明 細 書
温度調整方法、熱処理装置、半導体装置の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、温度調整方法、熱処理装置および半導体装置の製造方法に関するも のである。
背景技術
[0002] 従来、半導体製造装置では、炉内の温度を適切な温度に維持し若しくは炉内を指 定した温度変化に追従させる必要があるため、予め設定した目標温度の温度変化パ ターンに基づいて制御装置がヒータの制御を行っている(例えば、特許文献 1参照。
) o
特許文献 1 :特開 2000— 183072号公報 (第 11一 21頁、第 1図)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] 従来技術である PID演算による帰還制御を用いると、目標値(目標温度)と実測値 との偏差が大きくなつたことを認識した後で操作量を変化させるという後追い制御で あるため、大きなオーバーシュートあるいはアンダーシュートが発生してしまい、その 結果安定状態を得るまで多くの時間を要してしまう場合がある。そのため、熟練した 作業者により、目標温度との誤差を少なくするための調整 (PID演算のために予め設 定するパラメータの調整)を繰り返し行うため、多くの調整時間や費用を要しており、 作業効率の向上およびコストダウンの妨げとなっている。
[0004] 本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、作業効率の向上 およびコストダウンに寄与することのできる温度調整方法、熱処理装置および半導体 装置の製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0005] 上述した課題を解決するため、本発明に係る温度調整方法は、基板を処理する処 理室内を加熱する加熱手段と、該加熱手段を制御する加熱制御部と、前記処理室 内の温度を検出する第一および第二の温度検出手段とを備え、該第一の温度検出
手段は前記第二の温度検出手段よりも前記基板に近い位置に配置され、該第二の 温度検出手段は前記第一の温度検出手段よりも前記加熱手段に近い位置に配置さ れる熱処理装置における温度調整方法であって、前記加熱制御部により、前記第一 の温度検出手段による検出温度が所定の目標温度となるように、積分演算、微分演 算および比例演算を行って前記加熱手段を制御する第一の工程と、前記第一のェ 程おける前記加熱手段の制御において前記第一の温度検出手段により検出される 検出温度に基づき、前記加熱制御部によって前記加熱手段を制御するための第一 の操作量をパターンィ匕し第一の出力制御パターンを求める第二の工程と、前記第二 の工程で求めた第一の出力制御パターンに基づいて前記加熱制御部により前記カロ 熱手段を制御する第三の工程と、前記第三の工程における前記加熱手段の制御に おいて前記第二の温度検出手段により検出される検出温度に基づき、前記加熱制 御部によって前記加熱手段を制御するための第二の操作量の少なくとも一部をバタ ーン化し第二の出力制御パターンを求める第四の工程とを有することを特徴とするも のである。
[0006] また、上述のような構成の温度調整方法において、前記加熱制御部により、前記第 二の操作量の少なくとも一部として前記第四の工程で求めた前記第二の出力制御パ ターンを用いて、前記加熱手段を制御しつつ前記基板を処理する第五の工程を有 する構成としてちよい。
[0007] また、上述のような構成の温度調整方法において、前記第四の工程は、前記第三 の工程における前記加熱手段の制御において前記第二の温度検出手段により検出 される検出温度の、昇温開始時から最大温度時までの間の熱量を求め該熱量の中 力 前記比例演算による出力分を差し引いた熱量を用いて前記昇温開始時力 最 大温度時までの前記第二の操作量の少なくとも一部をパターン化することにより前記 第二の出力制御パターンを求める構成とすることもできる。
[0008] また、本発明に係る熱処理装置は、基板を処理する処理室内を加熱する加熱手段 と、該加熱手段を制御する加熱制御部と、前記処理室内の温度を検出する第一およ び第二の温度検出手段とを備え、該第一の温度検出手段は前記第二の温度検出手 段よりも前記基板に近い位置に配置され、該第二の温度検出手段は前記第一の温
度検出手段よりも前記加熱手段に近い位置に配置される熱処理装置であって、前記 加熱制御部は、前記第一の温度検出手段による検出温度が昇温開始時の温度から 目標温度となるように積分演算、微分演算および比例演算を行って前記加熱手段を 制御した際に、前記第一の温度検出手段により検出される検出温度に基づき、前記 加熱手段を制御するための第一の操作量をパターンィ匕して第一の出力制御パター ンを求め、該第一の出力制御パターンに基づいて前記加熱手段を制御した際の前 記第二の温度検出手段により検出される検出温度に基づき、前記加熱手段を制御 するための第二の操作量の少なくとも一部をパターンィ匕し第二の出力制御パターン を求めることを特徴とするものである。
[0009] また、上述のような構成の熱処理装置において、前記加熱制御部は、前記第二の 操作量の少なくとも一部として前記第二の出力制御パターンを用いて、前記加熱手 段を制御しつつ前記基板を処理するようにすることもできる。
[0010] また、上述のような構成の熱処理装置において、前記加熱制御部は、前記第一の 温度検出手段により検出された検出温度が前記目標温度を超えるよう予め設定され た許容値よりもオーバーシュート量が大き!/、場合には、該オーバーシュート量を低減 させるよう、前記昇温開始時の温度から前記目標温度へ変化させ前記目標温度に 安定させるまでの過程における期間中の総熱量と、該総熱量中の昇温するために必 要な昇温熱量と、前記目標温度を超えてオーバーシュートしているオーバーシュート 熱量とを求め、前記総熱量と該オーバーシュート熱量との比であるオーバーシュート 温度比率を求め、前記昇温熱量から前記オーバーシュート温度比率分を差し引いて 求めた熱量に基づいて、前記第一の出力制御パターンを求める構成とすることもでき る。
[0011] また、上述のような構成の熱処理装置において、第一の出力制御パターンに基づ いて前記加熱制御部は、前記加熱手段を制御した際の前記第二の温度検出手段に より検出される検出温度が示す昇温開始時力 最大温度時までの熱量を求め該熱 量の中から前記比例演算による出力分を差し引いた熱量を用いて前記昇温開始時 力も最大温度時までの前記第二の操作量の少なくとも一部をパターンィ匕することによ り前記第二の出力制御パターンを求める構成とすることが好ましい。
[0012] また、上述のような構成の熱処理装置において、前記第二の出力制御パターンに 基づいて前記基板の処理を行う際には、前記目標温度へ昇温している期間中は、前 記加熱制御部により、前記第一の温度検出手段にて検出された温度を前記目標温 度から減算した結果を用いて、比例演算および微分演算を行った結果と、前記第二 の出力制御パターンとに基づいて前記第二の操作量を演算し、該演算された第二の 操作量力 前記第二の温度検出手段にて検出された温度を減算して得られる結果 を用いて比例演算、微分演算、および積分演算しつつ、前記加熱手段を制御し、前 記目標温度で安定した際には、前記加熱制御部により、前記第一の温度検出手段 にて検出された温度を前記目標温度から減算した結果を用いて、比例演算、微分演 算および積分演算を行った結果と、前記第二の出力制御パターンとに基づいて第三 の操作量を演算し、該演算された第三の操作量から前記第二の温度検出手段にて 検出された温度を減算して得られる結果を用いて比例演算、微分演算、および積分 演算しつつ、前記加熱手段を制御し前記基板を処理する構成とすることもできる。
[0013] また、本発明に係る半導体装置の製造方法は、基板を処理する処理室内を加熱す る加熱手段と、該加熱手段を制御する加熱制御部と、前記処理室内の温度を検出 する第一および第二の温度検出手段とを備え、該第一の温度検出手段は前記第二 の温度検出手段よりも前記基板に近い位置に配置され、該第二の温度検出手段は 前記第一の温度検出手段よりも前記加熱手段に近い位置に配置される熱処理装置 であって、前記加熱制御部は、前記第一の温度検出手段による検出温度が所定の 目標温度となるように積分演算、微分演算および比例演算を行って前記加熱手段を 制御した際に、前記第一の温度検出手段により検出される検出温度に基づき、前記 加熱手段を制御するための第一の操作量をパターンィ匕して第一の出力制御パター ンを求め、該第一の出力制御パターンに基づいて前記加熱手段を制御した際の前 記第二の温度検出手段により検出される検出温度に基づき、前記加熱手段を制御 するための第二の操作量の少なくとも一部をパターンィ匕し第二の出力制御パターン を求める熱処理装置を用いて基板の処理を行う半導体装置の製造方法であって、基 板を処理室内に搬入する工程と、前記加熱制御部が前記第二の操作量の少なくとも 一部として前記第二の出力制御パターンを用いて前記加熱手段を制御しつつ前記
処理室内に搬入された基板を処理する工程と、前記基板を処理室から搬出するェ 程とを有することを特徴とする。
図面の簡単な説明
[図 1]本発明の第 1の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 2]同装置における反応管周辺の構成の詳細について説明するための図である。
[図 3]PID演算器 23における処理 (PID制御)について説明するための図である。
[図 4]PIDC演算器について説明するための図である。
[図 5]積分出力パターンについて説明するための図である。
[図 6]Power制御について説明するための図である。
[図 7]温度調整方法の手順について説明するためのフローチャートである。
[図 8]温度特性基本データに基づいて求めるパラメータについて説明するための図 である。
[図 9]オーバーシュートしたカスケード温度の総和について説明するための図である
[図 10]評価開始から目標温度 S '安定時間 cの間の温度総和について説明するため の図である。
[図 11]操作量と時間との関係について説明するための図である。
[図 12]k(t)の波形力 P動作分を差し引いたヒータ波形 L (t)について説明するため の図である。
[図 13]積分出力パターン M (t)について説明するための図である。
[図 14]ある一定の時間毎に積分パターン出力のステップを r個設定した場合の目標 温度とランプレートについて説明するための図である。
[図 15]積分出力パターンは適切である場合におけるオーバーシュートおよびアンダ 一シュートの発生について説明するための図である。
[図 16]ゾーン間偏差について説明するための図である。
[図 17]ゾーン間偏差がある場合における温度調整手順について説明するための図 である。
[図 18]本実施の形態による温度制御を行った場合における、炉内の温度変化を示す
図である。
圆 19]本実施の形態による温度制御を行った場合における、炉内の温度変化を示す 図である。
[図 20]本実施の形態による温度制御を行った場合における、炉内の温度変化を示す 図である。
圆 21]第 2の実施の形態における温度調整手順について説明するためのフローチヤ ートである。
[図 22]温度特性基本データに基づいて求めるパラメータについて説明するための図 である。
[図 23]オーバーシュートしたカスケード温度の総和について説明するための図である
[図 24]最低温度 S 1時点 rから初期温度 S安定時間 cの間の温度総和について説明 するための図である。
[図 25]Power出力パターンについて説明するための図である。
[図 26]Power制御時温度特性基本データに基づく Power制御開始力 の温度調整 評価時間等の決定について説明するための図である。
[図 27]積分出力パターン M (t)について説明するための図である。
[図 28]—定の時間毎に積分パターン出力のステップを w個設定した場合の目標温度 およびランプレートについて説明するための図である。
[図 29]積分出力パターンが適切である場合における、オーバーシュートおよびアンダ 一シュートの発生について説明するための図である。
[図 30]ゾーン間偏差について説明するための図である。
[図 31]ゾーン間偏差がある場合における温度調整について説明するための図である
[図 32]ボートロード後の温度リカノ リの具体例を示す図である。
[図 33]ボートロード後の温度リカノ リの具体例を示す図である。
[図 34]Power制御時温度特性基本データ力もの各種パラメータの決定について説 明するための図である。
[図 35]オーバーシュート温度比率 Mの Power出力パターンの昇温熱量から求めた操 作量からの削減について説明するための図である。
[図 36]本発明の第 6の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 37]本発明の第 7の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 38]本発明の第 8の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 39]本発明の第 9の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 40]本発明の第 10の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 41]本発明の第 11の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 42]本発明の第 12の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 43]本発明の第 13の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 44]本発明の第 14の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 45]本発明の第 15の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 46]本発明の第 16の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 47]本発明の第 17の実施の形態について説明するための機能ブロック図である。
[図 48]本発明の第 17の実施の形態について枚葉装置における処理炉周辺の構成 の詳細について説明するための図である。
発明を実施するための最良の形態
[0015] 以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は、熱処 理装置での温度制御における、加熱手段に入力する操作量を比例 '積分'微分 (PI
D)演算による帰還制御を用いて、当該加熱手段から出力される制御量を制御する 制御方式の自動温度調整手順に関するものである。
[0016] (第 1の実施の形態)
図 1は本発明の第 1の実施の形態による熱処理装置について説明するための機能 ブロック図、図 2は同装置における反応管周辺の構成の詳細について説明するため の図である。
