の実施形態に係る防振装置１０は、第１の粘弾性体４００として用いられている脚部材４０２を４個有していた。これに対して、この第３の実施形態に係る防振装置１０は、第２の実施形態に係る防振装置１０と同様に脚部材４０２を８個有している。そして、８個の脚部材４０２は１つの円９５６の円周上に等間隔で配置されている。

　また、先述の第１の実施形態に係る防振装置１０は、第２の粘弾性体３５０として４個の吊り下げ部材３５２と１個の脚部材３５４とを有していた。これに対して、この第３の実施形態に係る防振装置１０は、第２の粘弾性体３５０として１個の吊り下げ部材３５２と８個の脚部材３５４とを有している。８個の脚部材３５４は、１つの円９５８の円周上に配置されている。

　吊り下げ部材３５２が１つであるため、第１の実施形態に係る防振装置１０においては天板１０４に４個が形成されていた貫通孔１０６が、この第３の実施形態においては１個が形成されている。貫通孔１０６は円９５８の中心に位置するように形成されている。以上で説明をした部分以外は、先述の第１の実施形態に係る防振装置１０と同一であるため、説明を省略する。

　この第３の実施形態に係る防振装置１０においても、先述の第１の実施形態に係る防振装置１０と同様に、連結機構３００は少なくとも１つの第２の粘弾性体３５０を有すればよい。このため、脚部材３５４が粘弾性体である場合、吊り下げ部材３５２は粘弾性であることを要せず、吊り下げ部材３５２が粘弾性体である場合、脚部材３５４は粘弾性体であることを要しない。

　図８及び図９には、本発明の第４の実施形態に係る防振装置１０が示されている。以下、第４の実施形態に係る防振装置１０の第１の実施形態に係る防振装置１０との違いを説明する。

　先述の第１の実施形態に係る防振装置１０は、第１の粘弾性体４００として用いられている脚部材４０２を４個有していた。これに対して、この第４の実施形態に係る防振装置１０は、先述の第２の実施形態に係る防振装置１０、先述の第３の実施形態に係る防振装置１０と同様に脚部材４０２を８個有している。そして、８個の脚部材４０２は１つの円９５６（図８、図９において図示を省略、図５、図７を参照）の円周上に等間隔で配置されている。

　また、先述の第１の実施形態に係る防振装置１０は、吊架部として用いられている吊架板３０２と、第２の粘弾性体３５０として用いられている４個の吊り下げ部材３５２と、同じく第２の粘弾性体３５０として用いられている１個の脚部材３５４とを有していた。これに対して、この第４の実施形態に係る防振装置１０は、吊架部として用いられている吊架部材３０４と、第２の粘弾性体として用いられている例えばコイルスプリング等の１個の吊り下げ部材３５２と、同じく第２の粘弾性体として用いられている例えば８個の板バネ部材３５６とを有している。

　吊架部材３０４は、例えば円柱形状の部材であり、吊架部材３０４の重力方向における下側の面に１個の吊り下げ部材３５２が装着されている。また、吊り下げ部材３５２が１つであるため、第１の実施形態に係る防振装置１０においては天板１０４に４個が形成されていた貫通孔１０６が、この第３の実施形態においては１個が形成されている。

　板バネ部材３５６としては、例えば楔形であり板状である金属が用いられている。それぞれの板バネ部材３５６の一端部は、天板１０４の重力方向における上向きの面に、この上向きの面から突出するように装着された突出部１０８の上向きの面に装着されている。また、板バネ部材３５６の他端部は、吊架部材３０４の上向きの面に装着されている。そして、この第４の実施形態に係る防振装置１０においては、載置部２００を吊架する吊架部として用いられている吊架部材３０４が、第２の粘弾性体３５０として用いられている複数の板バネ部材３５６によって吊架されている。

　板バネ部材３５６は、少なくとも２つあればよく、例えば２～７個のいずれか等、８個以外であってもよい。また、この第４の実施形態に係る防振装置１０においても、先述の第１の実施形態に係る防振装置１０と同様に、連結機構３００は少なくとも１つの第２の粘弾性体３５０を有すればよい。このため、板バネ部材３５６が粘弾性体であるため、吊り下げ部材３５２は、必ずしも粘弾性体であることを要しない。このため、吊り下げ部材３５２としてコイルスプリング等を用いることに替えて、伸び縮みしない紐状の部材や棒状の部材を用いることができる。以上で説明をした部分以外は、先述の第１の実施形態に係る防振装置１０と同一であるため、説明を省略する。

　図１０及び図１１には、本発明の第５の実施形態に係る防振装置１０が示されている。以下、第５の実施形態に係る防振装置１０の第４の実施形態に係る防振装置１０との違いを説明する。

　前述の第４の実施形態に係る防振装置１０においては、板バネ部材３５６は、それぞれの一端部が突出部１０８の上向きの面に装着されていて、それぞれの他端部が吊架部材３０４の上向きの面に装着されていた。これに対して、この第５の実施形態においては、板バネ部材３５６は、それぞれの一端部が突出部１０８の吊架部材３０４に対向する側の面と逆側の面である略垂直な面に装着されていて、それぞれの他端部が吊架部材３０４の略垂直な面に装着されている。以上で説明をした部分以外は、先述の第４の実施形態に係る防振装置１０と同一であるため、説明を省略する。

　図１２及び図１３には、本発明の第６の実施形態に係る防振装置１０が示されている。以下、第６の実施形態に係る防振装置１０の第１の実施形態に係る防振装置１０との違いを説明する。

　先述の第１の実施形態に係る防振装置１０は、第１の粘弾性体４００として用いられている脚部材４０２を４個有していた。これに対して、この第６の実施形態に係る防振装置１０は、先述の第２の実施形態に係る防振装置１０等と同様に脚部材４０２を８個有している。そして、８個の脚部材４０２は１つの円９５６（図１２、図１３において図示を省略、図５、図７を参照）の円周上に等間隔で配置されている。

