明 細 書
植物品質向上剤及びその製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、植物の生理障害の抑制や軽減を目的として、植物への葉面散布剤とし て用いる水難溶性植物品質向上剤に関する。
背景技術
[0002] 果榭類、果菜類、葉菜類、根菜類等の植物は、各種ミネラルが欠乏すると様々な障 害が発生することが知られている。例えば、カルシウムが欠乏した場合リンゴではビタ 一ピット、柑橘類では浮き皮、トマトやピーマンでは尻腐れ症、メロンゃスイカでの発 酵果 '変形果、イチゴのチップバーン、レタスや白菜では芯腐れ症、花卉類等での葉 先枯れ等が挙げられる。また、マグネシウムは多量必須要素であり、葉緑素構成の中 心的存在であり、マグネシウムが不足すると、光合成が低下し、食物の生育が衰えて くる。更に、アルカリ土壌を用いて植物を栽培する場合には鉄欠乏症が発生しやすく 様々な障害が発生する。
[0003] また、植物にぉ 、て、カルシウムは細胞壁を構成する等で植物に不可欠な栄養素 であるが、昨今は酸性雨等の影響により土壌が酸性ィ匕し易ぐ非常にカルシウム欠乏 症状を起こし易い状況下にある。この対処方法として、土壌へのカルシウム施肥を行 う方法もある力 カルシウムは植物体内において非常に移動が遅い栄養素であり、土 壌への施肥では植物の特定部位に欠乏症状が発生しても、直ぐに効果を発現させる ことは困難である。この問題の対策として、欠乏する部位に直接カルシウム等を吸収 させるベぐ葉面等にカルシウム剤等を散布する方法が取られている。
[0004] 葉面散布剤としては、従来力 塩ィ匕カルシウムや硝酸カルシウム等の水溶性カルシ ゥムが用いられている力 これらのカルシウム剤は、対イオンである塩素イオンや硝酸 イオンが薬害を引き起こすという問題点を有している。この薬害問題を回避するため に、水溶性のカルシウム剤として、例えば、蟻酸カルシウムを有効成分とするものが 提案されている (例えば、特許文献 1)。この方法の場合、対イオン起因の薬害問題 は解消されるものの、カルシウムの吸収が充分になされているとは言い難ぐ例えば、
りんごのビターピット等の解消に対して、必ずしも十分な効果があるとは言えない状況 である。
[0005] また、クェン酸、リンゴ酸、酒石酸、ダルコン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、マ レイン酸、フマル酸、ダルタコン酸力 なる群より選択される 1種以上の有機酸と炭酸 カルシウムとを含む水溶性の固形剤が提案されている(例えば、特許文献 2)。該方 法は、塩ィ匕カルシウム等の対イオンによる薬害問題を解消するために、カルシウム源 として炭酸カルシウムを使用し、これを溶解するために各種有機酸を用いて水溶化し て用いている。し力しながら、この方法では、水溶液として用いるために、例えば pH が 1. 5等の酸性の水溶液にして使用するため、酸による果実や葉の焼けが発生し易 い問題があり、更に土壌も酸性ィ匕し易い傾向にあるため、必ずしも好ましい方法とは 言えない。
[0006] また、果実の品質向上剤として、平均粒子径が 0. 6 m以上 2. 8 m以下の炭酸 カルシウムに対して、その処理量が 5〜40重量%の水溶性カルシウム塩類、および その処理量が 1〜 10%の展着性有機ポリマーで処理した製剤が提案されている(例 えば、特許文献 3)。この方法の場合、炭酸カルシウムと水溶性カルシウム塩類を水 に懸濁して使用するが、炭酸カルシウムは比重が 2. 7と大きい上、この製剤は、分散 状態が必ずしも良いとは言えず、水懸濁物が容器底部に沈降し易い問題がある。ま た、該製剤を用いた場合の浮き皮防止効果も、前述の問題点により、その効果にムラ が生じ易い上、充分な浮き皮防止効果があるとは言い難い。更に該製剤を用いた場 合、散布し水分が蒸散した後、散布した炭酸カルシウムの粗大粒子 ·二次凝集物等 が主要因で果実の表面が白く汚れるという問題点があり、この汚れをふき取るために は大きな労力が必要であると言う問題点を抱えている。
[0007] また、高溶解性のカルシウム塩 10〜50%、低溶解性のカルシウム塩 90〜50%の 割合で混合することを特徴とする葉面散布用カルシウム肥料が提案されて!、る (例え ば、特許文献 4)。該方法によれば、高溶解性カルシウム塩と低溶解性カルシウム塩 を所定の割合で混合することで薬害の軽減は可能としているが、薬害の原因となる対 イオンが一定量存在して 、るため、薬害の問題が完全に解消されて 、るとは言!、難 い。また、該方法は、特許文献 1の方法と同様、単に薬害が発生する可能性の低い
カルシウム剤を散布しているに過ぎないため、ビターピット等の生理障害を解消する に至る程充分な効果があるとは言い難い。尚、該方法を浮き皮抑制目的で使用した 場合においても、一定の効果はあるものの、特許文献 1と同様、充分な効果があると は言 ヽ難 、。更にリン酸肥料と反応してしまうため混用が出来な 、と 、う欠点もある。
[0008] また、低温貯蔵期に発生するりんごの果肉褐変を防止する方法において、粒度が 1 0 m以下でかつ Ca/Pのモル比が 0. 8〜1. 5の範囲のリン酸カルシウムを含有す る懸濁液をりんごの果面に付着させることを特徴とするりんごの果肉褐変防止方法が 提案されている(例えば、特許文献 5)。該方法は粉砕機により粒度を微細化している 力 粉砕機による方法では粒子の微細化には限界があるため、粉砕しきれな力つた 粗大粒子は所望の効果を発現するのに寄与出来ず、該方法では充分な効果を得る ことが困難である。
[0009] 一方、マグネシウム剤の使用においても、カルシウム剤の使用と同様の問題があり、 塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等の水溶性のマグネシウム 剤の使用は、対イオンである塩素イオン、硝酸イオン並びに硫酸イオンが薬害を引き 起こし好ましくない。
この問題を解決する方法として、酢酸マグネシウムを含有するマグネシウム肥料が 提案されている(例えば、特許文献 6)。該方法よれば、薬害の問題は軽減されるもの の、カルシウム剤と同様、単にマグネシウム剤の水溶液を散布するだけでは、充分な 散布効果が得られるとは言い難い。また、水溶性のマグネシウム剤は降雨により流出 し易 、ため、その効果が天候に左右されやす 、と 、う欠点を有して 、る。
[0010] 更に、鉄剤としては、有機キレート鉄を葉面散布や土壌への施用することも行われ ているが、有機キレート鉄は高価であり、その普及率は非常に低いのが実情である。 特許文献 1:特公昭 62— 28117号公報
特許文献 2:特開 2004 - 238248号公報
特許文献 3:特公昭 59— 19923号公報
特許文献 4:特許第 2563067号公報
特許文献 5:特公平 2— 33349号公報
特許文献 6:特開平 6 - 172069号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] 本発明は、カゝかる実状に鑑み、上記課題を解決した植物の品質向上剤に関するも のであり、更に詳しくは、柑橘類果実の浮き皮抑制、りんごのビターピット、梨'ォゥト ゥ等の蜜症及び果実や果菜類の裂果等の生理障害軽減、並びに果実中の有機酸 減酸、糖度向上等の効果が発現可能な、葉面散布による水難溶性植物品質向上剤 を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0012] 本発明の第 1は、多価金属、カルボキシル基を有する有機酸、アルカリ金属及び Z 又はアンモニア、並びにリン酸イオン及び Z又は炭酸イオンを含有することを特徴と する水難溶性植物品質向上剤を内容とするものである。
[0013] 本発明の第 2は、下記 (I)〜 (IV)力も選ばれた方法により調製された多価金属、力 ルポキシル基を有する有機酸、アルカリ金属及び z又はアンモニア、並びにリン酸ィ オン及び Z又は炭酸イオンを含有する水難溶性植物品質向上剤を内容とするもの である。
(I)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸及びアルカリ金属源及び
Z又はアンモニア源を混合した前駆物質を作成し、該前駆物質にリン酸源及び Z又 は炭酸源を添加する。
(Π)水と多価金属化合物と、リン酸源及び Z又は炭酸源、及びアルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を混合した前駆物質を作成し、該前駆物質にカルボキシル基を 有する有機酸を添加する。
(III)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸を混合した前駆物質を作 成し、該前駆物質にリン酸源 ·アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源、及び Z又は 炭酸源 ·アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を添加する。
(IV)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸及びリン酸源及び Z又は 炭酸源を混合した前駆物質を作成し、該前駆物質にアルカリ金属源及び Z又はアン モニァ源を添加する。
[0014] 本発明の第 3は、下記 (I)〜 (IV)力も選ばれた方法により調製することを特徴とする
多価金属、カルボキシル基を有する有機酸、アルカリ金属及び Z又はアンモニア、 並びにリン酸イオン及び Z又は炭酸イオンを含有する水難溶性植物品質向上剤の 製造方法を内容とするものである。
(I)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸及びアルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を混合した前駆物質を作成し、該前駆物質にリン酸源及び Z又 は炭酸源を添加する。
