JPH0915868A - 能動的除振装置 - Google Patents

能動的除振装置

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JPH0915868A
JPH0915868A JP18226995A JP18226995A JPH0915868A JP H0915868 A JPH0915868 A JP H0915868A JP 18226995 A JP18226995 A JP 18226995A JP 18226995 A JP18226995 A JP 18226995A JP H0915868 A JPH0915868 A JP H0915868A
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compensator
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vibration isolation
vibration
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JP18226995A
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Shinji Wakui
伸二 涌井
Katsumi Asada
克己 浅田
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 露光用XYステージを搭載してなる半導体製
造装置の一構成ユニットとして好適に使用される除振装
置を提供する。 【構成】 除振台、これを支持する空気バネ、その圧力
を調整するサーボバルブ1、除振台の変位を計測する位
置センサ3、除振台に予圧を付与する予圧用機械バネ、
および空気バネ式支持脚と、位置センサの出力を電気信
号に変換する変位増幅器11と、変位増幅器の出力と所
定の目標電圧13とを比較するための比較回路12と、
比較回路の偏差信号に対して補償を施すPI補償器14
と、除振台に対し空気バネが付与する力を検出する荷重
センサ16と、荷重センサの出力を電気信号に変換する
荷重検出器17Aと、荷重検出器の出力に対して補償を
施す荷重補償器17Bと、PI補償器の出力に対して荷
重補償器の負帰還信号を加算した信号に基づいてサーボ
バルブに駆動電流を付与する電圧電流変換器10とを具
備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、露光用XYステージを
搭載してなる半導体製造装置の一構成ユニットとして好
適に使用される除振装置、特に、空気バネをアクチュエ
ータとした能動的除振装置、ボイスコイルモータをアク
チュエータとした能動的除振装置、あるいは両者のアク
チュエータを複合して使用してなる能動的除振装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】除振台上には振動を嫌う機器群が搭載さ
れる。例えば、光学顕微鏡や露光用XYステージなどで
ある。特に、露光用XYステージの場合、適切かつ迅速
な露光が行われるべく、外部から伝達する振動を極力排
除した除振台上に同ステージは搭載されねばならない。
なぜならば、露光は露光用XYステージが完全停止の状
態で行う必要があるからである。さらに、露光用XYス
テージはステップ&リピートという間欠運転を動作モー
ドとして持ち、繰り返しのステップ振動を自身が発生
し、これが除振台の揺れを惹起せしめることにも注意せ
ねばならない。この種の振動が残留する場合にも、露光
動作に入ることは不可能である。したがって、除振台に
は、外部振動に対する除振と、搭載された機器自身の運
動に起因した強制振動に対する制振性能とをバランスよ
く実現することが求められている。
【0003】なお、XYステージを完全停止させてから
同ステージ上に搭載のシリコンウエハに対して露光光を
照射するというステップ&リピート方式の半導体露光装
置に代わって、XYステージなどをスキャンさせながら
露光光をシリコンウエハ上に照射するスキャン方式の半
導体露光装置も登場してきた。このような装置に使われ
る除振台に対しても、外部振動に対する除振と、その除
振台に搭載された機器自身の運動に起因した強制振動に
対する制振性能とをバランスよく満たすことが求められ
ることは同様である。さて、周知のように、除振台の実
