JP2005235304A - 対物レンズ駆動装置の振動抑制機構 - Google Patents

対物レンズ駆動装置の振動抑制機構 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気回路を構成するヨークや対物レンズに生ずる振動を低減し、騒音などの発生を防止する。
【解決手段】固定ホルダ1の底面両側に夫々片持ち状に弾性部材8が一体成形されており、弾性部材8の先端部がヨーク9に固定されることにより、ヨーク9が固定ホルダ1に支持されている。弾性部材8は所定の固有振動周波数となるように構成されており、また、ヨーク9に対向する2つの永久磁石5を対として、2対の永久磁石5が設けられ、これら永久磁石5とヨーク9とで磁気回路を形成している。また、かかるヨーク9に対し、対物レンズ3とその両側に配置されたトラッキングとフォーカスの制御用のコイル6,7の組とを保持するレンズホルダ4が、一方の組のコイル6,7が一方の対の永久磁石5間に、他方の組のコイル6,7が他方の対の永久磁石5間に夫々は位置されるように、設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク装置に係り、特に、対物レンズ駆動装置の対物レンズ駆動時に発生する振動を抑制する機構に関する。
光ディスク装置における対物レンズ駆動装置では、レンズホルダに対物レンズやトラッキング制御,フォーカス制御のためのコイルが保持されており、ヨークとこれに保持されている永久磁石とで構成される磁気回路の磁界とこれらコイルに流す電流との相互作用により、推力が生じてレンズホルダ、従って、対物レンズが駆動されることにより、対物レンズを通った光ビームの光スポットが光ディスク上のトラックに追従するように、トラッキング制御が行なわれ、また、光ビームが光ディスクの面で集光するように、フォーカス制御が行なわれるが、このようにレンズホルダが駆動されることによって振動が発生し、また、コイルに生ずる推力に対してヨークに反力が生じ、この反力によってヨークに振動が生ずる。
かかる振動は、レンズホルダやヨークを保持する部材を介してこれらを収納する可動ケース、即ち、スピンドルモータの駆動によって光ディスクの半径方向に移動する可動ケースに伝達され、騒音を発生する。このために、従来では、かかる振動による騒音を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図10はかかる特許文献1に記載の従来の対物レンズ駆動装置を示す分解斜視図である。
同図において、対物レンズ22を保持するレンズホルダ21は、4枚の板バネなどによる支持体23により、フォーカス補正動作自在に支持されている。ピックアップシャーシ25の上下面には夫々、支持面25a,25bが形成されており、レンズホルダ21の上面側に端部が固定された2枚の支持体23が支持面25aに接着固定され、同じく下面側に端部が固定された他の2枚の支持体23が支持面25bに接着固定されている。
ピックアップシャーシ25には、その両側に一対の貫通した摺動穴25cが設けられており、これら夫々の摺動穴25cに図示しないガイドが挿通されて、ピックアップシャーシ25が、従って、対物レンズ22がこのガイドに沿って、即ち、光ディスクの半径方向(光ディスク上の情報トラックを横断する方向;トラッキング方向)に移動自在となっている。
また、ピックアップシャーシ25の両側面には、リニアモータ(図示せず)の駆動コイル31が設けられており、このリニアモータにより、ピックアップシャーシ25がトラッキング方向へ駆動される。この駆動力に応じて、所望情報トラックへの高速アクセスや、対物レンズ22から照射される光ビームのスポットを光ディスク上の情報トラックに追従させるためのトラッキング制御動作が行なわれる。
ピックアップシャーシ25からは弾性支持部材29が片持ち状態で光ディスクの半径方向に伸延しており、その先端部にヨーク26とマグネット(永久磁石)27とが固定されている。フォーカスコイル24に電流が流されると、この電流とマグネット27からの磁界との相互作用による所定の電磁力が発生し、この電磁力がフォーカスコイル24の駆動力となり、これによってレンズホルダ21が駆動される。
