JP2001084615A - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置

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JP2001084615A
JP2001084615A JP25664399A JP25664399A JP2001084615A JP 2001084615 A JP2001084615 A JP 2001084615A JP 25664399 A JP25664399 A JP 25664399A JP 25664399 A JP25664399 A JP 25664399A JP 2001084615 A JP2001084615 A JP 2001084615A
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JP
Japan
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objective lens
tracking
focusing
drive coil
driving device
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JP25664399A
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English (en)
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Goichi Akanuma
悟一 赤沼
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通電を目的としたフレキシブル基板を固定部
材に固定し、その固定部材を振動可能に形成すること
で、ヨーイング、ピッチングを抑制し得る対物レンズ駆
動装置を提供する。 【解決手段】 可動部11を支持する棒状弾性支持部材
3を固定する基板をフレキシブル基板10で形成し、そ
れを固定部材9に直接固定する構造において、固定部材
9が棒状弾性支持部材3の軸方向に弾性を持つ構造とす
ることで、ピッチングやヨーイングなどの可動部11の
回転方向の剛体モードの共振を抑制できる。即ち、基板
はフレキシブル基板10であり、固定部材9の棒状弾性
支持部材3の軸方向の弾性変形に追従し得るので、固定
部材9自身を軸方向に変位しやすく形成することによ
り、フレキシブル基板10に特殊な細工をすることなく
目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクドライ
ブ又は光磁気ディスクドライブの対物レンズ駆動装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の対物レンズ駆動装置には幾つか
の方式があるが、低コストで可動部の軽量化に有利な方
式として4本ワイヤ方式(4WS方式)がある。
【0003】この4WS方式の対物レンズ駆動装置の第
1の従来例を図8に示す。対物レンズ101を保持する
対物レンズ保持部材102が4本のワイヤばね103に
よって弾性的に支持されており、対物レンズ保持部材1
02には対物レンズ101の光軸方向(フォーカシング
方向F)と平行な軸を中心としてフォーカシング駆動コ
イル104が巻線され、対物レンズ101の光軸方向と
垂直な方向(トラッキング方向T、紙面垂直方向)と平
行な軸を中心としてトラッキング駆動コイル105が巻
線されている。ここで、フォーカシング駆動コイル10
4、トラッキング駆動コイル105の両端は各々4本の
ワイヤばね103に電気的に結線されている。また、ワ
イヤばね103の他端は固定部材106に接着固定され
た基板107上に配線されたランド部に半田108によ
り半田付けされている。このとき、ワイヤばね103は
固定部材106と基板107にあけられた穴を通して組
付けられる。また、固定部材106の穴部分には粘弾性
を持つ粘弾性材料109がワイヤばね103の固定部側
の根元部分の周りを囲むように抽入され、対物レンズ保
持部材102等による可動部110のフォーカシング方
向F及びトラッキング方向Tの制振を行っている。
