明 細 書
エンジンに搭載されるジェネレータ zモータ
技術分野
[0001] 本発明は、自動車や建設機械に搭載され、特にハイブリッド型エンジンの補助動力 源としての好適なジェネレータ Zモータに関する。
背景技術
[0002] ハイブリッド型エンジンにあって、エンジンのフライホイールにジェネレータ Zモータ を搭載する事例は、既に乗用車やバス、トラックなどの商用車にて実用化されている
。ノ、イブリツドの動力源としては、エンジンに PTOを設けて専用の発電機を搭載する ことも考えられるが、フライホイールとジェネレータ Zモータとを一体ィ匕する構成は、二 つの機能を共有ィ匕することで部品点数が低減されると共に、発電機搭載の車両スぺ ースが小さくて済むなどの利点がある。そのため、本明細書にあってはクランク軸に 一体に固設されるフライホイールもジェネレータ Zモータの構成部材の一部として取 り扱っている。
[0003] ところで、フライホイールはクランク軸に直結されているため、このフライホイールに モータロータを固定すると、フライホイールの面振れや芯振れの影響を受けて、モー タロータの回転精度が低下し、ステータコアの磁極とのエアギャップ管理が極めて難 しくなる。これを解決する手段としては、ダンバを介した後にモータ用の軸受構造を持 つことが望ましいが、軸方向にコンパクトな構造とする必要性から、ダンバや軸受の構 造、あるいはステータコアの固定方法など様々な改良が試みられている。また、ステ ータコアの磁極とモータロータとの間のエアギャップを極端に大きくすることによって、 仮に面振れや芯振れが発生してもモータの磁気回路に影響を与えないようにするこ とも一般的なアプローチとして挙げることができる。しかしながら、このようにエアギヤッ プを大きくするとモータとしての出力が低下すると共に発電効率も低くなる。
[0004] ステータコアの磁極とモータロータとの間のエアギャップをステータの位置を調整す ることにより管理しょうとする試み力 例えば特開平 7— 241050号公報 (特許文献 1) によって提案されている。この特許文献 1によれば、図 15に示すように、フライホイ一
ルハウジング 110の内周面に沿ってステータコア 120が配されている。このステータ コア 120はフライホイールノヽウジング 110に固設されたステータリングにより固定支持 されている。前記ステータコア 120が配されるフライホイールハウジング 110の周方向 位置には複数のギャップ調整用ボルト 111が等ピッチでねじ込まれて 、る。同ギヤッ プ調整用ボルト 111のフライホイールハウジング 110の内周面からの突出量を調整 することにより、ステータコア 120の外周面を押し合って、ステータコア 120の磁極と モータロータとの間のエアギャップを調整し、ギャップが正確に得られた段階でステ ータコア 120をステータリングを介してフライホイールハウジング 110に仮止め用ボル ト 112をもって仮止めする。次いで、固定用ボルト 113をもって前記ステータリングを フライホイールハウジング 110に固設する。
[0005] 近年、このようなハイブリット型エンジンの採用は、省エネルギー、低騒音、エンジン の排ガス低減など環境改善が実現できることから、各種の土木建設機械にも搭載しよ うとする機運が高まってきている。例えば、特開 2003— 235208号公報 (特許文献 2 )によれば、図 16に示すように、建設機械の油圧ポンプ Pを駆動する内燃エンジン E のフライホイール 130の外周面又は内周面にロータ磁石 131を設置し、ロータ磁石 1 31に対向してステータコイル 132をフライホイールハウジング 133の内周面、あるい はフライホイールハウジング 133又はエンジンケースに取り付けられたフランジ付き円 筒状機枠の外周面に設置することにより、フライホイール 130の外周部又は内周部に アシスト用モータ Zジェネレータを組込む。
特許文献 1:特開平 7— 241050号公報
特許文献 2:特開 2003 - 235208号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 上記特許文献 1に開示されたノヽイブリット型エンジンによれば、モータロータとステ ータコアとの間のエアギャップを調整した直後であれば、ある程度の初期性能は得ら れるものの、重量物であるステータコアの位置決め保持をギャップ調整用ボルトの先 端のみにて行っているため、ステータコアとステータリングとの間の固定の仕方如何 では、長期間の使用により、ステータコアがステータリンダカ 離脱して軸方向に倒れ
たり、あるいは特に車載状態で強い振動を受けると、ステータとボルトの点接触部に おいて磨耗や陥没が発生してしまい、経時劣化に伴いステータコアを保持すること自 体が困難になってしまう。また、ロータヨークを外周部に直接固設したフライホイール は、クランクシャフトにキーなどにより直接結合されているため、クランクシャフトの振動 あるいはフライホイールが持つ面振れや芯振れの影響を受けて、ロータヨークの回転 精度が低下し、相変わらずステータコアの磁極との間のエアギャップを管理すること を難しくして ヽる。
