JPH0229129B2 - Kabepanerutoyukapanerunosetsugokozo - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は建物の壁パネルと床パネルの接合構造
に係り、更に詳しくは材質の異なる壁パネルと床
パネルを接合するに好適な接合構造に関する。

＜従来の技術及びその課題＞ 建物を構築するに際して通常、基本的な構造部
材には、夫々同材質のものが用いられる。例えば
木質パネル構造においては木質パネルが基本の構
造材となり、又壁式PC構造においてはコンクリ
ートPC板が主たる構造材となつている。

この様に材質の異なる構造材を混在させて建物
を構築することが通常行われなかつたのは、材質
の異なる構造材同志を接合させた場合に接合部分
に不都合を生じるからである。具体的には、木質
製パネルと軽量気泡コンクリート製パネルをボル
ト等により直接緊結すると、経年的に木質製パネ
ルには木材特有の「枯」（乾燥による体積縮少）
が生じて両者の接合部分は緩む。この接合部分の
緩みは建物全体の強度を著しく低下させる。

又上記の如く異質パネルの接合部分における経
年的緩みを解消する為には一定期間毎にボルトの
再締め等のメンテナンスを要し、又緩みに追従し
てこれらメンテナンスを自動的に行う為には複雑
な専用金具、金物を必要とし、これはコスト高騰
のみならず施工性にも悪影響を与える。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は上記の点に鑑み成されたもので、特に
軽量気泡コンクリート製パネルを建物の外壁パネ
ルとして用い、木質製パネルを屋内の床パネルと
して用いる場合において、アンカーボルトに対応
させて木質製パネルの側面に取付けられかつ上フ
ランジのボルト孔にアンカーボルトが挿入され、
下フランジは基礎上に載置される接合金物と、接
合金物に対応して取付けられ、かつ下フランジの
ガイドピン受孔には接合金物の上フランジに設け
たガイドピンが挿入され、該下フランジのボルト
孔からアンカーボルトが挿入される埋込金具とに
おいて、接合金物の上フランジと当接状態の埋込
金物の下フランジを、開口内に挿入したアンカー
ボルトの先端にナツトを螺合することにより固定
するものである。

＜作用＞ すなわち木質製の床パネルに取付けた接合金物
と軽量気泡コンクリート製の壁パネルに固定した
埋込金具を直接当接状態にし、かつ基礎上に立設
されたアンカーボルトによつて両者を一体的に接
合するので、少なくとも接合金物と埋込金具との
間では経年的な緩みは生ぜず、安定した接合強度
が維持される。

＜実施例＞ 以下図面により本発明の接合構造を詳細に説明
する。

第１図は軽量気泡コンクリートによる壁パネル
の一部破断斜視図である。この壁パネル１は、溝
形鋼や山形鋼等の鉄骨筋１１を縦横に組み、縦方
向に配筋された鉄骨筋１１，１１…の上下には埋
込金具２，２…がその開口（第３図参照）を室内
側に向けて取付けられている。この骨組体に対し
軽量気泡コンクリート１２が打設され、その上下
に段部１３，１４が形成される。更にこの段部１
３，１４には埋込金具２の下フランジが露出され
る。

尚必要に応じて鉄骨筋１１，１１…間にメツシ
ユ筋１５を張設しておけば、鉄骨筋１１，１１…
と軽量気泡コンクリート１２とはより一体的とな
る。

第２図は床パネル３の一部破断斜視図で、この
床パネル３はパネル側面を成す枠材３１，３２を
矩形状に組み、その上に合板３３を張設したもの
である。又第３図は埋込金具２の斜視図である。
この埋込金具２はウエツブ２１と上フランジ２２
及び下フランジ２３とにより側面略コ状を成し、
その両側面に補強板２４，２４を夫々固着して前
方に開口２５を設けた函体から成る。当該補強板
２４，２４は埋込金具２が受ける圧縮力や引張力
によつて開口２５が圧潰されたり拡開したりする
のを防ぐ。又上フランジ２２にはボルト孔２６，
２６が穿設され、下フランジ２３にはボルト孔２
７とガイドピン受孔２８が穿設される。斯かる埋
込金具２は、前記開口２５をパネルの側面に露出
させ、又下フランジ２３をパネルの段部１４に露
出させた状態で、前記ボルト孔２６を介して鉄骨
筋１１にボルト接合される。

