JP6081072B2 - ハイブリッドシステムの動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本開示の技術は、内燃機関と回転電機とを併用するハイブリッドシステムの動力伝達装置に関する。
近年、車輪の駆動動力源として内燃機関と回転電機とを搭載するハイブリッドシステムの普及が進んでいる。例えば、ハイブリッド自動車の動力伝達装置としては、従来から、特許文献1に記載のように、内燃機関の出力軸と回転電機の回転軸とが直接に連結され、回転電機の回転軸とトランスミッションとの間にクラッチが配置される構造を有するものが知られている。こうした動力伝達装置の一例について、図3を参照して説明する。図3は、動力伝達装置の断面構造を示す断面図である。
図3に示されるように、回転電機100は、ハウジングに固定されたステータ110と、ステータ110の内側に配置されてステータ110との間に所定のエアギャップを有するロータ120と、ロータ120に連結された回転軸130とを備えている。回転軸130における軸方向の一端部は、ボルト140による締結で内燃機関の出力軸であるクランク軸150に固定され、回転軸130における軸方向の他端部は、ボルト160による締結でフライホイール170に固定されている。
こうした構成によれば、クランク軸150の回転トルクが回転軸130に与えられると、回転軸130とロータ120とフライホイール170とが1つの剛体のように回転する。そして、フライホイール170の回転は、クラッチ180を介して、トランスミッションに繋がる入力軸190に伝達される。すなわち、回転電機100が電動機として機能する場合には、ロータ120の回転に伴って回転軸130が回転することにより、内燃機関の駆動によるクランク軸150の回転が補助されて入力軸190に伝達される。一方、回転電機100が発電機として機能する場合には、クランク軸150の回転に伴って回転軸130及びロータ120が回転して発電が行われるとともに、クランク軸150の回転が回転軸130を介して入力軸190に伝達される。
特開2009−35192号公報
ところで、内燃機関が駆動されると、ピストンの往動と復動とがクランク軸の回転に変換される際に、クランク軸の周方向と交差する方向への振動がクランク軸に発生する。このとき、上述の図3に記載の動力伝達装置においては、クランク軸150と回転軸130とが剛体であるボルト140によって連結されているため、クランク軸150の振動が回転軸130に直接伝わることとなる。すなわち、回転軸130の周方向と交差する方向に回転軸130が振動し、これに伴ってロータ120もロータ120の周方向と交差する方向に振動する。その結果、ステータ110とロータ120との間のエアギャップの大きさが変動することになり、このことが回転電機100の性能の低下を招く要因になっている。
なお、こうした回転軸の回転方向と交差する方向への振動は、ステータとロータとの間のエアギャップの変動の他に、例えば、ハウジングが回転軸を支持するための支持構造への負荷を大きくしてしまうという問題も生じる。
本開示の技術は、このような実情に鑑みてなされたものであり、回転電機の回転軸の振動を抑制することの可能なハイブリッドシステムの動力伝達装置を提供することを目的とする。
本開示におけるハイブリッドシステムの動力伝達装置の態様の一つは、内燃機関のクランク軸に連結されたフライホイールと、ベアリングを介して回転軸を支持するハウジング
を有する回転電機と、前記フライホイールと前記回転軸とを連結するフレックスプレートとを備え、前記回転軸は、前記ベアリングを介して前記ハウジングに支持される第1の端部と、前記ハウジングを貫通する貫通孔を通じ、前記フライホイール側にて、前記ハウジングの外側に位置する第2の端部とを備え、前記第2の端部は、前記フライホイールの中心に形成された逃げ孔に入る小径部と、前記小径部から前記ハウジングの内部に向けて延びる大径部とを備え、前記小径部と前記大径部との段差からなる前記大径部の端面に、前記フレックスプレートが連結される。
本開示のハイブリッドシステムの動力伝達装置の態様の一つによれば、内燃機関のクランク軸の回転トルクがフライホイールとフレックスプレートとを介して回転電機の回転軸に伝達される一方、クランク軸の周方向と交差する方向への振動がフレックスプレートの弾性変形によって吸収される。それゆえに、ベアリングを介してハウジングに支持される回転軸に対し、周方向と交差する方向への振動がクランク軸から伝わることを抑制することができるため、回転軸の振動を抑えることが可能となる。したがって、回転軸の振動に起因したステータとロータとの間のエアギャップの変動を抑えることが可能となる。
