明 細 書
マイコバクテリゥム.アビゥム検出用プライマー及びプローブ、並びにこれ を用いたマイコバクテリゥム 'アビゥムの検出方法
技術分野
[0001] 本発明は、核酸の増幅及びその検出系 (system)を利用した、臨床検査におけるマ ィコバクテリウム.アビゥム(Mvcobacterium avium、以下、「Μ·アビゥム」と記載する。 ) を検出、同定する方法に関するものである。
背景技術
[0002] 非結核十生抗酸菌 (nontuberculous mvcobacterium)は、マイコノ クテリゥム (Mvcobac terium.以下、単に と略記する場合がある。)属に分類される抗酸性の性質を持つ グラム陽性桿菌で、結核菌群及び Mvcobacterium leprae以外の抗酸菌の一種である 。喀痰の抗酸菌塗抹検査で陽性となった症例の 15〜20%は、その後の菌種同定検 查で非結核性抗酸菌による感染症と診断されている。
[0003] 非結核性抗酸菌のうち、臨床上問題となる菌種としては、 M.アビゥム、 Mvcobacteri urn intracellulare (マイコノ クテリゥム 'イントラセノレラー、以下、「Μ·イントラセノレラー」 と記載する。」)、 Mvcobacterium kansasii (マイコノ クテリゥム ·カンサシィ)、 Mvcobact erium marinum マイコノ クテリ「ノム ·マリナム)、 Mvcobacterium gordonae (マイコノ ク テリゥム -ゴノレドネァ)、 Mvcobacterium szukai (マイコバクテリゥム -スズノレガイ)、 Mvco bacterium xenopi マイコノ クテリゥム ·セノピ)、 Mvcobacterium fortuitum (マイコノ ク テリゥム 'フォーチユイタム)、 Mvcobacterium chelonei (マイコノ クテリゥム ·セロネィ)、 Mvcobacterium abscessus (マイコバクテリゥム ·ァプセッサス)等が知られてレヽる。
[0004] その中でもよく見られるのが、 Μ·アビゥムと Μ·イントラセルラーである。 Μ·アビゥムと M.イントラセルラーは非常によく似ており、区別が付きにくかったことから、 M.アビゥ ムと Μ·イントラセノレラーをあわせて Mycobacterium avium complex (MAC)と呼ばれ る。非結核性抗酸菌症患者のおよそ 70%は MAC感染症であり、次に多いのが M.kan sasii症で、 20%を占める。そして残る 10%がその他の菌種による感染症である。
[0005] 非結核性抗酸菌は一般には毒力が弱く,健常人に対しては無害であるといわれて
いる。しかし、まれにヒトに対して感染性を示す。中でも MACは、結核後遺症 (肺感 染症)を引き起こしたり、 AIDSなどの易感染患者に対して日和見感染を引き起こす ことが知られている。そのため、非結核性抗酸菌を迅速且つ正確に検出することは治 療上、特に重要である。
[0006] また、非結核性抗酸菌症は近年増加傾向にあるため、結核菌と非結核性抗酸菌を 短時間で鑑別する方法の開発が強く望まれている。更に、 M.アビゥム及び M.イント ラセルラーを、核酸増幅法で検出 ·診断する方法が健康保険の適用となったことから も、その診断上の意義は大きい。
[0007] また、非結核性抗酸菌は、多くが抗結核薬に対して抵抗性を示す。そのため、患者 に抗酸菌感染症の疑!/、がある場合、結核症か非結核性抗酸菌症かを鑑別診断する ことが、治療方針を決定するために重要である。更に、非結核性抗酸菌による病気は 、その菌の種類によって治療法が夫々異なるので、その菌種を決めることも非常に重 要である。しかし、非結核性抗酸菌症には特異的な臨床症状がない。そのため、臨 床的所見、病理組織学的所見から結核症と非結核性抗酸菌症を鑑別すること、更に 非結核性抗酸菌の種類を特定することは極めて困難である。よって、結核症か非結 核性抗酸菌症かの診断は、菌の同定によってなさなければならない。
[0008] 非結核性抗酸菌症の診断のために行う一般的な菌の同定法は、喀痰塗沫検査で ある。しかし、この検査では、その病原菌が「抗酸菌陽性」か否かということが判るだけ で、その病原菌が結核菌か非結核性抗酸菌かということは鑑別できない。そこで、通 常、喀痰塗末検査で陽性だった場合は、小川培地等の培地上で菌を分離培養する ことによって菌の培養検査を行い、結核菌か非結核性抗酸菌かを鑑別する。そして、 さらに生化学的試験を行い、菌種の同定をする。し力もながら、一般にマイコバクテリ ゥム属は発育が遅ぐ例えば、菌の分離培養だけで 3〜4週間を要する。そして、菌 種を同定するための各種生化学的試験の結果を得るまでに、更に 2〜3週間を要す る。そのため、従来の基本法である、以上のような塗抹検査や培養検査を行って結核 症か否かの診断結果を得るという方法は、かなりの時間力 Sかかる方法である。
[0009] 一方、近年、遺伝子レベルで菌を検出する技術が開発されてきた。例えばポリメラ ーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction, PCR)等の核酸増幅技術を利用した診
断技術が、菌を検出するための有用な手段として検討されている。この方法は感度 が高いので、試料中に数個の菌があれば、菌を検出できる。また、短時間(長くても 4 日)で検出できる(菌種を同定できる。)という利点がある。しかし、通常の PCR法では 、菌数は判らない。また、生菌でも死菌でも区別なく検出してしまう。更に、試料に菌 があれば、菌数の多少に関わらず陽性と判定される。そのため、 PCR法では患者の 細菌に感染性があるか否かの診断が不確実になる。更にまた、 PCR法には、感度が 高すぎるため、偽陽性の判定が出やすい等の問題点がある。
[0010] PCR法を利用した M.アビゥムの検出方法としては、例えば MacSequevar遺伝子領 域、 M.アビゥム 19キロダルトンタンパク質(MAV19k)遺伝子領域、及び M.イントラ セルラーリボソームタンパク質 si遺伝子領域の二つ以上に特異的なオリゴヌクレオ チドプライマ一の多重プライマーセットを用いて、 MAC核酸を検出する方法(特許文 献 1)がある。し力もながら、この検出方法では M.アビゥムと M.イントラセルラーを判 別することはできない。また、特許文献 1は、 M.アビゥムのみを検出するプライマー M sqv-Avプローブ、及び M.アビゥムの核酸に特異的なプライマーである MAV19Kプラ イマ一も開示している。しかし、これらのプローブ及びプライマーを用いた検出方法で も、 M.アビゥムの株によっては明確に M.アビゥムであると同定できない場合も記載さ れている。すなわち、これらのプローブ及びプライマーの Μ·アビゥム特異性は、とても 満足のいくものではない。
[0011] また、遺伝子揷入酉己列 IS901の揷入部位を挟む DNA塩基配列を増幅するプライマ 一を用いて PCRを行い、得られたプライマー伸長産物の鎖長によって、トリ結核菌( Μ·アビゥム)か Μ·イントラセルラーかを判定する方法(特許文献 2)も知られている。し かし、該プライマーを用いた PCRでは、試料がトリ結核菌(M.アビゥム)の場合でも M .イントラセルラーの場合でもプライマー伸長産物が得られるので、この判別方法は M .アビゥムに特異的な方法とはいえない。また、プライマー伸長産物の鎖長によって両 者を判別するという方法は、煩雑であるし、判定者によってその判定結果が異なる場 合もあり得、確実な判定方法とはいえない。
[0012] PCR法以外に、鎖置換増幅法(SDA法、 Strand Displacement Amplification Meth od)を利用する検出方法もある。例えば、特開平 10-4984号公報(特許文献 3)には、
マイコバクテリアの α抗原の一部分をコードする BCG85— B遺伝子の 63ヌクレオチ ドセグメントを標的とする方法が開示されている。この方法は、まず Μ.アビゥムと Μ.ィ ントラセルラーの、両方の菌が持つ BCG85— Β遺伝子の標的配列を増幅するプライ マーを用い、 SDA法で核酸増幅反応を行う。そして、その結果を基に MACを検出 する方法である。すなわち、該方法に用いられるプライマーは、 Μ·アビゥムと Μ·イント ラセルラーの両方を増幅させるプライマーである。し力、し、この方法では当然のことな がら、試料中に M.アビゥムがある場合と M.イントラセルラーがある場合の両方の場合 でプライマー伸長産物が得られる。そのため、この方法で MACを検出することはでき る力 M.アビゥムを特異的に検出することはできない。また MACを検出する際であ つても、偽陽性が出現する場合がある。
[0013] 特開 2001-103986号公報(特許文献 4)には、 MACを検出するために用いられるプ ライマー、捕捉プローブ及び検出用プローブとして使用されるオリゴヌクレオチドが開 示されている。し力、しながら、該プライマーは、鳥型結核菌(M.アビゥム)と M.イントラ セルラーの両方の菌が持つ dnaj遺伝子の 48bp標的配列を増幅する。すなわち、試 料中に M.アビゥムが存在する場合にも、 M.イントラセルラーが存在する場合にも増 幅反応が起こる。従って、該プライマーを用いて SDA法を行い、捕捉プローブ及び 検出用プローブを用いてプライマー伸長産物を検出し、その結果に基づいて MAC の検出を行うことはできる。し力、し、 M.イントラセルラーを検出せずに、 M.アビゥムを 特異的に検出することはできない。
[0014] その他、 LAMP (Loop-Mediated Isothermal Amplification)法を利用し、 Μ·アビゥ ムの核酸を増幅する方法(特許文献 5)等がある。しかし、 LAMP法では、増幅された DNAの塩基配列を知ることができない、効率よく増幅できる DNAの長さに制限があ る、偽陽性が出現する、等の問題がある。
[0015] また、 Μ·アビゥムには血清型 4〜6、 8〜; 11および 21型、 Μ·イントラセルラーには 血清型 7、 12〜20、 25型という、複数の血清型が存在する。そのため、株間の共通 配列を見いだすことが難しい。そのため、単一のプライマーセットによる PCRだけで 全ての血清型の M.アビゥムを検出することが困難なのが現状である。
[0016] 以上のことから、 M.アビゥムを特異的に且つ迅速に検出する方法を確立することが
望まれている現状にあった。
[0017] 特許文献 1 :特開平 11-69999号公報
特許文献 2:特許第 3111213号公報
特許文献 3:特開平 10-4984号公報
特許文献 4:特開 2001-103986号公報
特許文献 5:特開 2005-204582号公報
非特許文献 l : F.Poly et al., J. Bacteriology, 2004, 186(14), p.4781-4795
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0018] 本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、診断上の偽陽性を排除した 新規な M.アビゥム検出用プライマー、及びこれを用いた簡便、迅速且つ精度の高い M.アビゥムの検出方法を提供することを目的とする。更に、複数の血清型の M.アビ ゥムを、一回の測定で、特異的に且つ効率よく検出できる、新規な M.アビゥム検出用 プライマー、及びこれを用いた簡便、迅速且つ精度の高い M.アビゥムの検出方法を 提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0019] 本発明は上記課題を解決する目的で成されたもので、以下の構成よりなる。
(1)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配 列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130 、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び 配列番号 136から選択される塩基配列(但し、 Aはアデニン、 Cはシトシン、 Gはグァ ニン、 Tはチミンを表す。また、任意の位置の Tはゥラシル (U)と置換されていてもよ い。以下同じ。)の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配 列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配 列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に 対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つマイコバクテリゥム ·アビゥム (Ml cobacterium avium)遺伝子の塩基酉己歹 IJとノヽイブリグィズするオリゴヌクレオチド。
(2)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配 列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41及び配列番号 42から選択され る塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番 号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番 号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、 配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する 相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つマイコバクテリゥム 'アビゥム遺伝子の塩 基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドを含有する、マイコバクテリゥム.アビゥ ム検出用プライマー。
(3)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配 列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130
、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び 配列番号 136から選択される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列 番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列 番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選 択される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つマイコバク テリゥム 'アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドを含有す る、マイコバクテリゥム.アビゥム検出用プローブ。
(4)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配 列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130
、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び 配列番号 136から選択される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列 番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列 番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選 択される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つマイコバク テリゥム.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドをプライ
マー又は/及びプローブとして用いることを特徴とするマイコバクテリゥム 'アビゥムの 検出方法。
(6)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配 列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130 、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び 配列番号 136から選択される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列 番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列 番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選 択される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つマイコバク テリゥム.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドをプライ マー又は/及びプローブとして含んでなる、マイコバクテリゥム 'アビゥム検出用試薬 キット。
[0020] 本発明者は、現在までに決定された M.アビゥムとその他の生物の各種遺伝子につ いて、各種間の各遺伝子配列の相同性の理論的検証と実験的検証を重ねた。その 結果、マイクロアレイ法を用いた方法により得られた M.アビゥム由来の塩基配列の断 片の中に、 M.アビゥムの遺伝子配列に特異的にハイブリダィズし、 M.アビゥムの検 出に有用な塩基配列が存在することを見出した。
[0021] そこで、これらの知見をもとに更に鋭意研究の結果、 M.アビゥムに特異的なオリゴ ヌクレオチド (配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番 号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列 番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136で表される塩基配歹 IJ)を得、これらの塩基配列が M.アビゥム の検出に有用であることを見出した。そして更にこれらの配列をもとに M.アビゥム検 出用プライマー及びプローブを開発し、これらを用いた M.アビゥムの検出方法を確 立するに到った。
発明の効果
[0022] 本発明のプライマー又は/及びプローブを用いた M.アビゥムの検出方法によれば
、従来の菌の培養検査等により菌種を同定する方法と比較して、はるかに迅速且つ 高精度に、 M.アビゥムの検出を行うことができる。また、本発明の検出方法で M.アビ ゥムの検出を行うことにより、従来のプライマー又は/及びプローブを用いた PCR法 による診断方法に比較して、診断上の偽陽性が排除可能となり、より高精度に且つ 正確に、し力、も特異的に M.アビゥムの検出及び診断を行うことができる。また、本発 明の検出方法を用いることにより、 M.アビゥム菌体の定量も行うこともできる。
[0023] また、本発明の配列番号 130〜; 136で表される配列由来のもの、即ち、配列番号 1 30〜 205で表される配列を含有するプライマー又は/及びプローブを用いた M.ァ ビゥムの検出方法によれば、複数の血清型の M.アビゥムを、一回の測定で、他のマ ィコバタテリゥム属細菌と区別して、特異的に且つ効率よく検出することが可能となる 。また、それにより検出操作が簡単になり、診断に要する時間も短縮されるという効果 あ得られる。
図面の簡単な説明
[0024] [図 1]実施例 2で得られた、プライマー 12Fw_l及びプライマー 12Rv_lを用い、マイコバ クテリゥム属細菌由来の DNA試料及び Escherichia coli.由来の DNA試料を铸型とし て用いた、インターカレーター法によるリアルタイム PCRの結果をもとに得られた融解 曲線解析の結果である。
[図 2]実施例 5で得られたリアルタイム PCR検出結果を示し、各 PCR用 DNA試料の ゲノムのコピー数 (X軸、対数値)に対する Ct値 (y軸)をプロットした検量線である。
[図 3]実施例 6で得られた、プライマー 12Fw_l及びプライマー 12Rv_lを用い、 Μ·アビ ゥム由来ゲノム DNA試料を铸型として用いた、インターカレーター法によるリアルタイ ム PCRの結果をもとに得られた融解曲線解析の結果と、比較例 1で得られた、プライ マー MAV19K_Fls及びプライマー MAV19K_Rvsを用い、 Μ·アビゥム由来ゲノム DNA 試料を铸型として用いた、インターカレーター法によるリアルタイム PCRの結果をもと に得られた増幅曲線をまとめて示した図である。
[図 4]実施例 8で得られた、プライマー Mac_12 FwOl及びプライマー Mac_12 RvOlを用 い、各種 M.アビゥム菌株由来の DNA試料、 M.chimaea由来の DNA試料及び M.vel atum.由来の DNA試料を铸型として用いた、インターカレーター法によるリアルタイム
PCRの結果をもとに得られた融解曲線解析の結果である。
[図 5]実施例 10で得られた、プライマー Mac_12Fw01及びプライマー Mac_12Rv01を用 い、マイコバクテリゥム属細菌由来の DNA試料及び Escherichia coli.由来の DNA試 料を铸型として用いた、インターカレーター法によるリアルタイム PCRの結果をもとに 得られた融解曲線解析の結果である。
[図 6]実施例 12で得られた、プライマー Mac_12Fw01及びプライマー Mac_12Rv01を用 い、 M.アビゥム由来ゲノム DNA試料を铸型として用いた、インターカレーター法によ るリアルタイム PCRの結果をもとに得られた融解曲線解析の結果である。
[図 7]実施例 12で得られたリアルタイム PCR検出結果を示し、各 PCR用 DNA試料の ゲノムのコピー数 (X軸、対数値)に対する Ct値 (y軸)をプロットした検量線である。 符号の説明
[0025] 図 3において、各記号は、それぞれ以下の場合の結果を示す。
( 1 ) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 105コピーで、新規候補配列 13をタ
(2) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 104コピーで、新規候補配列 13をタ
(3) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 103コピーで、新規候補配列 13をタ
(4) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 102コピーで、新規候補配列 13をタ
(5) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 10コピーで、新規候補配列 13をタ
(6) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 SOコピーで、新規候補配列 13をター
[0026] 図 3において、 )〜 (12)はそれぞれ以下の場合を示す。
(7) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
(8) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 S104コピーで、 M.アビゥムの 19キロ
ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
(9) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
(10) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
(11) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 10コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
(12) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。 発明を実施するための最良の形態
[0027] 本発明に於いて、 M.アビゥム遺伝子とは、 Mycobacterium aviumの持つ全ゲノム西 R 列における任意の塩基配列単位 (領域)をレ、う。
[0028] 本発明に係るオリゴヌクレオチドとしては、配列表の、配列番号 1、配列番号 2、配 列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列 番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132 、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩 基配列(但し、 Aはアデニン、 Cはシトシン、 Gはグァニン、 Tはチミンを表す。また、任 意の位置の Tはゥラシル (U)と置換されていてもよい。以下同じ。)の一部若しくは全 部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 3 7、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、酉己歹 IJ番号 131、酉己歹 IJ番号 132、酉己歹 IJ番号 133、酉己歹 IJ番号 134、酉己歹 IJ番号 135 及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部 を含有し、且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチド が挙げられる(以下、本発明のオリゴヌクレオチドと略記する場合がある。)。
[0029] 本発明に係る、配列番号 1で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 981塩 基、配列番号 2で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 326塩基、配列番 号 3で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 503塩基、配列番号 4で表され る塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 587塩基、配列番号 5で表される塩基配列
力もなるオリゴヌクレオチドは 622塩基、の大きさである。
[0030] また、配列番号 37で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 1020塩基、配 列番号 38で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 959塩基、配列番号 39 で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 896塩基、配列番号 40で表される 塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 744塩基、配列番号 41で表される塩基配列 力、らなるオリゴヌクレオチドは 790塩基、配列番号 42で表される塩基配列からなるォ リゴヌクレオチドは 569塩基、の大きさである。
[0031] また、配列番号 130で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 833塩基、配 列番号 131で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 955塩基、配列番号 13 2で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 810塩基、配列番号 133で表され る塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 872塩基、配列番号 134で表される塩基配 列からなるオリゴヌクレオチドは 933塩基、配列番号 135で表される塩基配列からな るオリゴヌクレオチドは 630塩基及び配列番号 136で表される塩基配列からなるオリ ゴヌクレオチドは 1085塩基、の大きさである。
[0032] 本発明に係る配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配 列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番 号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列の一部若しくは全部を含有するォ リゴヌクレオチドとしては、例えば、(1)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番 号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番 号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、 配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列と約 70% 以上、好ましくは約 80%以上、より好ましくは約 90%以上、更に好ましくは約 95%以 上の相同性を有する塩基配列を含有するオリゴヌクレオチド、又は(2)配列番号 1、 配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列 番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、 配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136か ら選択される塩基配列中の、連続する 10塩基以上、好ましくは 15塩基以上、より好
ましくは 20塩基以上を含有することを特徴とするオリゴヌクレオチド等が挙げられる。
[0033] 本発明に係る配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配 列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番 号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列の全部を含有するオリゴヌクレオ チドの具体例としては、例えば配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配 列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配 列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番 号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列からなるオリゴヌク レオチド、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配 列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番 号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドが 挙げられる。
[0034] 好ましくは、配列番号 130〜; 136から選択される塩基配列からなるオリゴヌクレオチ ド、又は配列番号 130〜; 136から選択される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチド が挙げられる。
[0035] 配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配 列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130 、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び 配列番号 136から選択される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの好まし い例としては、配列番号 130〜; 136から選択される塩基配列の一部を含有するオリゴ ヌクレオチドが挙げられる。
[0036] 配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配 列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130 、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び 配列番号 136から選択される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体 例としては、例えば配列番号 6〜32、酉己歹 IJ番号 43〜; 129、及び配列番号 137〜205
力、ら選択される塩基配列の一部若しくは全部を含有するものが挙げられる。
[0037] 好ましくは、配列番号 137〜205から選択される塩基配列の一部若しくは全部を含 有するものが挙げられる。
[0038] また、配列番号 6〜32、酉己歹 IJ番号 43〜; 129、及び配列番号 137〜205から選択さ れる塩基配列中の、連続する 10塩基以上、好ましくは 15塩基以上を含有するオリゴ ヌクレオチド等が好ましい。
[0039] 配列番号 6〜32、配歹 IJ番号 43〜; 129、及び配列番号 137〜205から選択される塩 基配列の全部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例としては、配列番号 6〜32、配 列番号 43〜; 129、及び配列番号 137〜205から選択される塩基配列からなるオリゴ ヌクレオチド、又は配列番号 6〜32、酉己歹 IJ番号 43〜; 129、及び配列番号 137〜205 力 選択される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0040] その好ましい具体例としては、配列番号 137〜205から選択される塩基配列からな るオリゴヌクレオチド、又は配列番号 137〜205から選択される塩基配列を含有する オリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0041] 配列番号 1で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 6〜9及び配列番号 24〜25から選択される塩基配列を含有 するものが挙げられる。