第４図は接合金物４を示す斜視図である。当該
金物は、函状部４Ａ状取付部４Ｂとから成る。

函状部４Ａは、ウエツブ４１と上フランジ４２
及び下フランジ４３とにより側面略コ状を成し、
その両側面に一対の側板４４，４５を固着したも
のである。両側板４４，４５は前記埋込金具２の
補強板２４と同様補強の働きをする。

一方状取付部４Ｂは、前記上フランジ４２の
前方を幅広状に延設して成る接合片４６と、側板
４４，４５の前端でかつそれに略直交した状態に
固着された一対の当接片４７，４８とから成る。

この当接片４７，４８はその上端を接合片４６
に固着し、又その下端を前記函状部４Ａの下フラ
ンジ４３上に載置しかつ固着する。

前記函状部４Ａにおいて、上フランジ４２には
アンカーボルトを嵌入する為のボルト孔４９が穿
孔され、さらに上記埋込金具２のガイドピン受孔
２８に挿入するガイドピン４９ａが突出されてい
る。

又下フランジ４３の前端略中央には、アンカー
ボルトに当接させる為の半円孔４９ｂが前記ボル
ト孔４９と略同一鉛直線上に設けられる。

更に状取付部４Ｂにおいて、接合片４６と両
当接片４７，４８には所定の間隔で釘孔ｎ，ｍが
夫々複数個穿孔されている。

次に第５図乃至第７図により本発明の接合構造
をその施工方法に基づきながら説明する。第５図
は一部破断の壁パネル１と床パネル３の基礎６上
での接合状態を示す分解斜視図である。基礎６は
フーチン上に立設された布基礎状のもので、その
上面には天端モルタル６１が塗設されている。又
基礎天端には所定の間隔でアンカーボルト６２が
立設されている。

一方上記天端モルタル６１上に載置される床パ
ネル３の枠材３１，３２には、接合金物４，４…
が取付けられている。この接合金物４は枠材３
１，３２に予め位置出しされたアンカーボルト６
２の対応位置に取付けられる。すなわち枠材３
１，３２の対応位置に状の取付部４Ｂの当接片
４７，４８を当てがう。そして同接合片４６を床
パネル３の合板３３上に載せ、釘孔ｎから合板３
３に釘打ちし、又当接片４７，４８の釘孔ｍから
枠材３１，３２に釘打ちして取付ける。通常アン
カーボルト６２，６２…の間隔と接合金物４，４
…の間隔、更には埋込金具２，２…の間隔は略同
一に構成される。

次いでアンカーボルト６２に対して接合金物４
のボルト孔４９を挿入させながら該アンカーボル
ト６２に半円孔４９ｂを当接させて床パネル３を
敷設する。

尚本発明は上記手順に限定されず、接合金物４
の後付け、すなわちボルト孔４９にアンカーボル
ト６２を挿入し、アンカーボルト６２の根元をボ
ルト半円孔４９ｂに当接させた状態で状取付部
４Ｂの接合片と床パネル３を釘にて留め付け、次
いで敷設された床パネル３の枠材３１，３２に対
して当接片４７，４８の釘孔ｍから釘を打付ける
ものでもよい。何れにしても床パネル３が敷設さ
れた状態、すなわち接合金物４の函状部４Ａが基
礎上に載置された状態において上記ボルト孔４９
からアンカーボルト６２の先端が突出されるもの
であればよい。

次に壁パネル１を吊り下しながら床パネル３上
に載置する。床パネル１の段部１３，１４に露出
させた埋込金具２のボルト孔２７に、上記接合金
物４から突出したアンカーボルト６２の先端を嵌
入する。この時埋込金具２のガイドピン受孔２８
に接合金物４のガイドピン４９ａを嵌入すれば、
壁パネル１を下すだけでアンカーボルト６２はボ
ルト孔２７に対してスムームに嵌入される。よつ
て接合金物４上には埋込金具２の下フランジ２３
が接する。

