JPH10169701A - 能動的除振装置 - Google Patents

能動的除振装置

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JPH10169701A
JPH10169701A JP8340446A JP34044696A JPH10169701A JP H10169701 A JPH10169701 A JP H10169701A JP 8340446 A JP8340446 A JP 8340446A JP 34044696 A JP34044696 A JP 34044696A JP H10169701 A JPH10169701 A JP H10169701A
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vibration
floor
damper
damper support
active
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JP8340446A
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English (en)
Inventor
Shinji Wakui
伸二 涌井
Isao Iwai
功 岩井
Takehiko Mayama
武彦 間山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除振台に伝播する振動を、より適切に、フィ
ードフォワードにより除去し、もって除振性能を向上さ
せる。 【解決手段】 精密機器を搭載する除振台1と、除振台
を支持する能動的な複数台のダンパ支持脚3と、これら
ダンパ支持脚に対する運動モード別の非干渉化フィード
バック装置5、12〜16、23〜26あるいは前記ダ
ンパ支持脚ごとに独立なフィードバック装置とを備えて
なる能動的除振装置において、ダンパ支持脚の機構部材
を介して前記除振台へ伝播する振動を検出するためにダ
ンパ支持脚の足元直近に設置するダンパ支持脚の駆動自
由度分の個数の振動センサ22と、振動センサの出力を
適切に補償する床振動フィードフォワード補償器27を
各ダンパ支持脚ごとに備え、床振動フィードフォワード
補償器の出力を各ダンパ支持脚のアクチュエータを駆動
するドライバ12の前段にフィードフォワードする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密機器を搭載し
た除振台へ、それを支える複数台のダンパ支持脚の機構
部材を介して伝播してくる振動を抑制するための床振動
フィードフォワード機能を備えた能動的除振装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】除振台上には振動を嫌う精密機器群が搭
載される。例えば、光学顕微鏡や露光用XYステージな
どである。特に、露光用XYステージの場合、適切かつ
迅速な露光が行われるべく外部から伝達する振動を極力
排除した除振台上に同ステージは搭載されねばならな
い。何故ならば、露光は露光用XYステージが完全停止
の状態で行われねばならないからである。さらに露光用
XYステージはステップ&リピートという間欠運動を動
作モードとして持ち、繰り返しのステップ振動を自身が
発生しこれが除振台の揺れを惹起せしめることにも注意
せねばならない。この種の振動が整定しきれないで残留
する場合にも、露光動作に入ることは不可能である。し
たがって、除振台には、外部振動に対する除振と、搭載
された機器自身の運動に起因した強制振動の制振性能を
バランスよく実現することが求められる。なお、近年X
Yステージを完全停止させてから同ステージ上搭載のシ
リコンウエハに対して露光光を照射するステップ&リピ
ート方式の半導体露光装置に代わって、XYステージな
どをスキャンさせながら露光光をシリコンウエハ上に照
射するスキャン方式の半導体露光装置も登場してきた。
このような装置に使われる除振台に対しても、外部振動
の除振と、搭載精密機器の運動に起因した強制振動に対
する制振性能とをバランスよく満たすことを求められる
ことは同様である。
【0003】さて、周知のように除振台は受動的と能動
