JP4064731B2 - 対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクドライブ又は光磁気ディスクドライブの対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスク装置では、レーザ光を光ディスクに照射し、その反射光を識別することによって情報を読取っている。ここで、光ディスク装置の光ピックアップ装置中に搭載されている対物レンズ駆動装置は、光ディスクの反射光から得られる制御信号を用いて、対物レンズを光ディスクの面振れや偏芯などの動きに追従するようにサーボ制御することにより、フォーカス方向とトラッキング方向とに駆動し、光ディスクの記録面上にスポットが良好に形成するようにしている。
【0003】
近年、光ディスクの高密度化により小さなスポットを形成することが必要となってきており、このためには対物レンズのNA(開口数)を大きくするか、レーザ光の波長を短くすることが考えられる。ここで、NAを大きくしたり、レーザ光の波長を短くすると、対物レンズの光軸と光ディスクとの垂直度がずれることにより、コマ収差が発生し易くなり、スポットの品質が劣化する、これによって当然、記録、再生品質が劣化してしまうという問題が生じる。そのため、高密度化のためには光ディスクと対物レンズとの傾き(チルト)の精度向上が必要となってくる。
【0004】
一方、光ディスクの高密度化に伴い、大容量のデータを扱うにあたって、記録、再生も高速に行うことが望まれるため、光ディスクを高速回転させる必要がある。面振れや、偏芯が存在する光ディスクを高速回転させた場合、加速度は非常に大きくなり、光ディスクに対物レンズを精度良く追従させるためには大きな駆動力を発生させることできる対物レンズ駆動装置が必要になってくる。
【0005】
ところで、光ディスクと対物レンズとの傾きを補正するには幾つかの方式があるが、低コスト性を備えた方式として、対物レンズを光ディスクの傾きに追従させる以下のような方式が挙げられる。
【0006】
第1の例として、例えば、特開平10−275354号公報に示される対物レンズ駆動装置の例がある。これは、対物レンズを支持する一対の支持部材を、対物レンズ光軸に直交する略一つの平面内に配設し、一対の支持部材の各々の支持部材の一端を対物レンズに固定し、他端を固定部に固定することにより構成され、対物レンズがタンジェンシャル回転方向の剛性に関しては、各々の支持部材の一端側の方が、他端側に比べて小さい剛性となるように設定されている。また、可動部には駆動マグネットが固定されており、固定部に配置されているフォーカス駆動コイル、トラック駆動コイル、ラジアル駆動コイル、タンジェンシャル駆動コイル各々に電流を流すことにより対物レンズを含む可動部を4軸方向に駆動することができるように構成されている。
【0007】
このように構成にすることにより、可動部をフォーカス方向に駆動した時のタンジェンシャル回転方向へのクロスアクションを低減することが可能とされている。
【0008】
第2の例として、例えば、特開平11−283258号公報に示される対物レンズ駆動装置の例がある。これは、トラック方向及びフォーカス方向に相互に所定の間隔を隔てて、各々支持部材側からジッタ方向を向いてほぼ平行に延在する4本のばね部材を介して懸架支持した対物レンズを保持するレンズホルダと、支持部材側に配設され磁化の向きがX軸と平行な永久磁石と、レンズホルダ側に、Y軸と平行な軸線上で隣接してフォーカス方向の軸周りに個別に巻回して配設され、各々Y軸と平行な一方の辺が永久磁石の磁極面に対向する、ラジアルチルト補正用、若しくはラジアルチルト補正とフォーカス駆動との兼用の一対のコイルとを有する構成とされている。
【0009】
第3の例として、例えば、特開平11−316963号公報に示される対物レンズ駆動装置の例がある。この例は、図16を参照して説明すると、対物レンズ100の傾きを調整する駆動手段(永久磁石+コイル)101を備える構成に関して、対物レンズ支持部材102を支持する4本の棒状弾性支持部材(第1の弾性部材)103の他端を固定支持する可動部材104と、この可動部材104をサスペンションホルダ(固定部材)105に対して弾性支持する板ばね(第2の弾性部材)106とを備え、この第2の弾性部材106を中心に対称位置となる二箇所に駆動手段101を各々配設し、これらの駆動手段101により各々同一方向の駆動力を発生させて可動部材104を第2の弾性部材106の曲げ方向に変位させて対物レンズ100のタンジェンシャル方向の傾き調整を行うとともに、駆動手段101により各々異方向の駆動力を発生させて可動部材104を第2の弾性部材106のねじり方向に変位させて対物レンズ100のラジアル方向の傾き調整を行うようにしたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平10−275354号公報に示される第1の例の場合、可動部側の棒状部材の取付け部のタンジェンシャルチルト方向の回転剛性を管理するのが難しい。さらに、2本のワイヤで可動部を支持しているために、ムービングコイル方式では可動部への電流の配線が不足する。従って、この第1の例は、ムービングマグネット方式でしか採用することができない。
【0011】
ムービングマグネット方式は可動部に磁石を搭載しているために、可動部の質量が増加し、加速度感度が小さくなるため、高速で回転するメディアには追従することが難しくなってくる。ムービングコイル方式では感度を増加させるためには磁石を大きくすることでコイルを貫く磁束密度を増加させることができるが、ムービングマグネットでは磁石を大きくすると可動部の質量が増加してしまうために感度を増加させることが難しい。従って、メディアの面振れ、偏芯、及び、周内チルト変動に追従できる加速度を十分確保できないという問題がある。
【0012】
また、特開平11−283258号公報に示される第2の例の場合、可動部にフォーカス方向、トラック方向に加えてチルト方向の駆動も付加する必要があるため、フォーカス、トラック方向の加速度特性や振動特性は、チルト駆動がない場合に比較して悪化してしまう。また、チルト駆動するためにはコイルや磁気回路のレイアウトの制約が発生してしまう。
【0013】
一方、特開平11−316963号公報に示される第3の例によれば、可動部にチルト駆動部を設けなくて良いので、フォーカス、トラッキング制御特性は第1、第2の例より有利となる。ところが、フォーカシング、トラッキングの低域感度を確保するため、第1の弾性部材103のラジアルチルト方向の剛性はそれほど高くできない。そのため、対物レンズ支持部材102をラジアルチルト駆動しても、対物レンズ支持部材102にはその駆動力が伝わりにくい。即ち、メディアが高速回転(例えば、150Hz相当以上)した場合、追従できなくなってしまう。
【0014】
本発明の目的は、対物レンズ等を有する可動部に負荷を与えることなく、簡単な構成で、タンジェンシャル方向やラジアル方向のチルト補正を追従性よく行うことができ、高密度化に対応できるようにすることである。
【0015】
本発明の目的は、チルト補正動作に伴う駆動軸方向間のクロスアクションを低減させることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の対物レンズ駆動装置は、光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、フォーカス方向の異なる位置でこのフォーカス方向に直交する各々の平面上に配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向とトラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、を備え、前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を、前記フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させて前記対物レンズのタンジェンシャルチルトを補正するようにしたチルト補正用駆動部を前記固定部側に設ける
【0017】
従って、固定部側に固定される棒状弾性支持部材の他端側端部を、フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させることにより、棒状弾性支持部材の一端側に支持されている可動部側をタンジェンシャル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズのタンジェンシャルチルトの補正が可能となる。このためにも、棒状弾性支持部材の固定部側に固定される他端側端部を可動的とし、その駆動源を備えればよいので、可動部に対して負荷を与えることなくタンジェンシャルチルトの補正を実現できる。また、棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位させることによりタンジェンシャルチルトの補正を行うことで、棒状弾性支持部材の一端側に支持された可動部側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるタンジェンシャルチルト補正が可能となる。
【0018】
請求項2記載の発明の対物レンズ駆動装置は、光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、フォーカス方向の異なる位置でこのフォーカス方向に直交する各々の平面上に配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向とトラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、 前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位可能に支持する可動部材と、前記固定部側に設けられて、前記可動部材を介して前記棒状弾性支持部材を前記棒状長手方向に変位させるチルト補正用駆動源と、を備える。
【0019】