この駆動力に対して、マグネット27に反力が伝わり、この反力による振動が弾性支持部材29で減衰されながらピックアップシャーシ25に伝達される。さらに、弾性支持部材29の表面には、制振部材32が設けられている。この制振部材32は、弾性支持部材29の表面に接着された粘弾性シート並びにその表面に接着された拘束金属板とから構成されている。この制振部材32により、弾性支持部材29が大きな振幅で振動することが防止でき、これによってヨーク26からピックアップシャーシ25に伝わる振動が減衰される。
特許第2741092号公報
ポータブルカメラなど内蔵マイクを備えた記録装置などでは、対物レンズ駆動装置の振動による騒音が問題となっている。この騒音は対物レンズ駆動回路の推力による振動が原因の一つとなっており、かかる振動を減衰させることが必要であって、その方法としては、まず、ヨーク自身の重量を重くしたり、可動ケースの剛性や重量を重くしたりする方法や問題になる周波数帯域を変える方法があるが、装置の小型・軽量化にとって弊害となってしまう。
また、上記特許文献1に記載の従来技術のように、ヨークなどの磁気回路を弾性部材で支持することで振動を減衰する方法もあるが、この場合、かかる磁気回路を特別に成型された別部材(即ち、弾性部材)で支持する構成となっており、部品点数が増加するという問題があった。
さらに、対物レンズ駆動装置がかかる別部材を用いて構成されているため、構成部品が多くなった分、各部材の精度や組立て精度により、従来のかかる別部材を用いないときの構成よりも磁気回路の位置決めや垂直・平行度を出すのが難しくなり、対物レンズ駆動装置の周波数特性を安定化することができないし、また、微少な隙間を必要とする永久磁石とコイルとの間の隙間がなくなって互いに接触し合ってしまうという動作不良を起こすなどの問題もあった。
本発明の目的は、かかる問題を解消し、対物レンズの駆動手段の推力による振動を減衰させながら、装置の小型・軽量化を可能とし、部品点数を増加させることなく、磁気回路の位置精度を確保して騒音も抑制できるようにした対物レンズ駆動装置の振動抑制機構を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、光ディスクレーザ光を集光する対物レンズや該対物レンズを変位させるためのコイルを保持するレンズホルダと、レンズホルダを複数の弾性部材を介してフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動可能に保持する固定ホルダと、レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動させるための磁気回路を形成するヨークと永久磁石とが設けられた駆動手段とを備えた対物レンズ駆動装置において、固定ホルダに一体成形された弾性部材で該ヨークを支持する構成としたものである。
この構成により、駆動回路の推力による振動を減衰させながら、小型・軽量化を可能にし、部品点数が増加することなく、磁気回路の位置精度の低下を防止して騒音も抑制できる。
固定ホルダに一体成形された弾性部材は複数個設けられているものである。
この構成により、磁気回路の位置決めや垂直・平行度を高精度に保持することが容易となる。
固定ホルダに一体成形で設けた弾性部材は互いに異なる平面上に設けられているものである。
この構成により、ヨークの振動による挙動を片持ちの回転動作から並進動作とすることができるので、さらに、ヨークと対物レンズを駆動するコイルとの隙間を小さくでき、小型・薄型化に有利になる。また、弾性部材のヨークへの接合場所を適宜設定することにより、不具合が出るようなある特定の振動を抑えることも可能である。
また、本発明は、光ディスクレーザ光を集光する対物レンズや対物レンズを変位させるためのコイルを保持するレンズホルダと、レンズホルダを複数の弾性部材を介してフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動可能に保持する固定ホルダと、レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動させるための磁気回路を形成するヨークと永久磁石とが設けられた駆動手段とを備えた対物レンズ駆動装置であって、固定ホルダにインサート成型された金属製の弾性部材で該ヨークを支持する構成としたものである。