(Π)水と多価金属化合物と、リン酸源及び Z又は炭酸源、及びアルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を混合した前駆物質を作成し、該前駆物質にカルボキシル基を 有する有機酸を添加する。
(in)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸を混合した前駆物質を作 成し、該前駆物質にリン酸源 ·アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源、及び Z又は 炭酸源 ·アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を添加する。
(IV)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸及びリン酸源及び Z又は 炭酸源を混合した前駆物質を作成し、該前駆物質にアルカリ金属源及び Z又はアン モニァ源を添加する。
発明の効果
[0015] 本発明の水難溶性品質向上剤は、粒子サイズが細かく且つ均一であるため、植物 に散布した際にその気孔より非常に効率よく吸収される。また、本発明の水難溶性品 質向上剤は水溶性の薬品と比較して薬害が起こりにくぐまた、天候の影響を受けに くぐ更には水溶性リン酸肥料との混用も可能である。更に、水中における再分散性 が極めて良好であり、特殊な分散機、撹拌機等を用いずとも容易に水中に分散し、 品質向上効果が一定であるのは勿論、散布機中で沈殿を起こさないため、通常用い られている水難溶性薬品に見られるような装置の故障、噴霧器の目詰まり、鲭等が起 こりにくい。
発明を実施するための最良の形態
[0016] 本発明で用いられる多価金属化合物とは、 II価及び III価の金属化合物を指し、例 えば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグ ネシゥム、酸化鉄、塩ィ匕カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸鉄、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸鉄、硫酸カルシゥ ム、硫酸マグネシウム、硫酸鉄、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸鉄、ピロ リン酸第 2鉄、ドロマイト等が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ 2種以上組み 合わせて用いられる。より効果の高い水難溶性品質向上剤を得るためには水酸ィ匕カ ルシゥム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、酸ィ匕カルシウム、酸化マグネシウム、酸ィ匕 鉄、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸鉄、ドロマイト、塩化第二鉄から選ばれ た少なくとも 1種であることが好ましぐ最も好ましくは、水酸ィ匕カルシウム、酸化カルシ ゥム、炭酸カルシウム力 選ばれた少なくとも 1種である。
[0017] 本発明で用いられるカルボキシル基を有する有機酸とは、リンゴ酸、コハク酸、タエ ン酸、アジピン酸、フマル酸、グルタミン酸、ダルコン酸及びこれらのアルカリ金属塩、 アンモニゥム塩、多価の金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ 2種以 上組み合わせて用いられる。より効果の高い水難溶性品質向上剤を得るためには、 クェン酸、クェン酸カリウム、クェン酸ナトリウム、クェン酸カルシウム、クェン酸マグネ シゥム、クェン酸鉄アンモ-ゥム、クェン酸鉄及びクェン酸第 1鉄ナトリウムから選ばれ た少なくとも 1種が好ま 、。
[0018] 本発明で用いるリン酸源とは、リン酸、縮合リン酸、リン酸のアルカリ金属塩及びリン 酸のアンモ-ゥム塩等が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ 2種以上組み合 わせて用いられる。また、縮合リン酸としては、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸 ナトリウム、ペンタボリリン酸ナトリウム、へキサメタリン酸ナトリウム、ウルトラポリン、トリ ポリリン酸カリウム、テトラポリリン酸カリウム、ペンタボリリン酸カリウム、へキサメタリン 酸カリウム等が例示でき、リン酸のアルカリ金属塩としては、リン酸一ナトリウム、リン酸 ニナトリウム、リン酸三ナトリウム塩、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三力リウ ム等が例示でき、リン酸のアンモ-ゥム塩としては、リン酸一アンモ-ゥムゃリン酸二 アンモ-ゥム等が例示できる。これらは各々単独でも 2種以上組み合わせても使用で きる。
[0019] 本発明で用いる炭酸源とは、炭酸、炭酸のアルカリ金属塩、炭酸のアンモ-ゥム塩 、及び尿素等が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ 2種以上組み合わせて用 いられる。炭酸のアルカリ金属塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウム等が例示でき、炭酸のアンモ-ゥム塩としては、炭酸ーァ ンモ-ゥム、炭酸二アンモ-ゥムが例示できる。これらは各々単独でも 2種以上組み 合わせても使用できる。
本発明で用いられるリン酸源'アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源とは、リン酸 アルカリ金属、縮合リン酸のアルカリ金属、リン酸とアルカリ金属、リン酸アルカリ金属 とアルカリ金属、リン酸のアンモ-ゥム塩、縮合リン酸のアンモ-ゥム塩、リン酸とアン モ-ァ源、リン酸のアンモ-ゥム塩とアンモニア源、リン酸のアンモ-ゥム塩とアルカリ 金属、縮合リン酸のアルカリ金属とアルカリ金属等を指す。より具体的には、リン酸ァ ルカリ金属としては、リン酸一ナトリウム、リン酸ニナトリウム、リン酸三ナトリウム塩、リン 酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム等が例示でき、縮合リン酸のアルカリ 金属としては、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ペンタボリリン酸ナト リウム、へキサメタリン酸ナトリウム、ウルトラポリン、トリポリリン酸カリウム、テトラポリリン 酸カリウム、ペンタボリリン酸カリウム、へキサメタリン酸カリウム等が例示できる。また、 リン酸とアルカリ金属としては、リン酸と、水酸化ナトリウム、酸ィ匕ナトリウム、塩化ナトリ ゥム、硝酸ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、酸ィ匕カリウム、塩化カリウム及び硝酸カリウム等 のアルカリ金属源力も選ばれる少なくとも 1種との混合物が例示でき、リン酸アルカリ 金属とアルカリ金属としては、上記に示されているようなリン酸アルカリ金属と水酸ィ匕 ナトリウム、酸ィ匕ナトリウム、塩ィ匕ナトリウム、硝酸ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、酸化カリ ゥム、塩ィ匕カリウム及び硝酸カリウム等のアルカリ金属源力も選ばれる少なくとも 1種と の混合物が例示できる。更に、リン酸のアンモ-ゥム塩としては、リン酸一アンモ-ゥ ムゃリン酸二アンモ-ゥム等のリン酸アンモ-ゥム塩が例示でき、縮合リン酸のアンモ -ゥム塩とは、上記縮合リン酸のアンモ-ゥム塩が例示でき、リン酸とアンモニア源と はリン酸とアンモニア、アンモニア水、硝酸アンモ-ゥム、塩化アンモ-ゥム、硫酸ァ ンモ-ゥム、硫酸水素アンモ-ゥム等力 選ばれる少なくとも 1種との混合物が例示 でき、リン酸のアンモ-ゥム塩とアンモニア源とは上記リン酸のアンモ-ゥム塩とアン モニァ源力も選ばれる少なくとも 1種との混合物が例示できる。リン酸のアンモニゥム 塩とアルカリ金属とはリン酸一アンモ-ゥムゃリン酸二アンモ-ゥム等と、水酸ィ匕ナトリ ゥム、酸ィ匕ナトリウム、塩ィ匕ナトリウム、硝酸ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、酸ィ匕カリウム、
塩ィ匕カリウム及び硝酸カリウム等のアルカリ金属源力 選ばれる少なくとも 1種との混 合物が例示でき、縮合リン酸アルカリ金属とアルカリ金属としては、上記に例示されて いるような縮合リン酸アルカリ金属と水酸ィ匕ナトリウム、酸ィ匕ナトリウム、塩化ナトリウム 、硝酸ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、酸ィ匕カリウム、塩ィ匕カリウム及び硝酸カリウム等のァ ルカリ金属源力も選ばれる 1種以上との混合物が例示できる。これらは、各々単独で も 2種以上組み合わせても使用できる。
