JP2000026185A - キレート化合物含有肥料 - Google Patents
キレート化合物含有肥料Info
- Publication number
- JP2000026185A JP2000026185A JP10194451A JP19445198A JP2000026185A JP 2000026185 A JP2000026185 A JP 2000026185A JP 10194451 A JP10194451 A JP 10194451A JP 19445198 A JP19445198 A JP 19445198A JP 2000026185 A JP2000026185 A JP 2000026185A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fertilizer
- acid
- parts
- chelate compound
- metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C05—FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
- C05D—INORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C; FERTILISERS PRODUCING CARBON DIOXIDE
- C05D3/00—Calcareous fertilisers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C05—FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
- C05D—INORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C; FERTILISERS PRODUCING CARBON DIOXIDE
- C05D9/00—Other inorganic fertilisers
- C05D9/02—Other inorganic fertilisers containing trace elements
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C05—FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
- C05G—MIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
- C05G5/00—Fertilisers characterised by their form
- C05G5/20—Liquid fertilisers
- C05G5/23—Solutions
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Pest Control & Pesticides (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 色、香り、味がよく、防腐及び防黴作用を有
すると共に、制癌の薬効に富む野菜等の農作物を栽培で
きる肥料を提供する。 【解決手段】 この発明によるキレート化合物含有肥料
は、重量基準で、キレート化合物の中心金属を形成する
金属の化合物0.01〜4部と、オキシカルボン酸1〜
5部と、カリ肥料2〜8部と、窒素肥料0.1〜1部
と、リン肥料0.01〜2部とを含み、水と混合したと
きにpHが6.0〜7.5となる。
すると共に、制癌の薬効に富む野菜等の農作物を栽培で
きる肥料を提供する。 【解決手段】 この発明によるキレート化合物含有肥料
は、重量基準で、キレート化合物の中心金属を形成する
金属の化合物0.01〜4部と、オキシカルボン酸1〜
5部と、カリ肥料2〜8部と、窒素肥料0.1〜1部
と、リン肥料0.01〜2部とを含み、水と混合したと
きにpHが6.0〜7.5となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、肥料、特にオキ
シカルボン酸と金属とにより形成されるキレート化合物
を含有する肥料に関する。
シカルボン酸と金属とにより形成されるキレート化合物
を含有する肥料に関する。
【0002】
【従来の技術】農作物に養分を与え、収穫率を上げると
共に、地力の衰退を防ぐために土壌には肥料が施され
る。肥料の必要成分は、植物の生育に必要でかつ特に大
量補給を要する窒素(N)、リン(P)、カリウム
(K)を主要な3要素とする。窒素は、植物のタンパク
質合成、細胞の分裂及び増殖、根の発育、葉茎の繁茂を
促進し、また、養分の吸収、同化作用を促進する。リン
は、根の発育を促進して根の養分吸収面を増大し、発芽
を活発化する。また、植物の成熟を促進して子実の収量
を増大する。さらに、デンプン生成、酵素及び微生物の
活動を促進し、害虫を防止すると共に、収穫物を良質化
する。カリウムは、炭水化物及び窒素化合物を合成し、
同化作用、根の発育、開花及び結実を促進する。また、
水分を供給し、蒸発作用の調節をする。さらに、冷害又
は病虫害への抵抗力を増加する。肥料には、その他カル
シウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ケイ素(S
i)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、
モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、ホウ素(B)等の成
分が配合される。
共に、地力の衰退を防ぐために土壌には肥料が施され
る。肥料の必要成分は、植物の生育に必要でかつ特に大
量補給を要する窒素(N)、リン(P)、カリウム
(K)を主要な3要素とする。窒素は、植物のタンパク
質合成、細胞の分裂及び増殖、根の発育、葉茎の繁茂を
促進し、また、養分の吸収、同化作用を促進する。リン
は、根の発育を促進して根の養分吸収面を増大し、発芽
を活発化する。また、植物の成熟を促進して子実の収量
を増大する。さらに、デンプン生成、酵素及び微生物の
活動を促進し、害虫を防止すると共に、収穫物を良質化
する。カリウムは、炭水化物及び窒素化合物を合成し、
同化作用、根の発育、開花及び結実を促進する。また、
水分を供給し、蒸発作用の調節をする。さらに、冷害又
は病虫害への抵抗力を増加する。肥料には、その他カル
シウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ケイ素(S
i)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、
モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、ホウ素(B)等の成
分が配合される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】肥料は、有害物質を含
まずかつ肥効成分を多く含み、農作物の大量生産が可能
であると共に、吸湿性又は固結性が小さく取扱いが容易
かつ安価であることが要求される。また、近年では消費
者のニーズに沿った商品価値の高い農作物が求められ、
色又はつや等の質感がよく香り及び味に優れ、更に、消
費者の健康志向に合致して薬効に富む品質が要求される
ため、農作物の品質改良と同時に、肥料を改善しなけれ
ばならない。そこで、この発明は、色、香り、味が良
く、防腐及び防黴作用を有する農作物を栽培でき、これ
を食べると体内で、過酸化水素、有機過酸化物、癌等の
解毒、抗酸化作用を持つ酵素を生成させるキレート化合
物含有肥料を提供することを目的とする。
まずかつ肥効成分を多く含み、農作物の大量生産が可能
であると共に、吸湿性又は固結性が小さく取扱いが容易
かつ安価であることが要求される。また、近年では消費
者のニーズに沿った商品価値の高い農作物が求められ、
色又はつや等の質感がよく香り及び味に優れ、更に、消
費者の健康志向に合致して薬効に富む品質が要求される
ため、農作物の品質改良と同時に、肥料を改善しなけれ
ばならない。そこで、この発明は、色、香り、味が良
く、防腐及び防黴作用を有する農作物を栽培でき、これ
を食べると体内で、過酸化水素、有機過酸化物、癌等の
解毒、抗酸化作用を持つ酵素を生成させるキレート化合
物含有肥料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によるキレート化
合物含有肥料は、重量基準で、キレート化合物の中心金
属を形成する金属の化合物0.01〜4部と、オキシカ
ルボン酸1〜5部と、カリ肥料2〜8部と、窒素肥料
0.1〜1部と、リン肥料0.01〜2部とを含み、水と
混合したときにpHが6.0〜7.5となる。
合物含有肥料は、重量基準で、キレート化合物の中心金
属を形成する金属の化合物0.01〜4部と、オキシカ
ルボン酸1〜5部と、カリ肥料2〜8部と、窒素肥料
0.1〜1部と、リン肥料0.01〜2部とを含み、水と
混合したときにpHが6.0〜7.5となる。
【0005】金属の化合物が0.01部未満であるとキ
レート化合物が形成されず、4部を超えてもキレート化
合物を含有する肥料としての効果は変わらないが、過剰
量の金属の化合物が土壌中に蓄積されることを防止しな
ければならない。オキシカルボン酸が1部未満であると
キレート化合物が形成されず、5部を超えるとキレート
化合物が不安定となる。カリ肥料が2部未満であると炭
水化物及び窒素化合物を十分に合成できない。窒素肥料
が0.1部未満であるとタンパク質を十分に合成できな
い。リン肥料が0.01部未満であると農作物の根の発
育が十分に促進されない。カリ肥料、窒素肥料及びリン
肥料がそれぞれ8部、1部及び2部を超えると、各肥料
としての生理作用は変わらないが、過剰量の肥料が土壌
中に残留し土壌に悪影響を及ぼす。キレート化合物含有
肥料のpHが6.0未満であると酸性過多により土壌汚
染の恐れがあり、7.5を超えると錯体の安定性に影響
を及ぼす。
レート化合物が形成されず、4部を超えてもキレート化
合物を含有する肥料としての効果は変わらないが、過剰
量の金属の化合物が土壌中に蓄積されることを防止しな
ければならない。オキシカルボン酸が1部未満であると
キレート化合物が形成されず、5部を超えるとキレート
化合物が不安定となる。カリ肥料が2部未満であると炭
水化物及び窒素化合物を十分に合成できない。窒素肥料
が0.1部未満であるとタンパク質を十分に合成できな
い。リン肥料が0.01部未満であると農作物の根の発
育が十分に促進されない。カリ肥料、窒素肥料及びリン
肥料がそれぞれ8部、1部及び2部を超えると、各肥料
としての生理作用は変わらないが、過剰量の肥料が土壌
中に残留し土壌に悪影響を及ぼす。キレート化合物含有
肥料のpHが6.0未満であると酸性過多により土壌汚
染の恐れがあり、7.5を超えると錯体の安定性に影響
を及ぼす。
【0006】キレート化合物としての錯体は、配位結合
(供与結合ともいう)を含む化合物である。錯体は原子
間の結合に関与する電子対の供与体(ドナー)と金属元
素である受容体(アクセプター)とからなり、配位結合
は一方の原子のみからの供与によっているとみなされる
化学結合を含む。配位結合は、全ての金属錯体をはじ
め、非金属無機化合物や有機化合物等、多くの化合物中
に存在する。配位結合の性質は結合に関与している原子
の性質、例えば、電気陰性度等の違いによって、共有結
合性の大きいものからイオン結合性の大きいものまで多
様である。オキシカルボン酸と金属とにより形成される
キレート化合物は、種々の解毒、抗酸化作用に関連する
酵素の構成成分であり、ペチプド鎖に組み込まれて基質
により酸化還元をうける活性中心となる。このような酵
素は、過酸化水素水、有機過酸化物等の反応性に富む親
電子性化合物を水又はアルコール類に還元する反応に対
し触媒として作用する。親電子性化合物は、発癌剤を含
む種々の薬物が水酸化されて生じる物質であり、DNA
又は蛋白質の求核部分と共有結合して突然変異、発癌、
細胞毒性等を発現するが、本発明によるキレート化合物
含有肥料を施した農作物を体内に採取することにより誘
導される酵素、例えばグルタチオンS−トランスフェラ
ーゼ(GST)分子種は、親電子性化合物と求核性の還
元型グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH)とがS−
結合して解毒される反応を触媒する。
(供与結合ともいう)を含む化合物である。錯体は原子
間の結合に関与する電子対の供与体(ドナー)と金属元
素である受容体(アクセプター)とからなり、配位結合
は一方の原子のみからの供与によっているとみなされる
化学結合を含む。配位結合は、全ての金属錯体をはじ
め、非金属無機化合物や有機化合物等、多くの化合物中
に存在する。配位結合の性質は結合に関与している原子
の性質、例えば、電気陰性度等の違いによって、共有結
合性の大きいものからイオン結合性の大きいものまで多
様である。オキシカルボン酸と金属とにより形成される
キレート化合物は、種々の解毒、抗酸化作用に関連する
酵素の構成成分であり、ペチプド鎖に組み込まれて基質
により酸化還元をうける活性中心となる。このような酵
素は、過酸化水素水、有機過酸化物等の反応性に富む親
電子性化合物を水又はアルコール類に還元する反応に対
し触媒として作用する。親電子性化合物は、発癌剤を含
む種々の薬物が水酸化されて生じる物質であり、DNA
又は蛋白質の求核部分と共有結合して突然変異、発癌、
細胞毒性等を発現するが、本発明によるキレート化合物
含有肥料を施した農作物を体内に採取することにより誘
導される酵素、例えばグルタチオンS−トランスフェラ
ーゼ(GST)分子種は、親電子性化合物と求核性の還
元型グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH)とがS−
結合して解毒される反応を触媒する。
【0007】本発明の実施の形態では、キレート化合物
含有肥料は更に糖酸を含むとき、オキシカルボン酸及び
糖酸の総量が1〜5部である。他の実施の形態では、更
に脂肪酸を含むとき、オキシカルボン酸及び脂肪酸の総
量が1〜5部である。更に他の実施の形態では、更に糖
酸及び脂肪酸を含むとき、オキシカルボン酸、糖酸及び
脂肪酸の総量が1〜5部である。好ましくは、金属の化
合物はゲルマニウム化合物又はセレン化合物である。好
ましい実施の形態では、重量基準で、酢酸ゲルマニウム
0.05〜2部と、グリセリン酸1.5〜2.5部と、カ
リ肥料5〜7部と、窒素肥料0.1〜0.5部と、リン肥
料0.03〜1部とを含み、水と混合したときにpHが
6.8〜7.3となる。他の好ましい実施の形態では、重
量基準で、三酸化セレン0.03〜2部と、クエン酸0.