従って、固定部側に固定される棒状弾性支持部材の他端側端部を可動部材によりその棒状長手方向に変位可能に支持し、チルト補正用駆動源により可動部材を介して、フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させることにより、棒状弾性支持部材の一端側に支持されている可動部側をタンジェンシャル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズのタンジェンシャルチルトの補正が可能となる。このためにも、棒状弾性支持部材の固定部側に固定される他端側端部を可動部材により可動的とし、そのチルト補正用駆動源を備えればよいので、可動部に対して負荷を与えることなくタンジェンシャルチルトの補正を実現できる。また、棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位させることによりタンジェンシャルチルトの補正を行うことで、棒状弾性支持部材の一端側に支持された可動部側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるタンジェンシャルチルト補正が可能となる。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の対物レンズ駆動装置において、前記フォーカス方向の異なる位置に配設された前記棒状弾性支持部材のうち、前記対物レンズの主点に近い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量を前記対物レンズの主点に遠い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量よりも小さくした。
【0021】
従って、タンジェンシャルチルトの補正動作に伴い対物レンズがジッタ方向にずれてしまうジッタ方向クロスアクションが生じ得るが、対物レンズの主点に近い方の棒状弾性支持部材の棒状長手方向の変位量を対物レンズの主点に遠い方の棒状弾性支持部材の記棒状長手方向の変位量よりも小さくすることで、極力、対物レンズの主点近傍を回動中心としてタンジェンシャルチルト補正用の変位動作を行わせることができ、ジッタ方向クロスアクションも軽減させることができる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の対物レンズ駆動装置において、前記チルト補正用駆動源による駆動量の調整により前記対物レンズの主点に近い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量が小さくなるようにした。
【0023】
従って、請求項3記載の発明を実現する上で、例えば、可動部材の強度の強弱等により変位量に差を持たせることでも実現可能であるが、チルト補正用駆動源による駆動量の調整によれば、より簡単に実現できる。
【0024】
請求項5記載の発明の対物レンズ駆動装置は、光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、前記対物レンズの主点を通り前記フォーカス方向に直交する第1の平面とこの第1の平面とは前記フォーカス方向の異なる位置で前記フォーカス方向に直交する第2の平面との各々の平面上に配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向とトラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、前記第2の平面上に配設されて前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材のみの他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位可能に支持する可動部材と、前記固定部側に設けられて、前記可動部材を介して前記棒状弾性支持部材を前記棒状長手方向に変位させるチルト補正用駆動源と、を備える。
【0025】
従って、基本的には、請求項2記載の発明の場合と同様に作用する。ここに、タンジェンシャルチルトの補正動作に伴い対物レンズがジッタ方向にずれてしまうジッタ方向クロスアクションが生じ得るが、フォーカス方向の異なる位置のうちの一方を対物レンズの主点を通りフォーカス方向に直交する第1の平面上に設定し、この第1の平面上の棒状弾性支持部材は棒状長手方向に固定的とし、別の第2の平面上に配設させた棒状弾性支持部材のみを可動部材により棒状長手方向に変位可能とすることで、対物レンズの主点近傍を回動中心としてタンジェンシャルチルト補正用の変位動作を行わせることができ、よって、ジッタ方向クロスアクションを防止できる。
【0026】
請求項6記載の発明の対物レンズ駆動装置は、光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、フォーカス方向の異なる位置でこのフォーカス方向に直交する各々の平面上に対物レンズ光軸を通りトラッキング方向に直交するジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜させて配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向と前記トラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、を備え、前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を、前記トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、前記フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材を組として組同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させて前記対物レンズのラジアルチルトを補正するようにしたチルト補正用駆動部を前記固定部側に設ける
【0027】
従って、固定部側に固定される棒状弾性支持部材の他端側端部を、トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材を組として組同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させることにより、フォーカス方向に直交する平面上で傾斜状態で配設された棒状弾性支持部材は可動部に対してトラッキング方向の成分を持つ変位力を作用させるが、ジッタ方向に見た場合、可動部をラジアルチルト方向に回転させるモーメントとなるので、棒状弾性支持部材の一端側に支持されている可動部側をラジアル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズのラジアルチルトの補正が可能となる。このためにも、棒状弾性支持部材をフォーカス方向に直交する平面上でレンズ中心を通るジッタ方向の直線に対して対称状態で傾斜配置させ、かつ、固定部側に固定される他端側端部を可動的とし、その駆動源を備えればよいので、可動部に対して負荷を与えることなくラジアルチルトの補正を実現できる。また、棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位させることによりラジアルチルトの補正を行うことで、棒状弾性支持部材の一端側に支持された可動部側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるラジアルチルト補正が可能となる。
【0028】
請求項7記載の発明の対物レンズ駆動装置は、光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、フォーカス方向の異なる位置でこのフォーカス方向に直交する各々の平面上に対物レンズ光軸を通りトラッキング方向に直交するジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜させて配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向と前記トラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、を備え、前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を、前記トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、前記フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材を組として組同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させて前記対物レンズのラジアルチルトを補正するようにしたチルト補正用駆動部を前記固定部側に設ける
【0029】
従って、フォーカス方向に直交する平面上で傾斜状態で配設されて固定部側に固定される棒状弾性支持部材の他端側端部を、トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材を組として組同士についてその棒状長手方向へのオフセットのさせ方を異ならせることにより、対物レンズのタンジェンシャルチルトの補正とラジアルチルトの補正とがともに可能となる。このためにも、棒状弾性支持部材をフォーカス方向に直交する平面上でレンズ中心を通るジッタ方向の直線に対して対称状態で傾斜配置させ、かつ、固定部側に固定される他端側端部を可動的とし、その駆動源を備えればよいので、可動部に対して負荷を与えることなくタンジェンシャルチルト及びラジアルチルトの補正を実現できる。また、棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位させることによりタンジェンシャルチルト及びラジアルチルトの補正を行うことで、棒状弾性支持部材の一端側に支持された可動部側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるタンジェンシャルチルト及びラジアルチルト補正が可能となる。
【0030】
請求項8記載の発明の対物レンズ駆動装置は、光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、フォーカス方向の異なる位置でこのフォーカス方向に直交する各々の平面上に対物レンズ光軸を通りトラッキング方向に直交するジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜させて配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向と前記トラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位可能に支持する可動部材と、前記固定部側に設けられて、前記可動部材を介して前記棒状弾性支持部材を前記棒状長手方向に変位させるチルト補正用駆動源と、を備える。
【0031】