[0007] 一方、上記特許文献 2に開示されたノ、イブリット型エンジンにあっても、フライホイ一 ルの外周部にロータ磁石を固設しており、またフライホイールの中心部をクランタシャ フトに直接固設しているため、クランクシャフトの振動やフライホイールが持つ、面振 れ、芯振れが、そのままロータ磁石の回転精度に反映されるため、エアギャップを大 きく設定せざるを得ない。このため、モータ効率及び発電効率が著しく低下すること になる。例えば、これらの効率が低下しない程度のエアギャップを設定した場合には 、前記回転精度の悪化に基づきトルクリプルや発電むらにつながる。
[0008] 本発明は、こうした課題を克服すべく開発されたものであり、その目的は簡単な構 造にてステータコアとモータロータとの間のエアギャップ精度を確保して、所望のモー タ効率及び発電効率が得られるハイブリッド型エンジンのジェネレータ Zモータを提 供することにある。
課題を解決するための手段
[0009] 前記目的は、本発明の主要な構成である、エンジンのクランク軸部と油圧ポンプ又 はトランスミッションとの間に配されるエンジンの補助動力源としてのジェネレータ Zモ ータであって、モータハウジングに固設されたリング状のステータコアと、前記クランク 軸と協動して回転し、前記ステータコアの内周面と所定の間隙をおいて対設されたリ ング状のロータヨーク、同ロータヨークを固定支持するロータフランジ、及び同ロータ フランジの中心部に配される筒状軸部を有するモータロータとを備えてなり、前記口 一タフランジが軸受を介して前記モータハウジングの支持部に回転可能に支持され るとともに、前記モータロータの前記筒状軸部には前記クランク軸部とスプライン結合 するためのスプライン溝が形成されてなることを特徴とするエンジンのジェネレータ z
モータにより効果的に達成される。
[0010] 好適な態様によれば、前記軸受は環状のボールベアリングであり、前記ボールベア リングは、前記モーターハウジングの軸受支持部と前記ロータヨークに設けられた軸 受支持面との間に固設されている。また、前記モータロータの筒状軸部の一端には 前記クランク軸部とスプライン結合するためのスプライン溝が形成され、他端には油 圧ポンプ又はトランスミッションと結合するためのスプライン溝が形成されていることが 好ましい。なお、前記モータロータの筒状軸部と前記ロータフランジとが別個に形成 され、筒状軸部と前記ロータフランジとをスプライン結合してもよいが、両者を一体物 として製作してちょい。
[0011] 更に具体的な態様によれば、前記筒状軸部が第 1及び第 2の軸体を有し、前記第 1 軸体は、その中央部に前記第 1の外歯スプライン溝を有するとともに、そのエンジン 側端部に前記第 2軸体の一端部とスプライン結合する第 1の内歯スプライン溝を有し てなり、前記第 2軸体は、その一端部に前記第 1軸体の前記第 1の内歯スプライン溝 とスプライン結合する第 3の外歯スプライン溝を有するとともに、その他端部に前記ク ランク軸部とスプライン結合する前記第 2の外歯スプライン溝を有している。
[0012] 前記筒状軸部の前記第 2の外歯スプラインとは反対側の軸端部に前記油圧ポンプ 又はトランスミッションの入力軸とスプライン結合する第 2の内歯スプライン溝を有して いる。更に、前記クランク軸部が、クランク軸に固設一体ィ匕されたフライホイールを備 えており、前記筒状軸部の前記第 2の外歯スプラインが前記フライホイールの内歯ス プラインとスプライン結合されている。また、前記クランク軸部が、クランク軸に固設ー 体化され中心部に前記第 2のスプラインが遊挿される貫通穴を有するフライホイール を備えており、前記筒状軸部のエンジン側端部に形成された前記第 2の外歯スプライ ン溝が、前記クランク軸部の前記クランク軸に形成された内歯スプライン溝と直接的 にスプライン結合されて 、る。
発明の効果
[0013] 本発明に係る上記ハイブリッド型エンジンのジェネレータ Zモータは、モータロータ を剛体であるモータハウジングの支持部に軸受を介して回転可能に支持する。その 結果、モータロータの回転には面振れや芯振れが生じることがない。一方、モータ口
ータとエンジンのクランク軸部との間には筒状軸部が配されて、クランク軸部の振動を モータロータに直接伝達しないようにしている。特に、筒状軸部とのクランク軸部との 間の連結を、スプライン結合により連結している。このスプライン結合は、その嚙合歯 の設計次第で加工精度を容易に調整できる。本発明にあっては、前記スプライン結 合には微小なクリアランスを持たせて嵌め合いに自由度を与えている。このクリアラン スにより、例えばクランク軸がエンジン部の振動を受けて芯振れを起こしたとしても、 その芯振れの影響は筒状軸部を介して減衰されモータロータの回転精度が長く維持 され、ステータコアとの間のエアギャップを長期間にわたって一定に保持する。その 結果、本発明に係るジェネレータ Zモータはモータ効率及び発電効率の低下がな ヽ
