WO2014167981A1 - 電極及びその製造方法、並びに、二次電池 - Google Patents

電極及びその製造方法、並びに、二次電池 Download PDF

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Abstract

電極は、植物由来の多孔質炭素材料から成り、多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク値をPO、C(1s)スペクトルのピーク値をPCとしたとき、PO/PC≦0.05であり、あるいは又、表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料から成る。

Description

電極及びその製造方法、並びに、二次電池
 本開示は、電極及びその製造方法、並びに、二次電池に関する。
 空気-金属二次電池は、負極活物質としてエネルギー密度が高い金属を用い、正極活物質として空気中の酸素を用いることから、理論的に大きなエネルギー密度を得ることができる。例えば、特開2002-015737には、直径1nm以上の細孔の占める細孔容積が1.0ml/g以上の炭素質物を主体とする正極と、金属イオンを吸蔵・放出する負極活物質を具備する負極と、正極及び負極に挟まれた非水電解質層とを具備する非水電解質電池が開示されている。
特開2002-015737
 ところで、空気-金属二次電池、例えば、空気-リチウム二次電池の実用化に向けては種々の課題が存在するが、その内の1つに、充放電サイクル特性に乏しいことを挙げることができる。即ち、空気-金属二次電池にあっては、充放電を繰り返すと、放電容量が大きく低下するといった現象が顕著に表れる。然るに、上記の特許公開公報には、充放電サイクル特性の向上に関しては、何ら言及されていない。
 従って、本開示の目的は、充放電サイクル特性の優れた二次電池を得るための電極及びその製造方法、並びに、係る電極を用いた二次電池を提供することにある。
 上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る電極は、
 植物由来の多孔質炭素材料を含み、
 多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
O/PC≦0.05
好ましくは、
O/PC≦0.01
である。
 上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る電極は、表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む。
 上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る二次電池は、
 植物由来の多孔質炭素材料を含む電極を備えており、
 多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
O/PC≦0.05
好ましくは、
O/PC≦0.01
である。
 上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る二次電池は、表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極を備えている。
 上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る電極の製造方法は、
 植物由来の多孔質炭素材料を含み、
 多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
O/PC≦0.05
好ましくは、
O/PC≦0.01
である電極の製造方法であって、
 植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行うことで多孔質炭素材料を得る。
 上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る電極の製造方法は、表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極の製造方法であって、
 植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行うことで多孔質炭素材料を得る。
 上記の目的を達成するための本開示の第3の態様に係る電極の製造方法は、表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極の製造方法であって、
 植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基を除去することで多孔質炭素材料を得る。
 本開示の第1の態様に係る電極、その製造方法あるいは二次電池にあっては、POの値とPCの値の割合が規定されており、本開示の第2の態様に係る電極、その製造方法あるいは二次電池にあっては、電極を構成する多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基が除去されている。また、本開示の第3の態様に係る電極の製造方法にあっては、多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基を除去する。その結果、充放電サイクル特性の優れた二次電池を提供することができる。
図1A及び図1Bは、それぞれ、実施例1及び比較例1Aの二次電池の第1サイクル目(初回)、第10サイクル目、第15サイクル目、第20サイクル目の充放電曲線を示すグラフである。 図2Aは、比較例1Bの二次電池の第1サイクル目(初回)、第10サイクル目、第15サイクル目、第20サイクル目の充放電曲線を示すグラフであり、図2Bは、サイクル数と容量維持率をグラフ化した図である。 図3は、実施例1、比較例1A、比較例1Bの多孔質炭素材料のワイドスキャンスペクトル測定結果を示すグラフである。 図4は、実施例1、比較例1A、比較例1Bの多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたC(1s)の正規化したスペクトルを示すグラフである。 図5は、実施例1、比較例1A、比較例1Bの多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)のスペクトルを示すグラフである。
 以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様~第2の態様に係る電極及び二次電池、並びに、本開示の第1の態様~第3の態様に係る電極の製造方法、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様~第2の態様に係る電極及び二次電池、並びに、本開示の第1の態様~第3の態様に係る電極の製造方法)、その他
[本開示の第1の態様~第2の態様に係る電極及び二次電池、並びに、本開示の第1の態様~第3の態様に係る電極の製造方法、全般に関する説明]
 本開示の第1の態様に係る電極及びその製造方法並びに二次電池を総称して、以下、『本開示の第1の態様』と呼ぶ場合があり、また、本開示の第2の態様に係る電極及びその製造方法並びに二次電池を総称して、以下、『本開示の第2の態様』と呼ぶ場合がある。
 本開示の第2の態様、あるいは、本開示の第3の態様に係る電極の製造方法において、酸素含有官能基として、カルボキシ基、ラクトン基、フェノール基、カルボニル基、エーテル基、キノン基又は水酸基を挙げることができる。