現形態としては受動的除振装置と能動的除振装置とに分
類される。除振台上の搭載機器に求められる高精度位置
決め、高精度スキャン、高速移動などへの要求に応える
べく近年は能動的除振装置を用いる傾向にある。能動的
除振装置に用いられるアクチュエータとしては、空気バ
ネやボイスコイルモータなどの力発生型アクチュエー
タ、圧電素子などの変位発生型アクチュエータが知られ
ている。
【0004】まず、図2を用いて空気バネをアクチュエ
ータとする能動的除振装置の構成とその動作を説明す
る。同図において、1は空気バネ2へ動作流体の空気を
給気・排気するサーボバルブ、3は除振台4の鉛直方向
変位を計測する位置センサ、5は予圧用機械バネ、6は
空気バネ2と予圧用機械バネ5および図示しない機構全
体の粘性を表現する粘性要素である。これらの構成部品
から組み合わされる機構は空気バネ式支持脚15と呼ば
れる。次に、空気バネ式支持脚15に対するフィードバ
ック装置7の構成とその動作を説明する。まず、加速度
センサ8の出力は、適切な増幅度と時定数とを有するロ
ーパスフィルタないしバンドパスフィルタ9を介してサ
ーボバルブ1の弁開閉用の電圧電流変換器10の前段に
負帰還する。この加速度フィードバックループにより機
構の安定化が図られている。すなわち、ダンピングが付
与される。さらに、位置センサ3の出力は変位増幅器1
1を通って比較回路12の入力となっている。ここで
は、空気バネ式支持脚15が接する地面に対する目標位
置と等価な目標電圧13と比較されて偏差信号eとな
る。この偏差信号eはPI補償器14を通って電圧電流
変換器10を励磁する。すると、サーボバルブ1の弁開
閉によって空気バネ2内の圧力が調整されて除振台4は
目標電圧13で指定した所望の位置に定常偏差なく保持
可能となる。ここで、Pは比例動作、Iは積分動作をそ
れぞれ意味する。
【0005】図2に示したように、空気バネをアクチュ
エータとした能動的除振装置では、除振台4の位置決め
制御と振動制御のために、位置フィードバックループと
加速度フィードバックループとを合わせてフィードバッ
ク装置7を構成している。これらのフィードバックルー
プを構成するために、位置センサ3と加速度センサ8が
物理情報の検出センサとして用いられる。位置センサと
しては、例えば渦電流式位置センサが、加速度センサと
してはサーボ式加速度センサが知られている。ここで、
サーボ式加速度センサは、バネと重りとからなるサイズ
モ系、位置検出器、サーボアンプ、および駆動装置から
構成される。重りに振動加速度が印加されると、重りが
平衡位置からシフトする。このずれを位置検出器が捕捉
してサーボ増幅器を動作させて駆動装置に電流を通じ、
ずれに比例した復元力を発生させて重りを元の平衡位置
に戻すように作用する。この復元力は重りをずらせた振
動加速度に比例し、したがって駆動装置に通電する電流
を検出することによって加速度が測定される。このタイ
プの加速度センサは、極低周波の加速度に対して高い検
出感度を有するという優れた特徴を持つ。しかし、非常
に高価であり、かつ機械的衝撃に弱いという欠点があ
る。
【0006】また、特開平6ー117480号公報
(『振動除去装置』)には、空気バネとボイスコイルモ
ータとを併用した振動除去装置であって、定盤上の大重
量物を空気バネで支持し、空気圧の変化から定盤に作用
する荷重を検出し、その検出信号から適切なアルゴリズ
ムを用いて制御定数を算出し、そして、導出した制御定
数に基づいて設計した補償器に振動センサの信号を入力
してボイスコイルモータを駆動して制振を行わせるもの
が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】上述したように、
従来の能動的除振装置においては除振台の位置制御のた
めの位置センサを、そして制振制御のためには、通例、
加速度センサを備えている。そして、除振領域の拡大
と、微振動を対象とした制振制御の必要性から、高感度
・高分解能のサーボ式加速度計を使用する傾向にある。
周知のように、サーボ式加速度計の欠点として、高価で
あり、且つ機械的衝撃に対する脆弱性が挙げられる。ま
た、微振動に対する除振能力向上のために検出分解能が
高いサーボ式加速度センサを使用した場合、同センサ設
置部位の局所的な振動、例えば予圧用機械バネのサージ
ングなど不要振動を検出してしまい、除振性能に悪影響
を及ぼすことがある。
【0008】本発明の目的は、フィードバック装置中の
