JP5688101B2 - 芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂からなる光学レンズ - Google Patents

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Description

本発明は、高いアッベ数を有し、さらに実用十分な耐熱性と、高い成形流動性を併せ持つ芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂からなる光学レンズに関する。
カメラ、フィルム一体型カメラ、ビデオカメラ等の各種カメラの光学系に使用される光学素子の材料として、光学ガラスあるいは光学用透明樹脂が使用されている。光学ガラスは、耐熱性や透明性、寸法安定性、耐薬品性等に優れ、様々な屈折率やアッベ数を有する多種類の材料が存在しているが、材料コストが高い上、成形加工性が悪く、また生産性が低いという問題点を有している。
一方、光学用透明樹脂、中でも熱可塑性透明樹脂からなる光学レンズは、射出成形により大量生産が可能であるという利点を有しており、現在カメラ用レンズ用途等を始め、多くのレンズに使用されている。その中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)より得られるポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性に優れ、また耐衝撃性等の機械特性に優れた性質を有することから多く光学レンズに用いられている。
しかしながら、ビスフェノールAからなるポリカーボネート樹脂は、屈折率は1.585と高いがアッベ数が30と低いため、色収差の問題が出やすく、屈折率とアッベ数のバランスが悪いという欠点を有する。また光学レンズに用いる樹脂には、射出成形の際生じる光学歪みを小さくする為、もしくは、薄物を成形する為、成形流動性も必要となる。
このようなポリカーボネート樹脂の欠点を解決する為に、ビスフェノールと脂肪族ジオールとの共重合ポリカーボネート樹脂がいくつか提案されている。
特許文献1には、シクロヘキサンジメタノールと芳香族ビスフェノールからなるポリカーボネートが検討されているが、シクロヘキサンジメタノールの割合が高い場合は、高いアッベ数とはなるが、耐熱性は低くなる。逆にシクロヘキサンジメタノールの割合が低い場合は、耐熱性は高くなるが、逆にアッベ数は低くなる。また、芳香族ビスフェノールにおいても、ビスフェノールAや1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンでは、高いアッベ数が得られるが、耐熱性が劣る傾向があり、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンでは、耐熱性が付与されるが、アッベ数が小さくなる。
また、光学レンズでは、上記の耐熱性やアッベ数の特性以外にも光学レンズに成形する際の成形性も求められる。
上記の理由により、高いアッベ数、耐熱性、成形性の特性を欠くことがない樹脂からなる光学レンズを提供するには、未だ改善の余地がある。
特開2003−90901号公報
本発明の目的は、高いアッベ数を有し、さらに実用十分な耐熱性と高い成形流動性を併せ持つ芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂からなる光学レンズを提供することにある。
本発明者は、特定の分子構造を有する芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂を用いると、アッベ数および耐熱性に優れた光学レンズが得られることを見出した。また該ポリカーボネート樹脂は成形流動性に優れ微細な光学レンズを精密に成形できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の目的は、以下の発明により達成される。
1. 下記式(I)
Figure 0005688101
で表される構成単位(I)および下記式(II)
Figure 0005688101
で表される構成単位(II)を含み、構成単位(II)の割合が構成単位(I)および(II)の合計に対して55〜35モル%であるポリカーボネート樹脂からなり、
該ポリカーボネート樹脂0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.298であ
該ポリカーボネート樹脂中の下記式(III)で表される化合物の含有量が50〜300ppm/gである、
Figure 0005688101
ことを特徴とするポリカーボネート樹脂からなる光学レンズ。
. ポリカーボネート樹脂のガラス転移点が115〜160℃であり、かつアッベ数が43〜35である前項1記載の光学レンズ。
. ポリカーボネート樹脂の光弾性係数が50×10−12Pa−1〜30×10−12Pa−1である前項1記載の光学レンズ。
. ポリカーボネート樹脂の屈折率が1.53〜1.55である前項1記載の光学レンズ。
. 回折レンズである前項1記載の光学レンズ。
. 回折レンズは、厚さ0.05〜3.0mm、輪状回折格子深さ5〜20μm、レンズ部有効半径1.0〜20.0mm、輪帯数5〜30本、最小輪帯ピッチ5〜20μm、凹面曲率半径0.1〜10.0mm、直径1.0〜30.0mmの非球面回折レンズである前項記載の光学レンズ。
本発明の光学レンズは、高いアッベ数を有し、さらに実用十分な耐熱性と、高い成形流動性を併せ持つ。本発明の光学レンズは、高価なガラスレンズの分野に好適に利用できる。
