JPH10176514A - エンジンの潤滑構造 - Google Patents
エンジンの潤滑構造Info
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- JPH10176514A JPH10176514A JP35324696A JP35324696A JPH10176514A JP H10176514 A JPH10176514 A JP H10176514A JP 35324696 A JP35324696 A JP 35324696A JP 35324696 A JP35324696 A JP 35324696A JP H10176514 A JPH10176514 A JP H10176514A
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Abstract
の間の呼吸作用を利用して、ピストンとコンロッドの連
結部分に対してオイルを効率的に供給する。 【解決手段】 シリンダ孔9に摺動自在に嵌入されたピ
ストン8と、クランクケース5内で回転自在に支承され
たクランク軸13を、コンロッド16を介して連動させ
るために、ピストン8の下面側に形成された一対のピン
ボス部8aに、円筒状のピストンピン19の両端部がそ
れぞれ支承され、該ピストンピン19の中央部に、コン
ロッド16の小端部16bが軸受18を介して回動自在
に嵌挿されているエンジン1において、ピストンピン1
9の外周面およびピンボス部8aのピン孔内周面の少な
くとも何れか一方に対して、ピストンピン19とピンボ
ス部8aが摺接する部分に、クランクケース5内とピス
トンピン19の中空部とを連通させるための溝19cを
形成する。
Description
ッドの連結部分を潤滑するためのエンジンの潤滑構造に
関し、特に、2サイクルエンジンやクランク室過給式4
サイクルエンジンのように、クランクケース内で圧縮さ
れた気体が燃焼室に送り込まれるようなエンジンに対し
て好適なエンジンの潤滑構造に関する。
れ、クランクケース内と燃焼室が掃気通路で連通されて
いる2サイクルエンジンでは、オイルポンプの駆動によ
りオイルタンクからオイルフィルターを介して導いた潤
滑オイルを、シリンダブロック側の油路とクランクケー
ス側の油路に分配して、シリンダブロック側の油路によ
りシリンダ孔に供給し、シリンダ孔内周面とピストンの
摺接部を潤滑すると共に、クランクケース側の油路によ
り、クランク軸の油路を介して、コンロッド大端部の軸
受に供給して当該部分を潤滑してから、更に、ピストン
摺接部から流出したオイルや、コンロッド大端部の軸受
から流出したオイルを、クランク軸の回転によりピスト
ンの下面側に向けて飛散させることで、ピストンとコン
ロッドの連結部分(ピストンピンの支承部およびコンロ
ッドの小端部)に供給して当該部分を潤滑するというこ
とが従来から行われている。
ルタンクからオイルフィルターを介して導いたオイル
を、吸気通路に吐出させて新気と共にクランクケース内
に一旦吸入させ、コンロッド大端部の軸受やピストンと
コンロッドの連結部分にオイルの一部を供給して当該部
分を潤滑すると共に、クランクケース内のオイルを新気
の流れにより燃焼室側のシリンダ孔に供給して、ピスト
ンの摺接部を潤滑するということが従来から行われてい
る。
な従来の2サイクルエンジンの潤滑構造では、何れにし
ても、吸気通路に吐出されてクランクケース内に吸入さ
れたオイルや、クランク軸の回転により飛散されたオイ
ルは、その全体のごく一部しかピストンとコンロッドの
連結部分の潤滑に寄与しないため、当該部分の潤滑を確
実に行うためには、クランクケース内に多量のオイルを
導入することが必要となっている。
ンクケースが閉鎖的に形成されている通常の4サイクル
エンジンと違って、2サイクルエンジンやクランク室過
給式4サイクルエンジンでは、クランクケース内に多量
のオイルを導入することで、潤滑に寄与しない大部分の
オイルが、新気と共にクランクケースから掃気通路(ク
ランク室過給式4サイクルエンジンでは過給通路)を通
って燃焼室に入り込むこととなり、燃料と共に燃焼され
たものが白煙となって大気中に多量に排出される一方、
吹き抜け掃気流と共に未燃のオイルが大気中に多量に排
出されて、大気を汚染すると共に、オイルの無駄な消費
を増大させるというような問題を引き起こしている。