従って、フォーカス方向に直交する平面上でレンズ中心を通るジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜状態で配設されて固定部側に固定される棒状弾性支持部材の他端側端部を可動部材によりその棒状長手方向に変位可能に支持し、チルト補正用駆動源により可動部材を介して、トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材同士がその棒状長手方向に互いに同一方向又は逆方向にオフセットするように相対的に変位させることにより、棒状弾性支持部材の一端側に支持されている可動部側をタンジェンシャル方向やラジアル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズのタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正が可能となる。このためにも、棒状弾性支持部材をフォーカス方向に直交する平面上でレンズ中心を通るジッタ方向の直線に対して対称状態で傾斜配置させ、かつ、棒状弾性支持部材の固定部側に固定される他端側端部を可動部材により可動的とし、そのチルト補正用駆動源を備えればよいので、可動部に対して負荷を与えることなくタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正を実現できる。また、棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位させることによりタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正を行うことで、棒状弾性支持部材の一端側に支持された可動部側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正が可能となる。
【0032】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の対物レンズ駆動装置において、前記フォーカス方向の異なる位置に配設された前記棒状弾性支持部材のうち、前記対物レンズの主点に近い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量を前記対物レンズの主点に遠い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量よりも小さくした。
【0033】
従って、タンジェンシャルチルトの補正動作に伴い対物レンズがジッタ方向にずれてしまうジッタ方向クロスアクションが、ラジアルチルトの補正動作に伴い対物レンズがトラック方向にずれてしまうトラック方向クロスアクションが生じ得るが、対物レンズの主点に近い方の棒状弾性支持部材の棒状長手方向の変位量を対物レンズの主点に遠い方の棒状弾性支持部材の記棒状長手方向の変位量よりも小さくすることで、極力、対物レンズの主点近傍を回動中心としてタンジェンシャルチルト補正用やラジアルチルト補正用の変位動作を行わせることができ、ジッタ方向クロスアクションやトラック方向クロスアクションを軽減させることができる。
【0034】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の対物レンズ駆動装置において、前記チルト補正用駆動源による駆動量の調整により前記対物レンズの主点に近い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量が小さくなるようにした。
【0035】
従って、チルト補正用駆動源による駆動量の調整により請求項9記載の発明を容易に実現することができる。
【0036】
請求項11記載の発明は、請求項9記載の対物レンズ駆動装置において、前記対物レンズの主点に近い方の平面上に配設される前記棒状弾性支持部材の傾斜角度を前記対物レンズの主点に遠い方の平面上に配設される前記棒状弾性支持部材の傾斜角度よりも小さくして前記対物レンズの主点に近い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量が小さくなるようにした。
【0037】
従って、対物レンズの主点に近い方の平面上に配設される棒状弾性支持部材の傾斜角度を対物レンズの主点に遠い方の平面上に配設される棒状弾性支持部材の傾斜角度よりも小さくすることにより、請求項9記載の発明を容易に実現することができる。
【0038】
請求項12記載の発明の対物レンズ駆動装置は、光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、前記対物レンズの主点を通り前記フォーカス方向に直交する第1の平面上に対物レンズ光軸を通りトラッキング方向に直交するジッタ方向の直線に対して対称となるように配設されるとともにこの第1の平面とは前記フォーカス方向の異なる位置で前記フォーカス方向に直交する第2の平面上に対物レンズ光軸を通り前記ジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜させて配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向とトラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、前記第2の平面上に配設されて前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材のみの他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位可能に支持する可動部材と、前記固定部側に設けられて、前記可動部材を介して前記棒状弾性支持部材を前記棒状長手方向に変位させるチルト補正用駆動源と、を備える。
【0039】
従って、基本的には、請求項8記載の発明の場合と同様に作用する。ここに、タンジェンシャルチルトの補正動作に伴い対物レンズがジッタ方向にずれてしまうジッタ方向クロスアクションが、ラジアルチルトの補正動作に伴い対物レンズがトラック方向にずれてしまうトラック方向クロスアクションが生じ得るが、フォーカス方向の異なる位置のうちの一方を対物レンズの主点を通りフォーカス方向に直交する第1の平面上に設定し、この第1の平面上の棒状弾性支持部材は棒状長手方向に固定的とし、別の第2の平面上に配設させた棒状弾性支持部材のみを可動部材により棒状長手方向に変位可能とすることで、対物レンズの主点近傍を回動中心としてタンジェンシャルチルト補正用やラジアルチルト補正用の変位動作を行わせることができ、よって、ジッタ方向クロスアクションやトラック方向クロスアクションを防止できる。
【0040】
請求項13記載の発明は、請求項2ないし6、8ないし12の何れか一記載の対物レンズ駆動装置において、前記棒状弾性支持部材、前記可動部材及び前記チルト補正用駆動源を、前記対物レンズ中心を通るトラッキング方向の直線に対して対称となるように前記可動部のジッタ方向の両側に備える。
【0041】
従って、請求項2ないし6、8ないし12の何れか一記載の対物レンズ駆動装置において、片側支持方式で可動部に対してタンジェンシャルチルトの補正動作を行わせると、対物レンズがフォーカス方向にずれてしまうフォーカス方向クロスアクションが生じ得るが、棒状弾性支持部材、可動部材及びチルト補正用駆動源を、対物レンズ中心を通るトラッキング方向の直線に対して対称となるように可動部のジッタ方向の両側に備えることで、フォーカス方向クロスアクションを反対方向に発生させて相殺させることができ、よって、フォーカス方向クロスアクションを極力低減させることができる。
【0042】
請求項14記載の発明は、請求項2ないし6,8ないし13の何れか一記載の対物レンズ駆動装置において、前記チルト補正用駆動源は、磁極を持たせて前記固定部又は前記可動部材に固定された永久磁石と、変位可能な前記棒状弾性支持部材毎に個別に設けられて前記永久磁石に近接対向する位置で前記可動部材又は前記固定部に固定されたチルト駆動用コイルとよりなる。
【0043】
従って、可動部をフォーカス方向やトラッキング方向に駆動させる駆動用磁石等と同様な安価な構成でチルト補正用駆動源を実現できる。
【0044】
請求項15記載の発明は、請求項2ないし6,8ないし13の何れか一記載の対物レンズ駆動装置において、前記チルト補正用駆動源は、変位可能な前記棒状弾性支持部材毎に個別に設けられて前記可動部材を前記棒状長手方向に変位させる圧電素子よりなる。
【0045】
従って、チルト補正用駆動源として圧電素子を用いることにより、高精度なチルト補正が可能となる。
【0046】
請求項16記載の発明の光ピックアップ装置は、光ディスクに対する照射光を発するレーザ光を発するレーザ光源と、対物レンズを含む請求項1ないし15の何れか一に記載の対物レンズ駆動装置と、前記光ディスクからの反射光を受光する受光光学系と、この受光光学系における受光信号に基づいて前記対物レンズ駆動装置に対する制御信号を出力する対物レンズ制御系と、を備える。
【0047】
従って、請求項1ないし15の何れか一に記載の対物レンズ駆動装置を備えるので、対物レンズ駆動時にタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの影響の少ない制御が可能となる。
【0048】
請求項17記載の発明の光ディスク装置は、光ディスクを回転駆動する回転駆動系と、前記光ディスクの半径方向に移動自在に設けられた請求項16記載の光ピックアップ装置と、を備える。
【0049】
従って、請求項16記載の光ピックアップ装置を備え、対物レンズ駆動時にチルトの影響の少ない制御が可能であるので、高NA対物レンズ、短波長レーザを用いた光ディスクシステムでチルトの影響を受けやすい場合にも支障のない光ディスク装置を提供することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。図1は本実施の形態の対物レンズ駆動装置を示す斜視図、図2はその平面図、図3はその側面図、図4はコイル等を示す分解斜視図、図5はチルト補正動作の原理を略図で示す説明図である。
【0051】
本実施の形態の対物レンズ駆動装置1では、対物レンズ2が対物レンズ保持部材3により保持され、この対物レンズ保持部材3が棒状弾性支持部材である4本のワイヤばね4a,4b,4c,4dにより弾性的に支持されている。対物レンズ保持部材3の一部には上下方向に貫通させた角状の通孔5が形成され、この通孔5の中央部には平面コイル状に巻線された駆動用コイルであるフォーカシングコイル6a,6bとトラッキングコイル7a,7bとが固定配設されている。これらの対物レンズ2、対物レンズ保持部材3、フォーカシングコイル6a,6b、トラッキングコイル7a,7b等により可動部8が構成されている。
【0052】
また、本実施の形態の対物レンズ駆動装置1では、固定部の一部をなす磁性体製の基台9が設けられており、この基台9の一部を折り曲げることによりコイル6a,6b,7a,7bを挟む両側で通孔5内に突出するヨーク10a,10bが一体に形成されている。これらのヨーク10a,10bの内側にはコイル6a,6b,7a,7b中を磁束が貫くようにヨーク10a,10bとともに磁気回路を形成する永久磁石による駆動用磁石11a,11bが固定されている。