的なものとに実現形態が分類される。除振台上の搭載機
器に求められる高精度位置決め、高精度スキャン、高速
移動などへの要求に応えるべく近年は能動的除振装置を
用いる傾向にある。それに用いられるアクチュエータと
しては空気ばね、ボイスコイルモータ、圧電素子などが
知られている。ここでは空気ばねをアクチュエータとし
た能動的除振装置を対象にして具体的説明を行う。
【0004】図3は空気ばねをアクチュエータとしたダ
ンパ支持脚を示す。図において、1はXYステージなど
の精密機器を搭載する除振台、2はダンパ支持脚3を除
振台1と締結する締結板である。ダンパ支持脚3内部の
機構構成は以下の通りである。4V(H)は鉛直(水
平)方向駆動用空気ばね、5V(H)は鉛直(水平)方
向の振動センサ、6V(6H)は鉛直(水平)方向の位
置センサ、7V(H)は鉛直(水平)方向のサーボバル
ブ、8は積層ゴム、9は水平方向の予圧用機械ばね、1
0はケーシング、である。ここで一般に振動センサとし
ては加速度センサが用いられる。
【0005】次に、上記機構部品などを備えたダンパ支
持脚3に対するフィードバック装置の構成を説明する。
11は振動センサ5の信号を電気信号へと変換しかつ適
切なフィルタリングを施すフィルタ回路、12はサーボ
バルブ7へ電流を通電するための電圧電流(VI)変換
器、13は位置センサ6の出力を電気信号に変換する位
置検出器、14は目標電圧設定手段、15は偏差アン
プ、16はPI補償器、であり、これらの要素でフィー
ドバック装置17を構成している。但し、Pは比例を、
Iは積分動作を意味する。ここでは、水平方向に対する
フィードバック装置17のみ示したが、鉛直方向に対す
るそれも同様の構成となる。更には、一般的に除振台1
を複数台のダンパ支持脚3を使って支持するが、各ダン
パ支持脚の鉛直及び水平方向ごとに17の如きフィード
バック装置を備える。
【0006】さて、上述のような複数台のダンパ支持脚
3ごとにフィードバック装置17を備えたループ構成の
他に、特開平7−83276号公報に示す構成が知られ
ている。同公報には、除振台1の大局的な運動、すなわ
ち並進や回転運動に基づく制御ループの構成が開示され
ている。並進や回転といった運動モードごとにサーボ調
整が行えるので、除振台の姿勢制御がきめ細かく行え、
結果として除振台1に搭載した精密機器の性能を極限ま
で引き出せる効果がある。このような運動モード別の閉
ループを基本の制御構成として、複数個の振動センサを
床に設置し、そのセンサ出力から床振動に関する運動モ
ードを抽出し、それに適切な補償を施して得られる信号
をフィードフォワードした、いわゆる運動モード別の床
振動フィードフォワード補償を行った装置構成が特願平
8−19238号(「能動除振装置および能動除振方
法」)に開示されている。除振台を安定な姿勢で支持す
る閉ループの骨格が運動モード別になっていることに応
じて、床振動フィードフォワードも運動モード別のルー
プ構造とすることは極めて合理的であり、除振率の調整
も運動モード別に非干渉で行えるという優れた特徴を持
つ。通常、床振動を1箇所に設けた振動センサの計測値
で代表させ、この出力に適切な補償を施し各軸のアクチ
ュエータにフィードフォワードしているのであるが、運
動モード別の床振動をフィードフォワードする装置構成
の方が除振率特性が格段に優れる。
【0007】しかし、さらに除振率向上を図るために
は、床振動が各ダンパ支持脚を経路として精密機器を搭
載する除振台に進入する事実に着目する必要がある。除
振台へ伝播する振動は床の振動を源としているが、伝播
する振動を抑制する立場で考えた場合には、各ダンパ支
持脚の足元に集中した振動に着眼せねばならない。つま
り、床の振動はダンパ支持脚を固定する装置設置基礎部
材に伝播してこれを揺らし、この振動が各軸のダンパ支
持脚の足元から進入し精密機器を搭載する除振台を揺ら
せるのである。装置設置基礎部材が剛であり、必要とす
る除振周波数帯域で床と一体と見なせれば、床あるいは
装置設置基礎部材上のどこに振動センサをつけても同じ
振動が検出できる。しかし、装置設置基礎部材自身は剛
でなく、床とそれとの接触状態も各部一様ではないこと
等に原因して、床振動が装置設置基礎部材に伝播したと
