WO2007058310A1 - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Description
明 細 書
(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関し、(メタ)アクリル酸エステル の製造方法の技術分野に属する。
背景技術
[0002] (メタ)アクリル酸エステルは、紫外線照射や電子線照射により硬化するため、光硬 化性組成物の配合成分として、光学レンズや印刷インキ、コーティング剤及び接着剤 等の各種工業用途に用いられてレ、る。
[0003] しかしながら、(メタ)アクリル酸エステルの貯蔵安定性や熱安定性が不良であると、 不具合を生じることがある。
例えば、(メタ)アクリル酸エステルの貯蔵安定性が不良であると、保管中に重合反 応が起きてポリマー分が生じたり、(メタ)アクリル酸エステルが分解して (メタ)アクリル 酸等の酸分を発生することがある。
ポリマー分を含む(メタ)アクリル酸エステルの組成物は、硬化むらや濁りを生じるた め、均一性や光透過性が重視される光学レンズ用途等では好適に使用することがで きない。
又、酸分が発生した (メタ)アクリル酸エステルは、臭気や装置腐食の問題に加え、 耐水性が悪化するため、コーティング剤や接着剤用途に用いた場合に、硬化物が水 分を吸収して、コーティング面の剥離や接着強度の低下を起こしてしまうことがある。 又、 (メタ)アクリル酸エステルは、配合時に均一化のため加熱攪拌されたり、光硬 化後に耐熱試験に曝されることがある力 熱安定性不良な (メタ)アクリル酸エステル は、上記したようなポリマー分や酸分の発生に加え、着色を生じるために透明性が必 須である光学レンズ用途等では到底使用することができない。
尚、本明細書中において、アクリル酸及びメタクリル酸のことを総称して (メタ)アタリ ル酸と記載する。
[0004] (メタ)アクリル酸エステルの貯蔵安定性及び熱安定性が不良となる原因の一つとし
て、製品中に残留する不純物の影響が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルは、通常 (メタ)アクリル酸とアルコール類を酸触媒存在下 にて脱水エステル化反応させ製造されてレ、るが、エステルィヒ反応時には様々な不純 物が副生する。このような不純物を除くため、通常、脱水エステルイ匕後の反応液に対 して、水やアルカリ水溶液による洗浄操作が施される力 不純物の除去は必ずしも十 分ではない。
[0005] このため、 (メタ)アクリル酸エステル製造時の洗浄工程を強化する方法が種々検討 されている。
例えば、特許文献 1では、脱水エステル化後の反応生成物を中和処理した後、さら にァミン類で処理する方法が開示されている。
し力しながら、この方法によれば、反応生成物をァミン類で処理した後、該ァミン類 を反応生成物から除くため、引き続き反応生成物を酸性水溶液で洗浄しなければな らず、反応生成物へ酸性成分が混入することがある。よって、該方法においては、酸 性水溶液での洗浄後に再度アルカリ水溶液での洗浄を行った後、軟水での洗浄を 三回繰り返しており、工程が煩雑かつ長時間を要するため、生産性の低下が著しい 。又、該処理を工業的に実施するならば、アルカリ水溶液及び酸性水溶液の双方に 対して腐食されなレ、特殊かつ高価な材質の洗浄槽を用いるか、アルカリ水溶液での 処理と酸性水溶液での処理を別々の洗浄槽で実施しなければならず、工業的実施 に好適とは言い難い。
[0006] 又、特許文献 2では、(メタ)アクリル酸エステルを製造後の反応液を中和又は洗浄 処理する際に、カチオン系界面活性剤を添加する方法が開示されており、この方法 によれば、有機層と水層の界面付近での乳化を防止して、有機層と水層の分離時間 を短くすることができ、その結果として効率的に不純物を除去することができることが 開示されている。
しかしながら、特許文献 2記載の方法は、有機層と水層の分離時間の短縮化に優 れるものの、得られる (メタ)アクリル酸エステルの貯蔵安定性及び熱安定性が不十分 なものであった。
[0007] 特許文献 1 :特開平 6— 219991号公報(特許請求の範囲)
特許文献 2:特開 2001— 048831号公報(特許請求の範囲)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明の課題は、得られる(メタ)アクリル酸エステルの貯蔵安定性及び熱安定性を 向上させることができる (メタ)アクリル酸エステルの製造方法を見出すことにある。 課題を解決するための手段
[0009] 本発明者らは前記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、脱水エステル化の 反応液に相間移動触媒及びアルカリ金属水酸化物の水溶液を添加して 45〜100°C の範囲で加熱処理を行うことで、不純物の除去が促進され、(メタ)アクリル酸エステ ル製品の貯蔵安定性及び熱安定性が顕著に向上することを見出し、本発明を完成 するに到ったのである。