実施例2のプロトンNMRチャートである(ポリカーボネート樹脂中のシクロヘキサンジメタノール(以降、“CHDM”と省略することがある。CHDMは下記式(IV)で表される、化合物である。)成分と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以降、“Bis−TMC”と省略することがある。Bis−TMCは上記式(III)で表される化合物である。)成分の比がモル比で50:50)。 実施例2のプロトンNMRチャート(図1)の拡大図である。
Figure 0005688101
ポリカーボネート樹脂は、1,4−シクロへキサンジメタノール残基である構成単位(I)と、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン残基である構成単位(II)を含む。
構成単位(II)の割合は、構成単位(I)および(II)の合計に対して55〜35モル%である。構成単位(II)の割合が35モル%より低い場合、側鎖である3,3,5−トリメチルシクロヘキサンによる分子鎖の絡み合い効果が減少し、樹脂の耐熱性が低下する。それにより耐熱性を満足する成形物が得られない場合がある。構成単位(II)の割合が55モル%より高い場合、芳香環を有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの芳香環上Π電子の影響で樹脂中の分極率が大きくなる。それに伴いアッベ数が低下する。構成単位(II)の割合は、構成単位(I)および(II)の合計に対して好ましくは50〜40モル%である。
ポリカーボネート樹脂は、実質的に構成単位(I)と(II)からなる。本発明の目的を損なわない範囲で、(I)および(II)以外の公知の共重合成分を含んでも良い。そのような観点から、ポリカーボネート樹脂全体の構成単位の90モル%以上が構成単位(I)および(II)であることが好ましく、さらに95モル%以上が構成単位(I)および(II)であることがより好ましい。
ポリカーボネート樹脂は、その0.70gを100ccの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.298の範囲である。比粘度は、好ましくは0.15〜0.295、より好ましくは0.20〜0.29の範囲である。比粘度が0.12未満では成形品が脆くなり、0.298より高くなると溶融粘度および溶液粘度が高くなり、取扱いが困難になる。
ポリカーボネート樹脂は、下記式(III)で表される1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの含有量が、50〜300ppm/gである。好ましくは70〜250ppm/g、さらに好ましくは100〜200ppm/gである。
Figure 0005688101
式(III)で表される化合物の含有量は、高真空化つまり1Torr以下での反応時間により調整できる。1Torr以下の真空度での反応を行わない場合は、式(III)で表される化合物の含有量が多くなる。また、反応時間が長すぎると、樹脂中より留去しすぎてしまう。
さらに詳しくは、式(III)で表される化合物の含有量を該範囲内にするためには、重合反応の最後の条件である240℃以上、1Torr以下の条件下での反応時間を0分間以上、1時間以下にする必要がある。
式(III)で表される化合物の含有量は、上記範囲にあると、ポリカーボネート樹脂のアッベ数および耐熱性を損なうことなく、成形流動性を向上させる事ができる。しかし、300ppmを超えると射出成形時に金型汚染がひどくなり好ましくなく、50ppm未満では、成形流動性に劣り好ましくない。
ポリカーボネート樹脂の、昇温速度20℃/minにて測定したガラス転移温度(Tg)は、好ましくは115〜160℃、さらに好ましくは120℃〜155℃である。Tgが115℃未満では、該共重合体を用いて形成した光学レンズの耐熱性が十分でなく、一方Tgが160℃を超える場合は溶融粘度が高くなり、成形体を形成する上での取扱いが困難となるので好ましくない。
ポリカーボネート樹脂の25℃におけるアッベ数は、好ましくは43〜35、より好ましくは43〜38の範囲にある。35より小さくなると色収差が大きくなり、光学レンズに好ましくない。
ポリカーボネート樹脂の25℃、波長589nmにおける屈折率は、好ましくは1.53〜1.55、より好ましくは1.540〜1.545の範囲にある。1.53より小さくなるとレンズに厚みが必要となり好ましくない。
ポリカーボネート樹脂の光弾性係数は、好ましくは50×10−12Pa−1〜30×10−12Pa−1、より好ましくは45×10−12Pa−1〜30×10−12Pa−1である。光弾性が、50×10−12Pa−1より大きくなると、成形物に複屈折が生じ好ましくない。
(ポリカーボネート樹脂の製造)
ポリカーボネート樹脂を製造する方法としては、通常のポリカーボネート樹脂の製造に用いる方法が任意に採用される。例えばジオールとホスゲンとの反応、またはジオールとカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用される。
ジオールとホスゲンとの反応では、非水系で酸結合剤および溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えばピリジン、ジメチルアミノピリジン、第三級アミン等が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。分子量調節剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間が好ましい。
