WO2006054769A1 - 内燃機関用エンジンのピストン及び内燃機関用エンジンのピストンとピストンリングの組合せ - Google Patents

内燃機関用エンジンのピストン及び内燃機関用エンジンのピストンとピストンリングの組合せ Download PDF

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Tomoaki Abe
Hideshi Hitosugi
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Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F3/00Pistons 

Abstract

[課 題]エンジンの吸気工程やエンジンブレーキ使用時等の燃焼室が負圧になる場合の潤滑油消費量を十分抑制することができる内燃機関用エンジンのピストン及び内燃機関用エンジンのピストンと、圧力リング2本、オイルリング1本からなる3本リング構成のピストンリングの組合せを提供する。[解決手段]オイルリングが装着されるオイルリング溝にはピストン内部空間と連通する貫通孔が設けられているとともに、セカンドリング溝に係る孔を、セカンドリング溝底のピストン上下方向下部側からリング溝下面に跨るように開口し、ピストン内部空間へ向けて直線的に連通する貫通孔として設けた内燃機関用エンジンのピストン、及びそれと所定の範囲内の合口隙間を設けた圧力リングを組合せた内燃機関用エンジンのピストンと3本リング構成のピストンリングの組合せ。

Description

明 細 書
内燃機関用エンジンのピストン及び内燃機関用エンジンのピストンとピスト ンリングの組合せ
技術分野
[0001] 本発明は、エンジンの吸気工程やエンジンブレーキ使用時等の燃焼室が負圧にな る際の潤滑油消費量を改善可能な内燃機関用エンジンのピストン及び内燃機関用 エンジンのピストンとピストンリングの糸且合せに関する。
背景技術
[0002] 近年、内燃機関用エンジンの燃費を改善する手段として、ピストンリングとシリンダ 間の摩擦抵抗の低減が強く求められている。 自動車用エンジンには、図 9 (a)の要部 の概略部分縦断面図に示すような 3本リング構成のピストンが普通用いられる。
このような 3本リング構成のピストンにはピストン頭部 1の外周部に上カゝら順にファー ストリング溝 2、セカンドリング溝 3、オイルリング溝 4が設けてあり、各リング溝にピスト ンリングを装着し、シリンダ 11内に組み込んでピストンを使用する。このような 3本リン グ構成のピストンにおいては、自動車用エンジンの燃費を改善するという目的を達成 するため、ピストンリングにはフリクション低減のために低張力化とピストンリングのリン グ幅 hi (図 12)の薄幅化が図られている。
[0003] なお、 3本リング構成のピストンの頭部 1には、 図 9 (a)、 (b)に示すように、セカンド リング溝 3の上方にセカンドランド 5が形成され、かつセカンドリング溝 3の下方にサー ドランド 6が形成され、またオイルリング 14が搔 、た潤滑油をオイルパンに戻すため のオイルドレン孔 8が穿孔されている。図 9 (a)中、 7はスカート部を、 10Aはピストン 上下方向を示す。このような 3本リング構成のピストンは、シリンダ 11内を移動方向 10 Hに沿って往復動する際、シリンダ壁面に付着した余分な潤滑油をオイルリング 14に より搔き落とし、オイルリング 14に係るオイルドレン孔 8から余分な潤滑油をオイルパ ンに戻すようにしている。
[0004] ところがオイルリング 14に係るオイルドレン孔 8を設けただけのピストンでは、ェンジ ンを高回転数で回転した状態力 エンジンブレーキの制動力を強く利かせて減速し 、その後加速する加減速走行パターンでエンジンの運転を行なった場合、ピストンリ ングの改善だけでは潤滑油消費量を要求水準にまで低減することが困難となってい た。なお、ファーストリングは主としてガスシール性を確保する圧力リングとしての役目 をもっており、セカンドリングはファーストリングのガスシール性を補いながら、オイルコ ントロールを行う役目をもって 、る。
[0005] そこで、エンジンのピストンの改善により、潤滑油消費量やブローバイガス量を抑制 することが提案されて 、る (特許文献 1〜7)。
特許文献 1には、圧力リングが装着されるリング溝の溝底に、ピストン内部と連通す る孔を設けたピストンが提案され、また特許文献 2には、セカンドリングの溝底にピスト ン内部と連通する孔を設け、残存する未燃ガスをクランク室へ逃がすブローバイガス 通路としたピストンが記載されている。特許文献 3には、 2サイクルエンジンにおいて、 セカンドリングの溝底にピストン内部と連通する孔を設け、ピストンリングに対する潤滑 を良好に行な 、ながら、過給気の掃気ポートからクランクケースへの吹き抜けを防止 すると共にクランクケース内のオイルの掃気ポートへの流出を防止するピストンが提 案されている。
[0006] 特許文献 4には、鉛直線に対して傾斜状態で設置されるスラントエンジン用ピストン において、エンジンの運転時に、潤滑のためのオイルが重力によりシリンダ及びピスト ンの下部に貯留して環状空間内に入り込み、燃焼室側へ押し出させることを阻止し たピストンが提案されている。
