WO2011048954A1 - 吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法、及び製造装置 - Google Patents

Abstract

　第１連続シートから所定長さの単票状シートを分断して生成し、該単票状シートを第２連続シートに対してその連続方向に所定の貼り付けピッチで貼り付けて連続シートの複合体を製造する方法である。（１）ロールの周速よりも遅い第１速度で該ロールの外周面に第１連続シートを連続して供給し、前記外周面に第１連続シートを摺動させながら保持することと、（２）前記ロールの周方向の所定位置に前記外周面に対向して配置されたカッターの位置を、前記外周面に設けられたカッター受け刃が通過する際に、前記カッターによって第１連続シートを分断して前記単票状シートを生成することと、（３）生成された前記単票状シートを前記外周面に保持して前記周速で前記周方向に沿って搬送することと、（４）前記第２連続シートとして、前記周速を超える第２速度で搬送される連続シート、及び前記周速以上前記第２速度未満の第３速度で搬送される連続シートを含む複数の連続シートのうちの一つを選択することと、（５）前記周速で回転する前記ロールの前記外周面に向けて、前記選択された連続シートを供給して前記外周面の前記単票状シートを貼り付けることと、を備える。

Description

吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法、及び製造装置

　本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法、及び製造装置に関する。

　従来、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の製造ラインでは、図１に示すように、連続フィルム１０１から所定長さＬ１０３の単票状フィルム１０３を分断生成し、生成された各単票状フィルム１０３，１０３…を不織布等の連続シート１０５に対してその連続方向に所定の貼り付けピッチＰ１０３で貼り付けることが行われる。

　その方法の一例として、特許文献１には、周方向Ｄｃに駆動回転するアンビルロール１１１と、アンビルロール１１１に対向して配されて同期回転するカッターロール１２１と、カッターロール１２１よりも前記周方向Ｄｃの下流側に配された転写ロール１３１と、を用いた方法が開示されている。

　詳説すると、先ず、所定の周速Ｖ１１１で回転するアンビルロール１１１の外周面１１１ａに、連続フィルム１０１を前記周速Ｖ１１１よりも遅い速度Ｖ１０１で供給し、外周面の吸着部によって連続フィルム１０１の先端側の部分１０１ｅを外周面１１１ａに摺動させながら面接触状態で保持させる。次に、カッターロール１２１の位置をアンビルロール１１１の外周面１１１ａのカッター受け刃１１３が通過する際に、前記カッターロール１２１の刃１２３と前記カッター受け刃１１３とによって前記連続フィルム１０１を分断してその先端側の部分１０１ｅを切り離し、これにより、前記単票状フィルム１０３を生成する。そうしたら、この生成された単票状フィルム１０３は、アンビルロール１１１の外周面１１１ａの吸着部によって保持されつつ当該アンビルロール１１１の周速Ｖ１１１で周方向Ｄｃに沿って搬送されるが、この周方向Ｄｃの搬送経路において単票状フィルム１０３が転写ロール１３１と対向する位置を通過する際に、当該転写ロール１３１上を搬送される前記連続シート１０５に単票状フィルム１０３が貼り付けられる。

　そして、この特許文献１の方法では、連続シート１０５の搬送速度Ｖ１０５とアンビルロール１１１の周速Ｖ１１１とは互いに同速に設定している。

特開平１０－２１８４７１号

　他方、製造ラインでは、一般に製品サイズ替が行われる。例えば、ＳサイズからＬサイズへとサイズ替をする場合には、単票状フィルム１０３の長さＬ１０３や貼り付けピッチＰ１０３が長くなる方向に変更される。

　ここで、前者の単票状フィルム１０３の長さＬ１０３の変更については、アンビルロール１１１の周速Ｖ１１１に対する連続フィルム１０１の供給速度Ｖ１０１の増減調整により容易に対応可能である。例えば、単票状フィルム１０３の長さＬ１０３を長くする場合には、前記供給速度Ｖ１０１を上げればよく、逆に短くする場合には、下げればよい。

　しかし、後者の貼り付けピッチＰ１０３の変更については、上述ほど簡単ではない。すなわち、上記特許文献１のように、「アンビルロール１１１の周速Ｖ１１１と連続シート１０５の搬送速度Ｖ１０５とが互いに同速である」という制約条件を課せられた場合において、貼り付けピッチＰ１０３を変更するには、当該貼り付けピッチＰ１０３に対応したロール径のアンビルロール１１１にロール交換しなければならない。これは、アンビルロール１１１の周速Ｖ１１１と連続シート１０５の搬送速度Ｖ１０５とが互いに同速であるが故に、前記貼り付けピッチＰ１０３が、アンビルロール１１１のカッター受け刃１１３の前記周方向Ｄｃの配置ピッチＰ１１３によって一義的に定まってしまうからである。

　その結果、製品サイズ替用のロール交換設備が必要となって設備構成が複雑化したり、定期的なロール交換作業を強いられて設備稼働率が低下してしまう。

　本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、ロール交換をすること無く、製品サイズ替に対応可能な吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するための主たる発明は、
　第１連続シートから所定長さの単票状シートを分断して生成し、該単票状シートを第２連続シートに対してその連続方向に所定の貼り付けピッチで貼り付けて吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する方法であって、
　ロールの周速よりも遅い第１速度で該ロールの外周面に前記第１連続シートを連続して供給し、前記外周面に前記第１連続シートを摺動させながら保持することと、
　前記ロールの周方向の所定位置に前記外周面に対向して配置されたカッターの位置を、前記外周面に設けられたカッター受け刃が通過する際に、前記カッターによって前記第１連続シートを分断して前記単票状シートを生成することと、
　生成された前記単票状シートを前記外周面に保持して前記周速で前記周方向に沿って搬送することと、
　前記第２連続シートとして、前記周速を超える第２速度で搬送される連続シート、及び前記周速以上前記第２速度未満の第３速度で搬送される連続シートを含む複数の連続シートのうちの一つの連続シートを選択することと、
　前記周速で回転する前記ロールの前記外周面に向けて、前記選択された連続シートを、その搬送方向と前記ロールの回転方向とを揃えつつ供給することにより、前記外周面の前記単票状シートを前記連続シートに貼り付けることと、を備えたことを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法である。

　また、
　第１連続シートから所定長さの単票状シートを分断して生成し、該単票状シートを第２連続シートに対してその連続方向に所定の貼り付けピッチで貼り付けて吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する装置であって、
　所定の軸を回転中心として所定の周速で駆動回転するロールと、
　前記ロールの外周面に前記第１連続シートを供給する第１供給機構と、
　前記ロールの周方向の所定位置に前記外周面に対向して配置されたカッターと、
　前記ロールの外周面に設けられ、前記カッターと共同して前記第１連続シートを分断するカッター受け刃と、
　前記第２連続シートとして、前記周速を超える第２速度で搬送される連続シート、及び前記周速以上前記第２速度未満の第３速度で搬送される連続シートを含む複数の連続シートのうちの一つの連続シートを選択して、前記外周面に供給する第２供給機構と、を有し、
　前記第１供給機構は、前記第１連続シートを、前記ロールの前記周速よりも遅い第１速度で連続して供給することにより、前記外周面に前記第１連続シートを摺動させながら保持させ、
　前記カッターは、前記カッターの位置を前記カッター受け刃が通過する際に、前記カッター受け刃と共同して前記第１連続シートを分断して前記単票状シートを生成し、
　前記ロールは、生成された前記単票状シートを前記外周面に保持しつつ前記周速で搬送し、
　前記第２供給機構は、前記周速で回転する前記ロールの前記外周面に向けて、前記選択された連続シートを、その搬送方向と前記ロールの回転方向とを揃えつつ供給することにより、前記外周面の前記単票状シートを前記連続シートに貼り付けることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造装置である。　
　本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

　本発明によれば、吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する際に、ロール交換をすること無く、製品サイズ替に対応可能となる。

従来の製造方法及び製造装置の説明図である。 図２Ａ及び図２Ｂは、裏面シート１及びその元となる中間部品１ａの概略平面図である。 本実施形態の製造方法に用いる製造装置１０の概略側面図である。 Ｓサイズの中間部品１ａを製造する場合の製造装置１０の概略側面図である。 Ｌサイズの中間部品１ａを製造する場合の製造装置１０の概略側面図である。 アンビルロール１１の周方向Ｄｃにおける吸気動作のオン範囲及びオフ範囲の一例の説明図である。 アンビルロール１１の外周面１１ａにおける吸気孔１３の配置パターンの説明図であって、同外周面１１ａの周方向Ｄｃの展開図である。 アンビルロール１１の先端部保持領域Ａ３ｅの拡大側面図である。 アンビルロール１１の残余の領域Ａ３ｒの拡大側面図である。 無端ベルト４４に突出部４４ｐが設けられたサクションベルトコンベア４３の説明図である。 その他の実施形態の一例としてのハンマーロール５１の説明図である。