【0053】
ここで、コイル6a,6b,7a,7b、駆動用磁石11a,11bとの関係について図4を参照して説明する。まず、駆動用磁石11a、11bは十字状の着磁境界線a、bを境に4分割されて着磁されており(4極着磁)、その着磁方向は、フォーカス方向(Y軸方向)とトラッキング方向(X軸方向)との2軸方向を含む面に対し垂直(Z軸方向=ジッタ方向)で、かつ、隣り合う領域と反対方向に着磁されている。さらに、駆動用磁石11a、11bはフォーカシングコイル6a,6bとトラッキングコイル7a,7bとを挟んで互いに向かい合う部分の着磁方向が一致するように配置されている。
【0054】
また、前述の4本のワイヤばね4a〜4dは、フォーカス方向(Y軸方向)とトラッキング方向(X軸方向)との2軸方向を含む面に対し垂直な方向(Z軸方向=ジッタ方向)を長手方向とするもので、ワイヤばね4a,4bはフォーカス方向に直交する仮想の平面(対物レンズ2の主点に近い方の第1の平面)上でトラッキング方向に離間させて平行に配設され、ワイヤばね4c,4dは第1の平面とは異なる位置でフォーカス方向に直交する仮想の平面(第2の平面)上でトラッキング方向に離間させて平行に配設され、可動部8(対物レンズ2)をフォーカス方向とトラッキング方向との2軸方向に弾性的に支持する。
【0055】
対物レンズ保持部材3の両側にはコイル端子基板12が固定され、これらのコイル端子基板12にワイヤばね4a〜4dの一端側が半田付けにより固定されている。ワイヤばね4a〜4dの他端側端部は基台9上に固定されて固定部の一部を構成する固定部材13を貫通してこの固定部材13に取付けられた可動部材としての弾性基板14に半田付けにより固定されている。ここに、固定部材13におけるワイヤばね4a〜4dの貫通孔部分にはワイヤをダンピングさせて共振を防止するためのシリコン系ゲル等が充填されている。また、ワイヤばね4a〜4dは導電性材料により形成されており、基板構成の弾性基板14、ワイヤばね4a〜4d、コイル端子基板12を介してコイル6a,6b,7a,7bに電流供給が可能とされている。
【0056】
また、弾性基板14は例えば固定部材13の凸部13a上に取付けられるとともにその両端側は切欠部14a,14bによりワイヤばね4a〜4d毎に独立してジッタ方向に変形可能な変形部15a〜15dとして構成されている。これにより、各ワイヤばね4a〜4dの固定部側に固定される他端側端部は変形部15a〜15dによりその長手方向(棒状長手方向=ジッタ方向)に変位可能に支持されている。また、これらの変形部15a〜15d付近にはチルト補正用駆動源16が設けられている。このチルト補正用駆動源16は、各変形部15a〜15dの端部付近に固定された平面コイル状のチルト駆動用コイル17a〜17dと、N,Sの磁極が例えばジッタ方向に設定されてチルト駆動用コイル17a,17cの周面に近接対向する位置で基台9の一部に固定された永久磁石18aと、同様に、N,Sの磁極がジッタ方向に設定されてチルト駆動用コイル17b,17dの周面に近接対向する位置で基台9の一部に固定された永久磁石18bとにより構成されている。従って、チルト駆動用コイル17a〜17dに対する通電制御によって各変形部15a〜15dを個別にジッタ方向に変位させることが可能とされ、その通電方向によってはジッタ方向において+,−方向、即ち、逆方向に変位させることも可能である。
【0057】
なお、図3において、19は光ディスク、20は立上げプリズムである。
【0058】
このような構成において、対物レンズ2のチルト補正動作について図5に示す略図を参照して説明する。チルト駆動用コイル17a,17bに対して同一方向の電流を流して対応する変形部15a,15bを、例えば、図5(c)に示すようにP方向(外方向)に変位させる。これに伴い、変形部15a,15bに固定されている第1の平面上のワイヤばね4a,4bの他端側端部(従って、ワイヤ自身も)もその長手方向であるP方向(外方向)に変位する。一方、チルト駆動用コイル17c,17dに対してはチルト駆動用コイル17a,17b側とは逆向きに同一方向の電流を流して対応する変形部15c,15dを、例えば、図5(c)に示すようにQ方向(内方向)に変位させる。これに伴い、変形部15c,15cに固定されている第2の平面上のワイヤばね4c,4dの他端側端部(従って、ワイヤ自身も)もその長手方向であるQ方向(内方向)に変位する。即ち、ワイヤばね4a〜4dの他端側端部を、フォーカス方向の異なる位置(第1の平面と第2の平面)に配設されたワイヤばね同士、即ち、ワイヤばね4a,4bとワイヤばね4c,4dとが、その長手方向(ジッタ方向)に互いにオフセットするように変位させる。これにより、ワイヤばね4a〜4dの一端側に支持された可動部8を図5(c)中に示すようにタンジェンシャル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズ2のタンジェンシャルチルトの補正が可能となる。逆方向のタンジェンシャルチルトの補正時には逆方向にオフセットさせればよいのはもちろんである。
【0059】
このためにも、ワイヤばね4a〜4dの固定部側に固定される他端側端部を弾性基板14の各変形部15a〜15dによりジッタ方向に変位可能とし、その変位を行わせるチルト補正用駆動源16を備えればよいので、可動部8に対して負荷を与えることなくタンジェンシャルチルトの補正を実現できる。また、ワイヤばね4a〜4dの他端側端部を剛性の高いその長手方向に変位させることによりタンジェンシャルチルトの補正を行うことで、他端側端部の変位をそのまま一端側にも伝えることができ、ワイヤばね4a〜4dの一端側に支持された可動部8側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるタンジェンシャルチルト補正が可能となる。
【0060】
本発明の第二の実施の形態を図6ないし図8に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一又は相当する部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。
【0061】
前述した第一の実施の形態のような片持ち方式で可動部8を支持した場合、タンジェンシャル駆動に伴い図5(d)に示すように対物レンズ2がフォーカス方向へ変位してしまうフォーカス方向クロスアクションを起こし得る点を考慮して、本実施の形態は、その対策を講じた実施の形態を示す。
【0062】
本実施の形態の対物レンズ駆動装置21では、対物レンズ2が中央配置の構成とされ、ワイヤばね、弾性基板及びチルト補正用駆動源が、対物レンズ中心を通るトラッキング方向の直線に対して対称となるように可動部8のジッタ方向の両側に設けられている。即ち、前述のワイヤばね4a〜4d、弾性基板14(変形部15a〜15d)、チルト補正用駆動源16(チルト駆動用コイル17a〜17d+永久磁石18a,18b)に対応する同一構成のワイヤばね22a〜22d、弾性基板23(変形部24a〜24d)、チルト補正用駆動源25(チルト駆動用コイル26a〜26d+永久磁石27a,27b)がジッタ方向において逆側に設けられている。固定部材13に対応する固定部材28も設けられている。
【0063】
従って、本実施の形態においては、ワイヤばね4a,4b,22a,22bが第1の平面上に配設され、ワイヤばね4c,4d,22c,22dが第2の平面上に配設されている。
【0064】
なお、本実施の形態では、ヨーク10a,10b及び駆動用磁石11a,11bは対物レンズ2を挟んでジッタ方向の両側に配設され、トラッキングコイル7a,7bも両側に配設されている。もっとも、フォーカシングコイルに関しては、平面コイル状のフォーカシングコイル6a,6bに代えて、可動部8周りに筒状に巻線されたフォーカシングコイル29が用いられている。
【0065】
このような構成において、対物レンズ2のチルト補正動作について図7に示す略図を参照して説明する。チルト駆動用コイル17a,17b,26a,26bに対する通電制御により対応する変形部15a,15b,24a,24bを、例えば、図7(c)に示すようにP方向に変位させる。これに伴い、変形部15a,15b,24a,24bに固定されている第1の平面上のワイヤばね4a,4b,22a,22bの他端側端部(従って、ワイヤ自身も)もその長手方向であるP方向に変位する。一方、チルト駆動用コイル17c,17d,26c,26dに対する通電制御により対応する変形部15c,15d,24c,24dを、例えば、図5(c)に示すようにQ方向に変位させる。これに伴い、変形部15c,15c,24c,24dに固定されている第2の平面上のワイヤばね4c,4d,22c,22dの他端側端部(従って、ワイヤ自身も)もその長手方向であるQ方向に変位する。即ち、ワイヤばね4a〜4d,22a〜22dの他端側端部を、フォーカス方向の異なる位置(第1の平面と第2の平面)に配設されたワイヤばね同士、即ち、ワイヤばね4a,4bとワイヤばね4c,4d、ワイヤばね22a,22bとワイヤばね2c,22dとが、その長手方向(ジッタ方向)に互いにオフセットするように変位させる。これにより、ワイヤばね4a〜4d,22a〜22dの一端側に支持された可動部8を図5(c)中に示すようにタンジェンシャル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズ2のタンジェンシャルチルトの補正が可能となる。逆方向のタンジェンシャルチルトの補正時には逆方向にオフセットさせればよいのはもちろんである。
【0066】
ところで、このようなタンジェンシャルチルト補正動作を片側ずつに分解して考えると、図8に示すようになる。即ち、ワイヤばね4a〜4d側でのタンジェンシャルチルト補正動作を考えると、可動部8の対物レンズ2に対しては矢印Rで示す方向にジッタ方向クロスアクションが発生するのに対して、ワイヤばね22a〜22d側でのタンジェンシャルチルト補正動作を考えると、可動部8の対物レンズ2に対しては矢印Sで示すような逆方向にフォーカス方向クロスアクションが発生することとなり、これらのフォーカス方向クロスアクションは相殺されることにより、全体としてはフォーカス方向の変動が生じないタンジェンシャルチルト補正動作が可能となる。
【0067】