5〜1.5部と、ペンタル酸0.5〜1.5部と、酢酸0.
5〜1.5部と、カリ肥料3〜5部と、窒素肥料0.3〜
0.8部と、リン肥料0.5〜1部とを含み、水と混合し
たときにpHが6.3〜7.0となる。
含有肥料は更に糖酸を含むとき、オキシカルボン酸及び
糖酸の総量が1〜5部である。他の実施の形態では、更
に脂肪酸を含むとき、オキシカルボン酸及び脂肪酸の総
量が1〜5部である。更に他の実施の形態では、更に糖
酸及び脂肪酸を含むとき、オキシカルボン酸、糖酸及び
脂肪酸の総量が1〜5部である。好ましくは、金属の化
合物はゲルマニウム化合物又はセレン化合物である。好
ましい実施の形態では、重量基準で、酢酸ゲルマニウム
0.05〜2部と、グリセリン酸1.5〜2.5部と、カ
リ肥料5〜7部と、窒素肥料0.1〜0.5部と、リン肥
料0.03〜1部とを含み、水と混合したときにpHが
6.8〜7.3となる。他の好ましい実施の形態では、重
量基準で、三酸化セレン0.03〜2部と、クエン酸0.
5〜1.5部と、ペンタル酸0.5〜1.5部と、酢酸0.
5〜1.5部と、カリ肥料3〜5部と、窒素肥料0.3〜
0.8部と、リン肥料0.5〜1部とを含み、水と混合し
たときにpHが6.3〜7.0となる。
【0008】キレート化合物の中心金属を形成する金属
の化合物の原料は、金属の塩化物、硫酸塩、硝酸塩、リ
ン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩等の金属
塩、金属酸化物、金属水酸化物等を使用できる。キレー
ト化合物の中心金属を形成する金属は、カルシウム(C
a)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、亜鉛
(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、鉄(F
e)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバ
ルト(Co)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、セ
レン(Se)、ゲルマニウム(Ge)、バナジウム
(V)、クロム(Cr)、銀(Ag)、ストロンチウム
(Sr)、インジウム(In)、スズ(Sn)、金(A
u)、ジルコニウム(Zr)等を使用できる。
の化合物の原料は、金属の塩化物、硫酸塩、硝酸塩、リ
ン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩等の金属
塩、金属酸化物、金属水酸化物等を使用できる。キレー
ト化合物の中心金属を形成する金属は、カルシウム(C
a)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、亜鉛
(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、鉄(F
e)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバ
ルト(Co)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、セ
レン(Se)、ゲルマニウム(Ge)、バナジウム
(V)、クロム(Cr)、銀(Ag)、ストロンチウム
(Sr)、インジウム(In)、スズ(Sn)、金(A
u)、ジルコニウム(Zr)等を使用できる。
【0009】「オキシカルボン酸」(オキシ酸、アルコ
ール酸ともいう)とは、一般に、1分子内にカルボキシ
ル基と水酸基とをもつ有機化合物の総称であるが、本明
細書中、用語「オキシカルボン酸」は、糖酸及び脂肪酸
を含まない概念である。「糖酸」(アルダン酸、グリカ
ル酸、アルダル酸、サッカリン酸ともいう)とは、一般
に、アルドースの両端(アルデヒド基及びカルビノール
基)がともにカルボキシル基に酸化され生ずるポリヒド
ロキシジカルボン酸の総称である。「脂肪酸」とは、一
般に、脂肪族モノカルボン酸をいうが、本明細書中、用
語「脂肪酸」は、オキシカルボン酸を含まない概念であ
る。即ち、本明細書では、「脂肪酸」は水酸基(OH)
を有しない。
ール酸ともいう)とは、一般に、1分子内にカルボキシ
ル基と水酸基とをもつ有機化合物の総称であるが、本明
細書中、用語「オキシカルボン酸」は、糖酸及び脂肪酸
を含まない概念である。「糖酸」(アルダン酸、グリカ
ル酸、アルダル酸、サッカリン酸ともいう)とは、一般
に、アルドースの両端(アルデヒド基及びカルビノール
基)がともにカルボキシル基に酸化され生ずるポリヒド
ロキシジカルボン酸の総称である。「脂肪酸」とは、一
般に、脂肪族モノカルボン酸をいうが、本明細書中、用
語「脂肪酸」は、オキシカルボン酸を含まない概念であ
る。即ち、本明細書では、「脂肪酸」は水酸基(OH)
を有しない。
【0010】オキシカルボン酸は、脂肪族オキシ酸とし
てのグリコール酸(HO-CH2-COOH)、乳酸(C
H3-CH(OH)-COOH)、ヒドロアクリル酸(HO-
CH 2CH2-COOH)、α−オキシ酪酸(CH3CH2
CH(OH)-COOH)、グリセリン酸(HO-CH2C
H(OH)-COOH)、タルトロン酸(HOOC-CH
(OH)-COOH)、リンゴ酸(HOOC-CH(OH)-
CH2-COOH)、酒石酸(HOOC-(CHOH)2-C
OOH)、クエン酸(HOOC-CH2C(OH)(COO
H)-CH2-COOH)、マンデル酸(C6H5-CH(O
H)-COOH)、トロパ酸(C6H5-CH(CH2OH)-
COOH)等、芳香族オキシ酸としてのサリチル酸(C
7H6O3)、m−オキシ安息香酸(C7H6O3)、p−オ
キシ安息香酸(C 7H6O3)、没食子酸(C7H6O5)等
を使用できる。脂肪族オキシ酸は、脂肪族カルボン酸又
は芳香族カルボン酸の側鎖にアルコール性の水酸基を有
し、芳香族オキシ酸は、芳香族カルボン酸の芳香環にフ
ェノール性の水酸基を有する。
てのグリコール酸(HO-CH2-COOH)、乳酸(C
H3-CH(OH)-COOH)、ヒドロアクリル酸(HO-
CH 2CH2-COOH)、α−オキシ酪酸(CH3CH2
CH(OH)-COOH)、グリセリン酸(HO-CH2C
H(OH)-COOH)、タルトロン酸(HOOC-CH
(OH)-COOH)、リンゴ酸(HOOC-CH(OH)-
CH2-COOH)、酒石酸(HOOC-(CHOH)2-C
OOH)、クエン酸(HOOC-CH2C(OH)(COO
H)-CH2-COOH)、マンデル酸(C6H5-CH(O
H)-COOH)、トロパ酸(C6H5-CH(CH2OH)-
COOH)等、芳香族オキシ酸としてのサリチル酸(C
7H6O3)、m−オキシ安息香酸(C7H6O3)、p−オ
キシ安息香酸(C 7H6O3)、没食子酸(C7H6O5)等
を使用できる。脂肪族オキシ酸は、脂肪族カルボン酸又
は芳香族カルボン酸の側鎖にアルコール性の水酸基を有
し、芳香族オキシ酸は、芳香族カルボン酸の芳香環にフ
ェノール性の水酸基を有する。
【0011】糖酸(HOOC-(CHOH)n-COOH)
は、ペンタル酸(HOOC-(CHOH)3-COOH)、
ヘキサル酸(HOOC-(CHOH)4-COOH)(グル
コン酸も含む)等を使用できる。脂肪酸は、飽和脂肪酸
としてのギ酸(H-COOH)、酢酸(CH3-COO
H)、プロピオン酸(CH3CH2-COOH)、ラウリ
ン酸(CH3(CH2)10-COOH)、ミリスチン酸(C
H3(CH2)12-COOH)、パルミチン酸(CH3(C
H2)14-COOH)、ステアリン酸(CH3(CH2)16-C
OOH)等、不飽和脂肪酸としてのアクリル酸(CH2=
CH-COOH)、クロトン酸(CH3CH=CH-COO
H)、オレイン酸(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7-
COOH)、ソルビン酸(CH3CH=CHCH=CH-C
OOH)、リノール酸(CH3(CH2)4CH=CHCH2
CH=CH(CH2)7-COOH)、リノレン酸(C18H30
O2)等を使用できる。
は、ペンタル酸(HOOC-(CHOH)3-COOH)、
ヘキサル酸(HOOC-(CHOH)4-COOH)(グル
コン酸も含む)等を使用できる。脂肪酸は、飽和脂肪酸
としてのギ酸(H-COOH)、酢酸(CH3-COO
H)、プロピオン酸(CH3CH2-COOH)、ラウリ
ン酸(CH3(CH2)10-COOH)、ミリスチン酸(C
H3(CH2)12-COOH)、パルミチン酸(CH3(C
H2)14-COOH)、ステアリン酸(CH3(CH2)16-C
OOH)等、不飽和脂肪酸としてのアクリル酸(CH2=
CH-COOH)、クロトン酸(CH3CH=CH-COO
H)、オレイン酸(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7-
COOH)、ソルビン酸(CH3CH=CHCH=CH-C
OOH)、リノール酸(CH3(CH2)4CH=CHCH2
CH=CH(CH2)7-COOH)、リノレン酸(C18H30
O2)等を使用できる。
【0012】カリ肥料は、塩化カリウム(KCl)、硫
