光学素子および色収差補正レンズ 技術分野
本発明は光学素子および色収差補正レンズに関する。 背景技術
光学レンズ (凸レンズ) は、 短波長光の方が長波長光よりも屈折率が大きい性 質、 すなわち軸上色収差を示し、 色にじみ (色収差) を発生することが知られて いる。 色収差は使用上問題となるため、 光学レンズは通常、 色収差補正素子を組 み合わせて色収差を補正したレンズ系または積層型レンズとして使用される。 色収差補正素子としては、 古くは凹レンズが用いられてきたが、 近年フレネル レンズの使用が注目されている (特開平 9— 1 2732 1号、 特開平 9一 1 27 322号、 特開 2004— 78166号および特開 2005— 107298号参 照。)。
色収差の補正のためには、 色収差の程度の指標となるアッベ数の差が大きい相 異なる材料からなる複数の素子でレンズ系が構成される。 レンズの材料としては、 従来からガラスが用いられてきた。 ガラスはその屈折率が 1. 46〜1. 92程 度、 アッベ数が 25〜80程度であり、 かかる極めて広い範囲における光学特性 の選択が可能なため、 色収差を補正するためのレンズ系のデザィンの自由度が高 く、 多彩なレンズ特性を発揮するには有利な材料である。
上記の如きレンズ系をカメラやビデオカメラ等に適用する場合、 レンズ系を小 型、 軽量化することが求めらている。 特にレンズ径の大きい望遠レンズ系や超望 遠レンズ系は、 従来から重厚長大であり、 カメラに装着して用いる際に取り扱い にくく、 シャッターチャンスを逃す場合もあることから、 レンズ系の軽量化およ びレンズ系全長の短縮化が求められている。 そのためにはレンズの材料を見直す とともに、 色収差補正後の焦点距離を短縮する必要がある。
このような観点から、 レンズ材料としてガラスに代えてプラスチック製の材料 の使用が望まれている。 今日におけるプラスチックレンズの代表的な材料としてポリメチルメタクリレ 一卜 (PMMA) およびポリカーボネートが挙げられる。 このうち PMMAは、 透明性および硬度が高く、 耐久性に優れる等の利点を有するほか、 アッベ数が 5 7と高く、 したがって色収差が小さいことから圧倒的に多く使用されている。
PMM Aレンズの色収差の補正のために使用されるプラスチックレンズの材料 としては、 一般に、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) プロパン (ビスフ エノ一ル A) から製造されたポリカーボネート (PC (B I S—A)) が用いら れている。 PC (B I S—A) のアッベ数は 32であり、 PMMAのアッベ数 5 7との差が大きいため、 色収差補正のための要件は一応具備している。 しかしな がら、 PC (B I S— A) の使用によっても色収差補正後の焦点距離は十分に満 足できるレベルには至っていない。 ところで、 レンズの軽量化の観点からは、 レンズ材料の屈折率は高いほど有利 であると考えられてきた。 すなわち、 屈折率が低いと所望の効果を得るためには レンズのカーブをきつくしなければならないのでレンズ全体を厚くしなければな らず、 軽量化の要請に反すると考えられていたのである。
従来知られているプラスチックの光学材料は、 屈折率とアッベ数とが一定の関 係にあることが知られている。 図 1に、 公知文献に見られる汎用の光学用プラス チック材料の屈折率とアッベ数との関係を示した。 図 1を見ると、 プラスチック 材料は屈折率が高いほどアッベ数が低くなる傾向を示し、 各材料について両者の 関係をプロッ卜した点の集合は、 極めて幅の狭い領域内に収まっていることが理 解されよう。 従来の光学素子としてのプラスチック材料の改良の努力は、 主とし てこの領域を超えて高い屈折率を示す材料の開発に向けられていた (日化協月報, 40 (8), 27 ( 1987) および日化協月報 47 (2), 8 ( 1 994) 参 照。)。
しかしながらレンズ系における色収差補正用として好適であり、 且つ色収差補 正後の焦点距離が短縮されたレンズ系を構成しうる色収差補正素子として、 いか なる材料を適用すればよいかということは未だ知られていない。 なお、 ポリカーボネート材料は古くから透明性と耐熱性とを有する材料として 知られ、 多くの改良検討が行われている。 しかしその多くはエンジニアリングプ ラスチックとしての機械的特性の改良 (特開平 6— 1 4 5 3 3 3および特開平 6 一 2 0 0 0 0 5号参照。) や特殊用途への適用を意図したもの (特開平 5— 2 9 4 0 2 9号参照) である。 光学用途における検討としては、 例えば光ファイバ一、 写真コピーの感光体または光ディスクの記録層用といった単一波長のみを対象と. する分野における機械特性の改良がほとんどであった (特開平 6 - 3 4 7 6 5 0 号、 特開平 3— 6 1 9 1 1号、 特開平 6— 2 8 2 0 9 4号および特開昭 6 4— 3 1 8 2 5号参照。)。 わずかに特開昭 6 2 - 1 8 5 0 1号においてポリカーボネー ト材料をレンズに適用するにあたっての改良検討がなされているが、 ここではレ ンズの耐熱性および表面硬度の向上を目的とした材料検討がなされ、 実施例では 該材料からなる凸レンズが開示されているにすぎない。 発明の開示
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、 その目的はレンズ系または積層 型レンズの色収差補正用として好適に用いることのできる光学素子および該光学 素子を使用した色収差補正レンズを提供することにある。
本発明の光学素子は、 例えば凹レンズ、 フレネルレンズ、 回折格子等の形態と することができ、 他の光学素子 (例えば凸レンズ、 フレネルレンズ、 回折格子 等) と組み合わせて色収差補正レンズ系または積層型の色収差補正レンズを構成 するために好適に用いることができる。 本発明の上記目的は第一に、
下記一般式 ( i ) で表される構造単位を有し、 屈折率 n Dとアッベ数レ。との関
係が下記式 ( I ) nD+0. 0076X vD ≤ 1. 78 (I) を充たす重合体からなり、 色収差の補正に用いられることを特徴とする光学素子 によって達成される。
(式 ( i ) 中、 複数ある R
1はそれぞれ独立に、 炭素数 1〜 10のアルキル基、 炭素数 1〜 10のアルコキシ基、 炭素数 6〜20のシクロアルキル基、 炭素数 6 〜20のシクロアルコキシ基、 炭素数 6〜 10のァリール基、 炭素数 7〜20の ァラルキル基、 炭素数 6~10のァリールォキシ基および炭素数 7〜 20のァラ ルキルォキシ基からなる群から選択され、 その水素原子の一部もしくは全部がハ ロゲン原子で置換されていてもよい一価の有機基またはハロゲン原子であり、 p および Qはそれぞれ独立に 0〜4の整数であり、 Aは単結合であるか、 または下 記式 ( i一 1) 〜 ( i一 4) から選択される二価の基である。 ただし、 Aが単結 合またはフッ素原子を有さない二価の基である場合には、 pおよび qは同時に 0 であることはなく、 式 U ) 中に存在する R
1の少なくとも 1つは水素原子の一 部もしくは全部がフッ素原子で置換された一価の有機基またはフッ素原子であ る。)
(式 ( i一 1) 中、 複数ある R2はそれぞれ独立に水素原子もしくはハロゲン原 子であるか、 または水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されてい てもよい炭素数 1〜10の炭化水素基である。)
(式 ( i—2) 〜 ( i -4) 中、 複数ある R3、 R 4および R 5はそれぞれ独立に 水素原子もしくはハロゲン原子であるか、 または水素原子の一部もしくは全部が ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数 1〜4の炭化水素基であり、 式 ( i -3) における rは 4〜 1 1の整数である。) 本発明の上記目的は第二に、
アッベ数レ。が 50〜60であり、 屈折率 nDが 1. 48〜: L . 55である材料 からなる光学素子および上記の光学素子からなることを特徴とする色収差補正レ
ンズによって達成される。 本発明の光学素子を用いた本発明の色収差補正レンズは、 軽量であり、 しかも 色収差補正後の焦点距離が短いものであり、 アナログまたはデジタルの力メラや ビデオカメラ等の望遠レンズ系や超望遠レンズ系に好適に使用することができる。 図面の簡単な説明
図 1 :従来知られているプラスチックレンズ材料の屈折率とアッベ数との関係 を示すグラフである。 プロットした点は、 特開平 1一 66234号、 特開平 5— 29467 1号、 特開平 6— 25398号、 特開平 6— 228296号、 特開平 6— 248063号、 特開平 6— 26386 1号、 特開平 1 1— 349676号、 特開 2000— 4700 1号、 特開 2000— 63506号、 特開 2000— 9 5933号、 特開 2000— 1 36241号、 特開 2000— 1 36242号、 特開 2000— 230044号、 特開 2000— 302860号、 特開 2001 — 1 1 1 65号、 特開 2001 - 1 1 1 66号、 特開 2001— 1 1 168号、 特開 200 1— 1 1 169号、 特開 2002 _ 90501号、 特開 2002— 2 0 1277号、 特開 2002— 21 2275号、 特開 2002— 265585号、 特開 2002— 226570号、 特開 2002— 2939 1 1号、 特開 2002 — 2939 1 2号、 特開 2002— 338678号、 特開 2002 - 37 1 1 7 9号、 特開 2003— 48974号、 特開 2003— 55543号、 特開 200 3— 73468号、 特開 2003— 90901号、 特開 2003— 160659 号、 特開 2003— 160660号、 特開 2004— 75799号、 特開 200 4一 1 0801号、 特開 2005— 42032号、 特開 2005— 77963号、 特開昭 64— 3 1 825号および特開昭 62— 1 850 1号の各公報の実施例か ら採択した。
図 2 :本発明の光学素子を用いた色収差補正レンズ系の好ましい一例を示す概 略図である。
図 3 :本発明の色収差補正レンズの好ましい一例を示す概略図である。
図 4 :本発明の色収差補正レンズの好ましい一例を示す概略図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明の光学素子は、 上記式 U ) で表される構造単位を有する重合体からな る。
上記式 ( Π で表される構造単位におけるハロゲン原子としては、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、 これらのうちフッ素原子が好 ましい。
上記式 ( i ) で表される構造単位において、 Aが単結合のときの R 1としては、 フッ素原子であることが好ましい。 '
上記式 Π ) で表される構造単位において、 Aが上記式 ( i 一 1 ) で表される 二価の基であるときの R 2としては、 水素原子、 フッ素原子、 メチル基、 ジフル ォロメチル基、 炭素数 1〜 1 0のパーフルォロアルキル基、 フエニル基、 フルォ 口フエニル基またはパーフルォ口フエニル基であることが好ましレ 。 上記炭素数 1〜 1 0のパーフルォロメチル基としては、 例えばトリフルォロメチル基、 パー フルオロー n—プロピル基、 パーフルオロー n—ノニル基等を挙げることができ、 特にトリフルォロメチル基が好ましい。 2つある R 2がともに水素原子、 メチル 基およびフエニル基から選択されるいずれかの基であるときは pおよび qのうち の少なくとも 1つは 0ではなく且つ R 1のうちの少なくとも 1つはフッ素原子ま たはトリフルォロメチル基であることが好ましい。
上記式 ( i ) で表される構造単位において、 Aが上記式 ( i 一 2 ) で表される 二価の基であるときの R 3としては、 炭素数 1〜4のパーフルォロアルキル基が 好ましく、 特にトリフルォロメチル基が好ましい。 Aが上記式 ( i 一 2 ) で表さ れる二価の基であるときは、 pおよび qはともに 0であることが好ましい。
上記式 U ) で表される構造単位において、 Aが上記式 U— 3 ) で表される 二価の基であるときの R 4としては水素原子またはフッ素原子が好ましく、 rと しては 4、 5または 1 1が好ましい。 2つある R 4がともに水素原子であるとき は、 pおよび qのうちの少なくとも 1つは 0ではなく且つ R 1のうちの少なくと
も 1つはフッ素原子であることが好ましい。
