WO2015125651A1 - ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造のための芳香族ポリアミド溶液 - Google Patents

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Abstract

 本開示は、一態様において、芳香族ポリアミド及び溶媒を含むポリアミド溶液に関する。前記ポリアミド溶液のキャストフィルムと前記キャストフィルムを熱処理した後のキャストフィルムとの寸法ギャップが所定の値以下となる。本開示は、他の態様において、ガラスプレート、ポリアミド樹脂層を含み、ガラスプレートの一方の面上にポリアミド樹脂層が積層された積層複合材に関する。前記ポリアミド樹脂層は、ガラスプレート上に前記ポリアミド溶液を塗布すること得られたものである。本開示は、他の態様において、前記ポリアミド溶液を用いたポリアミドフィルムを形成する工程を含む、ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法に関する。

Description

ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造のための芳香族ポリアミド溶液
 本開示は、一態様において、芳香族ポリアミド及び溶媒を含むポリアミド溶液に関する。前記ポリアミド溶液のキャストフィルムと前記キャストフィルムを熱処理した後のキャストフィルムとの寸法ギャップが所定の値以下となる。本開示は、他の態様において、ガラスプレート、ポリアミド樹脂層を含み、ガラスプレートの一方の面上にポリアミド樹脂層が積層された積層複合材に関する。前記ポリアミド樹脂層は、ガラスプレート上に前記ポリアミド溶液を塗布すること得られたものである。本開示は、他の態様において、前記ポリアミド溶液を用いたポリアミドフィルムを形成する工程を含む、ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法に関する。
 ディスプレイ用素子には透明性が必要とされるため、その基板としてガラス板を用いたガラス基板が使用されていた(特許文献1)。しかし、ガラス基板を用いたディスプレイ用素子は、重量が重い、割れる、曲がらない等の問題点が指摘されることがあった。そこで、ガラス基板に換えて透明樹脂フィルムを使用する試みが提案された。
 また、撮像装置などのインプットデバイスに使用されるセンサ素子の基板として、ガラス板、YSZ等の無機基板、樹脂基板、及び、それらの複合材料が用いられる(特許文献2)。センサ素子の基板は、受光部側に配置される場合、基板に透明性が要求される。
 光学用途の透明樹脂としては、透明度が高いポリカーボネート等が知られるが、ディスプレイ用素子の製造に用いる場合には耐熱性や機械強度が問題となる。一方、耐熱性の樹脂としてポリイミドが挙げられるが、一般的なポリイミドは茶褐色に着色しているため光学用途には問題があり、また、透明性を有するポリイミドとしては、環状構造を有するポリイミドが知られているが、これは耐熱性が低下するという問題がある。
 特許文献3及び特許文献4は、光学用のポリアミドフィルムとして、高剛性及び耐熱性を両立する、トリフルオロ基を含むジアミンを有する芳香族ポリアミドを開示する。
 特許文献5は、熱安定性及び寸法安定性を示す透明ポリアミドフィルムを開示する。この透明フィルムは、芳香族ポリアミド溶液をキャストし、高温で硬化させることで製造される。この硬化処理したフィルムは、400~750nmの範囲で80%を超える透過率を示し、線膨張係数(CTE)が20ppm/℃未満であり、良好な溶剤耐性を示すことが開示される。また、このフィルムは、マイクロエレクトロニクスデバイスのフレキシブル基板として使用できることが開示される。
特開平10-311987号公報 特開2014-3244号公報 WO 2004/039863 特開2008-260266号公報 WO 2012/129422
 本開示は、一又は複数の実施形態において、芳香族ポリアミドと溶媒とを含むポリアミド溶液であって、前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムと前記キャストフィルムを熱処理した後のキャストフィルムとの寸法ギャップが、-50μm~50μmであるポリアミド溶液に関する。
 本開示は、また、一又は複数の実施形態において、ガラスプレート、及びポリアミド樹脂層を含み、ガラスプレートの一方の面上に、ポリアミド樹脂層が積層されており、前記ポリアミド樹脂が本開示に係るポリアミド溶液を前記ガラスプレートにキャストして形成されたポリアミド樹脂である積層複合材に関する。
 本開示は、さらに、一又は複数の実施形態において、a)本開示に係るポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、b)前記塗布工程(a)後に、ポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、c)ディスプレイ用素子、光学用素子、若しくは照明用素子、又は、センサ素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含む、ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法に関する。
図1は、一実施形態にかかるOLED素子又はセンサ素子の製造方法を説明するフロー図である。 図2は、一実施形態にかかるOLED素子又はセンサ素子の製造方法を説明するフロー図である。 図3は、一実施形態にかかるOLED素子又はセンサ素子の製造方法を説明するフロー図である。 図4は、一実施形態にかかる有機EL素子1の構成を示す概略断面図である。 図5は、一実施形態にかかるセンサ素子10を示す概略断面図である。
 有機EL(OEL)や有機発光ダイオード(OLED)などのディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子は、しばしば、図1に示すようなプロセスで製造される。つまり、ポリマー溶液(ワニス)がガラス支持材又はシリコンウエハー支持材に塗布され(工程A)、塗布されたポリマー溶液が硬化されてフィルムを形成し(工程B)、OLEDなどの素子が前記フィルム上に形成され(工程C)、その後、OLEDなどの素子(製品)が前記支持材から剥離される(工程D)。近年では、図1に工程のフィルムとしてポリイミドフィルムが使用されている。
 また、撮像装置などのインプットデバイスに使用されるセンサ素子も、しばしば、図1に示すようなプロセスで製造される。すなわち、ポリマー溶液(ワニス)が支持材(ガラス又はシリコンウエハー)に塗布され(工程A)、塗布されたポリマー溶液が硬化されてフィルムを形成し(工程B)、センサ素子が前記フィルム上に形成され(工程C)、その後、センサ素子(製品)が前記支持材から剥離される(工程D)。
 図1に代表されるディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法において、工程Bで得られるガラスプレートとフィルムを含む積層複合材に反りが発生していない場合であっても、工程CのOLEDやセンサ素子などの素子形成工程における熱処理で反り変形が発生し、品質や歩留まりを低下させるという問題が見出された。すなわち、該積層複合材に反り変形が発生すると、製造プロセス時の搬送が困難になる、パターニング製作時に露光強度が変化するため均一なパターンの製作が困難になる、及び/又は、無機バリア層を積層した場合にクラックが発生しやすい等の問題が見出された。
 本開示は、一又は複数の実施形態において、図1の工程Cで発生しうる反り変形を抑制する、すなわち、積層複合材の製造後の素子等の製造工程における熱処理(例えば、200℃~450℃の熱処理)に起因する反り変形を抑制するという課題が、キャストフィルムを熱処理した前後の寸法ギャップを小さくできるポリアミド溶液を使用することで解決できるという知見に基づく。すなわち、ガラスプレートとポリアミドフィルムとのCTEの差よりはむしろポリアミドフィルムの熱ヒステリシスを低くすることで、より効果的に積層複合材における反りを抑制できるという知見に基づく。
 よって、本開示は、一態様において、芳香族ポリアミドと溶媒とを含むポリアミド溶液であって、前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムと前記キャストフィルムを熱処理した後のキャストフィルムとの寸法ギャップが、-50μm~50μmであるポリアミド溶液に関する。また、本開示は、一態様において、ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子、センサ素子等の素子製造工程における積層複合材の反り変形を抑制可能なポリアミド溶液に関する。
 本開示において、「ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルム」とは、一又は複数の実施形態において、本開示に係るポリアミド溶液を平坦なガラス基材上に塗布して乾燥及び必要に応じて硬化させたフィルムをいう。前記キャストフィルムは、一又は複数の実施形態において、実施例で開示されるフィルム形成方法で作製されたフィルムをいう。前記キャストフィルムの厚みは、限定されない一又は複数の実施形態において、7~12μm、9~11μm、約10μm、又は10μmである。
 本開示において、「寸法ギャップ」とは、本開示に係るポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムと、このキャストフィルムに熱処理を施した後のフィルムとの寸法差をいう。前記熱処理は、一又は複数の実施形態において加熱及び冷却を含む。前記熱処理は、一又は複数の実施形態において、所定の温度まで加熱すること、所定の温度を所定時間維持すること、及び、処理開始前の温度まで冷却することを含みうる。「寸法ギャップ」は、一又は複数の実施形態において、加熱及び冷却を含むサイクル測定を少なくとも1回以上実施した後の試料フィルムの寸法変化をいう。前記熱処理における温度は、一又は複数の実施形態において、フィルムをとりまく周囲温度をいう。前記寸法ギャップは、一又は複数の実施形態において、熱機械分析(TMA)で測定される。前記寸法ギャップは、一又は複数の実施形態において、実施例で開示される方法で測定されうる。
 本開示において、「熱処理の温度」とは、一又は複数の実施形態において、前記熱処理における加熱後の温度、及び/又は、加熱後に所定時間維持する温度をいう。前記熱処理の温度は、一又は複数の実施形態において、「前記キャストフィルムのガラス転移温度から100℃を差し引いた温度」以上であり、前記キャストフィルムのガラス転移温度から90℃を差し引いた温度以上、前記キャストフィルムのガラス転移温度から80℃を差し引いた温度以上、又は、前記キャストフィルムのガラス転移温度から70℃を差し引いた温度以上である。前記熱処理の温度は、一又は複数の実施形態において、前記キャストフィルムのガラス転移温度未満である。前記熱処理の温度は、一又は複数の実施形態において、200℃~450℃である。
 本開示において、前記熱処理において、「熱処理の温度」を維持する時間としては、一又は複数の実施形態において、3~20分間、4~10分間、4~6分間、又は、5分間である。昇温及び冷却の速さとしては、限定されない一又は複数の実施形態において、1分間に10~30℃、15~25℃、又は20℃が挙げられる。前記熱処理前(昇温前)の温度としては、限定されない一又は複数の実施形態において、室温、常温、又は、25~37℃が挙げられる。
 [寸法ギャップ]
 本開示に係るポリアミド溶液は、前記寸法ギャップが-50μm~50μmとなるものであって、一又は複数の実施形態において、前記寸法ギャップは、-40μm~40μm、-30μm~30μm、-20μm~20μm、又は、-15μm~15μmであるである。
 本開示は、一又は複数の実施形態において、ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子、センサ素子等の素子製造工程における積層複合材の反り変形量と前記寸法ギャップとの間に相関関係があることを見出したことに基づく。すなわち、前記寸法ギャップを小さくすることで、前記反り変形を抑制できる。
 [ベータ緩和ピークのtanδ]
 寸法ギャップが小さくなるポリアミド溶液としては、一又は複数の実施形態において、ガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのアルファ緩和よりも低温領域で発現するベータ緩和ピークのtanδが小さくなるポリアミド溶液が挙げられる。ここで、「ベータ緩和」とは、一又は複数の実施形態において、高分子の側鎖の様な小さなクラスターの運動に起因するとされるものである(出典:固形粉体の破壊とガラス転移との類似性について/神奈川県産業技術センター研究報告No.14/2008)。
 本開示において「ベータ緩和ピークのtanδ」は、一又は複数の実施形態において、dynamic mechanical analyzer(DMA)により測定できる。前記ベータ緩和ピークのtanδは、一又は複数の実施形態において、実施例で開示される方法で測定されうる。
 本開示に係るポリアミド溶液の前記ベータ緩和ピークのtanδは、一又は複数の実施形態において、0.15以下、0.12以下、0.10以下、0.08以下、0.07以下、又は、0.05以下である。
 [ガラス転移温度(Tg)]
 本開示に係るポリアミド溶液は、一又は複数の実施形態において、本開示のポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのガラス転移温度(Tg)は、365℃以上、370℃以上、又は380℃以上である。本開示に係るポリアミド溶液は、一又は複数の実施形態において、本開示のポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのガラス転移温度(Tg)は、365℃未満、360℃以下、又は350℃以下である。ガラス転移温度(Tg)は、一又は複数の実施形態において、実施例に記載の方法で測定できる。
 [線膨張係数(CTE)]