[0014] 本発明にあって、筒状軸部を介しての複数のスプライン結合させるとき、好適には それぞれのスプライン結合部にぉ 、て独立してスプライン歯が形成して 、る。そのた め、各スプライン結合部は互いに直接的な影響を受けることが防止され、独自の動き で筒状軸部とクランク軸部との間、筒状軸部とモータロータとの間で独自の伝動がな される。
[0015] 本発明におけるクランク軸部とは、エンジンのクランク軸自体である場合と同クランク 軸に固設一体ィ匕されたフライホイールをも含む場合がある。この場合のフライホイ一 ルは、エンジンの回転効率を高めると同時にジェネレータの回転効率をも高めること から、エンジン及びジェネレータ/モータの双方の構成部材を兼ねることになる。また 、筒状軸部はモータロータ力 独立している場合、し力も単独である場合と、第 1及び 第 2軸体力も構成される場合とがある。或いは、モータロータと一体ィ匕していてもよい 。こうした構成による各種の組み合わせによって、上記筒状軸部とクランク軸とが直接 スプライン結合する場合と、筒状軸部と前記フライホイールとがスプライン結合される 場合とがある。
[0016] いずれにしても、本発明にあってはモータロータを剛体であるモータハウジングの 一部に軸受を介して回転可能に支持するとともに、少なくともモータロータとクランク 軸部との間で、筒状軸部を介してスプライン結合により連結するため、上述のようにモ ータロータに対してクランク軸部で発生する振動や、フライホイールの面振れ、芯振
れなどの影響を最小限に止めることができ、モータロータに安定した回転精度が得ら れる。
図面の簡単な説明
[図 1]本発明の第 1実施形態であるハイブリッド型エンジンに搭載されるジェネレータ zモータの縦断面図である。
[図 2]同ジェネレータ Zモータの構成部材の一つであるモータハウジングをポンプ側 力 見た斜視図である。
[図 3]前記モータハウジングをエンジン側力も見た斜視図である。
[図 4]前記ジェネレータ Zモータの構成部材の一つであるコイルが卷装された前記ス テータコアをポンプ側から見た平面図である。
[図 5]前記ジェネレータ Zモータの構成部材の一つであるモータロータのロータフラン ジをポンプ側から見た斜視図である。
[図 6]前記モータロータのロータコアの斜視図である。
[図 7]同ロータコアに取り付ける羽根車の斜視図である。
[図 8]本発明の重要な構成部材の一つである筒状軸部をポンプ側力 見た斜視図で ある。
[図 9]同筒状軸部をエンジン側力 見た斜視図である。
[図 10]上記モータハウジングの構成部材の一つである軸受フランジのエンジン側から 見た斜視図である。
[図 11]本発明の第 2実施形態であるハイブリッド型エンジンに搭載されるジェネレータ Zモータの縦断面図である。
[図 12]本発明の第 3実施形態であるハイブリッド型エンジンに搭載されるジェネレータ Zモータの縦断面図である。
[図 13]本発明の第 4実施形態であるジェネレータ Zモータに適用されるロータフラン ジをエンジン側力も見た斜視図である。
[図 14]同ロータフランジをポンプ側から見た斜視図である。
[図 15]従来のハイブリッド型エンジンに搭載されるジェネレータ Zモータの一部破断 した正面図である。
圆 16]従来のハイブリッド型建設機械の動力源の概略説明図である, 符号の説明
1 クランク軸
la 内歯スプライン
2 油圧ポンプ又はトランスミッションの入力軸
2a 外歯スプライン
3 リード線
10 モータハウジング
11 ハウジング本体
11a, l ib 油供給口
12 枠部
13 連通路
14 閉塞部材
16 油溜め部
17 端子接続部
18 コネクタ
19 リング状フランジ
0 ステータコア
1 突部
2 ローノレピン
3 コイル
0 モ1 ~~タロ' ~~々
1 ロータフランジ
2 ヨーク支持部
2a, 35a ボルト揷通孔
2b 軸受支持面
3 スプライン結合部
3a スプライン歯
環状円板部 ロータヨーク 誘導子a ボルト
b ナット
羽根車a 本体
b 羽根 (突条)c ボルト揷通孔
筒状軸部
第 1の外歯スプライン 第 2の外歯スプライン 第 1の内歯スプライン 段付きリテーナ パネリング 締付けボルト 第 2内歯スプライン 第 3外歯スプライン 軸受フランジ 軸受支持部材a 軸受支持面
軸受 内輪 外輪
0 フライホイ一ノレ1 内歯スプライン2 ボルト挿通孔3 締結ボルト
104 スタータ用リングギア
EH エンジンハウジング
PH ポンプハウジング
