JP5808961B2 - 光学レンズ用ポリカーボネート共重合体及び該ポリカーボネートからなる光学レンズ - Google Patents
光学レンズ用ポリカーボネート共重合体及び該ポリカーボネートからなる光学レンズ Download PDFInfo
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で表されるジヒドロキシ化合物の合計の割合が100〜70%であり、且つ一般式(1)
:一般式(2)の割合がモル比で50%〜98%:50%〜2%の範囲で構成されたポリカーボネート共重合体であり、且つ、そのポリマー0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.35であるポリカーボネート共重合体からなる光学レンズ。
アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭
素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数6〜2
0のアリールオキシ基である。Xは炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシク
ロアルキレン基または炭素数6〜20のアリーレン基である。nおよびmは1〜10の整
数である。)
キル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数
5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数6〜20の
アリールオキシ基である。)
2.一般式(1)で表される化合物において、R1、R2、R3およびR4が水素原子、Xがエチレン基、n=1およびm=1である前記1に記載のポリカーボネート共重合体からなる光学レンズ。
3.一般式(2)で表される化合物が、4,4−ビフェノールである前記1または2記載のポリカーボネート共重合体からなる光学レンズ。
4.屈折率が1.63〜1.65、かつガラス転移温度が140℃〜160℃である前記1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体からなる光学レンズ。
本発明のポリカーボネート共重合体における一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物である4,4−ビフェノール誘導体を単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
カーボネート前駆物質として、例えばホスゲンを使用する反応では、通常酸結合剤および溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては、例えばピリジンなどのアミン化合物が用いられる。溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。その際、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時間である。
このような化合物としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属化合物等の有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコキシド、または4級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの塩、アミン類等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
エステル交換触媒としては、具体的には、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)等が用いられる。
これらの触媒は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で、好ましくは10−7〜10−4モルの比率で用いられる。
具体的には、第一段目の反応を120〜260℃、好ましくは180〜240℃の温度で0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間反応させる。次いで反応系の減圧度を上げながら反応温度を高めてジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応を行い、最終的には1mmHg以下の減圧下、200〜350℃の温度で0.05〜2時間重縮合反応を行う。このような反応は、連続式で行っても良くまたバッチ式で行ってもよい。上記の反応を行うに際して用いられる反応装置は、錨型攪拌翼、マックスブレンド攪拌翼、ヘリカルリボン型攪拌翼等を装備した縦型であっても、パドル翼、格子翼、メガネ翼等を装備した横型であってもスクリューを装備した押出機型であってもよく、また、これらを重合物の粘度を勘案して適宜組み合わせた反応装置を使用することが好適に実施される。
本発明におけるポリカーボネート共重合体からなる光学レンズは、例えば射出成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法など任意の方法により成形される。
ポリカーボネート共重合体粉粒体中の離型剤の含有量としては、ポリカーボネート共重合体粉粒体100重量部に対して0.005〜2.0重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.6重量部の範囲がより好ましく、0.02〜0.5重量部の範囲がさらに好ましい。