[0017] 本実施の形態による熱処理装置は、処理炉 91および主制御部 7を備えてなる構成 となっている。なお、図 1では主制御部 7について温度制御部 71のみを抜き出して表 示している。
[0018] 処理炉 91は、ヒータ (加熱手段) 1、石英キャップ la、ヒータ熱電対 (第二の温度検 出手段) 2、カスケード熱電対 (第一の温度検出手段) 3、ボート 4、反応管 5、均熱管 6、排気管 8、ボートエレベータ 9、ベース 10、ガス供給管 11、マスフローコントローラ (MFC) 12、圧力調節器 (APC) 13、圧力センサ 14、 Oリング 15、シールキャップ 16 、回転軸 17、導入口 18および排気口 19を備えている。
[0019] 主制御部 7は、温度制御部 (加熱制御部) 71、ガス流量制御部 72、圧力制御部 73 および駆動制御部 74を備えて 、る。
[0020] 均熱管 6は例えば SiC等の耐熱性材料力 なり、上端が閉塞され、下端に開口を有 する円筒状に形成されている。例えば石英(SiO )等の耐熱性材料からなる反応容
2
器 (以下、反応管 5)は、下端に開口を有する円筒状に形成され、均熱管 6内に均熱 管 6と同心円状に配置されている。反応管 5の下部には例えば石英力もなるガス供給 管 11と排気管 8が連結されていて、ガス供給管 11と連結される導入口 18は反応管 5 下部から、反応管 5側部に添って例えば細管状に立ち上がり、天井部分で反応管 5 の内部に至る構成となっている。排気管 8は、反応管 5の排気口 19に接続される。ガ スはガス供給管 11から反応管 5の天井部を経て、反応管 5の内部に流入し、反応管 5下部に接続された排気管 8から排気されるようになっている。
[0021] 反応管 5の導入口 18には、ガス供給管 11により、処理用のガスが反応管 5内に供 給されるようになって 、る。このガス供給管 11はガスの流量制御手段としてのマスフ ローコントローラ(MFC) 12若しくは不図示の水分発生器に連結されている。マスフ ローコントローラ 12は、ガス流量制御部 72に接続されており、供給するガス若しくは 水蒸気 (H O)の流量を所定の量に制御し得る構成となって 、る。
2
[0022] 反応管 5の排気口 19からは、反応管 5内を流れるガスが排出される。反応管 5の排 気口 19には、圧力調節器 (例えば APC) 13に連結されたガスの排気管 8が接続され ており、反応管 5内の圧力を圧力検出手段 (以下、圧力センサ 14)により検出し、反 応管 5内の圧力を所定の圧力にするように圧力制御部 73により APC13を制御する。
[0023] 反応管 5の下端開口部には、例えば石英力 なる円盤状の保持体 (以下、ベース 1 0)力 Oリング 15を介して気密シール可能に着脱自在にあり、ベース 10は円盤状の 蓋体(以下、シールキャップ 16)の上に取り付けられている。又、シールキャップ 16に
は、回転手段 (以下、回転軸 17)が連結されており、回転軸 17により、保持体 (以下、 石英キャップ la)および基板保持手段(以下、ボート 4)、ボート 4上に保持されている 基板 (以下、ウェハ 4a)を回転させる。又、シールキャップ 16は昇降手段(以下、ボー トエレベータ 9)に連結されており、ボート 4が昇降される構成となっている。回転軸 17 およびボートエレベータ 9は、所定のスピードで駆動するように、駆動制御部 74により 制御される。
[0024] 反応管 5の外周には加熱手段 (以下、ヒータ 1)が同心円状に配置されている。ヒー タ 1は、反応管 5内の温度を上位コントローラ Ucで設定された処理温度にするよう温 度検出手段 (以下、ヒータ熱電対 2、カスケード熱電対 3)により温度を検出し、温度 制御部 71により制御する。ここでヒータ熱電対 2はヒータ 1の温度を、カスケード熱電 対 3は均熱菅 6と反応菅 5の間の温度を検出する役割を有している。具体的には、ヒ ータ 1は、炉内温度をより高精度に制御するために複数のゾーン (例えば、 Uゾーン、 CUゾーン、 CLゾーン、 Lゾーンなど)に分割されており、ヒータ 1により構成される複 数の加熱ゾーン力 の温度検出値と温度設定値との偏差に基づいて、加熱ゾーン毎 にヒータへのパワー制御信号が出力され、温度制御が行われる。なお、ヒータ熱電対 2もカスケード熱電対 3も、ヒータ 1の複数のゾーンに対応するようにそれぞれのゾー ンに応じた位置で検出するように複数の検出点を有する。
[0025] ここではカスケード熱電対 3は反応菅 5とボート 4の間に設置され、反応菅 5内の温 度を検出することもできるような構成となっているが、カスケード熱電対 3とヒータ熱電 対 2の配置は、ヒータ 1とウェハ 4aとの間にそれぞれ配置され、カスケード熱電対 3は ヒータ熱電対 2よりウェハ 4aにより近く配置され、ヒータ熱電対 2は、カスケード熱電対 3よりヒータ 1側により近く配置されればよい。
[0026] 次に、処理炉 91における酸化、拡散処理方法の一例を説明する。まず、ボートエレ ベータ 9によりボート 4を下降させる。ボート 4は、複数枚のウェハ 4aを保持する。次い で、ヒータ 1により加熱しながら、反応管 5内の温度を所定の温度にする。ガス供給管 11に接続された MFC12により予め反応管 5内を不活性ガスで充填しておき、ボート エレベータ 9により、ボート 4を上昇させて反応管 5内に移し、反応管 5の内部温度を 所定の処理温度に維持する。反応管 5内を所定の圧力に保った後、回転軸 17により
、ボート 4およびボート 4上に保持されているウェハ 4aを回転させる。同時にガス供給 管 11から処理用のガスを供給若しくは水分発生器から水蒸気を供給する。供給され たガスは、反応管 5を下降し、ウェハ 4aに対して均等に供給される。
[0027] 酸化'拡散処理中の反応管 5内では、排気管 8を介して排気され、所定の圧力にな るよう APC13により圧力が制御され、所定時間、酸化 ·拡散処理を行う。
[0028] このようにして酸ィ匕 ·拡散処理が終了すると、次のウェハ 4aの酸ィ匕 ·拡散処理に移 るべぐ反応管 5内のガスを不活性ガスで置換するとともに、圧力を常圧にし、その後 、ボートエレベータ 9によりボート 4を下降させて、ボート 4および処理済のウェハ 4aを 反応管 5から取り出す。反応管 5から取り出されたボート 4上の処理済のウェハ 4aは、 未処理のウェハ 4aと交換され、再度前述同様にして反応管 5内に上昇され、酸化' 拡散処理が成される。
[0029] 次に、図 1に示す温度制御部 71について説明する。なお、温度制御部 71は、前述 の加熱ゾーンごとに、ヒータ 1、カスケード熱電対 3、ヒータ熱電対 2それぞれに応じて 制御するが、以下の説明では、特別説明のない限り、そのうちの 1つの加熱ゾーンに 対しての説明であるものとする。
[0030] 温度制御部 71は切替え器 20および 22、減算器 21および 25、 PID演算器 23およ び 26、 PIDC演算器 24および Powerパターン出力器 27から構成される。
[0031] 切替え器 20は設定される制御モードによって制御方式を選択切り替えするもので ある。具体的には PID制御(後述)と Power制御(後述)等の選択切替えを行う。
[0032] 減算器 21は上位コントローラ Ucで設定される目標値 Scから制御量 (検出温度) A を減算した結果を偏差 Fとして算出し、切替え器 22を経由して PID演算器 23あるい は PIDC演算器 24へ出力する。
[0033] 切替え器 22は設定される制御モードによって制御方式を選択切り替えするもので ある。具体的には PIDC制御(後述)と PID制御との選択切替えを行う。
[0034] 続いて、 PID演算器 23における処理 (PID制御)について図 3に基づいて説明する
[0035] 図 3に示すように、 PID演算器 23は、加算器 30、積分演算器 31、比例演算器 32 および微分演算器 33とから構成される。積分演算器 31は、偏差 Fを入力とし、偏差 F
を時間積分演算 (I演算)した結果に予め設定されて ヽるパラメータ Kiを乗じた値を積 分値 Nとして出力するものである。ある特定の時間 tにおける偏差 Fを F(t)、そのとき の積分値 Nを N(t)で表すとすると、積分値 Nは式(1)に従って求められる。なお式( 1)において、 ί F(u)duの積分範囲は 0から tの間である。
N(t)=Ki- J F(u)du ··· (1)
比例演算器 32は、偏差 Fを入力とし、予め設定されているパラメータ Kpを乗じた (P 演算)値を比例値 Οとして出力するものである。ある特定時間 tにおける偏差 Fを F (t) 、そのときの比例値 Oを O(t)で表すと、比例値 Oは式(2)に従って求められる。
0(t)=Kp-F(t) ·'·(2)
微分演算器 33は、偏差 Fを入力とし、偏差 Fを時間微分演算 (D演算)した結果に 予め設定されているパラメータ Kdを乗じた値を微分値 Rとして出力するものである。 ある特定の時間 tにおける偏差 Fを F (t)、そのときの微分値 Rを R (t)で表すとすると、 微分値 Rは式(3)に従って求められる。
R(t)=Kd-dF(t)/dt ··· (3)
加算器 30は、積分値 N、比例値 Oおよび微分値 Rを入力とし、これらの総和を算出 して操作量 Xを出力するものである。ある特定の時間 tにおける偏差 Fを F(t)、そのと きの操作量 Xを X(t)で表すとすると、前述した式(1)、式 (2)、式 (3)から操作量 Xは 式 (4)に従って求められ、このような PID演算器 23における演算処理を PID演算と呼 ぶ。なお式 (4)において、 ί F(u)duの積分範囲は 0から tの間である。
X(t)=Kp-F(t)+Ki- J F(u)du+Kd-dF(t)/dt · · · (4)
つまり図 1で示すように、主制御部 7における温度制御部 71に対して、上位コント口 ーラ Ucからの目標値(目標温度) Scおよびカスケード熱電対 3からの制御量 (検出温 度) Aが入力され、温度制御部 71内の減算器 21では目標値(目標温度) Scから制御 量 Aを減算した偏差 Fが出力される。 PID演算器 23では、偏差 Fを用いて PID演算 が行われ、操作量 Xが決定される。この操作量 Xは目標値 X'に変換され、この目標 値 X'とヒータ熱電対 2からの制御量 (検出温度) Bが減算器 25に入力され、減算器 2 5では目標値 X'力も制御量 Bを減算した偏差 Eが出力される。 PID演算器 26では偏 差 Eを用いて PID演算され、温度制御部 71の出力として操作量 Zが出力され、ヒータ
1に入力される。そしてヒータ 1から出力された制御量 A、 Bは再び温度制御部 71に 帰還される。このように温度制御部 71から出力される操作量 Zを、目標値 Scと制御量 Aとの偏差 Fが零になるように時々刻々と変化させている。このような制御方式を PID 制御と呼ぶ。
[0036] 続、て、 PIDC演算器にっ 、て図 4に基づ 、て説明する。
[0037] 図 4に示すように、 PIDC演算器 24は、加算器 40、積分演算器 41、比例演算器 42 、微分演算器 43、切替え器 44、積分パターン出力器 45、積分パターン出力器 46か ら構成される。
[0038] 切替え器 44は、予め設定される制御切替え時間に基づいて選択切替えを行うもの である。具体的には制御開始から予め設定された時間 tのタイミングで、積分パター ン出力器 45か積分パターン出力器 46+積分演算器 41かの切替えを行う。
[0039] 積分演算器 41は偏差 Fを入力とし、偏差 Fを時間積分演算 (I演算)した結果に予 め設定されて ヽるパラメータ Kiを乗じた値を積分値 Nとして出力するものである。ある 特定の時間 tにおける偏差 Fを F (t)、そのときの積分値 Nを N (t)で表すとすると、積 分値 Nは式(5)に従って求められる。なお式(5)において、 ί F (u) duの積分範囲は 0 から tの間である。
N (t) =Ki- ί F (u) du · · · (5)
ここで、積分出力パターンとは、積分演算分の代わりに、予め積分演算分の出力値 を過程に合わせて設定するものであり、積分パターン出力器 45および 46は、予め設 定されている出力パターンに基づいて、積分パターン銜を出力するものである。図 5 は、積分出力パターンを例示する図である。上位コントローラ Ucでは、温度制御を行 う際の複数のステップ(Stepl〜Step4)毎に出力値 C、レート(Rate)、時間 timeを設 定することができる。あるステップを Iステップ目とすると、前ステップの出力値 C (1- 1 )からレート Rate (I)で出力値 C (I)に向力つて変化させ、出力値 C (I)到達後は出力 値は C (I)のまま出力を続ける。 Iステップ開始後、時間 time (I)経過時点で次ステップ 1+ 1ステップ目に移行する。ある特定の時間 tにおける出力街を J (t)とする。
[0040] 加算器 49は、積分パターン出力器 46からの積分パターン銜と積分演算器 41から の積分演算値 Nとを入力とし、これらの総和を算出し積分操作量 Wを出力するもので
ある。
[0041] つまり、ある特定時間 tにおける偏差 Fを F(t)、そのときの積分操作量 Wを W(t)で 表すと、切替え器 44によって積分パターン出力器 45と積分パターン出力器 46+積 分演算器 41の切替えが行われるとき、積分操作量 Wは式 (6)に従って求められる。 積分操作量 Wは、積分パターン値 Ci(t))と積分演算値との和になっている。なお式(
6)において、 ί F(u)duの積分範囲は 0から tの間である。
W(t)=j(t)+Ki- J F(u)du ·'·(6)
比例演算器 42は偏差 Fを入力とし、予め設定されているパラメータ Kpを乗じた (P 演算)値を比例値 Οとして出力するものである。ある特定時間 tにおける偏差 Fを F (t) 、そのときの比例値 Oを O(t)で表すと、比例値 Oは式(7)に従って求められる。
0(t)=Kp-F(t) ·'·(7)
微分演算器 43は、偏差 Fを入力とし、偏差 Fを時間微分演算 (D演算)した結果に 予め設定されているパラメータ Kdを乗じた値を微分値 Rとして出力するものである。 ある特定の時間 tにおける偏差 Fを F(t)、そのときの微分値 Rを R(t)で表すとすると 、微分値 Rは式 (8)に従って求められる。
R(t)=Kd-dF(t)/dt ··· (8)
[0042] 加算器 40は、積分操作量 Wもしくは積分パターン銜と比例値 Oと微分値 Rを入力 とし、これらの総和を算出して操作量 Xを出力するものである。ある特定の時間 tにお ける偏差 Fを F(t)、そのときの操作量 Xを X(t)で表すとすると、前述した式 (6)、式(
7)、式(8)から操作量 Xは式(9a)もしくは式(9b)に従って求められ、これを PIDC演 算と呼ぶ。