酸カリウム(K2SO4)、カーナライト(KCl・Mg
Cl2・6H2O)、鉱石カリ肥料(KCl又はK2SO4
を含む)、ニガリカリ塩(KCl(+NaCl+MgS
O4))、草木灰(K2CO3+KHCO3)、海ソウ灰
(KCl+K2SO4)、セメントダスト(硫酸塩、炭酸
塩、ケイ酸塩)、溶鉱炉ダスト(炭酸塩、硫酸塩)等を
使用できる。
酸カリウム(K2SO4)、カーナライト(KCl・Mg
Cl2・6H2O)、鉱石カリ肥料(KCl又はK2SO4
を含む)、ニガリカリ塩(KCl(+NaCl+MgS
O4))、草木灰(K2CO3+KHCO3)、海ソウ灰
(KCl+K2SO4)、セメントダスト(硫酸塩、炭酸
塩、ケイ酸塩)、溶鉱炉ダスト(炭酸塩、硫酸塩)等を
使用できる。
【0013】窒素肥料は、アンモニア態窒素としての硫
安((NH4)2SO4)、塩安(NH4Cl)、硝安(NH
4NO3)、リン安((NH4)2HPO4、NH4H2P
O4)、アンモニア水肥料(NH4OH)、アンモニア化
デイ炭(有機酸のアンモニウム塩)、アンモニア化過リ
ン酸石灰(NH4H2PO4+(NH4)2SO4等)、硫硝安
((NH4)2SO4+NH4NO3)、アンモホス((NH4)
2SO4+(NH4)2HPO4)、硫リン安((NH4)2SO4
+(NH4)2HPO4)、下肥(アンモニウム塩)、ウマ
ヤ肥(アンモニウム塩)等、硝酸態窒素としての硝安
(NH4NO3)、チリ硝石(NaNO3)、硝酸石灰
(Ca(NO3)2)、硝酸カリ(KNO3)、硫硝安((N
H4)2SO4+NH4NO3)、硝安石灰(NH4NO3+C
aCO3)、カルウレア(Ca(NO3)2・4CO(NH2)
2)等、シアナミド態窒素としての石灰窒素(CaC
N2)、尿素態窒素としての尿素(CO(NH2)2)、カ
ルウレア(Ca(NO3)2・4CO(NH2)2)等、アミノ
態窒素としての尿素樹脂化肥料(ウラホルム)(CO
(NH2)2-HCHO縮合物)、オキザマイド(NH2-C
O-CO-NH2)、グアニル尿素塩([NH2-C(NH)-
NH-CO-NH2]・X、XはHCl、H2SO4、HNO
3、H3PO4等)、グアニジン塩([NH2-C(NH)-N
H2]・X、XはHCl、H2SO4、HNO3、H3PO4
等)、アンモニア化デイ炭(CO(NH2)2含有)等、タ
ンパク質態窒素としての魚肥(NH2、NH含有)、大
豆カス(NH2、NH含有)等を使用できる。
安((NH4)2SO4)、塩安(NH4Cl)、硝安(NH
4NO3)、リン安((NH4)2HPO4、NH4H2P
O4)、アンモニア水肥料(NH4OH)、アンモニア化
デイ炭(有機酸のアンモニウム塩)、アンモニア化過リ
ン酸石灰(NH4H2PO4+(NH4)2SO4等)、硫硝安
((NH4)2SO4+NH4NO3)、アンモホス((NH4)
2SO4+(NH4)2HPO4)、硫リン安((NH4)2SO4
+(NH4)2HPO4)、下肥(アンモニウム塩)、ウマ
ヤ肥(アンモニウム塩)等、硝酸態窒素としての硝安
(NH4NO3)、チリ硝石(NaNO3)、硝酸石灰
(Ca(NO3)2)、硝酸カリ(KNO3)、硫硝安((N
H4)2SO4+NH4NO3)、硝安石灰(NH4NO3+C
aCO3)、カルウレア(Ca(NO3)2・4CO(NH2)
2)等、シアナミド態窒素としての石灰窒素(CaC
N2)、尿素態窒素としての尿素(CO(NH2)2)、カ
ルウレア(Ca(NO3)2・4CO(NH2)2)等、アミノ
態窒素としての尿素樹脂化肥料(ウラホルム)(CO
(NH2)2-HCHO縮合物)、オキザマイド(NH2-C
O-CO-NH2)、グアニル尿素塩([NH2-C(NH)-
NH-CO-NH2]・X、XはHCl、H2SO4、HNO
3、H3PO4等)、グアニジン塩([NH2-C(NH)-N
H2]・X、XはHCl、H2SO4、HNO3、H3PO4
等)、アンモニア化デイ炭(CO(NH2)2含有)等、タ
ンパク質態窒素としての魚肥(NH2、NH含有)、大
豆カス(NH2、NH含有)等を使用できる。
【0014】リン肥料は、過リン酸石灰(Ca(H2PO
4)2+CaSO4)、重過リン酸石灰(Ca(H2P
O4)2)、苦土過リン酸(過リン酸石灰+ジャ紋岩)、
溶成リン肥(CaO-MgO-P2O5-SiO2ガラス)、
焼成リン肥(Ca3(PO4)2-CaNaPO4固溶体)、
混合リン肥(過リン酸石灰(重過リン酸石灰)+溶成リ
ン肥)、リン鉱石粉末肥料(Ca3(PO4)2)、沈殿リ
ン酸石灰(CaHPO4)、硫リン安((NH4)2SO4+
NH4H2PO4)、硫加リン安((NH4)2SO4+NH4
H2PO4+K2SO4)、固形肥料(硫安+過リン酸石灰
+カリ塩+デイ炭、リン酸塩の形はCa(H2P
O4)2)、化成肥料類(Ca(H2PO4)2、CaHP
O4、Ca3(PO4)2等)等を使用できる。
4)2+CaSO4)、重過リン酸石灰(Ca(H2P
O4)2)、苦土過リン酸(過リン酸石灰+ジャ紋岩)、
溶成リン肥(CaO-MgO-P2O5-SiO2ガラス)、
焼成リン肥(Ca3(PO4)2-CaNaPO4固溶体)、
混合リン肥(過リン酸石灰(重過リン酸石灰)+溶成リ
ン肥)、リン鉱石粉末肥料(Ca3(PO4)2)、沈殿リ
ン酸石灰(CaHPO4)、硫リン安((NH4)2SO4+
NH4H2PO4)、硫加リン安((NH4)2SO4+NH4
H2PO4+K2SO4)、固形肥料(硫安+過リン酸石灰
+カリ塩+デイ炭、リン酸塩の形はCa(H2P
O4)2)、化成肥料類(Ca(H2PO4)2、CaHP
O4、Ca3(PO4)2等)等を使用できる。
【0015】この発明によるキレート化合物含有肥料
は、オキシカルボン酸と金属とにより形成されるキレー
ト化合物を生体内に金属が吸収されやすい錯体として含
有するため、このキレート化合物含有肥料を施して栽培
した野菜等の農作物は色、香り、味がよく、防腐及び防
黴作用を有する。また、このキレート化合物含有肥料を
施して栽培した農作物を食べ体内に摂取すると、過酸化
水素、有機過酸化物、癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵
素が体内で生成することが判明した。
は、オキシカルボン酸と金属とにより形成されるキレー
ト化合物を生体内に金属が吸収されやすい錯体として含
有するため、このキレート化合物含有肥料を施して栽培
した野菜等の農作物は色、香り、味がよく、防腐及び防
黴作用を有する。また、このキレート化合物含有肥料を
施して栽培した農作物を食べ体内に摂取すると、過酸化
水素、有機過酸化物、癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵
素が体内で生成することが判明した。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるキレート化合
物含有肥料の実施の形態を説明する。一の実施の形態の
キレート化合物含有肥料は、重量基準で、金属の化合物
としての三酸化セレン(SeO3)0.03〜2部と、オ
キシカルボン酸としてのクエン酸0.5〜1.5部と、糖
酸としてのペンタル酸0.5〜1.5部と、脂肪酸として
の酢酸0.5〜1.5部と、カリ肥料3〜5部と、窒素肥
料0.3〜0.8部と、リン肥料0.5〜1部とを含み、
水と混合したときにpHが6.3〜7.0となる。他の実
施の形態のキレート化合物含有肥料は、重量基準で、金
属の化合物としての酢酸ゲルマニウム(Ge(CH3CO
2)4)0.05〜2部と、オキシカルボン酸としてのグリ
セリン酸1.5〜2.5部と、カリ肥料5〜7部と、窒素
肥料0.1〜0.5部と、リン肥料0.03〜1部とを含
み、水と混合したときにpHが6.8〜7.3となる。
物含有肥料の実施の形態を説明する。一の実施の形態の
キレート化合物含有肥料は、重量基準で、金属の化合物
としての三酸化セレン(SeO3)0.03〜2部と、オ
キシカルボン酸としてのクエン酸0.5〜1.5部と、糖
酸としてのペンタル酸0.5〜1.5部と、脂肪酸として
の酢酸0.5〜1.5部と、カリ肥料3〜5部と、窒素肥
料0.3〜0.8部と、リン肥料0.5〜1部とを含み、
水と混合したときにpHが6.3〜7.0となる。他の実
施の形態のキレート化合物含有肥料は、重量基準で、金
属の化合物としての酢酸ゲルマニウム(Ge(CH3CO
2)4)0.05〜2部と、オキシカルボン酸としてのグリ
セリン酸1.5〜2.5部と、カリ肥料5〜7部と、窒素
肥料0.1〜0.5部と、リン肥料0.03〜1部とを含
み、水と混合したときにpHが6.8〜7.3となる。
【0017】
【実施例】[実施例1]重量基準で、三酸化セレン0.
07部を水3部に溶解させた後、クエン酸1部、ペンタ
ル酸1部及び酢酸1部を水3部に溶解させたものに加
え、60分間撹拌して完全に溶解させた。撹拌時間は3
0分間以上であれば実質的に問題ないが、キレート化合
物の均質化を充分に達成するために、60分間以上撹拌
することが好ましい。次に、カリ肥料としての草木炭
(K2CO3、KHCO3)4部を加え、60分間撹拌し
た。更に、窒素肥料としての硫安((NH4)2SO4)0.