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下、本発明の代表的な実施形態を図面に基づき具体的に説明する。図 1は本発 明の第 1実施形態を示すジェネレータ Zモータの軸線を通る縦断面図である。図 2〜 図 9は同ジェネレータ Zモータの主な構成部材の斜視図である。本実施形態による ジェネレータ Zモータは、主に油圧ショベル等の建設機械に適用されるハイブリッド 型のエンジンに搭載されるジェネレータ Zモータを例示する力 他の自動車分野や 一般の産業機械分野、或いは船舶などの大型エンジンなどに広く適用できる。
[0020] これらの図からも理解できるように、図示実施例におけるジェネレータ Zモータの主 な構成部材は、モータハウジング 10、同モータハウジング 10の内壁面に固設される リング状のステータコア 20、ステータコア 20の内周面に対設されるモータロータ 30、 モータロータ 30の中心穴に揷通して同モータロータ 30を回転支持するモータロータ 30の構成部材の一部である筒状軸部 40、前記モータハウジング 10の後述する反ェ ンジン側の周側面に固設される軸受フランジ 50、及び同軸受フランジ 50の軸受支持 面 51aと前記モータロータ 30の軸受支持面 51aとの間に介装される軸受 60を備えて いる。前記モータロータ 30は、環状のロータフランジ 31と、同ロータフランジ 31の外 周面に密着支持されるリング状のロータヨーク 35とから構成され、前記筒状軸部 40 が前記ロータフランジ 31の中心穴に揷通されてロータフランジ 31を回転支持してい る。以上の構成部材が前記モータハウジング 10に組み込まれたのち、そのエンジン 側の端部をエンジンノヽウジング EHに固設一体ィ匕するとともに、その油圧ポンプ又は トランスミッション側の端部をポンプハウジング PHに固設一体ィ匕する。
[0021] 前記モータハウジング 10は、図 2及び図 3に示すように、ハウジング本体 11の全体 が薄型円筒状を呈し、その下端に逆二等辺三角形状の枠部 12が連設されている。 ノ、ウジング本体 11の下端部と枠部 12とは一部連通路 13を介して連通している。前 記枠部 12のエンジン側の端面はエンジンハウジング EHにより閉塞され、油圧ポンプ 側の端面は閉塞部材 14により閉塞して、内部に油溜め部 16を形成する。図 3に示す
ように、ハウジング本体 11の上壁部の 2箇所に設けられた油供給口 11a, l ibを通し て油が供給され、ハウジング内を流下して前記油溜め部 16およびモータハウジング 1 0内の下部に溜められる。エンジンが回転すると、ジェネレータ Zモータの内部に配 される構成部材、特に上記モータロータ 30の外周部がモータハウジング 10の下部に 溜った油面に接触しながら回転し、油がモータロータ 30の回転とともにモータハウジ ング 10の内部を循環する。ステータコア 20に卷装された後述するコイル 23はモータ ハウジング 10の下部に溜った油の一部に浸漬されている。また本実施形態にあって は、図 2に示すように前記モータハウジング 10の上部周面の後方側領域に 6本のコィ ル端子を図示せぬインバータに接続する端子接続部 17を有している。
[0022] 前記ステータコア 20は、図 4に示すように、リング状部材カもなり、その内周面には 中心に向けて周方向に所定のピッチで多数の極となる突部 21が突設されており、各 突部 21の周面には、 3本のコイル 23が常法に従って順次卷装される。本実施形態で は、前記突部 21は総計 36個突出しており、 3相 12極の SRモータを構成する。このス テータコア 20は、図 1に示すように、ハウジング本体 11の内周面にロールピン 22をも つて固設される。また、 6本の前記コイル端子は前記ハウジング本体 11の周面に形 成された上記端子接続部 17に挿通される。この端子接続部 17にて前記コイル端子 力 Sコネクタ 18を介して外部の交流電源力も伸びているリード線 3の端子と接続される
[0023] 上記ロータフランジ 31は環状部材力 なり、図 1及び図 5に示すように、その外周部 に上記ロータヨーク 35を固定支持するヨーク支持部 32を有し、その中心部に上記筒 状の筒状軸部 40とスプライン結合するスプライン結合部 33を有しており、その中間 部には前記ヨーク支持部 32及びスプライン結合部 33を連結するドーナツ状円板部 3 4を有している。このヨーク支持部 32、スプライン結合部 33及びドーナツ状円板部 34 は一体に铸造される。ドーナツ状円板部 34の外周に配される前記ヨーク支持部 32 は軸線に平行な断面が L字状を呈しており、同ヨーク支持部 32には方形断面をもつ 前記ロータヨーク 35が、複数のボルト 37aとナット 37bによって締付け固定される。そ のため、ヨーク支持部 32及びロータヨーク 35には、前記ボルト 37aを揷通させるため の複数のボルト揷通孔 32a, 35aが形成されて!、る。
