WO2006019115A1

WO2006019115A1 - カード用コネクタ

Info

Publication number: WO2006019115A1
Application number: PCT/JP2005/015011
Authority: WO
Inventors: Hirohisa Tanaka; Toshihiro Yamamoto; Mitsuru Iida; Yoshihisa Inaba
Original assignee: Matsushita Electric Works, Ltd.
Priority date: 2004-08-18
Filing date: 2005-08-17
Publication date: 2006-02-23
Also published as: JP4039408B2; TW200618403A; US7390204B2; KR20060115914A; US20070161274A1; KR100865610B1; CN100521394C; CN1918753A; JP2006059600A; TWI285002B

Abstract

　カードの着脱作業を容易に行うことができ、構造が簡単でコンパクトなカード用コネクタを提供する。コネクタ１は、ＩＣカード１００の収納部２ａを備えたボディ２と、ＩＣカード１００が載置される収納部２ａの底面３ａから突出し、ＩＣカード１００の接触端子１０１にそれぞれ弾性的に接触される６つの接触ばね６と、ボディ２の背面側に設けられた固定係止部２０と、ボディ２の前面側に設けられ、ボディ２の前後方向に移動可能な可動係止部材５と、可動係止部材５をボディ２の背面側へ付勢する板ばね１８を備え、係止部５ｃの背面側は、収納部２ａの底面３ａに近づくほどボディ２の背面に近付くように傾斜面５ｂが形成されている。固定係止部材２０と収納部２ａの底面３ａとでＩＣカード１００の前端部を挟持させ、可動係止部材５の背面側に設けられた係止部５ｃと収納部２ａの底面３ａとでＩＣカード１００の後端部を挟持させる。

Description

明細書

カード用コネクタ

技術分野

[0001] 本発明は、 ICカード等のカードを外部回路に接続するためのカード用コネクタに関する。

背景技術

[0002] 従来から、メモリや CPU等で構成された ICチップを内包する ICカードをプリント基板等の外部回路に接続するためのカード用コネクタが提供されている。

[0003] 日本国特許第 2860362号公報によれば、 ICカードを接触支持するボディと、そのボディに回転自在に取り付けられたカバーを備えたカード用コネクタが提案されている。

[0004] このカード用コネクタでは、ボディにカバーが回転自在に取り付けられているため、プリント回路基板等へこのコネクタを実装する場合、カバーもボディと一緒に取り扱わなければならない。そのため、このコネクタをプリント回路基板等へ自動実装することは困難であった。また、このコネクタにおいては、カードの端面をボディの係合面に当接させることによって、カードとコネクタとの接続状態が維持されている。しかしながら、このような構成では、カードとコネクタとの接続状態を確実に維持することができない。従って、このコネクタとカードの接続状態を確実に維持するには、別に接続状態を維持するためのロック機構を設ける必要があり、コネクタの構造が複雑ィ匕し、大型ィ匕してしまう。

[0005] 一方、日本国特許第 3020020号公報によれば、平面方形の板状に成形され表面内に 6個の接続端子が取り付けられたボディと、裏面にカード収容部を有し、ボディの表面部に沿って摺動自在に取り付けられるカードホルダーを兼ねたカバーを備えたカード用コネクタが提案されている。

[0006] このコネクタでは、カードの取り付け時にボディとカバーとを別離させる構成とすることで、上記のプリント回路基板等への自動実装に関する問題を解決している。しかしながら、コネクタの実装時に部品の取り外しを行うと、取り外した部品を紛失しやすい。また、このコネクタでも、構造の複雑化や、大型化といった問題は解決できていない発明の開示

[0007] 上記従来例の問題点を解決するため、本発明の目的は、カードの着脱作業を容易に行うことができ、かつ、構造が簡単でコンパクトなカード用コネクタを提供することにある。

[0008] 本発明の一態様に係るカード用コネクタは、一面に複数の接触端子が露出するように設けられたカードが収納されるための収納部を備えたボディと、前記収納部の底面から突出され、前記カードの接触端子にそれぞれ弾性的に接触される複数の接触ばねと、前記ボディの第 1面側に設けられ、前記収納部の底面とで前記カードの第 1端部を挟持する固定係止部と、前記ボディの第 2面側に設けられ、前記ボディの第 1面側に係止部を有し、前記ボディの第 1面と第 2面を結ぶ方向に移動可能な可動係止部材と、前記可動係止部材の係止部と前記収納部の底面の間で前記カードの第 2 端部を挟持させるように、前記可動係止部材を前記ボディの第 1面側へ付勢する付勢部材を備え、前記係止部の前ボディの第 1面と対向する面は、前記収納部の底面に近付くにつれて前記ボディの第 1面側に近づくテーパ面に形成されている。

[0009] このような構成によれば、ボディに設けられた固定係止部と可動係止部材とでカードを収納部に収納し、保持することができるため、別途カバーやカードホルダー等を用いる必要が無くなり、これにより構造が簡単でコンパクトなカード用コネクタを得ることができる。また、可動係止部材のボディの第 1面と第 2面を結ぶ方向、例えば前後方向への移動によって、カードのコネクタへの着脱作業を行うことができるので、カードの着脱作業が容易になる。さらに、可動係止部材にテーパ面が形成されているため、カードの第 2端部でテーパ面を押し込むだけで、可動係止部材を付勢部材の付勢力に逆らって第 2面側に移動させることができる。カードの第 2端部が可動係止部材のテーパ面から外れると、カードの第 2端部が、自動的に可動係止部材の係止部と収納部の底面の間に挟持されるので、カードをワンタッチでコネクタに装着することができる。さらに、カードを取り外す際には、可動係止部材を第 2面側に移動させ、可動係止部材の係止部と収納部の底面によるカードの挟持を解除すれば、接触ばねの弾性力によりカードが収納部の底面力持ち上げられる。そのため、カードを容易に取り外すことができる。

図面の簡単な説明

[図 1]図 1Aは、本発明の第 1実施形態に係るカード用コネクタ (以下、単にコネクタとする）を示す斜視図であり、図 1Bは、そのコネクタに ICカードが装着された状態を示す斜視図である。

[図 2]図 2は、第 1実施形態に係るコネクタの構成を示す分解斜視図である。

[図 3]図 3Aは、第 1実施形態に係るコネクタの構成を示す平面図であり、図 3Bは、その正面図であり、図 3Cは、そのコネクタから可動係止部材を省略した状態を示す側面図である。

[図 4]図 4Aは、図 3Aにおける A— A断面図であり、図 4Bは、図 3Aにおける B— B部分断面図である。

[図 5]図 5Aは、第 1実施形態に係るコネクタに ICカードを装着する際の一状態を示す斜視図であり、図 5Bは、そのカード用コネクタに ICカードを装着する際のその他の状態を示す斜視図である。

[図 6]図 6Aは、本発明の第 2実施形態に係るコネクタを示す斜視図であり、図 6Bは、そのコネクタに ICカードが装着された状態を示す斜視図である。

[図 7]図 7は、第 2実施形態に係るコネクタの係止金具を示す斜視図である。

[図 8]図 8Aは、第 2実施形態に係るコネクタの構成を示す平面図であり、図 8Bは、その正面図であり、図 8Cは、その右側面図である。

[図 9]図 9は、第 2実施形態に係るコネクタに ICカードが装着されたと仮定して、その I Cカードを透過した状態を示す斜視図である。

[図 10]図 10Aは、第 2実施形態に係るコネクタの変形例の構成を示す平面図であり、図 10Bは、その正面図であり、図 10Cは、その一部を省略した底面図である。

[図 11]図 11Aは、上記第 2実施形態に係るコネクタの変形例の構成を示す右側面図であり、図 11Bは、図 10Aにおける A— A部分断面図であり、図 11Cは、図 10Aの B B部分断面図である。