【0004】基板107を通してフォーカシング駆動コ
イル104及びトラッキング駆動コイル105に電気を
流すことによって、対物レンズ101、対物レンズ保持
部材102、フォーカシング駆動コイル104、トラッ
キング駆動コイル105で構成される可動部110をフ
ォーカシング方向Fとトラッキング方向Tとの2軸方向
に移動することができる。なお、図8中、111はベー
ス、112は磁石、113はヨークであり、磁石11
2、ヨーク113、フォーカシング駆動コイル104及
びトラッキング駆動コイル105により駆動モータが構
成されている。
【0005】しかし、このようにフォーカシング駆動及
びトラッキング駆動を行なった時、組付け精度などの影
響で可動部110のバランスがとれていないと、可動部
110は2軸方向の並進運動のみではなく、T方向又は
F方向を中心として回転する共振を発生する。ここで、
T方向を中心とするフォーカシング駆動によって誘起さ
れる共振をピッチング共振、F方向を中心とするトラッ
キング駆動によって誘起される共振をヨーイング共振と
呼ぶ。ピッチング共振及びヨーイング共振の共振周波数
は、ワイヤばね103の伸び剛性、ワイヤばね103の
間隔、各々の回転軸周りの慣性モーメントによって変化
する。従って、これらの周波数がサーボの制御帯域に存
在すると安定したフォーカシング制御、トラッキング制
御が行えないという問題を有している。
【0006】このような課題を解決する提案例として、
特開平8−22626号公報に示される対物レンズ駆動
装置がある(第2の従来例)。これは、図9(なお、図
8の場合と対応する部分には同一符号を付して示す…図
10及び図11においても同様とする)に示すようにワ
イヤばね103の両端の保持部材115をワイヤばね1
03の軸方向に可動可能なヒンジ構造として、軸方向の
剛性を小さくしてピッチング共振又はヨーイング共振の
周波数を下げ、また、ヒンジ構造にはダンピング性を持
たせることにより共振のピーク値も低下させることがで
きる。しかし、このヒンジ構造は複雑で、信頼性に劣る
という問題がある。
【0007】また、薄型化するため、第2の従来例のよ
うに磁気回路116と対物レンズ101の光軸方向と垂
直な面から入射された光束を対物レンズ101の光軸方
向に向きを変える立上げプリズム(図示せず)とを、対
物レンズ101の光軸と垂直な略同一面に配置するため
に、対物レンズ101の光軸がワイヤばね103の支持
中心からオフセットし片持ち支持される構成では、特に
ピッチング共振、ヨーイング共振による悪影響が発生す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この点、構造が簡単な
従来例として特開平8−263860号公報に示される
対物レンズ駆動装置がある(第3の従来例)。これは図
10に示すように、基板107のワイヤばね103が固
定される領域を、固定部材106に対して非固定にして
ワイヤばね103の軸方向に自由度を持たせ、ピッチン
グ共振、ヨーイング共振の周波数を及び、ピーク値を管
理している。
【0009】さらに、制御帯域に対してピッチング共振
周波数を低域側に移動し、ヨーイング周波数を高域側に
するものが、特開平5−266507号公報に示されて
いる(第4の従来例)。これは、基板107を図11に
示すように両側の切欠溝116によりトラッキング方向
Tと平行なY軸回りの回転方向にのみ変位しやすくし、
フォーカシング方向Fと平行な軸回りには変位しにくく
することで、ピッチング共振周波数を低域に移動させ、
ヨーイング共振周波数をほとんど変化させないようにし
たものである。
【0010】これらの第3,第4の従来例では、弾性部
材としてフレキシブル基板やガラエポ基板などを用いる
が、この場合、柔らかすぎ、或いは硬すぎにより振動数
の設計に自由度がなく、制振効果がうまく得られなかっ
たり、対物レンズの位置決め精度が低下する等の不具合
がある。
【0011】そこで、本発明は、通電を目的としたフレ
キシブル基板を固定部材に固定し、その固定部材を振動
可能に形成することで、第3又は第4の従来例の場合と
同様にヨーイング、ピッチングを抑制し得る対物レンズ