本発明で用いられる炭酸源 ·アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源とは、炭酸ァ ルカリ金属、炭酸とアルカリ金属、炭酸アルカリ金属とアルカリ金属、炭酸のアンモニ ゥム塩、炭酸とアンモニア源、炭酸のアンモ-ゥム塩とアンモニア源、炭酸のアンモ- ゥム塩とアルカリ金属、尿素とアルカリ金属、尿素とアンモニア源等を指す。より具体 的には、炭酸アルカリ金属としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸力リウ ム、炭酸水素カリウムが例示でき、炭酸とアルカリ金属としては、炭酸と水酸化ナトリウ ム、酸ィヒナトリウム、塩ィヒナトリウム、硝酸ナトリウム、水酸ィヒカリウム、酸ィヒカリウム、塩 化カリウム及び硝酸カリウム等のアルカリ金属源力 選ばれる少なくとも 1種との混合 物が例示される。また、炭酸アルカリ金属とアルカリ金属としては、上記に例示されて いるような炭酸アルカリ金属と水酸ィ匕ナトリウム、酸ィ匕ナトリウム、塩ィ匕ナトリウム、硝酸 ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、酸ィ匕カリウム、塩ィ匕カリウム及び硝酸カリウム等のアルカリ 金属源力 選ばれる少なくとも 1種との混合物が例示され、炭酸のアンモニゥム塩と は炭酸水素アンモ-ゥム、炭酸アンモ-ゥムが例示でき、炭酸とアンモニア源とは炭 酸とアンモニア、アンモニア水、硝酸アンモ-ゥム、塩化アンモ-ゥム、硫酸アンモ- ゥム、硫酸水素アンモ-ゥム等カも選ばれる少なくとも 1種との混合物が例示でき、炭 酸のアンモ-ゥム塩とアンモニア源とは上記炭酸のアンモ-ゥム塩とアンモニア源か ら選ばれる少なくとも 1種との混合物が例示できる。炭酸のアンモ-ゥム塩とアルカリ 金属としては、炭酸アンモ-ゥム、炭酸水素アンモ-ゥム等の炭酸のアンモ-ゥム塩 と水酸化ナトリウム、酸ィ匕ナトリウム、塩ィ匕ナトリウム、硝酸ナトリウム、水酸化カリウム、 酸ィ匕カリウム、塩ィ匕カリウム及び硝酸カリウム等のアルカリ金属源力も選ばれる少なく とも 1種との混合物、尿素とアルカリ金属としては、尿素と水酸化ナトリウム、酸化ナトリ ゥム、塩ィ匕ナトリウム、硝酸ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、酸ィ匕カリウム、塩ィ匕カリウム及
び硝酸カリウム等のアルカリ金属源力 選ばれる少なくとも 1種との混合物等が例示 でき、尿素とアンモニア源とは尿素と上記アンモニア源力も選ばれる少なくとも 1種と の混合物等が例示できる。これらは、各々単独でも 2種以上組み合わせても使用でき る。
[0022] 本発明で用いられるアルカリ金属源及び Z又はアンモニア源とは、水酸化ナトリウ ム、水酸ィヒカリウム、酸ィヒナトリウム、酸ィヒカリウム、塩ィヒナトリウム、塩ィヒカリウム、硝 酸ナトリウム、硝酸カリウム、アンモニア、アンモニア水、硫酸アンモ-ゥム、硫酸水素 アンモニゥム、硝酸アンモニゥム、塩化アンモニゥムの他、上記したカルボキシル基を 有する有機酸のアルカリ金属塩及び Z又はアンモ-ゥム塩、リン酸のアルカリ金属塩 及び Z又はアンモ-ゥム塩、炭酸のアルカリ金属塩及び Z又はアンモ-ゥム塩等が 例示でき、各々単独でも 2種以上組み合わせても使用できる。
[0023] 本発明の水難溶性品質向上剤は、各々の成分モル比を下記の如く調整するのが 好ましい。即ち、多価金属イオン Zカルボキシル基を有する有機酸イオンは 0. 1〜2 00の範囲が好ましぐより良好な効果を得るためには 0. 2〜: LOOの範囲がより好まし く、 0. 2〜50の範囲力更に好まし!/ヽ。
多価金属イオン/アルカリ金属イオン及び/又はアンモ-ゥムイオンは 0. 03-20 0の範囲が好ましぐより良好な効果を得るためには 0. 06〜: LOOの範囲がより好まし く、 0. 06〜50の範囲力更に好まし!/ヽ。
尚、原料としてカルボキシル基を有する有機酸のアルカリ金属塩及び Z又はアンモ -ゥム塩や、リン酸のアルカリ金属塩及び Z又はアンモ-ゥム塩及び炭酸のアルカリ 金属塩及び Z又はアンモ-ゥム塩等を用いた場合、特にアルカリ金属塩及び Z又は アンモ-ゥム塩としての記載はしな 、が、そのモル比はカルボキシル基を有する有機 酸のアルカリ金属塩及び Z又はアンモ-ゥム塩や、リン酸のアルカリ金属塩及び Z 又はアンモ-ゥム塩、及び炭酸のアルカリ金属塩及び z又はアンモ-ゥム塩中のァ ルカリ金属量を用い計算する。
多価金属イオン Z燐酸イオンは ι〜ιοの範囲が好ましぐより良好な効果を得るた めに ίま 1. 2〜5の範囲力 Sより好ましく、 1. 3〜3の範囲力更に好ましく、 1. 5〜1. 7の 範囲が最も好ましい。
多価金属イオン Z炭酸イオンは 0. 6〜 10の範囲が好ましぐより良好な効果を得る ために ίま 0. 7〜5の範囲力 Sより好ましく、 0. 7〜3の範囲力 S更に好ましく、 0. 8〜1. 2 の範囲が最も好ましい。
[0024] また、燐酸イオンと炭酸イオンを両方用いる場合は、上記多価金属イオンに対する モル比を燐酸イオンと炭酸イオンの合算モルとして計算すればょ 、。多価金属イオン Ζ (燐酸イオン +炭酸イオン)は 0. 7〜10の範囲が好ましぐより良好な効果を得る には 0. 8〜5の範囲がより好ましぐ 0. 8〜3の範囲が更に好ましい。
[0025] 多価金属イオン Ζ有機酸イオンのモル比が 0. 1未満の場合、水難溶性品質向上 剤中の水難溶性物質の割合が少なくなり、安定した効果が得られないだけでなぐコ ストアップにつながり好ましくない。 200を越える場合、水難溶性品質向上剤の分散 状態が不安定になり易 、傾向にあり好ましくな 、。
多価金属イオン Ζアルカリ金属イオン及び Ζ又はアンモ-ゥムイオンのモル比が 0 . 03未満の場合、余分なアルカリ金属塩及び Ζ又はアンモ-ゥム塩が植物に影響を 及ぼす可能性があり好ましくない。 200を越える場合は水難溶性品質向上剤の分散 状態が悪くなる傾向にあり、噴霧器等の容器底部に無機形態の多価金属の凝集体 が大量に沈殿しやすくなるため、好ましくない。
多価金属イオン Ζ燐酸イオンのモル比が 1未満の場合、酸性が強くなりすぎる傾向 にあり植物に薬害を及ぼす可能性が高くなり好ましくなぐモル比が 10を越える場合
、水難溶性品質向上剤の結晶性が不安定となりやすくなる傾向にあり好ましくない。 多価金属イオン Ζ炭酸イオンのモル比が 0. 6未満の場合、酸性が強くなりすぎる 傾向にあり植物に薬害を及ぼす可能性が高くなり好ましくなぐモル比が 10を越えた 場合、水難溶性品質向上剤の分散安定性が不安定となりやすくなる傾向にあり好ま しくない。
多価金属イオン Ζ (燐酸イオン +炭酸イオン)のモル比が 0. 7未満の場合、酸性が 強くなりすぎ植物に薬害を及ぼす可能性が高くなり好ましくなぐモル比が 10を越え た場合、反応が不安定となり水難溶性品質向上剤中に粗大粒子が存在しやすくなり 、安定な効果を得がたくなるため好ましくない。
[0026] 本発明の水難溶性植物品質向上剤は、水と、多価金属化合物、カルボキシル基を
有する有機酸、アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源、並びにリン酸源及び Z又 は炭酸源を添加し、混合スラリーを調製することにより得られる。混合方法は、下記 (I
)、(11)、(111)、(IV)の方法に大別されるが、何れの方法を採用しても良ぐ 2以上を組 み合わせて用いても構わな!/、。
(I)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸及びアルカリ金属源及び
Z又はアンモニア源を混合した前駆物質を作成し、該前駆物質にリン酸源及び Z又 は炭酸源を添加する。
(Π)水と多価金属化合物と、リン酸源及び Z又は炭酸源、及びアルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を混合した前駆物質を作成し、該前駆物質にカルボキシル基を 有する有機酸を添加する。
(in)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸を混合した前駆物質を作 成し、該前駆物質にリン酸源 ·アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源、及び Z又は 炭酸源 ·アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を添加する。
(IV)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸及びリン酸源及び Z又は 炭酸源を混合した前駆物質を作成し、該前駆物質にアルカリ金属源及び Z又はアン モニァ源を添加する。
尚、前述の方法の内、より効果の高い水難溶性品質向上剤を得るためには、(I)若 しくは (in)の方法を用いることが好まし 、。
また、(I)の方法の前駆物質調製において、カルボキシル基を有する有機酸及びァ ルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を添加する代わりにカルボキシル基を有する 有機酸のアルカリ金属塩及び Z又はアンモ-ゥム塩を添カ卩してもよいし、また、リン酸 源及び Z又は炭酸源を添加する代わりに、リン酸源 ·アルカリ金属源及び Z又はアン モ-ァ源、及び Z又は炭酸源 ·アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を添加して もよい。また、(Π)の方法の前駆物質調製において、リン酸源及び Z又は炭酸源、及 びアルカリ金属塩及び Z又はアンモ-ゥム塩を添加する代わりに、リン酸のアルカリ 金属塩及び Z又はアンモ-ゥム塩、及び Z又は炭酸のアルカリ金属塩及び Z又は アンモ-ゥム塩を添カ卩してもよ 、。
本発明の前駆体の調製に関しては、水と金属化合物とカルボキシル基を有する有
機酸を混合する順序に特に制約はない。また、上述の (II)及び (III)の方法に関して は、リン酸源 ·アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源、及び Z又は炭酸源 'アルカリ 金属塩及び Z又はアンモニア源の添加方法力 更に下記に示す (a)、(b)、(c)、 (d )の方法に細分されるが、その何れの方法を採用しても良ぐ 2以上を組み合わせて 用いても構わない。
(a)リン酸アルカリ金属、縮合リン酸のアルカリ金属、炭酸アルカリ金属、リン酸アンモ ニゥム塩、縮合リン酸アンモ-ゥム塩、炭酸アンモ-ゥム塩の少なくとも 1種を添加す る。
(b)リン酸、縮合リン酸、炭酸、尿素及びこれらのアルカリ金属塩、アンモ-ゥム塩から 選ばれる少なくとも 1種と、アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を同時に添加す る。