[0042] 配列番号 2で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、配列番号 10〜; 1 1及び配列番号 26から選択される塩基配列を含有するものが 挙げられる。
[0043] 配列番号 3で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 12〜; 13及び配列番号 27から選択される塩基配列を含有す るあの力 S挙げられる。
[0044] 配列番号 4で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 14〜21及び配列番号 28〜31から選択される塩基配列を含 有するものが挙げられる。
[0045] 配列番号 5で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 22〜23及び配列番号 32から選択される塩基配列を含有す
るあの力 S挙げられる。
[0046] 配列番号 37で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 43〜54及び配列番号 101〜; 106から選択される塩基配列を 含有するものが挙げられる。
[0047] 配列番号 38で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、配列番号 55〜66及び配列番号 107〜; 112から選択される塩基配列を含有す るあの力 S挙げられる。
[0048] 配列番号 39で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 67〜74及び配列番号 113〜; 116から選択される塩基配列を 含有するものが挙げられる。
[0049] 配列番号 40で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 75〜82及び配列番号 117〜; 120から選択される塩基配列を 含有するものが挙げられる。
[0050] 配列番号 41で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 83〜92及び配列番号 121〜; 125から選択される塩基配列を 含有するものが挙げられる。
[0051] 配列番号 42で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 93〜; 100及び配列番号 126〜; 129から選択される塩基配列 を含有するものが挙げられる。
[0052] 配列番号 130で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例と しては、例えば配列番号 137〜; 144及び配列番号 183〜; 186ら選択される塩基配列 を含有するものが挙げられる。
[0053] 配列番号 131表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 145〜; 148及び配列番号 187〜; 188から選択される塩基配 列を含有するものが挙げられる。
[0054] 配列番号 132で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例と しては、例えば配列番号 149〜; 158及び配列番号 189〜; 193から選択される塩基配 列を含有するものが挙げられる。
[0055] 配列番号 133で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例と しては、例えば配列番号 159〜; 164及び配列番号 194〜; 196から選択される塩基配 列を含有するものが挙げられる。
[0056] 配列番号 134で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例と しては、例えば配列番号 165〜; 170及び配列番号 197〜; 199から選択される塩基配 列を含有するものが挙げられる。
[0057] 配列番号 135で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例と しては、例えば配列番号 171〜; 174及び配列番号 200〜201から選択される塩基配 列を含有するものが挙げられる。
[0058] 配列番号 136で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例と しては、例えば配列番号 175〜; 182及び配列番号 202〜205から選択される塩基配 列を含有するものが挙げられる。
[0059] 本発明に係る配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配 列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番 号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補配列の一部若しく は全部を含有するオリゴヌクレオチドとしては、例えば本発明の配列番号 1、配列番 号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 3 9、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列 番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選 択される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとハイブリダィズする塩基配列の、一部 若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチド等が挙げられる。
[0060] 上記の、本発明の配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、 配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42 、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配 列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと ハイブリダィズする塩基配列の一部若しくは全部を有するオリゴヌクレオチドとは、具 体的には、本発明の配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、
配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42 、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配 列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと 、 ノ、イストリンジェントな条件又はストリンジェントな条件下でハイブリダィズする塩基配 列の、一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチド等が挙げられる。
[0061] 尚、ここでいう「ノヽイストリンジェントな条件」とは、具体的には例えば「50%ホルムアミ ド中で 42〜70°Cで、好ましくは 60〜70°Cでハイブリダィゼーシヨンを行い、その後 0.2 〜2 X SSC、 0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)中、 25〜70°Cで洗浄する。」という条件 である。
[0062] また、「ストリンジェントな条件」とは、具体的には例えば「6 X SSC又はこれと同等の 塩濃度のハイブリダィゼーシヨン溶液中、 50〜70°Cの温度の条件下で 16時間ハイブ リダィゼーシヨンを行い、 6 X SSC又はこれと同等の塩濃度の溶液等で必要に応じて 予備洗浄を行った後、 I X SSC又はこれと同等の塩濃度の溶液等で洗浄する。」とい う条件である。
[0063] 本発明に係る配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配 列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番 号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補配列の、一部若しく は全部を含有するオリゴヌクレオチドとしては、例えば、
(1)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、 配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 13 0、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及 び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補配列と約 70%以上、好ましく は約 80%以上、より好ましくは約 90%以上、更に好ましくは約 95%以上の相同性を有 する塩基配列を含有するオリゴヌクレオチド、又は
(2)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、 配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 13 0、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及
び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補配列中の、連続する 10塩基 以上、好ましくは 15塩基以上、より好ましくは 20塩基以上を含有することを特徴とす るオリゴヌクレオチド、
等が挙げられる。
[0064] 本発明に係る配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配 列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番 号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補配列の全部を含有 するオリゴヌクレオチドの具体例としては、例えば配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40 、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列 番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配 列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチド、又は配列番号 1、配列番号 2、配列 番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番 号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、 配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩 基配列に対する相補配列を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0065] 好ましくは、配列番号 130〜; 136から選択される塩基配列に対する相補配列からな るオリゴヌクレオチド、又は配列番号 130〜配列番号 136から選択される塩基配列に 対する相補配歹 IJを含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0066] 配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配 列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130 、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び 配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補配列の一部を含有するオリゴヌ クレオチドの好ましい例としては、配列番号 130〜; 136から選択される塩基配列に対 する、相補配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0067] 配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配 列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130
、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び 配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補配列の一部を含有するオリゴヌ クレオチドの具体例としては、例えば配列番号 6〜32、配列番号 43〜; 129、及び配 列番号 137〜205から選択される塩基配列に対する、相補配列の一部若しくは全部 を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0068] 好ましくは、配列番号 137〜205から選択される塩基配列に対する、相補配列の一 部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0069] また、配列番号 6〜32、酉己歹 IJ番号 43〜; 129、及び配列番号 137〜205から選択さ れる塩基配列に対する相補配列中の、連続する 10塩基以上、好ましくは 15塩基以
[0070] 配列番号 6〜32、配歹 IJ番号 43〜; 129、及び配列番号 137〜205から選択される塩 基配列に対する相補配列の全部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例としては、例 えば配列番号 6〜32、酉己歹 IJ番号 43〜; 129、及び配列番号 137〜205から選択され る塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチド、又は配列番号 6〜32、配 列番号 43〜; 129、及び配列番号 137〜205から選択される塩基配列に対する相補 配列を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0071] その好ましい具体例としては、配列番号 137〜205から選択される塩基配列に対 する相補配列からなるオリゴヌクレオチド、又は配列番号 137〜205から選択される 塩基配列に対する相補配列を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0072] 本発明に係る M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチド とは、 M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイストリンジェントな条件又はストリンジェント な条件下でハイブリダィズする塩基配列を有するオリゴヌクレオチド等が挙げられる。 そのハイストリンジェントな条件及びストリンジェントな条件は、上記したとおりである。
[0073] 尚、本発明のオリゴヌクレオチドはデォキシリボ核酸(DNA)でもリボ核酸 (RNA)で もよ!/、。リボ核酸の場合はチミジン残基 (T)をゥリジン残基 (U)と読み替えることは言 うまでもなレ、。また合成に際して任意の位置の Tを Uに変えて合成を行なって得られ た、ゥリジン残基を含む DNAであってもよい。同様に任意の位置の Uを Tに変えたチ ミジン残基を含む RNAであってもよい。また、一つ若しくは複数のヌクレオチドが欠
失、揷入或いは置換されたオリゴヌクレオチドであってもよい。一つ若しくは複数のヌ クレオチドがイノシン(I)のような修飾ヌクレオチドであってもよい。
[0074] 本発明のオリゴヌクレオチドを得る方法としては、特に限定されないが、例えば自体 公知の化学合成法により調製する方法が挙げられる。この方法では、ベクター等を用 V、る遺伝子操作法によりオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを得る方法(クローン 化法)に比べ、容易、大量且つ安価に一定品質のオリゴヌクレオチドを得ることが可 能な方法である。
[0075] 例えば、 DNAの合成に通常行われている、 DNAシンセサイザーを用い、通常の ホスホアミダイト法にてオリゴヌクレオチドを合成し、陰イオン交換カラムクロマトグラフ ィーを用いる常法により精製すれば、 目的とする本発明のオリゴヌクレオチドを得るこ と力 Sできる。
[0076] また、オリゴヌクレオチドの合成を業者に委託して、業者から購入してもよレ、。
[0077] 本発明の目的を達成し得るオリゴヌクレオチドを探索 (スクリーニング)する手段とし ては、 FEMS Microbiology Letters 166: 63-70, 1998あるいは Systematic and Applie d Microbiology 24: 109-112, 2001などに示されているサブトラクシヨン法、すなわち 標的であるゲノム DNA由来 DNAフラグメント群から、区別したい生物種由来のゲノ ム DNA由来 DNAフラグメント群と反応したものを除いて、候補配列を濃縮する方法 力 sある。
[0078] また、標的であるゲノム DNA及び区別したい生物種由来のゲノム DNAからの増幅 産物のディファレンシャルディスプレイを作成するといつたアプローチ、すなわち任意 にプライムされたポリメラーゼ連鎖反応 (AP— PCR)を利用する方法が考えられる( 特願平 11-155589号公報)。
[0079] 更に、いわゆるマイクロアレイ法と呼ばれる方法を利用することによつても、本発明 の目的を達成しうるオリゴヌクレオチドを探索することができるし、本発明のオリゴヌク レオチドを得ること力 Sできる。その方法の概略は以下の通りである。
[0080] すなわち、例えば M.アビゥム由来ゲノム DNAのショットガン 'クローンを作成し、得 られたショットガン 'クローンから DNAを精製する。次いで、そのショットガン 'クローン 由来の精製 DNAを、 PCR等により増幅させた後、スライドガラス上に配置させて、常
法によりマイクロアレイを作成する。別に、標的である M.アビゥム由来のゲノム DNA を蛍光標識 (標識 1)した DNAフラグメント群を作成する。一方、区別したい生物種由 来のゲノム DNAを蛍光標識 (標識 2)した DNAフラグメント群を別途に作成する。そ して、標識 1及び標識 2の各々を同一反応系で用レ、る競合ハイプリダイゼーシヨン法 を行い、マイクロアレイ上の精製 DNAと、標識 1及び標識 2との反応性 (結合性)を検 定する。この検定により、標的である M.アビゥムのゲノム DNA由来フラグメント群 (標 識 1)と、より特異的に反応する配列候補群を選定できる (例えば非特許文献 1等の 記載参照)。
[0081] 以上の方法により、 目的の、 M.アビゥム遺伝子の塩基配列と特異的にハイブリダィ ズするオリゴヌクレオチドを選別することができる。以下にマイクロアレイ法を用いた、 本発明のオリゴヌクレオチドの選定方法の一例について詳説する。
[0082] ( 1 ) M.アビゥム由来精製ゲノム DNAの調製
まず、 M.アビゥム由来精製ゲノム DNAを得る。例えば市販の M.アビゥム由来ゲノ ム DNAを入手してもよいし、常法により M.アビゥム菌株から DNAを抽出.精製しても よい。また、業者に M.アビゥム菌株からゲノム DNAを抽出 ·精製を依頼し、それを入 手してもよい。
[0083] 市販の M.アビゥム由来精製ゲノム DNAとしては、例えば、 M.アビゥム由来の geno mic DNA(Mycos Research社 (米国)製)等がある。
[0084] 市販の M.アビゥムの精製 DNAは、そのまま使用してもよいが、市販のキット等を用
V、て通常の核酸増幅反応を行い、得られた増幅産物を用いてもよ!/、。
[0085] M.アビゥム菌株から精製ゲノム DNAを得るには、 M.アビゥム菌株を、常法(例えば オートクレーブ処理とガラスビーズ等を用いて菌体を粉砕処理する方法。 )によって 破砕処理した後、常法に従って、 DNAの抽出、精製を行えばよい。
[0086] (2) Whole Genome Shotgun Libraryの作製
Μ·アビゥムの Whole Genome Shotgun Libraryの作製を行う方法の一例として、 Vent er et al., Science. 2001 Feb 16;291(5507): 1304-1351に記載の Whole Genome Shot gun法を改変した方法を、以下に説明する。
[0087] まず、上記 (1)で得られた M.アビゥム由来精製ゲノム DNAを、適当な緩衝液等で希
釈した後、例えば終濃度 20%のグリセロール存在下で、 5kPa〜9kPaの圧力下で、ネビ ュライザ一を用いて約 1〜; 15分間処理し、 DNAの断片化処理を行う。この処理により 、 目的とする 500〜1000bpのサイズの画分(DNA断片)を効率よく回収する事ができ る。得られた画分を市販の抽出カラムを利用して精製する。
[0088] その後、常法に従い、得られた画分 (DNA断片。 目的の DNA断片を含む。)を、ラ ィゲーシヨンによってベクター DNAに組み込み、組み換え DNA(M.アビゥムの Whol e enome Shotgun Library)をネ守る。
[0089] そのために用いられるベクター DNAとしては、後で形質転換する宿主細胞が大腸 菌の場合には、例えば、 pBS [例えば pBSII sk+ベクター (Stratagene社)]、 pQE-TRIプ ラスミド(Qiagen社製)、 pBluescript, pET、 pGEM_3Z、 pGEX等のベクターが挙げられ る。用いるベクターの種類によっては、ライゲーシヨンの前に、予め DNA断片を、 DN Aポリメラーゼで処理して、 DNA断片の末端を平滑化処理してもよ!/、。
[0090] 次いで、得られた組み換え DNAを用いて、適当な宿主細胞を形質転換して形質 転換体を得る。
[0091] そのために用いられる宿主細胞としては、例えば、大腸菌(Escherichia.coli)が挙げ られ、好ましくは JM109、 DH5 a、 TOP10等が挙げられる。この他、よりプラスミドゃファ ージ DNAの導入効率の高い、 Competent Cell (コンビテントセル)を用いても良い。 例えば、 E^ JMICW Competent Cells (タカラバイオ社製)等が挙げられる。
[0092] 宿主細胞の形質転換は、例えば、 D.MMorrisonの方法(Method in Enzymology, 6 8, 326-331,1979)等により行うことができる。また、市販の Competent Cellを用いる場 合には、その製品プロトコールに従って、形質転換を行えばよい。
[0093] 「目的の DNA断片を組み込んだ組換え DNA」が導入された形質転換体を選別す る方法として、例えば、形質転換のために用いたベクターの性質を利用する方法が ある。例えば、アンピシリン耐性遺伝子を含有するベクターを用いた場合には、アンピ シリンを含有する培地上で形質転換体を培養し、得られたクローンを選択することに より、 目的の DNA断片を組み込んだ組換え DNAが導入された、形質転換体(M.ァ ビゥムのゲノム DNA由来の Whole Genome Shotgun clone Library)が容易に得られる
〇
[0094] (3)マイクロアレイ作製
続いて、下記の方法でマイクロアレイを作製する。
[0095] すなわち、上記 (2)で得られた形質転換体の Library (M.アビゥムのゲノム DNA由来 の Whole Genome Shotgun clone Library)から常法に従い DNAを精製する。精製し た DNAを铸型として用い、適当なプライマー [市販のプライマーで良い。例えば M13 Primer Ml (タカラバイオ社製)及びプライマー M13 Primer RV (タカラバイオ社製)等]を 用い、常法に従って PCRを行った後、得られた PCR増幅産物を精製する。次いで常 法に従って、精製した PCR増幅産物をマイクロアレイ用スライドガラス上にスポットす る。これに UV照射(60mJ〜300mJん m2)を行ない、スライドガラス上に PCR増幅産物( ターゲットの M.アビゥム由来ゲノム DNAを含む)を固定して、マイクロアレイを作成す
[0096] 尚、得られたマイクロアレイ上の、 M.アビゥム遺伝子の塩基配列と特異的にハイブリ ダイズする DNAフラグメントが含まれるスポットを選択するために、必要に応じコント口 ールサンプルを上記のマイクロアレイ上に並列させて固定化してもよい。
[0097] 例えば区別したい生物種由来のゲノム DNAフラグメント [例えば rpsl (特許文献 1)等 の Μ·イントラセルラーのもつ配列の DNAフラグメント、 ATS2 sequence (特開平 11-1 55589号公報)等の M^lmnsa に特異的な塩基配列の DNAフラグメント、例えば大腸 DNA等のマイコバクテリウム属菌以外の菌由来の DNA]や、特異性を比較 .評価す るための指標となる公知の DNAフラグメント [例えば MAV19K (特許文献 1)等の、 M. アビゥムが持つ公知の塩基配列の DNAフラグメント]を用い、上記のスライドガラス上 の shotgunクローン由来 PCR産物と並列させて固定する。これをコントロールスポットと して用いることにより、 M.アビゥム遺伝子の塩基配列と特異的にハイブリダィズする D NA断片のスポットを選択する、検定の精度を高める事ができる。
[0098] (4)標的ゲノム DNAの蛍光色素標識
i)標的ゲノム DNAの蛍光色素標識
例えばへキシルァミノ- UTPを用いた間接標識法等の常法により、例えば上記 (1)の 方法で得られた M.アビゥム由来精製ゲノム DNAを標識物質で標識する。また、対照 用ゲノム (例えば M.イントラセルラー等の非結核型抗酸菌、ゥシ型結核菌等の結核菌
等) DNAを、上記の M.アビゥム由来精製ゲノム DNAを標識する標識物質とは異なる 標識物質で標識する。
[0099] 上記の DNAの標識に用いられる標識物質としては、通常この分野で用いられる標 識物質が挙げられるが、汎用されている標識物質としては、 Cy3 (アマシャムバイオサ ィエンス株式会社商品名)、 Cy5 (アマシャムバイオサイエンス株式会社商品名)、 Ale xa555 (インビトロジェン社商品名)、 Alexa647 (インビトロジェン社商品名)等が挙げら れる。
[0100] 例えば DeRisi研究室(www.microarrays.org)が発表したプロトコールを改変した間 接標識法で、標識物質として Cy3と Cy5を用いた標識方法を例にとって説明する。こ の方法は、まず、酵素伸長反応を行い、アミノ基をもつ a UTPを分子内に取り込ませ た DNA鎖を作成する。そしてその DNA鎖のアミノ基に蛍光色素(サクシニイミド体) を化学的に結合させて、 DNAを標識するという方法である。
[0101] すなわち、まず、出発材料 (Μ·アビゥム由来ゲノム DNA及び対照用ゲノム DNA) を、常法に従い熱変性処理する [BioPrime DNA labeling system (インビトロジェン社 製)等の巿販キットを用いてもよい]。次いで、熱変性処理物に、 DTT 2 1、 dATP/dC TP/dGTPの混合液、 dTTP、 Ha-dUTP, Klenow酵素を添加し、 37°Cで 3時間程度の 伸長反応を行う。得られた反応産物を限外ろ過カラムにのせ OOOrpmで 4分程度遠 心した後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機等を用いて完全 に乾燥させる。次に、乾燥させた上記反応産物に NaHCO を加えて混合し、 2〜3分 常温静置する。
[0102] 別に Cy3 (または Cy5)を DMSOに溶かしたものを調製(Cy-dye Solution Cy3、 Cy-d ye Solution Cy5)する。この Cy-dye Solution Cy3を対照用ゲノム由来 DNAを用いて 得られた上記反応産物に加える。また、 Cy-dye Solution Cy5を M.アビゥム由来ゲノ ム DNAを用いて得られた上記反応産物に加える。それぞれの反応産物を 40°Cで 60 分程度、遮光下にインキュベートする。さらに、それぞれの反応産物に 4M NH OHを 加え、攪拌後に 15分程度、遮光下にインキュベートして、それぞれのゲノム由来 DN Aの標識産物を得る。その後、得られた標識産物を、限外ろ過カラムにのせ、 14000r pmで 4分程度遠心した後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機
で完全に乾燥させる。
[0103] ii)標識産物の断片化工程
上記 (4)i)で得られた乾燥状態の各ゲノム由来 DNAの標識産物に対して、 0.04M Tr is_acetate(pH8.1)、 0.1M酢酸カリウム、 0.03M酢酸マグネシウム四水和物の組成の 溶液を調製したものを加える。該溶液に乾燥状態のゲノム由来 DNAの標識産物を 懸濁混和させる。 94°Cで 15分間程度加熱処理し、 100base〜300 baseの、各ゲノム 由来 DNAの標識産物の、断片化生成物を得る(Cy3標識産物、 Cy5標識産物)。
[0104] 得られた Cy3標識産物及び Cy5標識産物の各々を限外ろ過カラムにのせ OOOrpm
で 4分程度遠心した後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機等 で完全に乾燥させる。
[0105] 次いで、このマイクロチューブに、 salmon sperm DNA(10mg/mL)、 formamideを含 有し、 ArrayHyb Hybridization buffer (SIGMA社製)で全量を 40〜50 1に調整した試 薬溶液(後に使用するマイクロアレイのカバーガラスが 24 X 55mmの大きさの場合の 組成である)を加え、上記で得た乾燥物を同一の溶液中で懸濁混和後、 95°Cで 5分 程度インキュベートし、 Cy3Cy5標識産物混合溶液(M.アビゥム由来ゲノム DNAの C y5標識産物の断片化生成物と M.イントラセルラー由来ゲノム DNAの Cy3標識産物 の断片化生成物の混合溶液)を調製する。続く (5)のマイクロアレイ'ハイブリダィゼー シヨンに用いるまで 70°Cに保っておく。
[0106] (5)マイクロアレイ'ノヽィブリダィゼーシヨン(アレイ上での DNA-DNA hybridization)
次に、 Μ·アビゥム由来ゲノム DNAの Whole Genome Shotgun cloneのマイクロアレイ に対して、常法により Cy3Cy5標識産物のハイブリダィゼーシヨンを行う。
[0107] 例えば、上記 (3)の工程で得られた、 M.アビゥム由来ゲノムの Whole Genome Shotg un cloneのマイクロアレイ上に、上記 (4)ii)で調製した Cy3Cy5標識産物混合溶液をの せ、カバーガラスをかぶせる。これをハイブリカセットにセットした後、 65°Cで 8時間以 上、遮光下に反応させて、ハイブリダィゼーシヨンを行う。ハイブリダィゼーシヨン後、 マイクロアレイをカバーグラスごと 2 X SSC_0.1%SDS溶液に室温で浸し、カバーグラス をはずす。 1 X SSC、 0.03%SDS溶液(60°C)で 10分間洗浄、 0.2 X SSC溶液(42°C) で 10分間洗浄、 0.05 X SSC溶液(室温)で約 10分間洗浄後、 800prmで約 5分間遠
心を行って乾燥させる。
[0108] (6)蛍光強度の測定;シグナル検出から数量化まで
蛍光読み取りスキャナーを用いて、上記 (5)で得られたマイクロアレイ'ハイブリダィ ゼーシヨン処理したマイクロアレイ上の蛍光強度を測定する。この際、 Cy3及び Cy5の 、 2チャンネルでの蛍光強度を測定して、蛍光検出データを得る。蛍光シグナルの数 量化を行うには、市販の DNAチップ発現イメージ解析ソフトウェア等を用いればよい 。そして、ソフトの操作手順に従って、スポット自動認識、バックグラウンド計算、蛍光 強度比の正規化を行えば良い。
[0109] ハイブリダィゼーシヨンに用いた Cy5標識産物は、 Μ·アビゥム由来ゲノム DNAを標 識した DNAフラグメント群であり、 Cy3標識産物は対照用ゲノム DNAを標識した DN Aフラグメント群である。そのため、マイクロアレイ上のあるスポットの Cy3と Cy5のそれ ぞれの蛍光強度を測定した結果、 Cy3に対する Cy5の蛍光強度比が高い場合には、 そのスポットの DNA断片(PCR産物)は、 Cy5標識産物、すなわち M.アビゥム由来の ゲノム DNAとより強くハイブリダィズしたということを示す。そして、その DNA断片(P CR産物)は、 M.アビゥムに対する特異性が高いと判断される。
[0110] 他方、あるスポットの Cy3と Cy5のそれぞれの蛍光強度を測定した結果、 Cy3に対す る Cy5の蛍光強度比が低い場合は、そのスポットの DNA断片(PCR産物)は、 Cy3標 識産物、すなわち対照用ゲノム DNAとの交叉反応が観察されたことを示す。この場 合と、 Cy3及び Cy5の蛍光の強さが同程度だった場合と、 Cy3及び Cy5のどちらの蛍 光も検出されなかった場合には、そのスポットの DNA断片(PCR産物)は、 M.アビゥ ムに対する特異性が低いと判断される。
[0111] そこで、例えばマイクロアレイ上で検出された Cy3/Cy5の蛍光強度比(Ratio)を基に 、例えば、散布図 (スキヤッタープロット)を作成する等して、結果を解析する。そして、 M.アビゥムに特異的な配列のスクリーニングを行う。
[0112] スクリーニングを行った候補の中から、 Cy3/Cy5 Ratioの数値解析の結果、有意に M.アビゥム特異的なシグナルが得られ(Cy5の蛍光強度が強!/、場合)たスポット(クロ ーン)を選択する。
[0113] 尚、マイクロアレイ上に上記したようなポジティブコントロール及びネガティブコント口