発明を実施するための最良の形態 [0011] 第 1実施形態

本発明の第 1実施形態に係るカード用コネクタ（以下、単にコネクタとする） 1について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態においては、説明を簡単にするために、例えば図 3Aにおける上方向をコネクタ 1の背面 (第 1面)側又は後方、下方向をコネクタ 1の前面 (第 2面)側又は前方、左方向をコネクタ 1の左側、右方向をコネクタ 1の右側、紙面手前側をコネクタ 1の上方と定義する。また、図 3Aにおける上方向を ICカード 100の前端 (第 1端部）、下方向を ICカード 100の後端 (第 2端部）、紙面手前側を ICカード 100の表面、紙面奥側を ICカード 100の裏面と定義する。さらに、以下の実施形態の説明では、 ICカードを例示している力本発明の用途は I Cカードに限定されるものではない。

[0012] 第 1実施形態に係るコネクタ 1には、図 1Bに示されるように、底面に 8つの接触端子 101が露出されるように設けられた ICカード 100が装着される。 ICカード 100としては、例えば mini— UICC (USIM Integrated Circuit Card)が用いられる。従来から使用されている UICCの外形がおよそ 25mm X 15mmであるのに対して、この mini— UI CCの外形がおよそ 15mmX 12mmの超小型の ICカードである。このような ICカード 100は、例えば合成樹脂を用いて略長方形の中空の平板状に形成され、その長辺と短辺のなす一角が斜めに切り欠かれたカード本体と、メモリや CPU等で構成され、力ード本体に内包された ICチップと、 ICチップと外部回路等とを接続するための接触端子 101を備えている。接触端子 101は、カード本体の底面の長辺に沿って 2列、それぞれ短辺に平行に 4つずつ配列されてヽる。

[0013] 図 1Aに示されるように、コネクタ 1は、 ICカード 100が収納される収納部 2aを備えた略直方体のボディ 2のみで構成され、カバーは設けられていない。図 2に示されるように、ボディ 2は、ベース 3、シェル 4及び可動係止部材 5の 3つの部品で構成されている。図 1Bに示されるように、 ICカード 100は、その底面がボディ 2の収納部 2aの底面となるベース 3の平板部 3aに対向するように、コネクタ 1に装着される。ベース 3の平板部 3aには、 ICカード 100の 8つの接触端子 101のうち ICカード 100の最も前端側に位置する 2つの接触端子 101を除く残りの 6つの接触端子 6にそれぞれ弾性的に接触される 6つの接触ばね 6が上方に突出するように設けられている。なお、以下の説明では、必要に応じて収納部 2aの底面を意味する場合もベース 3の平板部を意味する場合にも同じ符号 3aを使用する。

[0014] ボディ 2の背面側には、平板状の固定係止部 20が設けられて、る。また、ボディ 2 の正面側には、コネクタ 1の前後方向に移動自在に設けられた可動係止部材 5と、可動係止部材 5をボディ 2の背面側へ付勢する板ばね (付勢部材） 18が設けられて、る。図 4Aに示されるように、可動係止部材 5の背面側には、ベース 3の平板部 3aに対して略垂直な端面 5eと、端面 5eの上端力ベース 3の平板部 3aの上に突出するように形成された係止部 5cが形成されている。係止部 5cの背面には、 ICカード 100を収納部 2aに挿入しやすくするために、傾斜面 5bが形成されている。

[0015] ICカード 100がボディ 2の収納部 2aに装着された状態では、固定係止部 20とべ一ス 3の収納部 2aの底面 3aで ICカード 100の前端 100aの近傍が挟持される。また、可動係止部材 5の係止部 5cと収納部 2aの底面 3aで ICカード 100の後端 100bの近傍が挟持される。

[0016] 図 2に示されように、ベース 3は、接触ばね 6を有する第 1端子部材 11及び第 2端子部材 12と共に合成樹脂で一体的にインサート成形されており、ボディ 2の収納部 2a の底面となる長方形の平板部 3aと、平板部 3aの右端部に設けられた側壁部 3bと、平板部 3aの前面側で、かつ、左右方向の両端部にそれぞれ形成された被圧入部 3c 及び 3dを備えている。

[0017] コネクタ 1の左右方向における平板部 3aの中央よりもやや右側には、左右方向に長い矩形の貫通孔 7aが前後方向に 3つ並列に形成されている。同様に、コネクタ 1の左右方向における平板部 3aの中央よりもやや左側には、左右方向に長い矩形の貫通孔 7bが前後方向に 3つ並列に形成されている。各貫通孔 7a及び 7bには、それぞれ接触ばね 6が弾性変形可能なように配置されている。また、図 3Aに示されるように、平板部 3aの左右両端側の裏面には、ベース 3とシェル 4を結合する際に使用される凹部 8a、 8b及び 8cが形成されている。なお、コネクタ 1の前後方向において、左右の各凹部 8a、 8b及び 8cを結ぶ線と、左右方向に並列された各貫通孔 7aと 7bを結ぶ線がー致しないように、凹部 8a、 8b及び 8cが貫通孔 7a及び 7bに対してずらして形成されている。 [0018] 側壁部 3bは、コネクタ 1の上下方向における厚さが平板部 3aの厚さよりも厚くなるように、略直方体形状に形成されている。側壁部 3bは、平板部 3aの右端に沿って前面側から背面側にわたって形成されており、側壁部 3bの上面は、平板部 3aの上面よりも上方に位置している。また、側壁部 3bの左側面（平板部 3a側を向いた面）の上端角部には、テーパ面が形成されている。このテーパ面は、 ICカード 100を収納部 2a へ装着する際に、誘導ガイドとして機能する。

[0019] 被圧入部 3c及び 3dは、コネクタ 1の上下方向における厚さが平板部 3aの厚さよりも厚くなるように、略直方体状に形成されている。各被圧入部 3c及び 3dの上面は、平板部 3aの上面よりも上方に位置している。また、各被圧入部 3c及び 3dの互いに対向する面の上端には、可動係止部材 5を摺動自在に支持するためのスライドリブ 9a及び 9bが、それぞれ左右方向に突出するように形成されている。さらに、各被圧入部 3 c及び 3dの底面から上面にかけて貫通するように、シェル 4をベース 3に固定するための圧入孔 10a及び 10bがそれぞれ形成されている。

[0020] 図 3Aに示されるように、ベース 3の平板部 3aの右側において前後方向に配列された 3つの第 1端子部材 11と、左側において前後方向に配列された 3つの第 2端子部材 12は、各貫通孔 7a及び 7bにおける接触ばね 6の方向が同じになるように、それぞれ異なった形状を有して！/ヽる。

[0021] 第 1端子部材 11は、弾性を有する導電性の金属板から長尺状に形成され、上記接触ばね 6と、プリント基板等の外部回路に接続される端子 11aと、接触ばね 6の基端と端子 1 laの基端とを一体に連結する長方形の平板状の連結部 1 lbとを備えて、る。これら接触ばね 6、連結部 l ib及び端子 11aは、コネクタ 1の左側力右側に一直線上に配列されている。接触ばね 6は、その基端から先端部に進むにつれて左側上方へ傾斜され、先端部が ICカード 100の接触端子 101に弾性的に接触される。一方、端子 11aは、その基端力も先端部に進むにつれて右側下方へ傾斜されている。

[0022] 第 2端子部材 12は、弾性を有する導電性の金属板で形成され、上述の接触ばね 6 と、プリント基板等の外部回路に接続される端子 12aと、接触ばね 6の基端と端子 12 aの基端とを一体に連結する略コの字状の平板の連結部 12bを備えている。接触ばね 6は、その基端から先端部に進むにつれて左側上方へ傾斜され、先端部が IC力ード 100の接触端子 101に弾性的に接触される。一方、端子 12aは、その基端から先端部に進むにつれて左側下方へ傾斜されている。このように、第 2端子部材 12では、接触ばね 6と端子 12aが同じ方向に突出するように形成されているため、連結部 12bが貫通孔 7bを避けるようにして、略コの字状に形成されて!、る。

[0023] 前述のように、第 1端子部材 11及び第 2端子部材 12は、インサート成形によりべ一ス 3に一体的に設けられている。すなわち、図 3Aに示されるように、各第 1端子部材 1 1は、貫通孔 7aの右側面力も左方へ接触ばね 6を突出させると共に、ベース 3の側壁部 3bの右側面力も右方へ端子 11aを突出させるように、金型上に保持される。また、各第 2端子部材 12は、貫通孔 7bの右内側面から左方へ接触ばね 6を突出させると共に、ベース 3の平板部 3aの左側面力左方へ端子 12aを突出させるように、金型上に保持される。その状態で、金型中に絶縁性の合成樹脂を流し込むことにより、ベース 3が成形されると同時に、第 1端子部材 11及び第 2端子部材 12がベース 3に一体的に保持される。