(c)リン酸アルカリ金属、縮合リン酸のアルカリ金属、炭酸アルカリ金属、リン酸アンモ ニゥム塩、縮合リン酸アンモ-ゥム塩、炭酸アンモ-ゥム塩力 選ばれる少なくとも 1 種を添加した後、アルカリ金属源及び Z又はアンモニア源を添加する。
[0028] 本発明の水難溶性品質向上剤を得るための各成分混合時の温度に関しては、特 に制限はないが、好ましくは、 1〜70°Cの範囲、より好ましくは、 10〜50°Cの範囲で 混合することが、より効果の高い水難溶性品質向上剤を得る上で望ましい。また、全 ての成分を混合後、 80〜230°Cの範囲まで加熱することにより、更に良好な効果を 発現し易い傾向にあり、更に好ましい。
混合時の液温が 70°Cを越える場合、液中に粗大粒子が形成され易 ヽ傾向にあり、 良好な分散性を得ることが困難となるため好ましくなぐ液温が 1°C未満の場合は溶 媒である水が凍結し易くなるため、良好な効果を有する組成物を得ることが困難な傾 向にあるため、好ましくない。
本発明の水難溶性品質向上剤の pH値に関しては、通常、 pHが 4〜: L 1の間であれ ば特に問題はなく品質向上効果を発揮できるが、植物への影響等を加味した場合、 pH4. 5〜: LO. 0の範囲で用いるのが好ましぐ pH5〜9の範囲で用いることが更に 好ましい。
[0029] 本発明の水難溶性品質向上剤は、反応液をそのまま用いても良いし、粉砕機及び
zまたは分散機を用いて粉砕及び z又は分散させて用いても差し支えな 、。粉砕機 及び Z又は分散機については、特に制限はないが、ダイノーミル、サンドミル、コボー ルミル等の湿式粉砕機、超音波分散機、ナノマイザ一、マイクロフルイタィザ一、アル ティマイザ一、ホモジナイザ—等の乳化 ·分散機等が好ましく使用できる。
[0030] 本発明の水難溶性品質向上剤は液体のまま用いても良いし、乾燥粉末ィ匕してもよ い。水難溶性品質向上剤の乾燥については、反応液をそのまま乾燥しても良ぐまた 、フィルタープレス、ロータリーフィルター、濾過膜、超遠心機等で一度濃縮した後に 乾燥しても良いが、より良好な物性の乾燥粉体を得るためには、前者の方法が好まし い。尚、水難溶性品質向上剤の乾燥について、乾燥機に特別の制限はないが、変 質防止の観点力 極めて短時間に乾燥を行うのが好ましぐこの観点力 乾燥機とし ては、スプレードライヤー、セラミック媒体を加熱流動状態で用いるスラリードライヤー 等の液滴噴霧型乾燥機若しくは減圧式乾燥機を用いることが望ま ヽ。
[0031] 本発明における水難溶性品質向上剤については、下記 a)、 b)の要件を具備するこ とが好ましぐより効果を発現させる場合には c)、 d)の要件を具備することが好ましく 、更に好ましくは e)、 f)の要件を具備することが好ましい。
a) 0. 01≤d50≤l . 5
b) 0≤ α≤10
c) 0. 01≤d50≤l . 0
d) 0≤ a≤8
e) 0. 01≤d50< 0. 6
f) 0≤ a≤5
但し a = (d90— dlO) Zd50
d50:ナノトラック UPA150により測定した粒子の 50%平均径
d90:ナノトラック UPA150により測定した粒子の 90%平均径
dlO :ナノトラック UPA150により測定した粒子の 10%平均径
[0032] 水難溶性品質向上剤のナノトラック UPA150により測定した粒子の 50%平均径が 1. 5 mより大きい場合は製品が沈降しやすぐ散布機中で沈殿し、効果が不安定 となり好ましくない。一方、 d50力 SO. 01 mより小さくなると多大な分散エネルギーコ
ストが必要となるため、経済的に好ましくない。また、ひが 10より大きいと、水難溶性 品質向上剤の粒子サイズが不均一であり、例えば、みかん等に浮き皮抑制の目的に 散布した場合、安定した効果を得にくくなるため好ましくな 、。
[0033] 本発明における水難溶性品質向上剤中の各種ミネラル剤の粒度分布における平 均径は、下記の要領で測定計算されたものである。
測定機種 :日機装 (株) ナノトラック UPA150
試料の調製:水難溶性品質向上剤を、多価金属イオンとして 0. 2%となるように下 記 20°Cの溶媒中に滴下し、粒度分布測定試料とする。
溶媒 :蒸留水
予備分散 : Ultrasonic Homogenizer ( (株)日本精機製)
を用い、超音波分散 60秒
測定温度 :20. 0°C± 2. 5°C
[0034] 本発明の水難溶性品質向上剤の使用時期は、植物の種類、施用目的及び地帯に よって異なる。例えば果樹の場合、一般に落花直後から収穫期までとされる。特にみ 力んの品質向上及び浮き皮抑制を目的に使用する場合には 7月〜 11月にかけて葉 面に 1〜6回、 3〜6週間おきに散布することが望ましい。また、リンゴのビターピット等 の軽減を目的にする場合は満開 30日後から 1〜6回、 3〜6週間おきに散布すること が望ましい。梨あるいはォゥトウ等の蜜症軽減を目的とするには、満開後 10日後頃か ら 1〜6回、 1週間おきに散布するのが良い。また、果榭あるいは果菜類の裂果を防 止するにはそれぞれの果榭で適期より 1〜6回、 1〜6週間おきに散布することが望ま しい。例えばォゥトウの場合、満開 2週間後頃から 1〜6回、 1〜6週間おきに散布す るのがよい。
散布濃度として施用する作物の種類、作柄、目的、気候及び天候により一概には 言えないが、一般的には多価金属イオンとして lppm〜2重量%の範囲、好ましくは 1 Oppm〜0.5重量%が良い。 lppm未満の場合、目的の効果が得られにくい場合があ り、 2重量%を越えても効果に差はほとんどなくコスト的に有利でない。
[0035] また、本発明の水難溶性品質向上剤には、本発明の水難溶性品質向上剤の効果 を損なわない範囲で、乳酸カルシウム、塩ィ匕カルシウム、硝酸カルシウム、蟻酸カル
シゥム、プロピオン酸カルシウム、ィタコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、リン ゴ酸.クェン酸カルシウム、マレイン酸.クェン酸カルシウム、乳酸マグネシウム、硫酸 マグネシウム、塩化マグネシウム、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム、 クェン酸鉄ナトリウム、クェン酸鉄アンモ-ゥム等の水溶性ミネラル塩や炭酸カルシゥ ム、炭酸マグネシウム、水酸ィ匕カルシウム、水酸化マグネシウム、第一リン酸カルシゥ ム、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、第三リン酸マグ ネシゥム、リン酸鉄等の水難溶性ミネラル剤、珪酸塩等と併用しても何等差し支えな い。また、本発明の水難溶性品質向上剤には、効果の更なる向上を目的として、一 般に農業用に使用される展着剤、乳化剤、補助剤、 PH調整剤、キレート剤その他の 添加物を適宜添加しても良い。また、殺菌剤や殺虫剤等の農薬や他の肥料も添加可 能である。
[0036] 展着剤や乳化剤として好適な代表例として、非イオン系界面活性剤ではポリオキシ エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルァリルエーテル、ポリオキシ エチレンアルキルエステル、ポリエチレンソルビタンアルキルエステル及びソルビタン アルキルエステル等、陰イオン界面活性剤ではアルキルベンゼンスルホネート、アル キルスルホサクシネート、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルサルフ エート及びァリルスルホネート等、陽イオン界面活性剤ではラウリルァミン、アルキルメ チルジヒドロキシェチルアンモ -ゥム塩、ステアリルトリメチルアンモ -ゥムクロライド、 アルキルジメチルベンジルアンモ -ゥムクロリド及びポリオキシエチレンアルキルアミ ン等、両性界面活性剤ではラウリルべタイン、ステアリルべタイン及びイミダゾリ-ゥム ベタイン等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で又は必要に応じて 2 種以上混合して使用できる。補助剤の好適な代表例として、ポリビュルアルコール、 カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアセテート、ゼラチン、カゼィ ン、アルギン酸ソーダ、アルギンサンプロピレングリコールエステル、キサンタンガム、 ノ ラフィン及びトラガントガム等を挙げることができ、これらは単独で又は必要に応じ て 2種以上混合して使用できる。
実施例
[0037] 以下に実施例、比較例を示し本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実
施例のみに限定されるものではない。
[0038] 実施例 1
水 666gと水酸ィ匕カルシウム 74gを混合攪拌し、そこに 45%水酸ィ匕カリウム 112gを 添加し、更に、 50%クェン酸 115. 2gを約 10分間かけて滴下し前駆物質を作製した 。該前駆物質に 30%リン酸 196gを約 30分間で添加した。該混合液を十分に撹拌し 、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリーをス プレードライヤ一にて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0039] 実施例 2
水 666gと水酸化カルシウム 74gを混合攪拌し、 50%クェン酸 46. lgを約 10分間 かけて滴下、混合し前駆物質を作製した。該前駆物質にあらかじめ 30%リン酸 196g と 45%水酸ィ匕カリウム 44. 8gを混合した液を約 30分間で添加した。該混合液を十分 に撹拌し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該ス ラリーをスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0040] 実施例 3