ールがスポットされて!/、る場合には、夫々のコントロールの Cy3Cy5蛍光強度を測定 する。そして、その蛍光強度の傾向をみれば、より正確に目的のスポットを選択できる
[0114] 例えば、スクリーニングを行った候補の中から、 Cy3/Cy5 Ratioの数値解析の結果、 有意に M.アビゥムに特異的なシグナルが得られ(Cy5の蛍光強度が強い場合)、な おかつ上述の M.アビゥムのポジティブコントロールのスポットに比べて Ratioの数値が 大き!/、(Cy5の蛍光強度が強!/、)スポット(クローン)を選択する。
[0115] 次いで、通常この分野で用いられているシークェンサ一等の機器を利用し、常法に 従い、得られた候補クローンの塩基配列決定を行えばよ!/、。
[0116] 本発明に係る M.アビゥム検出用プライマーとしては、配列番号 1、配列番号 2、配 列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列 番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132 、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩 基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4 、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41 、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列 番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補 配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダ ィズするオリゴヌクレオチドを含有するプライマーが挙げられる(以下、本発明のブラ イマ一と記載する場合がある。)。
[0117] また、本発明のプライマーは、 PCR (リアルタイム PCRを含む)等の核酸増幅反応、 核酸ノヽイブリダィゼーシヨン等の条件に合わせて、配列番号 1、配列番号 2、配列番 号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配 列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基 配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、 配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、 配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列
番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補 配列の一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチドの中から、解離温度 (Tm値) などを考慮して、適当な領域の適当な長さを選択して設計すればよい。
[0118] 好ましくはプライマー配列としての特異性を維持するために必要な塩基数と考えら れている 10〜50塩基、より好ましくは 10〜35塩基、更に好ましくは 18〜25塩基の 長さを有して!/、るオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0119] プライマーを設計するには、プライマー設計のために一般に用いられているソフト や、例えばプライマーデザイン用の Webツール Primer3 (Whitehead Institute for Biom edical Research.)等を用いればよい。
[0120] 本発明のプライマーに用いられる、配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番 号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番 号 41及び配列番号 42から選択される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、 配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 1 31、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 13 6から選択される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M. アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチド(本発明のオリゴヌ クレオチド)の具体例は、上記の本発明のオリゴヌクレオチドの説明に於いて記載し たものと同じである。
[0121] 本発明のプライマーの具体例としては、例えば配列番号 6〜32、配列番号 43〜12 9及び配列番号 137〜205から選択される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列 番号 6〜32、配列番号 43〜129及び配列番号 137〜205から選択される塩基配列 に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配 列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドを含有するものが挙げられる。
[0122] 好ましいプライマーとしては、配列番号 6〜23、配列番号 43〜100、及び配列番号 137〜; 182から選択される塩基配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.アビゥム 遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチド、又は配列番号 6〜23、配 列番号 43〜; 100、及び配列番号 137〜; 182から選択される塩基配列に対する相補
配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダ
[0123] より好ましいプライマーとしては、酉己歹 IJ番号 6、 7、 10—17, 22、 23、 57—72, 75 〜94、 137〜205から選択される塩基配列の一部若しくは全部を含有するプライマ 一、又は酉己歹 IJ番号 6、 7、 10—17, 22, 23、 57—72, 75—94, 137〜205力、ら選択 される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有するプライマーが挙げ られる。
[0124] 更により好ましいプライマーとしては、酉己歹 IJ番号 6、 7、 10—17, 22、 23、 59—72, 75〜78、 81-94, 137〜205から選択される塩基配列の一部若しくは全部を含有 するプライマー、又は酉己歹 IJ番号 6、 7、 10—17, 22、 23、 59—72, 75—78, 81— 9 4、 137〜205から選択される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含 有するプライマーが挙げられる。
[0125] なお更により好ましいプライマーとしては、配列番号 137〜205から選択される塩基 配列の一部若しくは全部を含有するプライマー、又は配列番号 137〜205から選択 される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有するプライマーが挙げ られる。その中でも、配列番号 137〜; 182から選択される塩基配列を含有するプライ マー、又は配列番号 137〜; 182から選択される塩基配列に対する相補配列を含有 するプライマーが挙げられる。
[0126] 尚、配列番号 6〜9で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 1で表 される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0127] 配列番号 10〜; 11で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 2で表さ れる塩基配列をもとに設計されたものである。
[0128] 配列番号 12〜; 13で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 3で表さ れる塩基配列をもとに設計されたものである。
[0129] 配列番号 14〜21で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 4で表さ れる塩基配列をもとに設計されたものである。
[0130] 配列番号 22〜23で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 5で表さ れる塩基配列をもとに設計されたものである。
[0131] 配列番号 43〜54で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 37で表 される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0132] 配列番号 55〜66で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 38で表 される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0133] 配列番号 67〜74で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 39で表 される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0134] 配列番号 75〜82で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 40で表 される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0135] 配列番号 83〜92で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 41で表 される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0136] 配列番号 93〜; 100で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 42で 表される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0137] 配列番号 137〜; 144で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 130 で表される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0138] 配列番号 145〜; 148で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 131 で表される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0139] 配列番号 149〜; 158で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 132 で表される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0140] 配列番号 159〜; 164で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 133 で表される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0141] 配列番号 165〜; 170で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 134 で表される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0142] 配列番号 171〜; 174で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 135 で表される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0143] 配列番号 175〜; 182で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 136 で表される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0144] また、配列番号 1で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 6〜
9で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 6(003Fw— 1) :804位〜 823位、
配列番号 7(003Rv— 1) :707位〜 725位、
配列番号 8(003Fw— 2) :20位〜 37位、
配列番号 9 (003Rv— 2): 136位〜 153位。
[0145] 配列番号 2で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 10〜11 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 10(007Fw— 1) :3位〜 21位、
配列番号 11 (007Rv— 1): 122位〜 139位。
[0146] 配列番号 3で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 12〜13 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 12(llFw_l) :481位〜 500位、
配列番号 13(llRv_l) :346位〜 366位。
[0147] 配列番号 4で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 14〜21 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 14 (12Fw_l): 12位〜 32位、
配列番号 15(12Rv— 1) :143位〜 161位、
配列番号 16 (12Fw_4): 126位〜 145位、
配列番号 17 (12Rv— 4) :287位〜 308位、
配列番号 18(12Fw_2) :448位〜 465位、
配列番号 19(12Rv_2) :559位〜 579位、
配列番号 20(12Fw_3) :293位〜 312位、
配列番号 21 (12Rv_3) :452位〜 472位。
[0148] 配列番号 5で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 22〜23 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 22 (04Fw— 1): 574位〜 594位、
配列番号23(041^—1):397位〜417位。
[0149] 配列番号 37で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 43〜54 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 43 (REOlFw— 01): 765位〜 783位、
配列番号 44 (REOlRv— 01): 891位〜 910位、
配列番号 45 (RE01FW— 02): 813位〜 830位、
配列番号 46 (RE01Rv_02): 961位〜 978位、
配列番号 47 (REOlFw— 03): 204位〜 221位、
配列番号 48 (REOlRv— 03): 386位〜 403位、
配列番号 49 (REOlFw— 04) : 68位〜 87位、
配列番号 50 (REOlRv— 04): 190位〜 207位、
配列番号 51 (REOlFw— 05) : 386位〜 403位、
配列番号 52 ( RE01 Rv— 05 ): 517位〜 535位、
配列番号 53 (RE01Fw_06): 615位〜 635位、
配列番号 54 (REOlRv— 06): 734位〜 751位。
[0150] 配列番号 38で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 55〜66 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである
配列番号 55 (RE04Fw— 01) : 206位〜 '224位、
配列番号 56 (RE04Rv— 01) : 360位〜 378位、
配列番号 57 (RE04Fw— 02) : 35位〜 52位、
配列番号 58 (RE04Rv— 02) : 206位〜 224位、
配列番号 59 (RE04Fw_03) : 611位へ '630位、
配列番号 60 (RE04Rv— 03) : 744位〜 762位、
配列番号 61 (RE04Fw_04) : 570位へ '589位、
配列番号 62 (RE04Rv_04) : 727位〜 746位、
配列番号 63 (RE04Fw— 05) : 435位へ '453位、
配列番号 64 (RE04Rv_05) : 572位〜 593位、
配列番号 65 (RE04Fw— 06) : 748位へ ,767位、
配列番号 66 (RE04Rv— 06) : 890位〜 909位。
[0151] 配列番号 39で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 67〜74 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 67 (RE10Fw_02): 783位〜 800位、
配列番号 68 (RE10Rv_02): 879位〜 896位、
配列番号 69(RE10Fw_03): 59位〜 77位、
配列番号 70 (RE10Rv_03): 239位〜 257位、
配列番号 71 (RE10Fw_04): 590位〜 607位、
配列番号 72 (RE10Rv_04): 789位〜 809位、
配列番号 73 (RE10Fw_05): 377位〜 396位、
配列番号74(1¾101^_05):501位〜518位。
[0152] 配列番号 40で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 75〜82 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 75 (REllFw.Ol): 264位〜 281位、
配列番号 76(REllRv— 01) :379位〜 397位、
配列番号 77(REllFw— 02) :106位〜 123位、
配列番号 78(REllRv— 02) :278位〜 296位、
配列番号 79 (REllFv— 03): 375位〜 392位、
配列番号 80(REllRv— 03) :531位〜 548位、
配列番号 81 (REllFw— 04) :526位〜 543位、
配列番号 82(REllRv— 04) :709位〜 726位。
[0153] 配列番号 41で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 83〜92 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 83 (RE23Fw_01): 34位〜 53位、
配列番号 84(RE23Rv— 01): 157位〜 176位、
配列番号 85(RE23Fw— 02): 159位〜 178位、
配列番号 86 (RE23Rv_02): 305位〜 322位、
配列番号 87(RE23Fw— 03) :462位〜 481位、
配列番号 88 (RE23Rv_03): 584位〜 603位、
配列番号 89 (RE23Fw_04) :436位〜 453位、
配列番号 90 (RE23Rv_04): 535位〜 552位、
配列番号 91 (RE23FW— 05) : 279位〜 298位、
配列番号 92 (RE23Rv_05) : 401位〜 419位。
[0154] 配列番号 42で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 93〜; 10
0で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 93 (RE24Fw— 01): 328位〜 347位、
配列番号 94 (RE24Rv_01) : 414位〜 433位、
配列番号 95 (RE24Fw— 02): 178位〜 196位、
配列番号 96 (RE24Rv— 02): 328位〜 347位、
配列番号 97 (RE24Fw_03): 103位〜 120位、
配列番号 98 (RE24Rv— 03): 274位〜 291位、
配列番号 99 (RE24FW— 04): 387位〜 406位、
配列番号 100 (RE24Rv_04): 537位〜 555位。
[0155] 配列番号 130で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 137〜
144で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 137 (Mac_06FwO 1 ): 88位〜 105位、
配列番号 138 (Mac_06Rv01): 223位〜 241位、
配列番号 139 (Mac—06Fw02): 156位〜 175位、
配列番号 140 (Mac— 06Rv02) : 312位〜 331位、
配列番号 141 (Mac_06Fw03) : 460位〜 478位、
配列番号 142 (Mac_06Rv03): 604位〜 623位、
配列番号 143 (Mac_06Fw04): 604位〜 623位、
配列番号 144 (Mac_06Rv04): 743位〜 760位、
[0156] 配列番号 131で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 145〜
148で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 145 (Mac—10Fw01) : 94位〜 113位、
配列番号 146 (Mac— lORvOl): 228位〜 245位、
配列番号 147 (Mac— 10Fw02): 280位〜 299位、
配列番号 148 (Mac—10Rv02) : 453位〜 472位、
[0157] 配列番号 132で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 149〜
158で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 149(Mac—llFw01) :71位〜 88位、
配列番号 150 (Mac— llRvOl) :228位〜 248位、
配列番号 151(Mac—llFw02) :477位〜 496位、
配列番号 152 (Mac— 11RV02) :596位〜 615位、
配列番号 153 (Mac— 11FW03) :536位〜 554位、
配列番号 154(Mac_llRv03) :617位〜 635位、
配列番号 155 (Mac— 11FW04) :558位〜 575位、
配列番号 156 (Mac— 11RV04) :671位〜 688位、
配列番号 157 (Mac— 11FW05) :299位〜 316位、
配列番号 158 (Mac— 11RV05) :391位〜 410位、
[0158] 配列番号 133で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 159〜
164で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 159 (Mac— 12Fw01) :271位〜 290位、
配列番号 160(Mac—12Rv01) :416位〜 433位、
配列番号 161 (Mac— 12Fw02) :603位〜 622位、
配列番号 162 (Mac— 12Rv02) :747位〜 765位、
配列番号 163(Mac—12Fw03) :58位〜 75位、
配列番号 164(Mac_12Rv03) :198位〜 216位、
[0159] 配列番号 134で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 165〜
170で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 165(Mac_13Fw01) :108位〜 126位、
配列番号 166 (Mac_13Rv01): 288位〜 305位、
配列番号 167(Mac_13Fw02) :321位〜 339位、
配列番号 168(Mac—13Rv02) :453位〜 472位、
配列番号 169 (Mac— 13Fw03) :576位〜 595位、
配列番号 170 (Mac— 13Rv03) :720位〜 739位、
[0160] 配列番号 135で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 17;!〜
174で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 171 (Mac— 15Fw01) : 233位〜 250位、
配列番号 172 (Mac— 15Rv01) : 326位〜 346位、
配列番号 173 (Mac—15Fw02) : 442位〜 460位、
配列番号 174 (Mac_15Rv02) : 527位〜 546位、
[0161] 配列番号 136で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 175〜
182で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 175 (Mac— 16Fw02) : 848位〜 867位、
配列番号 176 (Mac_16Rv02): 952位〜 969位、
配列番号 177 (Mac— 16Fw03) : 135位〜 152位、
配列番号 178 (Mac_16Rv03): 222位〜 240位、
配列番号 179 (Mac— 16Fw05) : 544位〜 562位、
配列番号 180 (Mac— 16Rv05) : 669位〜 688位、
配列番号 181 (Mac— 16Fw07): 703位〜 720位、
配列番号 182 (Mac— 16Rv07) : 792位〜 812位、
[0162] 尚、上記において、各配列番号の後の( )内に、本発明で命名したプライマーの名 称を示す。
[0163] 本発明のプライマーを得る方法は、上記の本発明のヌクレオチドを得る方法に於い て記載した通りである。
[0164] また、本発明のプライマーは、標識物質で標識されていてもよい。
[0165] 本発明のプライマーを標識する方法としては、この分野で通常行われているオリゴ ヌクレオチドの標識方法が挙げられ、標識物質ごとに適宜方法を選択すればよ!/、。
[0166] 本発明のプライマーを標識物質で標識するために用いられる標識物質としては、放 射性同位体や酵素、蛍光物質、発光物質、ビォチンなど公知の標識物質であれば ί可れあ用いること力でさる。
[0167] 例えば、放射性同位体としては32 Ρ, 33P, 3 等、酵素としてはアルカリホスファターゼ
,西洋ヮサビペルォキシダーゼ等、蛍光物質としては Cyanine Dye系の Cy3, Cy5 (ァ
マシャムバイオサイエンス株式会社)や、 Alexa555、 Alexa647 (インビトロジェン社)フ ノレォレセイン等、発光物質としては Acridinium Esterを含む化学発光試薬等が挙げら れる。
[0168] 本発明のプライマーを放射性同位体により標識する方法としては、プライマーを合 成する際に、放射性同位体で標識されたヌクレオチドを取り込ませることによって、プ ライマーを標識する方法や、プライマーを合成した後、放射性同位体で標識する方 法等が挙げられる。具体的には、一般によく用いられているランダムプライマー法、二 ックトランスレーション法、 T4ポリヌクレオチドキナーゼによる 5'—末端標識法、ターミ ナルデォキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いた 3'—末端標識法、 RNAラベ リング法等が挙げられる。
[0169] 本発明のプライマーを酵素で標識する方法としては、アルカリホスファターゼ,西洋 ヮサビペルォキシダーゼ等の酵素分子を、標識するプライマーに直接共有結合させ る等の、この分野に於ける常法である直接標識法が挙げられる。
[0170] 本発明のプライマーを蛍光物質で標識する方法としては、例えばフルォレセイン標 識したヌクレオチドをこの分野に於ける常法の標識手法によりプライマーに取り込ま せる方法が挙げられる。また、リンカ一アームを有するヌクレオチドを配列中のオリゴ ヌクレオチドと置換する方法(例えば、 Nucleic Acids Res.,1986年,第 14巻, ρ·6115参 照)でもヌクレオチドを蛍光物質で標識することができる。その場合、 5位にリンカーァ ームを有するゥリジンを特開昭 60-500717号公報に開示された合成法によりデォキ シゥリジンから化学合成し、上記オリゴヌクレオチド鎖に蛍光物質を導入する方法もあ
[0171] 本発明のプライマーを発光物質で標識する方法及びビォチンで標識する方法とし ては、通常この分野で行われて!/、るヌクレオチドを発光標識又はビォチン標識する 常法が挙げられる。
[0172] 本発明に係る Μ.アビゥム検出用プローブとしては、配列番号 1、配列番号 2、配列 番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番 号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、 配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩
基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4 、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41 、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列 番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補 配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダ ィズするオリゴヌクレオチド (本発明のオリゴヌクレオチド)を含有するプローブが挙げ られる(以下、本発明のプローブと記載する場合がある。)。
[0173] 本発明のプローブは、 PCR (リアルタイム PCRを含む)等の核酸増幅反応、核酸ノ、 イブリダィゼーシヨン等の条件に合わせて、配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配 列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配 列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列の 一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチド、又は配列番号 1、配列番号 2、配列 番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番 号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、 配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩 基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチドから、解 離温度 (Tm値)などを考慮して、適当な領域の適当な長さを選択して使用すればよ い。但し、プローブに十分な特異性を持たせたいのならば、プローブ配列としての特 異性を維持するために必要な塩基数を考慮して設計することが望ましレ、。
[0174] 例えば、核酸ハイブリダィゼーシヨン法(例えばサザン 'ハイブリダィゼーシヨン等) 等に用いるプローブとしては、 10〜700塩基、好ましくは 100〜600塩基、更に好ま しくは 200〜500塩基の長さを有して!/、るプローブが好まし!/ヽ。
[0175] また、例えばリアルタイム PCR増幅法(例えば TaqMan™法、 Molecular Beacon法等 )等に用いるプローブとしては、 10〜50塩基、好ましくは 15〜40塩基、更に好ましく は 20〜30塩基の長さを有して!/、るもの力 S挙げられる。
[0176] 本発明のプローブに用いられる、配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4 、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41
、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列 番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列の一部若しくは 全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番 号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列 番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは 全部を含有し、且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌタレ ォチド(本発明のオリゴヌクレオチド)の具体例は、上記の本発明のオリゴヌクレオチド の説明に於レ、て記載したものと同じである。