以下、本発明を詳細に説明する。
[0010] 1.エステル化反応
本発明では、まず (メタ)アクリル酸とアルコール類を酸触媒の存在下に加熱'攪拌 して脱水エステル化反応を行う。
この場合のアルコール類としては、種々の化合物が使用でき、具体的には以下に 示すアルコール等が挙げられる。
[1]メタノール、エタノール、 n—プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、 n—ブ チノレアノレコーノレ、イソブチノレアノレコーノレ、 n—ペンチノレアノレコーノレ、シクロへキサノー ノレ、 n_ヘプチルアルコール、 n—オタチルアルコール、 2 _ェチルへキシルアルコー ノレ、イソォクチルアルコール、 n_ノニルアルコール、イソノニルアルコール等の一価 アルキルアルコール及びこれらのアルキレンオキサイド付加物。
[2]フエノール、クロ口フエノール、ブロモフエノール、フルオロフェノール、ナフトール、 フエユルフェノール、タミルフエノール、ノユルフェノール、ビスフエォーノレ A、ビスフエ ノーノレ F、チオビスフヱノール及び 4, 4' _スルホニルジフエノール等のフエノール性 水酸基を有する化合物のアルキレンオキサイド付加物。
[3]エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレング リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ト
リプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類及びこれらのアル キレンオキサイド付加物。
[4]グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類及びこれらの アルキレンオキサイド付加物。
[5]ブタンジオール、ペンタンジオール、へキサンジオール、トリメチロールプロパン、 ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオ一 ル及びこれらのアルキレンオキサイド付加物
[6]トリス一 2—ヒドロキシェチルイソシァヌレート
尚、上記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンォキサイ ド等が挙げられる。
[0011] 本発明は、上記したアルコール類の中でも、得られる(メタ)アクリル酸エステル中に 不純物が多く発生し易い、多価アルコールに好ましく適用できる。
さらに、多価アルコールの中でも、得られる(メタ)アクリル酸エステル中に不純物が より多く発生し易い、多価アルコールのアルキレンオキサイド付物により好ましく適用 できるものである。多価アルコールのアルキレンオキサイド付物の好ましい具体例とし ては、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加物、ビスフエオール Aのェチ レンオキサイド付加物及びジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
[0012] 脱水エステル化反応での(メタ)アクリル酸とアルコール類の使用割合は、アルコー ル類の水酸基 1モルに対して(メタ)アクリル酸を 0. 8〜2. 0モノレカ好ましく、より好ま しくは 1. 0〜: 1. 5モノレである。この割合が 0. 8モルに満たない場合は、脱水エステル 化の反応時間が長くなるうえ、アルコール性水酸基が(メタ)アクリル酸エステルの(メ タ)アタリロイル基にマイケル付加する等の副反応が増えて製品純度が低下すること がある。一方、 2. 0モノレを超えると、 (メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アタリロイル基 に (メタ)アクリル酸がマイケノレ付加する等の副反応が増えて製品純度が低下するうえ 、脱水エステル化後に未反応アクリル酸を除去する操作が煩雑になることがある。
[0013] 脱水エステルイ匕反応で使用する酸触媒としては、 p—トルエンスルホン酸、メタンス ルホン酸、トリフルォロメタンスルホン酸及び硫酸等が挙げられ、一種を単独で又は 二種以上を任意に組み合わせて使用できる。
酸触媒の使用割合は、脱水エステル化に供されるアルコール性水酸基のモル数に 対して 0. 05mol%〜: 10mol%が好ましぐより好ましくは 0. 5〜5mol%である。この割 合が 0. 05mol%より少ないと実用的反応速度が得られないことがあり、一方 10mol% より多いと副反応が多発して製品の純度低下及び着色が著し 精製工程での触媒 の除去操作及び製品の脱色操作に多大な労力を費やすことがある。