　また、先述の第１の実施形態に係る防振装置１０は、吊架部として用いられている吊架板３０２と、第２の粘弾性体３５０として用いられている４個の吊り下げ部材３５２と、同じく第２の粘弾性体３５０として用いられている１個の脚部材３５４とを有していた。これに対して、この第６の実施形態に係る防振装置１０は、吊架板３０２と脚部材３５４とは有せず、第２の粘弾性体として用いられている４個の吊り下げ部材３５２を有している。

　吊り下げ部材３５２は載置部２００を吊り下げている。より具体的には、吊り下げ部材３５２の一端部３５２ａが載置部２００の天板２０４の上側の面に装着され、吊り下げ部材３５２の他端部３５２ｂが支持部１００の天板１０４の下側の面に装着されるようにして４個の吊り下げ部材３５２が載置部２００を吊り下げている。

　また、４個の吊り下げ部材３５２は、一端部３５２ａから他端部３５２ｂへとそれぞれに延びる線分Ｌが点Ｐの一点で交差するように配置されている。吊り下げ部材３５２は、少なくとも３個があればよく、例えば、３個、５個等４個以外の数であってもよい。吊り下げ部材３５２の数が４個以外の数である場合においても、それぞれの吊り下げ部材３５２の一端部３５２ａから他端部３５２ｂへとそれぞれに延びる線分Ｌが点Ｐの一点で交差するように複数の吊り下げ部材３５２を配置することを要する。以上で説明をした部分以外は、先述の第１の実施形態に係る防振装置１０と構成が同一であるため、同一である構成の説明を省略する。

　図１４は、第６の実施形態に係る防振装置１０の動作を説明する図であり、図１４（ａ）は振動が加えられていない状態にある防振装置１０を示す図であり、図１４（ｂ）は振動が加えられた状態にある防振装置１０を示す図である。例えば、設置面９２０が水平方向に振動する等の理由によって、図１４（ａ）に示されている状態にある防振装置１０に水平方向の振動が加えられると、複数個の脚部材４０２のそれぞれが、矢印ａで示すように重力方向に伸縮し、変形する。そして、４個の吊り下げ部材３５２のそれぞれが重力方向に伸縮し変形することで、矢印ｂで示すように、支持部１００は設置面９２０に対して円周方向の運動をする。

　この際、載置部２００に対して重力が作用している状態で支持部１００が円周方向の運動をすることで、４個の吊り下げ部材３５２が伸縮する。そして、４個の吊り下げ部材３５２が伸縮することで、矢印ｃで示すように、載置部２００は点Ｐを仮想の中心として円周方向の揺動運動をする。そして、この載置部２００の円周方向の揺動運動は、支持部１００の円周方向の運動を打ち消すものとなる。このように、この第６の実施形態に係る防振装置１０においては、防振装置１０に加えられた水平方向の振動を、設置面９２０に対する支持部１００の円周方向の運動と、点Ｐを仮想中心とした載置部２００の円周方向の揺動運動との２つの運動に変換することで打ち消している。

　図１５には、本発明の第７の実施形態に係る防振装置１０が示されている。以下、第７の実施形態に係る防振装置１０の第６の実施形態に係る防振装置１０との違いを説明する。

　前述の第６の実施形態に係る防振装置１０においては、４個の吊り下げ部材３５２は、４個の吊り下げ部材３５２の一端部３５２ａから他端部３５２ｂへとそれぞれに延びる線分Ｌが点Ｐの一点で交差するように配置されていて、点Ｐは天板１０４よりも上方に位置していた（図１３（ｂ）を参照）。これに対して、この第７の実施形態に係る防振装置１０においては、４個の吊り下げ部材３５２は、一端部３５２ａが載置部２００の天板２０４の上側の面にそれぞれに装着されていて、他端部３５２ｂが支持部１００の天板１０４上の一点である点Ｐで支持されている。

　この第７の実施形態に係る防振装置１０においては、防振装置１０に水平方向の振動が加えられることによって支持部１００が円周方向の運動を開始すると（図１４を参照）、それぞれの吊り下げ部材３５２が伸縮することによって載置部２００は点Ｐを中心とする回転運動を開始する。そして、この載置部２００の回転運動は、支持部１００の回転運動を打ち消すものとなる。以上で説明をした部分以外は、先述の第６の実施形態に係る防振装置１０と同一であるため説明を省略する。

　図１６には、比較例に係る防振装置１０が示されている。以下、比較例に係る防振装置１０の第６の実施形態に係る防振装置１０との違いを説明する。

　前述の第６の実施形態に係る防振装置１０においては、４個の吊り下げ部材３５２は、４個の吊り下げ部材３５２の一端部３５２ａから他端部３５２ｂへとそれぞれに延びる線分Ｌが点Ｐの一点で交差するように配置されていた。これに対して、この比較例においては、４個の吊り下げ部材３５２が互いに平行となっている。

　この比較例に係る防振装置１０においては、防振装置１０に水平方向の振動が加えられることによって支持部１００が円周方向の運動を開始した際に、それぞれの吊り下げ部材３５２が伸縮するものの、載置部２００の動きは円周方向の運動とはならならず、支持部１００の動きを打ち消すものとはならない。

　図１７は、本発明の効果を示すグラフであり、本発明の第６の実施形態に係る防振装置１０（図１２～図１４を参照）の振動伝達率を、比較例に係る防振装置１０（図１６を参照）の振動伝達率と比較するとともに、アクティブ防振台の振動伝達率と比較して示したものである。図１７において、横軸は設置面９２０の水平方向における振動の周波数を示していて、縦軸は設置面９２０の水平方向における振動に対する載置部２００の水平方向における振動の比を示している。より具体的には、縦軸は、
振動伝達率（ｄＢ）＝２０×Ｌｏｇ₁₀（載置部２００の振動／設置面９２０の振動）
を示している。

　また、図１７において、線Ｌ１は本発明の第６の実施形態に係る防振装置１０の振動特性を示していて、線Ｌ２は比較例に係る防振装置１０の振動特性を示していて、線Ｌ３は、一般的なアクティブ防振台の振動特性を示している。ここで、アクティブ振動台とは、振動センサで振動を検知し、検知した振動を打ち消すように防振対象物が載置されている載置部をアクチュエータで動かす装置である。