[0024] このようにしてベース 3に備えられた第 1端子部材 11及び第 2端子部材 12の各接触ばね 6では、それぞれ図 4A及び 4Bに示されるように、それらの先端部が、平板部 3aよりも上方に位置し、かつ、それぞれ対応する貫通孔 7a及び 7bの内部に、上下方向に揺動自在に配置されて!、る。

[0025] 可動係止部材 5は、合成樹脂を用いて所定形状に形成されている。例えば図 2に示されるように、可動係止部材 5の左右方向の両側部の下端側には、ベース 3の被圧入部 3c及び 3dに形成されたスライドリブ 9a及び 9bにそれぞれ摺動自在に嵌合される一対の溝 5aが、前後方向に貫通するように形成されている。また、可動係止部材 5の前面上部には、円弧状に窪んだ凹部 5dが形成されている。この凹部 5dには、シェル 4に一体的に形成された板ばね 18の先端部が当接され、板ばね 18から背面方向に付勢力を受ける。また、すでに述べたように、可動係止部材 5の背面上部には、傾斜面 5bを有する係止部 5cが形成されている（図 4A参照)。

[0026] 図 2に示されるように、シェル 4は、互いに平行な一対の第 1側板 4a及び第 2側板 4 bと、第 1側板 4aの基端と第 2側板 4bの基端を一体的に連結するストツバ 4cと、前述の板ばね 18を備え、弾性を有する金属板で枠状に形成されている。シェル 4の第 1 側板 4aは、ベース 3の側壁部 3bの右側面の前後方向における長さとほぼ同寸法に形成されている。シェル 4の第 1側板 4aの基端となる背面側の下端には、ベース 3の平板部 3aの右側の凹部 8a及び 8bとそれぞれ係合される支持突片 13a及び 13bが、左方に向けて突出するように形成されている。また、第 1側板 4aの先端側となる前面側の下端には、ベース 3の被圧入部 3cの圧入孔 10aに圧入される突部 14aを備えた取り付け部 14が左方に向けて突出するように形成されている。なお、突部 14aは、図 2及び 3Bに示されように、その先端部の幅が基端の幅よりも広くなるように形成されていると共に、その先端部の左右方向の両角が斜めに形成されている。そのため、シェル 4の突部 14aをベース 3の圧入孔 10aに圧入しやすくなり、かつ、突部 14aは圧入孔 10aから抜けにくくなる。

[0027] さらに、第 1側板 4aの先端側の取り付け部 14と、取り付け部 14に近い側の支持突片 13aとの間の下端には、脚部 15が右方に向けて突出するように形成されている。さらに、第 1側板 4aの脚部 15と支持突片 13aの間、支持突片 13aと支持突片 13bの間、支持突片 13bと基端側の間の各下端には、各第 1端子部材 11の端子 11aとシェル 4との短絡防止のための切り欠き 16がそれぞれ形成されている。

[0028] シェル 4の第 2側板 4bは、図 3A〜3Cに示されるように、第 1側板 4aよりも長く形成されていると共に、その高さ寸法がベース 3の平板部 3aの厚さよりも大きくなるように形成されている。第 2側板 4bの下端側には、ベース 3の平板部 3aの左端側の凹部 8 a、 8b及び 8cとそれぞれ係合される支持突片 13a、 13b及び 13cが右方に向けて突出するように形成されている。さらに、第 2側板 4bの先端側となる前面側の下端には、ベース 3の被圧入部 3dの圧入孔 10bに圧入される突部 17aを備えた取り付け部 17 が右方に向けて突出するように形成されている。なお、突部 17aは、上記第 1側板 4a の取り付け部 14の突部 14aと同様に、その先端部の幅が基端の幅よりも広くなるように形成されてヽると共に、その先端部の左右方向の両角が斜めに形成されて！ヽる。そのため、シェル 4の突部 17aをベース 3の圧入孔 10bに圧入しやすくなり、かつ、突部 17aは圧入孔 10bから抜けにくくなる。

[0029] さらに、図 3Cに示されように、取り付け部 17と取り付け部 17に最も近い支持突片 1 3aとの間の下端、及び第 2側板 4bの基端の下端には、左方に向けてそれぞれ脚部 1 5が突出するように形成されている。第 2側板 4bの先端側の脚部 15と支持突片 13a の間、支持突片 13aと支持突片 13bの間、支持突片 13b支持突片 13cの間の各下端には、各第 2端子部材 12の端子 12aとシェル 4との短絡防止のための切り欠き 16 がそれぞれ形成されている。さらに、第 2側板 4bの上端には、上方に進むにつれて左方に傾斜した平板状のガイド片 4dがー体的に形成されてヽる。このガイド片 4dは、 ICカード 100を収納部 2aに挿入する際に、誘導ガイドとして機能する。

[0030] シェル 4のストッパ 4cは、 ICカード 100の一端部と当接するように形成され、第 2側板 4bの基端力ゝら略直角に折り曲げられて形成され、コネクタ 1の左右方向に平行な背壁 19aと、背壁 19aの右端と第 1側板 4aの基端を斜めに連結する連結壁 19bを有している。背壁 19aの上端には、平板状の固定係止部 20が前面側に向けて突出するように形成されている。 ICカード 100がボディ 2の収納部に挿入されると、 ICカード 100の前端 100aの近傍力この固定係止部 20と収納部 2aの底面 3aとの間に挟持される。なお、この固定係止部 20の先端は、図 5Aに示されるように、上方へ湾曲するように形成されている。それにより、 ICカード 100をその前端から固定係止部 20と収納部 2aの底面 3aとの間に挿入しやすくしてある。また、連結壁 19bの下端には、右方に向けて脚部 15が突出するように形成されていると共に、平板部 3aの右端の凹部 8cと係合される支持突片 13cが左方に向けて突出するように形成されている。

[0031] 可動係止部材 5をボディ 2の背面側へ付勢するための板ばね 18は、シェル 4の第 2 側板 4bの先端力も第 1側板 4a側に向けて折り曲げて形成されている。図 3Aに示されるように、板ばね 18は、その基端力も先端に進むにつれて、コネクタ 1の背面に近付くように形成されている。また、板ばね 18の先端部は背面側に湾曲する円弧状に形成されている。それにより、板ばね 18の先端部を可動係止部材 5の凹部 5dの側面に弾性的に接触させた際に、板ばね 18の先端部が凹部 5dの側面上をスムーズに摺動できるようになつている。

[0032] 次に、上記ベース 3、シェル 4及び可動係止部材 5で構成されたコネクタ 1の組み立て手順について、図 2を参照しつつ説明する。

[0033] まず、可動係止部材 5の係止部 5cがコネクタ 1の背面側を向くように、可動係止部材 5の両側部の溝 5aがそれぞれベース 3の被圧入部 3c及び 3dのスライドリブ 9a及び 9bに摺動自在に嵌合される。次に、ベース 3の下方から、シェル 4がベース 3に結合される。その際、ベース 3の右側面力突出している端子 11aが、それぞれシェル 4の第 1側板 4aの切り欠き 16を貫通する。同様に、ベース 3の左側面力も突出している端子 12aが、それぞれシェル 4の第 2側板 4bの切り欠き 16を貫通する。シェル 4の右側の取り付け部 14の突部 14a及び左側の取り付け部 17の突部 17aが、ベース 3の各被圧入部 3c及び 3dの圧入孔 10a及び 10bに、それぞれ下方力圧入される。さらに、ベース 3の右側部の凹部 8a、 8b及び 8cと、シェル 4の第 1側板 4aの支持突片 13a、 1 3b及び連結壁 19bの支持突片 13cが、それぞれ係合される。同様に、ベース 3の左側部の凹部 8a、 8b及び 8cと、第 2側板 4bの支持突片 13a、 13b及び 13cが、それぞれ係合される。

