JP3726207B2 - アクティブ除振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は精密機器を床振動に対して振動的に絶縁するアクティブ除振装置に係わり、特に機器自体が持つ振動源による機器本体の振動を制振するのに好適なアクティブ除振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビーム描画装置や縮小投影露光装置等の半導体製造装置や電子顕微鏡のような精密機器では、装置の高精度化もしくは振動環境の悪い場所への設置拡大等のために、床面の振動がますます精密機器の精度に影響するようになり、それら装置の精度維持のため、精密機器をアクティブ除振装置上に設置するようになってきた。アクティブ除振装置の従来技術としては、例えば、特開平5ー149379号公報に記載されているように、精密機器が搭載される搭載台を水平方向及び上下方向に駆動するアクチュエータを配置して、該搭載台の振動を検出する振動検出器により基板の振動状態をコントローラにフィードバックして前記アクチュエータを制御することにより、搭載台の振動を抑制するものが知られている。
【0003】
例えば、アクティブ除振装置を電子ビーム描画装置に適用した場合について説明する。電子ビーム描画装置においては、基板上に設けられたチャンバ内にウエーハを任意の位置に移動させるステージが設けられており、チャンバ上に電子ビームを集光及び偏光させる電磁レンズを含む鏡筒が設けられ、鏡筒の最上部には電子ビームを発射する電子銃が設けられる。従って、このような構造の機器では重心が高くなるだけでなく、鏡筒を支持するチャンバの上面の面外変形によるばね作用と鏡筒の質量により振動系が形成されるため、100Hz以上の振動モードが存在する。この振動系はステージがウエーハを移動させる際にステージの移動に伴なって加振され、電子銃が設けられている鏡筒の上部が最も大きな振幅で振動して、ステージ上のウエーハとの間に水平方向の相対変位が生じるため、従来、ステージの移動速度に制限が設けられ、スループットの向上が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、搭載台に搭載される機器が剛体とみなされる場合には、除振効果及び制振効果が得られる。しかしながら、電子ビーム描画装置、縮小投影露光装置等の精密機器では、機器内部にウェーハーを移動させるのに用いるX―Yステージ等の振動源を持っており、機器本体は一般に数百Hzに固有振動数を持っているのに対して、従来技術では床振動の振動数成分(1〜50Hz程度)を能動的に(アクティブに)除振することを主要な目的としているため、搭載機器の振動特性を誤差要因として扱い、搭載機器の固有振動数を励振しないように、高振動数帯域の制御ゲインを落としていることから、搭載機器内部の加振源により搭載機器本体が直接加振されると大きな制振効果が得られない。このような状態では、電子ビーム描画装置や縮小投影露光装置等の半導体製造装置や電子顕微鏡のような精密機器では、描画の対象や縮小投影の対象物と電子ビームを発射する電子銃との相対変位が生じ、加工精度の低下、あるいは顕微鏡視野の揺らぎが避けられない。
【0005】
従って、今後、精密機器の精度向上及びスループットの向上のためには、機器内部の加振力に対して機器本体の振動を抑制する制振技術が重要になってくる。
【0006】
本発明の目的は、床振動に対する除振効果だけでなく、機器内部にある加振源に対して機器本体の上下位置における振動による相対変位を抑制する効果の高いアクティブ除振装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明が対象とするのは、アクティブ除振マウントを備えた搭載台(以下、基板という)とこの基板に搭載設置された機器からなり、この機器が加振源となる可動部を内装している系である。このような系において、上記課題を達成するために、制御系としては、パッシブ除振部材である弾性体とこれに並列に設けられるアクチュエータを含んで構成されるアクティブ除振マウントと、これによって支持される基板からなる振動モデルだけでなく、前記基板に搭載された機器本体の振動モデルをも制御の対象とする。そして基板だけではなく、基板上に搭載される搭載機器の例えばその最上部等にも、振動を検出するセンサを設け、機器の主要な振動モードの固有振動数をも制御範囲とする。上述した電子ビーム描画装置や縮小投影露光装置などでは、例えば、電子銃とウエーハーまたは試料間あるいはマスクとウエーハー間のように、機器の高さ方向の部材間の水平相対変位を低減することが重要であることから、基板の6自由度の絶対変位だけでなく、積極的に搭載機器の上下位置の部材間の水平方向相対変形を抑制するために、搭載機器の絶対変位、もしくは搭載機器と基板とに設けた振動検出手段(振動センサ)間の相対変位を抑制する制御を加える。このような制御により、基板に搭載された機器の上下位置の部材間の水平方向相対変位を、基板自体の振動に優先して抑制することができる。
【0008】
さらに、搭載機器の可動部の運動に起因する加振力に対しては、搭載機器に発生する振動を効果的に抑制するために、搭載機器に振動抑制用のアクティブマスダンパを装着し、除振コントローラを、前項に記載した制御に加え、前記基板の振動を検出する振動センサの出力と、搭載機器の振動を検出する振動センサの出力とを入力として、前記アクティブ除振マウントのアクチュエータやアクティブマスダンパのアクチュエータの動作を制御する構成とする。このように制御することにより、床振動に起因する機器、基板の振動だけでなく、機器自体に内蔵された加振源による機器振動や機器の上下位置の部材間の水平方向相対変形をも抑制することができる。