本開示におけるハイブリッドシステムの動力伝達装置の態様の一つによれば、フレックスプレートと連結された端部とは反対側の端部において、回転軸がベアリングを介してハウジングに支持される。回転軸の一端部がベアリングで支持される構造では、ベアリングに支持される一端部が固定端として回転軸が振動しやすくなる。この点、上記の態様では、固定端となる端部の反対側の端部がフレックスプレートに連結されるから、回転軸における1つの端部が固定端となるモードの振動が効果的に抑えられる。言い換えれば、回転軸とハウジングとの支持構造を回転軸の一端部における軸受構造で実現することが可能となる。
また、回転軸のフライホイール側の端部に形成された小径部が逃げ孔に入っていることにより、クランク軸と回転軸の軸心を合わせることが容易となる。また、フレックスプレートが、回転軸の小径部と大径部との段差からなる大径部の端面に連結されていることにより、フレックスプレートが回転軸の外周面に固定される態様と比べて、回転軸に対するフレックスプレートの組み付けも容易となる。
本開示におけるハイブリッドシステムの動力伝達装置の態様の一つでは、前記回転軸は、前記回転電機を構成するロータに直接連結されている。
本開示におけるハイブリッドシステムの動力伝達装置の態様の一つによれば、回転軸とロータが直接連結されているため、回転軸とロータが各種の連結部材を介して連結される態様に比べて、回転軸とロータとの連結に必要となる部品数を削減することが可能となる。したがって、クランク軸の周方向と交差する方向への振動が回転軸に伝わることを抑制しつつも、動力伝達装置としての軸方向への小型化が可能となる。
本開示におけるハイブリッドシステムの動力伝達装置の態様の一つは、前記フレックスプレートを第1のフレックスプレートとし、前記第1のフレックスプレートとは異なるフレックスプレートであって、前記回転電機を構成するロータと前記回転軸とを連結する第2のフレックスプレートを備える。
本開示におけるハイブリッドシステムの動力伝達装置の態様の一つによれば、回転軸の回転トルクがロータに伝達される一方、回転軸の周方向と交差する方向への振動は、第2のフレックスプレートの弾性変形によって吸収される。したがって、回転軸の周方向と交差する方向への振動がロータに伝わることを抑制することができ、且つ、回転軸の振動に起因したステータとロータとの間のエアギャップの変動を抑えることが可能となる。
本開示におけるハイブリッドシステムの動力伝達装置の第1の実施形態について、その断面構造を示す断面図。 本開示におけるハイブリッドシステムの動力伝達装置の第2の実施形態について、その断面構造を示す断面図。 従来例におけるハイブリッドシステムの動力伝達装置の断面構造を示す断面図。
(第1の実施形態)
以下、本開示におけるハイブリッドシステムの動力伝達装置の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。本実施形態の動力伝達装置は、ハイブリッド自動車に搭載される動力伝達装置であって、先の図3に示される動力伝達装置と同様、内燃機関の出力軸と回転電機の回転軸とが直接に連結され、回転電機の回転軸とトランスミッションとの間にクラッチが配置される構造を有している。
まず、内燃機関と回転電機とを連結する構成について説明する。図1に示されるように、内燃機関の出力軸であるクランク軸10の端面には、軸方向に突出する円筒形の突部10aが形成されている。突部10aの周囲には、円板状をなす内燃機関側フライホイール11が配置され、内燃機関側フライホイール11の中央部には、突部10aが嵌め込まれるクランク軸側円筒孔12aと、クランク軸側円筒孔12aよりも小さい径を有する逃げ孔である回転軸側円筒孔12bとが形成されている。これらクランク軸10と内燃機関側フライホイール11とは、クランク軸側円筒孔12aよりも径方向の外側で、ボルト13による締結で連結されている。
