JP2001089278A - キレート化合物含有肥料 - Google Patents

キレート化合物含有肥料

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JP2001089278A
JP2001089278A JP26336799A JP26336799A JP2001089278A JP 2001089278 A JP2001089278 A JP 2001089278A JP 26336799 A JP26336799 A JP 26336799A JP 26336799 A JP26336799 A JP 26336799A JP 2001089278 A JP2001089278 A JP 2001089278A
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Tamie Nasu
民江 那須
Iwao Takeda
巌 竹田
Hiroshi Tamiya
弘志 田宮
Kaori Harada
かおり 原田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色、香り、味が良く、防腐及び防黴作用を有
し、また、制癌の薬効に富む野菜等の農作物を栽培でき
る肥料を提供する。 【解決手段】 重量基準で、金属化合物0.01〜4部
と、アミノ酸混合物1〜5部と、カリ肥料2〜8部と、
窒素肥料0.1〜1部と、リン肥料0.01〜2部とを含
み、水と混合したときにpHが6.0〜7.5となり、ア
ミノ酸混合物は、糖酸及びアミノ酸、脂肪酸及びアミノ
酸又は糖酸、脂肪酸及びアミノ酸の混合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肥料、特にアミノ
酸、糖酸及び脂肪酸と金属とにより形成されるキレート
化合物を含有する肥料に属する。
【0002】
【従来の技術】農作物に養分を与え、収穫率を上げると
共に、地力の衰退を防ぐために土壌には肥料が施され
る。肥料の必要成分は植物の生育に必要でかつ特に大量
補給を要する窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)を
主要な3要素とする。窒素は、植物の蛋白質合成、細胞
の分裂及び増殖、根の発育、葉茎の繁茂を促進し、ま
た、養分の吸収、同化作用を促進する。リンは、根の発
育を促進して根の養分吸収面を増大し、発芽を活発化す
る。また、植物の成熟を促進して子実の収量を増大す
る。更に、デンプン生成、酵素及び微生物の活動を促進
し、害虫を防止すると共に、収穫物を良質化する。カリ
ウムは、炭水化物及び窒素化合物を合成し、同化作用、
根の発育、開花及び結実を促進する。また、水分を供給
し、蒸発作用の調整をする。更に、冷害又は病虫害への
抵抗力を増加する。肥料には、その他カルシウム(C
a)、マグネシウム(Mg)、ケイ素(Si)、マンガン(M
n)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、鉄(F
e)、ホウ素(B)等の成分が配合される。
【0003】例えば、特開昭55−15901号公報に
示されるように、尿素の加水分解によるpH上昇を抑制
しかつ作物の育成に害を及ぼさないクエン酸を添加し
て、尿素、窒素、リン、カリウム及びマグネシウムを含
有する液体肥料を製造する液体肥料の安定化方法は公知
である。また、特開昭58−223681号公報は、リ
ン酸、マグネシウム、カルシウムイオンを含有させる液
体肥料にヒドロキシ酢酸を含有させて、結晶性物質の析
出を防ぐ液体肥料を開示する。更に、特開平9−183
681号公報は、金属化合物と糖酸とを混合して、キレ
ート化合物を形成し、色、香り等が良く制癌の薬効に富
む農作物を栽培できるキレート化合物含有肥料を開示す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、糖
酸と金属とからのみキレート化合物を形成するため、キ
