JP2000012435A - 除振装置および露光装置 - Google Patents

除振装置および露光装置

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JP2000012435A
JP2000012435A JP10175882A JP17588298A JP2000012435A JP 2000012435 A JP2000012435 A JP 2000012435A JP 10175882 A JP10175882 A JP 10175882A JP 17588298 A JP17588298 A JP 17588298A JP 2000012435 A JP2000012435 A JP 2000012435A
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displacement
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port solenoid
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Futoshi Mori
太 森
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    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気バネの推力調節に際して生じる傾きや揺
れを抑制可能な除振装置を提供する。 【解決手段】 露光本体部40を支える除振台は、除振
パッド4A〜4Dとアクチュエータ7A〜7Dとによっ
て上下方向に除振駆動される。制御回路11は、除振台
の揺れを検出する加速度センサ5Z1、5Z2、5Z3
5Y1、5Y2、5Xと除振台の変位を検出する変位セン
サ10Z1、10Z2、10Z3、10Y1、10Y2、1
0Xとから出力される信号に基づいて除振パッド4A〜
4Dおよびアクチュエータ7A〜7Dを制御する。制御
回路11を構成する空圧制御部60は除振パッド4A〜
4Dで発生する推力を制御する際に、減算器46dおよ
び46eから出力される除振台変位(揺れ)量に関する
信号が上限値を越すのを検知すると空圧制御ユニット3
7の弁を一旦閉じて除振台の変位を減じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除振装置および露
光装置に係り、さらに詳しくは、空気バネとアクチュー
タとを用いて除振台の除振駆動を行うアクティブ方式の
除振装置およびこの除振装置を備えた露光装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ステップ・アンド・リピート方式の露光
装置、すなわちいわゆるステッパ等の精密機器の高精度
化に伴い、設置床から定盤(除振台)に作用する微振動
をマイクロGレベルで絶縁する必要が生じている。除振
装置の除振台を支持する除振パッドとしてはダンピング
液中に圧縮コイルバネを入れた機械式ダンパや空気式ダ
ンパ等、種々のものが使用されている。特に、空気式ダ
ンパを備えた空気バネ除振装置はバネ定数を小さく設定
でき、約10Hz以上の振動を絶縁することから、精密
機器の支持に広く用いられている。また、最近では従来
のパッシブ除振装置の限界を打破するために、アクティ
ブ除振装置が提案されている(たとえば、本願と同一出
願人に係る特開平8−166043号等参照)。これ
は、除振台の振動をセンサで検出し、このセンサの出力
に基づいてアクチュエータを駆動することにより振動制
御を行う除振装置であり、低周波制御帯域に共振ピーク
のない理想的な振動絶縁効果を持たせることができるも
のである。
【0003】上述のステッパ等では、除振パッドに保持
された定盤上に加減速動作を行うXYステージが搭載さ
れており、XYステージが移動するのに伴って露光装置
本体の重心位置も移動する。上記アクティブ除振装置で
は、露光装置本体の重心位置が変化することによって生
じる傾きをアクチュエータおよび空気式ダンパによって
防止する。このとき、アクチュエータから大きな推力を
発生させようとすると、アクチュエータより発生する熱
によって露光装置の置かれている環境の温度変化が大き
くなる。この環境の温度変化によって、XYステージの
位置を計測するレーザ干渉計の測定精度に悪影響を与
え、ひいてはステージの位置決め精度等の劣化を招くと
云う不都合があった。
【0004】これに対し、本願と同一出願人に係る特願
平9−74590号に、空圧制御の安定度に優れた空気
バネを用いてアクチュエータの負荷を速やかに減じ、こ
れによってアクチュエータからの発熱の抑制と高精度の
除振とが同時に実現可能な除振装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した除
振装置において、空気バネの推力を変化させようとした
ときに、除振装置が大きく傾いてしまい、これにより除
振能力の低下を招く場合があった。これは、空気バネに
空気を流入させるための弁を開いたときに、空気バネの
大きな推力変化を生じ、除振装置のフィードバック制御
では抑制できない程の揺れを生じてしまうために起き
る。
【0006】上記のような不具合を解決するための一案
として、空気バネに流入させる空気の流量を絞ることも
可能であるが、このようにすると、たとえば空気バネに
比較的多めの空気を流入させようとした場合に、制御目
標に達するまでの時間がかかりすぎてしまい、その間ア
クチュエータから発生する推力を増さねばならない。そ
うすると、アクチュエータからの発熱に伴う問題が再度
生じる。
【0007】本発明の目的は、空気バネの速やかな推力
の調節が可能で、空気バネの推力調節に際して傾きや揺
れを抑制することの可能な除振装置およびこの除振装置
を備える露光装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
および図3に対応付けて本発明を説明する。 (1) 請求項1に記載の発明は、床面2に対し、空気
バネ4A〜4Dを介して支持された除振台6と;空気バ
ネ4A〜4Dへ空圧を供給するための空圧源と;空気バ
ネ4A〜4Dと空圧源とを連通する管路と;管路に配設
され、空圧源と空気バネ4A〜4Dとの間を連通する開
状態、または遮断する閉状態に切り換える弁開閉手段1
08A〜108Cおよび108a〜108cと;空気バ
ネ4A〜4Dと並列に配設され、除振台6を空気バネ4
A〜4Dの支持方向と略同一の方向に駆動可能なアクチ
ュエータ7A〜7Dと;除振台6の変位を検出する変位
センサ10Z1、10Z2、10Z3、10Y1、10
2、10Xと;少なくとも変位センサ10Z1、10Z
2、10Z3、10Y1、10Y2、10Xからの出力に基
づいて除振台6の振動を抑制するようにアクチュエータ
7A〜7Dを駆動制御するとともに、弁開閉手段108
A〜108Cおよび108a〜108cを開閉駆動して
空気バネ4A〜4Dの推力を調節し、アクチュエータ7
A〜7Dの負荷を低減させるように駆動制御する除振台
制御系11とを有する除振装置に適用される。そして、
変位センサ10Z1、10Z2、10Z3、10Y1、10
2、10Xで検出される除振台6の変位量に上限値を
設け、弁開閉手段108A〜108Cおよび108a〜
108cを閉状態から開状態に切り換えた後、除振台6
の変位量が上限値を越したときに弁開閉手段108A〜
108Cを開状態から閉状態に切り換えることにより上