[0177] 本発明のプローブの好ましい具体例としては、配列番号 6〜32、配列番号 43〜12 9、及び配列番号 137〜205から選択される塩基配列の一部若しくは全部を含有し、 且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドを含有す るオリゴヌクレオチド、又は配列番号 6〜32、配列番号 43〜129、及び配列番号 13 7〜205から選択される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、 且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドを含有す るオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0178] より好ましいプローブとしては、酉己歹 IJ番号 6、 7、 10—17, 22—24, 26— 29, 32、 5 7〜72、 75—94, 108— 115, 117—126, 137〜205力、ら選択される塩基酉己歹 IJの 一部若しくは全部を含有するプローブ、又は配列番号 6、 7、 10-17, 22〜24、 26 〜29、 32、 57—72, 75— 94, 108— 115, 117—126, 137〜205力も選択される 塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有するプローブが挙げられる。
[0179] 更に好ましいプローブとしては、配列番号 137〜205から選択される塩基配列の一 部若しくは全部を含有するプローブ、又は配列番号 137〜205から選択される塩基 配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有するプローブが挙げられる。
[0180] 尚、配列番号 24〜32、酉己歹 IJ番号 101〜; 129、及び配列番号 183〜205から選択 される塩基配列又はこれらに対する相補配列は、本発明のプライマーを用いた PCR により増幅されるオリゴヌクレオチドの塩基配列である。フォワードプライマーとリバ一 スプライマーの組合せと、それを用いた PCRにより増幅される塩基配列の配列番号
を表 1に併せて示す。例えば、配列番号 24で表される塩基配列は、配列番号 6で表 される塩基配列のオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、配列番号 7で表され る塩基配列のオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして用いた PCRにより増幅さ れるオリゴヌクレオチドの塩基配列であることを示す。
[表 1]
[0182] 本発明のプローブを得る方法は、上記の本発明のヌクレオチドを得る方法に於いて 記載した通りである。
[0183] 本発明のプローブは、標識物質で標識されていてもよい。
[0184] 本発明のプローブを標識物質で標識するために用いられる標識物質としては、放 射性同位体や酵素、蛍光物質、発光物質、ビォチンなど公知の標識物質であれば ί可れあ用いること力でさる。
[0185] 本発明のプローブを標識物質で標識するために用いられる、標識物質の具体例及 び標識方法は、本発明のプライマーの標識方法の説明に於!、て記載したとおりであ
[0186] また、後述するリアルタイム PCRによる検出法に於いて用いられる標識プローブとし ては、本発明のプローブを、リアルタイム PCR法において通常用いられている標識物 質で標識したものが挙げられる。例えば、 5'末端がレポーター蛍光物質 [カルボキシ ン (ΤΕΤ)等]で標識され、 3'末端がクェンチヤ一色素 [例えばカルボキシテトラメチル口 ーダミン(TAMRA)等の蛍光物質、 Black Hole Quencher色素(BHQ) , 4-((4_(dimeth ylamino) phenyl)azo)benzoic acid (DABCYL)等の非蛍光物質]で標識された本発明 のプローブが挙げられる。
[0187] 後述する TaqMan™リアルタイム PCRによる検出法においても、上記した標識プロ一 ブを用いることができる。
[0188] 本発明に係る M.アビゥムの検出に用いられる試料 (被検試料)としては、喀痰,血 液,咽頭粘液, 胃液,気管支洗浄液,経気管支採取物,胸水などの穿刺液,尿,膿 等の各種臨床検体が挙げられる。また、検体から単離、培養された培養菌体、これら より単離、精製された核酸、又は核酸増幅検出系等で増幅された核酸でもよい。
[0189] 上記試料から DNAを抽出 ·精製するには、検体からの抗酸菌(結核菌) DNA抽出 に用いられる常法に従って行えばよい。
[0190] まず、試料中の結核菌の細胞壁を破壊する必要がある。その方法としては、例えば 菌体を試料とする場合には、例えば SDS等の界面活性剤や、グァニジンチオシァネ ート (GTC)等の蛋白変性剤で菌体を処理して結核菌の膜構造を破壊する方法、又 は菌体をガラスビーズ等によって物理的に破砕する方法等が挙げられる。
[0191] 喀痰を検体として用いる場合には、まず前処理として、米国疾病管理予防センター
(Centers for Disease Control and Prevention,略称 CDC)で推奨している NALC (N-
acety卜 L- cysteine) - NaOH法 (Kent PT, ubica GP, Pubric Health Mycobacteriolog y, A Guide for the Level III Laboratory, U.S. Department of Health and Human Servi ces, Public Health Service, Center for Disease Control, Atlanta, U.S.A., 1985年, . 31-55)による検体の均質化を行うのが望ましい。
[0192] 結核菌の細胞壁を破壊した後、この分野で一般的な DNAの調製法(フエノール'ク ロロホノレム由出、エタノーノレ沈殿法等 Rapid and simple method for purification of n ucleic acids, J. Clin. Microbiol., 1990, Mar;28 (3) , 495—503, Boom R, Sol CJ, Salima ns MM, Jansen CL, Wertheim— van Dillen PM, van der Noordaa J)、イソプロノ ノーノレ を用レ、て沈殿する方法等により DNAの抽出及び精製を行えばよ!/、。
[0193] DNAの抽出精製には、そのための様々なキットが市販されているので、それを用 いてもよい。例えば (株)キアゲン製イオン交換樹脂タイプ DNA抽出精製キット Geno mic-tip等を用レ、て DNAの抽出、精製を行えばよ!/、。
[0194] 検体から単離、培養された培養菌体を試料として用いる場合を例にとって示すと次 のとおりである。
[0195] 例えば小川培地上のコロニーを採取し、滅菌蒸留水に懸濁、遠心分離して菌体を 集めた後、蒸留水に再懸濁する。次いで菌体の懸濁液をオートクレープ処理した後 、菌体の粉砕処理 (ガラスビーズによる物理的破砕等)を行い、さらに遠心分離して 上清を回収する。得られた上清から、上記した方法で DNAを抽出 ·精製すればよい
〇
[0196] 本発明に係る M.アビゥムの検出方法としては、配列番号 1、配列番号 2、配列番号
3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40 、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列 番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配 列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配 列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配 列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番 号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補配 列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズ
するオリゴヌクレオチド(本発明のオリゴヌクレオチド)をプライマー又は/及びプロ一 ブとして用いる方法 (本発明のプライマー又は/及びプローブを用いる方法)が挙げ られる。
[0197] 例えば、
(A)本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて核酸増幅反応を行!/、、得ら れたプライマー伸長産物を検出する方法、
(B)本発明のオリゴヌクレオチドを標識物質で標識したものを標識プローブとして用 いる方法、
等が挙げられる。以下に、夫々の方法について説明する。
[0198] (A)本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて核酸増幅反応を行い、得ら れたプライマー伸長産物を検出する方法
[0199] (A)の方法において、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて核酸増 幅反応を行う方法としては、例えば、本発明のプライマーを用い、試料中の核酸を铸 型として用いて DNAポリメラーゼ等による核酸増幅反応 [例えばポリメラーゼ連鎖反 応(PCR)法(特開昭 60- 281号公報)、 LAMP (Loop-mediated Isothermal Amplificat ion)法(Tsugunori Notomi et al., Nucleic Acid Res., 28, e63, 2000)、 ICANTM (Isoth ermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)法 (臨床病理, 51 (11), 1061-1067, 2003, Nov)、 LCR(ligase chain reaction)法(特開平 4-211399号)、 S DA(strand displacement amplification)法(特開平 8-19394号)]を行ってプライマー伸 長させる方法が挙げられる。これにより M.アビゥムの塩基配列の特定の領域の配列 を増幅させることができるので、得られたプライマー伸長産物を測定することにより、 M.アビゥムを検出することができる。
[0200] 上記の核酸増幅反応を行う方法の中でも、 PCR法が最も一般的な方法として挙げ られ、 PCR法の例としては、例えばリアルタイム増幅検出法 (例えば米国特許第 5210 015号、米国特許第 5538848号の記載参照)を用いることができる。また、リアルタイム 増幅検出法による検出法の例として、例えばリアルタイム PCR検出法が挙げられる。
[0201] リアルタイム PCR検出法の例としては、 TaqMan™リアルタイム PCR法(例えば米国 特許第 5538848号の記載参照)、 MGB Eclipse Probe System法(例えば米国特許第 5
,801, 155号の記載参照)、 Molecular Beacons Probe Technology法(例えば米国特許 5925517号の記載参照)、 LUX Fluorogenic Primer法 (Invitrogen Corporation)、 Q uenching probe-PCR (QP)法(例えば米国特許第 6,492, 121号の記載参照)等が挙 げられる。
[0202] PCR等の核酸増幅反応において用いられる本発明のプライマーの具体例は、上 記したとおりである。
[0203] また、核酸増幅反応に用いられる、好ましいフォワードプライマーとリバースプライマ 一の組合せとしては、上記表 1で示される組合せが挙げられる。
[0204] その中でも好ましいフォワードプライマーとリバースプライマーの組合せとしては、例 えば下記表 2に記載の組み合わせが挙げられる。
[0205] 表 2において、例えば番号 1の組み合わせは、「フォワードプライマーが配列番号 6 で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドで、リバースプライマーが配列番号 7で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドである組合せ。」を示す。
[0206] [表 2]
フ才!-ド ライマ- リハ、 '一ス 7°ライマー フォワ-ドフ°ライマ- リハ、 '一ス 7°ライマー
1 配列番号 6 配列番号 7 25 配列番号 137 配列番号 138
2 1 0 1 1 26 139 1 40
3 1 2 1 3 27 14 1 1 42
4 1 4 1 5 28 143 1 44
5 1 6 1 7 29 145 1 46
6 22 23 30 147 1 48
7 5 7 58 31 149 1 50
8 59 60 32 1 5 1 1 52
9 6 1 62 33 1 53 1 54
10 63 64 34 1 55 1 56
11 6 5 66 35 1 57 1 58
12 6 7 68 36 1 59 1 60
13 69 70 37 16 1 1 62
14 7 1 72 38 163 1 64
15 7 5 76 39 165 1 66
16 7 7 78 40 167 1 68
17 79 80 41 169 1 70
18 8 1 82 42 1 7 1 1 72
19 83 84 43 1 73 1 74
20 8 5 86 44 1 75 1 76
21 8 7 88 44 1 77 1 78
22 89 90 45 1 79 1 80
23 9 1 92 46 18 1 1 82
24 93 94
[0207] 上記プライマーを用いたリアルタイム PCR等の核酸増幅反応に用いられるその他 のデォキシリボヌクレオシド三リン酸(dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP)、 DNAポリメラー ゼ等の試薬は、通常この分野で用いられているものを用いればよぐその条件、手法 等は、本発明のプライマー及びプローブを用いる以外は、 PCR法の一般的なプロト コノレに従つてネ亍えばよい。
[0208] 核酸増幅反応で得られたプライマー伸長産物を検出する方法は、通常この分野で 行われて!/、る常法で良ぐ限定されるものではな!/、。
[0209] 例えばインターカレーター法、 TaqMan™リアルタイム PCR法(例えば米国特許第 55 38848号の記載参照)、 MGB Eclipse Probe System法(例えば米国特許第 5,801,155
号の記載参照)、 Molecular Beacons Probe Technology法(例えば米国特許第 59255 17号の g己載参照)、 LUX Fluorogenic Primer法 (Invitrogen Corporation)、 Quenching probe-PCR (QP)法 (例えば米国特許第 6,492, 121号の記載参照)、核酸増幅反応 を行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、その結果に基 づレ、て行う方法、標識プライマーを用いた核酸増幅反応を行って得られたプライマー 伸長産物の標識を測定する方法等、様々な検出法が挙げられる。
[0210] これらのうち、一般によく用いられる方法としては、例えば、以下の方法が挙げられ
[0211] (A— 1)インターカレーター法、
(A- 2) TaqMan™リアルタイム PCR法 (TaqMan™プローブ法)、
(A— 3)核酸増幅反応を行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動 を行い、その結果に基づいて行う方法、
(A— 4)標識プライマーを用いた核酸増幅反応を行!/、、得られたプライマー伸長産 物の標識を測定する方法。
[0212] 以下に、夫々の方法について説明する。
[0213] (A— 1)インターカレーター法
公知のインターカレーターを利用してリアルタイム PCRを行う、通常のインターカレ 一ター法が利用できる。
[0214] 例えば、本発明のプライマーと、インターカレーターを用い、通常のインターカレー ター法を利用したリアルタイム PCRを行う方法が挙げられる。
[0215] すなわち、インターカレーターは、二本鎖 DNAに特異的に結合して蛍光を発する 試薬であり、励起光を照射すると蛍光を発する。 PCR反応によって増幅を繰り返して DNAが増えると、インターカレーターがその DNAに取り込まれるので、プライマー伸 長産物の生成量に比例して、 DNAに取り込まれていくため、インターカレーターに 由来する蛍光強度を検出することにより、プライマー伸長産物の量を知ることができる
〇
[0216] 但しインターカレーターは全ての二本鎖 DNAに結合するので、得られた蛍光強度 の測定結果を基に、必要に応じ、融解曲線を作成して、融解曲線解析を行う。すな
わち、 PCR反応後に PCR反応液の温度を徐々に上げながら、インターカレーター由 来の蛍光強度を測定する。最初は PCR増幅産物は二本鎖を形成して!/、るので蛍光 を発している力 PCR反応液の温度がある一定の温度に達すると一本鎖に解離する ので、インターカレーター由来の蛍光は急激に低下する。この時の温度が融解温度( Tm値)であり、プライマー伸長産物の配列に固有の値である。融解曲線のピークが、 目的とする特異産物のピークか、又は特異産物と非特異産物のピークかにつ!/、ては 、この Tm直力、ら半 IJ定すること力 Sできる。
[0217] このインターカレーター法は、リアルタイム PCRの後に電気泳動を行う必要がない ので、臨床検査の分野等において、迅速に検出を行う必要がある場合には、有効な 方法である。
[0218] 本発明に用いられるインターカレーターとしては、通常この分野で用いられているィ ンタ一力レーターであれば、何でも用いることができる力 例えば SYBR™ Green I (M olecular Probe社商品名)、ェチジゥムブロマイド、フルオレン等がある。
[0219] 本発明に係る「インターカレーター法を利用した M.アビゥムの検出方法」の例を説 明すると、以下の通りである。
[0220] 本発明のプライマーと、インターカレーター(例えば SYBR™ Green I)を用い、 Μ·ァ ビゥムを検出すべき試料 (被検試料)から精製した精製 DNA試料を铸型として用い て、 Taq DNAポリメラーゼ等のポリメラーゼを用いたリアルタイム PCRを行う。そして 上記した温度を下げる方法で、プライマー伸長産物の増幅量と相関してインターカレ ーシヨンする SYBR™ Green Iの蛍光強度を測定する。
[0221] 次!/、で、横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光強度 の 1次微分(変化量)をとつた融解曲線を作成する。これを用いて、プライマー伸長産 物の融解曲線解析を行い、ピークの検出を行い、単一のピークが得られた場合に、 被検試料は M.アビゥム陽性と判定される。
[0222] 又は、精製 DNA試料溶液の希釈系列を調製し、各希釈系列毎に、上記と同様にリ アルタイム PCRを行う、
[0223] 次!/、で、リアルタイム PCRに於!/、て铸型として用いた精製 DNA試料溶液の各希釈 系列毎に、横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光強度
の 1次微分(変化量)をとつた融解曲線を作成する。そして、プライマー伸長産物の融 解曲線解析を行い、検出ピークの解析を行う。各希釈系列に対する各プライマー伸 長産物について、同一の Tm値のピークが検出された場合に、被検試料は M.アビゥ ム陽性 (すなわち、 M.アビゥム菌、又はその遺伝子が存在する。以下同じ。)と判定さ れる。
[0224] また、対照として、 M.アビゥム以外のマイコバクテリウム属菌由来 DNAを常法により 抽出 '精製し、これを铸型として用いる以外は、上記と同様の方法にしてリアルタイム PCRを行い、同様に SYBR™ Green Iの蛍光強度を測定し、融解曲線解析を行っても よい。この場合は、試料中に M.アビゥム由来の配列がないので、融解曲線解析でピ ークは出現しないはずである。 M.アビゥムの有無の判定をより確実にするためには、 上記した対照実験を一緒に行うことが望まし!/、。
[0225] 更に、インターカレーター法を利用した方法で得られた測定値をもとに、リアルタイ ム PCRで行われる常法に従って、検量線を作成することもできるので、その検量線を 用いて試料中にある M.アビゥムのゲノム DNA量 (コピー数)を得ることができる。
[0226] 検量線の作成方法及びそれを用いた M.アビゥムの定量方法は後記する。
[0227] 本発明に係るインターカレーターを用いたリアルタイム PCR検出法による M.アビゥ ムの検出方法の一例として、上記した本発明の「プライマー 12Fw_l」と「プライマー 12 Rv_l」を用いて、 M.アビゥムを検出する場合を例にとって説明すると、以下の通りであ
[0228] まず、公知の方法により、 Μ·アビゥムを検出すべき試料 (被検試料)中から精製 DN
A試料を得る。
[0229] 別に、 DNAシンセサイザーを用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号 14で表さ れる塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(12Fw_l)、及び配列番号 15で表される塩
[0230] 合成した 12Fw_lをフォワードプライマーとして、 12Rv_lをリバースプライマーとして用 い、例えば下記の通りリアルタイム PCRを行う。
[0231] すなわち、プライマー 12Fw_lと、プライマー 12Rv_lを各 50〜2000nM、インターカレ 一ター [例えば SYBR™ Green I (Molecular Probe社商品名)]を原液の約 5〜100000
倍希釈、 1.0〜4.0mM MgCl、 KC1、 BSA、コール酸ナトリウム、 0.005〜0.2%TritonX_l 00、夫々 0.2mM程度の dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP、 10〜80単位/ mlのポリメラーゼ( 例えば Taq DNAポリメラーゼ)を含有する 10mM Tris-HCl緩衝液(ρΗ8·9)を調製し、 PCR用反応液とする。該 PCR用反応液に、 Μ.アビゥムを検出すべき試料 (被検試料 )力も精製した精製 DNA試料を加え、 PCR用試料とする。この PCR用試料を 96穴 反応プレートのゥエルに入れ、リアルタイム PCR検出装置等を用いてリアルタイム PC Rを行う。反応は 30〜50回サイクル繰り返し、 1サイクル毎にプライマー伸長産物の増 幅量と相関してインターカレーシヨンする SYBR™ Green Iの蛍光強度を測定する。
[0232] 次!/、で、横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光強度 の 1次微分(変化量)をとつた融解曲線を作成する。これを用いて、プライマー伸長産 物の融解曲線解析を行い、ピークの検出を行い、単一のピークが得られた場合に、 被検試料は M.アビゥム陽性と判定される。
[0233] 又は、精製 DNA試料溶液の希釈系列を調製し、各希釈系列毎に、上記と同様にリ アルタイム PCRを行う。次いで、リアルタイム PCRに於いて铸型として用いた精製 DN A試料溶液の各希釈系列毎に、横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温 度、縦軸に蛍光強度の 1次微分(変化量)をとつた融解曲線を作成する。そして、ブラ イマ一伸長産物の融解曲線解析を行い、検出ピークの解析を行う。
[0234] この場合の M.アビゥムの検出方法としては、融解曲線解析で各希釈系列に対する 各プライマー伸長産物について、同一の Tm値のピークが検出された場合に、被検 試料は M.アビゥム陽性と判定される。
[0235] また、対照として、 M.アビゥム以外のマイコバクテリウム属菌由来 DNAを常法により 抽出 '精製し、これを铸型として用いる以外は、上記と同様の方法にしてリアルタイム PCRを行い、同様に SYBR™ Green Iの蛍光強度を測定し、融解曲線解析を行っても よい。この場合は、試料中に M.アビゥム由来の配列がないので、融解曲線解析でピ ークは出現しないはずである。 M.アビゥムの有無の判定をより確実にするためには、 上記した対照実験を一緒に行うことが望まし!/、。
[0236] 更に、検量線を作成することによって、試料中の M.アビゥムのゲノム DNAの数(コ ピー数)を得ること力できる。また、その数は M.アビゥムの数に比例するので、試料(
被検試料)中の Μ·アビゥムの数も知ることができる。
[0237] (Α— 2) TaqMan™リアルタイム PCR法(TaqMan™プローブ法)
5'末端を例えば FAM等の蛍光色素(レポーター)で、 3'末端を例えば TAMRA等の クェンチヤ一色素で標識したプローブを用いたリアルタイム PCR法により、 目的の微 量な DNAを高感度且つ定量的に検出する方法である(例えば米国特許第 5,538,84 8号の記載参照)。
[0238] 具体的には、本発明のプライマーと、本発明のプローブの 5'末端がレポーター蛍光 色素で標識され、 3'末端がクェンチヤ一色素で標識された標識プローブを用いて、 試料中の核酸を铸型として PCRを行!/、、該標識プローブから遊離された標識物質の 標識を検出する方法である。
[0239] TaqMan™リアルタイム PCR法の原理は以下の通りである。
[0240] この方法には、 5'末端を蛍光色素(レポーター)で、 3'末端をクェンチヤ一色素で標 識した、 目的遺伝子の特定領域にハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプローブが 使用される。該プローブは、通常の状態ではクェンチヤ一色素によってレポーターの 蛍光が抑制されている。この蛍光標識プローブを目的遺伝子に完全にハイブリダィ ズさせた状態で、その外側から DNAポリメラーゼを用いて PCRを行う。 DNAポリメラ ーゼによる伸長反応が進むと、そのェキソヌクレアーゼ活性により蛍光標識プローブ が 5'端から加水分解され、レポーター色素が遊離し、蛍光を発する。リアルタイム PC R法は、この蛍光強度をリアルタイムでモニタリングする方法であり、これにより、铸型 DNAの初期量を正確に定量することができる。
[0241] 本発明に係る TaqMan™リアルタイム PCR検出法に用いられるフォワードプライマー 及びリバースプライマーには、本発明のプライマーが用いられる。好ましいプライマー としては、上記した PCR法等の核酸増幅反応において用いられるものが挙げられ、 その好まし!/、具体例及び好ましレ、組合せも上記したとおりである。
[0242] 本発明に係る TaqMan™リアルタイム PCR検出法に用いられる 5'末端を蛍光色素( レポーター)で、 3'末端をクェンチヤ一色素で標識したプローブに用いられるプロ一 ブとしては、上記した本発明のプローブであればよい。実際には、選択したフォワード プライマーとリバースプライマーの組合せでリアルタイム PCRを行った場合に得られ
ると予測されるプライマー伸長産物の塩基配列を含有するプローブ、又は更にその 配列から設計される塩基配列を含有するプローブが用いられる。
[0243] 例えば、プライマー 12Fw_lとプライマー 12Rv_lを用いてリアルタイム PCRを行う場合 に用いられるプローブは、そのリアルタイム PCRで増幅されると予想される配列番号 28で表される塩基配列の一部又は全部を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0244] 5'末端を標識するレポーター蛍光物質としてはカルボキシフルォレセイン (FAM)、 挙げられる力 S、中でも FAMがよく用いられる。 3'末端を標識するクェンチヤ一色素とし ては、カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)等の蛍光物質、 Black Hole Quenc her色素(例えば BHQ2) , 4- ((4- (dimethylamino) phenyl)azo)benzoic acid (DABCYL) 等の非蛍光物質が挙げられるが、中でも TAMRAがよく用いられる。
[0245] リアルタイム PCR検出法に用いられるその他のデォキシリボヌクレオシド三リン酸(d ATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP)、 DNAポリメラーゼ等の試薬は、通常のリアルタイム PC Rで用いられているものを用いればよぐリアルタイム PCRの手法は、本発明のプライ マー及びプローブを用いる以外は、リアルタイム PCRの一般的なプロトコルに従って 行えばよい。
[0246] 本発明に係る TaqMan™リアルタイム PCR検出法による M.アビゥムの検出方法の一 例として、本発明のプライマー「12Fw_l」と「12Rv_l」を用いて、 M.アビゥムを検出する 場合を例にとって説明すると、以下の通りである。
[0247] まず、公知の方法により、 Μ·アビゥムを検出すべき試料 (被検試料)中から精製 DN A試料を得る。
[0248] 別に、 DNAシンセサイザーを用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号 14で表さ れる塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(12Fw_l)、及び配列番号 15で表される塩
[0249] また、 12Fw_l及び 12Rv_lをプライマーとして用いた PCRで増幅されると予想される 配列番号 28の塩基配列から、プローブとして利用するための配列を設計し、この塩 基配列のオリゴヌクレオチドを合成する。このオリゴヌクレオチドの 5'末端にレポータ 一色素の FAMを、 3'末端にレポーター消光体の TAMRAを常法により結合し、蛍光標
識プローブを得る。
[0250] 上記で調製した 12Fw_lをフォワードプライマーとして、 12Rv_lをリバースプライマー として用い、例えば下記の通りリアルタイム PCRを行う。
[0251] すなわち、各 0· 1〜2 Μ、好ましくは各 Ι Μのプライマー 12Fw_l及びプライマー 1 2Rv_l、 100〜1000nMの蛍光標識プローブ、 1.0〜4.0mM MgCl、 KC1、 BSA、コール 酸ナトリウム、 0.005〜0.2%TritonX- 100、夫々 0.2mM程度の dATP、 dCTP、 dGTP、 dT TP、 10〜80単位/ mlの Taq DNAポリメラーゼを含有する lOmM Tris-HCl緩衝液(pH8 .9)を調製し、 PCR用反応液とする。この PCR用反応液 20 1に精製 DNA試料 lngを 加え、 PCR用試料を得る。この PCR用試料を 96穴反応プレートのゥエルに入れ、リ アルタイム PCR検出装置等を用いてリアルタイム PCRを行う。反応は 30〜50回サイク ノレ繰り返し、 1サイクル毎にレポーター色素の蛍光強度量を測定する。
[0252] この場合の M.アビゥム検出方法としては、レポーター色素の蛍光が測定された場 合に、被検試料は M.アビゥム陽性と判定される。
[0253] また、リアルタイム PCR法では、検量線を作成することができるので、試料中の M.
アビゥムのゲノム DNAの数 (コピー数)を得ることがでる。また、その数は M.アビゥム の数に比例するので、試料 (被検試料)中の M.アビゥムの数も知ることができる。
[0254] 検量線の作成方法は、リアルタイム PCR法において通常行われている常法に従え ばよい。例えば、標準としてコピー数既知の M.アビゥムのゲノム DNA試料を用い、 希釈系列の濃度(コピー数)の PCR用 DNA試料を調製する。次!/、で各希釈系列の PCR用 DNA試料を用いて上記方法に従!/、リアルタイム PCRを行い、レポーター色 素の蛍光強度を測定する。各希釈系列の PCR用 DNA試料毎に、 PCRの各サイク ル数 (X軸)に対する、測定した蛍光強度の測定値 (Rn、 y軸)をプロットした増幅曲線 を作成する。次いで、蛍光強度が指数関数的に増幅している Rn部を選択し、 Thresh old line (Th)を引く。 Thと各 PCR用 DNA試料の増幅曲線が交差した点を Threshold cycle (Ct)値とする。次いで用いた各 PCR用 DNA試料のコピー数の対数値 (x軸)に 対する Ct値 (y軸)をプロットし、各 Ctに対して得られた近似曲線を検量線とすればよ い。
[0255] 先に記載した、インターカレーター法によるリアルタイム PCRを行た場合も、得られ
た測定値を基に同様に検量線を作成することができる。例えば、 PCRの各サイクノレ 数 (X軸)に対するインターカレーター由来の蛍光強度の測定値(Rn、 y軸)をプロット した増幅曲線を作成する。次いで、上記と同じ方法で Ct値を得、リアルタイム PCRに 用いた各 PCR用 DNA試料のコピー数の対数値 (X軸)に対する Ct値 (y軸)をプロット し、各 Ctに対して得られた近似曲線を検量線とすればよ!/、。
[0256] 試料中の Μ·アビゥムのゲノム DNAの数(コピー数)を定量するには、先ず Μ·アビゥ ムを検出すべき試料中から DNAを分離精製した後、得られた DNA試料についてリ アルタイム PCRを行い、同様に増幅曲線を作成する。検量線を作成したときの Thと 得られた増幅曲線が交差した Ct値を得る。その Ct値を検量線に当てはめることにより 、試料中の Μ·アビゥムのゲノム DNA量(コピー数)を得ること力 Sできる。
[0257] (A— 3)核酸増幅反応を行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動 を行い、その結果に基づいて行う方法
[0258] この方法としては、例えば
「下記工程を包含することを特徴とする、 M.アビゥムの検出方法、