駆動装置を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明は、固定部材をトラッキング
方向に平行な軸回りの回転方向のみに変位しやすく形成
し、可動部分の重心をトラッキング駆動力の中心に一致
させることにより、ヨーイング、ピッチングを抑制し得
る対物レンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0013】同様に、本発明は、固定部材をフォーカシ
ング方向に平行な軸回りの回転方向のみに変位しやすく
形成し、可動部分の重心をフォーカシング駆動力の中心
に一致させることにより、ヨーイング、ピッチングを抑
制し得る対物レンズ駆動装置を提供することを目的とす
る。
【0014】さらに、これらの場合に、バランス調整が
容易な上に可動部の軽量化を図れる対物レンズ駆動装置
を提供することを目的とする。
【0015】加えて、このような固定部材を精度よく容
易に形成し得る対物レンズ駆動装置を提供することを目
的とする。
【0016】さらには、温度変化があっても特性に悪影
響を及ぼすことのない固定部材を備えた対物レンズ駆動
装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
光スポットを形成する対物レンズと、この対物レンズを
保持する対物レンズ保持部材と、この対物レンズ保持部
材を基台に対してフォーカシング方向とトラッキング方
向との2軸方向に移動可能に支持する数本の棒状弾性支
持部材と、前記対物レンズ保持部材に設けられて前記対
物レンズを前記フォーカシング方向と前記トラッキング
方向とに変位させるためのフォーカシング駆動コイル及
びトラッキング駆動コイルと、前記棒状弾性支持部材を
支持するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板が
固定されて前記基台に立設された固定部材とを備えた対
物レンズ駆動装置において、前記固定部材が前記棒状弾
性支持部材の軸方向に弾性を持つ構造とされている。
【0018】従って、固定部材が棒状弾性支持部材の軸
方向に弾性を持つ構造にすることによってピッチングや
ヨーイングなどの可動部の回転方向の剛体モードの共振
を抑制できる。即ち、基板はフレキシブル基板であり、
固定部材の弾性変形に追従し得るので、固定部材自身を
棒状弾性支持部材の軸方向に変位しやすく形成すること
により、フレキシブル基板に特殊な細工をすることなく
目的を達成できる。
【0019】請求項2記載の発明は、請求項1記載の対
物レンズ駆動装置において、前記固定部材は、前記棒状
弾性支持部材を支持するとともに、前記棒状弾性支持部
材のフォーカシング方向とトラッキング方向との振動を
減衰させるための粘弾性材料を保持する。
【0020】従って、固定部材は、棒状弾性支持部材の
フォーカシング方向とトラッキング方向又はローリング
モードの共振(ジッタ方向の軸を中心とする回転方向の
モード)を主として制振する目的で使用される粘弾性材
料の保持機能も兼ねることが可能になる。
【0021】請求項3記載の発明は、光スポットを形成
する対物レンズと、この対物レンズを保持する対物レン
ズ保持部材と、この対物レンズ保持部材を基台に対して
フォーカシング方向とトラッキング方向との2軸方向に
移動可能に支持する数本の棒状弾性支持部材と、前記対
物レンズ保持部材に設けられて前記対物レンズを前記フ
ォーカシング方向と前記トラッキング方向とに変位させ
るためのフォーカシング駆動コイル及びトラッキング駆
動コイルと、前記棒状弾性支持部材を支持するフレキシ
ブル基板と、このフレキシブル基板が固定されて前記基
台に立設された固定部材とを備えた対物レンズ駆動装置
において、前記固定部材はトラッキング方向に平行な軸
回りの回転方向に変位しやい構造に形成されており、前
記棒状弾性支持部材で支持されている可動部分の重心が
トラッキング駆動力の中心と略一致している。
【0022】従って、固定部材はトラッキング方向に平
行な軸回りの回転方向のみに変位しやい構造に形成され
ており、棒状弾性支持部材で支持されている可動部分の
重心がトラッキング駆動力の中心と一致していることに
よって、ヨーイングはトラッキング方向の推力中心と重
心を一致させることによって抑制し、ピッチングを固定