5部と、リン肥料としての過リン酸石灰(Ca(H2PO
4)2+CaSO4)1部とを加え、pHを6.6に調整し
たキレート化合物含有肥料を得た。 [実施例2]重量基準で、酢酸ゲルマニウム0.1部を
水3部に溶解させた後、グリセリン酸2部を水3部に溶
解させたものに加え、60分間撹拌して完全に溶解させ
た。撹拌時間は30分間以上であれば実質的に問題ない
が、キレート化合物の均質化を充分に達成するために、
60分間以上撹拌することが好ましい。次に、カリ肥料
としての海ソウ灰(KCl+K2SO4)6部を加え、6
0分間撹拌した。更に、窒素肥料としてのアンモニア水
肥料(NH4OH)0.2部と、リン肥料としてのリン鉱
石粉末肥料(Ca3(PO4)2)0.06部とを加え、pH
を7.1に調整したキレート化合物含有肥料を得た。
07部を水3部に溶解させた後、クエン酸1部、ペンタ
ル酸1部及び酢酸1部を水3部に溶解させたものに加
え、60分間撹拌して完全に溶解させた。撹拌時間は3
0分間以上であれば実質的に問題ないが、キレート化合
物の均質化を充分に達成するために、60分間以上撹拌
することが好ましい。次に、カリ肥料としての草木炭
(K2CO3、KHCO3)4部を加え、60分間撹拌し
た。更に、窒素肥料としての硫安((NH4)2SO4)0.
5部と、リン肥料としての過リン酸石灰(Ca(H2PO
4)2+CaSO4)1部とを加え、pHを6.6に調整し
たキレート化合物含有肥料を得た。 [実施例2]重量基準で、酢酸ゲルマニウム0.1部を
水3部に溶解させた後、グリセリン酸2部を水3部に溶
解させたものに加え、60分間撹拌して完全に溶解させ
た。撹拌時間は30分間以上であれば実質的に問題ない
が、キレート化合物の均質化を充分に達成するために、
60分間以上撹拌することが好ましい。次に、カリ肥料
としての海ソウ灰(KCl+K2SO4)6部を加え、6
0分間撹拌した。更に、窒素肥料としてのアンモニア水
肥料(NH4OH)0.2部と、リン肥料としてのリン鉱
石粉末肥料(Ca3(PO4)2)0.06部とを加え、pH
を7.1に調整したキレート化合物含有肥料を得た。
【0018】[試験方法]得られたキレート化合物含有
肥料を水で10倍に希釈し、カイワレ大根の株の根元
に、2ヶ月間、週1回100ccを散布した。このよう
にキレート化合物含有肥料を施して栽培したカイワレ大
根と、比較例としてキレート化合物含有肥料を施さずに
栽培したカイワレ大根とを、下記(1)〜(3)の方法
により、色、香り及び味、防腐及び防黴作用並びに癌等
の解毒、抗酸化作用を持つ発生酵素の量について比較し
た。 (1) カイワレ大根を常態及び油で炒めて高温で料理
した状態で、色、香り及び味をみる。 (2) カイワレ大根を小さく刻み、水を入れた容器に
入れて常温で静置し、防腐及び防黴作用をみる。 (3) カイワレ大根をF344雌ラット(7週令)に
3週間与えた後、肝臓、腎臓及び肺を摘出し、これらの
臓器に含まれる癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素とし
てのグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)分
子種(Yk、Ya、Yb1、Yb2、Yp、Yc)の量
を測定した。GST分子種の測定方法は次の通りであ
る。
肥料を水で10倍に希釈し、カイワレ大根の株の根元
に、2ヶ月間、週1回100ccを散布した。このよう
にキレート化合物含有肥料を施して栽培したカイワレ大
根と、比較例としてキレート化合物含有肥料を施さずに
栽培したカイワレ大根とを、下記(1)〜(3)の方法
により、色、香り及び味、防腐及び防黴作用並びに癌等
の解毒、抗酸化作用を持つ発生酵素の量について比較し
た。 (1) カイワレ大根を常態及び油で炒めて高温で料理
した状態で、色、香り及び味をみる。 (2) カイワレ大根を小さく刻み、水を入れた容器に
入れて常温で静置し、防腐及び防黴作用をみる。 (3) カイワレ大根をF344雌ラット(7週令)に
3週間与えた後、肝臓、腎臓及び肺を摘出し、これらの
臓器に含まれる癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素とし
てのグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)分
子種(Yk、Ya、Yb1、Yb2、Yp、Yc)の量
を測定した。GST分子種の測定方法は次の通りであ
る。
【0019】 電気泳動用サンプルの調製 (a) 肝臓及び腎臓 摘出した臓器に重量の3倍量の0.25Mスクロース−
10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)を加えてホモジ
ナイズした。ホモジナイズしたサンプル20マイクロリ
ットルに20%SDS50マイクロリットル及びPBS
275マイクロリットル加えたものを水で10倍に希釈
し、ローリー(Lowry)法により総蛋白量を測定した。
蛋白濃度1mg/mlとなるようにサンプル希釈液で調
製し、沸騰水で2分間煮沸した後、0.1%BPB50
マイクロリットルを加えた。 (b) 肺 摘出した肺に片肺重量の2倍量の0.25Mスクロース
−10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)を加えて超音
波で破壊した。超音波破壊したサンプル700gを10
分間遠心分離し、上清を前記(a)と同様に総蛋白量を
測定し、蛋白濃度5mg/mlとなるように調製した。 電気泳動 12.5%SDS−ポリアクリルアミドゲル(電気泳動
SDS−PAGE)を用い、スタッキングジェルは28
mAでスタッキングジェルを通過するまで、セパレーテ
ィングジェルは36mAで1時間泳動した。 転写(Western Blot) バイオラート(BIO RAD)社製トランスブロットセル(T
RANS-BLOT CELL)を用いて80Vで2時間通電し、電気
泳動により分離した蛋白をニトロセルロース膜上に転写
した。
10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)を加えてホモジ
ナイズした。ホモジナイズしたサンプル20マイクロリ
ットルに20%SDS50マイクロリットル及びPBS
275マイクロリットル加えたものを水で10倍に希釈
し、ローリー(Lowry)法により総蛋白量を測定した。
蛋白濃度1mg/mlとなるようにサンプル希釈液で調
製し、沸騰水で2分間煮沸した後、0.1%BPB50
マイクロリットルを加えた。 (b) 肺 摘出した肺に片肺重量の2倍量の0.25Mスクロース
−10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)を加えて超音
波で破壊した。超音波破壊したサンプル700gを10
分間遠心分離し、上清を前記(a)と同様に総蛋白量を
測定し、蛋白濃度5mg/mlとなるように調製した。 電気泳動 12.5%SDS−ポリアクリルアミドゲル(電気泳動
SDS−PAGE)を用い、スタッキングジェルは28
mAでスタッキングジェルを通過するまで、セパレーテ
ィングジェルは36mAで1時間泳動した。 転写(Western Blot) バイオラート(BIO RAD)社製トランスブロットセル(T
RANS-BLOT CELL)を用いて80Vで2時間通電し、電気
泳動により分離した蛋白をニトロセルロース膜上に転写
した。
【0020】 免疫染色(Immunostaining) (a) ブロッキング処理 ニトロセルロース膜を3%スキムミルクTBS緩衝液
(pH7.4)で1時間ブロッキング処理した。 (b) 一次抗体 rGST A1(Ya)、rGST A3(Yc)、rG
ST A4(Yk)、rGST M1(Yb1)、rGS
T M2(Yb2)、rGST P1(Yp)の各々に対
応するバイオトリン・インターナショナル・リミテッド
(Biotrin International Limited)社製ウサギポリク
ローナル抗体を3%ウシアルブミン(BSA)を含むT
BS緩衝液で1000倍に希釈し、コールドルームで一
晩、又は室温で1時間反応させた後、TBS緩衝液で5
分、0.05%トウィーン(Tween)20を含むTBS緩
衝液で5分を2回、更にTBS緩衝液で5分洗浄した。 (c) 二次抗体 ジャクソン・イムノ・リサーチ・ラボラトリーズ・イン
コーポレイテッド(Jacson Immuno Research Laborator
ies, Inc)社製アルカリフォスファターゼ標識抗ウサギ
IgGヤギ抗体をTBS緩衝液(pH7.4)で500
0倍に希釈し、室温で1時間反応させた後、一次抗体と
同様に洗浄した。 (d) 発色 ピアス(Pierce)社製ニトロブルーテトラ(Nitro Blue
Tetra)を発色試薬として発色反応させた。 解析 各サンプルの発色バンドをフォトレタッチソフトのアド
ビフォトショップに取り込み、NIHイメージアナライ
ザによって発色バンドの強度を測定した。得られた結果
を比較し、有意差検定(t−検定)よりGST分子種の
誘導状況を調べた。GST分子種の測定値は、カイワレ
大根の代わりに通常の市販固形飼料を3週間与えたF3
44雌ラット(7週令)の肝臓、腎臓及び肺についての
発色バンドの強度を1とした場合の強度比(単位なし)
として算出した。
(pH7.4)で1時間ブロッキング処理した。 (b) 一次抗体 rGST A1(Ya)、rGST A3(Yc)、rG
ST A4(Yk)、rGST M1(Yb1)、rGS
T M2(Yb2)、rGST P1(Yp)の各々に対
応するバイオトリン・インターナショナル・リミテッド
(Biotrin International Limited)社製ウサギポリク
ローナル抗体を3%ウシアルブミン(BSA)を含むT
BS緩衝液で1000倍に希釈し、コールドルームで一
晩、又は室温で1時間反応させた後、TBS緩衝液で5
分、0.05%トウィーン(Tween)20を含むTBS緩
衝液で5分を2回、更にTBS緩衝液で5分洗浄した。 (c) 二次抗体 ジャクソン・イムノ・リサーチ・ラボラトリーズ・イン
コーポレイテッド(Jacson Immuno Research Laborator
ies, Inc)社製アルカリフォスファターゼ標識抗ウサギ
IgGヤギ抗体をTBS緩衝液(pH7.4)で500
0倍に希釈し、室温で1時間反応させた後、一次抗体と
同様に洗浄した。 (d) 発色 ピアス(Pierce)社製ニトロブルーテトラ(Nitro Blue