この構成により、駆動回路の推力による振動を減衰させながら、小型・軽量化を可能にし、部品点数が増加することなく、磁気回路の位置精度の低下を防止して騒音も抑制できる。
また、本発明は、レンズホルダを固定ホルダで保持するための弾性部材は、固定ホルダに設けられた開孔内で振動減衰用のダンピング剤を介して、固定ホルダに取り付けられている構成としたものである。
この構成により、レンズホルダで生ずる振動も低減できる。
本発明によれば、対物レンズの動作時の振動を抑制でき、小型・軽量化が実現できて部品点数を増やすことなく、良好な振動特性を確保することができるし、弾性部材を一体化することで、部品精度も維持できる構成とすることが可能である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明による対物レンズ駆動装置の振動抑制機構の第1の実施形態を示す斜視図であって、1は固定ホルダ、1aは開孔、1bは突出部、2はサスペンション、3は対物レンズ、4はレンズホルダ、4aは突起部、5は永久磁石、6はトラッキングコイル、7はフォーカスコイル、8は弾性部材、9はヨーク、10はプリント基板である。
同図において、固定ホルダ1は、上方から見て(即ち、Z軸方向から見て)、前面の両側が突出したコの字状をなし、かかる両側の突出部1bの底面から夫々板状の弾性部材8がX軸方向に伸延しており、これら弾性部材8の先端部にヨーク9が取り付けられている。即ち、これら弾性部材8により、ヨーク9が固定ホルダ1に支持されている。このヨーク9には、4個の永久磁石5が取り付けられている。これら弾性部材8は、固定ホルダ1と一体成形されたものである。
また、固定ホルダ1のこれら突出部1bに夫々、弾性部材としての直線状のサスペンション2が2本ずつ、上下に配置されるようにして、合計4本の互いに平行なサスペンション2が取り付けられている。これらサスペンション2も、その長手方向がX軸方向に設定されている。これらサスペンション2の先端部は夫々、レンズホルダ4の両側面に設けられた該当する突起部4aの貫通穴に通されている。このようにして、レンズホルダ4は、4本のサスペンション2でもって固定ホルダ1に支持されている。
レンズホルダ4は、その中心部で対物レンズ3を保持し、また、この対物レンズ3の両側にトラッキングコイル6とフォーカスコイル7とを保持しており、これらトラッキングコイル6とフォーカスコイル7とが対物レンズ3に対してY軸方向(即ち、X軸方向に対して直交する方向)に配置されるようにして、上記のように、対物レンズ駆動装置に取り付けられる。また、ヨーク9には、レンズホルダ4の一方側のトラッキングコイル6とフォーカスコイル7とを挟むようにして、2つの永久磁石が設けられ、レンズホルダ4の他方側のトラッキングコイル6とフォーカスコイル7とを挟むようにしても、2つの永久磁石が設けられている。このようにして、レンズホルダ4の両側において夫々、2つの永久磁石5とヨーク9とによって磁気回路が形成され、この磁気回路中にトラッキングコイル6とフォーカスコイル7とが設けられている。従って、トラッキングコイル6にトラッキング制御信号による電流を流すことにより、かかる磁気回路の磁界とこの電流とが作用し合って、レンズホルダ4、従って、対物レンズ3がトラッキング方向(Y方向)に変位し、フォーカスコイル7にフォーカス制御信号による電流を流すことにより、かかる磁気回路の磁界とこの電流とが作用し合って、レンズホルダ4、従って、対物レンズ3がフォーカス方向(Z方向)に変位する。
ヨーク9は、図2に示すように、2つの壁部9a,9bとこれらを結ぶ底部9cとからなる略コの字状をなしており、その中央部の壁部9aから底部9cを経て壁部9bに至る切欠部9dが設けられている。この切欠部9dにより、壁部9aの壁部9bに対向する内壁面は2つの内壁面9a1,9a2に分けられ、壁部9bの壁部9aに対向する内壁面も、2つの内壁面9b1,9a2に分けられている。これら内壁面9a1,9a2,9b1,9b2に夫々、図1に示すように、永久磁石5が取り付けられる。