内燃機関側フライホイール11における回転電機16側には、薄い円板状をなす内燃機関側フレックスプレート14が連結されている。内燃機関側フレックスプレート14の中央部には、クランク軸側円筒孔12aと略同径の円形孔である中心孔14aが形成されている。内燃機関側フレックスプレート14は、内燃機関側フライホイール11の回転方向には回転トルクの伝達に十分な剛性を有する一方、クランク軸10の軸方向の成分やクランク軸10の径方向の成分を有するクランク軸10の曲げ方向には弾性変形する形状を有している。これら内燃機関側フライホイール11と内燃機関側フレックスプレート14とは、各々の外周側の端部にて、ボルト15による締結で連結されている。
回転電機16のハウジング50には、クランク軸10と同一の軸心を有する多段の円柱形状をなす回転軸17が通されている。回転軸17は、ハウジング50における内燃機関側の側面に形成された貫通孔50aに隙間を空けて通されてハウジング50を貫通する大径部17aと、大径部17aから内燃機関側に延び大径部17aよりも小さい径を有する小径部17bとから構成されている。小径部17bは、内燃機関側フライホイール11の回転軸側円筒孔12bの径と略等しい内径を有し、内燃機関側フレックスプレート14の中心孔14aを貫通して内燃機関側フライホイール11の回転軸側円筒孔12bに挿入されている。大径部17aにおける内燃機関側フライホイール11側の端面には、ハウジング50の外側に配置され、大径部17aと小径部17bとの段差からなる段差面が形成されている。この大径部17aの段差面は、回転軸17の径方向に広がる平坦面であり、内燃機関側フレックスプレート14の内周部とボルト18の締結によって連結されている。
こうした構成にあって、内燃機関側フライホイール11と内燃機関側フレックスプレート14とは、内燃機関のクランク軸10及び回転電機16の回転軸17よりも、その径が大きく形成され、クランク軸10及び回転軸17の径方向の外側に広がる態様にて、これらクランク軸10と回転軸17とを連結している。
次に、回転軸17の周辺の構成を中心に、回転電機16の構成について説明する。回転軸17におけるクラッチ側の端部は、ハウジング50に固定された回転軸ベアリング19によって支持されている。この回転軸17の外周には、回転軸17の外周面と隙間を空けた円筒形状をなすロータフランジ20が配置されている。ロータフランジ20は、その内燃機関側とクラッチ側の端部を、ハウジング50に固定されたフランジベアリング21,22によってそれぞれ支持されている。ロータフランジ20の筒内から外側に突出する回転軸17の部分のうち、ロータフランジ20のクラッチ側には、回転軸17とロータフランジ20とを連結する2つのクラッチ側フレックスプレート23,24が連結されている。
第1クラッチ側フレックスプレート23は、内燃機関側フレックスプレート14の外径よりも小さい外径からなる金属製の円板形状をなし、その中央部には、回転軸17の挿通される円形孔である中心孔23aが形成されている。第1クラッチ側フレックスプレート23は、内燃機関側フレックスプレート14と同様に、回転軸17の回転方向には回転トルクの伝達に十分な剛性を有する一方、回転軸17の軸方向の成分や回転軸17の径方向の成分を有する回転軸17の曲げ方向には弾性変形可能に形成されている。こうした第1クラッチ側フレックスプレート23の内周部は、中心孔23aに挿通された回転軸17の大径部17aのうち、径方向の外側に突出する部分であるプレート固定部17cに、ボルト25の締結によって連結されている。
第1クラッチ側フレックスプレート23のロータフランジ20側には、第2クラッチ側フレックスプレート24が配置されている。第2クラッチ側フレックスプレート24は、これもまた内燃機関側フレックスプレート14の外径よりも小さい外径からなる金属製の円板形状をなし、その中央部には、回転軸17の挿通される円形孔である中心孔24aが形成されている。第2クラッチ側フレックスプレート24の外周部と第1クラッチ側フレックスプレート23の外周部との間には、回転軸17の軸方向に延びるスリーブ26が挟まれ、スリーブ26の内部には、第1クラッチ側フレックスプレート23と第2クラッチ側フレックスプレート24とを締結によって連結するボルト27が通されている。第2クラッチ側フレックスプレート24は、第1クラッチ側フレックスプレート23と同様に、回転軸17の回転方向には回転トルクの伝達に十分な剛性を有する一方、回転軸17の軸方向の成分や回転軸17の径方向の成分を有する回転軸17の曲げ方向には弾性変形可能に形成されている。こうした第2クラッチ側フレックスプレート24の内周部は、ボルト28の締結によってロータフランジ20に連結されている。