【0009】
搭載機器に設けるアクティブマスダンパは、基本的に、搭載機器に対して相対移動可能に配置されかつ当該機器にその自重を支持された錘部材とこの錘部材を搭載機器に対して相対的に振動させるアクチュエータとから構成される。例えば精密機器の上部が筒形をしている場合、その筒形部に取り付けられた円筒部材と、この円筒部材の下部外周に張り出すように環状に形成されたつば部材と、搭載機器の上部を囲うようにかつ該搭載機器に対して相対移動可能に配置され弾性体を介して前記つば部材に重量を支持されたリング形状の錘部材と、前記円筒部材とリング状の錘部材との間に放射状に配置されて前記錘部材を円筒部材に対して相対移動させる複数本の水平方向アクチュエータと、を含んで構成される。この水平方向用アクチュエータの前記錘部材に当接している側と反対の側は、前記円筒部材に固定され、錘部材を移動させるときの反力はこの円筒部材を介して搭載機器本体に作用する。錘の自重によりアクチュエータにせん断力が加わるのを防止するために円筒部材の下部に設けたつば部材により弾性体を介してリング状の錘部材を支持し、さらにこの錘部材の振動状態を測定する振動センサを複数台設ける。このようなアクティブマスダンパを設け、アクティブマスダンパ設置位置の機器の振動状態を検出し、検出した振動状態を入力としてアクティブマスダンパを駆動制御することにより、床振動と機器に内蔵された加振源による機器の上下位置の部材間の水平方向相対変形を抑制できる。
【0010】
さらに、搭載機器内の可動部、例えばXYステージ等の動き及びこれによる加振力は、その大きさや方向を予め測定しておくことができるので、可動部の動作を制御する信号の情報を生かしたフィードフォワード的な制御を併用することにより、さらに効果的に機器に内蔵された加振源による機器の上下位置の部材間の水平方向相対変形を抑制できる。
【0011】
基板を支持するアクティブ除振マウントは、基本的には、互いに対向して上下に間隔をおいて配置された上板及び下板と、この上板と下板の間に軸線を上下方向にして配置されたコイルばね等の筒状弾性体と、この筒状弾性体の内部(好ましくは中央)に設けられた上下方向用アクチュエータと、上板に下方に突出して取り付けられた荷重伝達部材に対して下板に支持されて水平方向に力を作用させるように配置された水平方向アクチュエータとを含んで構成される一体型アクティブ除振マウントとする。筒状弾性体は下板上に配置された台座上に設けられ、上板を介して基板及び搭載機器等の荷重を支持する。筒状弾性体の内部に配置された上下方向用アクチュエータの下部は該アクチュエータ下端の下板面からの高さを変更できる高さ調整部材に支持されている。また、下板に支持されて設けられた水平方向用アクチュエータは、上板に固定されて下方に突出した前記荷重伝達部材に水平方向に力を加えるように構成され、水平方向の振動を制御する。
【0012】
1つのアクティブ除振マウントには少なくとも1つの水平方向用アクチュエータを設置し、互いに反対方向に力を加えるアクチュエータを備えたアクティブ除振マウントを、両アクチュエータの作用線が同一直線上にあるように組み合わせて配置する。1つのアクティブ除振マウントに、互いに反対方向に作用する一対の水平方向用アクチュエータを、上板に固定された荷重伝達部材に対して互いに反対側から当接させ、かつ作用線が同一直線上に並ぶように設置してもよい。また、1つのアクティブ除振マウントに、互いに直交する方向に作用する一対の水平方向用アクチュエータを、上板に固定された荷重伝達部材に対して互いに異なる方向から当接させ、かつ作用線が交叉するように設置してもよい。このような互いに直交する方向に作用する一対の水平方向用アクチュエータを設けたアクティブ除振マウントを用いる場合は、同様な水平方向用アクチュエータ(互いに直交する方向に作用する一対の水平方向用アクチュエータ)を備えたアクティブ除振マウントを組合せ、両者の水平方向用アクチュエータのうちのそれぞれ一方の作用線が同一直線上にあって互いに反対方向に作用するように配置する。
【0013】
これらの上下方向用と水平方向用のアクチュエータには、例えば積層型圧電アクチュエータもしくは超磁歪アクチュエータを用いる。
【0014】
また、基板及び搭載機器の重量を支持する筒状弾性体としてコイルばねやゴムのような軸方向に柔らかい部材を用いる場合には、搭載機器の重量により比較的大きく圧縮されるので、搭載機器の設置の際の作業性を考慮して、搭載重量で圧縮されるたわみ量よりも幾分小さな圧縮たわみを予め加えておけるように、下板と上板もしくは台座と上板間を締めつける棒部材もしくはワイヤ部材等の予圧縮手段を設けることが望ましい。また、筒状弾性体としてコイルばねのような金属ばねを用いる場合には、振動減衰効果がほとんど得られないのでサージング等が発生する可能性があるため、これを防止するためにコイルばねの隙間に粘弾性体を設けることが望ましい。
【0015】
また、アクティブ除振マウントの上下方向用アクチュエータ、水平方向用アクチュエータと、アクティブマスダンパの水平方向用アクチュエータを制御する除振用コントローラは、基板や搭載機器、錘部材に設置された振動センサからの入力、搭載機器に内装された可動部を駆動する機器用コントローラからの前記可動部の運動を制御する信号、すなわち前記可動部の運動に起因する加振力に関する入力のいずれかもしくは双方に基づいて、前記基板の絶対加速度あるいは絶対変位、及び搭載機器の上下の部材間または搭載機器の部材と基板との相対加速度あるいは相対変位を低減させるように構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