[0014] 本発明では、脱水エステル化反応で生成する水との溶解度が低い有機溶媒を使 用し、水を共沸させて留去しながら行うことが好ましい。好ましい有機溶媒としては、 例えば、トルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、へキサン、シクロへ キサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びにメチルェチルケトン及びシクロへ キサノン等のケトンが挙げられる。
有機溶媒は、基質の溶解性等を考慮して、一種を単独で使用しても又は二種以上 を任意に組み合わせて使用しても良い。
有機溶媒の割合としては、反応液中に 30〜70質量%が好ましい。
[0015] エステル化反応温度としては、 70〜: 140°Cが好ましレ、。反応温度が 70°C未満の場 合は反応が遅くなることがあり、 140°Cを超えるとエステルイ匕時の不純物の副生量が 増えたり、ゲルィ匕することがある。
[0016] 脱水エステルイ匕反応では、(メタ)アタリロイル基の重合を防止する目的で、重合禁 止剤を使用することが好ましぐさらには含酸素ガスを反応液に導入してもよい。重合 禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、 tert—ブチルハイドロキノン、ハイドロキノン モノメチルエーテル、 2, 6—ジ _tert_ブチル _4_メチルフエノール、 2, 4, 6 _トリ _tert_ブチルフエノール、ベンゾキノン、フヱノチアジン等の有機系重合禁止剤、 塩化銅及び硫酸銅等の無機系重合禁止剤、並びにジブチルジチォカルバミン酸銅 等の有機塩系重合禁止剤等が挙げられる。重合禁止剤は、一種を単独で使用しても 又は二種以上を任意に組み合わせて使用しても良レ、。重合禁止剤の割合としては、 反応液中に 5〜20, OOOwtppmが好ましぐより好ましくは 25〜3, OOOwtppmであ る。
含酸素ガスとしては、例えば空気、酸素と窒素の混合ガス、酸素とヘリウムの混合ガ ス等が挙げられる。
[0017] 2. 中和処理
本発明では、脱水エステルイ匕後の反応液の中和処理工程において、反応液に下 記一般式 (1)で表される化合物(以下化合物 1という)及びアルカリ金属水酸化物の水 溶液を添加して 45〜: 100°Cの範囲で加熱処理を行う。
[0018] [化 1]
X Θ (1)
[0019] 〔尚、一般式 (1)において、 Aは窒素原子又はリン原子を表し、 1^〜1 4は炭素数 5以 下のアルキル基、フエニル基又はベンジル基を表し、それらは同一でも異なっていて も良ぐ X—は無機陰イオン又は有機酸イオンを表す。〕
[0020] 化合物 1は、いわゆる相間移動触媒として作用する化合物である。
本発明では、当該相間移動触媒として機能する化合物 1を使用することにより、得ら れる (メタ)アクリル酸エステルが貯蔵安定性及び熱安定性に優れたものとなる。これ に対して、特許文献 1で記載されたァミンや、特許文献 2で記載された界面活性剤、 より具体的には化合物 1と異なり、長鎖のアルキル基を有したり、長鎖のォキシアルキ レン基を有する 4級アンモニゥム塩を使用した場合には、本発明の効果が不十分なも のとなつてしまう。
[0021] 前記一般式 (1)の R〜R4において、炭素数 5以下のアルキル基としては、直鎖状の ものであっても分岐状のものであっても良いが、直鎖状のものが好ましい。
前記一般式 (1)の X—における無機陰イオンとしては、ハロゲンィ匕物イオン、水酸化 物イオン及び硫酸水素イオン等が挙げられる。これらの中でも、ハロゲン化物イオン 及び水酸化物イオンが好ましぐハロゲン化物イオンとしては、塩素イオン及び臭素ィ オンがより好ましい。又、有機酸イオンとしては、酢酸イオン等が挙げられる。
[0022] 化合物 1の具体例において、 Aが窒素原子の場合の例としては、以下の化合物等 が挙げられる。
(1)1^〜1 4が炭素数 5以下のアルキル基を有する化合物の例
テトラメチルアンモニゥムクロライド、テトラメチルアンモニゥムブロマイド、テトラメチ ノレアンモニゥムクロライド、テトラ _n—ブチルアンモニゥムクロライド、テトラ _n—ブチ ルアンモニゥムブロマイド、水酸化テトラ _n—ブチルアンモニゥム、水酸化テトラメチ ルアンモニゥム、水酸化テトラエチルアンモニゥム、酢酸テトラエチルアンモニゥム、 酢酸テトラメチルアンモニゥム四水和物及び硫酸水素テトラプチルアンモニゥム等。 (2)1^〜1 3が炭素数 5以下のアルキル基で R4がベンジル基を有する化合物の例 ベンジルトリメチルアンモニゥムクロライド、水酸化べンジルトリメチルアンモニゥム、 ベンジルトリェチルアンモニゥムクロライド及びべンジルトリー η—ブチルアンモニゥム クロライド等。
[0023] Αがリン原子の場合の例としては、ベンジル一トリ一 n—ブチルホスホニゥムクロライ ド、テトラー n—ブチルホスホニゥムクロライド及びテトラー n—ブチルホスホニゥムブロ マイド、ベンジルトリフエニルホスホニゥムクロライド、ブチルトリフヱニルホスホニゥムブ ロマイド、ェチノレトリフエニノレホスホニゥムョード、ェチノレトリフエ二ノレホスホニゥムブロ マイド、ェチルトリフエニルホスホニゥム酢酸塩及びテトラブチルホスホニゥム酢酸塩 等が挙げられる。