水 666gと水酸ィ匕カノレシゥム 74g、 30%リン酸 196g及び 45%水酸ィ匕カリウム 224g を混合撹拌し前駆物質を作製した。次に該前駆物質に 50%クェン酸 230. 4gをカロ え、十分に撹拌し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリー組成 物を得た。該スラリーをスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。 尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0041] 実施例 4
水 666gと水酸ィ匕カノレシゥム 74g、 50%クェン酸 1152g及び 40%リン酸 147gを混 合撹拌し前駆物質を作製した。次に該前駆物質に 50%水酸化ナトリウム 600gをカロ え、十分に撹拌し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得
た。該スラリーをスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0042] 実施例 5
水 666gと水酸化カルシウム 74gを混合攪拌し、そこに 45%水酸化カリウム 22. 4g を添加し、更に、 50%クェン酸 23. Ogを約 5分間かけて滴下し前駆物質を作製した 。該前駆物質に 30%リン酸 189. 5gを約 20分間で添加した。該混合液を十分に撹 拌し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリー をスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0043] 実施例 6
水 666gと水酸化カルシウム 74gを混合攪拌し、そこに 24%アンモニア水 61. 2gを 添加し、更に、 50%クェン酸 115. 2gを約 10分間かけて滴下し前駆物質を作製した 。該前駆物質に 30%リン酸 196gを約 30分間で添加した。該混合液を十分に撹拌し 、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリーをス プレードライヤ一にて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0044] 実施例 7
水 666gと水酸化カルシウム 74gを混合攪拌し、そこに 45%水酸化カリウム 18. 6g を添加し、更に、 50%クェン酸 19. 2gを約 5分間かけて滴下し前駆物質を作製した 。該前駆物質に 23%炭酸ガスを 4LZminで 20分間吹き込み、次ぎに炭酸ガスを 0. 2L/minで pHIOになるまで吹き込み、更にオートクレーブを用い 120°Cで 30分力口 熱し混合スラリーを得た。該スラリーをスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向 上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dl0、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0045] 実施例 8
水 666gと水酸ィ匕カルシウム 74gを混合攪拌し、そこに 10%水酸ィ匕カリウム 25. 2g と 10%クェン酸 28. 8gをあら力じめ混合した液を約 10分間かけて滴下し前駆物質を 作製した。該前駆物質に 30%リン酸 179. 7gを約 30分間で添加した。該混合液を十 分に撹拌し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該 スラリーをスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0046] 実施例 9
水 666gと水酸ィ匕カルシウム 74gを混合攪拌し、そこに 45%水酸ィ匕カリウム 18. 7g を添加し、更に、 50%クェン酸 23gを約 10分間かけて滴下し前駆物質を作製した。 該前駆物質に 30%リン酸 261. 3gを約 30分間で添加した。該混合液を十分に撹拌 し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリーを スプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0047] 実施例 10
水 684gと酸ィ匕カルシウム 56gを混合攪拌し、そこに 5%水酸ィ匕カリウム 9. Ogを添 加し、更に、 5%クェン酸 26. 9gを約 10分間かけて滴下し前駆物質を作製した。該 前駆物質に 30%リン酸 196gを約 30分間で添加した。該混合液を十分に撹拌し、更 にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリーをスプレ 一ドライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dl0、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0048] 実施例 11
水 666gと炭酸カルシウム 100gを混合攪拌し、そこに 45%水酸ィ匕カリウム 112gを 添加し、更に、 50%クェン酸 115. 2gを約 10分間かけて滴下し前駆物質を作製した 。該前駆物質に 30%リン酸 39. 2gを約 20分間で添加する。該混合液を十分に撹拌
し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリーを スプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0049] 実施例 12
水 666gと水酸化カルシウム 74gを混合攪拌し、そこ〖こ 45%水酸ィ匕カリウム 4604. 4gを添加し、更に、 50%クヱン酸 4224gを約 60分間かけて滴下し前駆物質を作製 した。該前駆物質に 30%リン酸 196gを約 30分間で添加した。該混合液を十分に撹 拌し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリー をスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0050] 実施例 13
水 666gと水酸化カルシウム 74gを混合攪拌し、そこに 45%水酸化カリウム 224gを 添加し、更に、 50%クェン酸 230. 4gを約 10分間かけて滴下し前駆物質を作製した 。該前駆物質に 30%リン酸 960gを約 30分間で添加する。該混合液を十分に撹拌し 、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリーをス プレードライヤ一にて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0051] 実施例 14
水 666gと水酸ィ匕カルシウム 74gを混合攪拌し、そこに 45%水酸ィ匕カリウム 37. 3g と 10%クェン酸 7. 7gをあらかじめ混合した液を約 10分間かけて滴下し前駆物質を 作製した。該前駆物質に 30%リン酸 196gを約 30分間で添加した。該混合液を十分 に撹拌し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該ス ラリーをスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0052] 実施例 15
水 666gと水酸ィ匕カルシウム 74gを混合攪拌し、そこに 1%水酸ィ匕カリウム 22. 4gを 添加し、更に、 50%クェン酸 115. 2gを約 10分間かけて滴下し前駆物質を作製した 。該前駆物質に 30%リン酸 196gを約 30分間で添加する。該混合液を十分に撹拌し 、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリーをス プレードライヤ一にて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0053] 実施例 16
水 666gと水酸化カルシウム 74gを混合攪拌し、更に、 50%クェン酸 230. 4gを約 1 0分間かけて滴下し前駆物質を作製した。該前駆物質に 30%炭酸カリウム 460. 7g を約 30分間で添加した。該混合液を十分に撹拌し、更にオートクレープを用い 120 °Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリーをスプレードライヤーにて乾燥し水 難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0054] 実施例 17
水 522gと水酸ィ匕マグネシウム 58gを混合攪拌し、そこに 45%水酸ィ匕カリウム 4. 5g を添加し、更に、 10%クェン酸 23. Ogを約 10分間かけて滴下し前駆物質を作製した 。該前駆物質に 30%リン酸 179. 7gを約 30分間で添加する。該混合液を十分に撹 拌し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリー をスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dl0、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0055] 実施例 18
水 823gと酸ィ匕第二鉄 39. 9gと水酸ィ匕カルシウム 37gを混合攪拌し、そこに 45%水 酸ィ匕カリウム 2488. 9gを添カ卩し、更に、 50%クェン酸 3072gを約 20分間かけて滴 下し前駆物質を作製した。該前駆物質に 30%リン酸 222. lgを約 30分間で添加し