特許文献 5、 6には、オイルリング溝の直上のランド部に孔を設けて、潤滑油をピスト ン内部空間へ逃がすオイル逃し孔とし、セカンドリング溝にはオイル逃し孔がな ヽピ ストンが提案されている。
[0007] また、特許文献 7には、セカンドリングの溝底にピストン内部と連通する孔を設け、更 にこの孔と連通するようにセカンドリング溝下側面に半径方向全幅に延びるオフセット 溝を設けることで、セカンドランド圧を下げ、且つ、オイル消費を低減することが記載 されている。
特許文献 1 :実開昭 50— 43104号公報
特許文献 2:特開昭 55— 161940号公報 特許文献 3:実開平 5— 7951号公報
特許文献 4:特開平 5 - 71420号公報
特許文献 5:特開平 7— 279752号公報
特許文献 6:実開昭 56— 122748号公報
特許文献 7:実開平 6— 14455号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] しかしながら、特許文献 1〜5には、エンジンの吸気工程やエンジンブレーキ使用 時等の燃焼室が負圧になる場合の潤滑油消費量を十分抑制できるピストンに関して 言及されていない。
特許文献 6、 7には、エンジンの吸気工程やエンジンブレーキ使用時等の燃焼室が 負圧になる場合に、潤滑油消費量を低減させることのできるピストンについて記載し ており、特許文献 6には、オイルリング溝の直上のランド部にピストン本体内に貫通す る通気孔を設けることを特徴としている。このピストンでは、リングランド部のみに通気 孔を形成しているのでオイルリングで搔き取れな力つた潤滑油がランド部を通過する 際に通気孔力 排出することが可能であるが、ランドに上がってきた潤滑油を排出す る能力しかない。
[0009] 特許文献 7には、ピストンのセカンドリング溝底面とクランク室側を向いた面との間に 、貫通孔を設けることを特徴としている。特許文献 7の図 5には、この貫通孔に連通す るようにセカンドリングの溝下側面に半径方向全幅に伸びるオフセット溝を設ける図 の開示がある。し力しながら、この図に示すような貫通孔及びオフセット溝を設けるに は、貫通孔とオフセット溝を別々〖こ力卩ェを施さなくてはならない為、加工工数がかかり 、コスト的にも高くなつてしまう。
[0010] 現在では、ピストンリングとボアのフリクションの低減が求められ、圧力リングとオイル リングの合計張力をピストンリングの径で割った合計張力比は 0. 2〜0. 6NZmmの 範囲と、著しく小さい値とする必要があり、ピストンリングのフリクション低減の為の低 張力化及びリング幅 hiの薄幅化、摺動面形状の対策が求められ、一層強く要求され ている。さらにエンジン内では、よりクリーンで安全な燃焼が求められる為、可変バル ブタイミング等の最適かつ効率的な制御が行なわれている。以上のような、通常のェ ンジンブレーキの減速による負圧、更にノ レブ機構が複雑ィ匕することから、現在、ピ ストンの使用状態は、負圧環境も厳しい。
[0011] ここで図 9 (b)を用い、 3本リング構成のピストンの問題点を説明する。
この図は、エンジンブレーキを利用した減速時における吸気行程前半での状態を 模式的に示す。 4サイクルガソリンエンジンでエンジンブレーキを利用して減速した場 合には、吸入空気量が極めて少ないため、吸気行程〜圧縮行程の途中、及び膨張 行程の後半において、燃焼室内の圧力が大気圧より低い、吸気管内の絶対圧力で 8 kPa〜17. 3kPaの負圧(図 8参照)状態となる。この吸気管内の絶対圧力では、 0に 近づくほど真空となる。なお、図 9 (b)中、ピストンは下方へ向力つて加速しており、セ カンドリング 13及びオイルリング 14は、慣性力と燃焼室内の負圧による力の両方によ り対応するリング溝の上面に着座している。
[0012] このような状態においては、燃焼室内の負圧の程度により、ファーストリング回りの 潤滑油はファーストランドを経て燃焼室内へ吸い上げられ、燃焼室内の負圧がセカ ンドランド 5と対向する空間にまで作用すると、セカンドリング 13回り、セカンドリング溝 3内及びサードランド 6の位置に存在する潤滑油がセカンドランド 5の位置にまで吸い 上げられるため、潤滑油消費量が増える。そのうえさらに燃焼室内の負圧がサードラ ンド 6と対向する空間にまで作用するようになると、オイルリング 14回りの潤滑油がサ ードランド 6の位置にまで吸い上げられる。このようなオイル上がり現象は燃焼室内が 負圧になる程、顕著となり、潤滑油消費量が増加する。
[0013] したがって、従来の 3本リング構成のピストンでは、エンジンの吸気工程やエンジン ブレーキ使用時等の燃焼室が負圧になる場合の潤滑油消費量を十分抑制すること が困難であった。
そこで本発明は、エンジンの吸気工程やエンジンブレーキ使用時等の燃焼室が負 圧になる場合の潤滑油消費量を十分抑制することができる内燃機関用エンジンのピ ストン及び内燃機関用エンジンのピストンと、圧力リング 2本、オイルリング 1本力もな る 3本リング構成のピストンリングの組合せを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 [0014] 本発明者らは、 3本リング構成のピストンの構造に関して鋭意検討を重ねた結果、 オイルリングが搔いた潤滑油をピストン内部空間に逃がすオイルドレン孔の他に、セ カンドリングが搔 、た潤滑油をピストン内部空間に逃がすオイルドレン孔を特定位置 に設けることが顕著な効果があるとの知見に基づき、本発明を成した。
