JPH06234700A - (メタ)アクリル酸エステル類の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法

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JPH06234700A
JPH06234700A JP5024124A JP2412493A JPH06234700A JP H06234700 A JPH06234700 A JP H06234700A JP 5024124 A JP5024124 A JP 5024124A JP 2412493 A JP2412493 A JP 2412493A JP H06234700 A JPH06234700 A JP H06234700A
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JP
Japan
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water
acid
polymerization inhibitor
reaction
sulfonic acid
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JP5024124A
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English (en)
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Shiyoutaku Ri
承澤 李
Katsuji Takahashi
勝治 高橋
Riyuuji Okuda
竜志 奥田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも一方が水溶性、好ましくはそれぞ
れ水溶性の重合防止剤(A)とエステル化触媒(B)、
例えば2−メチル−1−フェノール−4−スルホン酸と
p−トルエンスルホン酸の存在下に、(メタ)アクリル
酸(C)とアルコール類(D)とを脱水エステル化反応
させた後、反応系から分離して得た反応水で水洗して、
水溶性の重合防止剤(A)および/又はエステル化触媒
(B)を除去する。 【効果】 反応系から分離して得た反応水で水洗するた
め、廃液を著しく減少させることができ、しかも水溶性
の重合防止剤および/又はエステル化触媒と未反応の
(メタ)アクリル酸とを含む再利用が可能な洗浄水が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(メタ)アクリル酸エ
ステル類の製法、更に詳しくは(メタ)アクリル酸とア
ルコール類との脱水エステル化反応を、少なくとも一方
が水溶性である重合防止剤とエステル化触媒の存在下に
行なった後、反応系から分離して得た反応水を水溶性の
重合防止剤および/又はエステル化触媒の除去に利用す
る(メタ)アクリル酸エステル類の製造に関するもので
あり、廃液が減量となり、しかも水溶性の重合防止剤お
よび/又はエステル化触媒と未反応(メタ)アクリル酸
を含む再利用が可能な洗浄水が得られるという効果があ
る。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸エステル類は、単独
又は他の重合性モノマー、オリゴマー、ポリマー、染
料、顔料、無機充填剤、増減剤等と混合し、過酸化物、
過硫酸塩又はアゾビス化合物等のラジカル開始剤の存在
下で、これら開始剤の熱分解や紫外線・放射線照射等に
よる分解によって生ずるラジカルによって容易に重合
し、機械的特性、耐熱性、耐候性耐酸化性等に優れたポ
リマーを生成する。
【0003】また、(メタ)アクリル酸エステル類は、
炭素−炭素二重結合を有する種々の化合物と容易に共重
合するので、用途に応じてポリマーの物性を調節するこ
とが可能であり塗料、インキ、コーティング剤、接着
剤、粘着剤、樹脂、ゴム、光学材料等の原料として広範
な分野に利用されている。
【0004】従来からの(メタ)アクリル酸とアルコー
ル類とを脱水エステル化反応させて、対応する(メタ)
アクリル酸エステル類を製造する方法としては、以下の
方法が一般的である。
【0005】即ち、(メタ)アクリル酸とアルコール類
とを、重合防止剤とエステル化触媒の存在下に加熱して
反応させ、生じる水を有機溶媒を用いて反応系外に共沸