まず、本発明の第1の実施の形態を図1、図2、図3、図4、図5及び図6により説明する。図5は電子ビーム描画装置に本発明のアクティブ除振マウント3を適用した実施の形態の例である。図5に示す実施の形態の電子ビーム描画装置は、床1上に設置された四角形の平板である架台2と、この架台2の四つの隅それぞれの上に1台づつ固定設置されたアクティブ除振マウント3と、この4台のアクティブ除振マウント3上に搭載、固定された四角形の基板4と、基板4の上面中央に設けられてウエーハを移動させるステージ7と、ステージ7を囲うように基板4上に設けられた箱状のチャンバ5と、チャンバ5の天板で支持されステージ7の上方に位置する電子銃10を有する鏡筒6と、鏡筒6の円筒部に設けられている電磁レンズ(図では省略されている)と、鏡筒6の上部周縁を囲うように設けられているアクティブマスダンパ20と、ステージ7にボールねじ等を介して連結されチャンバ5の外部に設けられてステージ7を移動させるモータ8と、前記電子銃10及びモータ8を制御する機器用コントローラ9と、基板4、前記鏡筒6の頂部及び前記アクティブマスダンパ20の振動を検出して出力する複数の振動センサ17と、前記複数の振動センサ17及び機器用コントローラ9の出力を入力として前記4台のアクティブ除振マウント3及びアクティブマスダンパ20を制御する除振用コントローラ18と、を含んで構成されている。
【0018】
除振用コントローラ18は、前記複数の振動センサ17に接続されたローパスフィルタ11と、このローパスフィルタ11に接続されたA/D変換器12と、このA/D変換器12及び前記機器用コントローラ9に接続されたDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)13と、DSP13に接続されたパーソナルコンピュータ14及びD/A変換器15と、D/A変換器15に接続されたローパスフィルタ11と、このローパスフィルタ11に接続されたアンプ16と、を含んで構成され、アンプ16の出力は前記4台のアクティブ除振マウント3及びアクティブマスダンパ20の各アクチュエータに伝送されるようになっている。
【0019】
本実施の形態では、図5の平面図である図6に示すように、アクティブマスダンパ20が鏡筒6の上部を囲うように設けられており、アクティブマスダンパ20は錘部材とこの錘部材を水平方向に動かす複数本のアクチュエータを含んで構成されている。
【0020】
電子ビーム描画装置においては、機器用コントローラ9の指令により、モータ8が駆動されてウェーハが載置されたステージ7が移動され、それに合わせてステージ上のウエーハに前記電子銃10から電子ビームが照射される。
【0021】
図6にはアクティブ除振マウント3及び各振動センサ17の配置例が示されている。これらの振動センサ17からの信号はローパスフィルタ11、A/D変換器12を通してDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサー)13に入力される。このDSP13にはアクティブ除振マウント3とアクティブマスダンパ20の各アクチュエータを、各振動センサ17の出力を入力として基板4と鏡筒6の上部の相対変位(あるいは相対加速度)が少なくなるように制御する実行用プログラムが書き込まれており、除振用コントローラ18は、DSP13で高速に計算された信号を、D/A変換器15、ローパスフィルタ11及びアンプ16を経て各アクチュエータに送ってそれらのアクチュエータの動作を制御する。前記実行用プログラムはさらに、電子ビーム描画装置のステージ7及び電子銃10を制御する機器用コントローラ9からDSP13に入力される、ステージ7の動作状態及び動作速度等を指示する指令信号、並びに電子ビームの照射状態に関する情報に基づいて、各状態に適したアクチュエータの制御をフィードフォワード的に実施することが可能なものになっている。
【0022】
図1と図2に、図5に示すアクティブ除振マウント3の縦断面図と横断面図を示す。図1に示すように、アクティブ除振マウント3は、基本的には、架台2上に固定配置される大略四角形の平板である下板21と、下板21と同形をなし前記下板21の上方に下板21に平行に配置される上板29と、下板21と上板29の間に軸線を上下方向にしかつ下板21の中央位置に配置されたコイルばね等の筒状弾性体23と、筒状弾性体23の内部中央に設けられた上下方向用アクチュエータ32aと、上板29に下方に突出するように取り付けられた荷重伝達部材39aと、この荷重伝達部材39aを作動端で挟むように互いに対向してかつ軸線を一致させて下板21に設けられた一対の水平方向用アクチュエータ32bと、を含んで構成されている。なお、筒状弾性体23の上端部には、底付きの円筒状のストッパ部材35が底を上にしてかぶせられ、筒状弾性体23の上端部と上板29の間にストッパ部材35の底部が位置している。筒状弾性体23は上記ストッパ部材35の底部を介して上板29の下面を支持し、上下方向用アクチュエータ32aはストッパ部材35の底部を介して上板29に力を作用する。
【0023】