めになされたもので、クランクケース内に導入したオイ
ルを、ピストンとコンロッドの連結部分の潤滑に効率的
に寄与させることで、クランクケース内に多量のオイル
を導入しなくても、当該部分の潤滑が良好に行われるよ
うにして、オイルの無駄な消費やそれに伴う大気の汚染
を低減させることを課題とするものである。
課題を解決するために、上記の請求項1に記載したよう
に、シリンダ孔に摺動自在に嵌入されたピストンと、ク
ランクケース内で回転自在に支承されたクランク軸を、
コンロッドを介して連動させるために、ピストンの下面
側に形成された一対のピンボス部に、円筒状のピストン
ピンの両端部がそれぞれ支承され、該ピストンピンの中
央部に、コンロッドの小端部が軸受を介して回動自在に
嵌挿されているエンジンにおいて、ピストンピンの外周
面およびピンボス部のピン孔内周面の少なくとも何れか
一方に対して、ピストンピンとピンボス部が摺接する部
分に、クランクケース内とピストンピンの中空部とを連
通させるための溝が形成されていることを特徴とするも
のである。
の潤滑構造において、上記の請求項2に記載したよう
に、ピストンピンのピンボス部と摺接する部分に、ピス
トンピンの外周面側と内周面側を連通する連通孔が穿設
されており、少なくとも該連通孔からピストンピンの中
央部側に向かって、該連通孔を通してクランクケース内
とピストンピンの中空部とを連通させるための溝が形成
されていることを特徴とするものである。
の潤滑構造において、上記の請求項3に記載したよう
に、ピストンピンとピンボス部が摺接する部分で、ピス
トンピンに、その外周面側と内周面側を連通する連通孔
が穿設されていると共に、ピンボス部に、ピン孔内周面
側とクランクケース内を連通する連通孔が穿設されてい
て、少なくともピストンピンの連通孔からピンボス部の
連通孔にまで、両方の連通孔を通してクランクケース内
とピストンピンの中空部とを連通させるための溝が形成
されていることを特徴とするものである。
の潤滑構造において、上記の請求項4に記載したよう
に、ピストンピンの中央部側の露出部からピストンピン
の端部にまで、ピストンピンの外周面から端面に渡っ
て、クランクケース内とピストンピンの中空部とを連通
させるための溝が形成されていることを特徴とするもの
である。
の潤滑構造において、上記の請求項5に記載したよう
に、ピンボス部のピン孔内端からピストンピンの端部を
位置決めするスナップリングより外側にまで、ピンボス
部のピン孔内周面に、クランクケース内とピストンピン
の中空部とを連通させるための溝が形成されていること
を特徴とするものである。
シリンダ孔に摺動自在に嵌入されたピストンと、クラン
クケース内で回転自在に支承されたクランク軸を、コン
ロッドを介して連動させるために、ピストンの下面側に
形成された一対のピンボス部の各ピン孔に、円筒状のピ
ストンピンの両端部がそれぞれ支承され、該ピストンピ
ンの中央部に、コンロッドの小端部が軸受を介して回動
自在に嵌挿されているエンジンにおいて、ピストンピン
とコンロッド小端部が軸受を介して摺接する部分で、ピ
ストンピンに、その外周面側と内周面側を連通する連通
孔が穿設されていることを特徴とするものである。
の潤滑構造において、上記の請求項7に記載したよう
に、ピストンピンとコンロッド小端部の間に介装される
軸受が平軸受であって、該平軸受の内周面に、ピストン
ピンの連通孔を通してクランクケース内とピストンピン
の中空部とを連通させるための溝が形成されていること
を特徴とするものである。
たエンジンの潤滑構造において、上記の請求項8に記載
したように、シリンダ孔の内周面に開口される油路を介
して、ピストンピンの中空部にオイルが直接供給される
ように構成されていることを特徴とするものである。
造の実施形態について図面に基づいて説明する。
適用されている単気筒の2サイクルエンジンを、クラン
ク軸の軸線方向に沿った縦断面により示すもので、エン
ジン1の本体は、ヘッドカバー2とシリンダヘッド3と
シリンダブロック4とクランクケース5を一体的に連結
したもので、シリンダヘッド3には、その下面に燃焼室
6を凹設され、該燃焼室6に対して点火プラグ7が取り
付けられている。
動自在に嵌入させるシリンダ孔9が形成されていると共
に、クランクケース5の内部(クランク室10)とシリ
ンダ孔9の燃焼室6側(下死点位置にあるピストン8の
