JP4871192B2 - アクティブ除振装置及びそれに用いられる制振ユニット - Google Patents

アクティブ除振装置及びそれに用いられる制振ユニット Download PDF

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Description

本発明は、例えば電子顕微鏡のような精密機器に対する振動の影響を軽減するための除振装置等に関し、特に、それらの機器に振動を減殺するような制御力を付加するようにしたアクティブタイプのものに係る。
従来より、この種のアクティブ除振装置としては、例えば特許文献1に開示されるように、除振対象物(荷)を基礎に対して空気ばねにより支持するとともに、その除振対象物の振動状態をセンサにより検出し、この検出信号をフィードバックしてコントローラによりアクチュエータを駆動することで、当該除振対象物にその振動を減殺するような振動的な制御力を付加するようにしたものが知られている。
このものではアクチュエータとして空気ばね自体を利用するようにしており、その空気ばねに対する空気の給排系にサーボ弁を配設し、これをコントローラにより制御して空気ばねの内圧を変化させることにより、除振対象物に制御力を付加するようにしている。
そうして空気ばねをアクチュエータとして利用した場合は、大きな出力を比較的容易に得られるという利点がある一方で、空気ばねの内圧の制御には応答性という面で難があり、高い応答性を得ようとすれば特別に高速の制御弁等、高価な部品が必要になって、コストアップを招くという問題がある。
この点につき特許文献2に記載の防振台では、脚部に設けた空気ばねと架台との間に、電磁石を備えた制振機構を介挿して、これにより制御力を発生させるようにしている。この制振機構は、中空状の支持体の内部にドーナツ状の板ばねを介して可動質量を弾性支持し、その上方に配設した電磁石によって該可動質量を動かすときの反力によって、入力振動を相殺するようにしている。
ところで、前記のような制振機構において可動質量の重量を全て板ばねで支えようとすると、その剛性(ばね定数)をかなり高くせざるを得ず、この板ばねと可動質量とによって構成される付加振動系の固有振動数が高くなり、除振性能に悪い影響を及ぼす虞れがある。そこで、前記文献に記載のものでは、可動質量の上方に位置する電磁石により吸引力を発生させて、可動質量の重量の一部を支えるようにしている。
特許第3372975号公報 特開平2−245539号公報
ところが、前記文献に記載の制振機構では、可動質量をドーナツ状の板ばね1枚のみによって支持体に連結しているため、その可動質量が上下方向に移動するのみならず、前後左右に揺動して、水平方向に余計な振動を生じる虞れがある。このことは、精密機器を搭載する除振装置においては甚だ好ましくない。
また、アクチュエータにより可動質量を駆動する際に、前記のように可動質量が揺動することに起因して、上下方向の駆動反力が変動することがあり、こうなると除振対象物に狙い通り適切な制御力を付加することができない。
斯かる点に鑑みて本発明の主な目的は、前記のような制振機構における可動質量の支持構造に工夫を凝らし、その揺動を抑えて余計な振動を生じないようにするとともに、駆動反力の大きさを正確に制御できるようにして、除振性能を向上させることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、可動質量の移動方向両側にそれぞれ延びるように軸部を設け、その両端部を各々軸心方向には容易に移動する一方、軸心に直交する方向には殆ど移動しないようにして除振或いは制振対象物に連結したものである。
具体的に請求項1の発明は、基礎に対して弾性支持した除振対象物に制振機構を取り付けて、所定方向の振動を減殺するような制御力を付加するようにしたアクティブ除振装置を対象として、前記制振機構には、可動質量と、前記除振対象物に取り付けられて前記可動質量を前記所定方向に駆動し、その反力を当該除振対象物に作用させるアクチュエータと、を備える。
そして、前記可動質量における前記所定方向の両側からそれぞれ延びる軸部を設けて、この軸部の両端部を各々、軸心方向の移動を許容し且つ軸心に直交する方向の移動を規制するような連結部材によって、前記除振対象物に連結するとともに、前記連結部材を、内周縁部が前記軸部の外周面に連結された環状の板バネにより成すようにした
前記の構成により、制振機構から除振対象物に制御力を付加し、その所定方向の振動を減殺するときには、例えばセンサにより除振対象物の所定方向の振動状態を検出し、このセンサからの信号に応じてアクチュエータを作動させて、可動質量を前記所定方向に駆動することで、その駆動反力(制御力)を除振対象物に作用させることができる。
そうして所定方向に駆動される可動質量が、その方向に延びる軸部の両端部において、即ち駆動される方向に或る程度以上、離れた2箇所において各々除振対象物に連結されており、しかも、各連結箇所において軸心に直交する方向への移動が規制されているので、可動質量は殆ど揺動せず、軸心の方向にのみ駆動されるようになる。よって、その駆動の反力として狙い通りの制御力を除振対象物に付加することができるとともに、可動質量の揺動による余計な振動の発生を抑制できる。