[0034] なお、図 1A及び 1Bに示されるように、ベース 3とシェル 4が結合された状態では、板ばね 18の先端部は、可動係止部材 5の凹部 5dの側面に弹性的に接触している。すなわち、ベース 3とシェル 4を結合させる際、自然状態では、板ばね 18はベース 3 の嵌合された可動係止部材 5と空間的に干渉する。従って、ベース 3とシェル 4を結合させる際、板ばね 18をコネクタ 1の前面側に引っ張って若干変形させ、ベース 3とシェル 4を結合しやすくしておくことは言うまでもない。

[0035] ベース 3とシェル 4が結合されると、可動係止部材 5は、板ばね 18の付勢力によりコネクタ 1の背面側へ付勢され、可動係止部材 5の背面側の下端と平板部 3aの前面側上端とが当接し、かつ、可動係止部材 5の係止部 5cが、ベース 3の平板部 3aの上方において、平板部 3aと重複する位置に配置される。

[0036] 前述のように、シェル 4の第 1側板 4a及び第 2側板 4bの長さは、ベース 3の前後方向の長さよりも長くなるように形成されている。そのため、ベース 3とシェル 4を結合すると、図 1 A及び図 4A等に示されるように、ベース 3の平板部 3aの背面側とシェル 4のストッパ 4cとの間に所定の隙間 2bが形成される。そのため、 ICカード 100をボディ 2 の収納部 2aに挿入する際、図 4A及び図 5Aに示されるように、この間隙 laを ICカード 100の前端 100aの近傍の回転用スペースとして用いることができる。そのため、 IC カード 100の前端 100aの近傍がボディ 2の収納部 2aの底面 3aに接触して ICカード 100の先端部の回転が妨げられることがなくなると共に、 ICカード 100のボディ 2の収納部 2aへの挿入角度を大きくとることができる。その結果、 ICカード 100をコネクタ 1 に装着しやすくなる。また、このような回転用の隙間 2bを設けることにより、固定係止部 20の長さ寸法を十分に確保することができるので、 ICカード 100をコネクタ 1に装着した状態では、 ICカード 100の前端 100aの近傍が強固に保持される。

[0037] コネクタ 1のボディ 2には、ベース 3の平板部 3aを底面とし、側壁部 3b及び被圧入部 3c及び 3d、シェル 4の第 2側板 4b及びストッパ 4cを周壁として、 ICカード 100の収納部 2aが形成される。このボディ 2の収納部 2aの平面形状は ICカード 100の平面形状とほぼ同じであり、所定の寸法公差分だけ若干大きい。さらに、板ばね 18によりコネクタ 1の背面側に付勢された可動係止部材 5は、ボディ 2の収納部 2aに収納された ICカード 100をストッパ 4c側に押しつける。そのため、ボディ 2の収納部 2aに ICカード 100が収納された状態では、ストッパ 4cが ICカード 100の前端 100aと当接して IC カード 100が位置決めされる。

[0038] さらに、シェル 4の第 2側板 4bの上端のガイド片 4dは、左上方に突出するように湾曲されており、さらにベース 3の側壁部 3bの左側面部にテーパ面が形成されている。これら第 2側板 4bのガイド片 4d及び側壁部 3bのテーパ面は、 ICカード 100をボディ 2の収納部 2aに挿入する際のコネクタ 1の左右方向の誘導ガイドとして機能する。そのため、 ICカード 100をボディ 2の収納部 2aに挿入する際、 ICカード 100がボディ 2 の収納部 2aに対して、コネクタ 1の位置が左右方向に多少ずれたとしても、これら誘導ガイドによって正しい位置に誘導される。

[0039] 同様に、可動係止部材 5の背面上部には、その上端から下端に向かって背面側に突出した傾斜面 5bが形成されており、また、固定係止部 20の先端は、上方へ湾曲するように形成されて、る。これら可動係止部材 5の傾斜面 5b及び固定係止部 20の先端は、 ICカード 100をボディ 2の収納部 2aに挿入する際のコネクタ 1の前後方向の誘導ガイドとして機能する。そのため、 ICカード 100をボディ 2の収納部 2aに挿入する際、これら誘導ガイドを目標にして、 ICカード 100の先端を挿入することにより、 IC カード 100の挿入作業を容易に行うことができる。

[0040] 次に、コネクタ 1に ICカード 100を装着する際のコネクタ 1の動作について、図 4A、 5A及び 5Bを参照しつつ説明する。 [0041] コネクタ 1に ICカード 100を装着するには、図 5Aに示されるように、 ICカード 100の前端 100aを下方に向けて、収納部 2aの底面 3aと固定係止部 20の間に挿入する。そうすると、図 4Aに示されるように、 ICカード 100の先端力収納部 2aの底面 3aの背面側とシェル 4のストッパ 4cとの間の間隙 laに進入する。これと並行して、 ICカード 1 00の後端 100bを下方に押し込む。その間、図 4A中 2点鎖線で示されるように、 IC力ード 100の先端近傍が上記隙間 2b内で回転し、図 4A及び 5Bに示されるように、 IC カード 100の後端 100bが可動係止部材 5の傾斜面 5bに当接する。

[0042] ICカード 100の後端 100bが可動係止部材 5の傾斜面 5bに当接した後、さらに IC カード 100の後端 100bを下方に押し込むと、 ICカード 100の後端 100bが可動係止部材 5の傾斜面 5bに沿って相対的に下方へ摺動する。可動係止部材 5は、 ICカード 100を押し込む外力によって、板ばね 18の付勢に逆らってコネクタ 1の前方に、スライドリブ 9a及び 9bに沿って移動する。 ICカード 100の後端 100bが可動係止部材 5 の傾斜面 5bの下端近傍に達すると、 ICカード 100の底面 100cから露出されるように設けられた 8つの接触端子 101のうち、 ICカード 100の最も前端側に位置する接触端子 101は、収納部 2aの背面側に形成された隙間 2bからベース 3の裏面側に露出され、残りの 6つの接触端子 101が、収納部 2aの底面 3aから上方に突出された接触ばね 6に当接する。

[0043] 板ばね 18の付勢力及び接触ばね 6の弾性に逆らって、さらに ICカード 100の後端 100bを下方に押し込むと、 ICカード 100の後端 100bは、可動係止部材 5の傾斜面 5bの下端力離れ、収納部 2aの底面 3aに対してオーバーハングして、る係止部 5c よりも下方に位置される。可動係止部材 5は、板ばね 18の付勢力によって、コネクタ 1 の背面側に移動され、コネクタ 1の上下方向において、係止部 5cが ICカード 100の後端 100bの近傍の表面に対して重複する位置に移動される。その結果、 ICカード 1 00は、ボディ 2の収納部 2aに収納され、コネクタ 1に装着される。

[0044] ボディ 2の収納部 2aに収納された ICカード 100は、各接触ばね 6の付勢力によって平板部 3aから浮き上がろうとする力収納部 2aの底面 3aと固定係止部 20及び可動係止部材 5の係止部 5cによって、コネクタ 1の上下方向への動きが阻止され、 ICカード 100が収納部 2aの底面 3aから浮き上がることなく確実に収納部 2aに装着される。 [0045] コネクタ 1から ICカード 100を取り外すには、可動係止部材 5を板ばね 18の付勢に逆らってコネクタ 1の前面側に移動させ、係止部 5cと収納部 2aの底面 3aによる IC力ード 100の後端 100bの挟持状態を解除すれば、 ICカード 100は接触ばね 6の弾性力によってコネクタ 1の上方へ持ち上げられる。その状態で可動係止部材 5に加えて V、た力を解除すれば、板ばね 18の付勢力によって可動係止部材 5が初期位置に復帰し、係止部 5cの後端が ICカード 100の底面 100cよりも下に入り込み、 ICカード 10 0の後端 100bが傾斜面 5bに当接する。その結果、コネクタ 1から ICカード 100を容易に取り外すことができる。