留去しながら反応させ、目的とする(メタ)アクリル酸
エステル類が蒸留によって精製可能な低沸点化合物なら
ば反応終了後蒸留によって精製を行い、蒸留不可能な高
沸点化合物ならば同終了後に重合防止剤とエステル化触
媒をアルカリ又は酸溶液による洗浄により除去した後、
濃縮を行い、目的とするエステル類を得る方法である。
【0006】上記エステル化触媒としては、一般的に硫
酸、燐酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸、強酸性陽イオン交換樹脂等の酸
触媒が使用されてきた。
【0007】また、上記重合防止剤としては、ハイドロ
キノン、tert−ブチルハイドロキノン、メトキノ
ン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノー
ル、カテコール、tert−ブチルカテコール等のフェ
ノール系化合物、フェノチアジン、p−フェニレンジア
ミン、ジフェニルアミン等のアミン類、ジメチルジチオ
カルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブ
チルジチオカルバミン酸銅等の銅錯体等の化合物の中の
1種又はこれらの混合物が使用されてきた。更に必要に
応じて、これらと共に銅、マンガン、鉄等の遷移金属の
粉末、酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等の化
合物の中の1種またはこれらの混合物が併用されてき
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の方法においては、反応終了後、系中に残存する重
合防止剤とエステル化触媒を過剰のアルカリまたは酸に
よる中和洗浄によって除去し、その後多量の水による洗
浄を反復して目的とする(メタ)アクリル酸エステル類
を得ているため、重合防止剤とエステル化触媒を高濃度
で回収し、再利用することができず、しかも廃液が多量
になるという課題があった。また、反応系から分離して
得た反応水は、未反応の(メタ)アクリル酸などを含有
しており、これも廃液として処理されるため、その分廃
液が増加し、反応水中の未反応(メタ)アクリル酸の回
収もほぼ不可能になるという課題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法に関する課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも一方
が水溶性である重合防止剤とエステル化触媒の存在下
に、(メタ)アクリル酸とアルコール類とを脱水エステ
ル化反応させた後、反応系から分離して得た反応水で水
洗して、水溶性の重合防止剤および/又はエステル化触
媒の除去することにより、廃液を著しく減少させること
ができ、しかも水溶性の重合防止剤および/又はエステ
ル化触媒と未反応の(メタ)アクリル酸とを含む再利用
が可能な洗浄水が得られることを見い出し、本発明を完
成させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、少なくとも一方が水溶性
である重合防止剤(A)とエステル化触媒(B)の存在
下に、(メタ)アクリル酸(C)とアルコール類(D)
とを脱水エステル化反応させた後、反応系から分離して
得た反応水で水洗して、水溶性の重合防止剤(A)およ
び/又はエステル化触媒(B)を除去することを特徴と
する(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法を提供す
るものである。
【0011】本発明で用いる重合防止剤(A)とエステ
ル化触媒(B)としては、少なくとも一方が水溶性であ
ればよいが、アルカリ又は酸による中和洗浄の必要がな
く、水洗により容易に両者を除去できる点でいずれも水
溶性であることが好ましい。
【0012】上記重合防止剤(A)としては、例えばハ
イドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、メト
キノン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェ
ノール、カテコール、tert−ブチルカテコール等の
フェノール系化合物、フェノチアジン、p−フェニレン
ジアミン、ジフェニルアミン等のアミン類、ジメチルジ
チオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、
ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅錯体等の化合物の
中の1種またはこれらの混合物が挙げられ、更に必要に
応じて、これらと共に銅、マンガン、鉄等の遷移金属の
粉末、酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等の化
合物の中の1種またはこれらの混合物を併用してたもの
も挙げられる。
【0013】これら重合防止剤(A)のなかで、水溶性
の重合防止剤としては、例えばフェノ−ル性水酸基、ア
ミノ基、ニトロ基、ニトロソ基等の官能基を有する酸類
又はその塩、遷移金属の塩等が挙げられるが、この他に
遷移金属又はその酸化物の様に反応終了時までに塩に変
化して水溶性化する重合防止剤も水溶性の重合防止剤と
して挙げられる。これら水溶性の重合防止剤において好
ましいものとしては、フェノ−ル性水酸基、アミノ基、
ニトロ基およびニトロソ基からなる群から選ばれる1種
以上の官能基を有する芳香族スルホン酸類又はその塩、
該芳香族スルホン酸類又はその塩と選移金属、その酸化
物又はその塩とを併用したものが挙げられ、なかでも重
合防止性が格段に優れる点で該芳香族スルホン酸類又は
その塩と選移金属の塩とを併用したものが特に好まし
い。
【0014】上記芳香族スルホン酸類又はその塩として
は、例えばフェノール−2−スルホン酸、フェノール−
3−スルホン酸、フェノール−4−スルホン酸、2−メ
チル−1−フェノール−4−スルホン酸、2−メチル−
1−フェノール−6−スルホン酸、3−メチル−1−フ
ェノール−4−スルホン酸、3−メチル−1−フェノー
ル−6−スルホン酸、4−メチル−1−フェノール−6
−スルホン酸、2−tert−ブチル−1−フェノール
−4−スルホン酸、2−tert−ブチル−1−フェノ
ール−6−スルホン酸、2,6−ジメチル−1−フェノ
ール−4−スルホン酸、2,3−ジメチル−1−フェノ
ール−4−スルホン酸、2,3−ジメチル−1−フェノ
ール−6−スルホン酸、2,4−ジメチル−1−フェノ
ール−6−スルホン酸、2,5−ジメチル−1−フェノ
ール−4−スルホン酸、2,5−ジメチル−1−フェノ
ール−6−スルホン酸、
【0015】ハイドロキノン−2−スルホン酸、ハイド
ロキノン−2,5−ジスルホン酸、カテコール−4−ス
ルホン酸、カテコール−6−スルホン酸、カテコール−
3,5−ジスルホン酸、カテコール−3,6−ジスルホ
ン酸、カテコール−4,5−ジスルホン酸、ピロガロー
ル−4−スルホン酸、ピロガロール−5−スルホン酸、
2−ニトロ−1−フェノール−4−スルホン酸、2−ニ
トロ−1−フェノール−6−スルホン酸、2−ニトロソ
−1−フェノール−4−スルホン酸、2−ニトロソ−1
−フェノール−6−スルホン酸、ポリ(4−ビニル−1
−フェノール−2−スルホン酸)、ポリ(2−ビニル−
1−フェノール−4−スルホン酸)、ナフトールスルホ
ン酸類、ナフトハイドロキノンスルホン酸類、ナフトキ
ノンスルホン酸類、ニトロソナフトールスルホン酸類、
ニトロナフトールスルホン酸類等のフェノール性水酸基
含有芳香族スルホン酸系化合物、そのアルカリ金属塩又
はアンモニウム塩;
【0016】2−アミノ−1−フェノール−4−スルホ
ン酸、2−アミノ−1−フェノール−6−スルホン酸、
3−アミノ−1−フェノール−4−スルホン酸、3−ア
ミノ−1−フェノール−6−スルホン酸、4−アミノ−
1−フェノール−6−スルホン酸、フェニレンジアミン
スルホン酸類、ニトロアニリンスルホン酸類、ニトロソ
アニリンスルホン酸類、アミノナフトールスルホン酸類
等のアミノ基含有芳香族スルホン酸系化合物、そのアル
カリ金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられ、これらは
単独で用いても、複数を組み合わせて使用してもよい。
【0017】これらの中で、重合防止機能と水に対する
溶解性とが共に優れている点で、低級アルキル基に隣接
したフェノール性水酸基を有する芳香族スルホン酸類、
その塩、フェノール性水酸基を2個以上を有する芳香族
スルホン酸類の塩、フェノール性水酸基とニトロソ基と
を有する芳香族スルホン酸類の塩、
【0018】例えば、2−メチル−1−フェノール−4
−スルホン酸、2−メチル−1−フェノール−6−スル