上記式 U ) で表される構造単位において、 Aが上記式 ( i 一 4) で表される 二価の基であるときの R5としては水素原子が好ましく、 pおよび qのうちの少 なくとも 1つは 0ではなく且つ R1のうちの少なくとも 1つはフッ素原子または 炭素数 1〜4のパーフルォロアルキル基であることが好ましい。 ここで、 炭素数 1〜4のパ一フルォロアルキル基として特にトリフルォロメチル基が好ましい。 上記式 ( i ) で表される構造単位中のフッ素含有重量比率 FMは 0. 22〜0, 63であることが好ましく、 0. 25〜0. 55であることがより好ましい。 こ こでフッ素含有重量比率 FMとは、 構造単位 ( i ) 中に含有されるフッ素原子の 重量を構造単位 ( i ) の重量で除した値をいう。 上記式 U ) で表される構造単位を有する重合体は、 所望の構造単位に対応す るジヒドロキシ化合物、 すなわち下記式 ( i ')
(式 Π ') 中、 R1, p、 qおよび Αは、 上記式 ( i ) におけるのと同じ意味 である。) - で表される化合物とカーボネート前駆体とを、 界面重合法もしくは溶液重合法ま たは溶融重合法で反応させて得ることができる。 この場合、 上記式 ( i) で表さ れる構造単位は上記式 ( ) で表される化合物から誘導される。
以下、 上記式 ( i ) で表される構造単位の具体例につき、 該構造単位を誘導す るジヒドロキシ化合物 ( ) の具体例に基づいて説明する。 特定のジヒドロキ シ化合物 ( ) をカーボネート前駆体と反応させると、 当該ジヒドロキシ化合 物の構造に対応する構造単位 ( i ) を有する重合体が得られることは、 当業者に
は容易に理解できるであろう。 上記式 ( i ) における Aが単結合である構造単位を誘導するジヒドロキシ化合 物 ( i ') としては、 例えばォク夕フルオロー 4, 4 ' ービフエノール、 3, 3 ' —ジフルオロー 4, 4 ' ービフエノール、 3, 3 5, 5': —テトラフル オロー 4, 4 ' —ビフエノール、 2, 2 5, 5 ' ーテトラフルオロー 4, 4' ービフエノール等が挙げられる。
上記式 U ) における Aが式 ( i 一 1) である構造単位を誘導するジヒドロキ シ化合物 ( i ) としては、 例えば 1, 1一ビス (3—フルオロー 4ーヒドロキシ フエニル) メタン、 1, 1—ビス (3, 5—ジフルォロ一 4—ヒドロキシフエ二 ル) メタン、 1, 1一ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一2, 2—ジフルォロェ タン、 1, 1—ビス (4ーヒドロキシフエニル) ー 2, 2, 2—トリフルォ口ェ 夕ン、 2, 2—ビス (3—フルオロー 4ーヒドロキシフエニル) プロパン、 2, 2—ビス (3, 5—ジフルオロー 4ーヒドロキシフエニル) プロパン、 2, 2 - ビス (4—ヒドロキシー 3—トリフルォロメチルフエニル) プロパン、 2, 2— ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一 1, 1, 1一卜りフルォロプロパン、 2, 2 —ビス (3, 5—ジメチルー 4—ヒドロキシフエ二ル) 一 1, 1, 1一トリフル ォロプロパン、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 1, 1, 1, 3, 3 一ペンタフルォロプロパン、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン (当業者間で 「ビスフエノール AF」 と称される。)、 2, 2—ビス (4—ヒドロキシ— 3—メチルフエニル) — 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス (3, 5—ジメチル— 4ーヒドロキシフエニル) 一 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス (3—フルオロー 4ーヒドロキシフエニル) 一 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 2, 2_ビス (3, 5—ジフルオロー 4ーヒドロ キシフエニル) — 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 2, 2— ビス (4—ヒドロキシー 2, 3, 5, 6—テトラフルオロフェニル) 一 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシ一 3
一フエニルフエニル) — 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス (4—ヒドロキシー 3— (2—プロピル) フエニル) — 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 パ一フルォロブタン、 1, 1—ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一パーフルォロ オクタン、 1, 1—ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一パーフルォロデカン、 1, 1—ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 1一フエ二ルー 2, 2, 2—トリフルォ ロェタン、 1, 1—ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一 1 _ (2, 3, 4, 5, 6—ペン夕フルオロフェニル) メタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) 一 1一フエニルフルォロメタン、 1, 1一ビス (3—フルオロー 4ーヒドロ キシフエニル) 一 1一フエニルメタン、 1, 1—ビス (4—ヒドロキシー 3, 5. ージフルオロフェニル) 一 1—フエニルメタン、 ビス (3—フルオロー 4ーヒド ロキシフエニル) ジフエニルメタン、 ビス (4ーヒドロキシ一3, 5—ジフルォ 口フエニル) ジフエ二ルメタン、 1, 1一ビス (3—フルオロー 4—ヒドロキシ フエニル) _ 1一 (4一フルオロフェニル) ェタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロ キシ一 3, 5—ジフルオロフェニル) 一 1— (4一フルオロフェニル) ェタン、 1, 1—ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 1一 (4一フルオロフェニル) エタ ン等が挙げられる。
上記式 ( i ) における Aが式 ( i一 2) である構造単位を誘導するジヒドロキ シ化合物 ( i ') としては、 ひ, α' 一ビス (4ーヒドロキシフエニル) — m— ビス (1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロイソプロピル) ベンゼン、 ひ, ひ' 一ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一 p—ビス (1, 1, 1, 3, 3, 3— へキサフルォロイソプロピル) ベンゼン等が挙げられる。
上記式 U ) における Aが式 ( i— 3) である構造単位を誘導するジヒドロキ シ化合物 ') としては、 例えば 1, 1一ビス (3—フルオロー 4—ヒドロキ シフエ二ル) シクロへキサン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル) パ一フ ルォロシクロペンタン、 1, 1—ビス (4ーヒドロキシフエニル) パーフルォロ シクロへキサン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル) パーフルォロシクロ ドデカン等が挙げられる。
上記式 ( i) における Aが式 ( i一 4) である構造単位を誘導するジヒドロキ シ化合物 ( ί ') としては、 例えば 9, 9一ビス (3—フルオロー 4—ヒドロキ シフエ二ル) フルオレン、 9, 9—ビス (4ーヒドロキシー 3—トリフルォロメ チルフエニル) フルオレン等が挙げられる。 これらのうち、 上述した上記式 ( i) で表される構造単位中のフッ素含有重量 比率 FMの好ましい値を実現するため、 使用されるジヒドロキシ化合物 ( ) としては、 当該ジヒドロキシ化合物から誘導される構造単位中のフッ素含有重量 比率 FMが 0. 22〜0. 63であるものが好ましく、 0. 25〜0. 55であ ることがより好ましい。 力 る観点から選択される好ましいジヒドロキシ化合物 ( ) の具体例を下記に列挙する。 なお、 下記の例示中、 [ ] 内の数値は、 各 好ましいジヒドロキシ化合物 ( ) から誘導される構造単位 ( i) 中のフッ素 含有重量比率 FMである。
Aが単結合のものとして、 例えばォク夕フルオロー 4, 4' —ビフエノール [0. 43]、 3, 3', 5, 5 ' —テトラフルオロー 4, 4 ' —ビフエノール [0. 27] および 2, 2 5, 5 ' ーテトラフルオロー 4, 4' —ビフエノ —ル [0. 27] ;
Aが式 ( i— l) のものとして、 例えば 1, 1 _ビス (3, 5—ジフルオロー 4 ーヒドロキシフエニル) メタン [0. 25]、 2, 2_ビス (3, 5—ジフルォ 口一 4—ヒドロキシフエニル) プロパン [0. 23]、 2, 2—ビス (4—ヒド 口キシ一 3—トリフルォロメチルフエニル) プロパン [0. 29]、 2, 2—ビ ス (4—ヒドロキシフエニル) — 1, 1, 1, 3, 3—ペン夕フルォロプロパン [0. 28]、 ビスフエノール AF [0. 31]、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシ ー3—メチルフエニル) — 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン [0. 29]、 2, 2—ビス (3, 5—ジメチルー 4—ヒドロキシフエニル) 一
1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン [0. 27]、 2, 2—ビス (3—フルオロー 4ーヒドロキシフエ二ル) 一 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサ フルォロプロパン [0. 38]、 2, 2—ビス (3, 5—ジフルオロー 4ーヒド
ロキシフエニル) 一 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン [0. 4 4]、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシー 2, 3, 5, 6—テ卜ラフルオロフェニ ル) — 1 , 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン [0. 53]、 2, 2 —ビス (4ーヒドロキシ一 3—フエニルフエニル) 一 1, 1, 1, 3, 3, 3 - へキサフルォロプロパン [0. 22]、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシ一 3— (2—プロピル) フエニル) 一 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパ ン [0. 26]、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一パーフルォロブ夕 ン [0. 37]、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一パーフルォロォク タン [0. 5 1]、 1, 1 _ビス (4ーヒドロキシフエニル) ーパ一フルォロデ カン [0. 54]、 1, 1—ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 1— (2, 3, 4, 5, 6—ペン夕フルォロメフエニル) メタン [0. 24] および 1, 1ービ ス (4—ヒドロキシ一 3, 5—ジフルオロフェニル) _ 1一 (4一フルオロフェ ニル) ェ夕ン [0. 23] ;
Aが式 ( i— 2) のものとして、 例えばひ, a' 一ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) 一m—ビス (1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロイソプロピル) ベン ゼン [0. 39] およびひ, α' —ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 ρ—ビス (1, 1 , 1, 3, 3, 3—へキサフルォロイソプロピル) ベンゼン [0. 3 9] ;
