WO2006025088A1 - 収納用容器及びその混練運搬用外装容器並びに混練機 - Google Patents

Abstract

粘稠液の出荷輸送及び保管に便利で、空になったときにはコンパクトに押し潰して廃棄でき、しかも、粘稠液の混練時には捻じれや下半部の浮き上がりが生じないようにするために、柔軟性を有する筒状本体１の上面開口周縁に口縁環状枠２を設けるとともに、底面開口に底板体３を嵌着し、かつ、該筒状本体１の外周面に少なくとも１個の胴部環状枠４を設けた粘稠液の収納用容器ａを用い、粘稠液の混練時には、この収納用容器ａを混練運搬用外装容器ｂに外嵌挿入させた状態で混練機にセットし、混練機に設けた締め付け手段により混練運搬用外装容器ｂの下半部を締め付け固定することにより、混練運搬用外装容器ｂの胴壁９の押圧片１７…を内方へ押圧し、その押圧片１７…の内面を内環溝１４内に僅かに変形させ、収納用容器ａの底板体３に設けた係入周壁７を混練運搬用外装容器ｂの内環溝１４の内方壁面に押し付けて挟持固定した。

Description

明 細 書

収納用容器及びその混練運搬用外装容器並びに混練機

技術分野

[0001] 本願発明は、シーリング材、接着剤、塗料、モルタル、コンクリート、味噌、マヨネ一 ズ様食料品、洗剤、シャンプー、リンス、整髪剤、飲料、薬液等の粘稠液を充填収納 して出荷輸送および、混合攪拌、保管するのに好適に使用可能な収納用容器と、収 納用容器に外装させて所要の混練機の揺動台に対し着脱自在な混練運搬用外装 容器と、収納用容器内に充填した粘稠液を混練する混練機に関する。

背景技術

[0002] 特許文献 1には、（1)シーリング材収納用容器として、混練機の揺動台に対して着 脱自在なシーリング材混練運搬用外装容器に嵌挿することができるとともに、その所 要部に、該シーリング材混練運搬用外装容器との相対回転を防止する回転防止用 嵌合部を形成したものが記載され、（2)また上記シーリング材混練運搬用外装容器と して、上記シーリング材収納用容器を嵌挿することができるとともに、その所要部に、 該シーリング材収納用容器との相対回転を防止する回転防止用嵌合部を形成したも のが記載され、 (3)更にこれらシーリング材収納用容器とシーリング材混練運搬用外 装容器とを組み合わせたものが記載されている。

[0003] また、特許文献 2には、各種の流動性物質を充填収納するプラスチック製の柔軟性 容器として、プラスチックラミネートフィルム製の筒状本体の上面周囲にプラスチック 成形部である大径環状部を備えるとともに、底面周囲に同じくプラスチック成形部で ある小径環状部を備え、充填収納していた当該流動性物質を使用して空になったと きには、その大、小径環状部を互いに接合または接近する方向に押し潰すことによつ て、嵩を小さくし、コンパクトな状態で廃棄処理できるという特長を有するものが記載さ れている。

[0004] 特許文献 1 :特許第 3289192号公報

特許文献 2：特開平 11 - 227766号公報

発明の開示 発明が解決しょうとする課題

[0005] 発明者らは、収納用容器、特に粘稠液としてシーリング材を充填した収容容器のリ サイクル、リユース、リデュースを検討したところ、プラスチック製の上記柔軟性容器を 採用することにより、シーリング材の出荷輸送および保管に便利で、かつ、空になつ たときはそれを押し潰しコンパクトにして廃棄でき、産業廃棄物の減容化のリデュース が図れ、地球環境の負荷低減に一部でも貢献できるとともにコストの低減を図ること 力 Sできること等の有利性に着目し、その実用化に向け鋭意研究した。

[0006] しかし、上記柔軟性容器をシーリング材収納用容器として活用した場合には、次の ような問題がある。即ち、シーリング材収納用容器をシーリング材混練運搬用外装容 器に嵌挿して、シーリング材混練運搬用外装容器を混練機の揺動台に乗載固定し、 慣行にしたがって該シーリング材収納用容器に充填収納されているシーリング材を 混練したときに、シーリング材収納用容器の柔軟性な筒状本体に捻じれが生じて、シ 一リング材収納用容器の下半部が浮き上がるように変形し、シーリング材収納用容器 力 Sパドルに巻き付いたり、ノ ドルと接触したりして、シーリング材収納用容器が損傷、 破損するという問題があるとの知見を得た。

