JP5276548B2 - アクティブ防振方法及びこれに用いる防振装置 - Google Patents

アクティブ防振方法及びこれに用いる防振装置 Download PDF

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本発明は、対象物にその振動を減殺するような制御力を付加する所謂アクティブ防振の技術に関し、特にアクティブ・マスダンパを用いる場合の構成に係る。
従来よりこの種のアクティブ防振装置として、例えば特許文献1に開示されるように、機器の載置された基板をアクティブマウントにより弾性的に支持するとともに、その基板の振動をセンサにより検出し、コントローラにより前記アクティブマウントを駆動することで、前記機器にその振動を減殺する制御力を加えるようにしたものがある。
同文献には、電子ビーム描画装置の鏡筒が固有の振動モードを持ち、装置全体を剛体とみなしてアクティブ制御をしても十分な効果が得られないことが開示されている。そして、同文献に記載の除振装置では、鏡塔の最上部に設けた振動センサからの信号に基づいて、同じく鏡塔の最上部に設けたアクティブ・マスダンパを制御するようにしている。
アクティブ・マスダンパは、対象物にばね要素を介して可動質量を取り付けて、これをアクチュエータにより駆動する反力が振動を減殺する制御力となるようにしたものであり、前記従来例のように振幅の大きくなりやすい鏡塔の最上部に装着すれば、この鏡塔の振動を効果的に抑えることができる。
また、本願の出願人は、空気ばね式のパッシブ除振台に搭載した除振対象物にアクティブ・マスダンパを取り付けて、簡易的にアクティブな除振制御を行うことを提案し、既に特許出願をしている(特許文献2を参照)。
特許第3726207号公報 特開2008−261431号公報
ところで、アクティブ・マスダンパの性能を評価、検証する場合に従来は、対象物を擬似的に剛体とみなし、これをばね要素によって基礎に支持して構成される主振動系に対して、アクティブ・マスダンパはその可動質量及びばね部材が付加振動系を構成するものとして、即ち全体としては2自由度の振動系として解析することが多い。
しかしながら、前者の従来例に記載のように、電子ビーム描画装置や透過型電子顕微鏡(TEM)等、大きな鏡塔を有するものでは、その水平方向の振動が除振制御に大きな影響を及ぼすことから、こうした固有の振動モードについても反映するようなモデルを構築することが考えられる。
本発明者は、TEMのような対象物を、筐体と鏡塔による2つの質量部を備えた2自由度の振動系としてモデル化し(図3を参照)、このモデルを用いて鋭意、実験(シミュレーション)を行ったところ、2つの質量部の質量比がアクティブ・マスダンパの効果に影響を及ぼし、その効果を十分に発揮させる上で好ましい範囲があることを見出した。
斯かる新規な知見に基づいて、本発明は、対象物である機器等が徒に大きく、重くならない範囲でアクティブ・マスダンパの効果を十分に高めることを目的とする。
前記の目的を達成すべく本願の請求項1の発明は、対象物に移動可能に可動質量を取り付けるとともに、これをアクチュエータにより駆動して、その反力が対象物に振動を減殺する制御力として付加されるようにする、アクティブ防振方法に係るものである。
そして、前記アクティブ防振の対象物を、基礎に対し第1ばね要素を介して支持された第1質量部と、この第1質量部に対し第2ばね要素を介して支持されるとともに、前記可動質量の取り付けられる第2質量部と、によってモデル化し、その第1質量部の第2質量部に対する質量比を1.5〜3.0の範囲に設定することを特徴とする。
そうしてモデル化した対象物における第1及び第2質量部の質量比に応じてアクティブ・マスダンパの効果が変化する。すなわち、本発明者の実験によれば、第2質量部に対する第1質量部の質量比が大きくなるに連れてアクティブ・マスダンパの効果は高くなるが、その効果の高まる程度は質量比が1を越えた辺りから鈍化し始め、質量比が3.0を越えると略サチュレートしてしまうことが分かった。
このように質量比によってアクティブ・マスダンパの効果が変化することに着目して、本発明者は、アクティブ・マスダンパの効果が十分に高くなるように質量比は1.5以上とする一方で、対象物である機器等の徒な大型化、重量増を回避するために、質量比を3.0以下に設定したものである。