述した目的を達成する。 (2) 請求項2に記載の発明は、除振台6に求められ
る要求除振性能を表す信号に応じて、要求除振性能が高
いときには上限値を低める一方、要求除振性能が低い場
合には上限値を高めるものである。 (3) 請求項3に記載の発明は、マスクRに形成され
たパターンを、投影光学系PLを介して基板ステージ2
0上の基板Wに転写する露光装置に上記請求項1または
2に記載の発明を適用したものである。
【0009】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かりやすくす
るために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより
本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1〜図6を参照して説明する。
【0011】図1は、本実施の形態に係るステップ・ア
ンド・スキャン型の露光装置100の概略斜視図が示さ
れている。この図1において、設置面としての床上に長
方形板状の台座2が設置され、この台座2上に除振パッ
ド4A〜4D(但し、図1では紙面奥側の除振パッド4
Dは図示せず、図2参照)が設置され、これらの除振パ
ッド4A〜4D上に除振台としての長方形状の定盤6が
設置されている。ここで、後述するように本実施の形態
では投影光学系PLが使用されているため、投影光学系
PLの光軸に平行にZ軸をとり、Z軸に直交する平面内
で定盤6の長手方向にX軸を、これに直交する方向にY
軸をとる。また、それぞれの軸回りの回転方向をZθ、
Xθ、Yθ方向と定める。なお、以下の説明において、
必要に応じて図1中のX、Y、Z軸を示す各矢印の示す
方向を+X、+Y、+Z方向、これと反対の方向を−
X、−Y、−Z方向と区別して用いるものとする。
【0012】除振パッド4A〜4Dは、図2にも示され
るように、それぞれ定盤6の長方形の底面の4つの頂点
付近に配設されている。本実施の形態では、除振パッド
4A〜4Dとして空気式ダンパが使用されている。これ
らの除振パッド4A〜4Dは、図2に示されるように、
3つの空圧制御回路37A、37B、37Cを介して制
御装置11に接続され、制御装置11では空圧制御回路
37A、37B、37Cを介して除振パッド4A〜4D
に供給される空気の流量を制御するようになっている。
すなわち、空気の圧力により除振パッド4A〜4Dの高
さを調整できるため、この空気式ダンパは上下動機構の
役目をも兼ねている。なお、以下で説明する制御装置1
1は、CPUによって構成されるものであるが、アナロ
グ回路で構成されるものであってもよい。
【0013】図1に戻り、台座2と定盤6との間に除振
パッド4Aと並列にアクチュエータ7Aが設置されてい
る。アクチュエータ7Aは、台座2上に固定された固定
子9Aと定盤6の底面に固定された可動子8Aとから構
成され、制御装置11(図1では図示省略、図2、図3
参照)からの指示に応じて台座2から定盤6の底面に対
するZ方向の付勢力、または定盤6の底面から台座2に
向かう吸引力を発生する。他の除振パッド4B〜4Dに
おいても、除振パッド4Aと同様にそれぞれ並列にアク
チュエータ7B〜7Dが設置され(但し、図1では紙面
奥側のアクチュエータ7C、7Dは図示せず、図3参
照)、これらのアクチュエータ7B〜7Dの付勢力また
は吸引力もそれぞれ制御装置11(図1では図示省略、
図2、図3参照)により設定される。アクチュエータ7
A〜7Dの制御方法については、後述する。
【0014】アクチュエータ7Aは、上記の如く、固定
子9Aと可動子8Aとからなり、固定子9Aは、たとえ
ば、N極の軸の両側にS極の軸が形成された発磁体によ
り構成され、また、可動子8Aは、N極の軸に遊嵌する
内筒、この内筒の外側に巻回されたコイル、およびこの
コイルを覆う外筒より構成される。そして、コイルに流
れる電流を調整することにより、固定子9Aと可動子8
Aとの間に±Z方向の力が発生する。その他のアクチュ
エータ7B〜7Dもアクチュエータ7Aと同様に構成さ
れている。
【0015】定盤6上には図示しない駆動手段によって
XY2次元方向に駆動される基板ステージとしてのXY
ステージ20が載置されている。さらに、このXYステ
ージ20上にZレベリングステージ、θステージ(いず
れも図示省略)およびウエハホルダ21を介して感光基
板としてのウエハWが吸着保持されている。また、定盤
6上でXYステージ20を囲むように第1コラム24が
植設され、第1コラム24の上板中央部に投影光学系P
Lが固定され、第1コラム24の上板に投影光学系PL
を囲むように第2コラム26が植設され、第2コラム2
6の上板の中央部にレチクルステージ27を介してマス
クとしてのレチクルRが載置されている。
【0016】XYステージ20のY方向の移動位置は、
位置計測手段としてのY軸用レーザ干渉計30Yによっ
て計測され、XYステージ30のX方向の移動位置は、
位置計測手段としてのX軸用レーザ干渉計30X(図1
では図示せず、図3参照)によって計測されるようにな
っており、これらのレーザ干渉計30Y、30Xの出力
は不図示のステージコントローラおよび不図示の主制御
装置に入力されている。Zレベリングステージは、Z軸
方向の駆動およびZ軸に対する傾斜が調整可能に構成さ
れ、θステージはZ軸回りの微小回転が可能に構成され
ている。したがって、XYステージ20、Zレベリング
ステージおよびθステージによって、ウエハWは3次元
的に位置決め可能になっている。
【0017】レチクルステージ27は、レチクルRのY
軸方向の微調整、および回転角の調整が可能に構成され
ている。また、このレチクルステージ27は、図示しな
い駆動手段によってX方向に駆動されるようになってお
り、このレチクルステージ27のX方向位置は位置計測
手段としてのレチクルレーザ干渉計30Rによって計測
され、このレチクルレーザ干渉計30Rの出力も不図示
のステージコントローラおよび不図示の主制御装置に入
力されている。
【0018】さらに、レチクルRの上方には、不図示の
照明光学系が配置され、不図示の主制御装置ではレチク
ルRおよびウエハWの相対位置合わせ(アライメント)
および図示しない焦点検出系によるオートフォーカスを
行いつつ、照明光学系からの露光用の照明光ELの下
で、レチクルRのパターンの投影光学系PLを介した像
をウエハWの各ショット領域に順次露光する。本実施の
形態では、各ショット領域の露光に際しては主制御装置
によりXYステージ20とレチクルステージ27とがそ
れぞれの駆動手段を介してX軸方向(走査方向)に沿っ
て所定の速度比で相対走査される。
【0019】上述の第1コラム24は、4本の脚部24
a〜24d(但し、図1では紙面奥側の脚部24dは図
示せず)により定盤6上に設置されている。この第2コ
ラム24の上板の上面の+Y方向の端部には、第1コラ
ム24のZ方向の加速度を検出する振動センサとしての
加速度センサ5Z1、5Z2および第1コラム24のY方
向の加速度を検出する加速度センサ5Y1、5Y2が設け
られている。また、この第1コラム24の上板の上面の
+X方向の端部には、第1コラム24のZ方向の加速度
を検出する振動センサとしての加速度センサ5Z3およ
び第1コラム24のX方向の加速度を検出する加速度セ
ンサ5Xが設けられている。これらの加速度センサ5Z
1、5Z2、5Z3、5Y1、5Y2、5Xとしては、たと
えばピエゾ抵抗効果型あるいは静電容量型の半導体式加
速度センサが使用される。これらの加速度センサ5