[0024] 前記ロータフランジ 31の中央に形成される上記スプライン結合部 33は、軸線方向 に所要の長さをもつ中心部を貫通する穴の内周面の全周に軸方向に平行に並んだ 複数のスプライン歯 33aが形成されて 、る。このスプライン歯 33aは上記筒状軸部 40 の中央部外周面に形成された第 1外歯スプライン 41とスプライン結合する。
[0025] 上記リング状のロータヨーク 35は、図 6に示すように、外周面の周方向に所定のピッ チをもって多数の誘導子 36が突設されており、その内周面が上記ロータフランジ 31 の外周面に外嵌固定される。本実施形態にあっては、上述のごとくステータコア 20の 内周面に突設されて磁極を構成する突部 21の総計が 36個であるのに対して、前述 のごとくロータヨーク 35の誘導子 36の数は 24として、ステータコア 20の磁極(突部 21 )とロータヨーク 35の対面する誘導子 36との間にピッチ差をつけている。
[0026] 因みに、本実施形態におけるヨーク支持部 32及びロータヨーク 35のボルト揷通孔 3 2a, 35aは 8個形成されている。このとき、図 7に示すリング状の羽根車 38をロータョ ーク 35のエンジン側端面とポンプ側端面とに前記ボルト 37a及びナット 37bによって 同時に締結一体ィ匕する。この羽根車 38は、モータハウジング 10の上壁部に形成さ れた上記冷却油供給口 11a, l ibから流下する冷却油をその周面部で受けて、外周 面の周方向に所定のピッチをもって突出する 16個の突条 (羽根) 38bをもって保持す るとともに、回転中の遠心力をもって周辺に配されたステータコア 20に卷装されたコ ィル 23の端部の内側半部全面に満遍なく放射して冷却効率を向上させる。羽根車 3 8の本体 38aには前記ボルト 37aを揷通するためのボルト揷通孔 38cがヨーク支持部 32及びロータヨーク 35のボルト揷通孔 32a, 35aと同様に 8個形成されている。
[0027] 本実施形態による前記筒状の筒状軸部 40は、図 1、図 8及び図 9に示すように、単 独の軸部材力 構成され、中央部、ポンプ側端部、エンジン側端部の順で段部を介 して順次小径に形成されている。その中央外周部には、前述のようにモータロータ 3 0のスプライン結合部 33とスプライン結合する第 1の外歯スプライン 41が形成されて おり、最も小径のエンジン側端部外周面にはエンジンのクランク軸 1とスプライン結合 する第 2の外歯スプライン 42が形成され、中間径をもつポンプ側端部には油圧ボン プの入力軸 2とスプライン結合する第 1の内歯スプライン 43が形成されている。前記 エンジン側端部は中実の構造とされている。従って、この実施形態では前記エンジン
のクランク軸 1の中心部には内歯スプライン laが形成されるとともに、前記油圧ポンプ の入力軸 2の外周面には外歯スプライン 2aが形成されて、筒状軸部 40の各端部とそ れぞれがスプライン結合する。
[0028] 上記モータハウジング本体 11のポンプ側端面には中心に向けて一体に延設され たリング状フランジ 19を有しており、同リング状フランジ 19の内周部に環状の上記軸 受フランジ 50の外周部が固設一体ィ匕される。この軸受フランジ 50は、図 1及び図 10 に示すように、縦断面が上下に長い L字状を呈している。その外周部分が前記リング 状フランジ 19に内周部外側表面に形成された周方向に連続する切欠き部に嵌め込 まれ、図示せぬ複数のボルト、ナットによって締結固定される。本実施形態にあって は、前記リング状フランジ 19と軸受フランジ 50とを別体に形成している力 モータハ ウジング 10の製作時にリング状フランジ 19と軸受フランジ 50とを一体に形成すること もできる。つまり、この軸受フランジ 50はモータハウジング 10の構成部材の一部とな つている。
[0029] 前記軸受フランジ 50の内周部分は軸線と平行にエンジン側に延びて軸受支持部 材 51を構成する。軸受 60の内輪 61を支持する前記軸受支持部材 51の軸受支持面 51aは、図 1に示すように軸受支持部材 51の内周面である。一方、前記軸受 60の外 輪 62は、上記モータロータ 30の外周部に形成したヨーク支持部 32のポンプ側内周 面に形成された軸受支持面 32bに固定支持される。本発明にあって、モータロータ 3 0の中心部を通常の回転軸と一体回転するように固設することなぐモータロータ 30 の外周部を剛体力もなるモータハウジング 10の一部に軸受 60を介して回転可能に 支持することは、モータロータ 30の回転中心を固定することに等しぐその回転中心 部を上述のようにエンジン側の回転とポンプ側の回転とを可逆的に伝達可能な上記 筒状軸部 40によりスプライン結合にて連結することと相まって、モータロータ 30の回 転精度を向上させるうえで極めて有効な構成となる。