別の観点から請求項2の発明は、対象物に移動可能に可動質量を取り付けるとともに、これをアクチュエータにより駆動して、その反力が対象物に振動を減殺する制御力として付加されるようにしたアクティブ防振装置であって、前記対象物を、基礎に対し第1ばね要素を介して支持された第1質量部と、この第1質量部に対し第2ばね要素を介して支持されるとともに、前記可動質量の取り付けられる第2質量部と、によってモデル化したとき、その第1質量部の第2質量部に対する質量比が1.5〜3.0の範囲になるように、前記対象物に質量比調整部材を取り付けたものである。
このようなアクティブ防振装置を用いれば、前記した請求項1の発明の防振方法を実行して、その作用を得ることができる。
ここで、対象物として想定される精密機器は、その性能の向上に伴い大型化する傾向にあり、一方、当然ながら機器の設置スペースには限りがあるので、機器を載置する架台等は小型化、軽量化される傾向がある。よって、前記のように質量比を調整するためには、架台等、対象物における基礎側の第2質量部を大きく、重くすることになる。
すなわち、前記対象物に機器と、これが載置される架台の少なくとも一部とが含まれていて、第2質量部が前記機器の少なくとも一部を含み、第1質量部が前記架台の少なくとも一部を含む場合には、この架台側に質量比調整部材として錘を取り付けることになる(請求項3)。こうすれば、錘の分量で質量比を容易に且つ正確に調整することができるから、種々の機器を搭載する汎用の除振台にも適用可能となる。
以上、説明したように本発明に係るアクティブ防振の技術は、アクティブ・マスダンパを取り付ける対象物を、基礎側の第1質量部と、可動質量の取り付けられる第2質量部とからなる2自由度の振動系としてモデル化し、それら第1及び第2質量部の質量比を1.5〜3.0の範囲に設定することによって、対象物である機器等を徒に大きく、重くすることなく、アクティブ・マスダンパの防振効果を十分に発揮させることができる。
本発明に係る除振台の概略構成を示す模式図である。 AMDの内部構造の一例を示す斜視図である。 除振台、機器及びAMDからなる振動系のモデル図である。 図3のモデルによる振動伝達特性のシミュレーション結果を示す図である。 AMDを作動させたときの図4相当図である。 質量比を変えて振動伝達特性を調べた結果を示す図である。 質量比とAMDによる減衰効果との関係を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1には、本発明に係るアクティブ防振装置の一実施形態である空気ばね式除振台Aの構成を模式的に示す。この除振台Aは、例えば半導体関連の装置や試験機器等のように、振動の影響を受けやすい精密な機器Dを搭載して、それらを床振動から絶縁した状態で設置するためのものである。図の例では除振台Aは、定盤1を複数の空気ばね2,2,…(図には2つのみ示す)によって弾性的に支持する所謂パッシブタイプのものである。
また、図の例では機器Dは透過型電子顕微鏡(TEM)で、試料を載せるステージ等が収容される筐体d1と、その天井部から上方に延びる鏡塔d2とを備えており、その鏡塔d2の頂部にはアクティブ・マスダンパ3(以下、AMD3)が取り付けられている。これは、図示のように上下に長い鏡塔d2には構造的に水平方向の共振が生じやすく、これにより電子銃やレンズの位置が微妙にずれてしまうという問題があるからで、この共振による振幅が大きくなる鏡塔d2の頂部にAMD3を取り付けるようにしたものである。
−AMDの構造例−
一例としてAMD3は、その内部にマス部材4を収容し、これをリニアモータ5(アクチュエータ)によって駆動するものであり、その駆動力の反力が機器Dに対し振動を減殺する制御力として付加される。図の例では、マス部材4とリニアモータ5のハウジングとが一体化されており、この一体の質量体が軸線X方向に離れた2箇所にて板ばね6,6により支持されている。
この例ではAMD3に加速度センサ7も一体化されており、これにより検出される機器Dの加速度(振動状態)を示す信号が、コントローラ8に入力される。この信号を受けたコントローラ8はリニアモータ5に制御信号を出力し、これによりリニアモータ5は、機器Dの振動を減殺するような制御力を発生するようにマス部材4を駆動する。