また、底部9cも、切欠部9dにより、2つの底面9c1,9c2に分けられており、この底部9cと間隔を明けて、図1に示すレンズホルダ4が、その対物レンズ3が切欠部9dに対向するように、かつこの対物レンズ3の両側のトラッキングコイル6とフォーカスコイル7との組が夫々底面9c1,9c2と対向するように、ヨーク9に対して配置される。これにより、対物レンズ3の両側のトラッキングコイル6とフォーカスコイル7との組が夫々、図1に示すように、2つの永久磁石5の間に配置されることになる。
底面9c1,9c2夫々の内壁面9a1,9a2側で、かつ切欠部9dとは反対側に、突起部9e1,9e2が形成されており、これら突起部9e1,9e2に夫々図1に示す固定ホルダ1から伸延した弾性部材8の先端が接着剤などによって固定される。これにより、ヨーク9がかかる弾性部材8によって固定ホルダ1で支持される。なお、かかる突起部9e1,9e2を設ける代わりに、例えば、内壁面9a1,9a2側に弾性部材8の嵌込穴を設け、これに弾性部材8の先端を圧入して弾性部材8をヨーク9に接続するようにしてもよい。
図1に戻って、直線状サスペンション1夫々の他端は、固定ホルダ1の前面突出部から固定ホルダ1に設けられた開孔1aを通して、プリント基板10に取り付けられる。この開孔1a内に、振動減衰用のダンピング剤が注入されている。
図3は光ディスク上での図1に示す対物レンズ駆動装置を上方からみた上面図であって、11は光ディスクであり、図1に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
同図において、この第1の実施形態の対物レンズ駆動装置が光ディスク装置に取り付けられている状態では、レンズホルダ4に接続されたサスペンション2やヨーク9に接続された弾性部材8は、その長手方向が光ディスク11上の上方トラックの接線方向でかつ光ディスク11の面に平行になるように、配置される。このため、このレンズホルダ4は光ディスク11の半径方向及びその面に垂直な方向(即ち、上下方向)に移動することができ、対物レンズ3は、レンズホルダ4に固定されたフォーカスコイル6に電流を流すことによって生ずる推力(以下、フォーカスコイル6の推力という)により、フォーカス方向(Z方向)に、トラッキングコイル7に電流を流すことによって生ずる推力(以下、トラッキングコイル7の推力という)により、トラッキング方向(Y方向)に駆動される。
光ディスク11上の情報トラックに高精度で光スポットを位置付け、かつ集光させるために、かかるフォーカスコイル6やトラッキングコイル7の推力で対物レンズ3を駆動するものであり、常に対物レンズ3の中央がかかる情報トラックの中心と対向するように、対物レンズ3を光ディスク11の半径方向に移動させて光スポットが情報トラックに追従させるトラッキング制御が行なわれ、対物レンズ3の中心と図示していない光学系で形成されて光ビームの中心が一致し、対物レンズ3から出射した光が形成する光スポットの焦点が光ディスク11上の記録面に一致するように、対物レンズ3を光ディスク11の面に対して上下方向に移動させて光スポットの焦点位置を光ディスク11の面に追従させるフォーカス制御が行なわれる。
ところで、このような追従制御を行なうと、レンズホルダ4をY軸方向やZ軸方向に動かそうとする推力により、対物レンズ3に振動が伝わる。この振動により、光ディスク11上に形成される光スポットの焦点が安定せず、光ディスク11から反射して光学系に戻る光量が低下して再生信号の振幅が低下し、読み出しエラーを起こす可能性が高くなる。これを防止するために、この第1の実施形態では、上記のように、レンズホルダ4に接続されたサスペンション1を固定ホルダ1に直接接続するのではなく、サスペンション1が通る固定ホルダ1の開孔1a内に振動減衰用のダンピング剤が注入されており、動作時の対物レンズ3の振動が大きくならないように、この振動をこのダンピング剤で減衰させるようにしている。つまり、対物レンズ3からの振動がこのダンピング剤によって吸収され、固定ホルダ1に伝わらないことになる。これにより、光スポットの安定な焦点形成を確保している。
また、磁気回路を形成するヨーク9には、トラッキングコイル6やフォーカスコイル7の推力とは逆の反力が働く。この反力によってヨーク9が振動し、この振動が対物レンズ駆動装置を保持する可動ケース(図示せず)を振動させる原因になる。この場合、ヨーク9は、弾性部材8によって片持ち状に支持されているため、弾性部材8の固定ホルダ1側端部を中心とする反復回転動作で振動する。