ロータフランジ20における内燃機関側フレックスプレート14側には、ロータフランジ20の外周面にて径方向の外側に突出するロータ固定部20aが、ロータフランジ20の周方向の全体に形成されている。ロータフランジ20の外周であって、ロータ固定部20aのクラッチ側には、円筒形状をなすロータ29が配置されている。ロータ29は、ロータフランジ20のロータ固定部20aに、ボルト30の締結によって連結されている。ロータ29の外周には、回転電機16におけるハウジング50の内部に固定される円筒形状をなすステータ31が配置されている。
次に、回転電機16とクラッチ32とを連結する構成について説明する。クラッチ側フライホイール33は、回転軸17よりも大きい外径を有する円板形状に形成され、クラッチ側フライホイール33の中央部には、円形孔33aが形成されている。そして、クラッチ側フライホイール33の内周部は、ボルト34の締結によって回転軸17に固定されている。クラッチ側フライホイール33の回転軸17と反対側には、トランスミッションに繋がる入力軸35が、クラッチ側フライホイール33の円形孔33aに固定されたベアリング36を介して連結されている。さらに、この入力軸35には、クラッチ板37が取り付けられている。
次に、このように構成される本実施形態の動力伝達装置において、クランク軸10の回転トルクが内燃機関側フライホイール11に与えられた場合の動力の伝達の態様を説明する。
まず、回転電機16が発電機として機能する場合には、内燃機関の駆動によるクランク軸10の回転が、内燃機関側フライホイール11、内燃機関側フレックスプレート14、回転軸17の順に伝達されて回転軸17が回転する。さらに、回転軸17の回転は、第1クラッチ側フレックスプレート23、第2クラッチ側フレックスプレート24、ロータフランジ20、ロータ29の順に伝達されてロータ29が回転し、このロータ29の回転によって回転電機16にて発電が行われる。また同時に、回転軸17の回転は、クラッチ側フライホイール33に伝達され、このクラッチ側フライホイール33の回転が、クラッチ32によって断続して入力軸35に伝達される。
一方、回転電機16が電動機として機能する場合には、ロータ29の回転が、ロータフランジ20、第2クラッチ側フレックスプレート24、第1クラッチ側フレックスプレート23、回転軸17の順に伝達されて回転軸17が回転する。そして、回転軸17が回転することにより、内燃機関の駆動によるクランク軸10の回転が補助されてクラッチ側フライホイール33に伝達され、このクラッチ側フライホイール33の回転が、クラッチ32によって断続して入力軸35に伝達される。
ここで、クランク軸10と回転軸17との動力伝達経路上に介在する内燃機関側フレックスプレート14は、上述のように、回転方向には回転トルクの伝達に十分な剛性を有する一方、クランク軸10の軸方向の成分やクランク軸10の径方向の成分を有するクランク軸10の曲げ方向には弾性変形可能に形成されている。それゆえに、クランク軸10から内燃機関側フライホイール11を介して伝達された回転トルクは、回転軸17に伝達される。一方、クランク軸10から内燃機関側フライホイール11を介して伝わるクランク軸の周方向と交差する方向への振動は、内燃機関側フレックスプレート14の弾性変形によって吸収される。結果として、クランク軸10の周方向と交差する方向への振動が回転軸17に伝わることを抑制することができる。またこのとき、内燃機関側フレックスプレート14が、回転軸17の大径部17aと小径部17bとの段差からなる大径部17aの端面に固定されている。そのために、回転軸17の外周面に固定される態様と比べて、内燃機関側フレックスプレート14の構造そのものの簡素化を図ることが可能となり、また、内燃機関側フレックスプレート14の組み付けも容易となる。
なお、上述のように、回転軸17の一端部が回転軸ベアリング19で支持される構造では、回転軸ベアリング19に支持される一端部が固定端として回転軸17が振動しやすくなる。この点、上記の態様では、固定端となる端部の反対側の端部が内燃機関側フレックスプレート14に連結されるから、回転軸17における1つの端部が固定端となるモードの振動が効果的に抑えられる。言い換えれば、回転軸17とハウジング50との支持構造を回転軸17の一端部における軸受構造で実現することが可能となる。