(i)配列番号 1 ,配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配 列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130 、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び 配列番号 136から選択される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列 番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列 番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選 択される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ Μ.アビゥム 遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドをプライマー(本発明のプ ライマー)として用い、試料中の核酸を铸型として核酸増幅反応を行う、
(ii) (i)で得られたプライマー伸長産物につ!/、て電気泳動を行!/、、その結果に基づレヽ て M.アビゥムの有無を判定する。」
が挙げられる。
[0259] 電気泳動を行い、その結果に基づ!/、て、 M.アビゥムの有無を判定する方法として
は、例えば
(A— 3— 1)目的とする大きさ(塩基対数)のプライマー伸長産物画分を確認するこ とにより判定する方法、
(A— 3— 2)標識プローブを用いたハイブリダィゼーシヨンにより検出する方法、 等が挙げられる。
[0260] 核酸増幅反応の具体例は、上記したとおりである。
[0261] 電気泳動法の条件、操作方法等は、この分野で通常行われている常法に従えばよ い。
[0262] 以下に、(A— 3— 1)及び (A— 3— 2)の方法について説明する。
[0263] (A— 3— 1)目的とする大きさ(塩基対数)のプライマー伸長産物画分を確認すること により判定する方法
[0264] 例えば、まず本発明のプライマーから、適当なフォワードプライマーとリバースプライ マーの組合せを選択し、それを用いて PCR等の核酸増幅反応を行う。次いで、得ら れたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。予め、核酸増幅反応に用いたフ ォワードプライマーとリバースプライマーの組合せから、増幅されるであろうプライマー 伸長産物の大きさ(塩基対数)を予測しておき、得られた電気泳動画分が予測された 大きさのプライマー伸長産物に該当するか否かを、常法により確認すればよい。例え ば、得られた電気泳動画分をェチジゥムブロマイド等で染色して核酸種を視覚化す るといった方法で、該画分を染色し、そのプライマー伸長産物の大きさを確認する等 の方法が挙げられる。
[0265] (A— 3— 1)の方法による具体的な判定方法としては、例えば上記の表 1に記載さ れたフォワードプライマーとリバースプライマーの組合せを用いて PCRを行った後、 得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、そのプライマーの組合せで 増幅されると予想される、表 1に記載の配列番号で表される塩基配列のオリゴヌタレ ォチド、又はその塩基対数の大きさの画分が確認された場合に、被検試料は M.アビ ゥム陽性と判定する方法が挙げられる。
[0266] (A— 3— 1)の方法の具体例を、下記表 3にまとめて示す。
[0267] すなわち、例えば表 3における番号 1の方法とは「フォワードプライマーとして配列番
号 6で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドを用い、リバースプライマーとし て配列番号 7で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドを用いて PCRを行つ た後、得られたプライ 伸長産物について電気泳動を行い、 119塩基対の画分又 は配列番号 24で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドの画分が確認されたも のを陽性と判定する方法。」である。
[0268] [表 3]
[0269] 以上の中でも番号 1 3 6 9 17—24, 26— 35, 39 61の方法カ好ましレヽ。
これらの中でも、番号 39 61の方法力 特に好ましい。
[0270] (A— 3— 2)標識プローブを用いたハイブリダィゼーシヨンにより検出する方法
[0271] 例えば核酸増幅反応を行って得られたプライマー伸長産物について、電気泳動を 行う。得られた電気泳動画分について、本発明のプローブを標識物質で標識した標 識プローブに対するハイプリダイゼーシヨンを行う。該標識プローブの標識を検出す ることによって、該標識プローブとハイブリダィズした画分の存在が確認された場合に 、その被検試料は、 M.アビゥム陽性と判定する方法が挙げられる。
[0272] 用いられるプローブ及びプローブを標識する標識物質の具体例、並びにプローブ の標識方法は、上記したとおりである。
[0273] その一例を示すと、次の通りである。すなわち、上記した表 1に記載のフォワードプ ライマーとリバースプライマーの組合せを用いて PCRを行った後、得られたプライマ 一伸長産物について電気泳動を行う。予め、 PCRに用いたフォワードプライマーとリ バースプライマーの組合せで増幅されると予測される、表 1に記載の配列番号の塩 基配列の一部又は全部を含有する塩基配列のオリゴヌクレオチドを標識物質で標識 した標識プローブを調製しておく。電気泳動画分の該標識プローブに対するハイプリ ダイゼーシヨンを行い、該標識プローブの標識を検出することによって該標識プロ一 ブとハイブリダィズした画分の存在が確認された場合に、その被検試料は M.アビゥム 陽性と判定する方法、が挙げられる。
[0274] これらの方法の好ましい具体例を、下記表 4にまとめて示す。
[0275] 例えば、表 4において、番号 1の方法とは、「フォワードプライマーとして配列番号 6 で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドを用い、リバースプライマーとして 配列番号 7で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドを用いて PCRを行った 後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。次いで、得られた画分に つ!/、て、配列番号 24で表される塩基配列の一部又は全部を含有する塩基配列を含 有するオリゴヌクレオチドを標識物質で標識した標識プローブに対するハイブリダィ ゼーシヨンを行!/、、該標識プローブの標識を検出することによって該標識プローブと ノ、イブリダィズした画分が確認されたものを陽性と判定する方法。」である。
[0276] [表 4]
フ才ヮ-ドフ。ライ リハ、 '一スフ。ライ フォワ-ドフ°ライ リハ、 '-ス ,ライ 香" プローブ プロープ マー マー マー マー
配列番号 配列番号 配列番号 配列番号
1 配列番号 6 配列番号 7 32
24 8 7 88 1 23
2 8 9 25 33 8 9 90 1 24
3 10 1 1 26 34 9 1 92 1 25
4 1 2 1 3 27 35 93 94 1 26
5 14 1 5 28 36 95 96 1 27
6 1 6 1 7 29 37 97 98 1 28
7 18 1 9 30 38 99 1 00 1 29
8 20 21 3 1 39 1 37 1 38 1 8 3
9 22 23 32 40 1 39 140 1 84
10 43 44 1 0 1 41 14 1 142 1 8 5
11 45 46 1 02 42 143 144 1 8 6
12 47 48 1 03 43 145 146 1 8 7
13 49 50 1 04 44 147 148 1 88
14 51 52 1 05 45 149 1 50 1 8 9
15 53 54 1 06 46 1 5 1 1 52 1 90
16 55 56 1 07 47 1 53 1 54 1 9 1
17 57 58 1 08 48 1 55 1 56 1 92
18 59 60 1 09 49 1 57 1 58 1 93
19 6 1 62 1 1 0 50 1 59 1 60 1 94
20 63 64 1 1 1 51 1 6 1 1 6 2 1 95
21 65 66 1 1 2 52 1 6 3 1 64 1 96
22 67 68 1 1 3 53 1 6 5 1 6 6 1 97
23 69 70 1 14 54 1 6 7 1 68 1 98
24 71 72 1 1 5 55 1 6 9 1 70 1 99
25 73 74 1 1 6 56 1 7 1 1 72 200
26 75 76 1 1 7 57 1 73 1 74 20 1
27 77 78 1 1 8 58 1 75 1 76 202
28 79 80 1 1 9 59 1 77 1 78 203
29 8 1 82 1 20 60 1 79 1 80 204
30 83 84 1 2 1 61 1 8 1 1 8 2 205
31 85 86 1 22
[0277] 以上の中でも、番号 1、 3〜6、 9、 17—24, 26— 35, 39〜61の方法カ好ましレヽ。
[0278] これらの中でも、特に番号 39〜61の方法が好ましい。
[0279] (Α— 3)の方法による本発明の Μ.アビゥムの検出方法の詳細を、例えば 12Fw_l(
配列番号 14)をフォワードプライマーとして用い、 12Rv_l (配列番号 15)をリバースプ ライマーとして用いた PCR、及び電気泳動を行った後、 目的とする塩基対数のプライ マー伸長産物画分を確認する方法によって検出する場合(上記の (A— 3— 1)の番 号 5の方法、表 3参照)を例に挙げて説明すると、以下の通りである。
[0280] まず、公知の方法により、 Μ·アビゥムの有無を検出すべき試料 (被検試料)中から 精製 DNA試料を得る。
[0281] 別に、 DNAシンセサイザーを用いてホスホアミダイト法にて、 12Fw_l (配列番号 14 で表される配列からなるオリゴヌクレオチド)及び 12Rv_l (配列番号 15で表される塩基 配列からなるオリゴヌクレオチド)を合成する。
[0282] 各 0· 1〜2 Μ、好ましくは各 Ι Μのプライマー 12Fv_l及びプライマー 12Rv_l、 1.0 ~4.0mM MgCl、 KC1、 BSA、コール酸ナトリウム、 0·005〜0·2%ポリオキシエチレンオタ チルフエニルエーテル、夫々 0.1〜0.6mM程度の dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP及び 10 〜80単位/ mlの Taq DNAポリメラーゼを含有する lOmM Tris_HCl (pH8.9)緩衝液を 調製し、 PCR用反応液とする。
[0283] PCR用反応液に精製 DNA試料を添加したものを PCR用試料として用い、 DNAサ 一マルサイクラ一にて、 20〜40回 PCRを行う。得られた PCR後の反応液を、 1.5%ァ ガロースゲル電気泳動する。次いでェチジゥムブロマイド染色した後、紫外線での蛍 光を検出する。また、分子量マーカーも反応液と同時に泳動し、相対泳動度の比較 により、検出された DNA断片の長さを算出する。フォワードプライマーとして 12Fw_l ( 配列番号 14で表される配列を持つ。)、及びリバースプライマーとして 12Rv_l (配列 番号 15で表される配列を持つ。)を用いた PCRでは、 M.アビゥムの塩基配列中の 15 0塩基対の DNA断片(配列番号 28で表される配列を持つ。 )が複製されると予測さ れる(表 3参照)。そこで、 150塩基対の大きさの蛍光バンドが確認された場合に、被 検試料は M.アビゥム陽性と判定すればよ!/、。
[0284] また本発明は、核酸増幅工程において、 RNA転写産物を利用した検出法を適用 する事カできる。例えば、 NASBA (nucleic acid sequence based amplification)法 (特 許第 2650159号)、 3SR (self-sustained sequence replication)法(特公平 7-114718号 )、 TAS (transcription based amplification system)法(特表平 2-500565号:国際公開
WO88/10315号)、 TMA (transcription mediated amplification)法(特開平 11- 46778 号)などが挙げられる。中でも逆転写酵素及び RNAポリメラーゼの協奏的作用(逆転 写酵素及び RNAポリメラーゼが協奏的に作用するような条件下で反応させる。 )を利 用する一定温度核酸増幅法は、測定系を自動化する場合には適した方法である。
[0285] (A— 4)標識プライマーを用いた核酸増幅反応を行い、得られたプライマー伸長産物 の標識を測定する方法、
[0286] (A— 4)の方法としては、本発明のプライマーを上記した方法で標識した標識ブラ イマ一を用い、被検試料中の核酸を铸型として用いて PCR等の核酸増幅反応を行 い、得られたプライマー伸長産物の標識を検出'測定し、標識を検出できた場合には 、その被検試料は M.アビゥム陽性であると判定する方法が挙げられる。
[0287] この方法に用いられるフォワードプライマー及びリバースプライマーとしては、上記 の PCR法にお!/、て用いられるものが挙げられ、その好まし!/、具体例及び好まし!/、組 合せも上記したとおりである。
[0288] 上記方法の場合、核酸増幅反応を行ったのち、遊離の標識プライマーを除き、ブラ イマ一伸長産物の標識を測定し、標識を検出できた場合に、被検試料は M.アビゥム 陽性であると判定される。
[0289] 遊離の標識プライマーを除く方法としては、核酸増幅反応反応を行って得られた反 応物中のプライマー伸長産物を、核酸を沈殿させる常法(エタノール沈殿法、イソプ ロバノールを用いた沈殿法等)により沈殿させた後、沈殿しな力、つた遊離の標識ブラ イマ一を含有する上清を除去する方法等が挙げられる。
[0290] また、核酸増幅反応を行って得られた反応物を適当な条件下、ゲルクロマトグラフィ 一で処理して、プライマー伸長産物と遊離の標識プライマーを分離する方法、電気 泳動法により分離する方法等も挙げられる。
[0291] (B)本発明のオリゴヌクレオチドを標識物質で標識したものを標識プローブとして用 いる方法、
[0292] 更に、本発明の M.アビゥムの検出方法として、本発明のオリゴヌクレオチドを標識 物質で標識したものを標識プローブとして用い、該標識プローブを試料中の核酸と ハイブリダィゼーシヨンさせ、遊離の標識プローブを除いた後、ノ、イブリダィズした複
合体の標識を検出する方法が挙げられる。
[0293] 具体的には、例えば下記のような方法が挙げられる。
[0294] (B— 1)本発明のオリゴヌクレオチドを固相担体に結合させたものを捕捉プローブと して用い、被検試料中の核酸とハイブリダィゼーシヨンさせて、試料中の M.アビゥム 由来の核酸を固相上に固定化させる検出法 (例えば、特開昭 62-265999号の記載参 照)。この場合、本発明のオリゴヌクレオチドあるいは固相担体力 標識物質で標識さ れていてもよい。
[0295] (B— 2)標識されていない (B-1)の捕捉プローブと、本発明のプローブを標識した標 識プローブを用い、被検試料中の核酸とハイブリダィゼーシヨンさせて、固相担体上 に補足プローブと M.アビゥム由来の核酸と標識プローブの複合体を形成させて、標 識プローブの標識を測定するサンドイッチアツセィ (例えば、特開昭 58-40099号の記 載参照)を行う方法。
[0296] (B— 3)ビォチンで標識した本発明のプローブを用い、試料中の核酸とハイブリダ ィゼーシヨン後、試料中の M.アビゥム由来の核酸をアビジン結合担体で捕捉する方 法。
[0297] 尚、本発明の M.アビゥムの検出方法に用いられる試薬中には、通常この分野で用 いられる試薬類、例えば緩衝剤、安定化剤、防腐剤等であって、共存する試薬等の 安定性を阻害せず、 PCR等の核酸増幅反応やハイブリダィゼーシヨン反応を阻害し ないものを用いることができる。また、その濃度も、通常この分野で通常用いられる濃 度範囲から適宜選択すればよ!/、。
[0298] 緩衝液の具体例を挙げると、例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝 液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等、通常の PCR等の核酸増幅反応やハイブリダィ ゼーシヨン反応を実施する場合に用いられている緩衝液は全て挙げられ、その pHも 特に限定されな!/、が、通常 5〜9の範囲が好まし!/、。
[0299] また、必要に応じて核酸合成酵素(DNAポリメラーゼ、 RNAポリメラーゼ、逆転写 酵素など)、酵素に応じた基質(dNTP、 rNTPなど)、また二本鎖インターカレーター (ェチジゥムブロマイド、 SYBR™ Greenなど)あるいは FAMや TAMRA等の標識検出 物質などが用いられる。
[0300] 本発明に係る M.アビゥム検出用試薬キットとしては、「配列番号 1、配列番号 2、配 列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列 番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132 、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩 基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4 、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41 、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、配列番号 132、配列番号 133、配列 番号 134、配列番号 135及び配列番号 136から選択される塩基配列に対する相補 配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダ ィズするオリゴヌクレオチドをプライマー(本発明のプライマー)又は/及びプローブ( 本発明のプローブ)として含んでなる M.アビゥム検出用試薬キット。」が挙げられる。
[0301] 上記キットを構成する本発明のプライマー及び本発明のプローブの具体例は、上 記した「本発明のプライマー」、「本発明のプローブ」についての説明に記載したとお りである。
[0302] 本発明のプライマーは標識物質で標識されたものであってもよい。その標識物質の 具体例は上記したとおりである。
[0303] 本発明のプライマーを含んでなるキットには、フォワードプライマーとリバースプライ マーの一組のプライマーを含む組成も含まれる。その例を下記表 5にまとめて示す。
[0304] 例えば、下記表 5において、番号 1のキットとは、「(a)配列番号 6で表される塩基配 列の一部若しくは全部、又は配列番号 6で表される塩基配列に対する相補配列の一 部若しくは全部を含有し、且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするォ リゴヌクレオチドプライマーと、(b)配列番号 7で表される塩基配列の一部若しくは全部 、又は配列番号 7で表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有 し、且つ M.アビゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライ マー、を構成試薬として含んでなるもの。」である。
[0305] [表 5]
番号 (a) (b) 番号 (a) (b)
1 配列番号 6 配列番号 7 32 配列番号 8 7 配列番号 88
2 8 9 33 89 90
3 1 0 1 1 34 9 1 9 2
4 1 2 1 3 35 93 94
5 1 4 1 5 36 95 96
6 1 6 1 7 37 97 98
7 1 8 1 9 38 99 1 00
8 20 2 1 39 1 3 7 1 38
9 2 2 2 3 40 1 3 9 1 40
10 4 3 44 41 1 4 1 1 4 2
11 4 5 46 42 1 4 3 1 44
12 4 7 48 43 1 4 5 1 46
13 4 9 50 44 1 4 7 1 48
14 5 1 5 2 45 1 4 9 1 50
15 5 3 54 46 1 5 1 1 5 2
16 5 5 56 47 1 5 3 1 54
17 5 7 58 48 1 5 5 1 56
18 5 9 6 0 49 1 5 7 1 58
19 6 1 6 2 50 1 5 9 1 6 0
20 6 3 64 51 1 6 1 1 6 2
21 6 5 6 6 52 1 6 3 1 64
22 6 7 6 8 53 1 6 5 1 6 6
23 6 9 70 54 1 6 7 1 6 8
24 7 1 7 2 55 1 6 9 1 70
25 7 3 74 56 1 7 1 1 7 2
26 7 5 76 57 1 7 3 1 74
27 7 7 78 58 1 7 5 1 76
28 7 9 80 59 1 7 7 1 78
29 8 1 8 2 60 1 7 9 1 80
30 8 3 84 61 1 8 1 1 8 2
31 8 5 86
[0306] 更に好ましいプライマー、及びその組み合わせは、上記した核酸増幅法の説明に 記載したとおりである。
[0307] また、上記キットは、更に、本発明のオリゴヌクレオチドを標識物質で標識したものを 標識プローブとして含んでレ、てもよレ、。
[0308] 更に、「配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 3 7、配列番号 38、配列番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、酉己歹 IJ番号 131、酉己歹 IJ番号 132、酉己歹 IJ番号 133、酉己歹 IJ番号 134、酉己歹 IJ番号 135 及び配列番号 136から選択される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、 配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 37、配列番号 38、配列 番号 39、配列番号 40、配列番号 41、配列番号 42、配列番号 130、配列番号 131、 配列番号 132、配列番号 133、配列番号 134、配列番号 135及び配列番号 136か
ら選択される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.アビ ゥム遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチド(本発明のオリゴヌタレ ォチド)をプローブとして含んでなる M.アビゥム検出用試薬キット。」が挙げられる。該 プローブは標識物質で標識されたものであってもよい。
[0309] これらのキットを構成する構成試薬の好まし!/、態様及び具体例は上記したとおりで ある。
[0310] 尚、本発明の M.アビゥムの検出用試薬キットには、例えば緩衝剤、安定化剤、防腐 剤等であって、共存する試薬等の安定性を阻害せず、 PCRやハイブリダィゼーショ ン反応を阻害しないものが含まれていてもよい。また、その濃度も、通常この分野で 通常用いられる濃度範囲から適宜選択すればょレ、。
[0311] 緩衝液の具体例を挙げると、例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝 液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等、通常の PCRやハイブリダィゼーシヨン反応を実 施する場合に用いられてレ、る緩衝液は全て挙げられ、その pHも特に限定されな!/、が 、通常 5〜9の範囲が好ましい。
[0312] また、必要に応じて核酸合成酵素(DNAポリメラーゼ、 RNAポリメラーゼ、逆転写 酵素など)、酵素に応じた基質(dNTP、 rNTPなど)、また二本鎖インターカレーター (SYBR™ Green,ェチジゥムブロマイドなど)あるいは FAMや TAMRA等の標識検出 物質などを含んでレ、てもよレ、。
[0313] 以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによ り何等限定されるものではなレ、。
[0314] 尚、実施例で用いられる細菌はいずれも臨床分離株であり、培養後、コロニーの形 状や従来の各種生化学的試験などによって菌種がすでに鑑別されているものである
〇
実施例
[0315] 実施例 1. M.アビゥムゲノム由来のクローンの選択 1
( 1 ) M.アビゥム由来 DNA試料の調製
Mycos Research社(米国)より、高純度に精製された Mvcobacterium avium TMC167 4 朱由来の genomic DNAを入手した。
[0316] 入手した Μ·アビゥム由来 genomic DNA試料 l〜10ngを材料(铸型)として用い、 Ge nomiphi V2 DNA Amplification Kit (GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を使用し て全ゲノム増幅反応を行い、 100 以上の増幅産物を得た。この増幅産物を、「M. アビゥム由来精製ゲノム DNA」として、以下の実験に使用した。尚、得られた M.アビ ゥム由来精製ゲノム DNAは、吸光度測定レベルでの純度が良好であることを確認し ている。
[0317] また、この Μ·アビゥム由来精製ゲノム DNAを、最終 400^/ l (10mM Tris-HCl緩 衝液、 ρΗ8·9)になるように調製したものを、「Μ·アビゥム由来 DNA試料」として用い た。
[0318] (2) Whole Genome Shotgun Libraryの作製
上記 (1)で得られた M.アビゥム由来 DNA試料 24 gを材料として用い、以下の方法 (Science. 2001 Feb 16;291(5507): 1304- 1351 Venter et aUこ記載の Whole Genome Shotgun法を改変)で、 Whole Genome Shotgun Libraryの作製を行った。
[0319] まず、終濃度 20%のグリセロール存在下で、 M.アビゥム由来 DNA試料を 5kPa〜9k Paの圧力下、ネビュライザ一(インビトロジェン社製)を用いて、約 10分間処理して、 M .アビゥム由来 DNA試料を断片化した。この処理によりで、 目的とする 500〜1000bp のサイズの画分 (DNA断片)を効率よく回収する事ができた。得られた画分を (株)キ ァゲン製の抽出カラムを利用して精製した。
[0320] 次に、タカラバイオ社製の DNA Blunting Kitを用い、 T4 DNA Polymeraseの 5'→3'p olymerase活性と 3'→5'exonuclease活性を利用して、得られた DNA断片の末端を平 滑化した。この DNA断片と、平滑末端処理済み pBSII sk+ベクター (Stratagene社)とで ライゲーシヨン反応を行い、 DNA断片を pBSII sk+ベクター (ampr)に組み込んだ組み 換え DNAを作製した。
[0321] タカラバイオ社製 E. coli JM109 Competent Cellsを用い、その製品プロトコールに 従って、上記で得られた組み換え DNAを用いて ϋ JM109 Competent Cellsの形 質転換を行った。得られた形質転換体を 100 g/mlのアンピシリン、 0.2 mM IPTG、 4 O ^ g/ml X-Galを含む LB-寒天培地で培養した。 白色コロニーをピックアップし、「目 的の DNA断片を組み込んだ組み換え DNA」が導入された、形質転換体の Library (
Μ·アビゥム由来ゲノムの Whole Genome Shotgun clone Library)を得た。
[0322] (3)マイクロアレイ作製
上記 (2)で得られた形質転換体の library (M.アビゥム由来ゲノム DNAの Whole Gen ome Shotgun clone Library)を用い、下記の方法で PCRを行って、スライドガラス上に 固定するプローブ材料を調製した。
[0323] まず、各 1 μ Μのプライマー M13 Primer Ml (タカラバイオ社製)及びプライマー M13 Primer RV (タカラバイオ社製)、 1.5mM MgCl、 80mM KC1、 500 μ g/ml BSA、 0.1%コ ール酸ナトリウム、 0.1% Triton X_100 (トリトン X_100、ポリオキシエチレンォクチルフエ ニルエーテル、ロームアンドハース社商品名)、夫々 0.2mMの dATP、 dCTP、 dGTP 、 dTTP及び Taq DNAポリメラーゼ((株)二ツボン.ジーン製) 40単位/ mlを含有する 10 mM Tris-HCl緩衝液 (pH8.9)を調製し、 PCR用反応液とした。
[0324] 上記 (2)で得られた形質転換体(M.アビゥム由来ゲノム DNAの Whole Genome Shot gun clone )のそれぞれから、常法に従い DNAを精製した。この精製した DNA (テン プレートとなる)を PCR用反応液 20 1に懸濁添加したものを調製し、 PCR用試料とし た。この PCR試料を用い、 MJ Research社の DNAサーマルサイクラ一(DNA Engine PTC200)を使用して、下記の反応条件で 30サイクル PCRを行った。
[0325] PCR反応条件:
熱変性: 94°C、 0. 5分
アニーリング: 55°C、 1分
重合反応: 75°C、 0. 5分。
[0326] 得られた PCR増幅産物を精製後、固定化 Buffer (終濃度 3x SSC)と混合した。
[0327] スポットされる PCR増幅産物の終濃度が 300^/ Lとなるように調整し、装置内の 湿度を 55%に設定したタイピング用装置(GTMAS Stamp II; 日本レーザ電子社製)を 使用し、スライドガラス(CMT GAPS-II; Coming社製)上に、上記で得られた PCR産 物をスポットした(スポット径 150-250 μ m)。スポットが終了したスライドガラスを UVクロ スリンカ一(UV Stratalinkerl800; Stratagene社製)に移し、 り!^ん のリ 照射を行 なって、 PCR増幅産物(目的の DNA)をスライドガラス上に固定化し、マイクロアレイ( M.アビゥム由来ゲノム DNAの Whole Genome Shotgun clone Libraryを材料としたマ
イクロアレイ、合計 1600クローン)を作製した。
[0328] (4)標的ゲノム DNAの蛍光色素標識
i)標的ゲノム DNAの蛍光色素標識
BioPrime DNA labeling system (インビトロジェン社製)を利用し、標的ゲノム DNAの 蛍光色素標識を行った。
[0329] まず、上記 (1)で得られた Μ·アビゥム由来精製ゲノム DNA 2 gに、製品中の rando m primer solution 20 Lを混合した後、熱変性(95°C、 5分間)処理を行い、サンプル 溶液を得た。別に、 Μ·イントラセルラー(ATCC 13950)力、ら常法によりゲノム DNAを 抽出 ·精製し(対照用ゲノム DNA)、同様に処理を行い、サンプル溶液を得た。
[0330] 次いで、得られたサンプル溶液夫々に、 0.1M DTT 2 μ Ι dATP/dCTP/dGTP (各 5 mM)の混合液 2 1、 2.5mM dTTP 0.8 μ 1、 5mM Ha—dUTP 1.6 1、 Klenow酵素 (40 υ/ μ ί μ 1を添加し、 total 01110½=50 Lとなるように脱イオン化滅菌水を加え、 37 °Cで 3時間の伸長反応を行った。マイクロコン YM-30 (ミリポア社製)の限外ろ過カラム を付属の 1.5mlチューブにセットし、上記で得られた反応産物をカラムにのせ、 14,00 Orpmで 4分遠心した後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機 (C entriVap concentrator; LABCONCO社製)で完全に乾燥させた。
[0331] 乾燥させた上記反応産物に 50mM NaHCO を 10 μ 1加え混合し、 2〜3分常温で 静置した(以下、「反応産物溶液」と称する。)。
[0332] 別に、 lmgの Cy5 (アマシャムバイオサイエンス株式会社)または Cy3 (アマシャムバ ィォサイエンス株式会社)を 105 1の DMSOに溶かしたものを調製した(Cy-dye Sol ution Cy3、 Cy-dye Solution Cy5)。この Cy-dye Solution Cy5 10 1を Μ·アビゥム由 来ゲノム DNAを用いて得られた上記反応産物溶液に加え、同様に 40°Cで 60分イン キュペート(遮光)した。また、 Cy-dye Solution Cy3 10 1を対照用ゲノム DNA(M.ィ ントラセルラー由来)を用いて得られた上記反応産物溶液に加え、 40°Cで 60分インキ ュペート(遮光)した。
[0333] さらに、インキュベート後の、夫々の上記反応産物溶液に、 4M NH OH (使う直前に 作成する)を 10 ^ 1加え、攪拌後、 15分インキュベート(遮光)を行い、夫々の標識産 物、すなわち M.アビゥム由来ゲノム DNAを Cy5で標識した標識産物、及び M.イント
ラセルラー由来ゲノム DNAを Cy3で標識した標識産物を得た。
[0334] マイクロコン YM-30 (ミリポア社製)の限外ろ過カラムを付属の 1.5mlチューブにセッ トし、上記で得られた各ゲノム DNAの標識産物をカラムにのせ、 14,000rpmで 4分遠 心した後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機 (CentriVap conce ntrator; LABCONCO社製)で完全に乾燥させた。
[0335] ii)標識産物の断片化工程
上記 (4) i)で得られた乾燥状態の各ゲノム DNAの標識産物に対して、終濃度が 0.0 4M Tris-acetate(pH8.1)、 0.1M酢酸カリウム、 0.03M酢酸マグネシウム四水和物の組 成の溶液 40 Lを調製したものを加え、懸濁混和させた。次いで 94°Cで 15分間加熱 処理し、 100base〜300 baseの、各ゲノム DNAの標識産物の、断片化生成物を得た
〇
[0336] なお、 BcaBEST DNA Polymerase (タカラバイオ社製)及び rBst DNA Polymerase (E PICENTRE社製)を用いてラベル化効率 (base/dye)を調べた結果、 Cy3標識の実験 結果では、 M.イントラセルラー由来の対照用ゲノムを材料とした標識産物(DNAフラ グメント)の約 28塩基に dye 1分子が取り込まれていることを確認している。また、 Cy5 標識の実験結果では、 M.アビゥム由来ゲノムを材料とした標識産物(DNAフラグメン ト) DNAの約 36塩基に dye 1分子が取り込まれて!/、ることを確認して!/、る。