[0007] 本発明は、プラスチック製の柔軟性容器における上記特長を維持しながら、粘稠液 の攪拌混合、たとえばシーリング材の場合、主材と硬化剤を混合したり、シーリング材 に必要に応じて着色剤とか触媒、遅延剤等を混合したりするとき使用できるもので、 シーリング材の出荷輸送および保管に便利で、空になったときにはコンパクトに押し 潰して廃棄でき、しかも、コストの低減を図ることができながら、地球環境に優しぐさ らに、混練時における上記問題を惹起するような変形、すなわち、筒状本体の捻じれ や下半部の浮き上がりが生じないようにすることを目的に提案されたものである。 課題を解決するための手段

[0008] 本発明に係る収納用容器は、柔軟性を有する筒状本体の上面開口周縁にプラス チック製の口縁環状枠を設けるとともに、底面開口にプラスチック製の底板体を嵌着 し、かつ、該筒状本体の外周面に少なくとも 1個の胴部環状枠を設け、さらに、前記 口縁環状枠に複数個の第 1係入突起を所要の間隔で一体的に突出形成するととも に、前記底板体には、その外周縁に下方へ延びる係入周壁を、また、下面に複数個 の第 2係入突起を所要の配置でそれぞれ一体的に形成したものである。

[0009] ここで、前記筒状本体として、プラスチックラミネートフィルムからなるものを用いるこ と、前記口縁環状枠として、鍔部の内周縁に上側リブよび下側リブを連設した断面横 向き τ字状のリング状のものを用い、また、前記底板体として、底板体円板と、底板体 円板の外周縁から上方へ延びる上側リブとを有するものを用いること、前記口縁環状 枠の鍔部に取っ手を突出形成すること、粘稠液を収納するための容器であること、な どが好ましい実施例である。

[0010] 本発明に係る混練運搬用外装容器は、前記収納用容器に着脱自在に外嵌され、 収納物の混練及び収納用容器の運搬に用いられる混練運搬用外装容器であって、 硬質プラスチックからなる胴壁と底板とを有し、胴壁の上端部に形成した口縁環状部 に、収納用容器の第 1係入突起が嵌合可能な複数個の係合凹部を所要の間隔で形 成するとともに、前記胴壁と底板との境界部に収納用容器の係入周壁が係入可能な 内環溝を形成し、さらに、前記底板に収納用容器の第 2係入突起が係入可能な複数 個の係合孔を所要の配置で開設したものである。

[0011] ここで、前記胴壁の所要位置に窓孔を開設すること、前記底板の下面側に形成し た台座に通気孔を開設すること、前記口縁環状部に、上縁側に開口する切欠き部を 形成すること、前記胴壁の外周面に段差を設けて、その段差より下面側の外径を、上 面開口側の内径よりも小径にすること、前記口縁環状部に、袋体吊下用突起を有す る提げ手を回動自在に取り付けるとともに、該提げ手を起立状態に保持する突片を 形成すること、などが好ましい実施例である。

[0012] 本発明に係る混練機は、前記混練運搬用外装容器を固定設置するための揺動台 を有し、混練運搬用外装容器及び収容用容器をこの揺動台とともに揺動させながら 、収納用容器内の内容物を混練する混練機であって、前記混練運搬用外装容器の 胴壁を締め付けて、混練運搬用外装容器を揺動台に着脱自在に固定する複数個の 締め付け手段を備えたものである。

発明の効果

[0013] 本発明に係る収納用容器によれば、筒状本体が柔軟性を有しているので、収納用 容器に充填した収納物を使い切った後、筒状本体をコンパクトに押し潰して収納用 容器を廃棄することが可能となり、廃棄処理が容易になし得、しかも廃棄物の減容化 が可能なので地球環境に対する負荷を低減できる。

[0014] 収納物としては、粘性の少ないサラサラの液状体を収納することもできる力 ゴム · ポリマー組成物であるシーリング材、接着剤、塗料等の他、食料品、洗剤、シャンプ 一、リンス、整髪剤、飲料、薬液等の粘稠液であって、混合の要否に関係なく収納、 運搬、保管、攪拌混合するこができる。

