JP5374868B2 - 表示材料基板の製造方法、表示材料 - Google Patents
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ただしT1は試料を通過した光の強度、T0は試料を通過しない以外は同一の距離の空気中を通過した光の強度である。
測定速度:120nm/分
測定モード:透過
ガラスは市販のものや公知の方法で製造されたもの、あるいは新規に製造したもののいずれでも構わない。好ましくは表示材料基板用の高表面平滑、無アルカリガラスや石英ガラスである。厚みは0.5mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下、より好ましくは0.1mm以下、より好ましくは0.05mm以下、より好ましくは0.03mm以下、最も好ましくは0.01mm以下である。厚みが0.5mmを超えるとガラス自体で十分なハンドリング性を有するため、芳香族ポリアミド層をさらに積層することによりハンドリング性向上や、割れ防止という効果が発現しにくくなると共に、曲げに対する割れを生じやすくなる。
R2:任意の基
R3:直結されているか、または、フェニル基を必須成分とする炭素数6から12の芳香族基。
R5:芳香族基
化学式(I)において、R1やR2に特に制限はなく、任意の基であればよい。好ましくは、−H、炭素数1〜5の脂肪族基、−CF3、−CCl3、−OH、−F、−Cl、−Br、−OCH3、シリル基、または、芳香族基である。R1およびR2は、側鎖の置換基であるため、主鎖の置換基と比較して、ポリアミドの物性に与える影響は相対的に小さいが、光学特性や濡れ性、溶媒可溶性などを改良するために、適宜導入することが好ましい。例えば、濡れ性やガラスとの接着性向上を目的に−OH、シリル基や−COOHを導入することができる。
R8:任意の基
R9:芳香族基
化学式(II)および化学式(III)においてR6およびR9は芳香族基であれば特に制限はない。好ましくはフェニル基、クロロフェニル基である。耐熱性や剛性を付与する目的においては、例えばパラフェニレン、2−置換パラフェニレン、ビフェニルのような剛直な芳香族基であることが好ましい。一方、ターフェニルやアントラセンなどの多環式芳香族基は剛直ではあるが、多くのπ電子を有し、ポリアミドが着色する原因になることがある。また、近紫外領域や紫外領域における透明性を高める場合には、R6およびR9は、メタフェニル基や1,3−ヘキサフルオロプロピル−2,2−ビフェニル基であることが好ましい。これらの基は、屈曲性を有するため、剛性が低下することはあるが、より短波長の光に対する透明性が向上する。また、溶解性を付与するためには化学式(II)および化学式(III)においてR6およびR9はメタフェル基など屈曲性の構造を含むことが好ましい。
下記測定器を用いて測定した。
光源:ハロゲンランプ12V、50W
受光特性:395〜745nm
光学条件:JIS−K7105−1981に準拠
(2)400nmでの光線透過率
400nmの光線透過率とは以下により測定し、400nmの値を採用したものである。
ただしT1は試料を通過した光の強度、T0は試料を通過しない以外は同一の距離の空気中を通過した光の強度である。
波長範囲:300nm〜800nm
測定速度:120nm/分
測定モード:透過
(3)水蒸気透過率
装置:透湿度測定装置PERMATRAN−W3/30(モコン社製)
測定下限:0.01g/m2/day
測定温度:40℃
測定湿度:90%RH
測定面積:5cm2(アルミマスクホイル(MC025−493(日立計測器サービス(株))使用)
(4)ガラス転移温度(Tg) DMA測定
装置:粘弾性測定装置EXSTAR6000 DMS(セイコーインスツルメンツ社製)
測定周波数:1Hz
昇温速度:2℃/分
ガラス転移温度(Tg):ASTM E1640−94に準拠し、E’の変曲点をTgとした。
王子計測(株)社製の自動複屈折計(KOBRA−21ADH)を用い、波長分散測定モードにおいて、波長480.4nmの光線に対する位相差、波長548.3nmの光線に対する位相差、波長628.2nmの光線に対する位相差、波長752.7nmの光線に対する位相差を測定し、各波長における位相差(R)および測定波長(λ)からコーシーの波長分散式(R(λ)=a+b/λ2+c/λ4+d/λ6)の各a〜dの係数を求め、このコーシーの波長分散式に波長550nm(λ=550)を代入して求めた。測定は1回行った。
N−メチル−2−ピロリドンにポリマーを5質量%溶解し、25℃で2週間放置後も流動性を保つものを溶解性「○」と評価した。なお、「流動性を保つ」とは、25℃において100mlのビーカーにポリマー溶液を100ml入れて90°傾けたとき、1時間以内に50ml以上が流れ出る状態をいう。
攪拌機を備えた200ml4つ口フラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルスルホン2.483g、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン2.483g、N−メチル−2−ピロリドン63.1mlを入れ窒素雰囲気下、氷冷下攪拌した。10分から30分後にかけてテレフタル酸ジクロライド4.060gを5回に分けて添加した。さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウム1.426gで中和して透明なポリマー溶液を得た。得たポリマー溶液をミキサーを用いて水中で粉砕し、濾取、乾燥してポリマーを単離した。単離したポリマーを固形分濃度が20重量%になるようにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解してポリマー溶液を得た。得たポリマー溶液を塗布厚50μmになるように厚み0.15mmのガラスにバーコーターで塗布、120℃で20分、280℃で3分乾燥し、膜厚10μmの芳香族ポリアミド膜を得た。全体の厚みは0.16mmだった。
