明 細 書
流体の活性化装置
技術分野
[0001] この発明は、流体の活性ィ匕装置に関するものである。
背景技術
[0002] 流体 (例えば、水、ガソリン、軽油、灯油など)の分子を小さくすると、浸透性が増し たり、不純物が取り除かれたりして活性ィ匕できることが知られている。また、流体 (特に 、水やガソリン)の分子を小さくするには、磁石を使えば良いことが知られており、例え ば、磁極を対向させた一対の磁石をパイプを隔てて配置すれば、パイプを通る水の クラスタを小さくできることが知られて 、る。
[0003] 具体的には、図 11 (a)、 (b) (特許文献 1)のように、 N極と S極とを対向させた一対 の磁石 1をパイプ 2の上下に配置するとともに、パイプ 2の左右に非磁性体で導電性 の金属板 3を配置したものが考えられて 、る。
すなわち、このものでは、水が前記パイプ 2を通過すると、前記磁石 1の磁束 Bと流 水 V (向き)との直交方向に生じる起電流 Eを、非磁性体で導電性の金属板 3'に誘導 帯電させ、この帯電により生じた電子を流水中に放出させるというものである。このと き、放出された電子は、水分子の一部を構成する酸素が電子受容体 (イオン)である ため、この酸素に電荷を与えて水の双極性を高める。すると、水素原子の結合角が 広くなるので、水分子間の集合密度が増加して還元力のある活性水となり、水の酸化 還元電位は低下する。さらに、電子リッチになると水分子の酸素原子に入った電子同 士の反発が強くなるので、水素結合が切断されてクラスタが微細化し、水分子はブラ ゥン運動を呈するようになる。同時に、流水中に放出された電子が水を電気分解して 弱アルカリィ匕するというものである。
特許文献 1 :特開 2002— 86153号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 上記の N極と S極とを対向させた一対の磁石を配置したものでは、活性化の効率を
向上させるためには、磁力の強い磁石を使用して磁束を大きくする方法が考えられる 。因みに、このとき、パイプに流す水の圧力を (例えば、バルブを緩めて水の量を増 やして)高くして流速を速くすることにより、起電流を大きくする方法も考えられる力 こ のような方法ではノイブを流れる水の量 (活性ィ匕する水の量)も増加するので、活性 化の効率が向上するか疑問である。し力しながら、使える磁石の磁力の強さには限り があるため、活性化の向上にも限界を生じる問題があった。
[0005] そこで、この発明の課題は、磁力の強い磁石に依らずに活性ィ匕の向上ができるよう にすることである。
課題を解決するための手段
[0006] 上記の課題を解決するため、この発明では、ノイブの一対の磁石を隔てる部分の 径を縮小して磁石の対向する部分の流速を増力 tlさせるようにした構成を採用したの である。
このような構成を採用することにより、パイプの径を縮小して磁石の磁束と鎖交する 部分の流速を速くしたので、流量の増加を図らずに活性ィ匕の効率を向上できる。
[0007] また、このとき、パイプの一対の磁石を隔てる部分を偏平に形成して対向する磁石 間の距離を縮小した構成を採用することができる。
このような構成を採用することにより、パイプを偏平にして対向する磁石間の距離を 縮小したので、磁力の強い磁石に交換することなしにパイプを通過する磁束の密度 を高めることができる。このとき、磁束の密度は距離の 2剰に反比例するので、少しの 距離の短縮でも活性ィ匕の効率を大きく向上できる。
[0008] さらに、パイプの一対の磁石を隔てる部分を偏平に、かつ、径を縮小して形成し、 前記磁石の対向する部分の流速を増加させるとともに、対向する前記磁石間の距離 を縮小した構成を採用することができる。