Tetra)を発色試薬として発色反応させた。 解析 各サンプルの発色バンドをフォトレタッチソフトのアド
ビフォトショップに取り込み、NIHイメージアナライ
ザによって発色バンドの強度を測定した。得られた結果
を比較し、有意差検定(t−検定)よりGST分子種の
誘導状況を調べた。GST分子種の測定値は、カイワレ
大根の代わりに通常の市販固形飼料を3週間与えたF3
44雌ラット(7週令)の肝臓、腎臓及び肺についての
発色バンドの強度を1とした場合の強度比(単位なし)
として算出した。
【0021】[試験結果]試験結果を表1に示す。表1
に示す通り、色、香り及び味並びに防腐及び防黴作用に
ついて、比較例(キレート化合物含有肥料を施さずに栽
培したカイワレ大根)に対し、実施例1及び実施例2で
は顕著な効果が現れた。また、癌等の解毒、抗酸化作用
を持つ発生酵素の量について、比較例に対し、実施例1
では、肝臓においてYb1、Yb2、Ypに、腎臓にお
いてYb2にそれぞれ有意差が現れた。特に、通常肝臓
にはみられないYpが肝臓に強く誘導されている。実施
例2では、肝臓においてYa、Ycに有意差が現れた。
この結果、本実施例のキレート化合物含有肥料を施した
農作物は、体内で癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素を
発生させることが判明した。
に示す通り、色、香り及び味並びに防腐及び防黴作用に
ついて、比較例(キレート化合物含有肥料を施さずに栽
培したカイワレ大根)に対し、実施例1及び実施例2で
は顕著な効果が現れた。また、癌等の解毒、抗酸化作用
を持つ発生酵素の量について、比較例に対し、実施例1
では、肝臓においてYb1、Yb2、Ypに、腎臓にお
いてYb2にそれぞれ有意差が現れた。特に、通常肝臓
にはみられないYpが肝臓に強く誘導されている。実施
例2では、肝臓においてYa、Ycに有意差が現れた。
この結果、本実施例のキレート化合物含有肥料を施した
農作物は、体内で癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素を
発生させることが判明した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】前記のように、この発明によるキレート
化合物含有肥料を施して栽培した農作物は、色、香り、
味がよく、防腐及び防黴作用を有するため、長期間新鮮
な状態に保持され、遠隔地から輸送される場合でも品質
が低下しない。また、これを食べ体内に摂取すると、癌
等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素を発生させるため、健
康を増進することができる。
化合物含有肥料を施して栽培した農作物は、色、香り、
味がよく、防腐及び防黴作用を有するため、長期間新鮮
な状態に保持され、遠隔地から輸送される場合でも品質
が低下しない。また、これを食べ体内に摂取すると、癌
等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素を発生させるため、健
康を増進することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月6日(1999.5.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 キレート化合物含有肥料
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、肥料、特にオキ
シカルボン酸と金属とにより形成されるキレート化合物
を含有する肥料に関する。
シカルボン酸と金属とにより形成されるキレート化合物
を含有する肥料に関する。
【0002】
【従来の技術】農作物に養分を与え、収穫率を上げると
共に、地力の衰退を防ぐために土壌には肥料が施され
る。肥料の必要成分は、植物の生育に必要でかつ特に大
量補給を要する窒素(N)、リン(P)、カリウム
(K)を主要な3要素とする。窒素は、植物のタンパク
質合成、細胞の分裂及び増殖、根の発育、葉茎の繁茂を
促進し、また、養分の吸収、同化作用を促進する。リン
は、根の発育を促進して根の養分吸収面を増大し、発芽
を活発化する。また、植物の成熟を促進して子実の収量
を増大する。さらに、デンプン生成、酵素及び微生物の
活動を促進し、害虫を防止すると共に、収穫物を良質化
する。カリウムは、炭水化物及び窒素化合物を合成し、
同化作用、根の発育、開花及び結実を促進する。また、
水分を供給し、蒸発作用の調節をする。さらに、冷害又
は病虫害への抵抗力を増加する。肥料には、その他カル
シウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ケイ素(S
i)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、
モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、ホウ素(B)等の成
分が配合される。
共に、地力の衰退を防ぐために土壌には肥料が施され
る。肥料の必要成分は、植物の生育に必要でかつ特に大
量補給を要する窒素(N)、リン(P)、カリウム
(K)を主要な3要素とする。窒素は、植物のタンパク
質合成、細胞の分裂及び増殖、根の発育、葉茎の繁茂を
促進し、また、養分の吸収、同化作用を促進する。リン
は、根の発育を促進して根の養分吸収面を増大し、発芽
を活発化する。また、植物の成熟を促進して子実の収量
を増大する。さらに、デンプン生成、酵素及び微生物の
活動を促進し、害虫を防止すると共に、収穫物を良質化
する。カリウムは、炭水化物及び窒素化合物を合成し、
同化作用、根の発育、開花及び結実を促進する。また、
水分を供給し、蒸発作用の調節をする。さらに、冷害又
は病虫害への抵抗力を増加する。肥料には、その他カル
シウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ケイ素(S
i)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、
モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、ホウ素(B)等の成
分が配合される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】肥料は、有害物質を含
まずかつ肥効成分を多く含み、農作物の大量生産が可能
であると共に、吸湿性又は固結性が小さく取扱いが容易
かつ安価であることが要求される。また、近年では消費
者のニーズに沿った商品価値の高い農作物が求められ、
色又はつや等の質感がよく香り及び味に優れ、更に、消
費者の健康志向に合致して薬効に富む品質が要求される
ため、農作物の品質改良と同時に、肥料を改善しなけれ
ばならない。そこで、この発明は、色、香り、味が良
く、防腐及び防黴作用を有する農作物を栽培でき、これ
を食べると体内で、過酸化水素、有機過酸化物、癌等の
解毒、抗酸化作用を持つ酵素を生成させるキレート化合
物含有肥料を提供することを目的とする。
まずかつ肥効成分を多く含み、農作物の大量生産が可能
であると共に、吸湿性又は固結性が小さく取扱いが容易
かつ安価であることが要求される。また、近年では消費
者のニーズに沿った商品価値の高い農作物が求められ、
色又はつや等の質感がよく香り及び味に優れ、更に、消
費者の健康志向に合致して薬効に富む品質が要求される
ため、農作物の品質改良と同時に、肥料を改善しなけれ
ばならない。そこで、この発明は、色、香り、味が良
く、防腐及び防黴作用を有する農作物を栽培でき、これ
を食べると体内で、過酸化水素、有機過酸化物、癌等の
解毒、抗酸化作用を持つ酵素を生成させるキレート化合
物含有肥料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によるキレート化
合物含有肥料は、重量基準で、キレート化合物の中心金
属を形成する金属の化合物としての酢酸ゲルマニウム
0.05〜2部と、オキシカルボン酸としてのグリセリ
ン酸1.5〜2.5部と、カリ肥料5〜7部と、窒素肥料
0.1〜0.5部と、リン肥料0.03〜1部とを含み、
水と混合したときにpHが6.8〜7.3となる。
合物含有肥料は、重量基準で、キレート化合物の中心金
属を形成する金属の化合物としての酢酸ゲルマニウム
0.05〜2部と、オキシカルボン酸としてのグリセリ
ン酸1.5〜2.5部と、カリ肥料5〜7部と、窒素肥料
0.1〜0.5部と、リン肥料0.03〜1部とを含み、
水と混合したときにpHが6.8〜7.3となる。
【0005】金属の化合物としての酢酸ゲルマニウムが
0.05部未満であるとキレート化合物が形成されず、
2部を超えてもキレート化合物を含有する肥料としての
効果は変わらないが、過剰量の金属の化合物が土壌中に
蓄積されることを防止しなければならない。オキシカル
ボン酸としてのグリセリン酸が1.5部未満であるとキ
レート化合物が形成されず、2.5部を超えるとキレー
ト化合物が不安定となる。カリ肥料が5部未満であると
炭水化物及び窒素化合物を十分に合成できない。窒素肥
料が0.1部未満であるとタンパク質を十分に合成でき
ない。リン肥料が0.03部未満であると農作物の根の
発育が十分に促進されない。カリ肥料、窒素肥料及びリ
ン肥料がそれぞれ7部、0.5部及び1部を超えると、
各肥料としての生理作用は変わらないが、過剰量の肥料
が土壌中に残留し土壌に悪影響を及ぼす。キレート化合
物含有肥料のpHが6.8未満であると酸性過多により
土壌汚染の恐れがあり、7.3を超えると錯体の安定性
に影響を及ぼす。
0.05部未満であるとキレート化合物が形成されず、
2部を超えてもキレート化合物を含有する肥料としての
効果は変わらないが、過剰量の金属の化合物が土壌中に
蓄積されることを防止しなければならない。オキシカル
ボン酸としてのグリセリン酸が1.5部未満であるとキ
レート化合物が形成されず、2.5部を超えるとキレー
ト化合物が不安定となる。カリ肥料が5部未満であると
炭水化物及び窒素化合物を十分に合成できない。窒素肥
料が0.1部未満であるとタンパク質を十分に合成でき
ない。リン肥料が0.03部未満であると農作物の根の
発育が十分に促進されない。カリ肥料、窒素肥料及びリ
ン肥料がそれぞれ7部、0.5部及び1部を超えると、
各肥料としての生理作用は変わらないが、過剰量の肥料
が土壌中に残留し土壌に悪影響を及ぼす。キレート化合
物含有肥料のpHが6.8未満であると酸性過多により
