WO2005088620A1

WO2005088620A1 - 光学ピックアップ装置

Info

Publication number: WO2005088620A1
Application number: PCT/JP2005/004529
Authority: WO
Inventors: Yoshiya Usami
Original assignee: Pioneer Corporation
Priority date: 2004-03-16
Filing date: 2005-03-15
Publication date: 2005-09-22
Also published as: JPWO2005088620A1

Abstract

　スキュー精度の良好に維持できる光学ピックアップ装置を提供することを目的とする。本発明の光学ピックアップ装置１において、サスペンション２５は、トラッキング方向Ｔの幅寸法が大きくなるように形成された幅広部２５３を備えている。これにより、幅広部２５３でサスペンション２５のねじれを防止できる。このため、ねじれによって発生する高周波数のねじれ共振による振動を抑えることができる。従って、可動部の振動を押えることができるので、スキュー精度を良好に維持できる。

Description

明細書

光学ピックアップ装置

技術分野

[0001] 本発明は、光記録媒体の情報の読み取り若しくは書き込みを行うための光学ピックアップ装置に関する。

背景技術

[0002] 従来、 CDや DVDなどの光記録媒体に記録されて、る情報を記録したり、または記録されて!/ヽる情報を再生したりする光学ピックアップ装置が知られてヽる（例えば特許文献 1)。

特許文献 1の光学ピックアップ装置は、対物レンズを内蔵したレンズホルダと回路基板とを備えた可動部を 4本の線状弾性部材でァクチユエータベースに移動可能に連結したァクチユエータ部と、可動部の両側面に所定の時期空間を設けて対向配置される一対の磁石を固定した一対のヨークが設けられるとともに、可動部のトラツキング方向の側面を囲むように対向配置される立設部を形成したサスペンションベースと、を備えて構成されている。

[0003] また、可動部のレンズホルダの両側面には、それぞれフォーカス方向に所定の距離だけ離間して一対の固定アームが設けられている。この固定アームにそれぞれ 1 本づっ線状弾性部材の一端部が固定されて、る。この線状弾性部材の他端部は、ァクチユエータベースの両端側に配置される溝に固定される。そして、可動部の両側面に対向配置された磁石の磁力と可動部の回路基板とを制御することで、可動部をフォーカス方向およびトラッキング方向に精密に移動させることが可能となる。

[0004] 特許文献 1 :特開 2001— 229556号公報 (第 9頁、図 1、図 2)

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] し力しながら、特許文献 1に記載の光学ピックアップ装置では、線状弾性部材は、線部材によって同一形寸法の軸状に形成されている。この場合、可動部に大きなねじれ力が加わった時、 4本の線状弾性部材の各強度差により、対物レンズが傾き、スキュー特性が悪ィ匕する。すなわち、対物レンズの傾きによって、対物レンズと光記録媒体の表面との位置関係にずれが生じて、光記録媒体の正常な書き込みや読み込みができなくなる可能性がある。従って、これらの線状弾性部材の各強度により対物レンズの傾きを調整する機構を備える必要があり、生産コストが高くなつてしまう。

[0006] また、従来では、フォーカス方向およびトラッキング方向の振動減衰率の制御は、線状弾性部材とァクチユエータベースとの間に適正なダンプ剤を充填するのみで実施されている。し力しながら、光記録媒体の回転速度が速くなると、可動部のねじれ共振周波数が大きくなると、ダンプ剤の充填のみで解決できなくなる。これに対して、 4本の線状弾性部材の設置角度を調整することである程度のねじれ共振の影響を受けな、構造とすることが知られて、るが、完全にねじれ共振を抑制することは困難である。ねじれ共振が起こると、可動部は、振動の影響を受けて、スキュー精度が低下してしまう。

[0007] 本発明の目的は、スキュー精度を良好に維持できる光学ピックアップ装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明の光学ピックアップ装置は、対物レンズを備えた可動部と、前記可動部を少なくとも一対の弾性部材を介して移動可能に接続する支持部とを備えた光学ピックァップ装置であって、前記少なくとも一対の弾性部材は、前記可動部および前記支持部の両側面側に互いに交差する角度で設けられるとともに、この弾性部材の一部に、少なくとも一径方向において径寸法が該弾性部材の両端部の径寸法よりも大きく形成される幅広部を有することを特徴とする。