このような構成を採用することにより、パイプの断面を偏平にして径を縮小するととも に、磁石間の距離も縮小してパイプを流れる流体の流速を速め、かつ、磁束密度も 強くしたので両者の相乗効果で活性化の効率を大幅に向上できる。
[0009] また、このとき、上記磁石を隔てるパイプの外周に非磁性体で導電性の金属層を設 けた構成を採用することができる。
このような構成を採用することにより、金属層は反磁性を呈して磁石の磁界をパイプ の中心方向へ集束させることができる。また、摩擦やイオンィ匕などにより生じた流体中 の電荷は、流体の流れる方向と直交する磁石の磁界を受けて、その軌道は磁界と流 体とに対して直角方向へ曲げられる。そのため、曲げられた電荷の生ずる磁界は、パ イブの外周に形成された導体である金属層と直角に鎖交することになり、前記金属層 には、電荷の数や速度変化に応じた起電力を生じることになる。このような金属層に 生じる起電力は、電荷の持っている運動エネルギーが変換されたものと考えられる。 そのため、運動エネルギーの奪われた電荷は、見掛け上流体中に押し戻されると考 えられる。この結果、この押し戻された電荷は、例えば、流体が水分子の場合では、 水分子の一部を構成する酸素が電子受容体 (イオン)であるため、この酸素に電荷を 与えて水の双極性を高める。すると、水素原子の結合角が広くなるので、水分子間の 集合密度が増加して還元力のある活性水となり、水の酸化還元電位を低下する。さら に、電子リッチになると水分子の酸素原子に入った電子同士の反発が強くなるので、 水素結合が切断されてクラスタを微細化し、水分子はブラウン運動を呈するようにな る。同時に、流水中に放出された電子が水を電気分解して弱アルカリ化すると考えら れる。
[0010] このとき、上記金属層を非磁性体で導電性の金属箔あるいは金属フィルムで形成し た構成を採用することができる。
このような構成を採用することにより、例えば、非磁性体で導電性の金属箔あるいは 金属フィルムをパイプに巻き付けることで金属層を形成できる。
[0011] また、このとき、上記ノイブと金属箔あるいは金属フィルム間に榭脂製のフィルム層 を設けた構成を採用することができる。
このような構成を採用することにより、ノイブと金属層間に設けた榭脂製のフィルム 層力 例えば、金属層に鲭びなどが発生した場合でも、その鲭びなどが直接パイプ に影響を及ぼすことを防止する。
[0012] また、このとき、上記磁石とパイプを収容するハウジングの内側又は外側に非磁性 体で導電性の金属層を全面に渡って設けた構成を採用することができる。
このような構成を採用することにより、まず、ノイブが外周に非磁性体で導電性の金
属層を持たない場合は、ハウジングの内側又は外側に設けた金属層は、前記パイプ の外周に設けた金属層と同様に、流体の流れる方向と直交する磁石の磁束の力を 受けた流体中の電荷によって起電力を発生し、その発生した起電力によって、電荷 を押し戻して例えば、流体が水の場合は、水の双極性を高め、還元力のある活性水 として水の酸化還元電位を低下する。また、水分子のクラスタを微細化し、弱アルカリ 化することができる。一方、パイプが外周に非磁性体で導電性の金属層を有する場 合は、パイプの外周の金属層に起電力が生じると、その起電力によりハウジングの金 属層に起電力を生じる。すなわち、このハウジングの金属層とパイプの外周の金属層 は相互に誘導しあっており、例えばパイプを流れる水流が変化しても急激な起電力 の変動を抑制することができるので、水を効率よく活性ィ匕できると考えられる。
[0013] また、上記磁石の外側に、榭脂製のフィルム層を介して磁石とパイプを被う非磁性 体で導電性の金属箔あるいは金属フィルム層を設けた構成を採用することができる。 このような構成を採用することにより、フィルム層が例えば、金属層に鲭びなどが発 生した場合でも、その鲭びなどが直接パイプに影響を及ぼすことを防止する。
[0014] さらに、このとき、上記流体が水やガソリンあるいは軽油である構成を採用すること ができる。