X(t) =W(t) +Kp-F(t) +Kd-dF(t) /dt · · · (9a)
X (t) = J (t) + Kp · F (t) + Kd · dF (t) /dt · · · ( 9b)
つまり図 1で示すように、温度制御部 71へに対して、上位コントローラ Ucからの目 標値 Scおよびカスケード熱電対 3からの制御量 Aが入力されると、温度制御部 71内 の減算器 21では目標値 Scから制御量 Aを減算した偏差 Fが出力される。切替え器 2 2により PIDC演算器 24に偏差 Fが入力されたとき、 PIDC演算器 24では、偏差 Fと 予め設定された積分パターン積分値と比例微分演算器等を用いて、操作量 Xが決
定される。この操作量 Xは目標値 X,に変換され、この目標値 X,とヒータ熱電対 2から の制御量 Bが減算器 25に入力され、減算器 25では目標値 X'力 制御量 Bを減算し た偏差 Eが出力される。 PID演算器 26では偏差 Eを用いて PID演算され、温度制御 部 71の出力として操作量 Zが出力され、ヒータ 1に入力される。そしてヒータ 1から出 力された制御量 Aおよび制御量 Bは、再び温度制御部 71に帰還される。このように 温度制御部 71から出力される操作量 Zを、目標値 Scと制御量 Aとの偏差 Fが零にな るように時々刻々と変化させている。このような制御方式を PIDC制御と呼ぶ。
[0043] 次に、 Powerパターン出力器 27について説明する。
[0044] ここで、 Power (パワー)パターンとは、積分演算分、微分演算分、比例演算分を含 む、ヒータ出力値の代わりに予め積分、微分、比例演算分を含むヒータ出力値を過 程に合わせて設定するものであり、 Powerパターン出力器 27は、予め設定されたパ ターンに基づいて操作量 Zを出力するものである。具体的には、例えば図 6に示すよ うに、ある特定の時間 tlはある一定の操作量 Z1を出力し、 tl経過後、ある特定の時 間 t2の間はある一定の操作量 Z2を出力する。このとき、操作量 Z1から操作量 Z2〖こ 移行する際に予め設定された傾き (操作量 Z時間)によってランビングさせることも可 能である。このように予め時間と操作量と傾きによって作られる(パターンィ匕される)パ ターンに基づ 、て操作量を決定し、出力する制御方式を Power制御と呼ぶ。
[0045] 図 7は、本実施の形態による温度調整方法について説明するためのフローチャート である。ここでは、初期温度 Sから目標温度 S'にランプアップさせ安定工程に至るま での場合について述べる。なお、ここでランプアップとは、立ち上げ (ramp— up)、す なわち昇温工程を意味する。
[0046] はじめに PID制御で前述の標準的な PIDパラメータ (Ki、 Kp、 Kd)を使用して、温 度制御部 71によってカスケード熱電対による検出温度が所定の目標温度となるようヒ ータの温度制御を行 、 (第一の工程)、温度特性基本データ (カスケード熱電対によ り検出される温度データ)を取得する(SI la)。
[0047] 次に、図 8に示すようにこの温度特性基本データに基づいて、ランプアップ開始 (昇 温開始)からの (カスケード熱電対の測定する温度に基づく)温度調整評価時間 A1 [ min]を決定し、また、カスケード熱電対 3の示す温度の最大オーバーシュート時間(ラ
ンプアップ開始力 オーバーシュートが最大になるまでの時間) a[min]、目標温度 S' 到達時間 b [min]、目標温度 S'安定時間 c [min]、目標温度安定時の操作量 d[%]を 求める。また、温度調整評価時間 A1内の各時点での操作量 e (t) [%]、ヒータ熱電 対 2の示す温度 f(t) [°C] (図示せず)、カスケード熱電対 3の示す温度 g (t) [°C]を求 める。
[0048] 次に、カスケード熱電対 3の示す温度 (以下、カスケード温度ともいう)の温度調整 評価時間 A1中の総熱量 Bl [% * min]を求める。なお式(10)において、 ί e (t) dtの 積分範囲は 0から A1の間である。
Bl = J e (t) dt …(10)
また温度調整評価時間 A1中全域で目標温度 S 'の温度で安定して 、ると仮定し、 目標温度 S '安定時の操作量 dのみを出力したと仮定した場合の温度調整評価時間 A1中の総熱量を安定熱量 CI [% * min]とすると C1は以下の式(11)で求められる。 Cl = d *Al · · · (11)
式(10)および式(11)力 求めた Bl、 C1を用いて、以下の式(12)で求められる熱 量を昇温熱量 Dl [% * min]とする。
D1 = B1— C1 · · · (12)
ここで、昇温熱量について説明する。初期温度から所望の目標温度 S 'に昇温し始 めて力 安定するまでの PID演算によって求められた熱量には、目標温度 S'で安定 保持するために必要な熱量と、目標温度まで設定値に追従しつつ昇温するために必 要な熱量の 2種類の熱量が含まれて 、る。
[0049] そこで、式(10)で求めた総熱量から目標温度に安定しているときの操作量を出力 し続けたと仮定した場合の安定熱量を減算すれば、昇温するために必要な熱量、昇 温熱量が得られる。
[0050] 前述のように、昇温し始めてから目標温度までは、設定値に追従しつつ昇温するが 、このとき昇温熱量が大きすぎると、目標温度を越えても昇温しつづけるオーバーシ ユートが発生してしまう。このオーバーシュートは温度制御上不必要な現象であり、極 力無くす必要がある。ここで、総熱量のうち安定熱量ではなぐ昇温熱量内にオーバ 一シュートの要因がひそんでいることとなり、この昇温熱量内にひそむオーバーシュ
ート要因の熱量比率を反映させた出力パターンを用いることで、炉内を理想的な温 度に素早く安定させることができることとなる。
[0051] 次に図 9の斜線部に示すように、評価開始から目標温度 S'到達時間 bから目標温 度 S,安定時間 cの間オーバーシュートしたカスケード温度の総和を求める。これをォ 一バーシュート温度総和 F,とすると F,は以下の式( 13)で求められる。なお式(13) において、 ί g(t)dtの積分範囲は bから cの間である。
F,= _f g(t)dt— S, * (c b) ·'·(13)
[0052] 次に図 10の斜線部に示すように評価開始から目標温度 S'安定時間 cの間の温度 総和を求める。これを温度総和 Gとすると Gは以下の式(14)で求められる。なお式(1
4)において、 ί g(t)dtの積分範囲は 0から cの間である。
G= ί g(t)dt— S*c ·'·(14)
[0053] 次に、オーバーシュート温度比率 Η [百分率]を求める。これは、図 10に示すような 温度総和 Gに対するオーバーシュート温度総和 F'の割合である。よって以下の式(1
5)で求められる。
H = F'/G ··· (15)
[0054] このオーバーシュート温度比率 H分力 昇温熱量 D1にひそむオーバーシュート要 因の熱量の比率である。よって昇温熱量 D1からオーバーシュート温度比率 H分だけ 削減することにより昇温熱量 D1に反映させることで、オーバーシュートを抑制し、炉 内を理想的な温度に素早く安定させることができる。オーバーシュート温度比率 Hを 削減後の昇温熱量を D1 'とすると D1 'は以下の式(16)で求められる。
D1,=D1*(1— H) ··· (16)
[0055] そして、上述のようにして求めた a、 d、 Dl'を用いて Power出力パターンのパター ン (第一の出力制御パターンに相当)を求め(第二の工程)、 Power制御を行う(第三 の工程)。すなわち、第一の工程におけるヒータの制御においてカスケード熱電対に より検出される検出温度に基づき、ヒータを制御するための操作量 (第一の操作量) をパターンィ匕し(図 11に示す操作量を参照)、第一の出力制御パターンを求め、当 該第一の出力制御パターンに基づいてヒータの制御を行う。すなわち、カスケード熱 電対により検出される温度データに基づ 、て、 POWER出力パターンを規定する操
作量である第一の操作量をパターン化し、 POWER出力パターンを求める。
[0056] Power出力パターンは図 11に示すパターンを求める(Sl lb)。昇温ランプレート( °CZmin)を hとすると図 11中の各パラメータは以下の式(17)〜式(20)で求められる 。なお、ここでのランプレートとは、温度変化の速度 (傾き)を意味し、例えば 100°Cか ら 200°Cに 5分間で昇温させたい時のランプレートは、(200°C— 100°C) Z5分 = 20 °CZ分となる。
E0= (Dl ' /Tl) +d · · · (17)
El = d · · · (18)
Tl = (S' -S) /h · · · (19)
T2 = a-Tl - - - (20)
ここで、 E0は昇温熱量 D1 'を一定の出力量として、 D1 'を、初期温度 Sから目標温 度 S 'に到達させる時間 T1の時間で割り、 目標温度安定時の操作量 d (%)を加えた もの(すなわち、 T1のときの操作量)である。また、 Sは初期温度を示す。
[0057] T1以降は、カスケード温度の最大温度に達する時間(最大オーバーシュート時間) a (min)に達するまでは目標温度安定時の操作量 dしか出力しな 、ようにする。
[0058] この Power出力パターンを用いることによってランプレート hに追従し、かつ素早く 安定させることのできるヒータ熱電対 2の示す温度波形を得ることができる。これを Po wer制御時温度特性データとして取得する(S 12)。
[0059] 続!、て、 Power制御時基本温度特性データのオーバーシュート量の判定を行!、 ( S13)、あら力じめ設定されたオーバーシュート許容値よりオーバーシュート量が大き い場合 (S13, Yes)、前述の式(13)〜(20)を用い、温度波形全体とオーバーシュ ートした部分との比率力 Power出力パターンを修正し、オーバーシュートを軽減さ せるように調整を行う(S 14)。そして、このようにして修正された Power出力パターン により再度 Power制御し (第三の工程)、その制御時の温度特性データを取得する( S12) 0
[0060] 次に、オーバーシュート量があら力じめ設定されたオーバーシュート許容値より大き くない場合 (S13, No)、図 12に示すように、第一の工程の際取得した PID制御時の カスケード熱電対に対する温度推移 (温度波形)、第三の工程の際取得した Power
制御時温度特性基本データ力も Power制御開始力もの温度調整評価時 f¾Ul [min] を決定し、また、ヒータ熱電対 2の示す最大温度時の時間 j [min]、ヒータ熱電対 2が 示す温度が十分に安定した時間 n[min]を求める。ここで、温度調整評価時 f¾Ul内の 各時点での Power制御時のヒータ熱電対 2の示す温度(以下、ヒータ波形とも 、う)を k (t) [°C]、カスケード熱電対 3の示す温度を m (t) [°C]とする。
[0061] これらのデータから図 12に示すような Power制御時のヒータ熱電対 2の示す温度 k
(t)の波形から、 P動作分を差し引いたヒータ波形 L (t)を基に図 13に示すような積分 出力パターン (第二の出力制御パターンに相当) M (t)を求める(第四の工程) (S15 )。すなわち、ヒータ波形 L (t)に基づいて、積分出力パターンを規定する操作量であ る第二の操作量 (図 5に示す操作量を参照)の少なくとも一部をパターンィ匕し、積分 出力パターンを求める。
[0062] ここでヒータ熱電対 2の示す温度 k(t)の波形力も P (比例)動作分引く理由は、 k (t) は PID制御時に PID演算によって算出された出力を基にして Power出力パターンを 作成し、取得しているため、この波形は P (比例)出力、 1 (積分)出力、 D (微分)出力 の総和によるものである。
[0063] そのため P出力と D出力分を差し引けば所望の積分出力パターン M (t)が求められ る。ここで、一般的に昇温時には D出力は微小であるため D出力は無視できる。
[0064] 次に P動作分を差し引いたヒータ温度波形 L (t)力もさらに k(0) を差し引いた、評 価開始力もヒータ波形 k (t)が示す最大ヒータ温度時点 jまでの時間の熱量を求める。 仮に Qとする。なお式(21)において、 ί L (t) dtの積分範囲は 0から jの間である。
Q = J L (t) dt-k (0) -j · ' · (21)
この Qを最大ヒータ温度時点 jまでの時間で割ることで、評価開始から j時点まで Qと 面積 (熱量)が同じでヒータ温度が一定の値 Mを求めることができる。
(底辺 高さ Mの長方形の面積 (熱量) =Qの面積 (熱量))
M = Q/j - - - (22)
この Mを 2倍すると、 Qの面積 (熱量)と等しい底辺 j高さ M * 2の三角形を求めること ができる。この三角形の高さと傾きと k(0) を用いることにより、ヒータ熱電対が示す P 動作分を除いたヒータ熱電対の示す温度 (以下、ヒータ熱電対温度ともいう)による熱
量と同じ熱量となる適切な積分出力パターンである。
[0065] 図 13に示すように評価開始力も Power制御時のヒータ熱電対の示す最大温度時 点 jの間をステップ 1、 Power制御時 (ヒータ熱電対の示す)最大ヒータ温度時点 jから PID制御時最大カスケード温度時間 aの間をステップ 2とする。
[0066] ステップ 1温度は前述の三角形の高さと傾きを適用すれば、評価開始力 Power 制御時のヒータ熱電対の示す最大温度時点 jまでの適切な積分出力パターンになる 。すなわち、 Power制御時のヒータ熱電対最大時点には、ヒータ加熱による昇温させ るための出力、すなわち昇温熱量によるヒータ熱電対の検出する温度への影響がな くなる時点であり、この時点まで昇温させるよう積分出力パターンを作成するのが適 切である。
[0067] ステップ 2の終了時点である PID制御時のカスケード熱電対の示す最大温度到達 時点以降は、カスケード熱電対の検出する温度としては、ヒータ加熱の変動の影響 等が無くなる。つまりこの時点でカスケード温度が目標温度 S 'に到達すれば、その後 はオーバーシュートすることなぐ目標温度 S'で安定する。すなわち、カスケード熱電 対の示す最大温度到達時点では、ヒータ加熱による昇温させるための出力、すなわ ち昇温熱量によるカスケード熱電対の検出する温度への影響がなくなる時点であり、 この時点まで昇温させるよう積分出力パターンを作成するのが適切である。
[0068] よって積分出力パターンにつ 、ても PID制御時におけるカスケード熱電対の検出 する温度が最大となる時点で安定時の出力になるようにパターンィ匕すれば、ステップ 2の適切な積分出力パターンであり、ステップ 1目標温度 Vからヒータ熱電対が十分 に安定した時間 nのヒータ温度 k (n)へ線形でパターンィ匕すれば良い。なお、 PID制 御時とせず、 Power制御時におけるカスケード熱電対の検出温度が最大となるように してちよい。