部材の制振効果によって抑制することができる。
【0023】請求項4記載の発明は、請求項3記載の対
物レンズ駆動装置において、前記トラッキング駆動コイ
ルはフォーカシング駆動コイルよりも前記対物レンズに
近接させて配置されている。
【0024】従って、フォーカシング駆動コイルをトラ
ッキング駆動コイルよりも対物レンズ側に配置させた場
合よりも可動部の重心位置は、フォーカシング駆動コイ
ルとトラッキング駆動コイルの厚みの半分だけ対物レン
ズ側でよいことになるのでバランスをとることが容易と
なり、結果的に可動部を軽量に構成することが可能とな
る。
【0025】請求項5記載の発明は、光スポットを形成
する対物レンズと、この対物レンズを保持する対物レン
ズ保持部材と、この対物レンズ保持部材を基台に対して
フォーカシング方向とトラッキング方向との2軸方向に
移動可能に支持する数本の棒状弾性支持部材と、前記対
物レンズ保持部材に設けられて前記対物レンズを前記フ
ォーカシング方向と前記トラッキング方向とに変位させ
るためのフォーカシング駆動コイル及びトラッキング駆
動コイルと、前記棒状弾性支持部材を支持するフレキシ
ブル基板と、このフレキシブル基板が固定されて前記基
台に立設された固定部材とを備えた対物レンズ駆動装置
において、前記固定部材は前記対物レンズの光軸に平行
な軸回りの回転方向に変位しやすい構造に形成されてお
り、前記棒状弾性支持部材で支持されている可動部分の
重心がフォーカシング駆動力の中心と略一致している。
【0026】従って、固定部材は対物レンズの光軸に平
行な軸回りの回転方向のみに変位しやい構造に形成され
ており、棒状弾性支持部材で支持されている可動部分の
重心がフォーカシング駆動力の中心と一致していること
によって、ピッチングはフォーカシング方向の駆動力の
中心と重心を一致させることによって抑制し、ヨーイン
グを固定部材の制振効果によって抑制することができ
る。
【0027】請求項6記載の発明は、請求項5記載の対
物レンズ駆動装置において、前記フォーカシング駆動コ
イルは前記トラッキング駆動コイルよりも前記対物レン
ズに近接させて配置されている。
【0028】従って、トラッキング駆動コイルをフォー
カシング駆動コイルよりも対物レンズ側に配置させた場
合よりも可動部の重心位置は、フォーカシング駆動コイ
ルとトラッキング駆動コイルの厚みの半分だけ対物レン
ズ側でよいことになるのでバランスをとることが容易と
なり、結果的に可動部を軽量に構成することが可能とな
る。
【0029】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
の何れか一に記載の対物レンズ駆動装置において、前記
固定部材の材料が樹脂である。
【0030】従って、固定部材を容易に、かつ、精度良
く形成することができる。
【0031】請求項8記載の発明は、請求項7記載の対
物レンズ駆動装置において、前記樹脂がポリカーボネイ
トである。
【0032】従って、光ディスクの内部の温度変化があ
っても振動する部材の弾性係数が変化しにくいことによ
って特性に悪影響を及ぼすことのない固定部材を提供す
ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図3に基づいて説明する。本実施の形態はピッチ
ング及びヨーイングを固定部材の制振により対処した対
物レンズ駆動装置である。
【0034】対物レンズ1を保持する対物レンズ保持部
材2が棒状弾性支持部材としての4本のワイヤばね3に
よってフォーカシング方向及びトラッキング方向の2軸
方向に弾性的に支持されており、対物レンズ保持部材2
にはフォーカシング駆動コイル4及びトラッキング駆動
コイル5が固定されている。
【0035】フォーカシング駆動コイル4とトラッキン
グ駆動コイル5を挟んで両側には所定の間隙をあけて磁
石6がベース(基台)7に直立しているヨーク8に固定
されている。磁石6は図2中に矢印で示すようにジッタ
方向(X軸方向)に着磁されており、その着磁方向はフ
ォーカシング方向(Y軸方向)の略中心に位置するトラ
ッキング方向(Z軸方向)の着磁境界線6aを境に反対
方向に着磁されている。
【0036】フォーカシング駆動コイル4は図2に示す