　図１７に示されているように、周波数が３（Ｈｚ）前後で、本発明の第６の実施形態に係る防振装置１０の振動伝達率が比較例に係る防振装置の振動伝達率よりも大きな値となっているものの、周波数が０．１～１．１（Ｈｚ）、３～１０（Ｈｚ）において、本発明の第６の実施形態に係る防振装置１０の振動伝達率は、比較例に係る防振装置の振動伝達率、一般的なアクティブ防振台の振動伝達率よりも低い値となっている。

　図１８には、本発明の第８の実施形態に係る防振装置１０１０が示されている。防振装置１０１０は、防振対象物１９００の振動を抑制し好ましくは防止するための装置であり、図１８に示されているように、支持部１１００と、載置部１２００と、連結機構１３００と、脚部材１４０２とを有する。

　支持部１１００は、載置部１２００を支持する構造物であり、底板１１０２と、天板１１０４とを有し、底板１１０２と天板１１０４とが例えば４個（図１８においては２個を図示）の柱部材１１１０によって連結されることで枠体を形成している。天板１１０４の例えば中央部には、貫通孔１１０６が形成されている。

　脚部材１４０２は、防振対象物１９００の水平方向の振動を抑制し、好ましくは防止するための水平方向防振部として用いられていて、載置部１２００を重力方向における下側から支えている。脚部材１４０２は、上端部が底板１１０２の下向きの面に装着されていて、防振装置１０１０が設置面１９２０に設置された状態において、下端部が設置面１９２０に接触する。脚部材１４０２は、例えば４個等（図１８においては３個を図示）、例えば複数個が設けられている。

　また、脚部材１４０２は、設置面１９２０に対する支持部１１００の円周方向の運動を許容する部材であり、例えば、円柱形状のゴム塊やコイルスプリングを用いることができる。脚部材１４０２は、水平方向に弾性変形する粘弾性体あればよく、ゴム塊やコイルスプリングに替えて他の部材を用いてもよい。脚部材１４０２は、４個であることを要せず少なくとも１つがあればよい。

　載置部１２００は、防振対象物１９００が載置される構造体である。防振対象物１９００としては、例えばコンピュータや通信機器に用いられる電子デバイスの回路パターンを形成する露光機、青色レーザを用いた光学測定に使われる光学素子の高精度な形状を読み取る三次元形状測定装置、遺伝子解析などに用いられる電子顕微鏡のようにナノメートルの精度が問題となる機器等を挙げることができる。載置部１２００は、底板１２０２と、天板１２０４とを有し、天板１２０４と底板１２０２とが例えば４個の柱部材１２１０（図１８には２個を図示）によって連結されることで枠体を形成している。図１８に示すように、防振対象物１９００は、底板１２０２の重力方向における上向きの面に載置される。

　また、載置部１２００は、後述する板バネ部材１３１０の端部１３１０ｃ側が装着される装着部材１２２０と、装着部材１２２０を天板１２０４に対して固定するための固定部材１２３０とを有する。装着部材１２２０は、例えば板状の部材であり、天板１１０４の重力方向における上方であって、貫通孔１１０６の重力方向における上方に配置されている。固定部材１２３０は、例えば棒状の部材であって、貫通孔１１０６を貫通するように配置されていて、下端部側が天板１２０４に対して固定されていて、上端部側が装着部材１２２０に対して固定されている。

　連結機構１３００は、支持部１１００と載置部１２００とを連結する機構であり、少なくとも２つの弾性体として用いられている例えば２つの板バネ部材１３１０を有する。２つの板バネ部材１３１０は、それぞれが、端部１３１０ｃ側が載置部１２００に装着されていて、端部１３１０ｅ側が支持部１１００に装着されている弾性体として用いられている。より具体的には、２つの板バネ部材１３１０は、端部１３１０ｃ側が載置部１２００の装着部材１２２０にそれぞれに装着されていて、端部１３１０ｅ側が後述する変更機構１５００を介して支持部１１００の天板１１０４にそれぞれに装着されている。この実施形態においては、連結機構１３００は、２つの板バネ部材１３１０を有するものの、連結機構１３００は少なくとも２つの板バネ部材１３１０を有すればよく、連結機構１３００は、３個以上の板バネ部材１３１０を有するものであってもよい（図２９を参照）。

　図１８に示すように、防振装置１０１０は、変更機構１５００をさらに有する。変更機構１５００は、板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される位置を変更する位置変更機構として用いられているとともに、板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される角度θ（図１９を参照）を変更する角度変更機構として用いられている。変更機構１５００は、板バネ部材１３１０と同じ数だけ設けられていて、この実施形態においては２個が設けられている。変更機構１５００の詳細は後述する。

　図１９には、変更機構１５００が示されている。図１９に示すように、変更機構１５００は、装着板１５０４と、移動部材１５１０と、レール部材１５２０とを有する。装着板１５０４は、板バネ部材１３１０の装着部材１２２０（図１８を参照）が装着される側と逆側の端部１３１０ｅ側が装着される部材であり、ヒンジ１５１２を用いてヒンジ１５１２を中止に回転することができるように移動部材１５１０に対して取り付けられている。装着板１５０４に対する板バネ部材１３１０の装着には、例えば複数の螺子部材（不図示）が用いられている。

　また、装着板１５０４には貫通孔１５０６が形成されていて、貫通孔１５０６には、後述する螺子部材１５３０が噛み合うように雌螺子１５０８が形成されている。図１９に示す矢印ｄ１と矢印ｄ２とは、装着板１５０４がヒンジ１５１２を中心に回転する方向を示している。

　レール部材１５２０は、移動部材１５１０の移動を案内する案内手段として用いられていて、支持部１１００の天板１１０４に対して固定されている。

　移動部材１５１０は、レール部材１５２０に案内されるようにして、装着部材１２２０及び固定部材１２３０（それぞれ図１８を参照）へと近づく方向と、装着部材１２２０及び固定部材１２３０から遠ざかる方向へと移動することができるようになっている。また、移動部材１５１０には、移動部材１５１０をレール部材１５２０に対して固定する螺子部材（不図示）が設けられていて、この螺子部材を用いて所望の位置への移動が完了した移動部材１５１０がレール部材１５２０に対して固定される。図１９に示す矢印ｅは、移動部材１５１０が移動する方向を示している。