土壌汚染の恐れがあり、7.3を超えると錯体の安定性
に影響を及ぼす。
【0006】キレート化合物としての錯体は、配位結合
(供与結合ともいう)を含む化合物である。錯体は原子
間の結合に関与する電子対の供与体(ドナー)と金属元
素である受容体(アクセプター)とからなり、配位結合
は一方の原子のみからの供与によっているとみなされる
化学結合を含む。配位結合は、全ての金属錯体をはじ
め、非金属無機化合物や有機化合物等、多くの化合物中
に存在する。配位結合の性質は結合に関与している原子
の性質、例えば、電気陰性度等の違いによって、共有結
合性の大きいものからイオン結合性の大きいものまで多
様である。オキシカルボン酸としてのグリセリン酸と、
金属としてのゲルマニウムとにより形成されるキレート
化合物は、種々の解毒、抗酸化作用に関連する酵素の構
成成分であり、ペチプド鎖に組み込まれて基質により酸
化還元をうける活性中心となる。このような酵素は、過
酸化水素水、有機過酸化物等の反応性に富む親電子性化
合物を水又はアルコール類に還元する反応に対し触媒と
して作用する。親電子性化合物は、発癌剤を含む種々の
薬物が水酸化されて生じる物質であり、DNA又は蛋白
質の求核部分と共有結合して突然変異、発癌、細胞毒性
等を発現するが、本発明によるキレート化合物含有肥料
を施した農作物を体内に採取することにより誘導される
酵素、例えばグルタチオンS−トランスフェラーゼ(G
ST)分子種は、親電子性化合物と求核性の還元型グル
タチオンペルオキシダーゼ(GSH)とがS−結合して
解毒される反応を触媒する。
(供与結合ともいう)を含む化合物である。錯体は原子
間の結合に関与する電子対の供与体(ドナー)と金属元
素である受容体(アクセプター)とからなり、配位結合
は一方の原子のみからの供与によっているとみなされる
化学結合を含む。配位結合は、全ての金属錯体をはじ
め、非金属無機化合物や有機化合物等、多くの化合物中
に存在する。配位結合の性質は結合に関与している原子
の性質、例えば、電気陰性度等の違いによって、共有結
合性の大きいものからイオン結合性の大きいものまで多
様である。オキシカルボン酸としてのグリセリン酸と、
金属としてのゲルマニウムとにより形成されるキレート
化合物は、種々の解毒、抗酸化作用に関連する酵素の構
成成分であり、ペチプド鎖に組み込まれて基質により酸
化還元をうける活性中心となる。このような酵素は、過
酸化水素水、有機過酸化物等の反応性に富む親電子性化
合物を水又はアルコール類に還元する反応に対し触媒と
して作用する。親電子性化合物は、発癌剤を含む種々の
薬物が水酸化されて生じる物質であり、DNA又は蛋白
質の求核部分と共有結合して突然変異、発癌、細胞毒性
等を発現するが、本発明によるキレート化合物含有肥料
を施した農作物を体内に採取することにより誘導される
酵素、例えばグルタチオンS−トランスフェラーゼ(G
ST)分子種は、親電子性化合物と求核性の還元型グル
タチオンペルオキシダーゼ(GSH)とがS−結合して
解毒される反応を触媒する。
【0007】カリ肥料は、塩化カリウム(KCl)、硫
酸カリウム(K2SO4)、カーナライト(KCl・Mg
Cl2・6H2O)、鉱石カリ肥料(KCl又はK2SO4
を含む)、ニガリカリ塩(KCl(+NaCl+MgS
O4))、草木灰(K2CO3+KHCO3)、海ソウ灰
(KCl+K2SO4)、セメントダスト(硫酸塩、炭酸
塩、ケイ酸塩)、溶鉱炉ダスト(炭酸塩、硫酸塩)等を
使用できる。
酸カリウム(K2SO4)、カーナライト(KCl・Mg
Cl2・6H2O)、鉱石カリ肥料(KCl又はK2SO4
を含む)、ニガリカリ塩(KCl(+NaCl+MgS
O4))、草木灰(K2CO3+KHCO3)、海ソウ灰
(KCl+K2SO4)、セメントダスト(硫酸塩、炭酸
塩、ケイ酸塩)、溶鉱炉ダスト(炭酸塩、硫酸塩)等を
使用できる。
【0008】窒素肥料は、アンモニア態窒素としての硫
安((NH4)2SO4)、塩安(NH4Cl)、硝安(NH
4NO3)、リン安((NH4)2HPO4、NH4H2P
O4)、アンモニア水肥料(NH4OH)、アンモニア化
デイ炭(有機酸のアンモニウム塩)、アンモニア化過リ
ン酸石灰(NH4H2PO4+(NH4)2SO4等)、硫硝安
((NH4)2SO4+NH4NO3)、アンモホス((NH4)
2SO4+(NH4)2HPO4)、硫リン安((NH4)2SO4
+(NH4)2HPO4)、下肥(アンモニウム塩)、ウマ
ヤ肥(アンモニウム塩)等、硝酸態窒素としての硝安
(NH4NO3)、チリ硝石(NaNO3)、硝酸石灰
(Ca(NO3)2)、硝酸カリ(KNO3)、硫硝安((N
H4)2SO4+NH4NO3)、硝安石灰(NH4NO3+C
aCO3)、カルウレア(Ca(NO3)2・4CO(NH2)
2)等、シアナミド態窒素としての石灰窒素(CaC
N2)、尿素態窒素としての尿素(CO(NH2)2)、カ
ルウレア(Ca(NO3)2・4CO(NH2)2)等、アミノ
態窒素としての尿素樹脂化肥料(ウラホルム)(CO
(NH2)2-HCHO縮合物)、オキザマイド(NH2-C
O-CO-NH2)、グアニル尿素塩([NH2-C(NH)-
NH-CO-NH2]・X、XはHCl、H2SO4、HNO
3、H3PO4等)、グアニジン塩([NH2-C(NH)-N
H2]・X、XはHCl、H2SO4、HNO3、H3PO4
等)、アンモニア化デイ炭(CO(NH2)2含有)等、タ
ンパク質態窒素としての魚肥(NH2、NH含有)、大
豆カス(NH2、NH含有)等を使用できる。
安((NH4)2SO4)、塩安(NH4Cl)、硝安(NH
4NO3)、リン安((NH4)2HPO4、NH4H2P
O4)、アンモニア水肥料(NH4OH)、アンモニア化
デイ炭(有機酸のアンモニウム塩)、アンモニア化過リ
ン酸石灰(NH4H2PO4+(NH4)2SO4等)、硫硝安
((NH4)2SO4+NH4NO3)、アンモホス((NH4)
2SO4+(NH4)2HPO4)、硫リン安((NH4)2SO4
+(NH4)2HPO4)、下肥(アンモニウム塩)、ウマ
ヤ肥(アンモニウム塩)等、硝酸態窒素としての硝安
(NH4NO3)、チリ硝石(NaNO3)、硝酸石灰
(Ca(NO3)2)、硝酸カリ(KNO3)、硫硝安((N
H4)2SO4+NH4NO3)、硝安石灰(NH4NO3+C
aCO3)、カルウレア(Ca(NO3)2・4CO(NH2)
2)等、シアナミド態窒素としての石灰窒素(CaC
N2)、尿素態窒素としての尿素(CO(NH2)2)、カ
ルウレア(Ca(NO3)2・4CO(NH2)2)等、アミノ
態窒素としての尿素樹脂化肥料(ウラホルム)(CO
(NH2)2-HCHO縮合物)、オキザマイド(NH2-C
O-CO-NH2)、グアニル尿素塩([NH2-C(NH)-
NH-CO-NH2]・X、XはHCl、H2SO4、HNO
3、H3PO4等)、グアニジン塩([NH2-C(NH)-N
H2]・X、XはHCl、H2SO4、HNO3、H3PO4
等)、アンモニア化デイ炭(CO(NH2)2含有)等、タ
ンパク質態窒素としての魚肥(NH2、NH含有)、大
豆カス(NH2、NH含有)等を使用できる。
【0009】リン肥料は、過リン酸石灰(Ca(H2PO
4)2+CaSO4)、重過リン酸石灰(Ca(H2P
O4)2)、苦土過リン酸(過リン酸石灰+ジャ紋岩)、
溶成リン肥(CaO-MgO-P2O5-SiO2ガラス)、
焼成リン肥(Ca3(PO4)2-CaNaPO4固溶体)、
混合リン肥(過リン酸石灰(重過リン酸石灰)+溶成リ
ン肥)、リン鉱石粉末肥料(Ca3(PO4)2)、沈殿リ
ン酸石灰(CaHPO4)、硫リン安((NH4)2SO4+
NH4H2PO4)、硫加リン安((NH4)2SO4+NH4
H2PO4+K2SO4)、固形肥料(硫安+過リン酸石灰
+カリ塩+デイ炭、リン酸塩の形はCa(H2P
O4)2)、化成肥料類(Ca(H2PO4)2、CaHP
O4、Ca3(PO4)2等)等を使用できる。
4)2+CaSO4)、重過リン酸石灰(Ca(H2P
O4)2)、苦土過リン酸(過リン酸石灰+ジャ紋岩)、
溶成リン肥(CaO-MgO-P2O5-SiO2ガラス)、
焼成リン肥(Ca3(PO4)2-CaNaPO4固溶体)、
混合リン肥(過リン酸石灰(重過リン酸石灰)+溶成リ
ン肥)、リン鉱石粉末肥料(Ca3(PO4)2)、沈殿リ
ン酸石灰(CaHPO4)、硫リン安((NH4)2SO4+
NH4H2PO4)、硫加リン安((NH4)2SO4+NH4
H2PO4+K2SO4)、固形肥料(硫安+過リン酸石灰
+カリ塩+デイ炭、リン酸塩の形はCa(H2P
O4)2)、化成肥料類(Ca(H2PO4)2、CaHP
O4、Ca3(PO4)2等)等を使用できる。
【0010】この発明によるキレート化合物含有肥料
は、オキシカルボン酸としてのグリセリン酸と、金属と
してのゲルマニウムとにより形成されるキレート化合物
を生体内に金属が吸収されやすい錯体として含有するた
め、このキレート化合物含有肥料を施して栽培した野菜
等の農作物は色、香り、味がよく、防腐及び防黴作用を
有する。また、このキレート化合物含有肥料を施して栽
培した農作物を食べ体内に摂取すると、過酸化水素、有
機過酸化物、癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素が体内
で生成することが判明した。
は、オキシカルボン酸としてのグリセリン酸と、金属と
してのゲルマニウムとにより形成されるキレート化合物
を生体内に金属が吸収されやすい錯体として含有するた
め、このキレート化合物含有肥料を施して栽培した野菜
等の農作物は色、香り、味がよく、防腐及び防黴作用を
有する。また、このキレート化合物含有肥料を施して栽
培した農作物を食べ体内に摂取すると、過酸化水素、有
機過酸化物、癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素が体内
で生成することが判明した。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態のキレート化
合物含有肥料は、重量基準で、金属の化合物としての酢
酸ゲルマニウム(Ge(CH3CO2)4)0.05〜2部
と、オキシカルボン酸としてのグリセリン酸1.5〜2.
5部と、カリ肥料5〜7部と、窒素肥料0.1〜0.5部
と、リン肥料0.03〜1部とを含み、水と混合したと
きにpHが6.8〜7.3となる。
合物含有肥料は、重量基準で、金属の化合物としての酢
酸ゲルマニウム(Ge(CH3CO2)4)0.05〜2部
と、オキシカルボン酸としてのグリセリン酸1.5〜2.