[0024] 上記化合物 1としては、本発明の効果に優れ、安価でかつ入手の容易であるため、 前記一般式 (1)における Aが窒素原子である化合物の中でも、 R〜R4が炭素数 5以 下のアルキル基を有するものが好ましレ、。さらに尺1〜!^が炭素数 5以下のアルキル 基を有しかつ X1がハロゲン化物イオンを有するものが好ましい。
又、化合物 1としては、前記と同様の理由で、前記一般式 (1)における A力 Sリン原子 である化合物の中でも、 R〜R4が炭素数 5以下のアルキル基を有するものが好まし レ、。さらに R〜R4が炭素数 5以下のアルキル基を有しかつ X1がハロゲン化物イオン を有するものが好ましい。
化合物 1は、単独で使用しても、 2種以上を併用して使用しても良い。
[0025] 化合物 1の割合は、使用するアルコール類の水酸基のモル数に対して、 0. 001〜 10mol%の範囲が好ましぐより好ましくは 0. 03〜5mol%である。この割合が 0. 001 mol%より少ないと、発明の効果を奏するのに長時間を要することがある。一方、この 割合が 10mol%より多いと、得られる効果は同等であるものの、その後の洗浄操作を
念入りに行わなければ化合物 1の一部が製品中に残留してしまうことがある。
[0026] アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリ ゥム等が挙げられる。アルカリ金属水酸化物は、一種を単独で使用しても又は二種 以上を任意に組み合わせて使用しても良い。これらのうち、本発明の効果に優れ、安 価でかつ入手の容易であるため、水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属水酸化物の割合は、使用するアルコール類の水酸基のモル数に対し て、 0. 01〜30mol%の範囲が好ましぐより好ましくは、 1〜: 15mol%である。この割合 が 0. 01mol%より少ないと、発明の効果を充分に発現できないことがあり、製品を長 期間貯蔵したり加熱した場合に酸価が上昇する等の品質異常を引起すことがある。 一方、この割合が 30mol%より多いと、得られる効果は同等であるものの、(メタ)アタリ ル酸エステルのけん化を併発するため、製品の取得量が減少してしまうことがある。 アルカリ金属水酸化物の水溶液のアルカリ濃度は、 0. 025M〜10Mの範囲が好 ましぐより好ましくは、 0. 25-7. 5Mである。この濃度が 0. 025Mより低いと、発明 の効果を奏するのに長時間を要し、かつ大容量の洗浄槽を必要とするため、工業的 に好ましくなレ、。一方、この濃度が 10Mよりも高いと、本発明における加熱処理を実 施後の有機層と水層の分離性が悪ぐ工程が遅延して生産性が低下したり、取得製 品が着色する等の品質面での異常を引起すことがある。
[0027] 本発明では、反応液に化合物 1及びアルカリ金属水酸化物の水溶液を添加して 45 〜100°Cの範囲で加熱処理を行う。加熱処理の温度としては 50〜80°Cが好ましレ、。
45°Cに満たないと、発明の効果を充分に発現できず、製品を長期間貯蔵したり加熱 した場合に酸価が上昇する等の品質異常を引起してしまう。 100°Cを超えると、(メタ )アクリル酸エステルのけん化やマイケル付加反応の併発が著しいため、製品の取得 量低下に加え、製品の粘度や分子量分布が大きく変化してしまう。
この場合の加熱の方法としては、化合物 1及びアルカリ金属水酸化物の水溶液の 添加が完了した後に加熱しても、化合物 1及びアルカリ金属水酸化物の添カ卩中に加 熱しても良い。該処理は攪拌等を行いながら実施することが好ましい。
加熱時間としては、使用する原料及び目的に応じて適宜設定すれば良いが、好ま しくは 10分〜 8時間である。
[0028] 該加熱処理中に (メタ)アタリロイル基の重合を防止する目的で、重合禁止剤を使用 することが好ましぐさらには含酸素ガスを反応液に導入してもよい。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、 tert—ブチルハイドロキノン、ハイド口キノンモ ノメチルエーテル、 2, 6—ジ _tert_ブチル _4_メチルフエノール、 2, 4, 6—トリー tert—ブチルフエノール、ベンゾキノン及びフヱノチアジン等の有機系重合禁止剤が 、得られる(メタ)アクリル酸エステルの重合防止効果に優れる点で好ましい。重合禁 止剤は、一種を単独で使用しても又は二種以上を任意に組み合わせて使用しても良 レ、。重合禁止剤の割合としては、反応液中に 5〜20, OOOwtppmが好ましぐより好 ましくは 25〜3, OOOwtppmである。
含酸素ガスとしては、前記と同様のものが挙げられる。
[0029] 本発明実施後の反応液は、(メタ)アクリル酸エステルを含む有機層とアルカリ金属 化合物を含む水層に分離してレ、る。