 上記の好ましい形態を含む本開示の第1の態様、本開示の第2の態様、本開示の第3の態様に係る電極の製造方法において、多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が100m2/グラム以上、好ましくは1000m2/グラム以上、更に好ましくは1500m2/グラム以上であり、BET法による全細孔容積が好ましくは1.3cm3/グラム以上であり、BJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、好ましくは0.9cm3/グラム以上であり、MP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、好ましくは0.6cm3/グラム以上である形態とすることができる。また、これらの好ましい形態を含む本開示の第1の態様、本開示の第2の態様、本開示の第3の態様に係る電極の製造方法において、多孔質炭素材料は、ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている形態とすることができる。即ち、原料(炭素化前の植物由来の材料)のケイ素(Si)の含有率は、5質量%以上であることが好ましい。また、限定するものではないが、多孔質炭素材料のケイ素(Si)の含有率は、5質量%未満、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下であることが望ましい。
 更には、以上に説明した好ましい形態を含む本開示の第2の態様に係る二次電池においては、電極によって正極が構成される構成とすることができる。更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第2の態様に係る二次電池において、二次電池は、空気-金属二次電池から成り、また、空気-リチウム二次電池から成る構成とすることができる。即ち、リチウム(Li)が負極活物質として負極に含まれる。
 また、以上に説明した好ましい形態を含む本開示の第1の態様~第3の態様に係る電極の製造方法においては、酸又はアルカリでの処理によって、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素成分を除去する形態とすることができる。酸又はアルカリでの処理の後、賦活処理を施してもよいし、酸又はアルカリでの処理の前に賦活処理を施してもよい。
 X線光電子分光分析(XPS,X-ray Photoelectron Spectroscopy、又は、ESCA,Electron Spectroscopy for Chemical Analysis とも呼ばれる) は、光電子分光の1種であり、例えば、アルバック・ファイ株式会社製の「Quntum2000」を使用し、
励起X線   :Monochromatic Al Kα線
X線径    :200μm
光電子脱出角度:45°(試料表面に対する検出器の傾き)
といった測定条件に基づき行えばよい。また、各種元素の分析は、例えば、エネルギー分散型X線分析装置(例えば、日本電子株式会社製のJED-2200F)を用い、エネルギー分散法(EDS)により行うことができ、測定条件を、例えば、走査電圧15kV、照射電流10μAとすればよい。
 多孔質炭素材料は、前述したとおり、植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行うことで得ることができる(本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る電極の製造方法)。このように、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行うことで、多孔質炭素材料に一種の焼き締まりが生じる結果、電極材料として、より適した空隙(サイズ、容積)を備えた多孔質炭素材料を提供することができる。炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行う前に(本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る電極の製造方法)、あるいは又、多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基を除去する前に(本開示の第3の態様に係る電極の製造方法)、粉砕を行い、平均粒径が4μm未満、好ましくは0.5μm以下とすることが好ましい。粉砕方法として、ビーズミルを用いる粉砕法の他、ボールミル、ジェットミルを用いる方法等を例示することができる。
 ここで、炭素化とは、一般に、有機物質(本開示にあっては、植物由来の材料)を熱処理して炭素質物質に変換することを意味する(例えば、JIS M0104-1984参照)。尚、炭素化のための雰囲気として、酸素を遮断した雰囲気を挙げることができ、具体的には、真空雰囲気、窒素ガスやアルゴンガスといった不活性ガス雰囲気、有機物質(植物由来の材料)を一種の蒸し焼き状態とする雰囲気を挙げることができる。
 植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化することにより得られた材料であって、酸又はアルカリでの処理を行う前の材料を、『多孔質炭素材料前駆体』あるいは『炭素質物質』と呼ぶ。また、植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理することによって得ることができる材料を、便宜上、『多孔質炭素材料中間体』と呼ぶ。そして、このような多孔質炭素材料中間体の製造方法を、以下、『多孔質炭素材料中間体の製造方法』と呼ぶ場合がある。更には、この多孔質炭素材料中間体に対して、好ましくは粉砕処理を行い、更に、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を施すことで、あるいは又、多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基を除去することで、電極用の材料あるいは多孔質炭素材料を得ることができる。
 使用する植物由来の材料にも依るが、植物由来の材料を炭素化する前に、炭素化のための温度よりも低い温度(例えば、400゜C~700゜C)にて、酸素を遮断した状態で植物由来の材料に熱処理を施してもよい。尚、このような熱処理を、『予備炭素化処理』と呼ぶ。これによって、炭素化の過程において生成するであろうタール成分を抽出することが出来る結果、炭素化の過程において生成するであろうタール成分を減少あるいは除去することができる。尚、酸素を遮断した状態は、例えば、窒素ガスやアルゴンガスといった不活性ガス雰囲気とすることで、あるいは又、真空雰囲気とすることで、あるいは又、植物由来の材料を一種の蒸し焼き状態とすることで、達成することができる。また、使用する植物由来の材料にも依るが、植物由来の材料中に含まれるミネラル成分や水分を減少させるために、また、炭素化の過程での異臭の発生を防止するために、植物由来の材料をアルコール(例えば、メチルアルコールやエチルアルコール、イソプロピルアルコール)に浸漬してもよい。尚、その後、予備炭素化処理を実行してもよい。不活性ガス中で予備炭素化処理を施すことが好ましい材料として、例えば、木酢液(タールや軽質油分)を多く発生する植物を挙げることができる。また、アルコールによる前処理を施すことが好ましい材料として、例えば、ヨウ素や各種ミネラルを多く含む海藻類を挙げることができる。