[0069] 図 12および図 13におけるパラメータである L (t) [°C] (P分差し引いたヒータ温度)、 V[°C] (図 13における STEPl目標温度)、 T[°CZmin] (図 13における STEPl傾き)お よび U[°CZmin] (図 13における STEP2傾き)は以下の式(23)〜(26)で求められる
L (t) [°C]
= (ヒータ波形 P動作出力分)
=k(t)一 [P定数 Kp * (目標温度 S, 一 POWER制御時のカスケード温度 m (t) ) ] •••(23)
式(21)および式(22)より
V[°C]= (jL(t)dt/j)X2 - - - (24)
T[°C/min]= (V-k(0))/j · · · (25)
U[°C/min]= (k(n)-V)/(a-j) · · · (26)
以上のような式力も積分出力パターンを作成し、 PIDC制御を行う(S15)。なお式(
24)において、 ί L(t)dtの積分範囲は 0から jの間である。
[0070] 具体的には図 13に示すようにステップ毎に初期値、 目標値、レート、時間を設定し ステップに沿って出力していくものである。また積分出力パターンについては過渡期 において前述の 2ステップでなぐより多くのステップを用いて作成することもできる。
[0071] 図 14に示すように、例えば温度過渡期において、ある一定の時間 q[min]毎に積分 パターン出力のステップを r個設定すると、各ステップ STEP (r)の目標温度 Vrとランプ レート(傾き) Yrは以下の式(27)および式(28)で求められる。
Vr[°C] = (i L(r*q)dtZq) *2 · · · (27)
Yr[°C/min] = (V(r-l) -V(r))/q · · · (28)
[0072] 以上のように積分出力パターンを作成することにより、温度過渡期における積分出 力の増大を防ぐことができ、また Power制御の波形をベースにすることによって最短 で炉内を目標温度 S 'に安定させることができる。
[0073] さらに本実施の形態における熱処理装置は、前述の積分出力パターンで PIDC制 御を実施してもオーバーシュート、アンダーシュートが大きい場合、あるいは加熱ゾー ン間での偏差が大きく改善する必要がある場合にはこれらを調整する機能を備える。 例えば、積分出力パターンを用いることによって、過剰な積分演算値は除外されるが
、一方、その影響により、昇温するタイミングが遅くなり、比例演算値等が余計に大き くなつてしまうことがある。そのため、これらを調整する必要がある場合が出てくる。
[0074] 以下、オーバーシュート、アンダーシュートの改善調整について説明する。前述の 通り、本発明では温度過渡期の積分出力をパターンィ匕し、また温度安定期には積分
出力量が安定時のそれとなるように積分出力パターンを作成し、積分演算出力に加 えて温度調整している。ここで、温度安定期に、積分演算出力を用いているのは、予 想不可能な外乱等の少々の温度変化による悪影響が昇温時に比べて比較的顕著 になりやすいので、積分出力パターンのみでは対応できないのを積分演算出力をも 用いることで対応するためである。
[0075] つまり、例えば図 13に示す温度制御においては、ステップ 3からは安定期であり、 ステップ 2とステップ 3の切り替え時点で目標温度 S 'とカスケード熱電対の示す温度 との偏差を 0にすれば、その後温度は安定し、これが適切な調整になると考えられる
[0076] よって、オーバーシュートあるいはアンダーシュートが発生した場合(S 16, Yes)は ステップ 2とステップ 3の切替え点(PID制御切替え時点)での目標温度 S 'とカスケ一 ド熱電対の示す温度との偏差から積分出力パターンを修正し、オーバーシュートある いはアンダーシュートを軽減するよう調整する(S 17a)。
[0077] 図 15に示すようにステップ 2とステップ 3の切替え点でのカスケード熱電対が示す温 度と目標温度 S'との偏差を pとすると、積分出力パターンは適切であるにも関わらず 、オーバーシュート、アンダーシュートが発生するのは、過渡期における P出力の影 響が大きいと考えられる。ステップ 2とステップ 3の切替え点での偏差 p力 算出された P出力 W1は、式(7)と同様に式(29)で求められる。
Wl = Kp-p · · · (29)
つまりこの P出力 W1分が余分な出力であり、ステップ 1とステップ 2の切替え点で偏 差 pとなって表れて!ヽると考えられる。
[0078] よってオーバーシュート、アンダーシュート改善は、積分出力パターンでこの余分な P出力 W1を調整することによって実現できると考えられる。
[0079] ここで、温度過渡期はステップ 1〜ステップ 2であり、この調整量 W1をステップ 1目 標温度 V力 減算しステップ 1傾き T、ステップ 2傾き Uを再算出することによって温度 過渡期、つまりステップ 1〜ステップ 2の操作量を適切なものに調整することができる。 つまりアンダーシュートしているなら温度過渡期の積分操作量を大きぐオーバーシ ユートして!/、るなら温度過渡期の積分操作量を小さくすることで、ステップ 2とステップ
3の切替え点での目標温度 S 'とカスケード熱電対の示す温度との偏差を少なくでき、 オーバーシュート、アンダーシュートを改善することができる。
[0080] 調整量 Wl、積分出力初期温度 k (O)、ステップ 1目標温度 V、ステップ 1の時間 ステップ 2の時間(a j)、ヒータ安定温度 (ステップ 3目標温度) k (n)とすると、調整後 のステップ 1目標温度 V,、ステップ 1ランプレート T,、ステップ 2ランプレート U,は以 下の式(30)〜式(32)で求められる。
V' =V-W1 - - - (30)
T ' [°C/min] = (V' -k (0) ) /j …(31)
U ' [°C/min] = (k (n) V, ) / (a— j) · · · (32)
[0081] 図 16に示すように温度調整が適切であっても加熱ゾーン毎に操作量を作成、調整 しているため、目標温度安定まで早いゾーンと遅いゾーンが発生してしまい、これが ゾーン間偏差となり場合によっては膜厚に影響を与えることがある。
[0082] そこで、ゾーン間偏差があらかじめ設定された許容値より大きい場合 (S 18, Yes)、 積分出力パターンを調整することによって目標温度安定が早!ヅーンを遅 ゾーン に合わせて遅くし、ゾーン間偏差を改善する(S 19)。
[0083] ある目標温度安定が早いゾーン 901と目標温度安定が遅いゾーン 902との間の最 大ゾーン間偏差最大時点での時間偏差 dev—t [min]を求める。
[0084] これはゾーン間偏差最大時点でのゾーン 902の温度 B 'を求め、ゾーン 901が温度
B 'になった時点とゾーン間偏差最大時点との差分が時間偏差 dev—tとして求められ る。
[0085] 次に図 17で示すようにゾーン 901の積分出力パターンの各ステップを dev—tだけ 遅くすることによって目標温度安定をゾーン 902に合わせて遅くする。
[0086] 図 17に示す各パラメータは以下の式(33)および式(34)で求められる。
ここで Tは前述のステップ 1の傾き T [°C/min]である。
a = a + dev― t · · · \α3)
k (0),=k (0) +T' dev—t - - - (34)
以上のように、積分出力パターンを時間偏差 dev— t分遅くすることによって目標温 度安定が早 ヽゾーンを遅くすることができる。
[0087] 一方、ゾーン間偏差があらかじめ設定された許容値より大きくはない場合 (S18, N o)、温度調整処理を終了する。
[0088] このように、本実施の形態による半導体装置の製造方法では、ヒータの操作量の少 なくとも一部として上述の第二の出力制御パターンを用いた温度制御を行うことにより 基板に対する熱処理を行う(第五の工程)。
[0089] 具体的には、上述の求めた積分出力パターンにより、上位コントローラ Ucにて、加 熱ゾーン毎に積分出力パターンを複数のステップ毎に出力値、レート、時間を設定し
、さらに切替え器 44の切替えの時間を設定する。なお、切替え器 44の切替えの時間 は、昇温終了後安定時に移る時間(例えば図 17のステップ 2からステップ 3へ移行す る時間)に設定する。
[0090] 設定後、 PIDC演算器 24および PID演算器 26等を用い、温度制御を実施し、基板 を処理する。具体的には、温度制御部 71は、昇温時 (例えば図 17のステップ 1およ びステップ 2)は、目標値 Sc (例えば図 17の Step2目標温度 k (n) )に対し、カスケード 熱電対 3からの制御量 Aを減算器 21にて減算した結果 Fに基づき、比例演算器 42 および微分演算器 43、積分パターン出力器 45にて操作量 (第二の操作量) Xを演算 し、その後、操作量 Xを目標値 X,に変換し、ヒータ熱電対 2からの制御量 Bを減算器 25にて減算し、偏差 (第一の偏差) Eを出力する。その後、 PID演算器 26で、偏差 E を用 、て PID演算し、温度制御部 71の出力として操作量 Zを出力しヒータ 1を制御す る。
[0091] そして、ヒータ 1から出力された制御量 Aおよび Bは、再び、温度制御部 71に帰還さ れる。このようにして、操作量 Zを目標値 Scと制御量 Aとの偏差 Fが零になるように制 御する。また、昇温終了後安定時 (例えば図 17のステップ 3)には、昇温終了後、切 替え器 44により、切替えをし、目標値 Scに対し、カスケード熱電対 3からの制御量 A を減算器 21にて減算した結果 Fを、比例演算器 42および微分演算器 43、積分バタ ーン出力器 46、積分演算器 41にて操作量 (第三の操作量) Xを演算し、その後、操 作量 Xを目標値 X'に変換し、ヒータ熱電対 2からの制御量 Bを減算器 25にて減算し 、偏差 (第二の偏差) Eを出力する。その後、 PID演算器 26で、偏差 Eを用いて PID 演算し、温度制御部 71の出力として操作量 Zを出力しヒータを制御する。そして、ヒ
ータ 1から出力された制御量 Aおよび Bは、再び、温度制御部 71に帰還される。この ときも、操作量 Zを目標値 Scと制御量 Aとの偏差 Fが零になるように制御する。このよ うな温度制御をしつつ、基板に対する熱処理を行う。
[0092] 本実施の形態による温度制御を行った場合における、炉内の温度変化を図 18、図 19、図 20に示す。
[0093] 図 18、図 19はランプアップ時の具体的な例である。図 18で示す従来の手法である PID制御によるランプアップ時ではオーバーシュートが約 40°C、目標温度 ± 3°Cに 安定するまで 35分である。図 19で示す本発明(図 12)の手順に基づいて温度調整 した PIDC制御によるランプアップ時では、オーバーシュートが約 2°C、目標温度 ± 3 °C以内に安定するまで約 17分である。このように、ランプアップ時において本発明が 有効であることは明らかである。
[0094] 図 20はランプアップにおけるゾーン間偏差の改善結果である。
ゾーン間偏差調整前にはゾーン間偏差が約 50°Cある。本発明の手順に基づいてゾ ーン間調整した結果、ゾーン間偏差を約 20°C以内に低減することができた。
[0095] 図 20から本発明のゾーン間偏差調整手順はゾーン間偏差を低減するのに有効で あることは明らかである。
[0096] (第 2の実施の形態)
続いて、本発明の第 2の実施の形態について説明する。
[0097] 本実施の形態による熱処理装置は、上述の第 1の実施の形態による熱処理装置と 同じ構成となっている。本実施の形態と第 1の実施の形態とは、温度調整方法の手 順において、オーバーシュートあるいはアンダーシュートが発生した場合(S16, Yes )における処理が異なる。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における 装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。 図 21は、本実施の形態における温度調整手順について説明するためのフローチヤ ートである。
[0098] 上述の第 1の実施の形態では温度過渡期の積分出力をパターンィ匕し、また温度安 定期には積分出力量が安定時のそれとなるように作成し、温度調整している。
つまり、ステップ 1〜ステップ 2は温度過渡期であり、ステップ 3は安定期である。
[0099] ここで、第 2の実施の形態については、 S17aの温度調整を用いた調整に代えて、 オーバーシュート温度比率を用いて調整する。
[0100] 第 2の実施の形態についても、オーバーシュート温度比率 Hを前述の式(13)〜式
(15)を用いて、 S15の PIDC制御結果を基に求める。算出したオーバーシュート温 度比率 H分がステップ 1〜ステップ 2の積分出力パターンにひそむオーバーシュート 要因の熱量比率である。よってステップ 1目標温度 V力 オーバーシュート温度比率 H分だけ削減することで温度過渡期の積分出力パターンに反映させ、炉内を理想的 な温度に素早く安定させることができる(S17b)。
[0101] 初期温度 k(0)、ステップ 1目標温度 V、ステップ 1時間 ステップ 2時間(a—j)、ヒ ータ安定温度 (ステップ 3目標温度) k (n)とすると、オーバーシュート温度比率 Hを削 減後のステップ 1目標温度 V,、ステップ 1ランプレート T,、ステップ 2のランプレート U 'は、以下の式(35)〜式(37)で求められる。
V,=V* (1— H) · · · (35)
T' [°C/min] = (V' -k (0) ) /j · · · (36)
U, [°C/min] = (k (n) V, ) / (a-j) · · · (37)
以上の手順を実行することによって、熟練した作業者でなくとも、早く確実に、適切 な温度調整を行うことができる(S17b)。
[0102] (第 3の実施の形態)
続いて、本発明の第 3の実施の形態について説明する。
[0103] 本実施の形態による熱処理装置は、上述の第 1の実施の形態による熱処理装置と 同じ構成となっている。本実施の形態と第 1の実施の形態とは、熱処理工程の相違が あり、第 1の実施の形態では、主にランプアップから目標温度安定時までの工程であ り、第 3の実施の形態では、主にボートアップリカバリエ程である。尚、ボートアツプリ カバリェ程とは、次回に熱処理しようとウェハを充填したボートをボートエレベータに より上昇させて反応管内に搬入する際に、室温 (約 25°C)状態のボートおよびウェハ の熱影響により、反応管内の温度 (例えば 200°C)が低下するが、この低下した反応 管内の温度を修復し、ウェハおよびボートが反応管内に移された状態で元の温度 (こ の場合 200°C)に反応管内の温度を戻す工程のことをいう。昇温熱量 Dの算出処理