きの振動レベルは床自身のそれよりも大きい方が一般的
である。また、精密搭載機器が加減速運転したとき、反
力に抗する駆動力をダンパ支持脚が発生してその足元の
装置設置基礎部材に加振力を加えるため、剛でない同部
材に静的変形を発生せしめ、あるいは多くの場合ローカ
ルな振動を発生させる。困ったことに、ローカルな振動
は再びダンパ支持脚を通って除振台を揺らせてしまうの
である。しかも、ローカルな振動であるから、振動の進
入の様相は各ダンパ支持脚ごと異なる。
【0008】図4は床振動フィードフォワード補償を採
用した従来の半導体露光装置の構成を示す。図におい
て、精密機器であるXYステージ18を搭載する除振台
1は、締結板2によって剛にダンパ支持脚3と接続され
ており、かつ装置設置基礎部材19から支持されてい
る。20は、床21に対して装置設置基礎部材19上の
装置全体の高さ及び傾きを調整するレベリング手段であ
る。従来、床21に存在する振動の除振台1への伝播を
抑制する床振動フィードフォワード制御を掛けるべく、
例えば装置設置基礎部材19の中央部1箇所で鉛直及び
水平2軸の振動を検出する振動センサ22x,y,zを
設置していた。あるいは床21の適切な部位1箇所に必
要な軸数分の振動センサ22を備えていた。ここでx,
y,zは図中記載の座標軸であり、その方位が振動計測
軸であることを意味する。すなわち、除振台1に伝播し
てくる振動を装置設置基礎部材19あるいは床21の1
箇所に設けた振動センサの出力で代表させていたのであ
る。そして、その出力に適切な補償を施した信号を除振
台1を支える複数台のダンパ支持脚3内のアクチュエー
タにフィードフォワードして除振率の向上を図ろうとし
ていた。ここでは1箇所に設けた振動センサ22x,
y,zによる振動計測は、振動源である床21と装置設
置基礎部材19の振動が共に部位にかかわらず同じであ
る、という前提にたっている。実際には、例えば動力機
械等の加振源が図4に示す装置に対してどこに設置され
ているかに依存して振動の距離減衰は当然異なり、もっ
て床21の部位によって振動の様相も違ってしまうので
ある。また、レベリング手段20及び装置設置基礎部材
19は剛でない為、実際には、床21の振動を直に受け
たとき、19、20、及び21が一体となって振動して
いる訳ではないのである。さらには、XYステージ18
が加減速運転することによって生じる反力に抗して除振
台は所定の姿勢に維持されるので、ダンパ支持脚3は装
置設置基礎部材19を強く蹴ることにも注意せねばなら
ない。このとき、剛でない装置設置基礎部材19は静的
に歪み、動的にはダンパ支持脚3の足元周辺の局所的な
振動を励起せしめる。
【0009】上記現象を踏まえると、装置設置基礎部材
19あるいは床21の1箇所での振動計測信号を使った
従来技術の床振動フィードフォワード補償では除振台1
へ各ダンパ支持脚の足元から伝播する振動をより効果的
に除去することはできなかった。また、床に設けた複数
個の振動センサを使って床振動の運動モードを抽出して
フィードフォワードする装置構成が開示されているが、
除振台上に搭載する精密機器が加減速運転するときに生
じる装置設置基礎部材のローカルな振動がダンパ支持脚
を介して伝播する振動を的確に抑制できるものではなか
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】床振動が精密機器を搭
載する除振台上に伝播する経路は、各軸のダンパ支持脚
を構成する機構部材である。さらに、通常の場合、ダン
パ支持脚は装置設置基礎部材の上に乗せられることに注
意せねばならない。つまり、装置設置基礎部材の機械振
動モードも存在するので、従来の如く床の1箇所あるい
は装置設置基礎部材1箇所の床振動を計測して、それを
適切な補償器に通して各軸のアクチュエータにフィード
フォワードしても、除振性能の向上は期待した程ではな
かった。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題解決のため
に、本発明では、除振台への床振動進入経路がダンパ支
持脚の足元であることに留意する。すなわち、各ダンパ
支持脚が備えるアクチュエータの駆動自由度分の振動セ
ンサをその直近の足元に備え、その出力信号を適切に補