ヨーク9から可動ケースへの振動の伝達について、従来の対物レンズ駆動装置とこの第1の実施形態とをモデリングした図4を用いて説明する。
図4(a)は従来の対物レンズ駆動装置のモデリングを示すものであって、固定ホルダ1はヨーク9上に配置されて接着剤12aなどで固定される。また、このヨーク9は、ネジや接着剤12b,12cにより、スピンドルモータ(図示せず)によって光ディスクの半径方向に駆動される可動ケース13に固定されている。
かかる構成によると、上記のフォーカス制御やトラッキング制御のためにレンズホルダ4を動作させる磁気回路による推力が働くと、ヨーク9にその反力が働き、これによってヨーク9に振動が生じ、この振動は直接可動ケース13に伝達される。この振動の周波数が可動ケース13の固有振動数に一致すると、可動ケース13で振動が増幅されて共振や騒音となって現れる。このため、従来の対物レンズ駆動装置では、可動ケース13の各固有振動数付近において、位相の乱れや騒音が大きくなるが、可動ケース13の重量や剛性を調整することにより、サーボが制御できるレベルまでにすることが可能であったが、このようにすると、小型・薄型化には適していない構成となってしまう。
図4(b)はこの第1の実施形態のモデリングを示すものであって、上記のように、固定ホルダ1と一体成形した弾性部材8にヨーク9を接続した構成としており、また、ヨーク9を可動ケース13に固定せず、固定ホルダ1を接着剤12で可動ケース13と固定する構成としている。
かかる構成によると、レンズホルダ4に対する推力の反力によるヨーク9の振動は、まず、固定ホルダと一体成形された弾性部材8を介して固定ホルダ1に伝わり、しかる後、固定ホルダ1から可動ケース13に伝わるが、弾性部材8と固定ホルダ1との一体成形品の固有振動数を所定に設定することにより、この伝達過程で弾性部材8によってこの振動が減衰されることになり、直接可動ケース13には伝わらずに、ヨーク9からの振動による位相の乱れや騒音が改善されることになる。
なお、図10に示す従来の対物レンズ駆動装置では、ヨーク26の弾性支持部材29による片持ち構成が採られており、この弾性支持部材29とピックアップシャーシ25とを一体成形すると、磁気回路による推力に対する反力によるヨーク26からの振動はこの弾性支持部材29で吸収できる。
しかし、レンズホルダ21は、ピックアップシャーシ25に固定された板ばねからなる支持体23に接続されることにより、ピックアップシャーシ25で支持された構成をなしているので、フォーカスコイル24に電流を流すことによってフォーカス制御を行なうとき、レンズホルダ21を動かそうとする推力による振動は、これを吸収するものがないため、支持部材23を介してそのままピックアップシャーシ25に伝達されることになる(この第1の実施形態では、かかる振動を固定ホルダ1の開孔1a(図1)に注入されているダンピング剤によって吸収される)。また、ピックアップシャーシ25には、トラッキング方向用の駆動コイル31が設けられているので、トラッキング制御のためにこの駆動コイル31を駆動すると、この駆動の反力により、ピックアップシャーシ25に振動が伝達される。
このように、ヨーク26からの振動を減衰させることができるとしても、レンズホルダ21やトラッキング方向用の駆動コイル31からの振動が全てピックアップシャーシ25に伝わることになり、これによってピックアップシャーシ25が共振してしまうこともある。
また、これら2つの振動、即ち、レンズホルダ21からの振動と駆動コイル31からの振動との周波数が異なる場合もあり、このような場合には、ピックアップシャーシ25と弾性支持部材29とを一体成形化すると、その固有振動数は1つとなる。この固有振動数をヨーク26からの振動を減衰させるように設定すると、このように設定されて固有振動数がこれら2つの振動のうちの1つに近いものとなってかかる一体成形品が共振してしまうことになる場合もあり、2つの振動を抑制できる構成にすることが難しくなる。このため、従来の対物レンズ駆動装置では、ピックアップシャーシ25と弾性支持部材29とを別ピースで構成し、これらの固有振動数を異ならせて夫々の振動を低減するようにしている。