ようにジッタ方向(X軸方向)に平行な軸を中心として
巻線され、トラッキング方向(Z軸方向)に電流が流れ
る上下の部分は磁石6の着磁境界線6aを跨いでジッタ
方向(X軸方向)で反対方向の磁束が貫くように配置さ
れている。また、トラッキング駆動コイル5はジッタ方
向(X軸方向)と平行な軸を中心として巻線され、フォ
ーカシング方向(Y軸方向)とトラッキング方向(Z軸
方向)とを含む同一面上に上下左右に合計4個が並べら
れており、各々のトラッキング駆動コイル5はフォーカ
シング方向(Y軸方向)に電流が流れる内側のみが磁石
6の磁束が貫き、フォーカシング方向(Y軸方向)に電
流が流れる外側の部分には磁石6の磁束が貫かないよう
に配置されている。さらに、これらのフォーカシング駆
動コイル4、トラッキング駆動コイル5の両端は各々4
本のワイヤばね3の一端に電気的に結線されている。
【0037】ワイヤばね3の他端は固定部材9に接着固
定されたフレキシブル基板10上に配線されたランド部
に固定されている。通電を目的としたこのフレキシブル
基板10を通してフォーカシング駆動コイル4及びトラ
ッキング駆動コイル5に電流を流すことによって、対物
レンズ1、対物レンズ保持部材2、フォーカシング駆動
コイル4及びトラッキング駆動コイル5で構成される可
動部11をフォーカシング方向とトラッキング方向との
2軸方向に移動させることができる。
【0038】ここで、フォーカシング駆動力又はトラッ
キング駆動力の位置にずれがあるために、可動部11の
重心と完全に一致させることは不可能である。このた
め、従来の技術欄において説明したように、フォーカシ
ング方向を軸とした回転方向の共振(ヨーイング)とト
ラッキング方向を軸とした回転方向の共振(ピッチン
グ)が発生する。
【0039】この点、本実施の形態では、固定部材9を
図1に示すようにワイヤばね3の軸方向に変位しやすい
形状に形成することによって、これらの共振による悪影
響をなくすようにしている。即ち、固定部材9は、図1
(a)に示すように、平面的に見てベース7側に対する
連結部分を幅狭に形成することで左右両側が矢印で示す
方向に変形しやすい構造(フォーカシング方向の軸を中
心とした回転方向に変動しやすい形状)を有するととも
に、図1(b)に示すように、側面的に見て厚みを異な
らせることで一方のワイヤばね3部分に対して他方のワ
イヤばね3部分が矢印で示す方向に変形しやすい構造
(トラッキング方向の軸を中心とした回転方向に変動し
やすい形状)を有する。
【0040】この効果は図3に示す可動部回転系の応答
曲線を見ることにより確認できる。即ち、ワイヤばね3
の軸方向に固定部材9が振動する場合では大きな共振ピ
ークが4〜5kHzに存在する。しかし、固定部材9を
振動させることによって、共振の数は増えるが、ピーク
は小さくなり制御に悪影響を及ぼし難くなる。
【0041】本実施の形態のようにワイヤばね3で可動
部11支持する構成の対物レンズ駆動装置においては、
ワイヤばね3の根元に粘弾性材料を備えることにより、
フォーカシング方向とトラッキング方向との2軸方向の
並進モードの共振、さらにはジッタ方向を軸とする回転
モードであるローリング共振とを減衰することが多く行
われる。本実施の形態ではワイヤばね3を支持し、その
軸方向に振動する固定部材9が粘弾性材料であるダンパ
ゲル12を保持している。
【0042】ここで、固定部材9の弾性係数が異なると
制振機構への悪影響がある。従って、固定部材9は精度
良く形成することが必要であり、また、光ディスクドラ
イブ内の温度変化によって弾性係数が変化しないために
固定部材9の材質は樹脂、特にポリカーボネイトで形成
されている。固定部材の材料が樹脂である。
【0043】本発明の第二の実施の形態を図4及び図5
に基づいて説明する。なお、第一の実施の形態で示した
部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略す
る(以降の実施の形態でも同様とする)。第一の実施の
形態の場合、ベース7に対して固定部材9は2軸方向に
変動する構造になっている。従って、ベース7に対する
位置決め精度が低下すること、若しくは経時変化により
ベースに対する位置がずれてしまうことが懸念される。
また、レイアウト上、2軸方向に変動する構造をとるこ