両層を分離後、有機層をそのまま脱溶媒工程に供してもよいが、有機層に適宜抽 出洗浄を行った後に脱溶媒工程に供しても良い。抽出洗浄は、水や食塩水で行って もよいが、蓚酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸アンモニゥムを含む酸性水溶液や、水酸 ィ匕リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びアンモニア等を含むアルカリ水溶 夜で行ってもよい。
[0030] 本発明は、脱水エステル化後の反応液に化合物 1及びアルカリ金属水酸化物の水 溶液を添加して加熱処理を行うものであるが、反応液に中和処理を行つた後当該処 理を行うことが、得られる(メタ)アクリル酸エステルの収量が向上するため好ましい。 中和処理は、常法に従えば良ぐ反応液にアルカリ金属水酸化物の水溶液を添加 混合する方法等が挙げられる。この場合に使用するアルカリ金属水酸化物としては、 前記と同様のものが挙げられ、アルカリ金属水酸化物の水溶液の濃度も前記と同様 の濃度が挙げられる。
中和処理におけるアルカリ金属水酸化物の割合としては、反応液の酸分に対して 1 モル以上、好ましくは 1. 1〜: 1. 6倍である。
中和処理後、必要に応じて水洗処理を行うこともできる。水洗処理方法は、前記と 同様の方法に従えば良い。
[0031] 中和'水洗処理で得られた該処理液は、必要に応じて有機溶剤を減圧下に加熱し て脱溶剤処理を行い、最終製品である(メタ)アクリル酸エステルを得る。
発明の効果
[0032] 本発明の製造方法により得られた (メタ)アクリル酸エステルは、貯蔵安定性及び熱 安定性が非常に優れるため、光硬化性組成物の配合成分として、光学レンズ、印刷 インキ、コーティング剤及び接着剤等の各種工業用途に好適に使用できる。
発明を実施するための最良の形態
[0033] 本発明は、(メタ)アクリル酸とアルコール類を酸触媒の存在下に脱水エステルイ匕反 応させ、反応液に化合物 1及びアルカリ金属水酸化物の水溶液を添加して 45〜: 100 °Cの範囲で加熱処理を行う(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
化合物 1としては、前記一般式 (1)において、 Aが窒素原子を有する化合物が好まし ぐより好ましくは前記一般式 (1)において、 Aが窒素原子を有し、かつ尺1〜!^が炭素 数 5以下のアルキル基を有する化合物である。
本発明の製造方法は、前記アルコール類としては、多価アルコールに好ましく適用 できる。
本発明としては、(メタ)アクリル酸とアルコール類を酸触媒の存在下に脱水エステ ル化反応させ、反応液を中和処理した後、前記した化合物 1及びアルカリ金属水酸 化物の水溶液を添加して 45〜: 100°Cの範囲で加熱処理を行うことがより好ましい。 実施例
[0034] 以下に実施例及び比較例を記載し、本発明をさらに具体的に説明する。
[0035] [各種分析方法]
〇酸価
JIS K_0070_ 1992に準じて、得られたアクリル酸エステルをエタノールに溶解 し、フエノールフタレインを指示薬として水酸化カリウム溶液で滴定した。試料の酸価 を下式力も算出した。
酸価 [mg_KOH/g] = N XTX f X 56. l l/W
N:アルコール性水酸化カリウム溶液の濃度 [mol/L]
T :アルコール性水酸化カリウム溶液の滴定量 [ml]
f :アルコール性水酸化カリウム溶液の力価
W:試料重量 [g]
[0036] OAPHA
JIS K_0071 _ l _ 1998に準じて、得られたアクリル酸エステルを比色管を用い て、試料の色を ΑΡΗΑ標準溶液と比較し、 目視で数値を判定した。
[0037] 〇ポリマー分の定量
得られたアクリル酸エステルを、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー(以下 GPC とレ、う)を用いて測定を行い、下式からポリマー分を算出した。
ポリマー分(%) =
(ポリスチレン換算で分子量 30000以上のピーク面積の和) / (全てのピーク面積の 総和) X I 00
装置:東ソー (株)製 HLC - 8120
カラム: TSKgel GMHXL-L (7. 8mmIDx30cm)
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計
[0038] 〇強制劣化試験
得られたアクリル酸エステルを試験管に入れ、大気雰囲気下、所定温度に保ったヒ 一ティングブロック中で所定時間加熱し、放冷後に、前記と同様の方法に従い、酸価
、 APHA及びポリマー分を測定した。
[0039] [実施例 1] (4官能アクリル酸エステルの製造)
還流管を設置した 2Lの側管付き四口フラスコに、ジグリセリンのエチレンオキサイド
8モノレ付カロ物(以下「DGEO」とレヽう) 500g、アタリノレ酸 306g、 トノレエン 550g、硫酸 1
3g、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下「MQ」という) 1. 4g及び塩化第二銅 1.