上側)とを連通させる掃気通路11が、その一端をシリ
ンダ孔9に掃気口11aとして開口させるように形成さ
れ、また、排気通路が、その一端をシリンダ孔9に排気
口12として開口させるように形成されている。
ランク室10に、クランク主軸部13aとクランクアー
ム13bとクランクピン13cとからなるクランク軸1
3が、軸受部14,15を介してクランクケース5に支
承されることで、クランク主軸部13aを回転軸として
回転自在に設置されていると共に、図示されていない
が、シリンダ孔9の軸心に対して排気口12の反対側
(即ち、図面の手前側)に、途中に気化器が配置された
吸気通路が、その一端を吸気口としてクランク室10に
開口させるように形成されていて、該吸気通路の端部に
は、クランク室10からの逆流を阻止するリード弁タイ
プの逆止弁が配置されている。
たピストン8と、クランクケース5に回転自在に支承さ
れたクランク軸13とに渡って、両者を連動させるため
のコンロッド16が取り付けられており、コンロッド1
6の大端部16aは、軸受17を介して、クランク軸1
3のクランクピン13cに回動可能に嵌挿されていると
共に、コンロッド16の小端部16bは、軸受18を介
して、ピストン8のピストンピン19に回動可能に嵌挿
されている。
結部分を示すもので、ピストン8の下面側に形成された
一対のピンボス部8aにそれぞれ水平方向に形成された
各ピン孔8bにより、中空円筒状のピストンピン19
が、その両端部でピストン8に対してそれぞれ回動可能
に支承されており、該ピストンピン19の中央部外面
に、コンロッド16の小端部16bが、本実施形態で
は、ニードル軸受18を介して、回動可能に嵌挿されて
いる。
されているピストンピン19は、スナップリング22に
よりピンボス部8aに対して位置決めされており、円筒
状ピストンピン19の軸心を貫く中空部の両端開口は、
何れも、ピン孔8bの内周面とシリンダ孔9の内周面9
aにより閉鎖された状態となっている。
サイクルエンジン1では、各潤滑部分へのオイルの供給
について、図2に示すように、オイルポンプ30の駆動
によりオイルタンク31からオイルフィルター32を介
して導かれたオイルが、シリンダブロック4側の油路3
3から、燃焼室6寄りのシリンダ孔9の内周面9aに開
口されたノズル孔(図示せず)を通して、燃焼室6側の
シリンダ孔9内に供給されると共に、クランクケース5
側の油路34から、図1に示すように、クランクケース
5に形成されたオイル孔20,クランク軸受15,クラ
ンク軸13のオイル孔21を介して、コンロッド大端部
16aの軸受17に供給されている。
からシリンダ孔9内に供給されたオイルは、ピストン8
とシリンダ孔9の摺動部を潤滑してからクランクケース
5内に流出する一方、クランクケース5側の油路34か
ら供給されたオイルは、コンロッド大端部16aの軸受
17を潤滑してから流出して、流出したそれぞれのオイ
ルは、クランク軸13の回転によりピストン8の下面側
に向けて飛散されることで、ピストン8とコンロッド1
6の連結部分(ピストンピン19およびコンロッド小端
部16b)に供給されて、当該部分を潤滑する。
サイクルエンジン1に用いられているピストンピン19
の構造を示すもので、図3は、ピストンピン19を正面
(ピストンピン19の軸線方向と直交する方向)から見
た状態を示すものであり、図4は、ピストンピン19の
外周面を展開した状態を示すものであり、図5は、図4
のA−A線に沿った位置でのピストンピン19の断面を
示すものである。
9には、一対のピンボス部8aの各ピン孔8b内周面と
摺接する両側部分のそれぞれにおいて、適当数(図示し
たものでは、円周方向に沿って各側に4個ずつ)の連通
孔19aが、ピストンピン19の外周面側と内周面側を
連通するように穿設されていると共に、小端部16bの
軸受18が摺接する中央部分においても、適当数(図示
したものでは、円周方向に沿って2個)の連通孔19b
が、ピストンピン19の外周面側と内周面側を連通する
ように穿設されている。
穿設された各連通孔19aに対して、該連通孔19aと
連通する溝19cが、ピストンピン19の外周面で各連
通孔19aに対してそれぞれ形成されており、それぞれ
の溝19cは、何れも、図5に示すように、ピンボス部
8aと軸受18の間でピストンピン19の外周面が露出
する部分にまで延びていて、それにより、クランクケー