図5はこの第1の実施形態での弾性部材8が一体成形された固定ホルダ1と磁気回路の構成を示した斜視図であり、図6は弾性部材8が一体成形された固定ホルダ1を示す側面図であって、前出図面に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
図5において、固定ホルダ1と弾性部材8は、図6に示すように、一体成形されたものであって、この弾性部材8の先端が、図2などで説明したように、ヨーク9に接続されている。また、ヨーク9は図2で示す構成をなしていて、先に説明したように、永久磁石5が取り付けられて磁気回路が構成され、磁場が形成されている。これら永久磁石5間の磁場中のにトラッキングコイル6とフォーカスコイル7とが配置されており、これらコイル6,7に電流を流すことにより、トラッキング制御やフォーカス制御のための推力が発生する。
従来の対物レンズ駆動装置では、図4(a)で説明したように、ヨーク9が固定ホルダ1を接着され、また、ヨーク9と固定ホルダ1とが可動ケース13に接着された構成をなしているか、あるいはまた、振動を低減させるために、図10に示すように、接着剤やカシメなどにより、ヨーク26を弾性支持部材29を介してピックアップシャーシ25に取り付けた構成となしている。
このような従来の対物レンズ駆動装置では、磁気回路を多くの部材で支持する構成となるため、部品点数が増加し、各部材の精度や組立て精度に応じて、磁気回路の位置決め、垂直・平行度を出すのが難しくなり、対物レンズ駆動装置の周波数特性を安定にできないし、また、微少な隙間を必要とするマグネット27とフォーカスコイル24との隙間を大きく取らざるを得なくなり、この隙間を小さく設定すると、上記精度のバラツキにより、隙間が無くなってマグネット27とフォーカスコイル24とが接触してしまい、動作不良を引き起こしてしまうなどの問題もあった。
しかし、図5及び図6に示すこの第1の実施形態では、弾性部材8が固定ホルダ1と一体成形されているので、組立てのバラツキなどを抑えることができ、これら弾性部材8と固定ホルダ1との一体成形品を作成するにしても、成型機で高い寸法精度も出し易く、部品点数が増加することなく、振動を抑える構成とすることができる。このように、寸法精度が出易くなると、永久磁石5とコイル6,7との隙間を、弾性部材8を固定ホルダ1と別部材で構成するより大きく取る必要がなくなるので、従来の対物レンズ駆動装置と同様の小型化が可能となる。
ここで、ヨーク9の振動を減衰するための弾性部材8の条件としては、
1.柔らかい方が良いが、落下強度や磁気回路などのずれを考えると、あまり柔らかくはできない。
2.硬すぎると、他の振動周波数とぶつかってしまう。
3.5kHz近傍の周波数を30〜40dB低減したい。
という点を考慮する。
まず、上記3の条件は、振動性二次要素であるので、40dB/decで計算すると、弾性部材8の固有振動数は、
1)30dB低減:5000Hz÷1030/40=889Hz
2)40dB低減:5000Hz÷1040/40=500Hz
が望ましい。そして、上記1,2の点も考慮すると、弾性部材8の固有振動数は800Hzが望ましいことになる。
実設計では、弾性部材8の長手方向は装置の大きさに制約され、ある程度設計段階で決まってしまうので、実際に変えられるのは、弾性部材8の材料の剛性または厚みとなる。この第1の実施形態では、固定ホルダ1との共用(一体成形化)を図っているので、固定ホルダ1の材料が決まると、弾性部材8の材料も決まってしまう。そこで、弾性部材8の固有振動数は厚みでもって所定の値とするようにした。
その計算結果を図7に示す。この第1の実施形態では、上記のように、弾性部材8の固有振動数を800Hzとするので、図7より、弾性部材8の厚みは2.1mmとなる。
かかる弾性部材8で落下強度や磁気回路などのずれ,他の振動数との共振に対して問題がないことが実験で確認された。また、シミュレーションでは、従来の対物レンズ駆動装置と比較して、この第1の実施形態では、
1.2〜3kHz(ヨーク剛体モード)の応答が1/5以下
2.5kHz付近(可動ケース曲げモード)で応答が1/5以下
3.4kHz付近(可動ケースねじりモード)で応答が1/3