5部と、カリ肥料5〜7部と、窒素肥料0.1〜0.5部
と、リン肥料0.03〜1部とを含み、水と混合したと
きにpHが6.8〜7.3となる。
【0012】
【実施例】重量基準で、酢酸ゲルマニウム0.1部を水
3部に溶解させた後、グリセリン酸2部を水3部に溶解
させたものに加え、60分間撹拌して完全に溶解させ
た。撹拌時間は30分間以上であれば実質的に問題ない
が、キレート化合物の均質化を充分に達成するために、
60分間以上撹拌することが好ましい。次に、カリ肥料
としての海ソウ灰(KCl+K2SO4)6部を加え、6
0分間撹拌した。更に、窒素肥料としてのアンモニア水
肥料(NH4OH)0.2部と、リン肥料としてのリン鉱
石粉末肥料(Ca3(PO4)2)0.06部とを加え、pH
を7.1に調整したキレート化合物含有肥料を得た。
3部に溶解させた後、グリセリン酸2部を水3部に溶解
させたものに加え、60分間撹拌して完全に溶解させ
た。撹拌時間は30分間以上であれば実質的に問題ない
が、キレート化合物の均質化を充分に達成するために、
60分間以上撹拌することが好ましい。次に、カリ肥料
としての海ソウ灰(KCl+K2SO4)6部を加え、6
0分間撹拌した。更に、窒素肥料としてのアンモニア水
肥料(NH4OH)0.2部と、リン肥料としてのリン鉱
石粉末肥料(Ca3(PO4)2)0.06部とを加え、pH
を7.1に調整したキレート化合物含有肥料を得た。
【0013】[試験方法]得られたキレート化合物含有
肥料を水で10倍に希釈し、カイワレ大根の株の根元
に、2ヶ月間、週1回100ccを散布した。このよう
にキレート化合物含有肥料を施して栽培したカイワレ大
根と、比較例としてキレート化合物含有肥料を施さずに
栽培したカイワレ大根とを、下記(1)〜(3)の方法
により、色、香り及び味、防腐及び防黴作用並びに癌等
の解毒、抗酸化作用を持つ発生酵素の量について比較し
た。 (1) カイワレ大根を常態及び油で炒めて高温で料理
した状態で、色、香り及び味をみる。 (2) カイワレ大根を小さく刻み、水を入れた容器に
入れて常温で静置し、防腐及び防黴作用をみる。 (3) カイワレ大根をF344雌ラット(7週令)に
3週間与えた後、肝臓、腎臓及び肺を摘出し、これらの
臓器に含まれる癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素とし
てのグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)分
子種(Yk、Ya、Yb1、Yb2、Yp、Yc)の量
を測定した。GST分子種の測定方法は次の通りであ
る。
肥料を水で10倍に希釈し、カイワレ大根の株の根元
に、2ヶ月間、週1回100ccを散布した。このよう
にキレート化合物含有肥料を施して栽培したカイワレ大
根と、比較例としてキレート化合物含有肥料を施さずに
栽培したカイワレ大根とを、下記(1)〜(3)の方法
により、色、香り及び味、防腐及び防黴作用並びに癌等
の解毒、抗酸化作用を持つ発生酵素の量について比較し
た。 (1) カイワレ大根を常態及び油で炒めて高温で料理
した状態で、色、香り及び味をみる。 (2) カイワレ大根を小さく刻み、水を入れた容器に
入れて常温で静置し、防腐及び防黴作用をみる。 (3) カイワレ大根をF344雌ラット(7週令)に
3週間与えた後、肝臓、腎臓及び肺を摘出し、これらの
臓器に含まれる癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素とし
てのグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)分
子種(Yk、Ya、Yb1、Yb2、Yp、Yc)の量
を測定した。GST分子種の測定方法は次の通りであ
る。
【0014】 電気泳動用サンプルの調製 (a) 肝臓及び腎臓 摘出した臓器に重量の3倍量の0.25Mスクロース−
10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)を加えてホモジ
ナイズした。ホモジナイズしたサンプル20マイクロリ
ットルに20%SDS50マイクロリットル及びPBS
275マイクロリットル加えたものを水で10倍に希釈
し、ローリー(Lowry)法により総蛋白量を測定した。
蛋白濃度1mg/mlとなるようにサンプル希釈液で調
製し、沸騰水で2分間煮沸した後、0.1%BPB50
マイクロリットルを加えた。 (b) 肺 摘出した肺に片肺重量の2倍量の0.25Mスクロース
−10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)を加えて超音
波で破壊した。超音波破壊したサンプル700gを10
分間遠心分離し、上清を前記(a)と同様に総蛋白量を
測定し、蛋白濃度5mg/mlとなるように調製した。 電気泳動 12.5%SDS−ポリアクリルアミドゲル(電気泳動
SDS−PAGE)を用い、スタッキングジェルは28
mAでスタッキングジェルを通過するまで、セパレーテ
ィングジェルは36mAで1時間泳動した。 転写(Western Blot) バイオラート(BIO RAD)社製トランスブロットセル(T
RANS-BLOT CELL)を用いて80Vで2時間通電し、電気
泳動により分離した蛋白をニトロセルロース膜上に転写
した。
10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)を加えてホモジ
ナイズした。ホモジナイズしたサンプル20マイクロリ
ットルに20%SDS50マイクロリットル及びPBS
275マイクロリットル加えたものを水で10倍に希釈
し、ローリー(Lowry)法により総蛋白量を測定した。
蛋白濃度1mg/mlとなるようにサンプル希釈液で調
製し、沸騰水で2分間煮沸した後、0.1%BPB50
マイクロリットルを加えた。 (b) 肺 摘出した肺に片肺重量の2倍量の0.25Mスクロース
−10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)を加えて超音
波で破壊した。超音波破壊したサンプル700gを10
分間遠心分離し、上清を前記(a)と同様に総蛋白量を
測定し、蛋白濃度5mg/mlとなるように調製した。 電気泳動 12.5%SDS−ポリアクリルアミドゲル(電気泳動
SDS−PAGE)を用い、スタッキングジェルは28
mAでスタッキングジェルを通過するまで、セパレーテ
ィングジェルは36mAで1時間泳動した。 転写(Western Blot) バイオラート(BIO RAD)社製トランスブロットセル(T
RANS-BLOT CELL)を用いて80Vで2時間通電し、電気
泳動により分離した蛋白をニトロセルロース膜上に転写
した。
【0015】 免疫染色(Immunostaining) (a) ブロッキング処理 ニトロセルロース膜を3%スキムミルクTBS緩衝液
(pH7.4)で1時間ブロッキング処理した。 (b) 一次抗体 rGST A1(Ya)、rGST A3(Yc)、rG
ST A4(Yk)、rGST M1(Yb1)、rGS
T M2(Yb2)、rGST P1(Yp)の各々に対
応するバイオトリン・インターナショナル・リミテッド
(Biotrin International Limited)社製ウサギポリク
ローナル抗体を3%ウシアルブミン(BSA)を含むT
BS緩衝液で1000倍に希釈し、コールドルームで一
晩、又は室温で1時間反応させた後、TBS緩衝液で5
分、0.05%トウィーン(Tween)20を含むTBS緩
衝液で5分を2回、更にTBS緩衝液で5分洗浄した。 (c) 二次抗体 ジャクソン・イムノ・リサーチ・ラボラトリーズ・イン
コーポレイテッド(Jacson Immuno Research Laborator
ies, Inc)社製アルカリフォスファターゼ標識抗ウサギ
IgGヤギ抗体をTBS緩衝液(pH7.4)で500
0倍に希釈し、室温で1時間反応させた後、一次抗体と
同様に洗浄した。 (d) 発色 ピアス(Pierce)社製ニトロブルーテトラ(Nitro Blue
Tetra)を発色試薬として発色反応させた。 解析 各サンプルの発色バンドをフォトレタッチソフトのアド
ビフォトショップに取り込み、NIHイメージアナライ
ザによって発色バンドの強度を測定した。得られた結果
を比較し、有意差検定(t−検定)よりGST分子種の
誘導状況を調べた。GST分子種の測定値は、カイワレ
大根の代わりに通常の市販固形飼料を3週間与えたF3
44雌ラット(7週令)の肝臓、腎臓及び肺についての
発色バンドの強度を1とした場合の強度比(単位なし)
として算出した。
(pH7.4)で1時間ブロッキング処理した。 (b) 一次抗体 rGST A1(Ya)、rGST A3(Yc)、rG
ST A4(Yk)、rGST M1(Yb1)、rGS
T M2(Yb2)、rGST P1(Yp)の各々に対
応するバイオトリン・インターナショナル・リミテッド
(Biotrin International Limited)社製ウサギポリク
ローナル抗体を3%ウシアルブミン(BSA)を含むT
BS緩衝液で1000倍に希釈し、コールドルームで一
晩、又は室温で1時間反応させた後、TBS緩衝液で5
分、0.05%トウィーン(Tween)20を含むTBS緩
衝液で5分を2回、更にTBS緩衝液で5分洗浄した。 (c) 二次抗体 ジャクソン・イムノ・リサーチ・ラボラトリーズ・イン
コーポレイテッド(Jacson Immuno Research Laborator
ies, Inc)社製アルカリフォスファターゼ標識抗ウサギ
IgGヤギ抗体をTBS緩衝液(pH7.4)で500
0倍に希釈し、室温で1時間反応させた後、一次抗体と
同様に洗浄した。 (d) 発色 ピアス(Pierce)社製ニトロブルーテトラ(Nitro Blue
Tetra)を発色試薬として発色反応させた。 解析 各サンプルの発色バンドをフォトレタッチソフトのアド
ビフォトショップに取り込み、NIHイメージアナライ
ザによって発色バンドの強度を測定した。得られた結果
を比較し、有意差検定(t−検定)よりGST分子種の
誘導状況を調べた。GST分子種の測定値は、カイワレ
大根の代わりに通常の市販固形飼料を3週間与えたF3
44雌ラット(7週令)の肝臓、腎臓及び肺についての
発色バンドの強度を1とした場合の強度比(単位なし)
として算出した。
【0016】[試験結果]試験結果を表1に示す。表1
に示す通り、色、香り及び味並びに防腐及び防黴作用に
ついて、比較例(キレート化合物含有肥料を施さずに栽
培したカイワレ大根)に対し、実施例では顕著な効果が
現れた。また、癌等の解毒、抗酸化作用を持つ発生酵素
の量について、比較例に対し、実施例では、肝臓におい
てYa、Ycに有意差が現れた。この結果、本実施例の
キレート化合物含有肥料を施した農作物は、体内で癌等
の解毒、抗酸化作用を持つ酵素を発生させることが判明
した。
に示す通り、色、香り及び味並びに防腐及び防黴作用に
ついて、比較例(キレート化合物含有肥料を施さずに栽
培したカイワレ大根)に対し、実施例では顕著な効果が
現れた。また、癌等の解毒、抗酸化作用を持つ発生酵素
の量について、比較例に対し、実施例では、肝臓におい
てYa、Ycに有意差が現れた。この結果、本実施例の
キレート化合物含有肥料を施した農作物は、体内で癌等
の解毒、抗酸化作用を持つ酵素を発生させることが判明
した。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】前記のように、この発明によるキレート
化合物含有肥料を施して栽培した農作物は、色、香り、
味がよく、防腐及び防黴作用を有するため、長期間新鮮
な状態に保持され、遠隔地から輸送される場合でも品質
が低下しない。また、これを食べ体内に摂取すると、癌
等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素を発生させるため、健
康を増進することができる。
化合物含有肥料を施して栽培した農作物は、色、香り、
味がよく、防腐及び防黴作用を有するため、長期間新鮮
な状態に保持され、遠隔地から輸送される場合でも品質
が低下しない。また、これを食べ体内に摂取すると、癌
等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素を発生させるため、健
康を増進することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H061 AA01 BB01 BB10 BB21 BB23 BB51 BB55 CC01 CC15 CC21 DD07 DD11 DD20 EE11 EE12 EE13 EE14 EE15 EE16 EE17 EE18 EE19 EE27 HH07 LL22 LL25 LL26
Claims (8)
- 【請求項1】 重量基準で、キレート化合物の中心金属
を形成する金属の化合物0.01〜4部と、オキシカル
ボン酸1〜5部と、カリ肥料2〜8部と、窒素肥料0.