また、タンジェンシャルチルト補正動作に伴うジッタ方向クロスアクションを低減させるためには、例えば、第一の実施の形態に示したような構成において、対物レンズ2の主点側に近い方のワイヤばね4a,4bの他端側端部のジッタ方向への変位量を、対物レンズ2の主点側に遠い方のワイヤばね4c,4dの他端側端部のジッタ方向への変位量よりも小さくすることで、タンジェンシャルチルト補正のための回動中心を極力対物レンズ2の主点に近づけるようにしてもよい。この場合、例えば、変形部15a,15bの強度(剛性)を変形部15c,15dの強度(剛性)よりも強くすることで変位量に差を持たせることでも実現可能であるが、チルト駆動用コイル17a,17b,17c,17dによる駆動量の調整によれば、より簡単に実現できる。
【0068】
また、タンジェンシャルチルト補正動作において、ワイヤばね4a,4bとワイヤばね4c,4d、ワイヤばね22a,22bとワイヤばね2c,22dとをジッタ方向にオフセットさせるのは相対的であればよく、例えば、ワイヤばね4a,4b,22a,22bの他端側端部は位置固定であってもよい。図9はこの変形例を示すもので、ワイヤばね4c,4d,22c,22dの他端側端部のみ変形部15c,15d,24c,24dによりジッタ方向(長手方向)に変位可能に固定され、チルト駆動用コイル17c,17d,26c,26d及び永久磁石18a,18b,27a,27bにより変位駆動可能とされている。なお、ワイヤばね4a,4b,22a,22bが配設される仮想の第1の平面は対物レンズ2の主点を通る位置に設定されている。
【0069】
このような構成において、タンジェンシャルチルトの補正時には、チルト駆動用コイル17c,17d,26c,26d及び永久磁石18a,18b,27a,27bにより変形部15c,15d,24c,24dのみジッタ方向に変位させ、ワイヤばね4c,4d,22c,22dの他端側端部のみをジッタ方向(長手方向)に変位させる。この時、ワイヤばね4a,4b,22a,22b側は固定的であり、変位しないため、可動部8は対物レンズ2の主点近傍を回動中心としてタンジェンシャルチルト補正用の変位動作を行うため、ジッタ方向クロスアクションの発生を防止することができる。
【0070】
なお、この方式は第一の実施の形態のような片側支持方式の場合にも同様に適用することができる。
【0071】
本発明の第三の実施の形態を図10及び図11に基づいて説明する。本実施の形態の対物レンズ駆動装置31はタンジェンシャルチルトの補正だけでなく、ラジアルチルトの補正も考慮したものである。
【0072】
基本的な構成は、第二の実施の形態で示した対物レンズ駆動装置21に準ずるが、本実施の形態の対物レンズ駆動装置31では、ワイヤばね4a〜4d及び22a〜22dが各々の平面上で対物レンズ2光軸を通るジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜させて配設されている。即ち、ワイヤばね4a,4b,22a,22bは仮想の第1の平面上において対物レンズ2光軸を通るジッタ方向に対してフォーカス方向に見て可動部8側が狭く弾性基板14,23側が広くなるよう略ハの字状で対称、かつ、傾斜させて配設されている。ワイヤばね4c,4d,22c,22dも同様であり、仮想の第2の平面上において対物レンズ2光軸を通るジッタ方向に対してフォーカス方向に見て可動部8側が狭く弾性基板14,23側が広くなるよう略ハの字状で対称、かつ、傾斜させて配設されている。
【0073】
このような構成においても、タンジェンシャルチルトの補正時には前述した場合と同様の通電制御で行える。即ち、チルト駆動用コイル17a,17b,26a,26bに対する通電制御により対応する変形部15a,15b,24a,24bを、例えば、図7(c)の場合と同様にP方向に変位させる。これに伴い、変形部15a,15b,24a,24bに固定されている第1の平面上のワイヤばね4a,4b,22a,22bの他端側端部(従って、ワイヤ自身も)もその長手方向であるP方向に変位する。一方、チルト駆動用コイル17c,17d,26c,26dに対する通電制御により対応する変形部15c,15d,24c,24dを、例えば、図7(c)の場合と同様にQ方向に変位させる。これに伴い、変形部15c,15c,24c,24dに固定されている第2の平面上のワイヤばね4c,4d,22c,22dの他端側端部(従って、ワイヤ自身も)もその長手方向であるQ方向に変位する。即ち、ワイヤばね4a〜4d,22a〜22dの他端側端部を、フォーカス方向の異なる位置(第1の平面と第2の平面)に配設されたワイヤばね同士、即ち、ワイヤばね4a,4bとワイヤばね4c,4d、ワイヤばね22a,22bとワイヤばね2c,22dとが、その長手方向(ジッタ方向)に互いにオフセットするように変位させる。これにより、ワイヤばね4a〜4d,22a〜22dの一端側に支持された可動部8をタンジェンシャル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズ2のタンジェンシャルチルトの補正が可能となる。
【0074】
一方、ラジアルチルトの補正動作について図11を参照して説明する。この場合、固定部側に固定されるワイヤばねの他端側端部を、トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、フォーカス方向の異なる位置に配設されたワイヤばね同士を組として組同士がその長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させればよい。例えば、チルト駆動用コイル17a,17d,26b,26cに対する通電制御により対応する変形部15a,15d,24b,24cを、例えば、図11(a)に示すようにP方向に変位させる。これに伴い、変形部15a,15d,24b,24cに固定されているワイヤばね4a,4d,22b,22cの他端側端部(従って、ワイヤ自身も)もジッタ方向(≒長手方向)であるP方向に変位する。一方、チルト駆動用コイル17b,17c,26a,26dに対する通電制御は逆相制御として対応する変形部15b,15c,24a,24dを、例えば、図11(a)に示すようにQ方向に変位させる。これに伴い、変形部15b,15c,24a,24dに固定されているワイヤばね4b,4c,22a,22dの他端側端部(従って、ワイヤ自身も)もジッタ方向(≒長手方向)であるQ方向に変位する。
【0075】
このような動作において、各ワイヤばね4a〜4d,22a〜22dは平面的に見て傾斜させて配設されているので、可動部8に対する連結部においては図11(a)中に示すベクトルのようにその変位方向に応じたトラッキング方向への分力も生ずる。このトラッキング方向の分力成分をジッタ方向に見ると、図11(c)に示すように、可動部8をラジアルチルト方向に回転させるモーメントとなるので、図11(d)に示すように可動部8(対物レンズ2)のラジアルチルトの補正が可能となる。逆方向のラジアルチルトの補正時には逆方向に駆動させればよいのはもちろんである。
【0076】
従って、前述のタンジェンシャルチルトの補正と組合せて制御すれば、対物レンズ2のタンジェンシャルチルト及びラジアルチルトの補正が可能となる。
【0077】
このためにも、ワイヤばね4a〜4d,22a〜22dをフォーカス方向に直交する第1,第2の平面上でレンズ中心を通るジッタ方向の直線に対して対称状態で傾斜配置させ、かつ、固定部側に固定される他端側端部を変形部15a〜15d,24a〜24dに固定して可動的とし、そのチルト補正用駆動源16,25を備えればよいので、可動部8に対して負荷を与えることなくタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正を実現できる。また、ワイヤばね4a〜4d,22a〜22dの他端側端部を剛性の高いその長手方向(≒ジッタ方向)に変位させることによりタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正を行うことで、ワイヤばね4a〜4d,22a〜22dの一端側に支持された可動部8側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正が可能となる。
【0078】
なお、本実施の形態の対物レンズ駆動装置31においては、ラジアル方向への駆動時に可動部8の回転中心と対物レンズ2の主点との位置が異なることによりトラッキング方向のクロスアクションが発生してしまう可能性があるが、その対策としては、例えば、対物レンズ2の主点に近い方の第1の平面上に配設させたワイヤばね4a,4b,22a,22bの長手方向の変位量が対物レンズ2の主点に遠い方の第2の平面上に配設させたワイヤばね4c,4d,22c,22dの長手方向の変位量よりも小さくなるようにすれば、極力、対物レンズ2の主点近傍を回動中心としてラジアルチルト補正用の変位動作を行わせることができ、トラック方向クロスアクションを軽減させることができる。これは、タンジェンシャルチルト補正時のジッタ方向クロスアクションについても同様である。このための手段としては、チルト補正用駆動源16,25による駆動量の調整によりワイヤばね4a,4b,22a,22b側の長手方向の変位量が小さくなるようにしてもよい。或いは、特に図示しないが、対物レンズ2の主点に近い方の第1の平面上に配設させたワイヤばね4a,4b,22a,22bの傾斜角度を対物レンズ2の主点に遠い方の第2の平面上に配設させたワイヤばね4c,4d,22c,22dの傾斜角度よりも小さくすることで、同一駆動量であってもワイヤばね4a,4b,22a,22b側の長手方向の変位量が小さくなるようにしてもよい。極端な例では、対物レンズ2の主点に近い方の第1の平面上に配設させたワイヤばね4a,4b,22a,22bに関しては傾斜角度=0、即ち、平行に配設させてよい。
【0079】
また、ラジアルチルトやタンジェンシャルチルトの補正動作において、ワイヤばねをジッタ方向にオフセットさせるのは相対的であればよく、例えば、ワイヤばね4a,4b,22a,22bの他端側端部は位置固定であってもよい。即ち、特に図示しないが、図9に示した例に準じて、ワイヤばね4c,4d,22c,22dの他端側端部のみ変形部15c,15d,24c,24dによりジッタ方向(長手方向)に変位可能に固定し、チルト駆動用コイル17c,17d,26c,26d及び永久磁石18a,18b,27a,27bにより変位駆動可能とし、かつ、ワイヤばね4a,4b,22a,22bが配設される仮想の第1の平面を対物レンズ2の主点を通る位置に設定するようにしてもよい。これによれば、対物レンズ2の主点近傍を回動中心としてタンジェンシャルチルト補正用やラジアルチルト補正用の変位動作を行わせることができ、よって、ジッタ方向クロスアクションやトラック方向クロスアクションを防止することができる。
【0080】
なお、本実施の形態では、第二の実施の形態に準じて、可動部8に対して両側支持方式の例で説明したが、第一の実施の形態に準じた片側支持方式の場合にも適用することができる。
【0081】