[0046] 以上説明したように、第 1実施形態のコネクタ 1によれば、ボディ 2に設けられた固定係止部 20と可動係止部材 5で ICカード 100を収納部 2aに保持することができるので、別途カバーやカードホルダー等を用いる必要が無くなり、構造が簡単でコンパクトなコネクタ 1が得られる。また、 ICカード 100の後端 100bで傾斜面 5bを押し込むことにより、可動係止部材 5を板ばね 18の付勢に逆らって移動させることができ、これにより ICカード 100をワンタッチでコネクタ 1に装着することができる。さらに、 ICカード 1 00をコネクタ 1から取り外すには、可動係止部材 5をコネクタ 1の前方向に移動させ、可動係止対の係止部 5cと収納部 2aの底面 3aによる ICカード 100の挟持を解除するだけよぐそれにより、接触ばね 6の弾性力により ICカード 100が自動的に収納部 2a の底面 3aから持ち上げられるので、 ICカード 100を容易にコネクタ 1から取り外すことができる。さらに、コネクタ 1を、ベース 3、シェル 4及び可動係止部材 5の 3部品だけで構成することができるため、部品点数の削減による構造の簡素化、組み立ての容易性及びコストダウンを実現することができる。

[0047] 第 2実施形態

次に、本発明の第 2実施形態に係るカード用コネクタ 1について説明する。上記第 1 実施形態では、コネクタ 1をボディ 2のみで構成し、さらにボディ 2をベース 3、シェル 4 及び可動係止部材 5の 3部品のみで構成したが、第 2実施形態のコネクタ 21は、さらに部品点数を少なくして、ボディ 26を係止金具 22とベース 27の 2部品のみで構成したものである。なお、上記第 1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。 [0048] 係止金具 22は、図 7に示されるように、可動係止部材 23と一対の板ばね 24を一体に備え、弾性を有する金属板で形成されている。係止金具 22は、可動係止部材 23 を中心として左右対称であり、可動係止部材 23の基部 23aからそれぞれ両側に板ばね 24の長辺部 24aがそれぞれ連続的に形成されている。可動係止部材 23の基部 2 3a及び各板ばね 24の長辺部 24aだけを見れば。細長い 1本の板状体である。各板ばね 24の長辺部 24aの端部には、それぞれ、長辺部 24aに対して直交するように形成され矩形開口を有する短辺を、コネクタ 1の前側に逆 V字状に折り曲げて、圧入部 24bが形成されている。

[0049] 可動係止部材 23は、基部 23aの上端力もボディ 26の背面側へ突出するように形成された係止部 23bと、係止部 23bの背面側端部から上方へ進むほど前面側に傾斜するように形成された傾斜辺 23cを有している。また、係止部 23bと傾斜辺 23cにわたって、矩形状の開口 25が形成されている。

[0050] ベース 27は、図 8Aに示されるように、合成樹脂を用いてインサート成形され、略中央部に ICカード 100の収納部 26aが形成された略直方体の箱状である。また、ベース 27には、 3つの第 1端子部材 11と、 3つの第 2端子部材 12と、一対の固定係止部材 28がー体的に設けられている。この固定係止部材 28は、上記第 1実施形態における固定係止部 20に相当する。

[0051] ベース 27の収納部 26aは、 ICカード 100の外形とほぼ相似形であって、若干大きめに形成されている。収納部 26aの背面側の内周面が ICカード 100の前端と当接し、 ICカード 100の位置決めをするストッパとして機能する。図 8Cに示されるように、収納部 26aの底面 27aの背面側には、背面側に進むにつれて下方に向力つて傾斜した傾斜面 27bが形成されている。この傾斜面 27bにより、 ICカード 100を収納部 26a に装着する際に ICカード 100の前端 100aの近傍が回転するスペースが確保される。また、傾斜面 27bの固定係止部材 28に対向する位置には、それぞれベース 27の表面力裏面に貫通する矩形状の開口 27cが形成されている。

[0052] ベース 27の収納部 26aの底面 27aの中央よりもやや右側には、左右方向に長い矩形の貫通孔 29aが前後方向に 3つ並列に形成されている。同様に、収納部 26aの底面 27aの中央よりもやや左側には、左右方向に長!、矩形の貫通孔 29bが前後方向に 3つ並列に形成されている。各貫通孔 29a及び 29bには、それぞれ接触ばね 6が弾性変形可能なように配置されている。さらに、図 8Aに示されるように、ベース 27の左右方向の両側及び前面側の収納部 26aの開口縁部には、底面 27aに向力つて傾斜されたテーパ面 27dが形成されている。このテーパ面 27dは、 ICカード 100を収納部 26aに装着する際に、誘導ガイドとして機能する。

[0053] ベース 27の前面側の下部には、図 8A及び 8Bに示されるように、係止金具 22をボディ 26に取り付けるための取り付け穴 30が形成されている。取り付け穴 30は、左右方向の両端部に、板ばね 24の基端となる圧入部 24bがそれぞれ圧入される一対の第 1穴部 30aと、両第 1穴部 30aの間にわたって形成され、一対の板ばね 24の各長辺部 24a及び可動係止部材 23が変形自在に挿入された第 2穴部 30bを有している。

[0054] 第 1穴部 30aは、図 8Cに示されるように、ベース 27の表面力も裏面に貫通し、矩形の断面形状を有する。第 1穴部 30aの内周面のうち、コネクタ 21の背面側の内周面の上端近傍には、板ばね 24の圧入部 24bの折曲部位が。その下面部に当接される第 1リブ 31aが前面側に突出するように形成されている。また、第 1穴部 30aの内周面のうち、コネクタ 21の前面側の内周面の下端近傍には、板ばね 24の圧入部 24bの先端部が、その上面部に当接される第 2リブ 31bが背面側に突出するように形成されている。これら第 1リブ 31a及び第 2リブ 31bが、係止金具 22の抜け止めとして機能する。

[0055] 第 2穴部 30bは、図 8Aに示されるように、ベース 27の左右方向の両端部で第 1穴部 30aとそれぞれ連通し、背面側が左右方向に平行な直線状であり、前面側が円弧状に形成されている。すなわち、ベース 27の左右方向の中央部において、第 2穴部 30bの前後方向の幅が最も広くなるように形成されており、それによつて係止金具 22 の可動係止部材 23がボディ 26の前面側に橈むためのスペースが確保されている。また、第 2穴部 30bの中央部は、可動係止部材 23を収納部 26aの上方へ突出させるために、ベース 27の前面側力収納部 26aの底面 27aに亘つて開口されている。

[0056] ベース 27の前面側には、その左右方向の略中央部の上面部に、矩形状の突部 33 がー体に形成されている。突部 33の背面 33aは、可動係止部材 23の傾斜辺 23cと同様に、下方から上方へ進むにつれてボディ 26の前面側に向力うように傾斜されていると共に、突部 33の背面 33aには、可動係止部材 23が前方に変位されたときに、可動係止部材 23に形成された開口 25に進入する矩形状の押えリブ 33bが突出するように形成されている。

[0057] 第 1端子部材 11及び第 2端子部材 12は、上記第 1実施形態の場合と同様に、図 8 Aに示されるように、各第 1端子部材 11は、貫通孔 29aの右側面から左方へ接触ばね 6を突出させると共に、ベース 27の右側面力も右方へ端子 11aを突出させるように、金型上に保持される。また、各第 2端子部材 12は、貫通孔 29bの右内側面から左方へ接触ばね 6を突出させると共に、ベース 27の左側面から左方へ端子 12aを突出させるように、金型上に保持される。その状態で、金型中に絶縁性の合成樹脂を流し込むことにより、ベース 27が成形されると同時に、第 1端子部材 11及び第 2端子部材 12がベース 27に一体的に保持される。

[0058] このようにしてベース 27に備えられた第 1端子部材 11及び第 2端子部材 12の各接触ばね 6では、それぞれ図 8B及び 8Cに示されるように、それらの先端部力収納部 26aの底面 27aよりも上方に位置し、かつ、それぞれ対応する貫通孔 29a及び 29bの内部に、上下方向に揺動自在に配置されている。

[0059] 固定係止部材 28は、導電性の金属板で形成され、収納部 26aの底面 27aとの間で ICカード 100の前端 100aを挟持する平板部 28aと、平板部 28aの基部から右側又は左側に突出するように形成された長尺状の端子 28bを備えている。平板部 28aの先端は、 ICカード 100を収納部 26aに挿入しやすくするために、図 8Cに示されるように、上方に向けて湾曲するように形成されている。