[0030] 次に、上記構成をもつジェネレータ Zモータの各構成部材をエンジンと油圧ポンプ 又はトランスミッションに組み付ける手順を具体的に説明する。まず、上記軸受フラン ジ 50の軸受支持部材 51と上記ロータフランジ 31の軸受支持面 32bとの間に軸受 60 を固設するとともに、この軸受 60を介してロータフランジ 31と一体ィ匕された前記軸受
フランジ 50の外周部を、モータハウジング 10のリング状フランジ 19の内周縁部にボ ルトとナットをもって固設する。このとき、モータハウジング 10の内周面には、 3本のコ ィル 23を卷装したステータコア 20が既に固設されている。ここで、前記ロータフラン ジ 31の中心部に形成されたスプライン結合部 33に、筒状軸部 40の中央外周部に形 成された第 1の外歯スプライン 41が嵌め込まれると同時に、同筒状軸部 40の端部に 形成された第 2の外歯スプライン 42をクランク軸 1に形成された内歯スプライン laに 挿入する。続いて、前記筒状軸部 40の前記第 2の外歯スプライン 42とは反対側の端 部に形成された第 1の内歯スプライン 43と、油圧ポンプ又はトランスミッションの入力 軸 2の他端部に形成された外歯スプライン 2aとをスプライン結合させたのち、油圧ポ ンプ又はトランスミッションのハウジング PHをモータハウジング 10にボルトをもって固 設して組付けが完了する。
[0031] こうしてエンジンと油圧ポンプ又はトランスミッションとの間に組み込まれた本発明の ジェネレータ Zモータにあっては、上述のごとくモータロータ 30が、エンジンのクラン ク軸 1と油圧ポンプ又はトランスミッションの入力軸 2との間に配されてスプライン結合 により連結された筒状軸部 40に同じくスプライン結合により支持されるとともに、モー タロータ 30のロータフランジ 31が軸受 60を介してモータハウジング 10の軸受フラン ジ 50によって強固に支持されることになる。その結果、軸受 60にはエンジン力ものト ルク変動を直接受けにくい構造となるため、軸受 60の寿命を延ばすことができるばか りでなぐそのメンテナンスも容易となる。
[0032] こうして軸受 60により回転中心が確保されたモータロータ 30は、エンジン回転時に 最も振動するクランク軸 1に 2段のスプライン結合を介して連結されるため、クランク軸 1の振動による影響が極めて小さくなり、殆ど芯振れがない高精度な回転をする。こ の高精度の回転により、モータハウジング 10に固設されたステータコア 20とロータフ ランジ 31に固設されたロータコア 35との間のエアギャップが一定に維持され、所望の 発電効率及びモータ効率が得られる。
[0033] 図 11は、本発明の第 2実施形態を示している。この第 2実施形態によるジエネレー タ Zモータと上記第 1実施形態によるジェネレータ Zモータとの異なる構成は、第 1実 施形態には装着されていなかったフライホイール 100をエンジンのクランク軸 1に固
設している点である。フライホイール 100の外周にはスタータ用リングギア 104が固設 されている。このフライホイール 100の装着は、単にエンジンの回転効率を高めるだ けに止まらず、同時に本発明のジェネレータ zモータの発電及びモータ効率を高め る機能を備えている。そのため、このフライホイール 100はエンジン側の構成部材で あるとともに本発明のジェネレータ Zモータの構成部材でもある。さらに、フライホイ一 ル外周部に固設されたスタータ用リングギヤ 104はスタータ始動用ギヤの機能を備え るに止まらず、ジェネレータ zモータはエンジン始動時にモータ動作をもするため、 それ自体でスタータ機能を有しており、寒冷地での始動性向上のためには、従来の スタータを別途設置して、両者を協動させることがさらに好ましい。
[0034] また本実施形態では、第 1実施形態においてクランク軸に形成された内歯スプライ ン laに代えて、前記フライホイール 100の中心部に内歯スプライン 101を形成して、 同内歯スプライン 101と上記筒状軸部 40の第 2外歯スプライン 42とをスプライン結合 させている。そのため、フライホイール 100の内歯スプライン 101と筒状軸部 40の第 2 外歯スプライン 42との結合部の構成が僅かに異なって 、る。第 2実施形態のそれ以 外の構成は、上記第 1実施形態と実質的に異なるところがない。従って、以下の説明 では上記第 1実施形態と異なる部分に別の符号を付しているが、実質的に同じ部材 には同一符号を付すとともに同一の部材名を用いて 、る。