ホン酸、2−tert−ブチル−1−フェノール−4−
スルホン酸、2,6−ジメチル−1−フェノール−4−
スルホン酸、2,3−ジメチル−1−フェノール−4−
スルホン酸、2,3−ジメチル−1−フェノール−6−
スルホン酸、2,4−ジメチル−1−フェノール−6−
スルホン酸、2,5−ジメチル−1−フェノール−4−
スルホン酸、2,5−ジメチル−1−フェノール−6−
スルホン酸等の芳香族スルホン酸、そのアルカリ金属塩
又はアンモニウム塩;
【0019】ハイドロキノン−2−スルホン酸、ナフト
ハイドロキノン−2−スルホン酸、ナフトハイドロキノ
ン−5−スルホン酸、ナフトハイドロキノン−6−スル
ホン酸、2−ニトロソ−1−フェノール−4−スルホン
酸、2−ニトロソ−1−フェノール−6−スルホン酸、
2−ニトロソ−1−ナフトール−4−スルホン酸、2−
ニトロソ−1−ナフトール−5−スルホン酸、2−ニト
ロソ−1−ナフトール−6−スルホン酸、2−ニトロソ
−1−ナフトール−7−スルホン酸、2−ニトロソ−1
−ナフトール−8−スルホン酸等の芳香族スルホン酸の
アルカリ金属塩又はアンモニウム塩が特に好ましい。
【0020】また、遷移金属、その酸化物又はその塩と
しては、例えば遷移金属の粉末、遷移金属の酸化物、遷
移金属の塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、蓚酸塩等が
挙げられるが、通常は易水溶性である塩化物、硫酸塩又
は硝酸塩を用いる。更に、上記遷移金属の種類として
は、重合防止機能を有する遷移金属であればよく、例え
ば銅、マンガン、鉄、セリウム等が挙げられるが、通常
は銅、マンガン又は鉄を用いる。これらの化合物は単独
でもちいても、組み合わせて用いてもよい。
【0021】尚、上記重合防止剤(A)の中には、重合
防止機能と共にエステル化触媒(B)としての機能も併
せ持つ化合物、例えば低級アルキル基に隣接したフェノ
ール性水酸基を有する芳香族スルホン酸類等があるが、
これを用いる場合には、水溶性で、かつその添加量が重
合防止とエステル化とに充分な量であれば、エステル化
触媒(B)を併用する必要は必ずしもなく、該重合防止
剤(A)のみの使用で水溶性のエステル化触媒(B)の
併用と見なすことができる。
【0022】本発明における重合防止剤(A)の添加量
は、(メタ)アクリル酸(C)とアルコール類(D)の
総重量100重量部に対して、通常0.005〜10重
量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
【0023】また、特に必要ではないが、上記重合防止
剤(A)および下記エステル化触媒(B)を除去し、精
製(メタ)アクリル酸エステルを得た後に、この安定剤
として添加するものであれば、予め安定剤として適当な
範囲の量で上記重合防止剤(A)およびエステル化触媒
(B)と併用してもよい。これらの安定剤としては、例
えばハイドロキノン、メトキノン、カテコ−ル等の従来
の重合防止剤を挙げることができる。
【0024】本発明で用いるエステル化触媒(B)とし
ては、例えば酸性化合物、塩基性化合物、イオン交換樹
脂等が挙げられ、なかでも鉱酸類、ハロゲン化カルボン
酸類、スルホン酸類等の水溶性を有する強酸性化合物、
特に鉱酸類や芳香族スルホン酸類が好ましい。
【0025】上記鉱酸類としては、例えば硫酸、クロル
硫酸、フロオロ硫酸、発煙硫酸、燐酸、塩酸等が、芳香
族スルホン酸類としては、例えばベンゼンスルホン酸、
o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸類等が挙げ
られ、これらは単独で用いても、複数を組み合わせて用
いてもよい。
【0026】また、塩基性化合物としては、例えばトリ
エチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルア
ミン等のアミン系化合物、トリフェニルフォスフィン、
トリクレジルフォスフィン等のリン系化合物等が、イオ
ン交換樹脂としては、陽イオン交換樹脂および陰イオン
交換樹脂が挙げられる。
【0027】これらエステル化触媒(B)の中で、エス
テル化触媒機能と水に対する溶解性が共に優れている点
で、ベンゼンスルホン酸とp−トルエンスルホン酸が特
に好ましい。
【0028】本発明におけるエステル化触媒(B)の添
加量は、(メタ)アクリル酸(C)とアルコール類
(D)の総重量100重量部に対して、通常0.1〜1