図面の簡単な説明

[0009] [図 1]本実施の形態の光学ピックアップ装置の全体斜視図である。

[図 2]ピックアツプアクチユエータの正面図である。

[図 3]本実施の形態のサスペンションの変形例を示すピックアツプアクチユエ一タの斜視図である。

[図 4]ストッパ部材の正面図である。

[図 5]ストッパ部材の断面図である。 [図 6]ストッパ部材の側面図である。

符号の説明

[0010] 1…光学ピックアップ装置

20· ··ピックアツプアクチユエータ

21· "支持部としてのサスペンションベース

22…可動部

25…線状弾性部材としてのサスペンション

241· ··対物レンズ

252…軸咅

253· ··幅広部

254…突出面。

発明を実施するための最良の形態

[0011] 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

〔ピックアップ装置の構成〕

図 1において、光学ピックアップ装置 1は、ァクチユエータベース 10と、ピックアップァクチユエータ 20と、ストッパ部材 30と、を備えている。光学ピックアップ装置 1は、例えば CDや DVDなどの情報記録面を有する円盤状の光学式記録媒体に情報を記録、または記録された情報を再生する記録媒体駆動装置に組み込まれて、る。

[0012] 記録媒体駆動装置としては、例えばパーソナルコンピュータなどの端末機器の内部または外部に接続される CDドライブや DVDドライブや、テレビなどやオーディオなどに接続される CDプレイヤや DVDプレイヤ、また、単一で機能するポートブル CD プレイヤなどが挙げられる。光学ピックアップ装置 1は、このような記録媒体駆動装置に格納された光学式記録媒体の情報記録面に対向する位置に、この情報記録面の径方向（トラッキング方向 T)に移動可能に取付けられている。

[0013] 〔ァクチユエータベースの構成〕

ァクチユエータベース 10は、図示しないピックアップ支持体に取付けられている。このピックアップ支持体は、図示しない駆動機構に接続され、駆動機構の制御により光学ピックアップ装置を光学式記録媒体の面に沿ってトラッキング方向 Tへ移動させる。また、ピックアップ支持体には図示しないレーザ光源が取り付けられていて、レーザ光源から出射されたレーザ光は、光学系により構成される光路を通って後述する対物レンズ 241の下方に至る。対物レンズ 241の下方には立ち上げミラー（図示せず）が配置されており、レーザ光は立ち上げミラーにより上方へ進路変更されて対物レンズ 241を下から上へと通過する。対物レンズ 241の上方には図示しない光学式記録媒体が配置され、対物レンズ 241はレーザ光を光学式記録媒体の情報記録面に集光する。

[0014] ァクチユエータベース 10は、アルミなどの比較的軽量な金属を素材としている。このァクチユエータベース 10は、略平板矩形状に形成される基部 11と、基部 11のトラッキング方向に直交する方向に立ち上がる一対の立上部 13と、基部 11のトラッキング方向に略平行に立ち上がる一対のヨーク 14と、ヨーク 14に固定される一対の磁石 15 と、を備えている。

[0015] 基部 11は、取付孔 12を有し、この取付孔 12にねじ止めなどをすることでピックアツプ支持体に取付けられる。この基部 11には、ピックアツプアクチユエータ 20が固定される。ピックアツプアクチユエータ 20の取付けは、後述する可動部 22がー対の立上部 13および一対の磁石 15の間で、これらの立上部 13および磁石 15と所定の距離寸法を隔てて配置されるように、後述する支持部としてのサスペンションベース 21をァクチユエータベース 10の基部 11に固定する。