Αが式 ( i一 3) のものとして、 例えば 1 , 1一ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) パーフルォロシクロペンタン [0. 35]、 1, 1一ビス (4—ヒドロキシ フエニル) パ一フルォロシクロへキサン [0. 39] および 1, 1一ビス (4一 ヒドロキシフエニル) パーフルォロシクロドデカン [0. 54] ;
Aが式 U— 4) のものとして、 例えば 9, 9—ビス (4—ヒドロキシー 3—ト リフルォロメチルフエニル) フルオレン [0. 22] 力 それぞれ挙げられる。 上記式 Π ) で表される構造単位の有するフッ素原子は、 パーフルォロアルキ ル基に由来するものであることが、 容易に構造単位中のフッ素含有重量比率 FM を高くすることができる点で好ましい。
かかる観点から、 上記式 ( i ) で表される構造単位の Aは、 上記式 ( i 一 1) または U— 2) で表される二価の基であることが好ましく、 Aが上記式 ( i一 1 ) で表される二価の基である場合には構造単位 ( i ) が有する R2のうちの少 なくとも 1つは炭素数 1〜 1 0のパーフルォロアルキル基であることが好ましぐ また、 Aが上記式 ( i 一 2) で表される二価の基である場合には構造単位 ( i ) が有する R 3のうちの少なくとも 1つは炭素数 1〜 4のパーフルォロアルキル基 であることが好ましい。
このような構造単位 ( i ) を誘導するより好ましいジヒドロキシ化合物 ( ) としては、 Aが式 ( i — 1 ) のものとして、 ビスフエノール A F, 2, 2—ビス (4ーヒドロキシ一 3—メチルフエニル) 一 1 , 1, 1 , 3, 3, 3— へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス (3, 5_ジメチルー 4ーヒドロキシフ ェニル) 一 1 , 1 , 1 , 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス (3—フルオロー 4ーヒドロキシフエニル) ー 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサ フルォロプロパン、 2, 2—ビス (3, 5—ジフルオロー 4ーヒドロキシフエ二 ル) 一 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス (4一 ヒドロキシ一 2, 3, 5, 6—テ卜ラフルオロフェニル) 一 1, 1 , 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシー 3—フエエルフ ェニル) — 1 , 1, 1 , 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス (4—ヒドロキシー 3— (2—プロピル) フエニル) — 1 , 1, 1, 3, 3, 3 —へキサフルォロプロパン、 1, 1一ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一パーフ ルォロブタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエ二ル) 一パ一フルォロォクタ ンおよび 1 , 1 一ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一パーフルォロデカンを挙げ ることができ、
Aが式 ( i — 2) のものとしては、 α, a ' 一ビス (4—ヒドロキシフエニル) — m—ビス (1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロイソプロピル) ベンゼン およびひ, ひ ' 一ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一 p—ビス (1, 1 , 1 , 3, 3, 3—へキサフルォロイソプロピル) ベンゼンを挙げることができる。
これらの中でも特にビスフエノ一ル A F 、 その入手が容易であり且つ取り扱
いも容易であることから好ましい。
これらのジヒドロキシ化合物 ( ) は単独で使用することができ、 二種以上 を組み合わせて用いてもよい。 本発明に使用される重合体は、 上記式 ) で表される構造単位とともに他の 構造単位を有していてもよい。 重合体に含有される構造単位 (i) の含有量は、 上記式 (i) で表される構造単位と他の構造単位との合計に対して好ましくは 5 0モル%以上であり、 より好ましくは 75モル%以上であり、 更に好ましくは 7 5〜99モル%であり、 特に 75〜95モル%であることが好ましい。
本発明に使用される重合体に上記式 (i) で表される構造単位とともに含有さ れる他の構造単位は、 好ましくは上記式 ( ) で表される化合物以外のジヒド ロキシ化合物から誘導される構造単位であり、 その例として下記式 (i i) また は U i i) で表される構造単位を挙げることができる。
(式 i) 中、 複数ある R
6はそれぞれ独立に、 炭素数 1〜10のアルキル基、 炭素数 1〜10のアルコキシ基、 炭素数 6〜20のシクロアルキル基、 炭素数 6 〜20のシクロアルコキシ基、 炭素数 6〜 10のァリール基、 炭素数 7〜20の ァラルキル基、 炭素数 6〜10のァリールォキシ基および炭素数 7〜 20のァラ ルキルォキシ基からなる群から選択され、 その水素原子の一部もしくは全部がフ ッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい一価の有機基またはフッ素 原子以外のハロゲン原子であり、 sおよび tはそれぞれ独立に 0〜4の整数であ り、 Bは単結合であるか、 または下記式 ( i i一 1) 〜 ( i i一 8)
(式 ( i i 一 1 ) 中、 複数ある R 7はそれぞれ独立に、 水素原子、 フッ素原子以 外のハロゲン原子または炭素数 1〜 6の炭化水素基である。)
(式 ( i i 一 2 ) および ( i i 一 3 ) 中、 複数ある R 8および R 9はそれぞれ独 立に、 水素原子、 フッ素原子以外のハロゲン原子または炭素数 1〜4の炭化水素 某であり、 uは 4〜6の整数である。)
上記式 ( i i ) で表される構造単位において、 Bが単結合のときは、 sおよび tはともに 0または 1であることが好ましい。
上記式 ( i i ) で表される構造単位において、 Bが上記式 ( i i一 1) で表さ れる二価の基であるときの R 7としては水素原子、 炭素数 1〜6のアルキル基ま たはフエニル基であることが好ましい。 上記炭素数 1〜 6のアルキル基としては、 例えばメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 n—へキシル基等を挙げることが できる。 Bが上記式 ( i i一 1) で表される二価の基であるときは、 sおよび t はともに 0である力、、 または sおよび tのうちの少なくとも 1つは 0ではなく且 つ R 6が炭素数 1〜 10のアルキル基、 炭素数 6〜 20のシクロアルキル基もし くは炭素数 6 ~ 20のァリ一ル基であるかもしくはフッ素原子以外のハロゲン原 子であることが好ましい。 sおよび tのうちの少なくとも 1つが 0ではないとき の R6としては、 メチル基、 イソプロピル基、 t e r t—ブチル基、 シクロへキ シル基、 フエニル基、 塩素原子または臭素原子が好ましい。 Bが上記式 ( i i一 1) で表される二価の基であるときの特に好ましい構造単位としては、 sおよび tがそれぞれ独立に 0または 1であって R 6および R 7がメチル基である構造単 位を挙げることができる。
上記式 ( i i ) で表される構造単位において、 Bが上記式 ( i i一 2) で表さ れる二価の基であるときの R8としては、 炭素数 1〜4のアルキル基であること が好ましく、 特にメチル基であることが好ましい。 Bが上記式 ( i i— 2) で表 される二価の基であるときは、 sおよび tがともに 0であるか、 または sおよび
tのうちの少なくとも 1つは 0ではなく且つ R6が炭素数 1〜 10のアルキル基 であることが好ましい。 上記 R6の炭素数 1〜10のアルキル基としてはメチル 基が好ましい。 Bが上記式 ( i i一 2) で表される二価の基であるときの特に好 ましい構造単位としては、 sおよび tがそれぞれ独立に 0または 1であって R 6 および R 8がメチル基である構造単位を挙げることができる。
上記式 ( i i ) で表される構造単位において、 Bが上記式 ( i i一 3) で表さ れる二価の基であるときの R 9としては水素原子または炭素数 1〜 4のアルキル 基であることが好ましく、 特に水素原子、 メチル基またはイソプロピル基が好ま しく、 uとしては 4または 5であることが好ましい。 Bが上記式 ( i i一 3) で 表される二価の基であるときは、 sおよび tがともに 0であるか、 または sおよ. び tのうちの少なくとも 1つが 0ではなく且つ R6がシクロへキシル基であるこ とが好ましい。 Bが上記式 ( i i一 3) で表される二価の基であるときの特に好 ましい構造単位としては、 sおよび tがそれぞれ独立に 0または 1であって R 6 がシクロへキシル基であり、 R 9がメチル基であり、 uが 5である構造単位を挙 げることができる。
上記式 ( i i ) で表される構造単位において、 Bが上記式 ( i i一 4) 〜 ( i i - 8) のいずれかで表される二価の基であるときは、 sおよび tがともに 0で あるか、 または sおよび tのうちの少なくとも 1つが 0ではなく且つ R6が炭素 数 1〜10のアルキル基または炭素数 6〜 10のァリール基であることが好まし レ^ sおよび tのうちの少なくとも 1つが 0ではないときの R6としては、 メチ ル基またはフエニル基が好ましい。
上記式 U i ) で表される構造単位におけるフッ素原子以外のハロゲン原子と しては、 塩素原子、 臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができる。 上記式 ( i ) で表される構造単位ならびに上記式 ( i i ) もしくは ( i i i) で表される構造単位を有する重合体は、 上記式 U ') で表されるジヒドロキシ 化合物とともに、 所望の構造単位 ( i i ) または ( i i i) に対応するジヒドロ キシ化合物、 すなわち下記式 )
(式 ( i ) 中、 R6、 s、 tおよび Bは、 上記式 ( i i ) におけるのと同じ 意味である。)
で表される化合物または下記式 ( i i )
で表される化合物を用いてカーボネー卜前駆体との反応を行うことにより得るこ とができる。
以下、 上記式 (i i) で表される構造単位の具体例につき、 該構造単位を誘導 するジヒドロキシ化合物 ( i i ') の具体例に基づいて説明する。 特定のジヒド ロキシ化合物 U i ') をジヒドロキシ化合物 ( ) とともにカーボネート前駆 体と反応させると、 構造単位 U ) のほかに当該ジヒドロキシ化合物 ( i ) の構造に対応する構造単位 ( i Π を有する重合体が得られることは、 当業者に は容易に理解できるであろう。 上記式 ( i i) における Bが単結合であるときの化合物として、 例えば 4
4 'ービフエノール等が好ましい。
Bが式 ( i i 一 1) であるときの好ましい化合物としては、 例えば 1, 1ービ ス (4ーヒドロキシフエニル) メタン、 1 , 1 一ビス (4—ヒドロキシフエ二 ル) ェタン、 2, 2—ビス (4—ヒドロキシフエニル) プロパン (当業者に 「ピ スフエノール八」 と呼ばれている。)、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 1一フエニルェタン、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシー 3—メチルフエニル) プロパン (当業者に 「ビスフエノール C」 と呼ばれている。)、 2, 2—ビス (4 ーヒドロキシフエニル) ブタン、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) ペン タン、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシー 3—フエニルフエニル) プロパン、 2, 2—ビス (3—イソプロピル一 4—ヒドロキシフエニル) プロパン、 ^ 2, 2—ビ ス (3— t一ブチル一4—ヒドロキシフエニル) プロパン、 2, 2—ビス (4一 ヒドロキシフエニル) ブタン、 4, 4一ビス (4ーヒドロキシフエニル) ヘプ夕 ン、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) オクタン、 2, 2—ビス (3—ブ 口モー 4—ヒドロキシフエニル) プロパン、 ビス (4ーヒドロキシフエニル) ジ フエニルメタン、 2, 2—ビス (3, 5—ジブ口モー 4ーヒドロキシフエニル) プロパン、 2, 2—ビス (3, 5—ジクロロー 4ーヒドロキシフエニル) プロパ ン、 2, 2 _ビス (3, 5—ジメチル一 4—ヒドロキシフエニル) プロパン、 2, 2—ビス (3—シクロへキシル一 4ーヒドロキシフエニル) プロパン等が挙げら れる。