0重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0029】本発明で用いる(メタ)アクリル酸(C)
としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。本
発明で用いるアルコール類(D)としては、アルコール
性水酸基を1個以上含有するものであれば何れの化合物
でも使用可能である。このような化合物として、例えば
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアル
コール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノ
ニルアルコール、デシルアルコール、イソデシルアルコ
ール、2−エチルヘキシルアルコール、ドデシルアルコ
ール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ス
テアリルアルコール等のアルキル型アルコール類;
【0030】メトキシエチルアルコール、エトキシエチ
ルアルコール、ブトキシエチルアルコール、メトキシジ
エチレングリコール、エトキシジエチレングリコール、
ブトキシジエチレングリコール、メトキシトリプロピレ
ングリコール、エトキシトリプロピレングリコール、ブ
トキシトリプロピレングリコール、メトキシポリエチレ
ングリコール、メトキシポリプロピレングリコール等の
アルコキシ基含有型アルコール類;
【0031】シクロペンチルアルコール、シクロヘキシ
ルアルコール、シクロオクチルアルコール、メチルシク
ロヘキシルアルコール、エチルシクロヘキシルアルコー
ル等の環式アルキル型アルコール類;テトラフルフリー
ルアルコール、メチルテトラフルフリールアルコール等
のテトラフルフリール型アルコール類;イソボニルアル
コール、メチルイソボニルアルコール等のイソボニル型
アルコール類;ジシクロペンテニルアルコール、ジシク
ロペンタジエニルアルコール、ジシクロペンテニロキシ
エチルアルコール等の複素環式脂肪族基含有型アルコー
ル類;
【0032】tert−ブチルアミノエチルアルコー
ル、N,N−ジメチルアミノエチルアルコール、N,N
−ジエチルアミノエチルアルコール等のアミノ基含有型
アルコール類;テトラフロロプロピルアルコール、ヘプ
タデカフロロデシルアルコール等の含フッ素型アルコー
ル類;ベンジルアルコール等のベンジル基含有型アルコ
ール類;
【0033】フェノール、メチルフェノール等のフェニ
ル基含有型アルコール類;フェノキシエチルアルコー
ル、フェノキシジエチレングリコール、フェノキシトリ
エチレングリコール、フェノキシヘキサエチレングリコ
ール等のフェノキシ基含有型アルコール類;アルキレン
オキサイド変性リン酸型アルコール類、ε−カプロラク
トン変性ヒドロキシアルコール、ε−カプロラクトン変
性テトラヒドロフルフリルアルコール等のヒドロキシル
基をε−カプロラクトン又はアルキレンオキサイドで変
性した変性型のアルコール類等の1価のアルコール類
や、
【0034】1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール等の両末端水酸基
含有アルキル型アルコール類;エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピ
レングリコール等のアルキレングリコール型アルコール
類;ヒドロキシピバリン酸エチレングリコール、ヒドロ
キシピバリン酸ジエチレングリコール、ヒドロキシピバ
リン酸ネオペンチルグリコール等のエステル型両未端水
酸基含有アルコール類;
【0035】トリメチロールプロパン、エトキシトリメ
チロールプロパン、プロポキシトリメチロールプロパ
ン、ジトリメチロールプロパン、エトキシジトリメチロ
ールプロパン、プロポキシジトリメチロールプロパン、
ε−カプロラクトン変性トリメチロールプロパン、ε−
カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパン等のトリ
メチロールプロパンおよびその誘導体のアルコール類;
【0036】ペンタエリスリトール、エトキシペンタエ
リスリトール、プロポキシペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、エトキシジペンタエリスリトー
ル、プロポキシジペンタエリスリトール、ε−カプロラ