[0015] 本発明に係る混練運搬用外装容器によれば、その内側に収納用容器を内嵌装着 した状態で、収納用容器の上端部の第 1係入突起が係合凹部に嵌合し、収納用容 器の下端外周部の係入周壁が内環溝に係入し、収納用容器の底面の第 2係入突起 が係合孔に係入して、収納用容器の上端部及び下端部が混練運搬用外装容器に 相対回転不能に係止されるので、収納物をパドルにより混練したときにおける筒状本 体の捻じれを確実に防止して、収納用容器の下半部が浮き上がることを防止できる。 したがって、収納用容器がパドルに巻き付いたり接触したりして、収納用容器が破損 したり損傷したりすることを確実防止することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0016] [図 1]本発明の実施例 1に係る収納用容器の斜視図である。

[図 2]同上の縦断面図である。

[図 3]同上の押し潰し状態の斜視図である。

[図 4]本発明の実施例 1に係る混練運搬用外装容器の斜視図である。

[図 5]同上の縦断面図である。

[図 6]上記収納用容器を上記混練運搬用外装容器に嵌挿した状態の縦断面図であ る。

[図 7]同上の平面図である。

[図 8]収納用容器と混練運搬用外装容器の底部分の係合状態を示す要部の縦断斜 視図である。

[図 9]同上のさらに要部の横断面図である。

[図 10]同じく要部の横断面図である。

[図 11]収納用容器を嵌挿した混練運搬用外装容器を混練機に乗載し、パドルをセッ トした状態の斜視図である。

[図 12]本発明の実施例 2に係る収納用容器の正面図である。

[図 13]同上の側面図である。

[図 14]同上の平面図である。

[図 15]同上の底面図である。

[図 16]同上の縦断面図である。

[図 17]本発明の実施例 2に係る混練運搬用外装容器の正面図である。

[図 18]同上の側面図である。

[図 19]同上の背面図である。

[図 20]同上の平面図である。

[図 21]同上の底面図である。

[図 22]同上の縦断面図である。

[図 23]実施例 2に係る 2つの上記混練運搬用外装容器を重合させて積み上げた状 態の縦断面図である。

[図 24]実施例 2に係る収納用容器を同じく実施例 2に係る上記混練運搬用外装容器 に嵌挿する途中の状態の斜視図である。

[図 25]実施例 2に係る上記収納用容器を、同じく実施例 2に係る上記混練運搬用外 装容器に嵌挿した状態の断面図である。

[図 26] (a)、（b)は、上記収納用容器と混練運搬用外装容器の上面開口縁部の係合 状態を説明するための要部の斜視図である。

[図 27]上記収納用容器の取っ手と混練運搬用外装容器の切欠き部の位置関係を説 明するための要部の斜視図である。

符号の説明

a, d 収納用容器

b， e 混練運搬用外装容器

c 混練機

1 , 21 筒状本体

2, 22 口縁環状枠 3, 23 底板体

4, 24 胴部環状枠

5, 25 第 1係入突起

7, 27 係入周壁

8, 28 第 2係入突起

9, 29 胴壁

10, 30 底板

11， 31 口縁環状部

12， 32 提げ手

13, 33 係合凹部

14， 34 内環溝

15， 35 係合孔

16 切り込み線

17 押圧片

18 揺動台

19 締め付け手段

20 パドル

36 係合孔補強壁

37 底板補強用環状壁

38 台座

39 通気孔

発明を実施するための最良の形態

[0018] 以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例により説明するが、本発明 はこれに限定されるものではない。

実施例 1

[0019] まず本発明の実施例 1について図 1一 11を参照しながら詳しく説明する。

図中の符号 aは、軟質プラスチック製で柔軟性を有する収納用容器である。

この収納用容器 aは、上面開口側から底面開口側に向かって緩やかに縮径させた 柔軟性を有する筒状本体 1の上面開口周縁にプラスチック製の口縁環状枠 2を固着 して一体に成形するとともに、底面開口にプラスチック製の底板体 3を嵌着し、かつ、 該筒状本体 1の外周面にプラスチック、金属、皮、布等からなり帯状にした少なくとも 1個の胴部環状枠 4を形成したものである。本実施例の収納用容器では、筒状本体 の高さの略中央部外周面に、プラスチック製の 1個の胴部環状枠を一体的に設けて いる。また、筒状本体 1としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル 、ナイロン等の合成樹脂フィルム間にアルミニウム箔などの金属箔をラミネートした、 プラスチックラミネートフィルムで構成したものを採用できる。