Bが式 U i — 2) であるときの好ましい化合物としては、 例えば ' 一 ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 o—ジイソプロピルベンゼン、 ひ, ひ' 一ビ ス (4ーヒドロキシ一 3—メチルフエニル) 一 o—ジイソプロピルベンゼン、 ひ, ひ ' 一ビス (3, 5—ジメチルー 4ーヒドロキシフエニル) 一 o—ジイソプロピ ルベンゼン、 ひ, α' —ビス (4ーヒドロキシフエニル) —m—ジイソプロピル ベンゼン (当業者に 「ビスフエノール M」 と称される。)、 α, α' 一ビス (4一 ヒドロキシー 3—メチルフエニル) 一m—ジイソプロピルベンゼン、 ひ, ひ ' - ビス (3, 5—ジメチルー 4ーヒドロキシフエニル) —m—ジイソプロピルベン ゼン、 ひ, α' —ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 ρ—ジイソプロピルべンゼ
ン、 ひ, ' 一ビス (4ーヒドロキシ一 3—メチルフエニル) 一 p—ジイソプロ ピルベンゼン、 ひ, ひ' 一ビス (3, 5—ジメチルー 4—ヒドロキシフエニル) 一 p—ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
Bが式 ( i i一 3) であるときの好ましい化合物としては、 例えば 1, 1ービ ス (4ーヒドロキシフエニル) シクロへキサン、 1, 1一ビス (.4—ヒドロキシ フエニル) 一3, 3, 5—卜リメチルシクロへキサン、 1, 1一ビス (4ーヒド ロキシフエニル) 一 4—イソプロビルシクロへキサン、 1, 1一ビス (3—シク 口へキシル _ 4ーヒドロキシフエニル) シクロへキサンおよび 1, 1—ビス (4 ーヒドロキシフエニル) シクロペンタンが挙げられる。
Bが式 (i i一 4) 〜 ( i i一 8) のいずれかであるときの好ましい化合物と しては、 例えばビス (4ーヒドロキシフエニル) エーテル、 ビス (4—ヒドロキ シー 3—メチルフエニル) エーテル、 ビス (4—ヒドロキシー 3—フエニルフエ ニル) エーテル、 4, 4 ' ージヒドロキシベンゾフエノン、 ビス (4ーヒドロキ シフエニル) スルフイ ド、 ビス (4ーヒドロキシ— 3—メチルフエニル) スルフ イ ド、 ビス (4—ヒドロキシー 3—フエニルフエニル) スルフイ ド、 ビス (4一 ヒドロキシフエニル) スルホキシド、 ビス (4ーヒドロキシ一 3—メチルフエ二 ル) スルホキシド、 ビス (4ーヒドロキシ一 3—フエニルフエニル) スルホキシ ド、 ビス (4ーヒドロキシフエニル) スルホン、 ビス (4ーヒドロキシー 3—メ チルフエニル) スルホンおよびビス (4ーヒドロキシー 3—フエニルフエニル) スルホンが挙げられる。
これらのうち、 Bが式 ( i i— 1 )、 ( i i— 2)、 ( i i— 3) または ( i i一 6) で表される化合物がより好ましく、 特に好ましい化合物として Bが Π i— 1) で表される化合物のうちの 2, 2—ビス (4—ヒドロキシフエニル) プロパ ン (「ピスフエノ一ル A」)、 2, 2—ビス (4—ヒドロキシー 3—メチルフエ二 ル) プロパン (「ビスフエノール C」) および 1, 1一ビス (4—ヒドロキシフエ ニル) 一 1一フエニルェタン、
Bが式 ( i i— 2) で表される化合物のうちのひ, α' 一ビス (4ーヒドロキシ フエニル) —m—ジイソプロピルベンゼンおよび α, ' 一ビス (4—ヒドロキ
シー 3—メチルフエニル) 一 m—ジイソプロピルベンゼン、
Bが式 ( i i一 3) で表される化合物のうちの 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフ ェニル) シクロへキサンおよび 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 3, 3, 5—卜リメチルシクロへキサン、 ならびに
Bが式 i— 6) で表される化合物のうちのビス (4ーヒドロキシー 3—メチ ルフエニル) スルフィ ドを挙げることができる。 本発明に使用される重合体としては、 上記式 ( i ) において、 Pおよび qが 0 であり、 Aが上記式 U — 1) で表される 2価の基であって R 2がトリフルォロ メチル基であり、 '
上記式 ( i i ) において、 Bが上記式 i — 1)、 ( i i - 2) または ( i i 一 3) で表される 2価の基であり、
Bが上記式 ( i i 一 1) で表される 2価の基であるときには sおよび tはともに
0または 1であり、 R 6および R 7はメチル基であり、
Bが上記式 ( i i一 2) または ( i i— 3) で表される 2価の基であるときには sおよび tはともに 0であり、 R8はメチル基であり、 R9は水素原子であって uは 5であることが好ましい。
このような重合体の具体例としては、 例えばビスフエノール A F単独重合体、 ビスフエノール AFZ1, 1—ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一 1一フエニル ェ夕ン共重合体、 ビスフエノール AFZ2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) プロパン共重合体、 ビスフエノール AFZ1, 1一ビス (4—ヒドロキシフ ェニル) シクロへキサン共重合体、 ビスフエノール AFZ1, 1 _ビス (4—ヒ ドロキシフエニル) 一 3, 3, 5—卜リメチルシクロへキサン共重合体、 ビスフ エノ一ル AFZ9, 9—ビス (4—ヒドロキシ一 3—メチルフエエル) フルォレ ン共重合体、 ビスフエノール AF/α, ' 一ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 m—ジイソプロピルベンゼン共重合体、 ビスフエノール A FZ 2, 2—ビス (4ーヒドロキシ一 3—メチルフエニル) プロパン共重合体等を挙げることがで さる。
本発明に使用される重合体のフッ素含有重量比率 FP (重合体中に含有される フッ素原子の重量を重合体の重量で除した値) は、 好ましくは 0. 15〜0. 6 0であり、 より好ましくは 0. 16〜0. 55であり、 さらに 0. 17〜0. 5 0であることが好ましい。 したがって、 ジヒドロキシ化合物とカーボネー卜前駆 体とを反応させる際、 製造される重合体中のフッ素含有重量比率 FPが上記の範 囲となるようにジヒドロキシ化合物 ( ) ならびにジヒドロキシ化合物 ( i ) もしくは ( i i ) の使用割合を調整して使用することが好ましい。 より 好適には、 重合体中の構造単位 ( i) の存在割合が、 構造単位 ( i) ならびに構 造単位 ( i i) もしくは (i i i ) の合計に対して好ましくは 50モル%以上、 より好ましくは 75モル%以上、 更に好ましくは 75〜 99モル%、 特に好まし くは 75〜90モル%となるように、 ジヒドロキシ化合物 ( ) ならびにジヒ ドロキシ化合物 ( i ) もしくは ( i i ) の使用割合を調整することが望ま れる。
カーボネート前駆体との反応に使用するジヒドロキシ化合物は純度が高いもの であることが好ましく、 ハーゼン単位式数として 50以下であることが好ましく、 30以下であることがより好ましい。 ジヒドロキシ化合物のハーゼン単位色素は、 ジヒドロキシ化合物の濃度 20重量%の溶液を資料として J I S KO 071 - 1に準拠して温度 25でに於ける比色法により測定することができる。 上記の如きジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを界面重合法もしくは 溶液重合法または溶融重合法で反応させて、 上記式 ( i ) で表される構造単位を 有する重合体を得るにあたって使用できるカーボネート前駆体としては、 例えば カルボニルハライド、 カーボネー卜エステル等が挙げられる。
上記界面重合法は、 ジヒドロキシ化合物と、 カルボニルハライド、 好ましくは ホスゲンとを、 酸結合剤および好ましくは触媒の存在下に有機溶媒中で反応させ ることにより行うことができる。 上記酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウム、 水酸化力リゥム等のアル力リ金属水酸化物が好ましく用いられる。 有機溶媒とし
ては、 例えば塩化メチレン、 クロ口ベンゼン等のハロゲン化炭化水素が好ましく 用いられる。 任意的に用いられる触媒としては、 第三級ァミン、 第四級アンモニ ゥム塩、 第四級ホスホニゥム塩等を挙げることができ、 その具体例として例えば 卜リエチルァミン、 テトラー n —プチルアンモニゥムブロマイド、 テ卜ラー n— ブチルホスホニゥムブロマイド等を挙げることができる。 反応温度は 0〜4 0 Τλ 反応時間は数分〜 5時間であることが好ましく、 反応中の ρ Ηは 9以上に保つこ とが好ましい。
溶液重合法は、 ジヒドロキシ化合物と、 カルボニルハライド、 好ましくはホス ゲンとを有機溶媒中で反応させることにより行われる。 ここで使用される酸結合 剤としては芳香族第三級ァミンが好ましく、 その具体例としてピリジン、 キノリ ン、 イソキノリン、 ジメチルァニリン等を挙げることができ、 特にピリジンが好 ましく用いられる。 有機溶媒としては、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン等の炭化 水素;塩化メチレン、 クロ口ホルム、 ジクロロェタン、 クロ口ベンゼン、 ジクロ 口ベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が好ましく、 特に塩化メチレンが好ましい。 酸結合剤の使用量は、 カルボニルハライド 1当量に対して 2〜1 0 0当量とする ことが好ましく、 より好ましくは 2〜5 0当量である。 反応温度は 0〜4 0 tで あることが好ましく、 反応時間は数分〜数日間であることが好ましく、 より好ま しくは 1 0分〜 5時間である。
上記溶融重合法は通常、 ジヒドロキシ化合物とカーボネー卜エステルとのエス テル交換反応であり、 不活性ガスの存在下にジヒドロキシ化合物とカーボネート エステルとを加熱しながら混合して、 生成するアルコールまたはフエノールを留 出させる方法が好ましく行われる。 反応温度は生成するアルコールまたはフエノ ールの沸点等により異なるが、 好ましくは 1 2 0〜3 5 の範囲である。 反応 時間は、 1〜1 0時間程度とすることが好ましい。 反応の後期には反応系を 1 0 〜 1 , 3 0 0 P a程度に減圧して生成するアルコールまたはフエノールの留出を 容易にすることが好ましい。 溶融重合法に好ましく使用できるカーボネートエス テルとしては、 カーボネートと、 炭素数 6〜 1 2のァリール基、 炭素数 7〜 1 2 のァラルキル基、 炭素数 1〜 4のアルキル基等とのエステルが挙げられる。 これ
らのァリール基、 ァラルキル基、 アルキル基は、 その有する水素原子の一部また は全部が水酸基、 ハロゲン原子等により置換されていてもよい。 このようなカー ボネートエステルの具体例としては、 例えばジフエ二ルカーボネー卜、 ビス (ク ロロフエニル) カーボネート、 m—クレジルカ一ボネート、 ジナフチルカ一ボネ —卜、 ビス (ジフエニル) カーボネート、 ジメチルカーボネート、 ジェチルカ一 ボネート、 ジブチルカーボネート等が挙げられ、 なかでもジフエニルカーボネー 卜が好ましい。