[0016] ァクチユエータベース 10の基部 11には、サスペンションベース 21に設けられたべース固定孔 211に対応した位置に孔部が設けられていて、この孔部とベース固定孔 211をねじ止めなどすることでサスペンションベース 21が基部 11に固定される。なお、サスペンションベース 21の取付けは、ねじ止めに限定されず、ピン部材により係止させてもよぐ接着剤により接着固定するものであってもよい。さらに、基部 11には、サスペンションベース 21に形成されて!、る M字溝 212の形状に合わせて突起片 16 が形成されている。この突起片 16は、サスペンションベース 21の M字溝 212を係合させることで、サスペンションベース 21の固定時に位置決めとして機能する。

[0017] 立上部 13には、位置決め溝 131が形成され、この位置決め溝 131には、後述するストッパ部材 30が位置決め固定されている。また、ヨーク 14には、上面部の一部に凹部 141が形成されている。この凹部 141は、磁石 15を固定するための接着剤を導入するために形成されている。磁石 15は、一対のヨーク 14の互いに対向する面に固定されて、磁界を形成している。

[0018] 〔ピックアツプアクチユエータの構成〕

図 1、図 2において、ピックアツプアクチユエータ 20は、ァクチユエータベース 10の基部 11に固定される支持部としてのサスペンションベース 21と、サスペンションベース 21に対して移動可能に取付けられる可動部 22と、サスペンションベース 21および可動部 22を連結する線状弾性部材としてのサスペンション 25と、を備えて構成されている。

[0019] これらのサスペンションベース 21および可動部 22は、合成樹脂によって形成されている。サスペンション 25は、ばね材料として強い曲げ応力に耐える高強度を有し、繰り返し作用に対する疲労耐性に優れた素材、例えばベリリウム銅などの金属によつて形成される。そして、これらのサスペンションベース 21および可動部 22は、サスぺンシヨン 25をインサートした状態でインサート成形される。なお、これらのサスペンションベース 21や可動部 22には、複数の肉抜き部 214が、合成樹脂の肉厚が略均一になるように形成されて、て、インサート成形によりヒケが生じて表面に凹みができるのを防止している。

[0020] サスペンションベース 21には、ベース固定孔 211と、 M字溝 212と、サスペンション揷通溝 213と、が形成されている。ベース固定孔 211は、サスペンションベース 21をトラッキング方向に貫通する孔である。このベース固定孔 211は、前述したように、ァクチユエータベース 10の基部 11にサスペンションベース 21をねじ止めやピン止めなどにより固定するためのねじやピンの揷通孔となる。 M字溝 212はサスペンションべース 21のァクチユエータベース 10と対向する面に形成されている。そして、 M字溝 2 12は、前述したように、ァクチユエータベース 10の基部 11に形成される突起片 16に係止されて、ァクチユエータベース 10とサスペンションベース 21との位置決めに用いられる。

[0021] サスペンション揷通溝 213は、サスペンションベース 21の可動部 22と対向する面の 4隅にサスペンション 25の長手方向と略同一方向に略凹状に形成されている。このサスペンション揷通溝 213は、サスペンション 25が通される溝である。サスペンション揷通溝 213には、サスペンション 25との間にダンピング剤が充填され、所定周波数までのサスペンション 25の振動を防止している。このダンピング剤は、ゲル状の制振用化学物質であり、サスペンション 25とサスペンション揷通溝 213の間に充填されることでサスペンション 25の振動を緩衝しているとともにサスペンション 25の固定力を強化している。

[0022] 可動部 22には、対物レンズ 241 (図 1参照）を保持するレンズホルダ 24と、可動部 2 2の両側面から 2本づっ計 4本突出する固定アーム 23と、コイル基板 26とを備えている。レンズホルダ 24は、可動部の略中心にフォーカス方向に貫通して中空状に形成されている。このレンズホルダ 24の上面側に対物レンズ 241が固定されている。このレンズホルダ 24は、前述したように、図示しないピックアップ支持体のレーザ光源から出光される所定の光度のレーザ光を通し、対物レンズ 241は、このレーザ光を光学式記録媒体の情報記録面に集光する。