[0020] 上記口縁環状枠 2は、断面倒立 L字状のリング状の部材からなり、その外周面に複 数個の第 1係入突起 5……を所要の間隔たとえば 90度間隔で突設形成したものであ る。

[0021] 上記底板体 3は、底板体円板 6の外周に係入周壁 7を、また、下面に複数個の第 2 係入突起 8……を所要の配置で同じく一体成形したものである。

[0022] この収納用容器 aは、内容物として所定の粘稠液を充填収納した後、上面開口を所 定の蓋材（図示していなレ、）で閉蓋し、段ボール箱等の包装用箱に収納された状態 において、出荷輸送および保管に供されるものである。そして、粘稠液を使用し終わ つて空になったときには、口縁環状枠 2と底板体 3を互いに接合または接近する方向 に押し潰すことにより、折り畳まれた状態の筒状本体 1と上記胴部環状枠 4と口縁環 状枠 2および底板体とが重合し、その嵩を少なくとも数分の 1に小さくして産業廃棄物 を減容化できるものである（図 3)。

[0023] 図中の符号 bは、硬質プラスチック製の混練運搬用外装容器である。

この混練運搬用外装容器 bは、上面開口側から底面側に向かって緩やかに縮径さ せた胴壁 9と、胴壁 9の下端部を閉鎖する底板 10とを備え、上記収納用容器 aを外嵌 可能な所要の大きさに構成したもので、胴壁 9の内面の中段部に大径部 9 'を設け、 胴壁 9の上面に口縁環状部 11を設け、 口縁環状部 11に提げ手 12を回動自在に取 り付けたものである。

[0024] さらに、上記口縁環状部 11には、収納用容器 aの上記複数個の第 1係入突起 5· · - …を係入する複数個の係合凹部 13……を所要の間隔で成形してある。 [0025] 上記胴壁 9と一体な底板 10は上げ底になっているとともに、これら胴壁 9の内面と 底板 10との間に、収納用容器 aの底板体 3の上記係入周壁 7を係入する内環溝 14を 形成し、かつ、その底板 10には、収納用容器 aの複数個の第 2係入突起 8……を係 入する複数個の係合孔 15……を所要の配置で開設している。

[0026] また、上記胴壁 9には、底部至近位置であって、上記内環溝 14に対向する部分の 複数箇所に、上記内環溝 14に係入した係入周壁 7を挟持固定する押圧手段として、 複数個の押圧片 17……が形成されている。本実施例では、その押圧片 17を横長 C 字形の切り込み線 16で囲繞することにより、その肉厚を、胴壁 9の該押圧片 17以外 の部分に比べ若干厚くし、外方から押すことにより、その内面を内環溝 14内に僅か に変形させることができるように形成してある。

なお、上記押圧手段としては、本実施例の押圧片に限定されることなぐ収納用容 器の底板外周の係入周壁を挟持固定する作用機能を有するものであれば他の構成 のものでもよい。

[0027] 上記構成の収納用容器 aは、所定の粘稠液を充填収納し閉蓋された状態で、段ボ ール箱等の包装用箱に収容梱包されて、出荷輸送および保管に供されるものである 力 一般に粘稠液の使用に際しては、その収納用容器 aを上記包装用箱から取り出 し、上記構成の混練運搬用外装容器 bに嵌挿し、後記混練機 cにより上記粘稠液の 混練を予め行うことができる。

[0028] その収納用容器 aの混練運搬用外装容器 bへの嵌揷は次のように行う。

すなわち、前者の口縁環状枠 2を後者の口縁環状部 11に乗載する状態にしながら 、複数個の第 1係入突起 5……を複数個の係合凹部 13……に一致係入させる。 これにより、前者の係入周壁 7および複数個の第 2係入突起 8……が後者の内環溝 14および複数個の係合孔 15……にそれぞれほぼ緊密に係入し、前者の底板体（円 板 6)が後者の底板 10に重合するとともに、前者の胴部環状枠 4が後者の大径部 9 ' に対向位置する（図 6)。

[0029] そして、粘稠液等の内容物の混練を行うには、収納用容器 aを嵌揷した状態の上記 混練運搬用外装容器 bを、たとえば、従来公知の混練機 cの揺動台 18に乗載して、 複数個の締め付け手段により混練運搬用外装容器の胴壁の少なくとも一部を締め付 け、揺動台 18に着脱自在に固定する。

たとえば、本発明の混練機 cには、それに付属のチャック機構の複数個の締め付け 手段 19……を備えており、混練運搬用外装容器 bの下半部を締め付け固定する（図 11)。