本発明は、以下のとおりである。
[0015] (1)圧力リング 2本、オイルリング 1本力もなる 3本リング構成のピストンリングが組み 込まれる内燃機関用エンジンのピストンであって、オイルリングが装着されるオイルリ ング溝にはピストン内部空間と連通するオイルドレン孔が貫通して設けられているピ ストンにおいて、
セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、セカンドリング溝底のピストン上下方向下 部側からセカンドリング溝下面に跨るように開口し、ピストン内部空間へ向けて直線的 に連通する貫通孔として設けたことを特徴とする内燃機関用エンジンのピストン。
[0016] (2) (1)において、前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、セカンドリング溝 底のピストン上下方向下部側力もセカンドリング溝下面に跨るように開口し、ピストン 内部空間へ向けて下向きに直線的に傾斜させて設けたことを特徴とする内燃機関用 エンジンのピストン。
(3) (1)において、前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、セカンドリング溝 底のピストン上下方向下部側力 サードランドの上部に跨るようにピストン上下方向に 対して垂直に設けたことを特徴とする内燃機関用エンジンのピストン。
[0017] (4) (1)から(3)のいずれかにおいて、前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔 を、ピストン外面側の開口がスラスト方向にカ卩えて反スラスト方向にも位置するように 設けたことを特徴とする内燃機関用エンジンのピストン。
(5) (4)において、前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、ピストン外面側の 開口がピン軸心に対して対称に位置するように設けたことを特徴とする内燃機関用ェ ンジンのピストン。
[0018] (6)圧力リング 2本、オイルリング 1本力もなる 3本リング構成のピストンリングが組み 込まれる内燃機関用エンジンのピストンであって、オイルリングが装着されるオイルリ ング溝にはピストン内部空間と連通するオイルドレン孔が貫通して設けられているピ ストンにおいて、
セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、セカンドリング溝下面力もサードランドの 上部に跨るように開口し、ピストン内部空間へ向けて下向きに直線的に傾斜させ、且 つ、ピストン内部空間と連通する貫通孔として設けたことを特徴とする内燃機関用ェ ンジンのピストン。
[0019] (7) (6)にお ヽて、前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、ピストン外面側の 開口がスラスト方向にカ卩えて反スラスト方向にも位置するように設けたことを特徴とす る内燃機関用エンジンのピストン。
(8) (7)において、前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、ピストン外面側の 開口がピン軸心に対して対称に位置するように設けたことを特徴とする内燃機関用ェ ンジンのピストン。
[0020] (9)圧力リング 2本、オイルリング 1本力もなる 3本リング構成のピストンリングが組み 込まれる内燃機関用エンジンのピストンとピストンリングの組合せにおいて、
前記ピストンは、オイルリングが装着されるオイルリング溝にピストン内部空間と連通 するオイルドレン孔が貫通して設けられ、且つ、セカンドリング溝に係るオイルドレン 孔をセカンドリング溝底のピストン上下方向下部側からリング溝下面に跨るように開口 し、ピストン内部空間へ向けて直線的に連通する貫通孔として設けたピストンであり、 前記ピストンリングは、圧力リングであるファーストリングの合口隙間 S1と、リング呼 び径 dlとの itSl/dl力 0. 002〜0. 004であり、セカンドリングの合口隙間 S1と、 リング呼び径 dlとの itSl/dl力 0. 0030〜0. 0096であることを特徴とする内燃 機関用エンジンのピストンとピストンリングの,袓合せ。
[0021] (10)圧力リング 2本、オイルリング 1本力もなる 3本リング構成のピストンリングが組 み込まれる内燃機関用エンジンのピストンとピストンリングの組合せにおいて、 前記ピストンは、オイルリングが装着されるオイルリング溝に、ピストン内部空間と連 通するオイルドレン孔が貫通して設けられ、且つ、セカンドリング溝に係るオイルドレ ン孔をセカンドリング溝下面力もサードランドの上部に跨るように開口し、ピストン内部 空間へ向けて下向きに直線的に傾斜させ、且つ、ピストン内部空間と連通する貫通 孔として設けたピストンであり、 前記ピストンリングは、圧力リングであるファーストリングの合口隙間 S1と、リング呼 び径 dlとの itSl/dl力 0. 002〜0. 004であり、セカンドリングの合口隙間 S1と、 リング呼び径 dlとの itSl/dl力 0. 0030〜0. 0096であることを特徴とする内燃 機関用エンジンのピストンとピストンリングの,袓合せ。
発明の効果