　本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。

　第１連続シートから所定長さの単票状シートを分断して生成し、該単票状シートを第２連続シートに対してその連続方向に所定の貼り付けピッチで貼り付けて吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する方法であって、
　ロールの周速よりも遅い第１速度で該ロールの外周面に前記第１連続シートを連続して供給し、前記外周面に前記第１連続シートを摺動させながら保持することと、
　前記ロールの周方向の所定位置に前記外周面に対向して配置されたカッターの位置を、前記外周面に設けられたカッター受け刃が通過する際に、前記カッターによって前記第１連続シートを分断して前記単票状シートを生成することと、
　生成された前記単票状シートを前記外周面に保持して前記周速で前記周方向に沿って搬送することと、
　前記第２連続シートとして、前記周速を超える第２速度で搬送される連続シート、及び前記周速以上前記第２速度未満の第３速度で搬送される連続シートを含む複数の連続シートのうちの一つの連続シートを選択することと、
　前記周速で回転する前記ロールの前記外周面に向けて、前記選択された連続シートを、その搬送方向と前記ロールの回転方向とを揃えつつ供給することにより、前記外周面の前記単票状シートを前記連続シートに貼り付けることと、を備えたことを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。

　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、製品サイズ替に対して容易に対応可能となる。すなわち、製品サイズ替に伴って単票状シートの長さを変更する場合には、前記ロールの周速に対して第１連続シートの第１速度を相対的に変更すれば良く、また、単票状シートの貼り付けピッチの変更については、少なくとも、第２連続シートとして、前記第２速度で搬送される連続シートか、或いは前記第３速度で搬送される連続シートのどちらかを選択することより行うことができる。よって、ロール交換をせずに製品サイズ替を行うことが可能となる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記選択することにおいて、前記第２連続シートとして前記第２速度で搬送される連続シートが選択された場合には、
　前記貼り付けることにおいては、
　前記単票状シートの前記周方向の先端部が前記第２連続シートに接着された後に、前記先端部を介して前記単票状シートが前記第２連続シートに引っ張られることによって、前記単票状シートにおける前記外周面に保持されている部分が前記外周面との間で進む方向に相対滑りをしながら、前記部分が順次前記外周面から引き剥がされて前記第２連続シート上に重なって接着されるのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、単票状シートの先端部が第２連続シートに接着される前は、単票状シートは前記ロールの前記外周面と一体に前記周速で移動するが、同先端部が第２連続シートに接着された後は、前記外周面に対して相対滑り（摺動）をすることにより、第２連続シートの搬送速度たる第２速度で第２連続シートと共に移動することができる。よって、前記外周面の周速と第２連続シートの第２速度との間に速度差に起因して、これらの間の受け渡し時に単票状シートに無理な負荷が作用することを抑制できて、その結果、第２連続シートへの貼り付け時の単票状シートの皺の発生を防ぐことができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記単票状シートの前記先端部が前記第２連続シートに接着される前は、前記単票状シートは前記外周面と一体に前記周速で移動し、
　前記先端部が前記第２連続シートに接着された後は、前記単票状シートは、前記外周面に対して進む方向に相対滑りをしながら、前記第２連続シートと共に前記第２速度で移動するのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、前記外周面から前記第２連続シートへの単票状シートの受け渡しを円滑に行うことができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部よりも前記周方向の後方の部分を保持する後方部保持領域と、を有し、
　前記外周面に前記単票状シートを保持する単位面積当たりの保持力は、前記先端部保持領域よりも、前記後方部保持領域の方が小さいのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、前記先端部の第２連続シートへの接着後に行われるべき、前記後方の部分の前記外周面に対する相対滑りを円滑に行うことができる。　
　また、外周面に保持状態の単票状シートが前記周速で搬送される際に空気抵抗等により生じ得る前記先端部のめくれを、前記先端部保持領域の大きな保持力によって有効に防止できるので、第２連続シートへの単票状シートの貼り付け不良を減らすことができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部保持領域以外の残余の領域と、を有し、
　前記先端部保持領域は、前記残余の領域よりも前記ロールの半径方向の外方に突出した突出部を有しているのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、単票状シートの先端部を第２連続シートに接着する際に、先端部保持領域の前記突出部によって、前記先端部を第２連続シートの方へ押圧することができる。よって、前記先端部と第２連続シートとの接着強度を高めることができる。

　また、前記残余の領域は、少なくとも前記突出部が無い分だけ先端部保持領域よりも相対的に第２連続シートから離れている。よって、前記先端部に付与する押圧力を高めながらも、第２連続シートと前記外周面との接触は抑制され、これにより、第２連続シートと前記外周面との相対速度差に起因して生じ得る第２連続シートの表面の擦過状の損傷を抑制することができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記外周面は、前記周方向と直交する幅方向を有し、
　前記外周面には、複数の吸気孔が形成されており、前記吸気孔からの吸気によって前記単票状シートは前記外周面に吸着されて保持され、
　前記外周面には、前記吸気孔のうちの少なくとも幾つかを通気可能に繋ぐ溝部が形成され、前記溝部の一部は、前記単票状シートよりも前記幅方向の外側に出ているのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、溝部に繋がった吸気孔には、その溝部の前記一部から比較的小さな抵抗で外気が取り込まれる。よって、吸気孔が単票状シートで閉塞された時に起こり得る真空状の強固な吸着を回避することができる。その結果、単票状シートの外周面への強固な保持が抑制されるので、前記「貼り付けること」において、単票状シートを前記外周面から引き剥がす際の引き剥がし抵抗の軽減を図れ、前記外周面から第２連続シートへの単票状シートの受け渡しを円滑に行うことができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部よりも前記周方向の後方の部分を保持する後方部保持領域と、を有し、
　前記溝部は、前記後方部保持領域に位置する前記吸気孔の幾つかに通気可能に繋がっているのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、後方部保持領域で起こり得る単票状シートに対する真空化の如き強固な吸着は有効に回避される。よって、前記先端部の第２連続シートへの接着後に行われるべき、後方部保持領域と単票状シートにおける前記後方の部分との相対滑りを円滑に行うことができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記外周面は、前記周方向と直交する幅方向を有し、
　前記外周面には、複数の吸気孔が形成されており、前記吸気孔からの吸気によって前記単票状シートは前記外周面に吸着されて保持され、
　前記ロールの内部では、前記吸気孔のうちの少なくとも幾つかが連通路を介して互いに通気可能に連通され、
　前記連通路によって互いに連通された前記吸気孔の幾つかは、前記単票状シートよりも前記幅方向の外側に位置しているのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、連通路に繋がった吸気孔には、その連通路に繋がった前記幅方向の外側に位置する吸気孔から比較的小さな抵抗で外気が取り込まれる。よって、吸気孔が単票状シートで閉塞された時に起こり得る真空状の強固な吸着を回避することができる。その結果、単票状シートの外周面への強固な保持が抑制されるので、前記「貼り付けること」において、単票状シートを前記外周面から引き剥がす際の引き剥がし抵抗の軽減を図れ、前記外周面から第２連続シートへの単票状シートの受け渡しを円滑に行うことができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部よりも前記周方向の後方の部分を保持する後方部保持領域と、を有し、
　前記連通路は、前記後方部保持領域に位置する前記吸気孔の幾つかに通気可能に連通しているのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、後方部保持領域で起こり得る単票状シートに対する真空化の如き強固な吸着は有効に回避される。よって、前記先端部の第２連続シートへの接着後に行われるべき、後方部保持領域と単票状シートにおける後方の部分との相対滑りを円滑に行うことができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記第２連続シートの通気性は、前記単票状シートよりも高く、
　前記第２連続シートの搬送経路は、前記外周面の接線方向と平行な方向に沿っており、
　前記搬送経路のうちで前記外周面に最も接近する近接位置には、前記外周面から前記単票状シートを引き離す方向の吸気を前記第２連続シート越しに行う吸気機構が設けられており、
　前記貼り付けることにおいては、
　前記近接位置を前記外周面の各部分が通過する際に、前記各部分の前記単票状シートを保持するための保持力が弱められることにより、前記単票状シートのうちで前記近接位置を通過する部分が、順次、前記外周面から前記第２連続シートへと乗り移るのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、第２連続シートの高い通気性に基づいて、前記近接位置の吸気機構の吸気による吸引力を、第２連続シート越しに単票状シートに作用させることができる。また、前記外周面の各部分が前記近接位置を通過する際には、前記各部分の保持力が弱められる。よって、前記近接位置において、前記外周面から第２連続シートへの単票状シートの受け渡しを円滑に行うことができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記吸気機構は、前記第２連続シートを搬送するサクションベルトコンベアであり、
　前記サクションベルトコンベアは、複数の吸気孔を有するベルトを有し、該ベルトは、前記吸気孔からの吸気によって前記第２連続シートを吸着しながら前記搬送経路に沿って移動し、
　前記貼り付けることにおいては、
　前記単票状シートのうちで前記外周面から前記第２連続シートへと乗り移った部分に対して、前記第２連続シート越しに前記ベルトの前記吸気孔からの吸気による吸引力を作用させるのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、第２連続シート越しに単票状シートをベルトに吸い付かせることができる。よって、単票状シートの前記先端部が第２連続シートに接着された後の単票状シートの外周面からの引き剥がしに要する負荷を、ベルトに負担させることができて、その結果、当該負荷の第２連続シートへの負担軽減を通して、第２連続シートの皺の発生を抑制することができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部保持領域以外の残余の領域と、を有し、
　前記残余の領域と前記ベルトとの間の隙間は、前記単票状シートの厚みと前記第２連続シートの厚みとの和よりも大きいのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、前記残余の領域と第２連続シートとの接触を軽減できて、これにより、第２連続シートと前記残余の領域との相対速度差に起因して生じ得る第２連続シートの表面の擦過状の損傷を抑制することができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記ロールの前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部保持領域以外の残余の領域と、を有し、
　前記第２連続シートの通気性は、前記単票状シートよりも高く、
　前記第２連続シートの搬送経路は、前記外周面の接線方向と平行な方向に沿っており、
　前記搬送経路のうちで前記外周面に最も接近する近接位置には、前記外周面から前記単票状シートを引き離す方向の吸気を前記第２連続シート越しに行う吸気機構が設けられており、
　前記吸気機構は、前記第２連続シートを搬送するサクションベルトコンベアであり、
　前記サクションベルトコンベアは、複数の吸気孔を有するベルトを有し、該ベルトは、前記吸気孔からの吸気によって前記第２連続シートを該ベルトの外周面に吸着しながら、前記搬送経路に沿って移動し、
　前記ベルトの前記外周面において前記ロールの前記先端部保持領域と対向すべき部位には、突出部が設けられているのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、単票状シートの先端部を第２連続シートに接着する際に、サクションベルトコンベアのベルトの吸気により前記先端部を第２連続シートの方へと吸引することに加えて、同ベルトの前記突出部によって、第２連続シートを前記先端部の方へ押圧することができる。よって、前記先端部と第２連続シートとの接着強度を高めることができる。

　かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
　前記第３速度は、前記周速と同じ速度であり、
　前記選択することにおいて、前記第２連続シートとして前記第３速度で搬送される連続シートが選択された場合には、
　前記第２連続シートは、前記外周面に所定の巻き付け角度で巻き付くような搬送経路で前記ロールへ向けて搬送され、
　前記貼り付けることにおいては、前記巻き付き角度で巻き付いている間に、前記単票状シートが前記第２連続シートに貼り付いていくのが望ましい。　
　このような連続シートの複合体の製造方法によれば、前記第２連続シートとして第３速度で搬送される連続シートが選択された場合には、当該第２連続シートの搬送速度は、前記外周面の前記周速と同じ速度になるので、当該外周面に保持された単票状シートと第２連続シートとの間の相対速度差はほぼ皆無であり、もって、同単票状シートを第２連続シートへ貼り付ける際の皺の発生は有効に抑制される。

　また、
　第１連続シートから所定長さの単票状シートを分断して生成し、該単票状シートを第２連続シートに対してその連続方向に所定の貼り付けピッチで貼り付けて吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する装置であって、
　所定の回転軸周りに所定の周速で駆動回転するロールと、
　前記ロールの外周面に前記第１連続シートを供給する第１供給機構と、
　前記ロールの周方向の所定位置に前記外周面に対向して配置されたカッターと、
　前記ロールの外周面に設けられ、前記カッターと共同して前記第１連続シートを分断するカッター受け刃と、
　前記第２連続シートとして、前記周速を超える第２速度で搬送される連続シート、及び前記周速以上前記第２速度未満の第３速度で搬送される連続シートを含む複数の連続シートのうちの一つの連続シートを選択して、前記外周面に供給する第２供給機構と、を有し、
　前記第１供給機構は、前記第１連続シートを、前記ロールの前記周速よりも遅い第１速度で連続して供給することにより、前記外周面に前記第１連続シートを摺動させながら保持させ、
　前記カッターは、前記カッターの位置を前記カッター受け刃が通過する際に、前記カッター受け刃と共同して前記第１連続シートを分断して前記単票状シートを生成し、
　前記ロールは、生成された前記単票状シートを前記外周面に保持しつつ前記周速で搬送し、
　前記第２供給機構は、前記周速で回転する前記ロールの前記外周面に向けて、前記選択された連続シートを、その搬送方向と前記ロールの回転方向とを揃えつつ供給することにより、前記外周面の前記単票状シートを前記連続シートに貼り付けることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造装置。　
　このような連続シートの複合体の製造装置によれば、上述の製造方法と同様の作用効果を奏することができる。

　＝＝＝本実施形態＝＝＝
　第１実施形態に係る吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法では、当該連続シートの複合体の一例として、使い捨ておむつの裏面シート１の元となる中間部品１ａを製造する。　
　図２Ａ及び図２Ｂに、それぞれ、裏面シート１、及びその元となる中間部品１ａの概略平面図を示す。

　図２Ａに示す裏面シート１は、おむつの外装をなす外装シート５と、外装シート５の内側の面（着用者の肌側となる面）に貼り付けられた液不透過性の防漏フィルム３と、を有する複合シート１である。そして、その防漏フィルム３上には、順次、パルプ繊維を成形してなる不図示の吸収体や、同不図示の液透過性の表面シート等が積層固定され、これによりおむつの基部となる。

　外装シート５の素材例としては、樹脂繊維を主材とする不織布等が挙げられ、ここでは不織布である。また、防漏フィルム３の素材例としては、樹脂フィルム等が挙げられ、ここでは樹脂フィルムである。

　なお、コスト削減等の観点から、防漏フィルム３の平面サイズは外装シート５の平面サイズよりも小さくなっている。また、防漏フィルム３の厚み方向（紙面を貫通する方向）の通気性は、外装シート５の厚み方向の通気性よりも低くなっている。

　このような裏面シート１の元となる中間部品１ａは、図２Ｂに示すように、製品ピッチＰで前記裏面シート１の単位に分割される前の連続体である。すなわち、中間部品１ａは、外装シート５の原反としての不織布の連続シート５ａ上に、その連続方向に前記製品ピッチＰと同値の貼り付けピッチＰ３で間欠的に複数の防漏フィルム３，３…が貼り付けられたものである。

　そのため、この中間部品１ａの製造方法は、防漏フィルム３の原反としての連続フィルム３ａ（第１連続シートに相当）から所定長さＬ３の単票状フィルム３（単票状シートに相当）を分断生成する工程と、生成された単票状フィルム３を防漏フィルム３として、外装シート５の原反としての連続シート５ａ（第２連続シートに相当）に対してその連続方向に前記貼り付けピッチＰ３で貼り付ける工程と、を有する。

　ここで、このような製造方法において、製品サイズ替を行うためには、単票状フィルム３の長さＬ３や貼り付けピッチＰ３を変更しなければならないが、本実施形態に係る製造方法によれば、以下で説明するように、ロール交換等の大掛かりな装置交換等を要さずに、容易に対処可能である。

　図３は、本実施形態の製造方法に用いる製造装置１０の概略側面図である。なお、以下では、連続シート５ａの幅方向のことをＣＤ方向とも言うが、このＣＤ方向は、連続シート５ａの搬送方向（連続方向）と直交し、図３中では、その紙面を貫通する方向を向いている。

　この製造装置１０は、（１）ＣＤ方向を向いた回転軸Ｃ１１周りに周方向Ｄｃに所定の周速Ｖ１１で駆動回転するアンビルロール１１と、（２）アンビルロール１１の外周面１１ａに前記周速Ｖ１１よりも遅い供給速度Ｖ３ａで連続フィルム３ａを連続供給する連続フィルム供給機構２１と、（３）前記周方向Ｄｃの所定位置Ｑ３１にアンビルロール１１に対向配置されてアンビルロール１１と共同して連続フィルム３ａを分断して単票状フィルム３を生成するカッターロール３１と、（４）アンビルロール１１の外周面１１ａに保持された前記単票状フィルム３を連続シート５ａに貼り付けるべく、アンビルロール１１の外周面１１ａに向けて前記連続シート５ａを、その搬送方向と前記アンビルロール１１の回転方向とを揃えつつ連続供給する連続シート搬送機構４１と、を有する。

　なお、ここで、上述の単票状フィルム３の連続シート５ａへの貼り付けは、接着により行われる。つまり、連続シート５ａと単票状フィルム３とにおいて、互いに貼り合わされるべき面同士の少なくともどちらかの面には、貼り付ける前に予め接着剤が塗布されている。この例では、図３に示すように、連続フィルム３ａがアンビルロール１１に供給される直前に、接着剤塗布装置８１によって連続フィルム３ａの片面の略全面に亘ってホットメルト系接着剤が塗布される。

　以下、各構成要素１１，２１，３１，４１について説明する。　
　アンビルロール１１（ロールに相当）は、断面正円形状の円柱体であり、その外周面１１ａには、前記カッターロール３１の平刃３２を受けるための受け刃１２（カッター受け刃に相当）を備えている。受け刃１２は、周方向Ｄｃに等ピッチＰ１２で配置され、図示例では、周方向Ｄｃの二箇所に配置されている。これにより、アンビルロール１１が半回転する度に１枚の単票状フィルム３が分断生成される。