ここでは、本発明の一実施例としてチャック機構の締め付け手段を例示したが、こ れに限定されることなく収納用容器を嵌挿した混練運搬用外装容器を締結固定でき る締め付け手段であればよぐたとえばプラスチック製バンド、金属製押圧締結片、ゴ ム製バンド、皮製バンドなど着脱自在な締め付け手段を用いることができる。

この複数個の締め付け手段 19……は、混練運搬用外装容器 bの胴壁 9の複数個 の押圧片 17……を内方に押圧し、その押圧片 17が、上記のように、その内面を内環 溝 14内に僅かに変形させ、収納用容器 aの上記係入周壁 7を内環溝 14の内方壁面 に押し付け挟持固定するものであって、特に混練運搬用外装容器 bの底部の外周に 設けた少なくとも 1個の押圧片 17を締結押圧できるものである。

[0030] 収納用容器 aの上面開口を閉じていた蓋材は、該収納用容器 aを混練運搬用外装 容器 bに嵌挿する際、または、嵌挿した後に取り外し、混練機 cのパドル 20を収納用 容器 aにその上面開口を通じ嵌挿配置（セット）する。

[0031] 次に、混練機 cを駆動すると、収納用容器 aと混練運搬用外装容器 bとが、一体的関 係において揺動台 18ごと左右に繰り返し往復回動し、パドル 20に対し左右に揺動 することにより内容物を混練することになる。

[0032] 収納用容器 aと混練運搬用外装容器 bとの上記一体的関係は、前者の口縁環状枠 2の第 1係入突起 5……を後者の口縁環状部 11の係合凹部 13……に係入し、また、 前者の底板体 3の第 2係入突起 8……を後者の底板 10の係合孔 15……に係入して レ、ることによって保持されるものである。

[0033] そして、混練時における筒状本体 1の捻じれゃ窄まり現象は、上記一体的関係の保 持の他に、該筒状本体 1の略中央部外周面に一体に成形した胴部環状枠 4によって も阻止される。

[0034] また、混練時における収納用容器 a (筒状本体 1)の下半部の浮き上がりは、混練機 cのチャック機構の締め付け手段 19……により、混練運搬用外装容器 bの下半部を 締め付け固定することによって、混練運搬用外装容器 bの胴壁 9の押圧片 17……が 、収納用容器 aの係入周壁 7を内環溝 14の壁面に押し付けて挟持固定することによ つて阻止される。

[0035] なお、収納用容器 a (筒状本体 1)の下半部の浮き上がりの阻止には、上記締め付 け固定の他、収納用容器 aの底板体 3の第 2係入突起 8……が混練運搬用外装容器 bの底板 10の係合孔 15……に係入していることによる抵抗も寄与すると認められる。 実施例 2

[0036] 次に、本発明の実施例 2について図 12— 27を参照しながら詳しく説明する。

図中の符号 dは、軟質プラスチック製で柔軟性を有する収納用容器である。この収 納用容器 dは、所要のプラスチックラミネートフィルムで形成され、かつ、上面開口側 力 底面開口側に向かって緩やかに縮径させた筒状本体 21の上面開口周縁にブラ スチック製の口縁環状枠 22を固着して一体に成形するとともに、底面開口にプラスチ ック製の底板体 23を嵌着し、かつ、該筒状本体 21の外周面にプラスチック、金属、 皮、布等からなり帯状にした少なくとも 1個の胴部環状枠 24を形成したものである。本 実施例の収納用容器では、該筒状本体の高さの略中央部外周面に、プラスチック製 の 1個の胴部環状枠を一体的に設けている。

[0037] 上記のように、この収納用容器 dは、概括的には実施例 1の収納用容器 aと共通の 構成を有するものであるが、上記口縁環状枠 22及び底板体 23が収納用容器 aのも のと相違しており、それらは以下のようなものである。

[0038] 上記口縁環状枠 22は、鍔部 22aの内周縁に上側リブ 22bおよび下側リブ 22cを連 設した断面横向き T字状のリング状に形成されており、上側リブ 22bおよび下側リブ 2 2cの内面は上記筒状本体 21に固着されている。

上記鍔部 22aの互いに対向する位置には一対の取っ手 22 '、 22 'が突出形成され ている。また、上記下側リブ 22cの外周面には、複数個の第 1係入突起 25が所要の 間隔で、たとえば 180度間隔で突設形成されてレ、る。