1、5Z2、5Z3、5Y1、5Y2、5Xの出力も制御
装置11(図1では図示せず、図2、図3参照)に入力
されている。
【0020】また、第1コラム24の上板の+Y方向端
部側で−X方向の側面に対向する位置には、第1コラム
24のZ方向変位を検出する変位センサ10Z1、第1
コラム24のY方向変位を検出する変位センサ10Y1
が一体化されてなる変位センサ10Aが配置され、第1
コラム24の上板の+Y方向端部側で+X方向の側面に
対向する位置には、第1コラム24のZ方向変位を検出
する変位センサ10Z2、第1コラム24のY方向の変
位を検出する変位センサ10Y2が一体化されてなる変
位センサ10Bが配置されている。第1コラム24の上
板の−Y方向端部側で+X方向の側面に対向する位置に
は、第1コラム24のZ方向変位を検出する変位センサ
10Z3、第1コラム24のX方向の変位を検出する変
位センサ10Xが一体化されてなる変位センサ10Cが
配置されている。
【0021】ここで、変位センサ10Z1、10Z2、1
0Z3、10Y1、10Y2、10Xとしては、たとえば
静電容量式センサや、渦電流変位センサが使用される。
前者の静電容量式センサによれば、静電容量がセンサの
電極と測定対象物(ここでは、不図示の金属板)間の距
離に反比例することを利用して非接触でセンサと測定対
象物との間の距離が検出される。また、後者の渦電流変
位センサによれば、予め絶縁体に巻いたコイルに交流電
流を加えておき、導電性材料(導電体)からなる測定対
象に近づけると、コイルによって作られた交流磁界によ
って導電体に渦電流が発生し、この渦電流によって発生
する磁界は、コイルの電流によって作られた磁界と逆方
向であり、これら2つの磁界が重なり合って、コイルの
出力に影響を与え、コイルに流れる電流の強さおよび位
相が変化する。この変化は、対象がコイルに近いほど大
きくなり、逆に遠いほど小さくなるので、コイルから電
気信号を取り出すことにより、対象の位置、変位を知る
ことができる。この他、背景光の影響を阻止できる構成
にすれば、変位センサとしてPSD(半導体位置検出
器)を使用することも可能である。
【0022】変位センサ10Z1、10Z2、10Z3
10Y1、10Y2、10Xの出力も制御装置11(図1
では図示せず、図3参照)に供給されている。
【0023】第1コラム24の+X方向の側面にはアク
チュエータ32Aが、台座2に固定された門形の支柱3
5Aとの間に取り付けられている。アクチュエータ32
Aは、前述のアクチュエータ7A〜7Dと同様に、支柱
35Aに固定された固定子34Aと第1コラム24に取
り付けられた可動子33Aとから構成され、制御装置1
1から可動子33A内のコイルに流れる電流を調整する
ことにより、第1コラム24に対して±X方向に力を与
えることができるようになっている。同様に、第1コラ
ム24の上面2箇所に可動子33B、33Cが取り付け
られ、これら可動子33B、33Cとともにアクチュエ
ータ32B、32Cをそれぞれ構成する固定子34B、
34Cが台座2に固定された支柱35A、35Bにそれ
ぞれ固定されている。アクチュエータ32Aと同様に、
アクチュエータ32B、32Cにおいても制御装置11
から可動子33B、33C内のコイルに流れる電流を調
整することにより、第1コラム24に対して±Y方向の
力を与えることができるようになっている。制御装置1
1による、アクチュエータ32A〜32Cの制御方法に
ついても後述する。
【0024】ここで、露光装置100の設置時の定盤6
の高さおよび水平レベルの調整について、図2を参照し
て説明する。変位センサ10Z1、10Z2、および10
3で計測された定盤6のZ方向変位(高さ)が制御装
置11に伝えられ、これらのデータに基づいて制御装置
11では、定盤6の高さを予め設定されている値にする
とともに水平レベルを維持するため、3つの空圧制御回
路37A〜37Cを介して各防振パッドに供給する空気
の流量を制御して除振パッド4A〜4Dの高さをそれぞ
れの高さに設定する。その後、防振パッド4A〜4Dの
高さはそれぞれの設定値に維持される。これにより、定
盤6に歪みが生じることなく、定盤6上のXYステージ
20の位置決め精度が高精度に維持される。
【0025】本実施の形態の露光装置100では、定盤
6、XYステージ20、ウエハホルダ21、第1コラム
24、投影光学系PL、第2コラム26、およびレチク
ルステージ27等により露光本体部40(図3参照)が
構成されている。
【0026】次に、上述の露光本体部40の除振のため
のアクチュエータ7A〜7D、32A〜32Cおよび除
振パッド4A〜4Dの制御系について、制御装置11を
中心に、図3のブロック図に基づいて説明する。
【0027】制御装置11は、変位センサ10Z1、1
0Z2、10Z3、10Y1、10Y2、10Xおよび加速
度センサ5Z1、5Z2、5Z3、5Y1、5Y2、5Xの
出力に基づいて定盤6を含む露光本体部40の振動を抑
制するようにアクチュエータ7A、7B、7C、7D、
32A、32B、32Cを駆動制御する振動制御系を有
している。
【0028】これをさらに詳述すると、振動制御系は、
変位センサ10Z1、10Z2、10Z3、10Y1、10
2、10Xの出力を、不図示のA/Dコンバータをそ
れぞれ介して入力し、露光本体部40の重心Gの6自由
度方向(X、Y、Z、Xθ、Yθ、Zθ:図1参照)の
変位量(x、y、z、θx、θy、θz)に変換する第
1の座標変換部42と、この第1の座標変換部42で変
換後の重心の6自由度方向の変位量(x、y、z、θ
x、θy、θz)を目標出力部44から入力される6自
由度方向の重心位置の目標値(xo、yo、zo、θxo
θyo、θzo)からそれぞれ減じて6自由度のそれぞれ
の方向の位置偏差(Δx=xo−x、Δy=yo−y、Δ
z=zo−z、Δθx=θxo−θx、Δθy=θyo
θy、Δθz=θzo−θz)をそれぞれ算出する6つ
の減算器46a〜46fと、6自由度のそれぞれの方向
の位置偏差Δx、Δy、Δz、Δθx、Δθy、Δθz
を動作信号として制御動作を行うPIコントローラから
なる6自由度のそれぞれの方向の位置コントローラXP
I、YPI、ZPI、XθPI、YθPI、ZθPI
と、加速度センサ5Z1、5Z2、5Z3、5Y1、5
2、5Xの出力を不図示のA/Dコンバータをそれぞ
れ介して入力し、重心Gの6自由度方向の加速度
(x”、y”、z”、θx”、θy”、θz”)に変換
する第2の座標変換部48と、この第2の座標変換部4
8で変換後の重心Gの6自由度方向の加速度(x”、
y”、z”、θx”、θy”、θz”)をそれぞれ積分
してそれぞれの方向の重心Gの速度(x’、y’、
z’、θx’、θy’、θz’)に変換する6つの積分
器50a〜50fと、位置コントローラXPI、YP
I、ZPI、XθPI、YθPI、ZθPIの出力を速
度指令値(xo’、yo’、zo’、θxo’、θyo’、
θzo’)にそれぞれ変換する速度変換ゲイン52a〜
52fと、この変換後の速度指令値(xo’、yo’、z
o’、θxo’、θyo’、θzo’)から積分器50a〜
50fの出力(x’、y’、z’、θx’、θy’、θ
z’)をそれぞれ減じて6自由度方向のそれぞれの方向
の速度偏差(Δx’=xo’−x’、Δy’=yo’−
y’、Δz’=zo’−z’、Δθx’=θxo’−θ
x’、Δθy’=θyo’−θy’、Δθz’=θzo
−θz’)を算出する6つの減算器54a〜54fと、
6自由度のそれぞれの方向の速度偏差(Δx’、Δ
y’、Δz’、Δθx’、Δθy’、Δθz’)を動作