　変更機構１５００は、雄螺子１５３２が形成された螺子部材１５３０をさらに有する。螺子部材１５３０は、雄螺子１５３２が雌螺子１５０８に対して噛み合うようにして装着板１５０４に対して取り付けられている。また、螺子部材１５３０は、先端部１５３４が移動部材１５１０に接触することにより、重力の作用による装着板１５０４と板バネ部材１３１０との矢印ｄ１方向への回転を制限している。また、螺子部材１５３０は、回転させるように操作することにより、装着板１５０４に対して図１９に示す矢印ｆ１の方向と矢印ｆ２の方向とに移動するようになっている。

　図２０には、板バネ部材１３１０が拡大して示されている。図２０に示すように、板バネ部材１３１０は、２つの変曲点１３１０ａ、変曲点１３１０ｂを持つようにそれぞれが湾曲している。この実施形態においては、板バネ部材１３１０は、２つの変曲点有するように湾曲しているものの、板バネ部材１３１０は、少なくとも２つの変曲点を有するように湾曲していればよく、例えば３個の変曲点を有するように湾曲していてもよい。

　また、板バネ部材１３１０は、２つの変曲点である変曲点１３１０ａ、変曲点１３１０ｂのうちの載置部１２００に対して装着されている側の端部１３１０ｃに最も近い変曲点である変曲点１３１０ａよりも端部１３１０ｃに近い部分である先端部分１３１０ｄが、板バネ部材１３１０の厚さ方向と交わる方向である矢印ｇ方向へと載置部１２００を押し上げるように載置部１２００を支持している。即ち、先端部分１３１０ｄは、載置部１２００に対して固定部材１２３０の方向の力を加えつつ、載置部１２００に対して重力方向における上方に向かう力を加えるように載置部１２００を支持している。

　また、板バネ部材１３１０は、２つの変曲点である変曲点１３１０ａ、変曲点１３１０ｂのうちの載置部１２００に対して装着されている側の端部１３１０ｃに最も近い変曲点である変曲点１３１０ａよりも変更機構１５００に対して装着されている側の端部１３１０ｅに近い部分である後端部分１３１０ｆが通常のバネとして、すなわち変形に応じて反力を発生させる部材として用いられている。

　以上のように構成された防振装置１０１０においては、操作者が変更機構１５００を操作することにより、矢印ｅ方向へと移動部材１５１０を移動させることができ、移動部材１５１０を移動させることで板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される位置を変更することができる。

　また、以上のように構成された変更機構１５００においては、操作者が螺子部材１５３０を操作することにより、板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される角度θを変更することができる。すなわち、螺子部材１５３０を操作することにより螺子部材１５３０を装着板１５０４に対してｃ１方向（図１９を参照）に移動させることで、装着板１５０４と板バネ部材１３１０とを矢印ｄ１方向（図１９を参照）に回転させることができ、角度θを小さくすることができる。一方、螺子部材１５３０を装着板１５０４に対してｃ２方向（図１９を参照）に移動させることで、装着板１５０４と板バネ部材１３１０とを矢印ｄ２（図１９を参照）方向に回転させることができ、角度θを大きくすることができる。

　防振装置１０１０においては、板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される位置及び板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される角度θの少なくともいずれか一方を変更することで、板バネ部材１３１０に変曲点１３１０ａ、３１０ｂが生じる位置を変更することができる。そして、板バネ部材１３１０の変曲点１３１０ａの位置を変更することで板バネ部材１３１０の先端部分１３１０ｄの長さと後端部分１３１０ｆの長さとを変更することができる。そして、板バネ部材１３１０の先端部分１３１０ｄの長さと後端部分１３１０ｆの長さとを変更することにより、板バネ部材１３１０が矢印ｇ方向へと載置部１２００を押し上げる力を調整することができる。

　以上のように、防振装置１０１０においては、板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される位置及び板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される角度θの少なくともいずれか一方を変更することで板バネ部材１３１０が矢印ｇ方向へと載置部１２００を押し上げる力を調整することができるため、重量が一定の範囲内にある防振対象物１９００に対して、板バネ部材１３１０を強さが異なる他の板バネ部材に交換することなく同じ板バネ部材１３１０を用いることができる。

　また、防振装置１０１０においては、板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される位置及び板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される角度θの少なくともいずれか一方を変更することで、防振対象物１９００に振動が伝達される際の振動伝達率を変更することができる。

　図２１は、防振装置１０１０の効果を示し、図２１（ａ）は、板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される角度θをθ１と定めた場合の振動伝達率の測定結果を示すグラフであり、図２１（ｂ）は、θをθ１とは異なる角度であるθ２に定めた場合の振動伝達率の測定結果を示すグラブである。図２１（ａ）及び図２１（ｂ）において、横軸は設置面１９２０の垂直方向における振動の周波数を示していて、縦軸は、設置面１９２０の垂直方向における振動に対する防振対象物１９００の垂直方向における振動の比を示している。より具体的には、縦軸は、
振動伝達率（ｄＢ）＝２０×Ｌｏｇ₁₀（防振対象物１９００の振動／設置面１９２０の振動）
を示している。

　図２１（ａ）と図２１（ｂ）とを比較すると、防振装置１０１０においては、板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される角度θを変更することで、防振対象物１９００への振動伝達率を変更することができることが分かる。

　測定の結果、振動伝達率が最大となる設置面１９２０の周波数である固有振動数ｆ０は、θがθ１である場合、２．３７５（Ｈｚ）であり、θがθ２である場合、０．２５（Ｈｚ）であった。ここで、固有振動数ｆ０は、数値が小さいほど低い周波数の振動の伝達を抑制していること意味し、数値が小さいほど振動を抑制する効果が大きいことを意味する。

　図２２には、板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される角度θを変化させ、それぞれのθにおける固有振動数ｆ０を測定した測定結果が示されている。