[0060] 上記ベース 27の合成樹脂によるインサート成形の際、固定係止部材 28は、図 8A に示されるように、各平板部 28aがベース 27の背面側力も前面側に向けて、収納部 26aの開口 27cとそれぞれ上下方向にぉ、て重複するように突出されると共に、各端子 28bがベース 27の左右両側面カゝらそれぞれ突出されるように、金型に保持されている。ベース 27が成形されると同時に、固定係止部材 28もベース 27に一体的に保持される。

[0061] 前述のように、第 2実施形態に係るコネクタ 21では、ボディ 26は係止金具 22とべ一ス 27の 2つの部品で構成されている。係止金具 22は、ベース 27の下方から取り付け穴 30に挿入され、可動係止部材 23が第 2穴部 30bの中央部力も収納部 26aの上方へ突出されると共に、両板ばね 24の圧入部 24bがそれぞれ第 1穴部 30aに圧入される。板ばね 24の圧入部 24bの折曲部位が第 1穴部 30aの第 1リブ 31aの下面部に当接されることにより、係止金具 22がベース 27に固定される。それにより、ボディ 26が完成される。

[0062] 係止金具 22がベース 27に取り付けられると、圧入時に橈められていた圧入部 24b が元の形状に復帰して、圧入部 24bの先端部が第 2リブ 31bの上面に当接する。そのため、係止金具 22がベース 27から脱落することを防止することができる。また、固定係止部材 28の平板部 28aと収納部 26aの底面 27aで ICカード 100を挟持した状態では、 ICカード 100は、接触ばね 6の弾性力によって上方に付勢力を受ける。しかしながら、図 8Cに示されるように、係止金具 22の係止部 23bの上面部には、突部 33 に突設された押えリブ 33bが当接されるので、可動係止部材 23の係止部 23bが上方向へ橈ませられることはなぐ係止部 23bの変形を防止することができる。

[0063] 次に、コネクタ 21に ICカード 100を装着する際のコネクタ 21の動作について説明する。

[0064] まず、図 9に示されるように、 ICカード 100の前端 100aを下方に向けて、 ICカード 1 00の前端 100aを固定係止部材 28と収納部 26aの底面 27aの間に挿入する。次に、 ICカード 100の後端 100bを下方へ押し込む。上述したように、ベース 27に形成されたテーパ面 27dが ICカード 100を収納部 26aへ装着する際の誘導ガイドとして機能する。前述のように、収納部 26aの底面 27aの背面側には傾斜面 27bが形成されており、この傾斜面 27bにより、 ICカード 100を収納部 26aに装着する際に ICカード 10 0の前端 100aの近傍が回転するスペースが確保される。そのため、 ICカード 100の後端 100bを下方へ押し込むと、 ICカード 100の前端 100aの近傍がこのスペースでスムーズに回転することができ、 ICカード 100の前端 100aが収納部 26aの底面 27a に接触して ICカード 100の回転又は移動が妨げられることはない。その結果、 IC力ード 100の収納部 26aへの装着を容易に行うことができる。

[0065] ICカード 100を押し込むと、やがて ICカード 100の後端 100bの下端が可動係止部材 23の傾斜辺 23cに当接する。 ICカード 100の後端 100bが可動係止部材 23の傾斜辺 23cに当接した後、さらに ICカード 100の後端 100bを押し込むと、 ICカード 10 0の後端 100bは、相対的に、可動係止部材 23の傾斜辺 23cに沿って下方へ摺動する。可動係止部材 23は、 ICカード 100を押し込む外力によって、板ばね 24の付勢に逆らってコネクタ 21の前方に移動する。

[0066] ICカード 100の後端 100bが可動係止部材 23の傾斜辺 23cの下端近傍に達すると、 ICカード 100の底面 100cから露出されるように設けられた 8つの接触端子 101のうち ICカード 100の最も前端側に位置する接触端子 101は、収納部 26aの傾斜面 27b に形成された開口 27cからベース 27の裏面側に露出され、残りの 6つの接触端子 10 1が、ベース 27の収納部 26aの底面 27aから上方に突出された接触ばね 6に当接する。このとき係止部 23bの変形を防止するための押えリブ 33bは、可動係止部材 23 に形成された開口 25を貫通するため、可動係止部材 23の移動の邪魔になることがない。

[0067] 板ばね 24の付勢力及び接触ばね 6の弾性に逆らって、さらに ICカード 100の後端 100bを下方に押し込むと、 ICカード 100の後端 100bは、可動係止部材 23の傾斜辺 23cの下端力も離れ、係止部 23bよりも下方に位置される。可動係止部材 23は、板ばね 24の付勢力によって、コネクタ 21の背面側に移動され、コネクタ 21の上下方向において、係止部 23bが ICカード 100の後端 100bの近傍の表面に対して重複する位置に移動される。その結果、 ICカード 100は、ベース 27の収納部 26aに収納され、コネクタ 21に装着される。

[0068] ベース 27の収納部 26aに収納された ICカード 100は、各接触ばね 6の付勢力によつて収納部 26aの底面 27aから浮き上がろうとする力収納部 26aの底面 27aと固定係止部材 28及び可動係止部材 23の係止部 23bによって、コネクタ 21の上下方向への動きが阻止され、 ICカード 100が収納部 26aの底面 27aから浮き上がることなく確実に収納部 26aに装着される。

[0069] コネクタ 1から ICカード 100を取り外すには、可動係止部材 23を板ばね 24の付勢に逆らってコネクタ 21の前面側に移動させ、可動係止部材 23の係止部 23bと収納部 26aの底面 27aによる ICカード 100の後端 100bの挟持状態を解除すれば、 IC力ード 100は接触ばね 6の弾性力によってコネクタ 21の上方へ持ち上げられる。その状態で可動係止部材 23に加えて、た力を解除すれば、板ばね 24の付勢力によつて可動係止部材 23が初期位置に復帰し、係止部 23bの後端が ICカード 100の底面 100cよりも下に入り込み、 ICカード 100の後端 100bが傾斜辺 23cに当接する。その結果、コネクタ 1から ICカード 100を容易に取り外すことができる。

[0070] 以上説明したように、第 2実施形態のコネクタ 1によれば、第 1実施形態の場合と同様に、ボディ 26に設けられた固定係止部材 28と可動係止部材 23で ICカード 100を収納部 26aに保持することができるので、別途カバーやカードホルダー等を用いる必要が無くなり、構造が簡単でコンパクトなコネクタ 21が得られる。また、 ICカード 100 の後端 100bで可動係止部材 23の傾斜辺 23cを押し込むことにより、可動係止部材 23を板ばね 24の付勢力に逆らって移動させることができ、これにより ICカード 100をワンタッチでコネクタ 21に装着することができる。さらに、 ICカード 100をコネクタ 21から取り外すには、可動係止部材 23をコネクタ 21の前方向に移動させ、可動係止部材 23の係止部 23bと収納部 26aの底面 27aによる ICカード 100の挟持を解除するだけよぐそれにより、接触ばね 6の弾性力により ICカード 100が自動的に収納部 26aの底面 27aから持ち上げられるので、 ICカード 100を容易にコネクタ 21から取り外すことができる。さらに、コネクタ 21を、ベース 27及び可動係止部材 23を備えた係止金具 22の 2部品だけで構成することができるため、ベース 27のインサート成形が若干複雑になるものの、部品点数の削減による構造の簡素化及びコストダウンを実現することができる。さらに、係止金具 22をベース 27に圧入するだけで係止金具 22をベース 27に取り付けることができるので、ボディ 26、すなわち、コネクタ 21をきわめて簡単に組立てることができる。

[0071] 次に、本発明の第 2実施形態に係るカード用コネクタの変形例について説明する。

上記第 1実施形態の固定係止部 20及び第 2実施形態の固定係止部材 28を金属板で形成したが、この変形例では、固定係止部を合成樹脂によりボディに一体的に形成している。変形例に係るコネクタ 21 'を図 10A〜： L0C及び図 11A〜11Cに示す。

[0072] ベース 35は、図 10Aに示されるように、合成樹脂を用いてインサート成形され、略中央部に ICカード 100の収納部 34aが形成された略直方体の箱状である。また、ベース 35には、 3つの第 1端子部材 11と、 3つの第 2端子部材 12がー体的に設けられている。