発明の効果
[0015] この発明は、上記のように構成したことにより、水を始め、ガソリン、軽油、灯油など の流体を効率良く活性ィ匕することができる。
図面の簡単な説明
[0016] [図 1]実施形態の斜視図
[図 2]実施形態の断面図
[図 3]図 2の III III断面図
[図 4]実施形態の要部断面図
[図 5]実施形態の作用説明図
[図 6]実施例 1の断面図
[図 7]図 6の要部拡大図
[図 8] (a)、(b)実施例 2の模式図
[図 9]試験方法を示す模式図
[図 10] (a)本願の試験結果を示すグラフ、(b)比較例の結果を示すグラフ
[図 ll] (a)従来例の作用説明図、(b)従来例の断面図
符号の説明
[0017] 1 磁石
2, パイプ
3 ハウジング
4 バンド
5 偏平部
6、 6' 非磁性体の導電性の金属層
6a、 6a' 非磁性体の導電性の金属箔
6f、 6f, 榭脂製フィルム
A 活性化装置
発明を実施するための最良の形態
[0018] 以下、この発明の最良の形態を図面に基づいて説明する。
図 1及び図 2に示すように、この形態の活性ィヒ装置 Aは、 N極と S極とを対向させた 一対の磁石 1をパイプ 2'を隔てて配置し、そのパイプ 2'と磁石 1とをノヽウジング 3に収 容した構造となっている。
[0019] 前記一対の磁石 1は、ここでは、図 2のように間隔を置いて 2組設けている。各組の 磁石 1は同じもので、直方体をしたものを使用している。また、磁石 1の幅は、後述す るように偏平に形成したパイプ 2'の幅と同じになるようにして、図 3に示すように、例え ば鉄などの強磁性体のバンド 4で結束して磁気回路を形成し、磁束が漏れなくパイプ 2 'を通過するようにして 、る。
[0020] ノィプ 2,は、ここでは、榭脂ゃステンレス(非磁性体)製のパイプをカ卩ェして、図 2の ように 2個の偏平部 5を形成したもので、前記偏平部 5は、先に述べたように幅と長さ を磁石 1と同じ寸法に形成することにより、磁石 1をビタリと隙間なくパイプに当接でき るようにしている。また、こうすることにより、上下の磁石 1の間の距離を図 8 (b)の従来 のようなパイプ本来の径よりも小さくしているので、パイプ 2'を通過する、距離の二乗
に反比例する磁束密度 Bを磁石 1を強いものに交換すること無しに高くできる。
[0021] さらに、偏平部 5の断面積は、図 3に破線で示すパイプ 2'本来の径よりも縮小して いるので、この部分を流れる流速を速くできる。また、この部分を過ぎれば径は大きく なるので流速は戻る。したがって、偏平部 5を設けて磁石 1間の距離を小さくして磁束 密度 Bを高め、さらに、その磁束が通過する偏平部 5の径を縮小して流速を速めたの で、後述するように活性ィ匕の向上が図れる。因みに、ノイブ 2'の径を縮小する方法 については、例えば、径を縮小するようなアダプター(孔の小さな詰め物)を嵌めるこ とも考免られる。
[0022] また、このノィプ 2'の外周には、図 2の「ィ」を拡大した図 4で示すように、非磁性体 で導電性の金属層 6を設けてある。前記金属層 6は、ここでは、厚さ 0. 5mm以上の 銅のメツキ層で構成しており、図 2のように、 2つの偏平部 5の手前から全周に渡って 設けている。なお、ここでは、前記金属層 6を 2つの偏平部 5の手前力も設けるように したが、前記金属層 6は磁束の通る偏平部 5に限定しても良い。こうしても良好な効果 を得ることは可能と考えられる。また、ここでは金属層 6を銅メツキによって構成したが 、これに限定されるものではない。銅以外の非磁性体の金属(例えば、金、銀、銅な どの)のメツキでも良いし、あるいは、例えば銅箔などの非磁性体 (例えば、金、銀、銅 など)の金属テープや金属シートを巻き付けたり、貼りつけたりしたものでもよいと考え られる。