た。該混合液を十分に撹拌し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合 スラリーを得た。該スラリーをスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得 た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0056] 実施例 19
水 666gと水酸化カルシウム 37gを混合攪拌し、そこに 45%水酸化カリウム 56gを 添加し、更に、 50%クェン酸 57. 6gを約 10分間かけて滴下し前駆物質を作製した。 該前駆物質に 30%リン酸 98gを約 30分間で添加した。該混合液を十分に撹拌し、 更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリーをス プレードライヤ一にて乾燥した。該乾燥品に更に市販の硫酸カルシウム 2水和物 86. lgを添加し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0057] 実施例 20
水 666gと水酸化カルシウム 74gを混合攪拌し、そこに 50%クェン酸 192gを約 10 分間かけて滴下し前駆物質を作製した。該前駆物質に 30%炭酸カリウム 345. 5gを 30分間で添加後、更に 30%リン酸 49gを約 10分間で添加した。該混合液を十分に 撹拌し、更にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリ 一をスプレードライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び α = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0058] 実施例 21
水 800と市販のリン酸三カルシウム (米山化学製) 200gを混合攪拌し、そこに 30% クェン酸 3カリウム 192gを約 10分間かけて添加した。該混合液を十分に撹拌し、更 にオートクレープを用い 120°Cで 30分加熱し混合スラリーを得た。該スラリーをスプレ 一ドライヤーにて乾燥し水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお
ける d50、 d90、 dlO、及び a = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0059] 比較例 1
カルボキシル基を含有する有機酸を添加しな 、ことを除き、他は実施例 1と同様の 方法で水難溶性品質向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び a = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0060] 比較例 2
アルカリ金属を添加しないことを除き、他は実施例 1と同様の方法で水難溶性品質 向上剤を得た。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び a = (d90— dlO) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0061] 比較例 3
特公昭 59— 19923号公報に記載の実施例製剤 No. 4と同組成 (炭酸カルシウム 7 5%、乳酸カルシウム 20%、 PVA5%)の製剤を作製した。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び a = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0062] 比較例 4
特公平 2— 33349号公報に記載の実施例 2Dに準じ、市販の試薬リン酸二カルシ ゥムを粒径 10 μ m以下になるまで粉砕して製剤とした。
尚、反応時の各成分のモル比及び得られた水難溶性品質向上剤の粒度分布にお ける d50、 d90、 dlO、及び a = (d90— dl0) /d50は表 1に示すとおりであった。
[0063] [表 1]
¾翻^趣¥腠 ¥Yn s1、
¾^qK^趣頃 Ίν< Λ
表 1中における製造方法:
(I)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸及びアルカリ金属源を混 合した前駆物質を作成し、該前駆物質にリン酸源及び 又は炭酸源を添加する。
(Π)水と多価金属化合物と、リン酸源及び Z又は炭酸源、及びアルカリ金属源を混 合した前駆物質を作成し、該前駆物質にカルボキシル基を有する有機酸を添加する
(III)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸を混合した前駆物質を作
成し、該前駆物質にリン酸源 ·アルカリ金属源及び Z又は炭酸源 ·アルカリ金属源を 添加する。
(IV)水と多価金属化合物、カルボキシル基を有する有機酸及びリン酸源及び Z又は 炭酸源を混合した前駆物質を作成し、該前駆物質にアルカリ金属源を添加する。
[0065] 応用例 1
みかん (温州みかん)の木を用い、浮き皮抑制及び果実品質の確認を行った。 即ち、前記のみかんの木を用い、 9月上旬より 3回(1ヶ月間隔)に渡って、実施例 1の 品質向上剤を表 2に示す多価金属濃度で散布した。また、処理は枝別処理とし、背 負い式噴霧器により散布した。
評価は、ランダムに選択した 20果を用いて行った。浮き皮度は果実の切断面を浮 き皮度 0 (無し)、 1 (軽)、 2 (中)、 3 (甚)の 4段階で評価し、浮き皮指数: { ( 1 X浮き皮 度合 、軽の数) + (2 X中の数) + (3 X甚の数) } X 100÷ (3 X調査果数)で示した。 果皮色はカラーチャートを用い、 0 (未着色)〜 12 (完全着色)で示した。糖度は屈折 糖度計にて測定し、酸度は滴定クェン酸を測定した。果面の汚れは果実表面の白く 汚れている面積の割合から、汚れ無し: 1、極微量の汚れ: 2、少量の汚れ: 3、中程度 の汚れ: 4、多量の汚れ: 5とした。薬害は正常: 1、極少害: 2、少害: 3、中害 :4、大害 : 5とした。結果は表 2に示す。
[0066] 応用例 2〜21、比較応用例 1〜4
実施例 1の品質向上剤の代わりに実施例 2〜21、比較例 1〜4の品質向上剤を用 いる他は、応用例 1と同様の方法で試験を行った。結果は、表 2、表 3に示す。
[0067] 比較応用例 5
実施例 1の品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例 1と同様の方法で試験を行った。結果は表 3に示す。
[0068] 比較応用例 6
実施例 1の品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム · 2水塩 57%、塩ィ匕カルシウム 27 %、分散剤等 16%の製剤を用いることを除き、他は応用例 1と同様の方法で試験を 行った。結果は表 3に示す。
[0069] 比較応用例 7
実施例 1の品質向上剤の代わりに塩ィ匕カルシウムを用いることを除き、他は応用例 1と同様の方法で試験を行った。結果は表 3に示す。
[0070] 比較応用例 8
実施例 1の品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用レ、ることを除き、他は応用 例 1と同様の方法で試験を行った。結果は表 3に示す。
[0071] [表 2]
りんご (王林)の木を用い、ビターピット軽減及び果実品質の確認を行った。
即ち、前記のりんごの木を用い、 6月上旬より 4回(2週間間隔)に渡って、実施例 1の 品質向上剤を表 4に示す多価金属濃度で散布した。また、処理は枝別処理とし、背
負い式噴霧器により散布した。
評価は、ランダムに選択した 50果を用いて行った。ビターピット発生率は全果数に 対するビターピット発生果数の割合とした。、地色は最も良いものを 5、最も悪いもの を 1と 5段階評価とした。糖度は屈折糖度計にて測定し、酸度は滴定リンゴ酸を測定 した。薬害は正常: 1、極少害: 2、少害: 3、中害: 4、大害: 5とした。結果は表 4に示 す。
[0074] 応用例 23〜42、比較応用例 9〜12
実施例 1の品質向上剤の代わりに実施例 2〜21、比較例 1〜4の品質向上剤を用 いる他は、応用例 1と同様の方法で試験を行った。結果は、表 4、表 5に示す。
[0075] 比較応用例 13
実施例 1の品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例 1と同様の方法で試験を行った。結果は表 5に示す。
[0076] 比較応用例 14
実施例 1の品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム · 2水塩 57%、塩ィ匕カルシウム 27 %、分散剤等 16%の製剤を用いることを除き、他は応用例 1と同様の方法で試験を 行った。結果は表 5に示す。
[0077] 比較応用例 15
実施例 1の品質向上剤の代わりに塩ィ匕カルシウムを用いることを除き、他は応用例 1と同様の方法で試験を行った。結果は表 5に示す。
[0078] 比較応用例 16
実施例 1の品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用 例 1と同様の方法で試験を行った。結果は表 5に示す。
[0079] [表 4]
使用する品質向上剤 多価金厲 ビターピッ卜 地色 糖度 酸度 薬害 (重量 ) 発生率(%)
応用例 22実施例 1の品貧向上剤 0.030 6.0 4.5 16.1 0.30 1
0.075 4.0 4.7 16.3 0.31 1 応用例 23実施例 2の品貧向上剤 0.030 4.0 4.6 16.5 0.28 1
0.075 4.0 4.7 16.7 0.30 1 応用例 24実施例 3の品資向上剤 0.030 4.0 4.7 16.0 0.32 1