以下、さらにアクティブ除振マウント3の構造を詳細に説明する。前記筒状弾性体23(本実施の形態では、金属製のコイルばねである)は、下板21上に軸線を上下方向にして配置されたつば付き円筒状の台座22の上に、該台座22と同心状に設けられて、搭載機器(本実施の形態においては、電子ビーム描画装置)50及び基板4を支持する。台座22は、円筒部上部に円筒部外周から外径側に環状に張り出したつば部を備え、前記水平方向用アクチュエータ32bは、このつば部の上に設置されている。また、台座22の円筒部内周側は、内径が上部で大きく下部で小さくなっていて階段状になっており、その階段状のふみ面に当る部分に、筒状弾性体23の下端が支持されている。この筒状弾性体23の中央に配置された上下方向用アクチュエータ32aの下部は、下板21からの高さが調整可能な高さ調整部材55に支持されている。この高さ調整部材55は、下板21上の中央付近に設けられた垂直断面がコ字型形状の上下用支持部材24と、この上下用支持部材24の上部水平部に上下方向に貫通して形成されたねじ穴に螺合されたねじ部材26と、このねじ部材26の下端中央部に形成された矩形断面の穴部に同じく矩形断面の軸を挿入して配置された傘歯車25と、傘歯車25と噛み合うとともに軸27を支持部材24の垂直部と台座22を貫通させて設けられた傘歯車25Aと、軸27の末端に装着された回転ノブ部材28と、ねじ部材26の上端部に軸線を上下方向にして設けられた円形の穴部と、この穴部にその下部に設けられた円柱部を挿入して配置され低摩擦材を介して上下方向用アクチュエータ32の下端を支持するブロック部材31と、上下用支持部材24の上面に固定されかつ前記ブロック部材31の側面に形成された平面の一部に面で当接して設けられた回り止め部材34と、を含んで構成されている。
【0024】
高さ調整部材55は次のように作用する。すなわち、回転ノブ部材28を回転させると、傘歯車25A,25によってねじ部材26が回転される。傘歯車25の軸に対してねじ部材26の下端中央部に設けた矩形断面の穴部は上下方向にスライドすることができるようになっているから、ねじ部材26は回転すると共に上下用支持部材24のねじ穴に対して上下方向に移動する。また、ねじ部材26の上端部には円形の穴部が設けられ、この穴部に低摩擦材を介して上下方向用アクチュエータ32の下端を支持するブロック部材31の下部に設けられた円柱部が挿入されており、さらにブロック部材31の側面の平面の一部が上下用支持部材24に設けられた回り止め部材34と面で接しているため、ねじ部材26が傘歯車25によって回転されて上下方向に移動すると、上下方向用アクチュエータ部材32aも回転することなしに一緒に上下移動する。したがって、上下方向用アクチュエータ32aの高さ方向位置を調節して、上下方向用アクチュエータ32aの上端をストッパ部材35に(すなわち、上板29に)押し付けることが可能である。なお、上下方向用アクチュエータ32aの上端部にはせん断変形を許すせん断弾性部材33が設けられている。
【0025】
また、上板29と台座22のつば部とを締結するボルトナット式の圧縮部材36が設けられ、この圧縮部材36により、筒状弾性体23に基板4を含む搭載機器50の重量による圧縮変位分に略等しい変位だけ予め圧縮変位(予備圧縮変位)を加えることができるようになっている。圧縮部材36と台座22のつば部側との間に、下板21と上板29との相対変位を拘束しないように、弾性保持部材37を設け、実際にアクティブ防振マウント3に基板4及び搭載機器50を搭載した時、筒状弾性体23がさらに若干圧縮されるように予備圧縮変位を調整しておく。
【0026】
さらに、本実施の形態では、前述のように、筒状弾性体23の上端部に底付きの円筒状のストッパ部材35が底を上にしてかぶせられ、筒状弾性体23の上端部と上板29の間にストッパ部材35の底部が位置している。また、このストッパ部材35の円筒部下端は筒状弾性部材23と台座22の内径の大きい部分の内周面との間に位置し、両者との間にある程度の間隙を保っている。このストッパ部材35は地震が発生した場合に、特に、水平方向の地震力に対して、本アクティブ除振マウント3の破損を防止するものである。上下方向の地震力に対しては、圧縮部材として圧縮方向に剛性を持つ棒部材(例えば、図1における圧縮部材36に上板29の下側に所要の間隔をおいて締めつけナットを設けたもの)を用いることによって本アクティブ除振マウント3の破損を防止することができる。なお、上下方向用のストッパ部材として圧縮部材36を用いない場合は、予備圧縮のための圧縮部材としてワイヤを用いてもよい。
【0027】
また、台座22のつば部上には、一方の端部が開放された溝を備えた一対の水平支持部材38が、前記溝の軸線を互いに一致させ、かつ開放側端部を前記荷重伝達部材39aを挟んで対向させて前記つば部に固定されており、水平方向用アクチュエータ32bが作動端を溝の開放側端部に向けてこの溝に装着されている。水平支持部材38の前記溝の他方の端部の壁面には、装着された水平方向用アクチュエータ32bの軸線に軸線を一致させてねじ穴が形成され、このねじ穴にボルト部材42が頭を溝の外にして(先端を溝の中にして)螺合されている。ボルト部材42の先端は、前記溝に溝軸線方向に移動可能に挿入された加圧部材40aを介して水平方向用アクチュエータ32bの後端(作動端と反対側端部)に当接し、ボルト部材42の頭を回すことで、水平方向用アクチュエータ32bを前記荷重伝達部材39a側に押付けることができるようになっている。加圧部材40aは、前記溝の壁面に面で接しており、ボルト部材42が回転しても加圧部材40aは回転しない。2つの水平方向用アクチュエータ32bの作動端間に上板29に取り付けられた荷重伝達部材39aの下部が位置し、この2つの水平方向用アクチュエータ32bの作動端は、ボルト部材42の回転により荷重伝達部材39aを挟み付けることができる。なお、この実施の形態では2つの水平方向用アクチュエータ32bの作動端と荷重伝達部材39aとの間にはせん断部材33が設けられている。