[0023] 固定アーム 23は、可動部 22のサスペンションベース 21と対向する側とは反対側の 4隅の角部にそれぞれトラッキング方向 Tに突出して形成されている。また、可動部 2 2の一側面から突出される一対の固定アーム 23は、フォーカス方向に所定の間隔だけ離隔して形成されている。この固定アーム 23には、サスペンション 25が固定され、このサスペンション 25によって、可動部 22は、サスペンションベース 21に揺動自在に接続されている。

[0024] そして、この可動部 22には、一対のコイル基板 26が可動部 22のサスペンションべース 21に対向する面とその反対面とに固定されている。そして、可動部 22は、ピックアツプアクチユエータ 20をァクチユエータベース 10に取付けたとき、前述したように一対の立上部 13と一対のヨーク 14に囲まれて配置される。この時、コイル基板 26はョーク 14に固定される磁石 15と対向して配置される。従って、可動部 22は、磁石 15の磁界内に配置されることになり、コイル基板 26に形成された図示しないフォーカスコィル及び図示しな、トラッキングコイルに所定のサーボ帯域（例えば、 0— 5KHz)の周波数となる駆動電流を通電すると、コイル内の電流と磁界とにより生じる力により、可動部 22は、フォーカス方向 F及びトラッキング方向 Tに移動する。 [0025] サスペンション 25は、両端部に形成される平板部 251と、平板部 251に連結される軸部 252と、軸部 252に連結される幅広部 253とが一体に形成されている。この時、サスペンションの両端側に形成される軸部 252と軸部 252に挟まれる幅広部 253とは、それぞれサスペンション 25の長手方向の全体長さの略 3分の 1に渡って形成されている。ここで、サスペンション 25の長手方向の全体長さとは、サスペンション 25の一端側に形成される軸部 252から他端に形成される軸部 252までの長さのことを意味する。すなわち、一端側に形成される軸部 252の長さ寸法 L1と、他端側に形成される軸部 252の長さ寸法 L3と、これらの軸部 252に連結される幅広部 253の長さ寸法 L2とは、略同一長さ寸法に形成される。

[0026] 平板部 251は、サスペンションベース 21および可動部 22の固定アーム 23に、インサート成形時に埋め込まれて固定されている。また、この平板部 251は、先端部がサスペンションベース 21または固定アーム 23から突出した状態で固定されている。そして、サスペンションベース 21に固定された平板部 251の先端の突出部位には、図示しない配線が電気的に接続され、図示しない電気回路を接続されている。一方、固定アーム 23に固定された平板部 251の先端の突出部位は、可動部 22に固定されるコイル基板 26に接続され、電気回路力もサスペンション 25を介してコイル基板 26に電流が流れるように構成されて、る。

[0027] 軸部 252は、略軸状に直線状に延びて形成されて!、る。また、サスペンションベース 21側の軸部 252とサスペンション揷通溝 213との間には、前述したようにダンピング剤が充填され、サスペンションベース 21とサスペンション 25との固定力を強化させるともに所定周波数までの振動を緩衝している。ここで、緩衝できる周波数とは、例えば略 60Hzまでの周波数であり、これは、ダンピング剤の種類などにより調整可能となつている。

[0028] 幅広部 253は、軸部 252と連結され、トラッキング方向 Tの幅寸法が大きくなるように形成されている。この時、幅広部 253は、軸部 252との連結位置力離れるにつれて幅寸法が大きくなるテーパ状に形成されている。このため、軸部 252と幅広部 253との連結部位に過度の力が力からないため、サスペンション 25の破損を防止できる。このように幅寸法が大きく形成された幅広部 253を形成することで、ねじれに対する強度が向上し、前述したダンピング剤で緩衝できない高周波数の振動、例えばサスぺンシヨン 25のねじれ共振の周波数をディスク回転周波数領域より高くすることに貢献する。

[0029] なお、図 3に示すように、サスペンション 25の軸部 252には、径方向に延びる突出面 254が形成されている構成としてもよい。このような突出面 254を設けると、サスぺンシヨン揷通溝 213に充填されるダンピング剤と、サスペンション 25との接触面積が増大して、ダンピング剤によるサスペンションの緩衝効果がより期待できる。

