WO2013081026A1 - 弾性表面波装置 - Google Patents

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    • H03H9/02559Characteristics of substrate, e.g. cutting angles of lithium niobate or lithium-tantalate substrates

Definitions

  • the present invention relates to a surface acoustic wave device using a LiNbO 3 substrate, and more particularly to a surface acoustic wave device using a Love wave propagating through a LiNbO 3 substrate.
  • An object of the present invention is to provide a surface acoustic wave device that uses a love wave propagating through a LiNbO 3 substrate and can reduce loss.
  • the IDT electrode is made of Al or an alloy containing Al as a main component.
  • the IDT electrode may be a single layer electrode made of Al or an alloy containing Al as a main component.
  • the IDT electrode 3 is made of Al or an alloy containing Al as a main component.
  • the IDT electrode 3 is not particularly limited as long as it is mainly composed of Al.
  • Al mainly means an IDT electrode in which Al exceeds 50% by weight in the entire IDT electrode 3.
  • the IDT electrode 3 is made of a single-layer metal film, it is made of Al or an alloy containing Al as a main component.
  • An alloy containing Al as a main component refers to an alloy containing Al at a ratio exceeding 50% by weight of Al.
  • a SiN film having a thickness of 0.2 ⁇ was formed as the silicon nitride film 5 as the second dielectric layer.
  • the SiO 2 film and the SiN film were formed by a sputtering method.
  • the bias sputtering method is desirable.
  • etching back or the like is performed after sputtering to flatten the surface of the SiO 2 film.
  • the IDT electrode 3 was formed by photolithography on the piezoelectric substrate on which the groove 2a was formed.
  • FIG. 3 shows the resonance characteristics of the surface acoustic wave device 1 obtained as described above.
  • FIG. 6 shows the relationship between the groove depth in the surface acoustic wave device 1 and the sound speed of the excited love wave.
  • the sound speed of the excited love wave becomes slower than 4050 m / sec, which is the slow transverse wave speed of the LiNbO 3 substrate. .
  • a love wave is hard to leak and a love wave can be confined effectively.

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Abstract

 LiNbO基板を伝搬するラヴ波を用いることができ、かつ低損失化を図り得る弾性表面波装置を提供する。 LiNbO基板2上にIDT電極3が形成されており、IDT電極3を覆うように酸化ケイ素膜4からなる誘電体層が設けられており、IDT電極3がAlを主体とし、かつLiNbO基板2の上面において、IDT電極3の電極指3a,3a間に溝2aが形成されており、LiNbO基板2を伝搬するラヴ波を用いている、弾性表面波装置1。