[0023] ハウジング 3は、図 1に示すように、硬質プラスチックで形成されたカプセル状のもの で、カプセルの両端にパイプ 2を揷通するための孔が設けてある。また、このカプセル は中央で分離できるようになっており、例えば、分離した左右の部材の一方の分離端 に「雄ねじ」を設け、他方の分離端に「雌ねじ」を設けて螺合することにより組立られる ようになっている。
[0024] 一方、ハウジング 3の内側は全周に渡って非磁性体で導電性の金属層 6' (先と同 じ例えば、金、銀、銅)が形成されている。前記金属層 6'は、先のパイプ 2'の外周に 設けたものと同じもので、ここでは、厚さ 0. 5mm以上の銅のメツキ層で形成している なお、ここでは、金属層 6'を銅のメツキ層で形成した力 これに限定されるものでは
なぐこれ以外にも、例えば、金、銀など銅以外の非磁性体でも良い。また、メツキ層 に代えて、非磁性体 (例えば、金、銀、銅など)の金属テープや金属シートを巻き付け たり、貼りつけたりしたものでもよい。
[0025] また、ここではハウジング 3の内側に金属層 6'を設けた力 ハウジング 3が硬質プラ スチックで形成されたものなので、金属層 6'をノヽウジング 3の外側に形成しても同様 の作用効果が期待できる。
[0026] この実施形態は、上記のように構成され、カプセル状のハウジング 3から突出したパ イブ 2'を水道の配管に連結する。
このように水道の配管に取り付けられた本願の活性ィ匕装置 Aでは、上下の磁石 1の 間の距離を縮小した偏平部 5を通る水道水は、同じ強さの磁石 1を使った従来のもの に比べて磁束密度 Bを高くできるので水のクラスタを小さくすることができる。また、そ の際、パイプ 2'の金属層 6、 6'は反磁性を呈するので磁石 1の磁界をパイプ 2'の中 央へ集束させるように作用する。そのため、パイプ 2'を流れる水道水の例えば、摩擦 やイオン化などによって水道水中に生じた電荷は、偏平部 5で直交する磁石 1の磁 束と作用して図 5のように力 Fを受け (フレミングの左手の法則)て軌道が曲げられる。
[0027] すなわち、電荷には、下記の力 Fが働き電荷の軌道は、磁界と水流に対して直角方 向へ曲げられる。
F = qVX B = q (VX B) (ここで、 q :電荷量、 V:流速、 B:磁束密度) このとき、偏平部 5の流速 Vは縮小した径によって増速され、さらに、金属層 6の非 磁性によって強化されたパイプ 2'の偏平部 5を通る磁束の密度 Bは、縮小された上 下の磁石 1の間の距離によって強くなつているため、電荷には大きな力 Fが作用する 。その結果、直角に曲げられた多数の電荷の磁界は、パイプ 2'の外周の金属層 6と 直角に鎖交することになり、前記金属層 6には直角に鎖交する電荷の磁界の変化( 例えば、電荷の速度や数)に応じた起電力が生じる。このような金属層 6に生じる起 電力は、電荷が持つ運動エネルギーが変換されたものなので、運動エネルギーの奪 われた電荷は水道水中に留まり押し戻された状態になると考えられる。そのため、電 荷力 例えばマイナスイオンの場合は、水道水中に放出されると水の双極性を高め て水素原子の結合角を広ぐかつ、水分子間の集合密度を増加して還元力の高い
活性水となり、水の酸化還元電位を低下させる。さらに、電子リッチになって水分子の 酸素原子に入った電子と電子の反発を強くして水素結合を切断し、クラスタを微細化 して水分子のブラウン運動を活性ィ匕する。同時に、流水中に放出された電子によつ て水を弱アルカリィ匕する。
[0028] 一方、先のように起電力がパイプ 2'の外周の金属層 6に生じると、その起電力によ つてハウジング 3の内側の金属層 6 'にも起電力が生じると考えられる。