 本開示に係るポリアミド溶液は、一又は複数の実施形態において、本開示のポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのCTEが、10.0ppm/℃以上、12.5ppm/℃以上、15.0ppm/℃以上、17.5ppm/℃以上、20ppm/℃以上、30ppm/℃以上、45ppm/℃以上、50ppm/℃以上、又は、53℃ppm/℃以上である。CTEは、一又は複数の実施形態において、実施例に記載の方法で測定できる。
 [全光線透過率]
 本開示に係るポリアミド溶液は、ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子、センサ素子等の素子製造工程に使用する観点から、一又は複数の実施形態において、ガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのD線(ナトリウム線)における全光線透過率が、80%以上、82%以上、又は、84%以上である。
 [リタデーション(Rth)]
 本開示にかかるポリアミド溶液は、ガラスプレート上でキャストフィルム作製後のフィルムの厚み方向の波長400nmのリタデーション(Rth)が、一又は複数の実施形態において、100nm以下、90nm以下、80nm以下、又は、70nm以下である。本開示にかかるポリアミド溶液は、ガラスプレート上でキャストフィルム作製後のフィルムの厚み方向の波長550nmのリタデーション(Rth)が、一又は複数の実施形態において、90nm以下、80nm以下、70nm以下、又は、60nm以下である。Rthが低いことは、液晶ディスプレイにおける視野角の低下を抑制する点で有利である。なお、ポリアミドフィルムのRthは、位相差測定装置にて算出され、具体的には、実施例の方法で測定されるものをいう。
 [反り量]
 本開示において「反り量」とは、ガラスプレートに本開示に係るポリアミド溶液をキャストして形成されたポリアミド樹脂が積層された積層複合材の反り変形の量をいう。前記反り量は、一又は複数の実施形態において、レーザー変位計で測定される積層複合材の高さの最大値と最小値の差である。前記反り量は、一又は複数の実施形態において、実施例に記載の方法で測定される。なお、前記反り量の値が正であることは、積層複合材の周辺部の高さが中央部の高さよりも高いことを示し、前記反り量の値が負であることは、積層複合材の周辺部の高さが中央部の高さよりも低いことを示す。
 本開示に係るポリアミド溶液は、一又は複数の実施形態において、変位計で測定される前記積層複合材の反り量が、-500μm以上500μm以下、-300μm以上300μm以下、-200μm以上200μm以下、-150μm以上150μm以下、-80μm以上80μm以下、又は、-75μm以上75μm以下である。
 [寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン]
 本開示に係るポリアミド溶液に含有される芳香族ポリアミドは、一又は複数の実施形態において、ジアミンモノマーと二酸ジクロリドモノマーとの重合反応により合成されうる。本開示に係るポリアミド溶液に含有される芳香族ポリアミドは、一又は複数の実施形態において、少なくとも一種類の寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミンを使用して合成される。「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」は、一又は複数の実施形態において、寸法ギャップを上述の範囲にできるものである。「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」は、一又は複数の実施形態において、ベータ緩和ピークのtanδを小さくしうるモノマージアミンが挙げられる。「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」は、その他の一又は複数の実施形態において、ベータ緩和ピークのtanδを上述の範囲にできるものが挙げられる。よって、本開示に係るポリアミド溶液は、一又は複数の実施形態において、前記芳香族ポリアミドの合成に使用されたジアミンモノマーの少なくとも一種類が、寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミンである。本開示に係るポリアミド溶液は、一又は複数の実施形態において、前記芳香族ポリアミドの合成に使用されるモノマー全体に対する「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」が5.0モル%を超え、7.0モル%以上、10.0モル%以上、15.0モル%以上、20モル%以上、30モル%以上、40モル%以上、45モル%以上、又は、47モル%以上である。
 「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」は、一又は複数の実施形態において、下記式(X)で表されるジアミンである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 式(X)において、pは1~4であり、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール、ハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル等の置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択され、R1及びR2が複数の場合、それぞれ異なっていてもよく、Gは、有機基である。但し、一又は複数の実施形態において、有機基は、共有結合ではない。
 式(X)におけるGは、一又は複数の実施形態において、SO2基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、9,9-ビスフェニルフルオレン基、又は置換9,9-ビスフェニルフルオレン基である。
 寸法ギャップを小さくて反り変形を抑制する観点から、「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」は、前記芳香族ポリアミドにより多く使用されることが好ましい。ジアミンモノマーと二酸ジクロリドモノマーとの重合反応により合成される前記芳香族ポリアミドにおける、合成に使用されるジアミンモノマー全体に対する前記式(X)で表されるジアミンモノマーの合計量は、一又は複数の実施形態において、寸法ギャップを小さくて反り変形を抑制する観点から、80モル%より上が好ましく、より好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらにより好ましくは95モル%以上である。
 したがって、一又は複数の実施形態において、寸法ギャップを小さくて反り変形を抑制する観点から、前記芳香族ポリアミドの合成に使用されるジアミンモノマーは、「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」と後述する「カルボキシル基含有ジアミンモノマー」との組合せであってよい。前記芳香族ポリアミドの合成に使用されるジアミンモノマーが、「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」と「カルボキシル基含有ジアミンモノマー」との組合せの場合、その他のジアミンモノマーは含まれなくてもよい。前記その他のジアミンモノマーが含まれる場合、一又は複数の実施形態において、寸法ギャップを小さくて反り変形を抑制する観点から、合成に使用されるジアミンモノマー全体に対して、15モル%未満、10モル%以下、5モル%以下、1モル%以下、また、0.5モル%以下である。
 「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」は、一又は複数の実施形態において、FDA(9, 9-Bis(4-aminophenyl)fluorene),FFDA(9,9-Bis(3-fluoro-4-aminophenyl)fluorene)及びDDS(diaminodiphenyl sulfone)からなる群から選択される少なくとも1種類が挙げられる。なお、DDSは、4,4'-型であってもよいし、3,3'-型であってもよいし、2,2'-型であってもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 よって、「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」がFDA、FFDA及びDDSからなる群から選択される少なくとも一種類である場合、前記芳香族ポリアミドの合成に使用されるジアミンモノマー全体に対するFDA、FFDA、及びDDSの合計量は、一又は複数の実施形態において、寸法ギャップを小さくて反り変形を抑制する観点から、80モル%より上が好ましく、より好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらにより好ましくは95モル%以上である。
 前記DDS及びFFDAは、一又は複数の実施形態において、FDAよりもRth(波長400nm及び550nm)を抑制できる。前記DDS及びFFDAは、一又は複数の実施形態において、FDAよりも365nmの光透過率を向上できる。前記DDS及びFFDAは、一又は複数の実施形態において、FDAよりもガラス転移温度が低くなる。これらのメカニズムは定かではないが、ポリアミド中のFDA分子が、DDS,FFDAに比べて分子配向しやすいことが要因であると推定される。
 「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」としては、寸法ギャップを小さくて反り変形を抑制する観点から、DDSがより好ましい。したがって、前記芳香族ポリアミドの合成に使用されるジアミンモノマー全体に対するDDSの量は、30モル%以上が好ましく、より好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは45モル%以上、さらにより好ましくは50モル%以上、さらにより好ましくは60モル%以上、さらにより好ましくは65モル%以上である。また、同様の観点から、合成に使用される2以上のジアミンモノマーの中でDDSの量(モル%)が最も高いことが好ましい。
 本開示に係るポリアミド溶液における芳香族ポリアミドは、一又は複数の実施形態において、下記一般式(I)及び(II)で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリアミドが挙げられる。本開示に係るポリアミド溶液における芳香族ポリアミドは、一又は複数の実施形態において、下記一般式(I)及び(II)で表される繰り返し単位は、「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」由来の繰り返しを含みうる。「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」由来の繰り返し単位は、一又は複数の実施形態において、全繰り返し単位に対して10.0モル%を超え14.0モル%以上、20.0モル%以上、又は30.0モル%以上含むものである。「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」由来の繰り返し単位は、一又は複数の実施形態において、寸法ギャップを小さくて反り変形を抑制する観点から、80モル%より上が好ましく、より好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらにより好ましくは95モル%以上である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 ここで、xは式(I)の構成単位のモル%を示し、yは式(II)の構成単位のモル%を示し、xは70~100モル%であり、yは0~30モル%であり、nは1~4である。
 式(I)及び(II)において、Ar1
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
からなる群から選択され、p=4、q=3、R1、R2、R3、R4、R5は、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール又はハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル基等の置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択され、R1はそれぞれ異なっていてもよく、R2はそれぞれ異なっていてもよく、R3はそれぞれ異なっていてもよく、R4はそれぞれ異なっていてもよく、R5はそれぞれ異なっていてもよい。G1は、共有結合、CH2基、C(CH32基、C(CF32基、C(CX32基(但しXはハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素))、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH32基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、フェニル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、9,9-ビスフェニルフルオレン基、及び置換9,9-ビスフェニルフルオレン基等のアリール基又は置換アリール基である。
 式(I)において、Ar2
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
からなる群から選択され、p=4、R6、R7、R8は、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール、ハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル等の置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択され、R6はそれぞれ異なっていてもよく、R7はそれぞれ異なっていてもよく、R8はそれぞれ異なっていてもよい。G2は、共有結合、CH2基、C(CH32基、C(CF32基、C(CX32基(但しXはハロゲン)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH32基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、フェニル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、9,9-ビスフェニルフルオレン基、及び置換9,9-ビスフェニルフルオレン基等のアリール基又は置換アリール基である。