　また、外周面１１ａは、シート状物を面接触状態で巻き付けながら保持する機能を有し、これにより、カッターロール３１により分断生成された単票状フィルム３や、単票状フィルム３に分断前の連続フィルム３ａの先端部３ａｅを外周面１１ａは面接触状態で保持する。この例では、この保持機能を、外周面１１ａに形成された複数の吸気孔１３（図３では不図示）により達成している。すなわち、これら吸気孔１３からの吸気によってアンビルロール１１の外周面１１ａは吸着力を帯び、この吸着力が、上述の単票状フィルム３や連続フィルム３ａの先端部３ａｅを保持する保持力となる。

　連続フィルム供給機構２１（第１供給機構に相当）は、例えば上下一対のピンチロール２２ａ，２２ｂを有する。そして、連続フィルム３ａを、これらピンチロール２２ａ，２２ｂで挟んだ状態においてピンチロール２２ａ，２２ｂが駆動回転することにより、連続フィルム３ａを所定の供給速度Ｖ３ａでアンビルロール１１の外周面１１ａに供給する。

　ここで、この供給速度Ｖ３ａ（第１速度に相当）は、アンビルロール１１の周速Ｖ１１よりも遅い速度に設定される。よって、連続フィルム３ａの先端部３ａｅが、カッターロール３１により連続フィルム３ａから分断されて切り離されるまでは、アンビルロール１１の外周面１１ａに対して遅れる方向に摺動しながら面接触状態で外周面１１ａに保持される。つまり、連続フィルム３ａの先端部３ａｅは前記供給速度Ｖ３ａで外周面１１ａを摺動しながら徐々に周方向Ｄｃの下流側へと移動する。そして、図３に示すように、カッターロール３１により同先端部３ａｅが連続フィルム３ａから切り離された後は、当該先端部３ａｅは単票状フィルム３として、アンビルロール１１の外周面１１ａに一体に保持されてアンビルロール１１の周速Ｖ１１と同じ速度Ｖ３で移動する。なお、これにより、この後に分断生成される後行の単票状フィルム３との間に間隔が生成される。そして、当該単票状フィルム３が、周方向Ｄｃの下流に設定された前記連続シート５ａの供給位置Ｑ５ａに到達すると、単票状フィルム３は連続シート５ａに貼り付けられて当該連続シート５ａと一体となって移動する。

　カッターロール３１（カッターに相当）は、ＣＤ方向を向いた回転軸Ｃ３１周りに駆動回転するロール３１を本体とし、その外周面３１ａには前記平刃３２を有する。そして、このカッターロール３１は、アンビルロール１１と同期して駆動回転することにより、アンビルロール１１と共同して前記連続フィルム３ａからその先端部３ａｅを分断して、上述の単票状フィルム３を生成する。

　詳しくは、周方向Ｄｃに沿って回転するアンビルロール１１の受け刃１２が、カッターロール３１の位置Ｑ３１を通過する度に、カッターロール３１の平刃３２がアンビルロール１１の受け刃１２に対向するようにカッターロール３１は駆動回転し、これにより、カッターロール３１はアンビルロール１１と共同して、連続フィルム３ａからその先端部３ａｅを切り離す。図示例では、このように動作させるべく、カッターロール３１の平刃３２のピッチ円（平刃３２の刃先の移動軌跡）の周長をアンビルロール１１の受け刃１２のピッチ円（受け刃１２の刃先の移動軌跡）の周長と同値に設定するとともに、平刃３２の刃数を受け刃１２の刃数と同数の２枚にしている。

　連続シート搬送機構４１（第２供給機構に相当）は、例えば、図３中二点鎖線で示すＳサイズ用の連続シート５ａＳ（５ａ）を搬送するＳ用搬送ルートＲＳと、同図３中実線で示すＬサイズ用の連続シート５ａＬ（５ａ）を搬送するＬ用搬送ルートＲＬと、を有する。ここで、Ｌ用搬送ルートＲＬは、前記周方向Ｄｃの所定位置をＬ用供給位置Ｑ５ａＬ（Ｑ５ａ）としてアンビルロール１１の外周面１１ａに向けて連続シート５ａＬを供給可能である。他方、Ｓ用搬送ルートＲＳは、前記Ｌ用供給位置Ｑ５ａＬよりも前記周方向Ｄｃの上流側の位置をＳ用供給位置Ｑ５ａＳ（Ｑ５ａ）として外周面１１ａへ向けて連続シート５ａＳを供給可能である。そして、これらＳ用搬送ルートＲＳとＬ用搬送ルートＲＬとは、製品サイズ替に応じて択一的に選択されて使用され、この択一的な選択と、上述の連続フィルム供給機構２１による連続フィルム３ａの供給速度Ｖ３ａの変更との連携により、以下のようにして製品サイズ替が行われる。

　例えば、Ｓサイズ用の中間部品１ａを製造する場合には、連続フィルム供給機構２１は、連続フィルム３ａの供給速度Ｖ３ａをＳサイズ用の遅い速度Ｖ３ａＳに設定する。これにより、アンビルロール１１の半回転当たりの連続フィルム３ａの供給量が少なくなり、連続フィルム３ａの先端部３ａｅは、カッターロール３１等によりＳサイズ用の短い長さＬ３Ｓで分断され、その結果、Ｓサイズ用の短尺な単票状フィルム３が、アンビルロール１１の外周面１１ａに生成されて保持される。

　一方、連続シート搬送機構４１では、Ｓ用搬送ルートＲＳが選択される。このＳ用搬送ルートＲＳでは、Ｓサイズに対応した狭幅の連続シート５ａＳ（第３速度で搬送される連続シートに相当）を搬送する。また、同連続シート５ａＳは、Ｓサイズに対応した搬送速度Ｖ５ａＳ（第３速度に相当）で搬送され、この例では、アンビルロール１１の周速Ｖ１１と同じ速度で搬送される。そして、これにより、連続シート５ａＳ上には、Ｓサイズ用の短尺な単票状フィルム３が、Ｓサイズに対応した貼り付けピッチＰ３Ｓで間欠的に貼り付けられて、Ｓサイズ用の中間部品１ａが製造される。

　これに対して、Ｌサイズ用の中間部品１ａを製造する場合には、先ず、連続フィルム供給機構２１が、連続フィルム３ａの供給速度Ｖ３ａを、Ｓサイズの供給速度Ｖ３ａＳよりも高速の速度Ｖ３ａＬに設定する。これにより、アンビルロール１１の半回転当たりの連続フィルム３ａの供給量が多くなり、連続フィルム３ａの先端部３ａｅはカッターロール３１等によりＬサイズ用の長い長さＬ３Ｌで分断され、その結果、Ｌサイズ用の長尺な単票状フィルム３が、アンビルロール１１の外周面１１ａに生成されて保持される。

　一方、連続シート搬送機構４１では、Ｌ用搬送ルートＲＬが選択される。このＬ用搬送ルートＲＬでは、Ｌサイズに対応した広幅の連続シート５ａＬ（第２速度で搬送される連続シートに相当）を搬送する。また、同連続シート５ａＬは、前記Ｓサイズの搬送速度Ｖ５ａＳよりも高速のＬサイズに対応した搬送速度Ｖ５ａＬ（第２速度に相当）で搬送され、つまり、図３の例では、アンビルロール１１の周速Ｖ１１よりも速い速度Ｖ５ａＬで搬送される。そして、これにより、連続シート５ａＬ上には、Ｌサイズ用の長尺な単票状フィルム３が、Ｌサイズに対応した長い貼り付けピッチＰ３Ｌで間欠的に貼り付けられて、Ｌサイズ用の中間部品１ａが製造される。

　つまり、このＬサイズの貼り付けピッチＰ３Ｌは、Ｌサイズの搬送速度Ｖ５ａＬとＳサイズの搬送速度Ｖ５ａＳとの速度比Ｒ（＝Ｖ５ａＬ／Ｖ５ａＳ）分だけ、Ｓサイズの貼り付けピッチＰ３Ｓよりも拡大されたものとなり、これにより、上述の単票状フィルム３の長さＬ３の変更（Ｌ３Ｓ→Ｌ３Ｌ）と合わせて、ＳサイズからＬサイズへの製品サイズ替が達成される。

　ところで、この例では、図４に示すように、Ｓ用搬送ルートＲＳは、Ｓサイズ用の連続シート５ａＳをアンビルロール１１の外周面１１ａに所定の巻き付き角度θで巻き付けるような搬送経路に設定されている。そして、この巻き付き範囲Ａｗを、アンビルロール１１の外周面１１ａに保持された単票状フィルム３が通過する際に、外周面１１ａから連続シート５ａＳへと単票状フィルム３が受け渡されて連続シート５ａＳに貼り付けられるが、当該受け渡し時には、前述したようにアンビルロール１１の周速Ｖ１１と連続シート５ａＳの搬送速度Ｖ５ａＳとは互いに同じ速度になっている。そのため、この受け渡しに伴って単票状フィルム３や連続シート５ａＳに、相対速度差要因の皺が寄ることは無い。