クトン変性ペンタエリスリトール、ε−カプロラクトン
変性ジペンタエリスリトール等のペンタエリスリトール
およびその誘導体のアルコール類;
【0037】トリヒドロキシイソシアヌレート、トリス
(ヒドロキエチル)イソシアヌレート、トリス(エチレ
ンオキサイド変性)イソシアヌレート、トリス(プロピ
レンオキサイド変性)イソシアヌレート、トリス(ε−
カプロラクトン変性)イソシアヌレート等のイソシアヌ
レートおよびその誘導体のアルコール類;
【0038】ジ(ヒドロキシエチル)ジシクロペンタジ
エン等の複素環誘導体のアルコール類;エチレンオキサ
イド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加
ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加水添ビスフ
ェノールA、プロピレンオキサイド付加水添ビスフェノ
ールA、ε−カプロラクトン変性ビスフェノールA、エ
チレンオキサイド付加ビスフェノールS、プロピレンオ
キサイド付加ビスフェノールS、エチレンオキサイド付
加水添ビスフェノールS、プロピレンオキサイド付加水
添ビスフェノールS、ε−カプロラクトン変性ビスフェ
ノールS等のビスフェノール化合物の変性型アルコール
類;
【0039】グリセリン、エチレンオキサイド付加グリ
セリン類、プロピレンオキサイド付加グリセリン類、ε
−カプトラクトン変性グリセリン類等の多価のアルコー
ル類が挙げられるが、なかでも反応性の良好な多官能
(メタ)アクリル酸エステルが得られる点で多価アルコ
ール類が好ましい本発明における(メタ)アクリル酸
(C)の使用量は、アルコ−ル類(D)中の水酸基の数
1.0個に対して、(メタ)アクリル酸が0.03〜3
0個と広範に変化させることができるが、通常は1.0
〜30個であり、なかでも反応の進行が速く、副反応や
着色物質の生成などがない点で1.05〜10個が好ま
しい。
【0040】本発明における脱水エステル化反応は、有
機溶媒中あるいは無溶媒にて行うことができ、溶媒とし
てはベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルシクロ
ヘキサン等、水と混合した際に水と相分離し、かつ水と
共沸可能なもので、その沸点が60〜140℃の範囲に
あるものが通常使用される。これらの溶媒は単独でも混
合したものでも使用可能で、溶媒が原料であるアルコー
ル類と相溶しなかったり、これらを溶解し得ないもので
あっても使用できる。添加量は反応系全体量に対して通
常0〜300重量%の範囲である。
【0041】本発明における反応温度は、通常40〜1
40℃、好ましくは60〜90℃の範囲から選ばれ、ま
た反応時間は通常0.5〜20時間、好ましくは1〜1
0時間程度に設定される。
【0042】本発明における反応は、大気圧下で行うこ
とも、生成する水を容易に反応系外へ除去するために減
圧下で行うことも、あるいは溶媒の沸点を降下させるた
めに加圧下で行うこともでき、何れの圧力下で行っても
よい。
【0043】本発明における反応では、(メタ)アクリ
ル酸(C)および生成する(メタ)アクリル酸エステル
の重合を防ぐために酸素又は酸素と不活性気体の混合
物、例えば空気や酸素/アルゴン混合気体を全反応時間
にわたり反応液中および/又は反応液面上に導入すると
重合防止効果が更に良好となる。この際、酸素又は酸素
と不活性気体の混合物を、反応液中になるべく微細な気
泡となるように吹き込むとエステル化反応によって生成
する水が速やかに除かれる点で好ましく、また接触界面
近傍の気相中に吹き込むと反応容器表面と反応液と気相
の接触領域での重合を防止する点で好ましい。いずれに
せよ、系中への吹き込みは液中であれ気相であれ反応中
の重合を防止でき、反応を促進させる方向に働くため実
施することが好ましい。
【0044】本発明では少なくとも一方が水溶性である
重合防止剤(A)とエステル化触媒(B)を用いるた
め、水溶性のものの除去は、反応水による洗浄という簡
便な方法で行なうことができる。なかでも、重合防止剤
(A)とエステル化触媒(B)としていずれも水溶性の
ものを用いると、両者の除去を同時に簡便に行なうこと
ができ、他の除去法を併用する必要がないため、廃液の
低減効果が大きいという利点があり、好ましい。
【0045】反応水による洗浄の方法は、特に限定され
るものではなく、攪拌、抽出等一般に用いられる方法の