[0073] ベース 35の収納部 34aは、 ICカード 100の外形とほぼ相似形であって、若干大きめに形成されている。図 10Aに示されるように、収納部 34aの底面 35aの背面側には、ベース 35の表面力も裏面に貫通する左右方向に長、矩形状の開口 35bが形成されている。この開口 35bにより、 ICカード 100を収納部 34aに装着する際に ICカード 100の前端 100aの近傍が回転するスペースが確保される。

[0074] ベース 35の収納部 34aの底面 35aの中央よりもやや右側には、左右方向に長い矩形の貫通孔 36aが前後方向に 3つ並列に形成されている。同様に、収納部 34aの底面 35aの中央よりもやや左側には、左右方向に長!、矩形の貫通孔 36bが前後方向に 3つ並列に形成されている。各貫通孔 36a及び 36bには、それぞれ接触ばね 6が弾性変形可能なように配置されている。さらに、ベース 35の裏面左側には、各貫通孔 36bと左右方向にぉ、て平行に配列された矩形状の溝 37が形成されて、る。

[0075] 図 10Aに示されるように、ベース 35の左右方向の両側及び前面側の収納部 34aの開口縁部には、底面 35aに向カゝつて傾斜されたテーパ面 35cが形成されている。このテーパ面 35cは、 ICカード 100を収納部 34aに装着する際に、誘導ガイドとして機能する。また、ベース 35の背面側の収納部 34aの内面からは、収納部 34aの底面 35 aと略平行に前面側に向けて突出するように、固定係止部 35dが合成樹脂によりべ一ス 35と共に一体的に形成されている。図 11Aに示すように、 ICカード 100の前端 10 Oaを固定係止部 35dと収納部 34aの底面 35aの間に挿入しやすくするために、固定係止部 35dの前面側下端部には、テーパ面が形成されている。

[0076] ベース 35の前面側の下部には、図 10C、 11A及び 1 IBに示されるように、係止金具 22をベース 35に取り付けるための取り付け穴 30が形成されている。また、ベース 3 5の前面側の上部には、前述の突部 33がー体的に形成されている。

[0077] 第 1端子部材 11及び第 2端子部材 12は、図 10Aに示されるように、各第 1端子部材 11は、貫通孔 36aの右側面力も左方へ接触ばね 6を突出させると共に、ベース 35 の右側面力右方へ端子 11aを突出させるように、金型上に保持される。また、各第 2端子部材 12は、貫通孔 36bの右内側面力左方へ接触ばね 6を突出させると共に、貫通孔 36bにそれぞれ対応する溝 37の右内側面力も左方へ端子 12aを突出させるように、金型上に保持される。その状態で、金型中に絶縁性の合成樹脂を流し込むことにより、ベース 35が成形されると同時に、第 1端子部材 11及び第 2端子部材 12 がベース 35に一体的に保持される。

[0078] このようにしてベース 35に備えられた第 1端子部材 11及び第 2端子部材 12の各接触ばね 6では、それぞれ図 10B及び 11 Aに示されるように、それらの先端部力収納部 34aの底面 35aよりも上方に位置し、かつ、それぞれ対応する貫通孔 36a及び 36b の内部に、上下方向に揺動自在に配置されている。

[0079] 次に、コネクタ 21，に ICカード 100を装着する際のコネクタ 21，の動作について説明する。

[0080] まず、図 11Aに示されるように、 ICカード 100の前端 100aを下方に向けて、 ICカード 100の前端 100aを固定係止部 35dと収納部 34aの底面 35aの間に挿入する。次に、 ICカード 100の後端 100bを下方へ押し込む。上述したように、ベース 35に形成されたテーパ面 35cが ICカード 100を収納部 34aへ装着する際の誘導ガイドとして機能する。また、収納部 34aの底面 35aの背面側には開口 35bが形成されており、この開口 35bにより、 ICカード 100を収納部 34aに装着する際に ICカード 100の前端 1 00aの近傍が回転するスペースが確保される。そのため、 ICカード 100の後端 100b を下方へ押し込むと、 ICカード 100の前端 100aの近傍がこのスペースでスムーズに回転することができ、 ICカード 100の前端 100aが収納部 34aの底面 35aに接触して I Cカード 100の回転又は移動が妨げられることはない。また、 ICカード 100の前端 10 Oaを固定係止部 35dと収納部 34aの底面 35aの間に挿入する際の挿入角度を大きくすることができる。その結果、 ICカード 100の収納部 34aへの装着を容易に行うことができる。さらに、収納部 34aの底面 35aの背面側に開口 35bを形成することにより、 ICカード 100の前端 100aの近傍が回転するスペースを広くすることができるので、固定係止部 35dの前面側への突出寸法を大きくすることができる。その結果、 ICカード 100がコネクタ 21，に装着された状態で、ベース 35の収納部 34aに ICカード 100を強固に保持することができる。

[0081] ICカード 100を押し込むと、やがて ICカード 100の後端 100bの下端が可動係止部材 23の傾斜辺 23cに当接する。 ICカード 100の後端 100bが可動係止部材 23の傾斜辺 23cに当接した後、さらに ICカード 100の後端 100bを押し込むと、 ICカード 10 0の後端 100bは、相対的に、可動係止部材 23の傾斜辺 23cに沿って下方へ摺動する。可動係止部材 23は、 ICカード 100を押し込む外力によって、板ばね 24の付勢に逆らってコネクタ 21の前方に移動する。

[0082] ICカード 100の後端 100bが可動係止部材 23の傾斜辺 23cの下端近傍に達すると、 ICカード 100の底面 100cから露出されるように設けられた 8つの接触端子 101のうち ICカード 100の最も前端側に位置する接触端子 101は、収納部 34aの底面 35aに形成された開口 35bからベース 35の裏面側に露出され、残りの 6つの接触端子 101 力 S、ベース 35の収納部 34aの底面 35aから上方に突出された接触ばね 6に当接する

[0083] 板ばね 24の付勢力及び接触ばね 6の弾性に逆らって、さらに ICカード 100の後端 100bを下方に押し込むと、 ICカード 100の後端 100bは、可動係止部材 23の傾斜辺 23cの下端力も離れ、係止部 23bよりも下方に位置される。可動係止部材 23は、板ばね 24の付勢力によって、コネクタ 21 'の背面側に移動され、コネクタ 21 'の上下方向において、係止部 23bが ICカード 100の後端 100bの近傍の表面に対して重複する位置に移動される。その結果、 ICカード 100は、ベース 35の収納部 34aに収納され、コネクタ 21 'に装着される。

[0084] ベース 35の収納部 34aに収納された ICカード 100は、各接触ばね 6の付勢力によつて収納部 34aの底面 35aから浮き上がろうとする力収納部 34aの底面 35aと固定係止部 35d及び可動係止部材 23の係止部 23bによって、コネクタ 21 'の上下方向への動きが阻止される。その結果、 ICカード 100が収納部 34aの底面 35aから浮き上がることなく確実に収納部 34aに装着される。

[0085] コネクタ 1から ICカード 100を取り外すには、可動係止部材 23を板ばね 24の付勢に逆らってコネクタ 21 'の前面側に移動させ、可動係止部材 23の係止部 23bと収納部 34aの底面 35aによる ICカード 100の後端 100bの挟持状態を解除すれば、 IC力ード 100は接触ばね 6の弾性力によってコネクタ 21 'の上方へ持ち上げられる。その状態で可動係止部材 23に加えて、た力を解除すれば、板ばね 24の付勢力によつて可動係止部材 23が初期位置に復帰し、係止部 23bの後端が ICカード 100の底面 100cよりも下に入り込み、 ICカード 100の後端 100bが傾斜辺 23cに当接する。その結果、コネクタ 1から ICカード 100を容易に取り外すことができる。

[0086] こように、第 2実施形態の変形例に係るコネクタ 21 'によっても、上記のコネクタ 21と同様の効果が得られる。また、固定係止部 35dを合成樹脂でボディ 34に一体的に形成したこと〖こより、固定係止部又は固定係止部材を金属板で製造したものに比べて機械的な強度は若干劣るものの、製造コストを低く抑えることができる。