償してやはり直近のアクチュエータに対して各ダンパ支
持脚ごと独立にフィードフォワードする。
【0012】より具体的には、本発明の能動的除振装置
は、精密機器を搭載する除振台と、その除振台を支持す
る能動的な複数台のダンパ支持脚と、複数台のダンパ支
持脚に対する運動モード別の非干渉化フィードバック装
置と、を備えてなる能動的除振装置において、ダンパ支
持脚の機構部材を介して除振台へ伝播する振動を検出す
るためのダンパ支持脚の足元直近に設置したダンパ支持
脚の駆動自由度分の個数の振動センサと、その振動セン
サの出力を適切に補償する床振動フィードフォワード補
償器を各ダンパ支持脚ごとに備えて、その床振動フィー
ドフォワード補償器の出力を各ダンパ支持脚のアクチュ
エータを駆動するドライバ前段にフィードフォワードし
たことを特徴とする。
【0013】また、第2の態様として、精密機器を搭載
する除振台と、その除振台を支持する能動的な複数台の
ダンパ支持脚と、ダンパ支持脚ごとに独立なフィードバ
ック装置と、を備えてなる能動的除振装置において、ダ
ンパ支持脚の機構部材を介して除振台へ伝播する振動を
検出するためのダンパ支持脚の足元直近に設置したダン
パ支持脚の駆動自由度分の個数の振動センサと、その振
動センサの出力を適切に補償する床振動フィードフォワ
ード補償器を各ダンパ支持脚ごとに備えて、その床振動
フィードフォワード補償器の出力を各ダンパ支持脚のア
クチュエータを駆動するドライバ前段にフィードフォワ
ードしたことを特徴とする。
【0014】ここで、精密機器としては半導体露光装置
におけるXYステージなどが挙げられる。また、アクチ
ュエータとしては空気ばねなどの流体アクチュエータ、
リニアモータなどの電磁アクチュエータ、圧電素子など
の変位発生型アクチュエータ、もしくはそれらを複合し
て用いたものを用いることができる。
【0015】
【作用】上述したように、床振動の除振台への進入経路
は、各軸のダンパ支持脚の足元である。そこで、本発明
ではダンパ支持脚の足元直近の振動を検出して適切な補
償を施し、やはり直近のアクチュエータにフィードフォ
ワードしている。つまり、複数台のダンパ支持脚ごとに
様相を異にして進入する振動を個別にかつ最適にキャン
セルできるので、結果として除振台全体に進入する振動
成分を減少させるよう作用する。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施例1 本発明の一実施例に係る能動的除振装置を図1に示す。
複雑でない図面に基づいて発明内容を説明するため、鉛
直方向に駆動力を発生するダンパ支持脚3a〜dを平板
状の除振台の四隅に配置した能動的除振装置を対象にす
る。同図を参照して、除振台1の四隅には鉛直方向に駆
動力を持つ空気ばね4a〜dが配置され、z軸方向の並
進運動、x軸回りの回転運動、y軸回りの回転運動の剛
体運動モードと、柔軟運動モードである除振台1のねじ
り運動とを制御するため、位置に関する運動モード抽出
回路23、加速度に関する運動モード抽出回路24、そ
して各軸への駆動力を発生させる運動モード分配回路2
5を備えている。ここでは、弾性モードとしてのねじり
運動の制御を組み込んだが、あくまでも必要に応じてで
あり、一般には剛体運動モードの制御のみ施せばよい場
合がほとんどである。この場合、少なくとも最低3個の
位置センサ及び振動センサの出力を位置に関する運動モ
ード抽出回路、加速度に関する運動モードに導き、z軸
方向の並進運動、x軸回りの回転運動、及びy軸回りの
回転運動という3種類の運動モードに対する補償を行っ
て得られる信号を3入力4出力の運動モード分配回路に
入力して各ダンパ支持脚のアクチュエータを駆動するこ
とになる。
【0017】より詳細に、除振台1の制御の動作を説明
する。除振台1の四隅に配置したダンパ支持脚3a〜d
の振動センサ5a〜dの出力は加速度に関する運動モー
ド抽出回路24に導かれ、ここで剛体運動に関するz軸
並進運動、x軸回りの回転運動、y軸回りの回転運動、
そして弾性運動としてのねじり運動が検出される。次い
で、最適なダンピングを運動モードごとに与えるための
加速度フィードバック補償器26a〜dに導かれ運動モ
ード分配回路25の前段にフィードバックしている。位