【0028】
この実施の形態では、各アクティブ除振マウント3の一対の水平方向用アクチュエータ32bはその軸線方向が同じ方向(軸線が同じ直線上にある方向)になるように配置されている。この場合のアクティブ除振マウント3は、架台2に対し、図9のように、対角線上のアクティブ除振マウント3の水平方向用アクチュエータの軸線が互いに平行になるように、かつ一方の対角線上のアクティブ除振マウント3の水平方向用アクチュエータの軸線と、他の対角線上のアクティブ除振マウント3の水平方向用アクチュエータの軸線とが、互いに直交するように配置される。また、これらの上下方向用と水平方向用アクチュエータには、高即応性及び高精度な分解能を有する積層型圧電アクチュエータもしくは超磁歪アクチュエータを用いることが望ましい。さらに筒状弾性体であるコイルばねのサージング等を防止するために、コイルばねの隙間に粘弾性部材30aを設けている。また、筒状弾性体23として、コイルばねの他に中空の防振ゴムを用いてもよい。なお、上下方向用アクチュエータを筒状弾性体の中央に設ける大きな理由は、アクティブ除振マウントのコンパクト化のためであるが、搭載荷重が小さいために、筒状弾性体が用いられない場合には、通常の弾性体と上下方向用アクチュエータを隣接して並列に配置してもよい。
【0029】
上記アクティブ除振マウントの各アクチュエータは、当該アクティブ除振マウント内で動作するように構成され、据え付け後も基板4或いは架台2など当該アクティブ除振マウント外部の構造には連結されない。したがって、アクティブ除振マウント単体でアクチュエータの調整を行うことが可能であり、据え付け後の調整作業が少なくて済む。
【0030】
次に、鏡筒5の上部を囲うように設けたアクティブマスダンパ20の詳細を、図3と図4を参照して説明する。アクティブマスダンパ20は、断面がL字形のリング状をなし縦の辺を鏡筒5の上部外周面に接して固着された取付部材44と、この取付部材44の横の辺(つば部)の上にせん断弾性部材33cを介して載置されて鏡筒5の上部を囲うリング状の錘部材45と、取付部材44の縦の辺の外周面と錘部材45の内周面の間に、放射状に配置され取付部材44の縦の辺に支持された複数個(本実施の形態では、直交する水平2軸方向に均等に分散配置された4個)の水平方向用アクチュエータ32cと、錘部材45の前記水平方向用アクチュエータ32cの軸線に対応する位置に形成されたねじ穴に頭を外側にして螺合され先端側を加圧部材40aとせん断部材33を介して水平方向用アクチュエータ32cに当接したボルト部材42と、を含んで構成されている。なお、錘部材45の上面には、その振動状態を測定する複数個の振動センサ17が装着されている。また、水平方向用アクチュエータ32cの取付部材44側の端部は、取付部材44のねじ孔に螺合されて固定されている。
【0031】
この構成により、取付部材44の下部に設けたつば部によりせん断弾性部材33cを介してリング状の錘部材45が支持されるので、錘部材45の自重により水平方向用アクチュエータ32cに加わるせん断力が防止され、錘部材45にねじ込まれたボルト部材42により加圧部材40aとせん断部材33を介して水平方向用アクチュエータ32cに圧縮荷重が加えられる。なお、ここで用いられる水平方向用アクチュエータ32cは積層型圧電アクチュエータもしくは超磁歪アクチュエータが望ましい。
【0032】
今、鏡筒6とこれを支持するチャンバ5の天板の面外変形により生じる振動モードの固有振動数は数百Hzにあるが、この固有振動数が低い場合の方がアクチュエータのストロークを長くとる必要がある。そこで、仮にこの固有振動数を100Hzとし、錘部材45を500cm/s2の加速度で動かす必要があった場合について、ここで用いられる水平方向用アクチュエータ32cのストロークを試算すると、水平方向用アクチュエータ32cのストロークは25μmで十分である。従って、積層型圧電アクチュエータを用いることが可能である。また、本アクティブマスダンパ20は、水平2方向のマスダンパ効果が得られる構成になっているが、リング状の錘部材45を共通にすることによって、主質量系の鏡筒6に対して質量比を大きくすることができ、従って、大きなマスダンパ効果を得ることができる。
【0033】
次に、図1及び図5を用いて、この実施の形態の作用を説明する。床振動あるいはステージ7等の可動部材の移動あるいは基板上のその他の加振源により、基板4及び電子ビーム描画装置の鏡筒6等が加振されると、除振用コントローラ18は、基板4及び鏡筒6等に設けた振動センサ17の信号に基づいて、アクティブ除振マウント3の各アクチュエータ32a,32b及びアクティブマスダンパ20のアクチュエータ32cを、基板4の絶対加速度あるいは絶対変位及び電子ビーム描画装置本体の部材間又は部材と基板間の相対変位もしくは相対加速度を抑制するように制御する。特に、基板4及び鏡筒6等に設けた振動センサ17の水平方向振動(変位)を示す出力の差、すなわち、基板4と鏡筒6の水平方向相対変位が少なくなるように制御して、電子ビーム描画装置本体の部材間(電子銃とウェハー間)又は部材(電子銃)と基板間の水平方向相対変位を優先的に抑制する。