力もゾーン間偏差の改善調整 (第 1の実施の形態におけるステップ S19)までの処理 が異なる。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における装置構成ゃ処 理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0104] まず、図 22に示すように、 PID制御で得られた温度特性基本データ力もランプアツ プ開始力 の温度調整評価時間 Al [min]を決定し、また、カスケード熱電対 3の示 す温度の最大オーバーシュート時間 a [min],初期温度 S戻り時間 b[min]、初期温度 S安定時間 c[min]、初期温度安定時の操作量 d[%]を求める。また、温度調整評価 時間 A1内の各時点での操作量 e (t) [%]、ヒータ熱電対 2の示す温度 f(t) [°C]、カス ケード熱電対 3の示す温度 g (t) [°C]を求める。また、 g(t)が低下しはじめるまでの時 間を s [min]とする。
[0105] オーバーシュートしている間出力されな力つた安定熱量を欠落熱量 Y[% * min]と すると、 Yは式(38)で求められる。なお式(38)において、 ί (d— e (t) ) dtの積分範 囲は bから cの間である。
Y= J (d— e (t) ) dt · ' · (38)
第 1の実施の形態にて示した式( 10)および式( 11 )を前述の図 22に示す温度特 性基本データに適用して求め、式(38)とから求めた総熱量 Bl、安定熱量 Cl、欠落 熱量 Yを用いて、以下の式(39)で求められる熱量を昇温熱量 Dl [% * min]とする。
D1 = B1— C1 +Y · · · (39)
ここで、昇温熱量と欠落熱量について説明する。ボートアップ後、ある初期温度 Sに 安定するまでの PID演算によって求められた総熱量には、初期温度 Sで安定保持す るために必要な熱量が含まれると考えられる。
[0106] しかし、後追い制御であるため、ボートアップによって初期温度 Sからある程度温度 が低下し、初期温度と実測値との偏差が大きくなつてから、初期温度 Sに安定保持す るため PID演算の出力が大きくなる。
[0107] ここでボートアップによって低下したときの最低カスケード温度 Sl、評価開始から S
1までの時間を rlとすると、ボートアツプリカノリは評価開始力も rl経過後にボートァ ップによって低下したときの最低カスケード温度 S1から初期温度 Sへのランプアップ と考えることができる。
[0108] SIから Sへのランプアップと考えた場合、前述の初期温度 Sで安定保持するために 必要な熱量は、ボートアップによって低下した最低カスケード温度 S1から初期温度 S に昇温するための熱量と初期温度 sで安定保持するための熱量に分けられる。
[0109] そこで、式(10)を前述のように適用することによって求めた総熱量力 初期温度 S で安定保持するための熱量として、ボートアップ後、カスケード温度が安定したときの 操作量を出力し続けたと仮定した場合の安定熱量を減算すれば、昇温するために必 要な熱量、昇温熱量が得られる。
[0110] し力し、低温(例えば 50°C〜200°Cの温度帯)でのボートアップリカバリの場合、力 スケード温度オーバーシュート後、目標温度に到達してから安定するまでの時間(c b)があまりに大きくなつてしまう。カスケード温度が十分安定するまでを温度調整評 価時間 A1とすると、(c b)と同じように温度調整評価時間 A1も大きくなり、式(11) を適用することで求めた安定熱量が式(10)を適用することで求めた総熱量より大きく なってしまい、昇温熱量が正しく求められない。
[0111] そこで、式(38)で示すようにオーバーシュートしている(c b)間において、安定時 の操作量と操作量の実測値の差分の熱量を式(10)を適用することにより求めた総熱 量に加えることによって、 (c-b)間で失われた安定熱量分である欠落熱量を補正す ることができ、正しい昇温熱量を求めることができる。
[0112] 一方、この昇温熱量が大きすぎると、初期温度 Sに安定保持しょうとするが、オーバ 一シュートしてしまうと考えられる。つまりこの昇温熱量内にひそむオーバーシュート 要因の熱量比率を反映させた出力パターンを用いることで、炉内を理想的な温度に 素早く安定させることができると考えられる。
[0113] 次に図 23の斜線部に示すように初期温度 S到達時間 bから初期温度 S安定時間 c の間オーバーシュートしたカスケード温度の総和を求める。これをオーバーシュート 温度総和 F"とすると F"は以下の式 (40)で求められる。なお式 (40)において、 ί g (t ) dtの積分範囲は bから cの間である。
F" = J g (t) dt-S (c-b) - - - (40)
次に図 24の斜線部に示すように最低温度 SI時点 rlから初期温度 S安定時間 cの 間の温度総和を求める。これを温度総和 Gとすると Gは以下の式 (41)で求められる。
なお式 (41)において、 ί g (t) dtの積分範囲は rl力も cの間である。
G= J g (t) dt-SKc-rl) · ' · (41)
次にオーバーシュート温度比率 Ηおよびオーバーシュート温度比率 Ηを削減後の 昇温熱量 D1 'を求める。なお、オーバーシュート温度比率 Ηおよび昇温熱量 D1 'の 算出については、上述の第 1の実施の形態と同様であるため、説明は割愛する。
[0114] 以上から、図 25に示す Power出力パターンを求め、 Power制御を行う。図 25中の 各パラメータは以下の式 (42)〜式 (46)で求められる。
E0= (Dl ' /Tl) +d - - - (42)
El = d - - - (43)
T0 = s - - - (44)
Tl = (rl -s) - - - (45)
T2 = a-Tl -T0 - - - (46)
続いて、 TOについて説明する。ボートアップ時には加熱ゾーンごとに大きく影響が 異なり、特に Lゾーンと Uゾーンでは大きく異なる。 Lゾーンの場合、ボートアップ時に は、常に常温のウェハ、ボート等が順次上がって来る入り口側になるため、ボートアツ プによる温度低下が激し!/、。一方 Uゾーンでは L〜CUゾーンの間をボートアップす る間にある程度ウエノ、、ボート等が温められるため、 Lゾーンと比較すると温度低下が 比較的緩い。したがって、ボートアップ開始 (評価開始)と同時に Lゾーン、 CLゾーン 、 CUゾーンおよび Uゾーンそれぞれ安定時操作量に適切な昇温熱量を加えたとす ると、 Uゾーンにおいては特にボートアップの影響、つまり Uゾーン付近にウエノ、、ボ ート等が到達する際に生じるカスケード温度が低下する前に昇温することになり、無 駄な熱量 (例えば、オーバーシュート)が発生する。
[0115] そこで各ゾーンにおいてボートアップの影響によってカスケード温度が低下しはじ めるまで、例えば 1分間で 1°C低下するまでは昇温熱量は出力しないというように予め 設定しておく。
[0116] これによつて、ゾーン毎に昇温熱量分の出力を開始する時間に差ができ、ゾーン毎 に適切な温度調整が可能になる。
[0117] E0は昇温熱量 D1 'を一定の出力量で出力するよう時間 T1で割り、初期温度安定
時の操作量 dを加えたものである。その後は最大オーバーシュート時間 aに達するま で目標温度安定時の操作量 dしか出力しな 、ようにする。
[0118] この Power出力パターンを用いることによって炉内を初期温度 Sに素早く安定させ ることのできるヒータ熱電対 2の示す温度波形を得ることができる。これを Power制御 時温度特性データとして取得する。
[0119] 次に図 26に示すようにこの Power制御時温度特性基本データ力も Power制御開 始からの温度調整評価時 f¾Ul [min]を決定し、また、ゾーン毎にヒータ熱電対 2の示 す最高温度の時間 j [min]、ヒータ熱電対 2が示す温度が十分に安定した時間 n[min ]を求める。また、温度調整評価時 f¾Ul内の各時点でのヒータ熱電対 2の示す温度 k (t) [°C]、カスケード熱電対 3の示す温度 m(t) [°C]とする。
[0120] これらのデータから図 26に示すような k(t)の波形力 P動作分を差し引いたヒータ 波形し (t)を基に 図 27に示すような積分出力パターン M (t)を求める。ここでヒータ 熱電対 2の示す温度 k(t)の波形から P動作分引く理由は、 k (t)は PID制御時に PID 演算によって算出された出力を基にして Power出力パターンを作成し、取得している ため、この波形は P (比例)出力、 1 (積分)出力、 D (微分)出力の総和によるものであ る。そのため P出力と D出力分を差し引けば所望の積分出力パターン M (t)が求めら れる。ここで、一般的に昇温時には、 D出力は微小であるため D出力は無視できる。
[0121] 次に P動作分を差し引いたヒータ温度波形 L (t)の昇温熱量分出力開始時点 sから 最大ヒータ温度時点 j (P分引 、て 、な 、実測値)までの面積 (熱量)を求める。仮に Q とする。なお式 (47)において、 ί L (t) dtの積分範囲は sから jの間である。
Q = J L (t) dt-k (0) - (j-s) - - - (47)
この Q 、最大ヒータ温度時点までの時間で割ることで、 s時点から j時点まで Qと面 積 (熱量)が同じでヒータ温度が一定の値 Mを求めることができる(底辺 (j一 、高さ Mの長方形の面積 (熱量) = Qの面積 (熱量) )。
M = Q/ (j-s) - - - (48)
この Mを 2倍すると、 Qの面積 (熱量)と等しい底辺 (j s)、高さ M * 2の三角形を求 めることができる。この三角形の高さと傾きと、 k- (j— s)を用いることにより、ヒータ熱 電対が示す P動作分を除いたヒータ熱電対の示す温度による熱量と同じ熱量となる。
[0122] 図 27に示すように評価開始力 昇温熱量分出力開始時点 sまでをステップ 0、 s時 点から Power制御時最大ヒータ温度時点 jの間をステップ 1、 Power制御時最大ヒー タ温度時点 jから PID制御時最大カスケード温度時間 aの間をステップ 2とする。
[0123] ステップ 0温度はまだボートアップによる影響が出ない期間であるため、評価開始 時の温度で安定させる。
[0124] ステップ 1温度は前述の三角形の高さと傾きを適用すれば、評価開始力 Power 制御時のヒータ熱電対の示す最大ヒータ温度時点 jまでの適切な積分出力パターン であると考えられる。
[0125] ステップ 2の終了時点である PID制御時最大カスケード時点は、カスケード温度に 対して、この時点以降は温度過渡期における外乱等の影響が無くなると考えられる。 つまりこの時点でカスケード温度が初期温度 Sに到達すれば、その後はオーバーシ ユートすることなぐ初期温度 Sで安定すると考えられる。
[0126] 図 26、図 27におけるパラメータ L (t) [°C] (P分差し引いたヒータ温度)、 V[°C] (ST EPl目標温度)、 T[°CZmin] (STEPl傾き)および U[°CZmin] (STEP2傾き)は以下 の式(49)〜式(52)で求められる。
L (t) [°C] = (ヒータ波形 P動作出力分)
=k (t) [P定数 Kp * (初期温度 S POWER制御時のカスケード温度 m (t) ) ] · · · ( 49)
V[°C] = [ j L (t) dt/ (j-s) ] X 2 - - - (50)
T [°C/min] = (V-k (0) ) / (j s) · · · (51)
U[°C/min] = (k (n) -V) / (a-j) · · · (52)
以上のような式力も積分出力パターンを作成し、 PIDC制御を行う。なお式(50)に おいて、 ί L (t) dtの積分範囲は sから jの間である。具体的には図 27に示すようにス テツプ毎に初期値、 目標値、レート、時間を設定しステップに沿って出力していくもの である。また積分出力パターンについては過渡期において前述の 3ステップでなぐ より多くのステップを用いて作成することも考えられる。
[0127] 図 28に示すように例えば温度過渡期においてある一定の時間 q毎 [min]に積分パ ターン出力のステップを w個設定すると、各ステップ STEP (w)の目標温度 Vwとラン
プレート(傾き) Ywは以下の式(53)および式(54)で求められる。
Vw[°C] = ( i L (w* q) dtZq) X 2 · · · (53)
Yw[。C,min] = (V(w- l) -V (w) ) /q · · · (54)
以上のように積分出力パターンを作成することにより、温度過渡期における積分出 力の増大を防ぐことができ、また Power制御の波形をベースにすることによって最短 で炉内を初期温度 Sに安定させることができる。
[0128] さらに本発明では前述の積分出力パターンで PIDC制御を実施してもオーバーシ ユート、アンダーシュートが大きい場合、あるいはゾーン間偏差が大きく改善する必要 力 Sある場合にはこれらを調整する機能を備える。
[0129] 以下、オーバーシュート、アンダーシュートの改善調整について説明する。
[0130] 前述の通り、本発明では温度過渡期の積分出力をパターンィ匕し、また温度安定期 には積分出力量が安定時のそれとなるように積分出力パターンを作成し、温度調整 している。
[0131] つまり、例えば図 27に示す温度制御方法において、ステップ 3からは安定期であり 、ステップ 2とステップ 3の切り替え時点で初期温度 Sとカスケード熱電対の示す温度 との偏差を 0にすれば、その後温度は安定し、これが適切な調整になると考えられる
[0132] よってオーバーシュートある 、はアンダーシュートが発生した場合はステップ 2とス テツプ 3の切替え点での初期温度 Sとカスケード熱電対の示す温度との偏差力 調整 量を求めればよい。
[0133] 図 29に示すようにステップ 2とステップ 3の切替え点でのカスケード熱電対が示す温 度と初期温度 Sとの偏差を pとすると、積分出力パターンは適切であるにも関わらず、 オーバーシュート、アンダーシュートが発生するのは、過渡期における P出力の影響 が大きいと考えられる。ステップ 2とステップ 3の切替え点での偏差 p力も算出された P 出力 W1は、式(7)と同様に式(55)で求められる。
Wl = Kp-p · · · (55)
つまりこの P出力 W1分が余分な出力であり、ステップ 1とステップ 2の切替え点で偏 差 pとなって表れていると考えられる。よって、オーバーシュートおよびアンダーシユー
トの改善は、積分出力パターンでこの余分な P出力 Wlを調整することによって実現 できると考えられる。
[0134] ここで、温度過渡期はステップ 1〜ステップ 2であり、この調整量 Wをステップ 1目標 温度 V力 減算しステップ 1傾き T、ステップ 2傾き Uを再算出することによって温度過 渡期、つまりステップ 1〜ステップ 2の操作量を適切なものに調整することができる。つ まりアンダーシュートしているなら温度過渡期の積分操作量を大きぐオーバーシュ ートして!/ヽるなら温度過渡期の積分操作量を小さくすることで、ステップ 2とステップ 3 の切替え点での初期温度 Sとカスケード熱電対の示す温度との偏差を少なくでき、ォ 一バーシュート、アンダーシュートを改善することができる。
