明 細 書
偏心揺動型減速機
技術分野
[0001] 本発明は、複数のクランク軸のうちの 1つのクランク軸に入力された動力を残りのク ランク軸に伝達するクランク軸間歯車を備えた偏心揺動型減速機に関するものである 背景技術
[0002] 従来の偏心揺動型減速機としては、複数のクランクピンと、複数のクランクピンのう ちの 1つのクランクピンに入力された動力を残りのクランクピンに伝達する円筒状歯車 と、円筒状歯車を支持した一対の転がり軸受とを備えたものが知られている(例えば、 特許文献 1参照。)。
特許文献 1 :特開平 9 57678号公報 (第 3、 4頁、第 1、 3図)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] し力しながら、従来の偏心揺動型減速機においては、部品点数が多いという課題が めつに。
[0004] 本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、部品点数を従来より減少 させることができる偏心揺動型減速機を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0005] 本発明の偏心揺動型減速機は、内歯を有した第 1の部材と、外歯を有した複数のク ランク軸と、前記第 1の部材の前記内歯に嚙合う外歯を有し前記クランク軸によって 偏心運動させられる外歯部材と、前記クランク軸を回転可能に支持して前記クランク 軸によって前記第 1の部材に対して回転運動させられる第 2の部材と、前記クランク 軸の前記外歯に嚙合って回転可能に支持されるとともに、前記複数のクランク軸のう ちの 1つのクランク軸に入力された動力を残りのクランク軸に伝達するクランク軸間歯 車とを備えた構成を有して 、る。
[0006] この構成により、本発明の偏心揺動型減速機は、クランク軸間歯車を支持するため
の従来のような一対の転がり軸受が無いので、部品点数を従来より減少させることが できる。
また、前記クランク軸の両端間の略中間部で前記クランク軸間歯車が前記クランク 軸の前記外歯に嚙合う構成とすれば、前記クランク軸が橈んでも前記クランク軸の前 記外歯や前記クランク軸間歯車が傾き難ぐ前記クランク軸間歯車と、前記クランク軸 の前記外歯とが歯筋方向で略均等に嚙合う。したがって、本発明の偏心揺動型減速 機は、前記クランク軸の前記外歯や前記クランク軸間歯車に偏磨耗が生じ難ぐ前記 クランク軸の前記外歯や前記クランク軸間歯車の寿命の低減を防止することができる
[0007] また、本発明の偏心揺動型減速機の前記クランク軸間歯車は、前記クランク軸の前 記外歯に嚙合う外歯を有した構成を有しても良い。
[0008] この構成により、本発明の偏心揺動型減速機は、クランク軸の外歯に嚙合う内歯を クランク軸間歯車が形成する構成と比較して、クランク軸間歯車が小型であるので、 製造コストを低減することができる。
[0009] また、本発明の偏心揺動型減速機は、前記クランク軸間歯車は、前記クランク軸の 前記外歯に嚙合う内歯を有した構成を有しても良 ヽ。
[0010] また、本発明の偏心揺動型減速機は、前記クランク軸間歯車は、油膜を介して前記 外歯部材にすベり摩擦する構成を有しても良い。
[0011] この構成により、本発明の偏心揺動型減速機は、クランク軸間歯車を軸方向に規制 することができる。
[0012] また、本発明の偏心揺動型減速機は、前記第 1の部材に対して前記第 2の部材を 回転可能に支持する軸受をさらに備え、前記クランク軸間歯車は、油膜を介して前記 外歯部材及び前記軸受にすベり摩擦する構成を有しても良い。
[0013] この構成により、本発明の偏心揺動型減速機は、第 1の部材に対して第 2の部材を 回転可能に支持する高硬度の軸受をクランク軸間歯車の支持にも利用するので、ク ランク軸間歯車が低硬度の部材によって支持される構成と比較して、部材の磨耗に よる寿命の低減を防止することができる。また、クランク軸間歯車が外歯部材及び軸 受にすべり摩擦することにより、クランク軸間歯車を軸方向に規制することができる。
[0014] また、本発明の偏心揺動型減速機は、前記第 2の部材の略中央に貫通孔が形成さ れ、前記貫通孔は、前記クランク軸間歯車の内側に配置された構成を有しても良い。
[0015] この構成により、本発明の偏心揺動型減速機は、クランク軸間歯車が従来のように 転がり軸受によって支持されないので、転がり軸受によって支持される部分をクランク 軸間歯車が有していない分、貫通孔の径を従来より大きくすることができる。
[0016] また、本発明の偏心揺動型減速機の前記第 2の部材は、前記クランク軸間歯車に 挿入された歯車挿入部を有した構成を有しても良 、。