何れを用いても差し支えなく、洗浄に用いる反応水の
量、洗浄回数等も必要に応じて変化させることができ
る。尚、水による洗浄に際して、反応終了後の反応液
を、反応液と相溶し、かつ水と相分離する有機溶媒で希
釈すると、溶媒と反応水との相分離が容易になり、また
反応水に中性の塩類を溶解させて水洗に用いると、相分
離が更に容易になるのでそれぞれ好ましい。使用可能な
中性の塩類としては、例えばアルカリ金属の硫酸塩、塩
化物、硝酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、塩化物、硝
酸塩等が挙げられるが、反応水に対して良好な溶解性を
有するものであれば、特にこれらに限定されるものでは
ない。
【0046】本発明において反応水による洗浄で得られ
た洗浄水は、水溶性の重合防止剤(A)および/又はエ
ステル化触媒(B)と未反応の(メタ)アクリル酸とを
含むため、そのまま水溶液の状態で、濃縮して濃厚水溶
液とした状態で、あるいは蒸発乾固した状態で、それぞ
れ反応に再利用することも可能である。なかでも生成し
た(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して1
0重量部以下、好ましくは2〜5重量部の反応水で第1
回目の水洗をして得られる洗浄水は、多量の水溶性の重
合防止剤(A)および/又はエステル化触媒(B)を含
み、そのままでも再利用が可能であり、特に有用であ
る。
【0047】本発明における(メタ)アクリル酸エステ
ル類の製造方法においては、重合防止剤(A)とエステ
ル化触媒(B)の両者の除去を終えた後で、必要に応じ
て反応液中に残留した(メタ)アクリル酸又は(メタ)
アクリル酸エステル類や溶媒の回収を抽出や蒸留等の方
法によって、また着色成分や反応副生成物の除去等の精
製を吸着、晶析、再沈澱、濾過等の方法によって行うこ
とができる。これらの精製方法は、一般的に知られてい
る方法であれば何れも使用でき、単独あるいは組み合わ
せて行うこともできる。
【0048】このようにして得られた精製(メタ)アク
リル酸エステル類は、重合し易い性質を有するために、
直ちに何等かの重合工程で使用するか、あるいは保存す
る場合には重合防止剤を新たに添加する必要がある。こ
の場合重合防止剤の種類としてはハイドロキノン、メト
キノンが主に使用されるが、変性着色が無い点において
メトキノンが特に好ましく用いられている。その添加量
は得られた(メタ)アクリル酸エステルの種類にもよる
が通常5〜5000ppm、好ましくは50〜2500
ppmである。
【0049】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明の内容は実施例のみに限定
されるものではない。また、以下の%は特に断りのない
限り重量基準である。
【0050】実施例1 還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計および攪拌
器を付けた1lガラス製四口フラスコに、アクリル酸2
16.0gおよびトリメチロールプロパン89.45g
と共に、水溶性重合防止剤として2−メチル−1−フェ
ノール−4−スルホン酸2.05gと硫酸銅0.24g
を、水溶性エステル化触媒としてp−トルエンスルホン
酸12.24gを、更に溶媒としてトルエン61.0g
をそれぞれ仕込んだ。次に、このフラスコ中に空気を2
0ml/分で吹き込みながら湯浴を使用して加熱し、内
溶液を攪拌しながら、トルエンと副生する水が共沸し始
めてから10時間の間、130torrの減圧下で水分
離器で水を共沸除去すると共にトルエンのみを還流し
て、65℃で反応させた。尚、この反応で反応系から分
離された反応水の量は44.0gで、この中に8.9g
のアクリル酸が含まれていた。
【0051】反応終了後、直ちに希釈溶媒としてトルエ
ン244.0gを加えて室温まで冷却し、次いでこの反
応希釈液に、エステル化反応時に脱水され分離された反
応水の半量22.0g(アクリル酸含有)を加えて10
分間攪拌して、30分間静置して2層に層分離したこと
を確認した後、上層の溶液を分離した。次いでこの操作
をもう1回反復して水洗を終了し、アクリル酸エステル
を99.5%の収率で得た。
【0052】この水洗で除去された重合防止剤とエステ
ル化触媒の除去率は、ほぼ100%であった。また、1
回目と2回目の水洗で生じた洗浄水の量は合計で55.