　図２３は、防振装置１０１０の効果を示し、図２３（ａ）は、板バネ部材１３１０を基準とする位置から距離ｄ１移動させた場合の振動伝達率の測定結果を示すグラフであり、図２３（ｂ）は、板バネ部材１３１０を基準とする位置から距離ｄ２移動させた場合の振動伝達率の測定結果を示すグラフである。図２３（ａ）及び図２３（ｂ）において、横軸は設置面１９２０の垂直方向における振動の周波数を示していて、縦軸は、設置面１９２０の垂直方向における振動に対する防振対象物１９００の垂直方向における振動の比を示している。より具体的には、縦軸は、
振動伝達率（ｄＢ）＝２０×Ｌｏｇ₁₀（防振対象物１９００の振動／設置面１９２０の振動）
を示している。

　図２３（ａ）と図２３（ｂ）とを比較すると、防振装置１０１０においては、板バネ部材１３１０が支持部１１００に対して装着される位置を変更することで、防振対象物１９００への振動伝達率を変更することができることが分かる。

　測定の結果、固有振動数ｆ０は、板バネ部材１３１０を基準とする位置から距離ｄ１移動させた場合、１．３７５（Ｈｚ）であり、板バネ部材１３１０を基準とする位置から距離ｄ２移動させた場合、０．２５（Ｈｚ）であった。

　図２４には、板バネ部材１３１０の基準となる位置からの距離ｄを変化させ、それぞれの距離ｄにおける固有振動数ｆ０を測定した測定結果が示されている。

　次に本発明の第９の実施形態に係る防振装置１０１０を説明する。図２５には、本発明の第９の実施形態に係る防振装置が示されている。本発明の第９の実施形態に係る防振装置１０１０は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同様に、支持部１１００と、載置部１２００と、連結機構１３００と、脚部材１４０２と、変更機構１５００とを有する。

　第９の実施形態に係る防振装置１０１０においては、支持部１１００は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同様に、底板１１０２と、天板１１０４と、例えば４個の柱部材１１１０とを有するものの、第８の実施形態に係る防振装置１０１０において形成されていた貫通孔１１０６（図１８を参照）は、天板１１０４に形成されていない。一方、第９の実施形態に係る防振装置１０１０は、板バネ部材１３１０の一端部側が装着される装着部材１１２０と、装着部材１１２０を天板１１０４に対して固定するための固定部材１１３０とを有する。

　装着部材１１２０は、例えば板状の部材であり、天板１１０４の重力方向における下側に配置されている。固定部材１１３０は、例えば棒状の部材であって、後述する貫通孔１２０６を貫通するように配置されていて、上端部側が天板１１０４の下側の面に対して固定されていて、下端部側が装着部材１１２０に対して固定されている。

　脚部材１４０２は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同等であるため説明を省略する。

　載置部１２００は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同様に、底板１２０２と、天板１２０４と、例えば４個の柱部材１２１０とを有するものの、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０が有していた装着部材１２２０及び固定部材１２３０（それぞれ図１８を参照）を有しない。一方、この第９の実施形態に係る防振装置１０１０においては、天板１２０４に貫通孔１２０６が形成されている。

　連結機構１３００は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同様に、例えば２つの板バネ部材１３１０を有する。２つの板バネ部材１３１０は、それぞれが、端部１３１０ｃ側が支持部１１００の装着部材１１２０にそれぞれに装着されていて、端部１３１０ｅ側が変更機構１５００を介して載置部１２００の天板１２０４にそれぞれに装着されている。こ第９の実施形態においても、連結機構１３００は少なくとも２つの板バネ部材１３１０を有すればよく、連結機構１３００は、３個以上の板バネ部材１３１０を有するものであってもよい。

　変更機構１５００は、この第９の実施形態においては、板バネ部材１３１０が載置部１２００の天板１２０４の下向きの面装着される位置を変更する位置変更機構として用いられているとともに、板バネ部材１３１０が載置部１２００の天板１２０４の下向きの面装着される角度θ（図２６を参照）を変更する角度変更機構として用いられている。

　変更機構１５００の部品構成は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０が有する変更機構１５００と同等である。すなわち、変更機構１５００は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同様に、装着板１５０４、ヒンジ１５１２、移動部材１５１０、レール部材１５２０及び螺子部材１５３０（それぞれ図１９を参照）を有する。レール部材１５２０は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０においては、天板１１０４の上向きの面に固定されていたものの、この第９の実施形態に係る防振装置１０１０においては、天板１２０４の下側の面に固定されている。

　図２６には、板バネ部材１３１０が拡大して示されている。板バネ部材１３１０は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同様に、２つの変曲点１３１０ａ、変曲点１３１０ｂを持つようにそれぞれが湾曲している。また、板バネ部材１３１０は、２つの変曲点である変曲点１３１０ａ、変曲点１３１０ｂのうちの支持部１１００に対して装着されている側の端部１３１０ｃに最も近い変曲点である変曲点１３１０ａよりも端部１３１０ｃに近い部分である先端部分１３１０ｄが、板バネ部材１３１０の厚さ方向と交わる方向である矢印ｈ方向へと載置部１２００を押し上げるように載置部１２００を支持している。即ち、先端部分１３１０ｄは、載置部１２００に対して固定部材１１３０の方向の力を加えつつ、載置部１２００に対して重力方向における上方に向かう力を加えるように載置部１２００を支持している。

　また、板バネ部材１３１０は、２つの変曲点である変曲点１３１０ａ、変曲点１３１０ｂのうちの支持部１１００に対して装着されている側の端部１３１０ｃに最も近い変曲点である変曲点１３１０ａよりも変更機構１５００に対して装着されている側の端部１３１０ｅに近い部分である後端部分１３１０ｆが通常のバネとして、すなわち変形に応じて反力を発生させる部材として用いられている。