【0034】
除振用コントローラ18は、制御系としては、パッシブ除振部材である筒状弾性体23とこれに並列に設けられる上下方向用アクチュエータ32a及び水平方向用アクチュエータ32bを含んで構成されるアクティブ除振マウント3と、これによって支持される基板4からなる振動モデルだけでなく、前記基板4に搭載された機器本体の振動モデルをも制御の対象とし、機器の主要な振動モードの固有振動数をも制御範囲とする。
【0035】
除振用コントローラ18はまた、アクティブマスダンパ20のアクチュエータとして積層型圧電アクチュエータを用いることにより、数100Hzの高振動数の振動モードも制御可能であり、例えば、鏡筒6とチャンバ5の天板からなる振動系に対しても、鏡筒6の振動状態を鏡筒6の上部に設置した振動センサ17によって把握することにより、鏡筒6の振動を抑制することができる。特に、機器内の加振源によって鏡筒6が振動することにより発生していたステージ7と電子銃10との相対変位が抑制されることによって、ステージ7が高速で移動しても描画ずれを抑制することが可能となる。さらに、アクティブマスダンパ20によって直接的に鏡筒6に大きな制振力を加えることができるため、ステージ7の大きな加速度での加減速によって発生する衝撃的な加振力に対しも、鏡筒6の振動を抑制することができる。
【0036】
また、ステージ7等の可動部材の作動状態を予め、機器用コントローラ9から移動方向、移動速度、タイミングなどの情報として、除振用コントローラ18に取り込むことにより、アクティブマスダンパ20をフィドフォワード的に制御し、衝撃的な加振力に対しても最初の応答から制振効果を発揮することが可能である。なお、搭載機器にアクティブマスダンパ20を設けることができない場合は、基板4に設けてもよい。また、万一、アクティブ除振装置の稼働中に大きな地震が発生しても振動センサ17により地震の大きさを判断して制御を中止すると共に、水平方向の地震力はストッパ部材35により、上下方向の地震力は圧縮部材36により、それぞれストッパ機能が発揮され、アクティブ除振装置の損傷が防止される。
【0037】
上述のように前記実施の形態によれば、基板および機器本体に設けられた振動センサによる信号が除振用コントローラに入力され、基板と基板を支持するアクティブ除振マウントからなる振動モデルに加えて機器本体(電子ビーム描画装置)の振動モデル(床振動の周波数範囲だけでなく、機器の主要な振動モードの固有振動数範囲をも含む)を考慮したフィードバック制御信号とフィードフォワード制御信号によりアクティブ除振マウントに設けられた上下方向用及び水平方向用アクチュエータを制御することにより、床振動及び精密機器内の加振力に対する基板及び精密機器本体の振動を速やかに抑制することができる。さらに、機器内に衝撃力を発生する振動源(加振源)があっても、機器本体に設けられたアクティブマスダンパにより制振力を発生させて、インパルスのような振動に対しても効果的な振動抑制が可能である。しかも発生外力の振動特性及び精密機器の動作を制御する機器コントローラから、インパルス外乱を発生するタイミングを知らせる信号(例えば、ステージの動作を制御する信号)を予め除振用コントローラにもらうことによって、高精度なフィードフォワード制御が可能となる。
【0038】
図7と図8は本発明の第2の実施の形態の縦断面図と横断面図を示したものである。この実施の形態と図1、図2に示す実施の形態との違いは、アクティブ除振マウント3の水平方向用アクチュエータの配置の仕方にあり、本実施の形態では水平方向用アクチュエータ32bが互いに直交する軸方向に1本づつ、2軸方向に配置されている点である。これらの水平方向用アクチュエータ32bと荷重伝達部材39bとの取り付けは、例えば、図10のように本アクティブ除振マウント3を配置して、軸線(作用線)が一直線上に並ぶ2本の水平方向用アクチュエータ32bについて同時に行う。このように行うことにより、アクティブ除振マウント3の初期設定の際、基板4の位置を変えないで済む。
【0039】
以下、図7と図8に示す実施の形態の詳細を説明する。前記図1、図2に示す実施の形態と異なる点につき説明し、同じ部分については説明を省略する。台座22のつば部の上に、断面L字形の一対の水平支持部材38が、その縦の辺の表面の延長面を互いに直交させるようにして、かつ、その面がほぼ四角形をした下板21の角部の一つにそれぞれ対向するようにして、断面L字形の横の辺を前記つば部上面に固定して設置される。水平支持部材38の前記縦の辺の、前記角部に対向する面の反対側の面に対向して、荷重伝達部材39bが上板29から下方に向かって突出した状態で固定される。すなわち、本実施の形態においては、荷重伝達部材39bは、水平方向用アクチュエータ32b1台ごとに配置されている。荷重伝達部材39bの水平支持部材38の前記縦の辺に対向する側には、軸線を前記縦の辺に垂直にして断面角形の貫通しない穴(角穴)が形成されており、この角穴に断面が同じ角形の加圧部材40bが挿入されている。加圧部材40bの水平支持部材38側端部にはせん断部材33が装着されている。荷重伝達部材39bの前記角穴の底となる部分には、前記角穴と軸線を一致させ前記角穴よりも小さい径の丸穴が貫通させてある。
【0040】