Description

弾性表面波装置
 本発明は、LiNbO基板を用いた弾性表面波装置に関し、より詳細には、LiNbO基板を伝搬するラヴ波を用いた弾性表面波装置に関する。
 従来、LiNbO基板を伝搬するラヴ波を利用した弾性表面波装置が種々提案されている。例えば、下記の特許文献1には、このような弾性表面波装置の一例が開示されている。
 特許文献1では、LiNbO基板上に、AuからなるIDT電極が形成されている。このIDT電極を覆うようにSiO膜が形成されている。特許文献1では、質量の大きなAuからなるIDT電極を用いることにより、LiNbO基板を伝搬するラヴ波を利用することが可能とされている。
特開平5-335879号公報
 しかしながら、特許文献1に記載の弾性表面波装置では、質量の大きなAuからなるIDT電極を用いているため、損失が大きいという問題があった。すなわち、質量の大きなAuからなるIDT電極を用いた構造では、IDT電極の厚みは比較的薄い。そのため、電気抵抗が高くなり、損失が大きくなるという問題があった。
 本発明の目的は、LiNbO基板を伝搬するラヴ波を利用しており、低損失化を図り得る弾性表面波装置を提供することにある。
 本発明に係る弾性表面波装置は、LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されたIDT電極と、前記IDT電極を覆うように設けられた誘電体層とを備える。本発明では、前記IDT電極がAlを主体とし、かつ前記LiNbO基板の上面においてIDT電極の電極指間に溝が形成されており、LiNbO基板を伝搬するラヴ波を用いている。IDT電極が、Alを主体とするとは、AlがIDT電極全体の50質量%を超えることを意味する。IDT電極は、AlまたはAlを主成分とする合金からなる電極層を主たる電極層として含むものであってもよく、従たる電極層として他の電極層が形成されていてもよい。他方、主たる電極層とは、複数の電極層からなる場合、重量比でIDT電極全体の50重量%を超える1以上の電極層をいうものとする。
 本発明に係る弾性表面波装置の他の特定の局面では、前記IDT電極が、AlまたはAlを主成分とする合金からなる。このように、本発明では、IDT電極はAlまたはAlを主成分とする合金からなる単一層の電極であってもよい。
 なお、Alを主成分とする合金とは、重量比でAlを50重量%を超えて含む合金をいうものとする。
 本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、前記誘電体層が、酸化ケイ素膜からなる。酸化ケイ素膜からなる場合、周波数温度特性を改善することができる。
 本発明に係る弾性表面波装置では、上記酸化ケイ素膜上に形成された第2の誘電体層がさらに形成されていてもよい。このような第2の誘電体層が形成されている場合、第2の誘電体層の厚みを調整することにより周波数を調整することができる。
 上記第2の誘電体層としては、好ましくは、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び窒化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種の誘電体を用いることができる。
 本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、前記IDT電極と前記LiNbO基板との間に形成された密着層をさらに備える。密着層の形成により、IDT電極のLiNbO基板への接合強度を高めることができる。
 上記密着層としては、好ましくは、Ti、Niまたはこれらを主成分とする合金が用いられる。これらを主成分とする合金とは、これらの金属の含有割合が重量比で50重量%である合金をいうものとする。密着層がTi、Niまたはこれらの金属を主成分とする合金からなる場合、IDT電極のLiNbO基板への密着性をより一層高めることができる。
 本発明では、IDT電極の上面に保護層が設けられていてもよい。それによって、IDT電極の保護を図り得る。好ましくは、保護層が、Alよりも難エッチング性材料からなる。それによって、LiNbO基板に溝を形成する際にエッチングを施したり、あるいはAlを主体とするIDT電極の形成に際してエッチングを施したりした場合、IDT電極を構成しているAlを主体とする金属部分の損傷を抑制することができる。
 本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、LiNbO基板の第2オイラー角θが70°~105°の範囲内にある。
 本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、IDT電極の電極指のピッチで定められる波長をλとしたときに、溝の深さが0.04λ以上である。
 本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、IDT電極の電極指のピッチで定められる波長をλとしたときに、IDT電極の厚みが、0.125λ以上である。
 本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、IDT電極の電極指のピッチで定められる波長をλとしたときに、誘電体層の厚みが、0.1λ以下である。
 本発明に係る弾性表面波装置では、LiNbO基板の上面において、IDT電極の電極指間に溝が形成されており、IDT電極がAlを主体とするため、LiNbO基板を伝搬するラヴ波を利用した弾性表面波装置を提供することができる。しかも、IDT電極がAlを主体とするため、特許文献1に記載の弾性表面波装置に比べ、低損失化を図ることができる。