[0022] 本発明によれば、ピストンリングをリング溝に装着し、ピストンをシリンダ内に組み込 んで、エンジンを運転した時に、オイルリング溝に係るオイルドレン孔カゝらオイルリング が搔いた潤滑油をピストン内部空間に逃がすことができると共に、セカンドリングが搔 いた潤滑油をセカンドリング溝に係る孔カもピストン内部空間に迅速に逃がすことが できる。
[0023] このため、本発明の 3本リング構成のピストンによれば、エンジンの吸気工程ゃェン ジンブレーキ使用時等の燃焼室が負圧になる場合の潤滑油消費量を十分抑制でき る。
図面の簡単な説明
[0024] [図 1]第 1実施の形態に係る 3本リング構成のピストンを示す概略部分縦断面図であ る。
[図 2]第 1実施の形態に係るピストンをシリンダに組み込んだ状態を示す概略部分縦 断面図である。
[図 3]加速時または一定速時における第 1実施の形態に係るピストンの作用を説明す る模式図である。
[図 4]減速時における第 1実施の形態に係るピストンの作用を説明する模式図である
[図 5] (a)、 (b)は、第 2、第 3実施の形態に係る 3本リング構成のピストンをそれぞれ示 す概略部分縦断面図である。
[図 6]本発明例のピストンに設けたオイルドレン孔 9のピストン周方向位置を示す模式 図である。
[図 7]本発明例のピストンに設けたオイルドレン孔 8のピストン周方向位置を示す模式 図である。 [図 8]本発明例のピストンの効果を示すグラフである。
[図 9] (a)は従来の 3本リング構成のピストンの構造を示す概略部分縦断面図、(b)は その問題点を説明する模式図である。
[図 10]比較例 1の 3本リング構成のピストンの構造を示す概略部分縦断面図である。
[図 11]比較例 2の 3本リング構成のピストンの構造を示す概略部分縦断面図である。
[図 12]ピストンリングの寸法 al、 hiを示す説明図である。
[図 13]ピストンリングの合口隙間 S1とリング呼び径 dlを示す説明図である。
符号の説明
1 ピストン頭部
2 ファーストリング溝
3 セカンドリング溝
4 オイルリング溝
5 セカンドランド
6 サードランド
7 スカート部
8、 9、 19、 29、 49、 59 オイルドレン孔
10A ピストン上下方向
10B、 10C、 10D、 10E, 10F, 10G、 10H ピストン移動方向
11 シリンダ
12 ファーストリング
13 セカンドリング
14 オイルリング
15 スラスト方向
16 ピン軸心
α 1、 α 2 角度
0 1、 0 2、 0 3、 Θ 4 角度
al リング厚さ
hi リング幅 SI 合口隙間
dl リング呼び径
20 セカンドリング溝上面
21 セカンドリング溝底
22 セカンドリング溝下面
X ピストン外面側
Y ピストン内面側
Z ピストン内部空間
発明を実施するための最良の形態
[0026] 以下、本発明に係る 3本リング構成のピストンを 4サイクルガソリンエンジンに適用し た場合について、図を用いて説明する。
図 1は、第 1実施の形態に係る 3本リング構成のピストンの構造を示す概略部分縦 断面図であり、図 2は、第 1実施の形態に係る 3本リング構成のピストンをシリンダ 11 に組み込んだ状態を示す概略部分縦断面図である。
[0027] 第 1実施の形態に係る 3本リング構成のピストンは、図 1の概略部分縦断面図に示 すように、ピストン頭部 1の外周部に上カゝら順にファーストリング溝 2、セカンドリング溝 3、オイルリング溝 4を設けた構造である。この 3本リング構成のピストンのピストン頭部 1には、ファーストリング溝 2の下部にセカンドランド 5が形成され、またセカンドリング 溝 3の下部にサードランド 6が形成される。図 1中、 7はスカート部、 10Aはピストン上 下方向を示す。また 20はセカンドリング溝上面、 21はセカンドリング溝底、 22はセカ ンドリング溝下面、 Xはピストン外面側、 Yはピストン内面側、 Zはピストン内部空間を 示す。図 1中のピストン内部空間 Zとは、ピストン中の図示せぬコネクティングロッドが 位置する空間を示して 、る。
[0028] なお図 1に示すピストンでは、ピストン内を冷却する為のオイルジェット手段を設けて いない場合を示している。例えばオイルジェット手段を設けている場合には、オイル ジェットを吹き付ける位置により潤滑油がピストン内部空間 Zよりオイルドレン孔 8、 9に 侵入し、ピストン外面側 Xへ逆流する恐れがあるので、オイルジェットの吹き付け位置 は、オイルドレン孔 8、 9にオイルが力からないようにする必要がある。 [0029] この第 1実施の形態に係る 3本リング構成のピストンは、図 2に示すように、各リング 溝 2、 3、 4に、それぞれ対応するファーストリング 12、セカンドリング 13、オイルリング 14を装着し、シリンダ 11内に組み込んで用いる。
ここで第 1実施の形態に係る 3本リング構成のピストンは、図 1に示したように、オイ ルリング溝 4に係るオイルドレン孔 8の他にセカンドリング溝 3に係るオイルドレン孔 9 を、セカンドリング溝底 21のピストン上下方向下部側力もサードランド 6の上部に跨る ように、ピストン上下方向に対して垂直にピストン内部空間に連通する貫通孔として設 けたことが特徴である。