置ループに関しては、ダンパ支持脚3a〜dが備える位
置センサ6a〜dの出力を位置検出器13a〜dによっ
て電気信号に変換し、偏差アンプ15a〜dに導いてい
る。ここでは、目標電圧設定手段14a〜dの電圧と比
較されて各ダンパ支持脚3a〜dごとの位置偏差信号を
得る。これらの位置偏差信号は位置に関する運動モード
抽出回路23に導かれて剛体運動モードとしてのz軸並
進運動、x軸回りの回転運動、y軸回りの回転運動、そ
して弾性運動モードとしてのねじり運動とが検出され
る。これらの位置に関する運動モード信号は運動モード
ごとに最適な補償を施すべくPI補償器16a〜dに導
かれて、これらの信号と加速度に関して運動モードごと
に最適な補償を施した負帰還信号とを運動モードの種別
を合致させて加算した信号を運動モード分配回路25へ
の入力信号としている。以上説明した運動モード別の非
干渉化フィードバック装置では、加速度及び位置に関し
て運動モード別に特性調整ができるという優れた特性を
持つ。
【0018】上述した運動モード別の非干渉化フィード
バック装置によれば、運動モードごとに非干渉で加速度
ループ及び位置ループの特性調整が可能となる。そこで
制御ループの骨格が運動モードに基づくことに呼応し
て、床振動が除振台上に伝播する振動を相殺する床振動
フィードフォワードループも運動モード別にすることが
できる。その場合、複数個の振動センサを床面に設置
し、それらの出力から除振台の運動モードと対応した床
振動に関する運動モード信号を抽出し、その信号に適切
な補償を掛けて閉ループ制御装置に設けた運動モード分
配回路前段にフィードフォワードすることになる。床振
動フィードフォワードが閉ループの骨格と同様なので整
合性の高い装置構成と言える。このとき、床振動フィー
ドフォワード補償も運動モード別にきめ細かく、かつ非
干渉で調整できるので運動モード別の除振性能を極限ま
で追求することができる。
【0019】一方、本発明ではダンパ支持脚の足元直近
に、床振動を1次の源としてそこに伝播する駆動を検出
するための振動センサをダンパ支持脚ごとで且つ各ダン
パ支持脚の駆動自由度分の数だけ設ける。図1の場合、
ダンパ支持脚は4つあり、各ダンパ支持脚の駆動自由度
は鉛直方向1軸なので、22a〜dの振動センサをそれ
ぞれダンパ支持脚3a〜dの足元に配置している。その
出力は、ダンパ支持脚ごとに最適な補償を施す床振動フ
ィードフォワード補償器27a〜dに導かれ、各軸のサ
ーボバルブ7a〜dを駆動する電圧電流(VI)変換器
12a〜dの前段にフィードフォワードしている。すな
わち、アクチュエータを駆動するドライバの前段にフィ
ードフォワードする。位置センサ6a〜dと振動センサ
5a〜dの出力に基づく除振台1の姿勢制御が、位置に
関する運動モード抽出回路23,加速度に関する運動モ
ード抽出回路24,そして運動モード分配回路25を備
えて運動モード別に非干渉化されているが、床振動フィ
ードフォワードのループについては、各ダンパ支持脚の
足元直近に設置した振動センサの出力を適切に補償した
信号を各々独立にフィードフォワードしているのであ
る。ここで、ダンパ支持脚の足元への振動センサ22の
一設置例は図5のようになる。同図において、22V
(H)は鉛直(水平)方向の振動センサである。床21
に対する除振台1の姿勢確保のためのレベリング手段2
0を介して装置設置基礎部材19に伝達する振動、及び
ダンパ支持脚3が除振台1の揺れを抑制するとき装置設
置基礎部材19に与える反力によって同部材19に発生
させてしまう振動の両者は、ダンパ支持脚3の足元に設
置した振動センサ22V(H)によってすべて検出でき
る。この振動が図示したダンパ支持脚3の機構部材を介
して除振台1へ伝達してくるのである。従って振動セン
サ22V(H)で検出した信号は、ダンパ支持脚3の直
近のアクチュエータである空気ばね4V(H)を駆動す
る電圧電流(VI)変換器の前段にフィードフォワード
すると最も優れた除振効果が得られる。
【0020】なお、説明を省略したが、28a〜dは、
空気ばね4a〜dと機械ばね29a〜dと機構部品全体
とから定まる粘性を表現する粘性要素である。また、除
振台1に対しては、z軸並進、x軸及びy軸回りの回転