[0017] この構成により、本発明の偏心揺動型減速機は、減速機内部の空間と、貫通孔とを 歯車挿入部によって分離するので、減速機内部の空間に潤滑剤が封入されても減 速機内部の空間に封入された潤滑剤が貫通孔に漏れ出すことを防止することができ る。
[0018] また、本発明の偏心揺動型減速機は、前記外歯部材を複数有し、前記クランク軸 間歯車は、複数の前記外歯部材間に配置された構成を有しても良い。
[0019] この構成により、本発明の偏心揺動型減速機は、クランク軸を支持するためにクラン ク軸の両端に設置された軸受間の略中間部でクランク軸間歯車がクランク軸の外歯 に嚙合うので、クランク軸が橈んでもクランク軸の外歯やクランク軸間歯車が傾き難く クランク軸間歯車と、クランク軸の外歯とが歯筋方向で略均等に嚙合う。したがって、 本発明の偏心揺動型減速機は、クランク軸の外歯やクランク軸間歯車に偏磨耗が生 じ難く、クランク軸の外歯やクランク軸間歯車の寿命の低減を防止することができる。 発明の効果
[0020] 本発明は、部品点数を従来より減少させることができる偏心揺動型減速機を提供す ることができるものである。
図面の簡単な説明
[0021] [図 1]本発明の第 1の実施の形態に係る偏心揺動型減速機を備えた産業用ロボット の関節の側面断面図
[図 2]図 1の A— A矢視断面図
[図 3]図 1の B— B矢視断面図
[図 4]本発明の第 2の実施の形態に係る偏心揺動型減速機の側面断面図
[図 5]図 4の C C矢視断面図
[図 6]本発明の第 3の実施の形態に係る偏心揺動型減速機の側面断面図
発明を実施するための最良の形態
[0022] 以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[0023] (第 1の実施の形態)
まず、第 1の実施の形態に係る偏心揺動型減速機の構造について説明する。
[0024] 図 1に示すように、産業用ロボットの関節 10は、アーム 20と、アーム 20に対して旋 回するアーム 30と、アーム 30に固定されてアーム 20に対してアーム 30を回転させる ための動力を発生させるモータ 40と、アーム 20及びアーム 30に固定されてモータ 4 0によって発生させられた動力を減速してアーム 20に対するアーム 30の動力とする 偏心揺動型減速機 100とを備えている。
[0025] 偏心揺動型減速機 100は、内歯 110aを有した第 1の部材としてのケース 110と、偏 心部 121a、偏心部 121b及び外歯 121cを有したクランク軸 121と、クランク軸 121と 同様に図示して 、な 、2つの偏心部及び外歯 122c (図 2参照。 )を有したクランク軸 122 (図 2参照。)と、クランク軸 121と同様に図示していない 2つの偏心部及び外歯 1 23c (図 2参照。)を有したクランク軸 123 (図 2参照。)と、ケース 110の内歯 110aに 嚙合う外歯 131aを有しクランク軸 121の偏心部 121aやクランク軸 122、 123の偏心 部によって偏心運動させられる外歯部材としての外歯歯車 131と、ケース 110の内歯 110aに嚙合う外歯 132aを有しクランク軸 121の偏心部 121bやクランク軸 122、 123 の偏心部によって偏心運動させられる外歯部材としての外歯歯車 132と、クランク軸 121、 122、 123によってケース 110に対して回転運動させられる第 2の部材としての キャリア 140と、モータ 40の出力軸 41に取り付けられた入力歯車 151 (図 3参照。)と 、クランク軸 121に取り付けられて入力歯車 151と嚙合った外歯車 152と、ケース 110 に対してキャリア 140を回転可能に支持する軸受 171、 172と、外歯歯車 131の孔 1 31bに挿入されてクランク軸 121の偏心部 121aを外歯歯車 131に対して回転可能 に支持する軸受 173と、外歯歯車 132の孔 132bに挿入されてクランク軸 121の偏心 部 12 lbを外歯歯車 132に対して回転可能に支持する軸受 174と、外歯歯車 131の 孔 131bと同様な外歯歯車 131の図示していない孔に揷入されて軸受 173と同様に