 多孔質炭素材料中間体の製造方法にあっては、前述したとおり、植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化する。炭素化のための雰囲気として、酸素を遮断した雰囲気を挙げることができ、具体的には、真空雰囲気、窒素ガスやアルゴンガスといった不活性ガス雰囲気、植物由来の材料を一種の蒸し焼き状態とする雰囲気を挙げることができる。炭素化温度に至るまでの昇温速度として、限定するものではないが、係る雰囲気下、1゜C/分以上、好ましくは3゜C/分以上、より好ましくは5゜C/分以上を挙げることができる。また、炭素化時間の上限として、10時間、好ましくは7時間、より好ましくは5時間を挙げることができるが、これに限定するものではない。炭素化時間の下限は、植物由来の材料が確実に炭素化される時間とすればよい。また、植物由来の材料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。植物由来の材料を予め洗浄してもよい。あるいは又、得られた多孔質炭素材料前駆体や多孔質炭素材料中間体、多孔質炭素材料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。あるいは又、賦活処理後の多孔質炭素材料中間体あるいは多孔質炭素材料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。炭素化のために使用する炉の形式、構成、構造に制限はなく、連続炉とすることもできるし、回分炉(バッチ炉)とすることもできる。
 加熱処理の雰囲気として、酸素を遮断した雰囲気を挙げることができ、具体的には、真空雰囲気、窒素ガスやアルゴンガスといった不活性ガス雰囲気、多孔質炭素材料中間体を一種の蒸し焼き状態とする雰囲気を挙げることができる。加熱処理の温度に至るまでの昇温速度として、限定するものではないが、係る雰囲気下、1゜C/分以上、好ましくは3゜C/分以上、より好ましくは5゜C/分以上を挙げることができる。炭素化の温度と加熱処理の温度の差は、種々の試験を行い、適宜、決定すればよい。また、加熱処理時間の上限として、10時間、好ましくは7時間、より好ましくは5時間を挙げることができるが、これに限定するものではない。加熱処理時間の下限は、多孔質炭素材料に所望の特性を付与できるような時間とすればよい。加熱処理のために使用する炉の形式、構成、構造に制限はなく、連続炉とすることもできるし、回分炉(バッチ炉)とすることもできる。
 賦活処理を施せば、孔径が2nmよりも小さいマイクロ細孔(後述する)を増加させることができる。賦活処理の方法として、ガス賦活法、薬品賦活法を挙げることができる。ここで、ガス賦活法とは、賦活剤として酸素や水蒸気、炭酸ガス、空気等を用い、係るガス雰囲気下、700゜C乃至1400゜Cにて、好ましくは700゜C乃至1000゜Cにて、より好ましくは800゜C乃至1000゜Cにて、数十分から数時間、多孔質炭素材料中間体を加熱することにより、多孔質炭素材料中間体中の揮発成分や炭素分子に、一層、微細構造を発達させる方法である。尚、より具体的には、賦活処理における加熱温度は、植物由来の材料の種類、ガスの種類や濃度等に基づき、適宜、選択すればよい。薬品賦活法とは、ガス賦活法で用いられる酸素や水蒸気の替わりに、塩化亜鉛、塩化鉄、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、硫酸等を用いて賦活させ、塩酸で洗浄、アルカリ性水溶液でpHを調整し、乾燥させる方法である。
 酸又はアルカリでの処理によって、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素成分を除去するが、ケイ素成分として、二酸化ケイ素や酸化ケイ素、酸化ケイ素塩といったケイ素酸化物を挙げることができる。このように、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素成分を除去することで、高い比表面積を有する多孔質炭素材料を得ることができる。場合によっては、ドライエッチング法に基づき、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素成分を除去してもよい。即ち、多孔質炭素材料の好ましい形態にあっては、原料として、ケイ素(Si)を含有する植物由来の材料を用いるが、多孔質炭素材料前駆体あるいは炭素質物質に変換する際、植物由来の材料を高温(例えば、400゜C乃至1400゜C)にて炭素化することによって、植物由来の材料中に含まれるケイ素が、炭化ケイ素(SiC)とはならずに、二酸化ケイ素(SiOx)や酸化ケイ素、酸化ケイ素塩といったケイ素成分(ケイ素酸化物)となる。尚、炭素化する前の植物由来の材料に含まれているケイ素成分(ケイ素酸化物)は、高温(例えば、400゜C乃至1400゜C)にて炭素化しても、実質的な変化は生じない。それ故、次の工程において酸又はアルカリ(塩基)で処理することにより、二酸化ケイ素や酸化ケイ素、酸化ケイ素塩といったケイ素成分(ケイ素酸化物)が除去される結果、窒素BET法による大きな比表面積の値を得ることができる。しかも、多孔質炭素材料は、天然物由来の環境融和材料であり、その微細構造は、植物由来の材料である原料中に予め含まれるケイ素成分(ケイ素酸化物)を酸又はアルカリで処理し、除去することによって得られる。従って、細孔の配列は植物の有する生体規則性を維持している。
 上述したとおり、多孔質炭素材料は、植物由来の材料を原料とする。ここで、植物由来の材料として、米(稲)、大麦、小麦、ライ麦、稗(ヒエ)、粟(アワ)等の籾殻や藁、珈琲豆、茶葉(例えば、緑茶や紅茶等の葉)、サトウキビ類(より具体的には、サトウキビ類の絞り滓)、トウモロコシ類(より具体的には、トウモロコシ類の芯)、果実の皮(例えば、オレンジの皮、グレープフルーツの皮、ミカンの皮といった柑橘類の皮やバナナの皮等)、あるいは又、葦、茎ワカメを挙げることができるが、これらに限定するものではなく、その他、例えば、陸上に植生する維管束植物、シダ植物、コケ植物、藻類、海藻を挙げることができる。尚、これらの材料を、原料として、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また、植物由来の材料の形状や形態も特に限定はなく、例えば、籾殻や藁そのものでもよいし、あるいは乾燥処理品でもよい。更には、ビールや洋酒等の飲食品加工において、発酵処理、焙煎処理、抽出処理等の種々の処理を施されたものを使用することもできる。特に、産業廃棄物の資源化を図るという観点から、脱穀等の加工後の藁や籾殻を使用することが好ましい。これらの加工後の藁や籾殻は、例えば、農業協同組合や酒類製造会社、食品会社、食品加工会社から、大量、且つ、容易に入手することができる。
 多孔質炭素材料は、細孔(ポア)を多く有している。細孔として、孔径が2nm乃至50nmの『メソ細孔』、及び、孔径が2nmよりも小さい『マイクロ細孔』、及び、孔径が50nmを超える『マクロ細孔』が含まれる。多孔質炭素材料において、BJH法による細孔の容積は、0.1cm3/グラム以上、好ましくは0.2cm3/グラム以上、より好ましくは0.3cm3/グラム以上、一層好ましくは0.5cm3/グラム以上であることが望ましい。MP法による細孔の容積も、0.1cm3/グラム以上、好ましくは0.2cm3/グラム以上、より好ましくは0.3cm3/グラム以上、一層好ましくは0.5cm3/グラム以上であることが望ましい。また、マイクロ細孔として、例えば、孔径が1.9nm程度の細孔と、1.5nm程度の細孔と、0.8nm~1nm程度の細孔とを多く含んでいる。
 窒素BET法とは、吸着剤(ここでは、多孔質炭素材料)に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより吸着等温線を測定し、測定したデータを式(1)で表されるBET式に基づき解析する方法であり、この方法に基づき比表面積や細孔容積等を算出することができる。具体的には、窒素BET法により比表面積の値を算出する場合、先ず、多孔質炭素材料に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより、吸着等温線を求める。そして、得られた吸着等温線から、式(1)あるいは式(1)を変形した式(1’)に基づき[p/{Va(p0-p)}]を算出し、平衡相対圧(p/p0)に対してプロットする。そして、このプロットを直線と見なし、最小二乗法に基づき、傾きs(=[(C-1)/(C・Vm)])及び切片i(=[1/(C・Vm)])を算出する。そして、求められた傾きs及び切片iから式(2-1)、式(2-2)に基づき、Vm及びCを算出する。更には、Vmから、式(3)に基づき比表面積asBETを算出する(日本ベル株式会社製BELSORP-mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第62頁~第66頁参照)。尚、この窒素BET法は、JIS R 1626-1996「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に準じた測定方法である。
a=(Vm・C・p)/[(p0-p){1+(C-1)(p/p0)}] (1)
[p/{Va(p0-p)}]
  =[(C-1)/(C・Vm)](p/p0)+[1/(C・Vm)]  (1’)
m=1/(s+i)          (2-1)
C =(s/i)+1          (2-2)
sBET=(Vm・L・σ)/22414  (3)
 但し、
a:吸着量
m:単分子層の吸着量
p :窒素の平衡時の圧力
0:窒素の飽和蒸気圧
L :アボガドロ数
σ :窒素の吸着断面積
である。
 窒素BET法により細孔容積Vpを算出する場合、例えば、求められた吸着等温線の吸着データを直線補間し、細孔容積算出相対圧で設定した相対圧での吸着量Vを求める。この吸着量Vから式(4)に基づき細孔容積Vpを算出することができる(日本ベル株式会社製BELSORP-mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第62頁~第65頁参照)。尚、窒素BET法に基づく細孔容積を、以下、単に『細孔容積』と呼ぶ場合がある。
p=(V/22414)×(Mg/ρg)  (4)
 但し、
V :相対圧での吸着量
g:窒素の分子量
ρg:窒素の密度
である。
 メソ細孔の孔径は、例えば、BJH法に基づき、その孔径に対する細孔容積変化率から細孔の分布として算出することができる。BJH法は、細孔分布解析法として広く用いられている方法である。BJH法に基づき細孔分布解析をする場合、先ず、多孔質炭素材料に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより、脱着等温線を求める。そして、求められた脱着等温線に基づき、細孔が吸着分子(例えば窒素)によって満たされた状態から吸着分子が段階的に着脱する際の吸着層の厚さ、及び、その際に生じた孔の内径(コア半径の2倍)を求め、式(5)に基づき細孔半径rpを算出し、式(6)に基づき細孔容積を算出する。そして、細孔半径及び細孔容積から細孔径(2rp)に対する細孔容積変化率(dVp/drp)をプロットすることにより細孔分布曲線が得られる(日本ベル株式会社製BELSORP-mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第85頁~第88頁参照)。
p=t+rk                (5)
pn=Rn・dVn-Rn・dtn・c・ΣApj  (6)
但し、
n=rpn 2/(rkn-1+dtn2      (7)
 ここで、
p:細孔半径
k:細孔半径rpの細孔の内壁にその圧力において厚さtの吸着層が吸着した場合のコア半径(内径/2)
pn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの細孔容積
dVn:そのときの変化量
dtn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの吸着層の厚さtnの変化量
kn:その時のコア半径
c:固定値
pn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの細孔半径
である。また、ΣApjは、j=1からj=n-1までの細孔の壁面の面積の積算値を表す。
 マイクロ細孔の孔径は、例えば、MP法に基づき、その孔径に対する細孔容積変化率から細孔の分布として算出することができる。MP法により細孔分布解析を行う場合、先ず、多孔質炭素材料に窒素を吸着させることにより、吸着等温線を求める。そして、この吸着等温線を吸着層の厚さtに対する細孔容積に変換する(tプロットする)。そして、このプロットの曲率(吸着層の厚さtの変化量に対する細孔容積の変化量)に基づき細孔分布曲線を得ることができる(日本ベル株式会社製BELSORP-mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第72頁~第73頁、第82頁参照)。
 多孔質炭素材料前駆体を酸又はアルカリで処理するが、具体的な処理方法として、例えば、酸あるいはアルカリの水溶液に多孔質炭素材料前駆体を浸漬する方法や、多孔質炭素材料前駆体と酸又はアルカリとを気相で反応させる方法を挙げることができる。より具体的には、酸によって処理する場合、酸として、例えば、フッ化水素、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム等の酸性を示すフッ素化合物を挙げることができる。フッ素化合物を用いる場合、多孔質炭素材料前駆体に含まれるケイ素成分におけるケイ素元素に対してフッ素元素が4倍量となればよく、フッ素化合物水溶液の濃度は10質量%以上であることが好ましい。フッ化水素酸によって、多孔質炭素材料前駆体に含まれるケイ素成分(例えば、二酸化ケイ素)を除去する場合、二酸化ケイ素は、化学式(A)又は化学式(B)に示すようにフッ化水素酸と反応し、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)あるいは四フッ化ケイ素(SiF4)として除去され、多孔質炭素材料中間体を得ることができる。そして、その後、洗浄、乾燥を行えばよい。
SiO2+6HF → H2SiF6+2H2O  (A)
SiO2+4HF → SiF4+2H2O    (B)
 また、アルカリ(塩基)によって処理する場合、アルカリとして、例えば、水酸化ナトリウムを挙げることができる。アルカリの水溶液を用いる場合、水溶液のpHは11以上であればよい。水酸化ナトリウム水溶液によって、多孔質炭素材料前駆体に含まれるケイ素成分(例えば、二酸化ケイ素)を除去する場合、水酸化ナトリウム水溶液を熱することにより、二酸化ケイ素は、化学式(C)に示すように反応し、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)として除去され、多孔質炭素材料中間体を得ることができる。また、水酸化ナトリウムを気相で反応させて処理する場合、水酸化ナトリウムの固体を熱することにより、化学式(C)に示すように反応し、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)として除去され、多孔質炭素材料中間体を得ることができる。そして、その後、洗浄、乾燥を行えばよい。
SiO2+2NaOH → Na2SiO3+H2O  (C)
 多孔質炭素材料の平均粒径は、以下の方法で測定することができる。即ち、30質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液400グラムに0.6グラムの試料を添加し、24゜Cにて充分撹拌した後、40゜Cを保った状態で3時間、超音波を加える。その後、遠心分離を行い、液相を取り出し、水を加えて超音波洗浄する作業を2回、行った後、得られた固相を水に分散させて、大塚電子株式会社製のゼータ電位・粒径測定システムELSZ-2を用いて粒径を測定する。粒径測定は、具体的には、溶液中に分散している粒子にレーザ光を照射し、その散乱光を光子検出器で観測する動的光散乱法に基づき測定する。尚、濃度が濃い場合には適度に希釈して測定する。
 また、電極を構成する多孔質炭素材料、即ち、電極となった状態にある多孔質炭素材料の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いての観察によって得ることができる。あるいは又、電極から多孔質炭素材料を剥がし、得られた試料を用いて以下の方法で測定することができる。即ち、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に投入し、200゜Cで3時間、攪拌した後、窒素雰囲気下、300゜Cで48時間、乾燥させ、次いで、30質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液400グラムに0.6グラムの試料を添加し、24゜Cにて充分撹拌した後、40゜Cを保った状態で3時間、超音波を加える。尚、以上の操作を必要に応じて、複数回、行う。その後、遠心分離を行い、液相を取り出し、水を加えて超音波洗浄する作業を2回、行った後、得られた固相を水に分散させて、大塚電子株式会社製ELSZ-2を用いて粒径を測定する。
 本開示の二次電池を、例えば、電子機器に組み込むことができる。電子機器は、基本的にはどのようなものであってもよく、携帯型、据え置き型の双方が含まれる。電子機器として、具体的には、携帯電話、モバイル機器、ロボット、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、カメラ一体型VTR(ビデオテープレコーダー)、車載機器、各種家庭電気製品、工業製品等を挙げることができる。
 実施例1は、本開示の第1の態様~第2の態様に係る電極、本開示の第1の態様~第2の態様に係る二次電池、本開示の第1の態様~第3の態様に係る電極の製造方法に関する。ここで、実施例1の二次電池は、具体的には、空気-金属二次電池、より具体的には、空気-リチウム二次電池から構成されており、電極によって正極が構成されている。即ち、リチウム(Li)が負極活物質として負極に含まれる。
 実施例1の電極は、植物由来の多孔質炭素材料を含む。また、実施例1の二次電池は、植物由来の多孔質炭素材料を含む電極を備えている。そして、多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
O/PC≦0.05
好ましくは、
O/PC≦0.01
である。あるいは又、多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基が除去されている。
 ここで、実施例1における多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が100m2/グラム以上、BJH法による細孔の容積は0.1cm3/グラム以上、MP法による細孔の容積は0.1cm3/グラム以上である。そして、ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている。即ち、原料(炭素化前の植物由来の材料)のケイ素(Si)の含有率は、5質量%以上である。また、植物由来の多孔質炭素材料のケイ素(Si)の含有率は、5質量%未満である。
 実施例1にあっては、ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上である植物由来の材料である籾殻を原料として、400゜C乃至1400゜Cにて、具体的には、800゜Cにて窒素雰囲気下で炭素化する(焼成する)ことで、多孔質炭素材料前駆体を得た。次いで、得られた多孔質炭素材料前駆体を、酸又はアルカリで処理することで、具体的には、48容積%のフッ化水素酸水溶液に一晩浸漬することで酸処理を行い、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素成分を除去した後、水及びエチルアルコールを用いてpH7になるまで洗浄し、乾燥させることにより、多孔質炭素材料中間体を得た。その後、多孔質炭素材料中間体を、窒素雰囲気下にて900゜Cまで昇温し、水蒸気(使用量:5リットル/分)による賦活処理を3時間、行った。次いで、エチルアルコールと混合し、ジェットミルを用いて粉砕して4μmパス品(直径4μm以下の多孔質炭素材料中間体)を得た後、4μmパス品に対して、炭素化における温度(具体的には、800゜C)を超える温度で加熱処理を行った。具体的には、加熱処理を行うために、窒素雰囲気下、1400゜Cまで5゜C/分で昇温し、その後、1400゜Cにて1時間、保持した。あるいは又、多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基を除去した。こうして、実施例1の多孔質炭素材料を得ることができた。
 尚、4μmパス品であって、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行う前の材料を、「比較例1A」の多孔質炭素材料とした。また、比較例1Aの多孔質炭素材料を硝酸に浸漬し、表面を酸化し、表面に敢えて官能基を付着させた多孔質炭素材料を、「比較例1B」とした。
 これらの多孔質炭素材料を目開き75μmの篩を用いて分級し、75μm通過品を得た。表1に、実施例1、比較例1A、比較例1BのBET比表面積(単位はm2/グラムであり、表1では「比表面積」で表す)、BET法による全細孔容積(単位はcm3/グラムであり、表1では「全細孔容積」で表す)、BJH法による細孔容積(単位はcm3/グラムであり、表1では「BJH法」で表す)、MP法による細孔容積(単位はcm3/グラムであり、表1では「MP法」で表す)を示す。
[表1]
       比表面積  全細孔容積  BJH法   MP法
実施例1   1550  1.37   0.93   0.62
比較例1A  1570  1.29   0.83   0.65
比較例1B  1640  1.27   0.78   0.76
 実施例1、比較例1A及び比較例1Bのそれぞれにあっては、以下の方法に基づき、電極を作製した。即ち、表1に示した実施例1、比較例1A、比較例1Bのそれぞれの多孔質炭素材料等0.292グラム、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)0.052グラムグラム、及び、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶媒1ミリリットルを混合し、混練した。ここで、PVDFはバインダーとして機能する。こうして得られたペーストをカーボンペーパーから成るガス拡散層(基材)に塗布した。そして、120゜Cで充分に乾燥させた後、100゜Cで一晩、真空乾燥した。その後、直径15mmとなるように打ち抜き加工を施すことで、空気-リチウム二次電池用の正極を得た。