より詳しくは図2を参照すると、AMD3のケース30は、図には仮想線で示すように四角筒状であり、その筒軸(軸線X)の方向の一端側(図の左手前側)に加速度センサ7が配設されている。マス部材4は全体としては円柱状で、隣接する加速度センサ7の軸線X方向他側(図の右奥側)を包囲するように開口する円形断面の凹部4aを有している。この凹部4aを囲む周壁の先端に、板ばね6の内周部を挟持するように締結リング41がねじ留めされている。
一方、マス部材4の反対側にはリニアモータ5のハウジングを兼ねたヨークが取り付けられている。ヨークは軸線X方向の他側に開口する有底円筒状で、図示しないボビンを取り囲むように非接触状態で組み合わされており、それらの間に電磁力が作用するようになっている。ヨークの筒壁部の先端(図の右奥端)には締結リング51がねじ留めされて、前記した締結リング41と同じく板ばね6の内周部を挟持している。
つまり、図示のAMDにおいては一体化されたマス部材4とリニアモータ5のヨークとが、2枚の板ばね6,6によってケース30の周壁に支持され、軸線X方向に移動可能な可動質量を構成している(正確には2つの締結リング41,51も含まれる)。一方で、リニアモータ5のボビンはケース30の他端壁に固定されており、前記の可動質量、即ちマス部材4やヨーク等を軸線X方向に駆動する反力は、ケース30を介して機器Dの鏡塔d2に伝えられる。
そうして鏡塔d2に伝えられる可動質量の駆動反力、即ちAMD3の制御力によって、当該鏡塔d2の振動を効果的に抑制するためには、以下に詳述するように、AMD3の取り付けられる側の質量、例えば鏡塔d2の上部の質量に対して基礎側の質量(例えば定盤1や機器Dの筐体d1の質量)が所定以上に大きいことが望ましいことが分かった。この実施形態では、図1に示すように定盤1の下部に錘9を取り付けて、基礎側の質量をAMD側に対して1.5〜3.0倍になるように調整している。
−対象物の振動伝達特性−
図3には、除振台Aとその定盤1上に載置した機器DとAMD3とを、全体として3自由度の振動系として表したモデルを示す。ここで、従来一般にAMDの性能を評価、検証する場合には、対象物を擬似的に剛体とみなし、これをばね要素によって基礎に支持したもの(主振動系)に対して、AMDの可動質量及びばね要素が付加振動系を構成する2自由度の振動系として解析することが多かった。
しかしながら、この実施形態のTEMのように大きな鏡塔d2を有する機器Dの場合は、その鏡塔d2の水平方向の振動による影響、即ち機器D自体の弾性変形による振動モードについても考慮する必要があるので、図3のように機器D及び除振台Aをまとめて2つの質量部からなる2自由度の振動系とし、これにAMD3を加えて3自由度の振動系モデルを構築したものである。
詳しくは図示のモデルにおいて基礎側の第1質量部m0は、除振台Aの定盤1(錘9を含む)と機器Dの筐体d1や鏡塔d2の下側の部分とに対応し、これを基礎に対し支持する第1ばね要素k0と減衰c0とが、除振台Aの空気ばね2,2,…に対応している。また、AMD3の取り付けられる鏡塔d1の上側部分は、図示のモデルにおいて第1質量部m0に対し第2ばね要素k1と減衰c1とによって支持された第2質量部m1としてモデル化されている。
それら第1及び第2質量部m0,m1はそれぞれ機器Dの一部分を含み、また、第2ばね要素k1や減衰c1は機器D自体の剛性や減衰特性を表すものなので、実験によって同定することになる。例えば第1、第2質量部m0,m1については公知の質量感応法によって、即ち機器Dや定盤1に錘を載せて質量を変更しながら、それぞれ加振したときの振動特性をFFTアナライザにより計測し、質量の変更による固有振動数の変化に基づいて、第1、第2質量部m0,m1の等価質量を求めることができる。
一方、AMD3は、前記したようにマス部材4等からなる可動質量m2を、板ばね6,6からなるばねk2及び減衰c2を介して第2質量部m1に連繋したものとしてモデル化できる。可動質量m2、ばね常数k2及び減衰係数c2はいずれも測定可能である。また、第2質量部m1に対して制御力faを作用させるアクチュエータ(Act)は、リニアモータ5に対応している。
尚、同図においてx、x0、x1、x2は、それぞれ基礎、第1及び第2質量部m0,m1、並びに可動質量m2の変位を示す。同図では便宜上、上下方向の変位として示しているが、これは水平方向であってもよいことは勿論である。また、f1、f2はそれぞれ第2質量部m1及び可動質量m2に作用する外力を示している。