　以上のように構成された第９の実施形態に係る防振装置１０１０においては、操作者が変更機構１５００を操作することにより、板バネ部材１３１０が載置部１２００に対して装着される位置を変更することができ、板バネ部材１３１０が載置部１２００装着される角度θを変更することができる。そして、この第９の実施形態に係る防振装置１０１０においては、板バネ部材１３１０が載置部１２００に対して装着される位置及び板バネ部材１３１０が載置部１２００に対して装着される角度θの少なくともいずれか一方を変更することで、板バネ部材１３１０に変曲点１３１０ａ、３１０ｂが生じる位置を変更することができる。

　そして、板バネ部材１３１０の変曲点１３１０ａの位置を変更することで板バネ部材１３１０の先端部分１３１０ｄの長さと後端部分１３１０ｆの長さとを変更することができ、板バネ部材１３１０の先端部分１３１０ｄの長さと後端部分１３１０ｆの長さとを変更することにより、板バネ部材１３１０が矢印ｈ方向へと載置部１２００を上方へ押し上げる力を調整することができる。

　次に、本発明の第１０の実施形態に係る防振装置１０１０を説明する。図２７には、本発明の第１０の実施形態に係る防振装置１０１０が示されている。本発明の第１０の実施形態に係る防振装置１０１０は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同様に、支持部１１００と、載置部１２００と、連結機構１３００と、脚部材１４０２と、変更機構１５００とを有する。

　支持部１１００は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同等であるため、支持部１１００の説明を省略する。

　脚部材１４０２は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同等であるため、脚部材１４０２の説明を省略する。

　載置部１２００は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０と同様に、底板１２０２と、天板１２０４と、例えば４個の柱部材１２１０とを有するものの、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０が有していた装着部材１２２０及び固定部材１２３０（それぞれ図１８を参照）を有しない。一方、この第１０の実施形態に係る防振装置１０１０においては、天板１２０４に貫通孔１２０６が形成されている。

　連結機構１３００は、載置部１２００を吊架する吊架部１３８０と、第１の弾性体として用いられている例えば２つの第１板バネ部材１３２０と、第２の弾性体として用いられている例えば２つの第２板バネ部材１３３０とを有する。

　吊架部１３８０は、第１板バネ部材１３１０が装着される第１装着部材１３８２と、第２板バネ部材１３３０が装着される第２装着部材１３８４と、第１装着部材１３８２と第２装着部材１３８４とを連結する連結部材１３８６とを有する。第１装着部材１３８２は、例えば板状の部材であって、天板１１０４の上方であって、貫通孔１１０６の上方に配置されている。第２装着部材１３８４は、例えば板状の部材であって、天板１２０４の下方であって、貫通孔１２０６の下方に配置されている。連結部材１３８６は、例えば棒状の部材であって、貫通孔１１０６及び貫通孔１２０６を貫通するように配置されていて、端部側が第１の装着部材１３８２に対して固定されていて、他端部側が第２の装着部材１３８４に対して装着されている。

　第１板バネ部材１３２０は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０が有する板バネ部材１３１０と略同等の構成である。即ち、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０が有する板バネ部材１３１０は端部１３１０ｃが装着部材１２２０に装着されていた（図２０を参照）のに対して、第１板バネ部材１３２０は、端部１３２０ｃが第１の装着部材１３８２に装着されているとの違いがあるものの、他の部分は、第１板バネ部材１３２０は、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０が有する板バネ部材１３１０と同等である。

　より具体的には、第１板バネ部材１３２０は、第８の実施形態に係る防振装置１０１０が有する板バネ部材１３１０と同様に、他端部１３２０ｅ側が変更機構１５００を介して支持部１１００に装着されていて、例えば２つ等の少なくとも２つの変曲点を持つように湾曲していて、変更機構１５００が操作されることによって支持部１１００に対して装着される位置が変更され、変更機構１５００が操作されることによって支持部１１００に対して装着される角度が変更される。

　第２板バネ部材１３３０は、先述の第９の実施形態に係る防振装置１０１０が有する板バネ部材１３１０と略同等の構成である。即ち、先述の第９の実施形態に係る防振装置１０１０が有する板バネ部材１３１０は端部１３１０ｃが装着部材１１２０に装着されていた（図２６を参照）のに対して、第２板バネ部材１３３０は、端部１３３０ｃが装着部材１３８４に装着されているとの違いがあるものの、他の部分は、第２の板バネ部材１３３０は、先述の第９の実施形態に係る防振装置１０１０が有する板バネ部材１３１０と同等である。

　より具体的には、第２板バネ部材１３３０は、第９の実施形態に係る防振装置１０１０が有する板バネ部材１３１０と同様に、他端部１３２０ｅ側が変更機構１５００を介して載置部１２００の天板１２０４に装着されていて、例えば２つ等の少なくとも２つの変曲点を持つように湾曲していて、変更機構１５００が操作されることによって載置部１２００に対して装着される位置が変更され、変更機構１５００が操作されることによって載置部１２００に対して装着される角度が変更される。

　次に、本発明の第１１の実施形態に係る防振装置１０１０を説明する。図２８には、本発明の第１１の実施形態に係る防振装置１０１０が示されている。先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０においては、載置部１２００を支持する支持部１１００は、脚部材１４０２を介して設置面１９２０に設置されていた（図１８を参照）。これに対し、この第１１の実施形態においては、載置部１２００を支持する第１支持部１１００が、さらに第２支持部１６００により支持されていて、第２支持部１６００が脚部材１４０２を介して設置面１９２０に設置されている。

　また、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０においては、連結機構１３００によって載置部１２００と支持部１１００とが連結されていた（図１８を参照）。これに対し、この第１１の実施形態においては、第１連結機構１３００によって載置部１２００と第１支持部１１００とが連結されているとともに、第２連結機構１７００によって、第１支持部１１００と第２支持部１６００とが連結されている。

　載置部１２００は、先述の第８の実施形態における載置部１２００と同等である。このため、載置部１２００の説明を省略する。

　第１支持部１１００は、載置部１２００を支持する第１の支持部として用いられていて、底板１１０２と、天板１１０４とを有し、底板１１０２と天板１１０４とが例えば４個（図２８においては２個を図示）の柱部材１１１０によって連結されることで枠体が形成されている。また、底板１１０２の例えば中央部には、貫通孔１１０６が形成されている。