以上の状態において、第６図の側断面図に示す
如く埋込金具２の開口２５は壁パネル６の室内側
Ｉに向けられているので、室内側Ｉから開口２５
内へスパナ等を入れてアンカーボルト６２の先端
にナツト７を螺合して締付ける。よつて、基礎６
上においては、壁パネル１と床パネル３とが圧接
された状態となる。すなわち床パネル３は接合金
物４を介してアンカーボルト６２により基礎上に
固定され、又壁パネル１は接合金物４と当接状態
の埋込金具２を介してアンカーボルト６２により
固定されることになる。

アンカーボルト６２を介して埋込金具２の下フ
ランジ２３と接合金物４の上フランジ４２が当接
状態に圧締されても、埋込金具２の補強板２４，
２４及び接合金物４のウエツブ４１及び側板４
４，４５が夫々補剛効果を発揮し、当該接合部分
は十分な強度を有することになり、圧潰を生じな
い。

上記操作が完了した後、開口２５を図示しない
幅木や回り縁等で密閉すればよい。

＜発明の効果＞ 以上説明した様に本発明の接合構造は、異質部
材から成る床パネルと壁パネルを埋込金具と接合
金物によつて接合するものであり、例えば木質製
床パネルに「枯」が生じじても当該木質製床パネ
ルは釘によつて接合金物に固設されており、又当
該接合金物と埋込金具とをアンカーボルトにより
緊結させているので当接状態には変化ない。よつ
て接合部分では施工当初の剛性を維持出来る。し
かも接合金物のガイドピンに埋込金具のガイドピ
ン受孔を嵌め合せれば自然に当接状態が得られる
等施工も容易である。

以上の如く本発明の接合構造は、軽量気泡コン
クリートの壁パネルと木質の床パネル等異質の構
造材を接合するに最適なものであり、しかもその
施工も極めて容易に行える等技術的効果も高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、壁パネルの一部破断斜視図、第２図
は、床パネルの一部破断斜視図、第３図は、埋込
金具の斜視図、第４図は、接合金物の斜視図、第
５図は、基礎上で壁パネルと床パネルの接合状態
を示す分解斜視図、第６図は、基礎上で壁パネル
と床パネルの接合状態を示す側断面図、第７図
は、第６図における壁パネルの面内方向の側断面
図である。 １……壁パネル、２……埋込金具、２３……下
フランジ、２４……補強板、２５……開口、２７
……ボルト孔、２８……ガイドピン受孔、３……
床パネル、３１，３２……枠材、４……接合金
物、４Ａ……函状部、４Ｂ……状取付部、４１
……ウエツブ、４２……上フランジ、４３……下
フランジ、４４，４５……側板、４６……接合
片、４７，４８……当接片、４９ａ……ガイドピ
ン、６……基礎、６２……アンカーボルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ウエツブと上フランジ及び下フランジとで側
   面略コ状を成し、両側面に一対の側板を固着して
   形成される函状部と、前記上フランジの前方を幅
   広状に延設した接合片と、前記側板の前端でかつ
   それに略直交した状態で固着された当接片とで側
   面略状を成す取付部とから成る接合金物と、 ウエツブと上フランジ及び下フランジで側面略
   コ状を成し、その両側面に一対の補強板を固着し
   て前方に開口を有する函体として形成された埋込
   金具とを基礎上に立設したアンカーボルトを介し
   て固定することで壁パネルと床パネルを接合する
   構造において、 前記接合金物は、その状取付部の当接片を前
   記アンカーボルトに対応した木質製床パネルの側
   面に釘着し、かつ接合片を同パネルの上面に釘着
   するとともに函状部の上フランジに設けたボルト
   孔から該アンカーボルトを突出させて同函状部の
   下フランジを前記基礎上に載置し、 前記埋込金具は、開口を軽量気泡コンクリート
   製壁パネルの側面に又下フランジを段部に夫々露
   出した状態に取付けられ、該下フランジのガイド
   ピン受孔には該接合金物のガイドピンが挿入され
   て、前記接合金物からのアンカーボルトが当該下
   フランジのボルト孔から前記開口内に突出したも
   のであつて、 前記埋込金具の開口から前記アンカーボルトに
   螺合したナツトを介して当該埋込金具と前記接合
   金物とを固定する壁パネルと床パネルの接合構
   造。