信号として制御動作を行うPIコントローラからなる6
自由度のそれぞれの方向の速度コントローラVXPI、
VYPI、VZPI、VXθPI、VYθPI、VZθ
PIと、これらのコントローラで演算された6自由度の
それぞれの方向の速度制御量を各アクチュエータ7A〜
7Dおよび32A〜32Cの位置で発生すべき速度指令
値に変換するための非干渉化演算を行う非干渉化計算部
56と、この非干渉化計算部56で変換後の各アクチュ
エータ7A〜7Dおよび32A〜32Cの位置で発生す
べき速度指令値を各アクチュエータ7A〜7Dおよび3
2A〜32Cで発生すべき推力にそれぞれ変換する推力
ゲイン58a〜58gとを有する。
【0029】すなわち、本実施の形態の振動制御系は、
変位センサ、位置コントローラ等を含んで構成される位
置制御ループの内側に、その内部ループとして加速度セ
ンサ、積分器、速度コントローラ等を含んで構成される
速度制御ループを有する多重ループ制御系となってい
る。
【0030】引き続き図3を参照して、空圧制御ユニッ
ト37に制御信号を発する空圧制御部60について説明
する。推力ゲイン58a〜58dよりアクチュエータ7
A〜7Dに出力される推力信号はまた、この推力信号の
内の低周波帯成分を分離抽出するローパスフィルタ(以
下、LPF)62A〜62Dに接続される。空圧制御部
60は、上述した低周波帯域成分の信号に基づき、空圧
制御ユニット37に空圧制御信号を出力する。
【0031】また、空圧制御部60には減算器46dお
よび46eより出力される露光本体部40の重心GのX
θ方向およびYθ方向の位置偏差に関する信号が入力さ
れる。空圧制御部60は、空圧制御ユニット37に空圧
制御信号を出力しつつ、上述のXθ方向およびYθ方向
の位置偏差に関する信号を監視する。この位置偏差に関
する信号に基づいて空圧制御部60は、除振パッド4A
〜4Dに供給される空圧の変化によって露光本体部40
が所定の限界値を越したことを検知すると空圧制御ユニ
ット37に対して空圧の変化速度を抑制するように空圧
制御信号を発する。このときの空圧制御の詳細について
は後で説明する。
【0032】さらに、本実施の形態の露光装置では、ス
キャンカウンタ66の出力がX方向の速度コントローラ
VXPIの出力段に設けられた加算器68を介して振動
制御系にフィードフォワード入力されている。本実施の
形態の露光装置100では、ウエハW上のショットを露
光する際には、レチクルステージ27とXYステージ2
0とが走査方向、すなわち、X軸方向に互いに逆向きに
同期走査されるが、この際にレチクルステージ27は、
1ショットにつき1回、このレチクルステージ27の可
動範囲を端から端までXYステージ20の移動速度の投
影光学系PLの縮小倍率の逆数倍(たとえば、4倍また
は5倍)の速度で移動し、しかも露光は定速域のみで行
われることから、レチクルステージ27は停止状態か
ら目標速度まで加速、目標速度を維持、目標速度か
ら停止まで減速、の3つの状態遷移を行うことになり、
ステージ27の移動開始直後()および移動停止直前
()には大きな反力が第2コラム26を介して定盤6
に作用し、定盤6を含む露光本体部40に振動を生じ
る。そこで、スキャンカウンタ66により、レチクルス
テージ27の加速度と逆向きの反力の指令値を振動制御
系にフィードフォワード入力し、上記のレチクルステー
ジ27の移動開始直後および停止直前の振動を抑制す
る。
【0033】次に、除振パッド4A〜4Dの高さを制御
するための空圧制御ユニット37について、図4に基づ
いて説明する。
【0034】この空圧制御ユニット37は、手動バルブ
101を介して給気路110にそれぞれ接続されるとと
もに排気路120にそれぞれ接続される第1ないし第3
の空圧制御回路37A〜37Cを有している。手動バル
ブ101は供給圧を手動でオン・オフするためのバルブ
である。
【0035】上述した第1の空圧制御回路37Aは、図
2の紙面奥側の除振パッド4Dに供給する空気の流量を
制御するための回路で、相互に並列な第1回路38aと
第2回路38bとを有している。第1回路38aは、給
気側の圧力を設定するレギュレータ102Aと、このレ
ギュレータ102Aで設定される空気路内の圧力を検出
する圧力センサ104Aと、この圧力センサ104Aが
設けられた空気路に配置された2系統の絞り、すなわち
微動側の固定絞り106Aおよび粗動側のスピコン10
5Aと、固定絞り106Aおよびスピコン105Aを切
り換える(択一的にオンする)3ポート電磁弁107A
と、この電磁弁107Aの固定絞り106A接続側の反
対側に配置され、上記空気路そのものをオン・オフ(開
閉)する2ポート電磁弁108Aとを有している。同様
に第2回路38bは、排気側の圧力を設定するレギュレ
ータ102aと、このレギュレータ102aで設定され
た空気路内の圧力を検出する圧力センサ104aと、こ
の圧力センサ104aが設けられた空気路に配置された
2系統の絞り、すなわち微動側の固定絞り106aおよ
び粗動側のスピコン105aと、固定絞り106aおよ
びスピコン105aを切り換える3ポート電磁弁107
aと、この電磁弁107aの固定絞り106a接続側と
反対側に配置され、上記空気路そのものをオン・オフ
(開閉)する2ポート電磁弁108aとを有している。
第1回路38aと第2回路38bとの合流点には、第1
の空圧制御回路37Aの供給圧力を検出する圧力センサ
103Aが設けられている。
【0036】固定絞り106A、106aは、ステンレ
スもしくはルビー等の硬質の素材にレーザ加工等によっ
て微細な孔を設けたもので、その孔径はφ50μmから
φ300μmくらいのものが使用されるが、これに代え
て精密ニードル弁のような可変絞りを用いても構わな
い。これは、以下に説明する第2、第3の空圧制御回路
37B、37Cにおいても同様である。
【0037】以上のように構成される第1の空圧制御回
路37Aにおいて、除振パッド4Dに供給、あるいは除
振パッド4Dから排気される空気の流量は、レギュレー
タ102A、102bの設定圧力、粗動側のスピコン1
05A、105aの絞り量、3ポート電磁弁107A、
107aおよび2ポート電磁弁108A、108aの弁
切換によって任意に設定可能である。
【0038】第2の圧力制御回路37Bも、第1の圧力
制御回路37Aと同様に、相互に並列な第3回路39a
と第4回路39bとを有し、第3回路39aはレギュレ
ータ102B、圧力センサ104B、微動側の固定絞り
106B、粗動側のスピコン105B、3ポート電磁弁
107B、2ポート電磁弁108Bを有している。ま
た、第4回路39bは、レギュレータ102b、圧力セ
ンサ104b、微動側の固定絞り106b、粗動側のス
ピコン105b、3ポート電磁弁107b、2ポート電
磁弁108bを有している。また、第3回路39aと第
4回路39bとの合流点には、第2の空圧制御回路37
Bの供給圧力を検出する圧力センサ103Bが設けられ
ている。
【0039】第3の圧力制御回路37Cも、第1の圧力
制御回路37Aと同様に、相互に並列な第5回路40a
と第6回路40bとを有し、第5回路40aはレギュレ
ータ102C、圧力センサ104C、微動側の固定絞り
106C、粗動側のスピコン105C、3ポート電磁弁
107C、2ポート電磁弁108Cを有している。ま
た、第6回路40bは、レギュレータ102c、圧力セ
ンサ104c、微動側の固定絞り106c、粗動側のス
ピコン105c、3ポート電磁弁107c、2ポート電
磁弁108cを有している。また、第5回路40aと第