リン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。なかでも、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトが使用され、特に好ましくはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトが使用される。
ポリカーボネート共重合体粉粒体中のリン系熱安定剤の含有量としては、ポリカーボネート共重合体粉粒体100重量部に対して0.001〜0.2重量部が好ましい。
ポリカーボネート共重合体粉粒体中の硫黄系熱安定剤の含有量としては、ポリカーボネート共重合体粉粒体100重量部に対して0.001〜0.2重量部が好ましい。
ポリカーボネート共重合体粉粒体中のヒンダードフェノール系熱安定剤の含有量としては、ポリカーボネート共重合体粉粒体100重量部に対して0.001〜0.3重量部が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上の混合物で用いることができる。好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルであり、より好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]である。
ブルーイング剤の配合量は、ポリカーボネート共重合体粉粒体に対して好ましくは0.05〜1.5ppmであり、より好ましくは0.1〜1.2ppmである。
本発明におけるポリカーボネート共重合体から形成される光学レンズを射出成形で製造する場合、シリンダー温度230〜300℃、金型温度90〜150℃の条件にて成形することが好ましい。さらに好ましくは、シリンダー温度240〜280℃、金型温度100〜140℃の条件にて成形することが好ましい。シリンダー温度が300℃以上では、樹脂が分解着色し、230℃以下では、溶融粘度が高く成形できない。また金型温度が150℃以上では、樹脂が硬化せず金型から成形片を取り出せない。更には、90℃以下では、成形時に金型内で樹脂が早く固まり成形片を得ることができない、もしくは、金型賦型を転写できない。
さらに、本発明の光学レンズにおけるポリカーボネート共重合体からなる非球面レンズには、メニスカスレンズ以外に、回折レンズ、フレネルレンズ、fθレンズ、シリンダーレンズ、コリメータレンズ等にも好適である。
(1)比粘度:重合終了後に得られたポリカーボネート共重合体ペレットを120℃で4時間乾燥し、該ペレット0.35gを塩化メチレン50ccに溶解した溶液を測定サンプルとした。測定は20±0.01℃の恒温槽中でオスワルト粘度管の標線間の通過時間を計測し、下記式からその溶液の20℃における比粘度(ηsp)を求めた。
ηsp=(t1−t0)/t0
ここで比粘度のt1:ポリマー溶液の標線間通過時間、t0:塩化メチレンの標線間通過時間である。
(2)共重合比:日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRを用いて測定した。7.85〜7.60ppmの9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンに起因するピークと7.60〜7.45ppmの4,4―ビフェノールに起因するピークの積分比から求めた。
(3)ガラス転移点(Tg):デュポン社製910型DSCにより測定した。
(4)溶融粘度:重合終了後に得られたポリカーボネート共重合体ペレットを120℃で4時間乾燥した後、東洋精機(株)製キャピログラフ1Dにより、280℃、せん断速度1000/secにおける溶融粘度を測定した。
(5)曲げ強度:厚さ4mmの成形片を島津製作所製オートグラフAG500B型を使用してISO178に準拠して、室温で曲げ速度2mm/minで曲げ試験を行い、曲げ強度を求めた。
(6)屈折率(nd)、アッベ数(ν):厚さ100μmのフィルムをATAGO製DR−M2のアッベ屈折計を用いて測定した。
(7)光学歪み:成形したレンズを二枚の偏光板の間に挟み直行ニコル法で後ろからの光漏れを目視することにより評価した。
実施例1
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下“BPEF”と省略することがある)39.47重量部、4、4−ビフェノール(以下”BP”と省略することがある)1.86重量部、ジフェニルカーボネート(以下”DPC”と省略することがある)22.06重量部、水酸化ナトリウム4.0×10−6重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド9.12×10−4重量部を攪拌機および留出装置付きの10リットル反応器に入れ、窒素雰囲気101kPaの下15分かけて180℃に加熱し撹拌した。
その後、20分かけて減圧度を20kPaに調整し、60℃/hrの速度で260℃まで昇温、エステル交換反応を行った。その後、260℃に保持したまま、120分かけて0.13kPa以下まで減圧し、260℃、0.1kPa以下の条件下で1時間攪拌下重合反応を行った。その後、生成したポリカーボネート共重合体を抜き出した。該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBPとの構成単位の比がモル比で90:10であり、比粘度は0.28、Tgは145℃であった。
また、該ペレットを塩化メチレンに溶解させた後、ガラスシャーレ上にキャストし、厚さ100μmのフィルムを得た。