レート化合物の安定度が低く、生体内に摂取される前に
キレート化合物が変性することがある。更に肥料は、有
害物質を含まずかつ肥効成分を多く含み、農作物の大量
生産が可能であると共に、吸湿性又は固結性が小さく取
り扱いが容易かつ安価であることが要求される。また近
年では消費者のニーズに沿った商品価値の高い農作物が
求められ、色又はつや等の質感が良く香り及び味に優
れ、更に消費者の健康志向に合致して薬効に富む品質が
要求されるため、農作物の品質改良と同時に、肥料を改
善しなければならない。
【0005】そこで、本発明は、色、香り、味が良く、
防腐及び防黴作用を有する農作物を栽培でき、これを摂
取すると生体内で、過酸化水素、有機過酸化物、癌等の
解毒、抗酸化作用をもつ酵素を生成させるキレート化合
物含有肥料を提供することを目的とする。また、本発明
は、生体内に摂取される前にキレート化合物の変性を抑
制できるキレート化合物含有肥料を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるキレート化
合物含有肥料は、重量基準で、金属化合物0.01〜4
部と、アミノ酸混合物1〜5部と、カリ肥料2〜8部
と、窒素肥料0.1〜1部と、リン肥料0.01〜2部と
を含み、水と混合したときにpHが6.0〜7.5とな
る。アミノ酸混合物は、糖酸及びアミノ酸、脂肪酸及び
アミノ酸又は糖酸、脂肪酸及びアミノ酸の混合物であ
る。アミノ酸に糖酸及び脂肪酸のいずれか又は両方を加
えた混合物と金属とにより形成されるキレート化合物
は、肥料として土壌に散布されると、他の肥効成分と共
に農作物に吸収される。その農作物を人間等の動物が摂
取すると、キレート化合物がペプチド鎖に組み込まれ
て、基質により酸化還元をうける活性中心となり、グル
タチオンS−トランスフェラーゼ(GST)分子種及びグ
ルタチオンペルオキシターゼ(GPx)等の解毒酵素が誘
導される。生体内に存在する親電子性化合物(electrop
hile compound)は、求電子置換反応、求電子付加反応
などの求電子反応で、相手分子の電子密度の高いところ
を攻撃し、相手分子の電子を共有することによって反応
する物質である。例えば、親電子性化合物は、金属含有
ポリマーの金属−窒素結合(例えば、Si-N結合、Al-N結
合、B-N結合など)の電子密度の高いところを攻撃し、
これらの結合を分離し、新たな結合を生成する親電子性
基を有する。このような親電子性化合物は、ベンゾピレ
ン等の多核芳香族炭化水素、アゾ化合物、芳香族アミ
ン、その他多数の化学物質の少なくともいずれかを含む
発癌物質が水酸化されて生じ、DNA又は蛋白質の求核
部分と共有結合して突然変異、細胞毒性及び発癌を発現
する。前記解毒酵素は、活性酸素、過酸化水素、有機過
酸化物等との反応性に富む親電子性化合物を水又はアル
コール類に還元反応する触媒として作用する。
【0007】アミノ酸に糖酸及び脂肪酸のいずれか又は
両方を加えたアミノ酸混合物と金属とを混合すると、ア
ミノ基、カルボキシル基等のキレート形成能を有する官
能基が多く含まれ、金属とのキレート化合物の形成が容
易に行われる。特に、アミノ酸は、アミノ基の窒素原子
が強い電子供与性を有し、電子受容体である金属との配
位結合を促進するので、アミノ酸を含むと金属とのキレ
ート化合物が更に容易に形成される。また、アミノ酸は
金属との間でキレート化合物を形成するとき、アミノ酸
1分子中に含まれるカルボキシル基及びアミノ基によ
り、一般に二座配位錯体となり、5員環のキレート環を
形成する。キレート環を含む錯体は対応する単純錯体に
比べ安定度が高く、5員環はその中で最も安定(キレー
ト効果)なので、アミノ酸と金属とを混合して形成され
たキレート化合物は、長期間放置しても金属化合物の沈
殿が生じず変性しない。また、土壌中に肥料として散布
したとき、微生物等による分解をほとんど受けずにキレ
ート化合物が確実に農作物へ吸収されるので、その農作
物が生体内に摂取されると、活性酸素等を還元する触媒