[0039] また、上記底板体 23は、底板体円板 26の外周下方に係入周壁 27を形成し、底板 体円板 26の下面に筒状の複数個の第 2係入突起 28……を所要の配置で一体成形 し、底板体円板 26の外周上方に上記係入周壁 27と同径の上側リブ 27 'を連続形成 したものである。この上側リブ 27 'があることによって、該底板体 23は、実施例 1の底 板体 3よりもその強度が高められ、かつ筒状本体 21との接着が強固になされ、該接 着部分の損傷破損が防止されるように構成されている。

[0040] この収納用容器 dは、内容部を所定の粘稠液を充填収納した後、上記口縁環状枠 22の上側リブ 22bの上端面にアルミラミネートフィルム等からなる所要の蓋材 22dを 粘着、融着することによって、上面開口を閉蓋し、かつ、段ボール箱等の包装用箱に 収納された状態において、出荷輸送および保管に供されるものである。

上記蓋材 22dは、上面開口よりも充分に大きぐたとえば平面方形に形成されたも ので、上記上側リブ 22bの外方へ延出する延出部 22eを有しているので（図 16参照) 、開封時には、その延出部 22eをつまんで引き剥がすことができるようになつている。

[0041] また、 口縁環状枠 22は、内面に筒状本体 21の上端を固着している上記上側リブ 2 2bの部分をヘラかすり用リブとして用いることができ、内容物を取り出すのに用いる ヘラに付レ、た余分な内容物を取り除くのに役立つものである。

[0042] その内容物を使用し終わって空になったときには、口縁環状枠 22と底板体 23を互 レ、に接合または接近する方向に押し潰すことにより、折り畳まれた状態の筒状本体 2 1、上記胴部環状枠 24、 口縁環状枠 22及び底板体 23が重合し、その嵩を少なくとも 数分の 1に小さくして産業廃棄物を減容化できるものである（図示してレ、なレ、）。

[0043] 図中の符号 eは、硬質プラスチック製の混練運搬用外装容器である。

この混練運搬用外装容器 eは、外周面に段差を設けて上面開口側よりも底面側を 小径に構成するとともに、高さ方向略中央部の内面に大径部 29 'を有する胴壁 29と 底板 30とが成形され、かつ、上記収納用容器 dを嵌挿する所要の大きさをなしている 上記胴壁 29の大径部 29 'の互いに対向する位置には窓孔 29"、 29"を開設してあ り、また、小径にした上記段差よりも底面側の外周面に多数の縦筋を成形して、外周 を凹凸波状にしている。

また、上記胴壁 29の上面には口縁環状部 31を成形し、その口縁環状部 31の互い に対向する位置には提げ手取付部 31a、 31aを突出形成し、そこに、提げ手 32を回 動自在に取り付けている。 [0044] 符号 31bは、上記提げ手取付部 31aに形成した突片で、上記提げ手 32は、この突 片 31bに立て掛けることにより起立状態に保持できるようになつている。

符号 32a、 32aは、上記提げ手 32の中央の直状部分に所要の間隔をおいて突出 形成した一対の袋体吊下用突起である。この袋体吊下用突起 32a、 32aは、提げ手 32を起立状態に保持して、硬化剤、トナー等の所要の混練用材料を収納した袋体 等の容器を吊しておくのに使用するもので、その吊した容器の下端を開封することに より、混練用材料を、該混練運搬用外装容器 e内に嵌挿した収納用容器 d内の粘稠 液に落流添加する。

[0045] さらに、上記口縁環状部 31の互いに対向する位置に形成された幅広部 31c、 31c には、収納用容器 dの上記第 1係入突起 25、 25を係入する複数個の係合凹部 33、 3 3を成形してあり、また、該ロ縁環状部 31の、収納用容器 dの上記取っ手 22 '、 22 ' に対応することとなる位置に、上縁側に開口させた切欠き部 31 '、 31 'を形成してい る。

[0046] 上記胴壁 29と一体な底板 30は上げ底になっているとともに、これら胴壁 29の内面 と底板 30との間に、収納用容器 dの底板体 23の上記係入周壁 27を係入する内環溝 34を形成し、かつ、その底板 30には、収納用容器 dの複数個の第 2係入突起 28· · · …を係入する複数個の係合孔 35……を所要の配置で開設している。