　これに対し、Ｌサイズの場合には、図３に実線で示すように、アンビルロール１１の周速Ｖ１１と連続シート５ａＬとの搬送速度Ｖ５ａＬとは互いに異なっている。ここで、この相対速度差が小さい場合には、連続シート５ａＬや単票状フィルム３の弾性変形によって皺が顕在化しない場合もある。しかし、相対速度差が大きい場合には、この速度差に起因して、単票状フィルム３の受け渡し時に、単票状フィルム３や連続シート５ａＬに皺が寄る可能性が多分にある。

　そこで、この皺の発生を防止すべく、本実施形態では、連続シート搬送機構４１やアンビルロール１１に関して、以下で示すように幾つかの工夫をしている。以下、これら工夫について説明する。

　先ず、図５を参照しながら、連続シート搬送機構４１側の工夫から説明する。この連続シート搬送機構４１が形成するＬ用搬送ルートＲＬ、つまりＬサイズの連続シート５ａＬの搬送経路ＲＬにあっては、その一部の経路ＲＬＰが、アンビルロール１１の外周面１１ａの接線方向と平行な方向に沿って設定されている。そして、この搬送経路ＲＬＰは、前記周方向Ｄｃの前記供給位置Ｑ５ａＬにおいて、前記外周面１１ａに最も接近するようなルートに設定されている。以下、この最接近する位置たる前記供給位置Ｑ５ａＬのことを、Ｌ用搬送ルートＲＬ及び前記周方向Ｄｃのそれぞれにつき、「近接位置ＣＰ」とも言う。

　これにより、単票状フィルム３が前記近接位置ＣＰを通過する際には、先ず、単票状フィルム３のうちの前記周方向Ｄｃの下流端部たる先端部３ｅが、連続シート５ａＬに接着される。そして、この先端部３ｅの接着後は、連続シート５ａＬの搬送速度Ｖ５ａＬの方がアンビルロール１１の周速Ｖ１１よりも速いことから、当該先端部３ｅを介して単票状フィルム３が連続シート５ａＬに引っ張られることによって、単票状フィルム３における前記外周面１１ａに保持されている部分３ｒが前記外周面１１ａとの間で進む方向に相対滑り（摺動）をする。そして、この相対滑りをしながら、前記部分３ｒが順次前記外周面１１ａから引き剥がされて連続シート５ａＬ上に重なって接着される。

　つまり、図３に示すような、先端部３ｅの接着前では、単票状フィルム３は、外周面１１ａと一体に外周面１１ａの周速Ｖ１１で移動しているが、図５に示すような先端部３ｅの接着後は、外周面１１ａに対して進む方向に相対滑りをすることによって、連続シート５ａＬの搬送速度Ｖ５ａＬで連続シート５ａＬと共に移動する。これにより、連続シート５ａＬと外周面１１ａとの相対速度差に起因して単票状フィルム３に引っ張り状の無理な負荷が作用することは抑制され、その結果、当該貼り付け時の皺の発生が防止される。なお、当該相対滑りについては、後述のアンビルロール１１側の工夫も多分に寄与しており、これについては後述する。

　図５の例では、このような先端部３ｅを介した単票状フィルム３の受け渡し動作を行うべく、Ｌ用搬送ルートＲＬの搬送機構としてサクションベルトコンベア４３（吸気機構に相当）を用いている。

　すなわち、このコンベア４３は、所定の周回軌道を走行する無端ベルト４４を有し、このベルト４４の載置面には、その略全面に亘って複数の吸気孔４５，４５…が形成されている。そして、これら吸気孔４５，４５…からの吸気によって連続シート５ａＬを前記載置面に一体に吸着する。ここで、この周回軌道の一部は、アンビルロール１１の外周面１１ａの接線方向と平行な方向に沿って設定されており、これにより、前記一部の搬送経路ＲＬＰは、前述したように、アンビルロール１１の外周面１１ａの接線方向と平行な方向に沿って設定されている。また、同搬送経路ＲＬＰにおける前記近接位置ＣＰをベルト４４の各部位が通過する際も、各吸気孔４５，４５…からの吸気は継続して行われている。

　よって、前記周方向Ｄｃにおける前記近接位置ＣＰを単票状フィルム３の先端部３ｅが通過する際にあっても、単票状フィルム３を前記外周面１１ａから引き離す方向の吸気が、高通気性の連続シート５ａＬ越しに行われており、これにより、先ず、単票状フィルム３の先端部３ｅが連続シート５ａＬの方へと引き寄せられて連続シート５ａＬに接着される。そして、それ以降には、当該先端部３ｅよりも後方の各部分３ｒが前記近接位置ＣＰを通過するが、その際にも、これら各部分３ｒは、高通気性の連続シート５ａＬ越しに行われるベルト４４からの吸気によって、順次連続シート５ａＬの方へと引き寄せられて連続シート５ａＬに接着される。

　また、単票状フィルム３のうちで外周面１１ａから連続シート５ａＬへと乗り移った部分に対しては、連続シート５ａＬの通気性の方が単票状フィルム３よりも高いことに基づいて、当該連続シート５ａＬ越しに、前記ベルト４４の吸気による吸引力が専ら単票状フィルム３に作用する。よって、単票状フィルム３を当該ベルト４４に吸い付かせることができて、これにより、外周面１１ａからの単票状フィルム３の引き剥がしに要する力の搬送方向成分をベルト４４に負担させることができる。その結果、先端部３ｅを接着後に主に当該先端部３ｅを介して連続シート５ａＬに作用し得る前記引き剥がしに要する負荷を、ベルト４４に負担させることができて、当該連続シート５ａＬへの負荷軽減を図れ、これにより、連続シート５ａＬの皺の発生も抑制することができる。

　ちなみに、図５のコンベア４３にあっては、その無端ベルト４４の周回軌道を形成する一対のプーリ４７ａ，４７ｂのどちらかを支点として、当該無端ベルト４４をアンビルロール１１に対して接離する方向に揺動可能に構成しても良い。例えば、Ｌ用搬送ルートＲＬにおいて前記近接位置ＣＰよりも上流側に位置するプーリ４７ｂを支点として、下流側に位置するプーリ４７ａが揺動するように構成しても良い。そして、この構成において、単票状フィルム３の先端部３ｅの前記近接位置ＣＰを通過する際に無端ベルト４４をアンビルロール１１に接近させることにより連続シート５ａＬを前記先端部３ｅに押し付ける一方、当該先端部３ｅの通過後には、アンビルロール１１から所定距離だけ離間した退避位置まで離れるように動作させれば、先端部３ｅを連続シート５ａＬに強固に接着することができる。

　次に、アンビルロール１１側の工夫について説明する。アンビルロール１１は、その平滑な外周面１１ａに複数の前記吸気孔１３，１３…を有し、これら吸気孔１３，１３…からの吸気によって外周面１１ａに単票状フィルム３を吸着すると前述したが、これら吸気孔１３，１３…も、当然ながらアンビルロール１１の回転によって外周面１１ａと一体に前記周方向Ｄｃに移動する。そして、この移動の過程で、その周方向Ｄｃの位置に応じて、各吸気孔１３，１３…は、それぞれ、吸気動作のオン・オフを行うように構成されている。図６は、周方向Ｄｃにおける吸気動作のオン範囲及びオフ範囲の一例の説明図であり、同図中、アンビルロール１１及びサクションベルトコンベア４３については、その内部構造を示している。

　図６に示すように、吸気孔１３が周方向Ｄｃに移動する過程で、連続フィルム３ａの外周面１１ａへの供給位置Ｑ３ａからカッターロール３１の位置Ｑ３１を経て、単票状フィルム３の受け渡し位置に相当する前記近接位置ＣＰに到達するまでの範囲では、吸気孔１３の吸気はオン状態になっているが、この近接位置ＣＰを通過した時点で、吸気孔１３の吸気は、オフ状態に切り替わる。よって、前記周方向Ｄｃにおいて前記近接位置ＣＰを前記外周面１１ａの各部分が通過する際には、当該各部分の吸気孔１３の吸気が停止される。これにより、単票状フィルム３のうちで前記近接位置ＣＰを通過する部分は、順次、外周面１１ａから連続シート５ａＬへと円滑に乗り移ることができる。そして、吸気孔１３が更に周方向Ｄｃに移動して上記連続フィルム３ａの供給位置Ｑ３ａに戻ると、吸気孔１３の吸気は再びオン状態に戻り、以降、上述を繰り返す。

　図７は、アンビルロール１１の外周面１１ａにおける吸気孔１３の配置パターンの説明図であり、外周面１１ａを周方向Ｄｃに展開して示している。この例では、外周面１１ａは、単票状フィルム３を吸着して保持する領域Ａ３，Ａ３を周方向Ｄｃに並んで二つ有している。そして、各領域Ａ３，Ａ３は、それぞれ、単票状フィルム３を１枚ずつ保持可能である。また、各領域Ａ３，Ａ３は、それぞれ、先端部保持領域Ａ３ｅ及び後方部保持領域Ａ３ｒを有する。先端部保持領域Ａ３ｅは、単票状フィルム３の先端部３ｅを吸着して保持する領域であり、受け刃１２の直近上流側の位置を起点として、そこから周方向Ｄｃの上流側に所定範囲に亘って設定されている。他方、後方部保持領域Ａ３ｒは、先端部保持領域Ａ３ｅよりも更に周方向Ｄｃの上流側に設定されており、これにより、単票状フィルム３のうちで前記先端部３ｅよりも後方の部分３ｒを吸着して保持する。