として作用する解毒酵素を高収率で生成できる。
【0008】金属化合物が0.01部未満であるとキレ
ート化合物が形成されず、4部を超えてもキレート化合
物を含有する肥料としての効果は変わらないが、過剰量
の金属の化合物が土壌中に蓄積されることを防止しなけ
ればならない。アミノ酸に糖酸及び脂肪酸のいずれか又
は両方を加えた総量は、1部未満であるとキレート化合
物が形成されず、5部を超えても効果は変わらない。カ
リ肥料の含有量が2部〜8部であると、炭水化物及び窒
素化合物を合成し、同化作用、根の発育、開花及び結実
を促進する。2部未満であると、炭水化物及び窒素化合
物を十分に合成できない。窒素肥料の含有量が0.1〜
1部であると、植物の蛋白質合成、細胞の分裂及び増
殖、根の発育、葉茎の繁茂を促進し、また、養分の吸
収、同化作用を促進する。0.1部未満であると蛋白質
を十分に合成できない。リン肥料の含有量が0.01〜
2部であると、根の発育を促進して発芽を活発化する。
リン肥料が0.01部未満であると農作物の根の発育が
十分に促進されない。カリ肥料、窒素肥料及びリン肥料
がそれぞれ8部、1部及び2部を超えると、各肥料とし
ての生理作用は変わらないが、過剰量の肥料が土壌中に
残留し土壌に悪影響を及ぼす。キレート化合物含有肥料
のpHが6.0未満であると酸性過多により土壌汚染の
恐れがあり、7.5を超えると錯体の安定性に影響を及
ぼす。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるキレート化合
物含有肥料の実施の形態を説明する。本発明によるキレ
ート化合物含有肥料は、重量基準で、金属化合物0.0
1〜4部と、アミノ酸混合物1〜5部と、カリ肥料2〜
8部と、窒素肥料0.1〜1部と、リン肥料0.01〜2
部とを含み、水と混合したときにpHが6.0〜7.5と
なる。
【0010】金属化合物は、硫酸塩、硝酸塩、リン酸
塩、酢酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、塩化物、酸
化物及び水酸化物の1種又は2種以上である。金属化合
物の金属は、キレート化合物の中心金属を形成し、カル
シウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、
亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、
アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(C
o)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)、
ゲルマニウム(Ge)、バナジウム(V)、クロム(C
r)、銀(Ag)、ストロンチウム(Sr)、インジウム(I
n)、錫(Sn)、金(Au)及びジルコニウム(Zr)の1
種又は2種以上である。特に、金属化合物としてセレン
化合物が好ましい。セレンは、活性酸素等の親電子性化
合物を水又はアルコール類に還元する酵素であるグルタ
チオンペルオキシターゼ(GPx)の構成成分であり、ペ
プチド鎖に組み込まれ基質により酸化還元をうける活性
中心となる。従って、セレン化合物を含有する本発明に
よる肥料を施した農作物を動物の生体内に摂取すると、
グルタチオンペルオキシターゼ(GPx)の誘導を速やか
に行い、突然変異、細胞及び発癌を抑制できる。
【0011】アミノ酸混合物のアミノ酸は、グリシン、
アラニン、ヴァリン、アルギニン、リシン、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、チロシン、
メチオニン及びシスチンの1種又は2種以上である。本
発明による実施の形態では、アミノ酸混合物として、糖
酸、脂肪酸及び絹精練廃液を使用する。絹精練廃液と
は、絹繊維中のフィブロインを包むコロイド状のセリシ
ンを、熱水、セッケン水溶液又は酵素を含む水溶液中に
溶解除去して、フィブロインのみからなる絹糸を精製す