[0030] またオイルリング溝 4に係るオイルドレン孔 8は、図 2に示すように、従来の 3本リング 構成のピストンと同様、ピストン内部空間に連通する孔であり、ピストンが移動方向 10 Bに沿って往復動する際、オイルリング 14が搔 、た余分な潤滑油をオイルパンに戻 す機能をもつ。
第 1実施の形態に係る 3本リング構成(図 2)のピストンの作用を図 3、図 4による模式 図により詳細に説明する。
[0031] 前記したセカンドリング溝 3に係るオイルドレン孔 9は、セカンドリング溝底 21のビス トン上下方向下部側力 サードランド 6の上部に跨るようにピストン上下方向に対して 垂直に設けたオイルドレン孔であるため、以下のような作用効果を発揮することがで きる。
ここで図 3、 4には、エンジンの回転数を上げる加速時またはエンジンの回転数を同 じとした一定速時において、セカンドリング 13の位置にまで上がった潤滑油がセカン ドリング溝 3に係るオイルドレン孔 9から排出されて 、る状態を模式的に示した。なお、 説明をわ力りやすくするため、セカンドリング 13とオイルリング 14が装着されている箇 所のみを示した。
[0032] 図 3 (a)は、吸気行程の前半、図 3 (b)は、吸気行程の後半を示す。
吸気行程の前半を示す (a)では、ピストンが移動方向 10Cに向力つて加速して 、る ので、慣性力によりセカンドリング 13、オイルリング 14が共に対応するリング溝の上面 に着座している。スカート部 7からオイルリング 14に供給された潤滑油は、オイルリン グ 14により搔かれオイルリング溝 4のオイルドレン孔 8から大半が排出される力 若干 はオイルリング 14を通過してサードランド 6へ上がる。図 3 (a)では慣性力が上向きな ので、サードランド 6の潤滑油はセカンドリング溝 3内へ侵入する力 余剰の潤滑油は オイルドレン孔 9によってピストン内部空間へ迅速に排出される。吸気行程の後半を 示す図 3 (b)では、ピストンが移動方向 10Dに向かって移動している力 慣性力が下 向きなので、セカンドリング溝 3内の潤滑油は、下方への流れにより、オイルドレン孔 9 力 迅速に排出される。
[0033] 図 3 (c)は、圧縮工程でのピストンの作用を説明する模式図を示す。ピストンが移動 方向 10Eに向かって加速し、セカンドリング 13、オイルリング 14は共に対応するリン グ溝の下面側に着座している。ここでは、筒内圧力の上昇によりファーストリング 12の 合口力も漏れたガスがセカンドランド 5に侵入してくる力 セカンドリング溝 3内ではォ ィルドレン孔 9から大半のガスが排出されるので、そのガスの流れに伴い、オイルドレ ン孔 9付近のセカンドリング溝 3内の潤滑油及びオイルドレン孔 9内の潤滑油は、ビス トン内部空間へ排出される。
[0034] 次いで、エンジンを高回転数で回転した状態力 エンジンブレーキの制動力を強く 利かせて減速する際における第 1実施の形態に係るピストンの作用を図 4により説明 する。
図 4 (a)は、吸気行程の前半、図 4 (b)は、吸気行程の後半を示す。エンジンを高回 転数で回転した一定速の走行状態力 エンジンブレーキの制動力を強く利力せて減 速した場合には、吸気行程〜圧縮行程の途中、及び膨張行程の後半において燃焼 室内に大気圧より低い負圧が発生する。
[0035] このため、図 4の吸気行程の前半 (a)、後半 (b)ともに、筒内の負圧によりセカンドラ ンド 5もいくらかの負圧が作用してくるので、セカンドリング 13はその負圧によって上 面側に吸い付けられるように着座する。オイルドレン孔 9によりサードランド 6は、ピスト ン内部圧力と同様な圧力(大気圧に近い圧力)となるので、オイルリング 14周りからの 潤滑油の吸い上げは少なくなり、ゆえにサードランド 6へ上がる潤滑油量も低減する。
[0036] また、セカンドリング溝 3内の潤滑油は、図 4 (a)では、上向きの慣性力によりオイル リング 14を通過してサードランド 6へ侵入した潤滑油がセカンドリング溝 3に係るオイ ルドレン孔 9から迅速に排出される。また図 4 (b)では、下向きの慣性力によりセカンド リング溝 3内の潤滑油が下方に流れようとし、オイルドレン孔 9から迅速に排出される。
[0037] このようなセカンドリング 13の逆止弁作用向上及びオイルリング 14からの負圧流れ による吸い上げ潤滑油量低減により、筒内に大きな負圧が作用するような運転条件 にお!/、て潤滑油消費量を十分抑制できる。
一方、図 9 (b)に示すピストン内部空間と連通した、セカンドリング溝 3に係るオイル ドレン孔 9がない従来の 3本リング構成のピストンの場合には、燃焼室内の圧力が大 気圧より低くなる条件下でサードランド 6の位置にまで上がった潤滑油、およびセカン ドリング 13が搔いた潤滑油が主にセカンドリング 13の合口隙間から吸い上げられる。 このため、従来の 3本リング構成のピストンの場合には、エンジンに組み込んで運転し た場合、燃焼室内の圧力が大気圧より低くなる程、潤滑油消費量が顕著に悪化する
[0038] ところで、セカンドリング溝 3に係るオイルドレン孔 9は、図 5 (a)、 (b)に示すような位 置に設けたオイルドレン孔 19、 29とすることもできる。
図 5 (a)に示したセカンドリング溝 3に係るオイルドレン孔 19は、セカンドリング溝下 面 22からサードランド 6の上部に跨るように開口し、ピストン内部空間へ向けて下向き に直線的に傾斜させ、且つピストン内部空間と連通する貫通孔として設けたものであ る。なお、セカンドリング溝下面 22とは、図 2に示したように、セカンドリング 13を装着 した場合、セカンドリング 13の下面と対向する側の面である。