加圧部材40bの前記丸穴に対向する側には、軸線を前記丸穴に軸線を一致させてねじ孔が形成されており、このねじ穴に、前記丸穴を通して挿入された、ねじ軸部と回転ノブ部を持つ回転部材54のねじ軸部が螺合している。回転部材54のねじ軸部には、回転ノブ部に近い位置にくびれ部が形成され、回転部材54はこのくびれ部に嵌めこまれ前記荷重伝達部材39bの前記丸穴周囲に固定された半割れ部材53により、荷重伝達部材39bに対し軸方向に移動しないように拘束されている。水平方向用アクチュエータ32bは、一端を前記水平支持部材38の前記縦の辺に支持され、他端はせん断部材33を介して前記加圧部材40bの軸方向前記水平支持部材38側の端部と当接している。
【0041】
したがって、回転部材54の回転ノブ部を回すと、軸部のくびれ部が半割れ部材53により支持されて軸方向の動きが拘束されているため、回転部材54は軸方向には移動できないが、加圧部材40bのねじ孔に螺合したねじ軸部の回転により、加圧部材40bを軸方向に移動させることができる。しかも加圧部材40bの断面が矩形であることにより、加圧部材40bは荷重伝達部材39b内では回転せず、水平方向用アクチュエータ32bには回転力を与えずに、加圧部材40bを介して水平方向用アクチュエータ32bを前記水平支持部材38に押し付ける方向の力を加えることが可能となる。
【0042】
図7、図8に示すアクティブ除振マウントを用いる場合の架台2へのアクティブ除振マウント配置例を図10に示す。図示のように、同様な水平方向用アクチュエータを備えたアクティブ除振マウントを組合せ、各水平方向用アクチュエータの軸線(作用線)が他のいずれかのアクティブ除振マウントの水平方向用アクチュエータの一つの作用線と同一直線上にあって互いに反対方向に作用するように配置する。
【0043】
また、本実施の形態では、粘弾性部材30は上下方向用アクチュエータ32aと並列に、上下支持部材24上部の水平板上に配置されたホルダ部材51と上板29との間に設けられる。粘弾性部材30の作用は、図1と図2の実施の形態と同じである。上板29の下面に装着された外れ防止部材52は、前記図1に示したストッパ部材35に相当し、水平方向の地震動に対して筒状弾性体23の外れを防止する。
【0044】
図11に、本発明を電子顕微鏡56に適用した例を示す。電子顕微鏡の場合、チャンバ5の下方に延在する部分が長いので、図示のように架台2Aを床1から起ちあがる枠状に形成し、この枠状の起ちあがり部分に支持台を設けて前記図1、図2に示したと同様のアクティブ除振マウント3を設置している。前記図5に示す実施の形態と同様に、アクティブ除振マウント3で基板4を支持し、基板4上にチャンバ5が設置され、チャンバ5の上に鏡筒6が立てられている。チャンバ5内に試料台7Aが設置され、鏡筒6上部に設置された電子銃10により、試料が照射される。電子顕微鏡の場合、装置内部の可動部の動作による振動は制御の対象にするほどではないが、鏡筒6の振動による顕微鏡視野のゆれを防止するために、鏡筒6上部外周にアクティブマスダンパ20を設置してある。アクティブマスダンパ20の構成は、前記図3、図4に示したものと同じであり、鏡筒6上部及びアクティブマスダンパ20に設置した振動センサ17から出力される振動情報に基づいて、鏡筒6の変位を防止するように水平方向アクチュエータ32Cが駆動される。床からの振動入力による基板4の振動の防止については、前記電子ビーム描画装置について説明したと同様であり、ここでは説明を省略する。
【0045】
縮小投影露光装置についても、同様の構成により、投影の光源と投影の受光面の振動に基づく相対変位を防止することができる。
【0046】
なお、前記各実施の形態におけるアクティブ除振マウントは、図1、図2に記載されたものでも、図7、図8に記載されたものでも、同様な効果が得られる。
【0047】
上記各実施の形態では、鏡筒6の上部にアクティブマスダンパ20が装着され、除振コントローラ18は、アクティブ除振マウント3とアクティブマスダンパ20の双方を制御して機器の除振を行う構成となっているが、アクティブマスダンパ20が装着されていない場合でも、基板4に搭載された機器の基板との相対変位を抑制したい位置に振動センサを装着し、この振動センサと基板の振動を検出する振動センサの出力を入力とし、機器の振動数範囲をも制御対象範囲としてアクティブ除振マウント3の各アクチュエータの動作を制御する除振コントローラを設けることにより、基板4に搭載された機器の上下に離れた位置の水平方向相対変位を抑制してその機器の精度を向上させるとともに、スループットを向上させることが可能となる。基板に搭載される機器が前記電子ビーム描画装置のように加振源を内蔵している場合には、さらに、その加振源を駆動制御する機器コントローラの制御信号を用いてフィードフォワード的にアクティブ除振マウント3の各アクチュエータの動作制御をおこなうことにより、効果的に振動や、相対変位を低減させることが可能である。
【0048】
すなわち、アクティブ除振マウントと機器本体に設置したアクティブマスダンパを併用し、アクティブ除振装置で支持された基板とその基板に搭載される機器の振動データを入力として前記アクティブ除振マウントと機器本体に設置したアクティブマスダンパのアクチュエータを制御することによって、床振動入力及び機器内部に作用する加振力による振動を低減するとともに、床振動入力及び機器内部に作用する加振力による基板の絶対変位や機器の部材間の相対変位を低減させ、機器の精度向上及びスループットの向上という効果が得られる。
【0049】
【発明の効果】