[0047] 符号 36……は、底板 30の下面側であって、上記係合孔 35……の開口縁部に形 成した係合孔補強壁、符号 37は、同じく底板 30の下面側であって、その係合孔 35 ……の外側に形成した底板補強用環状壁である。

符号 38は、底板 30の下面側であって上記底板補強用環状壁 37の外側に形成さ れてレ、る環状の台座である。それは二重の環状壁を複数の補強リブ 38a'■ ·で連結し てなるもので、上記底板補強用環状壁 37よりも高さを高くしている。符号 39、 39は、 その台座 38の二重壁を貫通させて開設した通気孔である。

[0048] 上記構成の混練運搬用外装容器 eは、外周面に段差を設けたことにより、その段差 より下面側の外径が、上面開口側の内径よりも小径になっており、複数の混練運搬 用外装容器 eを互いに重合させる際には、上側の混練運搬用外装容器 eの胴壁 29 の下半部分を下側の同容器 e内に嵌挿し、その段差部が下側の混練運搬用外装容 器 eの胴壁 29の口縁環状部 31に乗載する状態にして積み上げておくことができるよ うにしてある（図 23)。

また、台座 38を二重壁からなるものとし、係合孔 35……の開口縁部に係合孔補強 壁 36…を形成しているので、底板 30周辺の強度が高いものになっている。

[0049] また、上記構成の収納用容器 dは、所定の粘稠液を充填収納し閉蓋された状態で 、段ボール箱等の包装用箱に収容梱包されて、出荷輸送および保管に供されるもの であるが、一般に粘稠液の使用に際しては、その収納用容器 dを上記包装用箱から 取り出し、上記構成の混練運搬用外装容器 eに嵌挿し、混練機により上記内容物とて の粘稠液の混練を行うことができる。

[0050] その収納用容器 dの混練運搬用外装容器 eへの嵌揷は次のように行う。

すなわち、前者の口縁環状枠 22を後者の口縁環状部 31に乗載する状態にしなが ら、第 1係入突起 25、 25を係合凹部 33、 33に一致係入させる（図 26)。

[0051] これにより、前者の係入周壁 27および複数個の第 2係入突起 28……が後者の内 環溝 34および複数個の係合孔 35……にそれぞれほぼ緊密に係入し、前者の底板 体 23 (円板 26)が後者の底板 30に重合する。

また、前者の取っ手 22 '、 22 'が、後者の切欠き部 31 '、 31 '上に位置する（図 27) さらに、前者の胴部環状枠 24が後者の大径部 29 'に対向位置する（図 25)ので、 窓孔 29"を通じて該月同部環状枠 24が見えているのを確認することにより、その収納 用容器 dが正しく嵌挿されていることを知ることができる。

なお、収納用容器 dを嵌挿する際には、底板 30の上記係合孔 35……および台座 3 8の通気孔 39、 39を通じて、該混練運搬用外装容器 e内の空気が排出されるから、 その嵌揷スムーズに行うことができる。

[0052] そして、粘稠液の混練を行う際には、収納用容器 dを嵌挿した状態の上記混練運 搬用外装容器 eを、上記実施例 1の場合にしたのと同様に、たとえば、図 11に示した 従来公知の混練機 cの揺動台 18に乗載して、複数個の締め付け手段 19により混練 運搬用外装容器の胴壁の少なくとも一部を締め付け、揺動台 18に着脱自在に固定 する。 なお、締め付け手段 19としては、収納用容器を嵌挿した混練運搬用外装容器を締 結固定できるものであればよぐたとえばプラスチック製バンド、金属製押圧締結片、 ゴム製バンド、皮製バンドなど着脱自在な締め付け手段を用いることができるのも、上 記実施例 1の場合と同様である。

[0053] 収納用容器 dの上面開口を閉じていた蓋材は、該収納用容器 dを混練運搬用外装 容器 eに嵌揷する際、または、嵌揷した後に取り外し、混練機 cのパドル 20を収納用 容器 dにその上面開口を通じ嵌揷配置 (セット)する。

[0054] そこで、混練機 cを駆動すると、収納用容器 dと混練運搬用外装容器 eとが、一体的 関係において揺動台 18ごと左右に繰り返し往復回動し、パドル 20に対し左右に揺 動することにより粘稠液を混練することになる。

[0055] 収納用容器 dと混練運搬用外装容器 eとの上記一体的関係は、前者の口縁環状枠

22の第 1係入突起 25、 25を後者の口縁環状部 31の係合凹部 33， 33に係入し、ま た、前者の底板体 23の第 2係入突起 28……を後者の底板 30の係合孔 35……に係 入していることによって保持されるものである。