[0030] 〔ストツバ部材の構成〕

図 4ないし図 6において、ストッパ部材 30は、例えば合成樹脂を素材として略コ字型に形成されている。ストッパ部材 30は、ストッパ基部 31と、ストッパ基部 31に接続される接続部 32と、接続部 32の先端に固定されるアーム 33と、がー体に形成されている

[0031] ストッパ基部 31は、ストッパ部材 30をァクチユエータベース 10に取付けた際に、ョーク 14の方向に突出する係止片 38と、ストッパ基部 31の 4隅力もヨーク 14の方向に突出する押え片 39と、を有している。係止片 38は、ァクチユエータベース 10の一対のヨーク 14のうち、サスペンションベース 21から離れている方のヨーク 14に形成される凹部 141に係止される。また、押え片 39は、係止片 38が係止されたヨーク 14およびこのヨーク 14に固定される磁石 15を、トラッキング方向から挟み込む。この係止片 38および押え片 39によってストッパ基部 31は、ァクチユエータベース 10のトラツキング方向に対して位置決めされる。

[0032] 接続部 32は、ストッパ基部 31の両側面にトラッキング方向 T側に向力つて形成されている。そして、接続部 32の先端に形成されるアーム 33は、ストツバ基部 31の両側面に略並行に一対設けられる。また、このアーム 33は、トラッキング方向 Tおよびフォ一カス方向 Fに略直交する方向を長手方向として形成されている。ここで、このァーム 33のストッパ基部 31から遠ざ力る位置をアーム 33の先端側とし、ストッパ基部 31 に近、位置をアーム 33の基端部とし、ストッパ部材 30をァクチユエータベース 10に取付ける方向を取付け方向とすると、アーム 33は、接続部 32によって、先端側が互いに離隔する方向に常に付勢されて、る。 [0033] これらの一対のアーム 33の互いに対向する面の先端側には、可動部 22のトラツキング方向 Tへの可動範囲を規制する壁部 34と、これらの壁部 34から突出して可動部 22のフォーカス方向 Fの可動範囲を規制する突起部 35とが一体に形成されている。

[0034] 壁部 34は、ストッパ部材 30をァクチユエータベース 10に取付けたとき（図 1参照）、可動部 22の固定アーム 23の先端部と所定の距離を開けて配置され、一対の壁部 3 4間が可動部 22のトラッキング方向 Tへの可動範囲となる。可動範囲を越える変位量が可動部 22に与えられた場合は、固定アーム 23の先端部が壁部 34に当接し、可動部 22の揺動が規制される。また、突起部 35は、フォーカス方向に離隔して設けられる一対の固定アーム 23の中間位置に配置される。そして、この突起部 35と固定ァーム 23とが当接するまでの距離が可動部 22のフォーカス方向 Fへの可動範囲となる。可動範囲を越える変位量が可動部 22に与えられた場合は、固定アームが突起部 35 に当接し、可動部 22の揺動が規制される。また、可動部 22がフォーカス方向 Fおよびトラッキング方向 Tの双方に移動する場合があるため、壁部 34のフォーカス方向の寸法は、可動部 22のフォーカス方向への可動範囲寸法以上に形成されている。

[0035] 一対のアーム 33の突起部 35が形成される面の反対面、すなわち、互いに離隔する方向の面には、第 1の係合爪 36と第 2の係合爪 37とが形成されている。第 1の係合爪 36は、アーム 33の先端側に形成され、第 2の係合爪 37は、アーム 33の基端側に設けられている。これらの係合爪 36, 37は、それぞれストッパ部材 30の取付け方向に向力つて突出寸法が小さくなるテーパ状に形成されている。

[0036] これらの係合爪 36, 37は、前述したように、ァクチユエータベース 10の立上部 13に形成される位置決め溝 131に係合されて、ストッパ部材 30をァクチユエータベース 1 0に固定する。この時、位置決め溝 131は、フォーカス方向 Fおよびトラッキング方向 Tと略直交する方向に延びて形成されているので、ストッパ部材 30を固定する時、まずストツパ部材 30の第 1の係合爪 36を位置決め溝 131に係合させ、そのままストッパ部材 30を位置決め溝 131に沿ってスライド移動させて第 2の係合爪を係合させる。