また、本実施の形態では、フォーカス方向に見て可動部8側が狭く弾性基板14,23側が広くなるようにワイヤばね4a〜4d,22a〜22dを傾斜させたが、逆に、フォーカス方向に見て可動部8側が広く弾性基板14,23側が狭くなるような略ハの字状にワイヤばね4a〜4d,22a〜22dを傾斜させてもよい。
【0082】
また、これらの実施の形態では、チルト補正用駆動源16,25等に関して、コイルを弾性基板14,23側に取付け、磁石を基台9側に取付ける例で説明したが、逆に、コイルを基台9側に取付け、磁石を弾性基板14,23側に取付けるようにしてもよい。さらに、部品点数を減らし、組付け性を向上させるために、弾性基板14,23をプリントコイルで形成したり、可動部駆動用の駆動用磁石11a,11bの漏洩磁束がチルト駆動用コイルを貫くように構成してもよい。
【0083】
また、チルト補正用駆動源としては、このような磁石とコイルとの組合せに限らず、例えば、図12に示すように、弾性基板14の各変形部15a〜15dと固定部材13との間に個別に介在させた圧電素子32a〜32dをチルト補正用駆動源として用い、圧電素子32a〜32dの微動な駆動により各変形部15a〜15dの先端側、従って、ワイヤばね4a〜4dの他端側端部を長手方向に変位させるようにしてもよい。これによれば、高精度なチルト補正が可能となる。
【0084】
本発明の第四の実施の形態を図13に基づいて説明する。本実施の形態は、前述した第一ないし第三の実施の形態のように構成された対物レンズ駆動装置1,21,31等による対物レンズ駆動装置41を備えた光ピックアップ装置42への適用例を示す。光ピックアップ装置42に搭載されている半導体レーザ等の光源43から出射した拡散光は、コリメートレンズ44によって略平行光になる。その後、ビームスプリッタ45を通り、立上げミラー46(立上げプリズム20に相当する)により折り曲げられる。立上げミラー46によって折り曲げられた平行光は光ピックアップ装置42に搭載された対物レンズ駆動装置41の対物レンズ2に入射し光ディスク19上にスポットを形成する。
【0085】
スポットの反射光はビームスプリッタ45によって来た方向と向きをかえて、集光レンズ47とシリンドリカルレンズ48を通った後、4分割受光素子49に入射する。光ディスク19上のスポットの反射光が4分割受光素子49に入射するように配置しておく。4分割受光素子49で得られた信号を元にして対物レンズ駆動装置41のフォーカシングコイル6a,6b、トラッキングコイル7a,7b等を駆動することによって光ディスク19に対して対物レンズ2を追従させることで光ディスク19の情報を得ることができる。集光レンズ47、シリンドリカルレンズ48及び4分割受光素子49により受光光学系50が構成されている。さらに、4分割受光素子49の受光信号に基づいて対物レンズ駆動装置41に対する駆動信号を出力する対物レンズ制御系(図示せず)も設けられている。
【0086】
ここで、光ピックアップ装置42に搭載されている対物レンズ駆動装置41は前述した第一ないし第三の実施の形態の如く構成された対物レンズ駆動装置1,21,31であり、前述のように対物レンズ駆動装置41によって対物レンズ2を光ディスク19に対して追従させて光ディスク19の情報を読み取るが、本対物レンズ駆動装置41は対物レンズ駆動時にタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの影響の少ない制御が可能となる。
【0087】
本発明の第五の実施の形態を図14及び図15に基づいて説明する。本実施の形態は、前述したような光ピックアップ装置42を搭載した光ディスクドライブ(光ディスク装置)への適用例を示す。まず、光ディスクドライブの筐体51に防振ゴム52を介してピックアップモジュールベース53が設置されている。ピックアップモジュールベース53には光ディスク19を回転させる回転駆動系としてのスピンドルモータ54が固定されている。また、ピックアップモジュールベース53に取付けられたシークレール55には光ピックアップ装置42が搭載されている。光ピックアップ装置42はシークレール55上を光ディスク19の半径方向に移動可能とされている。
【0088】
ここで、当該光ディスクドライブに搭載されている光ピックアップ装置42は前述した第四の実施の形態で説明した光ピックアップ装置であって、対物レンズ駆動時にタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの影響の少ない制御が可能な光ピックアップ装置である。従って、DVD等のようにチルトの影響を受けやすい場合にも支障のない光ディスク装置を提供することができる。
【0089】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の対物レンズ駆動装置によれば、固定部側に固定される棒状弾性支持部材の他端側端部を、フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させるので、棒状弾性支持部材の一端側に支持されている可動部側をタンジェンシャル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズのタンジェンシャルチルトの補正が可能となり、このためにも、棒状弾性支持部材の固定部側に固定される他端側端部を可動的とし、その駆動源を備えればよいので、可動部に対して負荷を与えることなくタンジェンシャルチルトの補正を実現でき、また、棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位させることによりタンジェンシャルチルトの補正を行うことで、棒状弾性支持部材の一端側に支持された可動部側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるタンジェンシャルチルト補正が可能となる。
【0090】
請求項2記載の発明の対物レンズ駆動装置によれば、固定部側に固定される棒状弾性支持部材の他端側端部を可動部材によりその棒状長手方向に変位可能に支持し、チルト補正用駆動源により可動部材を介して、フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させることにより、棒状弾性支持部材の一端側に支持されている可動部側をタンジェンシャル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズのタンジェンシャルチルトの補正が可能となり、このためにも、棒状弾性支持部材の固定部側に固定される他端側端部を可動部材により可動的とし、そのチルト補正用駆動源を備えればよいので、可動部に対して負荷を与えることなくタンジェンシャルチルトの補正を実現でき、また、棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位させることによりタンジェンシャルチルトの補正を行うことで、棒状弾性支持部材の一端側に支持された可動部側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるタンジェンシャルチルト補正が可能となる。
【0091】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の対物レンズ駆動装置において、タンジェンシャルチルトの補正動作に伴い対物レンズがジッタ方向にずれてしまうジッタ方向クロスアクションが生じ得るが、対物レンズの主点に近い方の棒状弾性支持部材の棒状長手方向の変位量を対物レンズの主点に遠い方の棒状弾性支持部材の記棒状長手方向の変位量よりも小さくしたので、極力、対物レンズの主点近傍を回動中心としてタンジェンシャルチルト補正用の変位動作を行わせることができ、ジッタ方向クロスアクションも軽減させることができる。
【0092】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明を実現する上で、例えば、可動部材の強度の強弱等により変位量に差を持たせることでも実現可能であるが、チルト補正用駆動源による駆動量の調整によれば、より簡単に実現することができる。
【0093】
請求項5記載の発明の対物レンズ駆動装置によれば、基本的には、請求項2記載の発明の場合と同様に作用し、同様の効果が得られるものの、タンジェンシャルチルトの補正動作に伴い対物レンズがジッタ方向にずれてしまうジッタ方向クロスアクションが生じ得るが、フォーカス方向の異なる位置のうちの一方を対物レンズの主点を通りフォーカス方向に直交する第1の平面上に設定し、この第1の平面上の棒状弾性支持部材は棒状長手方向に固定的とし、別の第2の平面上に配設させた棒状弾性支持部材のみを可動部材により棒状長手方向に変位可能とすることで、対物レンズの主点近傍を回動中心としてタンジェンシャルチルト補正用の変位動作を行わせることができ、よって、ジッタ方向クロスアクションを防止することができる。
【0094】
請求項6記載の発明の対物レンズ駆動装置によれば、固定部側に固定される棒状弾性支持部材の他端側端部を、トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材を組として組同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させることにより、フォーカス方向に直交する平面上で傾斜状態で配設された棒状弾性支持部材は可動部に対してトラッキング方向の成分を持つ変位力を作用させるが、ジッタ方向に見た場合、可動部をラジアルチルト方向に回転させるモーメントとなるので、棒状弾性支持部材の一端側に支持されている可動部側をラジアル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズのラジアルチルトの補正が可能となり、このためにも、棒状弾性支持部材をフォーカス方向に直交する平面上でレンズ中心を通るジッタ方向の直線に対して対称状態で傾斜配置させ、かつ、固定部側に固定される他端側端部を可動的とし、その駆動源を備えればよいので、可動部に対して負荷を与えることなくラジアルチルトの補正を実現でき、また、棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位させることによりラジアルチルトの補正を行うことで、棒状弾性支持部材の一端側に支持された可動部側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるラジアルチルト補正が可能となる。
【0095】