[0056] 混練の際の収納用容器 dの筒状本体 21の捻じれゃ窄まり現象は、上記一体的関 係の保持の他に該筒状本体 21の略中央部外周面に一体に成形した胴部環状枠 24 により阻止される。

[0057] また、収納用容器 d (筒状本体 21)の下半部の浮き上がりは、収納用容器 dの底板 体 23の第 2係入突起 28……が混練運搬用外装容器 eの底板 30の係合孔 35……に 係入していることによる抵抗により抑えられると認められる。

[0058] 混練運搬用外装容器 eに嵌挿された収納用容器 dの取っ手 22 '、 22 'は、混練運搬 用外装容器 eの切欠き部 31 '、 31 'の上に位置しているので、使用後の該収納用容 器 dの持ち上げ、取り外しは、切欠き部 31 '、 31 'から取っ手 22 '、 22 'の下面に指を 添えて下方より持ち上げることにより容易に行うことができる。

Claims

請求の範囲

[1] 柔軟性を有する筒状本体の上面開口周縁にプラスチック製の口縁環状枠を設ける とともに、底面開口にプラスチック製の底板体を嵌着し、かつ、該筒状本体の外周面 に少なくとも 1個の胴部環状枠を設け、さらに、前記口縁環状枠に複数個の第 1係入 突起を所要の間隔で一体的に突出形成するとともに、前記底板体には、その外周縁 に下方へ延びる係入周壁を、また、下面に複数個の第 2係入突起を所要の配置でそ れぞれ一体的に形成したことを特徴とする収納用容器。

[2] 前記筒状本体として、プラスチックラミネートフィルムからなるものを用いた請求項 1 記載の収納用容器。

[3] 前記口縁環状枠として、鍔部の内周縁に上側リブおよび下側リブを連設した断面 横向き T字状のリング状のものを用レ、、また、前記底板体として、底板体円板と、底板 体円板の外周縁から上方へ延びる上側リブとを有するものを用いた請求項 1又は 2 記載の収納用容器。

[4] 前記口縁環状枠の鍔部に取っ手を突出形成した請求項 3記載の収納用容器。

[5] 粘稠液を収納するための容器である請求項 1一 4のいずれか 1項記載の収納用容

[6] 前記請求項 1一 5のいずれか 1項記載の収納用容器に着脱自在に外嵌され、収納 物の混練及び収納用容器の運搬に用いられる混練運搬用外装容器であって、 硬質プラスチックからなる胴壁と底板とを有し、胴壁の上端部に形成した口縁環状 部に、収納用容器の第 1係入突起が嵌合可能な複数個の係合凹部を所要の間隔で 形成するとともに、前記胴壁と底板との境界部に収納用容器の係入周壁が係入可能 な内環溝を形成し、さらに、前記底板に収納用容器の第 2係入突起が係入可能な複 数個の係合孔を所要の配置で開設したことを特徴とする混練運搬用外装容器。

[7] 前記胴壁の所要位置に窓孔を開設した請求項 6記載の混練運搬用外装容器。

[8] 前記底板の下面側に形成した台座に通気孔を開設した請求項 6又は 7記載の混練 運搬用外装容器。

[9] 前記口縁環状部に、上縁側に開口する切欠き部を形成した請求項 6— 8のいずれ 力 4項記載の混練運搬用外装容器。

[10] 前記胴壁の外周面に段差を設けて、その段差より下面側の外径を、上面開口側の 内径よりも小径にした請求項 6— 9のいずれ力 4項記載の混練運搬用外装容器。

[11] 前記口縁環状部に、袋体吊下用突起を有する提げ手を回動自在に取り付けるとと もに、該提げ手を起立状態に保持する突片を形成した請求項 6— 10のいずれ力 4項 記載の混練運搬用外装容器。

[12] 前記収納用容器を内装させた請求項 6—請求項 11のいずれか 1項記載の混練運 搬用外装容器を固定設置するための揺動台を有し、混練運搬用外装容器及び収容 用容器をこの揺動台とともに揺動させながら、収納用容器内の内容物を混練する混 練機であって、

前記混練運搬用外装容器の胴壁を締め付けて、混練運搬用外装容器を揺動台に 着脱自在に固定する複数個の締め付け手段を備えた、

ことを特徴とする混練機。