6回路40bとの合流点には、第3の空圧制御回路37
Cの供給圧力を検出する圧力センサ103Cが設けられ
ている。
【0040】上述の第2、第3の空圧制御回路37B、
37Cにおいても、第1の空圧制御回路37Aと同様
に、レギュレータの設定圧力、粗動側のスピコンの絞り
量、そして3ポート電磁弁、2ポート電磁弁の弁切換に
よって除振パッド4A〜4Cの給/排気に際してその流
量を任意に設定可能となっている。
【0041】また、図4においては、4個の除振パッド
のうち手前の2個、すなわち除振パッド4A、4Bを同
一の空圧系統で制御する場合を例示したが、空圧制御ユ
ニット37においては、除振パッド4A〜4Dに空気を
供給する経路は3系統あり、各系統の空圧制御回路を除
振パッド4A〜4Dに接続する方法(組み合わせ)とし
ては種々の変形が可能であり、露光本体部40の重心位
置、除振パッド4A〜4Dの配置に応じて接続の方法を
変えることにより、露光本体部40の傾き量の制御性を
最適な状態にすることが可能である。
【0042】また、露光本体部40を支持する除振パッ
ド4A〜4Dのそれぞれの内圧は露光本体部40の重量
および重心位置、そして除振パッド4A〜4Dの配置に
より決まる。また、露光本体部40が設定された高さお
よび水準にあるとき、除振パッド4A〜4Dに必要な圧
力は圧力センサ103A、103B、103Cによって
モニターすることができる。
【0043】引き続き図4を参照して除振パッド4A〜
4Dに供給する空気流量の調整方法について説明する。
なお、以下で説明する空気流量の調整は、露光装置の設
置時や定期メインテナンス時などのように、露光装置の
非稼働時にオペレータにより行われるものである。ま
た、以下で3ポート電磁弁107A〜107Cおよび1
07a〜107cの作動状態を説明する際に、図4に示
されるように固定絞りが選択される状態をストレート接
続状態と称し、逆の状態をクロス接続状態と称する。
【0044】以下の空気流量の調整方法の説明では、前
提として露光本体部40の重量および重心位置、そして
除振パッド4A〜4Dの配置に応じて定まる除振パッド
4A〜4Dに必要な圧力に基づいて固定絞り106A、
106B、106Cおよび106a、106b、106
cが選択されているものとする。つまり、3ポート電磁
弁107A〜107Cおよび107a〜107cはいず
れもストレート接続状態にあるものとする。
【0045】各除振パッドに対する目標供給圧力に応じ
てレギュレータ102A、102B、102Cおよび1
02a、102b、102cを調整する。この調整の
際、流量測定を行ってもよいが、本実施の形態では先に
説明したように変位センサ10Z1、10Z2、10
3、制御装置11内部の非干渉化計算部56、空圧制
御ユニット37および除振パッド4A〜4Dによって、
定盤6の傾きを全部または一部を補正する位置制御ルー
プが構成されているので、変位センサ10Z1、10
2、10Z3の出力に基づいて除振パッド4A〜4Dの
高さ変化速度を求めるようになっている。なお、レギュ
レータ102A〜102Cおよび102a〜102cの
調整の際には、圧力センサ104A〜104Cおよび1
04a〜104cのモニター値を目安にするとよい。
【0046】次に、3ポート電磁弁107A〜107C
および107a〜107cをクロス接続状態に切り換
え、スピコン105A〜105Cおよび105a〜10
5cの調整を行い、粗動側の流量を決定する。
【0047】上記のようにして構成された空圧制御ユニ
ット37によれば、3ポート電磁弁107A〜107C
および107a〜107cを切り換えることにより除振
パッド4A〜4Dに供給する空気の流量制御を粗動、微
動の2系統に切り換えることができ、除振台としての定
盤6の位置制御ループのゲインを高低2種類の任意の状
態に設定することが可能となる。
【0048】次に、上述のようにして構成された露光装
置100のスキャン露光の際の作用について説明する。
【0049】スキャン露光の際に、XYステージ20、
レチクルステージ27がX軸方向に沿って走査される
と、露光本体部40の重心が移動し、定盤6を含む露光
本体部40が傾斜し、これに伴って振動も発生する。こ
のときに変位センサ10Z1、10Z2、10Z3、10
1、10Y2、10Xおよび加速度センサ5Z1、5
2、5Z3、5Y1、5Y2、5Xから出力される信号は
制御装置11の振動制御系に入力される。
【0050】これに伴い、各アクチュエータ7A〜7D
および32A〜32Cには露光本体部40の傾斜および
振動を抑制するための推力制御信号が入力される。この
とき、アクチュエータ7A〜7Dに入力される信号はま
たLPF62A〜62Dにも入力される。そして、LP
F62A〜62Dで分離抽出された推力指令信号のうち
の低周波成分は空圧制御部60に入力される。これに応
じて空圧制御部60は、除振パッド4A〜4Dに供給す
る空気の流量を制御する。すなわち、空圧制御部60
は、図4に示す2ポート電磁弁108A〜108Cおよ
び108a〜108cのうちの一部または総てを開弁状
態に制御する。空圧制御部60はまた、LPF62A〜
62Dから出力される推力指令信号の大小に応じて3ポ
ート電磁弁107A〜107Cおよび107a〜107
cをストレート接続状態(微調整)あるいはクロス接続
状態(粗調整)に切り換える。これによってゲインの切
換を行い、除振パッド4A〜4Dの高さ制御の応答性お
よび制御分解能を高める。
【0051】空圧制御部60にはまた、減算器46dお
よび46eより出力される露光本体部40の重心GのX
θ方向およびYθ方向の位置偏差に関する信号が入力さ
れる。これらの信号に基づいて除振パッド4A〜4Dに
供給する空気の流量を制御する手順について図5を参照
して説明する。なお、以下では説明の煩雑化を避けるた
め、空気制御部60が3つの空気制御回路37A〜37
Cのうちのいずれか一つを制御する場合を例にとって説
明する。このとき、排気側回路は閉じた状態に固定し、
給気側回路を制御して除振パッド4A〜4Dのいずれか
に供給する空気の流量を制御するものとする。また、減
算器46a〜46f、LPF62A〜62D、空圧制御
回路37A〜37C、2ポート電磁弁108A〜108
C、3ポート電磁弁107A〜107C、そして除振パ
ッド4A〜4Dについて、特定のものを示すのでない限
りは単に減算器46、LPF62、空圧制御回路37、
2ポート電磁弁108、3ポート電磁弁107、そして
除振パッド4と云うように称する。
【0052】図5には(a)、(b)そして(c)の3
つのグラフが描かれており、これらのグラフは横軸にい
ずれも同じタイムスケールで時間がとられている。そし
て、縦軸には上から順に、LPF62から出力される推
力指令値(a)、2ポート電磁弁108および3ポート
電磁弁107の制御状態(b)、そして露光本体部40
の変位(c)が示されている。そして、(b)のグラフ
において上側が2ポート電磁弁108の開閉状態を、下
側が3ポート電磁弁107の接続状態を示している。そ
して、(b)の下側のグラフにおいて、「粗」と示され
る状態がクロス接続状態に対応し、「微」と示される状
態がストレート接続状態に対応する。以下では理解を容
易にするため、3ポート電磁弁107の開閉制御状態を
説明する際に、「クロス接続状態」を「粗調状態」と
し、「ストレート接続状態」を「微調状態」として説明
する。(c)に示す露光本体部40の変位は、減算器4
6から出力されるXθ方向、またはYθ方向の位置偏差
すなわち露光本体部40のローリングまたはピッチング
の状態を表す。つまり、除振パッド4に空気が急に流入
することにより生じる露光本体部40の揺れの程度を示
す。以下、これを単に「除振台の変位」と称する。
【0053】LPF62から出力される推力指令値がし
きい値1を越すタイミングt1において、空圧制御部6
0は2ポート電磁弁108を開弁状態に制御する。この
とき、3ポート電磁弁107は微調状態にある。次い
で、LPFから出力される推力指令値がしきい値2を越
すタイミングt2において、空圧制御部60は3ポート
電磁弁107を粗調状態に切り換える。これにより、推
力指令値が高まるのに対応して除振台の位置制御ループ
のゲインが高められる。
【0054】一方、(c)の除振台変位に着目すると、
上述のタイミングt1およびt2における2ポート電磁
弁108および3ポート電磁弁107の制御によって除
振パッド4に空気が流入し始めるのにつれ、除振台が変
位し始める。空圧制御部60は、除振台の変位がしきい
値bを越すのを検出するタイミングt3において2ポー
ト電磁弁108を閉弁状態に切り換えるとともに3ポー
ト電磁弁107を微調状態に切り換える。これにより、
除振パッド4への空気の流入が停止し、除振台の変位が
減じられる。そして、除振台の変位がしきい値aを下回
るのを検出するタイミングt4において、空圧制御部6
0は再度2ポート電磁弁108を開弁状態に、そして3
ポート電磁弁107を粗調状態に切り換える。これによ
って除振パッド4への空気の流入が再開され、除振台の
変位も再度増加に転じる。以下、空圧制御部60はタイ
ミングt5〜t10において除振台の変位量に基づき、
2ポート電磁弁108および3ポート電磁弁107を制
御して除振パッド4への空気の流入量を制御する。そし
て、タイミングt11において推力指令値がしきい値2
を下回るのに伴い、空圧制御部60は3ポート電磁弁1
07を微調状態に切り換え、続くタイミングt12にお
いて推力指令値がしきい値1を下回るのに伴い、空圧制
御部60は2ポート電磁弁108を閉弁状態に切り換え
る。
【0055】空圧制御部60による以上の制御によれ
ば、除振パッド4へ空気を流入させるのに伴って生じる
除振台の変位が所定量を越した場合に2ポート電磁弁1
08を一旦閉じることにより、図5(c)に示すように
除振台に大きな変位が生じるのを抑制することができ
る。また、除振台の変位が所定量を越さない間は、必要
に応じて3ポート電磁弁107を粗調状態に切り換える
ことにより除振パッド4へ流入させる空気の流量を多め
に設定することが可能である。これにより、ただ単に除
振パッド4へ流入させる空気の量を絞って除振台の変位
速度を緩やかにすることで除振台に生じる揺れを抑制す
る場合に比べ、除振台の位置制御ループのゲインを最大
限に高めることができる。つまり、除振パッド4で発生
する推力を速やかに目標とする値に設定することができ
る。
【0056】なお、図5におけるしきい値2は、除振台
に求められる除振性能に応じて可変とすることも可能で
ある。つまり、 レチクルRをレチクルステージ27に載置、あるいは
ウエハWをウエハホルダ21(以上、図1参照)に載置
する動作(レチクルロード動作、ウエハロード動作)
や、 レチクルRとウエハWとの相対的な位置決め精度を出
す動作(アライメント動作)や、 レチクルRに形成される回路パターンの像をウエハW
に投影する動作(露光動作)など、除振台上で行われる
様々の動作状況によって除振台に求められる除振性能は
変化する。ちなみに、上記の動作ではの動作よりは
の動作、そしての動作よりはの動作を行う場合によ
り高い除振性能が求められる。したがって、の動作が
行われている場合などのようにそれほど高い除振性能が
必要とされないときにはしきい値2を高めることにより
除振台の位置制御ループのゲインを高めに維持すること
が可能である。これによってアクチュエータ7A〜7D
からの発熱を抑制することができる。逆に、の動作が
行われている場合などのように高い除振性能が求められ
るときにはしきい値2を低めればよい。このしきい値2
は、上述した〜の動作を制御する不図示の制御装置
から上記動作状態に応じた要求除振性能を表す信号が制
御装置11に発せられ、この要求除振性能を表す信号に
応じて空圧制御部60で設定されるものであってもよ
い。しきい値2を上述のように空圧制御部60で可変に
設定可能とすることにより、可変電磁絞り弁等の装置を
用いることなく除振台の位置制御ループのゲインを可変
に設定することが可能となる。
【0057】これに対し、除振台制御部60による以上
の制御を行わない場合に生じる除振台の変位について図
6を参照して説明する。図6も図5と同様に(a)、
(b)そして(c)の3つのグラフが描かれているが、
これらのグラフは図5の(a)、(b)そして(c)に
示すものと同様にLPF62から出力される推力指令値
(a)、2ポート電磁弁108および3ポート電磁弁1
07の開閉制御状態(b)、そして除振台の変位(c)
が示されている。そして、LPF62から出力される推
力指令値がしきい値1を越すタイミングT1において2
ポート電磁弁108は開弁状態に制御される。このと
き、3ポート電磁弁107は微調状態にある。次いで、
LPF62から出力される推力指令値がしきい値2を越
すタイミングT2において、3ポート電磁弁107は粗
調状態に切り換えられ、これにより除振台の位置制御ル
ープのゲインが高められる。その後、除振台に変位を生
じるのに対応してLPF62から出力される推力の指令
値は低下し、しきい値2を下回るタイミングT3におい
て3ポート電磁弁107は微調状態に切り換えられ、次
いでLPF62から出力される推力の指令値がしきい値
1を下回るタイミングT4において2ポート電磁弁10
8は閉弁状態に切り換えられる。以上、タイミングT1
〜T4における2ポート電磁弁108および3ポート電
磁弁107の切換動作に伴って生じる除振台の変位につ
いて説明すると、除振パッド4への空気の流入量が急激
に増すのに伴い、図6(c)に示すように大きな変位を
生じてしまう。この変位を小さくするためには、たとえ
ばタイミングT2以降も3ポート電磁弁107を微調状
態に維持するなどして除振パッド4への空気流入量を少
なくする必要があり、このようにすると除振台の位置制
御ループの応答速度が低下してしまい、アクチュエータ
7A〜7Dの負荷が増して発熱の問題を生じる。
【0058】なお、以上の実施の形態の説明では、除振
パッド4への空気の流入量の制御に際し、2ポート電磁
弁108および3ポート電磁弁107を同時に切り換え
制御する例について説明したが、3ポート電磁弁107
は粗調状態に固定したままで2ポート電磁弁108のみ
の開閉切り換えを行うようにしてもよい。あるいは、2
ポート電磁弁108は開弁状態に固定したまま、3ポー
ト電磁弁107を粗調状態と微調状態とに切り換えて空
気の流量を調節するようにしてもよい。
【0059】また、除振パッド4へ空気を流入させる際
に電磁弁を開閉制御する例について説明したが、除振パ
ッド4から空気を排出させる場合にも同様の制御を行う
ことが可能である。
【0060】以上により、除振パッド4A〜4Dによっ
て定盤6を含む露光本体部40の傾斜の大部分(または
全部)が速やかに補正されるようになる。また、ステー
ジ20、27の移動による露光本体部40の重心移動に
伴う振動は、変位センサ10Z1、10Z2、10Z3
10Y1、10Y2、10X、加速度センサ5Z1、5
2、5Z3、5Y1、5Y2、5Xからの出力に基づいて
制御装置11によりアクチュエータ7A、7B、7C、
7D、および32A、32B、32Cが駆動制御されて
効果的に抑制される。この際に、定盤6を含む露光本体
部40の傾斜の残りがアクチュエータ7A、7B、7
C、7Dによって補正される。
【0061】したがって、定盤6を含む露光本体部40
の振動は、ステージ20、27の移動による露光本体部
40の重心移動による影響を殆ど受けることなく、効果
的に抑制される。また、除振台の傾き量の大部分が除振
パッド4A、4B、4C、4Dに供給する空気流量の制
御により補正されるので、アクチュエータ7A、7B、
7C、7Dのみによって露光本体部40の振動とともに
その傾斜をも補正する場合に比べて、アクチュエータ7
A、7B、7C、7Dに必要とされる推力が低減され、
これによりアクチュエータ7A、7B、7C、7Dの可
動子のコイルに流れる電流が必要最小限となり、発熱量
を著しく抑制することが可能となる。
【0062】ところで、以上の実施の形態の説明におい
て、図1に示すように定盤6の上面には第1コラム24
が立設され、この第1コラム24の上面に第2コラム2
6が立設されていて、これら定盤6、第1コラム24、
第2コラム26に加えてXYステージ20、ウエハホル
ダ21、投影光学系PLおよびレチクルステージ27等
により露光本体部40が構成されていることは既に説明
したとおりである。これに対し、図1に示すものとは異
なる構造の骨格部が形成される露光装置に対しても本発
明に係る除振装置を適用することができる。これについ
て図7を参照して説明する。なお、図7に示す露光装置
において、図1に示すものと同様の構成には同じ符号を
付し、その説明を省略する。また、図7においても投影
光学系の光軸と平行にZ軸を取り、Z軸に直交する平面
内で定盤6Aの長手方向にX軸を、これに直交する方向
にY軸を取る。また、それぞれの軸回りの回転方向をZ
θ、Xθ、Yθ方向と定める。さらに、必要に応じ、図
7中のX、Y、Z軸を示す各矢印の示す方向を+X、+
Y、+Z方向、これと反対の方向を−X、−Y、−Z方
向と区別して用いる。
【0063】図7(a)において、台座2の上面にアク
チュエータ7A〜7D(但し、図7(a)では紙面奥側
のアクチュエータ7Dは図示せず)が設置される。これ
らのアクチュエータ7A〜7Dの上に除振パッド4A〜
4D(但し、図7(a)では紙面奥側の除振パッド4D
は図示せず)が設置され、これらの上に定盤6Aが設置
される。これらアクチュエータ7A〜7Dおよび除振パ
ッド4A〜4Dの詳細については後で説明する。
【0064】定盤6Aの下部には下ベース6Bが固設さ
れる。ウェハステージ20は、この下ベース6Bの上に
設置される。定盤6Aには、この定盤6Aを貫通して投
影レンズユニットPLUが固設される。投影レンズユニ
ットPLUの上方にはレチクルステージ27が設置され
る。定盤6Aの上には、投影レンズユニットPLUを囲
むようにコラム26Aが固設され、コラム26Aの上部
にミラー保持ユニット154を介してミラー152が固
設される。コラム26Aの上部にはまた、照明光学系I
Lが設置される。照明光学系ILから出射される照明光
は上述のミラー152で反射されてレチクルRに導かれ
る。
【0065】図7(b)を参照して露光本体部70の除
振を行うためのアクチュエータ7A〜7Dおよび除振パ
ッド4A〜4Dの接続状態について説明する。なお、こ
れらのアクチュエータ7A〜7D、あるいは除振パッド
4A〜4Dはいずれも同じ構成のものであり、ここでは
アクチュエータ7Aおよび除振パッド4Aについてのみ
説明をする。
【0066】アクチュエータ7Aは既に説明したとお
り、固定子9Aおよび可動子8Aなどで構成され、電磁
力により±Z方向に推力を発生する。固定子9Aは固定
枠体7Aaの内側下部に固設され、可動子8Aは可動枠
体4cと結合される。除振パッド4Aは、固定部4eお
よび可動部4fなどで構成される。除振パッド4Aの固
定部4eは固定枠体7Aaの上に固設される一方、可動
部4fは可動枠体4cと連結される。このような構成に
より、アクチュエータ7Aおよび除振パッド4Aから発
生する推力はいずれも可動枠体4cに伝達される。アク
チュエータ7Aから発生する推力は、空圧制御回路37
(図4)により調節される。除振パッド4Aへは、エア
給気穴4bを経て空気が送られる。
【0067】可動枠体4cの天面にはダボ4aが突設さ
れているが、これは定盤6Aの底面に穿設される穴(不
図示)と嵌合して位置決めを行うためのものである。
【0068】再び図7(a)を参照して定盤6Aに設置
されるセンサ等について説明する。定盤6Aの上面にお
ける+Y方向側の両端部近くに、加速度センサ105A
および105Bがそれぞれ固設される。また、定盤6A
の上面における−Y方向側の端部近くに加速度センサ1
05Cが固設され、これらの加速度センサ105A〜1
05Cにより定盤6Aの振動が検出される。さらに、定
盤6Aの+X方向側の側面の両端近くに変位センサ10
6Bおよび106Cがそれぞれ固設される一方、定盤6
Aの−X方向側の側面における+Y側端近くに変位セン
サ106Aが固設される。台座2の±X側両端近くには
門型形状のフレーム102Aおよび102Bがそれぞれ
固設される。変位センサ106A〜106Cは、上記の
フレーム102Aあるいは102Bと定盤6Aとの相対
変位を検出する。これらの加速度センサ105A〜10
5Cおよび変位センサ106A〜106Cはいずれも制
御装置11(図3)に接続される。
【0069】上述の加速度センサ105A〜105C、
そして変位センサ106A〜106Cの振動検出方向あ
るいは変位検出方向について説明する。加速度センサ1
05Bは、定盤6Aに生じる±X方向、±Y方向、±Z
方向の加速度をそれぞれ検出する3つの加速度センサで
構成される。加速度センサ105Aは、定盤6Aに生じ
る±Y方向、±Z方向の加速度をそれぞれ検出する2つ
の加速度センサで構成される。加速度センサ105C
は、定盤6Aの±Z方向の加速度を検出するセンサで構
成される。同様に変位センサ106Bは、定盤6Aとフ
レーム102Bとの間の±X方向、±Y方向、±Z方向
の相対変位をそれぞれ検出する3つの変位センサで構成
される。変位センサ106Aは、定盤6Aとフレーム1
02Aとの間に生じる±Y方向、±Z方向の相対変位を
それぞれ検出する2つの変位センサで構成される。そし
て変位センサ106Cは、定盤6Aとフレーム102B
との間で生じる±Z方向の相対変位を検出するセンサで
構成される。これらの加速度センサ105A〜105C
および変位センサ106A〜106Cから出力される信
号を処理することにより、定盤6Aの6自由度方向、す
なわち±X方向、±Y方向、±Z方向、±Xθ方向、±
Yθ方向および±Zθ方向の変位と振動とを検出するこ
とができる。
【0070】フレーム102Aの上部、+Y側端部近く
に固設されるYアクチュエータ32A、そしてフレーム
102Bの上部+Y側端部近くおよび中央部近くにそれ
ぞれ固設されるYアクチュエータ32BおよびXアクチ
ュエータ32Cについて説明する。Xアクチュエータ3
2Cは、定盤6Aに対して±X方向の推力を与えるもの
である。Yアクチュエータ32A、32Bは、定盤6A
に対して±Y方向の推力を与えるためのものである。こ
のとき、Yアクチュエータ32Aおよび32Bのそれぞ
れから発する推力を調節することにより、定盤6Aに±
Zθ方向の回転力を生じさせることもできる。定盤6A
の上面には、それぞれのアクチュエータと対向するよう
にブロック35A、35B、および35Cが固設され
る。そして、各アクチュエータから発せられる推力は、
それぞれのアクチュエータに対向するこれらのブロック
35A、35B、35Cを介して定盤6Aに伝えられ
る。
【0071】制御装置11は、以上に説明した加速度セ
ンサ105A〜105Cおよび変位センサ106A〜1
06Bで検出された定盤6Aの振動および変位に基づ
き、上述の除振パッド4A〜4D、アクチュエータ7A
〜7D、Xアクチュエータ32Aおよび32B、そして
Yアクチュエータ32Cより発する推力を制御して露光
本体部40Aを除振する。
【0072】以上に説明したように、図7(a)に示す
露光装置100Aは、定盤6Aを核として、定盤6Aに
下ベース6Bを吊支する一方、定盤6Aの上面にコラム
26Aを固設する骨格構造の露光本体部40Aを有す
る。そして、除振パッド4A〜4Dおよびアクチュエー
タ7A〜7Dは、上述した骨格構造の核となる定盤6A
を支える。このような構造とすることにより露光本体部
40A全体の剛性を容易に増すことができる。また、図
1に示す構造の露光装置100に比べて、図7(a)に
示す構造の露光装置100Aでは、露光本体部40Aの
重心位置高さと定盤6Aの支持位置高さとの差を少なく
することができる。これにより、露光本体部40Aが傾
いた場合に、その傾きを修正するために除振パッド4A
〜4Dおよびアクチュエータ7A〜7Dから発するべき
推力は図1に示すものに比べて小さくすることができ
る。したがって、露光本体部40Aの安定度を容易に増
すことができる。
【0073】以上の実施の形態の説明においては、本発
明に係る除振装置をステップ・アンド・スキャン方式の
走査露光型の投影露光装置に適用した場合について示し
たが、本発明の除振装置はステッパ方式の投影露光装置
であっても定盤上をステージが移動するものであるから
好適に適用できるものである。
【0074】さらに本実施の形態に係る除振装置は、上
記実施の形態で説明した光学式の露光装置のみならず、
荷電粒子線露光装置にも適用可能である。
【0075】また、以上の実施の形態では、位置決め装
置を露光装置に適用した例について説明したが、本発明
は精密な位置決めを要する移動ステージ等の位置決め装
置に適用することも可能である。
【0076】以上の発明の実施の形態と請求項との対応
において、除振パッド4A、4B、4C、4Dが空気バ
ネを、定盤6および6Aが除振台を、2ポート電磁弁1
08A、108B、108C、108a、108b、1
08cおよび3ポート電磁弁107A、107B、10
8C、108a、108b、108cが弁開閉手段を、
制御装置11が除振台制御系をそれぞれ構成する。
【0077】
【発明の効果】以上に説明したように、 (1) 請求項1に記載の発明によれば、空気バネの推
力調節に伴なって除振台に大きな揺れが生じるのを抑制
しつつ、除振台の位置制御ループの応答ゲインを高める
ことができる。これにより、除振性能に優れた除振装置
を提供することができる。 (2) 請求項2に記載の発明によれば、求められる除
振性能に応じて空気バネによる除振台の位置制御ループ
の応答性を容易に変化させることができる。このため、
さほど高い除振性能を必要としない場合には空気バネに
よる除振台の位置制御ループの応答性を高めてアクチュ
エータからの発熱を抑制することができる。 (3) 請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記
載の発明に係る除振装置の効果によって露光精度を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位置決め装置を露光装置に適用し
た例を示す図。
【図2】図1に示す露光装置の一部を示す図であり、除
振パッドと空圧制御回路との接続状態を説明する図。
【図3】図1に示す露光装置の除振制御を行う制御装置
の構成を説明するブロック図。
【図4】空圧制御回路の構成を説明するブロック図。
【図5】空圧制御部によって空圧制御がなされる様子を
示す図であり、(a)は空圧制御部に入力される推力指
令値を、(b)は推力指令値および除振台に生じる変位
量に基づいて空圧制御回路の2ポート電磁弁および3ポ
ート電磁弁が制御される様子を、(c)は除振台に生じ
る変位が抑制される様子を示す図である。
【図6】空圧制御回路の2ポート電磁弁および3ポート
電磁弁が、除振台に生じる変位量に基づいて制御されな
い場合の様子を示す図であり、(a)は空圧制御部に入
力される推力指令値を、(b)は推力指令値のみに基づ
いて空圧制御回路の2ポート電磁弁および3ポート電磁
弁が制御される様子を、(c)は除振台に大きな変位を
生じる様子を示す図である。
【図7】本発明による除振装置が適用される投影露光装
置の他の例を説明する図。
【符号の説明】
4A〜4D 除振パッド(空気バネ) 5Z1、5Z2、5Z3、5Y1、5Y2、5X 加速度セ
ンサ(振動センサ) 6、6A 定盤(除振台) 7A〜7D アクチュエータ 10Z1〜10Z3、10Y1、10Y2、10X 変位セ
ンサ 11 制御装置 32A、32B Yアクチュエータ 32C Xアクチュエータ 37 空圧制御ユニット 37A、37B、37C 空圧制御回路 40 露光本体部 60 空圧制御部 107A、107B、107C、107a、107b、
107c3ポート電磁弁 108A、108B、108C、108a、108b、
108c2ポート電磁弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床面に対し、空気バネを介して支持され
    た除振台と、 前記空気バネへ空圧を供給するための空圧源と、 前記空気バネと前記空圧源とを連通する管路と、 前記管路に配設され、前記空圧源と前記空気バネとの間
    を連通する開状態、または遮断する閉状態に切り換える
    弁開閉手段と、 前記空気バネと並列に配設され、前記除振台を前記空気
    バネの支持方向と略同一の方向に駆動可能なアクチュエ
    ータと、 前記除振台の変位を検出する変位センサと、 少なくとも前記変位センサからの出力に基づいて前記除
    振台の振動を抑制するように前記アクチュエータを駆動
    制御するとともに、前記弁開閉手段を開閉駆動して前記
    空気バネの推力を調節し、前記アクチュエータの負荷を
    低減させるように駆動制御する除振台制御系とを有する
    除振装置において、 前記変位センサで検出される前記除振台の変位量に上限
    値を設け、前記弁開閉手段を前記閉状態から前記開状態
    に切り換えた後、前記除振台の変位量が前記上限値を越
    したときに前記弁開閉手段を前記開状態から前記閉状態
    に切り換えることを特徴とする除振装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の除振装置において、前
    記除振台に求められる要求除振性能を表す信号に応じ
    て、前記要求除振性能が高いときには前記上限値を低め
    る一方、前記要求除振性能が低い場合には前記上限値を
    高めることを特徴とする除振装置。
  3. 【請求項3】 マスクステージに設置されるマスク基板
    に形成されたパターンを、投影光学系を介して基板ステ
    ージに設置される基板に露光する露光装置であって、 請求項1または2に記載の除振装置を具備することを特
    徴とする露光装置。
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