[0039] このセカンドリング溝 3に係るオイルドレン孔 19を設けた第 2実施の形態に係る 3本 リング構成のピストンも、セカンドリング溝の下面に開口を有し、ピストン内部空間へ向 けて下向きに直線的に連通する貫通孔を有しているから、上述した第 1実施の形態 に係る 3本リング構成のピストンと同様な作用効果を発揮することができる。
また第 3実施の形態に係る 3本リング構成のピストンは、図 5 (b)に示したように、セ カンドリング溝 3に係るオイルドレン孔 29を、セカンドリング溝底 21のピストン上下方 向下部側からセカンドリング溝下面 22に跨るように開口し、ピストン内部空間へ向け て下向きに傾斜させたものである。なお、セカンドリング溝底 21とは、図 2に示したよう に、セカンドリング 13を装着した場合、セカンドリング 13の背面と対向する部分である [0040] 以上説明した本発明に係る 3本リング構成のピストンは、セカンドリング溝 3に係るォ ィルドレン孔を、セカンドリング溝下面に開口し、ピストン内部空間に直線的に連通す る貫通孔として設けたものである。この貫通孔は、直線的に設けられている為、ピスト ンの加工の際、加工がしゃすぐまた、オイルを迅速に逃がすことができる。
したがって、本発明に係る 3本リング構成のピストンによれば、後述する実施例で確 認したように、エンジンの吸気工程やエンジンブレーキ使用時等の燃焼室が負圧に なる条件下でセカンドリング 13で搔いた潤滑油がセカンドリング溝 3に係るオイルドレ ン孔力 迅速に排出されるという作用効果により、従来のピストンに比べて潤滑油消 費量を十分抑制できる。
[0041] その場合、セカンドリング溝 3に係るオイルドレン孔の直径は、セカンドリング 13で搔 いた潤滑油をスムーズに排出するため、 0. 1mm以上とし、そのような大きさをもつ、 セカンドリング溝 3に係るオイルドレン孔 9は、ピストン周方向に 2箇所以上設けること が好ましい。
また本発明に係る 3本リング構成のピストンは、セカンドリング溝 3に係るオイルドレ ン孔 9を、ピストン外面側の開口がスラスト方向に加えて反スラスト方向にも位置する ように設けるのが好ましい。
[0042] また本発明に係る 3本リング構成のピストンは、セカンドリング溝 3に係るオイルドレ ン孔 9を、ピン軸心 16に対して対称に位置するように設けるのが好ましい。図 6には、 後述する本発明例 1、 2のピストンに設けたセカンドリング溝 3に係るオイルドレン孔 9 のピストン周方向位置を示す。図 6中、 15は、スラスト方向を示す。
セカンドリング溝 3に係るオイルドレン孔 9を、ピストン外面側の開口がピン軸心 16に 対して対称に位置するように設けた 3本リング構成のピストンによれば、セカンドリング 13が搔 、た潤滑油をピン軸心 16に対して対称にかつピストン周方向に均一にセカ ンドリング溝 3に係る孔カも迅速に排出できるので好ましい。またセカンドリング溝 3に 係る孔をピストン外面側の開口がピン軸心 16に対して対称に位置するように設けた 場合には、加工がし易いという利点もある。
[0043] また前記した本発明に係る 3本リング構成のピストンは、ピストンリングとの組合せに おいて、圧力リングであるファーストリング 12の合口隙間 S1とリング呼び径 dlとの比 S 1/dl力 ^O. 002〜0. 004、セカンドリング 13の合口隙間 SIとリング呼び径 dlとの it Sl/dl力 SO. 0030〜0. 0096として使用すること力 Sできる。
図 13には、セカンドリング 13の合口隙間 S1とリング呼び径 dlを示した。なおファー ストリング 12においても、合口隙間 S1とリング呼び径 dlは同様の部位を示す。
[0044] ファーストリング 12の合口隙間 S1とリング呼び径 dlとの itSl/dl力 ^0. 002〜0. 0 04とする理由は、 SlZdl力 . 004を超えるとブローバイガス量が悪化する恐れが あり、また SlZdlが 0. 002未満となると合口部が干渉する恐れがあるためである。ま たセカンドリング 13の合口隙間 S1とリング呼び径 dlとの itSl/dlを 0. 0030〜0. 0096とする理由は、 SlZdlが 0. 0096を超えると、減速時や高速軽負荷時の潤滑 油消費量が悪化する恐れがあり、また SlZdlが 0. 0030未満となると、中速〜高速 における高負荷時の潤滑油消費量が悪ィ匕する恐れがあるためである。
[0045] 要するに本発明に係る 3本リング構成のピストンは、ピストンリングの組合せを、ファ 一ストリング 12及びセカンドリング 13の合口隙間 S1とリング呼び径 dlとの比 SlZdl を前記の範囲内として組合わせた場合には、ピストン内部空間と連通したセカンドリ ング溝 3に係るオイルドレン孔 9がない従来の 3本リング構成のピストンに比べて、ェン ジンの吸気工程やエンジンブレーキ使用時等の燃焼室が負圧になる場合であっても 、ブローバイガス量を増やさず、合口部が干渉する恐れを少なくして、潤滑油消費量 を十分抑制することができる。