加速度フィードバックループを、高価であり、且つ機械
的衝撃に対して脆弱な加速度センサを使用することなく
実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明では、従来の加速度フィードバックループに代え
て力ないし荷重センサの検出信号に基づく荷重フィード
バックループを備えるようにしている。すなわち、本発
明の能動的除振装置は、空気バネとサーボバルブと位置
センサと荷重センサと予圧用機械バネ粘性要素と除振台
とからなる空気バネ式支持脚と、位置センサの出力を電
気信号に変換する変位増幅器と、変位増幅器の出力と目
標電圧を比較するための比較回路と、比較回路の出力信
号である偏差信号に対して補償を施すPI補償器と、荷
重センサの出力信号を電気信号に変換する荷重検出器
と、この出力に対して補償を施す荷重補償器と、PI補
償器の出力に対して荷重補償器の負帰還信号を加算して
サーボバルブを駆動する電圧電流変換器とを備えたこと
を特徴とする。ここで、電圧電流変換器の入力からサー
ボバルブを介して空気バネが実際の力を発生するところ
までの特性が積分特性で表現できる場合、荷重フィード
バックループの伝達関数は、ゲイン補償器あるいはPI
補償器のものであることを特徴とする。また、電圧電流
変換器の入力からサーボバルブを介して空気バネが実際
の力を発生するところまでの特性が1次遅れで表現でき
る場合、荷重フィードバックループの伝達関数は、PI
補償器あるいは2重PI補償器のものであることを特徴
とする。他の態様にかかる能動的除振装置は、電磁アク
チュエータを備えた除振台であって、荷重センサの出力
信号を電気信号に変換する荷重検出器と、荷重変換器の
出力に対して補償を施す荷重補償器と、その出力信号に
応動して電磁アクチュエータを励磁する電力増幅器とを
備えたことを特徴とする。この場合、荷重補償器の伝達
関数は、積分器あるいは積分器とPI補償器をカスケー
ド接続した補償器であることを特徴とする。
【0010】
【作用】加速度センサに代わって除振台の振動を、安価
かつ堅牢な荷重センサを使って検出する。荷重センサの
出力信号に対して適切な伝達関数を有する補償器を通し
て、その出力信号を空気バネへの動作流体である空気の
出し入れを行うサーボバルブを駆動する電圧電流変換器
の前段に負帰還すると、除振台に対して粘性のみあるい
は粘性と剛性の両者を電気的に付与するよう作用する。
すなわち、加速度センサを使った加速度フィードバック
ループと同様の作用を持たせられる。
【0011】なお、上述の特開平6−117480号公
報のものは、定盤に作用する加重を検出しているが、そ
の荷重の検出は補償器の制御定数を導出するためのもの
であり、制御ループの信号としては利用されていない。
やはり、振動センサと称しているが加速度センサを制振
制御のためのセンサとして備えているのである。従っ
て、本発明とは目的および技術内容を異にする。
【0012】
【実施例】 図1は、本発明の一実施例である能動的除
振装置を示す図である。図1において、図2と同一符号
を付けた箇所の説明は省略する。さて、図2の装置構成
と比較したとき異なる箇所は空気バネ2と除振台4の間
に空気バネ2が実際に発生する力を検出する荷重センサ
(あるいは力センサ)16を装着していることである。
荷重センサ16の出力は、荷重検出器17Aによって電
気信号に変換され、その電気信号は後述する適切な伝達
関数を有する荷重補償器17Bを通ってサーボバルブ1
を駆動する電圧電流変換器10の前段に負帰還されてい
る。従来の技術では、図2に示したように除振台4に加
速度センサ8を備え、この出力はローパスフィルタない
しバンドパスフィルタ9を介して電圧電流変換器10の
前段に負帰還している。つまり、本実施例ではダンピン
グを付加する従来の加速度フィードバックループの代わ
りに荷重センサ16の出力信号を電気信号に変換する荷
重検出器17Aとその出力に対して補償を施すための適
切な伝達関数を有する荷重補償器17Bとを介した荷重
フィードバックループを位置フィードバックループと共
に備えるのである。これを荷重マイナーループ付きフィ
ードバック装置18と呼ぶことにする。もちろん、この
呼称に従えば、従来のフィードバック装置7は加速度マ
イナーループ付きフィードバック装置となる。
【0013】図3には、空気バネ2の一例であるセルフ
シール型1山ベローズ空気バネの構造を示す。図におい
て、19は上面板、20は下面板、21はゴムベロー