前記のような連結部材としては例えば板ばねを利用することができ、特に金属製のものを用いれば樹脂等に比べて内部損失が小さいため、可動質量の駆動制御における応答性を高くする上で有利である。しかも金属製の板ばねは低コストで製造でき、特性のばらつきも比較的少ない。
但し、そうして可動質量の軸部を板ばねを介して連結するようにした場合、その可動質量の移動方向が例えば上下方向であって、その重量を板ばねによって支えなくてはならないとすれば、その剛性(ばね定数)をかなり高くせざるを得ず、この板ばねと可動質量とによって構成される振動系(除振対象物に対する付加振動系)の固有振動数が相対的に高くなってしまう。このことは除振性能に悪い影響を及ぼす虞れがある。
そこで、好ましいのは、板ばね等の連結部材とは別に、可動質量の重量を支えるためのコイルばねを備えることである(請求項)。コイルばねは、一般的にばね定数を小さくしても、その分、自由長を長くすれば十分なばね力が得られるので、これにより可動質量の重量を支えるようにすれば、固有振動数は低く設定することができる。
尚、上述した従来例(特許文献2)には、電磁石の吸引力で可動質量の重量を支えることが記載されているが、こうすると徒に電力消費が嵩み、発熱による問題を生じる虞れもある上に、装置の停止時等には電磁石が吸引力を発生せず、可動質量の重量が全て板ばねに負荷されることになるので、その耐久性を考慮すれば、板ばねをあまり柔らかなものとすることはできない。
前記のようにコイルばねによって可動質量の重量を支えるようにする場合、そのコイルばねは、軸心が可動質量の移動方向に沿うように配置されることになるが、その場合に好ましいのは、コイルばねを可動質量の軸部を周回するように配置することである(請求項)。こうすれば、可動質量の揺動を抑えるために、板ばね等による軸部の連結箇所同士を或る程度以上、大きく離したときでも、その間にコイルばねが収まることになり、スペースの有効活用によって制振機構の大型化を抑制できる。
ところで、そうして可動質量を駆動する反力によって除振対象物の振動を減殺するような制御力を得るためには、その除振対象物に少なくとも所定方向の振動状態を検出するように加速度センサ、変位センサ等の振動センサを配設し、この振動センサからの信号を受けてコントローラによりアクチュエータの作動を制御して、可動質量を所定方向に駆動するようにすればよい(請求項)。
その場合に、制振機構における可動質量の移動方向の位置を検出するための位置センサも設け、この位置センサからの信号を受けるコントローラにより、可動質量の位置を加味して、アクチュエータの作動を制御するようにしてもよい(請求項)。例えば可動質量を中立位置からの変位量に応じて駆動するようにすれば、それにより付加振動系の見かけのばね定数を調整して、固有振動数を低下させることができる。また、可動質量の速度に応じて駆動力を調整するようにすれば、減衰の大きさを調整することができる。
さらに、除振装置の設置されている基礎側にも振動センサを配置し、この振動センサからの信号をコントローラに入力して、これによりアクチュエータの作動を制御するようにしてもよい。こうすれば、除振対象物に基礎側から伝達される振動を減殺するような制御力を付加する、いわゆるフィードフォワード除振制御を実現できる。
前記のような制振機構は、それを一体的に除振装置に組み込むこともできるが、除振装置とは別体の制振ユニットとして設け、それを対象物に共振が生じる箇所乃至その近傍に取り付けるようにしてもよい。
すなわち、請求項の発明は、制振対象物に取り付けて所定方向の振動を減殺するような制御力を付加するための制振ユニットであって、前記制振対象物に取り付けられるケースと、可動質量と、前記ケースに固定され、前記可動質量を前記所定方向に駆動して、その反力をケースを介して前記制振対象物に作用させるアクチュエータと、を備えるものである。
そして、前記可動質量には前記所定方向の両側にそれぞれ延びる軸部が設けられ、この軸部の両端部が各々、軸心方向の移動を許容し且つ軸心に直交する方向の移動を規制するような連結部材によって、前記ケースに連結され、前記連結部材は、内周縁部が前記軸部の外周面に連結された環状の板バネからなるものとする。
前記構成の制振ユニットを、例えば空気バネ式の除振台のような所謂パッシブタイプの除振装置の除振対象物(制振対象物)に取り付ければ、簡易的にアクティブタイプの除振装置を構成することができ、上述した請求項1の発明の作用が容易に得られる。また、精密機器の局所的な振動がその機器の性能に影響を与える場合に、その振動の影響を受けやすい部位や特に振幅の大きい部位に前記の制振ユニットを取り付ければ、簡単に機器の性能を向上させることができる。