 式(II)において、Ar3は、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
からなる群から選択され、t=0から3、R9、R10、R11は、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール、ハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル等の置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択され、R9はそれぞれ異なっていてもよく、R10はそれぞれ異なっていてもよく、R11はそれぞれ異なっていてもよい。G3は、共有結合、CH2基、C(CH32基、C(CF32基、C(CX32基(但しXはハロゲン)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH32基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、フェニル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、9,9-ビスフェニルフルオレン基、及び置換9,9-ビスフェニルフルオレン基等のアリール基又は置換アリール基である。
 本開示の一又は複数の実施形態において、式(I)及び(II)は、前記ポリアミドが極性溶媒若しくは1つ以上の極性溶媒を含む混合溶媒に溶解可能なように選択される。本開示の一又は複数の実施形態において、繰り返し構造(I)のxは70.0~99.99モル%であり、繰り返し構造(II)のyは30.0~0.01モル%である。本開示の一又は複数の実施形態において、繰り返し構造(I)のxは90.0~99.99モル%であり、繰り返し構造(II)のyは10.0~0.01モル%である。本開示の一又は複数の実施形態において、繰り返し構造(I)のxは90.1~99.9モル%であり、繰り返し構造(II)のyは9.9~0.1モル%である。本開示の一又は複数の実施形態において、繰り返し構造(I)のxは91.0~99.0モル%であり、繰り返し構造(II)のyは9.0~1.0モル%である。本開示の一又は複数の実施形態において、繰り返し構造(I)のxは92.0~98.0モル%であり、繰り返し構造(II)のyは8.0~2.0モル%である。本開示の一又は複数の実施形態において、Ar1、Ar2、及びAr3が同一又は異なる複数の繰り返し構造(I)及び(II)を含む。
 本開示に係るポリアミド溶液は、フィルムをディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子に用いる観点から、一又は複数の実施形態において、下記の工程を含む製造方法で得られた又は得られうるものが挙げられる。但し、本開示に係るポリアミド溶液は、下記の製造方法で製造されたものに限定されなくてもよい。
 a)芳香族ジアミンを溶媒に溶解させる工程;
 b)前記芳香族ジアミンと芳香族二酸ジクロリドとを反応させて、塩酸及びポリアミド溶液を生成する工程;
 c)トラッピング試薬との反応によりフリーの前記塩酸を取り除く工程。
 本開示に係るポリアミド溶液の製造方法の一又は複数の実施形態において、芳香族二酸ジクロリドは下記一般構造式で表される芳香族ジカルボン酸ジクロライドを含む;
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
[p=4、q=3、R1、R2、R3、R4、R5は、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール又はハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル等の置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択される。なお、R1はそれぞれ異なり、R2はそれぞれ異なり、R3はそれぞれ異なり、R4はそれぞれ異なり、R5はそれぞれ異なっていてもよい。G1は、共有結合、CH2基、C(CH32基、C(CF32基、C(CX32基(但しXはハロゲン)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH32基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、フェニル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、9,9-ビスフェニルフルオレン基、及び置換9,9-ビスフェニルフルオレン基等のアリール基又は置換アリール基である。]
 本開示に係るポリアミド溶液の製造方法に使用する芳香族二酸ジクロリドとしては、フィルムをディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子に用いる観点から、一又は複数の実施形態において、下記のものが挙げられる;
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 本開示に係るポリアミド溶液の製造方法の一又は複数の実施形態において、芳香族ジアミンは下記一般構造式で表されるものを含む;
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
[p=4、m=1又は2、t=1~3、R6、R7、R8、R9、R10、R11は、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール、ハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル等の置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択される。なお、R6はそれぞれ異なり、R7はそれぞれ異なり、R8はそれぞれ異なり、R9はそれぞれ異なり、R10はそれぞれ異なり、R11はそれぞれ異なっていてもよい。G2及びG3は、共有結合、CH2基、C(CH32基、C(CF32基、C(CX32基(但しXはハロゲン)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH32基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、フェニル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、9,9-ビスフェニルフルオレン基、及び置換9,9-ビスフェニルフルオレン基等のアリール基又は置換アリール基である。]
 本開示に係るポリアミド溶液の製造方法に使用する芳香族ジアミンとしては、上述の「寸法ギャップを小さくしうるモノマージアミン」に加え、一又は複数の実施形態において、下記のものが挙げられる;
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 本開示に係るポリアミド溶液の製造方法の一又は複数の実施形態において、ポリアミドは、溶媒中での縮合重合によって作製され、反応の際に生成される塩酸は、酸化プロピレン(PrO)等の試薬によって捕捉される。
 本開示の一又は複数の実施形態において、ポリアミド溶液をディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造に使用する観点から、トラッピング試薬と塩酸との反応によって揮発性生成物が形成される。
 本開示の一又は複数の実施形態において、ポリアミド溶液をディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造に使用する観点から、前記トラッピング試薬は、酸化プロピレン(PrO)である。本開示の一又は複数の実施形態において、前記反応工程(b)の前に又は最中に前記試薬が前記混合物に添加される。反応工程(b)の前に又は最中に前記試薬を添加することにより、反応工程(b)後の粘度の程度及び混合物における塊の生成を低減することができるため、ポリアミド溶液の生産性を向上させることができる。前記試薬が酸化プロピレン等の有機試薬である場合に、これらの効果が特に大きくなる。
 本開示の一又は複数の実施形態において、ポリアミドフィルムの耐熱特性を高める観点から、ポリアミド溶液の製造方法は、さらに、前記ポリアミドの末端の-COOH基及び-NH2基の一方又は双方はエンドキャップする工程を含む。ポリアミドの末端が-NH2の場合は、重合化ポリアミドを塩化ベンゾイルと反応させることによって、またポリアミドの末端が-COOHの場合は、重合化ポリアミドをアニリンと反応させることによって、ポリアミドの末端をエンドキャップすることができるが、エンドキャップの方法はこの方法に限定されない。
 本開示の一又は複数の実施形態において、ポリアミド溶液をディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造に使用する観点から、ポリアミドは、最初に、沈殿及び溶媒への再溶解(以下、再沈殿ともいう)により、ポリアミド溶液から分離される。再沈殿は通常の方法で行うことができ、一又は複数の実施形態において、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等への添加により沈殿し、洗浄し、溶媒に溶解することが挙げられる。
 本開示の一又は複数の実施形態において、ポリアミド溶液をディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造に使用する観点から、本開示に係るポリアミド溶液は、無機塩の非存在下で製造される。
 [ポリアミドの平均分子量]
 本開示に係るポリアミド溶液における芳香族ポリアミドは、フィルムをディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子に用いる観点、及び、白化抑制の観点から、一又は複数の実施形態において、数平均分子量(Mn)は、6.0×104以上、6.5×104以上、7.0×104以上、7.5×104以上、又は、8.0×104以上が好ましい。また、同様の観点から、一又は複数の実施形態において、数平均分子量は、1.0×106以下、8.0×105以下、6.0×105以下、又は、4.0×105以下である。
 本開示において、ポリアミドの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、Gel Permeation Chromatographyにて測定され、具体的には、実施例の方法で測定されるものをいう。
 本開示に係るポリアミド溶液における芳香族ポリアミドの分子量分布(=Mw/Mn)は、フィルムをディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子に用いる観点、及び、白化抑制の観点から、一又は複数の実施形態において、5.0以下、4.0以下、3.0以下、2.8以下、2.6以下、又は2.4以下が好ましい。また、同様の観点から、芳香族ポリアミドの分子量分布は、一又は複数の実施形態において、2.0以上である。
 本開示に係るポリアミド溶液は、フィルムをディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子に用いる観点から、一又は複数の実施形態において、ポリアミド合成後に再沈殿の工程を経たものが挙げられる。
 本開示に係るポリアミド溶液は、フィルムをディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子に用いる観点から、一又は複数の実施形態において、ポリアミドの合成に使用されるモノマーはカルボキシル基含有ジアミンモノマーを含んでいてもよい。その場合、モノマー全量に対するカルボキシル基含有ジアミンモノマー成分は、一又は複数の実施形態において、30mol%以下、20mol%以下、又は、1~10mol%であることが挙げられる。
 [溶媒]
 本開示の一又は複数の実施形態において、ポリアミドの溶媒への溶解性を高める観点から、前記溶媒は極性溶媒又は1つ以上の極性溶媒を含む混合溶媒である。一実施形態において、ポリアミドの溶媒への溶解性を高める観点から、前記極性溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、クレゾール、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ブチルセロソルブ、γ-ブチロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、1-エチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルプロピオンアミド、N,N-ジメチルブチルアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジエチルプロピオンアミド、1-メチル-2-ピペリジノン、プロピレンカーボネート、若しくは、これらの組み合わせ、又は前記溶媒を少なくとも1つ含む混合溶媒である。
 [ポリアミドの含有量]
 本開示に係るポリアミド溶液における芳香族ポリアミドは、フィルムをディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子に用いる観点から、一又は複数の実施形態において、2重量%以上、3重量%以上、又は、5重量%以上が挙げられ、同様の観点から、30重量%以下、20重量%以下、又は、15重量%以下が挙げられる。
 [多官能エポキシド]
 本開示に係るポリアミド溶液は、一又は複数の実施形態において、キャストフィルムを形成する際の硬化温度を低下させ、かつ、該フィルムの有機溶媒への耐性を向上させる観点から、さらに、多官能エポキシドを含有させてもよい。本開示において、「多官能エポキシド」とは、2又はそれ以上のエポキシ基を有するエポキシドをいう。本開示に係るポリアミド溶液が多官能エポキシドを含有する場合、多官能エポキシドの含有量としては、一又は複数の実施形態において、ポリアミドの重量に対して約0.1~10重量%が挙げられる。