0.075 4.0 4.6 16.8 0.33 1 応用例 25実施例 4の品質向上剤 0.030 6.0 4.3 16.2 0.33 1
0.075 4.0 4.2 16.8 0.34 1 応用例 26実施例 5の品 向上剤 0.030 8.0 4.2 16.0 0.25 1
0.075 6.0 4.1 16.4 0.27 1 応用例 27実施例 6の品貧向上剤 0.030 8.0 4.1 15.8 0.29 1
0.075 8.0 4.0 15.9 0.31 1 応用例 28実施例 7の品質向上剤 0.030 10.0 4.0 15.3 0.32 1
0.075 8.0 4.2 15.5 0.30 1 応用例 29実施例 8の品質向上剤 0.030 10.0 4.2 15.4 0.26 1
0.075 10.0 4.3 15.7 0.29 1 応用例 30実施例 9の品質向上剤 0.030 10.0 4.3 15.1 0.32 1
0.075 10.0 4.4 15.3 0.30 1 応用例 31実施例 10の品質向上剤 0.030 18.0 3.8 15,0 0.32 1
0.075 16.0 3.9 15.2 0.34 1 応用例 32実施例 1 1の品質向上剤 0.030 16.0 4.0 15.1 0.33 1
0.075 16.0 4.1 15.2 0.29 1 応用例 33実施例 1 2の品質向上剤 0.030 12.0 4.2 16.5 0.39
0.075 8.0 4.4 16.2 0.38 応用例 34実施例 1 3の品貧向上剤 0.030 20.0 4.0 15.4 0.31 ΐ
0.075 18.0 4.1 15.8 0.34 1 応用例 35実施例 14の品質向上剤 0.030 22.0 3.9 14.8 0.30 1
0.075 18.0 4.0 15.1 0.32 1 応用例 36実施例 1 5の品質向上剤 0.030 16.0 4.0 14.7 0.25 1
0.075 12.0 4.0 15.0 0.27 1 応用例 37実施例 1 6の品質向上剤 0.030 14.0 4.0 15.5 0.32 1
0.075 12.0 4.1 15.7 0.35 1 応用例 38実施例 1 7の品質向上剤 0.030 16.0 4.3 15.4 0.38 1
0.075 14.0 4.3 15.6 0.39 1 応用例 39実施例 1 8の品荑向上剤 0.030 16.0 4.2 15.8 0.38
0.075 12.0 4.3 16.2 0.39 応用例 40実施例 1 9の品質向上剤 0.030 12.0 4.2 15.8 0.35 1
0.075 10.0 4.3 16.0 0.34 1 応用例 41実施例 20の品貧向上剤 0.030 14.0 4.3 15.9 0.30 1
0.075 10.0 4.3 16.0 0.33 1 応用例 42実施例 21の品質向上剤 0.030 28.0 3.5 14.9 0.39 1
0.075 26.0 3.7 14.9 0.38 1 ]
葉ねぎ (堺奴)の木を用い、葉枯れ軽減及び品質の確認を行った。
即ち、前記の葉ねぎを用い、 6月中旬より 3回(1週間間隔)に渡って、実施例 1の品 質向上剤を表 7に示す多価金属濃度で背負い式噴霧器により散布した。
評価は、ランダムに選択した 50株を用いて行った。葉枯れは葉枯れ度合いを 0 (無
し)、 1 (軽)、 2 (中)、 3 (甚)の 4段階で評価し、葉枯れ指数 { (I X葉枯れ皮度合い軽 の数) + (2 X中の数) + (3 X甚の数) } X 100÷ (3 X調査株数)で示した。その他、 草丈、株重、葉数、収量を測定した。葉面の汚れは果実表面の白く汚れている面積 の割合から、汚れ無し: 1、極微量の汚れ: 2、少量の汚れ: 3、中程度の汚れ: 4、多 量の汚れ: 5とした。薬害は正常: 1、極少害: 2、少害: 3、中害: 4、大害: 5とした。結 果は表 6に示す。
[0082] 応用例 44〜63、比較応用例 17〜20
実施例 1の品質向上剤の代わりに実施例 2〜21、比較例 1〜4の品質向上剤を用 いる他は、応用例 1と同様の方法で試験を行った。結果は、表 6、表 7に示す。
[0083] 比較応用例 21
実施例 1の品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例 1と同様の方法で試験を行った。結果は表 7に示す。
[0084] 比較応用例 22
実施例 1の品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム · 2水塩 57%、塩ィ匕カルシウム 27 %、分散剤等 16%の製剤を用いることを除き、他は応用例 1と同様の方法で試験を 行った。結果は表 7に示す。
[0085] 比較応用例 23
実施例 1の品質向上剤の代わりに塩ィ匕カルシウムを用いることを除き、他は応用例 1と同様の方法で試験を行った。結果は表 7に示す。
[0086] 比較応用例 24
実施例 1の品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用 例 1と同様の方法で試験を行った。結果は表 7に示す。
[0087] [表 6]
使用する品質向上剤 多価金景 葉枯れ 草丈 株重 葉数 葉面の汚れ 薬害 (重量 ¾) vcm) (g)
応用例 43 実施例 1の品質向上剤 0.030 12.0 68.3 221 40.2 1 1
0.075 8.0 68.5 234 41.3 1 1 応用例 44 実施例 2の品質向上剤 0.030 16.5 69.4 243 38.5 1 1
0.075 13.0 70.3 245 40.2 1 1 応用例 45 実施例 3の品質向上剤 0.030 18.0 67.5 230 42.1 1 1
0.075 12.0 69.2 238 41.5 1 1 応用例 46 実施例 4の品質向上剤 0.030 13.5 67.5 232 39.4 1 1
0.075 8.0 68.9 228 38.5 1 1 応用例 47 実施例 5の品質向上剤 0.030 18.0 65.3 221 40.2 1 1
0.075 18.0 66.8 224 40.8 1 1 応用例 48 実施例 6の品質向上剤 0.030 22.5 68.2 208 38.1 1 1
0.075 18.5 65.9 219 38.9 1 1 応用例 49 実施例 7の品質向上剤 0.030 25.0 64.5 223 39.4 1 1
0.075 27.5 66.9 215 38.0 1 1 応用例 50 実施例 8の品質向上剤 0.030 25.0 64.3 215 38.2 1 1
0.075 22.0 65.5 207 37.5 2 1 応用例 51 実施例 9の品質向上剤 0.030 22.5 62.9 201 37.1 2 1
0.075 20.0 63.1 203 36.6 2 1 応用例 52 実施例 1 0の品質向上剤 0.030 30.0 58.0 206 37.0 2 1
0.075 28.0 61.8 229 38.1 3 1 応用例 53 実施例 1 1の品質向上剤 0.030 32.5 60.2 201 37.9 2 1
0.075 32.0 61.4 207 35.3 3 1 応用例 54 実施例 1 2の品 S向上剤 0.030 32.0 70.2 245 40.5 1
0.075 28.5 71.5 252 40.8 1 応用例 55 実施例 1 3の品質向上剤 0.030 26.5 62.9 224 38.9 1 1
0.075 20.5 64.1 238 39.1 2 1 応用例 56 実施例 1 4の品 向上剤 0.030 32 63.9 218 37.0 3
0.075 28.5 64.1 221 38.2 3 1 応用例 57 実施例 1 5の品莨向上剤 0.030 27.5 64.2 217 38.5 2 1
0.075 23.5 64.0 230 39.1 3 1 応用例 58 実施例 1 6の品質向上剤 0.030 25.0 61.5 211 37.0 2 1
0.075 18.0 62.9 217 38.2 3 1 応用例 59 実施例 1 7の品質向上剤 0.030 30.5 63.2 204 37.9 1 1
0.075 25.0 64.0 226 39.1 2 1 応用例 60 実施例 1 8の品質向上剤 0.030 30.0 67.1 248 40.4 1
0.075 28.5 65.2 239 39.5 1 応用例 61 実施例 1 9の品質向上剤 0.030 19.5 66,2 231 39.3 t 1
0.075 18.0 67.4 241 41.2 1 1 応用例 62 実施例 20の品質向上剤 0.030 24.5 62.8 218 38.1 1 1
0.075 20.5 64.2 224 37.9 1 1 応用例 63 実施例 21の品質向上剤 0.030 39.5 58.1 194 34.2 2 1
0.075 36.0 60.1 199 35.1 3 1 ]
ぶどう(ピオーネ)の木を用い、裂果軽減及び果実品質の確認を行った。
即ち、前記のぶどうの木を用い、 7月上旬より 4回(2週間間隔)に渡って、実施例 1 の品質向上剤を表 8に示す多価金属濃度で散布した。また、処理は枝別処理とし、 背負い式噴霧器により散布した。
評価は、ランダムに選択した 20房を用いて行った。裂果数は 1房あたりの裂果粒数 の割合とした。着色はカラーチャートを用い、 0 (未着色)〜 12 (完全着色)で示した。 糖度は屈折糖度計にて測定し、酸度は滴定酒石酸を測定した。果面の汚れは果実 表面の白く汚れている面積の割合から、汚れ無し: 1、極微量の汚れ: 2、少量の汚れ : 3、中程度の汚れ: 4、多量の汚れ: 5とした。薬害は正常: 1、極少害: 2、少害: 3、中 害: 4、大害: 5とした。結果は表 8に示す。
[0090] 応用例 65〜73、比較応用例 25〜28