そうして構築した3自由度の振動モデルを用いてシミュレーションを行い、基礎から第1質量部m0を経て第2質量部m1に至る振動の伝達特性を調べて、この第2質量部m1の振動を抑制するAMD3の効果について検証した。すなわち、まず、図示のモデルの運動方程式は、以下の行列式(E)によって表され、これを第1、第2質量部m0,m1及び可動質量m2のそれぞれについて整理すると、式(1)〜(3)が得られる。また、アクチュエータの発生する力については式(4)のように表される。
Figure 0005276548
Figure 0005276548
そして、前記の式(1)をラプラス変換すると、以下のように式(1')が得られる。
Figure 0005276548
また、式(2)をラプラス変換してまとめると、以下のように式(2')が得られる。
Figure 0005276548
さらに、式(3)をラプラス変換してまとめると、以下のように式(3')が得られる。また、前記の式(4)から式(4')となる。
Figure 0005276548
Figure 0005276548
前記の式(2')(3')から以下のように式(5)が得られる。
Figure 0005276548
そして、式(4')を代入して整理すると、以下のようにX1/X0を求める式(6)が得られる。ここで、Gm、Gc、Gk は、それぞれアクチュエータ(リニアモータ5)のフィードバック制御における加速度、速度及び変位のフィードバック・ゲインを表している。
Figure 0005276548
また、前記式(6)を整理して式(1')に代入すれば、以下のようにX1/Xを求める式(7)が得られ、この式(7)で式(6)を除算すれば、X0/Xを求めることができる(式(8))。
Figure 0005276548
Figure 0005276548
こうして、基礎から第1質量部m0までの振動伝達特性(X0/X)、その第1質量部m0から第2質量部m1までの振動伝達特性(X1/X0)、そして、基礎から第2質量部m1までの振動伝達特性(X1/X)について、それぞれ前記の式(6)〜(8)が得られ、例えばMATLAB(米国The MathWorks, Inc.の登録商標)を用いてシミュレーション演算を行ったところ、以下の図4(a)、5(a)に示すようなグラフが得られた。
図4はAMDを作動させていない状態の振動伝達特性であり、図5は作動させた状態である。また、各図の(b)は各々図1のような防振装置によって実測した結果のグラフであり、シミュレーション結果と良く一致していることが分かる。また、図4のグラフからは第2質量部m1の共振(40Hzくらい)が第1質量部m0へダイナミックダンパとしての影響を与えていることが分かる。
一方、図5(b)のグラフでは20Hz付近で振動伝達率の増加が見られるが、これは、AMDのばねマス系の共振を補償するフィルタの影響であり、シミュレーション結果を表す同図(a)には、そのような振動伝達率の増加は見られない。この例ではシミュレーションには前記のフィルタの伝達関数を加えていないからであるが、一方で、16Hz付近にはノッチ(振動伝達率の急激な低下)が現れている。
そうして実験結果との一致を確認した上で、第1及び第2質量部の質量比m0/m1を変更してシミュレーションを行ったところ、図6(a)〜(d)に示すように質量比m0/m1によって振動伝達特性の変化することが分かった。すなわち、同図(a)から(d)まで徐々に質量比を大きくしてゆくと、AMDの非作動時に共振の起きる周波数が低周波側に移動するとともに、この共振点における振動伝達のピークがAMDの作動によって低下する度合い、即ちAMDの作動による減衰効果が徐々に高くなってゆく。
そこで、そのAMDの減衰効果が最も現れている共振ピークの低下幅(同図(a)にのみαとして示す)と、第1及び第2質量部の質量比m0/m1との対応関係を見ると、図7のグラフのようになる。このグラフから質量比m0/m1が大きくなるに連れてAMDの減衰効果は高くなるものの、その効果の高まる程度は質量比m0/m1が1を越えた辺りから鈍化を始め、その後、質量比が3になる辺りまで加速度的に鈍化し、質量比が4を越えると殆ど飽和することが分かる。