る際に排出される廃液である。絹精練廃液は、グリシ
ン、アラニン、セリン等のアミノ酸の他、分子量及び官
能基の多いフィブロイン、セリシン等の蛋白質を含有す
る。これにより、絹精練廃液には、配位基を複数有する
多座配位子を多く含み、金属と配位結合するとき、2個
以上のキレート環を同時に形成するので、キレート環1
個に比べてキレート効果が相乗されて、より安定なキレ
ート化合物が形成される。従って、絹精練廃液を使用し
て生成されたキレート化合物含有肥料は、長期間放置し
ても変性しない。また、散布された土壌中で微生物等に
よる分解をほとんど受けずに、キレート化合物を確実に
農作物へ吸収させる。
【0012】糖酸は、ペンタル酸、ヘキサル酸(グルコ
ン酸も含む)等を使用する。脂肪酸は、ギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、クロト
ン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン
酸等の不飽和脂肪酸を使用する。
【0013】カリ肥料は、塩化カリウム、硫酸カリウ
ム、カーナライト(KCl・MgCl2・6H2O)、鉱石カリ肥料
(KCl又はK2SO4を含む)、ニガリカリ塩(KCl(+NaCl+
MgSO4))、草木灰(K2CO3、KHCO3)、海ソウ灰(KCl、K
2SO4)、セメントダスト(硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩)
及び溶鉱炉ダスト(炭酸塩、硫酸塩)の少なくとも1種
使用する。
【0014】窒素肥料は、硫安((NH4)2SO4)、塩安(N
H4Cl)、硝安(NH4NO3)、リン安((NH4)2HPO4、NH4H2P
O4)、アンモニア水肥料(NH4OH)、アンモニア化デイ
炭(有機酸のアンモニウム塩)、アンモニア化過リン酸
石灰(NH4H2PO4、(NH4)2SO4)、硫硝安((NH4)2SO4+NH
4NO3)、アンモホス((NH4)2SO4+(NH4)2HPO4)、硫リ
ン安((NH4)2SO4+(NH4)2HPO4)、下肥(アンモニウム
塩)及びウマヤ肥(アンモニウム塩)のアンモニア系窒
素、硝安(NH4NO3)、チリ硝石(NaNO3)、硝酸石灰(C
a(NO3)2)、硫酸カリ(KNO3)、硫硝安((NH4)2SO4+NH
4NO3)及び硝安石灰(NH4NO3+CaCO3)カルウレア(Ca
(NO3)2・4CO(NH2)2)の硝酸窒素、石灰窒素(CaCN2)等
のシアナミド系窒素、尿素(CO(NH2)2)及びカルウレア
(Ca(NO 3)2・4CO(NH2)2)の尿素系窒素、尿素樹脂化肥
料(ウラホルム)(CO(NH2)2−HCHO縮合物)、オキザマ
イド(NH2COCONH2)、グアニル尿素塩([NH2C(NH)NHCON
H2]X)、グアニジン塩([NH2C(NH)NH2]X)及びアンモニ
ア化デイ炭(CO(NH2)2含有)のアミノ系窒素並びに魚肥
(NH2、NH含有)及び大豆かす(NH2、NH含有)の蛋白系
窒素の少なくとも1種使用する(X:HCl、H2SO4、HN
O3、H3PO4等)。
【0015】リン肥料は、過リン酸石灰(Ca(H2PO4)2
CaSO4)、重過リン酸石灰(Ca(H2PO 4)2)、苦土過リン
酸(過リン酸石灰+ジャ紋岩)、溶成リン肥(CaO−MgO
−P2O 5−SiO2ガラス)、焼リン肥(Ca3(PO4)2−CaNaPO4
固溶体)、混合リン肥(過(重過)リン酸石灰+溶成リ
ン肥)、リン鉱石粉末肥料(Ca3(PO4)2)、沈殿リン酸
石灰(CaHPO4)、硫リン安((NH4)2SO4+NH4H2PO4)、
硫加リン安((NH4)2SO4+NH4H2PO4+K2SO4)、固形肥料
(硫安+過リン酸石灰+カリ塩+デイ炭、リン酸塩の形
はCa(H2PO4)2)及び化成肥料類(CaHPO4、Ca3(PO4)
2等)の少なくとも1種使用する。
【0016】本発明によるキレート化合物含有肥料は、
アミノ酸混合物と金属とにより形成されるキレート化合