[0035] 前記フライホイール 100の中央部には内歯スプライン 101が形成されている。この 内歯ススプライン 101には、上記筒状軸部 40のエンジン側端部に形成された第 2の 外歯スプライン 42が嵌め込まれてスプライン結合する。しかし、このスプライン結合だ けでは筒状軸部 40がフライホイール 100に対して軸方向に動く。本実施形態では前 記筒状軸部 40のエンジン側端部の軸中心にネジ孔 42aが切られており、その軸端 面に形成された円形凹陥部 42bに段付きリテーナ 44をパネリング 45を介して嵌着さ せて、前記段付きリテーナ 44を締付けボルト 46により筒状軸部 40の軸端面に固着さ せる。このとき、前記パネリング 45の外周端縁を前記フライホイールの内歯スプライン 101の内周面に形成されたリング状の溝部に嵌着させることにより、上記筒状軸部 40 とフライホイール 100との間の相対的移動を止めている。
[0036] フライホイール 100の前記内歯スプライン 101の周囲には複数のボルト揷通孔 102
が形成されており、フライホイール 100は、前記ボルト挿入孔 102を介してクランク軸 1の端面に形成されたボルト孔 lbに締結ボルト 103をネジ込むことにより同クランク軸 1に固定一体ィ匕される。次いで、内周面にステータコア 20を固設したモータハウジン グ 10にモータロータ 30を組み込み、同モータロータ 30の中心部の内歯スプライン結 合部 33を前記筒状軸部 40の第 1外歯スプライン 41に嵌め合わせたのちに、上記第 1実施形態と同様に、モータハウジング 10をエンジンノヽウジング EHに固設する。続 いて、筒状軸部 40の前記第 2外歯スプライン 42とは反対側の軸端の第 1内歯スプラ イン 43にポンプ側の入力軸 2の外歯スプライン 2aを嵌め込むとともに、ポンプハウジ ング PHをモータハウジング 10に締結ボルトをもって固設する。
[0037] 以上の構成を採用することにより、フライホイール 100によりエンジン回転及びジェ ネレータ Zモータの回転効率が一段と向上するば力りでなぐエンジン回転時にクラ ンク軸 1に固設されたフライホイール 100に面振れや芯振れが生じたとしても、フライ ホイール 100と筒状軸部 40との第 1段のスプライン結合と、同筒状軸部 40とモータ口 ータ 30との第 2段のスプライン結合により、モータロータ 30の回転にはフライホイール 100の前記面振れや芯触れの影響が殆どなくなる。その上に、モータロータ 30が剛 体であるモータハウジングの一部に軸受 60を介して回転可能に支持されているため 、モータロータ 30の回転中心が不動となり、よりモータロータ 30の回転精度を高めて いる。その結果、本実施形態によるジェネレータ Zモータの発電効率及びモータ効 率が一段と向上する。
[0038] 図 12は、本発明の第 3実施形態であるジェネレータ Zモータを示している。本実施 形態によるジェネレータ Zモータが上記第 1実施形態と異なるところは第 2実施形態 と同様にフライホイール 100がクランク軸 1に固設されている点であり、同時に上記第 2実施形態とも異なるところは筒状軸部 40が第 1軸体 40aと第 2軸体 40bとから構成さ れている点である。
[0039] 本実施形態における前記第 1軸体 40aと上記第 1及び第 2実施形態の筒状軸部 40 とは一部の構造が異なるだけで、その構造はほぼ同一である。すなわち第 1軸体 40a は、その中央部に第 1の外歯スプライン 41を有しており、ポンプ側の軸端部には油圧 ポンプ又はトランスミッションの入力軸 2とスプライン結合する第 1の内歯スプライン 43
を有している。本実施形態における第 1軸体 40aと上記第 1及び第 2実施形態の筒状 軸部 40とで異なる部分は、第 1軸体 40aは全長にわたり中空であって、そのエンジン 側の軸端部に上記第 2軸体 40bのポンプ側軸端部に形成された第 3の外歯スプライ ン 48とスプライン結合する第 2の内歯スプライン 47が形成されている点と、エンジン 側軸端部と油圧ポンプ又はトランスミッション側の軸端部とが同一径とされている点で ある。
[0040] 一方、前記第 2軸体 40bは全長が同一径の丸棒材料から形成され、そのポンプ側 軸端部には、前述のように前記第 1軸体 40aのエンジン側軸端部に形成された第 2の 内歯スプライン 47とスプライン結合するための第 3の外歯スプライン 48が形成されて いる。また、同第 2軸体 40bのエンジン側軸端部にも、上記第 1実施形態と同様に、 エンジンのクランク軸 1の中心部に形成された内歯スプライン laとスプライン結合する ための外歯スプラインが形成されている。従って、この外歯スプラインは上記第 1実施 形態における第 2の外歯スプライン 42と実質的に変わるところがない。こうして、クラン ク軸 1と第 1軸体 40aとは第 2の軸体 40bの両端部を介して、それぞれをスプライン結 合して連結される。このとき、本実施形態にあっては、クランク軸 1に一体化された前 記フライホイール 100の中央孔部 104にはスプラインは形成されておらず、同中央孔 部 104の径は前記第 2の軸体 40bの径よりも僅かに大きく設定され、同中央孔部 104 に前記第 2の軸体 40bが遊挿され 、るに過ぎな、、。