 多官能エポキシドを含有する本開示に係るポリアミド溶液は、一又は複数の実施形態において、硬化温度を低くすることができ、限定されない一又は複数の実施形態において、フィルムの硬化温度を約200℃~約300℃とすることができる。また、多官能エポキシドを含有する本開示に係るポリアミド溶液は、一又は複数の実施形態において、該ポリアミド溶液から作成されたフィルムに、有機溶媒に対する耐性を付与できる。該有機溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルアセタミド(DMAc)、ジメチルスフホキシド(DMSO)、γ-ブチロラクトン等の極性溶媒が含まれる。
 多官能エポキシドを含有する本開示に係るポリアミド溶液における硬化温度の低下と有機溶媒に対する耐性向上の効果は、エポキシドによる架橋であると推測される。エポキシドによる架橋を促進する観点から、多官能エポキシドを含有する本開示に係るポリアミド溶液のポリアミドは、一又は複数の実施形態において、その主鎖にフリーのペンダンドカルボキシ基を有することが好ましく、或いは、カルボキシ基を有するジアミンモノマーを用いて合成されたものであることが好ましい。
 硬化温度の低下と有機溶媒に対する耐性向上の観点から、前記多官能エポキシドとしては、一又は複数の実施形態において、2又はそれ以上のグリシジル基を持つエポキシド、又は、2若しくはそれ以上の脂環式構造を持つエポキシドが挙げられる。また、前記多官能エポキシドとしては、式(I)~(IV)で表されるものからなる群から選択されるものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 式(I)において、lはグリシジル基の数を表し、Rは、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、mは1~4であり、n及びsは平均ユニット数を表し、それぞれ独立して0~30であり、R12は、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール、ハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル等の置換アルキルエステル並びにその組み合せからなる群から選択され、G4は、共有結合、CH2基、C(CH32基、C(CF32基、C(CX32基(但しXはハロゲン)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH32基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、フェニル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、9,9-ビスフェニルフルオレン基、及び置換9,9-ビスフェニルフルオレン基等のアリール基又は置換アリール基であり、R13は水素またはメチル基であり、R14は、2価の有機基であり、
 式(II)において、環構造(cyclic structure)は、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、R15は、炭素数が2~18のアルキル鎖であり、直鎖、分枝鎖、又はシクロアルカン構造を含む鎖であってよく、m及びnは、平均ユニット数であり、それぞれ独立して1~30の数であり、a、b、c、d、e及びfは、それぞれ独立して、0~30の数であり、
 式(III)において、R16は、炭素数が2~18のアルキル鎖であり、直鎖、分枝鎖、又はシクロアルカンを含む鎖であってよく、t及びuは、平均ユニット数であり、それぞれ独立して1~30の数である。
 本開示に係るポリアミド溶液に含有させる多官能エポキシドとしては、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
が挙げられ、その他にも、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
が挙げられる。
 本開示に係るポリアミド溶液は、一又は複数の実施形態において、下記工程a)~c)を含むディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法に使用するためのポリアミド溶液である。
 a)芳香族ポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程。
 b)前記塗布工程(a)後に、ポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程。
 c)ディスプレイ用素子、光学用素子若しくは照明用素子、又は、センサ素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程。
 ここで、前記支持材又は前記支持材の表面は、ガラス又はシリコンウエハーである。また、工程a)における塗布は、一又は複数の実施形態において、ダイコート法、インクジェット法、スピンコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法のような各種液相成膜法を用いることができる。
 [積層複合材]
 本開示において、「積層複合材」は、ガラスプレートとポリアミド樹脂層とが積層されたものをいう。ガラスプレートとポリアミド樹脂層とが積層されているとは、限定されない一又は複数の実施形態において、ガラスプレートとポリアミド樹脂層とが直接積層されていることをいい、また、限定されない一又は複数の実施形態において、ガラスプレートとポリアミド樹脂層とが1若しくは複数の層を介して積層されたものをいう。本開示において、前記有機樹脂層の有機樹脂は、ポリアミド樹脂である。したがって、本開示において積層複合材は、一又は複数の実施形態において、ガラスプレートとポリアミド樹脂層とを含み、ガラスプレートの一方の面上にポリアミド樹脂が積層されたものをいう。
 本開示に係る積層複合材は、限定されない一又は複数の実施形態において、図1に代表されるディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法に使用でき、また、限定されない一又は複数の実施形態において、図2の製造方法の工程Bで得られる積層複合材として使用できる。したがって、本開示に係る積層複合材は、限定されない一又は複数の実施形態において、ポリアミド樹脂層のガラスプレートと対向する面と反対の面上にディスプレイ用素子、光学用素子若しくは照明用素子、又は、センサ素子を形成することを含むディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法に使用するための積層複合材である。
 本開示に係る積層複合材は、ポリアミド樹脂層以外にさらなる有機樹脂層及び/又は無機層を含んでもよい。さらなる有機樹脂層としては、限定されない一又は複数の実施形態において、平坦化コート層等が挙げられる。
 また、無機層としては、限定されない一又は複数の実施形態において、水、酸素の透過を抑制するガスバリア層、TFT素子へのイオンマイグレーションを抑制するバッファーコート層等が挙げられる。
 ガラスプレートとポリアミド樹脂層との間に無機層が形成される限定されない一又は複数の実施形態を図2に示す。本実施形態における無機層としては、ガラスプレート上に形成されるアモルファスSi層が挙げられる。工程Aにおいてガラスプレート上のアモルファスSi層上にポリアミドワニスが塗布され、工程Bにおいて乾燥及び/又は硬化されて積層複合材が形成される。工程Cにおいて前記積層複合材のポリアミド樹脂層(ポリアミドフィルム)上にディスプレイ用素子、光学用素子若しくは照明用素子、又は、センサ素子が形成され、工程DにおいてアモルファスSi層にレーザーが照射され、製品であるディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子(ポリアミド樹脂層含む)がガラスプレートから剥離される。
 ポリアミド樹脂層のガラスプレートと対向する面の反対の面上に無機層が形成される限定されない一又は複数の実施形態を図3に示す。本実施形態における無機層としては、無機バリア層などが挙げられる。工程Aにおいてガラスプレート上にポリアミドワニスが塗布され、工程Bにおいて乾燥及び/又は硬化されて積層複合材が形成される。このとき、ポリアミド樹脂層(ポリアミドフィルム)にさらに無機層が形成される。限定されない一又は複数の実施形態において、無機層を含めて本開示における積層複合材としてもよい(図3、工程C)。この無機層上にディスプレイ用素子、光学用素子若しくは照明用素子、又は、センサ素子が形成される。工程Dにおいてポリアミド樹脂層を剥離して、製品であるディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子(ポリアミド樹脂層含む)が得られる。
 [ポリアミド樹脂層]
 本開示に係る積層複合材におけるポリアミド樹脂層のポリアミド樹脂は、本開示に係るポリアミド溶液を用いて形成され得る。
 [ポリアミド樹脂層の厚み]
 本開示に係る積層複合材におけるポリアミド樹脂層の厚みは、フィルムをディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子に用いる観点、及び、樹脂層のクラック発生抑制の観点から、一又は複数の実施形態において、500μm以下、200μm以下、又は、100μm以下であることが挙げられる。また、ポリアミド樹脂層の厚みは、限定されない一又は複数の実施形態において、例えば、1μm以上、2μm以上、又は、3μm以上であることが挙げられる。
 [ポリアミド樹脂層の透過率]
 本開示に係る積層複合材におけるポリアミド樹脂層の全光線透過率は、積層複合材がディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造に好適に用いられる観点から、一又は複数の実施形態において、70%以上、75%以上、又は80%以上であることが挙げられる。
 [ガラスプレート]
 本開示に係る積層複合材におけるガラスプレートの材質は、フィルムをディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子に用いる観点から、一又は複数の実施形態において、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。
 本開示に係る積層複合材におけるガラスプレートの厚みは、フィルムをディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子に用いる観点から、一又は複数の実施形態において、0.3mm以上、0.4mm以上、又は、0.5mm以上であることが挙げられる。また、ガラスプレートの厚みは、一又は複数の実施形態において、例えば、3mm以下、又は、1mm以下であることが挙げられる。
 [積層複合材の製造方法]
 本開示に係る積層複合材は、本開示に係るポリアミド溶液をガラスプレートに塗布し、乾燥し、必要に応じて硬化させることにより製造することができる。
 本開示の一又は複数の実施形態において、本開示に係る積層複合材の製造方法は、下記工程を含む。
 a)芳香族ポリアミドの溶液を支持材(ガラスプレート)に塗布する工程;
 b)工程a)の後、キャストされたポリアミド溶液を加熱してポリアミドフィルムを形成する工程。
 本開示の一又は複数の実施形態において、湾曲変形(反り)の抑制及び/又は寸法安定性の観点から、前記加熱は、前記溶媒の沸点の約+40℃から前記溶媒の沸点の約+100℃の範囲の温度で行われ、好ましくは、前記溶媒の沸点の約+60℃から前記溶媒の沸点の約+80℃の範囲の温度で行われ、より好ましくは前記溶媒の沸点の約+70℃の温度で行われる。本開示の一又は複数の実施形態において、湾曲変形(反り)の抑制及び/又は寸法安定性の観点から、工程(b)の加熱温度は、約200℃~250℃の間である。本開示の一又は複数の実施形態において、湾曲変形(反り)の抑制及び/又は寸法安定性の観点から、加熱時間は、約1分を超え、約30分未満である。
 積層複合材の製造方法は、工程(b)の後に、ポリアミドフィルムを硬化させる硬化処理工程(c)を含んでもよい。硬化処理の温度は、加熱装置の能力に依存するが、一又は複数の実施形態において220~420℃、280~400℃、330~370℃、340℃以上、又は、340~370℃である。また、硬化処理の時間は、一又は複数の実施形態において5~300分、又は、30~240分である。
 [ディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子の製造方法]
 本開示は、一態様において、本開示に係る積層複合材の有機樹脂層のガラスプレートと対向する面と反対の面上にディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子を形成する工程を含む、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子の製造方法に関する。該製造方法は、一又は複数の実施形態において、さらに、形成されたディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子をガラスプレートから剥離する工程を含む。
 [ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子]
 本開示において、「ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子」とは、表示体(表示装置)、光学装置、又は照明装置を構成する素子をいい、例えば有機EL素子、液晶素子、有機EL照明等をいう。また、それらの一部を構成する薄膜トランジスタ(TFT)素子、カラーフィルタ素子等も含む。本開示に係るディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子は、一又は複数の実施形態において、本開示に係るポリアミド溶液を用いて製造されるもの、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子の基板として本開示に係るポリアミドフィルムを用いているものを含みうる。
 <有機EL素子の限定されない一実施形態>
 以下に図を用いて本開示に係るディスプレイ用素子の一実施形態である有機EL素子の一実施形態を説明する。