ズ、22は空気配管穴、である。図1に示した荷重セン
サ16は、図3において上面板19や下面板20に剛に
取りつけておくことが可能である。従来、加速度センサ
8の装着に関しては、その取り付け用金具の振動、予圧
用機械バネ5のサージングなどの振動、あるいは空気バ
ネ式支持脚15における不図示のケーシングなどの局部
的な振動などをも加速度センサ8が検知してしまい、結
果として従来の加速度フィードバックループにそれらの
不要な加速度信号が混入し除振台の位置決め特性、除振
特性、および制振特性の向上を妨げていた。しかるに、
図1の如く、荷重センサ16は剛に装着可能なので、機
構部材の局部的な機械振動を検出するようなことは回避
できる。
【0014】さて、荷重フィードバックループの効果を
明らかにし、かつ同ループの伝達関数を特定するために
解析結果を示す。図4を参照して、Vcから除振台の変
位xまでの伝達関数は簡単な計算から数1式のように求
められる。ただし、図において、破線内は機械的な除振
台を表現するブロックを、Gval(s) はサーボバルブ1
を駆動する電圧電流変換器10への入力電圧Vcから空
気バネ2が発生する力までの伝達関数を意味する。そし
てGf(s) は荷重フィードバックループの伝達関数、す
なわち、図1を参照して荷重センサ16から荷重変換器
17Aを通って荷重補償器17Bまでの伝達関数を意味
する。
【0015】
【数1】 以下、Gval(s) の特性を2種類与える。まず、G
val(s) が数2式のように積分器として表現できる場合
を考える。空気バネ2に連結する不図示の補助タンクの
容積が大なるとき、サーボバルブ1を駆動する電圧電流
変換器10の入力電圧から空気バネ2が発生する力まで
の伝達関数は概略積分特性とみなせる。
【0016】
【数2】 このとき、数2式を数1式に代入して、Vc からxまで
の伝達関数は数3式のように表現される。
【0017】
【数3】 次に、荷重フィードバックの伝達関数Gf(s) の選択を
考える。Gf(s) を数4式のように単純なゲインのみ
とした場合、Vc からxまでの関係は数4式となり、
0 により電気的にダンピングが調整できる。
【0018】
【数4】 また、数5式のように、Gf(s) をPI補償器とした
場合には、Vc からxまでの関係として数5式を得
る。
【0019】
【数5】 数5式より、f0 ,T1 ,T2 のパラメータを使っ
て粘性項と剛性項の両者を電気的に操作可能なことがわ
かる。
【0020】次に、例えば除振台4の応答性を高めるた
めに空気バネ2に連結する不図示の補助タンクの容積を
小さくしていった場合を考える。サーボバルブ1を駆動
する電圧電流変換器10への入力電圧から空気バネ2が
発生する力までの伝達関数は数2式で表現した積分器の
特性からのずれを生じ低周波数に折点を持つようにな
る。つまり、数6式のように1次遅れの伝達関数で表現
できる。
【0021】
【数6】 数6式を数1式に代入すると数7式を得る。
【0022】
【数7】 ここで、Gf(s) を数8式のようにPI補償器とす
る。このとき、T1 =Tとなるように数8で表現する
PI補償器を設計する。すると、Vc からxまでの関数
は数8式のように表現できる。
【0023】
【数8】 数8式より、パラメータf0 ,T2 によって粘性項が
調整できる。さらに、数9式のように、Gf(s) はP
I補償器をカスケード接続した伝達関数とする。便宜
上、2重PI補償器と称する。ここでも、T1 =Tと設
定するとVc からxまでの関係は数9式となる。
【0024】
【数9】 数9式からは、パラメータf0 ,T1 ,T2 ,t1
2 によって粘性項と剛性項が電気的に調製できるこ
とが分かる。
【0025】本発明では、上述のように荷重フィードバ
ックループを適宜構成しておき、再び図1を参照して、
位置センサ3の出力を変位増幅器11で電気信号に変換
し、これを比較回路12に導いて目標電圧13と比較
し、次いで比較回路12の出力である偏差信号eをPI
補償器14に導き、先に説明した荷重フィードバックル
ープが生成する負帰還信号と加算して、サーボバルブ1
の弁を開閉する電圧電流変換器10を励磁しているので
ある。
【0026】最後に、本実施例の効果を数値実験によっ
て示す。空気バネと連結する補助タンクの容積が大きい
場合で、表1に示す物理パラメータを有する除振台を平
衡位置から100[μm]相当の目標電圧を入力して位