使用するガラスを厚み0.03mmとする以外は参考例1と同様にして表示材料用基板を得た。物性を表2に示す。
使用するジアミン、酸ジクロライドおよびガラスを表1に示したものに変更する以外は、参考例1と同様にして表示材料用基板を得た。物性を表2に示す。
攪拌機を備えた200ml4つ口フラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルスルホン3.725g、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン3.352g、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.373g、N−メチル−2−ピロリドン94mlを入れ窒素雰囲気下、氷冷下攪拌した。10分から30分後にかけてテレフタル酸ジクロライド6.091gを5回に分けて添加した。さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウム2.246gで中和して透明なポリマー溶液を得た。得たポリマー溶液をミキサーを用いて水中で粉砕し、濾取、乾燥してポリマーを単離した。単離したポリマーを固形分濃度が5質量%になるようにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解してポリマー溶液を得たことから溶解性を「○」と判断した。単離した別のポリマーを固形分濃度が15質量%になるようにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解してポリマー溶液を得た。得たポリマー溶液を塗布厚100μmになるように厚み0.03mmのガラス(ショット社製D263T)にバーコーターで塗布、120℃で10分、280℃で3分乾燥し、膜厚10μmの芳香族ポリアミド膜を得た。得た表示材料用基板全体の厚みは0.04mmだった。
使用するジアミン、酸ジクロライドおよびガラスを表1に示したものに変更する以外は、実施例11と同様にして表示材料用基板を得た。物性を表2に示す。
攪拌機を備えた200ml4つ口フラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルスルホン2.483g、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン2.483g、N−メチル−2−ピロリドン63.1mlを入れ窒素雰囲気下、氷冷下攪拌した。10分から30分後にかけてテレフタル酸ジクロライド4.060gを5回に分けて添加した。さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウム1.426gで中和して透明なポリマー溶液を得た。
ジアミン2: 3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(三井化学ファイン社製)、
ジアミン3: ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(和歌山精化社製)、
ジアミン4: 9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(和歌山精化社製)、
ジアミン5: 2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化社製)、
ジアミン6: ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(和歌山精化社製)、
ジアミン7: ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
酸ジクロライド1(酸1): テレフタル酸ジクロライド(東京化成工業社製)
酸ジクロライド2(酸2): 2クロロ−テレフタル酸ジクロライド
酸ジクロライド3(酸3): イソフタル酸ジクロライド(東京化成工業社製)
酸ジクロライド4(酸4): 4,4'-ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成工業社製)
Claims (10)
- ガラス転移点温度が250℃以上である芳香族ポリアミド層とガラス層とを含み、全光線透過率が80%以上であり、かつ芳香族ポリアミド層の波長550nmの光に対するフィルム面内の位相差が0nm以上10nm未満である表示材料用基板を製造する方法であって、厚み0.3mm以下のガラスに芳香族ポリアミドの有機溶媒溶液を塗布する工程と、この有機溶媒溶液から有機溶媒を除去する工程とを有する表示材料用基板の製造方法。
- 厚みが0.35mm以下である、請求項1に記載の表示材料用基板の製造方法。
- 水蒸気透過率が10-5g/m2/day以下である、請求項1または2に記載の表示材料用基板の製造方法。
- 曲率半径=100cmでの折り曲げに対し、割れを生じない、請求項1〜3のいずれかに記載の表示材料用基板の製造方法。
- 芳香族ポリアミドがガラス転移点温度を有さない、請求項1〜4のいずれかに記載の表示材料用基板の製造方法。
- 芳香族ポリアミドがN−メチル−2−ピロリドン溶液に少なくとも5質量%溶解可能である、請求項1〜5のいずれかに記載の表示材料用基板の製造方法。
- 芳香族ポリアミドがSi元素を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の表示材料用基板の製造方法。
- ガラスに塗布された有機溶媒を除去したガラス基板を、円筒コアに連続的に巻き取る、請求項1〜8のいずれかに記載の表示材料用基板の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の表示材料用基板の製造方法により得られた表示材料用基板を用いた表示材料。
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