実施例1のBPEFの使用量を37.27重量部、BPの使用量を2.79重量部、DPC22.06重量部、水酸化ナトリウム4.0×10−6重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド9.12×10−4重量部とする以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート共重合体を合成した。該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBPの比がモル比で85:15であり、比粘度は0.23、Tgは147℃であった。また、実施例1と同様の方法で、キャストフィルムを得た。
BPEF22.36重量部、BP9.12重量部、DPC22.49重量部、水酸化ナトリウム4.0×10−6重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド9.12×10−4重量部を攪拌機および留出装置付きの10リットル反応器に入れ、窒素雰囲気101kPaの下15分かけて200℃に加熱し撹拌した。
その後、60分かけて280℃まで昇温し、昇温後、60分かけて減圧度を15kPaに調整した。そして、10℃/hrの速度で290℃まで昇温後、60分反応させてエステル交換反応を行った。その後、290℃に保持したまま、60分かけて0.13kPa以下まで減圧し、290℃、0.13kPa以下の条件下で1時間攪拌下重合反応を行った。その後、生成したポリカーボネート共重合体を抜き出した。該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBPとの構成単位の比がモル比で51:49であり、比粘度は0.24、Tgは149℃であった。
また、該ペレットを塩化メチレンに溶解させた後、ガラスシャーレ上にキャストし、厚さ100μmのフィルムを得た。
実施例1のBPEFの使用量を35.08重量部、BPの使用量を1.86重量部、DPC22.06重量部、水酸化ナトリウム4.0×10−6重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド9.12×10−4重量部、さらに2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン2.28重量部(以下“BPA”と省略することがある)とする以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート共重合体を合成した。該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBP、BPAの比がモル比で80:10:10であり、比粘度は0.25、Tgは146℃であった。また、実施例1と同様の方法で、キャストフィルムを得た。
実施例3のBPEFの使用量を17.54重量部、BPの使用量を11.17重量部、DPC22.49重量部とする以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート共重合体を合成した。該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBPの比がモル比で40:60であり、比粘度は0.250、Tgは153℃であった。また、実施例1と同様の方法で、キャストフィルムを得た。
BPEF43.85重量部、DPC22.49重量部、炭酸水素ナトリウム5.04×10−5重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド5.52×10−3重量部を攪拌機および留出装置付きの10リットル反応器に入れ、窒素雰囲気101kPaの下1時間かけて215℃に加熱し撹拌した。
その後、15分かけて減圧度を20kPaに調整し、215℃、20kPaの条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温氏、240℃、20kPaで10分間保持した。その後、10分かけて16kPaに調整し、240℃、16kPaで70分間保持した。その後、10分かけて13.4kPaに調整し、240℃、100kPaで10分間保持した。更に40分かけて0.13kPa以下とし、240℃、0.13kPa以下の条件下で10分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にした後、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウムを7.01×10−4重量部添加し触媒を失活させた。その後、生成したポリカーボネート共重合体をペレタイズしながら抜き出し、BPEFホモポリマーを得た。得られたポリマーの比粘度は0.50、Tgは147℃であった。
また、該ペレットを塩化メチレンに溶解させた後、ガラスシャーレ上にキャストし、厚さ100μmのフィルムを得た。
BPA11.42重量部、BPEF21.93重量部とDPC21.82重量部およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド9.1×10-4重量部、水酸化ナトリウム4.0×10-5重量部を、攪拌装置、蒸留器および減圧装置を備えた反応層に仕込み、窒素置換をした後140℃で溶融した。30分攪拌後、内温を180℃に上昇しつつ徐々に減圧し13.4kPaで30分間反応させ生成するフェノールを留去した。次に200℃に昇温しつつ徐々に減圧し、6.5kPaで30分間フェノールを留出せしめ反応させた。さらに220℃/4kPaまで除々に昇温、減圧し、同温、同圧で30分、さらに240℃/1.30kPa、260℃/0.13kPaまで上記と同じ手順で昇温、減圧を繰り返して反応を続行し、最終的に260℃/0.13kPa以下で1時間反応せしめた。その後装置内を窒素置換し、末端封止剤としてビス(2―メトキシカルボニルフェニル)カーボネート10.3重量部を添加して5分間攪拌したのち徐々に減圧し、最終的に260℃/1mmHgで30分間攪拌した。その後装置内を窒素置換し、中和剤としてドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩1.2×10-3重量部を添加し攪拌した。その後、生成したポリカーボネート共重合体をペレタイズしながら抜き出し、ポリカーボネート共重合体を得た。得られたポリマーの比粘度は0.54、Tgは153℃であった。