とが難しい場合も考えられる。
【0044】本実施の形態は、このような点を考慮した
ものである。即ち、本実施の形態はピッチング共振を固
定部材の制振効果により抑制し、トラッキング方向の駆
動力の中心と可動部11の重心とを一致させてヨーイン
グ共振を発生させないようにした対物レンズ駆動装置で
ある。
【0045】可動部11、モータの構成は第一の実施の
形態の場合と同じである。但し、図5に示すように可動
部11のジッタ方向の重心位置をトラッキング駆動力
(トラッキング駆動コイル5)の中心に一致させてあ
る。そして、図3に示すように可動部11がトラッキン
グ方向の軸を中心とした回転方向に振動するピッチング
の共振を発生した場合、固定部材9もやはりトラッキン
グ方向の軸を中心とした回転方向に変動しやすい形状に
形成してある。これによって、第一の実施の形態の場合
と同様な効果により、ピッチング共振による悪影響をな
くすことが可能である。
【0046】さらに、トラッキング駆動コイル5をフォ
ーカシング駆動コイル4よりも対物レンズ1側に配置す
ることにより、可動部11の重心は両者のコイルの厚さ
の半分だけ、対物レンズ1側に位置することになる。特
に本実施の形態で示すように対物レンズ1を対物レンズ
保持部材2により片側から支持するような構造の対物レ
ンズ駆動装置の場合、駆動モータを挟んで対物レンズ1
とその反対側では対物レンズ1側が重たくなるのでバラ
ンスを調整することが容易となる。
【0047】本発明の第三の実施の形態を図6及び図7
に基づいて説明する。本実施の形態はヨーイング共振を
固定部材9の制振効果により抑制し、フォーカシング方
向の駆動力の中心と可動部11の重心とを一致させてピ
ッチング共振を発生させないようにした対物レンズ駆動
装置である。
【0048】可動部11、駆動モータの構成は第一の実
施の形態の場合と同じである。但し、図7に示すよう
に、可動部11のジッタ方向の重心位置をフォーカシン
グ駆動力(フォーカシング駆動コイル4)の中心に一致
させてある。そして、図6に示すように可動部11がフ
ォーカシング方向の軸を中心とした回転方向に振動する
ヨーイングの共振を発生した場合、固定部材9もやはり
フォーカシング方向の軸を中心とした回転方向に変動し
やすい形状に形成されている。これによって、第一の実
施の形態の場合と同様な効果により、ヨーイング共振に
よる悪影響をなくすことが可能である。
【0049】さらに、フォーカシング駆動コイル4はト
ラッキング駆動コイル5よりも対物レンズ1側に配置さ
れており、可動部11の重心は両者のコイルの厚さの半
分だけ、対物レンズ1側に位置することになる。特に、
本実施の形態で示したように対物レンズ1を対物レンズ
保持部材2により片側から支持するような構造の対物レ
ンズ駆動装置の場合、駆動モータを挟んで対物レンズ1
とその反対側では対物レンズ1側が重たくなるのでバラ
ンスを調整することが容易となる。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、可動部を
支持する棒状弾性支持部材を固定する基板をフレキシブ
ル基板で形成し、それを固定部材に直接固定する構造に
おいて、固定部材が棒状弾性支持部材の軸方向に弾性を
持つ構造とすることで、ピッチングやヨーイングなどの
可動部の回転方向の剛体モードの共振を抑制することが
できる。
【0051】請求項2記載の発明によれば、固定部材
に、棒状弾性支持部材のフォーカシング方向とトラッキ
ング方向又はローリングモードの共振(ジッタ方向の軸
を中心とする回転方向のモード)を主として制振する目
的で使用される粘弾性材料の保持機能も兼用させること
が可能になる。
【0052】請求項3記載の発明によれば、可動部を支
持する棒状弾性支持部材を固定する基板をフレキシブル
基板で形成し、それを固定部材に直接固定する構造にお
いて、固定部材はトラッキング方向に平行な軸回りの回
転方向のみに変位しやい構造に形成されており、かつ、
棒状弾性支持部材で支持されている可動部分の重心をト
ラッキング駆動力の中心に一致させているので、ヨーイ
ングはトラッキング方向の推力中心と重心を一致させる
ことによって抑制し、ピッチングを固定部材の制振効果
によって抑制することができる。