 図4は、一実施形態にかかる有機EL素子1を示す概略断面図である。有機EL素子1は、基板A上に形成される薄膜トランジスタB及び有機EL層Cを備える。なお、有機EL素子1全体は封止部材400で覆われている。有機EL素子1は、支持材500から剥離されたものであってもよく、支持材500を含むものであってもよい。以下、各構成につき詳細に説明する。
 1.基板A
 基板Aは、透明樹脂基板100及び透明樹脂基板100の上面に形成されるガスバリア層101を備える。ここで、透明樹脂基板100は、本開示に係るポリアミドフィルムである。
 なお、透明樹脂基板100に対して、熱によるアニール処理を行っても良い。これにより、歪みを取り除くことができたり、環境変化に対する寸法の安定化を強化したりできる等の効果がある。
 ガスバリア層101は、SiOx、SiNxなどからなる薄膜であり、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法等の真空成膜法により形成される。ガスバリア層101の厚みとしては、通常10nm~100nm程度であるが、この厚みに限定されるものではない。ここで、ガスバリア層101は図1のガスバリア層101と対向する面に形成しても良く、両面に形成しても良い
 2.薄膜トランジスタ
 薄膜トランジスタBは、ゲート電極200、ゲート絶縁膜201、ソース電極202、活性層203、及びドレイン電極204を備える。薄膜トランジスタBは、ガスバリア層101上に形成される。
 ゲート電極200、ソース電極202、及びドレイン電極204は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)等からなる透明薄膜である。透明薄膜を形成する方法としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等が挙げられる。これらの電極の膜厚は、通常50nm~200nm程度であるが、この厚さに限定されるものではない。
 ゲート絶縁膜201は、SiO2、Al23等からなる透明な絶縁薄膜であり、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等により形成される。ゲート絶縁膜201の膜厚は、通常10nm~1μm程度であるが、この厚さに限定されるものではない。
 活性層203は、例えば、単結晶シリコン、低温ポリシリコン、アモルファスシリコン、酸化物半導体等であり、適時最適なものが使用される。活性層はスパッタ法等により形成される。
 3.有機EL層
 有機EL層Cは、導電性の接続部300、絶縁性の平坦化層301、有機EL素子1の陽極である下部電極302、正孔輸送層303、発光層304、電子輸送層305、及び有機EL素子1の陰極である上部電極306を備える。有機EL層Cは、少なくともガスバリア層101上又は薄膜トランジスタB上に形成され、下部電極302と薄膜トランジスタBのドレイン電極204は接続部300により電気的に接続されている。なお、これに替えて、下部電極302と薄膜トランジスタBのソース電極202が接続部300により接続されるようにしてもよい。
 下部電極302は、有機EL素子1の陽極であり、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明薄膜である。なお、高透明性、高電導性等が得られるので、ITOが好ましい。
 正孔輸送層303、発光層304及び電子輸送層305としては、従来公知の有機EL素子用材料をそのまま用いることができる。
 上部電極306は、例えばフッ化リチウム(LiF)とアルミニウム(Al)をそれぞれ5nm~20nm、50nm~200nmの膜厚に成膜した膜よりなる。膜を形成する方法としては、例えば真空蒸着法が挙げられる。
 また、ボトムエミッション型の有機EL素子を作製する場合、有機EL素子1の上部電極306は光反射性の電極にしても良い。これにより、有機EL素子1で発生して表示側と逆方向の上部側に進んだ光が上部電極306により表示側方向に反射される。したがって、反射光も表示に利用されるので、有機EL素子の発光の利用効率を高めることができる。
 [ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法]
 本開示は、その他の態様において、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に関する。本開示に係る製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示に係るディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を製造する方法である。また、本開示に係る製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示に係るポリアミド樹脂溶液を支持材へ塗布する工程と、前記塗布工程後に、ポリアミドフィルムを形成する工程と、前記ポリアミドフィルムの前記支持材と接していない面にディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を形成する工程とを含む製造方法である。本開示に係る製造方法は、さらに、前記支持材上に形成されたディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記支持材から剥離する工程を含んでもよい。
 <有機EL素子の作製方法の限定されない一実施形態>
 次に、以下に図を用いて本開示に係るディスプレイ用素子の製造方法の一実施形態である有機EL素子の製造方法の一実施形態を説明する。
 図4の有機EL素子1の作製方法は、固定工程、ガスバリア層作製工程、薄膜トランジスタ作製工程、有機EL層作製工程、封止工程及び剥離工程を備える。以下、各工程につき詳細に説明する。
 1.固定工程
 固定工程では、支持材500上に透明樹脂基板100が固定される。固定する方法は特に限定されるものではないが、支持材500と透明基板の間に粘着剤を塗布する方法や、透明樹脂基板100の一部を支持材500に融着させる方法等が挙げられる。また、支持の材料としては、例えば、ガラス、金属、シリコン、又は樹脂等が用いられる。これらは単独で用いられてもよいし、2以上の材料を適時組み合わせて使用してもよい。さらに、支持材500に離型剤等を塗布し、その上に透明樹脂基板100を張り付けて固定してもよい。一又は複数の実施形態において、支持材500上に本開示に係るポリアミド樹脂組成物を塗布し、乾燥等によりポリアミドフィルム100を形成する。
 2.ガスバリア層作製工程
 ガスバリア層作製工程では、透明樹脂基板100上にガスバリア層101が作製される。作製する方法は特に限定することなく、公知の方法を用いることができる。
 3.薄膜トランジスタ作製工程
 薄膜トランジスタ作製工程では、ガスバリア層上に薄膜トランジスタBが作製される。作製する方法は特に限定することなく、公知の方法を用いることができる。
 4.有機EL層作製工程
 有機EL層作製工程は、第1工程と第2工程を備える。第1工程では、平坦化層301が形成される。平坦化層301を形成する方法としては、感光性透明樹脂をスピンコート法、スリットコート法、インクジェット法等が挙げられる。この際、第2工程で接続部300を形成できるよう、平坦化層301には開口部を設けておく必要がある。平坦化層の膜厚は、通常100nm~2μm程度であるが、これに限定されるものではない。
 第2工程では、まず接続部300及び下部電極302が同時に形成される。これらを形成する方法としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等が挙げられる。これらの電極の膜厚は、通常50nm~200nm程度であるが、これに限定されるものではない。その後、正孔輸送層303、発光層304、電子輸送層305、及び有機EL素子1の陰極である上部電極306が形成される。これらを形成する方法としては真空蒸着法や塗布法など、用いる材料及び積層構成に適切な方法を用いることができる。また、有機EL素子1の有機層の構成は、本実施例の記載に関わらず、その他正孔注入層や電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層など、公知の有機層を取捨選択して構成してもよい。
 5.封止工程
 封止工程では、有機EL層Cが封止部材307によって上部電極306の上から封止される。封止部材307としては、ガラス、樹脂、セラミック、金属、金属化合物、又はこれらの複合体等で形成することができ、適時最適な材料を選択可能である。
 6.剥離工程
 剥離工程では作製された有機EL素子1が支持材500から剥離される。剥離工程を実現する方法としては、例えば、物理的に支持材500から剥離する方法が挙げられる。この際、支持材500に剥離層を設けても良いし、支持材500と表示素子の間にワイヤを挿入して剥離しても良い。また、その他の方法としては支持材500の端部のみ剥離層を設けず、素子作製後端部より内側を切断して素子を取り出す方法、支持材500と素子の間にシリコン層等からなる層を設け、レーザー照射により剥離する方法、支持材500に対して熱を加え、支持材500と透明基板を分離する方法、支持材500を溶媒により除去する方法等が挙げられる。これらの方法は単独で用いてもよく、任意の複数の方法を組み合わせて用いてもよい。一又は複数の実施形態において、ポリアミドフィルムと支持材と間の接着はシランカップリング剤により制御でき、それにより有機EL素子1は、上記の複雑な工程を使用することなく物理的に剥がすこともできる。
 [表示装置、光学装置、照明装置]
 本開示は、その態様において、本開示に係るディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を用いた表示装置、光学装置、又は照明装置に関し、また、それらの製造方法に関する。これらに限定されないが、前記表示装置としては、撮像素子などが挙げられ、光学装置としては、光/電気複合回路などが挙げられ、照明装置としては、TFT-LCD、OEL照明などが挙げられる
 [センサ素子の製造方法]
 本開示は、その他の態様において、下記工程(A)及び(B)を含むセンサ素子の製造方法に関する。
(A)本開示に係るポリアミド溶液を支持材へ塗布してポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程。
(B)センサ素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程。
 前記支持材としては、前述の支持体が使用できる。
 本態様の製造方法の工程(A)において、積層複合材が形成されうる。本態様の製造方法の工程(A)は、一又は複数の実施形態において、下記工程(i)及び(ii)を含む。
(i)前述のポリアミド溶液を支持材に塗布する工程(図1工程A参照)。
(ii)工程(i)の後、塗布されたポリアミド溶液を加熱してポリアミドフィルムを形成する工程(図1工程B参照)。
 工程(i)における塗布は、及び工程(ii)の加熱温度は、前述と同様に設定できる。本態様の製造方法は、工程(ii)の後に、ポリアミドフィルムを硬化させる硬化処理工程(iii)を含んでもよい。硬化処理の温度及び時間は、前述と同様に設定できる。
 本態様の製造方法の工程(B)におけるセンサ素子の形成は、特に限定されず、従来或いは今後製造される素子を製造するセンサ素子にあわせて適宜形成できる。
 本態様の製造方法は、一又は複数の実施形態において、工程(B)の後、工程(C)として、形成されたセンサ素子をガラスプレートから剥離する工程を含む。剥離工程(C)では作製されたセンサ素子が支持材から剥離される。剥離工程を実現する方法としては、前述と同様に行える。
 [センサ素子]
 本開示は、一又は複数の実施形態において、本態様の製造方法により製造されるセンサ素子に関する。本開示に係る製造方法にて製造される「センサ素子」としては、限定されない一又は複数の実施形態において、本開示の製造方法に用いられるポリアミド溶液から形成されたポリアミドフィルムを備えるセンサ素子である。また、その他の一又は複数の実施形態において、本開示に係る製造方法にて製造される「センサ素子」は、支持材上に形成されたポリアミドフィルムの上に形成されるセンサ素子であり、更にその他の一又は複数の実施形態において、必要に応じて前記支持材から剥離されるセンサ素子である。該センサ素子としては、一又は複数の実施形態において、電磁波を受光できるセンサ素子、磁場を検出できるセンサ素子、静電容量の変化を検出できるセンサ素子、又は、圧力の変化を検出できる素子が挙げられる。該センサ素子は、一又は複数の実施形態において、撮像素子、放射線センサ素子、フォトセンサ素子、磁気センサ素子、静電容量センサ素子、タッチセンサ素子又は、圧力センサ素子などが挙げられる。前記放射線センサ素子としては、一又は複数の実施形態において、X線センサ素子が挙げられる。本開示におけるセンサ素子は、一又は複数の実施形態において、本開示に係るポリアミド溶液を用いて製造されるもの、及び/又は、本開示に係る積層複合材を用いて製造されるもの、及び/又は、本開示に係る素子の製造方法により製造されたものを含む。また、本開示における、センサ素子の形成は、一又は複数の実施形態において、光電変換素子及びその駆動素子を形成することを含む。
 [インプットデバイス]
 本開示に係る製造方法にて製造される「センサ素子」は、限定されない一又は複数の実施形態において、インプットデバイスに使用されうるものであり、該インプットデバイスとしては、一又は複数の実施形態において、光学的、撮像、磁気、静電容量、又は、圧力のインプットデバイスがあげられる。該インプットデバイスとしては、限定されない一又は複数の実施形態において、放射線の撮像装置、可視光の撮像装置、磁気センサデバイス、タッチパネル、指紋認証パネル、圧電素子を用いた発光体などが挙げられる。前記放射線の撮像装置としては、一又は複数の実施形態において、X線の撮像装置が挙げられる。また、本開示におけるインプットデバイスは、限定されない一又は複数の実施形態において、ディスプレイ機能などのアウトプットデバイスとしての機能を有していてもよい。
 <センサ素子の限定されない一実施形態>
 以下に図5を用いて本態様の製造方法で製造されうるセンサ素子の一実施形態を説明する。