　また、第１支持部１１００は、後述する第２板バネ部材１７１０の端部１７１０ｃが装着される装着部材１１２０と、装着部材１１２０を天板１１０４に対して固定するための固定部材１１３０とを有する。装着部材１１２０は、例えば板状の部材であり、後述する天板１６０４の重力方向における上方であって、後述する貫通孔１６０６の重力方向における上方に配置されている。固定部材１１３０は、例えば棒状の部材であって、貫通孔１６０６を貫通するように配置されていて、下端部側が天板１１０４に対して固定されていて、上端部側が装着部材１１２０に対して固定されている。

　第２支持部１６００は、第１支持部１１００を支持する構造物であり、底板１６０２と、天板１６０４とを有し、底板１６０２と天板１６０４とが例えば４個（図２８においては２個を図示）の柱部材１６１０によって連結されることで枠体を形成している。天板１６０４の例えば中央部には、貫通孔１６０６が形成されている。

　脚部材１４０２は、先述の第８の実施形態に係る脚部材１４０２と同等である。このため、脚部材１４０２の説明を省略する。

　第１連結機構１３００の構成は、先述の第８の実施形態における連結機構１３００と略同等である。すなわち、第１連結機構１３００は、少なくとも２つの第１の弾性体として用いられている例えば２つの第１板バネ部材１３１０を有し、２つの第１板バネ部材１３１０は、それぞれが、端部１３１０ｃ側が載置部１２００に装着されていて、端部１３１０ｅ側が第１支持部１１００に装着されている。より具体的には、２つの第１板バネ部材１３１０は、端部１３１０ｃ側が載置部１２００の装着部材１２２０にそれぞれに装着されていて、端部１３１０ｅ側が変更機構１５００を介して第１支持部１１００の底板１１０２の上向きの面にそれぞれに装着されている。変更機構１５００は、第８の実施形態における変更機構１５００と同等であるため説明を省略する。

　第１板バネ部材１３１０は、第８の実施形態における板バネ部材１３１０と同様に、例えば２つ等の少なくとも２つの変曲点を持つように湾曲している。

　第２連結機構１７００は、第１支持部１１００と第２支持部１６００とを連結する機構であり、少なくとも２つの第２の弾性体として用いられている例えば２つの第２板バネ部材１７１０を有する。２つの第２板バネ部材１７１０は、それぞれが、端部１７１０ｃ側が第１支持部１１００に装着されていて、端部１７１０ｅ側が第２支持部１６００に装着されている。より具体的には、２つの第２板バネ部材１７１０は、端部１７１０ｃ側が第１支持部１１００の装着部材１１２０にそれぞれに装着されていて、端部１７１０ｅ側が変更機構１５００を介して第２支持部１６００の天板１６０４の上向きの面にそれぞれに装着されている。変更機構１５００は、第８の実施形態における変更機構１５００と同等であるため説明を省略する。

　第２板バネ部材１７１０は、第８の実施形態における板バネ部材１３１０と同様に、例えば２つ等の少なくとも２つの変曲点を持つように湾曲している。

　図２９には、先述の第１１の実施形態に係る防振装置１０１０の変形例が示されている。先述の第１１の実施形態に係る防振装置１０１０は、第１板バネ部材１３１０が載置部１２００に対して加える力と、第２板バネ部材１７１０が第１支持部１１００に対して加える力とは、水平方向において同じ方向であった。これに対して、この変形例においては、第１板バネ部材１３１０が載置部１２００に対して加える力Ｆ１と、第２板バネ部材１７１０が第１支持部１１００に対して加える力Ｆ２とは、図２９に示すように、水平面方向において互いに向きが異なっている。

　図３０には、板バネ部材１３１０に替えて、弾性体として用いることができる弾性構造体１３４０が示されている。弾性構造体１３４０は、例えば５個等の複数の棒状の弾性体１３４２を有し、これらの棒状の弾性体１３４２は、一端部が支持部材１３４４に固定されることにより支持され、他端部が支持部材１３４６に固定されることにより支持されている。

　板バネ部材１３１０に替えて弾性構造体１３４０を用いることができることと同様に、第１板バネ部材１３２０（図２７を参照）に替えて弾性構造体１３４０を用いることができ、第２板バネ部材１３３０（図２７を参照）に替えて弾性構造体１３４０を用いることができる。また、第１板バネ部材１３１０（図２８を参照）に替えて弾性構造体１３４０を用いることができ、第２板バネ部材１７１０（図２８を参照）に替えて弾性構造体１３４０を用いることができる。

　図３１には、先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０の変形例が示されている。先述の第８の実施形態に係る防振装置１０１０は、弾性体として用いられている板バネ部材１３１０を２つ有していた。これに対し、この変形例は、板バネ部材１３１０を５つ有している。５つの板バネ部材１３１０は、載置部１２００に対して加える力が水平面方向で釣り合うように配置されている。例えば、５つの板バネ部材１３１０の強さが全て同じ場合、互いに隣り合う２つの板バネ部材１３１０の間の角度が全て同じとなるように５つの板バネ部材１３１０が配置されている。

　第８の実施形態に係る防振装置１０１０の変形例として防振装置１０１０に板バネ部材１３１０を５つ設けることと同様に、第９の実施形態に係る防振装置１０１０の変形例として、防振装置１０１０に板バネ部材１３１０を５つ設けるようにすることもできる。また、第１０の実施形態に係る防振装置１０１０の変形例として、防振装置１０１０に第１板バネ部材１３２０を５つ設けることができ、防振装置１０１０に第２板バネ部材１３３０を５つ設けることができる。また、第１１の実施形態に係る防振装置１０１０の変形例として、防振装置１０１０に第１板バネ部材１３１０を５つ設けることができ、第２板バネ部材１７１０を５つ設けることができる。