[0135] 調整量 Wl、積分出力初期温度 k(O)、ステップ 0時間 s、ステップ 1目標温度 V、ス テツプ 1時間 (j s)、ステップ 2時間(a— j)、ヒータ安定温度 (ステップ 3目標温度) k( n)とすると、調整後のステップ 1目標温度 V,、ステップ 1ランプレート T,、ステップ 2ラ ンプレート U,は以下の式(56)〜式(58)で求められる。
V' =V-W I · · · (56)
T, [°C/min] = (V— k (0) ) Z (j-s) · · · (57)
U, [°C/min] = (k (n) V, ) / (a— j) · · · (58)
続いて、ゾーン間偏差の改善調整について説明する。図 30に示すように温度調整 が適切であっても加熱ゾーン毎に操作量を作成、調整している為、目標温度安定ま で早 ーンと遅 ヅーンが発生してしま 、、これがゾーン間偏差となり場合によつ ては膜厚に影響を与えることがある。そこで積分出力パターンを調整することによって 目標温度安定が早 ヅーンを遅 ヅーンに合わせて遅くし、ゾーン間偏差を改善す る。
[0136] ある目標温度安定が早いゾーン 903と目標温度が遅いゾーン 904との間の最大ゾ ーン間偏差最大時点での時間偏差 dev— t[min]を求める。これはゾーン間偏差最大 時点でのゾーン 904の温度 B'を求め、ゾーン 903が温度 B'になった時点とゾーン間 偏差最大時点との差分が時間偏差 dev— tとして求められる。
[0137] 次に図 31で示すようにゾーン 903の積分出力パターンの各ステップを dev— tだけ 遅くすることによって目標温度安定をゾーン 904に合わせて遅くする。図 31に示す各
ノ ラメータは第 1の実施の形態にて示した式(33)〜式(34)で求められる。ここで Tは 前述のステップ 1の傾き T [°C/min]である。
[0138] 以上のように、積分出力パターンを時間偏差 dev—t分遅くすることによって目標温 度安定が早いゾーンを遅くすることができる。以上が、本実施の形態における温度調 整方法の説明である。
[0139] 以上の手順を実行する事によって、熟練した作業者でなくとも、早く確実に、適切な 温度調整を行うことができる。具体的な炉内のふるまいを図 32、図 33に示す。
[0140] 図 32および図 33はボートアップ終了後の温度リカバリの具体的な例である。図 32 に示す従来の手法である PID制御によるボートアップリカバリでは、オーバーシュート が約 10°C、ボートアップ後約 100分でも目標温度 ± 5°C以内に安定はしていない。
[0141] 図 33に示す本発明の手順に基づいて温度調整した PIDC制御によるボートアップ リカノくリでは、オーバーシュートは約 3°C、ボートアップ終了後約 15分で目標温度士 5°C以内に安定している。図 32、図 33からボートアップリカバリにおいて本発明は有 効であることは明らかである。
[0142] 本発明によれば、制御対象である炉内に比較的大きな外乱が生じた場合でも、そ の外乱を含んだ操作量の総和からもっとも速やかに制御量を目標値に追従させるこ とができる積分出力パターンを予め設定し、特定の時刻から積分演算の代わりに積 分値をパターン出力し、さらに外乱その他に起因する偏差のうちの大部分が消滅し たと思われる時点から再び積分演算を行い積分値を出力するため、制御対象力 出 力される制御量を迅速かつ正確に初期値ヘリカノリすることができる。
[0143] また、本発明の手順は、自然現象である、実測温度、操作量、時間と!/ヽつたこれま で温度調整時に熟練者の経験と勘に頼っていた大部分をある特定の計算式によつ て求めることができ、早く確実に温度調整を行うことができ、時間、費用の削減をする ことができる。
[0144] また、本発明の手順をプログラム化し、温度コントローラなどにソフトウェアとして組 み込むことによって、作業者の介入を必要とせず、適切な温度調整を行うことも可能 である。
[0145] (第 4の実施の形態)
続いて、本発明の第 4の実施の形態について説明する。
[0146] 本実施の形態による熱処理装置は、上述の第 3の実施の形態による熱処理装置と 同じ構成となっている。本実施の形態と第 3の実施の形態とは、温度調整方法の手 順にお 、て、オーバーシュートある 、はアンダーシュートが発生した場合における処 理が異なる。以下、本実施の形態において、第 3の実施の形態における装置構成や 処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0147] 上述の第 3の実施の形態では温度過渡期の積分出力をパターンィ匕し、また温度安 定期には積分出力量が安定時のそれとなるように作成し、温度調整している。
つまり、ステップ 1〜ステップ 2は温度過渡期であり、ステップ 3は安定期である。
[0148] つまり、第 3の実施の形態についての、 PIDC制御時のオーバーシュートやアンダ 一シュートの調整を温度調整を用いた調整に代えて、オーバーシュート温度比率を 用いて調整する。
[0149] 第 3の実施の形態についても、オーバーシュート温度比率 Hを前述の式(59)〜式
(61)を用いて PIDC制御結果を基に求める。以下に式(59)〜式 (61)とその説明を 再度記述する。
[0150] 図 23の斜線部に示すように初期温度 S到達時間 bから初期温度 S安定時間 cの 間オーバーシュートしたカスケード温度の総和を求める。これをオーバーシュート温 度総和 F"とすると F"は以下の式(59)で求められる。なお式(59)において、 ί g (t) d tの積分範囲は bから cの間である。
F" = J g (t) dt-S (c-b) · ' · (59)
次に図 24の斜線部に示すように最低温度 SI時点 rlから初期温度 S安定時間 cの 間の温度総和を求める。これを温度総和 Gとすると Gは以下の式(60)で求められる。 なお式(60)において、 ί § (1:) (11:の積分範囲は1:1カら(:の間でぁる。
G= J g (t) dt-S' (c-rl) - - - (60)
次にオーバーシュート温度比率 H [百分率]を求める。これは図 24に示す温度総和 Gに対する図 23で示すオーバーシュート温度総和 F"の割合である。よって以下の式 (61)で求められる。
H=F"/G · · · (61)
算出したオーバーシュート温度比率 H分がステップ 1〜ステップ 2の積分出力パタ ーンにひそむオーバーシュート要因の熱量比率である。よってステップ 1目標温度 V 力 オーバーシュート温度比率 H分だけ削減することで温度過渡期の積分出力バタ ーンに反映させ、炉内を理想的な温度に素早く安定させることができる。
[0151] 初期温度 k(0)、ステップ 0時間 s、ステップ 1目標温度 V、ステップ 1時間 (j s)、ス テツプ 2時間(a— j)、ヒータ安定温度 (ステップ 3目標温度) k (n)とすると、オーバーシ ユート温度比率 Hを削減後のステップ 1目標温度を V,、ステップ 1ランプレートを T,、 ステップ 2のランプレートを U,は以下の式(62)〜式(64)で求められる。
V,=V* (1— H) · · · (62)
T, [°C/min] = (V k (0) ) Z (j-s) · · · (63)
U, [°C/min] = (k (n) V, ) / (a— j) · · · (64)
[0152] (第 5の実施の形態)
続いて、本発明の第 5の実施の形態について説明する。
[0153] 本実施の形態による熱処理装置は、上述の第 1の実施の形態による熱処理装置と 同じ構成となっている。本実施の形態と第 1の実施の形態とは、温度調整方法の手 順において、 Power制御の出力パターンを求める際のランプアップする操作量を求 める際の計算方法が異なる。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態にお ける装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する
[0154] まず、上述の第 1の実施の形態と同様に求めた a、 d、 D1 'を用いて Power出力パタ ーンを求め、 Power制御を行う。
[0155] 図 35中の各パラメータは以下の式(65)〜式(68)で求められる。
I0= (Dl ' /Tl) +d · · · (65)
Il = d · · · (66)
Tl = a/2 · · · (67)
T2 = a · · · (68)
したがい、 PID制御時の最大オーバーシュート時点までの期間を二分割すると、前 半がランプアップのためにヒータ温度を上げる期間、後半力ヒータ温度が下がり始め
るが遅れてカスケード温度が上がってくる期間であると考え、昇温に必要な Powerを 出力する期間は前半、つまり最大オーバーシュート時点での半分が適切であると考 え、ノラメータを設定する。
[0156] 10は昇温熱量 D'を一定の出力量でオーバーシュート最大時間 aの半分の時間で 出力する場合の操作量に目標温度安定時の操作量 dを加えたものである。
この Power出力パターンを用いて Power制御時温度特性データを取得する。
[0157] 次に図 34に示すように、この Power制御時温度特性基本データ力も Power制御 開始からの温度調整評価時間 Al[min]を決定し、また、目標温度 S'到達時間 b[min ]、目標温度 S'安定時間 c[min]、ヒータ熱電対の示す最高温度 j2 [で]、その最高温 度の時間 a2[min]を求める。また、温度調整評価時間 A1内の各時点でのヒータ熱電 対 2の示す温度 f (t) [°C],カスケード熱電対 3の示す温度 g(t) [°C]を求める。
[0158] 次に図 9で示すように目標温度 S'到達時間 bから目標温度 S'安定時間 cの間ォー バーシュートした温度の総和を求める。これをオーバーシュート温度総和 Kとすると K は以下の式(69)で求められる。なお式(69)において、 ί m(t)dtの積分範囲は bか ら cの間である。
K= _f g(t)dt— S, * (c b) ·'·(69)
次に図 10に示すように目標温度 S'安定時間 cの間の温度総和を求める。これを温 度総和 L1とすると L1は以下の式(70)で求められる。なお式(70)において、 ί g(t) dtの積分範囲は 0から cの間である。
Ll= _f g(t)dt - - - (70)
次にオーバーシュート温度比率 M [百分率]を求める。これは温度総和 L1に対する オーバーシュート温度総和 Kの割合である。よって以下の式(71)で求められる。 M = K/L1 ··· (71)
次に図 35に示すようにこのオーバーシュート温度比率 Mを Power出力パターンの 昇温熱量から求めた操作量カゝら削減することで操作量 10を適切な操作量にすること ができる。オーバーシュート温度比率 Hを削減後の操作量 10を 10'とすると 10'を以下 の式(72)で求められる。
I0, = (I0— I1) * (1—M)+I1 ··· (72)
以上の式(69)〜式(72)で求められる図 35に示すようなオーバーシュート温度比 率分削減し、再び Power制御で温度特性データを取得し、同じ手順を数回繰り返す ことによって適切な操作量を求めることができ、温度の租調整をすることができる。
[0159] (第 6の実施の形態)
次に、第 6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態にて説明した温度制御部内の構成の変形例である。以下、本実施の形態に おいて、第 1の実施の形態における装置構成や処理内容と同様なものについては同 一符号を付し、説明は割愛する。
[0160] 図 36に示すように、本実施の形態では、操作量 Xは PID演算と P1DC演算を予め 設定した時間で切り替えて算出し、操作量 Zは PID演算と P1DC演算を予め設定した 時間で切り替えて算出するか、または Power出力パターン力 算出する構成となって いる。
[0161] (第 7の実施の形態)
次に、第 7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における 装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0162] 図 37に示すように、本実施の形態では、操作量 Xは PIDC演算で算出し、操作量 Z は P1D演算と PIDC演算を予め設定した時間で切り替えて算出する力 または Powe r出力パターン力も算出する構成となっている。
[0163] (第 8の実施の形態)
次に、第 8の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における 装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0164] 図 38に示すように、本実施の形態では、操作量 Zは P1DC演算で算出する力 また は Power出力パターン力も算出する構成となっている。
[0165] (第 9の実施の形態)
次に、第 9の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における
装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0166] 図 39に示すように、本実施の形態では、操作量 Xは PID演算で算出し、操作量 Zは P1DC演算で算出する力、または Power出力パターン力も算出する構成となっている
[0167] (第 10の実施の形態)
次に、第 10の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における 装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0168] 図 40に示すように、本実施の形態では、操作量 Xは PIDC演算で算出し、操作量 Z は PID演算で算出する力、または Power出力パターン力 算出する構成となってい る。
[0169] (第 11の実施の形態)
次に、第 11の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における 装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0170] 図 41に示すように、本実施の形態では、操作量 Xは PIDC演算で算出し、操作量 Z は P1DC演算で算出する力、または Power出力パターン力も算出する構成となって いる。
[0171] (第 12の実施の形態)
次に、第 12の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における 装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0172] 図 42に示すように、本実施の形態では、カスケード熱電対の制御量 Aは無視して、 ヒータ熱電対の制御量 Bと目標値 Scとの偏差 Eを用いる。