前記制振ユニットにおいて可動質量の重量を支えるように、ケースにコイルばねを配設すれば、前記した請求項3の発明と同じ作用が得られるし、そのケースに振動センサを配設しておいて、これにより対象物の振動状態を検出するようにすれば、別途、振動センサを配設する必要もないので、より好ましい(請求項)。
以上、説明したように、本発明に係るアクティブ除振装置によると、除振対象物の所定方向の振動を減殺するような制御力が可動質量の駆動反力として得られるように構成されたものにおいて、その可動質量を環状の板バネにより駆動方向のみに移動するように支持することによって、狙い通りの制御力が得られるとともに、可動質量の揺動による余計な振動が実質、生じなくなって、精密除振台にも適用し得る高い除振性能を実現できる。
また、上下方向の振動を減殺する場合を考慮して、可動質量の重量を支えるコイルばねを設ければ、除振対象物に対し付加振動系となる制振機構の固有振動数を低く設定することができ、除振性能を高める上で有利になる。
さらに、前記の制振機構を除振対象物とは別体の制振ユニットとして構成すれば、このユニットを取り付けるだけで、所謂パッシブタイプの除振装置に簡易的にアクティブ除振機能を付加することができる。特に、対象物に共振が生じる箇所乃至その近傍に制振ユニットを取り付ければ、効果が高い。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1には、本発明に係るアクティブ除振装置の一実施形態である精密除振台Aの構成を模式的に示す。この除振台Aは、例えば半導体関連の製造装置、試験機器や電子顕微鏡、レーザ顕微鏡等の精密計測機器のように、振動の影響を受けやすい精密な機器Dを搭載して、それらを床の振動からできるだけ絶縁した状態で設置するためのものである。
図示の除振台Aは、前記のような機器Dの搭載される定盤1を通常は3個(4個以上でもよい)の空気ばね2,2,…(図には2つのみ示す)によって弾性的に支持するものであり、その定盤1及び搭載機器Dが除振対象物となる。また、図示の除振台A自体は所謂パッシブタイプのもので、図示は省略するが、各空気ばね2には高圧空気を供給又は排気するための空気圧回路が接続されて、レベリングバルブ等の作動により定盤1の高さを概略一定に維持するようになっている。
この実施形態では、機器Dの上部に制振ユニットUを取り付けて、これにより付加する制御力によって機器Dの上下方向の振動を減殺するようにしており、この制御ユニットUを含めた精密除振台A全体としては簡易的なアクティブタイプの除振装置を構成する。制振ユニットUは一般にアクティブマスダンパーと呼ばれるもので、機器Dに固定したケース3内の可動質量4をリニアモータ5により駆動し、その反力をケース3を介して機器Dに付加するものである。尚、図には制振ユニットUを実際よりも大きく示している。
(制振ユニット)
前記制振ユニットUについて詳しくは、まず、そのケース3が全体として図の上下方向に長い円筒状とされ、その下端に例えば矩形状の基板30が配設されて、4隅を機器Dの上部に締結されている。一方、ケース3の上端は円板状の上蓋31によって閉塞されており、それらの中間で周壁部分を構成するケース3の本体は、その概略下半部を構成する下半部材32と、残りの上半部のうちの上部を構成する上端部材33と、それらの中間の中間部材34とに3分割されている。
また、ケース3の内部は、図では下側から順に第1〜第3の3つの区画壁35〜37によって中心軸線Zの方向に4つの空間s1〜s4に区分けされている。第1区画壁35は、下半部材32における上下の略中央部に位置し、その下方の基板30との間に第1区分空間s1を区画する。第2、第3の区画壁36,37は、下半部材32及び中間部材34の境界部を挟んでその下方及び上方に離れており、第2区画壁36が下方の第1区画壁35との間に第2区分空間s2を、また、上方の第3区画壁37との間には第3区分空間s3を、それぞれ区画している。さらに、第3区画壁37は上方の上蓋31との間に第4区分空間s4を区画している。
前記第1区分空間s1には加速度センサ6が収容されており、図の例では基板30に固定されて機器Dの上下方向の振動による加速度を検出するようになっている。また、第2区分空間s2にはリニアモータ5が収容されている。このリニアモータ5のケースは第2区隔壁36の下部に固設されており、該第2区隔壁36に形成された貫通穴に下方から挿通されたロッドが、ケース3の中心軸線Zに沿って第2区画壁36よりも上方の第3区分空間s3に突出している。
そうしてリニアモータ5のロッドが突出する第3区分空間s3には、金属製の板ばね7が配設されている。この板ばね7は、一例を図2に示すように円盤状をなし、中心部及び外周部の所定範囲を除いた径方向の中間部位に複数の貫通溝7a,7a,…が形成されている。この貫通溝7a,7a,…は、同じ円周上に互いに対向して配置された概略半円周状の2つの貫通溝7a,7aが対をなし、それらが内周側から外周側に向かって周方向に1/4周ずつずれながら、図の例では5対、並設されている。