 次いで、こうして得られた正極を用いて、2016型コイン電池から成る空気-リチウム-二次電池を組み立てた。具体的には、正極、電解液、厚さ0.8mmのリチウム箔から成る負極を積層して、2016型コイン電池から成る空気-リチウム二次電池を組み立てた。尚、電解液として、具体的には、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド[LiTSFI,(CF3SO22NLi]と、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)との混合品(モル比1/4)、40マイクロリットルを使用した。また、セパレータとして、200μm厚さのガラスファイバーセパレータを用いた。
 空気-リチウム二次電池の充放電試験の条件を以下のとおりとした。即ち、放電条件として、実施例1の二次電池にあっては、カットオフ電圧2.0ボルト、放電電流値100(ミリアンペア/正極1グラム)を採用した。また、充電条件として、カットオフ電圧4.7ボルト、充電電流値100(ミリアンペア/正極1グラム)を採用した。
 得られた空気-リチウム二次電池の第1サイクル目(初回)、第10サイクル目、第15サイクル目、第20サイクル目の充放電曲線を図1A(実施例1)、図1B(比較例1A)、図2A(比較例1B)に示す。図1A、図1B、図2Aの横軸は充放電容量(正極1グラム当たりの値であり、単位はミリアンペア・時)、縦軸は電圧(単位:ボルト)である。図1A、図1B、図2Aの充放電曲線において、上側に示した曲線は充電曲線であり、下側に示した曲線は放電曲線である。図1A、図1B、図2A中、曲線「a」は第1サイクル目(初回)の充放電曲線を示し、曲線「b」は第10サイクル目の充放電曲線を示し、曲線「c」は第15サイクル目の充放電曲線を示し、曲線「d」は第20サイクル目の充放電曲線を示す。但し、図1Aにおいては、第10サイクル目、第15サイクル目の充放電曲線、第20サイクル目の充放電曲線はほぼ重なっている。また、サイクル数と容量維持率をグラフ化したものを図2Bに示し、実施例1、比較例1A、比較例1Bの第20サイクル目の容量維持率を、以下に示す。ここで、容量維持率とは、{(N回目のサイクルの放電容量)/(初回のサイクルの放電容量)×100%}と定義される。更には、実施例1、比較例1A、比較例1Bの多孔質炭素材料のワイドスキャンスペクトル測定結果を図3に示し、X線光電子分光分析法によって得られたC(1s)の正規化したスペクトルを図4に示し、X線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルを図5に示す。ここで、図2Bにおいて、「A」は実施例1のデータを示し、「B」は比較例1Aのデータを示し、「C」は比較例1Bのデータを示す。更には、これらの分析結果から得られた元素濃度(単位:原子百分率)、PO/PCの値を、以下の表2に示す。尚、分析結果から、酸素含有官能基は、カルボキシ基、ラクトン基、フェノール基、カルボニル基、エーテル基、キノン基又は水酸基であると考えられる。
実施例1   98%
比較例1A  39%
比較例1B  21%
 また、X線光電子分光分析法によって得られた実施例1及び比較例1Aの多孔質炭素材料のデータを、併せて、表2に示す。
[表2]
        C     N     O     Si   PO/PC
実施例1    99.3  未検出   0.6  0.1   0.006
比較例1B   85.3  0.6  13.9  0.2   0.16
比較例1A   94.2  未検出   5.4  0.4   0.06
 図1A、図1B、図2A、図2Bから、実施例1の二次電池にあっては、充放電サイクル数が20になっても、充放電サイクル特性に劣化が認められなかった。また、図3、図4、図5、表2の分析結果から、実施例1と比較例1A、比較例1Bとでは、PO/PCの値に明確な相違が認められた。これらの結果から、多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基を除去することで、あるいは又、PO/PCの値を小さくすることで、充放電サイクル特性の優れた二次電池を得ることができることが判明した。
 以上、好ましい実施例に基づき本開示を説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。実施例における多孔質炭素材料の原料や製造条件等は例示であり、適宜、変更することができる。実施例1においては1400゜Cでの焼成によって酸素含有官能基を除去したが、これ以外の方法で酸素含有官能基を除去してもよい。他の除去方法として、具体的には、水素ガス等の還元剤を利用した化学還元法、還元電位を印加する電気化学的方法、光エネルギーを利用して光触媒を介して還元する光電気化学的手法、菌や酵素等の反応によって還元する生物学的手法、電磁波を用いて還元する光学的手法等を挙げることができる。
 実施例にあっては、多孔質炭素材料の原料として、籾殻を用いる場合について説明したが、他の植物を原料として用いてもよい。ここで、他の植物として、例えば、藁、葦あるいは茎ワカメ、陸上に植生する維管束植物、シダ植物、コケ植物、藻類及び海藻等を挙げることができ、これらを、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。具体的には、例えば、多孔質炭素材料の原料である植物由来の材料を稲の藁(例えば、鹿児島産;イセヒカリ)とし、多孔質炭素材料を、原料としての藁を炭素化して炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)に変換し、次いで、酸処理を施すことで、多孔質炭素材料中間体を得ることができる。あるいは又、多孔質炭素材料の原料である植物由来の材料を稲科の葦とし、原料としての稲科の葦を炭素化して炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)に変換し、次いで、酸処理を施すことで、多孔質炭素材料中間体を得ることができる。また、フッ化水素酸水溶液の代わりに、水酸化ナトリウム水溶液といったアルカリ(塩基)にて処理して得られた多孔質炭素材料においても、同様の結果が得られた。
 あるいは又、多孔質炭素材料の原料である植物由来の材料を茎ワカメ(岩手県三陸産)とし、多孔質炭素材料中間体を、原料としての茎ワカメを炭素化して炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)に変換し、次いで、酸処理を施すことで得ることができる。具体的には、先ず、例えば、茎ワカメを500゜C程度の温度で加熱し、炭化する予備炭素化処理を施す。尚、加熱前に、例えば、原料となる茎ワカメをアルコールで処理してもよい。具体的な処理方法として、エチルアルコール等に浸漬する方法が挙げられ、これによって、原料に含まれる水分を減少させると共に、最終的に得られる多孔質炭素材料に含まれる炭素以外の他の元素や、ミネラル成分を溶出させることができる。また、このアルコールでの処理により、炭素化時のガスの発生を抑制することができる。より具体的には、茎ワカメをエチルアルコールに48時間浸漬する。尚、エチルアルコール中では超音波処理を施すことが好ましい。次いで、この茎ワカメを、窒素気流中において500゜C、5時間、加熱することにより炭化させ、炭化物を得る。尚、このような予備炭素化処理を行うことで、次の炭素化の際に生成されるであろうタール成分を減少あるいは除去することができる。その後、この炭化物の10グラムをアルミナ製の坩堝に入れ、窒素気流中(10リットル/分)において5゜C/分の昇温速度で1000゜Cまで昇温する。そして、1000゜Cで5時間、炭素化して、炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)に変換した後、室温まで冷却する。尚、炭素化及び冷却中、窒素ガスを流し続ける。次に、この多孔質炭素材料前駆体を46容積%のフッ化水素酸水溶液に一晩浸漬することで酸処理を行った後、水及びエチルアルコールを用いてpH7になるまで洗浄し、乾燥させることにより、多孔質炭素材料中間体を得ることができる。
 尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《電極:第1の態様》
 植物由来の多孔質炭素材料を含み、
 多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
O/PC≦0.05
好ましくは、
O/PC≦0.01
である電極。
[A02]《電極:第2の態様》
 表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極。
[A03]酸素含有官能基は、カルボキシ基、ラクトン基、フェノール基、カルボニル基、エーテル基、キノン基又は水酸基である[A02]に記載の電極。
[A04]多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が100m2/グラム以上、BJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、MP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である[A01]乃至[A03]のいずれか1項に記載の電極。
[A05]多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている[A01]乃至[A04]のいずれか1項に記載の電極。
[B01]《二次電池:第1の態様》
 植物由来の多孔質炭素材料を含む電極を備えた二次電池であって、
 多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
O/PC≦0.05
好ましくは、
O/PC≦0.01
である二次電池。
[B02]《二次電池:第2の態様》
 表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極を備えた二次電池。
[B03]酸素含有官能基は、カルボキシ基、ラクトン基、フェノール基、カルボニル基、エーテル基、キノン基又は水酸基である[B02]に記載の二次電池。
[B04]多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が100m2/グラム以上、BJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、MP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である[B01]乃至[B03]のいずれか1項に記載の二次電池。
[B05]多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている[B01]乃至[B04]のいずれか1項に記載の二次電池。
[B06]電極によって正極が構成される[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の二次電池。
[B07]空気-金属二次電池から成る[B06]に記載の二次電池。
[B08]空気-リチウム二次電池から成る[B07]に記載の二次電池。
[C01]《電極の製造方法:第1の態様》
 植物由来の多孔質炭素材料を含み、
 多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
O/PC≦0.05
好ましくは、
O/PC≦0.01
である電極の製造方法であって、
 植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行うことで多孔質炭素材料を得る、電極の製造方法。
[C02]《電極の製造方法:第2の態様》
 表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極の製造方法であって、
 植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行うことで多孔質炭素材料を得る、電極の製造方法。
[C03]《電極の製造方法:第3の態様》
 表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極の製造方法であって、
 植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基を除去することで多孔質炭素材料を得る、電極の製造方法。
[C04]酸素含有官能基は、カルボキシ基、ラクトン基、フェノール基、カルボニル基、エーテル基、キノン基又は水酸基である[C02]又は[C03]に記載の電極の製造方法。
[C05]多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が100m2/グラム以上、BJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、MP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である[C01]乃至[C04]のいずれか1項に記載の電極の製造方法。
[C06]多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている[C01]乃至[C05]のいずれか1項に記載の電極の製造方法。
[C07]酸又はアルカリでの処理によって、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素成分を除去する[C01]乃至[C06]のいずれか1項に記載の電極の製造方法。
[D01]《多孔質炭素材料・・・第1の態様》
 電極に用いられる植物由来の多孔質炭素材料であって、X線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
O/PC≦0.05
好ましくは、
O/PC≦0.01
である多孔質炭素材料。
[D02]《多孔質炭素材料・・・第2の態様》
 電極に用いられる植物由来の多孔質炭素材料であって、表面から酸素含有官能基が除去された多孔質炭素材料。
[D03]酸素含有官能基は、カルボキシ基、ラクトン基、フェノール基、カルボニル基、エーテル基、キノン基又は水酸基である[D02]に記載の多孔質炭素材料。
[D04]窒素BET法による比表面積の値が100m2/グラム以上、BJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、MP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である[D01]乃至[D03]のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料。
[D05]ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている[D01]乃至[D04]のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料。
[E01]《多孔質炭素材料の製造方法:第1の態様》
 植物由来の多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
O/PC≦0.05
好ましくは、
O/PC≦0.01
である、電極に用いられる多孔質炭素材料の製造方法であって、