[0046] また本発明に係る 3本リング構成のピストンには、オイルリング 14として、オイルリン グ本体とエキスパンダからなる 2ピースタイプ、ある 、は 2本のサイドレールとスぺーサ エキスパンダ力 なる 3ピースタイプのどちらを装着しても、潤滑油消費量を十分抑制 する効果がある。ピストンリング溝内の軸方向シール性のある 3ピースタイプに比べ、 軸方向シール性のな 、2ピースタイプの方が、本発明のピストンに組み込んだ場合、 より優れた潤滑油消費量の抑制効果を発揮することができる。
[0047] また本発明に係る 3本リング構成のピストンは、装着する圧力リング 2本、オイルリン グ 1本の張力を合計した合計張力をボア径で除した合計張力比が 0. 2〜0. 6N/m mのリングの組合せに対し、より優れた潤滑油消費量の抑制効果を有する。
実施例 [0048] 図 1に示したような 3本リング構成のピストンを用い、表 1に示すようなリング仕様の a 1、 hl、 SIをもつピストンリングを装着し、リング 3本の張力を合計した合計張力をボ ァ径で除した合計張力比を 0. 38NZmmとし、シリンダ 11に組み込んで加減速走 行時における潤滑油消費量およびブローバイガス量を調べた。テストエンジンは、ボ ァ径が 86mm、ストロークが 86mm、排気量が 1998ccの直列 4気筒の水冷 4サイク ルガソリンエンジンとした。
[0049] [表 1]
Figure imgf000018_0001
本発明例 1、 2は、オイルリング溝 4に係るオイルドレン孔 8の他にセカンドリング溝 3 に係るオイルドレン孔 9を、ピストン外面側の開口がピン軸心 16に対して対称に位置 するよう、 α 1 = α 2 =45度として、図 6に示すように 4つ設けた。セカンドリング溝 3に 係るオイルドレン孔 9の直径は 1. 5mmとし、セカンドリング溝底のピストン上下方向 下部側からサードランド上部に跨るようにピストン上下方向に対して垂直に、かつ直 線的に設けた。 [0051] またオイルリング溝 4に係るオイルドレン孔 8は、ピストン外面側の開口がピン軸心 1 6に対して対称に位置し、かつ 0 1 = 0 3 = 10度、 Θ 2= Θ 4 = 30度となるよう、図 7 に示すように、スラスト側に 4つ、反スラスト側に 4つ設けた。オイルリング溝 4に係るォ ィルドレン孔 8の直径は 2. Ommとした。
なお本発明例 1は、合口隙間 S1を本発明 2に比べて狭くした。それ以外は本発明 例 2は本発明例 1と同じとした。
[0052] テストエンジンの加減速走行パターンは、加速'一定速'減速が複合した運転条件 であり、回転領域は毎分 1000〜4000回転である。負圧値の設定は、エンジンブレ ーキの制動力を強く利かせることで、吸気管内の圧力を制御した。減速時間は一定と し、減速時間における吸気管内負圧の平均値を任意の負圧値に設定し、評価を行つ た。
図 8は、その負圧値を横軸に、またその条件下での潤滑油消費量比を縦軸として 示したグラフである。潤滑油消費量比は、吸気管内の絶対圧力が 8. OkPaとなるよう にしてエンジンを運転して得た従来例の場合の潤滑油消費量を 1と基準化して示し た。
[0053] 従来例は、図 9 (a)に示した 3本リング構成のピストンに本発明例 2と同じピストンリン グを装着し、テストエンジンのシリンダに組み込んで同様にして試験した。比較例 1は 、図 10に示すような、ピストン頭部 1内に止めたオイルドレン孔 49を設けた 3本リング 構成のピストンに、本発明例 2と同じピストンリングを装着し、比較例 2は、図 11に示 すような、オイルドレン孔 59をサードランド 6の上下方向の中間に設けた 3本リング構 成のピストンに本発明例 2と同じピストンリングを装着し、テストエンジンのシリンダに組 み込んで同様にして試験した。
[0054] 図 12には、セカンドリング 13の寸法 al、 hiを示し、図 13には、合口隙間 S1とリング 呼び径 d 1の定義をセカンドリング 13を代表として示した。
図 8に示した潤滑油消費量の改善効果を示すグラフから、本発明例 1、 2のピストン を組み込んだエンジンは、エンジンの吸気工程やエンジンブレーキ使用時等の燃焼 室が負圧になる場合に潤滑油消費量を従来例に比較して十分抑制できることがわか る。この場合、比較例 2のサードランドの上下方向中間にのみ設けたものと比べて、 潤滑油消費量を十分抑制できて 、る。
[0055] また本発明例 1、 2を比較した場合には、ファーストリング 12の合口隙間 S1とリング 呼び径 dlとの itSl/dl力 0. 0023、セカンドリング 13の Sl/dl力 SO. 0041である 本発明例 1の方が本発明の Sl/dlの範囲を外れた本発明例 2に比べて、エンジン の吸気工程やエンジンブレーキ使用時等の燃焼室が負圧になる場合に、より優れた 潤滑油消費量の抑制効果を有することがわかる。
[0056] これに対して比較例 1は、サードランドのオイルが排出されない為、潤滑油消費量 の抑制効果が十分でない。
なお、本発明例 1、 2のピストンには、図 1に示すピストンを用いたが、図 5 (a)、 (b) に示すようなピストンを用いても、同様の結果が得られた。また吸気管内の絶対圧力 が 8. OkPaの場合に潤滑油消費量比は 0. 18-0. 35であり、本発明のピストンと、ピ ストンリングを組み合わせることで、優れた潤滑油消費量の抑制効果を奏する。

Claims

請求の範囲