　ここで、図７を参照してわかるように、吸気孔１３の配置密度（外周面１１ａの単位面積当たりの吸気孔１３の配置数）は、先端部保持領域Ａ３ｅよりも後方部保持領域Ａ３ｒの方が小さくなっている。これにより、単位面積当たりの単票状フィルム３への保持力は、先端部保持領域Ａ３ｅよりも後方部保持領域Ａ３ｒの方が小さくなっている。

　よって、前記先端部３ｅの連続シート５ａＬへの接着後に行われるべき、前記後方の部分３ｒの外周面１１ａに対する相対滑りを円滑に行うことができる。また、外周面１１ａに保持状態の単票状フィルム３がアンビルロール１１の周速Ｖ１１で一体に搬送される際には、空気抵抗等により単票状フィルム３の先端部３ｅがめくれる虞があるが、上述のように、先端部保持領域Ａ３ｅの保持力は大きくなっているので、当該先端部３ｅのめくれを有効に防止することができる。その結果、連続シート５ａＬへの単票状フィルム３の貼り付け不良を防ぐことができる。

　また、吸気孔１３は完全に塞がれて密封状態になると、真空化して強固に単票状フィルム３を吸着する。すると、単票状フィルム３を前記外周面１１ａから引き剥がす際に、引き剥がし難くなり、結果、連続シート５ａＬへの円滑な受け渡しを阻害する。そこで、この図７の例では、外周面１１ａに、吸気孔１３，１３…のうちの少なくとも幾つかを通気可能に繋ぐ溝部１５を形成しているとともに、当該溝部１５の一部１５ｅを、単票状フィルム３よりも幅方向（ＣＤ方向）の外側に出し、これにより、当該一部１５ｅから吸気孔１３へと外気を取り込めるようにしている。

　より具体的には、図７の例では、ＣＤ方向に沿って複数の吸気孔１３，１３が並んでなる吸気孔列１３Ｒが、周方向Ｄｃに複数列並んで配置されているが、各吸気孔列１３Ｒには、それぞれ、ＣＤ方向に沿った溝部１５が形成され、これにより、同一の吸気孔列１３Ｒに属する吸気孔１３，１３同士は、溝部１５を介して通気可能に連通している。そして、同図中に単票状フィルム３の幅寸法Ｗ３を示すが、溝部１５の両端部１５ｅ，１５ｅの位置は、それぞれ、単票状フィルム３よりも幅方向の外側に位置している。よって、溝部１５に繋がった吸気孔１３，１３…には、その溝部１５の両端部１５ｅ，１５ｅから比較的小さな抵抗で外気が取り込まれるので、吸気孔１３が単票状フィルム３で完全に覆われても、吸気孔１３は真空状の密封状態にはなり得ず、つまり、外周面１１ａによる単票状フィルム３の強固な保持は抑制され、その結果、外周面１１ａは、単票状フィルム３を連続シート５ａＬへと円滑に受け渡すことができる。

　ちなみに、このような溝部１５の形成は、特に、後方部保持領域Ａ３ｒに位置する吸気孔列１３Ｒに対してなされると有効である。すなわち、溝部１５は、後方部保持領域Ａ３ｒに位置する吸気孔１３の幾つかに通気可能に繋がっていると良い。そうすれば、単票状フィルム３の先端部３ｅが連続シート５ａＬに接着された後に行われるべき、後方部保持領域Ａ３ｒに対する単票状フィルム３の相対滑りも円滑に行われるようになり、その結果、単票状フィルム３の皺の発生をより有効に抑制可能となる。

　ちなみに、この例では、図７の吸気孔１３の配置パターンが、周方向Ｄｃ及びＣＤ方向に吸気孔１３が整列する略格子状配置であったため、同図の如きＣＤ方向に沿った溝部１５を形成していたが、当該溝部１５の刻設パターンは何等これに限るものではない。例えば、吸気孔１３の配置パターンが所謂千鳥配置の場合には、ＣＤ方向にジグザグ状に並ぶ各吸気孔１３，１３…を、ジグザグな折れ線状の溝部１５によって繋いでも良い。

　また、上述の溝部１５の代わりに、次のようにして吸気孔１３の閉塞に伴う強固な吸着を防いでも良い。すなわち、吸気孔１３，１３…のうちの少なくとも幾つかを、アンビルロール１１の内部の連通路１４を介して互いに通気可能に連通するとともに、前記連通路１４によって互いに連通された吸気孔１３，１３…の幾つかを、単票状フィルム３よりもＣＤ方向の外側に位置させても良い。

　例えば、図６及び図７の例では、アンビルロール１１の内部に、ＣＤ方向に沿った前記連通路１４を吸気孔列１３Ｒに対応させて形成し、対応する連通路１４によって、同一の吸気孔列１３Ｒに属する吸気孔１３，１３同士を通気可能に連通している。そして、各吸気孔列１３ＲにおけるＣＤ方向の両端の吸気孔１３，１３の位置は、図７に示すように、それぞれ、単票状フィルム３よりも幅方向の外側に位置させている。そして、このようにすれば、連通路１４に繋がった各吸気孔１３，１３…には、ＣＤ方向の両端の吸気孔１３，１３から比較的小さな抵抗で外気が取り込まれるので、前記両端以外の吸気孔１３が単票状フィルム３によって完全に覆われても、吸気孔１３は真空化の如き密封状態にはなり得ず、つまり、外周面１１ａによる単票状フィルム３の強固な保持は抑制される。なお、かかる連通路１４に、吸気量を調整するためのバルブを設けても良い。

　ちなみに、このような連通路１４等の真空状の閉塞を防ぐ構造についても、上述の溝部１５と同様、特に、後方部保持領域Ａ３ｒに位置する吸気孔列１３Ｒに対して適用すると良い。すなわち、前記連通路１４は、後方部保持領域Ａ３ｒに位置する吸気孔１３，１３…の幾つかに通気可能に連通していると良い。そうすれば、単票状フィルム３の先端部３ｅが連続シート５ａＬに接着された後に行われるべき、後方部保持領域Ａ３ｒに対する単票状フィルム３の相対滑りも円滑に行われるようになる。

　また、望ましくは、図８のアンビルロール１１の拡大側面図のように、先端部保持領域Ａ３ｅが突出部１１ｐを有し、この突出部１１ｐが、外周面１１ａにおける先端部保持領域Ａ３ｅ以外の残余の領域Ａ３ｒよりも、アンビルロール１１の半径方向の外方に突出していると良い。図示例では、先端部保持領域Ａ３ｅにおいて、受け刃１２の位置から周方向Ｄｃの上流側（後方側）の所定範囲に、突出部１１ｐとして増径領域が設定されている。この増径量δは、例えば半径で０．２～１．０ｍｍである。

　そして、このようにすれば、単票状フィルム３の先端部３ｅを連続シート５ａＬに接着する際に、先端部保持領域Ａ３ｅの前記突出部１１ｐによって、前記先端部３ｅを連続シート５ａＬへと押圧することができる。その結果、前記先端部３ｅと連続シート５ａＬとの接着強度を高めることができる。

　なお、この押圧効果をより確実なものとするには、サクションベルトコンベア４３のベルト４４とアンビルロール１１の外周面１１ａとが互いに最も接近する前記近接位置ＣＰにおいて、前記突出部１１ｐとベルト４４との間の隙間Ｇｅが、単票状フィルム３の厚みと連続シート５ａＬの厚みとの和よりも小さくなるように設定すれば良い。ちなみに、これらの各厚みは、例えば、厚み計（商品名PEACOK DIAL THICKNESS GAUGE No.I1352）が具備する一対の圧子によって、１０ｃｍ×１０ｃｍの正方形サンプルの全面を厚み方向に３（ｇ／ｃｍ^２）の圧力で挟み込んだ際の前記一対の圧子間の離間距離として計測することができる。

　また、上記のように先端部保持領域Ａ３ｅに突出部１１ｐを設けた場合には、前記残余の領域Ａ３ｒは、少なくとも突出部１１ｐが無い分だけ先端部保持領域Ａ３ｅよりも相対的に連続シート５ａＬから離れていることになる。よって、先端部３ｅに付与する押圧力を高めながらも、連続シート５ａＬと外周面１１ａとの接触については抑制することができて、これにより、連続シート５ａＬと外周面１１ａとの相対速度差に起因して生じ得る連続シート５ａＬの表面の擦過状の損傷を抑制することができる。

　なお、この連続シート５ａＬの擦過状の損傷抑制の観点からは、望ましくは、図９に示すように、前記近接位置ＣＰにおけるベルト４４と前記外周面１１ａの前記残余の領域Ａ３ｒとの間の隙間Ｇｒが、単票状フィルム３の厚みと連続シート５ａＬの厚みとの和よりも大きくなるように設定すると良い。そうすれば、前記残余の領域Ａ３ｒと連続シート５ａＬとの接触を回避できて、これにより、上述の連続シート５ａＬの擦過状の損傷をより確実に抑制可能となる。

　また、場合によっては、図８の先端部保持領域Ａ３ｅの突出部１１ｐの代わりに、図１０に示すように、サクションベルトコンベア４３の無端ベルト４４の方に突出部４４ｐを設けても良い。すなわち、アンビルロール１１の外周面１１ａについては、その全周に亘って突出部１１ｐを有さない一定半径に形成する一方、無端ベルト４４の外周面においてアンビルロール１１の先端部保持領域Ａ３ｅと対向すべき部位に突出部４４ｐを形成しても良い。図示例では、当該突出部４４ｐが、無端ベルト４４の周回方向に所定の配置ピッチで、複数箇所の一例として二カ所に配置されており、この配置ピッチは、Ｌサイズの単票状フィルム３の貼り付けピッチＰ３Ｌと一致されている。また、突出部４４ｐには、無端ベルト４４における他の部分と同様に、吸気孔４５が設けられている。

　そして、この図１０の構成を採用した場合には、図８のアンビルロール１１に突出部１１ｐを設ける構成よりも低コストにできる。これは、無端ベルト４４の方に突出部４４ｐを追設する方が、アンビルロール１１の外周面１１ａに突出部１１ｐを加工形成するよりも安価なためである。

　ちなみに、この図１０に示すコンベア４３は、Ｌサイズ用の中間部品１ａの製造に使用されるものであり、必ずしも、Ｓサイズ用の中間部品１ａの製造に対して使用する必要はないが、仮に、当該コンベア４３をＳサイズ用の中間部品１ａに対しても使用する場合には、ＬサイズからＳサイズへの製品サイズ替に伴って、コンベア４３の交換が必要になる。これは、無端ベルト４４の突出部４４ｐの前記配置ピッチが、単票状フィルム３の貼り付けピッチＰ３と一致されており、当該貼り付けピッチＰ３は、ＳサイズのピッチＰ３ＳとＬサイズのピッチＰ３Ｌとで互いに異なるからである。但し、この構成にあっても、アンビルロール１１の交換は不要である。

　＝＝＝その他の実施の形態＝＝＝
　以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形が可能である。

　上述の実施形態では、アンビルロール１１の外周面１１ａに保持された単票状フィルム３の先端部３ｅを連続シート５ａＬに接着する方法として、吸気機構による方法を例示した。すなわち、吸気機構としてのサクションベルトコンベア４３によって、アンビルロール１１の外周面１１ａから単票状フィルム３の先端部３ｅを吸引して連続シート５ａＬに接着していたが、何等これに限るものではなく、例えば物理的押圧でも良く、より具体的には、図１１に示すようなハンマーロール５１を用いても良い。

　ハンマーロール５１は、前記近接位置ＣＰに、アンビルロール１１の外周面１１ａと対向して配置されたロール部材を本体とし、ＣＤ方向を向いた回転軸Ｃ５１周りに駆動回転する。また、その周方向Ｄｃ５１の一部には、ハンマーロール５１の径方向に突出した凸部５１ａを有している。そして、アンビルロール１１の外周面１１ａに保持された単票状フィルム３の先端部３ｅが前記近接位置ＣＰを通過する度に、前記凸部５１ａが前記外周面１１ａに対向するようにハンマーロール５１は駆動回転する。よって、当該凸部５１ａによって連続シート５ａＬを単票状フィルム３の先端部３ｅに押圧することができて、これにより、先端部３ｅは連続シート５ａＬに強固に接着される。

　ちなみに、このハンマーロール５１を用いた場合でも、連続シート５ａＬの搬送経路ＲＬを形成する搬送機構として、サクションベルトコンベア４３を用いても良いが、上述のようなＬ用搬送ルートＲＬを設定できるのであれば、何等これに限るものではなく、例えば、図１１に示すような二本のパスラインローラー５３，５４に連続シート５ａＬを架け渡すことにより、Ｌ用搬送ルートＲＬを設定しても良い。

　上述の実施形態では、図３中の単票状フィルム３の周方向Ｄｃの長さＬ３（Ｌ３Ｓ，Ｌ３Ｌ）について詳細に述べていなかったが、この長さＬ３を、例えば、アンビルロール１１の外周面１１ａにおける受け刃１２の周方向Ｄｃの設置ピッチＰ１２の半分の長さよりも長く、同設置ピッチＰ１２よりも短い寸法に設定しても良い。そして、このように設定した場合には、単票状フィルム３の長さが比較的長いことに起因して、当該単票状フィルム３はアンビルロール１１の外周面１１ａに強固に吸着されて、これにより、外周面１１ａから単票状フィルム３を引き剥がし難くなる。よって、このような場合にこそ、上述したアンビルロール１１側の工夫がその威力を発揮し、その作用効果（吸気孔１３の真空化を伴う密封状態の防止等）を有効に享受することができる。

　上述の実施形態では、単票状フィルム３の先端部３ｅの連続シート５ａＬへの接着を、吸引だけでなく押圧によっても行うべく、図８に示すようにアンビルロール１１の先端部保持領域Ａ３ｅに突出部１１ｐを形成し、そして、当該突出部１１ｐとサクションベルトコンベア４３のベルト４４との間の隙間Ｇｅが、単票状フィルム３の厚みと連続シート５ａＬの厚みとの和よりも小さくなるように設定する例を開示したが、これとは逆に、隙間Ｇｅの方が大きくなるように設定しても良い。そして、この場合には、単票状フィルム３の先端部３ｅは、先端部保持領域Ａ３ｅから連続シート５ａＬへと飛び移ることになるので、アンビルロール１１の外周面１１ａと連続シート５ａＬとの相対速度差の影響を受け難くなり、結果、単票状フィルム３の先端部３ｅに生じ得る皺をより確実に抑えることができる。

　上述の実施形態では、製品サイズ替として、ＳサイズとＬサイズとの２サイズのサイズ替を例示したが、何等これに限るものではなく、これにＭサイズを加えて３サイズのサイズ替を行っても良いし、更に、ＳＳやＸＬ等の他サイズを加えても良い。

　上述の実施形態では、「第３速度で搬送される連続シート」の一例としてのＳサイズの連続シート５ａＳの搬送経路ＲＳとして、図４に示すような、アンビルロール１１に所定の巻き付け角度θで巻き付ける経路を例示したが、何等これに限るものではなく、Ｓサイズの連続シート５ａＳに対しても、図５のＬ用搬送ルートＲＬのように、アンビルロール１１に巻き付けない搬送経路を適用しても良い。なお、その場合には、Ｓサイズの連続シート５ａＳの搬送速度Ｖ５ａＳを、アンビルロール１１の周速Ｖ１１以上前記搬送速度Ｖ５ａＬ未満の範囲内で自在に設定することができる。

　上述の実施形態では、アンビルロール１１の外周面１１ａに単票状フィルム３等を保持する方法として、同外周面１１ａの吸気孔１３による吸着を例示したが、外周面１１ａに対して摺動可能に単票状フィルム３等を保持できれば、何等これに限るものではない。

　上述の実施形態では、単票状シート及び第１連続シートに係るシートとしてフィルムを例示したが、シート状であれば何等これに限るものではなく、不織布や織布等でも良い。また、第２連続シートとして不織布を例示したが、これについてもシート状であれば何等これに限るものではなく、織布やフィルム等でも良い。

１　裏面シート、１ａ　中間部品（連続シートの複合体）、３　単票状フィルム（単票状シート、防漏フィルム）、３ａ　連続フィルム（第１連続シート）、３ａｅ　連続フィルムの先端部、３ｅ　単票状フィルムの先端部、３ｒ　後方の各部分、５　外装シート、５ａ　連続シート（第２連続シート）、５ａＬ　連続シート（第２連続シート）、５ａＳ　連続シート（第２連続シート）、１０　製造装置、１１　アンビルロール（ロール）、１１ａ　外周面、１１ｐ　突出部、１２　受け刃（カッター受け刃）、１３　吸気孔、１３Ｒ　吸気孔列、１４　連通路、１５　溝部、１５ｅ　両端部（一部）、２１　連続フィルム供給機構（第１供給機構）、２２ａ　ピンチロール、２２ｂ　ピンチロール、３１　カッターロール（カッター）、３１ａ　外周面、３２　平刃、４１　連続シート搬送機構（第２供給機構）、４３　サクションベルトコンベア（吸気機構）、４４　無端ベルト（ベルト）、４４ｐ　突出部、４５　吸気孔、４７ａ　プーリ、４７ｂ　プーリ、５１　ハンマーロール、５１ａ　凸部、５３　パスラインローラー、５４　パスラインローラー、８１　接着剤塗布装置、Ａ３　領域、Ａ３ｅ　先端部保持領域、Ａ３ｒ　後方部保持領域（残余の領域）、ＣＰ　近接位置、Ｇｅ　隙間、Ｇｒ　隙間、Ｑ３ａ　連続フィルムの供給位置、Ｑ５ａ　連続シートの供給位置、Ｑ５ａＬ　Ｌ用供給位置、Ｑ５ａＳ　Ｓ用供給位置、Ｑ３１　カッターロールの位置、ＲＬ　Ｌ用搬送ルート（搬送経路）、ＲＳ　Ｓ用搬送ルート（搬送経路）、ＲＬＰ　経路（搬送経路）、Ｃ１１　回転軸、Ｃ３１　回転軸、Ｃ５１　回転軸