　以上で述べたように、本発明は、防振装置に適用することができる。

　　１０・・・防振装置
　　１００・・・支持部
　　２００・・・載置部
　　３００・・・連結機構
　　３０２・・・吊架板
　　３０４・・・吊架部材
　　３５０・・・第１の粘弾性体
　　３５２・・・吊り下げ部材
　　３５４・・・脚部材
　　３５６・・・板バネ部材
　　４００・・・第２の粘弾性体
　　４０２・・・脚部材
　　９００・・・防振対象物
　　１０１０・・・防振装置
　　１１００・・・支持部、第１支持部
　　１２００・・・載置部
　　１３００・・・連結機構、第１連結機構
　　１３１０・・・板バネ部材、第１板バネ部材
　　１３１０ａ、１３１０ｂ・・・変曲点
　　１３２０・・・第１板バネ部材
　　１３３０・・・第２板バネ部材
　　１３８０・・・吊架部
　　１５００・・・変更機構
　　１６００・・・第２支持部
　　１７００・・・第２連結機構
　　１７１０・・・第２板バネ部材
　　１９００・・・防振対象物

Claims (16)

1. 　少なくとも１つの第１の粘弾性体によって円周方向の運動を許容するように支持されている支持部と、
   　防振対象物が載置される載置部と、
   　前記支持部と前記載置部とを連結している連結機構と、
   を有し、
   　前記連結機構は、前記支持部に対する前記載置部の円周方向の運動を許容する少なくとも１つの第２の粘弾性体を有する防振装置。
2. 　前記連結機構は、前記載置部を吊架する吊架部をさらに有し、
   　前記吊架部は、前記第２の粘弾性体の少なくとも１つによって重力方向下方から支持されている
   請求項１記載の防振装置。
3. 　前記連結機構は、前記載置部を吊架する吊架部をさらに有し、
   　前記吊架部は、複数の前記第２の粘弾性体によって吊架されている
   請求項１記載の防振装置。
4. 　前記連結機構は、前記第２の粘弾性体を複数有し、
   複数の前記第２の粘弾性体は、
   　それぞれが前記載置部を吊り下げ、
   　一端部側が前記載置部にそれぞれに連結されていて、
   　前記一端部側から他端部側にそれぞれに延びる線分が一点で交差するように配置されている
   請求項１記載の防振装置。
5. 　前記連結機構は、前記第２の粘弾性体を複数有し、
   複数の前記第２の粘弾性体は、
   　それぞれが前記載置部を吊り下げ、
   　一端部側が前記載置部にそれぞれに連結されていて、
   　他端部側が一点で支持されるように配置されている
   請求項１記載の防振装置。
6. 　防振対象物が載置される載置部と、
   　前記載置部を支持する支持部と、
   　前記載置部と前記支持部とを連結する連結機構と、
   を有し、
   　前記連結機構は、一端部側が前記載置部に装着されていて、他端部側が前記支持部に装着されている少なくとも２つの弾性体を有し、
   　前記少なくとも２つの弾性体は、少なくとも２つの変曲点を持つようにそれぞれに湾曲している防振装置。
7. 　前記少なくとも２つの弾性体が前記支持部に対して装着される位置をそれぞれに変更する位置変更機構をさらに有する請求項６記載の防振装置。
8. 　前記少なくとも２つの弾性体が前記支持部に対して装着される角度をそれぞれに変更する角度変更機構をさらに有する請求項６又は７記載の防振装置。
9. 　前記少なくとも２つの弾性体は、前記少なくとも２つの変曲点のうち前記一端部に最も近い変曲点よりも前記一端部側の部分が、前記弾性体の厚さ方向と交わる方向に前記載置部を押し上げるように前記載置部を支持する請求項６乃至８いずれか記載の防振装置。
10. 　前記少なくとも２つの弾性体が前記載置部に対して装着される位置をそれぞれに変更する位置変更機構をさらに有する請求項６記載の防振装置。
11. 　前記少なくとも２つの弾性体が前記載置部に対して装着される角度をそれぞれに変更する角度変更機構をさらに有する請求項６又は１０記載の防振装置。
12. 　前記少なくとも２つの弾性体は、前記少なくとも２つの変曲点のうち前記他端部に最も近い変曲点よりも前記他端部側の部分が、前記弾性体の厚さ方向と交わる方向へと前記載置部を押し上げる前記載置部を支持する請求項６、１０又は１１記載の防振装置。
13. 　前記少なくとも２つの弾性体は、それぞれの弾性体が前記載置部に対して加える力が水平面方向において釣り合うように配置されている請求項６乃至１２いずれか記載の防振装置。
14. 　防振対象物が載置される載置部と、
    　前記載置部を支持する支持部と、
    　前記載置部と前記支持部とを連結する連結機構と、
    を有し、
    前記連結機構は、
    　前記載置部を吊架する吊架部と、
    　一端部側が前記吊架部に装着されていて、他端部側が前記支持部に装着されている少なくとも２つの第１の弾性体と、
    　一端部側が前記吊架部に装着されていて、他端部側が前記載置部に装着されている少なくとも２つの第２の弾性体と、
    を有し、
    　前記少なくとも２つの第１の弾性体及び前記少なくとも２つの第２の弾性体は、少なくとも２つの変曲点を持つようにそれぞれに湾曲している防振装置。
15. 　防振対象物が載置される載置部と、
    　前記載置部を支持する第１の支持部と、
    　前記第１の支持部を支持する第２の支持部と、
    　前記載置部と前記第１の支持部とを連結する第１の連結機構と、
    　前記第１の支持部と前記第２の支持部とを連結する第２の連結機構と、
    を有し、
    　前記第１の連結機構は、一端部側が前記載置部に装着されていて、他端部側が前記第１の支持部に装着されている少なくとも２つの第１の弾性体を有し、
    　前記第２の連結機構は、一端部側が前記第１の支持部に支持されていて、他端部が前記第２の支持部に支持されている少なくとも２つの第２の弾性体を有し、
    　前記少なくとも２つの第１の弾性体及び前記少なくとも２つの第２の弾性体は、少なくとも２つの変曲点を持つようにそれぞれに湾曲している防振装置。
16. 　前記少なくとも２つの第１の弾性体が前記載置部に対して加える力と前記少なくとも２つの第２の弾性体が前記第１の支持部に対して加える力とは、水平面方向において互いに向きが異なる請求項１５記載の防振装置。

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