[1] 圧力リング 2本、オイルリング 1本力もなる 3本リング構成のピストンリングが組み込ま れる内燃機関用エンジンのピストンであって、オイルリングが装着されるオイルリング 溝にはピストン内部空間と連通するオイルドレン孔が貫通して設けられているピストン において、
セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、セカンドリング溝底のピストン上下方向下 部側からセカンドリング溝下面に跨るように開口し、ピストン内部空間へ向けて直線的 に連通する貫通孔として設けたことを特徴とする内燃機関用エンジンのピストン。
[2] 前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、セカンドリング溝底のピストン上下方 向下部側からセカンドリング溝下面に跨るように開口し、ピストン内部空間へ向けて下 向きに直線的に傾斜させて設けたことを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の内燃 機関用エンジンのピストン。
[3] 前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、セカンドリング溝底のピストン上下方 向下部側からサードランドの上部に跨るようにピストン上下方向に対して垂直に設け たことを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の内燃機関用エンジンのピストン。
[4] 前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、ピストン外面側の開口がスラスト方向 に加えて反スラスト方向にも位置するように設けたことを特徴とする請求の範囲第 1項 力も請求の範囲第 3項のいずれかに記載の内燃機関用エンジンのピストン。
[5] 前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、ピストン外面側の開口がピン軸心に 対して対称に位置するように設けたことを特徴とする請求の範囲第 4項に記載の内燃 機関用エンジンのピストン。
[6] 圧力リング 2本、オイルリング 1本力 なる 3本リング構成のピストンリングが組み込ま れる内燃機関用エンジンのピストンであって、オイルリングが装着されるオイルリング 溝にはピストン内部空間と連通するオイルドレン孔が貫通して設けられているピストン において、
セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、セカンドリング溝下面力もサードランドの 上部に跨るように開口し、ピストン内部空間へ向けて下向きに直線的に傾斜させ、且 つ、ピストン内部空間と連通する貫通孔として設けたことを特徴とする内燃機関用ェ ンジンのピストン。
[7] 前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、ピストン外面側の開口がスラスト方向 に加えて反スラスト方向にも位置するように設けたことを特徴とする請求の範囲第 6項 に記載の内燃機関用エンジンのピストン。
[8] 前記セカンドリング溝に係るオイルドレン孔を、ピストン外面側の開口がピン軸心に 対して対称に位置するように設けたことを特徴とする請求の範囲第 7項に記載の内燃 機関用エンジンのピストン。
[9] 圧力リング 2本、オイルリング 1本力 なる 3本リング構成のピストンリングが組み込ま れる内燃機関用エンジンのピストンとピストンリングの組合せにおいて、
前記ピストンは、オイルリングが装着されるオイルリング溝にピストン内部空間と連通 するオイルドレン孔が貫通して設けられ、且つ、セカンドリング溝に係るオイルドレン 孔をセカンドリング溝底のピストン上下方向下部側からリング溝下面に跨るように開口 し、ピストン内部空間へ向けて直線的に連通する貫通孔として設けたピストンであり、 前記ピストンリングは、圧力リングであるファーストリングの合口隙間 S1と、リング呼 び径 dlとの itSl/dl力 0. 002〜0. 004であり、セカンドリングの合口隙間 S1と、 リング呼び径 dlとの itSl/dl力 0. 0030〜0. 0096であることを特徴とする内燃 機関用エンジンのピストンとピストンリングの,袓合せ。
[10] 圧力リング 2本、オイルリング 1本力もなる 3本リング構成のピストンリングが組み込ま れる内燃機関用エンジンのピストンとピストンリングの組合せにおいて、
前記ピストンは、オイルリングが装着されるオイルリング溝に、ピストン内部空間と連 通するオイルドレン孔が貫通して設けられ、且つ、セカンドリング溝に係るオイルドレ ン孔をセカンドリング溝下面力もサードランドの上部に跨るように開口し、ピストン内部 空間へ向けて下向きに直線的に傾斜させ、且つ、ピストン内部空間と連通する貫通 孔として設けたピストンであり、
前記ピストンリングは、圧力リングであるファーストリングの合口隙間 S1と、リング呼 び径 dlとの itSl/dl力 0. 002〜0. 004であり、セカンドリングの合口隙間 S1と、 リング呼び径 dlとの itSl/dl力 0. 0030〜0. 0096であることを特徴とする内燃 機関用エンジンのピストンとピストンリングの,袓合せ n
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