上述のとおり本発明によれば、床からの振動入力に起因する機器振動による機器本体上下での相対変位を抑制することが可能になる。また、機器本体内部の可動部の運動による機器本体上下での相対変位を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクティブ除振マウントの一実施の形態の縦断面図である。
【図2】図1に示す実施の形態の横断面図である。
【図3】本発明のアクティブマスダンパの一実施の形態の縦断面図である。
【図4】図3に示す実施の形態の横断面図である。
【図5】本発明のアクティブ除振装置を電子ビーム描画装置に適用した一実施の形態の縦断面図である。
【図6】図5に示す実施の形態の平面図である。
【図7】本発明のアクティブ除振マウントの別の実施の形態の縦断面図である。
【図8】図7に示す実施の形態の横断面図である。
【図9】図1、図2に示す実施の形態の配置例を示す横断面図である。
【図10】図7、図8に示す実施の形態の配置例を示す横断面図である。
【図11】本発明のアクティブ除振装置を電子顕微鏡に適用した実施の形態の縦断面図である。
【符号の説明】
1 床
2、2A 架台
3 アクティブ除振マウント
4 基板
5 チャンバ
6 鏡筒
7 ステージ
7A 試料台
8 モータ
9 機器用コントローラ
10 電子銃
11 ローパスフィルタ
12 A/D変換器
13 DSP
14 パーソナルコンピュータ
15 D/A変換器
16 アンプ
17 振動センサ
18 除振用コントローラ
20 アクティブマスダンパ
21 下板
22 台座
23 筒状弾性体
24 上下用支持部材
25、25A 傘歯車
26 ねじ部材
27 軸部材
28 回転ノブ部材
29 上板
30 粘弾性部材
31 ブロック部材
32a 上下方向用アクチュエータ
32b 水平方向用アクチュエータ
32c アクティブマスダンパの水平方向用アクチュエータ
33 せん断弾性部材
34 回り止め部材
35 ストッパ部材
36 圧縮部材
37 弾性保持部材
38 水平支持部材
39 荷重伝達部材
40 加圧部材
42 ボルト部材
44 取付部材
45 錘部材
50 搭載機器
51 ホルダ部材
52 外れ防止部材
53 半割れ部材
54 回転部材
55 高さ調整部材
56 電子顕微鏡

Claims (5)

  1. 機器が搭載された基板に水平方向の力を加える水平方向用アクチュエータと、前記基板に上下方向の力を加える上下方向用アクチュエータと、前記基板の振動を検出する振動センサと、該振動センサの出力を入力として前記水平方向用及び上下方向用アクチュエータの動作を制御する除振用コントローラと、を含んで構成されて前記機器の振動を抑制するアクティブ除振装置において、
    前記機器の振動を検出する振動センサを設け、
    前記除振用コントローラは、前記基板の振動を検出する振動センサの出力と前記機器の振動を検出する振動センサの出力を入力として前記水平方向用アクチュエータの動作を制御するように構成されていることを特徴とするアクティブ除振装置。
  2. 機器が搭載された基板に水平方向の力を加える水平方向用アクチュエータと、前記基板に上下方向の力を加える上下方向用アクチュエータと、前記基板の振動を検出する振動センサと、該振動センサの出力を入力として前記水平方向用及び上下方向用アクチュエータの動作を制御する除振用コントローラと、を含んで構成されて前記機器の振動を抑制するアクティブ除振装置において、
    前記機器或いは基板に対して水平方向に移動可能に配置され自重を前記機器或いは基板に支持された錘部材と、該錘部材を前記機器あるいは基板に対して水平方向に移動させる水平方向用アクチュエータと、を含んでなるアクティブマスダンパと、
    前記機器の振動を検出する振動センサ及び前記錘部材の振動を検出する振動センサと、を有してなり、
    前記除振用コントローラは、前記機器の振動を検出する振動センサ及び前記錘部材の振動を検出する振動センサの出力を入力として、前記基板に水平方向の力を加える水平方向用アクチュエータと前記錘部材を水平方向に移動させる水平方向用アクチュエータの動作を制御するように構成されていることを特徴とするアクティブ除振装置。
  3. 請求項1又は2記載のアクティブ除振装置において、前記除振用コントローラは、前記機器の振動を検出する振動センサの出力と前記基板の振動を検出する振動センサの出力を入力として、両者の水平方向の変位を表す出力の差を検出し、前記基板に水平方向の力を加える水平方向用アクチュエータの動作を、前記差を低減させるように制御するものであることを特徴とするアクティブ除振装置。
  4. 請求項2記載のアクティブ除振装置において、前記錘部材は前記機器の一部を囲うように一体型リング状に形成され、前記錘部材を水平方向に移動させる水平方向用アクチュエータは前記機器と前記錘部材との間に配置され、前記錘部材の自重を支持する環状の部材が前記機器に設けられていることを特徴とするアクティブ除振装置。
  5. 請求項2または3に記載のアクティブ除振装置において、
    基板に搭載された前記機器は加振源となる可動部と該可動部を制御駆動する機器コントローラを有してなり、
    前記除振用コントローラは、前記各振動センサの出力に加え、前記機器コントローラから出力される前記可動部の動作状態を示す信号を入力として、前記基板に力を加える水平方向用アクチュエータと前記錘部材を水平方向に移動させる水平方向用アクチュエータの動作を制御するように構成されていることを特徴とするアクティブ除振装置。
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