という結果も得ている。振動応答が低減されたのは、弾性部材8による弾性支持でヨーク9から可動ケース13への振動伝達が遮断されたためといえる。
図8は本発明による対物レンズ駆動装置の振動抑制機構の第2の実施形態を示す縦断面図であって、8aは板状の弾性部材であり、前出図面に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。この縦断面図は、図1を参照すると、弾性部材8に沿う断面図である。
図8において、この第2の実施形態では、先の第1の実施形態の構成に対し、さらに、固定ホルダ1の両側の突出部1bの上面側からも板状の弾性部材8aが夫々伸延している。即ち、固定ホルダ1には、その両側の突出部1b毎に、その底面側から伸延する弾性部材8と上面側から伸延する弾性部材8aとが一体成形されている。これら4本の弾性部材8,8aにより、ヨーク9の両側で上下部分が支持されることになり(即ち、図5を例にとると、ヨーク9の上部の両側が、弾性部材8と対向した配置の弾性部材8aと接続される)。
ここで、これら弾性部材8aの長さを弾性部材8の長さと略等しくし、図2において、ヨーク9の壁部9aの上部に突起部9e1,9e2に対向する突起部を形成し、これらにかかる弾性部材8aの先端を固定することにより、ヨーク9の反力による振動は反復並進動作となり、ヨーク9の振動方向もレンズホルダ4の振動方向と同じZ軸方向となる。このように、ヨーク9とレンズホルダ4との振動方向が同じとなるので、ヨーク9やレンズホルダ4が振動しても、このヨーク9での永久磁石5とコイルとがぶつかることはない。このため、かかる永久磁石5とコイル、特に、トラッキングコイル6との間の隙間を小さくすることができき、ヨーク9のX軸方向の長さを小さくすることができて、装置の小型化,薄型化が実現できる。
弾性部材8,8aのヨーク9への接合場所を適宜設定することにより、不具合が生ずるようなある特定の振動を抑えることも可能である。
図9は本発明による対物レンズ駆動装置の振動抑制機構の第3の実施形態の要部を示す図であって、8bは弾性部材であり、前出図面に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
同図において、この第3の実施形態では、弾性部材8bを固定ホルダ8にインサート成型したものである。この弾性部材8bは金属板からなり、固定ホルダ1にインサート成型されるので、先の実施形態のように一体成形する場合と同様、部品の精度を確保することができる。
これ以外の構成は、図1に示す構成と同様であり、また、図8に示した第2の実施形態においても、弾性部材8,8aを金属板とし、固定ホルダ1にインサート成型するように構成することもできる。
ここで、弾性部材8,8a,8bの厚みや材料の合成を適宜選ぶことにより、かかる弾性部材8,8a,8bを所定の固有振動数に対応させることができる。先の第1,第2の実施形態のように、弾性部材8,8aを固定ホルダ1と一体成形する場合、弾性部材8,8aは固定ホルダ1と同材質となり、固定ホルダ1がプラスチックで形成されることから、弾性部材8,8aもプラスチックで構成されることになる。この場合、図7で説明したように、固有振動数を800Hzにするために、かかる弾性部材8,8aの厚みを2.1mmにする。これに対し、図9で示す上記第3の実施形態のように、弾性部材8bを金属のバネ部材とした場合、金属の方がヤング率が高いので、一体成型するプラスチックの弾性部材8,8aと同形状で固有振動数を800Hzにするためには、一般的な金属のヤング率で考慮すると、その厚みは約0.3mmになり、薄型化には有利な構成とすることができる。
以上の実施形態で説明したように、本発明は、磁気回路となるヨーク9に起因する振動を、このヨーク9自身の剛性や重量を重くしたり、可動ケースの剛性や重量を重くしたりしないで、振動応答を減衰することができるので、装置の小型・軽量化に適した構成とすることができる。また、用途がパソコンの場合には問題とならなかった対物レンズ駆動装置の振動による騒音も、ポータブルカメラなど内蔵マイクを備えている記録装置などでは、問題となってしまうことがあったが、本発明によると、かかる記録装置での騒音も低減できる構成となっている。さらに、ヨークを支持する弾性部材を固定ホルダと一体成形することにより、部品点数が増加することもなく、部品精度も確保できる。