このことから、AMDの効果を十分に発揮させるためには質量比m0/m1を少なくとも1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2くらいまで大きくすべきであり、このためには第1質量部m0を重くするか乃至は第2質量部m1を軽くするかの2つの手法が考えられる。しかし、一般的にTEM等の精密機器はその性能の向上に伴い大型化する傾向にあり、第2質量部m1の軽量化は容易なことではない。
そこで、この実施形態では除振台Aの定盤1に錘9を取り付けて、第1質量部m0の質量を増大させるようにしているが、そのために定盤1が無闇に重くなるは好ましいことではない。前記シミュレーションの結果(図7のグラフを参照)を参照すると、第1質量部m0の質量は第2質量部m1の3倍くらいにすれば十分であり、それ以上、大きくするとしても4倍以下とするのが好ましいと言える。
したがってこの実施形態に係る除振台Aでは、機器Dの載置される定盤1の下部に錘9を取り付けて、図3のモデルにおける第1質量部m0の質量を増大させ、この第1質量部m0の第2質量部m1に対する質量比m0/m1を1.5〜3.0くらいに設定したことで、除振台Aの重量を徒に大きくすることなく、AMD3の効果を十分に発揮させることができる。
また、この実施形態では除振台Aの定盤1の下部に錘9を取り付けて、その質量を増大させるようにしており、その錘9の個数によって質量比m0/m1を容易に且つ正確に調整することができるから、搭載する機器Dが種々、変化する汎用の除振台にも適用可能である。
但し、そうして錘9を取り付けるものには限定されず、本発明は、例えば定盤1自体の重さを適値に設計することによって質量比を調節するもの、即ち定盤1が質量比調整部材を兼ねるものとすることも可能である。また、錘9は定盤1以外に取り付けるようにしてもよい。
さらに、AMD3を取り付ける機器DはTEMでなくてもよいのは勿論であり、これを空気ばね式の除振台A上に載置することにも限定されない。一方で空気ばね式の除振台Aを用いるのであれば、空気ばね2,2,…をアクチュエータとして利用し、機器Dにその振動を減殺するような制御力を付加するようにしてもよい。
本発明は、対象物である機器等が徒に大きく、重くならない範囲でアクティブ・マスダンパの効果を十分に高めることができるので、産業上の利用可能性は高い。
A 除振台(架台)
1 定盤(架台の一部)
2 空気ばね
3 AMD
4 マス部材(可動質量)
5 リニアモータ(アクチュエータ)
9 錘(質量比調整部材)
D 機器
m0 第1質量部
m1 第2質量部
k0 第1ばね要素
k1 第2ばね要素

Claims (3)

  1. 対象物に移動可能に可動質量を取り付けるとともに、これをアクチュエータにより駆動して、その反力が前記対象物に振動を減殺する制御力として付加されるようにする、アクティブ防振方法であって、
    前記対象物を、基礎に対し第1ばね要素を介して支持された第1質量部と、この第1質量部に対し第2ばね要素を介して支持されるとともに、前記可動質量の取り付けられる第2質量部と、によってモデル化し、
    前記第1質量部の第2質量部に対する質量比を1.5〜3.0の範囲に設定する、ことを特徴とするアクティブ防振方法。
  2. 対象物に移動可能に可動質量を取り付けるとともに、これをアクチュエータにより駆動して、その反力が前記対象物に振動を減殺する制御力として付加されるようにしたアクティブ防振装置であって、
    前記対象物を、基礎に対し第1ばね要素を介して支持された第1質量部と、この第1質量部に対し第2ばね要素を介して支持されるとともに、前記可動質量の取り付けられる第2質量部と、によってモデル化したとき、その第1質量部の第2質量部に対する質量比が1.5〜3.0の範囲になるように、前記対象物に質量比調整部材が取り付けられている、ことを特徴とするアクティブ防振装置。
  3. 前記対象物には、機器とこれが載置される架台の少なくとも一部とが含まれ、
    前記第2質量部が前記機器の少なくとも一部を含み、
    前記第1質量部は、前記架台の少なくとも一部を含み、この架台側に前記質量比調整部材として錘が取り付けられている、請求項2に記載のアクティブ防振装置。
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