7g(重合防止剤2.29g、エステル化触媒12.2
4gおよびアクリル酸7.9gを含有)と少量であっ
た。なかでも、1回目の水洗で生じた洗浄水35.75
gは、この中に重合防止剤2.1gとエステル化触媒を
11.5gとアクリル酸5.2gとを含んでおり、その
ままアクリル酸エステルの製造に再利用することが可能
であった。
【0053】比較例1 重合防止剤として、2−メチル−1−フェノール−4−
スルホン酸2.05gと硫酸銅0.24gの代わりに、
非水溶性のハイドロキノン3.05gを用いた以外は実
施例1と同様にして脱水エステル化反応させた。尚、こ
の反応で反応系から分離された反応水の量は43.6g
で、この中に8.6gのアクリル酸が含まれていた。
【0054】反応終了後、直ちに希釈溶媒としてトルエ
ン244.0gを加えて室温まで冷却し、次いでこの反
応希釈液に、5%水酸化ナトリウム水溶液240gを加
えて10分間攪拌した後、30分間静置して2層に層分
離したことを確認した後、上層の溶液を分離した。次い
で、このアルカリ洗の操作をもう3回反復した後、5%
水酸化ナトリウム水溶液240gの代わりに純水100
gを用いた以外は同様に更に2回反復操作して水洗を終
了し、アクリル酸エステルを99.5%の収率で得た。
【0055】このアルカリ洗および水洗で除去された重
合防止剤とエステル化触媒の除去率は、ほぼ100%で
あった。しかし、3回のアルカリ洗と2回の水洗で生じ
た洗浄水の量は合計で1025gと大量であり、しかも
この洗浄水中の重合防止剤とエステル化触媒とアクリル
酸はいずれも中和されているため、再利用が困難で、全
量廃液とせざるを得なかった。
【0056】実施例2〜7 重合防止剤およびエステル化触媒として、表1に示した
量の重合防止剤およびエステル化触媒を用いた以外はそ
れぞれ実施例1と同様に脱水エステル化反応と2回の水
洗を行ったところ、いずれもアクリル酸エステルが9
9.0%以上の収率で得られた。
【0057】この水洗で除去された重合防止剤とエステ
ル化触媒の除去率は、ほぼ100%であった。1回目と
2回目の水洗で生じた洗浄水の量は合計でいずれも6
0.0g以下と少量であり、なかでも1回目の水洗で得
られた洗浄水は多量の重合防止剤とエステル化触媒と共
にアクリル酸も含んでおり、いずれもそのままアクリル
酸エステルの製造に再利用することが可能であった。
【0058】
【表1】 *1)(A−1):ハイドロキノン−2−スルホン酸ナト
リウム *2)(A−2):2−メチル−1−フェノール−4−ス
ルホン酸カリウム *3)(A−3):2−ニトロソ−1−フェノール−4−
スルホン酸カリウム *4)(A−4):1−アニリン−4−スルホン酸カリウ
ム *5)(A−5):2−メチル−1−フェノール−4−ス
ルホン酸 *6)(B−1):p−トルエンスルホン酸 *7)(B−2):硫酸 *8)(B−3):ベンゼンスルホン酸
【0059】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、反応系から
分離して得た反応水で水洗するため、廃液を著しく減少
させることができ、しかも水溶性の重合防止剤および/
又はエステル化触媒と未反応の(メタ)アクリル酸とを
含む再利用が可能な洗浄水が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が水溶性である重合防止
    剤(A)とエステル化触媒(B)の存在下に、(メタ)
    アクリル酸(C)とアルコール類(D)とを脱水エステ
    ル化反応させた後、反応系から分離して得た反応水で水
    洗して、水溶性の重合防止剤(A)および/又はエステ
    ル化触媒(B)を除去することを特徴とする(メタ)ア
    クリル酸エステル類の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合防止剤(A)とエステル化触媒
    (B)が、いずれも水溶性である請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 重合防止剤(A)が、フェノール性水酸
    基、アミノ基、ニトロ基およびニトロソ基からなる群か
    ら選ばれる1種以上の官能基を有する芳香族スルホン酸
    類又はその塩類である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合防止剤(A)が、低級アルキル基に
    隣接したフェノール性水酸基を有する芳香族スルホン酸
    類、その塩、フェノ−ル性水酸基を2個以上有する芳香
    族スルホン酸類の塩およびフェノ−ル性水酸基とニトロ
    ソ基とを有する芳香族スルホン酸類の塩からなる群から
    選ばれる1種以上の化合物である請求項1又は2記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 重合防止剤(A)として、更に遷移金属
    の塩を併用する請求項3又は4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 エステル化触媒(B)が、鉱酸類又は芳
    香族スルホン酸類である請求項1〜5のいずれか1つに
    記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 エステル化触媒(B)が、ベンゼンスル
    ホン酸又はp−トルエンスルホン酸である請求項1〜5
    のいずれか1つに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 アルコール類(D)が、多価アルコール
    類である請求項1〜7のいずれか1つに記載の製造方
    法。
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