さらに、回転軸17とロータ29との動力伝達経路上にも、クラッチ側フレックスプレート23,24が介在しているため、回転軸17の回転トルクがロータ29に伝達される一方、回転軸17の周方向と交差する方向への振動は、クラッチ側フレックスプレート23,24の弾性変形によって吸収される。したがって、回転軸17からロータ29に周方向と交差する方向への振動が伝わることを抑制することができる。
また、ロータフランジ20の両端部がフランジベアリング21,22によってそれぞれ支持されているため、これによってもロータ29が周方向と交差する方向へ振動することを抑えることができる。
以上のように、本実施形態の動力伝達装置によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)クランク軸10の回転トルクが内燃機関側フライホイール11と内燃機関側フレックスプレート14とを介して回転軸17に伝達される一方、クランク軸10の周方向と交差する方向への振動は、内燃機関側フレックスプレート14の弾性変形によって吸収される。そのため、クランク軸10の周方向と交差する方向への振動が、回転軸ベアリング19に支持される回転軸17に伝わることを抑制することができ、回転軸17の振動を抑えることが可能となる。
(2)特に、回転軸17のうち、内燃機関側フレックスプレート14と連結された端部とは反対側の端部において、回転軸17がハウジング50に支持されることとなる。そのため、内燃機関側フレックスプレート14を有しない構成と比べて、内燃機関側フレックスプレート14による振動の吸収が、より顕著なものとなる。
(3)回転軸17の周方向と交差する方向への振動が若干とは言え生じる場合であっても、クラッチ側フレックスプレート23,24の弾性変形によって、こうした振動も吸収される。それゆえに、回転軸17の振動に起因したステータ31とロータ29との間のエアギャップの変動を抑えることが可能となる。
(4)回転軸17の小径部17bが逃げ孔に挿入されるから、クランク軸10と回転軸17の軸心を合わせることが容易となる。また、小径部17bと、該小径部17bからハウジング50の内部に向けて延びる大径部17aとの段差からなる大径部17aの端面に、内燃機関側フレックスプレート14が連結されるから、内燃機関側フレックスプレート14が回転軸17の外周面に固定される態様と比べて、その組み付けも容易となる。
(第2の実施形態)
以下、本開示のハイブリッドシステムの動力伝達装置の第2の実施形態について、図2を参照して説明する。なお、本実施形態の動力伝達装置も、ハイブリッド自動車に搭載される動力伝達装置であって、その基本的な構成は第1の実施形態と同等である。そのため、図2において、第1の実施形態と実質的に同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。
図2に示されるように、本実施形態の動力伝達装置では、回転電機16のロータ29と回転軸17との連結の態様が、第1の実施形態と異なっている。以下、この点について詳しく述べる。
図2に示されるように、回転軸17には、ロータ29が固定される部分であるロータ固定部17dが、回転軸17の外周面から径方向の外側に突出している。ロータ固定部17dを含め、回転軸17は一体成型により形成されている。そして、このロータ固定部17dとロータ29とが、ボルト30の締結によって連結されている。すなわち、本実施形態では、回転軸17とロータ29とが直接連結されている。これにより、ロータフランジ、クラッチ側フレックスプレート、フランジベアリング、及びこれらの部材を連結するためのボルトが不要となるため、部品数を削減して動力伝達装置としての軸方向への長さを短くすることが可能となる。
したがって、内燃機関側フレックスプレート14の弾性変形によって、クランク軸10から回転軸17に周方向と交差する方向への振動が伝わることを抑制しつつも、動力伝達装置としての軸方向への小型化が可能となる。
以上のように、本実施形態の動力伝達装置によれば、第1の実施形態の(1),(2),(4)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(5)回転電機16を構成するロータ29と回転軸17とが直接連結されているため、回転軸17とロータ29が各種の連結部材を介して連結される態様に比べて、回転軸17とロータ29との連結に必要となる部品数を削減することができる。また、回転軸17とロータ29が各種の連結部材を介して連結される態様に比べて、これらの連結に必要とされる構造の簡素化を図ることが可能であり、ひいては、動力伝達装置としての軸方向への長さを短くすることが可能となる。また、回転軸17の軸方向における長さが短くなるから、回転軸17の周方向と交差する方向への振動の振幅も小さくなる。
