JP2008106632A - 二輪車用スタータモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成でヨークの変形を防止すると共に、マグネットの接着剤の液垂れを効果的に防止できるようにする。
【解決手段】二輪車用のスタータモータ1は、ステータ2のヨーク21の内周にマグネット24が接着剤で固定されている。さらに、ヨーク21の内周にリング25が固定されることで、ヨーク21の剛性が増大させられている。リング25は、マグネット24の端面24Aに近接して配置され、リング25の端面25Aには接着剤の液溜まり26が形成されており、接着剤の液垂れが防止されている。
【選択図】図1
【解決手段】二輪車用のスタータモータ1は、ステータ2のヨーク21の内周にマグネット24が接着剤で固定されている。さらに、ヨーク21の内周にリング25が固定されることで、ヨーク21の剛性が増大させられている。リング25は、マグネット24の端面24Aに近接して配置され、リング25の端面25Aには接着剤の液溜まり26が形成されており、接着剤の液垂れが防止されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、二輪車のエンジン始動用のスタータモータに関する。
スタータモータには、円筒形のヨークの内周に界磁用のマグネットを接着剤で固定し、ヨークの両端の開口部のそれぞれをブラケットで閉鎖したものがある。例えば、従来のスタータモータにおけるヨークとブラケットの接合部は、印籠結合を用いることが知られている。具体的には、ヨークの端部の外周を他の部分の外周より小径にし、ブラケットの端部の内周をヨークの端部を受け入れ可能に拡大させた構造になっている。ここで、特許文献1に開示されているスタータモータでは、インロー部を内側に突出させて、肉厚がヨークの他の部分と同じ肉厚になるにしている。インロー部を肉厚を増大させることでヨークの開口部の変形が防止され、アーマチュアとマグネットの干渉を防止される。
実開平6−25224号公報
ところで、近年、スタータモータは小型軽量、かつ高出力であることが求められており、このような要求を満足させるためには、例えば極数を増やしたり、ヨークやマグネットを肉薄にしたり、マグネットカバーを廃止する等の検討がなされている。
しかしながら、ヨークやマグネットを薄型化すると、ヨークの強度が低下して変形し易くなる。ヨークが変形すると、真円度が低下してマグネットに負荷がかかったり、アーマチュアに干渉したりする原因になる。また、マグネットカバーを廃止すると、マグネットをヨークに固定する接着剤の垂れを規制できなくなるので、組み付け作業の効率が低下してしまう。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でヨークの変形を防止すると共に、マグネットの接着剤の液垂れを効果的に防止できるようにすることを主な目的とする。
しかしながら、ヨークやマグネットを薄型化すると、ヨークの強度が低下して変形し易くなる。ヨークが変形すると、真円度が低下してマグネットに負荷がかかったり、アーマチュアに干渉したりする原因になる。また、マグネットカバーを廃止すると、マグネットをヨークに固定する接着剤の垂れを規制できなくなるので、組み付け作業の効率が低下してしまう。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でヨークの変形を防止すると共に、マグネットの接着剤の液垂れを効果的に防止できるようにすることを主な目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、円筒形を有するヨークの内周にマグネットを固定し、前記ヨークの端部をブラケットで閉塞した二輪車用スタータモータにおいて、前記ヨークの強度を向上させるリングを前記マグネットの固定位置を避けて前記ヨークの略全周にわたって設けたことを特徴とする二輪車用スタータモータとした。
この二輪車用スタータモータでは、ヨークに接するようにリングを設けることで、ヨークの剛性を高めている。リングは、マグネットの配置位置を避けて設けられており、スタータモータの外径が大きくなることはない。
この二輪車用スタータモータでは、ヨークに接するようにリングを設けることで、ヨークの剛性を高めている。リングは、マグネットの配置位置を避けて設けられており、スタータモータの外径が大きくなることはない。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の二輪車用スタータモータにおいて、前記リングは、ヨークの内周面に固定されていることを特徴とする。