[0173] (第 13の実施の形態)
次に、第 13の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における 装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0174] 図 43に示すように、本実施の形態では、カスケード熱電対の制御量 Aは無視して、 ヒータ熱電対の制御量 Bと目標値 Scとの偏差 Eを用いる。操作量 Zは P1DC演算で算 出する力、または Power出力パターン力も算出する構成となっている。
[0175] (第 14の実施の形態)
次に、第 14の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における 装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0176] 図 44に示すように、本実施の形態では、操作量 Zは P1D演算と PIDC演算と Powe r出力パターンの 3つを予め設定した時間で切り替えて算出する力 または Power出 力パターン力 算出する構成となっている。
[0177] (第 15の実施の形態)
次に、第 15の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における 装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0178] 図 45に示すように、本実施の形態では、操作量 Zは PIDC演算と Power出力パタ ーンを予め設定した時間で切り替えて算出する力、または Power出力パターンから 算出する構成となっている。
[0179] (第 16の実施の形態)
次に、第 16の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の第 1の実施 の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第 1の実施の形態における 装置構成や処理内容と同様なものについては同一符号を付し、説明は割愛する。
[0180] 図 46に示すように、本実施の形態では、操作量 Zは P1D演算と Power出力パター ンを予め設定した時間で切り替えて算出する力、または Power出力パターンカも算 出する構成となっている。
[0181] (第 17の実施の形態)
続いて、本発明の第 17の実施の形態について説明する。
[0182] 本実施の形態による熱処理装置は、上述の各実施の形態による熱処理装置のよう な縦型装置の構成ではなぐ枚葉装置の構成となっている。以下、本実施の形態に
おいて、上述の各実施の形態において述べた部分と同一の機能を有する構成部分 については同一符号を付し、説明は割愛する。なお図 47に示すように、本実施の形 態による熱処理装置は、図 1に示した第 1の実施の形態における温度制御部 71と同 様な構成および機能を有する温度制御部を備えている。
[0183] 具体的に、本実施の形態による熱処理装置は、図 47および図 48に示されているよ うに、処理炉 86が、枚葉式 CVD炉 (枚葉式コールドウォール形 CVD炉)として構成 されており、被処理基板としてのウェハ(半導体ウェハ) 85を処理する処理室 201を 形成したチャンバ 223を備えている。チャンバ 223は上側キャップ 224と円筒カップ 2 25と下側キャップ 226とが組み合わされて、上下の端面がいずれも閉塞した円筒形 状に形成されている。
[0184] チャンバ 223の円筒カップ 225の円筒壁の中間部にはゲートバルブ 244によって 開閉されるウェハ搬入搬出口 250が水平方向に横長に開設されており、ウェハ搬入 搬出口 250は被処理基板であるウェハ 85を処理室 201に図 48に図示しないウェハ 移載装置によって搬入搬出し得るように形成されている。すなわち、ウェハ 85はゥェ ハ移載装置によって下から機械的に支持された状態で、ウェハ搬入搬出口 250を搬 送されて処理室 201に対して搬入搬出されるようになって 、る。
[0185] 円筒カップ 225のウェハ搬入搬出口 250と対向する壁面の上部には、真空ポンプ 等からなる排気装置(図示せず)に接続された排気口 235が処理室 201に連通する ように開設されており、処理室 201内は排気装置によって排気されるようになって 、る
[0186] また、円筒カップ 225の上部には排気口 235に連通する排気バッファ空間 249が 円環状に形成され、カバープレート 248とともにウェハ 85の前面に対し、均一に排気 が行われるように作用して 、る。
[0187] なお、カバープレート 248は、ウェハ 85のエッジ部を覆うように一部のサセプタ(基 板保持手段) 84上に延在しており、ウェハ 85のエッジ部に成膜される CVD膜を制御 するために用いられる。
[0188] チャンバ 223の上側キャップ 224には処理ガスを供給するシャワーヘッド 236がー 体的に組み込まれている。すなわち、上側キャップ 224の天井壁にはガス供給管 23
2が挿入されており、各ガス供給管 232には例えば原料ガスやパージガス等の処理 ガス 241a、処理ガス 24 lbを導入するため開閉バルブ 243、流量制御装置(マスフ口 一コントローラ = MFC) 241から成るガス供給装置が接続されている。上側キャップ 2 24の下面には円板形状に形成されたシャワープレート(以下、プレートという。) 240 がガス供給管 232から間隔を置いて水平に固定されており、プレート 240には複数 個のガス吹出口(以下、吹出口という。) 247が全面にわたって均一に配置されて上 下の空間を流通させるように開設されて!、る。
[0189] 上側キャップ 224の内側面とプレート 240の上面とが画成する内側空間によってバ ッファ室 237が形成されており、ノ ッファ室 237はガス供給管 232に導入された処理 ガス 230を全体的に均等に拡散させて各吹出口 247から均等にシャワー状に吹き出 させるようになつている。
[0190] チャンバ 223の下側キャップ 226の中心には揷通孔 278が円形に開設されており、 揷通孔 278の中心線上には円筒形状に形成された支持軸 276が処理室 201に下方 カも揷通されている。支持軸 276はエアシリンダ装置等が使用された昇降機構 (昇降 手段) 268によって昇降されるようになって 、る。
[0191] 支持軸 276の上端には加熱ユニット 251が同心に配されて水平に固定されており、 加熱ユニット 251は支持軸 276によって昇降されるようになっている。すなわち、加熱 ユニット 251は円板形状に形成された支持板 258を備えており、支持板 258は支持 軸 276の上端開口に同心円に固定されている。支持板 258の上面には支柱を兼ね る複数本の電極 253が垂直に立脚されており、これら電極 253の上端間には円板形 状に形成され複数領域に分割制御されるヒータ (加熱手段) 81が架橋されて固定さ れている。これら電極 253に対する電気配線 257は支持軸 276の中空部内を揷通さ れている。
[0192] また、ヒータ 81の下方には反射板 252が支持板 258に固定されて設けられ、ヒータ 81から発せられた熱をサセプタ 84側に反射させて、効率の良 、加熱に作用して 、る
[0193] また、温度検出手段である放射温度計 87および 88が、支持軸 276の下端から導 入され、放射温度計 87および 88の先端がサセプタ 84の裏面に対し所定の隙間を設
けて設置されている。放射温度計 87および 88は、石英力も成るロッドと光ファイバと の組合せから構成され、サセプタ 84の裏面 (例えばヒータ 81の分割領域に対応する 裏面)から発せられる放射光を検出し、サセプタ 84の裏面温度を算出するのに用い られ (予め取得したウェハ 85とサセプタ 84の温度の関係によりウェハ 85の温度を算 出することも可能)、この算出結果に基づきヒータ 81の加熱具合を制御している。
[0194] 下側キャップ 226の揷通孔 278の支持軸 276の外側には、支持軸 276よりも大径 の円筒形状に形成された回転軸 277が同心円に配置されて処理室 201に下方から 挿通されており、回転軸 277はエアシリンダ装置等が使用された昇降機構 268によつ て支持軸 276と共に昇降されるようになって 、る。回転軸 277の上端には回転ドラム 227が同心に配されて水平に固定されており、回転ドラム 227は回転軸 277によって 回転されるようになっている。すなわち、回転ドラム 227はドーナツ形の平板に形成さ れた回転板 229と、円筒形状に形成された回転筒 228を備えており、回転板 229の 内周縁辺部が円筒形状の回転軸 277の上端開口に固定されて、回転板 229の上面 の外周縁辺部に回転筒 228が同心円に固定されている。回転ドラム 227の回転筒 2 28の上端には炭化シリコンゃ窒化アルミニウム等が使用されて円板形状に形成され たサセプタ 84が回転筒 228の上端開口を閉塞するように被せられている。
[0195] 図 48に示されているように、回転ドラム 227にはウェハ昇降装置 275が設置されて いる。ウェハ昇降装置 275は円形リング形状に形成された 2つの昇降リングのそれぞ れに突上ピン (基板突上手段) 266、 274を突設したものから構成されており、下側の 昇降リング (以下、回転側リングという。)は回転ドラム 227の回転板 229の上に支持 軸 276と同心円に配置されている。回転側リングの下面には複数本 (本実施の形態 においては三本とする。)の突上ピン (以下、回転側ピンという。) 274が周方向に等 間隔に配置されて垂直方向下向きに突設されており、各回転側ピン 274は回転板 2 29に回転筒 228と同心円の線上に配置されて垂直方向に開設された各ガイド孔 25 5にそれぞれ摺動自在に嵌入されている。各回転側ピン 274の長さは回転側リングを 水平に突き上げ得るように互いに等しく設定されて 、るとともに、ウェハのサセプタ上 力もの突き上げ量に対応するように設定されて 、る。各回転側ピン 274の下端は処 理室 201の底面すなわち下側キャップ 226の上面に離着座自在に対向されている。
[0196] 加熱ユニット 251の支持板 258には円形リング形状に形成されたもう一つの昇降リ ング (以下、ヒータ側リングという。)が支持軸 276と同心円に配置されている。ヒータ 側リングの下面には複数本 (本実施の形態においては三本とする。)の突上ピン(以 下、ヒータ側ピンという。) 266が周方向に等間隔に配置されて垂直方向下向きに突 設されており、各ヒータ側ピン 266は支持板 258に支持軸 276と同心円の線上に配 置されて垂直方向に開設された各ガイド孔 254にそれぞれ摺動自在に嵌入されてい る。これらのヒータ側ピン 266の長さはヒータ側リングを水平に突き上げ得るように互 いに等しく設定されているとともに、その下端が回転側リングの上面に適度のエアギ ヤップを置いて対向されている。つまり、これらのヒータ側ピン 266は回転ドラム 227の 回転時に回転側リングに干渉しな 、ようになって!/、る。
[0197] また、ヒータ側リングの上面には複数本 (本実施の形態においては三本とする。 )の 突上ピン (以下、突上部という。) 266が、周方向に等間隔に配置されて垂直方向上 向きに突設されており、突上部 266の上端はヒータ 81およびサセプタ 84の揷通孔 2 56に対向するようになっている。これらの突上部 266の長さはヒータ 81およびサセプ タ 84の揷通孔 256を下カも揷通してサセプタ 84に載置されたウェハ 85をサセプタ 8 4から水平に浮力せるように互いに等しく設定されている。また、これらの突上部 266 の長さはヒータ側リングが支持板 258に着座した状態において、その上端がヒータ 81 の上面力も突出しないように設定されている。つまり、これらの突上部 266は回転ドラ ム 227の回転時にサセプタ 84に干渉しないように、かつ、ヒータ 81の加熱を妨げな いようになっている。
[0198] 図 48に示されているように、チャンバ 223は複数本の支柱 280によって水平に支持 されている。これらの支柱 280には各昇降ブロック 281がそれぞれ昇降自在に嵌合さ れており、これら昇降ブロック 281間にはエアシリンダ装置等が使用された昇降駆動 装置(図示せず)によって昇降される昇降台 282が架設されている。昇降台 282の上 にはサセプタ回転装置が設置されており、サセプタ回転装置とチャンバ 223との間に はべローズ 279が、回転軸 277の外側を気密封止するように介設されている。
[0199] 昇降台 282に設置されたサセプタ回転機構(回転手段) 267にはブラシレス DCモ ータが使用されており、出力軸 (モータ軸)が中空軸に形成されて回転軸 277として
構成されている。サセプタ回転機構 267はハウジング 283を備えており、ハウジング 2 83が昇降台 282の上に垂直方向上向きに据え付けられている。ハウジング 283の内 周面には電磁石(コイル)によって構成された固定子 (ステータ) 284が固定されてい る。すなわち、固定子 284はコイル線材 (エナメル被覆銅線) 286が鉄心(コア) 285 に卷装されて構成されている。コイル線材 286には図示しないリード線がハウジング 2 83の側壁に開設された図示しない挿通孔を揷通して電気的に接続されており、固定 子 284はブラシレス DCモータのドライノく(図示せず)から電力をコイル線材 286にリ 一ド線を通じて供給されることにより、回転磁界を形成するように構成されている。
[0200] 固定子 284の内側には回転子(ロータ) 289がエアギャップ(隙間)を設定されて同 心円に配置されており、回転子 289はハウジング 283に上下のボールベアリング 293 を介して回転自在に支承されている。すなわち、回転子 289は円筒形状の本体 290 と鉄心 (コア) 291と複数個の永久磁石 292とを備えており、本体 290には回転軸 27 7がブラケット 288によって一体回転するように固定されている。鉄心 291は本体 290 に嵌合されて固定されており、鉄心 291の外周には複数個の永久磁石 292が周方 向に等間隔に固定されている。鉄心 291と複数個の永久磁石 292とによって環状に 配列された複数の磁極が形成されており、固定子 284の形成する回転磁界が複数 個の磁極すなわち永久磁石 292の磁界を切ることにより、回転子 289が回転するよう になっている。
[0201] 上下のボールベアリング 293は回転子 289の本体 290の上下端部にそれぞれ設 置されており、上下のボールベアリング 293には本体 290の熱膨張を吸収するため の隙間が適宜設定されている。このボールベアリング 293の隙間は本体 290の熱膨 張を吸収する一方で、最小のがたつきに抑制するために、 5〜50 /ζ πιに設定されて いる。なお、ボールベアリングの隙間とはボールをァウタレースまたはインナレースの いずれか片側に寄せた場合に反対側に発生する隙間を意味している。