エステル交換反応では、不活性ガス存在下にジオールを攪拌し、減圧下、通常120〜350℃、好ましくは150〜300℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成したアルコール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。また、エステル交換反応では反応促進のために重合触媒を用いることができる。このような重合触媒としてはアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物または重金属化合物を主成分として用い、必要に応じて含窒素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
アルカリ金属化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属化合物としては水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられ、中でも水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
含窒素塩基性化合物としてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。中でもがテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
その他のエステル交換触媒としては亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、オスミウム、アルミニウムの塩が挙げられる。例えば、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)チタンテトラブトキシド(IV)等が用いられる。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよく、これらの重合触媒の使用量はジオールの合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用いられる。これらは単独で用いても、二種以上併用してもよい。また、エステル交換反応ではヒドロキシ末端基を減少するために重縮合反応の後期または終了後に電子吸引性の置換基を持ったジアリールカーボネートを加えも良い。更に、色相改善のために酸化防止剤や熱安定剤等を加えてもよい。
ポリカーボネート樹脂は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させてもよい。アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物については、一般的に、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。
これらの物質としては、具体的には、安息香酸ブチル等のエステル類、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn−プロピル、亜リン酸ジn−ブチル、亜リン酸ジn−ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。中でもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が好ましい。これらの失活剤は、触媒量に対して0.01〜50倍モル、好ましくは0.3〜20倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分となり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成形体が着色しやすくなるため好ましくない。
(光学レンズ)
本発明の光学レンズは、例えば射出成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法、キャスティング法など任意の方法により成形される。
射出成形で製造する場合、シリンダー温度230〜300℃、金型温度90〜150℃の条件にて成形することが好ましい。さらに好ましくは、シリンダー温度240〜280℃、金型温度100〜140℃の条件にて成形することが好ましい。シリンダー温度が300℃を超えると、樹脂が分解着色し、230℃未満では、溶融粘度が高く成形できない。また金型温度が150℃を超えると、樹脂が硬化せず金型から成形片を取り出せない。更には、90℃未満では、成形時に金型内で樹脂が早く固まり成形片を得ることができない、もしくは、金型賦型を転写できない。
本発明の光学レンズは、非球面レンズであることが好ましい。非球面レンズは、1枚のレンズで球面収差を実質的にゼロとすることが可能であるため、複数の球面レンズの組み合わせで球面収差を取り除く必要がなく、軽量化および生産コストの低減化が可能になる。従って、非球面レンズは、光学レンズの中でも特にカメラレンズとして有用である。
また本発明においてポリカーボネート樹脂は、成形流動性が高いため、薄肉小型で複雑な形状である光学レンズの材料として特に有用である。具体的なレンズサイズとして、中心部の厚みが0.05〜3.0mm、より好ましくは0.05〜2.0mm、さらに好ましくは0.1〜2.0mmである。また、直径が1.0mm〜30.0mm、より好ましくは1.0〜20.0mm、さらに好ましくは3.0〜10.0mmである。また、その形状として片面が凸、片面が凹であるメニスカスレンズであることが好ましい。
さらに、本発明の非球面レンズには、メニスカスレンズ以外に、回折レンズ、フレネルレンズ、fθレンズ、シリンダーレンズ、コリメータレンズ等が含まれる。中でも、該ポリカーボネート樹脂の成形性が良好であるため、転写性が必要な回折レンズに適している。
本発明の回折レンズは、金型成形、切削、研磨、レーザー加工、放電加工、エッジングなど任意の方法により成形される。さらには、金型成形がより好ましい。