物を生体内に金属が吸収され易い錯体として含有するた
め、このキレート化合物含有肥料を施して栽培した野菜
等の農作物は色、香り、味が良く、防腐及び防黴作用を
有する。また、これを食べ生体内に摂取すると、活性酸
素、過酸化水素、有機過酸化物、癌等の解毒、抗酸化作
用を持つ酵素が生成される。
【0017】
【実施例】重量基準で、三酸化セレン(SeO3)0.07
部を水3部に溶解させた後、絹精練廃液から抽出したア
ミノ酸1部、ペンタル酸1部、酢酸1部を水3部に溶解
させた混合液を加え、60分間撹拌して完全に溶解させ
た。次にカリ肥料として草木灰(K2CO3、KHCO3)4部を
加え、60分間撹拌した。更に窒素肥料として硫安((N
H4)2SO4)0.5部と、リン肥料として過リン酸石灰(Ca
(H2PO4)2+CaSO4)1部を加え、pHを6.6に調整した
キレート化合物含有肥料を得た。
【0018】得られたキレート化合物含有肥料を水で1
0倍に希釈し、カイワレ大根の株に根元に、2ヶ月間、
週に1回100ccを散布した。このようにキレート化合
物含有肥料を施して栽培したカイワレ大根と、比較例と
してキレート化合物含有肥料を施さずに栽培したカイワ
レ大根とを、下記(1)〜(3)の方法により比較し、
色、香り、味、防腐及び防黴作用、癌等の解毒、抗酸化
作用を持つ発生酵素の量を調べた。
【0019】(1) カイワレ大根を常態及び油で炒め
て高温で料理した状態で、色、香り及び味を試験した。 (2) カイワレ大根を小さく刻み、水を入れた容器に
入れて常温で静置し、防腐及び防黴作用を試験した。 (3) カイワレ大根をF344雌ラット(7週令)に
3週間与えた後、肝臓、腎臓を摘出し、これらの臓器に
含まれる癌等の解毒、抗酸化作用を持つ酵素、例えばグ
ルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)分子種と、
グルタチオンペルオキシターゼ(GPx)の量を測定し
た。
【0020】グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GS
T)分子種の測定方法は次の通りである。摘出した腎臓
及び肝臓に重量の3倍量の0.25Mスクロース−10mM
リン酸塩緩衝液(pH7.4)を加えてホモジナイズし
た。ホモジナイズした臓器サンプル20μlに20%SD
S50μl及びPBS275μl加え、水で10倍に希釈
し、ローリー(Lowry)法により総蛋白量を測定した。
サンプル希釈液で蛋白濃度1mg/mlに調整し、沸騰水で
2分間煮沸した後、0.1%BPB50μlを加えて、電
気泳動用サンプルを調整した。12.5%SDS−ポリア
クリルアミドゲル(電気泳動SDS−PAGE)を用
い、スタッキングジェルは28mAでスタッキングジェル
を通過するまで、セパレーティングジェルは36mAで1
時間電気泳動した。バイオラート(BIO RAD)社製トラ
ンスブロットセル(TRANS-BLOT CELL)を用いて80Vで
2時間通過し、電気泳動により分離した蛋白をニトロセ
ルロース膜上に転写(Western Blot)した。
【0021】ニトロセルロース膜を3%スキムミルクT
BS緩衝液(pH7.4)で1時間ブロッキング処理し
た。rGSTA1(Ya)、rGSTA3(Yc)、r
GSTA4(Yk)、rGSTM1(Yb1)、rGS
TM2(Yb2)、rGSTP1(Yp)の各々に対す
るバイオトリン・インターナショナル・リミテッド(Bi
otrin International Limited)社製ウサギポリクロー
ナ抗体を3%ウシアルブミン(BSA)を含むTBS緩衝液
で5分、0.05%トウィーン(Tween)20を含むTB
S緩衝液で5分を2回、更にTBS緩衝液で5分一次抗
体を洗浄した。
【0022】ジャクソン・イムノ・リサーチ・ラボラト
リーズ・インコーポレイテッド(Jacson Immuno Resear
ch Laboratories, Inc)社製アルカリフォスファターゼ
標識抗ウサギIgGヤギ抗体をTBS緩衝液(pH7.