[0337] 得られた Cy5標識産物溶液及び Cy3標識産物溶液の各々をマイクロコン YM-10 (ミ リポア社製)の限外ろ過カラムにのせ OOOrpmで 4分遠心した後、濃縮液を同一の マイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機 (CentriVap concentrator; LABCONC O社製)で完全に乾燥させた。次いで、このマイクロチューブに以下の試薬を加え、懸 濁混和させ、標識産物の乾燥物を溶解させた。以上の操作により、 M.アビゥム由来 ゲノム DNACy5標識産物の断片化生成物と、 M.イントラセルラー由来の対照用ゲノ ム DNACy3標識産物の断片化生成物との、 Cy3Cy5標識産物混合溶液が得られた。
[0338] ArrayHyb Hybridization buffer (SIGMA社製); 40 L
salmon sperm DNA (10mg/ mL) ; 0.5 μ L
formamide ; 5 し
Total 40〜50 μ L
得られた Cy3Cy5標識産物混合溶液を 95°Cで 5分インキュベートし、ハイブリダィゼ ーシヨンまで 70°Cに保っておいた。
[0339] (5)マイクロアレイ'ハイブリダィゼーシヨン
上記 (3)の工程で得られた、 Μ·アビゥム由来ゲノム DNAの Whole Genome Shotgun clone Libraryのマイクロアレイ上に、上記 (4)ii)で調製した Cy3Cy5標識産物混合溶液 を全てのせ、気泡が入らないようにカバーガラスをかぶせた。これをハイブリカセット にセットし、タッパーに蒸留水で湿らせたキムタオルをひいたものの上にのせて密閉 し、遮光下に 65°Cで 8時間以上反応させてハイブリダィゼーシヨンを行った。ハイブリ ダイゼーシヨン後、マイクロアレイをカバーグラスごと 2 X SSC_0.1%SDS溶液に室温で 浸し、溶液中でマイクロアレイを静かに揺らしてカバーグラスをはずした。次いで 1 X S SC、 0.03%SDS溶液(60°C)で 10分間洗浄、 0.2 X SSC溶液(42°C)で 10分間洗浄、 0.05 X SSC溶液(室温)で 10分間洗浄した後、新し!/、乾!/、たラックにマイクロアレイを すばやく移し、すぐに 800prmで 5分間遠心を行って乾燥させた。
[0340] (6)蛍光強度の測定:シグナル検出から数量化まで
蛍光読み取りスキャナー GenePix 4000B(Axon Instruments In 製)を用いて、上記 ( 5)で得られた、マイクロアレイ'ノヽィブリダィゼーシヨン処理したマイクロアレイ上の蛍 光強度を測定した。この際、 Cy3標識産物と Cy5標識産物の競合ハイブリダィゼーシ ヨンの結果を解析するため、 2チャンネル、すなわち 2ch(Cy3、 Cy5)での蛍光を検出し た。
[0341] 蛍光シグナル (蛍光検出データ)の数量化は日立ソフト社製の DNASIS™-Array (D NAチップ発現イメージ解析ソフトウェア)を用い、ソフトの操作手順に従って、スポット 自動認識、バックグラウンド計算、蛍光強度比の正規化を行った。また、信頼性限界 ラインを定め、それ以下の領域のデータは扱わないようにして、正規化され信頼性の ある蛍光強度(比)を求めた。
[0342] さらに、マイクロアレイ上で検出された Cy3/Cy5の蛍光強度比(Ratio)を基に、常法 に従い、散布図 (スキヤッタープロット)解析を行った。
[0343] すなわち、あるマイクロアレイ上のスポットの Cy3に対する Cy5の蛍光強度比が高い 場合には、そのスポットの DNA断片(PCR産物)は、 Cy5標識産物、即ち M.アビゥム
由来のゲノム DNAとより強くハイブリダィズしたことを示す。他方、あるスポットの Cy3 に対する Cy5の蛍光強度比が低い場合は、そのスポットの DNA断片は、 M.アビゥム 由来のゲノム DNAに対する特異性が低ぐ Cy3標識産物、すなわち Μ·イントラセノレ ラー由来の対照用ゲノム DNAとの交叉反応が観察された(M.イントラセルラー由来 の対照用ゲノム DNAとハイブリダィズした)ことを示す。
[0344] この方法で、マイクロアレイの全てのスポットの蛍光強度比を算出した。そして、蛍 光強度が高ぐ且つ Cy3に対する Cy5の蛍光強度比が高いスポットを選択した。
[0345] その結果、 M.アビゥム由来のゲノム DNAとより強くハイブリダィズした 24クローンを 、候補クローンとして選択した。
[0346] (7)候補クローンの塩基配列決定
次に、上記 (6)で選択された候補 24クローンについて、下記の方法で塩基配列決 定を行った。
[0347] すなわち、 Big Dye Terminatorキット(アプライドバイオシステムズ社製)を使用し、製 品プロトコールに従い以下の手順でシークェンス解析を行った。
[0348] 候補 DNA (候補クローン) ;2 し(1001¾)
M13 Primer Ml ; 1 μ L(5pmol)
premix ; 8 し
上記の混合物に、総 volunM^ZO Lとなるように脱イオン化滅菌水を加え、 MJ Resea rch社の DNAサーマルサイクラ一(DNA Engine PTC200)を使用して、下記の反応条 件で 30サイクルの PCRを行った。
96°C 2 min→ (96°C 10sec→50°C 5sec→60°C 4min) X 25→4°C
[0349] 得られた PCR産物を QIAGEN社製ゲルろ過カラムで精製後、 MJ Research社製の シークェンサ一(BaseStation)を用い、機器付属の手順書に従い候補クローンの塩基 配列すベてのシークェンス (塩基配歹 IJ)解読を完了した。
[0350] 得られた結果をデータベース(NCBI BLAST及び CHEMICAL ABSTRACT)で検索 した結果、データベース上では候補の 24クローンの塩基配列は、未登録の新規な配 列であることが推定できた。
[0351] 実施例 2.候補クローン 13の M.アビゥム特異性評価
( 1 )本発明のプライマーの合成
まず、上記した実施例 1で決定された候補の 24クローンのうち、候補クローン 13の シークェンス (塩基配歹 IJ)の解析結果に基づき、その候補配列 13から、プライマーデ ザイン用の Webツーノレ Primer3(Whitehead Institute for Biomedical Research.)を用レヽ て PCRに用いるためのプライマー配歹 IJ、すなわち「5'—AAGGCTCATGGCTACCAA GTC - 3'J (配列番号 14。以下、 12Fw_lと呼ぶ)、及び「5'— TGGCCGAGTTCGTGA TTCT 3'」(配列番号 15。以下、 12Rv_lと呼ぶ)を設計した。
[0352] 尚、シークェンスの解析結果から得られた、候補クローン 13の塩基配列は、配列番 号 4で表されるものである。また、そのクローン ID番号を Rl l_2dと付番した (発明者が 命名した。以下同じ)。
[0353] 次に、 ABI社 DNAシンセサイザー 392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、設計し たオリゴヌクレオチドを合成した。合成は ABI社マニュアルに従った。各種オリゴヌク レオチドの脱保護はオリゴヌクレオチドのアンモニア水溶液を 55°Cで一夜加熱するこ とにより実施した。
[0354] 次いでフアルマシア社製 FPLCを用いた陰イオン交換カラムクロマトグラフィーを行 い、合成オリゴヌクレオチドを精製した。この合成オリゴヌクレオチドをプライマーとし て用いた。
[0355] (2) DNA試料の調製
以下に示す各細菌の DNA試料を、それぞれ下記の方法で調製した。
[0356] a: Escherichia coli (E. coli、大腸菌) (ATCC11775)
b: Mvcobacterium tuberculosis (マイコノ クテリゥム ·ッべノレクローシス、ヒト型結核菌)
(TMC102[H37Rv])
c: Mvcobacterium kansasii (Μ·カンサシ) (ATCC12478)
d: Mvcobacterium marinum (マイコバクテリゥム ·マリナム) (ATCC927)
e: Mvcobacterium simiae (マイコバクテリゥム 'シミアェ) (ATCC25275)
f: Mycobacterium scrofblaceumズマイコノ グァリヮム 'スクロフフセゥム) (ATCC19981J g: Mvcobacterium gprdonae (マイコノ グァリウム-コノレトネァ) ATCC14470) h: Mvcobacterium szul且 ai (マイコノ クテリウム'スズノレガイ) (ATCC35799)
i : M.アビゥム(TNC16741)
j : M.イントラセルラー(マイコバクテリゥム.イントラセルラー)(ATCC13950) k: Mycobacterium gastri (マイコバクテリゥム ·ガストリ) (ATCC15754)
1: Mycobacterium xenopi (マイコバクテリゥム ·ゼノビ) (ATCC19250)
m: Mycobacterium nonchromo enicum (マイコノ クテリゥム ·ノンクロモケニカム J (ATC
C19530)
n: Mycobacterium terrae (マイコバクテリゥム ·テレ) (ATCC15755)
o: Mycobacterium triviale (マイコバクテリゥム ·トリビアレ) (ATCC23292)
p: Mycobacterium fortuitum (マイコバクテリゥム ·フォーチユイタム) (ATCC6841) α: Mycobacterium chelonei (マイコバクテリゥム ·セロネィ) (ATCC35752)
r: Mycobacterium abscessus (マイコバクテリゥム ·ァプセッサス) (ATCC19977) s: Mvcooacterium peregrinum マイコノヽクァリウム ·ペレグリナム j (ATCC14467)
[0357] まず、
Mycos Research, LLC力、ら精製 ゲノム DNAを入手し、それを精製 DNAとして用いた。
[0358] それ以外の細菌については、 American Type Culture Collection (ATCC)から菌株 を入手し、下記の方法で DNAを抽出 '精製した。細菌はいずれも臨床分離株であり 、培養後、コロニーの形状や従来の各種生化学的試験などによって菌種がすでに鑑 別されているものである。
[0359] すなわち、マイコバクテリゥム(Mycobacterium)属細菌については、まず、小川培地 上のコロニーを精製水に懸濁し、オートクレーブ処理(120°C ' 2気圧、 20分)した。 次いで菌体を粉砕処理(直径 2mmガラスビーズによる物理的破砕)した後、遠心分離 し、上清を得た。得られた上清から、(株)キアゲン製のイオン交換樹脂タイプ DNA抽 出精製キット Genomic-tipを用レ、て DNAの抽出、精製を行った。
[0360] また、大腸菌については、大腸菌の DNA抽出方法の常法に従い、 DNAを抽出、 精製した。
[0361] 得られたそれぞれの精製 DNAを、最終 lng/ ^ KlOmM Tris-HCl緩衝液、 ρΗ8·9) になるように調製し、 DNA試料とした。
[0362] (3)リアルタイム PCR
上記 (1)で設計、合成した 12Fw_lをフォワードプライマーとして、 12Rv_lをリバースプ ライマーとして用い、下記の通り PCRを行った。
[0363] i) PCR用反応液の調製
上記 (1)で得られたプライマー 12Fw_l及び 12Rv_lを各 300nM、 SYBR™ Green I (Mol ecular Probe社商品名)を原液の 30倍希釈(最終濃度は原液の 30000倍希釈)、 1.5m M MgCl 、 80mM KC1、 500 μ g/ml BSA、 0.1%コール酸ナトリウム、 0.1% TritonX- 100 、それぞれ 0.2mMの dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP、及び Taq DNAポリメラーゼ(二ッポ ンジーン製) 40単位/ mlを含有する 10mM Tris_HCl(pH8.9)を調製し、 PCR用反応液 とした。
[0364] ii)リアルタイム PCR
PCRにおける増幅ターゲットとなる铸型 DNAとして、上記 (2)で調製した各マイコバ クテリゥム属細菌由来又は大腸菌由来の DNA試料を用い、以下の通り、インター力 レーシヨン法によるリアルタイム PCRを行い、蛍光の定量モニタリングを行った。
[0365] まず、上記 (3)i)で調製した PCR用反応液 20 μ 1に、上記 (2)で調製した DNA試料 1
L (lng)を添加し、 PCR用試料とした。
[0366] その PCR用試料を、 96穴反応プレート(マイクロアンプ'ォプチカル · 96ゥエル'リ アクション 'プレート、アプライドバイオシステムズジャパン社製)のゥエルに入れ、 Taq Man™ PCR専用サーマルサイクラ一'検出器 (ABI 7500、アプライドバイオシステムズ ジャパン社製)を用いてリアルタイム PCRを行った。すなわち、 95°Cで 10分間保温 の後、 95°Cで 15秒間、 60°Cで 1分間の反応を 40サイクル繰り返し、プライマー伸長 産物の増幅量と相関してインターカレーシヨンする SYBR™ Green Iの蛍光強度を測 定した。
[0367] 尚、フォワードプライマー 12_Fwl、及びリバースプライマー 12_Rvlを用いた上記のリ アルタイム PCRにより、铸型として用いた DNA試料中に候補クローン 13の塩基配列 が存在すれば、 M.アビゥムゲノム DNA中に存在する候補クローン 13の塩基配列中 の、配列番号 28で表される配列(150塩基対)の DNA断片が複製され、蛍光が検出 されると予測される。
[0368] (4)融解曲線解析
各 DNA試料に対して各々増幅されてきた産物について、横軸をプライマー伸長産 物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光強度の 1次微分(変化量)をとつた融解曲 線を作成し、ピークの検出を行った。
[0369] (5)結果
各 DNA試料について得られた融解曲線解析の結果を 1つのグラフにまとめて、図 1に示す。
[0370] 図 1の結果から明らかな如ぐ本発明のプライマー 12_Fwl、及びプライマー 12_Rvl を用いて、 SYBR Green I存在下で増幅された核酸の融解曲線解析を行った結果、 M .アビゥム由来の DNA試料を铸型として用いた場合のみに、核酸増幅の結果生じる 蛍光が確認でき(図 1: M.avium)、陽性と判定できた。
[0371] これに対し、図 1から明らかな如ぐ Μ·アビゥム以外のマイコバクテリゥム属細菌や 他の属の細菌である大腸菌由来の DNAを铸型として用いて、同じプライマーの組合 せを用いて同様にリアルタイム PCRを行った場合には、該当する蛍光が確認できず( 図 1: other species)、すべて陰性と判定できた。
[0372] 更に、図 1から明らかな如ぐ M.アビゥム由来の DNA試料を铸型として用いた場合 の融解曲線解析の結果、単一の明瞭なピークが得られたことから、行った検出法は、 M.アビゥムに極めて特異性の高い、検出方法であることが判る。
[0373] 以上のことから、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして PCRに用いることに より、 M.アビゥムを特異的に検出することが出来ることが判る。また、 PCRなどの核酸 増幅による検出は高感度が期待できるため、細菌を単離する必要がなぐ臨床材料 をそのまま検出に用いることが可能であるため、従来の細菌を培養してから検出する 方法では培養に数週間力、かっていた M.アビゥムの検出を、長くても 1日以内に終わ らせること力 Sでさること力 S半 IJる。
[0374] 実施例 3.その他の候補クローンの M.アビゥム特異性評価 1
( 1 )本発明のプライマーの合成
実施例 1で決定された候補の 24クローンのうち、候補クローン 08のシークェンス(塩 基配歹 IJ)の解析結果に基づき、その候補配列 08から、プライマーデザイン用の Web ツーノレ Primer3(Whitehead Institute for Biomedical Research.)を用レヽて PCRに用レヽる
ためのプライマー配列、すなわち「5'— cattgtgcgctgcttatgac— 3'」(配列番号 6。以下 、 003Fw_lと呼ぶ)及び「5'— gaagtgaatcggccttgct— 3'」(配列番号 7。以下、 003Rv_lと 呼ぶ)を設計した。
[0375] 尚、シークェンスの解析結果から得られた、候補クローン 08の塩基配列は、配列番 号 1で示されるものである。また、そのクローン ID番号を R07_12qと付番した。
[0376] 次いで、実施例 2(1)と同じ機器を用い、同様の方法で、設計したリゴヌクレオチドを 合成 ·精製した。この合成オリゴヌクレオチドを本発明のプライマーとして用レ、た。
[0377] 同様の方法で、他の候補クローンの塩基配列をもとに、下記のプライマーを設計し た。
[0378] (i)候補配列 09 (配列番号 2、クローン ID番号 R07_7a)をもとに、「5'— tgcaggtcgtgta gtcctc— 3'」(酉己歹 IJ番号 10、以下、「007Fw_l」と呼ぶ)及び「5'— aaggtcgagttgcgcttg—
3'」(配列番号 11、以下、「007Rv_l」と呼ぶ)を設計した。
[0379] (ii)候補配列 12 (配列番号 3、クローン ID番号 Rl l_12b)をもとに、「5'— accagttgatgt tgccttcc- 3'j (酉己歹 IJ番号 12、以下、「l lFw_l」と呼ぶ)及び「5'—tctcgatcttcaccgtcagt t 3'」(配列番号 13、以下、「l lRv_l」と呼ぶ)を設計した。
[0380] (iii)候補配列 13 (配列番号 4、クローン ID番号 Rl l_2d)をもとに、「5'— acctcaacccag gctacaga— 3'j (酉己歹 IJ番号 16、以下、「12Fw_4」と呼ぶ)及び「5'— gaataagggaaagtgcata cga- 3'j (配列番号 17、以下、「12Rv_4」と呼ぶ)を設計した。
[0381] (iv)候補配列 22 (配列番号 5、クローン ID番号 R16_6h)をもとに、「5'— agggcgaacaa aacgatctac- 3'j (酉己歹 IJ番号 22、以下、「04Fw_l」と呼ぶ)及び「5'— cccaaaacaacttctgc ctct 3'」(配列番号 23、以下、「04Rv_l」と呼ぶ)を設計した。
[0382] 次いで、実施例 2(1)と同様の方法で、設計した各オリゴヌクレオチドを合成'精製し た。この合成オリゴヌクレオチドを本発明のプライマーとして用レ、た。
[0383] (2) DNA試料の調製
実施例 2(2)で用いたのと同じ細菌を用い、実施例 2(2)と同様の方法で、 DNA試料 を調製した。
[0384] (3)リアルタイム PCR
上記(1)で設計、合成したプライマーを、下記表 6の組み合わせで用いる以外は、
実施例 2(3)と同様の方法で、リアルタイム PCRを行った。
[0385] [表 6]
[0386] (4)融解曲線解析
実施例 2(4)と同様の方法で、各 DNA試料に対して各々増幅されてきた産物につ いて、横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光強度の 1 次微分(変化量)をとつた融解曲線を作成し、ピークの検出を行った。
[0387] (5)結果
実施例 2と同様に、本発明のプライマーを用いて、 SYBR Green I存在下で増幅され た核酸の融解曲線解析を行った結果、表 6記載のどのプライマーの組み合わせを用 V、た場合でも、 M.アビゥム由来の DNA試料を铸型として用レ、てリアルタイム PCRを 行った場合のみに、核酸増幅の結果生じる蛍光が確認でき、陽性と判定できた。
[0388] これに対し、 M.アビゥム以外のマイコバクテリゥム属細菌や他の属の細菌である大 腸菌由来の DNAを铸型として用いて、表 2記載のどの同じプライマーの組合せを用 いて同様にリアルタイム PCRを行った場合にも、該当する蛍光が確認できず、すべて 陰性と判定できた。
[0389] 更に、 M.アビゥム由来の DNA試料を铸型として用いた場合の融解曲線解析の結 果、実施例 2の場合と同様、単一の明瞭なピークが得られたことから、行った検出法 は、 M.アビゥムに極めて特異性の高い、検出方法であることが分かる。
[0390] 以上のことから、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして PCRに用いることに より、 M.アビゥムを特異的に検出することが出来ることが判った。また、 PCRなどの核 酸増幅による検出は高感度が期待できるため、細菌を単離する必要がなぐ臨床材 料をそのまま検出に用いることが可能であるため、従来の細菌を培養してから検出す
る方法では培養に数週間力、かっていた M.アビゥムの検出を、長くても 1日以内に終 わらせること力 Sでさる。
[0391] 実施例 4.その他の候補クローンの M.アビゥム特異性評価 2
( 1 )本発明のプライ の合成
実施例 1で決定された候補の 24クローンのうち、候補クローン 10のシークェンス(塩 基配歹 IJ)の解析結果に基づき、その候補配列 10から、プライ デザイン用の Web ツー Primer3(Whitehead Institute for Biomedical Research.)を用いて PCR増幅検 出のためのプライ 配列、すなわち「5'— caccggccaatccctaac— 3'」(配列番号 67 以下、 RE10Fw_02と呼ぶ)及び「5'— agcgcgatgcgtagttcc— 3'」(配列番号 68。以下、 R E10Rv_02と呼ぶ)を設計した。
[0392] 尚、シークェンスの解析結果から得られた、候補クローン 10の塩基配列は、配列番 号 39で示されるものである。
[0393] 次いで、実施例 2(1)と同じ機器を用い、同様の方法で、設計したリゴヌクレオチドを 合成 ·精製した。この合成オリゴヌクレオチドを本発明のプライマーとして用レ、た。
[0394] 同様の方法で、他の候補クローンの塩基配列をもとに、プライ を設計した。
[0395] 各候補配列の名称 (番号) その候補配列の塩基配列の配列番号、その候補配列 をもとに設計したプライマーの名称 (発明者が命名した。以下同じ。)及びその塩基配 列の配列番号、続レ、て行う PCRにお!/、て用いたフォワードプライマーとリバースプラ イマ一の組み合わせを表 7に併せて示す。また、各候補配列のクローン ID番号を、候 補配列の名称の下に、( )内に示す。
[0396] [表 7]
候捕配列 設計したプライマー
組み合わ フォ ト"フ'ライマ リハ" スフ。ライマ 名称 配列番号
せ番号 名称 配列番号 名称 配列番号
1 RE01Fw_01 4 3 REOlRv— 01 44
2 RE01Fw_02 4 5 EE01Rv_02 4 6 候補配列 0 1 3 RE01Fw_03 4 7 REOlRv— 03 4 8
3 7
(R03_10b) 4 RE01Fw_04 4 9 EE01Rv_04 50
5 REOlFw— 05 5 1 REOlRv— 05 5 2
6 RE01Fw_06 5 3 RE01Rv_06 54
7 RE04Fw_01 5 5 EE04Rv_01 5 6
8 RE04Fw_02 5 7 RE04Rv_02 5 8 候補配列 04 9 RE04Fw_03 5 9 EE04Rv_03 60
3 8
(R05— lie) 10 RE04Fw_04 6 1 RE04Rv_04 6 2
11 RE04Fw_05 6 3 EE04Rv_05 64
12 RE04Fw_06 6 5 RE04Rv_06 6 6
13 RE10Fw_02 6 7 EE10Rv_02 6 8 候捕配列 14
1 0 RE10Fw_03 6 9 RE10Rv_03 70
3 9
(R08_10a) 15 RE10Fw_04 7 1 EE10Rv_04 7 2
16 RE10Fw_05 7 3 EE10Rv_05 74
17 REllFw_01 7 5 EEllRv_01 7 6 候補配列 1 1 18 REllFw_02 7 7 REllRv— 02 7 8
40
(謹— llf) 19 REllFw_03 7 9 EEllRv_03 80
20 REllFw_04 8 1 EEllRv_04 8 2
21 RE23Fw_01 8 3 EE23Rv_01 84
22 RE23Fw_02 8 5 EE23Rv_02 8 6 候補配列 2 3
4 1 23 RE23Fw_03 8 7 RE23Rv_03 8 8 (R16_8f)
24 RE23Fw_04 8 9 EE23Rv_04 90
25 RE23Fw_05 9 1 RE23Rv_05 9 2
26 RE24Fw_01 9 3 EE24Rv_01 94 候捕配列 24 27 RE24Fw_02 9 5 RE24Rv_02 9 6
42
(R01_2a) 28 RE24Fw_03 9 7 EE24Rv_03 9 8
29 RE24Fw_04 9 9 RE24Rv_04 1 00
[0397] 次いで、実施例 2(1)と同様の方法で、設計した各オリゴヌクレオチドを合成'精製し た。この合成オリゴヌクレオチドを本発明のプライマーとして用レ、た。
[0398] (2)DNA試料の調製
実施例 2(2)で用いたのと同じ細菌を用い、同様の方法で、 DNA試料を調製した。
[0399] (3)リアルタイム PCR
上記(1)で調製したプライマーを、上記表 7の組み合わせで用いる以外は、実施例 2(3)と同様の方法で、リアルタイム PCRを行った。
[0400] (4)融解曲線解析
実施例 2(4)と同様の方法で、各 DNA試料に対して各々増幅されてきた産物につ いて、横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光強度の 1 次微分(変化量)をとつた融解曲線を作成し、ピークの検出を行った。
[0401] (5)結果
実施例 2と同様に、本発明のプライマーを用いて、 SYBR Green I存在下で増幅され た核酸の融解曲線解析を行った結果、表 7記載のどのプライマーの組み合わせを用 V、た場合でも、 M.アビゥム由来の DNA試料を铸型として用レ、てリアルタイム PCRを 行った場合、核酸増幅の結果生じる蛍光シグナルが確認でき、陽性と判定できた。
[0402] 特に、下記表 8のプライマーの組み合わせを用いたリアルタイム PCR力 M.アビゥ ムに対する特異性が高!/、と!/、う結果が得られた。
[0403] [表 8]
フォワ ドフ'ライマ リハ—スフ。ライマー
番号
名称 配列番号 名称 配列番号
1 RE04Fw_02 57 RE04Rv_02 58
2 RE04Fw_03 59 RE04Rv_03 60
3 RE04Fw_04 61 RE04Rv_04 62
4 RE04Fw_05 63 RE04Rv_05 64
5 RE04Fw_06 65 RE04Rv_06 66
6 RE10Fw_02 67 RE10Rv_02 68
7 RE10Fw_03 69 RE10Rv_03 70
8 RE10Fw_04 71 RE10Rv_04 72
9 REllFw_01 75 REllRv_01 76
10 REllFw_02 77 REllRv_02 78
1 1 REllFw_03 79 REllRv_03 80
12 REllFw_04 81 REllRv_04 82
13 RE23Fw_01 83 RE23Rv_01 84
14 RE23Fw_02 85 RE23Rv_02 86
1 5 RE23Fw_03 87 RE23Rv_03 88
16 RE23Fw_04 89 RE23Rv_04 90
1 7 RE23Fw_05 91 RE23Rv_05 92
18 RE24Fw_01 93 RE24Rv_01 94
[0404] 尚、 Μ·アビゥム 104 (Kathleen L.Horan, et al., J. Clin. Microbiol., vol.44, No.3, pp .783-789、 2006)の全ゲノム配列力 2006年 12月 12日に大学共同利用機関法人情 報'システム研究機構国立遺伝学研究所 日本 DNAデータバンクの DNA Data Ban k of Japan (DDBJ)の Web上で公開された。
[0405] そこで、実施例 4で用いたプライマー及び実施例 4で得られた伸長産物の塩基配列 を、この Mvcobacterium avium 104の全ゲノム配列と比較したところ、特に下記表 9に 記載したプライマー対の伸長産物に、 M.アビゥム 104の全ゲノム配列とマッチングし ている部位があることが判った。このことから、本発明に係る候補配列をターゲットとし て利用すれば、 M.アビゥム種の広範な検出を行えることが示唆された。
[0406] [表 9]
[0407] 以上のことから、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして PCRに用いることに より、 M.アビゥムを特異的に検出することが出来ることが判った。また、 PCRなどの核 酸増幅による検出は高感度が期待できるため、細菌を単離する必要がなぐ臨床材 料をそのまま検出に用いることが可能であるため、従来の細菌を培養してから検出す る方法では培養に数週間力、かっていた M.アビゥムの検出を、長くても 1日以内に終 わらせること力 Sでさる。
[0408] 実施例 5.最小検出感度試験 1
リアルタイム検出法を利用し、候補配列 13をターゲットとした場合の検出感度の検 定を行った。
[0409] (1)本発明のプライマーの合成
実施例 2 (1)と同じ機器を用い、同様の操作で 12Fw_l、及び 12Rv_lのオリゴヌクレオ チドを合成した。これをプライマーとして用いた。
[0410] (2) DNA試料の調製
Mycos Research社(米国)より、高純度に精製された Μ·アビゥム由来の genomic DN
Aを入手した。これを 10mM Tris-HCl緩衝液に溶解し、吸光度を測定して試料中の D
NA量を測定した。得られた DNA量を、濃度既知の M.アビゥムのゲノム DNAを試料 として同様に吸光度を測定して得られた測定値と比較することにより、試料中のゲノム
DNA量(ゲノムコピー数)を決定した。
[0411] 次いで 10mM Tris-HCl緩衝液、 ρΗ8·9を用いて DNA試料を 105, 104, 103, 102, 10,
5, 2.5コピー/ Lの希釈系列に希釈したものを調製し、 PCR用 DNA試料とした。
[0412] (3)リアルタイム PCR
i) PCR用反応液の調製
上記 (1)で得られたプライマー 12_Fwl及びプライマー 12_Rvlを各 300nM、 SYBR™ G reen I (Molecular Probe社商品名)を原液の 30倍希釈(最終濃度は原液の 30000倍希 釈)、 1.5mM MgCl 、 80mM KC1、 500 μ g/ml BSA、 0.1%コール酸ナトリウム、 0.1% Tri tonX- 100、各 0.2mMの dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP、及び Taq DNAポリメラーゼ(ニッ ポンジーン製) 40単位/ mlを含有する 10mM Tris_HCl(pH8.9)を調製し、 PCR用反応 ί夜とした。
[0413] ii)リアルタイム PCR
PCRにおける増幅ターゲットとなる铸型 DNAとして、上記 (2)で調製した M.アビゥム 由来の PCR用 DNA試料を用い、以下の通り、インターカレーシヨン法によるリアルタ ィム PCRを行い、蛍光の定量モニタリングを行った。
[0414] まず、上記 (3)i)で調製した PCR用反応液 20 μ Lに、上記 (2)で調製した PCR用 DN
Α試料 1 L (lng)を添加し、 PCR用試料とした。
[0415] その PCR用試料を、 96穴反応プレート(マイクロアンプ'ォプチカル · 96ゥエル'リ
アクション 'プレート、アプライドバイオシステムズジャパン社製)のゥエルに入れ、 Taq Man™ PCR専用サーマルサイクラ一'検出器 (ABI 7500、アプライドバイオシステム ズジャパン社製)を用いてリアルタイム PCRを行った。すなわち、 95°Cで 10分間保 温の後、 95°Cで 15秒間、 60°Cで 1分間の反応を 40サイクル繰り返し、プライマー伸 長産物の増幅量と相関してインターカレーシヨンする SYBR™ Green Iの蛍光強度を 測定した。
[0416] 尚、蛍光強度は、測定に供した 96穴反応プレート 1プレート毎に、測定に用いたサ 一マルサイクラ一の、相対的な蛍光強度比を数値化する機能を用いて求めた。
[0417] (4)結果
得られた実験データから、リアルタイム PCR法において行われている常法に従って 、検量線を作成した。
[0418] すなわち、各濃度の PCR用 DNA試料毎に、 PCRのサイクル数 (x軸)に対する SYB R™ Green Iの蛍光強度 (Rn、 y軸)をプロットした増幅曲線を作成した。次いで、蛍光 強度が指数関数的に増幅している Rn部を選択し、 Threshold line (Th)を引いた。 Thと 各 PCR用 DNA試料の蛍光強度が交差した点を Threshold cycle (Ct)値とした。次い で用いた各 PCR用 DNA試料のゲノムのコピー数 (X軸、対数値)に対する Ct値 (y軸) をプロットし、各 Ctに対して得られた近似曲線を検量線とした。得られた検量線を図 2 に示す。
[0419] y= - 3. 173x+ 33. 00
R2 = 0.996
[0420] 以上の結果、まずリアルタイム PCRで蛍光が検出されたことから、本発明に係るオリ 出できることが判った。
[0421] また、検量線が作成できたことより、本発明のプライマー及びプローブを用いたリア ルタイム PCR法によれば、 M.アビゥムの定量が可能であることが判った。更に、図 2 より、本発明のプライマー及びプローブを用いたリアルタイム PCR法では、 Μ·アビゥ ムのゲノム DNAが初期量として 2. 5コピー存在する条件でも M.アビゥムの検出が可 能である事がわかる。
[0422] 更に、リアルタイム PCR法を利用した場合では、この蛍光強度をリアルタイムでモニ タリングするので、铸型 DNAの初期量を正確に定量することができ、 M.アビゥムの検 出に有効である。
[0423] 実施例 6.