図1(a)及び図1(b)は本実施形態の一実施形態に係る弾性表面波装置の部分切欠き正面断面図及びその電極構造を拡大して示す模式的正面断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置の電極構造を示す模式的平面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置のインピーダンス特性を示す図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置における溝の深さと、ストップバンドの幅との関係を示す図である。 図5は、本発明の一実施形態の変形例に係る弾性表面波装置の要部を示す模式的正面断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置における溝の深さと、励振されるラヴ波の音速との関係を示す図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置におけるIDT電極の厚みと、励振されるラヴ波の音速との関係を示す図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置における誘電体層の厚みと、励振されるラヴ波の高次モードの音速との関係を示す図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置におけるLiNbO基板のオイラー角θと、比帯域幅との関係を示す図である。
 以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
 図1(a)は、本実施形態の弾性表面波装置の部分切欠き正面断面図であり、(b)は、その要部を拡大して示す模式的正面断面図である。
 弾性表面波装置1は、LiNbO基板2を有する。LiNbO基板2上には、IDT電極3が形成されている。なお、図1(a)では、IDT電極3が形成されている部分のみを図示している。もっとも、本実施形態では、図2に示す電極構造が、LiNbO基板2上に形成されている。すなわち、IDT電極3と、IDT電極3の弾性表面波伝搬方向両側に配置された反射器6,7とを備える。それによって、弾性表面波共振子が構成されている。
 図1(a)に示すように、IDT電極3は、複数本の電極指3aを有する。隣り合う電極指3a間において、LiNbO基板2の上面には、溝2aが形成されている。
 溝2aは、LiNbO基板2をエッチングすることにより形成することができる。
 本実施形態では、IDT電極3は、AlまたはAlを主成分とする合金からなる。もっとも、IDT電極3は、Alを主体とする限り特に限定されるものではない。Alを主体とするとは、IDT電極3の全体のうち、Alが50重量%を超えるIDT電極をいうものとする。例えば、IDT電極3が単一層の金属膜からなる場合には、AlまたはAlを主成分とする合金からなる。Alを主成分とする合金とは、重量比でAlを50重量%を超える割合でAlを含む合金をいうものとする。
 また、複数の金属膜からなる場合には、全体の50重量%を占める割合が、AlまたはAlを主成分とする合金からなるものであればよい。この場合においても、IDT電極3全体の50重量%を超える割合でAlを含む。
 Alを主成分とする合金をAlと共に形成する金属としては、Cu,Si,Mg,Mn,Fe,Znなどを挙げることができる。
 LiNbO基板2の上面を覆うように、第1の誘電体層として、酸化ケイ素膜4が形成されている。酸化ケイ素膜4を覆うように、第2の誘電体層として、窒化ケイ素膜5が形成されている。
 なお、反射器6,7が形成されている部分においても、図1(a)と同様の構造とされている。すなわち反射器6,7の隣り合う電極指間において、LiNbO基板2上に溝が形成されている。
 本実施形態の弾性表面波装置1での特徴は、LiNbO基板2を用い、質量が軽いAlまたはAlを主成分とする合金からなるIDT電極3を用いているにもかかわらず、上記溝2aを形成したことにより、ラヴ波を利用することが可能とされていることにある。これを、具体的な実験例に基づき説明する。
 LiNbO基板2として、オイラー角(0°,85°,0°)のLiNbO基板を用意した。上記LiNbO基板2の上面に、弾性表面波の波長λとしたときに、0.1λの深さの溝2aを形成した。また、IDT電極3は、Alからなり、その厚みは、0.2λとした。IDT電極3におけるデューティーは0.7とした。従って、IDT電極3の電極指3a,3a間のピッチはλ/2であるが、溝2aの幅は0.15λ、IDT電極3の電極指3aの幅は0.35λとなる。
 酸化ケイ素膜4として、厚み0.1λのSiO膜を形成した。なお、ここで言う厚みは、図1(b)に示すように、IDT電極3の上面から酸化ケイ素膜4の上面までの距離Hである。酸化ケイ素膜4は、正の周波数温度特性を有する。他方、LiNbOは負の周波数温度特性を有する。従って、酸化ケイ素膜4の形成により、弾性表面波装置1の周波数温度係数の絶対値を小さくすることができる。
 第2の誘電体層としての窒化ケイ素膜5として、厚み0.2λのSiN膜を成膜した。SiO膜及びSiN膜は、スパッタリング法により成膜した。前記スパッタリング法としては、特にSiO膜の質が向上するため、バイアススパッタ法が望ましい。そして、スパッタ後にエッチングバック等を行って、SiO膜の表面を平坦化する。また、IDT電極3は、溝2aが形成された圧電基板上にフォトリソグラフィーにより形成した。上記のようにして得られた弾性表面波装置1の共振特性を図3に示す。また、この弾性表面波装置1の共振周波数における音速は、3800m/秒であった。従って、LiNbO基板を伝搬する遅い横波音速よりも遅いため、ラヴ波が励振されていることがわかる。
 また、図3より比帯域幅は、共振周波数の約5%であり、インピーダンス比は約60dBと良好である。すなわち、5%以上の幅のストップバンドが得られており、十分に高い反射係数が得られている。
 図4は、弾性波表面波装置1における溝の深さと、ストップバンドの幅との関係を示す。なお、ストップバンドの幅は共振周波数に対する割合(%)で示し、溝の深さ(%)はLiNbO基板の上面からの深さであり、λに対する割合(%)で示した。図4に示されるように、IDT電極間に溝が形成されていない場合、2%程度のストップバンドしか得ることができず、当該ストップバンド以上の帯域を得ることができないため、広帯域のフィルタを作製できない。しかしながら、IDT電極間に溝を設けることにより、2%よりも大きなストップバンド、すなわち十分に高い反射係数が得られるため、本発明によれば、広帯域化が可能となる。本構造によって十分に高い反射係数が得られる理由については、後述する。
 図6は、弾性波表面波装置1における溝の深さと、励振されるラヴ波の音速との関係を示す。図6に示されるように、溝の深さを4%(0.04λ)以上とすることにより、励振されるラヴ波の音速がLiNbO基板の遅い横波音速である4050m/秒よりも遅くなる。このため、ラヴ波が漏洩しにくく、ラヴ波を効果的に閉じ込めることができる。
 図7は、弾性波表面波装置1における、IDT電極の厚みと、励振されるラヴ波の音速との関係を示す。図7に示されるように、IDT電極の厚みを12.5%(0.125λ)以上とすることにより、励振されるラヴ波の音速がLiNbO基板の遅い横波音速である4050m/秒よりも遅くなる。このため、ラヴ波が漏洩しにくく、ラヴ波を効果的に閉じ込めることができる。
 図8は、弾性波表面波装置1における誘電体層の厚みと、励振されるラヴ波の高次モードの音速との関係を示す。図8に示されるように、誘電体層の厚みが8%、6%、4%、2%である場合は、それぞれ、高次モードが観測されなかった。この結果から、誘電体層の厚みを10%(0.1λ)以下とすることにより、高次モードに起因するスプリアスの発生を抑制できることが分かる。なお、誘電体層の厚みが10%(0.1λ)以下である場合に、高次モードが観測されなかったのは、高次モードの音速が、LiNbO基板の速い横波音速よりも速くなり、LiNbO基板側に漏洩したためであると考えられる。
 図9は、弾性波表面波装置1におけるLiNbO基板のオイラー角θと、比帯域幅との関係を示す。図9に示されるように、LiNbO基板のオイラー角θを70°~105°とすることにより、ラヴ波の比帯域を広く保ちつつ、レイリー波の比帯域幅を0.3%以下に抑制できることが分かる。
 なお、図6~図9に示されるデータは、以下の条件のときのデータである。
 誘電体層の材料:SiO
 IDT電極の材料:Al
 第2の誘電体層:厚みが2%(0.02λ)のSiN膜
 Duty比:0.7
 温度:25℃
 図6~図8におけるオイラー角θ:85°
 図7~図9における溝の深さ:10%(0.1λ)
 図6,8,9におけるIDT電極の厚み:20%(0.2λ)
 図6,7,9における誘電体層の厚み:10%(0.1λ)
 前述のように、従来、LiNbO基板を用いてラヴ波を励振する場合、IDT電極として質量の高いAuを用いなければならなかった。そのため、損失が大きくなるという問題があった。これに対して、本実施形態によれば、質量の軽いAlを主体とするIDT電極3を用いればよい。従って、IDT電極3の厚みを厚くして、さらにデューティー比も大きくして、低損失化を図ることができる。ここで、IDT電極の厚みを0.2λ、デューティー比を0.70とした構造のものであっても、溝が形成されていない場合には、反共振周波数がカットオフされてしまい、良好なインピーダンス特性を得ることができないことがFEMのシミュレーション計算により確認されている。これに対し、本実施形態では、図3に示すように、良好なインピーダンス特性を得ることができる。
 また、IDT電極を覆うように誘電体層、特にSiO膜を形成した場合、十分な反射係数を得るためには、前述のように、質量の高いAu電極を用いる必要があった。そのため、電極膜厚及びデューティー比が制限され、損失が大きくなってしまうという問題がある。損失の劣化を防ぐためにAlなどの材料をIDT電極として用いた場合、電極上に形成された誘電体層、例えばSiO膜とAl電極の密度がほぼ同じであるため、高い反射係数が得られない。このため、従来の構造では、損失の低減と反射係数の拡大とを両立することができなかった。これに対し、本発明によれば、IDT電極間に溝を形成することにより、反射係数に与える要因が、IDT電極とSiO膜間の密度差ではなく、LiNbO基板とSiO膜間の密度差となる。故に、十分高い反射係数を得ることができる。加えて、Al電極を用いているため、低損失化も達成できる。
 図5は、上記実施形態の変形例に係る弾性表面波装置の要部を示す模式的正面断面図である。本変形例では、IDT電極3とLiNbO基板2との間に密着層8が形成されている。密着層8は本発明においては必須の構成ではない。もっとも、密着層8を設けることにより、IDT電極3のLiNbO基板2への密着強度を高めることができる。このような密着層8は、例えば、Ni、Crまたはこれらを主体とする合金により形成することができる。
 さらに、本変形例では、保護層9がIDT電極3の上面に形成されている。保護層9としては、好ましくは、Alよりも難エッチング性の材料が用いられる。それによって、IDT電極3の形成に際してのエッチング時に、あるいはIDT電極3を形成した後に溝2aを形成する場合には、溝2a形成時のエッチングに際し、IDT電極3を保護することができる。
 上記保護層9を構成する材料としては、Alよりも難エッチング性材料である、Cu,Tiなどを好適に用いることができる。
 また、上記実施形態及び変形例では、弾性表面波共振子につき説明したが、本発明は、LiNbO基板を用い、フィルタ等のラヴ波を利用する様々な弾性表面波装置に適用することができる。
1…弾性表面波装置
2…LiNbO基板
2a…溝
3…IDT電極
3a…電極指
4…酸化ケイ素膜
5…窒化ケイ素膜
6,7…反射器
8…密着層
9…保護層