本発明の回折レンズは、レンズ基材表面には鋸歯状の回折格子が同心円形状に形成される。また、回折格子を覆うように保護膜として光学調整層を形成してもよい。この光学調整層の、レンズ基材に接した面と反対面の形状は、回折格子の溝を通る包絡面とほぼ同じ形状となるように、形成される。
本発明の回折レンズは、回折格子の溝を通る包絡面とほぼ同じ形状となるように光学調整層を形成することにより、集光性が向上しMTF特性が向上する。
なお、回折格子の溝を通る包絡面は、球面形状、非球面形状、シリンドリカル形状等の形状をとることができる。特に包絡面が非球面形状に設計されている構成においては、球面形状の場合に補正できなかったレンズ収差を補正することが可能になるので好ましい。なお、前記「非球面形状」の面とは、下記式を満足する曲面である。
Figure 0005688101
上記式は、X−Y平面に垂直なZ軸の周りに回転させた場合の非球面を表す式であって、cは中心曲率、A,B,C,Dは2次曲面からのずれを表す係数である。また、Kの値によって、以下のような非球面となる。
0>Kの場合、短径を光軸とする楕円面
−1<K<0の場合、長軸を光軸とする楕円面
K=−1の場合、放物面
K<−1の場合、双曲面
本発明の回折レンズは、回折格子ならびに光学調整層は、レンズのいずれか片面に形成されていても、両面に形成されていてもよい。両面に形成される場合においては、両面の回折格子は必ずしも同じ深さ、形状である必要はない。また、回折格子内の輪帯ピッチは同じである必要はない。また、レンズの形状については、少なくとも片面が回折格子形状ならびに光学調整層を形成した凸面であればよく、平面と凸面以外に、凹面と凸面、両凸面等でもよい。また、金型加工の容易さと、レンズ性能面での回折格子形状の寄与、および周辺温度に対する安定性を確保するには回折格子の深さを20μm以下にすることが望ましい。数十μmを越える深さの回折格子形状に対しては加工精度の高い金型加工が困難である。なぜなら、一般に金型加工はバイトを用いて行うが、回折格子の深さが深いと加工量が増え、バイト先端が磨耗するため、加工精度が劣化する。同時に回折格子の深さが深くなると回折格子のピッチを狭くすることができない。回折格子が深くなると先端の曲率半径の大きなバイトで金型を加工する必要があり、その結果、ある程度回折格子のピッチを広げないと回折格子の加工ができないためである。これにより回折格子の深さが深いほど回折格子形状の設計自由度がなくなり、回折格子による収差低減効果がほとんどなくなっていく。
非球面回折レンズは、厚さ0.05〜3.0mm、輪状回折格子深さ5〜20μm、レンズ部有効半径1.0〜20.0mm、輪帯数5〜25本、最小輪帯ピッチ5.0〜20.0μm、凹面曲率半径0.1〜10.0mm、直径1.0〜30.0mmの非球面回折レンズであることが好ましい。
非球面回折レンズの厚さは、0.1〜2.0mmであることがより好ましい。
輪状回折格子深さ10〜20μmであることがより好ましい。レンズ部有効半径2〜15.0mmであることがより好ましい。輪帯数10〜20本であることがより好ましい。最小輪帯ピッチ8.0〜15.0μmであることがより好ましい。
凹面曲率半径0.1〜5.0mmであることがより好ましい。直径2.0〜20.0mmであることがより好ましい。
本発明の回折レンズの光学調整層には、レンズよりも屈折率の波長分散性が低い、すなわちレンズよりも大きいアッベ数を有する樹脂が好ましい。更には、光学調整層の製造の容易さから、取り扱い性がよく、形成後に安定していることが好ましい。更には、光学的な選択の幅や、製造の容易さの観点から、レンズの回折格子上に形成した後に樹脂を硬化して安定した光学調整層を得ることができる樹脂を用いるのが好ましい。更には、光学調整層の形成時にレンズへの影響を少なくするために、低エネルギーで製造できる上、製造時間が短い紫外線硬化性樹脂等の光硬化性樹脂を用いることが好ましい。そのような観点から光学調整層には、紫外線硬化性のアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が好ましい。
本発明の光学レンズには、本発明の目的を損なわない範囲で各種特性を付与する為に、各種添加剤を使用することができる。添加剤としては離型剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、帯電防止剤、難燃剤、熱線遮蔽剤、蛍光染料(蛍光増白剤含む)、顔料、光拡散剤、強化充填剤、他の樹脂やエラストマー等を配合することができる。
離型剤としては、その90重量%以上がアルコールと脂肪酸のエステルからなるものが好ましい。アルコールと脂肪酸のエステルとしては、具体的には一価アルコールと脂肪酸のエステルおよび/または多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルが挙げられる。前記一価アルコールと脂肪酸のエステルとは、炭素原子数1〜20の一価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸とのエステルが好ましい。また、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルとは、炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが好ましい。
具体的に一価アルコールと飽和脂肪酸とエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等があげられ、ステアリルステアレートが好ましい。