4)で5000倍に希釈し、室温で1時間反応させた
後、一次抗体と同様に二次抗体を洗浄した。ピアス(Pi
erce)社製ニトロブルーテトラ(Nitro Blue Tetra)を
発色試薬として発色反応させて、免疫染色(Immunostai
ning)を行った。
【0023】各サンプルの発色バンドをフォトレタッチ
ソフトのアドピフォトショップに取り込み、NIHイメ
ージアナライザによって発色バンドの強度を測定した。
得られた結果を比較し、有意差検定(t−検定)よりの
GST分子種の誘導状況を調べた。GST分子種の測定
値は、カイワレ大根の代わりに通常の市販固形飼料を3
週間与えたF344雌ラット(7週令)の肝臓、腎臓に
対する発色バンドの強度を1とした場合の強度比(単位
なし)として算出した。
【0024】表1に試験結果を示す通り、キレート化合
物含有肥料を施さずに栽培したカイワレ大根の比較例に
対し、セレンを含有するカイワレ大根の実施例では、
色、香り、味、防腐及び防黴作用に顕著な効果が現れ
た。また、癌等の解毒、抗酸化作用を持つ発生酵素の量
では、実施例は、グルタチオンS−トランスフェラーゼ
(GST)分子種が腎臓、肝臓に比較例に対し有意差を示
す。グルタチオンペルオキシターゼ(GPx)は、腎臓に
有意差を示す。*印は、比較例と比べ有意差があること
を示す。この結果、本実施例のキレート化合物含有肥料
を施した農作物は、生体内で癌等の解毒、抗酸化作用を
持つ酵素を発生させることが判明した。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示す単位nmol/mg protein/minは、
蛋白質1ミリグラム中に1分間に形成されるモル数をナ
ノモル[nmol=U(ユニット)]で表す。単位mUは、ミリ
ユニットでピコモル[mU(ミリユニット)=pmol]を意味
する。
【0027】
【発明の効果】前記のように、本発明によるキレート化
合物含有肥料を施して栽培した農作物は、色、香り、味
が良く、防腐及び防黴作用を有するため、長期間新鮮な
状態に保持され、遠隔地から輸送される場合でも品質が
低下しない。また、生体内に摂取されると、癌等の解
毒、抗酸化作用を持つ酵素を発生させるため、健康を増
進することができる。
フロントページの続き (72)発明者 原田 かおり 長野県上伊那郡辰野町大字赤羽664−92 Fターム(参考) 4H061 AA01 BB01 BB21 BB51 EE11 EE12 EE13 EE14 EE15 EE16 EE17 EE18 EE19 EE27 FF25 LL22 LL25 LL26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量基準で、金属化合物0.01〜4部
    と、アミノ酸混合物1〜5部と、カリ肥料2〜8部と、
    窒素肥料0.1〜1部と、リン肥料0.01〜2部とを含
    み、水と混合したときにpHが6.0〜7.5となり、ア
    ミノ酸混合物は、糖酸及びアミノ酸、脂肪酸及びアミノ
    酸又は糖酸、脂肪酸及びアミノ酸の混合物であることを
    特徴とするキレート化合物含有肥料。
  2. 【請求項2】 アミノ酸は、グリシン、アラニン、ヴァ
    リン、アルギニン、リシン、アスパラギン酸、グルタミ
    ン酸、セリン、スレオニン、チロシン、メチオニン及び
    シスチンの1種又は2種以上である請求項1に記載のキ
    レート化合物含有肥料。
  3. 【請求項3】 アミノ酸混合物は絹精練廃液である請求
    項1又は2に記載のキレート化合物含有肥料。
  4. 【請求項4】 金属化合物は、硫酸塩、硝酸塩、リン酸
    塩、酢酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、塩化物、酸
    化物及び水酸化物の1種又は2種以上である請求項1に
    記載のキレート化合物含有肥料。
  5. 【請求項5】 金属化合物を構成する金属は、カルシウ
    ム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、
    鉄、アルミニウム、ニッケル、コバルト、チタン、ガリ
    ウム、セレン、ゲルマニウム、バナジウム、クロム、
    銀、ストロンチウム、インジウム、錫、金及びジルコニ
    ウムの1種又は2種以上である請求項1に記載のキレー
    ト化合物含有肥料。
  6. 【請求項6】 金属化合物はセレン化合物である請求項
    1に記載のキレート化合物含有肥料。
  7. 【請求項7】 重量基準で三酸化セレン0.03〜2部
    と、アミノ酸0.5〜1.5部と、ペンタル酸0.5〜1.
    5部と、酢酸0.5〜1.5部と、カリ肥料3〜5部と、
    窒素肥料0.3〜0.8部と、リン肥料0.5〜1部とを
    含み、水と混合したときの水素イオン濃度はpH6.3
    〜7.0である請求項1に記載のキレート化合物含有肥
    料。
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