また、前記板ばね7の外周部には、ケース3の下半部材32と中間部材34とを連結するボルト等(図示せず)の挿入孔7b,7b,…が周方向に略等間隔を空けて形成されており、この外周部が前記下半部材32の上端面と中間部材34の下端面との間に挟持されて、ケース3に連結される。一方、板ばね7の中心部には円形断面の中心孔7cが形成されており、以下に述べる可動質量4の軸部材41の下端部が嵌挿されるとともに、この軸端がリニアモータ5のロッドの上端に連結されて、これらの両端間に板ばね7の中心孔7cの周縁部が挟持されるようになっている。
前記第3区画壁37よりも上方の第4区分空間には、略円筒状の本体部40とそれを貫通する軸部材41とを有する可動質量4が収容されている。この可動質量4の本体部40の下面から軸部材41が下方に長く延びて、第3区隔壁37の貫通穴に上方から挿通され、その下方の第3区分空間s3に突出している。この軸部材41の下端部は、前記したように板ばね7の中心孔7cに嵌挿されるとともに、リニアモータ5のロッドの上端と連結されている。換言すれば、可動質量4の軸部材41の下端部は板ばね7によって、ケース3に連結されている。
一方、前記軸部材41は、可動質量4の本体部40の上面から上方にも延びていて、その上端部が前記と同一の板ばね7によってケース3に連結されている。すなわち、軸部材41の上端部が板ばね7の中心孔7cに嵌挿されて連結される一方、板ばね7の外周部は、ケース3の上端部材33の下端面と中間部材34の上端面との間に挟持されている。
こうして可動質量4は、ケース3の中心軸線Zの方向に延びる軸部材41の両端部が各々、その軸線Z(軸部材41の軸心と合致)方向の移動を許容し且つ軸線Zに直交する方向の移動を規制する板ばね7,7(連結部材)によって、ケース3に連結されており、その移動方向である軸線Z方向に離れた2箇所において、それぞれ軸線Zに直交する方向への移動が規制されている。よって、可動質量4は、軸線Zの方向(図の上下方向)には比較的容易に移動するが、前後左右に揺動することは殆どない。
そうして上下方向にのみ移動可能な可動質量4の重量を支えるように、前記第4区分空間s4にはコイルばね8が配設されている。すなわち、可動質量4の軸部材41は、上方に比べて下方に長く延びていて、それを周回するようにコイルばね8が可動質量本体部40の下方にて軸部材41の軸心と略同軸に配置されている。コイルばね8の上端は可動質量本体部40の下部に固定される一方、下端は、第3区隔壁37上に配設された台座38に嵌め込まれている。コイルばね8が撓んで可動質量4の重量を支える中立位置では、板ばね7,7はいずれも略平坦な、即ち、上方にも下方にも殆ど撓んでいない状態に保たれている。
そのようにコイルばね8によって可動質量4の重量を支えるのは、除振対象である機器Dに対し付加振動系となる制振ユニットUの固有振動数が高くならないようにするためである。すなわち、図示の如く可動質量4が上下方向に移動するように制振ユニットUを配置した場合、リニアモータ5の駆動力が作用しない状態では可動質量4の重量がそのまま板ばね7,7に加わることになり、この重量を全て板ばね7,7,によって支えようとすれば、その剛性(ばね定数)を高くせざるを得ない。
そうすると、可動質量4と板ばね7,7とによって構成される振動系(機器Dに対する付加振動系)の固有振動数が高くなってしまい、機器D及び定盤1と空気ばね2,2,…とによって構成される除振台Aの主振動系の固有振動数に近づくことから、制振ユニットUの作動、即ちリニアモータ5による可動質量4の駆動によって機器Dの振動を効果的に抑えることが難しくなる。
また、そうして板ばね7,7の剛性が高くなると、それを変形させるのにリニアモータ5の推力が消費されてしまい、可動質量4の駆動によって得られる反力が安定しなくなる虞れもある。
この点、コイルばねは、そのばね定数が低くても、自由長を長くして撓み量を大きくすれば、大きな荷重を支えることができるので、前記のように可動質量4の重量を支えるコイルばね8を配設すれば、そのコイルばね8と板ばね7,7とを合わせた付加振動系のばね定数はあまり高くしなくても済み、固有振動数は低く設定することができるのである。
−制振ユニットの制御−
前記の如く構成された制振ユニットUの作動、即ちリニアモータ5による可動質量4の駆動制御は、制振ユニットUとは別体のコントローラ10によって行われる。すなわち、図3に一例を示すように、コントローラ10は、加速度センサ6からの信号(上下方向の加速度z″)を入力し、これを2回積分して得られる変位zに対しゲインB1を乗算するとともに、加速度z″を1回積分した速度z′にゲインB2を乗算し、また、加速度z″に制御ゲインB3を乗算した上で、それらを合算して求めた制御信号を増幅して、リニアモータ5へ出力する。
前記の制御においては速度z′のフィードバックが基本であり、これは制振ユニットUによって主振動系に減衰を付加するという意味を持つ。制振ユニットUを付加することによって除振台Aは2自由度の振動系になるが、速度z′のフィードバック制御によって減衰が加わり、共振倍率が低下するので、図4に実線のグラフaで示すように主振動系の共振を抑えることができる。但し可動質量4の共振は残る。尚、図に仮想線のグラフbで示すのは、制振ユニットUを付加しない所謂パッシブの状態である。
また、前記加速度z″のフィードバックを加えれば、図に破線のグラフcで示すように共振点よりも高い周波数域で除振性能が向上し、さらに、この実施形態のように制振ユニットUの可動質量系のばね定数、即ち主振動系に対する付加振動系のばね定数を小さくすれば、図に一点鎖線のグラフdで示すように共振を実質、なくすことができる。尚、変位zのフィードバックによると共振点よりも低い周波数域でも除振性能が向上するが、図示はしていない。
したがって、この実施形態に係る精密除振台Aによると、まず、定盤1に搭載した機器Dの振動(上下方向の加速度z″)が制振ユニットUの加速度センサ6により検出されて、この加速度センサ6からの信号を受けたコントローラ10により、加速度z″、速度z′及び変位zに基づいてリニアモータ5への制御出力が決定される(図3参照)。
そして、コントローラ10からの制御信号を受けたリニアモータ5の作動により可動質量4が上下方向に駆動され、その反力がリニアモータ5及びケース3を介して機器Dに付加される。この可動質量4の駆動反力は、機器Dの前記上下方向の振動を減殺する制御力であり、このような制御力が付加される結果、機器Dの振動が効果的に抑制されて、除振性能が向上する。
その際、上下に駆動される可動質量4が、その駆動方向に或る程度以上、離れた2箇所(軸部材41の上下両端部)において各々、板ばね7,7,によりケース3に連結されており、上下方向には適切な範囲で移動が許容されているものの、殆ど揺動はしないことから、駆動の反力として狙い通り適切な制御力を機器Dに付加することができるとともに、揺動による余計な振動の発生を実質、防止することができる。
すなわち、可動質量4が揺動すると、それだけでも駆動反力に変動を生じる虞れがあるし、さらに、軸部材41に連結されたリニアモータ5のロッドが揺動し、それに取り付けられているコイルとケース側の永久磁石との隙間の大きさが変化するとともに、場合によっては一部分で接触が起き損傷したり、制御力が著しく低下することもあるから、除振対象の機器D等に正確に且つ安定的に制御力を付加することは困難である。
これに対し、この実施形態の制振ユニットUでは、2つの板ばね7,7によって可動質量4をリニアモータ5による駆動方向にのみ移動するように保持し、それが殆ど揺動しないようにしているので、前記のような問題は生じず、機器Dに対しその振動を減殺するような制御力を正確に且つ安定的に付加することができる。よって、精密な機器Dの設置にも対応し得る高い除振性能を実現できる。
しかも、制振ユニットUには可動質量4の重量を支えるようにコイルばね8を設けて、板ばね7,7には可動質量4の重量が負荷されず、該可動質量4が中立位置にあるときには平坦な状態に保たれるようにしているので、それら板ばね7,7,及びコイルばね8によるばね定数をかなり低く設定することができ、除振性能を高める上で有利になる。
また、前記コイルばね8は、可動質量4の軸部材41を周回するように、その本体部40と板ばね7との間に配置されており、2枚の板ばね7,7を或る程度以上、大きく離したとしても、その間にコイルばね8が収まることになるので、スペースの有効活用によってユニットの大型化を抑制できる。
さらに、前記制振ユニットUには一体に加速度センサ6も配設されており、このユニットを機器Dに取り付けるだけで、所謂パッシブタイプの除振台に簡易的にアクティブタイプの除振機能を与えることができる。また、制振ユニットUを、機器Dにおいて局部的な共振が生じる箇所乃至その近傍に取り付ければ、部分的な振動を抑えることもできるし、振幅の大きい部位に取り付けることで効果的に振動を抑制することができる。特に、振動の影響を受けやすい部位に取り付ければ、効率良く機器Dの性能向上が図られる。
尚、前記の制振ユニットUには、機器Dの振動状態を検出するための加速度センサ6が備えられているが、これは制振ユニットUとは別に例えば機器Dに直接、配置することもできる。振動状態を検出するためのセンサとしては、前記加速度センサ6に限らず、例えば速度センサや変位センサを用いることもできる。
また、制振ユニットUは、必ずしも図1のように上下方向に配置する必要はなく、その長手方向、即ち制振方向を水平方向としてもよいし、斜めにすることもできる。そして、仮に水平方向にのみ使用するのであれば、可動質量4の重量を支えるコイルばね8は省略することもできる。
また、前記実施形態の制振ユニットUにおいて可動質量4の本体部40と軸部材41とを別体にせず、それらを一体に形成してもよいし、その可動質量4をケース3に連結する連結部材としては、例えば図5に示すような積層弾性体7’を用いることもできるし、磁気ベアリングやエアベアリング等を利用することも可能である。
前記の積層弾性体7’は、金属或いは樹脂製の環状部材7’a,7’a,…と環状のゴム部材7’b,7’b,…とを径方向に交互に積層したもので、可動質量4の軸部材41の軸心方向の移動を許容しながら、軸心に直交する方向の移動を規制することができる。但し、板ばね7と比較した場合、積層弾性体7’は、ゴム部材7’b,7’b,…の内部損失が大きいことから、可動質量4を駆動する際の初期抵抗が大きくなるきらいがあるし、板ばね7に比べてコスト高になりやすい。
また、磁気ベアリングやエアベアリング等を利用するのも板ばね7に比べるとコスト高になるので、斯かる点を考慮すれば、前記実施形態のように板ばね7を使用するのが好ましいといえる。
(フィードバックゲインの調整)
次に、上述の如き構成の精密除振台Aにおいて、制振ユニットUの制御ゲイン(フィードバックゲインB1〜B3)を最適値に調整する方法について説明する(尚、この方法は、本発明の出願人の既出願である特願2003−36477号に記載のものである)。一般に、フィードバックシステムの性能がゲインの値によって変化することは知られており、それを大きくするほど応答性を高くすることができるが、実際のシステムでは制御対象の無駄時間やセンサの遅れ、さらに制御回路中のフィルタの遅れやアクチュエータの遅れがあって、ゲインを大きくし過ぎると発散してしまう。
すなわち、例えば前記図3のようなフィードバックシステムにおいてゲインB1〜B3の値を大きくしながら、周波数応答を調べると、或るところで加速度センサ6の出力信号には安定な状態に比べて非常に大きな振幅を持った正弦波が加わり、持続的な発振を始めるようになる。こうして信号が発振し始めるときが、開ループ伝達関数上では位相交点のゲインが0dBを超える安定限界であり、このときのゲイン余裕を略6dBくらいに設定すれば、制御の安定性を確保しつつ十分な応答性を得られることが、経験的に知られている。
そこで、この実施形態では、以下に具体的に述べるように、コントローラ10により、加速度センサ6の信号をモニターしながらフィードバックゲインを少しずつ変更して、加速度センサ6の出力信号が発振し始めるときのゲイン(以下、臨界ゲインという)の値を特定し、これに基づいてフィードバックゲインを最適値に設定するようにしている。
−調整方法の具体例1−
以下に、コントローラ10によるフィードバックゲインの自動調整方法について、図6のフローチャートを参照して具体的に説明すると、まず、スタート後のステップSA1において、加速度センサ6の出力信号が発振しないと考えられる初期値(ゲイン下限値)を設定し、ステップSA2で所定の待ち時間を経た後に(WAIT)、ステップSA3において信号が発振しているかどうか判定する。この判定は、信号の振幅が所定の閾値を超えたかどうかで行うが、発振しても振幅が閾値を超えるまでに或る程度の時間を要する場合もあるので、前記のように待ち時間を設けている。
前記ステップSA3にて発振している(YES)と判定すれば、発振しないはずの初期値で発振していることになり、何らかの異常が発生していると考えられるから、制御を中止する一方、判定がNOであればステップSA4に進んで、予め設定してある所定のゲイン変化量を加えた新たなゲインを設定する(ゲイン増加)。そして、ステップSA5において前記ステップSA2と同じく所定の待ち時間を経た後に(WAIT)、ステップSA6において前記ステップSA3と同じくセンサ信号が発振しているかどうか判定する。
この判定がNOで、発振が起きていない間はステップSA7に進んで、現在のゲインの設定値を、必ず発振の生じると考えられる最大ゲインと比較し(設定ゲイン>最大ゲイン?)、ゲイン設定値が最大ゲインよりも大きければ(YES)異常が発生していると考えられるから、制御を中断する一方、判定がNOであればステップSA4に戻って、再びゲインを増加させた後、前記ステップSA5〜SA7の手順を繰り返す。
そうして少しずつゲインの値を大きくしながら、加速度センサ6の出力が発振しているかどうかの判定を繰り返し、遂に発振が起きれば、前記ステップSA6において発振している(YES)と判定して、ステップSA8に進む。このときのゲインが、センサ信号の発振し始める臨界ゲインであり、ステップSA8では、臨界ゲインの略50%(略40〜略60%でもよい)の値をフィードバックゲインとして設定し、ゲイン調整を終了する(END)。
そうして臨界ゲインに基づいて設定したフィードバックゲインによると、位相交点におけるゲイン余裕が概略6dBくらいになり、制御の安定性を確保しつつ十分な応答性が得られるようになる。つまり、コントローラ10において自動でフィードバックゲインを最適値に調整することができる。このことは、前記実施形態のように、ユーザーの所持する所謂パッシブタイプの除振台に制御ユニットUを取り付けて、簡易的にアクティブ除振台Aを構成する場合に特に有効である。
尚、前記の例では、センサ信号が発振しないような小さな値をゲインの初期値として設定し、臨界ゲインが特定されるまで値を少しずつ増大させるようにしているが、これに限らず、センサ信号が発振するような大きな値を初期値として設定し、その値を少しずつ減少させるようにしてもよい。
−調整方法の具体例2−
図7は、フィードバックゲイン調整方法の具体例2を示す。これは、まず、ゲインの上限値及び下限値を設定し、その中央値におけるセンサ信号の発振状況に応じて該中央値を上限値又は下限値に置き換えることにより、それらの間のゲイン範囲を半分にし、これを繰り返すことによってゲイン範囲を臨界ゲインに収束させるものである。
具体的に、図示のフローのスタート後のステップSB1,SB2では、初期設定として、センサ信号が発振することはないと考えられるゲイン値を下限値Reg1とし、また、センサ信号が必ず発振すると考えられるゲイン値を上限値Reg2として、それぞれ設定する。続くステップSB3では、前記下限値Reg1及び上限値Reg2からその中央値Reg3を求め、続くステップSB4では、前記中央値Reg3の所定の小数点以下を切り捨てる。
尚、この例では、ゲイン下限値Reg1又は上限値Reg2のいずれかがその中央値Reg3に実質、等しくなるときに、その値を臨界ゲインとするので、その計算速度及び精度は、前記ステップSB4で行うゲイン中央値Reg3の所定小数点以下を切り捨てる桁数により影響を受ける。よって、要求される計算速度および及び精度に合わせて、ゲイン中央値Reg3の小数点以下の切り捨て桁数を決定する(例えば、図の例では小数点2桁以下を切り捨てる)。
続いて、ステップSB5において、前記ステップSB4で得られたゲインの値(所定小数点以下を切り捨てた中央値Reg3)が下限値Reg1又は上限値Reg2のいずれかに等しいか、どうか判定する。この判定がNOであれば、ステップSB6に進んで、前記ステップSB4にて得られた値(切り捨て後の中央値Reg3)をフィードバックゲインに設定して、続くステップSB7において所定の待ち時間を経た後、ステップSB8にてセンサ信号が発振しているかどうか判定する。
そして、センサ信号が発振している(YES)のであればステップSB9へ進み、現在のフィードバックゲインの値Reg3を新たな上限値Reg2とする一方、センサ信号が発振していない(NO)であればステップSB10へ進み、現在のフィードバックゲインの値Reg3を新たな下限値Reg1とする。そうして下限値Reg1又は上限値Reg2を更新した後、前記ステップSB3へ戻って再び中央値Reg3を計算し、ステップSB4にて中央値Reg3の所定の小数点以下を切り捨てた後、前記ステップSB5〜SB10の手順を繰り返す。
そうしてゲインの下限値Reg1又は上限値Reg2の更新を繰り返して、図8を参照して後述するようにゲイン範囲を狭めてゆき、その下限値Reg1又は上限値Reg2のいずれかが中央値Reg3と実質、同じになれば(ステップSB5にてYES)、この中央値Reg3が臨界ゲインの値であると判断し、ステップSB11に進んで、前記具体例1のフローのステップSA8と同様に、臨界ゲインの略50%(略40〜略60%でもよい)の値をフィードバックゲインとして設定する。
前記のようにして臨界ゲインが特定される様子を図8に示す。同図において臨界ゲイン値RegCよりも右側の斜線部はセンサ信号が発振する領域であり、臨界ゲイン値RegCよりも左側は発振しない領域である。前記フローのステップSB1及びステップSB2でそれぞれ与えられた初期ゲイン下限値Reg1(0)及び初期ゲイン上限値Reg2(0)の中央値Reg3(0)は発振領域外にあるので、出力信号は発振しない。よって、前記フローのステップSB10により、ゲイン中央値Reg3(0)が新たなゲイン下限値Reg1(1)に設定される。
その新たなゲイン下限値Reg1(1)とゲイン上限値Reg2(0)との中央値Reg3(1)は、図示のように発振領域内にあるので、出力信号は発振し、そのゲイン中央値Reg3(1)は新たなゲイン上限値Reg2(1)に設定される(ステップSB9)。こうして、ゲイン下限値Reg1とゲイン上限値Reg2との間のゲイン範囲を制御サイクル毎に半分に絞って、臨界ゲイン値RegCまで収束させるようにしているので、この臨界ゲイン値RegCを前記実施例1に比べて短時間で、且つ高い精度で特定することができる。
(他の実施形態)
本発明に斯かる精密除振台Aや制振ユニットUの構成は、前記した実施形態のものに限定されず、それ以外の種々の構成も包含する。すなわち、例えば前記実施形態の精密除振台Aは、定盤1を空気ばね2,2,…により支持するようにしているが、この空気ばね2に代えて空気以外の気体を封入した気体ばねを用いることもできる。また、コイルばね等、気体ばね以外のばね要素を用いることも可能である。
また、そうして除振台を用いて設置された機器Dだけでなく、より簡易な手法で設置された機器にも前記制振ユニットUを取り付けて、その振動を抑えることができる。
また、前記実施形態の制御ユニットUでは、図3に示すように、除振対象(定盤1及び機器D)の加速度z″をフィードバックして、可動質量4の駆動制御を行うようにしているが、これに限るものではなく、例えば図9に示すように、基礎側に配設した床上加速度センサ6’からの信号に基づく除振フィードフォワード制御を付加したり、制振ユニットUに配置した位置センサ9からの信号に基づくフィードバック制御を付加したりすることもできる。
すなわち、床上加速度センサ6’からの信号に基づいて、空気ばね2を介し除振対象に伝達される振動を減殺するような制御力が発生するように、リニアモータ5によって可動質量4を駆動すれば、除振性能をより一層、高めることができる。
また、制振ユニットUのケース3に配設した位置センサ9によって可動質量4の位置を検出し、例えば中立位置からの変位量に応じて可動質量4を駆動するようにすれば、この駆動力によって制振ユニットUの振動系(主系に対する付加振動系)のばね定数を見かけ上、変えることができ、その固有振動数を最適化することも可能になる。
さらに、前記のようなフィードバック制御は、前記実施形態に例示した所謂古典制御の手法によるものに限らず、例えばLQ制御やH∞制御等、現代制御の手法によっても実現可能である。
以上、説明したように、本発明に係るアクティブ除振装置によると、制振機構によって除振対象物に正確な制御力を安定的に加えることができるので、例えば半導体関連の装置や電子顕微鏡等の精密機器を搭載する精密除振台に好適である。
精密除振台の概略構成を示す図である。 板ばねの一例を示す平面図である。 制振ユニットの制御のブロック図である。 フィードバック制御による振動伝達率の変化を示す特性図である。 連結部材の変形例である積層弾性体を示す図2相当図である。 ゲイン調整方法の具体例1を示すフローチャート図である。 同具体例2のフローチャート図である。 ゲイン範囲を絞って臨界ゲインに収束させる様子を示す説明図である。 床上加速度センサや位置センサからの信号に基づいて制御する他の制御態様に係る図3相当図である。
A 精密除振台(アクティブ除振装置)
D 機器(除振対象物、制振対象物
U 制振ユニット(制振機構)
1 定盤(除振対象物)
2 空気ばね(ばね要素)
3 制振ユニットのケース
4 可動質量
40 本体部
41 軸部材(軸部)
5 リニアモータ(アクチュエータ)
6 加速度センサ(振動センサ)
7 板ばね(連結部材)
7’ 積層弾性体(連結部材)
8 コイルばね
9 位置センサ
10 コントローラ

Claims (7)

  1. 基礎に対して弾性支持した除振対象物に制振機構を取り付けて、所定方向の振動を減殺するような制御力を付加するようにしたアクティブ除振装置であって、
    前記制振機構は、可動質量と、前記除振対象物に取り付けられて、前記可動質量を前記所定方向に駆動し、その反力を当該除振対象物に作用させるアクチュエータと、を備え、
    前記可動質量には前記所定方向の両側にそれぞれ延びる軸部が取り付けられ、この軸部の両端部が各々、軸心方向の移動を許容し且つ軸心に直交する方向の移動を規制する連結部材によって、前記除振対象物に連結され
    前記連結部材は、内周縁部が前記軸部の外周面に連結された環状の板バネからなることを特徴とするアクティブ除振装置。
  2. 制振機構は、可動質量の重量を支えるためのコイルばねを備えている、請求項1に記載のアクティブ除振装置。
  3. コイルばねは、可動質量の軸部を周回するように配置されている、請求項に記載のアクティブ除振装置。
  4. 除振対象物にはその振動状態を検出するための振動センサが配設されており、
    前記振動センサからの信号を受けて、制振機構のアクチュエータの作動を制御するコントローラを備える、請求項1〜のいずれか1つに記載のアクティブ除振装置。
  5. 制振機構には、可動質量の移動方向における位置を検出するための位置センサが配設され、
    コントローラは、前記位置センサからの信号を受けて、前記可動質量の位置を加味してアクチュエータの作動を制御するように構成されている、請求項に記載のアクティブ除振装置。
  6. 制振対象物に取り付けて、所定方向の振動を減殺するような制御力を付加するための制振ユニットであって、
    前記制振対象物に取り付けられるケースと、
    可動質量と、
    前記ケースに固定され、前記可動質量を前記所定方向に駆動して、その反力を当該ケースを介して前記制振対象物に作用させるアクチュエータと、を備え、
    前記可動質量には前記所定方向の両側にそれぞれ延びる軸部が設けられ、この軸部の両端部が各々、軸心方向の移動を許容し且つ軸心に直交する方向の移動を規制する連結部材によって、前記ケースに連結され
    前記連結部材は、内周縁部が前記軸部の外周面に連結された環状の板バネからなることを特徴とする制振ユニット。
  7. ケースには、可動質量の重量を支えるようにコイルばねが配設されるとともに、振対象物の振動状態を検出するための振動センサが配設され、
    前記振動センサからの信号を受けて、アクチュエータの作動を制御するコントローラを備えている、請求項に記載の制振ユニット。
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