この二輪車用スタータモータは、補強部材としてのリングがヨークの内周面に固定されているので、ヨークの剛性が高まる。ヨークを変形させるためには、ヨークとリングの固定をせん断するだけの力が必要になるので、その分だけヨークの剛性が高まる。
この二輪車用スタータモータは、補強部材としてのリングがヨークの内周面に固定されているので、ヨークの剛性が高まる。ヨークを変形させるためには、ヨークとリングの固定をせん断するだけの力が必要になるので、その分だけヨークの剛性が高まる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の二輪車用スタータモータにおいて、前記リングは、前記マグネットの端部に近接して固定され、前記マグネットの端部と前記リングの間に前記マグネットの接着剤の液溜まりが形成されていることを特徴とする。
この二輪車用スタータモータは、接着剤の液溜まりによってマグネットの接着面積が増えると共に、マグネットの端部に接着剤を周み込ませることができる。
この二輪車用スタータモータは、接着剤の液溜まりによってマグネットの接着面積が増えると共に、マグネットの端部に接着剤を周み込ませることができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の二輪車用スタータモータにおいて、前記リングは、前記マグネットの端部に近接する周縁部が周方向に凹凸を有することを特徴とする。
この二輪車用スタータモータは、マグネットに臨むリングの周縁部が凹凸形状になっているので、接着剤の保持に寄与する表面積が増大する。
この二輪車用スタータモータは、マグネットに臨むリングの周縁部が凹凸形状になっているので、接着剤の保持に寄与する表面積が増大する。
請求項5に係る発明は、請求項3に記載の二輪車用スタータモータにおいて、前記リングは、ラビリンス構造の切り欠きを有することを特徴とする。
この二輪車用スタータモータは、ラビリンス構造の切り欠きを有することで、ヨークへの装着が容易になる。また、ラビリンス構造が接着剤の液垂れを防止する。
この二輪車用スタータモータは、ラビリンス構造の切り欠きを有することで、ヨークへの装着が容易になる。また、ラビリンス構造が接着剤の液垂れを防止する。
請求項6に係る発明は、請求項3に記載の二輪車用スタータモータにおいて、前記リングは、中心軸に向かって延設されたツバを有することを特徴とする。
この二輪車用スタータモータは、リングにツバを設けることでリング自体の剛性が増大する。また、ツバによって接着剤の保持に寄与する表面積が増大する。
この二輪車用スタータモータは、リングにツバを設けることでリング自体の剛性が増大する。また、ツバによって接着剤の保持に寄与する表面積が増大する。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の二輪車用スタータモータにおいて、前記リングは、前記ヨークの端部に配置され、前記ブラケットと前記ヨークに挟み込まれていることを特徴とする。
この二輪車用スタータモータは、ヨークとブラケットの間に挿入されたリングがヨークに変形荷重を伝達する部分の剛性を増大させる。
この二輪車用スタータモータは、ヨークとブラケットの間に挿入されたリングがヨークに変形荷重を伝達する部分の剛性を増大させる。
本発明によれば、ヨークに接するように配置されたリングによってヨークの剛性が増大する。このため、ヨークを肉薄にした場合であってもヨークの変形を防止できる。なお、リングにマグネットの接着剤の液溜まりを形成した場合には、接着剤の液垂れが防止されて製造時の組み付け作業が容易になる。
(第一の実施の形態)
本発明の第一の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、二輪車用スタータモータ(以下、スタータモータという)1は、ステータ2内にアーマチュア3が回転自在に配置されている。ステータ2の両端部には、フロントブラケット4とリアブラケット5がセットボルト6で取り付けられている。セットボルト6は、フロントブラケット4側から挿通され、リアブラケット5に形成された雌ねじ5Aにねじ込まれている。このスタータモータ1は、自動二輪車のエンジン始動用に用いられ、その回転軸10がエンジン(不図示)のクランクシャフトに連結される。
本発明の第一の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、二輪車用スタータモータ(以下、スタータモータという)1は、ステータ2内にアーマチュア3が回転自在に配置されている。ステータ2の両端部には、フロントブラケット4とリアブラケット5がセットボルト6で取り付けられている。セットボルト6は、フロントブラケット4側から挿通され、リアブラケット5に形成された雌ねじ5Aにねじ込まれている。このスタータモータ1は、自動二輪車のエンジン始動用に用いられ、その回転軸10がエンジン(不図示)のクランクシャフトに連結される。