溶融重合法においては、 重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ る。 かかる重合触媒としては、 通常のエステル化反応、 エステル交換反応に使用 される触媒を好適に用いることができ、 その例としては例えば水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 二価フエノールのナトリウム塩、 二価フエノールのカリウム塩 等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、 水酸化バリウム、 水酸化マグネシ ゥム等のアルカリ土類金属化合物;テ卜ラメチルアンモニゥムヒドロキシド、 テ トラェチルアンモニゥムヒドロキシド、 卜リメチルァミン、 トリェチルァミン等 の含窒素塩基性化合物;アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド;アル カリ金厲ゃアルカリ土類金属の有機酸塩のほか、 亜鉛化合物、 ホウ素化合物、 ァ ルミニゥム化合物、 珪素化合物、 ゲルマニウム化合物、 有機スズ化合物、 鉛化合 物、 オスミウム化合物、 アンチモン化合物、 マンガン化合物、 チタン化合物、 ジ ルコニゥム化合物等を挙げることができる。 これらの触媒は単独で使用してもよ いし、 2種以上を組み合わせて使用してもよい。 これらの重合触媒の使用量は、 原料のジヒドロキシ化合物に対して好ましくは 1 x 1 0一9〜 1 x 1 0 _ 2当量、 よ り好ましくは 1 x 1 0— 8〜5 x l 0—3当量の範囲で選ばれる。
溶融重合法において重合触媒を使用した場合、 反応後期に触媒失活剤を添加し てもよい。 ここで触媒失活剤としては、 公知の触媒失活剤が好適に使用されるが、 好ましい触媒失活剤は使用する重合触媒に応じて選択される。 例えば重合触媒と してアル力リ金属化合物およびアル力リ土類金属化合物から選択された 1種以上 を使用する場合の触媒失活剤としては、 例えばスルホン酸のアンモニゥム塩また はホスホニゥム塩が好ましく、 更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラプチルホ
スホニゥム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸塩やパラトルエンスルホン酸テ卜 ラブチルアンモニゥム塩等のパラトルエンスルホン酸塩が好ましい。 またスルホ ン酸のエステルとしてベンゼンスルホン酸メチル、 ベンゼンスルホン酸ェチル、 ベンゼンスルホン酸プチル、 ベンゼンスルホン酸ォクチル、 ベンゼンスルホン酸 フエニル、 パラトルエンスルホン酸メチル、 パラトルエンスルホン酸ェチル、 パ ラトルエンスルホン酸プチル、 パラトルエンスルホン酸ォクチル、 パラトルエン スルホン酸フエニル等が好ましく用いられ、 その中でも、 ドデシルベンゼンスル ホン酸テトラブチルホスホニゥム塩が最も好ましく使用される。 これらの触媒失 活剤の使用量は、 アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物より選ばれ た重合触媒 1モル当たり 0 . 5〜 5 0モルの割合が好ましく、 より好ましくは 0 . 5〜 1 0モルの割合であり、 更に好ましくは 0 . 8〜 5モルの割合で使用するこ とができる。 溶融重合に際しては、 更に必要に応じて分子量調節剤、 酸化防止剤 等を加えてもよい。
上記のジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体との反応に際しては、 末端停 止剤を使用することができる。 かかる末端停止剤としては、 ポリカーボネートの 重合反応において末端停止剤として好適に使用されている単官能フエノール、 酸 塩化物等を挙げることができる。 上記単官能フエノールとしては、 例えばフエノ —ル、 p— t e r t —ブチルフエノール、 p—クミルフエノール、 3 , 5—ジ (トリフルォロメチル) フエノール、 ペン夕フルオロフェノール、 4—トリフル ォロメチルー 2 , 3, 5 , 6—テトラフルオロフエノ一ル、 フルオロフェノール、 ジフルオロフェノール、 トリフルオロフェノール、 テトラフルオロフェノール、 トリフルォロメチルフルオロフェノール、 イソォクチルフエノール、 長鎖のアル キル基を置換基として有するフエノール、 脂肪族ポリエステル基を置換基として 有するフエノール等を挙げることができる。 上記酸塩化物としては、 例えば安息 香酸クロライド、 安息香酸クロライドの誘導体、 長鎖のアルキルカルボン酸クロ ライドを挙げることができる。 これらの末端停止剤は単独で使用することができ、 または二種以上を組み合わせて用いてもよい。 特にカーボネート前駆体として力 ルポニルハライド、 好ましくはホスゲンを用いた場合、 これらの末端停止剤を使
用して得られた重合体はその末端が末端停止剤に由来する基によって封止される ので、 熱安定性により優れることとなる。
重合体の製造方法が界面重合法または溶液重合法である場合、 重合後の溶液状 態において濾過処理を行い、 不純物や異物を除去することが好ましい。 重合体の 製造方法が溶融重合法である場合であっても、 得られた重合体を適当な溶媒に溶 解して濾過処理を行った後にあらためて重合体を単離して、 本発明の光学素子の 製造に供してもよい。 かくして得られる上記式 ( i) で表される構造単位を有する重合体は、 塩化メ チレン中、 20X:において 0. 7 gZl 0 OmLの濃度で測定した比粘度が、 好. ましくは 0. 1〜2. 0の範囲であり、 より好ましくは 0. 1〜0. 5の範囲で あり、 更に好ましくは 0. 1 5〜0. 3の範囲である。 上記重合体は、 屈折率 nDとアッベ数レ Dとの関係が下記式 (I)
nD+ 0. 0076 レ。 ≤ 1. 78 (I) を充たす。 上記重合体は、 上記式 (I ) を満足する特性を持つことにより、 色収 差補正用の光学素子の原料として好適に使用することができる。 上記式 (I) を 満足するということは、 図 1に示した汎用の光学用プラスチック材料の屈折率と アッベ数との一般的な関係よりも屈折率が有意に低いことを表しており、 従来の 光学用プラスチック材料の開発が目的としてきた屈折率の高い材料とは逆の特性 を示すことを意味する。 また、 上記重合体がかかる光学特性を有することは従来 知られておらず、 したがって上記の如き重合体を色収差補正に用いるための光学 素子に適用することは、 当業者に想定されたことすらなかった。 屈折率 nDとァ ッべ数レ Dとの関係は、 更に下記式 (1 ')
1. 65≤nD+ 0. 0076 X y D ( I ')
を充たすことが好ましく、 特に下記式 (1 ")
1. 73≤nD+0. 0076 Xレ D ≤ 1. 78 ( I ") を充たすことが好ましい。
上記屈折率 nDは、 D線 (波長 587. 56 nm) における屈折率であり、 好 ましくは 1. 48〜1. 58であり、 より好ましくは 1. 50〜1. 57であり、 更に 1. 50〜1. 54であることが好ましい。
上記のアッベ数レ。は、 下記式 (I I) ' レ 0= (nD- 1) / (nF-nc) (I I )
(式 (I I ) 中、 nDは D線 (波長 587. 56 nm) における屈折率であり、 nFは F線 (波長 486. 13 nm) における屈折率であり、 ncは C線 (波長 656. 27 nm) における屈折率である。)
で表され、 好ましくは 22〜35であり、 より好ましくは 24〜34であり、 更 に好ましくは 27〜33であり、 特に 32〜33であることが好ましい。 本発明の光学素子は、 上記の如き重合体からなるが、 必要に応じて任意的に添 加剤を含有していてもよい。
上記任意的添加剤としては、 例えば熱安定剤、 離型剤、 酸化防止剤、 紫外線吸 収剤、 ブルーイング剤、 蛍光性色素、 その他の色素、 帯電防止剤等を挙げること ができる。 上記の重合体は熱安定性に優れるが、 より微細な表面凹凸形状を有し、 且つよ り良好な光学特性を有する光学素子を安定して製造するため、 その熱安定性が更 に改良されることが好ましく、 上記熱安定剤はかかる目的のために添加すること
ができる。 熱安定剤としては、 光学素子製造工程中の重合体の分子量低下の抑制 および色相変化の抑制が効果的に行える観点から、 リン系の熱安定剤が好ましい。 かかるリン系安定剤としては、 ホスファイト化合物、 ホスフェート化合物、 ホ スホナイ卜化合物、 ホスホネート化合物およびこれらのエステルならびに第 3級 ホスフィン等が例示される。
具体的にはホスフアイ卜化合物としては、 例えば卜リフエニルホスフアイト、 トリス (ノニルフエニル) ホスファイト、 トリデシルホスファイト、 トリオクチ ルホスファイト、 トリオク夕デシルホスフアイ卜、 ジデシルモノフエニルホスフ アイト、 ジォクチルモノフエニルホスフアイ卜、 ジイソプロピルモノフエニルホ スフアイト、 モノプチルジフエニルホスファイト、 モノデシルジフエニルホスフ アイト、 モノォクチルジフエニルホスファイト、 卜リス (ジェチルフエニル) ホ スフアイト、 卜リス (ジー i s o—プロピルフエニル) ホスファイト、 トリス (ジ— n —ブチルフエニル) ホスファイト、 卜リス (2, 4ージー t e r t—ブ チルフエニル) ホスファイト、 卜リス (2, 6 —ジ— t e r t —ブチルフエ二 ル) ホスファイト、 ジステアリルペン夕エリスリ トールジホスファイ ト、 ビス ( 2 , 4—ジ— t e r t —ブチルフエニル) ペン夕エリスリ 卜一ルジホスフアイ ト、 ビス (2, 6—ジ— t e r t —ブチルー 4一メチルフエニル) ペン夕エリス リトールジホスファイト、 ビス (2, 6—ジー t e r t —ブチル—4—ェチルフ ェニル) ペン夕エリスリトールジホスファイト、 ビス { 2 , 4—ビス (1ーメチ ルー 1 一フエニルェチル) フエ二ル} ペン夕エリスリトールジホスフアイト、 フ ェニルビスフエノール Aペン夕エリスリト一ルジホスファイト、 ビス (ノニルフ ェニル) ペン夕エリスリトールジホスファイト、 ジシクロへキシルペン夕エリス リトールジホスフアイ卜等のほか、 二価フエノール類と反応し環状構造を有する ホスフアイト化合物を挙げることができる。 二価フエノール類と反応し環状構造 を有するホスファイト化合物としては、 例えば 2, 2 '—メチレンビス (4 , 6 ージー t e r t —ブチルフエニル) (2, 4—ジ一 t e r t —ブチルフエニル) ホスファイト、 2, 2 '—メチレンビス (4 , 6—ジー t e r t —ブチルフエ二 ル) (2 — t e r t—プチルー 4一メチルフエニル) ホスファイト、 2, 2—メ
チレンビス (4, 6—ジ— t e r t—ブチルフエニル) ォクチルホスファイト等 が例示される。
ホスフエ一卜化合物としては、 例えばトリブチルホスフェート、 卜リメチルホ スフェート、 トリクレジルホスフェート、 トリフエニルホスフェート、 トリクロ ルフエニルホスフェート、 卜リエチルホスフェート、 ジフエニルクレジルホスフ エート、 ジフエ二ルモノオルソキセニルホスフェート、 トリブトキシェチルホス フェート、 ジブチルホスフェート、 ジォクチルホスフェート、 ジイソプロピルホ スフエー卜等を挙げることができ、 好ましくはトリフエニルホスフェートまたは トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、 例えばテ卜ラキス (2, 4ージー t e r t—ブ チルフエニル) 一 4, 4'ービフエ二レンジホスホナイト、 テトラキス (2, 4 ージ— t e r t—ブチルフエニル) 一 4, 3'—ビフエ二レンジホスホナイト、 テ卜ラキス (2, 4—ジ一 t e r t—ブチルフエ二ル) — 3, 3'—ビフエニレ ンジホスホナイト、 テトラキス (2, 6—ジー t e r t—ブチルフエニル) 一 4, 4'—ビフエ二レンジホスホナイト、 テトラキス (2, 6—ジー t e r t—プチ ルフエ二ル) 一 4, 3'—ビフエ二レンジホスホナイ ト、 テ卜ラキス (2, 6 - ジー t e r t—ブチルフエニル) — 3, 3'—ビフエ二レンジホスホナイト、 ビ ス (2, 4ージー t e r t—ブチルフエニル) — 4一フエニル—フエニルホスホ ナイト、 ビス (2, 4ージー t e r t—ブチルフエニル) 一 3—フエ二ルーフエ ニルホスホナイト、 ビス (2, 6—ジ—n—ブチルフエニル) —3—フエニル— フエニルホスホナイト、 ビス (2, 6—ジー t e r t—ブチルフエニル) —4— フエ二ルーフェニルホスホナイト、 ビス (2, 6—ジー t e r t—ブチルフエ二 ル) 一 3—フエニル—フエニルホスホナイト等が挙げられ、 これらのうちテトラ キス (ジー t e r t—ブチルフエニル) ービフエ二レンジホスホナイトまたはピ ス (ジー t e r t—ブチルフエニル) 一フエ二ルーフェニルホスホナイ卜が好ま しく、 テトラキス (2, 4ージー t e r t—ブチルフエニル) 一ビフエ二レンジ ホスホナイトまたはビス (2, 4—ジー t e r t—ブチルフエニル) 一フエニル 一フエニルホスホナイトがより好ましい。 かかるホスホナイト化合物は上記ホス
フアイト化合物のうち、 アルキル基が 2以上置換したァリール基を有するホスフ アイト化合物と併用可能であり好ましい。