運動のみならず、x軸並進、y軸並進、z軸回転の剛体
運動に関しては合計6自由度の運動制御が必要である。
図1の場合、x軸並進、y軸並進、z軸回りの回転運動
を制御するためのダンパ支持脚内のアクチュエータ、セ
ンサ類、機構部品配置、及びその制御装置構成を示さな
かったが、z軸並進、x及びy軸回りの回転運動に関す
るそれと同様の構成になることは言うまでもない。
【0021】さらに、本発明では空気ばねをアクチュエ
ータとした能動的除振装置を対象にして説明したが、ボ
イスコイルモータやリニアモータに代表される電磁アク
チュエータを用いた能動的除振装置、圧電素子に代表さ
れる変位発生型アクチュエータを用いた能動的除振装
置、あるいはこれらアクチュエータを複合的に用いた能
動的除振装置への適用を妨げるものではない。
【0022】実施例2 図1では、除振台1に対する姿勢制御のために、運動モ
ード別の非干渉化フィードバック装置を備えていた。し
たがって、床振動フィードフォワードループに関して
も、閉ループの骨格を活かす観点からみると本来は運動
モード別の構成にすることが合理的となる。しかし、実
施例1では、除振率向上の観点からみると各軸独立の床
振動フィードフォワードの構成を採るべきことを示し
た。同様に、除振台1に対する姿勢制御の閉ループが各
軸独立の場合においても、床振動フィードフォワードル
ープを各軸独立にすることは妨げられない。図1と同様
の鉛直方向の制御系を対象にして実施例2の構成を示す
と図2を得る。図中、鉛直方向に駆動軸を有する3a〜
dのダンパ支持脚は、加速度と位置のフィードバックが
各軸ごとに独立に構成されている。加えて、図1と同様
に、各ダンパ支持脚の足元で直近に設置した振動センサ
22a〜dで振動を検出し、各軸ごとに適切なパラメー
タを設定した床振動フィードフォワード補償器27a〜
dを介した信号を直近のアクチュエータである空気ばね
4a〜dの駆動信号とすべくそれぞれ電圧電流(VI)
変換器12a〜dの前段にフィードフォワードする。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば以下の効果がもたらされ
る。 (1)床振動の伝達経路の直近に振動センサを配置し、
その検出信号に適切な補償を掛け、やはり直近のアクチ
ュエータにフィードフォワードするので、各ダンパ支持
脚ごとに最適に床振動の遮断が達成できる。結果とし
て、除振台に進入する振動成分が減少するため、例えば
半導体露光装置においては露光性能の向上に寄与すると
ころ大という効果がある。
【0024】(2)除振台に搭載されるXYステージの
移動反力に抗するため、ダンパ支持脚は床側設置面側を
蹴る。そのため、完全剛体ではない装置設置基礎部材
は、変形し、かつ動的荷重も受けるので局所的な機械振
動を惹起せしめ、この振動は再びダンパ支持脚を通して
除振台上に伝達する。本発明によれば、ダンパ支持脚の
床側で足元直近に振動センサを配置しているので、これ
ら局所的な振動を効果的に抑制できる、という効果があ
る。
【0025】(3)反対に言えば、装置設置基礎部材の
剛性をさほど強く作る必要もないので同部材の製造コス
トアップを招くことがない、という効果もある。
【0026】(4)半導体露光装置を設置する床振動基
準を緩めることができる。すなわち、振動レベルが高い
建物に半導体露光装置を設置しても所定の性能を確保で
きる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る能動的除振装置を示
す図である。
【図2】 本発明の他の実施例に係る能動的除振装置を
示す図である。
【図3】 空気ばねをアクチュエータとしたダンパ支持
脚を示す図である。
【図4】 床振動フィードフォワード補償を採用する従
来の半導体露光装置の構成図である。
【図5】 ダンパ支持脚足元の振動センサの設置を示す
図である。
【符号の説明】
1:除振台、2:締結板、3:ダンパ支持脚、4V
(H):鉛直(水平)方向駆動用空気ばね、5V
(H):鉛直(水平)方向の振動センサ、6V(H):
鉛直(水平)方向の位置センサ、7,7V(H):鉛直
(水平)方向のサーボバルブ、8:積層ゴム、9:水平
方向の予圧用機械ばね、10:ケーシング、11:フィ
ルタ回路、12:電圧電流(VI)変換器、13:位置