クランク軸 122の偏心部を外歯歯車 131に対して回転可能に支持する図示していな ぃ軸受と、外歯歯車 132の孔 132bと同様な外歯歯車 132の図示していない孔に揷 入されて軸受 174と同様にクランク軸 122の偏心部を外歯歯車 132に対して回転可 能に支持する図示して!/、な!、軸受と、外歯歯車 131の孔 13 lbと同様な外歯歯車 13 1の図示していない孔に揷入されて軸受 173と同様にクランク軸 123の偏心部を外歯 歯車 131に対して回転可能に支持する図示して 、な 、軸受と、外歯歯車 132の孔 1 32bと同様な外歯歯車 132の図示していない孔に挿入されて軸受 174と同様にクラ ンク軸 123の偏心部を外歯歯車 132に対して回転可能に支持する図示していない 軸受と、クランク軸 121をキャリア 140に回転可能に支持する軸受 175、 176と、軸受 175、 176と同様にクランク軸 122をキャリア 140に回転可能に支持する図示してい ない 2つの軸受と、軸受 175、 176と同様にクランク軸 123をキャリア 140に回転可能 に支持する図示して ヽな 、 2つの軸受と、クランク軸 121、 122、 123の外歯 121c、 1 22c, 123cに噴合う外歯 181を有しクランク軸 121に人力されたモータ 40力らの動 力をクランク軸 122、 123に伝達するクランク軸間歯車としての円筒歯車 180と、ケー ス 110及びキャリア 140の隙間を封じるオイルシール 191、 192とを備えており、キヤ リア 140には略中央に貫通孔 101が形成されている。
[0026] ケース 110は、内歯 110aを形成するピン 111と、ピン 111が埋め込まれたピン支持 部材 112とを有している。
[0027] クランク軸 121、 122、 123は、ケース 110の内歯 110aの歯車の中心点を中心とし た円周上に 120° ずつ離れて配置されている。
[0028] キャリア 140は、外歯歯車 131の孔 131c及び外歯歯車 132の孔 132cに挿入され る柱部 141aを有した円板 141と、円板 141とともに外歯歯車 131、 132を挟む位置 に配置された円板 142と、円板 141及び円板 142に両端が固定されて円筒歯車 180 に挿入された歯車挿入部としての中空円筒 143と、円板 141及び中空円筒 143の隙 間を封じる Oリング 144と、円板 142及び中空円筒 143の隙間を封じる Oリング 145と 、円板 141、 142の位置決めをする位置決めピン 146と、円板 141、 142を締結する ボルト 147とを備えている。柱部 141a、位置決めピン 146、ボルト 147は、ケース 110 の内歯 110aの歯車の中心点を中心とした円周上にそれぞれ複数配置されている。
また、キャリア 140は、入力歯車 151及び外歯車 152が収納される溝 140aが形成さ れている。
[0029] 円筒歯車 180は、外歯歯車 131と、外歯歯車 132との間に配置されており、クランク 軸 121, 122, 123の外歯 121c、 122c, 123c【こ嚼合って回転可會 【こ支持されて!ヽ る。なお、円筒歯車 180は、外歯歯車 131、 132に対する接触部位には油膜を介し てすベり摩擦が生じることで回転可能に支持されて 、る。
[0030] 貫通孔 101は、円板 141の孔 141bと、円板 142の孔 142aと、中空円筒 143の孔 1 43aと力も構成されている。
[0031] また、関節 10は、アーム 20及びケース 110を固定するボルト 51と、アーム 30及び モータ 40を固定するボルト 52と、アーム 30及び円板 141を固定するボルト 53と、ァ ーム 30の孔 30a及び偏心揺動型減速機 100の貫通孔 101を通る配線 60とを備えて いる。なお、ボルト 51、 53は、偏心揺動型減速機 100の軸線を中心とした円周上に それぞれ複数配置されている。また、ボルト 52は、モータ 40の出力軸 41の軸線を中 心とした円周上に複数配置されている。
[0032] また、アーム 30及びモータ 40の係合面、アーム 30及び円板 141の係合面は、そ れぞれシール剤等によって封じられて 、る。
[0033] 次に、関節 10の動作について説明する。
[0034] モータ 40が動力を発生すると、モータ 40によって発生させられた動力は、モータ 4 0の出力軸 41に取り付けられた入力歯車 151、クランク軸 121に取付けられた外歯 車 152を介して減速されてクランク軸 121に伝達され、クランク軸 121の外歯 12 lc、 円筒歯車 180の外歯 181を介して、円筒歯車 180に伝達される。ここで、円筒歯車 1 80に伝達された動力は、円筒歯車 180の外歯 181、クランク軸 122の外歯 122cを 介してクランク軸 122に伝達されるとともに、円筒歯車 180の外歯 181、クランク軸 12 3の外歯 123cを介してクランク軸 123に伝達される。