Claims (15)

1. 　第１連続シートから所定長さの単票状シートを分断して生成し、該単票状シートを第２連続シートに対してその連続方向に所定の貼り付けピッチで貼り付けて吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する方法であって、
   　ロールの周速よりも遅い第１速度で該ロールの外周面に前記第１連続シートを連続して供給し、前記外周面に前記第１連続シートを摺動させながら保持することと、
   　前記ロールの周方向の所定位置に前記外周面に対向して配置されたカッターの位置を、前記外周面に設けられたカッター受け刃が通過する際に、前記カッターによって前記第１連続シートを分断して前記単票状シートを生成することと、
   　生成された前記単票状シートを前記外周面に保持して前記周速で前記周方向に沿って搬送することと、
   　前記第２連続シートとして、前記周速を超える第２速度で搬送される連続シート、及び前記周速以上前記第２速度未満の第３速度で搬送される連続シートを含む複数の連続シートのうちの一つの連続シートを選択することと、
   　前記周速で回転する前記ロールの前記外周面に向けて、前記選択された連続シートを、その搬送方向と前記ロールの回転方向とを揃えつつ供給することにより、前記外周面の前記単票状シートを前記連続シートに貼り付けることと、を備えたことを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
2. 　請求項１に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
   　前記選択することにおいて、前記第２連続シートとして前記第２速度で搬送される連続シートが選択された場合には、
   　前記貼り付けることにおいては、
   　前記単票状シートの前記周方向の先端部が前記第２連続シートに接着された後に、前記先端部を介して前記単票状シートが前記第２連続シートに引っ張られることによって、前記単票状シートにおける前記外周面に保持されている部分が前記外周面との間で進む方向に相対滑りをしながら、前記部分が順次前記外周面から引き剥がされて前記第２連続シート上に重なって接着されることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
3. 　請求項２に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
   　前記単票状シートの前記先端部が前記第２連続シートに接着される前は、前記単票状シートは前記外周面と一体に前記周速で移動し、
   　前記先端部が前記第２連続シートに接着された後は、前記単票状シートは、前記外周面に対して進む方向に相対滑りをしながら、前記第２連続シートと共に前記第２速度で移動することを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
4. 　請求項２又は３に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
   　前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部よりも前記周方向の後方の部分を保持する後方部保持領域と、を有し、
   　前記外周面に前記単票状シートを保持する単位面積当たりの保持力は、前記先端部保持領域よりも、前記後方部保持領域の方が小さいことを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
5. 　請求項２乃至４の何れかに記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
   　前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部保持領域以外の残余の領域と、を有し、
   　前記先端部保持領域は、前記残余の領域よりも前記ロールの半径方向の外方に突出した突出部を有していることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
6. 　請求項２乃至５の何れかに記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
   　前記外周面は、前記周方向と直交する幅方向を有し、
   　前記外周面には、複数の吸気孔が形成されており、前記吸気孔からの吸気によって前記単票状シートは前記外周面に吸着されて保持され、
   　前記外周面には、前記吸気孔のうちの少なくとも幾つかを通気可能に繋ぐ溝部が形成され、前記溝部の一部は、前記単票状シートよりも前記幅方向の外側に出ていることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
7. 　請求項６に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
   　前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部よりも前記周方向の後方の部分を保持する後方部保持領域と、を有し、
   　前記溝部は、前記後方部保持領域に位置する前記吸気孔の幾つかに通気可能に繋がっていることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
8. 　請求項２乃至７の何れかに記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
   　前記外周面は、前記周方向と直交する幅方向を有し、
   　前記外周面には、複数の吸気孔が形成されており、前記吸気孔からの吸気によって前記単票状シートは前記外周面に吸着されて保持され、
   　前記ロールの内部では、前記吸気孔のうちの少なくとも幾つかが連通路を介して互いに通気可能に連通され、
   　前記連通路によって互いに連通された前記吸気孔の幾つかは、前記単票状シートよりも前記幅方向の外側に位置していることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
9. 　請求項８に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
   　前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部よりも前記周方向の後方の部分を保持する後方部保持領域と、を有し、
   　前記連通路は、前記後方部保持領域に位置する前記吸気孔の幾つかに通気可能に連通していることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
10. 　請求項２乃至９の何れかに記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
    　前記第２連続シートの通気性は、前記単票状シートよりも高く、
    　前記第２連続シートの搬送経路は、前記外周面の接線方向と平行な方向に沿っており、
    　前記搬送経路のうちで前記外周面に最も接近する近接位置には、前記外周面から前記単票状シートを引き離す方向の吸気を前記第２連続シート越しに行う吸気機構が設けられており、
    　前記貼り付けることにおいては、
    　前記近接位置を前記外周面の各部分が通過する際に、前記各部分の前記単票状シートを保持するための保持力が弱められることにより、前記単票状シートのうちで前記近接位置を通過する部分が、順次、前記外周面から前記第２連続シートへと乗り移ることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
11. 　請求項１０に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
    　前記吸気機構は、前記第２連続シートを搬送するサクションベルトコンベアであり、
    　前記サクションベルトコンベアは、複数の吸気孔を有するベルトを有し、該ベルトは、前記吸気孔からの吸気によって前記第２連続シートを吸着しながら前記搬送経路に沿って移動し、
    　前記貼り付けることにおいては、
    　前記単票状シートのうちで前記外周面から前記第２連続シートへと乗り移った部分に対して、前記第２連続シート越しに前記ベルトの前記吸気孔からの吸気による吸引力を作用させることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
12. 　請求項１１に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
    　前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部保持領域以外の残余の領域と、を有し、
    　前記残余の領域と前記ベルトとの間の隙間は、前記単票状シートの厚みと前記第２連続シートの厚みとの和よりも大きいことを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
13. 　請求項２乃至４の何れかに記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
    　前記ロールの前記外周面は、前記先端部を保持する先端部保持領域と、前記先端部保持領域以外の残余の領域と、を有し、
    　前記第２連続シートの通気性は、前記単票状シートよりも高く、
    　前記第２連続シートの搬送経路は、前記外周面の接線方向と平行な方向に沿っており、
    　前記搬送経路のうちで前記外周面に最も接近する近接位置には、前記外周面から前記単票状シートを引き離す方向の吸気を前記第２連続シート越しに行う吸気機構が設けられており、
    　前記吸気機構は、前記第２連続シートを搬送するサクションベルトコンベアであり、
    　前記サクションベルトコンベアは、複数の吸気孔を有するベルトを有し、該ベルトは、前記吸気孔からの吸気によって前記第２連続シートを該ベルトの外周面に吸着しながら、前記搬送経路に沿って移動し、
    　前記ベルトの前記外周面において前記ロールの前記先端部保持領域と対向すべき部位には、突出部が設けられていることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
14. 　請求項１乃至１３の何れかに記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法であって、
    　前記第３速度は、前記周速と同じ速度であり、
    　前記選択することにおいて、前記第２連続シートとして前記第３速度で搬送される連続シートが選択された場合には、
    　前記第２連続シートは、前記外周面に所定の巻き付け角度で巻き付くような搬送経路で前記ロールへ向けて搬送され、
    　前記貼り付けることにおいては、前記巻き付き角度で巻き付いている間に、前記単票状シートが前記第２連続シートに貼り付いていくことを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造方法。
15. 　第１連続シートから所定長さの単票状シートを分断して生成し、該単票状シートを第２連続シートに対してその連続方向に所定の貼り付けピッチで貼り付けて吸収性物品に係る連続シートの複合体を製造する装置であって、
    　所定の回転軸周りに所定の周速で駆動回転するロールと、
    　前記ロールの外周面に前記第１連続シートを供給する第１供給機構と、
    　前記ロールの周方向の所定位置に前記外周面に対向して配置されたカッターと、
    　前記ロールの外周面に設けられ、前記カッターと共同して前記第１連続シートを分断するカッター受け刃と、
    　前記第２連続シートとして、前記周速を超える第２速度で搬送される連続シート、及び前記周速以上前記第２速度未満の第３速度で搬送される連続シートを含む複数の連続シートのうちの一つの連続シートを選択して、前記外周面に供給する第２供給機構と、を有し、
    　前記第１供給機構は、前記第１連続シートを、前記ロールの前記周速よりも遅い第１速度で連続して供給することにより、前記外周面に前記第１連続シートを摺動させながら保持させ、
    　前記カッターは、前記カッターの位置を前記カッター受け刃が通過する際に、前記カッター受け刃と共同して前記第１連続シートを分断して前記単票状シートを生成し、
    　前記ロールは、生成された前記単票状シートを前記外周面に保持しつつ前記周速で搬送し、
    　前記第２供給機構は、前記周速で回転する前記ロールの前記外周面に向けて、前記選択された連続シートを、その搬送方向と前記ロールの回転方向とを揃えつつ供給することにより、前記外周面の前記単票状シートを前記連続シートに貼り付けることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の製造装置。

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