【0053】請求項4記載の発明によれば、トラッキン
グ駆動コイルをフォーカシング駆動コイルよりも対物レ
ンズに近接させて配置させたので、フォーカシング駆動
コイルをトラッキング駆動コイルよりも対物レンズ側に
配置させた場合よりも可動部の重心位置は、フォーカシ
ング駆動コイルとトラッキング駆動コイルの厚みの半分
だけ対物レンズ側でよいことになるのでバランスをとる
ことが容易となり、結果的に可動部を軽量に構成するこ
とが可能となる。
【0054】請求項5記載の発明によれば、可動部を支
持する棒状弾性支持部材を固定する基板をフレキシブル
基板で形成し、それを固定部材に直接固定する構造にお
いて、固定部材は対物レンズの光軸に平行な軸回りの回
転方向のみに変位しやい構造に形成されており、かつ、
棒状弾性支持部材で支持されている可動部分の重心をフ
ォーカシング駆動力の中心に一致させているので、ピッ
チングはフォーカシング方向の駆動力の中心と重心を一
致させることによって抑制し、ヨーイングを固定部材の
制振効果によって抑制することができる。
【0055】請求項6記載の発明によれば、フォーカシ
ング駆動コイルをトラッキング駆動コイルよりも対物レ
ンズに近接させて配置させているので、トラッキング駆
動コイルをフォーカシング駆動コイルよりも対物レンズ
側に配置させた場合よりも可動部の重心位置は、フォー
カシング駆動コイルとトラッキング駆動コイルの厚みの
半分だけ対物レンズ側でよいことになるのでバランスを
とることが容易となり、結果的に可動部を軽量に構成す
ることが可能となる。
【0056】請求項7記載の発明によれば、固定部材の
材料が樹脂であるので、固定部材を容易、かつ、精度良
く形成することができる。
【0057】請求項8記載の発明によれば、固定部材の
材料である樹脂がポリカーボネイトであるので、光ディ
スクの内部の温度変化があっても振動する部材の弾性係
数が変化しにくいことによって特性に悪影響を及ぼすこ
とのない固定部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の対物レンズ駆動装
置を示し、(a)は平面図、(b)はその縦断側面図で
ある。
【図2】その駆動モータ部分の一部の分解斜視図であ
る。
【図3】可動部回転系の応答曲線を示す特性図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態の対物レンズ駆動装
置を示し、(a)は平面図、(b)はその縦断側面図で
ある。
【図5】その駆動力中心と支持中心との位置関係を示す
説明図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態の対物レンズ駆動装
置を示し、(a)は平面図、(b)はその縦断側面図で
ある。
【図7】その駆動力中心と支持中心との位置関係を示す
説明図である。
【図8】第1の従来例の対物レンズ駆動装置の構成例を
示す側面図である。
【図9】第2の従来例の対物レンズ駆動装置の構成例を
示す斜視図である。
【図10】第3の従来例の対物レンズ駆動装置の構成例
を示す平面図である。
【図11】第4の従来例の対物レンズ駆動装置の構成例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ 2 対物レンズ保持部材 3 棒状弾性支持部材 4 フォーカシング駆動コイル 5 トラッキング駆動コイル 7 基台 9 固定部材 10 フレキシブル基板 11 可動部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光スポットを形成する対物レンズと、 この対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と、 この対物レンズ保持部材を基台に対してフォーカシング
    方向とトラッキング方向との2軸方向に移動可能に支持
    する数本の棒状弾性支持部材と、 前記対物レンズ保持部材に設けられて前記対物レンズを
    前記フォーカシング方向と前記トラッキング方向とに変
    位させるためのフォーカシング駆動コイル及びトラッキ
    ング駆動コイルと、 前記棒状弾性支持部材を支持するフレキシブル基板と、 前記フレキシブル基板が固定されて前記基台に立設され