4gを投入し、含酸素ガス(酸素 5容量%、窒素 95容量%、以下同様)を吹き込みなが ら反応液温度 80〜: 110°C、反応系圧力 400_ 760mmHgに調整しながら加熱攪拌 した。生成する水をディーンスターク管にて系外に除去しながら 7時間の脱水エステ ル化反応を行った。
反応終了後、反応液を 40°C以下まで冷却した後、トルエン及び純水を添加して抽
出洗浄を行った。その後、 20質量%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「20。/。Na〇H水 」とレ、う) 400gを添加して中和洗浄を行った。
[0040] 得られた反応液に、テトラプチルアンモニゥムブロマイド(以下「TBAB」という) 1. 9 2g (DGEOの水酸基のモル数に対して 0. 10mol%)、 MQの 0. 32g、 2, 6 _ジ— t ert_ブチル _4_メチルフエノール(以下「DBP」という) 0. 32g、 20%Na〇H水の 1 04g (DGEOの水酸基のモル数に対して 9. 4mol。/0)を添加し、 70°Cにて 2時間攪 拌を行った。
静置後に下層を排出し、純水 500gを添加して抽出洗浄を行った後、 MQの 0. 64 gを添加し、含酸素ガスを吹き込みながら減圧下でトルエンを留去した。得られた粗 反応生成物を加圧下で濾過後、アクリル酸エステルを得た。
[0041] 得られたアクリル酸エステルについて、酸価、 APHA及びポリマー分の評価を行つ た。さらに、貯蔵安定性及び加熱安定性を評価するため、得られたアクリル酸エステ ルを 120°Cで 6時間加熱して強制劣化試験を行レ、、その後酸価、 APHA及びポリマ 一分の評価を実施した。
それらの結果を表 1に示す。尚、ポリマー分については、製品及び加熱安定性試験 後で検出されなかった。
[0042] [実施例 2] (4官能アクリル酸エステルの製造)
実施 ί列 1 (こおレヽて、 DGEOの 800g、アタリノレ酸 829g、トノレェン 883g、硫酸 34g、 MQ2. 5g及び塩ィ匕第二同 2. 5gに変更し、反応系圧力 600— 760mmHgで 10B寺 間反応する以外は実施例 1と同様の方法により脱水エステル化反応を行った。
反応終了後、 20%NaOH水の 700gを使用する以外は実施例 1と同様の方法で中 和洗浄を行った。
[0043] 得られた有機層に、テトラブチルホスホニゥムブロマイド(以下「TBPB」という) 2. 2 5g (DGEOの水酸基のモル数に対して 0. 09mol%) , 2, 6 _ジ— tert—ブチル _4 —メチルフエノール(以下「: BHT」という) 0. 56g、 20%Na〇H水 135g (DGEOの水 酸基のモル数に対して 7. 6mol%)を添カ卩し、 65°Cにて 3時間攪拌を行った。
静置後に下層を排出し、純水 810gを添加して抽出洗浄を行った後、 MQ1. 99gを 添カ卩し、含酸素ガスを吹き込みながら減圧下でトルエンを留去した。得られた粗反応
生成物を加圧下で濾過後、アクリル酸エステルを得た。
[0044] 得られたアクリル酸エステルについて、実施例 1と同様の方法で、強制劣化試験前 後における酸価、 APHA及びポリマー分の評価を実施した。それらの結果を表 1に 示す。尚、ポリマー分については、製品及び加熱安定性試験後で検出されなかった
[0045] [実施例 3] (4官能アクリル酸エステルの製造)
実施例 2と同様の原料及び条件で、エステルィヒ反応を行った。
反応終了後、実施例 2と同様の方法で中和洗浄を行つた。
[0046] 得られた有機層に、 80%テトラブチルホスホニゥムクロライド水溶液(以下「TBPC1」 とレヽう) 2. 48g (DGEOの水酸基のモノレ数に対して 0. 09mol%) , BHTO. 56g、 20 %Na〇H水 135g (DGEOの水酸基のモル数に対して 7. 6mol%)を添加し、 65°C にて 3時間攪拌を行った。
静置後に下層を排出し、純水 810gを添加して抽出洗浄を行った後、 MQ1. 99gを 添カ卩し、含酸素ガスを吹き込みながら減圧下でトルエンを留去した。得られた粗反応 生成物を加圧下で濾過後、アクリル酸エステルを得た。
[0047] 得られたアクリル酸エステルについて、実施例 1と同様の方法で、強制劣化試験前 後における酸価、 APHA及びポリマー分の評価を実施した。それらの結果を表 1に 示す。尚、ポリマー分については、製品及び加熱安定性試験後で検出されなかった
[0048] [実施例 4] (2官能アクリル酸エステルの製造)