置決め制御したときの変位応答の様子を、本実施例の効
果を示す第1の数値実験結果として図5に与える。
【0027】
【表1】 数4式のように、荷重フィードバックループの伝達関
数をゲインと選び、順次この大きさを変えた。数4式
の構造から明らかなように、荷重フィードバックループ
のゲインは粘性項に寄与する。よって、位置制御を掛け
たうえで、荷重フィードバックループのゲインを安定範
囲内において順次大きくしていくと、変位応答に生じて
いた振動が抑制できる筈である。図5において、応答波
形Aは荷重フィードバックループの伝達関数のゲインを
弱く設定した場合であり、このゲインを1に規格化し
て、波形B,Cはそれぞれ2,4倍のゲインに設定した
ときの変位応答である。荷重フィードバックループの伝
達関数のゲインを増大するにしたがって、変位応答に生
じていた振動が抑制できている。
【0028】次に、本実施例の効果を示す第2の数値実
験結果を図6に与える。荷重フィードバックループの伝
達関数Gf(s) を数5式のように設定して位置制御を
掛けたときのものである。この場合、数5式によれば
パラメータf0 ,T1 ,T2によって粘性項と剛性項を
電気的に操作することができる。ここでは、100
[N]の外乱が除振台に印加した場合であって、f0
変化させたときの変位の応答を数値実験した。ただし、
数5式を参照して、T2 は固定であり、f0 を変化さ
せたときの粘性項の大きさを不変となすべく、T1 とf
0 の積が一定となるようにT1 も変化させた。図中、応
答波形a(一点鎖線)のf0 を1に規格化すると、応答
波形b(破線)、c(実線)のf0 はそれぞれ25、5
0倍になっている。剛性を大きくするにしたがい外乱に
対する変位の応答の振幅は抑制され、かつ固有周波数の
上昇がもたらされる筈であり、図6の数値実験結果もそ
れぞれ裏付けている。
【0029】以上、図5の数値実験結果より、荷重フィ
ードバックが従来の加速度フィードバックと同様の作用
を持つことが確認できる。また、図6の数値実験より、
本実施例の能動的除振装置においては、制御系全体とし
てのダンピングと共にスティフネスも調整できることが
確認できる。
【0030】
【他の実施例】図1に示した能動的除振装置では、アク
チュエータが空気バネであり、作動流体である空気を出
し入れするためのサーボバルブ1とそれを駆動する電圧
電流変換器10の入力電圧から空気バネ2が実際の力を
発生するところまでの伝達関数を考慮して荷重フィード
バックループの伝達関数Gf(s) を適宜設計することに
より除振台4の制御特性が調整できた。従来技術で述べ
たように、除振台4を駆動するアクチュエータとして
は、空気バネの他に、やはり力発生型アクチュエータで
あるがボイスコイルモータなどに代表される電磁アクチ
ュエータも使用できる。そこで、本発明の他の実施例と
して電磁アクチュエータを使う除振台の制御構成を与え
る。
【0031】この場合、図4を参照して、Gval(s) を
数10式のように一定のゲインとおけば理論的背景が議
論できる。
【0032】
【数10】 このとき、Gf(s) を数11式の如く積分器とすれ
ば、Vc からxまでの関係は数11式となる。
【0033】
【数11】 また、Gf(s) を数12式と選ぶ。Vc からxまでの
関係は数12式となる。
【0034】
【数12】 数11式はパラメータf0 によって粘性項が、数12
式はパラメータf0,T1 ,T2 によって粘性項と剛
性項の両者がそれぞれ調整され得ることを意味する。す
なわち、数11式は数4式に、そして数12式は
数5式に対応した関係になっていることが了解でき
る。よって、ボイスコイルモータに代表される電磁アク
チュエータを備えた除振台の制御装置においても、従来
の加速度フィードバックループを荷重フィードバックル
ープで置き換え可能となる。
【0035】さて、周知のように、ボイスコイルモータ
に代表される電磁アクチュエータを用いた除振台に対す
る制御装置は、一般的には制振制御の機能のみ有する。
除振台を位置決めするための位置制御ループは持たない
ことが多い。理由は、大重量物の除振台を位置決めする
には、電磁アクチュエータに電流を定常的に通電してお
かねばならず、発熱問題を引き起こすからである。その
ため、従来、電磁アクチュエータを持つ除振台の制御装
置では、振動の検出に加速度センサを備え、その出力に
積分補償(疑似積分補償を含む)を施し、電磁アクチュ
エータを駆動する電力増幅器を励磁する装置構成になっ