請求項7記載の発明の対物レンズ駆動装置によれば、フォーカス方向に直交する平面上で傾斜状態で配設されて固定部側に固定される棒状弾性支持部材の他端側端部を、トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材を組として組同士についてその棒状長手方向へのオフセットのさせ方を異ならせることにより、対物レンズのタンジェンシャルチルトの補正とラジアルチルトの補正とがともに可能となり、このためにも、棒状弾性支持部材をフォーカス方向に直交する平面上でレンズ中心を通るジッタ方向の直線に対して対称状態で傾斜配置させ、かつ、固定部側に固定される他端側端部を可動的とし、その駆動源を備えればよいので、可動部に対して負荷を与えることなくタンジェンシャルチルト及びラジアルチルトの補正を実現でき、また、棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位させることによりタンジェンシャルチルト及びラジアルチルトの補正を行うことで、棒状弾性支持部材の一端側に支持された可動部側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるタンジェンシャルチルト及びラジアルチルト補正が可能となる。
【0096】
請求項8記載の発明の対物レンズ駆動装置によれば、フォーカス方向に直交する平面上でレンズ中心を通るジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜状態で配設されて固定部側に固定される棒状弾性支持部材の他端側端部を可動部材によりその棒状長手方向に変位可能に支持し、チルト補正用駆動源により可動部材を介して、トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材同士がその棒状長手方向に互いに同一方向又は逆方向にオフセットするように相対的に変位させることにより、棒状弾性支持部材の一端側に支持されている可動部側をタンジェンシャル方向やラジアル方向に回動変位させることができ、よって、対物レンズのタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正が可能となり、このためにも、棒状弾性支持部材をフォーカス方向に直交する平面上でレンズ中心を通るジッタ方向の直線に対して対称状態で傾斜配置させ、かつ、棒状弾性支持部材の固定部側に固定される他端側端部を可動部材により可動的とし、そのチルト補正用駆動源を備えればよいので、可動部に対して負荷を与えることなくタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正を実現でき、また、棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位させることによりタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正を行うことで、棒状弾性支持部材の一端側に支持された可動部側の追従性ないしは応答性のよいものとなり、高速動作にも対応できるタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの補正が可能となる。
【0097】
請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の対物レンズ駆動装置において、タンジェンシャルチルトの補正動作に伴い対物レンズがジッタ方向にずれてしまうジッタ方向クロスアクションが、ラジアルチルトの補正動作に伴い対物レンズがトラック方向にずれてしまうトラック方向クロスアクションが生じ得るが、対物レンズの主点に近い方の棒状弾性支持部材の棒状長手方向の変位量を対物レンズの主点に遠い方の棒状弾性支持部材の記棒状長手方向の変位量よりも小さくすることで、極力、対物レンズの主点近傍を回動中心としてタンジェンシャルチルト補正用やラジアルチルト補正用の変位動作を行わせることができ、ジッタ方向クロスアクションやトラック方向クロスアクションを軽減させることができる。
【0098】
請求項10記載の発明によれば、チルト補正用駆動源による駆動量の調整により請求項9記載の発明を容易に実現することができる。
【0099】
請求項11記載の発明によれば、対物レンズの主点に近い方の平面上に配設される棒状弾性支持部材の傾斜角度を対物レンズの主点に遠い方の平面上に配設される棒状弾性支持部材の傾斜角度よりも小さくすることにより、請求項9記載の発明を容易に実現することができる。
【0100】
請求項12記載の発明の対物レンズ駆動装置によれば、基本的には、請求項8記載の発明の場合と同様に作用し、同様の効果が得られるものの、タンジェンシャルチルトの補正動作に伴い対物レンズがジッタ方向にずれてしまうジッタ方向クロスアクションが、ラジアルチルトの補正動作に伴い対物レンズがトラック方向にずれてしまうトラック方向クロスアクションが生じ得るが、フォーカス方向の異なる位置のうちの一方を対物レンズの主点を通りフォーカス方向に直交する第1の平面上に設定し、この第1の平面上の棒状弾性支持部材は棒状長手方向に固定的とし、別の第2の平面上に配設させた棒状弾性支持部材のみを可動部材により棒状長手方向に変位可能とすることで、対物レンズの主点近傍を回動中心としてタンジェンシャルチルト補正用やラジアルチルト補正用の変位動作を行わせることができ、よって、ジッタ方向クロスアクションやトラック方向クロスアクションを防止することができる。
【0101】
請求項13記載の発明によれば、請求項2ないし6、8ないし12の何れか一記載の対物レンズ駆動装置において、片持ち方式で可動部に対してタンジェンシャルチルトの補正動作を行わせると、対物レンズがフォーカス方向にずれてしまうフォーカス方向クロスアクションが生じ得るが、棒状弾性支持部材、可動部材及びチルト補正用駆動源を、対物レンズ中心を通るトラッキング方向の直線に対して対称となるように可動部のジッタ方向の両側に備えることで、フォーカス方向クロスアクションを反対方向に発生させて相殺させることができ、よって、フォーカス方向クロスアクションを極力低減させることができる。
【0102】
請求項14記載の発明によれば、請求項2ないし6,8ないし13の何れか一記載の対物レンズ駆動装置において、可動部をフォーカス方向やトラッキング方向に駆動させる駆動用磁石等と同様な安価な構成でチルト補正用駆動源を実現することができる。
【0103】
請求項15記載の発明によれば、請求項2ないし6,8ないし13の何れか一記載の対物レンズ駆動装置において、チルト補正用駆動源として圧電素子を用いることにより、高精度なチルト補正が可能となる。
【0104】
請求項16記載の発明の光ピックアップ装置によれば、請求項1ないし15の何れか一に記載の対物レンズ駆動装置を備えるので、対物レンズ駆動時にタンジェンシャルチルトやラジアルチルトの影響の少ない制御が可能となる。
【0105】
請求項17記載の発明の光ディスク装置によれば、請求項16記載の光ピックアップ装置を備え、対物レンズ駆動時にチルトの影響の少ない制御が可能であるので、高NA対物レンズ、短波長レーザを用いた光ディスクシステムでチルトの影響を受けやすい場合にも支障のない光ディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の対物レンズ駆動装置を示す斜視図である。
【図2】その平面図である。
【図3】その側面図である。
【図4】コイル等を示す分解斜視図である。
【図5】チルト補正動作の原理を略図で示す説明図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態の対物レンズ駆動装置を示す斜視図である。
【図7】チルト補正動作の原理を略図で示す説明図である。
【図8】そのジッタ方向クロスアクションの相殺原理を略図で示す説明図である。
【図9】変形例の対物レンズ駆動装置を示す斜視図である。
【図10】本発明の第三の実施の形態の対物レンズ駆動装置を示す斜視図である。
【図11】チルト補正動作の原理を略図で示す説明図である。
【図12】チルト補正用駆動源の変形例を示す斜視図である。
【図13】本発明の第四の実施の形態の光ピックアップ装置を示す概略構成図である。
【図14】本発明の第五の実施の形態の光ディスクドライブを示す概略平面図である。
【図15】その縦断側面図である。
【図16】従来の対物レンズ駆動装置の構成例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ駆動装置
2 対物レンズ
3 対物レンズ保持部材
6a,6b,7a,7b 駆動用コイル
8 可動部
9 固定部
10a,10b ヨーク
11a,11b 駆動用磁石
13 固定部
14 可動部材
16 チルト補正用駆動源
17a〜17d チルト駆動用コイル
18a,18b 永久磁石
19 光ディスク
21 対物レンズ駆動装置
23 可動部材
25 チルト補正用駆動源
26a〜26d チルト駆動用コイル
27a,27b 永久磁石
28 固定部
29 駆動用コイル
31 対物レンズ駆動装置
32a〜32d 圧電素子
41 対物レンズ駆動装置
42 光ピックアップ装置
43 レーザ光源
50 受光光学系
54 回転駆動系

Claims (17)

  1. 光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、
    フォーカス方向の異なる位置でこのフォーカス方向に直交する各々の平面上に配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向とトラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、
    前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、
    を備え、
    前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を、前記フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させて前記対物レンズのタンジェンシャルチルトを補正するようにしたチルト補正用駆動部を前記固定部側に設けた対物レンズ駆動装置。
  2. 光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、
    フォーカス方向の異なる位置でこのフォーカス方向に直交する各々の平面上に配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向とトラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、
    前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、