ホスホネート化合物としては、 例えばベンゼンホスホン酸ジメチル、 ベンゼン ホスホン酸ジェチル、 ベンゼンホスホン酸ジプロピル等力挙げられる。
第 3級ホスフィンとしては、 例えばトリェチルホスフィン、 卜:リプロピルホス フィン、 トリブチルホスフィン、 トリオクチルホスフィン、 卜リアミルホスフィ ン、 ジメチルフエニルホスフィン、 ジブチルフエニルホスフィン、 ジフエ二ルメ チルホスフィン、 ジフエニルォクチルホスフィン、 トリフエニルホスフィン、 卜 リー p—トリルホスフィン、 トリナフチルホスフィン、 ジフエ二ルペンジルホス フィン等が例示される。 特に好ましい第 3級ホスフィンは、 トリフエニルホスフ ィンである。
上記熱安定剤は、 1種のみならず 2種以上を混合して用いることができる。 か かる熱安定剤の使用量は、 上記式 ( Π で表される構造単位を有する重合体 1 0 0重量部に対して好ましくは 0 . 1 5重量部以下であり、 より好ましくは 0 . 0 0 1〜0 . 1 5重量部であり、 更に好ましくは 0 . 0 0 3〜0 . 1重量部であり、 特に好ましくは 0 . 0 0 5〜0 . 0 5重量部である。 一般に光学素子においては、 成形時の歪みが極力低減されることが好ましい。 本発明の光学素子も、 表面形状の正確な転写が必要とされる場合があることから、 成形時の歪みの低減がきわめて重要である。 かかる観点から、 上記重合体に離型 剤を添加することが好ましい。
かかる離型剤どしては、 ポリカーボネート樹脂の離型剤として好適に利用され ている各種の離型剤を用いることができるが、 本発明において特に好適であるの は、 ナトリゥム含有量が 1 p p m以下である高級脂肪酸エステル化合物からなる 離型剤である。 かかる離型剤は、 上記重合体に配合され、 高温の条件下で成形さ れた場合であっても、 良好な色相が維持される。 これにより、 より高温の条件で 成形することが可能となり、 金型の微細な凹凸形状を正確に転写することが可能 となる。 その結果、 表面形状および色相のいずれの点でも良好であり、 設計され
た機能を正確に発揮する光学素子が得られることとなる。 なお、 上記ナトリウム 含有量は、 離型剤 5 gを塩化メチレン 5 O mLに溶解し、 純水 8 0 m Lを添加し て攪拌し、 その結果純水に溶解したナトリゥムの量をイオンクロマトグラフ法よ り定量することにより、 測定することができる。
高級脂肪酸エステル化合物は、 例えばアルコールと高級脂肪酸とを反応触媒と しての水酸化ナ卜リゥムの存在下において反応することにより製造することがで き、 反応生成物を水およびアルコールのうちの少なくとも 1種によって十分に洗 浄することにより、 ナトリゥム含有量が十分に低減された高級脂肪酸エステルを 得ることができる。
高級脂肪酸エステル化合物としては、 一価または多価アルコールと高級脂肪酸 とのエステル化合物が挙げられ、 炭素原子数 1〜2 0の一価または多価アルコー ルと炭素原子数 1 0〜3 0の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが好 ましい。 このような高級脂肪酸エステル化合物としては、 例えばステアリン酸モ ノグリセリド、 ステアリン酸モノソルビテート、 ベヘン酸モノグリセリド、 ペン 夕エリスリ I ^一ルモノステアレート、 ペン夕エリスリト一ルテトラステアレート、 プロピレングリコールモノステアレート、 ステアリルステアレート、 パルミチル パルミテート、 プチルステアレート、 メチルラウレート、 イソプロピルパルミテ —卜、 2—ェチルへキシルステアレート等が挙げられ、 中でもステアリン酸モノ グリセリドまたはペン夕エリスリトールテ卜ラステアレートが好ましい。 上記例 示においては、 いずれも単一の化合物を例示したが、 これらは通常、 例示された 化合物を主成分とする混合物の形態で利用される。 これは、 第 1に高級脂肪酸ェ ステルの原料となる高級脂肪酸が、 通常動物性油脂 (牛脂および豚脂等) や植物 性油脂 (パーム油等) 等の天然油脂類から製造されるため、 炭素原子数の異なる 他の脂肪酸を含む混合物となっていること、 第 2に合成された高級脂肪酸エステ ルは少なからず遊離の高級脂肪酸を含有すること、 第 3に合成された高級脂肪酸 エステル中には少なからず未反応のアルコ一ル性水酸基が存在すること等による。 高級脂肪酸エステル化合物は、 その酸価が 2 0以下 (実質的に 0を取り得 る。) であり、 ヨウ素価は 1 0以下 (実質的に 0を取り得る。) であることが好ま
しい。 これらの特性は J I S K0070に規定された方法により求めることが できる。
上記離型剤は、 単独で使用することができ、 二種以上を組み合わせて使用して もよい。
離型剤の使用量は、 上記式 ( i ) で表される構造単位を有する重合体 1 00重 量部に対して、 好ましくは 0. 5重量部以下であり、 より好ましくは 0. 001 〜0. 5重量部であり、 更に好ましくは 0. 005〜0. 1重量部である。 使用 量がこの範囲内であれば離型性に優れ、 また離型剤による金型汚染や、 成形品の 色相悪化等の悪影響も生じないため好ましい。
'
上記酸化防止剤は、 本発明の光学素子の酸化防止のために添加することができ る。 酸化防止剤の例としては、 例えばヒンダードフエノール系酸化防止剤、 ラク トン系安定剤等を挙げることができる。
上記ヒンダードフエノ一ル系酸化防止剤としては、 例えばトリエチレングリコ —ルービス (3— (3— t e r t—ブチルー 5—メチルー 4—ヒドロキシフエ二 ル) プロピオネー卜)、 1, 6—へキサンジォ一ルービス (3— (3, 5—ジ一 t e r t—ブチルー 4—ヒドロキシフエニル) プロピオネート、 ペン夕エリスリ トール一テトラキス (3— (3, 5—ジー t e r t—ブチルー 4—ヒドロキシフ ェニル) プロピオネート)、 ォク夕デシルー 3— (3, 5—ジ— t e r t—プチ ルー 4—ヒドロキシフエニル) プロピオネート、 1, 3, 5—トリメチル—2, 4, 6—卜リス (3, 5—ジー t e r t—ブチル—4ーヒドロキシベンジル) ベ ンゼン、 N, N—へキサメチレンビス (3, 5—ジー t e r t—ブチル一 4ーヒ ドロキシヒドロシンナマイド)、 3, 5—ジー t e r t—ブチルー 4—ヒドロキ シベンジルホスホネートジェチルエステル、 トリス (3, 5—ジ— t e r t—ブ チル一 4—ヒドロキシベンジル) イソシァヌレート、 3, 9—ビス { 1, 1ージ メチル— 2— [β- (3 - t e r t一プチルー 4ーヒドロキシ一 5—メチルフエ ニル) プロピオニルォキシ] ェチル } 一 2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ (5, 5) ゥンデカン等が挙げられる。 これらヒンダードフエノール系酸化防止
剤の好ましい使用量は、 上記式 ) で表される構造単位を有する重合体 100 重量部に対して、 好ましくは 0. 3重量部以下であり、 より好ましくは 0. 00 01〜0. 3重量部であり、 更に好ましくは 0. 001〜0. 1重量部である。 上記ラクトン系安定剤としては、 例えば 3—ヒドロキシー 5, 7—ジー t e r t一ブチル—フラン一 2—オンと o—キシレンとの反応生成物等を挙げることが できる。 かかるラクトン系安定剤の詳細は特開平 7— 233160号公報に記載 されている。 ラクトン系安定剤の使用量は、 上記式 (i ) で表される構造単位を 有する重合体 100重量部に対して好ましくは 0. 05重量部以下であり、 より 好ましくは 0. 0005〜0. 05重量部であり、 更に好ましくは 0. 001〜 0. 03重量部である。 (
なお、 ラクトン系安定剤と各種のホスフアイ卜化合物およびヒンダ一ドフエノ ール化合物を混合した安定剤が市販されており、 その好適な例として例えば C I BA SPEC IALTY CHEMI CALS社製の I r ganox HP - 2921を挙げることができる。 上記紫外線吸収剤は、 本発明の光学素子の耐候性を向上し、 有害な紫外線を力 ッ卜する目的で添加することができる。
かかる紫外線吸収剤としては、 2, 2'—ジヒドロキシー 4ーメトキシベンゾ フエノンに代表されるべンゾフエノン系紫外線吸収剤、 2_ (4, 6—ジフエ二 ルー 1, 3, 5—卜リアジン一 2—ィル) — 5—へキシルォキシフエノールに代 表される卜リアジン系紫外線吸収剤、 2— ( 2 H—べンゾトリァゾールー 2—ィ ル) 一 4—メチルフエノール、 2— ( 2 H—べンゾトリァゾ一ルー 2—ィル) 一 4一 t e r t—才クチルフエノール、 2— ( 2 H—べンゾトリアゾ一ル— 2—ィ ル) 一 4, 6—ビス (1一メチル一 1一フエニルェチル) フエノール、 2— (2 H—べンゾトリアゾ一ル—2—ィル) —4, 6—ジ一 t e r t—ペンチルフエノ —ル、 2— (5—クロ口—2H—べンゾトリァゾ一ルー 2—ィル) 一 4一メチル - 6 - t e r t一ブチルフエノール、 2— ( 5—クロ口 _ 2 H—べンゾトリァゾ 一ルー 2—ィル) 一 2, 4一 t e r t—ブチルフエノール、 2, 2 '—メチレン
ビス [6— ( 2 H—べンゾトリァゾ一ルー 2—ィル) 一 4— (1, 1, 3, 3— テトラメチルブチル) フエノール] 等に代表されるべンゾ卜リアゾ一ル系紫外線 吸収剤、 2, 2'— p—フエ二レンビス (3, 1—ベンゾォキサジン一 4一才 ン) に代表される環状ィミノエステル系紫外線吸収剤、 1, 3—ビス [(2—シ ァノ一 3, 3—ジフエ二ルァクリロイル) ォキシ] —2, 2—ビス [[(2—シァ ノー 3, 3—ジフエ二ルァクリロイル) ォキシ] メチル] プロパンに代表される シァノアクリレー卜系紫外線吸収剤等を挙げることができ、 更にビス (2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル) セバゲート、 ビス (1, 2, 2, 6, 6—ペン夕メチルー 4ーピペリジル) セバケ一卜等に代表されるヒンダードアミ ン系光安定剤も紫外線吸収剤として使用することが可能である。 これらの紫外線 吸収剤または光安定剤は、 単独で用いても二種類以上を併用してもよい。
かかる紫外線吸収剤または光安定剤の配合量は、 上記式 ( i ) で表される構造 単位を有する重合体 100重量部に対して好ましくは 5重量部以下であり、 より 好ましくは 0. 01〜5重量部であり、 更に好ましくは 0. 05〜1重量部であ る。 紫外線吸収剤または光安定剤を上記の範囲で使用することにより、 光学素子 に必要とされる良好な色相ならびに良好な紫外線吸収および遮蔽性能が達成され る。 上記ブルーイング剤は、 重合体や添加剤成分、 特に紫外線吸収剤に起因する光 学素子の黄色味を打ち消すために添加することができる。 ブルーイング剤として はポリカーボネー卜樹脂に通常使用されるものであれば特に支障なく使用するこ とができる。 一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。 その 含有量は、 重合体および全添加剤の合計に対して好ましくは 3 p p m以下であり、 より好ましくは 0. 1〜3 p pmであり、 更に好ましくは 0. 3〜1. 5 ppm であり、 特に好ましくは 0. 3〜; L. 2 p pmである。
上記蛍光性色素は、 可視光以外の波長の光を可視光として利用し、 本発明の色 収差補正素子の透過光を制御するために添加することができる。 かかる蛍光性色 素としては、 例えばスチルベン化合物、 ベンズイミダゾール化合物、 ナフ夕ルイ
ミド化合物、 ローダミン化合物、 クマリン化合物、 ォキサジン化合物等が挙げら れる。