ている。数11式と数12式より、荷重フィードバ
ックループにより従来の加速度フィードバックループと
同等の効能が持たせられることが分かった。よって、本
発明の他の実施例を図示すると図7になる。図7に図示
した能動的除振装置の除振台は空気バネと電磁アクチュ
エータで支持されるものであり、特開平6ー11748
0号公報の図3に開示されているものである。図におい
て、23a,23bは磁性体、24a,24bは永久磁
石、25a,25bはコイルであり、これらの要素部品
で電磁アクチュエータを構成している。また、26は空
気室、27は空気入出力部、28は貫通孔、29は弾性
部材(例えば、ゴム)であり、これらの部材は空気バネ
を形成している。
【0036】電磁アクチュエータは電力増幅器30a,
30bで駆動されるが、除振台4にかかる荷重を荷重セ
ンサ16で検出し、その出力を荷重検出器17Aによっ
て電気信号に変換し、次いで数11式の如き積分特
性、あるいは数12式のように積分とPI補償とをカ
スケード接続した特性いずれかの伝達関数を有する荷重
補償器17Bを通して電力増幅器30a,30bを励磁
するようになっている。従来、除振台4を電磁アクチュ
エータで制振制御するときの制御装置構成は、除振台4
に不図示の加速度センサを備え、その出力を電気信号に
変換し、さらに積分補償ないしは疑似積分補償を施し
て、電力増幅器30a,30bを励磁していたものであ
る。
【0037】なお、説明を簡便に行うべく、図1に示す
本発明の一実施例と図7に示す本発明の他の実施例の能
動的除振装置は1軸のものであった。もちろん、1軸の
みならず、多軸の能動的除振装置に対しても,本発明の
主旨を逸脱しない範囲内においてその適用は妨げられな
い。さらに、図1の実施例では、アナログ演算回路で制
御系を実現しているが、この内の一部もしくは全部を電
子計算機のようなディジタル演算装置で置き換えてもか
まわない。
【0038】
【発明の効果】以上、本発明の除振装置によれば下記の
効果がもたらされる。 (1)能動的除振装置の低コスト化 能動的除振装置に使われる加速度センサは、低周波数か
ら高い検出感度を持たねばならない。ゆえに、加速度セ
ンサは一般的にサーボ式のものとなる。しかし、サーボ
式加速度センサは高価であり、かつ機械的衝撃に対して
脆弱という欠点がある。本発明によれば、加速度センサ
に比較して廉価かつ機械的に強靭な加重センサを用いる
ので、低コストで信頼性のある能動的除振装置を提供す
ることができる。 (2)不要振動検出の排除 従来、微振動に対する除振および制振性能を向上させる
べく、高い検出分解能を有する加速度センサを使用せね
ばならなかった。しかし、検出分解能の向上は除振すべ
き振動以外で、閉ループの制御にとって不要な振動をも
検出し、却って除振・制振性能を劣化させる場合があ
る。しかし、荷重センサを適切に組み込むことにより除
振・制振の制御にとって不要な振動を検出することはな
くなり、もって所望の除振・制振性能を達成することが
できる。 (3)粘性項および剛性項の調整 従来、加速度センサによって検出した信号は、主に機械
的機構にダンピングを付与するため、すなわち粘性項を
調整するために使用されていた。本発明では、荷重フィ
ードバックループの伝達関数を適切に選択することによ
って、粘性項のみならず剛性項も調整できる。剛性項の
調整により除振台をかたくすることができ、それに搭載
された機器自身が発生する振動の抑制能力が高められ
る。剛性を大きくすると床振動を除振台へ伝達し易くす
る弊害が生じる。しかし、制振と除振性能間のトレード
オフをとるとき、十分な剛性を持たせて制振性能を満足
させた上で、床振動の検出を受けたフィードフォワード
補償を掛けて床から除振台への振動伝達を相殺する2自
由度制御系の構成が容易に採用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る能動的除振装置を示
す図である。
【図2】 従来の空気バネをアクチュエータとする能動
的除振装置の構成を示す図である。
【図3】 セルフシール型1山ベローズ空気バネの構造
を示す図である。
【図4】 荷重フィードバックを施した除振台の制御ブ
ロック図である。
【図5】 本発明の効果を示す第1の数値実験結果であ
る。
【図6】 本発明の効果を示す第2の数値実験結果であ
る。
【図7】 本発明の他の実施例に係る能動的除振装置を
示す図である。
【符号の説明】