1〜1部と、リン肥料0.01〜2部とを含み、水と混
合したときにpHが6.0〜7.5となることを特徴とす
るキレート化合物含有肥料。 - 【請求項2】 更に糖酸を含むとき、オキシカルボン酸
及び糖酸の総量が1〜5部である請求項1に記載のキレ
ート化合物含有肥料。 - 【請求項3】 更に脂肪酸を含むとき、オキシカルボン
酸及び脂肪酸の総量が1〜5部である請求項1に記載の
キレート化合物含有肥料。 - 【請求項4】 更に糖酸及び脂肪酸を含むとき、オキシ
カルボン酸、糖酸及び脂肪酸の総量が1〜5部である請
求項1に記載のキレート化合物含有肥料。 - 【請求項5】 金属の化合物はゲルマニウム化合物であ
る請求項1〜4のいずれか1項に記載のキレート化合物
含有肥料。 - 【請求項6】 金属の化合物はセレン化合物である請求
項1〜4のいずれか1項に記載のキレート化合物含有肥
料。 - 【請求項7】 重量基準で、酢酸ゲルマニウム0.05
〜2部と、グリセリン酸1.5〜2.5部と、カリ肥料5
〜7部と、窒素肥料0.1〜0.5部と、リン肥料0.0
3〜1部とを含み、水と混合したときにpHが6.8〜
7.3となる請求項1に記載のキレート化合物含有肥
料。 - 【請求項8】 重量基準で、三酸化セレン0.03〜2
部と、クエン酸0.5〜1.5部と、ペンタル酸0.5〜
1.5部と、酢酸0.5〜1.5部と、カリ肥料3〜5部
と、窒素肥料0.3〜0.8部と、リン肥料0.5〜1部
とを含み、水と混合したときにpHが6.3〜7.0とな
る請求項4に記載のキレート化合物含有肥料。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10194451A JP2969128B1 (ja) | 1998-07-09 | 1998-07-09 | キレート化合物含有肥料 |
US09/638,617 US6391079B1 (en) | 1998-07-09 | 2000-08-15 | Fertilizer with a chelate element |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10194451A JP2969128B1 (ja) | 1998-07-09 | 1998-07-09 | キレート化合物含有肥料 |
US09/638,617 US6391079B1 (en) | 1998-07-09 | 2000-08-15 | Fertilizer with a chelate element |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11125630A Division JP3012239B2 (ja) | 1999-05-06 | 1999-05-06 | キレ―ト化合物含有肥料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2969128B1 JP2969128B1 (ja) | 1999-11-02 |
JP2000026185A true JP2000026185A (ja) | 2000-01-25 |
Family
ID=26508508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10194451A Expired - Fee Related JP2969128B1 (ja) | 1998-07-09 | 1998-07-09 | キレート化合物含有肥料 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6391079B1 (ja) |
JP (1) | JP2969128B1 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001288011A (ja) * | 2000-04-10 | 2001-10-16 | Kao Corp | 植物活力剤 |
JP2001316208A (ja) * | 2000-04-28 | 2001-11-13 | Kao Corp | 植物活力剤 |
JP2002212084A (ja) * | 2001-01-24 | 2002-07-31 | Mi Tec:Kk | 抗酸化物質 |
WO2006090666A1 (ja) * | 2005-02-22 | 2006-08-31 | Maruo Calcium Company Limited | 植物品質向上剤及びその製造方法 |
JP2011042510A (ja) * | 2009-08-19 | 2011-03-03 | Taiheiyo Cement Corp | 肥料並びにその製造方法及び製造装置 |
CN102811974A (zh) * | 2010-01-27 | 2012-12-05 | 必研姆生物科技私人有限公司 | 功能上有效的有机螯合微量营养物的生产方法 |
CN103086807A (zh) * | 2013-02-07 | 2013-05-08 | 深圳市芭田生态工程股份有限公司 | 一种防治土传病害的掺混肥料及其制备方法 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040042998A (ko) * | 2002-11-15 | 2004-05-22 | 안정오 | 비료 조성물 및 그 비료 |
NZ534753A (en) * | 2004-08-16 | 2005-08-26 | Hi Tech Products Ltd | Extended release compositions |
AU2006327874A1 (en) * | 2005-12-21 | 2007-06-28 | International Carbon Technologies (Pty) Ltd | Fertilizer |
CN101851134A (zh) * | 2010-04-30 | 2010-10-06 | 河南师范大学 | 一种苹果叶面肥的制备及应用 |
US8444742B2 (en) | 2010-10-27 | 2013-05-21 | Miller Chemical & Fertilizer Corporation | Soluble calcium fertilizer formulation |
WO2012063091A1 (en) * | 2010-11-10 | 2012-05-18 | Corbrevis Ltd. | Organomineral fertilizer containing aluminium |
CN103242104A (zh) * | 2013-05-22 | 2013-08-14 | 徐应先 | 一种植物液体肥料 |
US10766828B2 (en) | 2017-06-01 | 2020-09-08 | Compass Minerals América do Sul Indústria e Comércio S.A. | Liquid fertilizer compositions comprising nickel, cobalt, and molybdenum, and methods of forming and using the same |
CA3131441A1 (en) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | Fertinagro Biotech, S.L. | Fertilising composition which includes a plant-assimilable phosphorus and calcium potentiator and use thereof |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3856500A (en) * | 1969-03-28 | 1974-12-24 | Ppg Industries Inc | Potassium polyphosphate fertilizers containing micronutrients |
JPS5515901A (en) | 1978-06-23 | 1980-02-04 | Mitsui Toatsu Chemicals | Stabilization of liquid fertilizer |
JPS55126594A (en) | 1979-03-19 | 1980-09-30 | Mitsui Toatsu Chemicals | Stabilization of liquid fertilizer |
JPS608995B2 (ja) | 1982-06-22 | 1985-03-07 | 多木化学株式会社 | 液体肥料 |
JP3270316B2 (ja) | 1995-12-28 | 2002-04-02 | 株式会社エムアイテック | キレート化合物含有肥料 |
IL118780A0 (en) * | 1996-07-02 | 1996-10-31 | Shitzer Boaz | Agricultural compositions containing glycolic acid |
US5997600A (en) * | 1996-11-13 | 1999-12-07 | Stoller Enterprises, Inc. | Fertilizer compositions including chelated metal ions |
US6241795B1 (en) * | 1999-04-16 | 2001-06-05 | Miller Chemical And Fertilizer Corporation | Soluble fertilizer formulation |
-
1998
- 1998-07-09 JP JP10194451A patent/JP2969128B1/ja not_active Expired - Fee Related
-
2000
- 2000-08-15 US US09/638,617 patent/US6391079B1/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001288011A (ja) * | 2000-04-10 | 2001-10-16 | Kao Corp | 植物活力剤 |
JP2001316208A (ja) * | 2000-04-28 | 2001-11-13 | Kao Corp | 植物活力剤 |
JP2002212084A (ja) * | 2001-01-24 | 2002-07-31 | Mi Tec:Kk | 抗酸化物質 |
WO2006090666A1 (ja) * | 2005-02-22 | 2006-08-31 | Maruo Calcium Company Limited | 植物品質向上剤及びその製造方法 |
JP5137570B2 (ja) * | 2005-02-22 | 2013-02-06 | 丸尾カルシウム株式会社 | 植物品質向上剤及びその製造方法 |
US8404619B2 (en) | 2005-02-22 | 2013-03-26 | Maruo Calcium Company Limited | Particulate plant treatment composition |
KR101336095B1 (ko) * | 2005-02-22 | 2013-12-04 | 마루오 칼슘 가부시키가이샤 | 식물 품질 향상제 및 그 제조 방법 |
JP2011042510A (ja) * | 2009-08-19 | 2011-03-03 | Taiheiyo Cement Corp | 肥料並びにその製造方法及び製造装置 |
CN102811974A (zh) * | 2010-01-27 | 2012-12-05 | 必研姆生物科技私人有限公司 | 功能上有效的有机螯合微量营养物的生产方法 |
CN103086807A (zh) * | 2013-02-07 | 2013-05-08 | 深圳市芭田生态工程股份有限公司 | 一种防治土传病害的掺混肥料及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2969128B1 (ja) | 1999-11-02 |
US6391079B1 (en) | 2002-05-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2002003291A (ja) | 堆肥混合肥料及び穀類 | |
JP2000026185A (ja) | キレート化合物含有肥料 | |
US20210078915A1 (en) | Organically chelated mineral compositions and methods thereof | |
AU2016270005B2 (en) | Plant growth-promoting rhizobacteria infused fertilizer | |
EP1084999B1 (en) | Fertilizer with a selenium chelate element | |
MX2008008074A (es) | Fertilizante. | |
WO2013019933A2 (en) | Plant fertilizers derived from organic nitrogen and phosphorus sources | |
AU2010212292A1 (en) | The use of nickel in agriculture and horticulture | |
JP3401501B2 (ja) | 農園芸用資材 | |
CA3215412A1 (en) | A synergistic plant growth stimulant composition comprising potassium mono/diformate and metal ion compounds to enhanced metabolic activities in plants | |
Yamaguchi et al. | Characterization of metal-substituted Klebsiella aerogenes urease | |
JP2002173388A (ja) | キレート化合物含有肥料 | |
JP3012239B2 (ja) | キレ―ト化合物含有肥料 | |
JP2001151589A (ja) | キレート化合物含有肥料及び農作物 | |
JP2010126431A (ja) | アミノ酸キレートカルシウム含有液体肥料 | |
JP2001089278A (ja) | キレート化合物含有肥料 | |
JP2001314181A (ja) | キレート化合物含有酒類 | |
JP3270316B2 (ja) | キレート化合物含有肥料 | |
US20050235718A1 (en) | Organic amino acid chelates, methods for making such chelates, and methods for using such chelates | |
JP2003180165A (ja) | 植物の硝酸低減剤 | |
WO2016092566A2 (en) | Novel multi mineral soil supplement and carrier material | |
JP2001089279A (ja) | キレート化合物含有肥料及びその製法 | |
JP2002212084A (ja) | 抗酸化物質 | |
US20200377426A1 (en) | Micronutrient foliar solutions | |
KR19990084146A (ko) | 키레이트 화합물 함유 비료 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |