WO2012043583A1 - 車両のドアインサイドハンドル装置 - Google Patents

Abstract

　車両のドアインサイドハンドル装置は、ベース部ＢＰと、ベース部ＢＰに着脱可能に連結されたカバー体３であって、カバー体３がベース部ＢＰに装着されているカバー体３の装着位置においてベース部ＢＰのドア側への連結部１３を隠すカバー体３と、を備える。ベース部ＢＰと装着位置のカバー体３との間には、揺動スペース８が設けられる。カバー体３は係止部４を有し、ベース部ＢＰは被係止部５を有し、係止部４と被係止部５との弾性的な係止によりカバー体３のベース部ＢＰに対する揺動が規制されてカバー体３が装着位置に保持される。カバー体３への押し込み操作によりカバー体３がベース部ＢＰに対して揺動すると、係止部４と被係止部５との係止が解除され、カバー体３はベース部２から離脱が可能となる。

Description

車両のドアインサイドハンドル装置

　本発明は車両のドアインサイドハンドル装置に関するものである。 

　特許文献１は、車両のインナーパネルへの固定部をカバー体により覆って外部への露出を防止した車両のドアインサイドハンドルを、開示する。

ＵＳ２００４／０２１２２００

　特許文献１のドアインサイドハンドルは、操作ハンドルを軸支したハンドルベースと、ハンドルベースに連結され、ハンドルベースのドアパネルへの固定部を覆うカバー体とを有する。ハンドルベースへのカバー体の装着は、側縁に形成される解除操作用係止脚をハンドルベースに弾発係止して行われる。脱離操作は、ハンドルベースの壁面とカバー体の表面に現れる隙間から工具を挿入して解除操作用係止脚の係止を解除して行われる。

　しかし、工具を要するために、脱離操作の作業性が悪い。 

　本発明の実施例は、カバー体の脱離操作性を良好にした車両のドアインサイドハンドル装置を提供する。

　本発明の実施例によれば、車両のドアインサイドハンドル装置は、ベース部ＢＰと、ベース部ＢＰに着脱可能に連結されたカバー体３であって、カバー体３がベース部ＢＰに装着されているカバー体３の装着位置においてベース部ＢＰのドア側への連結部１３を隠すカバー体３と、を備えてもよい。ベース部ＢＰと装着位置のカバー体３との間には、揺動スペース８が設けられてもよい。カバー体３は係止部４を有し、ベース部ＢＰは被係止部５を有し、係止部４と被係止部５との弾性的な係止によりカバー体３のベース部ＢＰに対する揺動が規制されてカバー体３が装着位置に保持されてもよい。係止部４と被係止部５と少なくとも一方には、斜面部６が形成されてもよい。カバー体３への押し込み操作によりカバー体３がベース部ＢＰに対して揺動すると、傾斜部６によって係止解除方向の力が発生し、係止部４と被係止部５との係止が解除され、カバー体３はベース部ＢＰから離脱が可能とされてもよい。

図１は、インサイドハンドル装置を示す正面図である。 図２（ａ）は、図１の２Ａ-２Ａ線断面図である。図２（ｂ）は、図１の２Ｂ-２Ｂ線断面図である。 図３は、カバー体の装着状態を示す正面図である。 図４（ａ）はカバー体の裏面図である。図４（ｂ）は図４（ａ）の４Ｂ方向矢視図である。図４（ｃ）は図４（ａ）の４Ｃ-４Ｃ線断面図である。 図５（ａ）から図５（ｄ）は、図３の５Ａ-５Ａ線断面図である。図５（ａ）は装着操作を示す。図５（ｂ）は装着完了状態を示す。図５（ｃ）はカバー体の側縁を押し下げた状態を示す。図５（ｄ）はカバー体の係止を解除した状態を示す。 図６（ａ）および図６（ｂ）は、ドアトリムにカバー体を装着したインサイドハンドル装置の固定構造を示す図である。図６（ａ）は図２（ａ）に対応する図である。図６（ｂ）は図５（ｂ）に対応する図である。

　以下、本発明の典型的実施例を図面を参照しながら説明する。なお、典型的実施例は発明の例示であって、発明を限定するものではなく、典型的実施例に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。

　図１から図５（ｄ）に示すように、典型的実施例のインサイドハンドル装置は、ベース部ＢＰとしてのハンドルベース２に操作ハンドル１とロックレバー９とを連結して形成される。操作ハンドル１は、ハンドル回転中心軸（Ｃ１）周りに図２（ａ）において実線で示す初期回転位置と鎖線で示す操作回転位置との間で回転可能であり、ケーブル装置１０を介してロック装置１１に連結される。

　ケーブル装置１０は、ハンドルベース２に一端が連結されるアウターケース１０ａ内にインナーケーブル１０ｂを摺動自在に挿通させて形成される。操作ハンドル１を操作回転位置まで回転操作すると、操作力が操作ハンドル１に連結されたインナーケーブル１０ｂを介してロック装置１１に伝達され、ドアのロック状態が解除される。

　また、ロックレバー９は、図２（ｂ）に示すように、レバー回転中心軸（Ｃ２）周りに回転操作可能であり、図示のロック回転位置から所定角度時計回りに回転操作すると、該ロックレバー９に連結されたケーブル装置１２を介して上記ドアロック装置１１のキャンセル部１１ａが操作され、以後、操作ハンドル１によるドアロック装置１１への操作が規制される。

　図２（ａ）から図３に示すように、インサイドハンドル装置のドアパネル（図示せず）への固定はハンドルベース２をドアパネルに固定して行われる。ハンドルベース２には、固定に使用する止着子１３を挿通するための貫通孔１４が設けられる。

　止着子１３の頭部を覆い隠すために、ハンドルベース２にはカバー体３が装着される。ハンドルベース２は、上述した操作ハンドル１とロックレバー９とを包囲する枠部７を有しており、カバー体３が装着された状態において、操作ハンドル１とロックレバー９の回転基端を除く底壁面を形成する。

　図３に示すように、ハンドルベース２には、カバー体３を係止するための被係止部５、および係止開口と、カバー体３を支承するための支承平面２ａと、操作ハンドル１のハンドル回転中心に直交する突条１５とが設けられる。

　後述するように、突条１５はカバー体３の揺動中心とカバー体３の揺動スペース８とを提供するもので、上記支承平面２ａは、カバー体３の揺動動作に対する干渉部とならないために、突条１５を挟んで被係止部５が設けられる領域にのみ配置される。

　図４（ａ）から図４（ｃ）に示すように、カバー体３は板状に形成され、操作ハンドル１に沿った一方の辺縁部には２個の係止用突部１６が、これに対向する辺縁部に１個の爪状の係止部４が設けられる。カバー体３のハンドルベース２への装着は、係止用突部１６をハンドルベース２の枠部７下端に開設された係止開口１７の上縁に係止させた状態で係止部４が形成される側の辺縁部を図５（ａ）において矢印ａで示すように押し込んで行われる。

　押し込み操作に際し、ハンドルベース２の枠部７の内壁面は、カバー体３の周縁をガイドして係止部４を被係止部５に導き、被係止部５に導かれた係止部４は一旦弾性変形して被係止部５の周縁部をかわした後、被係止部５に対峙したときに原形に復帰し、係止状態に移行する。

　係止部４の係止が完了した装着状態において、カバー体３は、図１に示すように、上述した止着子１３の頭部を覆い隠して外部への露出を防ぐ。

　この状態からのインサイドハンドル装置の取り外しは、一旦カバー体３を取り外して行われ、取り外しを容易にするために、ハンドルベース２に上述した突条１５が設けられる。図５（ｂ）に示すように、突条１５は、カバー体３が装着された状態で、該カバー体３の裏面に当接する高さ寸法に形成されており、係止部４の係止が解除した際のカバー体３の揺動スペース８を提供する。

　さらに、カバー体３の係止部４には、図５（ｂ）に示すように、カバー体３の押し込み操作時に被係止部５に当接して係止部４に内方（対向縁）に向かう反力を発生させる装着用斜面４ａが設けられるとともに、係止部４と被係止部５には、図５（ｂ）における反時計回りの揺動力を付加した際に係止部４に係止離脱方向の分力を発生させるための斜面部６が設けられる。

　したがって典型的実施例において、装着状態のカバー体３の係止用突部１６が配置される側の辺縁（押し込み操作部３Ｐ）に押し込み操作力を付与すると、カバー体３には、突条１５との接触部を揺動中心とする反時計回りの揺動力が発生する。上述したように、この揺動力によって係止部４の斜面部６には、係止解除方向の分力が発生し、やがて、図５（ｃ）に示すように、係止部４は弾性的に撓んで被係止部５との係止が解除され、図５（ｄ）に示すように、カバー体３をハンドルベース２から離脱させることができる。

　カバー体３装着解除のために要する押し込み操作力は、斜面部６の傾斜角度、係止部４の剛性、突条１５と押し込み操作側端縁までの間隔を考慮して適宜決定され、不用意な操作で簡単に係止部４の係止が解除されることがない程度の大きさに設定される。

　また、図１、図３に示すように、押し込み操作部３Ｐは、操作ハンドル１に覆われ、通常状態では外部に露出しない側に設定され、悪戯等によるカバーの離脱操作が可及的に防がれる。

　以上においては、インサイドハンドル装置では、ハンドルベース２が操作ハンドル１の装着部位においてパネル体の外観面を提供するための内装面形成部材２０であり、ハンドルベース２をドアパネルに固定するための止着子１３の頭部が内装面形成部材２０に装着されるカバー体３により覆い隠されている。一方、図６に示すように、ドアトリム２１が内装面形成部材２０である場合には、ドアトリム２１にカバー体が装着される。

　すなわち、図６に示す構造では、ハンドルベース２はドアトリム２１により覆われており、操作ハンドル１の装着部位における意匠面がドアトリム２１により構成される。インサイドハンドル装置の固定は、ドアトリム２１とハンドルベース２とを止着子１３を使用してパネルに共締めして行われ、内装面形成部材２０としてのドアトリム２１に、被係止部５、係止開口１７、および突条１５等が形成され、カバー体３がベース部ＢＰとしてのドアトリム２１に連結される。

　また、この固定構造においては、単一の止着子１３により、ドアトリム２１とハンドルベース２がパネルに止着されるが、別々の止着子により、ドアトリム２１とハンドルベース、ハンドルベース２とパネルとをそれぞれ止着することもできる。

　なお、図６において、図１から図５（ｄ）の構造と実質的に同一の構成要素は図中に同一符号を付して説明を省略する。

　上記の典型的実施例によれば、ドアインサイドハンドル装置は、ベース部ＢＰ（ハンドルベース２、ドアトリム２１）と、ベース部ＢＰに対して着脱自在に装着されてベース部ＢＰのドアパネルへの固定部１３を覆うカバー体３とを有する。カバー体３とハンドルベース２との間には、カバー体３の装着位置において揺動スペース８が設定される。カバー体３の側縁部に形成される係止部４とハンドルベース２の被係止部５とを、いずれか一方、あるいは双方の弾性変形を伴って相互に係止させることによって揺動動作が禁止され、装着状態が維持される。

　係止部４と被係止部５との間には、カバー体３への揺動操作力の付与により係止部４、または被係止部５に係止解除方向の分力を発生させる斜面部６が形成されており、カバー体３の一側縁部にベース部ＢＰ内方への押し込み力を与えることにより、係止部４、あるいは被係止部５に係止解除方向の分力が発生する。

　したがって、斜面部６による分力の大きさと、係止部４、および被係止部５における係止力を適宜に設定すると、カバー体３の側縁部に押し込み操作力を与えるだけでカバー体３を脱離させることが可能になる。この結果、特別の工具等が不要になり、脱離操作性が向上する。

　カバー体３は、装着状態においてベース部ＢＰを概ね全体にわたって覆い、インサイドハンドル装置の意匠的外形を決定するエスカッションとして形成したり、あるいは、操作ハンドル１を収容する枠部７を意匠的外形面として備えるベース部ＢＰの底壁部に装着されて固定部近傍のみを覆うように構成することもできる。

　カバー体３の装着姿勢における揺動中心は、カバー体３、または、ベース部ＢＰに形成された突条１５のように、揺動中心を形成するために特別に設定された部分によるものに加え、特別な部分を形成することなく、接触状態等から結果的に構成されるものであってもよい。

　係止部４は、揺動中心軸に沿う辺縁部のほか、揺動中心軸に交差する辺縁部に設けることも可能である。さらに、揺動の規制は、係止部４と被係止部５との係止のみにより行われるものであっても、側縁部をベース部ＢＰとの当接縁として一方の揺動終端が決定されたものであってもよい。

　また、係止部４をカバー体３の裏面方向に突設して配置すると、係止部４と被係止部５との係止部位が表面に現れることがないために、見栄えが向上する。

　さらに、カバー体３の押し込み操作部３Ｐを、初期回転位置における操作ハンドル１により覆われる位置に配置すると、押し込み操作部３Ｐを過って押し込んでカバー体３が脱離する機会を減少させることができる。

　また、カバー体３はハンドルベース２に装着してもよいし、ドアトリム２１等、操作ハンドル１の装着位置におけるドア体の内装、すなわち、外観意匠面を形成するために使用される内装面形成部材２０に装着してもよい。

　上記の典型的実施例によれば、カバー体の脱離操作に工具を要しないために、脱離操作性を良好にすることができる。 

　１　　　　操作ハンドル
　２　　　　ハンドルベース
　３　　　　カバー体
　３Ｐ　　　押し込み操作部
　４　　　　係止部
　５　　　　被係止部
　６　　　　斜面部
　７　　　　枠部
　８　　　　揺動スペース
　２０　　　内装面形成部材
　２１　　　ドアトリム
　ＢＰ　　　ベース部

Claims (9)

1. 　ベース部（ＢＰ）と、
   　前記ベース部（ＢＰ）に着脱可能に連結されたカバー体（３）であって、カバー体（３）が前記ベース部（ＢＰ）に装着されているカバー体（３）の装着位置において前記ベース部（ＢＰ）のドア側への連結部（１３）を隠すカバー体（３）と、
   　を具備し、
   　前記ベース部（ＢＰ）と前記装着位置のカバー体（３）との間には、揺動スペース（８）が設けられ、
   　前記カバー体（３）は係止部（４）を有し、前記ベース部（ＢＰ）は被係止部（５）を有し、前記係止部（４）と前記被係止部（５）との弾性的な係止により前記カバー体（３）の前記ベース部（ＢＰ）に対する揺動が規制されて前記カバー体（３）が前記装着位置に保持され、
   　前記係止部（４）と被係止部（５）と少なくとも一方には、斜面部（６）が形成され、
   　前記カバー体（３）への押し込み操作により前記カバー体（３）が前記ベース部（ＢＰ）に対して揺動すると、前記傾斜部（６）によって係止解除方向の力が発生し、前記係止部（４）と前記被係止部（５）との係止が解除され、前記カバー体（３）は前記ベース部（ＢＰ）から離脱が可能となる、
   　車両のドアインサイドハンドル装置。
2. 　前記ベース部（ＢＰ）は、操作ハンドル（１）を収容する深さの枠部（７）を有し、
   　前記カバー体（３）は、前記ベース部（ＢＰ）の底壁部に装着される、
   　請求項１に記載の車両のドアインサイドハンドル装置。
3. 　前記カバー体（３）は、一側縁がベース部（ＢＰ）に当接して一方の揺動終端が決定されるとともに、他側縁に形成された係止部（４）により当接離脱方向の揺動が規制されて装着位置に保持される、請求項１に記載の車両のドアインサイドハンドル装置。
4. 　前記係止部（４）は、前記カバー体（３）の裏面方向に突設される、請求項１に記載の車両のドアインサイドハンドル装置。
5. 　操作ハンドル（１）は前記カバー体（３）の側縁に沿って配置されるとともに、
   　カバー体の押し込み操作部（３Ｐ）が初期回転位置における操作ハンドルにより覆われる位置に配置される、
   　請求項４に記載の車両のドアインサイドハンドル装置。
6. 　前記ベース部（ＢＰ）の底壁部または前記カバー体（３）の裏面に、前記操作ハンドル（１）の長手方向に沿って延び、前記深さ方向に突出する突条（１５）が設けられ、
   　前記カバー体（３）の前記揺動スペース（８）に対応する部分に、押し込み操作部（３Ｐ）が設けられ、
   　前記突条（１５）は、前記押し込み操作部（３Ｐ）と前記係止部（４）との間に位置し、
   　前記押し込み操作部（３Ｐ）を前記揺動スペース（８）に向かって押し込むと、前記カバー体（３）は、前記突条（１５）を中心に揺動する、
   　請求項２に記載の車両のドアインサイドハンドル装置。
7. 　前記カバー体（３）の押し込み操作部（３Ｐ）は、初期回転位置における操作ハンドル（１）により覆われる位置に配置される、
   　請求項６に記載の車両のドアインサイドハンドル装置。
8. 　前記ベース部（ＢＰ）は、操作ハンドル（１）が連結されるハンドルベース（２）からなる、請求項１から７のいずれか１項に記載の車両のドアインサイドハンドル装置。
9. 　前記ベース部（ＢＰ）はドアトリム（２１）に形成される、請求項１から７のいずれか１項に記載の車両のドアインサイドハンドル装置。

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