具体的に多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等のジペンタエリスルトールの全エステルまたは部分エステル等が挙げられる。これらのエステルのなかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸トリグリセリドとステアリルステアレートの混合物が好ましく用いられる。
離型剤中の前記エステルの量は、離型剤を100重量%とした時、90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましい。
ポリカーボネート樹脂粉粒体中の離型剤の含有量としては、ポリカーボネート樹脂粉粒体100重量部に対して0.005〜2.0重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.6重量部の範囲がより好ましく、0.02〜0.5重量部の範囲がさらに好ましい。
熱安定剤としては、リン系熱安定剤、硫黄系熱安定剤およびヒンダードフェノール系熱安定剤が挙げられる。
リン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、および(6−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ)−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ(d,f)(1,3,2)−ジオキサホスフィピン等が挙げられる。
なかでも、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、(6−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ)−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ(d,f)(1,3,2)−ジオキサホスフィピンが使用される
特に好ましくはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、(6−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ)−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ(d,f)(1,3,2)−ジオキサホスフィピンが使用される。該リン系化合物は住友化学工業(株)スミライザーP−16からスミライザーGP(商品名)等として市販されており、容易に利用できる。
ポリカーボネート樹脂粉粒体中のリン系熱安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂粉粒体100重量部に対して0.001〜0.2重量部であることが好ましい。
硫黄系熱安定剤としては、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3、3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3、3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3、3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。なかでもペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ジラウリル−3、3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3、3’−チオジプロピオネートが好ましい。特に好ましくはペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)である。該チオエーテル系化合物は住友化学工業(株)からスミライザーTP−D(商品名)およびスミライザーTPM(商品名)等として市販されており、容易に利用できる。
ポリカーボネート樹脂粉粒体中の硫黄系熱安定剤の含有量としては、ポリカーボネート樹脂粉粒体100重量部に対して0.001〜0.2重量部が好ましい。
ヒンダードフェノール系熱安定剤としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートおよび3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどが挙げられる。オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが特に好ましく用いられる。
ポリカーボネート樹脂粉粒体中のヒンダードフェノール系熱安定剤の含有量としては、ポリカーボネート樹脂粉粒体100重量部に対して0.001〜0.3重量部が好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、環状イミノエステル系紫外線吸収剤およびシアノアクリレート系からなる群より選ばれた少なくとも1種の紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルが挙げられる。これらを単独あるいは2種以上の混合物で用いることができる。好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルが挙げられる。より好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンソフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ビス(2.4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(オクチル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。