リアルタイム PCR検出法を利用し、新規候補配列 13 (候補クローン 13の塩基配列 、配列番号 4で表される塩基配列からなる。)をターゲットとした場合の M.アビゥムの 検出を fiつた。
[0424] (1)本発明の M.アビゥム検出用プライマーの合成
実施例 2(1)と同じ機器を用い、同様の操作で 12Fw— 1 (配列番号 14)、及び 12Rv— 1 ( 配列番号 15)のオリゴヌクレオチドを合成'精製した。
[0425] (2) PCR用 DNA試料の調製
実施例 2(2)で M.アビゥム菌体から調製した DNA試料を用いた。まず、該 DNA試 料について、吸光度を測定して試料中の DNA量を測定した。得られた DNA量を、 濃度既知の M.アビゥムのゲノム DNAを試料として同様に吸光度を測定して得られた 測定値と量と比較することにより、試料中のゲノム DNA量 (ゲノムコピー数)を決定し た。 108コピー/〃 1のゲノム DNAが得られた。
[0426] 次いで 10mM Tris-HCl緩衝液、 ρΗ8·9を用いて DNA試料を 105, 104, 103, 102, 10, 0コピー/ Lの希釈系列に希釈したものを調製し、 PCR用 DNA試料とした。
[0427] (3)リアルタイム PCR
i) PCR用反応液の調製
上記 (1)で得られたプライマー 12_Fwl及びプライマー 12_Rvlを各 300nM、 SYBR Gre en I (Molecular Probe社)を原液の 30倍希釈(χ0·3 concentrate,最終濃度は原液の 3 0000倍希釈)、 1.5mM MgCl、 80mM KC1、 500 μ g/ml BSA、 0.1%コール酸ナトリウム 、 0.1%TritonX- 100、それぞれ 0.2mMの dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP、及び Taq DNA ポリメラーゼ(二ツボンジーン製) 40単位/ mlを含有する 10mM Tris_HCl(pH8.9)を調 製し、 PCR用反応液とした。
[0428] ii)リアルタイム PCR
上記 (3)i)で得られた PCR用反応液 20 1に、上記 (2)で調製した PCR用 DNA試料
1 β Lを添加し、 PCR用試料とした。
[0429] この PCR用試料を、 96穴反応プレート(マイクロアンプ.ォプチカル · 96ゥエル'リ アクション 'プレート、アプライドバイオシステムズジャパン社製)のゥエルに入れ、 Taq Man™ PCR専用サーマルサイクラ一'検出器 (ABI7500、アプライドバイオシステム ズジャパン社製)を用いてリアルタイム PCRを行った。すなわち、 95°Cで 10分間保 温の後、 95°Cで 15秒間、 60°Cで 1分間の反応を 40サイクル繰り返し、プライマー伸長 産物の増幅量と相関してインターカレーシヨンする SYBR Green Iの蛍光強度を測定 した。
[0430] 尚、蛍光強度は、測定に供した 96穴 1プレート毎に、測定に用いたサーマルサイク ラーの、反応プレート相対的な蛍光強度比を数値化する機能を用いて求めた。
[0431] 得られた実験データから、リアルタイム PCR法において行われている常法に従い、 各 PCR用 DNA試料毎に、実施例 5(4)と同様の方法で、 PCRのサイクル数 (x軸)に 対するレポーター色素の発光強度 (Rn、y軸)をプロットした増幅曲線を作成した。
[0432] 結果を図 3に実線で示す。
[0433] 図 3において、(1)〜(6)はそれぞれ以下の場合を示す。
[0434] (l) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 105コピーで、新規候補配列 13をタ
(2) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 104コピーで、新規候補配列 13をタ
(3) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 103コピーで、新規候補配列 13をタ
(4) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 102コピーで、新規候補配列 13をタ
(5) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 10コピーで、新規候補配列 13をタ
(6) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 SOコピーで、新規候補配列 13をター [0435] 比較例 1.
公知のプライマー配列を使用し、 M.アビゥムの 19キロダルトンタンパク質遺伝子領 域をターゲットとした場合の M.アビゥムの検出を行った。
[0436] (1)公知の M.アビゥム検出用プライマーの調製
特開平 11 69999号(特許文献1 ^?0887425)に開示された公知の .ァビゥム 検出用プライマー MAV19K_F1 (配歹 IJ「5' cggctgttcgagtggcaacaagtc 3'」、配列番 号 35)をもとに、プライマー配歹 IJ「5' ctgttcgagtggcaacaagtc 3'」(以下、 MAV19K_F Isと呼ぶ。配列番号 33)を設計し、 MAV19K_R1 (配歹 IJ「5' ccgtcgatgatgaccttggtccc 3'」、配列番号36)をもとに「5'— &1 &1 &∞« 。ー3'」(以下、 MAV19K_Rlsと 呼ぶ。配列番号 34)を設計した。
[0437] ここで、特開平 11— 69999号に開示された公知の M.アビゥム検出用プライマーで ある MAV19K_F1及び MAV19K_R1を以下の PCRにそのまま用いなかったのは、下記 の理由による。
[0438] すなわち、リアルタイム PCRに使用するプライマーは、あまり長い塩基配列のものは 好ましくない。しかし、特開平 11— 69999号の出願された当時は、リアルタイム PCR の技術が確立されていなかったことにもよる力 特開平 11 69999号に開示された プライマー MAV19K_F1及び MAV19K_R1は、リアルタイム PCRに使用するには少し長 めで、また、その塩基配列から、このままリアルタイム PCRに使用した場合、プライマ 一同士がァニールしてプライマーダイマーを形成し、その結果、 PCR増幅効率の低 下を引き起こす等の問題が生じる可能性が高いと考えられた。
[0439] そこで、リアルタイム PCRに使用するのに都合のよい長さのプライマーを得るため、 本発明者は、特開平 11 69999号に開示されたプライマー MAV19K_F1の塩基配 列の 5'側の 3つの塩基「じ 」を削除した配列である MAV19K_Fls、及び MAV19K_R1 の 5'側の 2つの塩基「cc」を削除した配列である MAV19K_Rlsを設計した。
[0440] 実施例 2(1)と同じ機器を用い、同様の操作で、設計した MAV19K_Fls (配列番号 33 )及び MAV19K_Rls (配列番号 34)のオリゴヌクレオチドを合成'精製した。
[0441] (2) PCR用 DNA試料の調製
実施例 6で調製したものと同じものを用レ、た。
[0442] (3)リアルタイム PCR
上記 (1)で調製した MAV19K_Flsをフォワードプライマーとして、 MAV19K_Rlsをリバ ースプライマーとして用る以外は、実施例 6(3)と同様の方法で、リアルタイム PCRを行 つた。
[0443] 得られた実験データから、リアルタイム PCR法において行われている常法に従い、 各 PCR用 DNA試料毎に、実施例 5(4)と同様の方法で、 PCRのサイクル数 (x軸)に 対するレポーター色素の発光強度 (Rn、y軸)をプロットした増幅曲線を作成した。
[0444] 結果を図 3に波線で示す。
[0445] 図 3において、 )〜 (12)はそれぞれ以下の場合を示す。
[0446] (7) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
(8) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 S104コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
(9) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
(10) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
(11) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度が 10コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
(12) PCR用 DNA試料中の初期 DNAの濃度力 コピーで、 M.アビゥムの 19キロ ダルトンタンパク質遺伝子領域をターゲットとしてリアルタイム PCRを行った場合。
[0447] (4)結果
以上の結果より、本発明のプライマー 12Fw_lと 12Rv_lを用い、新規候補配列 13をタ 一ゲットとして M.アビゥムの検出を行った場合(実施例 6)と、特開平 11-69999号に開 示された公知のプライマーを用い、公知の M.アビゥムの持つ配列をターゲットとした 場合(比較例 1)で、リアルタイム PCRによる M.アビゥム検出法を比較した。
[0448] 図 3の結果から明らかなごとぐいずれの DNA試料(105, 104, 103, 102, 10, 0コピー / Lの希釈系歹 IJ)を対象とした場合においても、実施例 6で得られた増幅曲線の立 ち上がりが、比較例 1で得られた増幅曲線の立ち上がりと比較して 4サイクル程度早
いことがわかる。このこと力 、実施例 6の方法は、比較例 1の方法と比較して約 10〜2 0倍程度増幅効率の高い検出法であることが考察できる。
[0449] 以上のことから、本発明のプライマーを用い、本発明の新規候補配列 13をターゲッ トとした検出方法の方力 公知の特開平 11-69999号に記載されたプライマーを用い 、公知の配列をターゲットとした場合に比較して、明らかに核酸増幅効率の優れてい る検出法であることが明らかである。
[0450] 実施例 7. M.アビゥムゲノム由来のクローンの選択 2
( 1 ) M.アビゥム由来 DNA試料の調製
まず、 M.アビゥムの某準株である Mvcobacterium avium IID 585 (日本細菌学会よ り分譲された。国立大学法人東京大学医科学研究所感染症国際センター病原微 生物資源室由来)を精製水に懸濁し、オートクレープ処理(120°C ' 2気圧、 20分)し た。次いで、菌体を粉砕処理(直径 2mmガラスビーズによる物理的破砕)した後、遠 心分離し、上清を得た。得られた上清から、(株)キアゲン製のイオン交換樹脂タイプ DNA抽出精製キット Genomic-tipを用いて DNAの抽出、精製を行い、 Μ·アビゥム( Mvcobacterium avium IID 585)由来の精製ゲノム DNAを得た。
[0451] 得られた M.アビゥム由来精製ゲノム DNAを、最終 4001¾/ l (10mM Tris-HCl緩 衝液、 ρΗ8·9)になるように調製し、それを「Μ·アビゥム由来 DNA試料」として用いた。
[0452] (2) Whole Genome Shotgun Libraryの作製とマイクロアレイの作製
上記 (1)で得られた M.アビゥム由来 DNA試料 24 gを材料として用い、上記実施例 1(2)〜(3)と同じ試薬を用い、同様の方法で、 Whole Genome Shotgum Libraryの作製 、マイクロアレイ (M.アビゥム由来ケノムの Whole Genome Shotgun clone libraryのマ イクロアレイ、合計 1000クローン)を作製した。
[0453] (3)標的ゲノム DNAの蛍光色素標識
i)標的ゲノム DNAの蛍光色素標識
BioPrime DNA labeling system (インビトロジェン社製)を利用し、標的ゲノム DNAの 蛍光色素標識を行った。
[0454] まず、上記 (1)で得られた M.アビゥム由来精製ゲノム DNA 2 gに、製品中の rando m primer solution 20 Lを混合した後、熱変性(95°C、 5分間)処理を行い、サンプル
溶液を得た。別に、 Μ·イントラセルラー(ATCC 13950)力、ら常法によりゲノム DNAを 抽出 ·精製し(対照用ゲノム DNA)、同様に処理を行い、サンプル溶液を得た。
[0455] 次いで、得られたサンプル溶液夫々に、 0.1M DTT 2 μ Ι dATP/dCTP/dGTP (各 5 mM)の混合液 2 1、 2.5mM dTTP 0.8 μ 1、 5mM Ha—dUTP 1.6 1、 Klenow酵素 (40 υ/ μ ί μ 1を添加し、 total 01110½=50 Lとなるように脱イオン化滅菌水を加え、 37 °Cで 3時間の伸長反応を行った。マイクロコン YM-30 (ミリポア社製)の限外ろ過カラム を付属の 1.5mlチューブにセットし、上記で得られた反応産物をカラムにのせ、 14,00 Orpmで 4分遠心した後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機 (C entriVap concentrator; LABCONCO社製)で完全に乾燥させた。
[0456] 乾燥させた上記反応産物に 50mM NaHCO を 10 μ 1加え混合し、 2〜3分常温で 静置した(以下、「反応産物溶液」と称する。)。
[0457] 別に、 lmgの Alexa647 (インビトロジェン社製)または Alexa555 (インビトロジェン社 製)を 105 1の DMSOに溶かしたものを調製した(dye Solution Alexa647、 dye Solut ion Alexa555) 0この、 dye Solution Alexa647 10 1を Μ·アビゥム由来ゲノム DNAを 用いて得られた上記反応産物溶液に加え、 40°Cで 60分インキュベート (遮光)を行つ た。また、 dye Solution Alexa555 10 1を対照用ゲノム DNA(M.イントラセルラー由 来)を用いて得られた上記反応産物溶液に加え、同様に 40°Cで 60分インキュベート( 遮光)した。
[0458] さらに、インキュベート後の、夫々の上記反応産物溶液に、 4M NH OH (使う直前に 作成する)を 10 ^ 1加え、攪拌後、 15分インキュベート(遮光)を行い、夫々の標識産 物、すなわち M.アビゥム由来ゲノム DNAを Alexa647で標識した標識産物、及び M. イントラセルラー由来ゲノム DNAを Alexa555で標識した標識産物を得た。
[0459] マイクロコン YM-30 (ミリポア社製)の限外ろ過カラムを付属の 1.5mlチューブにセッ トし、上記で得られた各ゲノム DNAの標識産物をカラムにのせ、 14,000rpmで 4分遠 心した後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機 (CentriVap conce ntrator; LABCONCO社製)で完全に乾燥させた。
[0460] ii)標識産物の断片化工程
上記 (3) i)で得られた乾燥状態の各ゲノム DNAの標識産物に対して、終濃度が 0.0
4M Tris-acetate(pH8.1)、 0.1M酢酸カリウム、 0.03M酢酸マグネシウム四水和物の組 成の溶液 40 Lを調製したものを加え、懸濁混和させた。次いで 94°Cで 15分間加熱 処理し、 100base〜300 baseの、各ゲノム DNAの標識産物の、断片化生成物を得た
[0461] なお、間接標識法を利用してラベル化効率 (base/dye)を調べた結果、 Alexa647 に関しては、約 100〜200塩基に dyel分子が取り込まれることを確認している。また、 A lexa555に関しては、約 150塩基に dye 1分子が取り込まれることを確認している。
[0462] 得られた Alexa647標識産物溶液及び Alexa555標識産物溶液の各々をマイクロコン YM-10 (ミリポア社製)の限外ろ過カラムにのせ OOOrpmで 4分遠心した後、濃縮液 を同一のマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機 (CentriVap concentrator; L ABCONCO社製)で完全に乾燥させた。次いで、このマイクロチューブに以下の試薬 を加え、懸濁混和させ、標識産物の乾燥物を溶解させた。以上の操作により、 M.ァ ビゥム由来ゲノム DNA Alexa647標識産物の断片化生成物と、 M.イントラセルラー由 来の対照用ゲノム DNA Alexa555標識産物の断片化生成物との、 Alexa555Alexa647 標識産物混合溶液が得られた。
[0463] ArrayHyb Hybridization buffer (SIGMA社製); 40 L
salmon sperm DNA ( 10mg/ mL) ; 0.5 μ L
formamide ; 5 し
Total 40〜50 μ L
[0464] 得られた Alexa555Alexa647標識産物混合溶液を 95°Cで 5分インキュベートし、ハイ ブリダィゼーションまで 70°Cに保つておレ、た。
[0465] (4)マイクロアレイ'ノ、イブリダィゼーシヨン
上記 (3)の工程で得られた Alexa555Alexa647標識産物混合溶液を用いる以外は、 上記実施例 1(5)と同様の方法で、上記(2)で得られた M.アビゥム由来ゲノム DNAの Whole Genome Shotgun clone libraryのマイクロアレイに対する、 Alexa555標識産物と Alexa647標識産物の競合ハイブリダィゼーシヨンを行った。
[0466] (5)蛍光強度の測定:シグナル検出から数量化まで
蛍光読み取りスキャナー GenePix 4000B(Axon Instruments In 製)を用いて、上記(
4)で得られた、マイクロアレイ'ノヽィブリダィゼーシヨン処理したマイクロアレイ上の蛍 光強度を測定した。この際、 Alexa555標識産物と Alexa647標識産物の競合ハイブリ ダイゼーシヨンの結果を解析するため、 2チャンネル、すなわち 2ch(Alexa555、 Alexa6 47)での蛍光を検出した。
[0467] また、上記実施例 1(6)と同様の装置を用い、得られた蛍光シグナル (蛍光検出デー タ)の数量化を行った。
[0468] さらに、マイクロアレイ上で検出された Alexa555/ Alexa647の蛍光強度比(Ratio)を 基に、常法に従い、散布図 (スキヤッタープロット)解析を行った。
[0469] この場合は、すなわち、あるマイクロアレイ上のスポットの Alexa555に対する Alexa64 7の蛍光強度比が高い場合には、そのスポットの DNA断片(PCR産物)は、 Alexa647 標識産物、即ち M.アビゥム由来のゲノム DNAとより強くハイブリダィズしたことを示す 。他方、あるスポットの Alexa555に対する Alexa647の蛍光強度比が低い場合は、その スポットの DNA断片は、 Μ·アビゥム由来のゲノム DNAに対する特異性が低ぐ Alex a555標識産物、すなわち M.イントラセルラー由来の対照用ゲノム DNAとの交叉反応 が観察された (M.イントラセルラー由来の対照用ゲノム DNAとハイブリダィズした)こ とを示す。
[0470] この方法で、マイクロアレイの全てのスポットの蛍光強度比を算出した。そして、蛍 光強度が高ぐ且つ Alexa555に対する Alexa647の蛍光強度比が高いスポットを選択 した。
[0471] (6)その他の Μ·アビゥム株(strain)を用いた二次検出
下記表 10に記載の M.アビゥム菌株各種(日本細菌学会より分譲された)を用い、 上記 (1)と同様の方法で、各菌株から「M.アビゥム由来 DNA試料」を調製した。
[0472] [表 10]
s pecies strsin o rigin
M. avium TMC1 6741 MYCOS Research社
M. avium II D 585 (type) 東京大学医科学研究所
M. avium RIMD 1 312004 大阪大学微生物病研究所
M. avium GTC M3234 岐阜大医学部
M. avium GTC M1 989-6 岐阜大医学部
M. avium GTC 01 937 (財)化学及血清療法研究所
M. avium GTC M3276 岐阜大医学部
M. avium GTC M91 -1 26 岐阜大医学部
M. avium GTC M91 -1 30 岐阜大医学部
M. avium GTC M1 988-37 岐阜大医学部
[0473] 次いで、上記 (3)i)〜ii)と同様の方法で、各 M.アビゥム菌株由来ゲノム DNAを Alexa
647で標識した標識産物を得、その断片化産物を得た。
[0474] また、上記 (3)i)〜ii)と同様の方法で、 Μ·イントラセルラー由来ゲノム DNAを Alexa55
5で標識した標識産物を得、その断片化産物を得た。
[0475] それから、上記 (3)i)〜ii)と同様の方法で、各 M.アビゥム菌株由来ゲノム DNA Alexa
647標識産物の断片化生成物と、 M.イントラセルラー由来の対照用ゲノム Alexa555 標識産物の断片化生成物の、 AleXa555Alexa647標識産物混合溶液を得た。
[0476] 得られた各 AleXa555Alexa647標識産物混合溶液を用い、実施例 7 (2)で得られた
Μ·アビゥム由来ゲノムの Whole Genome Shotgun cloneのマイクロアレイに対する、 A1 exa647標識産物と Alexa555標識産物の競合ハイブリダィゼーシヨン、及び蛍光強度 の測定を、上記 (4)〜(5)と同様の方法で行った。
[0477] さらに、上記 (5)と同様の方法で、マイクロアレイ上で検出された Alexa555/ Alexa647 の蛍光強度比(Ratio)を基に、常法に従い、散布図 (スキヤッタープロット)解析を行つ た。
[0478] 得られた解析結果に基づいて、上記 (5)と同様の方法で、マイクロアレイの全てのス ポットの蛍光強度比を算出し、蛍光強度が高ぐ且つ Alexa555に対する Alexa647の 蛍光強度比が高レ、スポットを選択した。
[0479] (7)候補クローンの選択
以上の結果を基に、コンセンサス配列としての候補を選択する上での一つの目安と
して、上記 (6)の検出で、これらの M.アビゥム菌株とハイブリダィズし、且つ上記 (5)の 検出で、 Μ·イントラセルラーとはハイブリダィズしな力、つたスポットを Μ·アビゥム由来 ゲノム DNAの Whole Genome Shotgun cloneのマイクロアレイ上から選択した。その結 果、 7つのスポット (候補クローン)が選択された。
[0480] (8)候補クローンの塩基配列決定
次に、上記 (7)で選択された候補 7クローンについて、実施例 1 (7)と同様の方法で シークェンス解析を行レ、、それぞれのクローンの塩基配列決定を行った。
[0481] 決定された各候補クローンの候補配列の名称、クローン ID番号、クローンの大きさ( 塩基数)および塩基配列の配列番号を下記表 11にまとめて示す。
[0482] [表 11]
[0483] 実施例 8.候補配列 Dの M.アビゥム株間保存性評価 1
( 1 )本発明のプライマーの合成
実施例 7(8)で決定された候補クローンのうち、候補クローン Dのシークェンス(塩基 配歹 IJ)の各解析結果に基づき、その候補配歹 IJDから、プライマーデザイン用の Webッ 一ノレ Primer3(Whitehead Institute for Biomedical Research.)を用レヽ飞、 PCRに用レ、る ためのプライマー配列、すなわち「5'—AGTGGGCAACAATCCAAGAG— 3'」(配列 番号 159、以下、「Mac— 12 Fw01」と呼ぶ。)、及び「5'— CCCGACACAACGAGGTTT ー3'」(配列番号 160,以下、「Mac_12 Rv01」と呼ぶ。)を設計した。