実施例 1の品質向上剤の代わりに実施例 2〜4、 6〜7、 12、 14、 17〜18、比較例 1〜4の品質向上剤を用いる他は、応用例 64と同様の方法で試験を行った。結果は 、表 8、表 9に示す。
[0091] 比較応用例 29
実施例 1の品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例 64と同様の方法で試験を行った。結果は表 9に示す。
[0092] 比較応用例 30
実施例 1の品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム · 2水塩 57%、塩ィ匕カルシウム 27 %、分散剤等 16%の製剤を用いることを除き、他は応用例 64と同様の方法で試験を 行った。結果は表 9に示す。
[0093] 比較応用例 31
実施例 1の品質向上剤の代わりに塩ィ匕カルシウムを用いることを除き、他は応用例 64と同様の方法で試験を行った。結果は表 9に示す。
[0094] 比較応用例 32
実施例 1の品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用 例 64と同様の方法で試験を行った。結果は表 9に示す。
ォゥトウ (佐藤錦)の木を用い、裂果軽減及び果実品質の確認を行った。
即ち、前記のォゥトウの木を用い、 5月初旬より 3回(2週間間隔)に渡って、実施例 1の品質向上剤を表 10に示す多価金属濃度で散布した。また、処理は枝別処理とし
、背負い式噴霧器により散布した。
評価は、ランダムに選択した 50果を用いて行った。裂果率は全果数に対する裂果 発生果数の割合とした。着色は果実 1果における着色面積で表した。糖度は屈折糖 度計にて測定し、酸度は滴定リンゴ酸を測定した。果面の汚れは果実表面の白く汚 れている面積の割合から、汚れ無し: 1、極微量の汚れ: 2、少量の汚れ: 3、中程度の 汚れ: 4、多量の汚れ: 5とした。薬害は正常: 1、極少害: 2、少害: 3、中害: 4、大害: 5とした。結果は表 10に示す。
[0098] 応用例 75〜83、比較応用例 33〜36
実施例 1の品質向上剤の代わりに実施例 2〜4、 6〜7、 12、 14、 17〜18、比較例 1〜4の品質向上剤を用いる他は、応用例 64と同様の方法で試験を行った。結果は 、表 10、表 11に示す。
[0099] 比較応用例 37
実施例 1の品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例 74と同様の方法で試験を行った。結果は表 11に示す。
[0100] 比較応用例 38
実施例 1の品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム · 2水塩 57%、塩ィ匕カルシウム 27 %、分散剤等 16%の製剤を用いることを除き、他は応用例 74と同様の方法で試験を 行った。結果は表 11に示す。
[0101] 比較応用例 39
実施例 1の品質向上剤の代わりに塩ィ匕カルシウムを用いることを除き、他は応用例 74と同様の方法で試験を行った。結果は表 11に示す。
[0102] 比較応用例 40
実施例 1の品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用 例 74と同様の方法で試験を行った。結果は表 11に示す。
[0103] [表 10]
SU011
りんご (つがる)の木を用い、日焼け抑制効果の確認を行った。
即ち、前記のりんごの木を用い、 7月上旬より 3回(2週間間隔)に渡って、実施例 1 の品質向上剤を表 12に示す多価金属濃度で散布した。また、処理は枝別処理とし、 背負い式噴霧器により散布した。
評価は、ランダムに選択した 50果を用いて行った。 日焼け発生率は全果数に対す
る日焼け発生果数の割合とした。 日焼け度を果実表面の日焼けした面積の割合から 日焼け度 0 (無)、 1 (軽)、 2 (中)、 3 (甚)の 4段階で評価し、 日焼け度 2及び 3の果実 を重症果とした。果面の汚れは果実表面の白く汚れている面積の割合から、汚れ無 し: 1、極微量の汚れ: 2、少量の汚れ: 3、中程度の汚れ: 4、多量の汚れ: 5とした。薬 害は正常: 1、極少害: 2、少害: 3、中害: 4、大害: 5とした。結果は表 12に示す。 前記のりんごの木を用い、 6月上旬より 4回(2週間間隔)に渡って、実施例 1の品質 向上剤を表 4に示す多価金属濃度で散布した。また、処理は枝別処理とし、背負い 式噴霧器により散布した。
[0106] 応用例 85〜93、比較応用例 41〜44
実施例 1の品質向上剤の代わりに実施例 2〜4、 6〜7、 12、 14、 17〜18、比較例 1〜4の品質向上剤を用いる他は、応用例 84と同様の方法で試験を行った。結果は 、表 12、表 13に示す。
[0107] 比較応用例 45
実施例 1の品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例 84と同様の方法で試験を行った。結果は表 13に示す。
[0108] 比較応用例 46
実施例 1の品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム · 2水塩 57%、塩ィ匕カルシウム 27 %、分散剤等 16%の製剤を用いることを除き、他は応用例 84と同様の方法で試験を 行った。結果は表 13に示す。
[0109] 比較応用例 47
実施例 1の品質向上剤の代わりに塩ィ匕カルシウムを用いることを除き、他は応用例 84と同様の方法で試験を行った。結果は表 13に示す。
[0110] 比較応用例 48
実施例 1の品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用 例 84と同様の方法で試験を行った。結果は表 13に示す。
[0111] [表 12]
使用する品 K向上剤 多価金属 日焼け 重症果率 果面の汚れ 薬害 (重 £%) 発生率(¾) (%)
応用例 84 実施例 1の品質向上剤 0.030 2.0 0.0 1 1
0.075 0.0 0.0 1 1 応用例 85 実施例 2の品質向上剤 0.030 2.0 0.0 1 1
0.075 0.0 0.0 1 1 応用例 86 実施例 3の品質向上剤 0.030 2.0 0.0 1 1
0.075 0.0 0.0 1 1 応用例 87 実施例 4の品質向上剤 0.030 2.0 0.0 1 1
0.075 2.0 0.0 1 1 応用例 88 実施例 6の品質向上剤 0.030 2.0 0.0 1 1
0.075 2.0 2.0 1 1 応用例 89 実施例 7の品質向上剤 0.030 4.0 2.0 1 1
0.075 2.0 0.0 1 1 応用例 90 実施例 1 2の品質向上剤 0.030 2.0 0.0 1
0.075 0.0 0.0 1
応用例 91 実施例 1 4の品莨向上剤 0.030 4.0 2.0 2 1
0.075 2.0 0.0 3 1 応用例 92 実施例 1 7の品質向上剤 0.030 2.0 0.0 1 1
0.075 2.0 2.0 2 1 応用例 93 実施例 1 8の品質向上剤 0.030 4.0 2.0 1 2
0.075 2.0 0.0 1 2 ]
梨 (豊水)の木を用い、みつ症軽減及び果実品質の確認を行った。
即ち、前記の梨の木を用い、 4月下旬より 4回(10日間隔)及び 7月中旬より 2回(10 日間隔)に渡って、実施例 1の品質向上剤を表 14に示す多価金属濃度で散布した。 また、処理は枝別処理とし、背負い式噴霧器により散布した。
評価は、ランダムに選択した 30果を用いて行った。みつ症度は果実のこうあ部、赤 道部及びていあ部の 3個所の切断面を、みつ症度 0 (無)、 1 (軽)、 2 (中)、 3 (甚)の 4
段階で評価し、みつ指数: { (1 Xみつ症度合い軽の数) + (2 X中の数) + (3 X甚の 数) } ÷ (調査果数)で示した。みつ指数 2及び 3の果実を重症果とした。地色はニホ ンナシ用カラーチャートを用い、 1 (未熟)〜 6 (過熟)で示した。糖度は屈折糖度計に て測定した。果面の汚れは果実表面の白く汚れている面積の割合から、汚れ無し: 1 、極微量の汚れ: 2、少量の汚れ: 3、中程度の汚れ: 4、多量の汚れ: 5とした。薬害は 正常: 1、極少害: 2、少害:3、中害: 4、大害: 5とした。結果は表 14に示す。
[0114] 応用例 95〜103、比較応用例 49〜52
実施例 1の品質向上剤の代わりに実施例 2〜4、 6〜7、 12、 14、 17〜18、比較例 1〜4の品質向上剤を用いる他は、応用例 94と同様の方法で試験を行った。結果は 、表 14、表 15に示す。
[0115] 比較応用例 53
実施例 1の品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例 94と同様の方法で試験を行った。結果は表 15に示す。
[0116] 比較応用例 54
実施例 1の品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム · 2水塩 57%、塩ィ匕カルシウム 27 %、分散剤等 16%の製剤を用いることを除き、他は応用例 94と同様の方法で試験を 行った。結果は表 15に示す。
[0117] 比較応用例 55
実施例 1の品質向上剤の代わりに塩ィ匕カルシウムを用いることを除き、他は応用例 94と同様の方法で試験を行った。結果は表 15に示す。
[0118] 比較応用例 56
実施例 1の品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用 例 94と同様の方法で試験を行った。結果は表 15に示す。
[0119] [表 14]
SsS012I
本発明の水難溶性品質向上剤は、各種植物で発生する生理障害を抑制'軽減す るとともに、植物の糖度や酸味等の品質を向上させる作用も併せ持つ。また、果面の 汚れも少なく商品価値を高めることができ、更に薬害も少なく安全性が高い。