[0041] 力かる構成を備えた本実施形態によるジェネレータ Zモータをエンジンと油圧ボン プ又はトランスミッションとの間に組み込むには、第 1及び第 2実施形態と同様に、予 めモータハウジング 10とモータロータ 30とを軸受 60を介して一体化したのち、モータ ロータ 30の中心部に形成された内歯スプラインが形成されたスプライン結合部 33に 前記第 1軸体 40aの第 1外歯スプライン 41を嵌め込んでスプライン結合させる。このと き、第 2軸体 40bの第エンジン側軸端部の第 2外歯スプライン 42をクランク軸 1の内歯 スプライン laに嵌め込んでおく。次に、前記第 1軸体 40aのエンジン側軸端部に形成 された第 2の内歯スプライン 47に、前記第 2軸体 40bのポンプ側軸端に形成された第 3の外歯スプライン 48を嵌め込んでスプライン結合させながら、モータハウジング 10 をエンジンハウジング EHに締結ボルトをもって固定する。続いて、圧力ポンプ又はト
ランスミッションの入力軸 2の外歯スプライン 2aと前記第 1軸体のポンプ側軸端部の第 1内歯スプライン 43とをスプライン結合させるとともに、ポンプノヽウジング PHをモータ ハウジング 10に締結ボルトにより固定して組付けが完了する。
[0042] 以上の構成を備えることにより、クランク軸 1とモータロータ 30と力 第 1及び第 2の 軸体 40a, 40bを介して 3段のスプライン結合により連結されると同時に、モータロー タ 30とフライホイール 100との直接的な連結が絶たれるため、フライホイール 100の 面振れや心振れなどの振動の影響が更に伝わりにくくなり、モータロータ 30の回転 精度が更に向上し、ジェネレータ Zモータの発電効率及びモータ効率を極限まで高 めることができる。
[0043] 図 13及び図 14は、本発明の第 4実施形態であるジェネレータ Zモータに適用され るロータフランジを示しており、図 13はエンジン側から見た斜視図、図 14はポンプ側 力 見た斜視図である。
[0044] 上述の第 1〜第 3実施形態では、全てがロータフランジ 31と筒状軸部 40とを別個に 製作しており、両者を内歯スプラインと外歯スプラインとによスプライン結合している。 これに対して、本実施形態では前記ロータフランジ 31と筒状軸部 40とを、例えば铸 造により一体ィ匕して製作して 、る。本発明に係る上記ハイブリッド型エンジンのジエネ レータ Zモータは、モータロータ 30を剛体であるモータハウジング 10のヨーク支持部 32に軸受 60を介して回転可能に支持する。その結果、モータロータ 30の回転には 面振れや芯振れが生じることがない。なお、本実施形態における他の構成は、上記 第 1〜第 3実施形態の対応する構成を採用することができる。そのため、図 13及び図 14に示した符号も、上記第 1〜第 3実施形態の部材に対応する部分には同じ符号を 付している。
[0045] 本実施形態によるロータフランジ 31と筒状軸部 40とは、前述のように一体ィ匕されて おり、ロータフランジ 31の中央部の左右表面から直接突設された前記筒状軸部 40の 内周面には、図示せぬポンプ側の入力軸と一部でスプライン結合する多数の第 1の 内歯スプライン 43が全長にわたって軸線に平行に形成されている。前記筒状軸部 4 0のエンジン側端部に向けて突設された軸部の外周面は平坦とされ、筒状軸部 40の エンジン側端部に向けて突設された軸部の外周面に図示せぬエンジンのクランク軸
に形成した内歯スプラインとスプライン結合する第 2外歯スプライン 42が形成されて いる。
[0046] このように、本実施形態にあっても、モータロータ 30とエンジンのクランク軸部との間 には筒状軸部 40が介装されている。ただし、本実施形態では、ロータフランジ 31と筒 状軸部 40とを、前述のように一体ィ匕している。そして、前記筒状軸部 40とクランク軸 部との間を、上記第 1〜第 3実施形態と同様に、スプライン結合をもって連結している 。そのため、クランク軸部の振動がモータロータ 30に直接伝達しないようにされている 。このようなスプライン結合では、その嚙合歯の設計次第で加工精度が容易に調整 することができる。
[0047] 本実施形態にあっても、筒状軸部 40とクランク軸との間のスプライン結合には微小 なクリアランスを持たせて嵌め合いに自由度を与えている。このクリアランスにより、例 えばクランク軸がエンジン部の振動を受けて芯振れを起こしたとしても、その芯振れ の影響は中間軸を介して減衰されモータロータの回転精度が長く維持され、ステータ コアとの間のエアギャップを長期間にわたって一定に保持する。その結果、本実施形 態によるジェネレータ Zモータにあってもモータ効率及び発電効率が低下するような ことがない。