なお、上記の各実施形態は、例えば以下のような形態にて実施することもできる。
・上記の各実施形態において、回転軸17は、内径が軸方向の全体で等しい円柱形状であってもよく、あるいは、回転軸17にて内燃機関側の部分が大径部であり、回転軸17にてクラッチ側の部分が小径部であってもよい。要は、回転軸17は、回転軸17のうち、ハウジング50から内燃機関側に出る部分に、内燃機関側フレックスプレート14が連結される構造であればよい。
・上記の各実施形態において、内燃機関側フレックスプレート14は、回転軸17の外周面にボルトの締結によって連結される構成であってもよく、要は、内燃機関側フライホイール11と回転軸17とを連結する構成であればよい。
・上記第1の実施形態において、第1クラッチ側フレックスプレート23,第2クラッチ側フレックスプレート24のいずれか一方を割愛し、割愛したフレックスプレートに代えて通常の剛性を有する金属板を介して回転軸17とロータフランジ20とを連結するようにしてもよい。
・上記第2の実施形態において、回転軸17は一体成型により形成されるものとしたが、例えば、別部材として形成されたロータ固定部17dと大径部17aとを結合して回転軸17とするようにしてもよい。
・上記の各実施形態において、回転軸17を支持するベアリングは、ハウジング50における内燃機関側に配置されてもよい。
・上記の各実施形態において、各フレックスプレートは、2枚以上を重ねて用いるようにしてもよい。
・上記の各実施形態では、回転電機16が発電機として機能する場合として、内燃機関の駆動によってクランク軸10が回転する場合を想定したが、その他、車両の減速時等、回生が働く場合にも回転電機16は発電機として機能する。
・上記の各実施形態では、ハイブリッドシステムとしてハイブリッド自動車が例示されているが、これに限らず、ハイブリッドシステムは、建機や船舶等であってもよく、要は、駆動動力源として内燃機関と回転電機とを備えるシステムであればよい。
10,150…クランク軸、11…内燃機関側フライホイール、14…内燃機関側フレックスプレート、16,100…回転電機、17,130…回転軸、17a…大径部、17b…小径部、19…回転軸ベアリング、20…ロータフランジ、21,22…フランジベアリング、23…第1クラッチ側フレックスプレート、24…第2クラッチ側フレックスプレート、29,120…ロータ、31,110…ステータ、32,180…クラッチ、33…クラッチ側フライホイール、35,190…入力軸、37…クラッチ板、50…ハウジング、50a…貫通孔。

Claims (3)

  1. 内燃機関のクランク軸に連結されたフライホイールと、
    ベアリングを介して回転軸を支持するハウジングを有する回転電機と、
    前記フライホイールと前記回転軸とを連結するフレックスプレートとを備え、
    前記回転軸は、
    前記ベアリングを介して前記ハウジングに支持される第1の端部と、
    前記ハウジングを貫通する貫通孔を通じ、前記フライホイール側にて、前記ハウジングの外側に位置する第2の端部とを備え、
    前記第2の端部は、
    前記フライホイールの中心に形成された逃げ孔に入る小径部と、
    前記小径部から前記ハウジングの内部に向けて延びる大径部とを備え、
    前記小径部と前記大径部との段差からなる前記大径部の端面に、前記フレックスプレートが連結される
    ハイブリッドシステムの動力伝達装置。
  2. 前記回転軸は、前記回転電機を構成するロータに直接連結されている
    請求項に記載のハイブリッドシステムの動力伝達装置。
  3. 前記フレックスプレートを第1のフレックスプレートとし、
    前記第1のフレックスプレートとは異なるフレックスプレートであって、前記回転電機を構成するロータと前記回転軸とを連結する第2のフレックスプレートを備える
    請求項に記載のハイブリッドシステムの動力伝達装置。
JP2012069330A 2012-03-26 2012-03-26 ハイブリッドシステムの動力伝達装置 Active JP6081072B2 (ja)

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