 図5は、一実施形態にかかるセンサ素子1を示す概略断面図である。センサ素子1は、複数の画素を有している。このセンサ素子1は、基板2の表面に、複数のフォトダイオード11A(光電変換素子)と、このフォトダイオード11Aの駆動素子としての薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)11Bとを含む画素回路が形成されたものである。この基板2が、本態様の製造方法の工程(A)によって支持材(図示せず)上に形成されるポリアミドフィルムである。そして、本態様の製造方法の工程(B)において、フォトダイオード11A(光電変換素子)と、このフォトダイオード11Aの駆動素子としての薄膜トランジスタ11Bが形成される。
 ゲート絶縁膜21は、基板2上に設けられており、例えば酸化シリコン(SiO2)膜、酸窒化シリコン(SiON)膜及び窒化シリコン膜(SiN)のうちの1種よりなる単層膜又はそれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。第1層間絶縁膜12Aは、ゲート絶縁膜21上に設けられており、例えば酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜等の絶縁膜からなる。この第1層間絶縁膜12Aはまた、後述する薄膜トランジスタ11B上を覆う保護膜(パッシベーション膜)としても機能するようになっている。
 (フォトダイオード11A)
 フォトダイオード11Aは、基板2上の選択的な領域に、ゲート絶縁膜21及び第1層間絶縁膜12Aを介して配設されている。具体的には、フォトダイオード11Aは、第1層間絶縁膜12A上に、下部電極24、n型半導体層25N、i型半導体層25I、p型半導体層25P及び上部電極26がこの順に積層されてなる。上部電極26は、例えば光電変換の際の基準電位(バイアス電位)を前述した光電変換層へ供給するための電極であり、基準電位供給用の電源配線である配線層27に接続されている。この上部電極26は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜により構成されている。
 (薄膜トランジスタ11B)
 薄膜トランジスタ11Bは、例えば電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)からなる。この薄膜トランジスタ11Bでは、基板2上に、例えばチタン(Ti),Al,Mo,タングステン(W),クロム(Cr)等からなるゲート電極20が形成され、このゲート電極20上に前述したゲート絶縁膜21が形成されている。また、ゲート絶縁膜21上には半導体層22が形成されており、この半導体層22はチャネル領域を有している。この半導体層22上には、ソース電極23S及びドレイン電極23Dが形成されている。具体的には、ここでは、ドレイン電極23Dがフォトダイオード11Aにおける下部電極24に接続され、ソース電極23Sが、中継電極28に接続されている。
 センサ素子1ではまた、このようなフォトダイオード11A及び薄膜トランジスタ11Bの上層に、第2層間絶縁膜12B、第1平坦化膜13A、保護膜14及び第2平坦化膜13Bがこの順に設けられている。この第1平坦化膜13Aにはまた、フォトダイオード11Aの形成領域付近に対応して、開口部3が形成されている。
 センサ素子1上に、例えば、波長変換部材を形成することで、放射線撮像装置を作製することができる。
 本開示は、以下の一又は複数の実施形態に関し得る。
       <1>  芳香族ポリアミドと溶媒とを含むポリアミド溶液であって、
 前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムと前記キャストフィルムを熱処理した後のキャストフィルムとの寸法ギャップが、-50μm~50μm、-40μm~40μm、-30μm~30μm、-20μm~20μm、又は、-15μm~15μmである、ポリアミド溶液。
       <2>  前記寸法ギャップが、熱機械分析(TMA)で測定される、<1>記載のポリアミド溶液。
       <3>   前記熱処理の温度が、前記キャストフィルムのガラス転移温度から100℃を差し引いた温度以上である、<1>又は<2>に記載のポリアミド溶液。
       <4>  前記熱処理の温度が、前記キャストフィルムのガラス転移温度未満である、<1>から<3>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <5>  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのアルファ緩和よりも低温領域で発現するベータ緩和ピークのtanδが、0.15以下、0.12以下、0.10以下、0.08以下、0.07以下、又は、0.05以下である、<1>又は<4>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <6>  前記芳香族ポリアミドの合成に用いられるジアミンモノマーの少なくとも一種類が、下記式(X)で表されるジアミンである、<1>から<5>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
[式(X)において、pは1~4であり、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール、ハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル等の置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択され、R1及びR2が複数の場合、それぞれ異なっていてもよく、Gは、有機基である。]
       <7>  前記Gは、SO2基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、9,9-ビスフェニルフルオレン基、又は置換9,9-ビスフェニルフルオレン基である、<6>に記載のポリアミド溶液。
       <8>  前記式(X)で表されるジアミンモノマーが、FDA(9,9-bis(4-aminophenyl) fluorene),FFDA(9,9-bis(3-fluoro-4-aminophenyl) fluorene)及びDDS(diaminodiphenyl sulfone)からなる群から選択される少なくとも1種類である、<6>又は<7>に記載のポリアミド溶液。
       <9>  前記式(X)で表されるジアミンモノマーが、DDS(diaminodiphenyl sulfone)である、<6>から<8>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <10>  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのガラス転移温度(Tg)が、365℃未満である、<1>から<9>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <11>  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのガラス転移温度(Tg)が、365℃以上である、<1>から<9>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <12>  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのD線(ナトリウム線)における全光線透過率が、80%以上である、<1>から<11>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <13>  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのCTEが、10ppm/℃以上、12.5ppm/℃以上、15.0ppm/℃以上、17.5ppm/℃以上、20ppm/℃以上、30ppm/℃以上、45ppm/℃以上、50ppm/℃以上、又は、53℃ppm/℃以上である、<1>から<12>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <14>  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムの厚み方向の波長400nmのリタデーション(Rth)が、100nm以下である、<1>から<13>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <15>  前記芳香族ポリアミドの合成に使用されるモノマー全体に対する式(X)で表されるジアミンの合計量が5.0モル%より上、7.0モル%以上、10.0モル%以上、15.0モル%以上、20モル%以上、30モル%以上、40モル%以上、45モル%以上、又は、47モル%以上、<6>から<14>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <16>  前記芳香族ポリアミドの合成に用いられるジアミンモノマーは下記式(X)で表されるジアミンモノマーを含み、合成に使用されるジアミンモノマー全体に対する、下記式(X)で表されるジアミンモノマーの合計量が、80モル%より上、85モル%以上、90モル%以上、又は、95モル%以上である、<1>から<16>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
[式(X)において、pは1~4であり、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール、ハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル等の置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択され、R1及びR2が複数の場合、それぞれ異なっていてもよく、Gは、有機基である。]
       <17>  前記Gは、SO2基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、9,9-ビスフェニルフルオレン基、又は置換9,9-ビスフェニルフルオレン基である、<16>に記載のポリアミド溶液。
       <18> 前記芳香族ポリアミドの合成に用いられるジアミンモノマーは、FDA(9,9-bis(4-aminophenyl) fluorene),FFDA(9,9-bis(3-fluoro-4-aminophenyl) fluorene)及びDDS(diaminodiphenyl sulfone)からなる群から選択される少なくとも一種類を含み、合成に使用されるジアミンモノマー全体に対する、FDA、FFDA、及びDDSの合計量が、80モル%より上、85モル%以上、90モル%以上、又は、95モル%以上である、<1>から<17>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <19>  合成に使用されるジアミンモノマー全体に対する、DDSの量が、30モル%以上、40モル%以上、45モル%以上、50モル%以上、60モル%以上、又は、65モル%以上である、<16>から<18>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <20>  合成に使用される2以上のジアミンモノマーの中でDDSの量(モル%)が最も高い、<16>から<19>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <21>    前記芳香族ポリアミドを構成する構成単位の少なくとも1つが、フリーのカルボキシル基を有する、<1>から<20>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <22>   さらに、多官能エポキシドを含有する、<1>から<21>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <23>   前記多官能エポキシドが、2又はそれ以上のグリシジル基を持つエポキシド、又は、2若しくはそれ以上の脂環式構造を持つエポキシドである、<22>に記載のポリアミド溶液。
       <24>   前記多官能エポキシドが、式(I)~(IV)で表されるものからなる群から選択される、<22>又は<23>に記載のポリアミド溶液。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
 式(I)において、lはグリシジル基の数を表し、Rは、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、mは1~4であり、n及びsは平均ユニット数を表し、それぞれ独立して0~30であり、R12は、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール、ハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル等の置換アルキルエステル並びにその組み合せからなる群から選択され、G4は、共有結合、CH2基、C(CH32基、C(CF32基、C(CX32基(但しXはハロゲン)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH32基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、フェニル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、9,9-ビスフェニルフルオレン基、及び置換9,9-ビスフェニルフルオレン基等のアリール基又は置換アリール基であり、R13は水素またはメチル基であり、R14は、2価の有機基であり、
 式(II)において、環構造(cyclic structure)は、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、R15は、炭素数が2~18のアルキル鎖であり、直鎖、分枝鎖、又はシクロアルカン構造を含む鎖であってよく、m及びnは、平均ユニット数であり、それぞれ独立して1~30の数であり、a、b、c、d、e及びfは、それぞれ独立して、0~30の数であり、