[0484] 次に、 ABI社 DNAシンセサイザー 392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、設計し たオリゴヌクレオチドを合成した。合成手法は ABI社マニュアルに従った。各種オリゴ
ヌクレオチドの脱保護はオリゴヌクレオチドのアンモニア水溶液を 55°Cで一夜加熱す ることにより実施した。
[0485] 次いでフアルマシア社製 FPLCを用いた陰イオン交換カラムクロマトグラフィーを行 い、合成オリゴヌクレオチドを精製した。この合成オリゴヌクレオチドをプライマーとし て用いた。
[0486] (2) M.アビゥム菌株由来 DNA試料の調製
実施例 2(2)のマイコバクテリゥム属細菌の調製方法に従って、上記表 10に記載の
Μ·アビゥム菌株を処理し、 DNAの抽出、精製を行った。得られたそれぞれの精製 D
NAを、最終 l (10mM Tris-HCl緩衝液、 ρΗ8·9)になるように調製し、各 Μ.ァ ビゥム菌株由来の DNA試料とした。
[0487] (3)リアルタイム PCR
上記 (1)で設計、合成した Mac_12Fw01をフォワードプライマーとして、 Mac_12Rv01を リバースプライマーとして用い、下記の通り PCRを行った。
[0488] i) PCR用反応液の調製
上記 (1)で得られたプライマー Mac_12Fw01及び Mac_12Rv01を各 300nM、 SYBR™ G reen I (Molecular Probe社商品名)を原液の 30倍希釈(最終濃度は原液の 30000倍希 釈)、 1.5mM MgCl 、 80mM KC1、 500 μ g/ml BSA、 0.1%コール酸ナトリウム、 0.1% Tri tonX-100, dATP、それぞれ 0.2mMの dCTP、 dGTP、 dTTP、及び Taq DNAポリメラー ゼ(二ツボンジーン製) 40単位/ mlを含有する 10mM Tris_HCl(pH8.9)を調製し、 PCR 用反応液とした。
[0489] ii)リアルタイム PCR
PCRにおける増幅ターゲットとなる铸型 DNAとして、上記 (2)で調製した各 M.アビ ゥム菌株由来の DNA試料を用い、以下の通り、インターカレーシヨン法によるリアル タイム PCRを行い、蛍光の定量モニタリングを行った。
[0490] まず、上記 (3)i)で調製した PCR用反応液 20 μ 1に、上記 (2)で調製した DNA試料 1
L (lng)を添加し、 PCR用試料とした。
[0491] 該 PCR用試料を、 96穴反応プレート(マイクロアンプ.ォプチカル · 96ゥエル'リア クシヨン'プレート、アプライドバイオシステムズジャパン社製)のゥエルに入れ、 TaqMa
n1 M PCR専用サーマルサイクラ一.検出器 (ABI 7500、アプライドバイオシステムズジ ャパン社製)を用いてリアルタイム PCRを行った。すなわち、 95°Cで 10分間保温の 後、 95°Cで 15秒間、 60°Cで 1分間の反応を 40サイクル繰り返し、プライマー伸長産 物の増幅量と相関してインターカレーシヨンする SYBR™ Green Iの蛍光強度を測定し た。
[0492] 尚、フォワードプライマー Mac_12Fw01とリバースプライマー Mac_12Rv01を用いた上 記のリアルタイム PCRにより、铸型として用いた各 M.アビゥム株のゲノム DNA中に候 補クローン Dの塩基配列が存在すれば、候補クローン Dの塩基配列中の、配列番号 194で表される配列(193塩基)の DNA断片が複製され、蛍光が検出されると予測さ れる。
[0493] (4)融解曲線解析
各 DNA試料に対して各々増幅されてきた産物について、横軸をプライマー伸長産 物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光強度の 1次微分(変化量)をとつた融解曲 線を作成し、ピークの検出を行った。
[0494] (5)結果
各 DNA試料について得られた融解曲線解析の結果を 1つのグラフにまとめて、図 4に示す。
[0495] 図 4の結果から明らかな如ぐ本発明のプライマー Ma 12Fw01及びプライマー Mac_ 12Rv01を用い、 10種類の M.アビゥム株から得られた DNA試料それぞれを铸型とし て用いてリアルタイム PCRを行い、 SYBR Green I存在下で増幅された核酸の融解曲 線解析を行った結果、いずれの場合でも、核酸増幅の結果生じる蛍光シグナルが確 認できた(図 4 : M.avium)。し力、も、得られたシグナルのピークはいずれも単一ピーク であった。更にピークの位置は、ほぼ重っていた。
[0496] 別に、上記 (1)〜(4)と同様の方法で、 M.アビゥム以外のマイコバクテリウム属菌 (M.
chimaera及び M.velatum)から得られた DNA試料を铸型として用い、同じプライマー を用いて PCRを行った。この場合には、核酸増幅の結果生じる蛍光シグナルが確認 できなかった(図 4: other species)。
[0497] 以上のことから、本発明のプライマー Ma 12Fw01及びプライマー Mac_12Rv01を用
いて PCRを行えば、上記 10種類の Μ·アビゥム株の何れかが存在していればその検 出が可能であり、し力、も Μ.アビゥム属に特異的な検出が行えることが判る。そして、こ のことからターゲットとした候補配列 Dは、 Μ.アビゥムのコンセンサス配列である可能 性が高いことも示唆された。
[0498] 実施例 9.その他の候補クローンの Μ.アビゥム株間における塩基配列の保存性評価 実施例 7(8)で決定された候補クローン A〜Gのシークェンス(塩基配列)の解析結 果に基づき、その各候補クローンの候補配列 A〜G、プライマープライマーデザイン 用の Webツーノレ Primer3(Whitehead Institute for Biomedical Research Jを用レヽて、 PC R増幅検出のためのプライマー配列をそれぞれ設計した。
[0499] 候補配列の名称及びその候補配列の塩基配列の配列番号、その候補配列をもと に設計したプライマーの名称 (発明者が命名)及びその塩基配歹 IJ、更にこの後行う P CRで用いた、フォワードプライマーとリバースプライマーの組み合わせを、表 12にま とめて示す。
[0500] [表 12]
候補配列 設計したプライマー
フォ ド ライマ 1)ハ- '一スフ。 ライマ一 名称 配列番号 番号
名称 配列番号 名称 配列番号
1 Mac_06Fw01 137 Mac_06Rv01 138
2 Mac_06Fw02 139 Mac_06Rv02 140 候捕配列 A 1 3 0
3 Mac_06Fw03 141 Mac_06Rv03 142
4 Mac— 06Fw04 143 Mac_06Rv04 144
5 Mac— lOFwOl 145 Mac— lORvOl 146 候捕配列 B 1 3 1
6 Mac— 10Fw02 147 Mac_10Rv02 148
7 Mac— llFwOl 149 Mac— l lRvOl 150
8 Mac— 11FW02 151 Mac_l lRv02 152 候補配列 C 1 3 2 9 Mac— 11FW03 153 Mac_l lRv03 154
1 0 Mac— 11FW04 155 Mac_l lRv04 156
1 1 Mac_llFwOB 157 Mac_l lRv05 158
1 2 Mac— 12Fw01 159 Mac_12Rv01 160 候補配列 D 1 3 3 1 3 Mac— 12Fw02 161 Mac_12Rv02 162
1 4 Mac_12Fw03 163 Mac_12Rv03 134
1 5 Mac_13Fw01 165 Mac_13Rv01 166 候補配列 E 1 3 4 1 6 Mac_13Fw02 167 Mac_13Rv02 168
1 7 Mac— 13Fw03 169 Mac_13Rv03 170
1 8 Mac— 15Fw01 171 Mac_15Rv01 172 候補配列 F 1 3 5
1 9 Mac— 15Fw02 173 Mac_15Rv02 174
2 0 Mac— 16Fw02 175 Mac_16Rv02 176
2 1 Mac— 16Fw03 177 Mac_16Rv03 178 候補配列 G 1 3 6
2 2 Mac— 16Fw05 179 Mac_16Rv05 180
2 3 Mac— 16Fw07 181 Mac_16Rv07 182
[0501] 次!/、で、実施例 8(1)と同様の方法で設計した各オリゴヌクレオチドを合成、精製した 。この合成オリゴヌクレオチドを本発明のプライマーとして用い、表 12記載のフォヮ一 ドプライマ一とリバースプライマーの組み合わせで、実施例 8(2)〜(4)と同様の方法で 、 DNA試料の調製、リアルタイム PCR、融解曲線解析を行った。
[0502] その結果、いずれのプライマーの組み合わせを用いてリアルタイム PCRを行った場 合も実施例 8の図 4と同様の融解曲線が得られた。すなわち、表 12記載のプライマー の組み合わせを用い、 10種類の Μ·アビゥム株から得られた DNA試料それぞれを铸
型として用いてリアルタイム PCRを行った。 SYBR Green I存在下で増幅された核酸の 融解曲線解析を行った。その結果、いずれの場合でも、核酸増幅の結果生じる蛍光 シグナルが確認できた。得られたシグナルのピークは!/、ずれも単一ピークであった。 し力、もピークの位置は、ほぼ重っていた。
[0503] また、実施例 8と同様に、 Μ·アビゥム以外のマイコバクテリウム属菌(M. chimaera及 び M.velatum)力、ら得られた DNA試料を铸型として用い、同じプライマーを用いて P CRを行った。この場合には、核酸増幅の結果生じる蛍光シグナルが確認できなかつ た。
[0504] 以上のことから、表 12に記載された本発明のプライマーを用いて PCRを行えば、上 記 10種類の M.アビゥム株の何れかが存在していればその検出が可能であり、しかも M.アビゥム属に特異的な検出が行えることが判る。
[0505] すなわち、本発明のプライマーを用いれば、複数の血液型の M.アビゥムを、一回 の測定で、他のマイコバクテリゥム属細菌と区別して、検出することが出来ることが判
[0506] そして、このことからターゲットとした候補配列 A〜Gは、いずれも M.アビゥムのコン センサス配列である可能性が高いことも示唆された。
[0507] 実施例 10.候補クローン Dの M.アビゥム特異性評価
(1)プライマーの合成
実施例 8(1)と同じ機器を用い、同様の操作で、 Mac_12Fw01、及び Mac_12Rv01のォ リゴヌクレオチドを合成、精製した。
[0508] (2) DNA試料の調製
以下に示す、実施例 2で用いたのと同じ細菌を用い、実施例 2(2)と同様の方法で調 製した DNA試料を得た。
[0509] a: Escherichia coli (E. coli、大腸菌) (ATCC11775)
b: Mycobacterium tuberculosis (マイコノ クテリゥム ·ッべノレクローシス、ヒト型結核菌)
(TMC102[H37Rv])
c: Mycobacterium kansasii (Μ·カンサシ) (ATCC12478)
d: Mycobacterium marinum (マイコバクテリゥム.マリナム)(ATCC927)
e: erium simiae (マイコノ クテリゥム.シミ
f :■ erium— scrofblaceum (マイコノ
i : M.アビゥム(IIID 585)
j : M.イントラセルラー(マイコバクテリゥム.イントラセルラー)(ATCC13950) k: Mvcobacterium gastri (マイコバクテリゥム ·ガストリ) (ATCC15754)
1: Mvcobacterium xenopi (マイコバクテリゥム ·ゼノビ) (ATCC19250)
m: Mycobacterium nonchromog.enicum、マイコノヽクァリウム ·
C19530)
n: erium terrae (マイコバクテリゥム ·テレ) (ATCC15755)
o: erium triviale (マイコバクテリゥム ·トリビアレ) (ATCC23292)
P : erium fortuitum (マイコバクテリゥム ·フォーチユイタム) (ATCC6841) q : erium chelonei (マイコバクテリゥム ·セロネィ) (ATCC35752)
r: erium コノ サ:
s: tenum iperegnnunuマイコノヽクァリ'ノム'
[0510] (3)リアルタイム PCR
上記 (1)で設計、合成したプライマー Mac_12Fw01、及び Mac_12Rv01を用いる以外 は、実施例 2(3)と同様の方法でリアルタイム PCRを行った。
[0511] (4)融解曲線解析
実施例 2(4)と同様の方法で、各 DNA試料に対して各々増幅されてきた産物につ いて、横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光強度の 1 次微分(変化量)をとつた融解曲線を作成し、ピークの検出を行った。
[0512] (5)結果
各 DNA試料について得られた融解曲線解析の結果を 1つのグラフにまとめて、図 5に示す。
[0513] 図 5の結果から明らかな如ぐ本発明のプライマー Ma 12Fw01、及び Mac_12Rv01 を用いて、 SYBR Green I存在下で増幅された核酸の融解曲線解析を行った結果、 M
.アビゥム由来の DNA試料を铸型として用いてリアルタイム PCRを行った場合のみに 、核酸増幅の結果生じる蛍光シグナルが確認でき(図 5:Μ^ Ϊ1 )、陽性と判定でき た。
[0514] これに対し、図 5から明らかな如ぐ Μ·アビゥム以外のマイコバクテリゥム属細菌や 他の属の細菌である大腸菌由来の DNAを铸型として用いて、同じプライマーの組合 せを用いて同様にリアルタイム PCRを行った場合には、該当する蛍光シグナルが確 認できず(図 5 : other species)、すべて陰性と判定できた。
[0515] 更に、図 5から明らかな如ぐ M.アビゥム由来の DNA試料を铸型として用いた場合 の融解曲線解析の結果、単一の明瞭なピークが得られたことから、行った検出法は、 M.アビゥムに極めて特異性の高い、検出方法であることが判る。
[0516] 以上のことから、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして PCRに用いることに より、 M.アビゥムを特異的に検出することが出来ることが判る。また、 PCRなどの核酸 増幅による検出は高感度が期待できるため、細菌を単離する必要がなぐ臨床材料 をそのまま検出に用いることが可能であるため、従来の細菌を培養してから検出する 方法では培養に数週間力、かっていた M.アビゥムの検出を、長くても 1日以内に終わ らせること力 Sでさること力 S半 IJる。
[0517] 実施例 11.その他の候補クローンの M.アビゥム特異性評価 2
( 1 )本発明のプライマーの合成
実施例 8(1)と同じ機器を用い、同様の操作で、上記表 12に記載された、 Mac_12Fw 01及び Mac_12Rv01以外のオリゴヌクレオチドを合成、精製した。
[0518] この合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いた。
[0519] (2) DNA試料の調製
実施例 10で用いたのと同じ細菌を用い、実施例 2(2)と同様の方法で、 DNA試料を 調製した。
[0520] (3)リアルタイム PCR
上記(1)で設計、合成したプライマーを、上記表 12の組み合わせで用いる以外は 、実施例 2(3)と同様の方法で、リアルタイム PCRを行った。
[0521] (4)融解曲線解析
実施例 2(4)と同様の方法で、各 DNA試料に対して各々増幅されてきた産物につ いて、横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光強度の 1 次微分(変化量)をとつた融解曲線を作成し、ピークの検出を行った。
[0522] (5)結果
実施例 10の結果と同様、本発明のプライマーを用いて、 SYBR Green I存在下で増 幅された核酸の融解曲線解析を行った結果、表 12記載のどのプライマーの組み合 わせを用レ、た場合でも、 M.アビゥム由来の DNA試料を铸型として用レ、てリアルタイ ム PCRを行った場合のみに、核酸増幅の結果生じる蛍光シグナルが確認でき、陽性 と判定できた。
[0523] これに対し、 M.アビゥム以外のマイコバクテリゥム属細菌や他の属の細菌である大 腸菌由来の DNAを铸型として用いて、表 12記載のどの同じプライマーの組合せを 用いて同様にリアルタイム PCRを行った場合にも、該当する蛍光シグナルが確認で きず、すべて陰性と判定できた。
[0524] 更に、 M.アビゥム由来の DNA試料を铸型として用いた場合の融解曲線解析の結 果、実施例 10の場合と同様、単一の明瞭なピークが得られたことから、行った検出法 は、 M.アビゥムに極めて特異性の高い、検出方法であることが分かる。
[0525] 以上のことから、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして PCRに用いることに より、 M.アビゥムを特異的に検出することが出来ることが判った。また、 PCRなどの核 酸増幅による検出は高感度が期待できるため、細菌を単離する必要がなぐ臨床材 料をそのまま検出に用いることが可能であるため、従来の細菌を培養してから検出す る方法では培養に数週間力、かっていた M.アビゥムの検出を、長くても 1日以内に終 わらせること力 Sでさる。
[0526] 実施例 12.最小検出感度試験 2
リアルタイム PCR検出法を利用し、候補配列 Dをターゲットとした場合の検出感度 の検定を行った。
[0527] (1)本発明の M.アビゥム検出用プライマーの調製
実施例 2(1)と同じ機器を用い、同様の操作で Mac_12Fw01、及び Mac_12Rv01のオリ ゴヌクレオチドを合成 ·精製した。これをプライマーとして用レ、た。
[0528] (2) DNA試料の調製
実施例 7(1)で、 Μ·アビゥム(Mvcobacterium avium IID 585)から調製した DNA試料 を用いた。
[0529] 該 DNA試料の吸光度を測定して試料中の DNA量を測定した。得られた DNA量 を、濃度既知の M.アビゥムのゲノム DNAを試料として同様に吸光度を測定して得ら れた測定値と量と比較することにより、試料中のゲノム DNA量 (ゲノムコピー数)を決 定した。 108コピー/ 1のゲノム DNAが得られた。
[0530] 次いで 10mM Tris-HCl緩衝液、 ρΗ8·9を用いて DNA試料を 105, 104, 103, 102, 10, 5コピー/ Lの希釈系列に希釈したものを調製し、 PCR用 DNA試料とした。
[0531] (3)リアルタイム PCR
i) PCR用反応液の調製
上記 (1)で得られたプライマー Mac_12Fwl及びプライマー Mac_12Rvlを各 300nM、 S YBR Green I (Molecular Probe社)を原液の 30倍希釈(最終濃度は原液の 30000倍希 釈)、 1.5mM MgCl、 80mM KC1、 500 μ g/ml BSA、 0.1%コール酸ナトリウム、 0.1%Trit onX-100,それぞれ 0.2mMの dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP、及び Taq DNAポリメラー ゼ(二ツボンジーン製) 40単位/ mlを含有する 10mM Tris_HCl(pH8.9)を調製し、 PCR 用反応液とした。
[0532] ii)リアルタイム PCR
上記 (3)i)で調製した PCR用反応液 20 1に、上記 (2)で調製した PCR用 DNA試料 1 ii Lを添加したものを、 PCR用試料とした。
[0533] この PCR用試料を、 96穴反応プレート(マイクロアンプ.ォプチカル · 96ゥエル'リ アクション 'プレート、アプライドバイオシステムズジャパン社製)のゥエルに入れ、 Taq Man™ PCR専用サーマルサイクラ一'検出器 (ABI7500、アプライドバイオシステム ズジャパン社製)を用いてリアルタイム PCRを行った。すなわち、 95°Cで 10分間保 温の後、 95°Cで 15秒間、 60°Cで 1分間の反応を 40サイクル繰り返し、プライマー伸長 産物の増幅量と相関してインターカレーシヨンする SYBR Green Iの蛍光強度を測定 した。
[0534] 尚、蛍光強度は、測定に供した 96穴反応プレート 1プレート毎に、測定に用いたサ
一マルサイクラ一の、相対的な蛍光強度比を数値化する機能を用いて求めた。
[0535] (4)結果
得られた実験データから、リアルタイム PCR法において行われている常法に従って 、各 PCR用 DNA試料毎に、実施例 5(4)と同様の方法で、 PCRのサイクル数 (x軸)に 対するレポーター色素の発光量 (Rn、 y軸)をプロットした増幅曲線を作成した。得られ た検量線を図 6に示す。
[0536] 次!/、で、得られた増幅曲線から、下記の方法によって、検量線を作成した。
[0537] すなわち、得られた増幅曲線(図 6)の、蛍光強度が指数関数的に増幅している Rn 部を選択し、 Threshold line (Th)を引いた。 Thと各 PCR用 DNA試料の蛍光強度が 交差した点を Threshold cycle (Ct)値とした。次いで用いた各 PCR用 DNA試料のゲ ノムのコピー数 (X軸、対数値)に対する Ct値 (y軸)をプロットし、各 Ctに対して得られ た近似曲線を検量線とした。得られた検量線を図 7に示す。
[0538] y= - 3. 272x+ 34. 00
R2 = 0.994
[0539] 以上の結果、まずリアルタイム PCRで蛍光が検出されたことから、本発明に係るオリ 出できることが判った。
[0540] また、検量線が作成できたことより、本発明のプライマー及びプローブを用いたリア ルタイム PCR法によれば、 M.アビゥムの定量が可能であることが判った。更に、図 * より、本発明のプライマー及びプローブを用いたリアルタイム PCR法では、 Μ·アビゥ ムのゲノム DNAが初期量として 5コピー存在する条件でも M.アビゥムの検出が可能 である事がわ力、る。
[0541] また、本法による PCRの増幅効率は、計算上 102.2%となり、高い反応性を確認で きた。
[0542] 更に、上記表 12に記載された他のプライマーの組み合わせを用いて同様に実験を 行った結果、ほぼ同等の成績を得ることが出来た。以上のことから、候補配列 A〜G を標的としてリアルタイム PCRを行うことにより、 M.アビゥム株の検出及び定量を行う ことが出来ることが明らかになった。
産業上の利用可能性
本発明のプライマー又は/及びプローブを用いた M.アビゥムの検出方法によれば 、従来の菌の培養検査等により菌種を同定する方法と比較して、はるかに迅速且つ 高精度に、 M.アビゥムの検出を行うことができる。また、本発明の検出方法で M.アビ ゥムの検出を行うことにより、従来のプライマー又は/及びプローブを用いた PCR法 による診断方法に比較して、診断上の偽陽性が排除可能となり、より高精度に M.ァ ビゥムの検出及び診断を行うことができる。更に、本発明の検出方法を用いることによ り、 M.アビゥム菌体の定量も行うこともできるという効果を奏する。
更に、本発明の検出方法によれば、複数の血清型の M.アビゥムを、一回の測定で 検出することが出来、迅速且つ簡便な M.アビゥムの検出、診断が可能となるという効 果を奏する。