アーマチュア3は、回転軸10にアーマチュアコア11とコンミテータ12が固定されている。アーマチュアコア11のスロットには、コイル13が巻装されている。コンミテータ12は、回転軸10の一方の端部に配設され、周方向に複数のセグメント14を有する。各セグメント14にコイル13の巻線13Aが電気的に接続されている。
ステータ2は、円筒状のヨーク21を有する。ヨーク21の両端部には、各ブラケット3,4に印籠接合させるためのインロー部22A,22Bが形成されている。インロー部22A,22Bは、切削加工によって外径を減少させた形状を有する。インロー部22A,22Bの外周には、シールリング23が嵌め込まれている。
ヨーク21の内周面には、界磁用のマグネット24が複数配置されている。マグネット24は、例えば、エポキシ樹脂などの公知の接着剤でヨーク21に固定されている。
ヨーク21の内周面には、界磁用のマグネット24が複数配置されている。マグネット24は、例えば、エポキシ樹脂などの公知の接着剤でヨーク21に固定されている。
さらに、ヨーク21の内周面で、マグネット24の固定位置を避けてインロー部22B側の端部寄りの位置には、補強部材であるリング25が装着されている。図2に示すように、リング25は、円環状の部材からなる。その外径は、ヨーク21の内径に略等しく、ヨーク21に挿入可能になっている。リング25の肉厚は、マグネット24の厚さに比べて十分に小さい。
図1に示すように、リング25は、マグネット24の端部24Aに近接して配置されており、マグネット24に面するリング25の端面25Aに接着剤の液溜まり26が形成されている。液溜まり26は、マグネット25をヨーク21に固定する際に滴下された接着剤の余剰分から形成されている。液溜まり26によって、マグネット24の端面24Aと、リング25の端面25Aとが接着剤で接着されている。
図1に示すように、リング25は、マグネット24の端部24Aに近接して配置されており、マグネット24に面するリング25の端面25Aに接着剤の液溜まり26が形成されている。液溜まり26は、マグネット25をヨーク21に固定する際に滴下された接着剤の余剰分から形成されている。液溜まり26によって、マグネット24の端面24Aと、リング25の端面25Aとが接着剤で接着されている。
フロントブラケット4は、例えば、アルミダイカストから製造されており、中央にアーマチャ3を通す孔31が形成されている。孔31内には、ベアリング32とガスケット33が装着されている。さらに、フロントブラケット4には、スラストサポート34と、2枚のワッシャ35が挿入されており、スラストサポート34をフロントブラケット4と回転軸10のCリング15との間に挟持させることで、アーマチュア3のスラスト方向の力を受けている。フロントブラケット4の外周部には、ヨーク21のインロー部22Aに印籠結合される接合部36が形成されている。接合部36の外周は、ヨーク21の外周に略等しい。接合部36の内周は、がたつきが生じない範囲でインロー部22Aの外周に対して若干大きくても良い。
リアブラケット5は、例えば、アルミダイカストから製造されており、ベアリング41の圧入によってアーマチュア3の端部を回転自在に支持している。リアブラケット5には、ブラシホルダ42がコンミテータ14を囲むように周方向に複数固定されている。各ブラシホルダ42には、ブラシ43が1つずつ収容されている。ブラシ43は、スプリング44によって中心に向けて付勢されており、アーマチュア3のコンミテータ14に摺接している。ブラシホルダ42からは、ピグテール45が延びており、ピグテール45を介してブラシ43と給電端子46が電気的に接続されている。給電端子46は、インシュレータ47を介してリアブラケット5に固定されており、不図示の電源に接続されている。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
ステータ2を製造するときは、ヨーク21にリング25を固定し、リング25側を下にしてマグネット24をヨーク21の内周に接着する。マグネット24とヨーク21の間に注入された接着剤は、一部がリング25の端面25A上に滴り落ちて液溜まり26を形成する。液溜まり26が形成されることで、接着剤の液垂れが防止される。また、液溜まり26によって、接着剤がマグネット24の下側の端面24Aにも回り込む。この状態で、接着剤を硬化させると、マグネット24の外周面がヨーク21内周に、下側の端面24Aがリング25にそれぞれ固定される。
スタータモータ1を組み立てるときは、ステータ2にアーマチュア3を挿通させた状態で両ブラケット4,5を印籠接合し、セットボルト6で締め付ける。接着剤の液垂れが防止されているので、組み付け不良が発生することなく、容易に作業が行える。