[0035] そして、クランク軸 121、 122、 123に伝達された動力は、クランク軸 121の偏心部 1 21a、 121bやクランク軸 122、 123の偏心部を介して外歯歯車 131、 132に伝達され 、外歯歯車 131、 132の外歯 131a、 132a,ケース 110の内歯 110aを介して減速さ れてキャリア 140に伝達される。
[0036] したがって、ケース 110に対してキャリア 140が回転し、キャリア 140に固定されたァ ーム 30は、ケース 110が固定されたアーム 20に対して回転する。
[0037] 以上に説明したように、偏心揺動型減速機 100は、円筒歯車 180がクランク軸 121 , 122, 123の外歯 121c、 122c, 123c【こ噴合って回転可會 【こ支持されており、円 筒歯車 180を支持するための従来のような一対の転がり軸受が無いので、部品点数 を従来より減少、させることができる。
[0038] また、偏心揺動型減速機 100は、円筒歯車 180が従来のように転がり軸受によって 支持されないので、転がり軸受によって支持される部分を円筒歯車 180が有していな い分、貫通孔 101の径を従来より大きくすることができる。
[0039] また、偏心揺動型減速機 100は、クランク軸 121、 122、 123の外歯 121c、 122c, 123cに嚼合う外歯 181を円筒歯車 180力有して!/ヽるので、クランク軸 121、 122、 12 3の外歯 121c、 122c, 123cに嚙合う内歯をクランク軸間歯車が有する構成と比較し て、円筒歯車 180が小型である。したがって、偏心揺動型減速機 100は、クランク軸 1 21、 122、 123の外歯 121c、 122c, 123cに嚼合う内歯をクランク軸 f¾歯車力 S有す る構成と比較して、製造コストを低減することができる。
[0040] また、偏心揺動型減速機 100は、中空円筒 143が円筒歯車 180に挿入されており 、減速機内部の空間と、貫通孔 101とを中空円筒 143によって分離するので、減速 機内部の空間に潤滑剤が封入されても減速機内部の空間に封入された潤滑剤が貫 通孔 101に漏れ出すことを防止することができる。
[0041] また、偏心揺動型減速機 100は、円筒歯車 180が外歯歯車 131と、外歯歯車 132 との間に配置されており、クランク軸 121を支持するためにクランク軸 121の両端に設 置された軸受 175、 176間の略中間部や、クランク軸 122、 123を支持するためにク ランク軸 122、 123の両端に設置された軸受間の略中間部で円筒歯車 180がクラン ク軸 121、 122、 123の外歯 121c、 122c, 123cに嚙合うので、クランク軸 121、 122 、 123力橈んでもクランク軸 121、 122、 123の外歯 121c、 122c, 123cや円筒歯車 180力 S傾き難く、円筒歯車 180と、クランク軸 121、 122、 123の外歯 121c、 122c, 1 23cとが歯筋方向で略均等に嚙合う。したがって、偏心揺動型減速機 100は、クラン ク軸 121、 122、 123の外歯 121c、 122c, 123cや円筒歯車 180に偏磨耗が生じ難
く、クランク軸 121、 122、 123の外歯 121c、 122c, 123cや円筒歯車 180の寿命の 低減を防止することができる。
[0042] なお、中空円筒 143が挿入された外歯歯車 131の孔 131dに円筒歯車 180の一部 が入ってしまうことを防止するためには、外歯歯車 131の孔 131dを形成する面と、中 空円筒 143の外周面との間の距離 100aより円筒歯車 180の外径と、中空円筒 143 の外径との差 100bが常に大きい必要がある。即ち、外歯歯車 131の孔 131dに円筒 歯車 180の一部が入ってしまうことを防止するためには、差 100bが距離 100aの最 大値より大きい必要がある。ここで、距離 100aの最大値は、ケース 110に対する外歯 歯車 131の偏心運動中に外歯歯車 131と、中空円筒 143とが接触することを防止す るために、ケース 110に対する外歯歯車 131の偏心量の 2倍より大きく設定されて ヽ る。以上においては、外歯歯車 131と、差 100bとの関係について説明した力 外歯 歯車 132と、差 100bとの関係についても同様である。
[0043] (第 2の実施の形態)
まず、第 2の実施の形態に係る偏心揺動型減速機の構造について説明する。