環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては、2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(1,5−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−メチル−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−ニトロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2−クロロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが例示される。なかでも2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好適であり、特に2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好適である。かかる化合物は竹本油脂(株)からCEi−P(商品名)として市販されており、容易に利用できる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル)プロパン、および1,3−ビス−[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]ベンゼンなどが例示される。
紫外線吸収剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂粉粒体100重量部に対して好ましくは0.01〜3.0重量部であり、より好ましくは0.02〜1.0重量部であり、さらに好ましくは0.05〜0.8重量部である。かかる配合量の範囲であれば、用途に応じ、ポリカーボネート樹脂成形品に十分な耐候性を付与することが可能である。
ブルーイング剤としては、バイエル社のマクロレックスバイオレットBおよびマクロレックスブルーRR並びにクラリアント社のポリシンスレンブル−RLS等が挙げられる。ブルーイング剤は、ポリカーボネート樹脂粉粒体の黄色味を消すために有効である。特に耐候性を付与したポリカーボネート樹脂粉粒体の場合は、一定量の紫外線吸収剤が配合されているため「紫外線吸収剤の作用や色」によってポリカーボネート樹脂成形品が黄色味を帯びやすい現実があり、特にシートやレンズに自然な透明感を付与するためにはブルーイング剤の配合は非常に有効である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
1.評価用サンプルは以下の方法で調製した。
(a)キャストフィルム:
得られたポリカーボネート樹脂5gを塩化メチレン50mlに溶解させ、ガラスシャーレ上にキャストする。室温にて十分に乾燥させた後、該ポリカーボネート樹脂のTgから20℃以下の温度にて8時間乾燥して。キャストフィルムを作成した。
(b)非球面レンズ:
得られたポリカーボネート樹脂を100℃で4時間真空乾燥した後、ベント付きΦ30mm二軸押出機を用いてペレット化し、100℃にて8時間加熱乾燥した。その後、成形温度Tg+110℃、金型温度Tg−10℃にて、住友重機械(株)製SE30DU射出成形機を用いて厚さ0.6mm、凸面曲率半径5mm、凹面曲率半径4mm、Φ5mmのレンズを射出成形した。
(c)非球面回折レンズ:
上記(b)と同様に、厚さ0.3mm、輪状回折格子深さ15μm、レンズ部有効半径0.865mm、輪帯数19本、最小輪帯ピッチ14μm、凹面曲率半径0.1mm、Φ6mmの非球面回折レンズを射出成形した。
(d)成形板
上記(b)と同様に、幅2.5cm、長さ5cm、厚みが3mmの成形板を射出成形した。
2.評価は下記の方法によった。
(1)比粘度:
該ポリカーボネート樹脂を十分に乾燥し、該ポリカーボネート樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、その溶液の20℃における比粘度(ηsp)を測定した。
(2)共重合比:
該ポリカーボネート樹脂を日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRを用いて測定した。
(3)ガラス転移点(Tg):
該ポリカーボネート樹脂をデュポン社製910型DSC により測定した。
(4)屈折率(n)、アッベ数(v):
上記(d)で成形した厚さ3mmの成形板を島津製作所(株)カルニュー精密屈折計KPR−2000を用いて測定した。
ν=(n−1)/(n−n) v:アッベ数
:d線(587.6nm)の屈折率
:F線(486.1nm)の屈折率
:C線(656.3nm)の屈折率
(5)光弾性係数:
上記(a)で成形した厚さ100μmのキャストフィルムを、日本分光(株)製エリプソメーターM−220を用いて589nmにおける位相差(Re)を測定し、逆正弦関数より光弾性係数を求めた。
(6)成形性:
上記(b)で成形した非球面レンズの充填不良、各成形不良、レンズの脆さ等を目視にて確認した。評価は、成形時に欠陥品となる確率が、1%未満(◎)、1%以上〜5%未満(○)5%以上〜20%未満(△)、20%以上(×)で分類した。
(7)転写性:
上記(c)で成形した非球面回折レンズをKEYENCE製カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9710を用いて表面形状を測定した。表面形状は、輪状回折格子深さ、輪帯数等により評価し、欠陥品となる確率が、1%未満(◎)、1%以上〜5%未満(○)5%以上〜20%未満(△)、20%以上(×)で分類した。
(8)未反応のBis−TMCの含有量