ス5内とピストンピン19の中空部とが、連通孔19a
と溝19cを介して連通されている。
軸受18が摺接する部分では、クランクケース5内とピ
ストンピン19の中空部とが、連通孔19bとニードル
軸受18のニードル間の隙間を介して連通されている。
えた本実施形態の2サイクルエンジン1では、エンジン
1の運転によりピストン8がシリンダ孔9を上下動する
のに連れて、クランクケース5内(クランク室10)の
圧力が大きく変動するのに対して、円筒状のピストンピ
ン19の中空部は、その両側がピン孔8bの内周面とシ
リンダ孔9の内周面9aにより閉鎖された状態となって
いるため、その内部の圧力の変動が遅れ、クランク室1
0内の圧力との間に圧力差が生じる。
の下降行程中、クランクケース5内(クランク室10)
がピストン8により圧縮されて圧力が上昇するのに対し
て、ピストンピン19内(中空部)の圧力上昇が遅れ、
クランク角が略110度以降には、クランクケース5内
の圧力がピストンピン19内よりも高くなると共に、更
にピストン8の下降行程の途中、燃焼室6内で排気口1
2が開き、続いて掃気口11aが開いて掃排気が行われ
ると、それによりクランクケース5内の圧力が低下する
のに対して、ピストンピン19内の圧力低下が遅れ、ク
ランク角が略144度以降には、ピストンピン19内の
圧力がクランクケース5内よりも高くなる。
ピン19内の圧力差を解消しようとして、ピストンピン
19の円筒壁部に貫通された各連通孔19a,19bを
通るように、クランク室10側とピストンピン19内の
間に気流が生じることとなり、この気流によるピストン
ピン19内(中空部)とクランクケース内との間の呼吸
作用よって、ピストン8の下面側に向けて飛散されたク
ランクケース5内のオイルミストが吸い寄せられて、溝
19cやニードル軸受18のニードル間の隙間を通って
ピストンピン19内に入ってその後逆流することとな
り、それによって、ピストン8とコンロッド16の連結
部分に対してオイルを効率的に供給され、当該部分の潤
滑が良好に行われる。
の2サイクルエンジン1によれば、クランクケース5内
へのオイルの供給が少なくても、ピストンピン19とピ
ンボス部8aの摺接部分や小端部16bの軸受18に
は、オイルが効率的に供給されて、当該部分を充分に潤
滑することができ、特に、溝19cがオイル溜まりとな
るため、通常では非常に潤滑され難い個所となっている
ピストンピン19とピンボス部8aの摺接部分の潤滑が
きわめて良好なものとなる。
オイルの量を削減することができ、それによって、クラ
ンクケース5内から燃焼室6内に送り込まれるオイルの
量を低減させることができるため、過剰なオイルの燃焼
による白煙の排出や、未燃オイルの大気中への放出を防
止することができ、無駄なオイルの消費量を大幅に減ら
すことができる。
サイクルエンジンによる一実施形態により説明したが、
本発明は、上記のような実施形態にのみ限定されるもの
ではなく、例えば、その具体的な構造については適宜設
計変更可能なものである。
8aの摺接部分において、クランクケース15内(クラ
ンク室10)とピストンピン19内(中空部)とを連通
させるために設けられる溝19cについては、上記の実
施形態(第1実施形態)では、ピストンピン19に対し
て、その外周面側と内周面側を連通する連通孔19aが
穿設されていると共に、溝19cが、ピストンピン19
の端部から連通孔19aを通ってピストンピン19の中
央部側に延びるように、ピストンピン19の外周面に形
成されている。
形態(第2実施形態)を示すもので、この実施形態(第
2実施形態)では、ピストンピン19には、その端部か
ら僅かに中央部寄りの外周面に、円周方向に延びる環状
の溝19dが形成され、該環状の溝19dに連通してピ
ストンピン19の中央部側に延びる複数の溝19cが形
成され、各溝19cのピストンピン19の中央部寄り
に、ピストンピン19の中空部と連通する連通孔19a
が穿設されている一方、ピンボス部8aには、環状の溝
19dに対応する位置に、ピン孔8bの内周面側とクラ
ンクケース15内を連通する連通孔8cが穿設されてい
る。
クケース15内とは、ピストンピン19の連通孔19
a,溝19c,環状の溝19d,およびピンボス部8a
の連通孔8cを介して連通されていて、ピストンピン1
9の端部と環状の溝19dの間が、ピン孔8bの内周面