[0029] すなわち、ハウジング内側の金属層 6 'とパイプ 2'とは、相互に誘導し合っており、 例えば、パイプ 2'を流れる水道水の電荷が変化しても、起電力の急激な変化を抑制 することができると考えられるので効率よく水道水を活性ィ匕できる。
[0030] このように、磁石 1を磁束の強いものに変更することなぐ水を活性化する際の効率 を向上させることができる。
[0031] なお、実施形態では、非磁性体で導電性の金属層 6、 6,をパイプ 2'の外周とハウ ジング 3の内側に設けたものを示した力 これに限定されるものではなぐどちらか一 方に設けるようにしてもよい。例えば、ハウジング 3だけに金属層 6 'を設けたものは、 金属層 6 'がパイプ 2 'から離れて ヽるので起電力は小さくなり、パイプ 2 'の外周に設 けた金属層 6と同様の作用が期待できると考えられる。
[0032] また、実施形態では、永久磁石を用いたが、これに限定されるものではなぐ電磁 石の使用も可能である。
実施例 1
[0033] 次に、実施例 1を図 6及び図 7に示す。
この実施例の活性ィ匕装置 Aは、先の形態のパイプ 2'の外周の金属層(メツキ層) 6 に代えて金属箔 6aを使用するとともに、そのパイプ 2'の外周と金属箔 6aとの間に図 7のように榭脂製のフィルム層 6fを設け、かつ、ハウジング 3の内側の金属層(メツキ 層) 6 'に代えて、磁石 1とパイプ 2'をフィルム層 6f'を介して金属箔 6a'で被うようにし たものである。
[0034] すなわち、パイプ 2,は、先の形態と同じ榭脂ある!/、はステンレス (非磁性体)のパイ プを加工して 2個の偏平部 5を形成したもので、前記偏平部 5は、磁石 1の幅及び長 さと同じ寸法にして磁石 1をビタリと隙間なくパイプに当接できるようにしたものである
[0035] また、このノィプ 2 'の外周と金属箔 6aとの間に設けられる榭脂製フィルム 6fには、 例えば、塩化ビニル、塩ィ匕ビユリデン、塩ィ匕エチレンなどを素材としたものを使用する ことができる。これらのフィルム 6fをパイプ 2'の外周に巻き付けて、ノィプ 2 'の外周と 金属箔 6aとが直接接触しないようにカバーしている。このようにすることにより、例え ば、金属箔 6aとパイプ 2'とが接触して腐食、例えばイオン化傾向の違いなどによって 生じないようにするとともに、金属箔 6aにもし鲭びが生じても生じた鲭びがパイプ 2'を 流れる水道水に直接影響を及ぼさな ヽようにしてある。
[0036] 金属箔 6aには、ここでは、シート状の銅箔を使用しており、これ以外にも非磁性体 の例えば、金、銀などを適用したものを使用できる。さらに、金属箔 6aに代えて非磁 性体の例えば銅、金、銀などをフィルムに張り付けたり、蒸着したり、転写して形成し た金属フィルムのようなものも使用してもよい。このとき、金属フィルムのフィルム側の 面には、例えば、接着剤や粘着剤を塗布しておけば取り付けも容易である。
[0037] このようにパイプ 2,に榭脂製フィルム 6fを巻き付け、その巻き付けた榭脂製フィルム 6fの上に銅の金属箔 6aを巻き付ける(テープや接着剤で固定しても良い)。この金属 箔 6aを巻き付けたパイプ 2 'に磁石 1を取り付ける。磁石 1は図 6のように、上下の偏 平部 5に当接させて強磁性体のバンド 4で結束し、偏平部 5をサンドイッチするように 取り付ける。
[0038] こうして磁石 1の取り付けられたパイプ 2,は榭脂製フィルム 6f,で被う。さらに、その 榭脂製フィルム 6f 'の上から金属箔 6a'で被う。
[0039] 前記榭脂製フィルム 6f,は、先に述べたパイプ 2,の外周を被ったものと同じもので、 例えば、塩化ビュル、塩ィ匕ビユリデン、塩ィ匕エチレンなどを素材としたもので良い。金 属箔 6a'の絶縁を行うとともに、金属箔 6a'にもし鲭びが生じた場合でも、その鲭びが 内側へ及ぶのを阻止するためのものである。