ステータ2を製造するときは、ヨーク21にリング25を固定し、リング25側を下にしてマグネット24をヨーク21の内周に接着する。マグネット24とヨーク21の間に注入された接着剤は、一部がリング25の端面25A上に滴り落ちて液溜まり26を形成する。液溜まり26が形成されることで、接着剤の液垂れが防止される。また、液溜まり26によって、接着剤がマグネット24の下側の端面24Aにも回り込む。この状態で、接着剤を硬化させると、マグネット24の外周面がヨーク21内周に、下側の端面24Aがリング25にそれぞれ固定される。
スタータモータ1を組み立てるときは、ステータ2にアーマチュア3を挿通させた状態で両ブラケット4,5を印籠接合し、セットボルト6で締め付ける。接着剤の液垂れが防止されているので、組み付け不良が発生することなく、容易に作業が行える。
スタータモータ1を使用するときは、回転軸10をクランク軸に連結させる。エンジンを始動するときは、給電端子46からブラシ42に給電する。ブラシ42に接しているセグメント14から所定のコイル13に通電され、回転力が発生して回転軸10がクランク軸を回転させる。このとき、ヨーク21に力が加わることがあるが、リング25によってヨーク21の変形が防止される。
この実施の形態では、ヨーク21の内周面で、マグネット25とインロー部22Bの間にリング25を装着することで、ヨーク21の剛性が高められているので、肉薄のヨーク21であっても変形を防止できる。例えば、ヨーク21を変形させるためには、ヨーク21とリング25の間の接着を破断させるようなせん断力が必要になるので、このせん断力に相当する力だけヨーク21の剛性を増大できる。
リング25をマグネット24の近傍に配置したので、リング25とマグネット24の間に接着剤の液溜まり26を形成することが可能になる。液溜まり26によってマグネット24の端面24Aも接着することが可能になるので、マグネット24の固定強度を向上できる。さらに、マグネット24の端面24Aが接着剤でコーティングされるので、マグネット24の割れが防止される。
リング25は、接着剤の液垂れを防止する手段としても機能するので、ブラケット5の組み付け不良などを防止でき、組み立て工数の削減にも寄与する。
このようなリング25は、形状がシンプルでコストが安く、重量増加も少ないので、小型軽量なスタータモータを安価に製造できるようになる。なお、リング25は、ヨーク21のフロントブラケット4側に配置しても良いし、マグネット24を挟むように両方に1つずつ配置しても良い。
リング25をマグネット24の近傍に配置したので、リング25とマグネット24の間に接着剤の液溜まり26を形成することが可能になる。液溜まり26によってマグネット24の端面24Aも接着することが可能になるので、マグネット24の固定強度を向上できる。さらに、マグネット24の端面24Aが接着剤でコーティングされるので、マグネット24の割れが防止される。
リング25は、接着剤の液垂れを防止する手段としても機能するので、ブラケット5の組み付け不良などを防止でき、組み立て工数の削減にも寄与する。
このようなリング25は、形状がシンプルでコストが安く、重量増加も少ないので、小型軽量なスタータモータを安価に製造できるようになる。なお、リング25は、ヨーク21のフロントブラケット4側に配置しても良いし、マグネット24を挟むように両方に1つずつ配置しても良い。
ここで、図3から図5にヨークの全周に略沿って配置され、ヨークの変形を防止する補強部材の変形例を示す。
図3に示すリング51は、波(ギザギザ)状の端部51Aを有する。この端部51Aは、マグネット24の端部24Aに向けて配置される。このリング51は、波形状がストレートな端部に比べて表面積が大きくなることから、接着剤の液溜まりとして機能する部分が多くなる。このように、リング51の周縁部を周方向に沿って凹凸を有する形状にすることで、接着剤の液垂れ防止の性能を向上することができる。
図4に示すリング52は、ラビリンス構造の切り欠き52Aを有する。切り欠き52Aを有することでヨーク21内面への組み付けが容易になる。また、リング52を製造する際に、例えば、板状の部材を湾曲させれば良いので、歩留まりが向上する。切り欠き52Aは、接着剤が垂れた場合の経路を長くする機能も有するので、接着剤の液垂れ防止の性能が向上する。
図5に示すリング53は、円筒状の本体部53Aの一方の端部が中心に向かって一体に延設されたツバ53Bを有する。ツバ53Aによって、リング53の剛性が高まってヨーク21の変形をさらに防止し易くなる。また、ツバ53Bは、余剰な接着剤を受ける受け皿としても機能するので、接着剤の液垂れ防止の性能が向上する。ツバ53Bは、マグネット24の端部24Aに向かって配置することが好ましい。ツバ53Bとマグネット24の端部24Aの距離が近くなって接着剤の液溜まり26でマグネット24の端部24Aを保持し易くなるからである。なお、ツバ53Bは、マグネット24の端部24Aと反対側に向けて配置しても良い。