    た固定部材とを備えた対物レンズ駆動装置において、 前記固定部材が前記棒状弾性支持部材の軸方向に弾性を
    持つ構造とされていることを特徴とする対物レンズ駆動
    装置。
  2. 【請求項2】 前記固定部材は、前記棒状弾性支持部材
    を支持するとともに、前記棒状弾性支持部材のフォーカ
    シング方向とトラッキング方向との振動を減衰させるた
    めの粘弾性材料を保持することを特徴とする請求項1記
    載の対物レンズ駆動装置。
  3. 【請求項3】 光スポットを形成する対物レンズと、 この対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と、 この対物レンズ保持部材を基台に対してフォーカシング
    方向とトラッキング方向との2軸方向に移動可能に支持
    する数本の棒状弾性支持部材と、 前記対物レンズ保持部材に設けられて前記対物レンズを
    前記フォーカシング方向と前記トラッキング方向とに変
    位させるためのフォーカシング駆動コイル及びトラッキ
    ング駆動コイルと、 前記棒状弾性支持部材を支持するフレキシブル基板と、 このフレキシブル基板が固定されて前記基台に立設され
    た固定部材とを備えた対物レンズ駆動装置において、 前記固定部材はトラッキング方向に平行な軸回りの回転
    方向に変位しやい構造に形成されており、前記棒状弾性
    支持部材で支持されている可動部分の重心がトラッキン
    グ駆動力の中心と略一致していることを特徴とする対物
    レンズ駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記トラッキング駆動コイルはフォーカ
    シング駆動コイルよりも前記対物レンズに近接させて配
    置されていることを特徴とする請求項3記載の対物レン
    ズ駆動装置。
  5. 【請求項5】 光スポットを形成する対物レンズと、 この対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と、 この対物レンズ保持部材を基台に対してフォーカシング
    方向とトラッキング方向との2軸方向に移動可能に支持
    する数本の棒状弾性支持部材と、 前記対物レンズ保持部材に設けられて前記対物レンズを
    前記フォーカシング方向と前記トラッキング方向とに変
    位させるためのフォーカシング駆動コイル及びトラッキ
    ング駆動コイルと、 前記棒状弾性支持部材を支持するフレキシブル基板と、 このフレキシブル基板が固定されて前記基台に立設され
    た固定部材とを備えた対物レンズ駆動装置において、 前記固定部材は前記対物レンズの光軸に平行な軸回りの
    回転方向に変位しやすい構造に形成されており、前記棒
    状弾性支持部材で支持されている可動部分の重心がフォ
    ーカシング駆動力の中心と略一致していることを特徴と
    する対物レンズ駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記フォーカシング駆動コイルは前記ト
    ラッキング駆動コイルよりも前記対物レンズに近接させ
    て配置されていることを特徴とする請求項5記載の対物
    レンズ駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記固定部材の材料が樹脂であることを
    特徴とする請求項1ないし6の何れか一に記載の対物レ
    ンズ駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記樹脂がポリカーボネイトであること
    を特徴とする請求項7記載の対物レンズ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009116957A (ja) * 2007-11-07 2009-05-28 Hitachi Media Electoronics Co Ltd 対物レンズアクチュエータ

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