[0040] また、金属箔 6a'は、これも先程述べたものと同じシート状の銅箔を使用しており、 シート状の銅箔を榭脂製フィルム 6f'の上に重ねて巻き付ける (テープや接着剤で固 定しても良い)。こうして金属箔 6a'を巻き付けるようにしたので、金属層 6 'をハウジン グ 3の内側に形成 (例えば、メツキ層として)するよりも低コストで同様な効果を得ること
ができる。し力も、金属層 6'をノ、ウジング 3の内側に形成するよりもノイブ 2の金属層 6または金属箔 6aに接近させることができるので、より大きな効果が期待できると考え られる。
[0041] なお、他の構成については、先の実施形態と同じなので、図中の同じ部材には同じ 符号を付して詳し ヽ説明は省略する。
[0042] この実施例は、上記のように構成され、カプセル状のハウジング 3から突出したパイ プ 2'を水道の配管に連結する。
[0043] このように水道の配管に取り付けられた本願の活性装置は、パイプ 2'の外周に巻き 付けた金属箔 6aが反磁性を呈して磁石 1の磁界をパイプ 2'の中心へ集束する。この 状態でノイブ 2'に水道水が流れると、水道水は上下の磁石 1の間の距離を縮小して 磁束密度 Bを高めた偏平部 5を通過することによってクラスタが小さくされる。その際、 例えば摩擦やイオンィ匕などにより帯電した水道水は、偏平部 5で直交する磁石 1の磁 束が作用して力 Fを受ける(図 2と同様にフレミングの左手の法則)。
[0044] このとき、偏平部 5の流速 Vは縮小した径によって増速され、さらに、パイプ 2'の偏 平部 5を通る磁束は金属箔 6aの反磁性によって集束され、その集束された磁束密度 Bは縮小された磁石 1間の距離によって、さらに強くなつているため、大きな力 Fが電 荷に作用して軌道を直角に曲げる。
[0045] そのため、多数の電荷の磁界はパイプ 2'の外周に巻き付けた金属箔 6'と直角に 鎖交することなり、起電力を発生する。このような起電力は、電荷の持つ運動エネル ギ一が変換されたものと考えられるので、電荷は水道水中に留まり押し戻された状態 になると考えられる。その結果、例えば、電荷がマイナスの場合は (マイナスイオン)、 水道水中に放出されたマイナスイオンが水の双極性を高めて水素原子の結合角を 広ぐかつ、水分子間の集合密度を増加して還元力の高い活性水となり、水の酸ィ匕 還元電位を低下させる。さらに、電子リッチになって水分子の酸素原子に入った電子 同士の反発を強くして水素結合を切断し、クラスタを微細化する。そして、水分子の ブラウン運動を活性ィ匕する。同時に、流水中に放出された電子によって水を弱アル カリ化する。
[0046] さらに、このとき、前記金属箔 6aに生じた起電力によって、前記金属箔 6a上に榭脂
製フィルム 6f 'を介して巻き付けた金属箔 6a'には起電力が誘導されると考えられる。 そのため、相互に誘導を行って、例えば水道水中の電荷が増減したような場合でも 起電力の急激な変動を抑えることができるので、効率良く水の活性ィ匕ができる。
[0047] このように、磁石 1を磁束の強いものに変更することなぐ水を活性化する際の効率 を向上させることができる。
実施例 2
[0048] この実施例 2は、先の形態及び実施例 1の活性化装置 Aを図 8 (a)、 (b)に示すよう に、自動車の燃料系と冷却系に適用したものである。例えば、燃料系の場合は、図 8 (a)のように、前記活性ィ匕装置 Aを燃料タンク 10とエンジン 11の間の燃料パイプ 12 に設けたものである。
[0049] このようにすることにより、例えば、ガソリンを構成する 4〜: L 1の炭素数を持つ 300以 上の炭化水素分子の例えば、電子受容体となる分子のクラスタを細分ィ匕して燃焼し やすくすることで、燃費の向上と低公害化を図ろうとするものである。