また、該ペレットを塩化メチレンに溶解させた後、ガラスシャーレ上にキャストし、厚さ100μmのフィルムを得た。
比較例3の260℃/0.13kPa以下での反応時間を1時間から30分に変更する以外は比較例3と同様にしてポリカーボネート共重合体を合成した。該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBPAの比がモル比で50:50であり、比粘度は0.250、Tgは151℃であった。また、実施例1と同様の方法で、キャストフィルムを得た。
BPEF38.15g、BPA2.97g、ジフェニルカーボネート;22.06g、および炭酸水素ナトリウム5.04×10−5gを攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、窒素雰囲気101kPaの下1時間かけて215℃に加熱し撹拌した。その後、15分かけて減圧度を20kPaに調整し、215℃、20kPaの条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、16kPPaで10分間保持した。その後、10分かけて16kPaに調整し、240℃、16kPaで70分間保持した。その後、10分かけて13kPaに調整し、240℃、13kPaで10分間保持した。更に40分かけて0.13kPa以下とし、240℃、0.13kPa以下の条件下で10分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBPAの比がモル比で87:13であり、比粘度は0.57、Tgは158℃であった。また、実施例1と同様の方法で、キャストフィルムを得た。
作成したポリカーボネート共重合体を120℃で24時間真空乾燥した後、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.050%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ15mm単軸押出機を用いてペレット化した。その後、下記成形条件にて、住友重機械(株)製SE30DU射出成形機を用いて厚さ0.3mm、凸面曲率半径5mm、凹面曲率半径4mm、φ5mmのレンズ及びJSW(株)製N−20C射出成形機を用いて厚さ1.0mm、幅1.0cm、長さ2.0cmの成形片および、幅1cm、長さ8cm、厚み3mmの成形片を射出成形した。上記レンズを二枚の偏光板の間に挟み直行ニコル法で後ろからの光漏れを目視することにより評価した。評価は、◎:殆ど光漏れがない、○:僅かに光漏れが認められる、△:少し光漏れが認められる、×:光漏れが顕著である とした。また、上記成形片を用いて全光線透過率を測定した。結果を表1に示す。
BP:4,4−ビフェノール成分
BP−A:ビスフェノールA成分
Claims (4)
- 全ヒドロキシ化合物中の一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物及び一般式(2)
で表されるジヒドロキシ化合物の合計の割合が100〜70%であり、且つ一般式(1)
:一般式(2)の割合がモル比で50%〜98%:50%〜2%の範囲で構成されたポリカーボネート共重合体であり、且つ、そのポリマー0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.35であるポリカーボネート共重合体からなる光学レンズ。
アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭
素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数6〜2
0のアリールオキシ基である。Xは炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシク
ロアルキレン基または炭素数6〜20のアリーレン基である。nおよびmは1〜10の整
数である。)
キル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数
5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数6〜20の
アリールオキシ基である。) - 一般式(1)で表される化合物において、R1、R2、R3およびR4が水素原子、X
がエチレン基、n=1およびm=1である請求項1に記載のポリカーボネート共重合体からなる光学レンズ。 - 一般式(2)で表される化合物が、4,4−ビフェノールである請求項1または2記載
のポリカーボネート共重合体からなる光学レンズ。 - 屈折率が1.63〜1.65、かつガラス転移温度が140℃〜160℃である請求項
1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体からなる光学レンズ。
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