式(III)で表されるBis−TMCの樹脂中の含有量を野村化学製Develosil ODS−7のカラムにて溶離液アセトニトリル/0.2%酢酸水とアセトニトリルとの混合液を用いて、カラム温度30℃、検出器277nmでグラジエントプログラムにてHPLC分析した。測定は、概ポリカーボネート樹脂を1.5gを塩化メチレン15mlに溶解させた後、アセトニトリル135mlを加え攪拌し、エバポレーターで濃縮した後、0.2μmフィルターでろ過し、この測定溶液10μlを注入して行った。
実施例1
CHDM38.91重量部、Bis−TMC102.36重量部、ジフェニルカーボネート(以下“DPC”と省略することがある)132.39重量部、水酸化ナトリウム0.24mgおよびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド27.3mgを、攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気760Torrの下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を13.4kPaに調整し、60℃/hrの速度で200℃まで昇温し、40分保持した。その後、60分かけて240℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、80分かけて1Torr以下まで減圧し、240℃、1Torr以下の条件下で30分間攪拌下重合反応を行った。失活剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を14.06mg添加後、240℃、1.33×10Paで20分攪拌後、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。
該ポリカーボネート樹脂はCHDMとBis−TMCとの構成単位の比がモル比で45:55であり、比粘度は0.281であった。未反応のBis−TMCの含有量は120ppm/gであった。得られたポリカーボネート樹脂を用いて上述の(a)〜(d)の方法にて評価用サンプルを調製した。
実施例2
実施例1のCHDMの使用量を43.26重量部、Bis−TMCの使用量を93.12重量部、DPC132.39重量部とする以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート共重合体を合成した。
該ポリカーボネート樹脂はCHDMとBis−TMC比がモル比で50:50であり、比粘度は0.255であった。未反応のBis−TMCの含有量は180ppm/gであった。得られたポリカーボネート樹脂を用いて上述の(a)〜(d)の方法にて評価用サンプルを調製した。
実施例3
実施例1のCHDMの使用量を47.59重量部、Bis−TMCの使用量を83.08重量部、DPC132.39重量部とする以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート共重合体を合成した。
該ポリカーボネート樹脂はCHDMとBis−TMC比がモル比で55:55であり、比粘度は0.232であった。未反応のBis−TMCの含有量は220ppm/gであった。得られたポリカーボネート樹脂を用いて上述の(a)〜(d)の方法にて評価用サンプルを調製した。
実施例4
実施例1のCHDMの使用量を56.24重量部、Bis−TMCの使用量を65.18重量部、DPC132.39重量部とする以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート共重合体を合成した。
該ポリカーボネート樹脂はCHDMとBis−TMCの比がモル比で65:35であり、比粘度は0.298であった。未反応のBis−TMCの含有量は80ppm/gであった。得られたポリカーボネート樹脂を用いて上述の(a)〜(d)の方法にて評価用サンプルを調製した。
比較例1
CHDM25.96重量部、Bis−TMC130.37重量部、DPC132.39重量部、水酸化ナトリウム0.24mgおよびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド27.3mgを、攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気760Torrの下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を13.4kPaに調整し、60℃/hrの速度で200℃まで昇温し、40分保持した。その後、60分かけて240℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、80分かけて1Torr以下まで減圧し、240℃、1Torr以下の条件下で2時間攪拌下重合反応を行った。その後、失活剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を14.06mg添加後、240℃、1.33×10Paで20分攪拌後、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。
該ポリカーボネート樹脂はCHDMとBis−TMCの比がモル比で30:70であり、比粘度は0.435であった。未反応のBis−TMCの含有量は20ppm/gであった。得られたポリカーボネート樹脂を用いて上述の(a)〜(d)の方法にて評価用サンプルを調製した。
比較例2
比較例1のCHDMの使用量を60.57重量部、Bis−TMCの使用量を55.87重量部、DPC132.39重量部、240℃、1Torr以下の条件での重合反応時間を行わない以外は、比較例1と同様にしてポリカーボネート樹脂を合成した。