[0202] 固定子 284と回転子 289との対向面には二重筒壁を構成する外側と内側の囲い部 材であるカバー 287とが互いに対向されて、ハウジング 283の内周面と本体 290の外 周面とにそれぞれ固定されており、それぞれのカバー 287との間には所定のエアギ ヤップ(隙間)が設定されている。カバー 287は非磁性体であるステンレス鋼が使用さ
れて、筒壁の厚さが極薄い円筒形状にそれぞれ形成されており、円筒の上下開口端 においてハウジング 283および本体 290に電子ビーム溶接によって全周にわたって 確実かつ均一に固着されている。カバー 287は非磁性体であるステンレス鋼で極薄 く形成されているため、磁束の拡散を防止してモータ効率の低下を防止するば力りで なぐ固定子 284のコイル線材 286および回転子 289の永久磁石 292の腐食を防止 することができ、かつまた、コイル線材 286等による処理室 201の内部の汚染を確実 に防止することができる。カバー 287は固定子 284を気密シール状態に囲うことによ り、固定子 284を真空雰囲気となる処理室 201の内部力も完全に隔絶している。
[0203] また、サセプタ回転装置には磁気式ロータリーエンコーダ 294が設置されている。
すなわち、磁気式ロータリーエンコーダ 294は磁性体力もなる被検出体としての被検 出リング 296を備えており、被検出リング 296は鉄等の磁性体が使用されて円形リン グ形状に形成されている。被検出リング 296の外周には被検出部としての歯が多数 個環状に配列されている。
[0204] ハウジング 283の被検出リング 296の対向位置には被検出リング 296の被検出部 である各歯を検出する磁気センサ 295が設置されて 、る。磁気センサ 295の先端面 と被検出リング 296の外周面との隙間(センサギャップ)は、 0. 06〜0. 17mmに設 定されている。磁気センサ 295は被検出リング 296の回転に伴うこれらの対向位置に おける磁束変化を磁気抵抗素子によってそれぞれ検出するように構成されている。 磁気センサ 295の検出結果はブラシレス DCモータすなわちサセプタ回転機構 267 の駆動制御部に送信されて、サセプタ 84の位置認識に使用されるとともに、サセプタ 84の回転量の制御に使用される。なお、処理炉 86は、ガス流量制御部 72、駆動制 御部 74、加熱制御部 71a、温度検出部 71b、等から構成される主制御部 7を有する 。また、加熱制御部 71aおよび温度検出部 71bから温度制御部 71が構成されており 、温度制御部 71においてヒータ 81の温度を検知するためのヒータ熱電対 82および 8 3を備えている。
[0205] ガス流量制御部 72は MFC241、開閉バルブ 243に接続され、ガス流量、供給を 制御する。駆動制御部 74はサセプタ回転機構 267、昇降ブロック 281に接続され、 これらの駆動を制御する。加熱制御部 71aは配線 257を介しヒータ 81に接続され、ヒ
ータ 81の加熱具合を制御する。温度検出部 7 lbは放射温度計 87および 88に接続 され、サセプタ 84の温度を検出し、加熱制御部 71aと連携してヒータ 81の加熱制御 に用いられる。
[0206] 次に、本実施の形態における熱処理装置での半導体装置の製造方法における成 膜工程について説明する。
[0207] ウェハ 85の搬出搬入に際しては、回転ドラム 227および加熱ユニット 251が回転軸 277および支持軸 276によって下限位置に下降される。すると、ウェハ昇降装置 275 の回転側ピン 274の下端が処理室 201の底面すなわち下側キャップ 226の上面に 突合するため、回転側リングが回転ドラム 227および加熱ユニット 251に対して相対 的に上昇する。上昇した回転側リングはヒータ側ピン 266を突き上げることにより、ヒ ータ側リングを持ち上げる。ヒータ側リングが持ち上げられると、ヒータ側リングに立脚 された三本の突上部 266がヒータ 81およびサセプタ 84の揷通孔 256を揷通して、サ セプタ 84の上面に載置されたウェハ 85を下方力も支持してサセプタ 84から浮き上が らせる。
[0208] ウェハ昇降装置 275がウェハ 85をサセプタ 84の上面力も浮き上がらせた状態にな ると、ウェハ 85の下方空間すなわちウェハ 85の下面とサセプタ 84の上面との間に揷 入スペースが形成された状態になるため、図 48に図示しないウェハ移載機に設けら れた基板保持プレートであるツイ一ザがウェハ搬入搬出口 250からウェハ 85の挿入 スペースに挿入される。ウェハ 85の下方に挿入されたツイ一ザは上昇することにより ウェハ 85を移載して受け取る。ウェハ 85を受け取ったツイ一ザはウェハ搬入搬出口 250を後退してウェハ 85を処理室 201から搬出する。そして、ツイ一ザによってゥェ ノ、 85を搬出したウェハ移載機は、処理室 201の外部の空ウェハカセット等の所定の 収納場所にウェハ 85を移載する。
[0209] 次いで、ウェハ移載機は実ウェハカセット等の所定の収納場所力 次回に成膜処 理するウェハ 85をツイ一ザによって受け取って、ウェハ搬入搬出口 250から処理室 2 01に搬入する。ツイ一ザはウェハ 85をサセプタ 84の上方においてウェハ 85の中心 がサセプタ 84の中心と一致する位置に搬送する。ウェハ 85を所定の位置に搬送す ると、ツイ一ザは若干下降することによりウェハ 85をサセプタ 84に移載する。ウェハ 8
5をウェハ昇降装置 275に受け渡したツイ一ザは、ウェハ搬入搬出口 250から処理 室 201の外へ退出する。ツイ一ザが処理室 201から退出すると、ウェハ搬入搬出口 2 50はゲートバルブ (仕切弁) 244によって閉じられる。
[0210] ゲートバルブ 244が閉じられると、処理室 201に対して回転ドラム 227および加熱 ユニット 251が回転軸 277および支持軸 276を介して昇降台 282によって上昇される 。回転ドラム 227および加熱ユニット 251の上昇により、突上ピン 266、 274が回転ド ラム 227および加熱ユニット 251に対し相対的に下降し、図 48に示されているように 、ウェハ 85はサセプタ 84の上に完全に移載された状態になる。回転軸 277および支 持軸 276は突上部 266の上端力ヒータ 81の下面に近接する高さになる位置にて停 止される。
[0211] 一方、処理室 201が排気口 235に接続された排気装置(図示せず)によって排気さ れる。この際、処理室 201の真空雰囲気と外部の大気圧雰囲気とはべローズ 279に よって隔絶されている。
[0212] 続いて、回転ドラム 227が回転軸 277を介してサセプタ回転機構 267によって回転 される。すなわち、サセプタ回転機構 267が運転されると、固定子 284の回転磁界が 回転子 289の複数個の磁極の磁界を切ることにより、回転子 289が回転するため、 回転子 289に固定された回転軸 277によって回転ドラム 227が回転する。この際、サ セプタ回転機構 267に設置された磁気式ロータリーエンコーダ 294によって回転子 2 89の回転位置が時々刻々と検出されて駆動制御部 74に送信され、この信号に基づ V、て回転速度等が制御される。
[0213] 回転ドラム 227の回転中には、回転側ピン 274は処理室 201の底面力も離座し、ヒ ータ側ピン 266は回転側リング力も離座しているため、回転ドラム 227の回転がゥェ ハ昇降装置 275に妨げられることはなぐし力も、加熱ユニット 251は停止状態を維持 することができる。すなわち、ウェハ昇降装置 275においては、回転側リングと回転側 ピン 274が回転ドラム 227と共に回転し、ヒータ側リングとヒータ側ピン 266が加熱ュ ニット 251と共に停止した状態になっている。
[0214] ウェハ 85の温度が処理温度まで上昇し、排気口 235の排気量および回転ドラム 22 7の回転作動が安定した時点で、図 48に実線矢印で示されているように、処理ガス 2
30が供給管 232に導入される。ガス供給管 232に導入された処理ガス 230は、ガス 分散空間として機能するバッファ室 237に流入するとともに、径方向外向きに放射状 に拡散して、シャワープレート 240の各ガス吹出口 247からそれぞれが略均等な流 れになって、ウェハ 85に向力つてシャワー状に吹き出す。吹出口 247群からシャワー 状に吹き出した処理ガス 230はカバープレート 248の上方空間を通って、排気バッフ ァ空間 249を経由して排気口 235に吸 、込まれて排気されて行く。
[0215] この際、回転ドラム 227に支持されたサセプタ 84の上のウェハ 85は回転しているた め、吹出口 247群からシャワー状に吹き出した処理ガス 230はウェハ 85の全面にわ たって均等に接触する状態になる。処理ガス 230がウェハ 85の全面にわたって均等 に接触するため、ウェハ 85に処理ガス 230によって形成される CVD膜の膜厚分布 や膜質分布はウェハ 85の全面にわたって均一になる。
[0216] また、加熱ユニット 251は支持軸 276に支持されることにより回転しない状態になつ ているため、回転ドラム 227によって回転されながら加熱ユニット 251によって加熱さ れるウェハ 85の温度分布は全面にわたって均一に制御される。このようにウェハ 85 の温度分布が全面にわたつて均一に制御されることにより、ウェハ 85に熱化学反応 によって形成される CVD膜の膜厚分布や膜質分布はウェハ 85の全面にわたって均 一に制御される。
[0217] 予め選定された所定の処理時間が経過すると、サセプタ回転機構 267の運転が停 止される。この際、サセプタ 84すなわち回転子 289の回転位置はサセプタ回転機構 267に設置された磁気式ロータリーエンコーダ 294によって時々刻々と監視されてい るため、サセプタ 84は予め設定された回転位置において正確に停止される。すなわ ち、突上部 266とヒータ 81およびサセプタ 84の揷通孔 256は正確かつ再現性よく合 致される。
[0218] サセプタ回転機構 267の運転が停止されると、前述に示されて 、るように、回転ドラ ム 227および加熱ユニット 251は回転軸 277および支持軸 276を介して昇降台 282 によって搬入搬出位置に下降される。前述したように、下降の途中において、ウェハ 昇降装置 275の作用によりウェハ 85をサセプタ 84の上力も浮き上げる。この際、突 上部 266とヒータ 81およびサセプタ 84の揷通孔 256とは正確かつ再現性よく合致さ
れているため、突上部 266がサセプタ 84およびヒータ 81を突き上げる突き上げミスが 発生することはない。
[0219] 以降、前述した作業が繰り返されることにより、次のウェハ 85に CVD膜が成膜処理 されて行く。
[0220] 上述の第 1の実施の形態力も第 16の実施の形態において示した構成は、縦型の 熱処理装置についてのものである力 これに限られるものではなぐ上述の第 1の実 施の形態力も第 16の実施の形態の構成は、本実施の形態において示したような枚 葉装置としての熱処理装置に対しても適用可能である。
[0221] このように、上述した各実施の形態によれば、熱処理装置に備えられた加熱手段へ 入力する操作量を変化させることにより、当該加熱手段による制御量を変化させ、当 該操作量を変化する制御量に基づいた比例 ·積分 ·微分演算による帰還処理を行つ て制御し、制御量を目標値へ維持もしくは追従させる温度制御において、適当な操 作量の出力を予め設定しておく制御と前記比例 '積分'微分演算にしたがった操作 量を出力する制御を選択切り替えする手段を備え、前記適当な操作量と前記比例 · 積分 ·微分演算にしたがった操作量を適宜選択切り替えして加熱手段に入力するこ とを特徴とする温度制御方法を提供することができる。
[0222] また、上述のような構成の温度制御方法を、数回繰り返し実行することにより最適な 操作量に自動調整するようにしてもよい。この他、上述のような構成の温度制御方法 を、プログラム化し計算機上に実装するようにしてもよ 、ことは言うまでもな 、。
[0223] なお、上述の各実施の形態で示した積分パターン出力における目標温度の算出 方法は例示であり、例えば、式(27)に示したような算出方法によって算出しても良い
[0224] また、 PID動作させた結果の出力量に基づき、出力制御パターンを作成し、その出 力制御パターンにてヒータを出力制御した際のヒータ熱電対の検出する温度波形か ら、 I動作分を求めるために P動作分を差し引き (P動作分のみならず、 D動作分も差 し引いても良い。)、差し引いたヒータ熱電対の検出する温度波形により近い積分出 力パターンをより早く効率的に求めることができれば良い。
[0225] 以上のように、本発明は、ランプアップ時やボートアップリカバリ時等、処理室内の
温度が変動する工程時、まず、初期温度から目標温度にて安定するまで PID制御に より動作させ、そのときの基本データを取得し、その基本データの中の初期温度から 目標温度にて安定するまでに費やす熱量を安定熱量と昇温熱量とに分け、出力制 御パターンを求める。このようにして求めた出力制御パターンに基づく温度制御を行 Vヽ、このとき熱電対により検知される基本データから P動作分 (もしくは P動作分およ び、動作分)を減算し、積分出力パターンを求める構成となっている。
[0226] なお、上述の各実施の形態では、本発明を縦型装置および枚葉装置に対して適 用した例を示したが、これに限られるものではなぐ横型装置としての熱処理装置に 対しても適用可能であることは言うまでもない。
[0227] 上述のような構成により、制御対象である炉内に比較的大きな外乱が生じた場合で も、その外乱を含んだ操作量の総和力ももつとも速やかに制御量を目標値に追従さ せることができる積分出力パターンを予め設定し、特定の時刻から積分演算の代わり に積分値をパターン出力し、さらに外乱その他に起因する偏差のうちの大部分が消 去したと思われる時点から再び積分演算を行い積分値を出力するため、制御対象か ら出力される制御量を迅速かつ正確に目標値へ変化させることができる。
[0228] また、本発明の手順は、自然現象である、実測温度、操作量、時間と!/ヽつたこれま で温度調整時に熟練者の経験と勘に頼っていた大部分をある所定の計算式によつ て求めることができ、早く確実に温度調整を行うことができ、時間、費用の削減をする ことができる。
[0229] また、本発明の手順をプログラム化し、温度コントローラなどにソフトウェアとして組 み込むことによって、作業者の介入を必要とせず、適切な温度調整を行うことも可能 である。
[0230] 本発明を特定の態様により詳細に説明した力 本発明の精神および範囲を逸脱し ないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。 産業上の利用可能性
[0231] 以上に詳述したように本発明によれば、作業効率の向上およびコストダウンに寄与 することのできる温度調整方法、熱処理装置および半導体装置の製造方法を提供 することができる。