1:サーボバルブ、2:空気バネ、3:位置センサ、
4:除振台、5:予圧用機械バネ、6:粘性要素、7:
フィードバック装置、8:加速度センサ、9:ローパス
フィルタないしバンドパスフィルタ、10:電圧電流変
換器、11:変位増幅器、12:比較回路、13:目標
電圧、14:PI補償器、15:空気バネ式支持脚、1
6:荷重センサ、17A:荷重変換器、17B:荷重補
償器、18:荷重マイナーループ付きフィードバック装
置、19:上面板、20:下面板、21:ゴムベロー
ズ、22:空気配管穴、23a,23b:磁性体、24
a,24b:永久磁石、25a,25b:コイル、2
6:空気室、27:空気入出力部、28:貫通穴、2
9:弾性部材、30a,30b:電力増幅器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気バネをアクチュエータとした除振台
    の制振および位置制御を行なう能動的除振装置であっ
    て、 除振台、これを支持する前記空気バネ、その圧力を調整
    するサーボバルブ、前記除振台を設置した基礎を基準と
    する前記除振台の変位を計測する位置センサ、前記除振
    台に予圧を付与する予圧用機械バネ、および前記除振台
    に働く粘性要素を有する空気バネ式支持脚と、 前記位置センサの出力を電気信号に変換する変位増幅器
    と、 前記変位増幅器の出力と所定の目標電圧とを比較するた
    めの比較回路と、 前記比較回路の出力信号である偏差信号に対して補償を
    施すPI補償器と、 前記除振台に対し前記空気バネが付与する力を検出する
    荷重センサと、 前記荷重センサの出力を電気信号に変換する荷重検出器
    と、 前記荷重検出器の出力に対して補償を施す荷重補償器
    と、 前記PI補償器の出力に対して前記荷重補償器の負帰還
    信号を加算した信号に基づいて前記サーボバルブに駆動
    電流を付与する電圧電流変換器とを具備することを特徴
    とする能動的除振装置。
  2. 【請求項2】 除振台に対し、その支持方向の力を付与
    する電磁アクチュエータと、 前記除振台の支持点に作用する荷重を検出する荷重セン
    サと、 前記荷重センサの出力を電気信号に変換する荷重検出器
    と、 前記荷重検出器の出力に対して補償を施す荷重補償器
    と、 前記荷重補償器の出力に応動して前記電磁アクチュエー
    タを駆動させる電力増幅器とを具備することを特徴とす
    る能動的除振装置。
  3. 【請求項3】 前記電圧電流変換器の入力から前記サー
    ボバルブを介して前記空気バネが実際の力を発生すると
    ころまでの特性が積分特性であるとき、 前記荷重センサの出力を前記荷重検出器と前記荷重補償
    器とを介して前記電圧電流変換器の前段に負帰還する荷
    重フィードバックの伝達関数は、ゲイン補償器あるいは
    PI補償器のものであることを特徴とする請求項1記載
    の能動的除振装置。
  4. 【請求項4】 前記電圧電流変換器の入力から前記サー
    ボバルブを介して前記空気バネが実際の力を発生すると
    ころまでの特性が1次遅れ特性であるとき、 前記荷重センサの出力を前記荷重検出器と前記荷重補償
    器とを介して前記電圧電流変換器の前段に負帰還する荷
    重フィードバックの伝達関数は、PI補償器あるいは2
    重PI補償器のものであることを特徴とする請求項1記
    載の能動的除振装置。
  5. 【請求項5】 前記荷重センサの出力信号が前記荷重検
    出器および前記荷重補償器を介して前記電磁アクチュエ
    ータを駆動させる前記電力増幅器にフィードバックする
    荷重フィードバックループの伝達関数は、積分器である
    ことを特徴とする請求項2記載の能動的除振装置。
  6. 【請求項6】 前記電磁アクチュエータを用いた能動的
    除振装置において、前記荷重センサの出力信号を前記荷
    重検出器および前記荷重補償器を介して前記電磁アクチ
    ュエータを駆動させる前記電力増幅器にフィードバック
    する荷重フィードバックループの伝達関数は、積分器と
    PI補償器とをカスケード接続した補償器のものである
    ことを特徴とする請求項2記載の能動的除振装置。
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