 植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行う、多孔質炭素材料の製造方法。
[E02]《多孔質炭素材料の製造方法:第2の態様》
 表面から酸素含有官能基が除去された、電極に用いられる植物由来の多孔質炭素材料の製造方法であって、
 植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行う、多孔質炭素材料の製造方法。
[E03]表面から酸素含有官能基が除去された、電極に用いられる植物由来の多孔質炭素材料の製造方法であって、植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基を除去する、多孔質炭素材料の製造方法。
[E04]酸素含有官能基は、カルボキシ基、ラクトン基、フェノール基、カルボニル基、エーテル基、キノン基又は水酸基である[E02]又は[E03]に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
[E05]多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が100m2/グラム以上、BJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、MP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である[E01]乃至[E04]のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
[E06]多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている[E01]乃至[E05]のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
[E07]酸又はアルカリでの処理によって、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素成分を除去する[E01]乃至[E06]のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料の製造方法。

Claims (20)

  1.  植物由来の多孔質炭素材料を含み、
     多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
    O/PC≦0.05
    である電極。
  2.  表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極。
  3.  酸素含有官能基は、カルボキシ基、ラクトン基、フェノール基、カルボニル基、エーテル基、キノン基又は水酸基である請求項2に記載の電極。
  4.  多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が100m2/グラム以上、BJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、MP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である請求項1又は請求項2に記載の電極。
  5.  多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている請求項1又は請求項2に記載の電極。
  6.  植物由来の多孔質炭素材料を含む電極を備えた二次電池であって、
     多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
    O/PC≦0.05
    である二次電池。
  7.  表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極を備えた二次電池。
  8.  酸素含有官能基は、カルボキシ基、ラクトン基、フェノール基、カルボニル基、エーテル基、キノン基又は水酸基である請求項7に記載の二次電池。
  9.  多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が100m2/グラム以上、BJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、MP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である請求項6又は請求項7に記載の二次電池。
  10.  多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている請求項6又は請求項7に記載の二次電池。
  11.  電極によって正極が構成される請求項6又は請求項7に記載の二次電池。
  12.  空気-金属二次電池から成る請求項11に記載の二次電池。
  13.  空気-リチウム二次電池から成る請求項12に記載の二次電池。
  14.  植物由来の多孔質炭素材料を含み、
     多孔質炭素材料のX線光電子分光分析法によって得られたO(1s)スペクトルのピーク面積をPO、C(1s)スペクトルのピーク面積をPCとしたとき、
    O/PC≦0.05
    である電極の製造方法であって、
     植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行うことで多孔質炭素材料を得る、電極の製造方法。
  15.  表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極の製造方法であって、
     植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、炭素化における温度を超える温度で加熱処理を行うことで多孔質炭素材料を得る、電極の製造方法。
  16.  表面から酸素含有官能基が除去された植物由来の多孔質炭素材料を含む電極の製造方法であって、
     植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理し、次いで、多孔質炭素材料の表面から酸素含有官能基を除去することで多孔質炭素材料を得る、電極の製造方法。
  17.  酸素含有官能基は、カルボキシ基、ラクトン基、フェノール基、カルボニル基、エーテル基、キノン基又は水酸基である請求項15又は請求項16に記載の電極の製造方法。
  18.  多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が100m2/グラム以上、BJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、MP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である請求項14乃至請求項16のいずれか1項に記載の電極の製造方法。
  19.  多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている請求項14乃至請求項16のいずれか1項に記載の電極の製造方法。
  20.  酸又はアルカリでの処理によって、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素成分を除去する請求項14乃至請求項16のいずれか1項に記載の電極の製造方法。
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