上記その他の色素は、 本発明の光学素子を着色し、 透過光を制御するために添 加することができる。 本発明の光学素子は、 上記式 U ) で表される構造単位を有する重合体からな り、 必要に応じて上記の如き任意的添加剤を含有する。 本発明の光学素子は、 上 記式 U ) で表される構造単位を有する重合体または該重合体と添加剤との混合 物から、 好ましくは溶融成形法により製造することができる。 溶融成形法による場合には、 好ましくは熱安定剤および離型剤を添加した重合 体を、 溶融混練機に供給して溶融混練し、 得られたストランドをペレット化した うえで溶融成形を行うことが好ましい。 ペレツ卜の形状は、 円柱状、 楕円柱状、 角柱状、 球状等の適宜の形状を取り得るが、 好ましくは円柱状または楕円柱状で ある。 円柱の直径または楕円柱の長径は好ましくは l〜5 mmであり、 より好ま しくは 1 . 4〜4 mmであり、 更に 2〜3 . 3 mmであることが好ましい。 ペレ ッ卜が楕円柱状である場合、 長径に対する短径の割合は、 好ましくは 6 0 %以上 であり、 より好ましくは 6 5 %以上である。 円柱または楕円柱の長さは好ましく は l〜3 0 mmであり、 より好ましくは 2〜 5 mmであり、 更に好ましくは 2 . 5〜3 . 5 mmである。 ペレットは、 カット屑の割合が低減されたものであるこ とが好ましい。 カット屑の割合としては、 目開き l mmの標準ふるい (1 6メッ シュ) を通過するカツ卜屑の含有量として、 好ましくは 2 0 0 p p m以下であり、 より好ましくは 1 0 0 p p m以下であり、 更に好ましくは 8 0 p p m以下である。 添加剤は、 光学素子の製造に使用するペレツ卜の全部に均等に添加してもよぐ あるいは全部または一部の添加剤を高濃度で含有するマスターペレツ卜を作った うえで光学素子の製造に際して添加剤を含有しない重合体のペレツ卜とブレンド して用いてもよい。 添加剤は、 ペレット化に先立って予め重合体と予備混合して もよく、 重合体と添加剤とを各別に溶融混練機に添加してもよい。 重合体と添加
剤とを予備混合する場合には、 V型プレンダー、 ヘンシェルミキサー、 メカノケ ミカル装置、 押出混合機等を利用することができ、 予備混合物は押出造粒機ゃブ リゲッティングマシーン等により造粒したのちに使用してもよい。 重合体と添加 剤とを各別に溶融混練機に添加する際、 添加剤に液状のものがある場合には、 溶 融押出機へのこれら添加剤の供給にあたっていわゆる液注装置ないし液添装置を 使用することができる。
溶融混練機としては、 押出機が好適である。 押出機としては、 原料中の水分や 溶融混練樹脂から発生する揮発成分を脱気できるベントを有する押出機が好まし く使用でき、 ベン卜には水分や揮発成分を押出機外へ効率よく排出するための真 空ポンプが設置されていることが好ましい。 水分および揮発成分の排出を促進す るため、 押出機の途中で水、 希ガス、 窒素ガス、 炭酸ガス等を注入し、 溶融樹脂 と混合した後に脱気する方法も利用できる。 ここで注入されるガスは、 超臨界状 態であってもよい。 溶融混練に際して、 溶融樹脂は、 焼結金属フィルターを通す 等して異物を除去することが好ましい。 フィル夕一は、 濾過精度 1 0 m以下の ものが好ましく使用される。 溶融混練の際の温度は、 使用する重合体のガラス転 移温度を T g C) としたとき、 好ましくは T g + 5 0で〜 T g + 2 5 0でであ り、 より好ましぐは T g + 8 0で〜 T g + 2 0 0での範囲である。
得られたストランドをペレット化するにあたっては、 ペレタイザ一等の機器を 使用することができる。
上記の如き好ましいカット屑の割合を実現するためには、 得られたペレットを 分級する方法によってもよいが、 ペレタイズ時にストランドの温度を制御する方 法によることが好ましい。 すなわち、 深さ/径の比が 1 . 5程度であり容積が 1 リットル以上のステンレス製の容器を準備し、 ペレタイザ一から排出されるペレ ットを該容器に約 2分間で一杯となるように受け、 その直後に容器の中心部に熱 電対を挿入して測定したペレット温度が、 使用した重合体のガラス転移温度を T g (で) としたときに、 T g— 3 0 X:〜 T g— 1 5で、 好ましくは T g— 2 7 〜T g — 1 8 :となるように、 ストランドの温度を制御することが好ましい。 こ の温度が T g— 1 5でを上回る場合にはペレツト同士の癒着が生じる場合があり、
3フ
一方 T g— 3 0 ^を下回る場合にはカツ卜屑の割合が増加し易くなる場合がある。 重合体または重合体に上記の任意的添加剤を添加した組成物のペレツ卜化にあ たっては、 異物や不純物を可及的に低減するために、 溶融混練機やペレタイザ一 等の製造装置は清浄な空気の雰囲気下に設置することが好ましく、 冷却バス用の 冷却水を異物量の少ないものにすることが好ましく、 更に原料供給ホッパー、 原 料供給流路、 ペレツ卜貯蔵タンク等を清浄な空気で充たすことが好ましい。 例え ば特開平 1 1— 2 1 3 5 7号公報に提案されている方法も好ましく採用すること ができる。 また、 製造装置内に窒素ガス等の不活性ガスを流し込み、 酸素を遮断 する方法も、 得られる光学素子の色相を改善する手段として好適に利用できる。 上記の如くして得られたペレットは、 密閉容器中に保管され、 溶融成形に供さ れることが好ましい。
得られたペレットは、 次いで溶融成形法により賦形されて本発明の光学素子と される。 溶融成形法としては、 例えば射出成形法、 押出成形法等を挙げることが できる。
上記射出成形法は、 流動射出成形 (F 1 o w- M o u 1 d i n g ) と呼ばれる 充填方法を含む概念であり、 通常の成形方法のほか、 目的に応じて射出圧縮成形、 射出プレス成形、 ガスアシス卜射出成形、 発泡成形 (超臨界流体の注入によるも のを含む)、 インサート成形、 インモールドコーティング成形、 断熱金型成形、 急速加熱冷却金型成形、 二色成形、 サンドイッチ成形、 超高速射出成形等の技術 を適宜に用いてもよい。 また、 素成形品を製造した後、 再度加圧成形して微細凹 凸を形成する方法や、 成形後キヤビティを形成する入れ子を取り出し、 該入れ子 内でァニール処理を行い成形品を取り出す方法等も利用することができる。 射出 成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれを採用してもよ レ 上記射出成形において、 上記式 ( Π で表される構造単位を有する重合体の ガラス転移温度を T g ( ) としたとき、 シリンダー温度として好ましくは T g
+ 8 O :〜 T g + 2 5 0 ° より好ましくは T g + 1 0 0 t:〜T g + 2 2 0での 範囲であり、 金型温度として好ましくは T g— 1 0 0 :〜 T g— 5で、 より好ま しくは T g— 6 O :〜T g _ 1 5 X:の範囲である。
上記押出成形法としては従来より公知の方法が利用できる。 成形品表面に凹凸 形状を付与する場合には、 ダイス形状により付与する方法、 冷却ロールにより付 与する方法、 得られた押出成形品に加圧成形する方法等を採用することができる。 本発明の光学素子は、 必要に応じてその表面にハードコート、 反射防止コート、 防曇コ一卜等の適宜の表面処理を施した後に使用してもよい。 かくして得られる本発明の光学素子は、 第一面およびこれの裏面である第二面 ならびにこれらの面の最大径に比べて十分小さい厚みを有する成形体である。 第 一面および第二面の形状としては例えば円形、 3〜 2 0の頂点を有する多角形等 を挙げることができる。 上記面の最大径とは、 面の形状が円形である場合にはそ の直径をいい、 面の形状が多角形である場合にはその対角線のうちの最大のもの をいう。 本発明の光学素子の厚みは、 面の最大径に対して好ましくは 0 . 0 0 1 〜0 . 2であり、 より好ましくは 0 . 0 1〜0 . 1である。
本発明の光学素子の有する第一面および第二面のうちの少なくとも 1つは非平 面であり、 例えば一定の曲率半径を有する単一の曲面 (球面の一部) もしくは複 数の曲面の組み合わせまたは規則的な凹凸もしくは階段形状を有する面であるこ とができる。
上記面の最大径は、 用途に応じて適宜に設定されるが、 例えば 0 . 1〜 1, 0 0 0 mmとすることができ、 更に 1〜 1 0 0 mmとすることができる。 本発明の光学素子は、 複数の光学素子 (レンズ) からなる色収差補正レンズ系 または色収差補正レンズにおける色収差の補正に用いられる。 本発明の光学素子 と組み合わせて用いられる他の光学素子のうちの少なくとも 1つは、 アッベ数レ Dが 5 0〜6 0であり、 屈折率 n Dが 1 . 4 8〜 1 . 5 5である材料からなるも のが好ましい。 このような光学素子としては、 例えばガラス、 熱硬化性樹脂、 熱 可塑性樹脂および紫外線硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも 1種の 材料からなる光学素子を挙げることができる。 上記熱硬化性樹脂としては、 例え
ばエポキシァクリレート等を;上記熱可塑性樹脂としては、 例えばポリメチルメ 夕クリレー卜樹脂、 ポリ環状ォレフィン等を、 それぞれ挙げることができる。 ポ リ環状ォレフインの市販品としては、 例えばゼォネックス (Z E ON E X , 日本 ゼオン (株) 製)、 ァ一トン (A R T〇N、 J S R (株) 製)、 アベル (A P E L、 三井化学 (株) 製) 等を好適な例として挙げることができる。 これらのうち、 本 発明の光学素子と組み合わせて用いられる他の光学素子の材料としては、 熱可塑 性樹脂が好ましく、 特にポリメチルメタクリレート樹脂が好ましい。
色収差補正レンズ系または色収差捕正レンズは、 本発明の光学素子および上記 の如き他の光学素子からなる。 ここで他の光学素子は、 例えば凸レンズ、 フレネ ルレンズ、 回折格子等であることができる。 凸レンズとしては、 球面レンズでも 非球面レンズでもよく、 両凸レンズでも片凸レンズでもよい。 上記の如き他の光 学素子と組み合わせて使用される本発明の光学素子は、 例えば凹レンズ、 フレネ ルレンズ、 回折格子等であることができる。 凹レンズとしては、 球面レンズでも 非球面レンズでもよく、 両凹レンズでも片凹レンズでもよい。
本発明の光学素子が適用される色収差補正レンズ系としては離隔した複数の光 学素子からなる色収差補正レンズ系等を、 色収差補正レンズとしては積層型色収 差補正レンズ等を挙げることができる。
上記離隔した複数の光学素子からなる色収差補正レンズ系としては、 例えば凸 レンズと凹レンズとからなる色収差補正レンズ系を挙げることができる。 このよ うな色収差補正レンズ系の一例を図 2に示した。 図 2の色収差補正レンズ系は、 凸レンズである他の光学素子 1と凹レンズである本発明の光学素子 2からなる。 両レンズは、 好ましくはその中心を同軸として適当な間隔を持って離隔して設置 され、 使用される。 光は凸レンズ側から入射し、 凹レンズの更に右側において結 像することになる。
上記積層型色収差補正レンズとしては、 ァクロマ一トレンズ、 積層型回折レン ズ等を挙げることができる。
ァクロマートレンズは、 クラウンと呼ばれる凸レンズ形状の光学素子とこれと 契合する面を持つフリントと呼ばれる光学素子とを積層してなる色収差補正レン
ズである。 ァクロマー卜レンズの好ましい一例を図 3に示した。 図 3のァクロマ 一トレンズは、 クラウンである他の光学素子 3とフリントである本発明の光学素 子 4とが積層してなるものである。 この場合、 光はクラウン 3側から入射し、 フ リント 4の更に右側において結像することになる。
積層型回折レンズは、 本発明の光学素子と上記の如き材料からなる他の光学素 子とを積層してなるものであり、 その界面が微細な立体形状を形成しているもの をいう。 かかる立体形状としては、 例えば階段形状、 キノフォーム形状、 鋸歯状 のレリーフパターン等を挙げることができる。 本発明の色収差補正レンズ系を積 層型回折レンズとすることにより、 色収差の補正が非常に効率的に行えることと なり、 色収差補正後の焦点距離を従来知られている色収差補正レンズ系に比べて 極めて短くすることが可能となる。 本発明の光学素子を好適に適用することので きる積層回折レンズとしては、 例えば特開 2 0 0 3— 3 1 5 5 2 4号、 特開 2 0 0 4 - 2 1 2 4 9 5号等に記載されている如きものを挙げることができる。 好ましい積層回折レンズの一例を図 4に示した。 図 4の積層回折レンズは、 本 発明の光学素子 5および他の光学素子 6を積層してなり、 その界面は階段形状を なしている。 図 4の積層回折レンズの界面の階段形状は、 レンズの中心から周辺 まで 5段程度の階段をなしているがこれは概略図であり、 実際の積層回折レンズ においては階段の周期は 1〜 3 0 0 m程度であることが好ましく、 階段の段数 は上記の周期とレンズの直径とから算出される段数であると理解されるべきであ る。
本発明の光学素子を適用した上記の如き色収差補正レンズ系または色収差補正 レンズは、 重量が軽量であり、 且つ焦点距離が短縮されたものであり、 特にアナ ログまたはデジタルのカメラやビデオ力メラ等の望遠レンズ系ゃ超望遠レンズ系 に組み込んで好適に使用することができる。 実施例
以下の各実施例および比較例において、 重合体の原料として使用したジヒド口 キシ化合物のハーゼン単位色数は、 各ジヒドロキシ化合物の濃度 2 0重量%の溶
液を試料とし、 J I S K 0071— 1に準拠して温度 25でに於ける比色法に より測定した。 溶液の調製に用いた溶媒としては、 ジヒドロキシ化合物が 1, 1 一ビス (4ーヒドロキシフエニル) シクロへキサンである場合にはアセトンを使 用し、 それ以外の場合にはメタノールを使用した。