[0037] この時、位置決め溝 131の長手方向の長さ寸法と、第 1の係合爪 36の先端側から第 2の係合爪 37の基端側までの距離寸法が同一であれば、確実にストツバ部材 30 の係合爪 36, 37をァクチユエータベース 10の位置決め溝 131に嵌めこんで固定することができる。さらに、この時、アーム 33の先端側は接続部 32によって位置決め溝 131側に付勢されるので、さらにストツパ部材 30の固定力が向上する。

[0038] 〔ピックアツプアクチユエータの作用効果〕

このような本実施の形態のピックアツプアクチユエータ 20では、サスペンション 25は、トラッキング方向 Tの幅寸法が大きくなるように形成された幅広部 253を備えている。これにより、幅広部 253でサスペンション 25のねじれを防止できるため、ねじれによつて発生する高周波数のねじれ共振による振動を抑えることができる。従って、可動部の振動を押えることができるので、スキュー精度を良好に維持できる。

[0039] そして、この幅広部 253は、サスペンション 25の両端に形成される軸部 252を挟んで、サスペンション 25の略中央に形成される。これにより、サスペンション 25は、最もねじれの影響を受けるサスペンション 25の略中央部に幅広部 253が形成されているので、最もねじれの影響を受けに《なる。従って、サスペンション 25のねじれを効率よく防止できる。

[0040] また、この時、軸部 252と幅広部 253との長さ寸法は、それぞれサスペンション 25の全体長さの略 3分の 1の長さ寸法に形成されて、それぞれの長さ寸法が略同一寸法となっている。これにより、サスペンション 25の全体の強度や曲げ剛性が対称的になる。従って、サスペンション 25は、可動部が揺動した際に受ける力をサスペンション 2 5全体に中心対称に分散できる。

[0041] また、幅広部 253は、軸部 252との連結位置から幅広部 253の中心に向かって幅寸法が大きくなるテーパ状に形成されている。これにより、サスペンション 25にねじれ力が加わったときに、このテーパ部に力を分散でき、軸部 252と幅広部 253との連結位置に過度の力が加わらない。従って、この連結位置の破損を防止できる。

[0042] そして、幅広部 253は、トラッキング方向 Tの幅寸法が大きくなる平板状に形成されている。これにより、サスペンション 25は、一方向にしか広がっていないため、ピックァップアクチユエータ 20をァクチユエータベース 10に取付ける際に、余計なスペースを取らずに邪魔にならない。また、幅広部 253は、トラッキング方向 Tに広がって形成されている。すなわち、幅広部 253は、対物レンズの光軸方向に対して略垂直となる。これにより、サスペンション 25は、他の力が加わっていない状態で、可動部 22を光軸に対して略垂直に保持できる。このため、可動部 22を光軸に対して略垂直にするための動力を抑えることができ、消費電力を抑えることができる。

[0043] また、サスペンション 25の軸部 252のサスペンションベース 21側には、突出面 254 が形成されている。これにより、サスペンションベース 21のサスペンション揷通溝 213 とサスペンション 25との間にダンピング剤を充填させたときに、突出面 254の表面積分だけダンピング剤をサスペンション 25との接触面積が増大する。従って、ダンピング剤による低周波数の振動をより効果的に抑制でき、サスペンション 25の固定力も向上する。

[0044] 〔実施の形態の変形例〕

なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなぐ本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。

[0045] 例えば、前述したように、軸部 252には、径方向に突出する突出面 254が形成されていてもよい。また、突出面 254としては、例えば、図 3に示すように、軸部 252から複数本のピン状の突起面 254を突出させてもよぐ軸部の周部に形成されるリング状の突出面であってもよい。