[0050] また、このようにガソリンを燃焼しやすくできるので、ディーゼル車に適用して使用す る軽油のクラスタを細分ィ匕して燃焼しやすくすれば、 PAMの発生を低減できる。
[0051] 一方、冷却系の場合は、例えば、図 8 (b)のように、ラジエーター 13とエンジン 11の 間の冷却パイプ 14に前記装置 Aを設けることにより、冷却水を還元力のある活性水 にして鲭びの発生を抑えたり、冷却水を弱アルカリィ匕したりして汚れの付着を防止し ようとするものである。
[0052] なお、この実施例 2では、活性ィ匕装置 Aをパイプ 12、 14に取り付けるものを示した 力 これに限定されるものではなぐ燃料パイプ 12や冷却ノイブ 14に直接磁石を取 り付けられるようにするとともに、金属層 6を設けるようにすることもできる。
実施例 3
[0053] 次に、この装置の有効性を確かめるため以下のような試験を行った。
1. ノイブの磁石を隔てる部分の対向する磁石間の距離の縮小が有効かどうかを確 認するため、図 9のような試験を行った。
試験方法
本願発明を模して磁石 1を対向させ、その対向させた磁石 1にバックヨーク 4 'を取り
付けた。そして、その対向させた磁石 1間の距離(ギャップ)を 10mmと 20mmにして 、その磁石 1間の中点の磁束密度をプローブ Tを挿入してガウスメータ (電子磁気ェ 業 (株)社製: GM1125)で測定した。
ここで、磁石 1は、 25. 4 X 25. 4 X tl2. 7mmのサイズのネオジゥム磁石(1. 260 0〜1. 3030T)のものを使用した。ノ ックヨーク 4,は、図の上方を tl2 X 32 X 90mm で、下方を t9 X 65 X 100mmの鉄製の板を使用した。
結果を以下に示す。
ギャップ 磁石中間部の磁束密度
10mm 7100 (G)
20mm 3900 (G)
この結果力も磁石間の距離の縮小が有効であることが分力つた。
2.本願の発明に基づいて試作したものを使用して有効性を試験した。
料
試験品は、本願の図 2のタイプのもので、全長 320mm、偏平部 5の径 19. 6mm X 35mm,それ以外のパイプ 2'の径は 27. 3mmであった。また、パイプ 2'の金属層 6 を磁束の通る二つの偏平部 5に限定したものを使用した。
また、試験品に使用した磁石 1は、 25. 4 X 25. 4 X tl2. 7mmのネオジゥム磁石 で、 1. 2600〜1. 3030Tのものであった。
試験方法
試験品に水道水を通過させたのち、 5分経過した試料水と、試験品を通過していな Vヽ水道水とを雰囲気中に噴霧して、その噴霧をイオンカウンタで測定した。
測定器
フイーサ(株)製:エアーイオンカウンター FIC— 2000
結果
結果を図 10 (a)、(b)に示す。またそのイオンの平均値を下記に示す。
図 10 (a)は、本願の試料水のグラフで、同図(b)は水道水の測定データである。ま た、図 10 (a)、(b)で符号 aは、マイナスイオンの測定量を示すもので、符号 bはマイ ナスイオンの平均値を示す。同符号 cはプラスイオンの測定量を示すもので、同符号
dはプラスイオンの平均値を示すものである。
測定値 (個 Zee)
試料 区分 プラスイオン マイナスイオン
試料水 噴霧 5, 905 7, 800
水道水 噴霧 8, 118 6, 511
以上の結果から、この試作品を通過した試料水は、通常の水道水に比べてプラス イオンが減少してマイナスイオンが増加したことがわかる。このように両者に顕著な差 が現れたことにより、試料水が活性ィ匕されたことがわかる。よって、本願発明が有効な ことが分力つた。
産業上の利用可能性
この発明は、流体である例えば、水を活性化させて、飲料、栽培、工業用の上水に 適した処理水を提供できるが、これら上水の分野以外にも汚水の浄ィ匕などの分野に も広く利用可能である。また、ガソリン以外の灯油などの液体燃料にも適用できると考 えられる。