還流管を設置した 1Lの側管付き四口フラスコに、ビスフエノール Aのエチレンォキ サイド 4モノレ付カロ物(以下「: BAEOJとレヽう) 350g、アタリノレ酸 150g、 卜ノレェン 348g、 パラトルエンスルホン酸一水和物 20. 9g、ハイドロキノン 0. 52g及び塩化第二銅 0. 52gを投入し、含酸素ガスを吹き込みながら反応液温度 100〜118°Cで加熱攪拌し た。生成する水をディーンスターク管にて系外に除去しながら 6時間の脱水エステル 化反応を行った。
反応終了後、反応液を 40°C以下まで冷却した後、トルエン及び純水を添加して抽 出洗浄を行った。その後、 20%Na〇H水 250gを添加して中和洗浄を行った。
[0049] 得られた反応液に、 TBABO . 36g (BAE〇の水酸基のモル数に対して 0. 06mol % ) , MQO . 09g、 BHTO . 09g、 20o/oNaOH水 30g (BAE〇の水酸基のモノレ数 ίこ 対して 8. 7mol% )を添カ卩し、 60°Cにて 2時間攪拌を行った。
静置後に下層を排出し、純水 1 50gを添加して抽出洗浄を行った後、 MQO . 2gを 添加し、含酸素ガスを吹き込みながら減圧下でトルエンを留去した。得られた粗反応 生成物を加圧下で濾過後、アクリル酸エステルを得た。
得られたアクリル酸エステルについて、実施例 1と同様にして強制劣化試験 (但し、 条件は 100°Cで 18時間加熱)前後の酸価、 APHA及びポリマー分の評価を実施し た。それらの結果を表 1に示す。尚、ポリマー分については、製品及び強制劣化試験 後で検出されなかった。
[0050] [実施例 5] (単官能アクリル酸エステルの製造)
還流管を設置した 1 . 5Lの側管付き四口フラスコに、タミルフエノールのエチレンォ キサイド 1モノレ付カロ物(以下「CPE〇」とレヽう) 650g、アタリノレ酸 201 g、トノレェン 500g 、メタンスルホン酸 6. l g、次亜リン酸 50質量%水溶液 2. Og、 MQ 1 . 36g及び塩ィ匕 第二銅 1 . 36gを投入し、含酸素ガスを吹き込みながら反応液温度 80〜: 100°C、反 応系圧力 400— 600mmHgに調整しながら加熱攪拌した。生成する水をディーンス ターク管にて系外に除去しながら 4時間の脱水エステル化反応を行った。
反応終了後、反応液を 40°C以下まで冷却した後、トルエン及び純水を添加して抽 出洗浄を行った。その後、 20 %Na〇H水 220gを添加して中和洗浄を行った。
[0051] 得られた反応液に、 TBAB (CPE〇の水酸基のモル数に対して 0. 06mol% ) 0. 5 3g、 MQO . 16g、 BHTO . 16g、 20o/oNaOH水 25g (CPE〇の水酸基のモノレ数 ίこ対 して 4. 9mol% )を添加し、 60°Cにて 2時間攪拌を行った。静置後に下層を排出し、 純水 200gを添加して抽出洗浄を行った後、 MQO . 23gを添加し、含酸素ガスを吹き 込みながら減圧下でトルエンを留去した。得られた粗反応生成物を加圧下で濾過後 、アクリル酸エステルを得た。
得られたアクリル酸エステルについて、実施例 1と同様の方法で、強制劣化試験( 但し、条件は 80°Cで 72時間加熱)前後の酸価、 APHA及びポリマー分の評価を実 施した。それらの結果を表 1に示す。尚、ポリマー分については、製品及び強制劣化
試験後で検出されなかった。
[0052] [比較例 1] (加熱処理温度が 40°Cの例)
実施例 1と同様の原料及び条件で、エステルィヒ反応を行った。
得られた反応液を、処理温度を 40°Cにする以外は実施例 1と同様の条件 ·方法で 処理を行い、その後同様の条件で後処理を行い、アクリル酸エステルを得た。
得られたアクリル酸エステルについて、実施例 1と同様の方法で、強制劣化試験前 後の酸価、 APHA及びポリマー分の評価を実施した。それらの結果を表 1に示す。
[0053] [比較例 2] (化合物 1を添加しない例)
実施例 1と同様の原料及び条件で、エステル化反応を行った。
得られた反応液に、 20%Na〇H水 104gを添カ卩し、 70°Cにて 2時間攪拌を行った。 静置後に下層を排出し、純水 500gを添加して抽出洗浄を行った後、 MQO. 64gを 添カ卩し、含酸素ガスを吹き込みながら減圧下でトルエンを留去した。得られた粗反応 生成物を加圧下で濾過後、アクリル酸エステルを得た。
得られたアクリル酸エステルについて、実施例 1と同様の方法で、強制劣化試験前 後の酸価、 APHA及びポリマー分の評価を実施した。それらの結果を表 1に示す。
[0054] [比較例 3] (化合物 1を添加しない例)
実施例 4と同様の原料及び条件で、エステル化反応を行った。