[0046] また、幅広部 25は、フォーカス方向に対して略直交する平板状に形成されるとした 1S これに限らない。例えば、幅広部の平板面は、フォーカス面と略交差していてもよい。さらに、幅広部の形状も平板に限らず、例えば平板を 2枚交差させた断面略十字形状の幅広部であってもよぐさらに 2枚以上の複数の平板を交差させた幅広部であつてもよい。また、軸部よりも径寸法が大きく形成されている断面略円形の幅広部であってもよい。このように、複数の平板を交差させた形状ゃ径寸法の大きい軸形状とすることで、さらにねじれに対する応力が増大し、ねじれ共振を防止できる。

[0047] また、幅広部 253の両端部の軸部 252との連結部位は、テーパ状に形成されて!ヽるとした力これに限らない。例えば、テーパ状に形成されていない形状であってもよぐこの場合、軸部と幅広部との連結部位を強化するために、この連結部位に別途補強部材を設けることが考えられる。

[0048] さらに、幅広部 253は、サスペンション 25の中央に全体長さの 3分の 1の長さ寸法で形成されているとした力これに限らない。例えば、サスペンション 25の略全体の幅寸法を大きく形成して、軸部の長さ寸法を短くした構成であってもよい。このような構成にすることで、可動部の可動範囲が制限される力サスペンションの強度やねじれに対する強さが強くなり、サスペンションの破損やねじれ共振を防止できる。

[0049] 本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されている 1S 本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲力逸脱することなぐ以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。

従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。

[0050] 〔実施の形態の効果〕

このような本実施の形態の光学ピックアップ装置 1では、サスペンション 25は、トラッキング方向 Tの幅寸法が大きくなるように形成された幅広部 253を備えている。これにより、幅広部 253でサスペンション 25のねじれを防止できるため、ねじれによって発生する高周波数のねじれ共振による振動を抑えることができる。従って、可動部の振動を押えることができるので、スキュー精度の低下を抑えることができる。

産業上の利用可能性

[0051] 本発明は、光記録媒体の情報の読み取り若しくは書き込みを行うための光学ピックアップ装置として利用できる。

Claims

請求の範囲

[1] 支持部と、この支持部に少なくとも一対の線状弾性部材を介して移動可能に接続されるとともに対物レンズを有する可動部とを備えた光学ピックアップ装置であって、前記一対の線状弾性部材は、長手方向に延びる仮想線が交差するように一端が前記可動部に固定されて他端が前記支持部に固定されるとともに、この線状弾性部材の一部に、少なくとも一径方向において径寸法が当該線状弾性部材の両端部の径寸法よりも大きく形成される幅広部を有する

ことを特徴とした光学ピックアップ装置。

[2] 請求項 1に記載の光学ピックアップ装置にお!、て、

前記幅広部は、前記線状弾性部材の長手方向の略中央部に形成されていることを特徴とした光学ピックアップ装置。

[3] 請求項 1または請求項 2に記載の光学ピックアップ装置にぉ、て、

前記幅広部は、前記線状弾性部材の長手方向の長さの略 3分の 1に亘つて形成されている

ことを特徴とした光学ピックアップ装置。

[4] 請求項 1な、し請求項 3の、ずれかに記載の光学ピックアップ装置にぉ、て、前記幅広部は、当該幅広部の両端部から中心に向力つて幅寸法が大きくなるテーパ状に形成されている

ことを特徴とした光学ピックアップ装置。

[5] 請求項 1な、し請求項 4の、ずれかに記載の光学ピックアップ装置にぉ、て、前記幅広部は、平板状に形成されている

ことを特徴とした光学ピックアップ装置。

[6] 請求項 5に記載の光学ピックアップ装置にぉ、て、

前記幅広部の平板面は、前記対物レンズの光軸方向に対して略直交していることを特徴とした光学ピックアップ装置。

[7] 請求項 1な、し請求項 6の、ずれかに記載の光学ピックアップ装置にぉ、て、前記線状弾性部材の端部には、前記幅広部と連結する軸状の軸部が形成され、この軸部の一部に径方向に突出して形成されるが突出面が形成され、前記軸部の一部および前記突出面と前記支持部との間には、ダンプ剤が充填されていることを特徴とした光学ピックアップ装置。