 式(III)において、R16は、炭素数が2~18のアルキル鎖であり、直鎖、分枝鎖、又はシクロアルカンを含む鎖であってよく、t及びuは、平均ユニット数であり、それぞれ独立して1~30の数である。
       <25>  a)ポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
 b)前記塗布工程(a)後に、ポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
 c)ディスプレイ用素子、光学用素子若しくは照明用素子、又は、センサ素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含むディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法に用いるためのものである、<1>から<24>のいずれかに記載のポリアミド溶液。
       <26>  ガラスプレート、及びポリアミド樹脂層を含み、
 ガラスプレートの一方の面上に、ポリアミド樹脂層が積層されており、
 前記ポリアミド樹脂が<1>から<25>のいずれかに記載のポリアミド溶液を前記ガラスプレートにキャストして形成されたポリアミド樹脂である、積層複合材。
       <27>    変位計で測定される前記積層複合材の反り変形が、-500μm以上500μm以下、-300μm以上300μm以下、-200μm以上200μm以下、-150μm以上150μm以下、-80μm以上80μm以下、又は、-75μm以上75μm以下である、<26>に記載の積層複合材。
       <28>    a)<1>から<25>のいずれかに記載のポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
 b)前記塗布工程(a)後に、ポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
 c)ディスプレイ用素子、光学用素子若しくは照明用素子、又は、センサ素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含む、ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法。
       <29>  <28>に記載の製造方法により製造される、ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子。
 [実施例1]
 ポリアミド溶液(溶液1~10)を、表1及び下記に示す成分を使用して調製した。また、調製したポリアミド溶液を用いて形成したフィルムの厚み方向位相差(Rth)、D線(ナトリウム線)の光透過率、寸法ギャップ、反り量、線膨張係数(CTE)、ガラス転移温度(Tg)、及び、ベータ緩和ピークのtanδは以下のように測定した。
 [芳香族ジアミン]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
 [溶媒]
 DMAc: N,N -dimethylacetamide

 [芳香族二酸ジクロリド]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
 [トラッピング試薬]
 PrO: プロピレンオキサイド
 [ポリアミド溶液の調製]
 以下に溶液2の一般的な調製方法を説明する。溶液2は、DMAc中に5重量%のTPC, IPC, DDS, PFMB,及びDABのコポリマーを含有する(モル比は、TPC / IPC / DDS / PFMB / DAB=10% / 90% / 30% / 65% / 5%)溶液である。
 機械式撹拌機、窒素導入口、及び排出口を備えた250 mlの三つ口丸底フラスコに、DDS (0.745g, 0.0030mol)、PFMB (2.081g, 0.0065mol)、DAB (0.0761g, 0.0005mol)、及びDMAc(75 ml)を加えた。DDS, PFMB,及びDABが完全に溶解した後に、溶液にPrO(1.7 g, 0.03 mol)を添加した。前記溶液は0℃まで冷却された。添加後、撹拌しながらTPC (0.203g, 0.001mol)及びIPC (1.827g, 0.009mol)を添加した。フラスコの内壁は、DMAc(1.5 ml)で洗浄した。2時間後、ベンゾイルクロライド(0.032 g, 0.23 mmol)を前記溶液に添加し、さらに2時間撹拌し、溶液2を得た。
 溶液1、及び溶液3~10についても、溶液2と同様に、5重量%のポリアミド溶液として調製した。
 [ポリアミドフィルムの形成]
 調製したポリアミド溶液1~10をガラス基板にキャストしてフィルムを形成し、その特性を調べた。
 ポリアミド溶液を平坦なガラス基板(10 cm x 10 cm、商品名EAGLE XG、Corning Inc., U.S.A社製)上にスピンコートにより塗布した。60℃で30分以上乾燥したのち、温度を60℃から330℃又は350℃に加熱し、真空又は不活性雰囲気下で30分間又は60分間330℃又は350℃を維持することでフィルムを硬化処理し、ポリアミドフィルム1~10をそれぞれ得た(厚み約10μm)。
 このポリアミドフィルムの特性(波長400及び550nmのRth、全光線透過率(Tt)、寸法ギャップ、CTE、Tg、及び、ベータ緩和ピークのtanδ)を後述の方法で測定した。その結果を下記表1に示す。
 [積層複合材]
 ポリアミド溶液を平坦なガラス基板(Eagle XG(商品名、Corning社製):370mm x 470mm x 0.7mm)上にスピンコートにより塗布した。60℃で30分以上乾燥したのち、温度を60℃から330℃又は350℃に加熱し、真空又は不活性雰囲気下で30分間又は60分間330℃又は350℃を維持することでフィルムを硬化処理し、前記ガラス基板に厚み約10μmのポリアミドフィルムが積層された積層複合材1~10を得た。
 この積層複合材を用いて反り変形(反り量)を後述の方法で測定した。その結果を下記表1に示す。
 [厚み方向位相差(Rth)]
 ポリアミドフィルム1~10の波長400nm及び550nmの厚み方向位相差は、以下のように算出した。位相差測定装置(KOBRA-21 ADH、王子計測製)を用い、波長分散測定モード(479.2、545.4、630.3、748.9nmの光)を用いて、0°と40°の位相差を測定し、Sellmeierの式を用いて400nmの0°と40°の位相差を算出し、これらの値と屈折率から任意の波長(今回は400nmと550nm)のRthを算出した。
 [全光線透過率]
 ポリアミドフィルムの全光線透過率は、ヘイズメーター(NDH-2000、日本電色社製)を用い、D線(ナトリウム線)における全光線透過率(Tt)を測定した。
 [線膨張係数、寸法ギャップ(ポリアミドフィルム1~4、8~9]
 ポリアミドフィルム1~4及び8~9の線膨張係数(CTE)及び寸法ギャップは、それぞれ、熱機械分析(TMA)により測定される平均線膨張係数及び寸法ギャップを採用した。
 ブルカー・エイエックスエス株式会社製TMA4000SAを用いて、窒素雰囲気下、1分間に20℃の割合で温度を25℃から270℃まで上昇させた後、270℃にて5分保持後、1分間に20℃の割合で温度を25℃まで冷却した際の降温時の平均線膨張係数を測定し、また処理前後の試料長の差を寸法ギャップとした。チャック間距離を10mm、試料幅を5mm、荷重を2gにし、引張りモードで測定を行った。平均線膨張係数は、以下の式で求めた。
 〔TMA条件〕
試料寸法:10mm(チャック間距離) x 5mm(width)
温度条件:
  初期温度:25℃、昇温レート:20℃/分、
  最高温度:270℃、
  ホールド温度・時間:270℃/5分、
  降温レート:20℃/分
  冷却後温度:25℃
  加重:2.0g
CTE及び寸法ギャップの算出方法:
平均線膨張係数 (ppm/K) = ((L250 - L25) / L25)/(250 - 25) x 106
寸法ギャップ (μm) = (熱処理前の試料長(25℃))-熱処理後の試料長(25℃))
  L250: 270℃における試料長
  L25: 25℃における試料長
 [線膨張係数、寸法ギャップ(ポリアミドフィルム5~7、10)]
 ポリアミドフィルム5~7および10の線膨張係数(CTE)及び寸法ギャップは、それぞれ、熱機械分析(TMA)により測定される平均線膨張係数及び寸法ギャップを採用した。
 ブルカー・エイエックスエス株式会社製TMA4000SAを用いて、窒素雰囲気下、1分間に20℃の割合で温度を25℃から340℃まで上昇させた後、340℃にて5分保持後、1分間に20℃の割合で温度を25℃まで冷却した際の降温時の平均線膨張係数を測定し、また処理前後の試料長の差を寸法ギャップとした。チャック間距離を10mm、試料幅を5mm、荷重を2gにし、引張りモードで測定を行った。平均線膨張係数は、以下の式で求めた。
 〔TMA条件〕
試料寸法:10mm(チャック間距離) x 5mm(width)
温度条件:
  初期温度:25℃、昇温レート:20℃/分、
  最高温度:340℃、
  ホールド温度・時間:340℃/5分、
  降温レート:20℃/分
  冷却後温度:25℃
  加重:2.0g
CTE及び寸法ギャップの算出方法:ポリアミドフィルム1~4、8~9と同じ
 [ガラス転移温度(Tg)]
 ポリアミドフィルム1~10について、dynamic mechanical analyzer ((レオバイブロンDDV-01FP, A&D 社製)にて、昇温速度5℃/分、張力10 mN、大気条件下で25℃から400℃までの動的粘弾性を測定し、測定時のtanδの最大値をTgとした。
 [ベータ緩和ピークの tanδ]
 ポリアミドフィルム1~10について、dynamic mechanical analyzer (レオバイブロンDDV-01FP, A&D 社製)にて、昇温速度5℃/分、張力10 mN、大気条件下で25℃から400℃までの動的粘弾性を測定し、測定時のアルファ緩和よりも低温領域で発現するベータ緩和ピークのtanδを測定した。
 [反り評価]
 調製した積層複合材1~10の反りについて、レーザー変位計(KEYENCE, LT9010)により測定した。高さの最大値と最小値の差を反り量とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000028
 表1に示すとおり、寸法ギャップが-50μm~50μmであるポリアミド溶液2~10は、ポリアミド溶液1と比べて反り量が抑制された。
 [実施例2]
 ポリアミド溶液(溶液21~28)を、表2に示す成分を使用して調製した。また、調製したポリアミド溶液を用いて形成したフィルムの特性、及び、調製したポリアミド溶液を用いて形成した積層複合材の反り変形(反り量)を上記と同様に測定した。
 [ポリアミド溶液の調製]
 以下に溶液25の一般的な調製方法を説明する。溶液25は、DMAc中に5重量%のTPC, IPC, DDS, FDA及びDABのコポリマーを含有する(モル比は、TPC / IPC / DDS / FDA / DAB=30% / 70% / 80% / 15% / 5%)溶液である。
 機械式撹拌機、窒素導入口、及び排出口を備えた250 mlの三つ口丸底フラスコに、DDS (1.987g, 0.0080mol)、FDA (0.523g, 0.0015mol)、DAB (0.0761g, 0.0005mol)、及びDMAc(75 ml)を加えた。DDS, FDA及びDABが完全に溶解した後に、溶液にPrO(1.7 g, 0.03 mol)を添加した。前記溶液は0℃まで冷却された。添加後、撹拌しながらTPC (0.609g, 0.003mol)及びIPC (1.421g, 0.007mol)を添加した。フラスコの内壁は、DMAc(1.5 ml)で洗浄した。2時間後、ベンゾイルクロライド(0.032 g, 0.23 mmol)を前記溶液に添加し、さらに2時間撹拌し、溶液25を得た。
 溶液21~24,26~28についても、溶液25と同様に、5重量%のポリアミド溶液として調製した。
 [ポリアミドフィルムの形成]
 調製したポリアミド溶液21~28を平坦なガラス基板(10 cm x 10 cm、商品名EAGLE XG、Corning Inc., U.S.A社製)上にスピンコートにより塗布した。60℃で30分以上乾燥したのち、温度を60℃から350℃に加熱し、真空又は不活性雰囲気下で30分間350℃を維持することでフィルムを硬化処理し、ポリアミドフィルム21~28をそれぞれ得た(厚み約10μm)。ポリアミドフィルム21~28の特性(波長400及び550nmのRth、D線(ナトリウム線)及び波長365nmの全光線透過率(Tt)、寸法ギャップ、線膨張係数(CTE)、Tg、及び、ベータ緩和ピークのtanδ)を前述の方法で測定した。なお、CTE及び寸法ギャップは、前記ポリアミドフィルム5~7の測定条件で測定した。その結果を下記表2に示す。
 [積層複合材]
 調製したポリアミド溶液21~28を平坦なガラス基板(Eagle XG(商品名、Corning社製):370mm x 470mm x 0.7mm)上にスピンコートにより塗布した。60℃で30分以上乾燥したのち、温度を60℃から350℃に加熱し、真空又は不活性雰囲気下で30分間350℃を維持することでフィルムを硬化処理し、前記ガラス基板に厚み約10μmのポリアミドフィルムが積層された積層複合材21~28を得た。この積層複合材を用いて反り変形(反り量)を前述の方法で測定した。その結果を下記表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000029
 表2に示すとおり、DDS+FDAが95モル%のポリアミド溶液21~28においては、寸法ギャップが-50μm~50μmの範囲内であり、反り量が抑制された。また、ポリアミド溶液21~25においては、DDSの割合が増えるにしたがって反り量が低減される傾向が示され、同様の傾向が、ポリアミド溶液26~28においても認められた。
 [実施例3]
 [ポリアミド溶液29~31の調製]
 溶液21、25及び27に、それぞれ、ポリアミドに対して5重量%のTG (triglycidyl isocyanurate)を添加し、さらに2時間撹拌してポリアミド溶液29~31を調製した。これらのポリアミド溶液29~31を用い、実施例2と同様に、ポリアミドフィルム及び複合積層体を作製し、フィルム特性及び反り量を測定した。その結果を表3に示す。