[0087] なお、本発明に係るカード用コネクタは、上記各実施形態に示すような接触ばねを 6つ備えたものに限られるものではない。また、使用される ICカードも、 mini— UICC に限られるものではなぐその他一般的に使用される ICカードや SIMカード等を使用することができる。さらに、カード用コネクタの形状も、使用する ICカードの形状に応じて好適な形状に形成しうることは言うまでもない。

[0088] また、本発明に係るカード用コネクタは、上記各実施形態の記載に限定されるものではなぐ少なくとも一面に複数の接触端子が露出するように設けられたカードが収納されるための収納部を備えたボディと、収納部の底面力突出され、カードの接触端子にそれぞれ弾性的に接触される複数の接触ばねと、ボディの第 1面 (例えば背面)側に設けられ、収納部の底面とでカードの第 1端部 (例えば前端)を挟持する固定係止部と、ボディの第 2面 (例えば前面)側に設けられ、ボディの第 1面側に係止部を有し、ボディの第 1面と第 2面を結ぶ方向（例えば前後方向）に移動可能な可動係止部材と、可動係止部材の係止部と収納部の底面の間でカードの第 2端部（例えば後端)を挟持させるように、可動係止部材をボディの第 1面側へ付勢する付勢部材を備え、係止部の前ボディの第 1面と対向する面は、収納部の底面に近付くにつれてボディの第 1面側に近づくテーパ面に形成されていれば十分である。

[0089] それにより、ボディに設けた固定係止部と可動係止部材とでカードを収納部に収納して、カードをコネクタに取り付けることができるため、別途カバーやカードホルダー等を用いる必要が無くなり、これにより構造が簡単でコンパクトなコネクタを得ることができる。また、可動係止部材のボディの第 1面と第 2面を結ぶ方向への移動によって、カードのコネクタへの着脱作業が行われるので、カードの着脱作業を容易に行うことがでさる。 [0090] 上記構成に加えて、ボディは、合成樹脂製のベースと、そのベースの外側面に被着される金属性のシェルで構成され、ベースは、インサート成形により接触ばねを一体的に備えると共に、可動係止部材がボディの第 1面と第 2面を結ぶ方向に摺動自在に取り付けられ、シェルは、カードの第 1端部と当接してカードを収納部に位置決めするストッパを有し、固定係止部は、ストツバからボディの第 2面側へ向けて一体的に突出するように形成されているように構成してもよい。それにより、部品点数の削減が可能になり、コネクタの構造をさらに簡単にし、かつコンパクトにすることができる。また、カードを位置決めするためのストッパを備えているので、カードの取り付け作業力 Sさらに容易になる。

[0091] さらに、付勢部材をシェルに一体的に形成された板ばねとしてもよい。あるいは、可動係止部材と付勢部材を、弾性を有する金属材料により一体的に形成し、付勢部材の基端においてボディに取り付けられるように構成してもよい。それによつて、部品点数をさらに削減することができるため、コネクタの構造をより簡単にすることができる。

[0092] さらに、ボディを、インサート成形により接触ばねと固定係止部を一体的に備えるように構成してもよい。それにより、付勢部材を一体に備えた可動係止部材とボディとの 2部品のみでコネクタを構成することができるので、さらに構造が簡単で、かつ安価なコネ、クタが得られる。

[0093] さらに、ボディの第 2面側には、可動係止部材と付勢部材とをボディに取り付けるための取り付け穴が形成され、取り付け穴は、付勢部材の基端が圧入される第 1穴部と、第 1の穴部と連通し、可動係止部材と付勢部材の残りの部分がボディの第 1面と第 2面を結ぶ方向（前後方向）に移動しうるように挿入された第 2穴部を備えているように構成してもよい。このようにすれば、付勢部材を一体に備えた可動係止部材を、ボディにワンタッチで取り付けることができ、コネクタの組立をより簡単に行うことができる

[0094] さらに、収納部の開口縁部に、カードを前記収納部内に挿入する際の誘導ガイドを設けてもよい。それにより、カードをコネクタに装着する際、ガイド部によりカードがコネクタの収納部へ誘導されるので、カードのコネクタへの装着が容易になる。

[0095] さらに、ボディの第 1面 (背面)側における収納部の底面に、カードを装着する際に、カードの第 1端部 (前端)近傍が回転しうるスペースを設けてもよい。それにより、力ードを収納部に挿入する際に、このスペースを利用してカードの第 1端部 (前端)を回転させることができるので、カードの第 1端部が収納部の底面に当たってカードの移動が妨げられることがなくなる。その結果、カードのコネクタへの装着が容易になる。

[0096] 本願は日本国特許出願 2004— 238742に基づいており、その内容は、上記特許出願の明細書及び図面を参照することによって結果的に本願発明に合体されるべきものである。

[0097] また、本願発明は、添付した図面を参照した実施の形態により十分に記載されているけれども、さまざまな変更や変形が可能であることは、この分野の通常の知識を有するものにとって明らかであろう。それゆえ、そのような変更及び変形は、本願発明の範囲を逸脱するものではなぐ本願発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。

Claims

請求の範囲

[1] 1. 一面に複数の接触端子が露出するように設けられたカードが収納されるための収納部を備えたボディと、

前記収納部の底面から突出され、前記カードの接触端子にそれぞれ弾性的に接触される複数の接触ばねと、

前記ボディの第 1面側に設けられ、前記収納部の底面とで前記カードの第 1端部を挟持する固定係止部と、

前記ボディの第 2面側に設けられ、前記ボディの第 1面側に係止部を有し、前記ボディの第 1面と第 2面を結ぶ方向に移動可能な可動係止部材と、

前記可動係止部材の係止部と前記収納部の底面の間で前記カードの第 2端部を挟持させるように、前記可動係止部材を前記ボディの第 1面側へ付勢する付勢部材を備え、

前記係止部の前ボディの第 1面と対向する面は、前記収納部の底面に近付くにつれて前記ボディの第 1面側に近づくテーパ面に形成されていることを特徴とするカード用コネ、クタ。

[2] 2. 前記ボディは、合成樹脂製のベースと、そのベースの外側面に被着される金属性のシェルで構成され、

前記ベースは、インサート成形により前記接触ばねを一体的に備えると共に、前記可動係止部材が前記ボディの第 1面と第 2面を結ぶ方向に摺動自在に取り付けられ前記シェルは、前記カードの第 1端部と当接して前記カードを前記収納部に位置決めするストッパを有し、

前記固定係止部は、前記ストツバから前記ボディの第 2面側へ向けて一体的に突出するように形成されて、ることを特徴とする請求項 1に記載のカード用コネクタ。

[3] 3. 前記付勢部材は、前記シェルに一体的に形成された板ばねであることを特徴とする請求項 2に記載のカード用コネクタ。

[4] 4. 前記可動係止部材と前記付勢部材は、弾性を有する金属材料により一体的に形成され、前記付勢部材の基端にぉヽて前記ボディに取り付けられてヽることを特徴とする請求項 1に記載のカード用コネクタ。

[5] 5. 前記ボディは、インサート成形により前記接触ばねと前記固定係止部を一体的に備えていることを特徴とする請求項 4に記載のカード用コネクタ。

[6] 6. 前記ボディの第 2面側には、前記可動係止部材と前記付勢部材とを前記ボディに取り付けるための取り付け穴が形成され、

前記取り付け穴は、前記付勢部材の基端が圧入される第 1穴部と、前記第 1の穴部と連通し、前記可動係止部材と前記付勢部材の残りの部分が前記ボディの第 1面と第 2面を結ぶ方向に移動しうるように挿入された第 2穴部を備えて、ることを特徴とする請求項 4又は 5に記載のカード用コネクタ。

[7] 7. 前記収納部の開口縁部に、前記カードを前記収納部内に挿入する際の誘導ガイドを設けたことを特徴とする請求項 1に記載のカード用コネクタ。

[8] 8. 前記ボディの第 1面側における前記収納部の底面に、前記カードを装着する際に、カードの第 1端部近傍が回転しうるスペースを設けたことを特徴とする請求項 1に記載のカード用コネクタ。