と略密着するランド部19eとなっていてシール機能を
有するため、ピストンピン19の中空部とクランクケー
ス15内とが、ピストンピン19の端部から溝19dを
通ってリークするようなことはない。
よれば、各溝19cのピストンピン中央部側の端部がク
ランクケース15内に露出していなくても、クランクケ
ース15内とピストンピン19内との圧力差の変化に応
じて、クランクケース15内のオイルミストによりピス
トンピン19の支承部を潤滑することができる。
実施形態)を示すもので、この実施形態(第3実施形
態)では、ピストンピン19の外周面に、ピストンピン
19の中央部側の露出部からピストンピン19の端部に
まで延びる複数の溝19cが形成されていると共に、各
溝19cとピストンピン19の中空部を連通する各溝1
9fが、ピストンピン19の端面に形成されている。
実施形態)を示すもので、この実施形態(第4実施形
態)では、ピンボス部8aのピン孔8bの内周面に、該
ピン孔8bの内端から、ピストンピン19の端部を位置
決めするスナップリング22にまで、ピン孔8bの長手
方向に延びる複数の溝8dが形成されていると共に、ス
ナップリング22を迂回して溝8dの端部をピン孔8b
の外側端部付近に連通させるための溝8eが各溝8dに
対応して形成されている。
び第4実施形態)によれば、何れも、他の実施形態と同
様に、クランクケース15内のオイルミストによりピス
トンピン19の支承部を潤滑することができる。
部16bが軸受18を介して摺接する部分については、
上記の実施形態(第1実施形態)では、コンロッド16
の小端部16bは、ニードル軸受18を介して、ピスト
ンピン19に回動可能に嵌挿されており、該ニードル軸
受18が摺接するピストンピン19の中央部分には、適
当数(図示したものでは、円周方向に沿って2個)の連
通孔19bが、ピストンピン19の外周面側と内周面側
を連通するように穿設されている。
施形態(第5実施形態)を示すもので、この実施形態
(第4実施形態)では、ピストンピン19とコンロッド
小端部16bの間に介装される軸受18が、ニードル軸
受ではなく平軸受であって、該平軸受18の内周面に
は、ピストンピン19の連通孔19bに対応する位置
に、円周方向に環状の溝18aが形成されていると共
に、該溝18aを通ってピストンピン19の長手方向に
延びる溝18bが形成されている。
よれば、既に述べたような圧力差により生じる呼吸作用
により、連通孔19b,環状溝18a,溝18bを通っ
て運ばれるクランクケース15内のオイルミストによ
り、平軸受18とピストンピン19の外周面との間が潤
滑される。
図7,図8に示したピストンピン19の外周面に形成さ
れている各溝19c、および、図10に示した平軸受1
8の内周面に形成されている溝18bは、何れもスパイ
ラル状の溝であって、ピストンピン19や平軸受18
は、溝以外の部分で爆発力およびピストン8の慣性力を
充分に支持することができるものとなっている。
の内周面に形成されている溝8dについては、スパイラ
ル状の溝でも良いが、ストレート状の溝とする場合に
は、爆発力およびピストン8の慣性力が大きく作用する
コンロッド16の長手方向を避けて溝8dを設けるのが
良い。
ルの供給については、上記の各実施形態では、オイルポ
ンプ30からのオイルを、シリンダブロック4側の油路
33から燃焼室6寄りのシリンダ孔9内に供給すると共
に、クランクケース5側の油路34からコンロッド大端
部16aの軸受17に供給しているが、それと共に更
に、図2に二点鎖線で示すように、オイルポンプ30か
らのオイルの一部をオイル噴射ポンプ35に導き、ピス
トン8が下死点近傍にある時のピストンピン19の中空
部に対して、シリンダ孔9の内周面9aに開口されるオ
イルノズル36からタイミングを合わせてオイルを噴射
することにより、該ピストンピン19の中空部にオイル
を直接供給するようにしても良い。
空部にオイルが確実に供給され、そのオイルが、クラン
クケース15内とピストンピン19内との圧力差の変化
に応じた呼吸作用に乗っかってピストンピン19の支承
部やコンロッド小端部16bの軸受18に送られ、当該
部分を効果的に潤滑することができる。
上記の実施形態に示したような2サイクルエンジンに限
らず、例えば、図11に示すような、途中に気化器41
が配置された吸気通路40が、逆流防止のための逆止弁