図3に示すリング51は、波(ギザギザ)状の端部51Aを有する。この端部51Aは、マグネット24の端部24Aに向けて配置される。このリング51は、波形状がストレートな端部に比べて表面積が大きくなることから、接着剤の液溜まりとして機能する部分が多くなる。このように、リング51の周縁部を周方向に沿って凹凸を有する形状にすることで、接着剤の液垂れ防止の性能を向上することができる。
図4に示すリング52は、ラビリンス構造の切り欠き52Aを有する。切り欠き52Aを有することでヨーク21内面への組み付けが容易になる。また、リング52を製造する際に、例えば、板状の部材を湾曲させれば良いので、歩留まりが向上する。切り欠き52Aは、接着剤が垂れた場合の経路を長くする機能も有するので、接着剤の液垂れ防止の性能が向上する。
図5に示すリング53は、円筒状の本体部53Aの一方の端部が中心に向かって一体に延設されたツバ53Bを有する。ツバ53Aによって、リング53の剛性が高まってヨーク21の変形をさらに防止し易くなる。また、ツバ53Bは、余剰な接着剤を受ける受け皿としても機能するので、接着剤の液垂れ防止の性能が向上する。ツバ53Bは、マグネット24の端部24Aに向かって配置することが好ましい。ツバ53Bとマグネット24の端部24Aの距離が近くなって接着剤の液溜まり26でマグネット24の端部24Aを保持し易くなるからである。なお、ツバ53Bは、マグネット24の端部24Aと反対側に向けて配置しても良い。
(第二の実施の形態)
図6を主に参照して第二の実施の形態について詳細に説明する。なお、第一の実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、第一の実施の形態と重複する説明は省略する。
スタータモータ1は、ヨーク21と各ブラケット4,5のそれぞれの間にリング61が配設されている。リング61は、扁平の環状部材であって、その外径は、対応するブラケット4,5の接合部36の内径に略等しい。リング61の内径は、ヨーク21の内径より小さく、アーマチュア3に干渉しない大きさである。しかしながら、ヨーク21の内径に略等しくても良い。リング61の厚さは、ブラケット4,5とヨーク21を接合したときに、リング61を挟んでインロー部22A,22Bと接合部36が突き当たる程度の厚さである。
図6を主に参照して第二の実施の形態について詳細に説明する。なお、第一の実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、第一の実施の形態と重複する説明は省略する。
スタータモータ1は、ヨーク21と各ブラケット4,5のそれぞれの間にリング61が配設されている。リング61は、扁平の環状部材であって、その外径は、対応するブラケット4,5の接合部36の内径に略等しい。リング61の内径は、ヨーク21の内径より小さく、アーマチュア3に干渉しない大きさである。しかしながら、ヨーク21の内径に略等しくても良い。リング61の厚さは、ブラケット4,5とヨーク21を接合したときに、リング61を挟んでインロー部22A,22Bと接合部36が突き当たる程度の厚さである。
スタータモータ1を組み立てる際には、ヨーク21とブラケット4,5でリング61を一つずつ挟み込む。リング61は、マグネット24の固定位置を避け、かつヨーク21の略全周にわたって配置される。ヨーク21をブラケット4,5で挟んでからセットボルト6で締め付けるときに、矢印A1で示すように、変形荷重が発生するが、リング61が介在していることによってヨーク21に変形荷重を伝達する部位(例えば、接合部36)の剛性が高まって、ヨーク21の変形が防止される。リング61は、ヨーク21の一方の端部のみに配置しても良いが、両端部のそれぞれに配置した方がヨーク21の変形をより確実に防げる。
また、リング61を第一の実施の形態のいずれかのリング25,51〜53と共に用いると、ヨーク21の変形をさらに確実に防止できる。
また、リング61を第一の実施の形態のいずれかのリング25,51〜53と共に用いると、ヨーク21の変形をさらに確実に防止できる。
なお、本発明は、前記の各実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
リング25,51,53や、リング61に、切り欠き52Aを設けても良い。
液溜まり26は、必ずしも形成する必要はない。また、リング25,51〜53の端部と、マグネット24の端部24Aとを接着剤を介して接着しなくても良い。このような場合には、リング25,51〜53をヨーク21のさらに端部側に装着することができる。