得られた反応液に、 20%Na〇H水 30gを添カ卩し、 60°Cにて 2時間攪拌を行った。 静置後に下層を排出し、純水 150gを添加して抽出洗浄を行った後、 MQO. 2gを添 加し、含酸素ガスを吹き込みながら減圧下でトルエンを留去した。得られた粗反応生 成物を加圧下で濾過後、アクリル酸エステルを得た。
得られたアクリル酸エステルについて、実施例 1と同様の方法で、強制劣化試験前 後(但し、条件は 100°Cで 18時間加熱)の酸価、 APHA及びポリマー分の評価を実 施した。それらの結果を表 1に示す。
[0055] [比較例 4] (化合物 1を添加しない例)
実施例 5と同様の原料及び条件で、エステルィヒ反応を行った。
得られた反応液に、 20%Na〇H水 25gを添加し、 60°Cにて 2時間攪拌を行った。 静置後に下層を排出し、純水 200gを添加して抽出洗浄を行った後、 MQO. 23gを
添加し、含酸素ガスを吹き込みながら減圧下でトルエンを留去した。得られた粗反応 生成物を加圧下で濾過後、アクリル酸エステルを得た。
得られたアクリル酸エステルについて、実施例 1と同様の方法で、強制劣化試験前 後(但し、条件は 80°Cで 72時間加熱)の酸価、 APHA及びポリマー分の評価を実施 した。それらの結果を表 1に示す。
[0056] [比較例 5] (ァミンを添加する例)
実施例 1と同様の原料及び条件で、エステルィヒ反応を行った。
得られた反応液に、トリエチレンジァミン(以下、「TEDA」という) 3· 3g (DGEOの 水酸基のモル数に対して 0. 53mol%)、 MQO. 69g、 48wt%水酸化ナトリウム水溶 液 69g (DGEOの水酸基のモル数に対して 15mol%)を添カロし、 80°Cにて 2時間攪 拌を行い、静置後に下層を排出した。
次いで、 3wt%の硫酸水溶液 344gを加え抽出洗浄を行った後、さらに 10%の Na 〇H水 344gを加え抽出洗浄を行った。この操作を三回繰り返して得た液に、 MQ0. 64gを添加し、含酸素ガスを吹き込みながら減圧下でトルエンを留去した。得られた 粗反応生成物を加圧下で濾過後、アクリル酸エステルを得た。
得られたアクリル酸エステルについて、実施例 1と同様の方法で、強制劣化試験前 後の酸価、 APHA及びポリマー分の評価を実施した。それらの結果を表 1に示す。
[0057] [表 1]
表 1
1 ) 単位: mg-KOH/g 産業上の利用可能性
本発明の製造方法は、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に利用できる。
さらに得られた (メタ)アクリル酸エステルは、光硬化性組成物の配合成分として、光 学レンズ、印刷インキ、コーティング剤及び接着剤等の各種工業用途に好適に使用 できる。
Claims
[化 1]
〔尚、一般式 (1)において、 Aは窒素原子又はリン原子を表し、 R〜R4は炭素数 5以 下のアルキル基、フエニル基又はベンジル基を表し、それらは同一でも異なっていて も良ぐ X—は無機陰イオン又は有機酸イオンを表す。〕
[2] 前記一般式 (1)において、 Aが窒素原子を有するものである請求項 1に記載の(メタ) アクリル酸エステルの製造方法。
[3] 前記一般式 (1)において、 Aが窒素原子を有し、かつ 〜 が炭素数 5以下のアル キル基を有するものである請求項 2に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
[4] 前記一般式 (1)において、 Aがリン原子を有するものである請求項 1に記載の(メタ)ァ クリル酸エステルの製造方法。
[5] 前記一般式 (1)において、 Aがリン原子を有し、かつ 1^〜1 4が炭素数 5以下のアルキ ル基を有するものである請求項 4に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
[6] 重合禁止剤の存在下に加熱処理を行う請求項 1〜請求項 5のいずれかに記載の(メ タ)アクリル酸エステルの製造方法。
[7] アルコール類が、多価アルコールである請求項 1〜請求項 6のいずれかに記載の(メ タ)アクリル酸エステルの製造方法。
[8] (メタ)アクリル酸とアルコール類を酸触媒の存在下に脱水エステル化反応させ、反応 液を中和処理した後、前記一般式 (1)で表される化合物及びアルカリ金属水酸化物
の水溶液を添加して 45〜: 100°Cの範囲で加熱処理を行う請求項 1〜請求項 7のい ずれかに記載の (メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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