該ポリカーボネート樹脂はCHDMとBis−TMCの比がモル比で70:30であり、比粘度は0.100であった。未反応のBis−TMCの含有量は550ppm/gであった。得られたポリカーボネート樹脂を用いて上述の(a)〜(d)の方法にて評価用サンプルを調製した。
比較例3
CHDMの使用量を43.37重量部、ビスフェノールA(以下“BPA”と省略することがある)の使用量を68.67重量部、DPC132.39重量部とする以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂を合成した。
該ポリカーボネート樹脂はCHDMとBPAの比がモル比で50:50であり、比粘度は0.280であった。得られたポリカーボネート樹脂を用いて上述の(a)〜(d)の方法にて評価用サンプルを調製した。
比較例4
CHDMの使用量を43.37重量部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロへキサン(以下“Bis−Z”と省略することがある)の使用量を80.51重量部、DPC132.39重量部、240℃、1Torr以下の条件での重合反応時間を1.5時間とする以外は比較例1と同様にしてポリカーボネート樹脂を合成した。
該ポリカーボネート樹脂はCHDMとBis−Zの比がモル比で50:50であり、比粘度は0.374であった。得られたポリカーボネート樹脂を用いて上述の(a)〜(d)の方法にて評価用サンプルを調製した。
比較例5
比較例3のCHDMの使用量を43.33重量部、BPAの使用量を54.88重量部、Bis−TMCを18.66重量部、DPC132.39重量部とし、240℃、1Torr以下の条件での反応時間を4時間とする以外は比較例1と同様にしてポリカーボネート樹脂を合成した。
該ポリカーボネート樹脂はCHDMとBPAとBis−TMCの比がモル比で50:40:10であり、比粘度は0.468であった。得られたポリカーボネート樹脂を用いて上述の(a)〜(d)の方法にて評価用サンプルを調製した。
比較例6
比較例3のCHDMの使用量を43.33重量部、BPAの使用量を54.88重量部、Bis−TMCを18.66重量部、DPC132.39重量部、240℃、1Torr以下の条件での重合反応時間を30分間とする以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂を合成した。
該ポリカーボネート樹脂はCHDMとBPAとBis−TMCの比がモル比で50:40:10であり、比粘度は0.285であった。得られたポリカーボネート樹脂を用いて上述の(a)〜(d)の方法にて評価用サンプルを調製した。
これら実施例1〜4および比較例1〜6の結果を表1に示す。
なお、実施例1〜4はTgが適切な範囲であり、レンズを成形することが可能で、アッベ数も高く光学レンズとして適している。これに対して、比較例1はアッベ数が低く、さらに上記成形条件では、比粘度が高い為成形性に乏しく、成形温度をTg+110℃以上では、樹脂が分解し、レンズを成形することができない。また、比較例2は、アッベ数は高いが、Tgが低く耐熱性が不十分であり、また比粘度が低い為成形したレンズが脆い。比較例3は、Tgが低いため、耐熱性不十分であり、上記成形条件では、樹脂が固化しにくく成形性できない。比較例4は、Tgが低く耐熱性に劣る。また、上記成形条件では、比粘度が高く転写性に劣る。比較例5は、Tgが低く耐熱性に劣り、光弾性係数も大きい。比較例6は、Tgが低く、光弾性係数も大きい。また、上記成形条件では、型離れが悪く成形性に劣る。これらの理由により比較例1〜6では、光学レンズに使用できない、もしくは、使用範囲が限られる。
Figure 0005688101
本発明の光学レンズは、高いアッベ数を有し、さらに実用十分な耐熱性と、高い成形流動性を併せ持つため、カメラレンズ、プロジェクターレンズ、ピックアップレンズ、回折レンズなどの各種光学レンズに好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 下記式(I)
    Figure 0005688101
    で表される構成単位(I)および下記式(II)
    Figure 0005688101
    で表される構成単位(II)を含み、構成単位(II)の割合が構成単位(I)および(II)の合計に対して55〜35モル%であるポリカーボネート樹脂からなり、
    該ポリカーボネート樹脂0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.298であ
    該ポリカーボネート樹脂中の下記式(III)で表される化合物の含有量が50〜300ppm/gである、
    Figure 0005688101
    ことを特徴とするポリカーボネート樹脂からなる光学レンズ。
  2. ポリカーボネート樹脂のガラス転移点が115〜160℃であり、かつアッベ数が43〜35である請求項1記載の光学レンズ。
  3. ポリカーボネート樹脂の光弾性係数が50×10−12Pa−1〜30×10−12Pa−1である請求項1記載の光学レンズ。
  4. ポリカーボネート樹脂の屈折率が1.53〜1.55である請求項1記載の光学レンズ。
  5. 回折レンズである請求項1記載の光学レンズ。
  6. 回折レンズは、厚さ0.05〜3.0mm、輪状回折格子深さ5〜20μm、レンズ部有効半径1.0〜20.0mm、輪帯数5〜25本、最小輪帯ピッチ5〜20μm、凹面曲率半径0.1〜10.0mm、直径1.0〜30.0mmの非球面回折レンズである請求項記載の光学レンズ。
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