リング51は、両方の端部に凹凸を設けても良い。凹凸は、径方向に設けてられても良い。
2つ又は3つのピースを組み合わせることでリング25,51〜53や、リング61のような略環状の補強部材を構成しても良い。
リング25,51〜53は、断面の少なくとも一部が屈曲又は湾曲した形状であったり、波状であったりしても良い。
リング25,51,53や、リング61に、切り欠き52Aを設けても良い。
液溜まり26は、必ずしも形成する必要はない。また、リング25,51〜53の端部と、マグネット24の端部24Aとを接着剤を介して接着しなくても良い。このような場合には、リング25,51〜53をヨーク21のさらに端部側に装着することができる。
リング51は、両方の端部に凹凸を設けても良い。凹凸は、径方向に設けてられても良い。
2つ又は3つのピースを組み合わせることでリング25,51〜53や、リング61のような略環状の補強部材を構成しても良い。
リング25,51〜53は、断面の少なくとも一部が屈曲又は湾曲した形状であったり、波状であったりしても良い。
1 スタータモータ
4 フロントブラケット
5 リアブラケット
21 ヨーク
24 マグネット
24A 端部
25,51,52,53,61 リング
26 液溜まり
51A 端部(周方向に凹凸を有する周縁部)
52A 切り欠き
53B ツバ
4 フロントブラケット
5 リアブラケット
21 ヨーク
24 マグネット
24A 端部
25,51,52,53,61 リング
26 液溜まり
51A 端部(周方向に凹凸を有する周縁部)
52A 切り欠き
53B ツバ
Claims (7)
- 円筒形を有するヨークの内周にマグネットを固定し、前記ヨークの端部をブラケットで閉塞した二輪車用スタータモータにおいて、
前記ヨークの強度を向上させるリングを前記マグネットの固定位置を避けて前記ヨークの略全周にわたって設けたことを特徴とする二輪車用スタータモータ。 - 前記リングは、ヨークの内周面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の二輪車用スタータモータ。
- 前記リングは、前記マグネットの端部に近接して固定され、前記マグネットの端部と前記リングの間に前記マグネットの接着剤の液溜まりが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の二輪車用スタータモータ。
- 前記リングは、前記マグネットの端部に近接する周縁部が周方向に凹凸を有することを特徴とする請求項3に記載の二輪車用スタータモータ。
- 前記リングは、ラビリンス構造の切り欠きを有することを特徴とする請求項3に記載の二輪車用スタータモータ。
- 前記リングは、中心軸に向かって延設されたツバを有することを特徴とする請求項3に記載の二輪車用スタータモータ。
- 前記リングは、前記ヨークの端部に配置され、前記ブラケットと前記ヨークに挟み込まれていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の二輪車用スタータモータ。
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JP2006287768A JP2008106632A (ja) | 2006-10-23 | 2006-10-23 | 二輪車用スタータモータ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010124532A (ja) * | 2008-11-17 | 2010-06-03 | Mitsuba Corp | 電動モータ |
KR20180038100A (ko) * | 2016-10-05 | 2018-04-16 | 발레오전장시스템스코리아 주식회사 | 스타트모터 및 그 제조방법 |
JP2018182910A (ja) * | 2017-04-13 | 2018-11-15 | 株式会社ミツバ | 回転電機 |
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2006
- 2006-10-23 JP JP2006287768A patent/JP2008106632A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101887528B1 (ko) | 2016-10-05 | 2018-08-13 | 발레오전장시스템스코리아 주식회사 | 스타트모터 및 그 제조방법 |
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