42を介してクランク室10に接続され、クランク室1
0に逆止弁43を介して接続された蓄圧室44に吸気ポ
ート45に接続されていて、吸気通路40からクランク
室10に吸入された新気が、クランク軸13の一回転毎
に逆止弁43を介して蓄圧室44に送られ、クランク軸
13の一回転毎に蓄圧室44から吸気ポート45を通
り、吸気弁46を介して燃焼室6内に供給され、燃焼し
た排気が排気弁47から吸気ポート48を通り排気通路
49に導かれて外気中に排出されるような、クランク室
過給式4サイクルエンジンに対しても同様に効果的なも
のである。
ジンやクランク室過給式4サイクルエンジンのように、
吸気を一旦クランクケース内に導いてから、ピストンの
動きにより加圧して吸気ポートから燃焼室内に送り込む
ようなエンジンに限らず、潤滑し難い個所となっている
ピストンピンとピンボス部の摺接部の潤滑を良好なもの
とするために、通常の4サイクルエンジンに対して適用
することも可能なものである。
潤滑構造によれば、ピストンピンに対するきわめて簡単
な構造により、クランクケース内に多量のオイルを導入
しなくても、ピストンピンの中空部とクランクケース内
との間の呼吸作用を利用して、ピストンとコンロッドの
連結部分に対してオイルを効率的に供給することがで
き、当該部分の潤滑を良好に行うことができる。また、
2サイクルエンジンなどでは、過剰なオイルの燃焼によ
る白煙の排出や、未燃オイルの大気中への放出を防止す
ることができ、オイルの消費量を大幅に低減することが
できる。
1実施形態)が適用されている単気筒2サイクルエンジ
ンを示す断面図。
トンとコンロッドの連結部分を示す拡大断面図。
1実施形態)に係るピストンピンの構造を示す正面図。
の断面を示す部分断面図。
ついて、ピストンの上下動に伴うクランクケース内とピ
ストンピン内の圧力変動の差を示す説明図。
(第2実施形態)に係るピストンピンの構造を部分的に
示す一部断面正面図。
態(第3実施形態)に係るピストンピンの構造を部分的
に示す斜視図。
態(第4実施形態)に係るピンボス部のピン孔の構造を
部分的に示す(A)ピン孔の軸心方向に沿った断面図,
および(B)図AのB−B線に沿った断面図。
形態(第5実施形態)に係るコンロッド小端部とピスト
ンピンの間の軸受部分を示す断面図。
ンジンの他の例(クランク室過給式4サイクルエンジ
ン)を示す断面図。
Claims (8)
- 【請求項1】 シリンダ孔に摺動自在に嵌入されたピス
トンと、クランクケース内で回転自在に支承されたクラ
ンク軸を、コンロッドを介して連動させるために、ピス
トンの下面側に形成された一対のピンボス部に、円筒状
のピストンピンの両端部がそれぞれ支承され、該ピスト
ンピンの中央部に、コンロッドの小端部が軸受を介して
回動自在に嵌挿されているエンジンにおいて、ピストン
ピンの外周面およびピンボス部のピン孔内周面の少なく
とも何れか一方に対して、ピストンピンとピンボス部が
摺接する部分に、クランクケース内とピストンピンの中
空部とを連通させるための溝が形成されていることを特
徴とするエンジンの潤滑構造。 - 【請求項2】 ピストンピンのピンボス部と摺接する部
分に、ピストンピンの外周面側と内周面側を連通する連
通孔が穿設されており、少なくとも該連通孔からピスト
ンピンの中央部側に向かって、該連通孔を通してクラン
クケース内とピストンピンの中空部とを連通させるため
の溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載
のエンジンの潤滑構造。 - 【請求項3】 ピストンピンとピンボス部が摺接する部
分で、ピストンピンに、その外周面側と内周面側を連通
する連通孔が穿設されていると共に、ピンボス部に、ピ
ン孔内周面側とクランクケース内を連通する連通孔が穿
設されていて、少なくともピストンピンの連通孔からピ
ンボス部の連通孔にまで、両方の連通孔を通してクラン
クケース内とピストンピンの中空部とを連通させるため
の溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載
のエンジンの潤滑構造。 - 【請求項4】 ピストンピンの中央部側の露出部からピ
ストンピンの端部にまで、ピストンピンの外周面から端
面に渡って、クランクケース内とピストンピンの中空部
とを連通させるための溝が形成されていることを特徴と