本発明による対物レンズ駆動装置の振動抑制機構の第1の実施形態を示す斜視図である。 図1におけるヨークの一具体例を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の平面図である。 従来の対物レンズ駆動装置と図1に示す実施形態との可動ケースと磁気回路の接続方法の原理を説明する図である。 図1に示す実施形態の磁気回路と弾性部材との接続方法の原理を説明する図である。 図1における弾性部材が一体成形された固定ホルダの一具体例を示す側面図である。 本発明の弾性部材の厚みと固有振動数の相関図である。 本発明による対物レンズ駆動装置の振動抑制機構の第2の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の他の実施形態で弾性部材を金属のインサート成形した側面図である。 従来の対物レンズ駆動装置の振動抑制機構の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1 固定ホルダ
1a 開孔
1b 突出部
2 サスペンション
3 対物レンズ
4 レンズホルダ
5 永久磁石
6 トラッキングコイル
7 フォーカスコイル
8,8a,8b 弾性部材
9 ヨーク
10 プリント基板
11 光ディスク
12,12a〜12c 接着剤
13 可動ケース

Claims (5)

  1. 光ディスクレーザ光を集光する対物レンズや該対物レンズを変位させるためのコイルを保持するレンズホルダと、該レンズホルダを複数の弾性部材を介してフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動可能に保持する固定ホルダと、該レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動させるための磁気回路を形成するヨークと永久磁石とが設けられた駆動手段とを備えた対物レンズ駆動装置において、
    該固定ホルダに一体成形された弾性部材で該ヨークを支持する構成としたことを特徴とする対物レンズ駆動装置の振動抑制機構。
  2. 請求項1において、
    前記固定ホルダに一体成形された該弾性部材は複数個設けられていることを特徴とする対物レンズ駆動装置の振動抑制機構。
  3. 請求項2において、
    前記固定ホルダに一体成形された該弾性部材は互いに異なる平面上に設けられていることを特徴とする対物レンズ駆動装置の振動抑制機構。
  4. 光ディスクレーザ光を集光する対物レンズや該対物レンズを変位させるためのコイルを保持するレンズホルダと、該レンズホルダを複数の弾性部材を介してフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動可能に保持する固定ホルダと、該レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動させるための磁気回路を形成するヨークと永久磁石とが設けられた駆動手段とを備えた対物レンズ駆動装置において、
    該固定ホルダにインサート成型された金属製の弾性部材で該ヨークを支持する構成としたことを特徴とする対物レンズ駆動装置の振動抑制機構。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の対物レンズ駆動装置の振動抑制機構であって、
    前記レンズホルダを固定ホルダで保持するための前記弾性部材は、前記固定ホルダに設けられた開孔内で振動減衰用のダンピング剤を介して、前記固定ホルダに取り付けられていることを特徴とする対物レンズ駆動装置の振動抑制機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1968299B (zh) * 2005-11-19 2011-06-08 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 便携式电子装置

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