 なお、フィルムの溶媒耐性については、フィルムをN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に室温で30分浸漬した後、目視で観察し、下記基準でratingした。
[rating]
Yes: not dissolved, and not swelled in solvent:溶解及び膨潤なし
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000030
 表3に記載のとおり、エポキシドを含む溶液29~31は、硬化温度を低くしても溶液21、25、及び27と同様のフィルム特性及び反り抑制が発揮され、優れた溶媒耐性を示した。

Claims (29)

  1.  芳香族ポリアミドと溶媒とを含むポリアミド溶液であって、
     前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムと前記キャストフィルムを熱処理した後のキャストフィルムとの寸法ギャップが、-50μm~50μm、-40μm~40μm、-30μm~30μm、-20μm~20μm、又は、-15μm~15μmである、ポリアミド溶液。
  2.  前記寸法ギャップが、熱機械分析(TMA)で測定される、請求項1記載のポリアミド溶液。
  3.  前記熱処理の温度が、前記キャストフィルムのガラス転移温度から100℃を差し引いた温度以上である、請求項1又は2に記載のポリアミド溶液。
  4.  前記熱処理の温度が、前記キャストフィルムのガラス転移温度未満である、請求項1から3のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  5.  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのアルファ緩和よりも低温領域で発現するベータ緩和ピークのtanδが、0.15以下、0.12以下、0.10以下、0.08以下、0.07以下、又は、0.05以下である、請求項1又は4のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  6.  前記芳香族ポリアミドの合成に用いられるジアミンモノマーの少なくとも一種類が、下記式(X)で表されるジアミンである、請求項1から5のいずれかに記載のポリアミド溶液。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    [式(X)において、pは1~4であり、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アルキルエステル、及び置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択され、R1及びR2が複数の場合、それぞれ異なっていてもよく、Gは、有機基である。]
  7.  前記Gは、SO2基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、9,9-ビスフェニルフルオレン基、又は置換9,9-ビスフェニルフルオレン基である、請求項6に記載のポリアミド溶液。
  8.  前記式(X)で表されるジアミンモノマーが、FDA(9,9-bis(4-aminophenyl) fluorene),FFDA(9,9-bis(3-fluoro-4-aminophenyl) fluorene)及びDDS(diaminodiphenyl sulfone)からなる群から選択される少なくとも1種類である、請求項6又は7に記載のポリアミド溶液。
  9.  前記式(X)で表されるジアミンモノマーが、DDS(diaminodiphenyl sulfone)である、請求項6から8のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  10.  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのガラス転移温度(Tg)が、365℃未満である、請求項1から9のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  11.  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのガラス転移温度(Tg)が、365℃以上である、請求項1から9のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  12.  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのD線(ナトリウム線)における全光線透過率が、80%以上である、請求項1から11のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  13.  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムのCTEが、10ppm/℃以上、12.5ppm/℃以上、15.0ppm/℃以上、17.5ppm/℃以上、20ppm/℃以上、30ppm/℃以上、45ppm/℃以上、50ppm/℃以上、又は、53℃ppm/℃以上である、請求項1から12のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  14.  前記ポリアミド溶液をガラスプレート上にキャストして作製されるキャストフィルムの厚み方向の波長400nmのリタデーション(Rth)が、100nm以下である、請求項1から13のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  15.  前記芳香族ポリアミドの合成に使用されるモノマー全体に対する式(X)で表されるジアミンの合計量が5.0モル%より上、7.0モル%以上、10.0モル%以上、15.0モル%以上、20モル%以上、30モル%以上、40モル%以上、45モル%以上、又は、47モル%以上、請求項6から14のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  16.  前記芳香族ポリアミドの合成に用いられるジアミンモノマーは下記式(X)で表されるジアミンモノマーを含み、合成に使用されるジアミンモノマー全体に対する、下記式(X)で表されるジアミンモノマーの合計量が、80モル%より上、85モル%以上、90モル%以上、又は、95モル%以上である、請求項1から15のいずれかに記載のポリアミド溶液。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    [式(X)において、pは1~4であり、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アルキルエステル、及び置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択され、R1及びR2が複数の場合、それぞれ異なっていてもよく、Gは、有機基である。]
  17.  前記Gは、SO2基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、9,9-ビスフェニルフルオレン基、又は置換9,9-ビスフェニルフルオレン基である、請求項16に記載のポリアミド溶液。
  18.  前記芳香族ポリアミドの合成に用いられる前記ジアミンモノマーは、FDA(9,9-bis(4-aminophenyl) fluorene),FFDA(9,9-bis(3-fluoro-4-aminophenyl) fluorene)及びDDS(diaminodiphenyl sulfone)からなる群から選択される少なくとも一種類を含み、合成に使用されるジアミンモノマー全体に対する、FDA、FFDA、及びDDSの合計量が、80モル%より上、85モル%以上、90モル%以上、又は、95モル%以上である、請求項1から17のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  19.  合成に使用されるジアミンモノマー全体に対する、DDSの量が、30モル%以上、40モル%以上、45モル%以上、50モル%以上、60モル%以上、又は、65モル%以上である、請求項16から18のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  20.  合成に使用される2以上のジアミンモノマーの中でDDSの量(モル%)が最も高い、請求項16から19のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  21.  前記芳香族ポリアミドを構成する構成単位の少なくとも1つが、フリーのカルボキシル基を有する、請求項1から20のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  22.  さらに、多官能エポキシドを含有する、請求項1から21のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  23.  前記多官能エポキシドが、2又はそれ以上のグリシジル基を持つエポキシド、又は、2若しくはそれ以上の脂環式構造を持つエポキシドである、請求項22に記載のポリアミド溶液。
  24.  前記多官能エポキシドが、式(I)~(IV)で表されるものからなる群から選択される、請求項22又は23に記載のポリアミド溶液。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
     式(I)において、lはグリシジル基の数を表し、Rは、
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
    及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、mは1~4であり、n及びsは平均ユニット数を表し、それぞれ独立して0~30であり、R12は、水素、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール、ハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及びハロゲン化アルキルエステル等の置換アルキルエステル並びにその組み合せからなる群から選択され、G4は、共有結合、CH2基、C(CH32基、C(CF32基、C(CX32基(但しXはハロゲン)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH32基、9,9-フルオレン基、置換9,9-フルオレン基、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、フェニル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、9,9-ビスフェニルフルオレン基、及び置換9,9-ビスフェニルフルオレン基等のアリール基又は置換アリール基であり、R13は水素またはメチル基であり、R14は、2価の有機基であり、
     式(II)において、環構造(cyclic structure)は、
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
    及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、R15は、炭素数が2~18のアルキル鎖であり、直鎖、分枝鎖、又はシクロアルカン構造を含む鎖であってよく、m及びnは、平均ユニット数であり、それぞれ独立して1~30の数であり、a、b、c、d、e及びfは、それぞれ独立して、0~30の数であり、
     式(III)において、R16は、炭素数が2~18のアルキル鎖であり、直鎖、分枝鎖、又はシクロアルカンを含む鎖であってよく、t及びuは、平均ユニット数であり、それぞれ独立して1~30の数である。
  25.  a)ポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
     b)前記塗布工程(a)後に、ポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
     c)ディスプレイ用素子、光学用素子若しくは照明用素子、又は、センサ素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含むディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法に用いるためのものである、請求項1から24のいずれかに記載のポリアミド溶液。
  26.  ガラスプレート、及びポリアミド樹脂層を含み、
     ガラスプレートの一方の面上に、ポリアミド樹脂層が積層されており、
     前記ポリアミド樹脂が請求項1から25のいずれかに記載のポリアミド溶液を前記ガラスプレートにキャストして形成されたポリアミド樹脂である、積層複合材。
  27.  変位計で測定される前記積層複合材の反り変形が、-500μm以上500μm以下、-300μm以上300μm以下、-200μm以上200μm以下、-150μm以上150μm以下、-80μm以上80μm以下、又は、-75μm以上75μm以下である、請求項26に記載の積層複合材。
  28.  a)請求項1から25のいずれかに記載のポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
     b)前記塗布工程(a)後に、ポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
     c)ディスプレイ用素子、光学用素子若しくは照明用素子、又は、センサ素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含む、ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子の製造方法。
  29.  請求項28に記載の製造方法により製造される、ディスプレイ用素子、光学用素子、照明用素子又はセンサ素子。
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