する請求項1に記載のエンジンの潤滑構造。 - 【請求項5】 ピンボス部のピン孔内端からピストンピ
ンの端部を位置決めするスナップリングより外側にま
で、ピンボス部のピン孔内周面に、クランクケース内と
ピストンピンの中空部とを連通させるための溝が形成さ
れていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの
潤滑構造。 - 【請求項6】 シリンダ孔に摺動自在に嵌入されたピス
トンと、クランクケース内で回転自在に支承されたクラ
ンク軸を、コンロッドを介して連動させるために、ピス
トンの下面側に形成された一対のピンボス部の各ピン孔
に、円筒状のピストンピンの両端部がそれぞれ支承さ
れ、該ピストンピンの中央部に、コンロッドの小端部が
軸受を介して回動自在に嵌挿されているエンジンにおい
て、ピストンピンとコンロッド小端部が軸受を介して摺
接する部分で、ピストンピンに、その外周面側と内周面
側を連通する連通孔が穿設されていることを特徴とする
エンジンの潤滑構造。 - 【請求項7】 ピストンピンとコンロッド小端部の間に
介装される軸受が平軸受であって、該平軸受の内周面
に、ピストンピンの連通孔を通してクランクケース内と
ピストンピンの中空部とを連通させるための溝が形成さ
れていることを特徴とする請求項6に記載のエンジンの
潤滑構造。 - 【請求項8】 シリンダ孔の内周面に開口される油路を
介して、ピストンピンの中空部にオイルが直接供給され
るように構成されていることを特徴とする請求項1乃至
7に記載のエンジンの潤滑構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35324696A JP3487534B2 (ja) | 1996-12-16 | 1996-12-16 | エンジンの潤滑構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35324696A JP3487534B2 (ja) | 1996-12-16 | 1996-12-16 | エンジンの潤滑構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10176514A true JPH10176514A (ja) | 1998-06-30 |
JP3487534B2 JP3487534B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=18429545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35324696A Expired - Fee Related JP3487534B2 (ja) | 1996-12-16 | 1996-12-16 | エンジンの潤滑構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3487534B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100718251B1 (ko) * | 2001-08-07 | 2007-05-15 | 삼성테크윈 주식회사 | 오일 공급 기능을 갖는 샤프트의 구조 |
CN113653800A (zh) * | 2021-09-17 | 2021-11-16 | 中国北方发动机研究所(天津) | 一种活塞销轴承辅助进油结构 |
-
1996
- 1996-12-16 JP JP35324696A patent/JP3487534B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100718251B1 (ko) * | 2001-08-07 | 2007-05-15 | 삼성테크윈 주식회사 | 오일 공급 기능을 갖는 샤프트의 구조 |
CN113653800A (zh) * | 2021-09-17 | 2021-11-16 | 中国北方发动机研究所(天津) | 一种活塞销轴承辅助进油结构 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3487534B2 (ja) | 2004-01-19 |
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