[0044] なお、本実施の形態に係る偏心揺動型減速機の構成のうち第 1の実施の形態に係 る偏心揺動型減速機 100 (図 1参照。)の構成と同様な構成については、偏心揺動型 減速機 100の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
[0045] 図 4及び図 5に示すように、本実施の形態に係る偏心揺動型減速機 200の構成は 、クランク軸 121、 122、 123の外歯 121c、 122c, 123cに嚙合う内歯 281を有しクラ ンク軸 121に入力された動力をクランク軸 122、 123に伝達するクランク軸間歯車とし ての円筒歯車 280を円筒歯車 180 (図 1参照。)に代えて偏心揺動型減速機 100が 備えた構成と同様である。
[0046] 円筒歯車 280は、外歯歯車 131と、外歯歯車 132との間に配置されており、クランク 軸 121、 122、 123の外歯 121c、 122c, 123c【こ嚼合って回転可會 【こ支持されて!ヽ る。なお、円筒歯車 280は、外歯歯車 131、 132に対する接触部位には油膜を介し てすベり摩擦が生じることにより、回転可能に支持されている。
[0047] 本実施例においては、偏心揺動型減速機 200は、円筒歯車 280が外周でケース 1 10のピン 111に接触しているので、外歯歯車 131、 132の歯形曲線が位相をずらし
て重ね合わせたェピトロコイド曲線の最も内側にある曲線部分である場合 (特公昭 58 42382号公報参照。)や、外歯歯車 131、 132の歯形形状が歯先部で切除した形 状である場合 (特開平 2— 261943号公報参照。)等のように、ケース 110に対する外 歯歯車 131、 132の偏心運動中にケース 110の複数のピン 111の一部から外歯歯 車 131、 132の外歯が一時的に離れても、ピン支持部材 112からピン 111が脱落す ることを防止することができる。
[0048] (第 3の実施の形態)
まず、第 3の実施の形態に係る偏心揺動型減速機の構造について説明する。
[0049] なお、本実施の形態に係る偏心揺動型減速機の構成のうち第 2の実施の形態に係 る偏心揺動型減速機 200 (図 4参照。)の構成と同様な構成については、偏心揺動型 減速機 200の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
[0050] 図 6に示すように、本実施の形態に係る偏心揺動型減速機 300の構成は、円筒歯 車 280力 外歯歯車 132と軸受 172との軸方向の間においてクランク軸の外歯 121c 、 1222c, 123cと嚙み合って回転可能に支持されており、円筒歯車 280と、外歯歯 車 132及び軸受 172に対する接触部位には油膜を介してすベり摩擦が生じて回転 可能に支持されている点を除いて偏心揺動型減速機 200の構成と同様である。
[0051] 偏心揺動型減速機 300は、ケース 110に対してキャリア 140を回転可能に支持す る高硬度の軸受 172を円筒歯車 280の支持にも利用するので、円筒歯車 280が低 硬度の部材によって支持される構成と比較して、部材の磨耗による寿命の低減を防 止することができる。
[0052] なお、偏心揺動型減速機 300は、円筒歯車 280が軸受 172の内輪 172aとの間の すべり摩擦が生じる構成であるが、円筒歯車 280が軸受 172の外輪 172bとの間の すべり摩擦が生じるように構成されて 、ても良 、。
[0053] また、偏心揺動型減速機 300は、クランク軸 121、 122、 123の外歯 121c、 122c, 123cに嚙合って回転可能に支持される内歯 281を有しクランク軸 121に入力された 動力をクランク軸 122、 123に伝達する円筒歯車 280を備えている力 ケース 110に 対してキャリア 140を回転可能に支持する軸受に円筒歯車がすべり摩擦によって回 転可能に支持されていれば、第 1の実施の形態に係る偏心揺動型減速機 100 (図 1
参照。;)のよう【こクランク軸 121、 122、 123の外歯 121c、 122c, 123c【こ噴合う外歯 を有した円筒歯車を円筒歯車 280に代えて備えて 、ても良 、。
[0054] なお、本発明のクランク軸間歯車は、クランク軸に設けられた外歯に嚙合って回転 可能に支持されて 、るが,中空円筒 143の外周やピン 111の内周に油膜を介してす ベり摩擦が生じることで、さらに回転可能に支持される状態になっていても良い。 産業上の利用可能性
[0055] 以上のように、本発明に係る偏心揺動型減速機は、部品点数を従来より減少させる ことができるという効果を有し、産業用ロボット等の産業用機械の関節部分に使用さ れる偏心揺動型減速機等として有用である。