    前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位可能に支持する可動部材と、
    前記固定部側に設けられて、前記可動部材を介して前記棒状弾性支持部材を前記棒状長手方向に変位させるチルト補正用駆動源と、
    を備える対物レンズ駆動装置。
  3. 前記フォーカス方向の異なる位置に配設された前記棒状弾性支持部材のうち、前記対物レンズの主点に近い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量を前記対物レンズの主点に遠い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量よりも小さくした請求項2記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 前記チルト補正用駆動源による駆動量の調整により前記対物レンズの主点に近い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量が小さくなるようにした請求項3記載の対物レンズ駆動装置。
  5. 光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、
    前記対物レンズの主点を通り前記フォーカス方向に直交する第1の平面とこの第1の平面とは前記フォーカス方向の異なる位置で前記フォーカス方向に直交する第2の平面との各々の平面上に配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向とトラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、
    前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、
    前記第2の平面上に配設されて前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材のみの他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位可能に支持する可動部材と、
    前記固定部側に設けられて、前記可動部材を介して前記棒状弾性支持部材を前記棒状長手方向に変位させるチルト補正用駆動源と、
    を備える対物レンズ駆動装置。
  6. 光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、
    フォーカス方向の異なる位置でこのフォーカス方向に直交する各々の平面上に対物レンズ光軸を通りトラッキング方向に直交するジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜させて配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向と前記トラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、
    前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、
    を備え、
    前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を、前記トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、前記フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材を組として組同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させて前記対物レンズのラジアルチルトを補正するようにしたチルト補正用駆動部を前記固定部側に設けた対物レンズ駆動装置。
  7. 光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、
    フォーカス方向の異なる位置でこのフォーカス方向に直交する各々の平面上に対物レンズ光軸を通りトラッキング方向に直交するジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜させて配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向と前記トラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、
    前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、
    を備え、
    前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を、前記フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させて前記対物レンズのタンジェンシャルチルトを補正し、
    前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を、前記トラッキング方向の異なる位置に配設され、かつ、前記フォーカス方向の異なる位置に配設された棒状弾性支持部材を組として組同士がその棒状長手方向に互いにオフセットするように相対的に変位させて前記対物レンズのラジアルチルトを補正するようにしたチルト補正用駆動部を前記固定部側に設けた対物レンズ駆動装置。
  8. 光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、
    フォーカス方向の異なる位置でこのフォーカス方向に直交する各々の平面上に対物レンズ光軸を通りトラッキング方向に直交するジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜させて配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向と前記トラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、
    前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、
    前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材の他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位可能に支持する可動部材と、
    前記固定部側に設けられて、前記可動部材を介して前記棒状弾性支持部材を前記棒状長手方向に変位させるチルト補正用駆動源と、
    を備える対物レンズ駆動装置。
  9. 前記フォーカス方向の異なる位置に配設された前記棒状弾性支持部材のうち、前記対物レンズの主点に近い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量を前記対物レンズの主点に遠い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量よりも小さくした請求項8記載の対物レンズ駆動装置。
  10. 前記チルト補正用駆動源による駆動量の調整により前記対物レンズの主点に近い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量が小さくなるようにした請求項9記載の対物レンズ駆動装置。
  11. 前記対物レンズの主点に近い方の平面上に配設される前記棒状弾性支持部材の傾斜角度を前記対物レンズの主点に遠い方の平面上に配設される前記棒状弾性支持部材の傾斜角度よりも小さくして前記対物レンズの主点に近い方の前記棒状弾性支持部材の前記棒状長手方向の変位量が小さくなるようにした請求項9記載の対物レンズ駆動装置。
  12. 光スポットを形成する対物レンズとこの対物レンズを保持する対物レンズ保持部材と駆動用コイルとを有する可動部と、
    前記対物レンズの主点を通り前記フォーカス方向に直交する第1の平面上に対物レンズ光軸を通りトラッキング方向に直交するジッタ方向の直線に対して対称となるように配設されるとともにこの第1の平面とは前記フォーカス方向の異なる位置で前記フォーカス方向に直交する第2の平面上に対物レンズ光軸を通り前記ジッタ方向の直線に対して対称、かつ、傾斜させて配設されて一端側が前記可動部に固定され前記可動部を固定部に対して前記フォーカス方向とトラッキング方向との2方向に弾性的に支持する複数本の棒状弾性支持部材と、
    前記固定部に設けられたヨークに取付けられて前記駆動用コイルに近接対向して前記ヨークとともに磁気回路を形成する駆動用磁石と、
    前記第2の平面上に配設されて前記固定部側に固定される前記棒状弾性支持部材のみの他端側端部を剛性の高いその棒状長手方向に変位可能に支持する可動部材と、
    前記固定部側に設けられて、前記可動部材を介して前記棒状弾性支持部材を前記棒状長手方向に変位させるチルト補正用駆動源と、
    を備える対物レンズ駆動装置。
  13. 前記棒状弾性支持部材、前記可動部材及び前記チルト補正用駆動源を、前記対物レンズ中心を通るトラッキング方向の直線に対して対称となるように前記可動部のジッタ方向の両側に備える請求項2ないし6、8ないし12の何れか一記載の対物レンズ駆動装置。
  14. 前記チルト補正用駆動源は、磁極を持たせて前記固定部又は前記可動部材に固定された永久磁石と、変位可能な前記棒状弾性支持部材毎に個別に設けられて前記永久磁石に近接対向する位置で前記可動部材又は前記固定部に固定されたチルト駆動用コイルとよりなる請求項2ないし6,8ないし13の何れか一記載の対物レンズ駆動装置。
  15. 前記チルト補正用駆動源は、変位可能な前記棒状弾性支持部材毎に個別に設けられて前記可動部材を前記棒状長手方向に変位させる圧電素子よりなる請求項2ないし6,8ないし13の何れか一記載の対物レンズ駆動装置。
  16. 光ディスクに対する照射光を発するレーザ光を発するレーザ光源と、
    対物レンズを含む請求項1ないし15の何れか一に記載の対物レンズ駆動装置と、
    前記光ディスクからの反射光を受光する受光光学系と、
    この受光光学系における受光信号に基づいて前記対物レンズ駆動装置に対する制御信号を出力する対物レンズ制御系と、
    を備える光ピックアップ装置。
  17. 光ディスクを回転駆動する回転駆動系と、
    前記光ディスクの半径方向に移動自在に設けられた請求項16記載の光ピックアップ装置と、
    を備える光ディスク装置。
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