検出器、14:目標電圧設定手段、15:偏差アンプ、
16:PI補償器、17:フィードバック装置、18:
XYステージ、19:装置設置基礎部材、20:レベリ
ング手段、21:床、22z,22x,22y,22
V,22H:振動センサ、23:位置に関する運動モー
ド抽出回路、24:加速度に関する運動モード抽出回
路、25:運動モード分配回路、26a〜d:加速度フ
ィードバック補償器、27a〜d:床振動フィードフォ
ワード補償器、28a〜d:粘性要素、29a〜d:機
械ばね。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精密機器を搭載する除振台と、前記除振
    台を支持する能動的な複数台のダンパ支持脚と、前記複
    数台のダンパ支持脚に対する運動モード別の非干渉化フ
    ィードバック装置とを備えてなる能動的除振装置におい
    て、 前記ダンパ支持脚の機構部材を介して前記除振台へ伝播
    する振動を検出するために前記ダンパ支持脚の足元直近
    に設置する前記ダンパ支持脚の駆動自由度分の個数の振
    動センサと、前記振動センサの出力を適切に補償する床
    振動フィードフォワード補償器を前記各ダンパ支持脚ご
    とに備え、 前記床振動フィードフォワード補償器の出力を前記各ダ
    ンパ支持脚のアクチュエータを駆動するドライバの前段
    にフィードフォワードしたことを特徴とする能動的除振
    装置。
  2. 【請求項2】 精密機器を搭載する除振台と、前記除振
    台を支持する能動的な複数台のダンパ支持脚と、前記ダ
    ンパ支持脚ごとに独立なフィードバック装置と、を備え
    てなる能動的除振装置において、 前記ダンパ支持脚の機構部材を介して前記除振台へ伝播
    する振動を検出するために前記ダンパ支持脚の足元直近
    に設置する前記ダンパ支持脚の駆動自由度分の個数の振
    動センサと、前記振動センサの出力を適切に補償する床
    振動フィードフォワード補償器を前記各ダンパ支持脚ご
    とに備え、 前記床振動フィードフォワード補償器の出力を前記各ダ
    ンパ支持脚のアクチュエータを駆動するドライバの前段
    にフィードフォワードしたことを特徴とする能動的除振
    装置。
  3. 【請求項3】 前記精密機器はXYステージであること
    を特徴とする請求項1または2記載の能動的除振装置。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータは流体アクチュエー
    タ、電磁アクチュエータ、変位発生型アクチュエータ、
    もしくはそれらを複合して用いたものであることを特徴
    とする請求項1または2記載の能動的除振装置。
JP8340446A 1996-11-08 1996-12-06 能動的除振装置 Pending JPH10169701A (ja)

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JP8340446A JPH10169701A (ja) 1996-12-06 1996-12-06 能動的除振装置
US08/963,816 US6128552A (en) 1996-11-08 1997-11-04 Anti-vibration apparatus and method

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008311647A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置およびデバイス製造方法
JP2009138775A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Tokkyokiki Corp 空気圧式除振装置
US8915479B2 (en) 2011-08-09 2014-12-23 Canon Kabushiki Kaisha Anti-vibration apparatus

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