Claims (14)

  1.  LiNbO基板と、
     前記LiNbO基板上に形成されたIDT電極と、
     前記IDT電極を覆うように設けられた誘電体層とを備え、前記IDT電極がAlを主体とし、かつ前記LiNbO基板の上面においてIDT電極の電極指間に溝が形成されており、LiNbO基板を伝搬するラヴ波を用いている、弾性表面波装置。
  2.  前記IDT電極が、AlまたはAlを主成分とする合金からなる電極層を主たる電極層として含む、請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3.  前記IDT電極が、AlまたはAlを主成分とする合金からなる、請求項1に記載の弾性表面波装置。
  4.  前記誘電体層が、酸化ケイ素膜からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  5.  前記酸化ケイ素膜上に形成された第2の誘電体層をさらに備える、請求項4に記載の弾性表面波装置。
  6.  前記第2の誘電体層が、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び窒化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種の誘電体からなる、請求項5に記載の弾性表面波装置。
  7.  前記IDT電極と前記LiNbO基板との間に形成された密着層をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  8.  前記密着層が、Ti、Niまたはこれらを主成分とする合金からなる、請求項7に記載の弾性表面波装置。
  9.  前記IDT電極の上面に設けられた保護層をさらに備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  10.  前記保護層がAlよりも難エッチング性材料からなる、請求項9に記載の弾性表面波装置。
  11.  前記LiNbO基板の第2オイラー角θが70°~105°の範囲内にある、請求項1~10のいずれか一項に記載の弾性表面波装置。
  12.  前記IDT電極の電極指のピッチで定められる波長をλとしたときに、前記溝の深さが0.04λ以上である、請求項1~11のいずれか一項に記載の弾性表面波装置。
  13.  前記IDT電極の電極指のピッチで定められる波長をλとしたときに、前記IDT電極の厚みが、0.125λ以上である、請求項1~12のいずれか一項に記載の弾性表面波装置。
  14.  前記IDT電極の電極指のピッチで定められる波長をλとしたときに、前記誘電体層の厚みが、0.1λ以下である、請求項1~13のいずれか一項に記載の弾性表面波装置。
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