各実施例および比較例で合成した重合体の比粘度は、 重合体の塩化メチレン溶 液 (濃度 0. 7 g/10 OmL) を資料として 2 Ot:にて測定した。
また、 下記において 「Tg」 とは、 使用した重合体のガラス転移温度 (で) で ある。 [離型剤の調製例]
調製例 1
和光純薬 (株) 製、 試薬特級のグリセリンおよびステアリン酸を、 水酸化ナト リウムを触媒として用いて常法により反応させてグリセリンモノステアレートを 得た。 ここで調製したグリセリンモノステアレートのナトリウム含有量は 9. 8 p pmであった。 調製例 2
上記調製例 1で調製したグリセリンモノステアレートを十分に水洗し、 ナトリ ゥム含有量が 0. 2 p pmであるグリセリンモノステアレートを調製した。 実施例 1
[重合体の合成]
温度計、 撹拌機および還流冷却器を有する反応器に、 イオン交換水 460. 1 重量部および 48重量%水酸化ナトリウム水溶液 79. 0重量部を入れ、 次いで ハーゼン単位色数が 30の 2, 2—ビス (4—ヒドロキシフエニル) — 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン 82. 1重量部 (全ジヒドロキシ化合 物の 76. 5モル%)、 ハーゼン単位色数が 20の 2, 2—ビス (4ーヒドロキ シ— 3—メチルフエニル) プロパン 19. 2重量部 (全ジヒドロキシ化合物の 2
3. 5モル%) およびハイド□サルファイト 0. 20重量部を加えて溶解し、 更 に塩化メチレン 271. 3童量部を加えた後、 撹拌下にて 15〜20ででホスゲ ン 41. 1重量部を 60分かけて吹き込んだ。 ホスゲンの吹き込みを終了した後、 P- t e r t一ブチルフエノール 2. 9重量部および 48重量%水酸化ナトリウ ム水溶液 18. 4重量部を加えて乳化した後、 卜リエチルァミン, 0. 1重量部を 加えて 28〜33X:で 1時間撹拌して反応を終了した。 反応終了後、 生成物を塩 化メチレンで希釈し、 塩化メチレン層をイオン交換水を用いて洗液が中性になる まで洗浄した後、 希塩酸により洗浄し、 更にイオン交換水により水層の導電率が イオン交換水とほぼ同じになるまで洗浄を繰り返した。 塩化メチレン層から溶媒 を除去し、 比粘度が 0. 19の重合体 1 (ポリカーボネ一卜) を得た (収率 9 , 5%)。
[重合体のペレツ卜の作成]
上記 [重合体の合成] で得られた重合体 1を 120でで 5時間熱風乾燥した。 熱風乾燥後の重合体 1の 100重量部に、 安定剤として卜リス (2, 4—ジー t e r t一ブチルフエニル) ホスファイト 0. 01重量部および離型剤として上記 調製例 2で調製したナトリウム金属含有量が 0. 2 ppmであるグリセリンモノ ステアレー卜 0. 05重量部をドライブレンドした。
このブレンド物につき、 ディスクフィル夕一を有するベン卜式二軸押出機 ((株) 日本製鋼所製、 型式 「TEX30ひ一 XSST」、 完全かみ合い、 同方向 回転、 2条ネジスクリユー) を使用して、 吐出量 20kg/h、 スクリュー回転 数 180 r pm、 ベントの真空度 3 kPa、 押出温度は T g + 100で〜 T g + 120でまで段階的に上昇させる温度構成としてストランドを押出した。 押出さ れたストランドは水冷後にペレタイザ一でカットして、 長径 3. 4mm、 短径 2. 3mmおよび長さ 2. 7 mmの楕円柱状のペレットを作成した。 このとき、 ペレ タイザ一から排出されるペレツトを深さ/直径の比が約 1. 5であり容積が 1リ ットルであるステンレス製容器に受け、 約 2分後に容器が一杯になった直後に容 器中央に熱電対を挿入して測定した温度が Tg— 30X:〜 Tg— 2 の範囲と
なるように、 ストランドを水冷する冷却バスの温度および浸漬時間を調節した。 ここで得られたペレツ卜は、 クリーンオーブンを用いて 12 O^Cにて 5時間の 乾燥を行つた後に射出成形に供した。 [光学特性の評価]
上記で得られたペレツトを型締め圧力 147 kNの射出成形機に供給し、 シリ ンダー温度を Tg+ 130で、 金型温度を Tg— 35でとして、 長さ 90mm、 幅 5 Ommおよび厚さ 2 mmの平滑平板状試験片を成形した。
得られた試験片の色相 (b値) を日本電色 (株) 製の色差計 「SE 2000」 を用いて測定したところ、 1. 8であった。
また、 この試験片のアッベ数および屈折率を (株) ァ夕ゴ製のアッベ屈折計を 用い、 ブロモナフ夕レンを接触液として 23でにて測定したところ、 アッベ数レ Dは 32であり、 屈折率 nDは 1. 52であった。 これらの値を用いて上記式 (I ) の左辺 (χΡ=η。+0. 0076 Xレ D) の値を計算したところ、 1. 7 6であり、 上記式 (I) を満足した。 実施例 2〜 25、 比較例 1〜 3
実施例 1の [重合体の合成] において、 ジヒドロキシ化合物としてそれぞれ表 1に記載の化合物を表 1に記載の混合比で使用したほかは実施例 1と同様の操作 を行って重合体 2〜28を合成し、 それぞれで合成した重合体を使用して実施例 1と同様にしてペレットを作成し、 各種評価を行った。
なお実施例 16では、 [重合体のペレットの作成] において、 離型剤として上 記調製例 1で調製したナ卜リゥム含有量が 9. 8 p pmのグリセリンモノステア レートを使用した。
結果は表 1に示した。 比較例 4
撹拌装置、 蒸留器および減圧装置を備えた反応槽に、 ハーゼン単位色数が 20
の 1, 4ーシクロへキサンジメタノール 43. 2重量部 (全ジヒドロキシ化合物 の 50モル%)、 ハーゼン単位色数が 1 0の 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエ ニル) プロパン 68. 4重量部 (全ジヒドロキシ化合物の 50モル%)、 ジフエ 二ルカ一ボネート 1 34. 96重量部、 テ卜ラメチルアンモニゥムヒドロキシド 0. 1 8重量部および水酸化ナトリウム 8 X 10_4重量部を仕込み、 窒素置換 した後 14 O :に加熱して溶融した。 30分間撹拌した後、 内温を 1 80でに昇 温しつつ徐々に減圧して 13. 3 k P aで 30分間反応させ、 生成するフエノー ルを留去した。 次いで、 この圧力を維持しつつ昇温し、 190でで 30分間、 2 00でで 40分間、 22 Ot:で 30分間および 240でで 30分間、 フエノール を留去しつつ反応させた。 その後ゆっくりと減圧して圧力を 133 P a以下とし た。 この圧力を維持して 240^で更に 4時間撹拌を継続することにより重合体 29を得た。
上記で合成した重合体 29を使用して実施例 1と同様にしてペレットを作成し、 各種評価を行った。 結果は表 1に示した。 表 1において、 ジヒドロキシ化合物を表す符合はそれぞれ以下の意味であり、 ジヒドロキシ化合物の各欄の数字の単位はモル%である。 また、 「一」 はその欄 に該当するジヒドロキシ化合物を使用しなかったことを表す。
BP-AF- 1 :ハーゼン単位色数が 30の 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフ ェニル) — 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン [一般式 ( i ) に 相当する構造単位におけるフッ素含有重量比率 FM=0. 3 1]
BP— AF— 2 :ハーゼン単位色数が 1 0の 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフ ェニル) — 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロパン [一般式 ( i ) に 相当する構造単位におけるフッ素含有重量比率 FM=0. 3 1]
BP— C :ハーゼン単位色数が 20の 2, 2—ビス (4—ヒドロキシー 3—メ チルフエニル) プロパン
BP— AP :ハーゼン単位色数が 20の 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) 一 1一フエニルェタン
BP— A :ハーゼン単位色数が 1 0の 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) プロパン
BP— Z :ハーゼン単位色数が 1 0の 1 , 1—ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) シクロへキサン
BP— TMC :ハーゼン単位色数が 1 0の 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエ ニル) 一 3, 3, 5—トリメチルシクロへキサン
BC-S :ハーゼン単位色数が 50のビス (4—ヒドロキシー 3—メチルフエ ニル) スルフィ ド
BC— F :ハーゼン単位色数が 20の 9, 9—ビス (4—ヒドロキシー 3—メ チルフエニル) フルオレン
BP— M:ハーゼン単位色数が 10のひ, ' 一ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) 一 m—ジイソプロピルベンゼン
BC— M:ハーゼン単位色数が 50の α, ひ ' 一ビス (4—ヒドロキシー 3— メチルフエニル) 一 m—ジイソプロピルベンゼン
CHDM:ハーゼン単位色数が 20の 1, 4—シクロへキサンジメタノール
表 1
実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 4 実施例 5 実施例 6 実施例 7 重合体名 重合体 1 重合体 2 重合体 3 重合体 4 重合体 5 重合体 6 重合体 7
BP-AF- 1 76. 5 55 70 76 ― 70 75 ン BP-AF- 2 一 ― - ― 76 - ― ヒ BP— C 23. 5 45 ― ― ― ― ― ド' B P-AP ― ― 30 ― ― ― ―
□ BP— A ― ― ― 24 24 ― ― キ BP-Z ― ― ― ― ― 30 ― ン BP-TMC ― - ― ― ― ― 25 化 BC-S ― ― ― ― 一 ― ― 口 BC-F 一 ― ― ― ― ― - 物 BP— M ― ― ― ― ― - ―
BC-M ― ― ― ― ― ― ―
CHDM ― ― ― ― ― ― ― フッ素含有重量比率 FP 0. 25 0. 19 0. 23 0. 26 0. 26 0. 23 0. 24 比粘度 0. 19 0. 19 0. 21 0. 20 0. 20 0. 25 0. 22 ガラス転移温度 (°C) 148 157 160 154 154 164 167 光 色相 (b値) 1 - 8 1. 8 1. 8 1. 7 1. 6 1. 7 1. 7 学 アッベ数 (レ D) 32 31 30 30 30 32 32 特 屈折率 (nD) 1 - 52 1. 54 1. 53 1. 53 1. 53 1. 53 1. 52 性 X p 1. 76 1. 78 1. 77 1. 78 1. 78 ' 1. 77 1. 76
表 1 (つづき)
表 1 (つづき)
表 1 (つづき)
色収差補正用光学素子としての評価
計算例 1
本発明の光学素子の効果を検証するため、 下記の条件で F線 (波長 486. 1 3 nm) および C線 (波長 656. 27 nm) の焦点距離を計算した。
ポリメチルメ夕クリレー卜樹脂 (レ D=57、 nD= 1. 491、 nF= 1. 4 96、 nc= 1. 488) からなる凸レンズ (口径 6 Omm、 光入射面の曲面の 曲率半径が + 1 2 Omm、 光出射面の曲面の曲率半径が一 8 Ommであり、 レン ズの中心における最大厚みが 2 Omm) および上記実施例 9において作成した重 合体 9からなる凹レンズ (口径 60mm、 光入射面の曲面の曲率半径が一 80 m m、 光出射面の曲面の曲率半径が一 55 Ommであり、 レンズの中心における最 小厚みが 5 mm) を密着して張り合わせた積層型レンズを想定し、 凸レンズ側を 入射側として F線および C線の焦点距離を計算した。 この焦点距離の計算には 「レンズ設計、 光学系性能評価プログラム POPS 0. 0. 7」 (インター ネッ <URL: h Up: //www. vector, co. jp/sof t/win95/edu/sel36306. html〉より 入手可能。 2006年 10月 25日検索。) を用いた。
計算結果を、 凹レンズに用いた重合体の F線および C線の屈折率とともに表 2 に示した。 計算例 2〜7、 比較計算例 1〜3
計算例 1において、 重合体 9の代わりにそれぞれ表 2に記載した重合体からな る凹レンズを用いたものとしたほかは計算例 1と同様にして F線および C線の焦 点距離を計算した。
計算結果を、 凹レンズに用いた重合体の F線および C線の屈折率とともに表 2 に示した。
表 2